JP2018154804A - ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法、およびその重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
本発明のポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法は、
アミノ酸と、ギ酸またはギ酸エステルからアミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(1);
前記ホルムアミド変性アミノ酸と、ポリアルキレングリコール類とを縮合することで、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(2);ならびに
前記、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸と、ハロゲン化ホスホリルとを塩基の存在下反応させる工程(3);
を有する。
【効果】
ホスゲンなどの毒性の高い物質を使うことなく、トータル収率の高い、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法を提供することができる。
【選択図】図1
本発明のポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法は、
アミノ酸と、ギ酸またはギ酸エステルからアミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(1);
前記ホルムアミド変性アミノ酸と、ポリアルキレングリコール類とを縮合することで、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(2);ならびに
前記、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸と、ハロゲン化ホスホリルとを塩基の存在下反応させる工程(3);
を有する。
【効果】
ホスゲンなどの毒性の高い物質を使うことなく、トータル収率の高い、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法を提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法、およびその重合体の製造方法に関する。
温度感応性ポリマーとは、熱に感応して、固相、液相、および気相間で相転移する化合物であり、温度感応性ポリマーを使って、例えば、細胞培養用の基材、温度応答性クロマトグラフィー、および薬物キャリア等のライフサイエンス関連の開発が行われている。
ライフサイエンス関連に適用する温度感応性ポリマーには、水溶性や生体適合性が必要であり、このような性質を有する温度感応性ポリマーとしては、ポリアルキレングリコール構造を有するイソシアニド化合物の重合体が知られている(特許文献1参照)。
公知のポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の合成方法では、毒性の高いホスゲンを使う工程があり且つトータル収率が低い、という問題があり、量産化するには問題がある。
本発明は上述の課題を解決するものであり、ホスゲンなどの毒性の高い物質を使うことなく、トータル収率の高い、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法を提供すること、およびポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、以下の[1]〜[2]である。
[1]アミノ酸と、ギ酸またはギ酸エステルからアミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(1);
前記ホルムアミド変性アミノ酸と、ポリアルキレングリコール類とを縮合することで、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(2);ならびに
前記、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸と、ハロゲン化ホスホリルとを塩基の存在下反応させる工程(3);
を有することを特徴とする、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法。
[1]アミノ酸と、ギ酸またはギ酸エステルからアミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(1);
前記ホルムアミド変性アミノ酸と、ポリアルキレングリコール類とを縮合することで、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(2);ならびに
前記、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸と、ハロゲン化ホスホリルとを塩基の存在下反応させる工程(3);
を有することを特徴とする、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法。
[2]前記工程(1)〜(3)、ならびにポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物を付加重合する工程(4)を有する、重合体の製造方法。
本発明のポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法は、ホスゲンなどの毒性の高い物質を使うことなく、トータル収率を高く、前記イソシアニド化合物を製造することができる。
<ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法>
本発明のポリアルキレングリコール構造を有するイソシアニド化合物(以下、「イソシアニド化合物」ともいう)の製造方法は、アミノ酸と、ギ酸またはギ酸エステルからアミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(1);
前記ホルムアミド変性アミノ酸と、ポリアルキレングリコール類とを縮合することで、ポリアルキレングリコール構造を有するホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(2);ならびに
前記、ポリアルキレングリコール構造を有するホルムアミド変性アミノ酸と、ハロゲン化ホスホリルとを塩基の存在下反応させる工程(3);
を有する。
本発明のポリアルキレングリコール構造を有するイソシアニド化合物(以下、「イソシアニド化合物」ともいう)の製造方法は、アミノ酸と、ギ酸またはギ酸エステルからアミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(1);
前記ホルムアミド変性アミノ酸と、ポリアルキレングリコール類とを縮合することで、ポリアルキレングリコール構造を有するホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(2);ならびに
前記、ポリアルキレングリコール構造を有するホルムアミド変性アミノ酸と、ハロゲン化ホスホリルとを塩基の存在下反応させる工程(3);
を有する。
本発明のイソシアニド化合物の製造方法によれば、ホスゲンなどの毒性の高い物質を使うことなく、原料であるアミノ酸の使用量を基準にすると、収率30mol%以上でポリアルキレングリコール構造を有するイソシアニド化合物を製造することができる。
[工程(1)]
工程(1)は、アミノ酸と、ギ酸またはギ酸エステルからアミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程である。
工程(1)は、アミノ酸と、ギ酸またはギ酸エステルからアミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程である。
アミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る方法は、従来から知られているギ酸またはギ酸エステルを用いたアミノ基のホルムアミド化反応を用いれば良い。
アミノ酸としては、アラニン、リシン、アルギニン、パリン、ヒスチジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、システイン、グリシン、およびイソロイシン等が挙げられる。アミノ酸としては、光学異性体としてD体であってもL体であってもよく、ジペプチドやアミノ酸アナログであってもよい。
前記ギ酸エステルとしては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、およびギ酸プロピル等のギ酸アルキルエステルが挙げられる。
アミノ酸としては、アラニン、リシン、アルギニン、パリン、ヒスチジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、システイン、グリシン、およびイソロイシン等が挙げられる。アミノ酸としては、光学異性体としてD体であってもL体であってもよく、ジペプチドやアミノ酸アナログであってもよい。
前記ギ酸エステルとしては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、およびギ酸プロピル等のギ酸アルキルエステルが挙げられる。
ギ酸やギ酸エステルの使用量は、アミノ酸のアミノ基1molに対して、通常、0.1〜50molである。
また、前記ホルムアミド化反応には、通常、溶媒が用いられ、ギ酸やギ酸エステル、およびアミノ酸は溶媒で薄めて用いられる。前記溶媒としては、アミノ酸およびギ酸やギ酸エステルを溶解または懸濁可能な化合物であればよく、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびブタノール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、および酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒;ホルムアミド、およびモノメチルホルムアミ等のアミド系溶媒;ならびにこれらの混合溶媒;を挙げることができる。
また、ギ酸やギ酸エステルを溶媒として用いてもよい。これら溶媒は、通常、脱水溶媒を使う。
また、前記ホルムアミド化反応には、通常、溶媒が用いられ、ギ酸やギ酸エステル、およびアミノ酸は溶媒で薄めて用いられる。前記溶媒としては、アミノ酸およびギ酸やギ酸エステルを溶解または懸濁可能な化合物であればよく、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびブタノール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、および酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒;ホルムアミド、およびモノメチルホルムアミ等のアミド系溶媒;ならびにこれらの混合溶媒;を挙げることができる。
また、ギ酸やギ酸エステルを溶媒として用いてもよい。これら溶媒は、通常、脱水溶媒を使う。
前記反応は、通常、加熱することにより進行し、その加熱温度は、10〜150℃、好ましくは15〜120℃であり、反応時間は、通常、0.5時間以上である。
前記反応は、反応容器中にアミノ酸とギ酸の全量を同時に入れ、反応させることもできるが、前記反応は発熱反応であるため、ギ酸やギ酸エステル、もしくはアミノ酸を滴下することにより、発熱を制御しながら進行させることもできる。
また、反応開始時には常温付近で反応熱を利用し、その後、加熱温度を、例えば、前記加熱温度より5〜20℃上昇させることにより、反応収率を上げることもできる。
さらに、前記反応は、反応により生成する、水、もしくはメタノールまたはエタノール等のアルコール類を除去しながら行ってもよい。
前記反応は、反応容器中にアミノ酸とギ酸の全量を同時に入れ、反応させることもできるが、前記反応は発熱反応であるため、ギ酸やギ酸エステル、もしくはアミノ酸を滴下することにより、発熱を制御しながら進行させることもできる。
また、反応開始時には常温付近で反応熱を利用し、その後、加熱温度を、例えば、前記加熱温度より5〜20℃上昇させることにより、反応収率を上げることもできる。
さらに、前記反応は、反応により生成する、水、もしくはメタノールまたはエタノール等のアルコール類を除去しながら行ってもよい。
前記反応には、水酸化ナトリウム、および水酸化リチウム等の塩基性触媒を用いてもよく、無水酢酸を触媒として用いてもよい。
前記反応は、通常、水などを添加して希釈することにより反応を終了させる。反応終了後は、通常行われる精製を行うことで、純度の高いホルムアミド変性アミノ酸を得ることができる。
例えば、希釈した反応液に過剰に存在するギ酸やアミノ酸を中和したり、希釈した反応液や中和後の反応液を蒸留水により、液−液洗浄したり、液−液洗浄後の反応液を減圧蒸留したり、反応液を再結晶化により精製したりして、純度の高いホルムアミド変性アミノ酸を得ることができる。
例えば、希釈した反応液に過剰に存在するギ酸やアミノ酸を中和したり、希釈した反応液や中和後の反応液を蒸留水により、液−液洗浄したり、液−液洗浄後の反応液を減圧蒸留したり、反応液を再結晶化により精製したりして、純度の高いホルムアミド変性アミノ酸を得ることができる。
[工程(2)]
工程(2)は、前記工程(1)で得られたホルムアミド変性アミノ酸と、ポリアルキレングリコール類とを縮合することで、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程である。具体的には、前記ホルムアミド変性アミノ酸のカルボキシル基と、前記ポリアルキレングリコール類が有する水酸基またはアミノ基とを縮合することにより、エステル結合またはアミド結合を形成する反応を行う工程である。
工程(2)は、前記工程(1)で得られたホルムアミド変性アミノ酸と、ポリアルキレングリコール類とを縮合することで、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程である。具体的には、前記ホルムアミド変性アミノ酸のカルボキシル基と、前記ポリアルキレングリコール類が有する水酸基またはアミノ基とを縮合することにより、エステル結合またはアミド結合を形成する反応を行う工程である。
前記エステル結合や前記アミド結合を形成する縮合反応は、ポリエステルの重合や一般的なペプチドの合成方法で用いられる縮合反応により行うことができ、例えば、縮合剤を用いる方法が挙げられる。
前記縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、およびこれらの塩酸塩等のカルボジイミド系縮合剤;
O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、およびベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩等のホスフェート系縮合剤;ならびに
ジフェニルホスホリルアジド等のアジド系縮合剤;
を挙げることができる。
O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、およびベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩等のホスフェート系縮合剤;ならびに
ジフェニルホスホリルアジド等のアジド系縮合剤;
を挙げることができる。
前記縮合反応に用いられる前記縮合剤の使用量は、前記ホルムアミド変性アミノ酸のカルボキシル基1molに対して、通常、0.1〜10mol、好ましくは、0.3〜5mol、さらに好ましくは1〜3molである。
前記縮合反応では、縮合剤と共に縮合助剤を用いることができる。
前記縮合助剤としては、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン、および2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステル等を挙げることができる。
前記縮合助剤としては、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン、および2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステル等を挙げることができる。
前記縮合反応に用いられる前記縮合助剤の使用量は、前記ホルムアミド変性アミノ酸のカルボキシル基1molに対して、通常、0.1〜10mol、好ましくは、0.3〜5mol、さらに好ましくは1〜3molである。
前記縮合反応では、反応系に、求核剤や塩基を添加してもよい。
前記求核剤や前記塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウム等の無機塩基;ならびに
トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、およびピリジン等の有機塩基、を挙げることができる。
前記求核剤や前記塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウム等の無機塩基;ならびに
トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、およびピリジン等の有機塩基、を挙げることができる。
前記縮合反応は、通常、溶媒中で行われる。前記溶媒は、前記ホルムアミド変性アミノ酸、前記ポリアルキレングリコール類、前記縮合剤、前記縮合助剤および前記塩基等が、溶解または懸濁可能な化合物であればよく、例えば、水;塩化メチレン、およびクロロホルム等のハロゲン系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびヘキサメチルホスホロアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N−メチルピロリドン、およびピリジン等の塩基性溶媒;ジオキサン、ジエチルエーテルおよびテトラハイドロフラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;ならびにこれらの混合溶媒;を挙げることができる。これら溶媒は、通常、脱水溶媒を使う。
前記縮合反応は、通常、−10〜50℃の温度条件下で行う。
反応時間は、通常、1H NMRで反応率を確認しながら行われる。反応時間は、通常、1時間以上である。
また、前記縮合反応は発熱することから、例えば、縮合剤を分割して添加したりして、発熱を制御しながら反応を進行させることもできる。
反応時間は、通常、1H NMRで反応率を確認しながら行われる。反応時間は、通常、1時間以上である。
また、前記縮合反応は発熱することから、例えば、縮合剤を分割して添加したりして、発熱を制御しながら反応を進行させることもできる。
前記ポリアルキレングリコール類としては、例えば、下記式(1)に示す化合物および下記式(2)に示す化合物が挙げられる。
式(1)および式(2)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、アルキル基、脂環式炭化水素基、およびアリール基を示し、これらの基は置換基を有してもよく;
R21およびR22は、それぞれ独立に、アルカンジイル基、アリーレン基を示し、これらの基は置換基を有してもよく;
R32は、アミノ酸のカルボキシル基がエステル結合を形成して形成するアミノ酸残基を示し;
mおよびnは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。
R21およびR22は、それぞれ独立に、アルカンジイル基、アリーレン基を示し、これらの基は置換基を有してもよく;
R32は、アミノ酸のカルボキシル基がエステル結合を形成して形成するアミノ酸残基を示し;
mおよびnは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。
前記式(1)で示す化合物としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル等を挙げることができる。
前記式(2)で示す化合物は、前記式(1)で示す化合物とアミノ酸から、例えば、米国特許第8981001号公報に記載の方法により得ることができる。
具体的には、アミノ酸のアミド基をtert−ブトキシカルボニル基等の保護基で保護した後、前記式(1)で示す化合物と保護したアミノ酸との縮合反応によりエステル化し、次いで、保護基を外すことで、前記式(2)で示す化合物を得ることができる。
前記式(2)を得るのに用いられるアミノ酸としては、工程(1)で用いられるアミノ酸の例として挙げたものが挙げられる。
具体的には、アミノ酸のアミド基をtert−ブトキシカルボニル基等の保護基で保護した後、前記式(1)で示す化合物と保護したアミノ酸との縮合反応によりエステル化し、次いで、保護基を外すことで、前記式(2)で示す化合物を得ることができる。
前記式(2)を得るのに用いられるアミノ酸としては、工程(1)で用いられるアミノ酸の例として挙げたものが挙げられる。
前記縮合反応終了後は、通常行われる精製を行うことで、純度の高いポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸を得ることができる。
前記精製方法としては、例えば、クロマトグラフィー法、液−液洗浄法、再結晶法、および再沈殿法による精製方法を挙げることができる。
前記精製方法としては、例えば、クロマトグラフィー法、液−液洗浄法、再結晶法、および再沈殿法による精製方法を挙げることができる。
[工程(3)]
工程(3)は、前記工程(2)で得られたポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸と、ハロゲン化ホスホリルとを塩基の存在下反応させる工程であり、この工程により、イソシアニド化合物を製造することができる。
工程(3)は、前記工程(2)で得られたポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸と、ハロゲン化ホスホリルとを塩基の存在下反応させる工程であり、この工程により、イソシアニド化合物を製造することができる。
前記反応は、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸のホルムアミド基とハロゲン化ホスホリルとを塩基存在下で反応させることで、ホルムアミド基からの脱水によりイソシアノ基になり、イソシアニド化合物が生成するという脱水反応である。
前記ハロゲン化ホスホリルとは、リン酸の3つの水酸基のうち1〜3個の水酸基を、またはリン酸エステルの3つのアルコキシ基のうち、1〜3個のアルコキシ基をハロゲン原子に置き換えた化合物である。
具体的には、クロロリン酸、クロロリン酸ジエチル、ジクロロリン酸、ジクロロリン酸エチル、ジクロロリン酸フェニル、ジクロロアミノジホスホリルジクロリド、およびトリクロロリン酸等が挙げられる。
具体的には、クロロリン酸、クロロリン酸ジエチル、ジクロロリン酸、ジクロロリン酸エチル、ジクロロリン酸フェニル、ジクロロアミノジホスホリルジクロリド、およびトリクロロリン酸等が挙げられる。
前記脱水反応における前記ハロゲン化ホスホリルの使用量は、通常、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸のホルムアミド基1molに対して、通常、1mol以上、好ましくは1.05〜5molである。
前記塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミンが挙げられる。
前記脱水反応における前記塩基の使用量は、前記反応により副生する酸を補足するのに足りる量であればよく、通常、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸のホルムアミド基1molに対して、1mol以上、好ましくは1.5〜10molである。
前記脱水反応における前記塩基の使用量は、前記反応により副生する酸を補足するのに足りる量であればよく、通常、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸のホルムアミド基1molに対して、1mol以上、好ましくは1.5〜10molである。
前記脱水反応には、通常、溶媒が用いられ、前記ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸、前記ハロゲン化ホスホリル、および前記塩基を溶解または懸濁可能な化合物であればよい。前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、およびオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、およびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロホルム、およびクロロベンゼン等ハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、およびテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;ならびにこれらの混合溶媒;を挙げることができる。これら溶媒は、通常、脱水溶媒を使う。
前記反応は、通常、40℃未満、好ましくは−5〜10℃で行う。反応時間は、通常、12時間以上である。
前記反応終了後は、通常行われる精製を行うことで、純度の高いイソシアニド化合物を得ることができる。
前記精製方法としては、例えば、クロマトグラフィー法、液−液洗浄法、再結晶法、および再沈殿法による精製方法を挙げることができる。
前記精製方法としては、例えば、クロマトグラフィー法、液−液洗浄法、再結晶法、および再沈殿法による精製方法を挙げることができる。
本発明のイソシアニド化合物の製造方法に用いられる、アミノ酸、ギ酸やギ酸エステル、ポリアルキレングリコール類、ハロゲン化ホスホリル、および塩基、ならびに溶媒等の各工程で用いる原料は、純度の高いものを用いるのが、収率を向上させるために好ましい。
<重合体の製造方法>
本発明の重合体の製造方法は、前記「ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法」で挙げた、工程(1)〜(3)、ならびにポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物を付加重合する工程(4)を有する。
本発明の重合体の製造方法は、前記「ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法」で挙げた、工程(1)〜(3)、ならびにポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物を付加重合する工程(4)を有する。
[工程(4)]
前記工程(4)は、イソシアニド化合物を重合する工程である。重合方法は、米国特許第8981001号公報等に記載の公知の方法で行えばよい。
例えば、イソシアニド化合物を、遷移金属触媒により重合させる方法が挙げられる。前記繊維金属触媒としては、例えば、ニッケル、ロジウムなどの金属の塩や錯体が挙げられ、具体例としては、塩化ニッケル(II)6水和物、ニッケル(II)過塩素酸塩6水和物および塩化ロジウム3水和物等が挙げられる。
前記工程(4)は、イソシアニド化合物を重合する工程である。重合方法は、米国特許第8981001号公報等に記載の公知の方法で行えばよい。
例えば、イソシアニド化合物を、遷移金属触媒により重合させる方法が挙げられる。前記繊維金属触媒としては、例えば、ニッケル、ロジウムなどの金属の塩や錯体が挙げられ、具体例としては、塩化ニッケル(II)6水和物、ニッケル(II)過塩素酸塩6水和物および塩化ロジウム3水和物等が挙げられる。
前記遷移金属触媒により重合させる方法では、通常、重合溶媒を用いる。前記重合溶媒としては、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、およびジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、およびテトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチル、および酢酸ブチルなどのエステル類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミドなどのジアルキルアミド類;ならびにこれらの混合溶媒;を挙げることができる。
重合温度は、通常、0℃〜150℃、好ましくは10〜100℃である。
重合反応の終了後は、通常、メタノール等の貧溶媒を反応混合物中に添加した後、沈
殿物を分離・洗浄することにより単離・精製することができる。
以上のような手順により、本発明の重合体を製造することができる。
重合反応の終了後は、通常、メタノール等の貧溶媒を反応混合物中に添加した後、沈
殿物を分離・洗浄することにより単離・精製することができる。
以上のような手順により、本発明の重合体を製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[実施例1]ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)の製造
図1に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)を製造した。
図1に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)を製造した。
〔工程(1)〕ホルムアミド変性アミノ酸(a1)の合成
L−アラニン(13.36g、150mmol)を脱水酢酸エチル(150ml)に溶解し、溶液を氷冷浴で0℃に冷却した。これとは別に、ギ酸(9.21g、200mmol)と無水酢酸(18.38g、180mmol)を混合し、室温(23℃)で1時間攪拌し、この混合液を滴下漏斗に移して、前記冷却した溶液に、5分間で滴下した。滴下後、氷冷浴を除いた後、攪拌を1時間以上行った。
攪拌後、白濁液を濾過し、濾物を塩化メチレンで洗浄後、乾燥し、白色固体(ホルムアミド変性アミノ酸(a1))を12.7g得た。収率は、L−アラニンを基準にして、約72mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
L−アラニン(13.36g、150mmol)を脱水酢酸エチル(150ml)に溶解し、溶液を氷冷浴で0℃に冷却した。これとは別に、ギ酸(9.21g、200mmol)と無水酢酸(18.38g、180mmol)を混合し、室温(23℃)で1時間攪拌し、この混合液を滴下漏斗に移して、前記冷却した溶液に、5分間で滴下した。滴下後、氷冷浴を除いた後、攪拌を1時間以上行った。
攪拌後、白濁液を濾過し、濾物を塩化メチレンで洗浄後、乾燥し、白色固体(ホルムアミド変性アミノ酸(a1))を12.7g得た。収率は、L−アラニンを基準にして、約72mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) d ppm: 8.38 (d, J = 5 Hz, 1 H), 7.99 (s, 1 H), 4.27 (quint, J = 7.6 Hz, 1 H), 1.26 (d, J= 7.6 Hz, 3 H)
〔工程(2)〕ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)の合成
ホルムアミド変性アミノ酸(a1)(2.52g、21mmol)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(3.28g、20mmol)、およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.26g、2mmol)を脱水塩化メチレンに混合し、混合液を0℃に冷却した。前記冷却した混合液にN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.54g、22mmol、以下「DCC」と記載)を分割して入れた。得られた懸濁液を、窒素雰囲気下、室温(23℃)で48時間攪拌した。反応率は1H NMRで確認した。攪拌後の懸濁液を濾過し、濾物を塩化メチレンで洗浄後、乾燥し、無色の液体(ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2))を3.95g得た。収率は、ホルムアミド変性アミノ酸(a1)を基準にして、約68mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
ホルムアミド変性アミノ酸(a1)(2.52g、21mmol)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(3.28g、20mmol)、およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.26g、2mmol)を脱水塩化メチレンに混合し、混合液を0℃に冷却した。前記冷却した混合液にN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.54g、22mmol、以下「DCC」と記載)を分割して入れた。得られた懸濁液を、窒素雰囲気下、室温(23℃)で48時間攪拌した。反応率は1H NMRで確認した。攪拌後の懸濁液を濾過し、濾物を塩化メチレンで洗浄後、乾燥し、無色の液体(ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2))を3.95g得た。収率は、ホルムアミド変性アミノ酸(a1)を基準にして、約68mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 8.18 (s, 1 H), 6.72 (br. s, 1 H), 4.74 (quint, J = 7.6 Hz, 1 H), 4.37 - 4.27 (m, 2 H), 3.72 (t, J = 4.5 Hz, 2 H), 3.68 - 3.63 8m, 6 H), 3.57 - 3.55 (m, 2 H), 3.38 (s, 3 H), 1.46 (d, J = 7.6 Hz, 3 H).
〔工程(3)〕ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)の製造
ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)(3.95g、15mmol)を脱水テトラハイドロフラン(50ml)に溶解し、さらに、脱水トリエチルアミン(10ml、72mmol)を加え、溶液を寒剤浴で−10℃に冷却した。
次いで、三塩化ホスホリル(1.7mL、18.5mmol)を脱水テトラハイドロフラン(20ml)に溶解した溶液を、20分間かけて滴下し、溶液を寒剤浴中で1時間攪拌し、黄色懸濁液を得た。その後、前記黄色懸濁液を0℃で24時間静置し、氷水(30ml)で前記黄色懸濁液を薄め、次いで、ジエチルエーテル(50mlを3回)で抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を留去し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/アセトニトリル=7/3(重量比))で精製し、黄色の油状物(ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3))を3.11g得た。収率はポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)を基準にして、約85mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)(3.95g、15mmol)を脱水テトラハイドロフラン(50ml)に溶解し、さらに、脱水トリエチルアミン(10ml、72mmol)を加え、溶液を寒剤浴で−10℃に冷却した。
次いで、三塩化ホスホリル(1.7mL、18.5mmol)を脱水テトラハイドロフラン(20ml)に溶解した溶液を、20分間かけて滴下し、溶液を寒剤浴中で1時間攪拌し、黄色懸濁液を得た。その後、前記黄色懸濁液を0℃で24時間静置し、氷水(30ml)で前記黄色懸濁液を薄め、次いで、ジエチルエーテル(50mlを3回)で抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を留去し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/アセトニトリル=7/3(重量比))で精製し、黄色の油状物(ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3))を3.11g得た。収率はポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)を基準にして、約85mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 4.41 - 4.37 (m, 3 H), 3.76 - 3.74 (m, 2 H), 3.69 - 3.64 8m, 6 H), 3.57 - 3.54 (m, 2 H), 3.39 (s, 3 H), 1.66 (d, J = 7.6 Hz, 3 H).
実施例1のポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)の合成において、収率は、L−アラニンを基準にして、約42mol%であった。
[実施例2]ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)の製造
図2に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)を製造した。
図2に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)を製造した。
〔工程(1)〕ホルムアミド変性アミノ酸(a1)の合成
実施例1のホルムアミド変性アミノ酸(a1)の合成と同じ方法で合成した。収率は、L−アラニンを基準にして、約72mol%であった。
実施例1のホルムアミド変性アミノ酸(a1)の合成と同じ方法で合成した。収率は、L−アラニンを基準にして、約72mol%であった。
〔工程(2)〕ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(b2)の合成
窒素雰囲気下、ホルムアミド変性アミノ酸(a1)(2.95g、25.2mmol)、D−アラニン−トリエチレングリコールモノメチルエーテルエステル塩酸塩(6.84g、25.2mmol、米国特許第8981001号公報に記載の方法で準備)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(2.95g、25mmol)を脱水塩化メチレン(200ml)に懸濁し、次いで、懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.5ml、26.5mmol)を加えた。わずかに濁った混合物を0℃に冷却し、混合物にDCC(5.23g、25.6mmol)を分割して入れることで縮合反応行った。添加後の混合液を、0℃1時間攪拌し、その後、室温(23℃)で20時間攪拌した。
攪拌後の混合液を濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄後、濾液を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を留去した。得られた白色懸濁液に水(200ml)を加え、次いで濾過により、N,N’−ジシクロエチルアミノピリジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、および4−ジメチルアミノピリジンを除去した。
水をロータリーエバポレーターにて留去し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/メタノール=85/15(重量比))で精製し、明黄色の油状物(ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(b2))を7.55g得た。収率はホルムアミド変性アミノ酸(a1)を基準にして、約81mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
窒素雰囲気下、ホルムアミド変性アミノ酸(a1)(2.95g、25.2mmol)、D−アラニン−トリエチレングリコールモノメチルエーテルエステル塩酸塩(6.84g、25.2mmol、米国特許第8981001号公報に記載の方法で準備)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(2.95g、25mmol)を脱水塩化メチレン(200ml)に懸濁し、次いで、懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.5ml、26.5mmol)を加えた。わずかに濁った混合物を0℃に冷却し、混合物にDCC(5.23g、25.6mmol)を分割して入れることで縮合反応行った。添加後の混合液を、0℃1時間攪拌し、その後、室温(23℃)で20時間攪拌した。
攪拌後の混合液を濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄後、濾液を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を留去した。得られた白色懸濁液に水(200ml)を加え、次いで濾過により、N,N’−ジシクロエチルアミノピリジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、および4−ジメチルアミノピリジンを除去した。
水をロータリーエバポレーターにて留去し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/メタノール=85/15(重量比))で精製し、明黄色の油状物(ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(b2))を7.55g得た。収率はホルムアミド変性アミノ酸(a1)を基準にして、約81mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 8.19 (s, 1 H), 6.82 (d, J = 6.4 Hz, 1 H), 6.39 (d, J= 6 Hz, 1 H), 4.67 - 4.56 (m, 2 H), 4.35 - 4.31 (m, 2 H), 3.75 - 3.64 (m, 8 H), 3.59 - 3.55 (m, 2 H), 3.38 (s, 3 H), 1.42 (d. J = 7.6 Hz, 3 H), 1.41 (d. J= 7.6 Hz, 3 H).
〔工程(3)〕ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)の製造
実施例1の工程(3)で合成したポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)の製造と同様に、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(b2)(7.55g、20.3mmol)、脱水テトラハイドロフラン(70ml)、および脱水トリエチルアミン(14ml、100mmol)、ならびに三塩化ホスホリル(2.33mL、25.2mmol)を脱水テトラハイドロフラン(27ml)に溶解した溶液を用いて、黄色の油状物(ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3))を2.63g得た。収率はポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)を基準にして、約41mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
実施例1の工程(3)で合成したポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)の製造と同様に、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(b2)(7.55g、20.3mmol)、脱水テトラハイドロフラン(70ml)、および脱水トリエチルアミン(14ml、100mmol)、ならびに三塩化ホスホリル(2.33mL、25.2mmol)を脱水テトラハイドロフラン(27ml)に溶解した溶液を用いて、黄色の油状物(ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3))を2.63g得た。収率はポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)を基準にして、約41mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 7.05 (d, J = 6.4 Hz, 1 H), 4.60 (quint, J = 7.2 Hz, 1 H), 4.34 - 4.33 (m, 2 H), 4.28 (q, J = 6.8 Hz, 1 H), 3.74 - 3.71 (m, 2 H), 3.69 - 3.64 (m, 6 H), 3.57 - 3.54 (m, 2 H), 3.39 (s, 3 H), 1.42 (d. J = 7.6 Hz, 3 H), 1.66 (d, J = 7.6 Hz, 3 H), 1.48 (d. J = 7.2 Hz, 3 H).
実施例1のポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)の合成において、収率は、L−アラニンを基準にして、約24mol%であった。
[比較例1]ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)の製造
図3に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)を製造した。
図3に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)を製造した。
〔工程(1)〕ホルムアミド変性アミノ酸(a1)の合成
実施例1のホルムアミド変性アミノ酸(a1)の合成と同じ方法で合成した。収率は、L−アラニンを基準にして、約72mol%であった。
実施例1のホルムアミド変性アミノ酸(a1)の合成と同じ方法で合成した。収率は、L−アラニンを基準にして、約72mol%であった。
〔工程(2)〕ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)の合成
実施例1のポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)の合成と同じ方法で合成した。収率は、ホルムアミド変性アミノ酸(a1)を基準にして、約68mol%であった。
実施例1のポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)の合成と同じ方法で合成した。収率は、ホルムアミド変性アミノ酸(a1)を基準にして、約68mol%であった。
〔工程(3)〕ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)の製造
窒素雰囲気下、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)(1.32g、5mmol)、4塩化炭素(0.82g、5.3mmol)、トリフェニルフォスフィン(1.49g、5.7mmol)、および脱水トリエチルアミン(0.57g、5mmol)を脱水塩化メチレン(10ml)に溶解し、還流しながら攪拌した。
反応率は1H NMRで確認したところ、4時間還流しても反応率は20mol%未満であり、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)を単離するのは困難であった。
窒素雰囲気下、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(a2)(1.32g、5mmol)、4塩化炭素(0.82g、5.3mmol)、トリフェニルフォスフィン(1.49g、5.7mmol)、および脱水トリエチルアミン(0.57g、5mmol)を脱水塩化メチレン(10ml)に溶解し、還流しながら攪拌した。
反応率は1H NMRで確認したところ、4時間還流しても反応率は20mol%未満であり、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)を単離するのは困難であった。
[比較例2]ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)の製造
図4に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)を製造した。
図4に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(a3)を製造した。
〔工程(1)〕ホルムアミド変性アミノ酸(c1)の合成
L−アラニン−L−アラニンのジペプチド(5g、31mmol)とギ酸(30ml)の混合液を5℃に冷却し、前記混合液に無水酢酸(12ml)を20分間かけて滴下した。混合液は10℃以下になるようにした。滴下後の混合液を室温(23℃)で4時間攪拌し、次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。析出したホルムアミド変性アミノ酸(c1)の粗生成物を、再結晶(再結晶溶媒は水)により精製し、白桃色固体(ホルムアミド変性アミノ酸(c1))を5.11g得た。収率はL−アラニン−L−アラニンのジペプチドを基準にして、約87mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
L−アラニン−L−アラニンのジペプチド(5g、31mmol)とギ酸(30ml)の混合液を5℃に冷却し、前記混合液に無水酢酸(12ml)を20分間かけて滴下した。混合液は10℃以下になるようにした。滴下後の混合液を室温(23℃)で4時間攪拌し、次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。析出したホルムアミド変性アミノ酸(c1)の粗生成物を、再結晶(再結晶溶媒は水)により精製し、白桃色固体(ホルムアミド変性アミノ酸(c1))を5.11g得た。収率はL−アラニン−L−アラニンのジペプチドを基準にして、約87mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) d ppm: 8.27 (d, J = 7 Hz, 2 H), 8.00 (s, 1 H), 4.43 (quint, J = 7.3 Hz, 1 H), 4.24 (quint, J = 5 Hz, 1 H), 1.31 (d, J = 7 Hz, 3 H), 1.25 (d, J = 7 Hz, 3 H).
〔工程(2)〕ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(c2)の合成
窒素雰囲気下、ホルムアミド変性アミノ酸(c1)(5.17g、27mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.4g、3.3mmol)を、脱水塩化メチレン(50ml)に懸濁させ、懸濁液にトリエチレングリコールモノメチルエーテル(13.13g、80mmol)を加えた。次いで、懸濁液を5℃に冷却し、DCC(6.81g、33mmol)を分割して添加した。DCC添加後の懸濁液を室温(23℃)で5時間攪拌し、12時間静置した。その後、溶媒を留去して、油状物質を得た。油状物質をヘキサンに溶解し、上澄み液を取り除くという操作を4回行い、白色固体(ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(c3))を7.93g得た。収率はL−アラニン−L−アラニンのジペプチドを基準にして、約88mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
窒素雰囲気下、ホルムアミド変性アミノ酸(c1)(5.17g、27mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.4g、3.3mmol)を、脱水塩化メチレン(50ml)に懸濁させ、懸濁液にトリエチレングリコールモノメチルエーテル(13.13g、80mmol)を加えた。次いで、懸濁液を5℃に冷却し、DCC(6.81g、33mmol)を分割して添加した。DCC添加後の懸濁液を室温(23℃)で5時間攪拌し、12時間静置した。その後、溶媒を留去して、油状物質を得た。油状物質をヘキサンに溶解し、上澄み液を取り除くという操作を4回行い、白色固体(ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(c3))を7.93g得た。収率はL−アラニン−L−アラニンのジペプチドを基準にして、約88mol%であった。1H NMRの結果を以下に示す。
〔工程(3)〕ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)の製造
窒素雰囲気下、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(c2)(7.95g、23.8mmol)の塩化メチレン(100ml)の溶液を−65℃に冷却し、前記溶液に、トリホスゲン(2.35g、80mmol)の塩化メチレン(15ml)溶液を滴下した。滴下後の溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアニリン(6.15g、48mmol)を15分以内に加えた。ドライアイス−アセトン浴で冷却しながら90分間攪拌した。次いで、過剰量のトリホスゲンは水を加えて薄め、次いで、混合液を室温(23℃)まで温めた。反応率を1H NMRで確認したところ、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)は生成していなかった。
窒素雰囲気下、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(c2)(7.95g、23.8mmol)の塩化メチレン(100ml)の溶液を−65℃に冷却し、前記溶液に、トリホスゲン(2.35g、80mmol)の塩化メチレン(15ml)溶液を滴下した。滴下後の溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアニリン(6.15g、48mmol)を15分以内に加えた。ドライアイス−アセトン浴で冷却しながら90分間攪拌した。次いで、過剰量のトリホスゲンは水を加えて薄め、次いで、混合液を室温(23℃)まで温めた。反応率を1H NMRで確認したところ、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)は生成していなかった。
[比較例3]ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)の製造
比較例2において、工程(3)を以下のように行った以外は同じ方法で、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)を製造した。
比較例2において、工程(3)を以下のように行った以外は同じ方法で、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)を製造した。
〔工程(3)〕ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)の製造
比較例2の工程(3)で合成したポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)の合成において、N,N−ジイソプロピルエチルアニリン(6.15g、48mmol)の代わりに、同量のN−メチルモルホリンを、−65℃の冷却を、−30℃の冷却に代えた以外は比較例2の工程(3)と同じ手法にて、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)を合成した。
反応率を1H NMRで確認したところ、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)は2mol%であり、残りは原料のポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(c2)であった。
比較例2の工程(3)で合成したポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)の合成において、N,N−ジイソプロピルエチルアニリン(6.15g、48mmol)の代わりに、同量のN−メチルモルホリンを、−65℃の冷却を、−30℃の冷却に代えた以外は比較例2の工程(3)と同じ手法にて、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)を合成した。
反応率を1H NMRで確認したところ、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(c3)は2mol%であり、残りは原料のポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(c2)であった。
[実施例3]ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)の重合体(b4)の製造
図2に示すとおり、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)の重合体(b4)を製造した。
図2に示すとおり、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)の重合体(b4)を製造した。
〔工程(4)〕
実施例2で製造したポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)(使用量は下記表1に示す量)の蒸留トルエン(前記イソシアニド化合物(b3)1mgに対して1ml)溶液に、ニッケル(II)過塩素酸塩6水和物(前記イソシアニド化合物(b3)に対して1mol%)のメタノールおよびトルエンの混合溶液(メタノール/トルエン=3/7(質量比))を室温(23℃)で加えた。室温で攪拌すると、黄土色の溶液が得られ、次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。ゴム状残渣をテトラハイドロフラン(前記ゴム状残渣1mgに対して、0.5ml)に溶解し、6倍量のジエチルエーテルで再沈殿し、遠心分離により沈殿物を回収した。この再沈殿操作を2回行い、減圧乾燥することで、重合体(b4)を合成した。重合体(b4)のポリスチレン換算のゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー法による数平均分子量は218,000、重量平均分子量は544,000であった。
実施例2で製造したポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物(b3)(使用量は下記表1に示す量)の蒸留トルエン(前記イソシアニド化合物(b3)1mgに対して1ml)溶液に、ニッケル(II)過塩素酸塩6水和物(前記イソシアニド化合物(b3)に対して1mol%)のメタノールおよびトルエンの混合溶液(メタノール/トルエン=3/7(質量比))を室温(23℃)で加えた。室温で攪拌すると、黄土色の溶液が得られ、次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。ゴム状残渣をテトラハイドロフラン(前記ゴム状残渣1mgに対して、0.5ml)に溶解し、6倍量のジエチルエーテルで再沈殿し、遠心分離により沈殿物を回収した。この再沈殿操作を2回行い、減圧乾燥することで、重合体(b4)を合成した。重合体(b4)のポリスチレン換算のゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー法による数平均分子量は218,000、重量平均分子量は544,000であった。
[比較例3]ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(d5)の製造
図5に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の前駆体であるポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(d5)を製造した。
図5に示す合成ルートにより、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の前駆体であるポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(d5)を製造した。
〔合成例1〕N−Boc−L−アラニンポリエチレングリコールエステル(d1)の合成 窒素雰囲気下、N−ブトキシカルボニル化(Boc)−L−アラニン(3.97g、21mmol)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(3.28g、20mmol)、およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.25g、2mmol)を、脱水塩化メチレン(50ml)に溶解した。次いで、溶液を3〜7℃に冷却した状態で、DCC(4.54g、22mmol)を分割して添加した。DCC添加後の溶液を20℃で1時間以上攪拌し、次いで、溶液からジクロロヘキシルウレタンを除き、沈殿物を酢酸エチルで洗浄し、濾過されたものと合わせて、エバポレートして、無色の油状物質(N−Boc−L−アラニンポリエチレングリコールエステル(d1))を6.98g得た。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 6.53 (br. s, 1 H), 4.34 - 4.32 (m, 3 H), 3.74 (t, J = 5 Hz, 2 H), 3.68 - 3.65 (m, 6 H), 3.59 - 3.56 (m, 2 H), 3.41 (s, 3 H), 1.50 (s,9 H), 1.46 (d, J = 7.6 Hz, 3 H).
〔合成例2〕L−アラニンポリエチレングリコールエステル塩酸塩(d2)の合成
N−Boc−L−アラニンポリエチレングリコールエステル(d1)(6.91g、20mmol)を塩酸水(10ml、塩酸を120mmol含有)と酢酸エチル(50ml)の混合液に溶解した。溶液を20℃で1時間攪拌後、減圧下エバポレートし、次いで残渣を酢酸エチルに際溶解させ、再度、減圧下エバポレートした。この操作を4回繰り返して、水と塩酸を酢酸エチルの共沸混合物として除去し、L−アラニンポリエチレングリコールエステル塩酸塩(d2)を含む粗生成物を得た。1H NMRの結果を以下に示す。
N−Boc−L−アラニンポリエチレングリコールエステル(d1)(6.91g、20mmol)を塩酸水(10ml、塩酸を120mmol含有)と酢酸エチル(50ml)の混合液に溶解した。溶液を20℃で1時間攪拌後、減圧下エバポレートし、次いで残渣を酢酸エチルに際溶解させ、再度、減圧下エバポレートした。この操作を4回繰り返して、水と塩酸を酢酸エチルの共沸混合物として除去し、L−アラニンポリエチレングリコールエステル塩酸塩(d2)を含む粗生成物を得た。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 8.75 (br s, 2 H), 4.41 ((t, J = 4 Hz, 1 H), 4.26 - 4.24 (m, 2 H), 3.71 - 3.69 (m, 2 H), 3.68 - 3.67 (m, 6 H), 3.59 - 3.56 (m, 2 H), 3.41 (s, 3 H), 1.48 (d, J = 7.6 Hz, 3 H).
〔合成例3〕N−Boc−D−アラニル−L−アラニンポリエチレングリコールエステル(d3)の合成
窒素雰囲気下、L−アラニンポリエチレングリコールエステル塩酸塩(d2)を20mmol含む前記粗生成物、Boc−D−アラニン(3.78g、20mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.03g、20.3mmol)を脱水塩化メチレン(100ml)に懸濁し、次いで、懸濁液にゆっくりとN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.6ml、21mmol)を加えた。わずかに濁った混合物を0℃に冷却し、混合物にDCC(4.15g、20.3mmol)を分割して入れることで縮合反応行った。添加後の混合液を、0℃1時間攪拌し、その後、室温(23℃)で20時間攪拌した。得られた白色懸濁液を濾過して、濾物を酢酸エチルで洗浄し、濾液をエバポレ−トして、油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は2質量%のメタノールを含む塩化メチレン)で精製し、エバポレートして、無色の液体を(5g)得た。1H NMRの結果を以下に示す。
窒素雰囲気下、L−アラニンポリエチレングリコールエステル塩酸塩(d2)を20mmol含む前記粗生成物、Boc−D−アラニン(3.78g、20mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.03g、20.3mmol)を脱水塩化メチレン(100ml)に懸濁し、次いで、懸濁液にゆっくりとN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.6ml、21mmol)を加えた。わずかに濁った混合物を0℃に冷却し、混合物にDCC(4.15g、20.3mmol)を分割して入れることで縮合反応行った。添加後の混合液を、0℃1時間攪拌し、その後、室温(23℃)で20時間攪拌した。得られた白色懸濁液を濾過して、濾物を酢酸エチルで洗浄し、濾液をエバポレ−トして、油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は2質量%のメタノールを含む塩化メチレン)で精製し、エバポレートして、無色の液体を(5g)得た。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 6.93 (br s, 1 H), 5.23 (br s, 1 H), 4.62 (t, J = 4.5 Hz, 1 H), 4.33 - 4.31 (m, 3 H), 3.73 - 3.70 (m, 2 H), 3.68 - 3.67 (m, 6 H), 3.59 - 3.56 (m, 2 H), 3.41 (s, 3 H), 1.48 (s, 9 H), 1.47 (d, J = 7 Hz, 3 H), 1.45 (d, J = 7 Hz, 3 H).
〔合成例4〕D−アラニル−L−アラニンポリエチレングリコールエステル塩酸塩(d4)の合成
N−Boc−D−アラニル−L−アラニンポリエチレングリコールエステル(d3)(5g、12.3mmol)を塩酸水(8ml)と酢酸エチル(45ml)の混合液に溶解した。溶液を20℃で1時間攪拌後、減圧下エバポレートし、次いで残渣を酢酸エチルに際溶解させ、再度、減圧下エバポレートした。この操作を4回繰り返して、水と塩酸を酢酸エチルの共沸混合物として除去し、D−アラニル−L−アラニンポリエチレングリコールエステル塩酸塩(d4)を含む粗生成物を得た。1H NMRの結果を以下に示す。
N−Boc−D−アラニル−L−アラニンポリエチレングリコールエステル(d3)(5g、12.3mmol)を塩酸水(8ml)と酢酸エチル(45ml)の混合液に溶解した。溶液を20℃で1時間攪拌後、減圧下エバポレートし、次いで残渣を酢酸エチルに際溶解させ、再度、減圧下エバポレートした。この操作を4回繰り返して、水と塩酸を酢酸エチルの共沸混合物として除去し、D−アラニル−L−アラニンポリエチレングリコールエステル塩酸塩(d4)を含む粗生成物を得た。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 8.18 (br s, 2 H), 7.64 (br s, 1 H), 4.47 - 4.41 (m, 1 H), 4.26 - 4.24 (m, 3 H), 3.70 - 3.69 (m, 2 H), 3.68 - 3.66 (m, 6 H), 3.59 - 3.56 (m, 2 H), 3.41 (s, 3 H), 1.50 (d, J = 7 Hz, 3 H), 1.48 (d, J = 7 Hz, 3 H).
〔合成例5〕ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(d5)の合成
窒素雰囲気下、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(d5)(5.10g、12.3mmol)、ギ酸ナトリウム(6.8g、100mmol)、およびギ酸エチル(175ml)の混合溶液を5時間加熱還流し、粘着性の物質が生成した。前記粘着性の物質を含有する懸濁液を濾別し、減圧化エバポレーションし、生成した不透明の油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は4質量%のメタノールを含む塩化メチレン)で精製し、エバポレートして、黄色の油状物質(5g)得た。1H NMRの結果を以下に示す。1H NMRの結果を以下に示す。
窒素雰囲気下、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(d5)(5.10g、12.3mmol)、ギ酸ナトリウム(6.8g、100mmol)、およびギ酸エチル(175ml)の混合溶液を5時間加熱還流し、粘着性の物質が生成した。前記粘着性の物質を含有する懸濁液を濾別し、減圧化エバポレーションし、生成した不透明の油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は4質量%のメタノールを含む塩化メチレン)で精製し、エバポレートして、黄色の油状物質(5g)得た。1H NMRの結果を以下に示す。1H NMRの結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 8.19 (s, 1 H), 6.82 (d, J = 6.4 Hz, 1 H), 6.39 (d, J= 6 Hz, 1 H), 4.67 - 4.56 (m, 2 H), 4.35 - 4.31 (m, 2 H), 3.75 - 3.64 (m, 8 H), 3.59 - 3.55 (m, 2 H), 3.38 (s, 3 H), 1.42 (d. J = 7.6 Hz, 3 H), 1.41 (d. J= 7.6 Hz, 3 H).
合成例1〜6の工程を経て製造したポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸(d5)の全収率は、N−Boc−L−アラニンを基準にして、約18mol%であった。
Claims (2)
- アミノ酸と、ギ酸またはギ酸エステルからアミノ酸のアミノ基をホルムアミド基に変換し、ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(1);
前記ホルムアミド変性アミノ酸と、ポリアルキレングリコール類とを縮合することで、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸を得る工程(2);ならびに
前記、ポリアルキレングリコール構造含有ホルムアミド変性アミノ酸と、ハロゲン化ホスホリルとを塩基の存在下反応させる工程(3);
を有することを特徴とする、ポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物の製造方法。 - 前記工程(1)〜(3)、ならびにポリアルキレングリコール構造含有イソシアニド化合物を付加重合する工程(4)を有する、重合体の製造方法。
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