JP2018133919A - モータ制御装置およびモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置およびモータ制御方法 Download PDF

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智也 高木
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Abstract

【課題】角度センサのオフセット量を容易に検出することができるモータ制御装置およびモータ制御方法を提供すること。【解決手段】実施形態に係るモータ制御装置は、表面磁石型の同期モータの制御を行う。モータ制御装置は、電流制御部と、電流検出部と、算出部と、を備える。電流制御部は、負荷一定で同期モータの回転数が一定になるよう制御されている状態で、同期モータに流れる電流のd軸電流値を変化させる。電流検出部は、電流制御部がd軸電流値を変化させた場合のq軸電流値を検出する。算出部は、電流検出部が検出したq軸電流値に基づき、同期モータの回転角度を検出する角度センサの検出結果に含まれるオフセット量を算出する。【選択図】図1A

Description

本発明は、モータ制御装置およびモータ制御方法に関する。
従来、表面磁石型の同期モータを使用した動作機構が様々な分野で利用されている。同期モータを動作させる場合、かかる同期モータの角度位置を検出するために、角度センサが設けられる。
例えば設置位置の誤差によって角度センサの基準位置が同期モータの基準位置からずれると、ずれに応じたオフセットが、角度センサが検出する角度位置に含まれてしまう。そこで、かかるオフセットの影響を小さくするために、例えば、特許文献1では、センサの出力信号が所定の波形形状になるように、出力信号の波形をオフセット補正値に基づいて補正している。
特開2008−17678号公報
しかしながら、従来技術では、かかるオフセット補正値を算出するために、モータを駆動させる駆動回路とは別のキャリブレーション用の駆動回路を接続したり、モータの角度位置を手動で決定したりする必要がある。このように、上述した従来技術は、角度センサのオフセットの量をより容易に検出するという点で改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、角度センサのオフセット量を容易に検出することができるモータ制御装置およびモータ制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモータ制御装置は、表面磁石型の同期モータの制御を行う。モータ制御装置は、電流制御部と、電流検出部と、算出部と、を備える。電流制御部は、負荷一定で同期モータの回転数が一定になるよう制御されている状態で、同期モータに流れる電流のd軸電流値を変化させる。電流検出部は、電流制御部がd軸電流値を変化させた場合のq軸電流値を検出する。算出部は、電流検出部が検出したq軸電流値に基づき、同期モータの回転角度を検出する角度センサの検出結果に含まれるオフセット量を算出する。
本発明によれば、角度センサのオフセット量を容易に検出することができる。
図1Aは、実施形態に係るモータシステムを説明する図である。 図1Bは、実施形態に係るモータシステムを説明する図である。 図1Cは、実施形態に係るモータシステムを説明する図である。 図2は、実施形態に係るモータシステムの構成を示すブロック図である。 図3は、d軸電流値とq軸電流値の関係を説明するための図である。 図4は、実施形態に係るモータ制御装置が実行する算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するモータ制御装置およびモータ制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
以下では、実施形態に係るモータ制御装置を備えるモータシステムの概要について図1A〜図1Cを参照して説明した後に、モータシステムの詳細について図2〜図4を参照して説明することとする。なお、実施形態に係るモータシステムの適用先としては、例えば電気自動車やハイブリッド車、エレベータ、電車等があげられる。
(1.モータシステムの概要)
まず、モータシステム100の概要について図1A〜図1Cを参照して説明する。図1A〜図1Cは、実施形態に係るモータシステム100を説明する図である。
図1Aに示すモータシステム100は、モータ制御装置1と、モータ2と、角度センサ3と、インバータ4と、を備える。
モータ2は、永久磁石をロータ表面に貼り付けた表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)の同期モータであり、例えば負荷5に接続される。角度センサ3は、モータ2に設けられ、モータ2が基準位置からどれだけ回転したかを示す角度位置を検出する。
モータ制御装置1は、電流ベクトル制御によってモータ2の制御を行う。例えばモータ制御装置1は、d-q座標系において電流制御を実施し、3相座標系に変換した電圧をインバータ4を介してモータ2に出力することでモータ2の制御を行い、2相(d、q)の電流を3相(U、V、W)の電流に変換している。なお、ここでは、モータ制御装置1は、一定の負荷5が接続されたモータ2を一定の回転数で回転するよう制御する、すなわち回転数制御を行うものとする。
また、モータ制御装置1は、角度センサ3が検出した角度位置に基づいてモータ2の制御を行う。ここで、例えば角度センサ3の取り付け誤差によって、角度センサ3の設置位置が基準位置からずれてしまう場合がある。この場合、角度センサ3の設置位置のずれ量に応じたオフセット量が、角度センサ3の検出結果に含まれてしまう。
そこで、本実施形態では、図1Bに示すように、表面磁石型のモータ2の場合、d軸電流値にかかわらず定トルク直線L0に沿ってq軸電流値が一定になる点に着目し、角度センサ3の検出結果に含まれるオフセット量を検出する。
具体的に、まず角度センサ3の検出する角度位置にオフセット量が含まれず、負荷5が一定、すなわち負荷5側の負荷トルクが一定である場合について説明する。この場合、表面磁石型のモータ2は、出力トルクが一定であれば、d軸電流値にかかわらず定トルク直線L0に沿ってq軸電流値が一定になる。
換言すると、モータ2の出力トルクは、d軸電流値によらずq軸電流値によって決定する。したがって、図1Bに示すように、電流I1、I2のd軸電流値I1d、I2dの大きさが異なっていても、q軸電流値Iqが同じ大きさであれば、モータ2の出力トルクは同じ、例えば1N(ニュートン)になる。なお、図1B、図1Cでは、トルクが1N(ニュートン)となる線を、定トルク直線L0として示しているものとする。
そこで、本実施形態に係るモータ制御装置1は、モータ2に流れるd軸電流値を変化させることで、角度センサ3の検出結果に含まれるオフセット量、すなわち角度センサ3のずれ量を検出する。
例えば、角度センサ3のオフセット量がゼロである場合、d軸電流値を変化させても、モータ2の出力トルクは変化しないため、q軸電流値は変化しない。
一方、角度センサ3の設置位置がずれている場合、d軸電流値を変化させると、q軸電流値が変化する。これは、図1Cに示すように、モータ制御装置1が、角度センサ3がずれていない場合のd軸、q軸(以下、真d軸および真q軸と記載する)と異なるd軸、q軸を回転座標系の座標軸として認識し、モータ2の回転数制御を行うためである。
なお、角度センサ3の基準位置がモータ2の基準位置から角度θだけずれて設置された場合、かかるずれに応じたオフセット量θだけ真d軸、真q軸が回転した座標軸が、モータ制御装置1が認識するd軸、q軸となる。
したがって、例えば図1Cに示すように、q軸電流値がIq1の電流I3でモータ2を制御すると、モータ2の出力トルクは1Nとなる。ここで、モータ制御装置1が、d軸電流値を電流値ゼロから電流値Id1まで増加させた電流I4をモータ2に流したとする。この場合、電流I4は、定トルク直線L0を下回るため、モータ2の出力トルクが1Nより小さくなり、モータ2の回転数が低下する。
ここで、モータ制御装置1は、モータ2の回転数が一定とする回転数制御を行っている。そのため、モータ制御装置1は、モータ2の回転数が低下すると、q軸電流値をIq1からIq2に増加させて、モータ2の回転数を一定にしようとする。この場合、モータ2には、図1Cに示すように、定トルク直線L0に沿った電流I5が流れる。
このように、角度センサ3の設置位置がずれている場合に、モータ制御装置1がd軸電流値をゼロからId1まで変化させると、オフセット量θに応じてq軸電流値がIq1からIq2に変化する。
そこで、モータ制御装置1は、例えばd軸電流値の変化量Id1およびq軸電流値の変化量ΔIq=Iq2−Iq1に基づき、定トルク直線L0と直線L1とのなす角をオフセット量θとして算出する。なお、直線L1は、q軸電流値Iq2を通りd軸と平行な直線である。
以上のように、実施形態に係るモータ制御装置1は、d軸電流値を変化させた場合のq軸電流値に基づき、角度センサ3に含まれるオフセット量θを検出する。これにより、オフセット量θを検出するための回路をモータ制御装置1以外に備えずともオフセット量θを容易に検出することができる。また人間によるモータ2の角度位置の調整等を行う必要がなく、オフセット量θを容易に検出することができる。
(2.モータシステムの詳細)
以下、モータシステム100の詳細な構成について、図2、図3を参照して説明する。図2は、実施形態に係るモータシステム100の構成を示すブロック図である。なお、図2では、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図2に示すようにモータシステム100は、モータ制御装置1と、モータ2と、角度センサ3と、インバータ4と、を備える。
(2−1.モータ)
モータ2は、表面磁石型の3相同期モータであり、例えば一定の負荷5に接続される。モータ2は、モータ制御装置1からの制御に基づいて流れる3相(U、V、W)の電流に応じて回転する。
(2−2.角度センサ)
角度センサ3は、モータ2に設けられ、モータ2の角度位置を検出する。角度センサ3は、例えば磁気式角度センサである。角度センサ3は、例えばモータ2のロータ(図示せず)に取り付けられた2極磁石(図示せず)の角度位置をモータ2の角度位置として検出する。
ここで、角度センサ3の基準位置が例えば2極磁石のN極であり、このN極がモータ2のロータに複数配置された2極磁石の位置関係と一致している場合、すなわち角度センサ3の基準位置がモータ2のロータの基準位置と一致している場合、角度センサ3は、モータ2の角度位置をオフセットなし、すなわちオフセット量θ=0として検出することができる。
しかしながら、一般的に、角度センサ3の2極磁石がロータの基準位置に一致するように2極磁石を取り付けられないことが多く、2極磁石のN極と基準位置との間にずれが発生することが多い。そのため、角度センサ3が検出する角度位置は、絶対角度の保証がされていない場合がほとんどである。
なお、以下、角度センサ3の2極磁石のN極とロータの基準位置との間のずれ量を角度センサ3のオフセット量θとする。後述するモータ制御装置1は、かかるオフセット量θを検出し、検出結果に基づいて角度位置を補正することで、モータ2の絶対角度を検出する。オフセット量θの検出方法については、図3を用いて後述する。
また、ここでは、角度センサ3が磁気式角度センサであるとしたが、これに限定されない。例えば、角度センサ3がレゾルバであってもよい。
(2−3.インバータ)
インバータ4は、電源41からモータ2の各相コイル(図示せず)へ流れる電流を制御するスイッチング素子(図示せず)を有する。インバータ4は、モータ制御装置1が出力するPWM制御信号に従ってスイッチング素子を駆動することで、モータ2の各相コイルに電流を流す。
(2−4.モータ制御装置)
モータ制御装置1は、電流ベクトル制御に基づき、モータ2が一定の回転数で回転するように回転数制御を行う。例えばモータシステム100が電気自動車の動力源や電気自動車に搭載されるファンやポンプである場合、モータ制御装置1は、運転状態に応じた回転数でモータ2が回転するよう回転数制御を行う。
また、モータ制御装置1は、角度センサ3のオフセット量θを算出する場合、予め決められた回転数でモータ2が回転するように回転数制御を行う。
モータ制御装置1は、モータ2の回転数に応じてPWM制御信号を生成し、インバータ4に出力する。
モータ制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)や記憶部(図示せず)などを備えたマイクロコンピュータであり、モータシステム100全体を制御する。モータ制御装置1は、回転数制御部110と、電流制御部120と、第1座標変換部130と、PWM信号生成部131と、電流検出部150と、オフセット算出部160と、補正部170と、を備える。
モータ制御装置1のCPUは、例えばROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、電流制御部120、第1座標変換部130、PWM信号生成部131、電流検出部150、オフセット算出部160および補正部170として機能する。
また、電流制御部120、第1座標変換部130、PWM信号生成部131、電流検出部150、オフセット算出部160および補正部170の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
(2−4−1.回転数制御部)
回転数制御部110は、モータ2の回転数が一定になるように、例えばq軸電流値を制御する。回転数制御部110は、回転数検出部111と回転数決定部112とを備える。
(回転数検出部)
回転数検出部111は、角度センサ3の角度位置に基づいて一定期間にモータ2が回転する回転数を検出する。回転数検出部111は、検出した回転数を回転数決定部112に出力する。
(回転数決定部)
回転数決定部112は、回転数検出部111が検出した回転数に応じて、モータ2の回転数を増加させるか減少させるか決定する。回転数決定部112は、検出した回転数が予め定めた一定値未満である場合、回転数を増加させると決定する。また、回転数決定部112は、検出した回転数が一定値より大きい場合に回転数を減少させると決定し、一定値である場合に回転数を維持すると決定する。
回転数決定部112は、回転数を増加させる場合はq軸電流値を増加させるように電流制御部120に指示する。また、回転数決定部112は、回転数を減少させる場合はq軸電流値を減少させるように電流制御部120に指示し、回転数を維持する場合はq軸電流値を維持するように指示する。
(2−4−2.電流制御部)
電流制御部120は、回転数決定部112およびオフセット算出部160からの指示にしたがって、電流検出部150が検出する検出結果に基づいて電圧を変化させることによって、q軸電流値およびd軸電流値を制御する。電流制御部120は、q軸電流設定部121とd軸電流設定部122とを備える。
(q軸電流設定部)
q軸電流設定部121は、回転数決定部112からの指示に基づいてq軸電流値を設定する。例えば回転数決定部112がq軸電流値を増加させるように指示した場合、q軸電流設定部121は、現在のq軸電流値に所定の値を加算した電流値を次のq軸電流値に設定する。q軸電流設定部121は設定したq軸電流値を第1座標変換部130に出力する。
(d軸電流設定部)
d軸電流設定部122は、オフセット算出部160からの指示に基づいてd軸電流値を設定する。例えばオフセット算出部160がd軸電流値を増加させるように指示した場合、d軸電流設定部122は、現在のd軸電流値に所定の値を加算した電流値を次のd軸電流値に設定する。d軸電流設定部122は設定したd軸電流値を第1座標変換部130に出力する。なお、オフセット算出部160が行う指示については、図3を用いて後述する。
(2−4−3.第1座標変換部)
第1座標変換部130は、電流制御部120が出力するd軸電流値およびq軸電流値を、角度センサ3が検出する角度位置に基づいて座標変換し、3相の電流値を生成する。第1座標変換部130は、生成した3相の電流値をPWM信号生成部131に出力する。
(2−4−4.PWM信号生成部)
PWM信号生成部131は、第1座標変換部130から入力される3相の電流値に基づき、インバータ4のスイッチング素子(図示せず)をオン・オフさせるPWM制御信号を生成する。PWM信号生成部131は、インバータ4のスイッチング素子のオン・オフを切り替えることで、電源41からモータ2へ流れる3相電流を制御する。
(2−4−5.電流検出部)
電流検出部150は、モータ2に流れる電流を検出する。電流検出部150は、モータ2に流れる3相電流を検出し、d軸電流値およびq軸電流値に変換する。
電流検出部150は、検出部151と第2座標変換部140とを備える。
(検出部)
検出部151は、インバータ4からモータ2に流れる3相電流を検出し、第2座標変換部140に出力する。
(第2座標変換部)
第2座標変換部140は、モータ2に流れる3相電流を、角度センサ3が検出する角度位置に基づいて座標変換し、d-q座標系の電流値を生成し、オフセット算出部160および電流制御部120に出力する。
(2−4−6.補正部)
補正部170は、オフセット算出部160が算出したオフセット量θに基づいて角度センサ3の検出結果である角度位置を補正する。補正部170は、角度センサ3が検出した角度位置にオフセット量θを加算して、角度位置を補正する。補正部170は、補正後の角度位置を回転数制御部110および第1、第2座標変換部130、140に出力する。
なお、ここでは、補正部170をモータ制御装置1が備えるとしたが、これに限定されない。例えば、角度センサ3が補正部170を備えていてもよい。すなわち、角度センサ3が、モータ制御装置1が算出するオフセット量θに基づいて角度位置を補正するようにしてもよい。
(2−4−7.オフセット算出部)
オフセット算出部160は、複数の異なるd軸電流値と、d軸電流値にそれぞれ対応する複数のq軸電流値に基づいて、オフセット量θを算出する。なお、オフセット算出部160は、オフセット量θの算出を行う場合、補正部170による補正を中止する。すなわち、補正部170の補正に用いるオフセット量θを「θ=0」としてオフセット量θの算出を行うものとする。なお、「θ=0」に限定する必要は無く、仮にθ=θaとしてオフセットθbが得られればオフセットをθ=θa+θbに更新するようにしても良い。
オフセット算出部160は、d軸電流決定部161と算出部162とを備える。
(d軸電流決定部)
d軸電流決定部161は、オフセット量θを算出する場合に、モータ2に流す電流のd軸電流値を決定する。d軸電流決定部161は、d軸電流値がゼロから一定の間隔D(図3参照)ずつ順に減少するように、d軸電流値を決定する。d軸電流決定部161は、決定したd軸電流値を、回転数が一定となってq軸電流値を検出した後のタイミングで電流制御部120に出力する。
なお、d軸電流決定部161は、決定したd軸電流値を電流制御部120に出力するようにしてもよく、あるいは、一定の間隔Dだけd軸電流値を減少するよう電流制御部120に指示するようにしてもよい。
(算出部)
算出部162は、図3に示すようにd軸電流決定部161がd軸電流値を一定の間隔Dずつ減少させた場合のq軸電流値を電流検出部150から取得する。なお、図3は、d軸電流値とq軸電流値の関係を説明するための図である。
図3に示すように、d軸電流値を変化させると、q軸電流値は直線L2に沿って変化する。なお、直線L2は、d軸に対してオフセット量θ傾いた直線であり、理想的には定トルク直線L0と一致する。
算出部162は、d軸電流決定部161がd軸電流値を変更してからモータ2の回転数が一定になったタイミングで、電流検出部150からd軸電流値およびq軸電流値を取得する。算出部162は、d軸電流決定部161がd軸電流値を変更するごとにd軸電流値およびq軸電流値の組を取得する。
算出部162は、d軸電流値およびq軸電流値の組を通る一次関数の傾きをオフセット量θとして算出する。例えば算出部162は、d軸電流値およびq軸電流値の組から最小二乗法に基づいて一次関数の傾き角度を算出する。
例えば、d軸電流決定部161がN(N≧1)回d軸電流値を変更し、算出部162が(Id_n、Iq_n)を取得したとする。ここで、Id_nはn番目のd軸電流値であり、Iq_nはn番目のq軸電流値である。また、nは1からNまでの正数とする。
このとき、算出部162は、まずd軸電流値およびq軸電流値の平均値Idave、Iqaveをそれぞれ算出する。なお、Idave=ΣId_n/Nであり、Iqave=ΣIq_n/Nである。
次に、算出部162は、直線L2の傾きaをa=Σ(Id_n−Idave)(Iq_n−Iqave)/Σ(Id_n−Idave)として算出し、傾きaからオフセット量θを、θ=arctan(傾きa)として算出する。
算出部162は、算出したオフセット量θを補正部170に出力する。
なお、ここでは、算出部162が最小二乗法に基づいてオフセット量θを求めるとしたが、これに限定されない。算出部162がd軸電流値およびq軸電流値の組(Id_n、Iq_n)に基づいて直線L2の傾きaを算出できればよい。
したがって、例えば2組のd軸電流値およびq軸電流値(Id_n、Iq_n)、(Id_n−1、Iq_n−1)ごとに算出した複数の傾きa_n−1の平均値を直線L2の傾きaとしてもよい。あるいは、d軸電流値およびq軸電流値の組(Id_n、Iq_n)の平均値や標準偏差等を用いて傾きaを算出するようにしてもよい。
(3.算出処理)
次に、図4を用いて、実施形態に係るモータ制御装置1が実行する算出処理の処理手順について説明する。図4は、実施形態に係るモータ制御装置1が実行する算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
モータ制御装置1は、例えばモータシステム100の組み立て後であって出荷前に図4の算出処理手順を実行する。
図4に示すように、モータ制御装置1は、算出処理実行時に使用するパラメータ等を初期化する(ステップS101)。モータ制御装置1は、例えばd軸電流値をゼロに設定する。また、モータ制御装置1は、補正部170での補正に用いるオフセット量θをゼロに初期化し、変数nを「1」に初期化する。
次に、モータ制御装置1は、モータ2の回転数を一定にする回転数制御を行う(ステップS102)。モータ制御装置1は、モータ2の回転数が一定になった場合のq軸電流値を検出する(ステップS103)。
モータ制御装置1は、d軸電流値が所定の閾値Ithより小さいか否かを判定する(ステップS104)。
d軸電流値が所定の閾値Ith以上である場合(ステップS104のNo)、モータ制御装置1は、変数nに「1」を加算し(ステップS105)、d軸電流値を変更する(ステップS106)。モータ制御装置1は、例えばd軸電流値から一定の間隔Dを減算することでd軸電流値を変更する。変更後、モータ制御装置1はステップS102に戻る。
一方、d軸電流値が所定の閾値Ithより小さい場合(ステップS104のYes)、モータ制御装置1は、d軸電流値およびq軸電流値の組と変数nとに基づいてオフセット量θを算出する(ステップS107)。
なお、ここでは、ステップS103でq軸電流値を検出するとしたが、q軸電流値に加えd軸電流値を検出するようにしてもよい。この場合、モータ制御装置1は、ステップS107において検出したd軸電流値およびq軸電流値の組に基づいてオフセット量θを算出することができる。
また、ここでは、d軸電流値が所定の閾値Ithより小さくなるまでd軸電流値を変更するようにしているが、これに限定されない。例えばd軸電流値をN回変更するなど、変更する回数を決定するようにしてもよい。この場合、ステップS104で変数nと回数Nとを比較するようにする。
また、ここでは、モータ制御装置1がd軸電流値をゼロから所定の間隔Dずつ減算していくとしたが、これに限定されない。モータ制御装置1がd軸電流値を変化させればよく、例えば、d軸電流値をゼロから所定の間隔Dずつ加算していってもよい。あるいは、ゼロ以外の所定の値から所定の間隔Dずつ加算あるいは減算してもよい。
また、d軸電流値の変化量は、所定の間隔Dに限定されない。例えばd軸電流値を変更するごとに加算あるいは減算する変化量を変更するようにしてもよく、例えばd軸電流値をランダムに変更してもよい。
また、ここでは、図4に示す算出処理手順を出荷前に実行するとしたが、これに限定されない。例えば、モータ制御装置1が数ヶ月や数年ごと等所定期間ごとにオフセット量θを算出するようにしてもよい。この場合、モータ制御装置1は、負荷5が一定であってモータ2の回転数制御を行っている場合に、d軸電流値を変化させてオフセット量θを算出する。
また、図4に示す算出処理手順を一度に実行する必要はなく、複数回にわけて実行するようにしてもよい。すなわち、モータ制御装置1が異なるd軸電流値を複数回にわけて設定し、それぞれ対応するq軸電流値を検出するようにしてもよい。また、モータ制御装置1は、d軸電流値を変更したときのq軸電流値が所定回数検出できた場合に、オフセット量θを算出するようにしてもよい。このように、モータ制御装置1がq軸電流値を検出する時期とオフセット量θを算出する時期とが異なっていてもよい。
また、ここでは、モータ制御装置1が、オフセット量θを算出する場合に、モータ2が正トルクを出力するように回転数制御を行うとしたが、これに限定されない。モータ2が負トルクを出力するように制御してもよい。
以上のように、実施形態に係るモータ制御装置1は、d軸電流値を変化させた場合のq軸電流値に基づき、角度センサ3に含まれるオフセット量θを検出する。これにより、オフセット量θを検出するための回路をモータ制御装置1以外に備えずともオフセット量θを容易に検出することができる。また人間によるモータ2の角度位置の調整等を行う必要がなく、オフセット量θを容易に検出することができる。
(4.効果)
上記実施形態に係るモータ制御装置1は、表面磁石型の同期モータ2の制御を行う。モータ制御装置1は、電流制御部120と、電流検出部150と、算出部162と、を備える。電流制御部120は、負荷一定で同期モータ2の回転数が一定になるよう制御されている状態で、同期モータ2に流れる電流のd軸電流値を変化させる。電流検出部150は、電流制御部120がd軸電流値を変化させた場合のq軸電流値を検出する。算出部162は、電流検出部150が検出したq軸電流値に基づき、同期モータ2の回転角度を検出する角度センサ3の検出結果に含まれるオフセット量θを算出する。
これにより、モータ制御装置1は、角度センサ3のオフセット量θを容易に検出することができる。
上記実施形態に係るモータ制御装置1の算出部162は、d軸電流値を変化させた場合のq軸電流値の変化量に基づき、オフセット量θを算出する。
これにより、モータ制御装置1は、角度センサ3のオフセット量θを容易に検出することができる。
上記実施形態に係るモータ制御装置1の算出部162は、d軸電流値の変化量およびq軸電流値の変化量に応じた傾き角をオフセット量θとして算出する。
これにより、モータ制御装置1は、簡易な計算でオフセット量θを検出することができる。
上記実施形態に係るモータ制御装置1の電流制御部120は、複数の異なるd軸電流値の電流が同期モータ2に流れるようにq軸電流値を制御する。電流検出部150は、複数のd軸電流値に対応する複数のq軸電流値をそれぞれ検出する。算出部162は、複数のd軸電流値および複数のq軸電流値に基づき、オフセット量θを算出する。
これにより、モータ制御装置1は、角度センサ3のオフセット量θをより精度よく検出することができる。
上記実施形態に係るモータ制御装置1は、算出部162が算出したオフセット量θに基づいて角度センサ3が検出した角度位置を補正する補正部170をさらに備える。
これにより、モータ制御装置1は、同期モータ2の角度位置をより精度よく検出することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 モータ制御装置
2 モータ
3 角度センサ
110 回転数制御部
120 電流制御部
150 電流検出部
160 オフセット算出部
162 算出部

Claims (6)

  1. 表面磁石型の同期モータの制御を行うモータ制御装置であって、
    負荷一定で前記同期モータの回転数が一定になるよう制御されている状態で、前記同期モータに流れる電流のd軸電流値を変化させる電流制御部と、
    前記電流制御部が前記d軸電流値を変化させた場合のq軸電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部が検出した前記q軸電流値に基づき、前記同期モータの回転角度を検出する角度センサの検出結果に含まれるオフセット量を算出する算出部と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記算出部は、
    前記d軸電流値を変化させた場合の前記q軸電流値の変化量に基づき、前記オフセット量を算出すること
    を特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記算出部は、
    前記d軸電流値の変化量および前記q軸電流値の変化量に応じた傾き角を前記オフセット量として算出すること
    を特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記電流制御部は、
    複数の異なるd軸電流値の電流が前記同期モータに流れるように前記q軸電流値を制御し、
    前記電流検出部は、
    複数の前記d軸電流値に対応する複数の前記q軸電流値をそれぞれ検出し、
    前記算出部は、
    複数の前記d軸電流値および複数の前記q軸電流値に基づき、前記オフセット量を算出すること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記算出部が算出した前記オフセット量に基づいて前記角度センサが検出した角度位置を補正する補正部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  6. 表面磁石型の同期モータの制御を行うモータ制御方法であって、
    負荷一定でモータの回転数が一定になるよう制御されている状態で、d軸電流値を変化させる工程と、
    前記d軸電流値を変化させた場合のq軸電流値を検出する工程と、
    前記q軸電流値に基づき、前記同期モータの回転角度を検出する角度センサの基準位置と、前記同期モータの検出結果に含まれるオフセット量を算出する工程と、
    を含むことを特徴とするモータ制御方法。
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