JP2018130672A - 排ガス処理方法及び排ガス処理装置 - Google Patents

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【課題】本発明は、集塵器が腐食されたり集塵器のフィルタが閉塞することを抑制することができる排ガス処理方法を提供する。【解決手段】本発明の排ガス処理方法は、NOx及びSOxを含む排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成された第1ミストの150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給し、第1ミストよりも下流側の排ガス中にNaOH水溶液を噴霧することにより第2ミストを形成し、第2ミストよりも下流側に設けられた集塵器により排ガス中のダストを除去する排ガス処理方法であって、第1ミストは、前記局所冷却域にオゾンガスを供給するオゾン噴出口の周囲に設けられた噴霧孔から排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成され、第1冷却水の噴霧量又はNaOH水溶液の噴霧量を、前記集塵器に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス処理方法及び排ガス処理装置に関する。
ガラスびんなどのガラス製品は、珪砂、ソーダ灰、石灰などの原料と空き瓶などを砕いて作られるカレットを溶解炉においてバーナーなどで溶かし(約1500℃)、溶かしたガラスを成形することにより製造される。ガラスを溶かす溶解炉からは、バーナーからの燃焼排ガスと溶解したガラスから発生する成分とを含む燃焼排ガスが排出される。溶解炉から排出される燃焼排ガスには、大気汚染物質であるNOxやSOxが含まれており、燃焼排ガスを大気中に放出する前にこれらの汚染物質を燃焼排ガス中から除去する必要がある。また、この燃焼排ガスにはガラス原料由来のSOx、粘着成分などの触媒被毒成分が含まれているため、従来のNOx処理技術である「選択触媒還元法」を使用することが困難である。
排ガスに冷却水を噴霧することにより形成したミストの局所冷却域を利用してNOをオゾンによりNO2に変換した後、還元剤によりNO2を除去する排ガス処理方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、還元剤からNa2SO4微粒子が発生するため、集塵器によりこれらの微粒子を排ガスから除去する必要がある。
特開2015−16434号公報
ミストの局所冷却域を利用した従来の排ガス処理方法では、集塵器が腐食されたり集塵器のフィルタが閉塞する場合がある。また、従来の排ガス処理方法では、オゾンがNOの酸化に利用される前に熱分解される場合があり、NOxの除去効率が十分でない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、排ガス中のNOxを効率よく除去することができ、かつ、集塵器が腐食されたり集塵器のフィルタが閉塞することを抑制することができる排ガス処理方法を提供する。
本発明は、NOx及びSOxを含む排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成された第1ミストの150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給し、第1ミストよりも下流側の排ガス中にNaOH水溶液を噴霧することにより第2ミストを形成し、第2ミストよりも下流側に設けられた集塵器により排ガス中のダストを除去する排ガス処理方法であって、第1ミストは、前記局所冷却域にオゾンガスを供給するオゾン噴出口の周囲に設けられた噴霧孔から排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成され、第1冷却水の噴霧量又はNaOH水溶液の噴霧量を、前記集塵器に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することを特徴とする排ガス処理方法を提供する。
本発明の排ガス処理方法ではNOxを含む排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成された第1ミストの150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給するため、排ガスに含まれるNOをオゾンにより酸化しNO2に変換することができる。また、150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給するため、オゾンが熱分解することを抑制することができ、排ガスに含まれるNOを効率的にNO2に変換することができる。さらに、第1ミストの局所冷却域においてNOをNO2に変換するため、第1ミストの下流側の排ガス温度が低くなりすぎることを防止することができる。
本発明の排ガス処理方法では、第1ミストは、前記局所冷却域にオゾンガスを供給するオゾン噴出口の周囲に設けられた噴霧孔から排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成される。このため、噴霧孔から第1冷却水を噴霧することにより形成された第1ミストの中心部にオゾン噴出口からオゾンガスを供給することができ、オゾンガスが第1ミストの外の排ガス中に供給されることを抑制することができる。従って、オゾンガスが熱分解されることを抑制することができ、オゾンガスを効率よくNOの酸化反応に利用することができる。
本発明の排ガス処理方法では第1ミストよりも下流側のSOx及びNO2を含む排ガス中にNaOH水溶液を噴霧することにより第2ミストを形成するため、第2ミスト中においてSO2及びNaOHから還元剤であるNa2SO3を生成することができ、Na2SO3によりNO2をN2に還元することができる。従って、第2ミスト中において排ガスに含まれるNOxを効率よく除去することができる。また、第2ミスト中においてNO2をN2に還元するため、第2ミストの下流側の排ガス温度が低くなりすぎることを防止することができる。なお、還元剤であるNa2SO3とNO2が反応することによりNa2SO4が生成し、Na2SO4のダストが排ガス中に生じる。
本発明の排ガス処理方法では第2ミストよりも下流側に設けられた集塵器により排ガス中のダストを除去するため、排ガス中のNa2SO4のダストを集塵器により除去することができる。
本発明の排ガス処理方法では第1冷却水の噴霧量又はNaOH水溶液の噴霧量を、集塵器に流入する排ガスの温度が150℃より高くなるように調節するため、集塵器を流れる排ガスの温度が酸露点(例えば硫酸露点)以下の温度になることを防止することができ、集塵器に酸性溶液が付着することを抑制することができる。このため、集塵器に含まれる金属部材が酸性溶液により腐食されることを抑制することができる。また、酸性溶液をバインダとしてダストが集塵器内部に付着することを抑制することができ、集塵器に含まれるフィルタが閉塞することを抑制することができる。
本発明の排ガス処理方法では第1冷却水の噴霧量又はNaOH水溶液の噴霧量を、前記集塵器に流入する排ガスの温度が350℃以下となるように調節するため、集塵器が熱劣化することを抑制することができる。
本発明の一実施形態の排ガス処理装置の概略構成図である。 第1噴霧部及びオゾン供給部に含まれる噴霧ノズルの概略断面図である。
本発明の排ガス処理方法は、NOx及びSOxを含む排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成された第1ミストの150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給し、第1ミストよりも下流側の排ガス中にNaOH水溶液を噴霧することにより第2ミストを形成し、第2ミストよりも下流側に設けられた集塵器により排ガス中のダストを除去する排ガス処理方法であって、第1ミストは、前記局所冷却域にオゾンガスを供給するオゾン噴出口の周囲に設けられた噴霧孔から排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成され、第1冷却水の噴霧量又はNaOH水溶液の噴霧量を、前記集塵器に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することを特徴とする。
本発明は、NOx及びSOxを含む排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成された第1ミストの150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給し、第1ミストよりも下流側の排ガス中にNaOH水溶液を噴霧することにより第2ミストを形成し、排ガス中に第2冷却水を噴霧することにより第3ミストを形成し、第2及び第3ミストよりも下流側に設けられた集塵器により排ガス中のダストを除去する排ガス処理方法であって、第1、第2及び第3ミストは、下部に水封槽を有する反応塔を流れる排ガス中に形成され、第2冷却水は、前記水封槽に溜めた水であり、第2冷却水の噴霧量を、前記集塵器に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することを特徴とする排ガス処理方法も提供する。第2冷却水の噴霧量により集塵器に流入する排ガス温度を調節することにより、第1冷却水の噴霧量及びNaOH水溶液の噴霧量を少なくすることができる。このことにより、第1ミストと第2ミストが重なることを抑制することができ、第1ミスト中のオゾンガスと、第2ミスト中の還元剤とが反応することを抑制することができる。また、NaOH水溶液を効率よく排ガス処理に利用することができる。さらに、水封槽に溜めた水(第2冷却水)で第3ミストを形成することにより、水封槽に溜めた水を消費することができる。このため、水封槽に溜めた水の溶質濃度が高くなることを抑制することができ、水封槽に溜めた水の排水処理を省略することができる。
本発明の排ガス処理方法において、第1ミストの150℃以下の局所冷却域を排ガスが1秒間以上かけて流れるように第1冷却水の噴霧量を調節することが好ましい。このことにより、局所冷却域中のオゾンガスが熱分解することを抑制することができ、排ガス中のNOガスを効率よくNO2ガスに変換することができる。
本発明の排ガス処理方法において、第2ミスト中を排ガスが2秒間以上かけて流れるようにNaOH水溶液の噴霧量を調節することが好ましい。このことにより、第2ミストに含まれる微小水滴の存続時間を2秒間以上とすることができ、第2ミスト中においてSO2及びNaOHから還元剤であるNa2SO3が生成する化学反応と、Na2SO3によりNO2をN2に還元する化学反応とを進行させる時間を確保することができる。このため、排ガス中のNOxを効率的に除去することができる。
本発明の排ガス処理方法において、第2ミストよりも下流又は第1ミストよりも上流における排ガスのSO2濃度の計測値、前記集塵器により回収したダストのpH測定の測定結果、及び第2ミストよりも下流における排ガスのNOx濃度の計測値のうち少なくとも1つに基づきNaOH水溶液の噴霧量又は噴霧するNaOH水溶液のNaOH濃度を調節することが好ましい。このことにより、排ガス中のSOx及びNOxを効率よく除去することができる。
本発明の排ガス処理方法において、第1及び第2ミストは下部に水封槽を有する反応塔を流れる排ガス中に形成されることが好ましく、前記水封槽に溜めた水の酸化還元電位又はpHに基づきNaOH水溶液の噴霧量又は噴霧するNaOH水溶液のNaOH濃度を調節することが好ましい。このことにより、第2ミストのNaOH量又は還元剤量が不足した場合にすぐにNaOH量又は還元剤量を増やすことができ、酸性ダストが生成することを抑制することができる。
本発明の排ガス処理方法において、第2ミストはNaOHと還元剤の混合水溶液を噴霧することにより形成されることが好ましい。このことにより、SO2とNaOHから生成したNa2SO3と、混合水溶液に含まれる還元剤の両方によりNO2をN2に還元することができ、排ガス中のNOxを効率的に除去することができる。
本発明の排ガス処理方法において、第2ミストよりも下流における排ガスのNOx濃度の計測値に基づき混合水溶液の噴霧量又は噴霧する混合水溶液の還元剤濃度を調節することが好ましい。このことにより、排ガス中のNOxを効率的に除去することができる。
本発明は、NOx及びSOxを含む200℃以上の排ガスが流入するように設けられた反応塔と、前記反応塔から排出された排ガスが流入するように設けられた集塵器と、前記反応塔を流れる排ガス中に第1冷却水を噴霧して150℃以下の局所冷却域を有する第1ミストを形成するように設けられた第1噴霧部と、前記局所冷却域にオゾンを供給するように設けられたオゾン供給部と、前記反応塔を流れる排ガスの第1ミストよりも下流側にNaOH水溶液を噴霧して第2ミストを形成するように設けられた第2噴霧部と、第1又は第2噴霧部の噴霧量を調節するように設けられた調節部とを備え、前記調節部は、前記集塵器に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように第1又は第2噴霧部の噴霧量を調節するように設けられたことを特徴とする排ガス処理装置も提供する。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
図1は本実施形態の排ガス処理装置の概略構成図である。図2は、第1噴霧部及びオゾン供給部に含まれる噴霧ノズルの概略断面図である。
本実施形態の排ガス処理方法は、NOx及びSOxを含む排ガス中に第1冷却水41を噴霧することにより形成された第1ミスト6の150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給し、第1ミスト6よりも下流側の排ガス中にNaOH水溶液42を噴霧することにより第2ミスト7を形成し、第2ミスト7よりも下流側に設けられた集塵器3により排ガス中のダスト32を除去する排ガス処理方法であって、第1ミスト6は、前記局所冷却域にオゾンガスを供給するオゾン噴出口37の周囲に設けられた噴霧孔51から排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成され、第1冷却水41の噴霧量又はNaOH水溶液42の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することを特徴とする。
また、本実施形態の排ガス処理方法は、NOx及びSOxを含む排ガス中に第1冷却水41を噴霧することにより形成された第1ミスト6の150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給し、第1ミスト6よりも下流側の排ガス中にNaOH水溶液42を噴霧することにより第2ミスト7を形成し、排ガス中に第2冷却水34を噴霧することにより第3ミスト8を形成し、第2ミスト7及び第3ミスト8よりも下流側に設けられた集塵器3により排ガス中のダスト32を除去する排ガス処理方法であって、第1、第2及び第3ミストは、下部に水封槽9を有する反応塔2を流れる排ガス中に形成され、第2冷却水34は、水封槽9に溜めた水であり、第2冷却水34の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することを特徴とする。
本実施形態の排ガス処理装置50は、NOx及びSOxを含む200℃以上の排ガスが流入するように設けられた反応塔2と、反応塔2から排出された排ガスが流入するように設けられた集塵器3と、反応塔2を流れる排ガス中に第1冷却水41を噴霧して150℃以下の局所冷却域を有する第1ミスト6を形成するように設けられた第1噴霧部15と、局所冷却域にオゾンを供給するように設けられたオゾン供給部18と、反応塔2を流れる排ガスの第1ミスト6よりも下流側にNaOH水溶液42を噴霧して第2ミスト7を形成するように設けられた第2噴霧部16と、第1噴霧部15又は第2噴霧部16の噴霧量を調節するように設けられた調節部20とを備え、調節部20は、集塵器3に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように第1噴霧部15又は第2噴霧部16の噴霧量を調節するように設けられたことを特徴とする。
以下、本実施形態の排ガス処理方法、排ガス処理装置について説明する。
本実施形態の排ガス処理方法、排ガス処理装置50の処理対象となる排ガスは、NOx及びSOxを含む排ガスであれば特に限定されないが、例えば、ガラス溶解炉1の排ガス、ボイラの排ガス、ごみ焼却炉の排ガスなどである。
処理対象となる排ガスが反応塔2に流入し、反応塔2の内部を流れ、反応塔2から排出されるように反応塔2を設けることができる。また、排ガスが反応塔の下から上に向かって流れるように反応塔2を設けることができる。また、反応塔2に流入する排ガスの温度は、200℃以上600℃以下であってもよく、250℃以上550℃以下であってもよい。反応塔2を流れる排ガスに形成する第1ミスト6、第2ミスト7、第3ミスト8については後述する。
反応塔2は、下部に水封槽9を有することができる。反応塔2の内部で粗大化したダスト32は、反応塔の内部を落下し、この水封槽9の封水34に溶け込む。
また、水封槽9に溜めた封水34の酸化還元電位を測定するORP計を設けることができる。また、水封槽9に溜めた封水34のpHを測定するpH計を設けることができる。ORP計又はpH計は、信号線11又は無線により制御部10に接続することができる。
反応塔2から排出された排ガスが集塵器3を流れ煙突4から大気中に放出されるように、集塵器3及び煙突4を設けることができる。集塵器3は、例えば電気集塵器、バグフィルタなどである。
集塵器3により回収したダスト32の酸性度を測定するようにpH測定装置29を設けることができる。pH測定装置29は、ダスト32を水に溶解させ得られた水溶液のpHを測定するように設けることができる。pH測定装置29は、信号線11又は無線により制御部10に接続することができる。また、集塵器3により回収したダスト32の酸化還元電位を測定するように酸化還元電位測定装置を設けることもできる。
排ガス処理装置50の排ガス経路を流れる排ガスの温度を測定する排ガス温度計25を設けることができる。例えば、反応塔2に流入する排ガスの温度を測定するように温度計25aを設けることができ、反応塔2内に形成する第1ミスト6の温度を測定するように温度計25b、温度計25cを設けることができ、集塵器3に流入する排ガスの温度を測定するように温度計25dを設けることができる。これらの温度計25は、信号線11又は無線により制御部10に接続することができる。このため、制御部10により排ガス温度をモニタリングすることができる。また、温度計25の計測値に基づき排ガス処理装置50を制御することができる。
排ガス処理装置50の排ガス経路を流れる排ガスの成分ガス濃度を測定するガス濃度測定装置26を設けることができる。ガス濃度測定装置26は、排ガスのNO濃度、NOx濃度、SO2濃度又はO2濃度を測定するように設けることができる。例えば、反応塔2に流入する排ガスのNO濃度、NOx濃度、SO2濃度及びO2濃度を測定するようにガス濃度測定装置26aを設けることができ、集塵器3に流入する排ガスのNO濃度、NOx濃度、SO2濃度及びO2濃度を測定するようにガス濃度測定装置26bを設けることができ、集塵器3から排出された排ガスのNO濃度、NOx濃度、SO2濃度及びO2濃度を測定するようにガス濃度測定装置26cを設けることができる。これらのガス濃度測定装置26は、信号線11又は無線により制御部10に接続することができる。
第1噴霧部15は、反応塔2を流れる排ガス中に冷却水41を噴霧して第1ミスト6を形成するように設けられる。第1噴霧部15は、例えば、ポンプ22aにより冷却水41を噴霧ノズル23aに送液し、噴霧ノズル23aから反応塔2を流れる排ガス中に冷却水41を噴霧するように設けられる。噴霧ノズル23は、例えば、冷却水41と圧縮空気とを混合して噴出させる二流体スプレーノズルとすることができる。また、噴霧ノズル23は、冷却水41と圧縮空気とを混合して複数の噴霧孔51から噴霧するように設けることができる。また、噴霧孔51はオゾン噴出口37の周囲に設けることができる。例えば、図2に示した噴霧ノズル23aのように、噴霧ノズル23aは複数の噴霧孔51を有することができ、それぞれの噴霧孔51から冷却水41を二流体方式で噴霧することができる。また、噴霧ノズル23aの複数の噴霧孔51の周りに空気流入孔52を設けることができる。この空気流入孔51から反応塔2に流入する空気により噴霧ノズル23aを冷却することができ、オゾンガスが熱分解されることを抑制することができる。
また、第1噴霧部15の噴霧量は、ポンプ22aの送液量を調節することにより調節することができる。また、冷却水41は、水又は還元性でない水溶液とすることができる。冷却水41は、オゾン水であってもよい。
本実施形態において、ミストとは、多数の微小な水滴が排ガス中に浮遊し、多数の微小な水滴が排ガスの流れと共に流れているものをいう。また、ミストに含まれる水滴の80%以上が500μm以下の大きさであってもよい。
排ガス中に冷却水41を噴霧すると多くの微小水滴が排ガス中に形成され、排ガス中に第1ミスト6が形成される。第1ミスト6に含まれる微小水滴は、排ガスの熱により徐々に蒸発し消失する。この微小水滴が蒸発する際の気化熱により、第1ミスト6中には、排ガスの温度が局所的に低下した局所冷却域が形成される。この局所冷却域の排ガス温度は、第1ミストのすぐ上流の排ガス温度よりも低い温度であり、第1ミスト6が消失した直後の排ガス温度よりも低い温度である。
第1噴霧部15は、第1ミスト6に150℃以下の局所冷却域が形成されるように設けられる。例えば、第1ミスト6に150℃以下の局所冷却域が形成されるように第1噴霧部15の噴霧量を調節することができる。
第1噴霧部15は、第1ミスト6の150℃以下の局所冷却域を排ガスが1秒間以上5秒間以下かけて流れるように設けることができる。このことにより、局所冷却域においてオゾンが熱分解されることを抑制することができる。また、排ガスに含まれるNOガスがオゾンガスにより酸化される反応時間を確保することができる。
例えば、反応塔2を流れる排ガスの量と、第1ミスト6の局所冷却域の温度を測定するように設けられた排ガス温度計25b、排ガス温度計25cの計測値とに基づき、ポンプ22aの送液量を調節し噴霧量を調節することにより、第1ミストの150℃以下の局所冷却域を排ガスが1秒間以上5秒間以下かけて流れるように第1ミストを形成することができる。排ガスの量は、例えば、排気ファンの排気量から算出することができる。
また、第1噴霧部15の噴霧量は、集塵器3に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することができる。
このような第1噴霧部15の噴霧量の調節は、制御部10(調節部20)により行うことができる。例えば、制御部10が温度計25a、25b、25c、25dの計測値及び排気ファンの排気量を入力し、第1噴霧部15の噴霧量及びポンプ22aの送液量を算出し、ポンプ22aに送液量を出力することができる。そして、ポンプ22aの送液量を入力値に調節することにより、第1噴霧部15の噴霧量を調節することができる。
オゾン供給部18は、第1ミスト6の150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給するように設けられる。150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給することにより、排ガスに含まれるNOをオゾンにより酸化しNO2に変換することができる。このため、局所冷却域において水に溶解しにくい性質を有するNOガスを水に溶解しやすい性質を有するNO2ガスに変換することができる。
オゾンを150℃以下の局所冷却域に供給するため、オゾンが熱分解されることを抑制することができる。従って、排ガス中のNOガスをNO2ガスに効率よく変換することができる。
オゾン供給部18は、第1噴霧部15に含まれる噴霧ノズル23aにオゾンガス噴出口37を設けることにより局所冷却域にオゾンを供給するように設けてもよい。また、オゾン供給部18は、噴霧ノズル23aの複数の噴霧孔51に囲まれた部分から局所冷却域にオゾンガスを供給するように設けることができる。このことにより、複数の噴霧孔51から冷却水41を噴霧することにより形成された第1ミスト6の中心部にオゾンガスを供給することができ、オゾンガスが第1ミスト6の外の排ガス中に供給されることを抑制することができる。従って、オゾンガスが熱分解されることを抑制することができ、オゾンガスを効率よくNOの酸化反応に利用することができる。例えば、図2に示した噴霧ノズル23aのように、複数の噴霧孔51に囲まれた部分にオゾン噴出口37を設けることができる。複数の噴霧孔51から冷却水41を噴霧し第1ミスト6を形成し、オゾン噴出口37からオゾンガスを噴出させることにより、第1ミスト6の中心部にオゾンガスを供給することができる。
また、オゾン供給部18は、第1ミスト6の局所冷却域に直接オゾンガスを供給するオゾン噴出口を有してもよい。また、オゾン供給部18は、噴霧ノズル23aによりオゾン水(オゾンの微小気泡を有する水を含む)を噴霧することにより第1ミスト6の局所冷却域にオゾンガスを供給するように設けてもよい。また、オゾン供給部18は、二流体スプレーノズル23aでオゾン含有圧縮空気と冷却水41とを混合して噴出するように設けてもよい。
オゾン供給部18は、オゾン発生装置36(オゾナイザ)により生成したオゾンガスを第1ミスト6の局所冷却域に供給するように設けることができる。
第2噴霧部16は、反応塔2を流れる排ガスの第1ミスト6よりも下流側にNaOH水溶液42を噴霧して第2ミスト7を形成するように設けることができる。この第2噴霧部16を用いて、第1ミスト6よりも下流側のSOx及びNO2を含む排ガス中にNaOH水溶液を噴霧することにより第2ミストを形成することができる。第2噴霧部16は、第1ミスト6が消失した後の排ガス中にNaOH水溶液42を噴霧して第2ミスト7を形成するように設けることができる。このことにより、第1ミスト6と第2ミスト7とを分離して形成することができ、第2ミスト7中の還元剤と、第1ミスト6中のオゾンガスとが反応することを抑制することができる。
第2噴霧部16は、例えば、ポンプ22bによりNaOH水溶液42を噴霧ノズル23bに送液し、噴霧ノズル23bから反応塔2を流れる排ガス中にNaOH水溶液42を噴霧するように設けられる。噴霧ノズル23bは、例えば、NaOH水溶液42と圧縮空気とを混合して噴出させる二流体スプレーノズルとすることができる。また、第2噴霧部16の噴霧量は、ポンプ22bの送液量を調節することにより調節することができる。
排ガス中にNaOH水溶液42を噴霧すると多くの微小水滴が排ガス中に形成され、排ガス中に第2ミスト7が形成される。第2ミスト7に含まれる微小水滴は、排ガスの熱により徐々に蒸発し消失する。従って、反応塔2の排ガスは、第2ミスト7が形成されて消失するまでの領域において、第2ミスト7中を流れることになる。
反応塔2を流れる排ガスはSO2を含み、第2ミスト7の含まれる微小水滴はNaOHを含むため、第2ミスト7において次の式(1)のような化学反応を進行させることができる。このため、排ガスに含まれるSO2を除去できる(排ガスを脱硫できる)と共に第2ミスト7の微小液滴中に還元剤であるNa2SO3を生成することができる。
SO2+2NaOH → Na2SO3+H2O・・・(1)
また、反応塔2を流れる排ガスはNOがオゾンにより酸化され生成したNO2を含むため、次の式(2)のような気液反応を進行させることができる。
2NO2+4Na2SO3 → N2+4Na2SO4・・・(2)
従って、第2ミスト7中においてNO2をN2に還元することができ、排ガス中のNOxを除去することができる。式(1)、(2)の化学反応は、第2ミスト7の微小水滴中又は微小水滴と排ガスとの気液界面において進行すると考えられるため、微小水滴の存続期間を、これらの化学反応が進行するために必要な時間(約1秒間必要と考えられる)以上とする必要がある。
式(2)の化学反応が進行すると、還元剤であるNa2SO3からNa2SO4が生成し、Na2SO4のダストが排ガス中に生じる。
また、第2ミスト7中においてNO2をN2に還元するため、第2ミスト7の下流側の排ガス温度が低くなりすぎることを防止することができる。
第2噴霧部16は、反応塔2を流れる排ガスの第1ミスト6よりも下流側に還元剤であるNa2SO3とNaOHとの混合水溶液42を噴霧して第2ミスト7を形成するように設けることができる。このことにより、SO2とNaOHから生成したNa2SO3と、混合水溶液42に含まれるNa2SO3の両方によりNO2をN2に還元することができ、排ガス中のNOxを効率的に除去することができる。
第2噴霧部16の噴霧量を、第2ミスト7中を排ガスが2秒間以上6秒間以下かけて流れるように調節することができる。このことにより、第2ミスト7に含まれる微小水滴の存続時間を2秒間以上とすることができ、上記の式(1)、(2)のような化学反応を進行させる時間を確保することができる。このため、排ガス中のNOxを効率的に除去することができる。また、第2ミスト7の下流側の排ガス温度が低くなりすぎることを防止することができる。
例えば、反応塔2を流れる排ガスの量と、排ガス温度計25の計測値とに基づき、ポンプ22bの送液量を調節し噴霧量を調節することにより、第2ミスト7中を排ガスが2秒間以上6秒間以下かけて流れるように第2ミスト7を形成することができる。排ガスの量は、例えば、排気ファンの排気量から算出することができる。
また、第2噴霧部16の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することができる。
このような第2噴霧部16の噴霧量の調節は、制御部10(調節部20)により行うことができる。例えば、制御部10が温度計25の計測値及び排気ファンの排気量を入力し、第2噴霧部16の噴霧量及びポンプ22bの送液量を算出し、ポンプ22bに送液量を出力することができる。そして、ポンプ22bの送液量を入力値に調節することにより、第2噴霧部16の噴霧量を調節することができる。
第2噴霧部16の噴霧量は、第1噴霧部15の噴霧量を100としたとき、80〜120とすることができる。第2ミスト7は第1ミスト6よりも下流側に形成されるため、第2ミスト7直前の排ガス温度は、第1ミスト6直前の排ガス温度よりも低い。このため、噴霧量が同じ程度でも、第1ミスト6の微小水滴の存続時間よりも第2ミスト7の微小水滴の存続時間のほうが長くなる。
第2噴霧部16は、噴霧するNaOH水溶液又はNaOHと還元剤との混合水溶液のNaOH濃度又は還元剤濃度を調節できるように設けることができる。このことにより、排ガスの状態に応じて噴霧するNaOHの量又は還元剤の量を変化させることができ、NaOH又は還元剤を効率よく利用することができる。例えば、ポンプ22cにより高濃度のNaOH水溶液43又はNaOHとNa2SO3の高濃度混合水溶液43を第2噴霧部16により噴霧するNaOH水溶液42又は混合水溶液42に加えることができるように第2噴霧部16を形成することができる。このポンプ22cの送液量を調節することにより、第2噴霧部16により噴霧する水溶液のNaOH濃度又は還元剤濃度を調節することができる。
第2噴霧部16は、第2ミスト7よりも下流又は第1ミスト6よりも上流における排ガスのSO2濃度の計測値に基づき、NaOH水溶液42の噴霧量、混合水溶液42の噴霧量又は噴霧する水溶液のNaOH濃度又は還元剤濃度を調節するように設けることができる。このような調節は、ガス濃度測定装置26、制御部10、ポンプ22により行うことができる。このことにより、排ガスのSOx除去効率が低下したり、Na2SO3の生成量が低下することを抑制することができる。
第2噴霧部16は、第2ミスト7よりも下流における排ガスのNOx濃度の計測値に基づき、NaOH水溶液42の噴霧量、混合水溶液42の噴霧量又は噴霧する水溶液のNaOH濃度又は還元剤濃度を調節するように設けることができる。このような調節は、ガス濃度測定装置26、制御部10、ポンプ22により行うことができる。このことにより、排ガスのNOx除去効率が低下することを抑制することができる。
第3噴霧部17は、反応塔2を流れる排ガス中に冷却水34(封水34)を噴霧して第3ミスト8を形成するように設けることができる。第3噴霧部17を設けることにより、第1〜第3ミストにより排ガスを冷却することができ、高温の排ガス(例えば、反応塔2の流入口における温度が450℃以上)であっても、集塵器3に流入する排ガスの温度を350℃以下又は230℃以下とすることができる。また、第3噴霧部17は、第1ミスト6よりも上流側に第3ミスト8を形成するように設けられてもよく、第1ミスト6と第2ミスト7との間に第3ミスト8を形成するように設けられてもよく、第2ミスト7の下流側に第3ミスト8を形成するように設けられてもよい。また、第3噴霧部17は、第1ミスト6又は第2ミスト7と分離した第3ミスト8を形成するように設けることができる。
第1及び第2ミストにより排ガスを350℃以下又は230℃以下に冷却することができる場合、第3噴霧部17は省略することができる。
第3噴霧部17は、水封槽9に溜めた封水34を汲み上げて噴霧するように設けることができる。この場合、汲み上げた水の量だけ水封槽9に水を新たに供給する。このため、落下したダストの溶け込みにより水封槽9に溜めた封水34が濃縮することを防止することができる。また、封水34の溶質濃度が高くなることを防止することができるため、封水34の排水処理を省略することができる。
第3噴霧部17の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することができる。第3噴霧部17の噴霧量の調節は、制御部10(調節部20)により行うことができる。例えば、制御部10が温度計25の計測値などを入力し、第3噴霧部17の噴霧量及びポンプ22dの送液量を算出し、ポンプ22dに送液量を出力することができる。そして、ポンプ22dの送液量を入力値に調節することにより、第3噴霧部17の噴霧量を調節することができる。
上記の式(1)、(2)の化学反応により、Na2SO4のダストが排ガス中に生じるため、第2ミスト7の下流又は第3ミスト8の下流の排ガス中にはダスト32が含まれる。このダスト32のうち大きなダストは、重力により反応塔2の下部の水封槽9まで落下し、封水34に溶け込む。このため、ダスト32に含まれる成分により封水34の酸化還元電位、pHが変化する。
第2ミスト7のNaOHの量又は還元剤の量が不足すると、NaHSO4などの酸性ダストが生成する場合がある。NaHSO4などの酸性ダストが集塵器3に多く入ると集塵器3の金属部材などを腐食するおそれがある。
酸性ダストが生成するとこの酸性ダストも封水34に溶け込むため、封水34の酸化還元電位はプラス側に変化し、pHは酸性側に変化する。
第2噴霧部16は、水封槽9に溜めた封水34の酸化還元電位又はpHに基づき、第2噴霧部16の噴霧量又は噴霧する水溶液のNaOH濃度又は還元剤濃度を調節するように設けることができる。第2噴霧部16をこのように設けることにより、第2ミスト7のNaOH量又は還元剤量が不足した場合にすぐにNaOH量又は還元剤量を増やすことができ、酸性ダストが生成することを抑制することができる。
例えば、封水34の酸化還元電位を測定するORP計又は封水34のpHを測定するpH計を設け、この計測値を制御部10が入力し、制御部10がポンプ22b又は22cに送液量を増やす信号を出力することができる。
集塵器3は、反応塔2から排出された排ガスが流入するように設けることができる。集塵器3は、流路管を介して反応塔2の直後に設けることができる。集塵器3を設けることにより、反応塔2で生じたNa2SO4のダストを排ガスから除去することができる。集塵器3は、電気集塵器であってもよく、バグフィルタであってもよい。電気集塵器の耐熱温度は約350℃であり、バグフィルタの耐熱温度は約230℃である。
第3噴霧部17を設けている場合、第3噴霧部17の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が150℃より高くなるように調節する。また、第3噴霧部17の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が180℃、200℃、220℃又は250℃以上となるように調節することができる。第3噴霧部17を設けていない場合、第1噴霧部15の噴霧量又は第2噴霧部16の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が150℃より高くなるように調節する。また、第1噴霧部15又は第2噴霧部16の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が180℃、200℃、220℃又は250℃以上となるように調節することができる。
このように噴霧量を調節することにより、集塵器3を流れる排ガスの温度が酸露点(例えば硫酸露点)以下の温度になることを防止することができ、集塵器3に酸性溶液が付着することを抑制することができる。このため、集塵器3に含まれる金属部材が酸性溶液により腐食されることを抑制することができる。また、酸性溶液をバインダとしてダストが集塵器3の内部に付着することを抑制することができ、集塵器3に含まれるフィルタが閉塞することを抑制することができる。
集塵器3が電気集塵器である場合、第1噴霧部15、第2噴霧部16又は第3噴霧部17の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が350℃以下となるように調節する。また、集塵器3がバグフィルタである場合、第1噴霧部15、第2噴霧部16又は第3噴霧部17の噴霧量を、集塵器3に流入する排ガスの温度が230℃以下となるように調節する。このことにより集塵器3が熱劣化することを抑制することができる。
反応塔2においてNaHSO4などの酸性成分が生成すると集塵器3により回収するダストにも酸性ダストが含まれる。また、第2ミスト7による脱硫が不十分な場合、集塵器3により回収するダストに酸性ダストが含まれる。このため、NaHSO4などの酸性成分が生成したり、脱硫が不十分な場合、集塵器3により回収したダストの水溶液の酸化還元電位はプラス側に変化し、pHは酸性側に変化する。このように集塵器3により回収するダストが酸性になると、集塵器3の集塵効率が低下する場合がある。また、酸性ダストは、集塵器3の金属部材が酸性腐食する原因となる。
第2噴霧部16は、集塵器3により回収したダストの水溶液の酸化還元電位又はpHに基づき、第2噴霧部16の噴霧量又は噴霧する水溶液のNaOH濃度又は還元剤濃度を調節するように設けることができる。第2噴霧部16をこのように設けることにより、第2ミスト7のNaOH量又は還元剤量が不足した場合にすぐにNaOH量又は還元剤量を増やすことができ、酸性ダストが生成することを抑制することができる。また、集塵器3内のダストを中性にすることができ、集塵器3が酸性腐食されることを抑制することができる。
例えば、集塵器3により回収したダストの水溶液のpHを測定するpH測定装置29又は前記水溶液の酸化還元電位を測定するORP測定装置を設け、この計測値を制御部10が入力し、制御部10がポンプ22b又は22cに送液量を増やす信号を出力することができる。例えば、集塵器3により回収したダストの水溶液のpHが7以上となるように、第2噴霧部16により噴霧する水溶液のNaOH濃度を調節することができる。
排ガス処理実験
図1に示したような排ガス処理装置によりガラス溶解炉から排出される排ガスを処理した。また、噴霧ノズル23aには、図2に示したような噴霧ノズルを用いた。反応塔のダクト径は3.5mである。第1噴霧部により水を反応塔を流れる排ガス中に噴霧し第1ミストを形成し、オゾン供給部により第1ミスト中にオゾンガスを供給した。また、第2噴霧部によりNaOH水溶液(還元剤を含んでいない)を反応塔を流れる排ガス中に噴霧し第2ミストを形成した。また、第3噴霧部による噴霧は行っていない。また、集塵器には電気集塵器を用いた。排ガス量、噴霧量などを表1に示す。また、反応塔入口及び反応塔出口における排ガス温度の計測値、ガス濃度測定結果を表2に示す。また、反応塔の第1噴霧部を設置した高さにおける排ガス温度の計測値、反応塔の第1噴霧部よりも1.5m高い高さにおける排ガス温度の計測値、反応塔の第1噴霧部よりも3.0m高い高さにおける排ガス温度の計測値を表3に示す。なお、表3に示した計測値は、反応塔内の複数点の計測値の平均値である。
表1に示したような条件で第1及び第2噴霧部により噴霧し、オゾン供給部からオゾンを供給することにより、電気集塵器に流入する排ガス温度を244℃とすることができた。このことにより、電気集塵器が腐食されることを防止することができた。また、第1噴霧部よりも1.5m高い高さの排ガス温度を94℃とすることができた。反応塔内の排ガスの流速は約0.7m/secであるため、第1噴霧部により形成される第1ミストの150℃以下の局所冷却域を排ガスが2.1秒以上かけて流れるように局所冷却域を形成することができた。このことにより、局所冷却域においてオゾンが熱分解されることを抑制することができ、排ガスに含まれるNOガスがオゾンガスにより酸化される反応時間を確保することができたと考えられる。
このように排ガス処理することにより、脱硫効率57.3%、脱硝効率19%を達成することができた。また、オゾンガスによるNOの酸化効率(ΔNO/O3)を85%とすることができた。
1: ガラス溶解炉 2:反応塔 3:集塵器 4:煙突 6:第1ミスト 7:第2ミスト 8:第3ミスト 9:水封槽 10:制御部 11:信号線 15:第1噴霧部 16:第2噴霧部 17:第3噴霧部 18:オゾン供給部 20:調節部 22、22a、22b、22c、22d:ポンプ 23、23a、23b、23c:噴霧ノズル 25、25a、25b、25c、25d:排ガス温度計 26、26a、26b、26c:ガス濃度測定装置 28:ORP計 29:pH測定装置 31:水滴 32:ダスト 34:封水(冷却水) 36:オゾン発生装置 37:オゾン噴出口 41:冷却水 42:NaOH水溶液(NaOHとNa2SO3の混合水溶液) 43:高濃度NaOH水溶液(NaOHとNa2SO3の高濃度混合水溶液) 50:排ガス処理装置 51:噴霧孔 52:空気流入孔

Claims (9)

  1. NOx及びSOxを含む排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成された第1ミストの150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給し、第1ミストよりも下流側の排ガス中にNaOH水溶液を噴霧することにより第2ミストを形成し、第2ミストよりも下流側に設けられた集塵器により排ガス中のダストを除去する排ガス処理方法であって、
    第1ミストは、前記局所冷却域にオゾンガスを供給するオゾン噴出口の周囲に設けられた噴霧孔から排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成され、
    第1冷却水の噴霧量又はNaOH水溶液の噴霧量を、前記集塵器に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することを特徴とする排ガス処理方法。
  2. NOx及びSOxを含む排ガス中に第1冷却水を噴霧することにより形成された第1ミストの150℃以下の局所冷却域にオゾンを供給し、第1ミストよりも下流側の排ガス中にNaOH水溶液を噴霧することにより第2ミストを形成し、排ガス中に第2冷却水を噴霧することにより第3ミストを形成し、第2及び第3ミストよりも下流側に設けられた集塵器により排ガス中のダストを除去する排ガス処理方法であって、
    第1、第2及び第3ミストは、下部に水封槽を有する反応塔を流れる排ガス中に形成され、
    第2冷却水は、前記水封槽に溜めた水であり、
    第2冷却水の噴霧量を、前記集塵器に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように調節することを特徴とする排ガス処理方法。
  3. 第1ミストの150℃以下の局所冷却域を排ガスが1秒間以上かけて流れるように第1冷却水の噴霧量を調節する請求項1又は2に記載の排ガス処理方法。
  4. 第2ミスト中を排ガスが2秒間以上かけて流れるようにNaOH水溶液の噴霧量を調節する請求項1〜3のいずれか1つに記載の排ガス処理方法。
  5. 第2ミストよりも下流又は第1ミストよりも上流における排ガスのSO2濃度の計測値、前記集塵器により回収したダストのpH測定の測定結果、及び第2ミストよりも下流における排ガスのNOx濃度の計測値のうち少なくとも1つに基づきNaOH水溶液の噴霧量又は噴霧するNaOH水溶液のNaOH濃度を調節する請求項1〜4のいずれか1つに記載の排ガス処理方法。
  6. 第1及び第2ミストは、下部に水封槽を有する反応塔を流れる排ガス中に形成され、
    前記水封槽に溜めた水の酸化還元電位又はpHに基づきNaOH水溶液の噴霧量又は噴霧するNaOH水溶液のNaOH濃度を調節する請求項1〜5のいずれか1つに記載の排ガス処理方法。
  7. 第2ミストは、NaOHと還元剤の混合水溶液を噴霧することにより形成される請求項1〜6のいずれか1つに記載の排ガス処理方法。
  8. 第2ミストよりも下流における排ガスのNOx濃度の計測値に基づき混合水溶液の噴霧量又は噴霧する混合水溶液の還元剤濃度を調節する請求項7に記載の排ガス処理方法。
  9. NOx及びSOxを含む200℃以上の排ガスが流入するように設けられた反応塔と、前記反応塔から排出された排ガスが流入するように設けられた集塵器と、前記反応塔を流れる排ガス中に第1冷却水を噴霧して150℃以下の局所冷却域を有する第1ミストを形成するように設けられた第1噴霧部と、前記局所冷却域にオゾンを供給するように設けられたオゾン供給部と、前記反応塔を流れる排ガスの第1ミストよりも下流側にNaOH水溶液を噴霧して第2ミストを形成するように設けられた第2噴霧部と、第1又は第2噴霧部の噴霧量を調節するように設けられた調節部とを備え、
    前記調節部は、前記集塵器に流入する排ガスの温度が150℃より高く350℃以下となるように第1又は第2噴霧部の噴霧量を調節するように設けられたことを特徴とする排ガス処理装置。
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