JP2018131724A - 内部補強材を有する衝撃吸収用保護構造体とその材料 - Google Patents

Abstract

【解決手段】補強層を有する、身体に適合的な保護パッドが開示されている。【選択図】図１

Description

［関連事例の相互参照］
本明細書において、２０１２年３月１９日に提出された本願と所有者を同じくする同時係属の米国仮出願第６１／６１２，９４９号につき、米国特許法第１１９条（ｅ）に基づく優先権を主張する。前記出願の発明対象は、参照によりその全体がここに組み込まれる。

［技術分野］
本発明は、概して、人体の一部を外傷から保護するように、並びに、感受性の高いアイテムを損傷から保護するように設計され、及び／又は、一方で個々の表面の形状に一致する、及び／又は、触り心地のよい外面を提供する、衝撃吸収用保護構造体に関する。

多くの活動、特に運動は、衝撃が体に与える潜在的危険性を孕んでいる。肘、膝、肩、足首、股および他の関節は、特に衝撃によって損傷を受ける可能性が高く、しかも、個人の可動域および動きを制限することなく保護することは難しい。衝撃保護物は、重く、非通気性であり、または拘束的である可能性があり、あるいは、特定の身体部位を正確に標的（ターゲット）としておらず、または標的に一貫性がない。

衝撃保護システムの中には、重く、動作を制限する別々の硬質パッドより成るものがある。硬質のコンポーネントは、身体への当たりを心地よくするために何らかの形式の軟らかいクッション材料で裏打ちされる可能性があり、身体への衝撃を緩衝する試みではあるものの、余分な層によってパッドの重量は増し、不快感も増す。さらに、パッディングシステムは、着用するには暑く、湿気および汗の蒸発を制限する可能性もある。

他の保護用パッドは、より軟らかい材料から製造され、よって曲がるものの、重大な衝撃、特に岩石または他の堅い物体からの衝撃に対する保護としての効果は少ない。これらの材料には、一般的な化学的に発泡されたポリエーテルまたはポリエステルフォームが含まれる。

他のパッドは、架橋ポリエチレンフォームまたはＥＶＡフォーム等の、より硬いフォーム材料から製造されることが可能である。このようなフォームは、保護性をもう少し高めるものの、ユーザの可動域を制限する。全体として、このような材料が提供する保護性は不十分であり、同時に動作も制限する。

より硬いフォームをパッドとして用いることも試行されているが、中実の一体フォームによって引き起こされる動作の制限を低減するためには、フォームをストリップ状に切断しなければならなかった。残念ながら、着用者にとって、これらのストリップが提供する保護は最適とは言えないものであった。

フォームは、熱成形によって曲がった形状または複雑な形状にされ、かつストリップまたは小片を所定の位置に保持する物質の層間に綴じられることも可能である。パッディングには、より優れた衝撃吸収性を提供する、ｄ３０等の他の材料も使用されているが、これらの材料も硬い。

前出の材料を着用者にとってさほど硬くないものにさせる試みが、各小片内により優れた屈曲性を可能にする薄い部分を生成することによって行われてきた。しかしながら、こうして製造される保護用パッドは、より薄い部位で曲げられると材料がばらばらになることから、パッドのロケーションにおいて全可動域を提供することができない。また、これらの材料は、耐久性がない、または美観上露出に堪えないことから、布の層の下に埋め込まれる必要がある。カバーリング材料を用いても、パッド重量を不必要に重くし、かつパッドのコストを高める。

したがって、具体的には、可動域を要求する部位のための、及び、関節用の、改良された保護用パッドが必要とされている。

本開示は、ある実施形態において、クッション材料のセクション（構造部位、構造体）に関する。本セクションは、対向する第１および第２のバリア層間に配置されるフォーム層（発泡体層）と、第２のバリア層とフォーム層との間に配置される補強層とを含む。

実施形態によっては、クッション材料は、有孔（多孔性）の補強層を含む。補強層は、不織布であることが可能である。

他の実施形態において、クッション材料は、水流絡合（ハイドロ交絡）不織布(hydro-entangled nonwoven)であることが可能である。

次に、図を参照するが、本開示の特徴および優位点は、添付の図面に示されているような例示的実施形態に関する以下のより具体的な説明から明らかとなるであろう。異なる図面を通じて、同じ参照符号は、同一のパーツを指す。諸図は、必ずしも縮尺通りではなく、開示内容の原理を示す際には強調が行われている。

図１は、様々な緩衝域を持った、本開示による１つの例示的なクッションパッドを示す平面図である。 図２は、図１の線２−２に沿ったクッションパッドの略側面図である。 図３は、図１の線３−３に沿ったクッションパッドの略側面図である。 図３Ａは、ケースインサートを形成するために使用されることが可能な成形可能クッション材料の様々な例示的実施形態の断面図である。 図４は、本開示による別の例示的なクッションパッドを示す平面図である。 図５は、図４の線５−５に沿ったクッションパッドの略側面図である。 図６は、図４の線６−６に沿ったクッションパッドの略側面図である。 図７は、図４のクッションパッドが組み込まれている弾性スリーブを着用したユーザの部分図であり、肘が関節接合された場合の肘に対するクッションパッドの適合性を示している。 図８は、図４のクッションパッドが組み込まれている弾性Ｔシャツを示す正面図である。 図９は、本開示による１つの例示的な保護ケース１０を示す正面斜視図であり、ケース本体とケースインサートとが組み立てられた形状を示している。 図１０は、図９に示されているケース本体の底面斜視図である。 図１１は、図９に示されているケースインサートを広げられた形状で示す斜視図である。 図１２は、図９に示されているケースの、線１２−１２に沿った断面図である。 図１３は、図９に示されているケースの、線１３−１３に沿った断面図である。 図１４は、図１１に示されているケースインサートをケース本体から離れた状態で示す断面図である。 図１５は、ケース本体に挿入されるケースインサートの斜視図である。 図１６は、ケースインサートの広げられた形状での例示的な代替実施形態を示した斜視図である。 図１７は、線１２−１２に沿った図１６のケース本体およびケースインサートの断面図である。 図１８は、線１３−１３に沿った図１６のケース本体をケースインサートと共に示す断面図である。 図１９は、図９に示されるケースインサートをケース本体から離れた状態で示す断面図である。

本発明は、概して、人体の一部を外傷から保護するように、並びに、感受性の高いアイテムを損傷から保護するように設計され、及び／又は、一方で個々の表面の形状に適合する、及び／又は、触り心地のよい外面を提供する、衝撃吸収用および緩衝用保護構造体に関する。

本構造体は、様々な形状、サイズ、構造および厚さの緩衝域を含む。論考を容易にするために、「緩衝域」(cushioning region)、「メダリオン」(medallion)および「バンパ」(bumper)という用語は、本明細書本文を通じて交換可能に使用される。後述するように、メダリオン（訳注：略円形の模様や浮き彫り）には、様々な材料を用いることができる。

本構造体は、衣服、運動用器材およびアクセサリに組み込まれることが可能であり、かつ特有の機能特性を有するように設計されることが可能である。パッドは、衣料品に、衣料品の素材がぴったりとフィットし、しかも延伸して体に、または特定の関節形状に適合し、結果的に、衝撃から着用者を他の製品より良く保護する組込み式パッディングシステムが生じるようにして組み込まれることが可能であるが、これは、パッドが着用者に全可動域に渡って一定して、かつ直に接触していることに起因する。本パッドを組み込む衣料品は、パッドのベース、またはパッドのベースが付着される材料が、弾性衣料等の延伸した、ぴったりフィットする衣服に組み込まれると、使用中にユーザの体に直に接触した状態に保持され得ることから、着用されると外傷に対する向上された防護を提供する。パッドのフレキシブルさ（柔軟性）は、パッドがユーザの体に適合することを可能にし、よって、パッドは、ユーザの体に接触した状態で保持されることが可能である。即ち、本パッドが有する度合いのフレキシブルさ（柔軟性）がなければ、パッドは、動作中にユーザの変化する体輪郭に沿うことができない。論考を容易にするために、本明細書において、「フレキシブル」という用語は、パッドが曲げ、捻り、屈曲および／または延伸などによって動く能力を意味する。

メダリオン、ヒンジ、溝および／または周囲フランジの特有の形状、サイズ、構成、輪郭および方向性を特有のパッドおよび衣料材料と組み合わせることにより、衣料品は、特定の標的である身体部位、具体的には関節、を保護しながら、ユーザの自由可動域を最大化するように設計されることが可能である。このような衣料品は、見て感じが良く、より耐久性があり、コストがより低く、より心地よく、かつかなりの可動域および標的を絞った正確な身体保護を提供する。

同様に、本クッションパッドは、保護ケース等の他のアイテムに組み込まれることが可能である。例えば、本パッドは、ラップトップコンピュータまたは媒体デバイス等の電子デバイスの形状およびサイズに対応するスリーブまたはケースへと組み込まれることが可能であり、よってこれらは、ケースの外側にぴったりとフィットし、しかもケースの外側に一致して延びる。本パッドを備えるケースは、軽量でフレキシブルな耐衝撃保護を提供することができる。本開示は、具体的にはケースの縁に対する向上された衝撃保護、重量軽減、改良された美観、より低い製造コストおよび包含される物品の摩耗の低下を提供する、改良されたケースを記述するものである。本開示の改良されたケースは、保護されるべき物品の外面に略一致する分離可能な内側および外側の相互接続されたパーツを備える。本保護ケースは、これまでに述べたものに加えて、保護を必要とする任意タイプの製品用に適合されることが可能である。また、本開示は、前述のケースの製造方法および材料についても記述する。

本パッドおよびこのようなパッドを含むアイテムの構造は、頑丈で耐久性があり且つ産業用および／または商業用洗濯で使用される温度、洗剤および機械的作用に耐えることができるアイテムを提供し、このような過酷な条件下では劣化しがちな他のパッド入り衣料とは異なる。本構造体の材料および製造方法は、２０１１年８月１１日に提出された米国特許出願第１３／２０８，２２９号、及び、２０１１年１０月１２日に提出された米国特許出願第１３／２７１，５９４号に開示されている。前記各出願は、参照によりその全体が開示に組み込まれる。

図１〜図３は、全体で、本開示による１つの例示的なクッションパッド１００を示している。パッド１００は、先に述べたように、肘関節の輪郭に適応された形状、サイズおよび構成を有するが、パッドが、具体的な設計または用途に関して実際的である、または望ましいような任意の形状、サイズまたは構造を含み得ることは理解されるべきである。図示されているように、パッド１００は、前面１０と、裏面１２と、外側の縁／周囲１４とを備える。図２および図３における断面に示されているように、パッド１００は、任意選択の外側および内側の層１６、１７間に配置されるクッション層１５と、クッション層１５と内層１７との間に配置される補強層Ｒとを備える。

図４〜図６は、全体で、本開示による例示的なクッションパッド２００の別の実施形態を示している。図５および図６における断面に示されているように、パッド２００は、前記パッド１００に類似する構造を有していて、前面１０と、裏面１２と、外側の縁／周囲１４とを備え、クッション層１５が任意選択の外側および内側の層１６、１７間に配置され、かつ補強層「Ｒ」がクッション層１５と内層１７との間に配置されている。

パッド１００、２００は、内部に画定された複数のメダリオンを備え、かつ場合により、メダリオンの上面３４内に１つまたは複数の溝４２が形成されてもよい。パッド１００、２００は、複数のメダリオンを離隔された関係で保持するために、かつパッドにフレキシブルさを与えるために、ヒンジ３８も備える。パッド２００は、さらに、パッド周囲の形状に一致する周囲ヒンジ５０を備える。ヒンジ３８、５０は、隣接するメダリオンの外周間のスペーシングによって画定される幅「Ｗ１」と、メダリオンの上面３４とパッド２００の上面１０との間のスペーシングによって画定される深さ「Ｄ１」と、補強層Ｒ、外側および内側の層１６、１７およびもしあればこれらの層間に配置されるクッション材料１５による結合厚さによって画定される厚さ「Ｔ２」とを有する。前述の構造体における補強材層Ｒは、構造体に、具体的にはヒンジ３８、５８において向上された引裂強さおよびフレキシブルさ、ならびに後述する他の利点を与える。図示されているように、層Ｒは、層１５に隣接しかつその下に配置される。あるいは、所望されれば、層Ｒは、層Ｒが多孔質（多孔性）であることを条件として、層１７へラミネートされることが可能である。あるいはまた、所望されれば、前述の構造体は、さらに、層Ｒと層１７との間に配置される接着層（不図示）を含むことが可能である。

層１５、層１６および層１７および（使用されれば）接着剤に適する材料は、前述の特許出願に、および各々参照によりその全体が開示に含まれる米国公報第ＵＳ２００８／００３４６１４号および第ＵＳ２００９／０２５５６２５号に開示されている。

補強層Ｒの、層１５、１６、１７に対する相対位置は、上述の構造に限定されず、所望される通りに変えられてもよい。さらに、層１５、１６、１７および層Ｒのうちの任意のもの、または全てに使用される材料のタイプも、所望される通りに変えられてもよい。図３Ａには、このような材料セクションの例示的な層状配置の幾つかが示されている。例えば、外層として織物層（ファブリック層）を用いることが望ましい実施形態によっては、内層１７は、この織物層へラミネートされてもよく、補強層が層１５、１７間に配置される形で層１５に隣接して配置されてもよい。実施形態によっては、セクションには、１つまたは複数の補強材層がクッション材層と上側および／または下側のバリア層との間に配置された状態で、バリア層の対向する上下層間に配置されるポリマー材料が含まれる可能性がある。前述の任意の実施形態において、セクションには、さらに、必要に応じて、または所望される通りに、任意の層間に配置される一層または複層の接着剤が含まれてもよい。さらに、これまでに述べた構造体は何れも、層の相対的方向性が上下逆さとなるように反転されてもよい（図示せず）。

補強材層Ｒに適する材料には、クッション材料がバリア層へ直に接触してこれに接着するように、成形プロセスの間にクッション材料が補強材の細孔または細隙を介して流れることを可能にする有孔性（多孔性）の材料が含まれるが、この限りではない。接着プロセスは、化学的、機械的、熱的などであっても、これらの組合せなどであってもよい。

適切な有孔補強材Ｒには、織布および不織布、編物（ニット）、スペーサファブリック、スクリム、交絡ポリエステル（ハイドロ交絡および／またはエア交絡を含む）などが含まれるが、この限りではない。補強層Ｒに適する他の材料には、編物または織物であって、やはりラミネートされる場合も浮動性である場合も含まれるが、この限りではない。編物（ニット）は、丸編み、縦編み、スペーサ編物などである可能性もある。有孔補強層Ｒの使用は、層が成形可能材料で飽和状態になると共に有孔層による僅かな表面剛性の形成を可能にし、これにより、衝撃時に余分な保護層が提供され、かつインサートの構造的一体性が追加される。

適切な不織材料には、エアレイド、スパンボンド、ポイントボンド、ステッチボンド、フォームなどが含まれるが、この限りではない。適切な不織材料の１つは、ハイドロ交絡ポリエステルであり、その重量は、１平方ヤード当たり約０．１オンスから約１５オンスまでの範囲、より具体的には、１平方ヤード当たり約０．５オンスから約５オンスまでの範囲、かつさらに具体的には、１平方ヤード当たり約１オンスから約４オンスまでの範囲である。不織布であれば、層Ｒは、より少ない重量、嵩または経費のかからない布で、構造体内の折り畳みおよび／またはヒンジポイントにおける改良された引裂および屈曲を提供する。前述の改良は、任意選択の布および／またはライニングなしでも増大される。Ｒへの不織布の使用は、艶があり、防水性で洗浄可能な外面も提供し、同時になおも、縫い目における耐引裂性を提供する。ランダム不織繊維の優位点は、編物または織布とは対照的に、柔らかさが向上し、かつ屈曲または曲げられるとはじく傾向が低減される、またはなくされることにある。不織構造のランダム性は、柔らかさを向上させ、かつ実装によっては、折り目および／またはヒンジにおいて向上された引裂強さを提供する場合がある。

ケブラー(Kevlar)（商標）、金属織布または編織物を用いる補強層Ｒは、尖った物体による穿孔および／または突刺に対する保護を提供し、ワイヤメッシュまたは曲げることができる有孔物質の使用は、インサートを成形する能力を提供し、スペーサファブリックの使用は、引裂強さを向上させかつ追加的な撓み性衝撃層を提供し、エーロゲル不織布の使用は、超断熱を提供し、アウトラスト等の相変化ファブリックの使用は、エネルギー貯蔵特性を提供し、静電気放散性のファブリックまたは不織布の使用は、静電気放電を提供し、銀等の活性剤の使用は、抗菌活性等の性質を提供し、選択的にダイカットされるファブリックまたはスクリムの使用は、補強層の選択部分のサイズ、形状および位置合わせに依存する選択的延伸または強度の部位を提供し、シリコーンまたは他のプラスチックメッシュの使用は、耐熱性および／または強度を提供する。

内層、外層、補強層および／またはクッション層のうちの１つまたはそれ以上においては、活性剤の使用が望ましい。例えば、銀または銅ベースの活性剤を添加すると、材料に抗菌性または抗真菌性を与えることができる。内層または外層またはフォーム自体における活性剤の使用は、抗菌剤または抗真菌剤として作用するための銀または銅ベース活性剤の添加のように、望ましい。

本実施形態において、ヒンジ３８、５０でのクッション層１５の厚さは、製造プロセス中に、ヒンジ３８、５０におけるその厚さがゼロに近づくように最小化される。その結果、ヒンジ３８、５０におけるクッション材料は、裸眼では見えない場合があり、または超高感度の厚さ計を用いなければ検出できない場合がある。

層間に留まる残りのクッション材料は、ヒンジ３８、５０において層同士を接着する手助けをする場合がある。使用される材料によって、層間の接着は、少なくとも部分的に化学的、熱的および／または機械的接着であってもよい。例えば、クッション層として使用される材料が樹脂であれば、ヒンジ３８、５０内の残留樹脂は、層を互いに接着するための接着剤として機能することができる。接着剤としての樹脂の使用は、極薄いヒンジ部位における別々の接着剤の必要性をなくし、かつ接着をパッドを通じて一貫してかつ等しく柔軟に保ち、これにより、パッドの耐久性が向上される、という理由で効果的である。

あるいは、層１６、１７のうちの一方として布が使用されれば、ヒンジ内の層間の接着は、樹脂が布内の開口または孔内へ圧搾される結果として、少なくとも部分的に機械的であってもよく、よって、層Ｒおよび層１６、１７の一部は製造中に接着し、その結果、接着された層１６、１７のアイランド間に接着層１５、１６、１７の「アイランド(islands)」（島）が生じる。

ヒンジ３８、５０内のクッション層１５を最小限に抑える又は無くすることにより、ヒンジのフレキシブルさ（柔軟性）は最大化され、よって、パッド２００全体は、様々な方向へ曲がる、屈曲する、折り畳む、および捻れることができる。例えば、パッド２００は、図５に示されているように、ヒンジ３８、５０に沿って矢印「Ａ」の方向へ１８０度も曲がる、または屈曲することができる。反対方向「Ｂ」におけるフレキシブルさは、メダリオンの厚さおよびスペーシングによってのみ制限される。

本実施形態において、ヒンジ３８、５０における外側および内側の層１６、１７間の連続的な接着の存在は、メダリオンを所定位置に「ロック」し、パッドからクッション材料が出ることを最小限に抑えるか防止する、あるいは、流体等の物質がパッド内へ進入することを最小限に抑えるか防止する、という理由で効果的である。したがって、ヒンジ３８、５０は、そうでなければ層剥離に繋がりかねない流体および他の材料のパッドへの貫入を不可能にするように、パッド、具体的にはクッション材料を安定させる。さらに、ヒンジ部位における補強層Ｒの存在は、ヒンジ部位における引裂強さを増大させる。

パッドが前層、後層または双方の層と共に成形される場合、パッドの最大のフレキシブルさは、ヒンジの厚さが層１５を除く層の組み合わされた厚さに略一致するとき、またはクッション層１５の厚さがゼロに近似するときに達成されることがある。

例えば、上述の実施形態において、外側および内側の層１６、１７の双方は、ヒンジ内を含むパッド全体に渡ってクッション層１５へ連続式に接着される。パッドの構造によって、ヒンジ内の材料の量が最小限に抑えられるか、またはなくされる場合、外層および内層は、クッション層１５へ接着されてもよく、または互いに接着されてもよい。前層をクッション層１５へ接着する１つの重大な利点は、クッション層１５の上下に連続する不断の表面を提供すること、即ち、パッドの外周部分を除いてクッション層１５を封入することにある。ヒンジおよび／または溝はメダリオンより薄いことから、連続性の上下層は、ヒンジおよび溝部位を強化し、そうでなければ使用中のパッドの屈曲によって発生し得るヒンジおよび／または溝内の破損が最小限に抑えられる。少なくとも１つの接着層は、屈曲中の薄いヒンジ部位を保護するために使用されてもよい。熱可塑性ポリウレタンフィルムは、外層１６として使用されると、ヒンジまたは溝内の層１７の亀裂または破損を防止する上で特に優れている。内層は、フォームへ接着されていれば、ヒンジまたは溝へ力を与えることができ、または、多くの実施形態では、内層および外層の双方がフォームへ接着される。ヒンジの厚さが極小さい場合、特に、ヒンジ内にフィルムがほとんど存在しない、または全く存在しない場合、内側および外側双方の接着層は、補強層Ｒの有無に関わらず、パッドの構造的完全性（構造的一体性）を保持することが望ましい。内層および外層には、ＴＰＥフィルム（訳注：「ＴＰＥ」とは、Thermo-Plastic Elastomer、熱可塑性エラストマーを意味する）、スパンデックスファブリックなどの、かなりの弾性を有する材料を用いることが望ましい。実施形態によっては、内層または外層として、積層式フィルム裏当てを有するファブリックを用いることが望ましい場合がある。ポリウレタンフィルム積層体等の、ファブリックとフィルムとの積層体である内層は、ヒンジの耐久性を最大化するために望ましい。

先に述べたように、本開示の別の態様は、身体の特定部位を保護するために、上述のパッドを、衣料品、具体的には弾性衣料へ組み込むことである。これまでに述べたパッドのうちの１つが、着用者にぴったりとフィットする弾性スリーブまたは衣料へ組み込まれる場合、ヒンジ式および／または溝付きの多層パッド構造体は、ヒンジ式パッドが保護されるべき部位にフィットして接触する形に保たれるようにして、スパンデックスファブリック、その他延伸可能な材料へ縫合、粘着または他の方法で付着される。パッドは、衣料品の内部または外部へ縫合されることが可能である。パッドには、スリーブがなおも著しく延伸して着用者にフィットできるように、スリーブの全外周の一部のみをカバーさせることが望ましい場合がある。独自的なヒンジ式保護パッドと弾性衣料との統合は、衣料品全体を替えることなく、重要な衝撃吸収パッドを特定の身体部位へ追加する単純な方法を作り上げることによって、特別な相乗効果をもたらす。

図７は、スリーブ（袖）の本体６４へ付着されたクッションパッドを備える、圧縮（弾性）スリーブ３００を示す。図示されているように、パッドは、使用時に中央のメダリオン１８の位置がユーザの肘に一致するように、周囲フランジ４０をスリーブ３００の本体６４へ綴じ付けることによってスリーブ３００へ付着される。使用時に、ユーザの腕が曲げられると、フレキシブルなヒンジ３８と溝４２とのコンビネーションにより、パッドは、中央のメダリオン１８の肘に対する位置合わせを保持しながら、ユーザの腕の曲がった構造へ適合することができる。

パッドが圧縮（弾性）スリーブと統合される場合、動作する関節を保護する他の方法に比べて、幾つかの固有の特性および利点が提供される。圧縮（弾性）スリーブへ組み込まれると、パッドは、保護されるべき関節と連続的に密接な接触状態になることが可能であるが、これは、適切に設計されたヒンジが、保護用スリーブが自然に正しい位置および方向性に留まることを可能にするという理由で、膝、肘、肩および足首等のフレキシブルな関節を保護する場合に望ましいことがある。ヒンジが適正に設計されると、保護用圧縮（弾性）スリーブは、腕と一体式に動き、従来のパッドより遙かに広い可動域を可能にする。

また、保護用スリーブが関節および皮膚と密接に接触した状態では、外部の物質からの衝撃後、パッドに起因して皮膚または関節に当たる追加的な衝撃は存在しない。より硬いパッドは、フレキシブルでもなく形状にフィットもしないことから、特定の身体部位または関節と連続的に密接な接触状態になり得ない場合がある。形状にぴったり合わなければ、パッドは、着用者を傷つける衝撃の一部となる場合がある。スリーブ構造のパッドは、広範な半径に渡って包むことができかつ、ある例によっては関節全体を包むことにより３６０度の保護を提供することによって、動作する関節を独自に、より良く保護することができる。概して、スリーブが延伸して腕への適合性を高めることができるように、圧縮（弾性）スリーブの幾分かの部位は、パッド層を追加せずに残すことが望ましい。

図８は、シャツの本体８０へ付着されたクッションパッドを備える、圧縮（弾性）シャツ４００を示す。図示されているように、パッドは、中央のメダリオン１８の位置がユーザの胸の中心に一致するように、周囲フランジ４０をシャツの本体８０へ綴じ付けることによってシャツ４００へ付着される。使用時に、フレキシブルなヒンジ３８と溝４２とのコンビネーションは、パッドが、パッドをユーザの体に近接して保持しながら、ユーザの胸の領域へ適合することを可能にし、これにより、ユーザが胸部域に衝撃を受けた場合のパッドの衝撃吸収能力が最大化される。衣料品は、皮膚層から湿気を逃がすように設計されるウィッキングファブリックからも製造されることが可能である。

また、本パッドは、保護機能を損なうことなく、空気および／または湿気の透過を強化するように設計される場合もあるが、他の保護パッドにこのオプションは存在しない。ヒンジ、溝および／またはメダリオンは、穿孔（図示略）を備えてもよく、これにより、湿気または空気の透過率が上がる。ウィック素材の内層としての使用、または内層であるＴＰＥフィルム層との組合せによる使用は、心地よさも高めることができ、かつヒンジを介して湿気を逃がすことができる。また、高い水蒸気透過性（「ＭＶＴ」）(moisture vapor transmissive)フィルム層の使用は、心地よさをさらに高めることができる。このようなフィルムは、化学的吸収／脱離によって機能することができる。このようなフィルムの例は、Ｏｍｎｉｆｌｅｘ社からＳｙｍｐａｔｅｘまたはＴＸ１５４０の商品名で販売されている。また、ＧｏｒｅｔｅｘまたはＰｏｒｅｌｌｅ（Ｐｏｒｖａｉｒ社）等の微孔質高ＭＶＴフィルム、または他の類似フィルムも使用可能である。

本パッド／構造体は、前述の第’６１４号特許公報に開示されている技術を用いて製造されてもよい。本パッド用の金型は、化学的、熱的および／または機械的接着であり得る接着で層を互いに接着させながら、パッドの所定の実施形態ではヒンジ３８、５０におけるフォームを最小限に抑える、またはなくすに足る条件下で、層１５、１６、１７、Ｒが互いに圧縮されることが可能であるように設計される。

クッション層１５用に、厚さゼロに接近する接着ヒンジを用いることは、極めてユニーク（独自的）である。このようなゼロに近い厚さのヒンジ部位において、外層の頂面は、なおもヒンジ全体にわたって内層へ接着され、これにより、特定の選択された部位における劇的に改良された可動域を可能にすることができる。記述しているように、ヒンジ部位は、クッション材料のより厚い部位より少ないことを条件として、ゼロに近い厚さ（フォームの０．００１インチ（１ミル）未満）からの、またはこれより高い、何れかであることが可能である。実施形態の中には、ゼロに近いヒンジ部位を有するものがあり、一方で他のヒンジ部位は、０．０１０インチ（１０ミル）、０．０２０インチ（２０ミル）にあり、または０．０８０インチ（８０ミル）または０．１２０インチ（１２０ミル）ですらある。複数の方向性におけるヒンジ部位および溝部位双方のコンビネーションは、必要とされる場合に全可動域を組み合わせるパッドの形成、但しさほど屈曲が要求されない他の部位における保護パッドの形成を可能にする。

ヒンジ部位の厚さがゼロに接近する付近、または薄いヒンジ部位（０．１００インチ（１００ミル）未満のフォーム）において、パッド全体が連続して接着された内層または外層（もしくは双方）を有する、という事実は、スペーシング（間隔）を保持し、かつ保護されない部位の分離を防止する。カット片は圧迫されると分離し、よってユーザは露出されて怪我を負う可能性があることから、これは、パッドを作るために別々のカット片が使用されるパッドとは対照的である。

本パッドは、軽量でありながら、特定の身体部位へのより優れた保護を提供するように製造されることが可能であるが、これは、運動選手および活動的な個人にとって重大な利点である。

同様に、具体的にはヒンジが「ゼロに近い」ヒンジである場合、クッションパッドを通じたヒンジの「ネットワーク」が、パッドの耐久性をさらに向上させるが、それは、フォームまたはヒンジ部位内の他のクッション材料をなくす、または最小限に抑えることでヒンジ内の接着強さを増大させるからである。補強層が包含される場合、引裂強さは増大される。ヒンジ部位では、ヒンジ部位における残りのクッション材料がフォーム構造体（フォームの場合）を支持するには不十分であることから、接着強さが増大される。ヒンジ内にフォームが残れば、接着強さは、フォームの引裂強さまで制限されてもよい。したがって、フォームまたは他のクッション材料の厚さが最小限に抑えられると、裂けるべきフォームセルの薄壁は存在しないことから、ヒンジ内の接着は増大する。即ち、ヒンジ内にセル状のフォーム構造体が存在しなければ、流体および／または微粒子が周囲フランジを超えて浸透する空間はない。その結果、１つのメダリオンまたはヒンジが損傷される、または危うくされても、損傷が及び得る場所は隣接するパッドおよび／またはヒンジでしかないことから、パッド全体への損傷は最小限におさえられるか、部分的なものとなる。

本開示の別の態様は、具体的にはケースの縁における衝撃保護の向上、さらなる軽量化、審美性の向上、製造コストの低減、およびケースに入れる物品の摩耗の低減をもたらす、改良されたケースである。本開示の改良されたケースは、保護されるべき物品の外面に略適合する分離可能な内側および外側の相互接続パーツを備える。本保護ケースは、これまでに述べたものに加えて、保護を必要とする任意タイプの製品用に適合化されることが可能である。

図９〜図１５は、全体で、携帯電話のための保護ケースに関連する本開示の例示的な一実施形態を示している。本明細書では、携帯電話を参照して説明を行っているが、一般的な当業者には、本ケースが、様々なアプリケーション（応用例）において、保護を必要とする任意タイプの製品用に使用され得ることが理解されるであろう。例えば、本明細書に記述される概念は、ｉＰａｄ（登録商標）等のデバイス用のより大きいケース、ハードシェルの付いた任意の鞄、運動用防護服などにも当てはまる。したがって、ケース本体およびインサートは、中に入れる製品の外面へ少なくとも部分的に適合する形状に形成されることが可能である。

図９に示されているように、ケース５００は、ケースインサート６００と、ケース本体７００とを備える。ケースインサート６００は、ケースインサート６００に入れるための物品、本例では携帯電話の外面の少なくとも一部に適合するように構築されてもよく、かつケース本体７００は、ケースインサート６００の少なくとも一部の外面に適合するように構築されてもよい。

ケース本体７００は、図１０にさらに詳しく示されている。図示されているように、ケース本体７００は、内面７０２と、外面７０４と、これらを通じて延びる複数の開口７０６とを備える。また、ケース本体７００は、１つまたは複数の開口または孔７０８も含んでもよく、その形状、サイズおよびロケーション（位置）は、機能キーまたは他のアイテム（充電ポート、アンテナ、カメラのファインダなど）のサイズ、形状およびロケーション（位置）に対応して、このようなアイテムを障害物のない状態に保持する。

ケース本体７００は、略硬質、半硬質および／または軟質材料で製造されてもよい。硬質である場合、ケース本体７００は、典型的には携帯電話カバーに使用されるタイプの硬質プラスチック材料から製造されてもよい。ケース本体７００は、ケース本体の内面と携帯電話の外面との間にケースインサートを置けるだけのスペース（空間）を含んで、ケースインサートに対応するサイズおよび構造を有する。

図示されているように、ケース本体７００は、１つの単一パーツとして示されているが、所望されれば、ケース本体は、携帯電話の前面および裏面へ組み立てられる、連動エッジの付いた２つ以上のパーツとして製造されてもよい。同様に、ケースインサート６００も、各ケース本体部分に対応する、かつ組立て前に各ケース本体部分へ挿入されることが可能な２つの別々のパーツとして製造されてもよい。

図１１は、ケースインサート６００をより詳しく示している。ケースインサート６００は、ケースインサート６００に入れるための物品、本例では携帯電話の外面の少なくとも一部に適合するように構築されてもよい。この例示的実施形態において、ケースインサート６００は、離隔された外側および内側の表面６０２、６０４と、外面６０４内に画定されかつ外面６０４から上方へ延びる、ケース本体７００内に配置された（先に述べたような）開口７０６に対応する複数のメダリオン（以下、「バンパ６１８」）とを備える。バンパ６１８は、先に述べたように、チャネルによって互いから離隔され、かつ所望される通りに変わり得る厚さＴ１および幅Ｗ１を有する。バンパ６１８は、チャネルの厚さＴ１より大きい厚さＴ３を有し、かつインサートの外面より上へ厚さＴ２だけ突き出す。

前述の厚さ、幅およびスペーシングは全て、所望される通りに変わってもよい。

バンパ６１８は、上面６１８ａと、上面６１８ａから下へ延びる側壁６１８ｂとを備える。バンパ６１８は、ケース本体７００の外面より上へ突き出すことによって、保護効果または心地よい効果を提供するに足る任意の厚さを有してもよい。したがって、所定の機能的効果のために、バンパ６１８の厚さは、組み立てられた場合の構造でケース外面より上へ突き出すように設計されてもよい。例えば、例示的な本携帯電話デバイスのケースでは、バンパ６１８は、ケースインサート６００の外面より上へ約１／１６インチから約１／２インチだけ突き出してもよい。所望されれば、または必要であれば、ケースインサート６００は、落下に際して画面を保護するために画面側面（例えば、ベゼル(bezel)）に隣接して突き出すように設計されるバンパも備えることができる。

ケースインサート６００の厚さは、所望される通りに変えられてもよいが、ケースの総重量を最小限に抑えるだけの薄さでありながら、デバイスを衝撃から保護するに足る厚さであることが望ましい。

所望されれば、ケースインサート６００は、フォームの一部が、画面側面（図示略）を保護するための軟らかいベゼルとして作用すべくガラス画面上へ突き出すように製造されることが可能である。

本明細書では略正方形として示されているが、バンパ６１８は、衝撃保護という機能上の効果、または消費者にアピールするための美的設計を達成するように、所望される通りの任意の形状または構造を有してもよい。バンパのサイズ、形状、数量、構造およびロケーション（位置）は、前述の目的を達成すべく所望される通りに変えられてもよい。審美性を目的として、ケース本体およびインサートの色は、同じであっても、異なってもよく、それらはまた、グラフィック（画像）の使用に順応してもよい。

また、ケースインサート６００は、ケース本体７００内のものに対応する１つまたは複数の開口または孔６２０も備え、その形状、サイズおよびロケーション（位置）は、機能キー、または障害物のない状態に置かれなければならない他のアイテム（充電ポート、アンテナ、カメラのファインダなど）のサイズ、形状およびロケーション（位置）に対応する。

所望されれば、ケースインサート６００は、フォームの一部が、画面側面（図示略）を保護するための軟らかいベゼル(bezel)（枠）として作用すべくガラス画面上へ突き出すように製造されることが可能である。

図１１には、ケースインサート６００が、ケース本体７００へ挿入される前の平坦な、または広げられた形状で示されている。ケース本体７００へのケースインサート６００の挿入を容易にするために、ケースインサート６００は、携帯電話の輪郭、縁および／または角に対応する折り目６３０および／または折り畳み領域６３０’（図１６において最もよく分かる）も備えてもよい。所望されれば、折り目６３０および／または折り畳み領域６３０’は、スペーサ域Ｓの厚さＴ１より少ない厚さＴ４を有してもよい。

図１５は、ケース本体７００へ挿入されつつあるケースインサート６００を示す。先に述べたように、平坦な形状にある場合、ケースインサートは、折り目６３０を含んでもよい。したがって、組立てに際して、ケースインサートは、対応するバンパおよび開口が揃えられかつケース上面から突き出るまでバンパが対応する開口へ挿入されるようにして、折り目６３０および／または折り畳み領域６３０’に沿って折り畳まれ、ケースに挿入される。

組み立てられると、バンパは、ケース本体上の対応する開口から突き出し、かつバンパ間のスペーサ域Ｓは、バンパ間でケース本体より下に配置される。突き出すバンパは、少なくともケース本体を衝撃から保護する機能を果たし、かつケース本体の下に配置されるスペーサ域も、デバイスとケース本体との間に配置される材料を介してエネルギーを吸収する。したがって、ケース１０は、独自の特徴である、外側にバンパが露出され、かつ内側ではケースインサートがケース本体の下に配置される結果として、耐衝撃性およびエネルギー吸収性を提供する。本明細書では、バンパ６１８を開口７０６がその内部に受け入れるように適合化されて示されているが、本ケース本体は、バンパ６１８を内部に受け入れるために、開口ではなく、窪んだ領域（不図示）を備えるように形成されることも可能である。

先の実施形態におけるものと同じケース本体７００を備える、ケースの別の実施形態５００’を、図１６〜図１９を参照して示す。ケースインサート６００’は、ケースインサート６００に類似する構造を有し、かつさらに、折り目６３０ではなく折り畳み領域６３０’を含む。

先に述べたように、ケース本体およびケースインサート双方の色および／またはパターンは、審美的理由で替えられてもよい。ケースは、消費者がケース本体とケースインサートとを希望通りに交換できるように、異なる色、パターンおよび／またはグラフィック（画像）を有する２つ以上のケース本体および／または２つ以上のケースインサートを備えるキットとして販売されてもよい。

図示されているように、セクション１００は、上側のバリア層と下側のファブリック層との間に配置されるポリマー材料を含む。あるいは、セクション２００は、下側のバリア層がファブリック層へラミネートされた状態で、上下バリア層間に配置されるポリマー材料を含んでもよい。また更に、セクション３００は、２つのファブリック材料層であって、その２つのファブリック材料層の一方が上下バリア層の各々に隣接して配置されるものを備えてもよく、そして、補強層が両バリア層の各々に隣接して配置されてもよい。

フォームを含む多くの材料は、摩耗および擦過によって経時的に劣化する場合があり、これにより、デバイス内へ透通して機能障害を発生させ得る粒子が生じる。未加工のフォームセルを露出させることは、フォームセルが汚れまたは塵を閉じ込めて美的でなくなり、かつデバイスを擦傷する可能性もあることから望ましくない。したがって、成形フォームには、適切な美観および／または、それが露出される外層として使用される場合には表面特性を提供するために、適切な頂面を接着させることが望ましい場合もある。これは、フィルム、フィルムラミネート、もしくは織物もしくは皮、又は、これらの組合せである可能性もある。

ケースインサート６００の対向する両面の一方または双方上に保護層またはバリア層を包含することによるケースインサート６００フォームの封入は、摩耗、擦過、微粒子形成を防止する、または最小限に抑えることができ、かつフォームに対する湿気防止を提供することができる。したがって、ケースインサートは、連続して接着される上面層を有する柔らかいフォームパーツ等の複数の層を備えることができ、柔らかいパーツの上面は、硬質ケース内の開口を介して突き出す。このようなケースにおいて、平坦な側面層または底層の織物またはフィルムは、ケースのライニングを作るように選択されることが可能である。インサート全体に渡って延びる連続する接着フィルムまたはファブリック層は、連続層のないフォームよりも実質的に向上した耐久性を提供する。

連続する接着フィルムが使用される場合、バンパ間に配置されるケースインサートの厚さは、０．０２０インチ（２０／１０００インチ）からの範囲であってもよいが、これより厚い、または薄い可能性もあり、または（全体的な衝撃保護が不要であれば）ゼロである可能性もある。衝撃吸収用には、大きすぎる厚さを追加することなく、約０．０２０インチから約０．０６０インチまでの厚さが望ましい。バンパの全体（開口フォーム間）および外部への延伸およびサイズを変える能力は、ケースの衝撃からの保護およびデバイスの打撃からの保護の双方において重要である。これらの厚さは、カメラケース、レンズケース、鞄、ｉｐａｄ（商標）等の他のデバイス用に必要に応じてカスタマイズされることが可能である。

電子デバイスの保護ケースとして使用される硬質プラスチックケースの１つの欠点は、デバイスが落下した場合にケースが割れることが多く、ケースを交換しなければならないことにある。本保護ケースは、突き出している隆起した衝突域がまず衝撃を削ぐことから、硬質ケースを破壊から保護するという追加の優位点を有する。

多くの保護ケースにおける別の欠点は、内部のデバイスが正面又は背面の衝撃からよりも側面又は縁側の衝撃からの方が破壊されやすいことにある。本ケースでは、インサートにＰＯＲＯＮ ＸＲＤのような衝撃吸収フォームを用いることで、このような衝撃からの保護を提供する。

本明細書における「第１」、「第２」などの用語は、順序または重要性を示すものではなく、あるエレメントを別のエレメントから区別するために使用され、かつ本明細書における不定冠詞は、量的制限を示すものではなく、参照されるアイテムのうちの少なくとも１つの存在を示すものであることは留意されるべきである。同様に、「底」および「上」という言い回しは、本明細書では、別段の指摘のない限り、単に説明の便宜上使用されるものであり、任意の１つのポジションまたは空間的方向性に限定されないことも留意されるべきである。さらに、量に関連して使用される修飾成句「約」は、記載値を含むものであって、文脈により示される意味を有する（例えば、具体的な量の測定に関連づけられる誤差の度合いを含む）。

化合物は、標準的な命名法を用いて記述されている。例えば、指摘された基により置換されないポジションは何れも、その原子価が指摘された通りの化学結合で充填されているものと理解され、または２つのアルファベットまたは記号間でない水素原子Ａダッシュ（「−」）は、置換基の付着点を指すために使用される。例えば、−ＣＨＯは、カルボニル基の炭素を介して付着される。本明細書において別段の規定のない限り、本明細書における百分率は全て、重量パーセント（「ｗｔ．％」）を意味する。さらに、本明細書に開示されている全ての範囲は、包含的でありかつ結合可能である（例えば、「約２５重量パーセント（ｗｔ．％）まで、望ましくは約５ｗｔ．％から約２０ｗｔ．％まで、より望ましくは約１０ｗｔ．％から約１５ｗｔ．％まで」の範囲は、これらの端点およびその範囲内の全ての中間値、例えば「約５ｗｔ．％から約２５ｗｔ．％まで、約５ｗｔ．％から約１５ｗｔ．％まで」、他を含む）。「＋／−１０％」という表記は、指示される測定値が、記載値のマイナス１０％の量からプラス１０％の量までであり得ることを意味する。

最後に、別段の規定のない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。

本開示を例示的な実施形態を参照して記述したが、当業者には、本開示におけるエレメントについては、開示の範囲を逸脱することなく、様々な変更が行われてもよく、かつ等価物により置換されてもよいことが理解されるであろう。さらに、本開示の教示内容に対しては、その本質的範囲を逸脱することなく、特定の状況または材料を適合させるために多くの変形が行われてもよい。したがって、本開示は、本開示を実行するために企図される最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されず、開示は、添付の請求の範囲に含まれる全ての実施形態を包含することが意図されている。

（なし）

Claims (7)

1. 対向する第１および第２のバリア層間に配置されるフォーム層（発泡体層）と、
   前記第２のバリア層と前記フォーム層との間に配置される補強層と、
   を備えるクッション材料構造体。
2. 前記補強層は多孔性である、請求項１に記載のクッション材料構造体。
3. 前記補強層は不織布である、請求項１に記載のクッション材料構造体。
4. 前記補強層は水流絡合不織布である、請求項１に記載のクッション材料構造体。
5. 第１のＴＰＥ層に隣接して前記フォーム層の対向側へ配置される第１のファブリック層を更に備える、請求項１に記載のクッション材料構造体。
6. 第２のＴＰＥ層に隣接して前記補強層の対向側へ配置される第２のファブリック層を更に備える、請求項２に記載のクッション材料構造体。
7. 第１のＴＰＥ層に隣接して前記フォーム層の対向側へ配置される第１のファブリック層と、第２のＴＰＥ層に隣接して前記補強層の対向側へ配置される第２のファブリック層とを更に備える、請求項１に記載のクッション材料構造体。

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