上述したように、遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射された遊技球が案内される遊技領域において、当該遊技球が入球可能な各種入球手段が設けられている。これら入球手段には、それぞれ遊技球の入球を検出する入球検出スイッチが設けられている。そして、入球検出スイッチから出力される検出信号が主制御装置に入力されると、主制御装置は、これらの検出信号に基づいて遊技に関する各種制御を行うこととなる。
例えば、所定の入球手段に遊技球が入球した場合には、主制御装置は、検出結果に応じた払出指令を払出制御装置に送信する。これにより、所定の入球手段に対応した所定数の賞球が遊技者に対し払出される。
また、始動用の入球手段に遊技球が入球した場合には大当たり状態を発生させるか否かの当落抽選を行い、当選結果が得られると遊技者に有利な大当たり状態が発生する。大当たり状態が発生すると、遊技者は、大当たり用の入球手段に遊技球を入球させることにより、多くの賞球を獲得することができる。
さて、上記入球検出スイッチとしては、例えば、通過する遊技球の接触により作動片が動作してスイッチをオンオフすることで当該遊技球を検出する接触式のマイクロスイッチが一例に挙げられる。
この他、遊技球の通過に伴う磁束の変化を検出することにより当該遊技球の通過を検出する近接スイッチや、発光素子から受光素子へ向かう光が遊技球の通過により遮断されることで当該遊技球の通過を検出するフォトスイッチなどもある。
近接スイッチやフォトスイッチなどの非接触式スイッチは、マイクロスイッチなどの接触式スイッチと比較して接触不良などの不具合が発生しにくく、耐久性などに優れているため、近年では数多く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述したどのようなタイプの入球検出スイッチであっても、例えば遊技機の僅かな隙間から「セル板」と称される薄板状部材や針金等の線状部材などを差し込み、その部材で入球検出スイッチをオンさせることで、あたかも入球手段へ遊技球が入球したかのように検出させるといった不正行為の対象となり得る。このような不正行為が行われると、実際には遊技球が入球手段へ入球していないにもかかわらず、不当に賞球が払出されたり、当落抽選を行う契機が発生させられてしまうおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、不正行為の抑制を図ることのできる遊技機を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置された入球手段と、
前記入球手段へ入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球検出手段から出力される信号を監視して所定の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、
前記入球検出手段は、遊技球の非検出中は第1レベルの信号(例えばハイレベル信号)を継続して出力し、遊技球の検出中は第2レベルの信号(例えばローレベル信号)を継続して出力し、
前記制御手段は、
前記入球検出手段から入力される信号レベルを定期的に監視する信号監視手段と、
前記入球検出手段から入力される信号レベルに基づき、前記入球手段への入球の有無を判定する入球判定手段と、
前記第2レベルの信号の継続期間が予め設定された規定期間を越えたか否かを判定することにより、前記規定期間を超えた場合には異常有りの判定を行う異常判定手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、入球検出手段から入力される第2レベルの信号の継続期間の長さを見て、当該信号の異常性を判定している。
入球検出手段から制御手段に対し、遊技球の非検出中は第1レベルの信号が継続して出力され、遊技球の通過が検出されると第2レベルの信号が出力される構成においては、上記課題でも述べたように不正行為によりセル板等の挿し抜きが行われることで、実際には遊技球が入球手段へ入球していないにもかかわらず、入球検出手段から第2レベルの信号が出力される。
実際に遊技球が入球手段へ入球して第2レベルの信号が出力された場合には、その出力時間(信号継続期間)は長くとも数msec〜10数msec程度である。これに対し、不正行為者がセル板等を挿し抜きするような人為的な動作は、入球手段へ入球した遊技球が入球検出手段を通過していく速度に比べて極めて遅く、どんなに短くとも数百msec程度かかってしまう。つまり、適正な第2レベルの信号の信号継続期間と同様の擬似的な信号を、セル板等の挿し抜きといった上記不正行為により生成することは、不可能である。特に遊技機の狭い隙間から内部にセル板等を差し込んで入球検出手段まで複雑な経路を通している場合には、なおさら困難である。
従って、上記異常判定手段を備えることにより、不正行為者の人為的な動作により生成される擬似的な信号を判別することができ、ひいては上記不正行為の抑制を図ることができる。
なお、「制御手段」により行われる「所定の制御」としては、例えば、遊技球の払出制御、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選制御、識別情報を変動表示する表示制御などが挙げられる。
手段2.前記信号レベルのレベル情報を、前記第1レベル又は前記第2レベルに対応する2値の論理値で定期的に順次記憶していくレベル記憶手段を備え、
前記入球判定手段及び前記異常判定手段は、前記レベル記憶手段に連続して記憶された複数回分のレベル情報を基に、自身の判定を行うことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
上記手段2によれば、レベル記憶手段を備え、ここに記憶されたレベル情報(例えば論理値「1」又は「0」)を基に所定の演算処理を行うことによりソフト的に各種判定処理を行うことができる。結果として、回路規模の大型化、ひいては生産コストの増大を抑制することができる。また、入球判定手段及び異常判定手段の両手段が、同一の情報源に基づいて判定処理を行うことができ、構成の簡素化を図ることができる。さらに、第2レベルの信号の継続期間等を計測するためのタイマ設定などを行う必要もない。
例えば、以下の手段3,4のような構成例が一例に挙げられる。
手段3.前記レベル記憶手段により記憶された複数回数分のデータの論理積を算出する論理積算出手段を備え、
前記入球判定手段及び前記異常判定手段は、前記論理積算出手段の演算結果に基づき自身の判定を行うことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
例えば第2レベルに対応する論理値を「1」とした場合、信号レベルが上記規定期間の間変化せず、第2レベルのままであれば、これらの間に記憶されたレベル情報はすべて「1」となる。これらの論理積を求めると、その値は「1」となる。一方、規定期間の途中で信号レベルが第1のレベルに切換わった場合には、それ以降に記憶されるレベル情報は「0」となる。つまり、規定期間内に記憶されたレベル情報の論理積の値は「0」となる。従って、このような論理積の値を判定することにより、第2レベルの信号の継続期間が予め設定された規定期間を越えたか否かを判定することが可能となる。
一方、入球判定手段の場合、例えば、信号レベルが切換わる前後において論理値が「1」から「0」に変わることを利用して、両者の論理積が0となれば、入球有りと判定することが可能となる。
勿論、信号の異常性を判別する本発明の趣旨からも分かるとおり、入球判定手段による判定の際に用いられるデータ数(レベル情報の数)よりも、異常判定手段による判定の際に用いられるデータ数(レベル情報の数)の方が多くなる。
手段4.前記レベル記憶手段により記憶された複数回数分のデータのうちの最先のデータの論理反転処理を行う論理反転手段と、
当該論理反転されたデータとともに前記複数回数分のデータのうちの他のデータすべての論理積を算出する論理積算出手段とを備え、
前記入球判定手段及び前記異常判定手段は、前記論理積算出手段の演算結果に基づき自身の判定を行うことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
上記手段4によれば、最先(最古)のデータを論理反転して、論理積演算に組み込むことにより、信号レベルの切換わりのタイミングを基点として各種判定を行うことができる。
手段5.前記入球判定手段は、前記レベル記憶手段に記憶された少なくとも3回分以上のデータを基に自身の判定を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の遊技機。
従来では、入球検出手段から出力される信号レベルが所定の閾値より高いか低いかを定期的に監視することにより、例えば信号レベルがローレベルからハイレベルに切換わった場合に、当該入球検出手段に対応した入球手段に入球があったことを検出していた。
しかし、この方法だと、信号にノイズが乗った場合や、コネクタの抜き差し等を行い、検出信号を意図的に生成する不正行為が行われた場合など、これらの信号レベルの変化に基づき、入球手段に遊技球が入球していないにもかかわらず入球があったと誤判断してしまうおそれがあった。これに対し、上記手段5によれば、定期的に記憶された3回分以上のデータを基に判定処理を行うため、このような不具合を抑制でき、判定の精度を高めることができる。
なお、このような不具合は、遊技球の非検出中にローレベル信号が出力され、遊技球の検出中にハイレベル信号が出力される構成において、より発生しやすい。従って、以下の手段6の構成とすることがより好ましい。
手段6.前記第1レベルの信号がハイレベル信号であり、前記第2レベルの信号がローレベル信号であることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
手段7.前記異常判定手段により異常有りと判定された場合において、その旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段7によれば、報知手段を備えることにより、異常有りと判定された場合には、その旨が報知される。これにより、入球検出手段に対し不正行為が行われているなど、何らかの異常が発生したことを遊技ホール関係者等が把握することができる。結果的に、不正行為などの早期発見に繋がる。なお、報知手段としては、ランプ等の発光手段、スピーカ等の音声発生手段、表示手段、ホールコンピュータ等の外部装置に対し信号を出力する外部端子基板等の外部出力手段などが挙げられる。
手段8.前記異常判定手段により異常有りと判定された回数を記憶可能な異常回数記憶手段と、
前記異常有りと判定された回数が所定回数以上となった場合において、その旨を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段8によれば、上記手段7と同様の作用効果が奏される。異常有りが1回だけの場合には、不正行為でなく、単にノイズやコネクタの接触不良等による偶発的な不具合である可能性も考えられる。これに対し、異常有りが複数回あった場合には不正行為である可能性が高い。従って、上記手段8の構成とすることにより、偶発的な要因を極力排除し、不正行為の判断精度を高めることができる。
手段9.前記入球判定手段は、前記異常判定手段により前記第2レベルの信号が異常有りと判定された場合には、当該第2レベルの信号を無効とみなし、入球無しの判定を行うことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段9によれば、異常有りの判定がなされた場合でも、正規の入球があった場合と同様の処理(例えば遊技球の払出し等)が行われてしまうといった不具合を防止することができる。
手段10.前記異常判定手段により異常有りと判定された前記第2レベルの信号の継続期間が予め設定された第2の規定期間を越えたか否かを判定することにより、前記第2の規定期間を超えた場合には、前記入球検出手段との電気的接続が断たれている旨の判定を行う接続断判定手段を備えたことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
上記異常判定手段により異常有りと判定されるケースの中には、上述したように当該異常が不正行為によるものではなく、コネクタの接続不良など入球検出手段との電気的接続が断たれているケースも考えられる。つまり、上記異常判定手段による判定のみでは、不正行為が行われているのか、コネクタの接続不良などの不具合が発生しているのかの区別をつけることができず、それぞれへの対処が遅れるおそれがある。また、コネクタの接続不良等が発生した状態のまま、遊技者が遊技を継続すると、入球手段に遊技球が入球しても入球検出手段により検出されず、遊技者に不利益となるおそれもある。
上述したように不正行為者がセル板等を挿し抜きするような人為的な動作により第2レベルの信号が出力された場合には、その出力時間(信号継続期間)は長くとも数百msec〜数秒(数千msec)である。つまり、仮に第2レベルの信号の出力時間が10数秒以上あった場合には原因が不正行為よりもコネクタの接続不良等の不具合によるものである可能性が高い。従って、上記手段10のように、接続断判定手段を備え、二段階の判定を行うことにより、不正行為者の人為的な動作により生成される擬似的な信号と、コネクタの接続不良等の不具合に基づく信号とを区別することができる。ひいては不正行為の判断精度を高めることができる。
手段11.前記第2レベルの信号の継続期間を計測する計測手段を備えたことを特徴とする手段10に記載の遊技機。
上述したようにコネクタの接続不良等の不具合を判定するために必要な第2の規定期間は比較的長いため、当該第2の規定期間に達したか否かを判定するため、上記手段2等のように信号レベルのレベル情報を定期的に記憶していき、これらレベル情報を基に判定を行う構成を採用した場合には、演算処理にかかる処理負担が相当大きくなるおそれがある。これに対し、手段11のようにタイマなどの計測手段を用いれば、処理負担は軽減される。
手段12.前記接続断判定手段により前記入球検出手段との電気的接続が断たれている旨の判定がなされた場合において、その旨を報知する第2の報知手段を備えたことを特徴とする手段10又は11に記載の遊技機。
上記手段12によれば、第2の報知手段を備えることにより、入球検出手段との電気的接続が断たれている旨の判定がなされた場合には、その旨が報知される。これにより、コネクタの接続不良などの不具合が発生していることを遊技ホール関係者等が早期に把握することができる。第2の報知手段としては、上記報知手段と同様に、ランプ等の発光手段、スピーカ等の音声発生手段、表示手段、ホールコンピュータ等の外部装置に対し信号を出力する外部端子基板等の外部出力手段などが挙げられる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)70の方へ案内する球受皿である。なお、上皿19が遊技球で一杯になった状態では、払出される遊技球は下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置70及び当該発射装置70より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置70としてソレノイド式発射装置を採用している。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、後述する各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
第1契機対応ユニット33は、上入賞口33a及び下入賞口33bを備えるとともに、下入賞口33bに対応して一対の開閉部材33cを備えている。これにより、上入賞口33aが遊技球が常時入球可能な開状態となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技球が入球不能な閉状態と、遊技球が入球可能な開状態とに切換わる。例えば、下入賞口33bは、通常モード時には開閉部材33cが開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。また、上記構成に代えて、下入賞口33bが、遊技球が入球困難な閉状態と、遊技球が前記閉状態より入球容易な開状態とに切換わる構成としてもよい。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞する毎に色換え表示(変動表示)が行われ、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯色)により、大当たりか否かが確定的に表示される。
より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。大当たり抽選に当選した場合には、この際、赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)され、特別遊技状態が発生する。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが後述する高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが後述する時間短縮モードであることを示す表示である。なお、この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。具体的には、規定時間(例えば29秒)の経過又は規定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置70から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる球通路71が設けられている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の背面側には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置70から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿19に通じる通路と、球通路71ひいては下皿15に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、球通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び第1契機対応ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板搭載ユニット701が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、第1契機対応ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1契機対応ユニットスイッチ224a,224bが設けられている。さらに、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及び第2契機対応口スイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する第1契機対応スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
詳しくは後述するが、各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(第2契機対応口スイッチ225により検出された場合を除く。)
ここで、各種入球検出スイッチの構成について説明する。本実施形態では、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応口スイッチ225として、従来一般に使用される貫通型の近接スイッチを採用している。
貫通型の近接スイッチは、遊技球を通過させる通過孔を有している。その通過孔の回りには高周波発振回路に接続された検出コイルが配設されている。そして、遊技球が通過孔を通過した場合には、電磁誘導作用によって、金属である遊技球内に誘導電流が流れる。この際の検出コイルのインダクタンスや損失の変化により、高周波発振回路では発振振幅や発振周波数等が変化する。これを検出回路により検出することにより、遊技球の通過を非接触で検出できる。検出回路により検出される信号は、コンパレータ等からなる出力回路を介して外部に出力される。
次に上記入球検出スイッチと主制御装置261とに関わる電気的構成について、図8の模式的なブロック図に示す入賞口スイッチ221との関係を例にして説明する。但し、図8では、便宜上、両者を中継する第1盤面中継基板などは省略している。
上述したような貫通型の近接スイッチよりなる入賞口スイッチ221は、入力端子221a、出力端子221b及びアース端子221cを備えている。
入賞口スイッチ221の入力端子221aは、ケーブルコネクタや第1盤面中継基板などにより構成される所定の電気経路226を介して、主制御装置261の電源供給端子227に接続されている。これにより、入賞口スイッチ221には、後述する電源装置313によって生成される+12V電源が動作電源として供給される。
入賞口スイッチ221の出力端子221bは、ケーブルコネクタや第1盤面中継基板などにより構成される所定の電気経路228を介して、主制御装置261の反転回路229に接続されている。主制御装置261の反転回路229は、後述するCPU501に接続されている。これにより、入賞口スイッチ221からの出力信号は、主制御装置261の反転回路229にて論理反転されて、CPU501へ入力される。
入賞口スイッチ221のアース端子221cは、ケーブルコネクタや第1盤面中継基板などにより構成される所定の電気経路230を介して主制御装置261のグランドレベルに電気的に接続(接地)されている。図示は省略するが、CPU501(アース端子)も当然グランドレベルに接続されている。なお、ここでいうグランドレベルとは、主制御装置261において基準電位0Vのレベルとなる電気経路全般を指す。
上記構成により、遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過してない通常時には、出力端子221bから+12Vのハイレベル信号が出力される。一方、遊技球が通過孔を通過している際には、基準電位0Vのローレベル信号が出力される。従って、主制御装置261のCPU501には、反転回路229を介すことにより、通常時にはローレベル信号が入力され、遊技球の通過を検出した場合にはハイレベル信号が入力されることとなる。
なお、入賞口スイッチ221が通常時にハイレベル信号を出力し、遊技球検出時にローレベル信号を出力する構成とした理由は、主制御装置261のCPU501による誤検知を抑制するためである。
従来のように通常時にはローレベル信号を出力し、遊技球検出時にはハイレベル信号を出力する構成では、入賞口スイッチ221と主制御装置261との間の電気経路228にノイズが乗り、このノイズがあたかもハイレベル信号として主制御装置261に入力されてしまい、実際には入賞口スイッチ221ヘの遊技球の通過がないにもかかわらず、CPU501が遊技球の通過があったと誤認してしまうおそれがあった。ノイズの原因としては、各種電子機器により生じる静電気や、遊技者がパチンコ機10を揺らしたり叩いたりして生じる振動等が挙げられる。
さらには、例えば入賞口スイッチ221と主制御装置261とを接続するケーブルコネクタのコネクタを意図的に抜き差しすることや、予めコネクタの接続状態を緩めておき、パチンコ機10に振動を与えてコネクタの雄雌ピンを衝突させることによりハイレベル信号を生成するといった不正行為が行われるおそれもあるため、上記構成ではこれを抑制する効果もある。
なお、詳細は省略するが、他の入球検出スイッチ(カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応口スイッチ225)と主制御装置261との関係についても、入賞口スイッチ221と同様の構成となっている。
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する下入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板搭載ユニット701の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板搭載ユニット701)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置70の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、通常処理(図11参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理(図10参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図16の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応口スイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理(図25参照)によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理(図25参照)において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、後述するコマンド判定処理(図27参照)により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置70による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置70は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置70が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図16のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選(大当たり抽選)を行うこととしている。具体的には、図9に示すように、大当たりの抽選に使用する抽選用乱数カウンタとしての大当たり乱数カウンタC1と、大当たりに際し後述する高確率モード又は低確率モードへの移行決定に使用するモード決定カウンタC2と、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際の変動パターンやリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1,CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43の変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターン(演出態様)が決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての第1保留球格納エリア及び第2保留球格納エリアが設けられている。第1保留球格納エリアの各エリアには、第1契機対応ユニット33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。また、第2保留球格納エリアの各エリアには、第2契機対応口34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり676)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)に入賞したタイミングで大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、低確率状態(通常モードや時間短縮モード等)と高確率状態(高確率モード)とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード(通常状態)及び当該通常モードよりも遊技者に有利な複数の特定モードの間で切換設定される。より詳しくは、特定モードとしては、高確率モード及び時間短縮モードの2つが設定されている。このうち、高確率モードは、次回大当たりまで継続する遊技モードであり、時間短縮モードは、所定期間終了後には次のモードへ移行するモードである。
通常モードとは、上記高確率モード等の特定モードでない通常時の状態をいう。従って、通常モード時には、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が通常の低確率となっている。
また、高確率モードとは、特別表示装置43において「赤」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後の大当たり確率が低確率状態時に比べアップした状態をいう。以下の説明では適宜、装飾図柄表示装置42において確変図柄によって大当たりになった場合を「確変大当たり」といい、確変図柄以外の通常図柄によって大当たりになった場合を「通常大当たり」という。
高確率モードにおいては、大当たり確率が高められ、高確率状態となるのであるが、これに加えて、本実施形態では(1)特別表示装置43における変動表示時間を短くした状態(時間短縮状態)、(2)普通図柄表示装置41における変動表示時間を短くした状態、(3)第1契機対応ユニット33(下入賞口33b)の開閉処理に関わる規定時間(開放時間)を通常モードに比べて長くした状態、又は、規定個数(入賞個数)を通常モードに比べて多くした状態、(4)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される旨の当選結果が得られた場合一回につき行う第1契機対応ユニット33の開閉処理の実行回数を通常モードに比べて多くした状態、(5)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(当選確率)を通常モード時の当選確率より高くした状態が付与される。より具体的には、高確率モード時には、第1契機対応ユニット33の開閉部材33cが開状態となり、規定時間(例えば3秒)の経過した場合又は規定個数(例えば3個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。そして、この開閉処理が2回繰り返し行われる。これによって、第1契機対応ユニット33の下入賞口33bが頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。これに限らず、高確率モードとしては、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)を高めることに加え、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せ(例えば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(1)と(5)、(2)と(3)、(2)と(4)、(2)と(5)、(3)と(4)、(3)と(5)、(4)と(5)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(2)と(5)、(1)と(3)と(4)、(1)と(3)と(5)、(1)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)、(2)と(3)と(5)、(2)と(4)と(5)、(3)と(4)と(5)、(1)と(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(5)、(1)と(2)と(4)と(5)、(1)と(3)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)と(5))を採用できる。なお、上記(2)〜(5)の状態により、第1契機対応ユニット33の下入賞口33bにおける単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い状態となる。つまり、このような状態が本実施形態における高入球状態に相当する。従って、上記高確率モードは、高確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。これに対し、通常モード時のように、上記(2)〜(5)の状態ではない状態は低入球状態に相当する。
また、時間短縮モードとは、特別表示装置43において「緑」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄以外の通常図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後特別表示装置43の変動表示が100回行われる間設定される遊技モードであり、通常モードよりも遊技者に有利な状態をいう。時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率であり、かつ、第1契機対応ユニット33の下入賞口33bにおける単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い遊技モードである。本実施形態では、高確率モード時に付与される上記(1)〜(5)の状態が同様に付与される。つまり、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)の違いを除いて同様の状態(時間短縮状態及び高入球状態)となる。もちろん、高確率モード時と同様に、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せを採用できる。従って、上記時間短縮モードは、低確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。
モード決定カウンタC2は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、モード決定カウンタC2によって、大当たり後、高確率モードへ移行させるか否かが決定されるようになっている。具体的には、カウンタの値が「1,3,5,7,9」という奇数であれば高確率モードへの移行が決定され、「0,2,4,6,8」という偶数であれば時間短縮モードへの移行が決定される。なお、ここでは移行という文言を用いたが、もともと高確率モードにある場合にカウンタ値が奇数であれば高確率モードが継続されることになり、もともと時間短縮モードにある場合にカウンタ値が偶数であれば時間短縮モードが継続されることになる。モード決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、モード決定カウンタC2の値がモード決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)に入賞したタイミングで、モード決定カウンタバッファに格納されているモード決定カウンタC2の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)に入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図9中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
なお、本実施形態では、「大当たり」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのうちいずれかが選択され、「前後外れリーチ」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちどちらかが選択され、「前後外れ以外リーチ」が発生する場合にはノーマルリーチが選択される。また、「完全外れ」となる場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのいずれも選択されない。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり250)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2契機対応口34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。一方、高確率モード時及び時間短縮モード時、つまり第1契機対応ユニット33が高入球状態にある場合においては224あり、その範囲は「5〜228」である。つまり、普通図柄表示装置41における「○」図柄の停止確率が通常モードに比べ高くなる。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第1契機対応ユニット33が所定時間の間、作動状態となる。また、高確率モード時及び時間短縮モード時においては、普通図柄表示装置41において抽選の結果が表示されるまでの時間(普通図柄の変動表示時間)が短縮される等して、第1契機対応ユニット33が高入球状態となる割合が多くなる。これによって、第1契機対応ユニット33の下入賞口33bが頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理をフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図12は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図12において、先ずステップS301では、各種入球検出スイッチの読み込み処理を実行する。詳しくは後述するが、ここでは主制御装置261に接続されている各種入球検出スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報を保存する。
ステップS302では、乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、変動選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,9,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、第1契機対応ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、第2契機対応口34への遊技球の通過に伴う第2契機対応口通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS301のスイッチ読み込み処理について詳しく説明する。なお、このスイッチ読み込み処理では、各入球検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応口スイッチ225)を個々に監視して、個別に同様の処理が行われる。従って、ここでは入賞口スイッチ221に係るスイッチ読み込み処理を一例に図13を参照して詳しく説明するが、他の入球検出スイッチに関しても図13に示す処理と同様の処理が行われる。
先ずステップS401では、入賞口スイッチ221からの入力信号の信号レベルをチェックする。この処理の機能が本実施形態における信号監視手段を構成する。
例えば遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過してない通常時には、入賞口スイッチ221からは+12Vのハイレベル信号(H)が出力され〔図32(a)のタイミングt1参照〕、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501に基準電位0Vのローレベル信号(L)が入力される〔図32(b)のタイミングt1参照〕。図32(a)は、入賞口スイッチ221からの出力信号を説明するためのタイミングチャートであり、図32(b)は、CPU501への入力信号を説明するためのタイミングチャートである。
一方、一般入賞口31へ遊技球が入球して、遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過している最中には、入賞口スイッチ221からローレベル信号(L)が出力され〔図32(a)のタイミングt2,t3参照〕、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501にハイレベル信号(H)が入力される〔図32(b)のタイミングt2,t3参照〕。
続くステップS402では、ステップS401にてチェックした信号レベルを、RAM503の作業エリアに設けられた入賞口スイッチ221用の信号レベルバッファに記憶する。
なお、信号レベルバッファは、各入球検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応口スイッチ225)に対応して設けられており、各入球検出スイッチ毎の信号レベルがそれぞれ記憶される。信号レベルバッファが本実施形態におけるレベル記憶手段に相当する。
信号レベルバッファは、リングバッファにより構成されている。リングバッファとは、概念上、バッファ領域内の先頭アドレスと最終アドレスとがリング状に?がり、ライトポインタとリードポインタの2つのアドレスポインタを用いて先頭アドレスから順に書き込んで行き、最終アドレスまで到達すると再び先頭アドレスに戻って書き込めるように制御されるバッファである。そして、ライトポインタの示す所定アドレス位置にデータの書込みが行われた後、当該ライトポインタの値が次のアドレスを示す値に更新される。同様に、リードポインタの示す所定アドレス位置からデータの読出しが行われた後、当該リードポインタの値が次のアドレスを示す値に更新される。
また、本実施形態の各信号レベルバッファを構成するリングバッファには、最も新しい過去200msec分すなわち100周期分のデータが記憶されるとともに、これを越えた古いデータから順に消去される構成となっている。また、リードポインタの位置は最新のデータの記憶された所定アドレス位置を示すようになっており、後述するように当該リードポインタの位置を基準に過去複数回分のデータが読み出される構成となっている。
ステップS402の説明に戻り、入賞口スイッチ221用の信号レベルバッファには、2msec周期で信号レベルをチェックする毎に、当該信号レベルに対応した論理値が順にライトポインタの示す所定アドレス位置に書き込まれていく。ここで、CPU501への入力信号の信号レベルが「H(ハイ)」の場合には、これを示すレベル情報としての論理値「1」が記憶され、信号レベルが「L(ロー)」の場合には、これを示すレベル情報としての論理値「0」が記憶される。
その後、ステップS403において、一般入賞口31へ遊技球の入球の有無を判定するための前処理である演算処理を行う。
より詳しくは、信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分のデータのうちの最先のデータ(最も古いデータ)の論理反転処理を行うとともに、当該論理反転された最先のデータ及び残り2回分のデータすべての論理積を算出する。そして、この値を、RAM503の作業エリアにて一旦記憶する。この処理の機能が本実施形態における論理反転手段や論理積算出手段を構成する。
例えば、図32(b)に示すように、タイミングt1,t2,t3において記憶された信号レベルの論理値が「0」,「1」,「1」である場合、最先のデータの論理反転処理を行うと、最先のデータは「1」となる。従って、このデータと他の2回分のデータの論理積は「1」となる。
続くステップS404では、ステップS403にて算出された論理積の値が「1」であるか否かを判別する。ここで論理積の値が「1」となった場合には、信号レベルが「L」から「H」に切り替わったことを意味するため、これをもって一般入賞口31への入球有りと判断し、ステップS405において入賞口スイッチ221(一般入賞口31)用の入球判別フラグの値に「1」を設定する。なお、入球判別フラグは、入球の有無を判別するための判別子であり、各入球検出スイッチに対応してそれぞれ設けられている。そして、ステップS304の始動入賞処理や、ステップS305の第2契機対応口通過処理では、これを基に入球の有無を判断している。
一方、論理積の値が「0」の場合には、過去4msecの間、信号レベルが「L」のままか若しくは「H」のまま切り替わらなかった、又は信号レベルが「H」から「L」に切り替わったこと等を意味するため、これをもって一般入賞口31への入球無しと判断し、ステップS406において入賞口スイッチ221用の入球判別フラグの値に「0」を設定する。上述したステップS403〜S406の一連の処理(入球判定処理)の機能が本実施形態における入球判定手段を構成する。
ステップS405,S406に続くステップS407では、入賞口スイッチ221からの入力信号の有効性を判定するための前処理である演算処理を行う。
より詳しくは、信号レベルバッファに記憶された最近の過去11回分のデータのうちの最先のデータ(最も古いデータ)の論理反転処理を行うとともに、当該論理反転されたデータ及び残り10回分のデータすべての論理積を算出する。そして、この値を、RAM503の作業エリアにて一旦記憶する。この処理の機能が本実施形態における論理反転手段や論理積算出手段を構成する。
例えば、図33に示すように、タイミングt1〜t11において記憶された信号レベルの論理値がt1=「0」,t2=「1」,t3=「1」,t4=「1」,t5=「1」,t6=「1」,t7=「1」,t8=「1」,t9=「1」,t10=「1」,t11=「1」である場合、最先のデータの論理反転処理を行うと、最先のデータは「1」となる。従って、このデータと他の10回分のデータの論理積は「1」となる。
続くステップS408では、ステップS407にて算出された論理積の値が「1」であるか否かを判別する。ここで論理積の値が「1」となった場合には、信号レベルが「L」から「H」に切り替わった後、少なくとも18msecの間、ハイレベル信号が継続して入力されていることを意味するため、これをもって入力信号が遊技球の入球に基づくものではなく何らかの異常有りと判断し、ステップS409において入賞口スイッチ221用の入球異常判定フラグの値に「1」を設定する。なお、入球異常判定フラグは、入球検出スイッチに関わる異常を判別するための判別子であり、各入球検出スイッチに対応してそれぞれ設けられている。つまり、継続して規定期間18msecを越えるハイレベル信号は、何らかの故障や、不正行為による人為的な動作などに基く異常な入力信号であると判断される。また、本実施形態では、上記入球異常判定フラグの値に基づき、後述する通常処理の外部出力処理において、遊技ホールのホールコンピュータへ入球エラー信号が出力される。
そして、ステップS409に続くステップS410にて、RAM503の作業エリアに設けられた異常計数カウンタの値に1を加算する。異常計数カウンタは、異常有りと判定された回数を加算して記憶していく異常回数記憶手段である。異常計数カウンタの値は、RAM消去スイッチ323の操作によりクリアできる。
一方、ステップS408にて、論理積の値が「0」と判定された場合には、少なくとも過去20msecの間、信号レベルが「L」のままか、又は信号レベルが「L」から「H」に切り替わった後、18msecの間に再度「L」に切り替わっていること等を意味するため、これをもって異常無しと判断し、ステップS411において入賞口スイッチ221用の入球異常判定フラグの値に「0」を設定する。なお、過去20msecの間、信号レベルが「H」のまま切り替わらなかった場合も、論理積の値が「0」となり、異常無しと判定されてしまうが、この場合、その前段階、すなわち信号レベルが過去18msecの間、「H」のまま切り替わらなかった時点で、一旦異常有りと判定されるため何ら問題ない。上述したステップS407〜S409,ステップS411の一連の処理(異常判定処理)の機能が本実施形態における異常判定手段を構成する。
ステップS410,S411に続くステップS412では、異常計数カウンタの値が5以上か否かを判定する。
ここで、異常計数カウンタの値が5以上と判定された場合には、ステップS413において、報知設定処理を行った後、本処理を終了する。一方、異常計数カウンタの値が5以上でないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS413の報知設定処理では、異常有りを報知するための設定処理が行われる。例えば、本実施形態では、この報知設定処理の設定内容に基づき、エラー表示ランプ104の点滅制御が行われる。
より具体的には、異常計数カウンタの値が5以上と判定された場合には、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドをサブ制御装置262へ出力するための設定を行う。これに基づき、後述する通常処理の外部出力処理において、サブ制御装置262に対し当該コマンドが出力され、サブ制御装置262によってエラー表示ランプ104の点滅制御が行われる。このエラー表示ランプ104や、入球エラー信号を出力する外部中継端子板240などが本実施形態における報知手段を構成する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図14のフローチャートを参照して説明する。ステップS501では、遊技球が第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)に入賞したか否かを第1契機対応ユニットスイッチ224a,224bに対応する上記入球判別フラグの値に基づき判別する。遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したと判別されると、続くステップS502では、始動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応ユニット33への入賞があり、且つ始動保留球数N<4であることを条件にステップS503に進み、始動保留球数Nをインクリメントする。
また、続くステップS504では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3の各値を、RAM503の第1保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、始動入賞処理を一旦終了する。
次に、ステップS305の第2契機対応口通過処理について図15のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球が第2契機対応口34を通過したか否かを第2契機対応口スイッチ225に対応する上記入球判別フラグの値に基づき判別する。遊技球が第2契機対応口34を通過したと判別されると、続くステップS602では、普通図柄表示装置41の保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第2契機対応口34への通過があり、且つ保留球数N<4であることを条件にステップS603に進み、保留球数Nを1インクリメントする。また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の第2保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、第2契機対応口通過処理を一旦終了する。
図16は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS701において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図16のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS105で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS113へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS106でRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS113へ移行する。
ステップS113の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS104:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図11のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43や第1契機対応ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する外部出力処理を実行する。以下により詳しい具体例をいくつか挙げる。
例えば、上記各種入球判別フラグを参酌して、一般入賞口31など各種入賞口への遊技球の入賞の有無を判別し、入賞有りの場合には当該入賞に対応した個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御装置311に対して送信する。そして、当該コマンドの送信後において、対応する入球判別フラグの値を「0」に戻す。
また、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドなどが設定されている場合には、サブ制御装置262に対し当該コマンドを出力する。
また、外部出力処理では後述する大当たりフラグなど各種判別情報を参酌して、遊技状態を把握させるための情報が遊技ホールのホールコンピュータへ外部出力される。さらには、ホールコンピュータへのエラー情報などの出力もこの出力処理において実行される。
例えば、いずれかの入球異常判定フラグの値に「1」が設定されている場合には、外部中継端子板240の所定の端子を介して、遊技ホールのホールコンピュータへオン信号(パルス信号)が出力され、すべての入球異常判定フラグの値が「0」の場合にはオフ信号が出力される。
また、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、特別表示装置43にて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、高確率モード時には、「FD10」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」が設定され、時間短縮モード時には、「FE10」,「FE11」,「FE12」,「FE13」,「FE14」,「FE15」,「FE16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブル(図31参照)で記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに対応する演出パターンを実行する。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドには通常モード時には「FF11」が設定され、高確率モード時には「FD11」が設定され、時間短縮モード時には「FE11」が設定される。なお、本実施形態では、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は通常モード時「20秒」、高確率モード時「8秒」、時間短縮モード時「10秒」に設定されている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチには通常モード時で30秒、40秒、50秒パターンの3種類(スーパーリーチSR1,SR2,SR3)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、スーパーリーチSR1ならば通常モード時「FF12」、高確率モード時「FD12」、時間短縮モード時「FE12」が変動パターンコマンドに設定される。スーパーリーチSR2ならば通常モード時「FF13」、高確率モード時「FD13」、時間短縮モード時「FE13」が設定される。スーパーリーチSR3ならば通常モード時「FF14」、高確率モード時「FD14」、時間短縮モード時「FE14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには通常モード時で60秒、70秒パターンの2種類(プレミアムリーチPR1,PR2)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、プレミアムリーチPR1ならば通常モード時「FF15」、高確率モード時「FD15」、時間短縮モード時「FE15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば通常モード時「FF16」、高確率モード時「FD16」、時間短縮モード時「FE16」が設定される。
また、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドには通常モード時「FF10」、高確率モード時「FD10」、時間短縮モード時「FE10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時で10秒に設定されている。もちろん、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄の組合わせ、通常図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、「A1」,「A2」,「A3」,「A4」,「A5」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
以下、停止図柄の区分及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。
確変図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、確変図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに確変図柄を示す「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
通常図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、通常図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに通常図柄を示す「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A3」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A4」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A5」が設定される。なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「A3」〜「A5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「A3」〜「A5」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1つだけの構成としてもよい。
図11の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、特別表示装置43においてどのような制御を行うか当該特別表示装置43の制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターン(演出パターン)の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、第1契機対応ユニット33においてどのような制御を行うか当該第1契機対応ユニット33の制御内容の設定が行われる。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図17のフローチャートを参照して説明する。
図17において、ステップS801では、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中と大当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。
続くステップS802では、表示タイマの設定状況を見て特別表示装置43による色換え表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合、ステップS803に進み、始動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は始動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数N>0であれば、ステップS804に進む。ステップS804では、始動保留球数Nから1を減算する。ステップS805では、第1保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS806では、変動表示設定処理を実行する。ここで、図18のフローチャートを用いて変動表示設定処理の詳細を説明する。
まず、ステップS901では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低確率状態では大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率モードでは「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。ここで大当たりであると判断された場合(ステップS901:YES)、ステップS902へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(ステップS901:NO)、すなわち外れである場合には、ステップS909へ移行する。
ステップS902では、確変大当たりであるか否かを判断する。本実施形態では、大当たりとなった場合、それぞれ1/2の確率で高確率モード又は時間短縮モードへ移行するように構成されている。具体的には、高確率モードへ移行させるか否かは、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて判断される。格納されているモード決定カウンタC2の値が、数値0〜9のうち奇数「1,3,5,7,9」であるならば高確率モードへの移行が決定され(確変大当たり)、偶数「0,2,4,6,8」であるならば時間短縮モードへの移行が決定される(通常大当たり)。
ここで確変大当たりであると判断された場合(ステップS902:YES)、ステップS904にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS905にて確変図柄(本実施形態では「A1」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
一方、ステップS902で確変大当たりでないと判断された場合(ステップS902:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、ステップS907にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS908にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS904,ステップS907では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1及び第2変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて装飾図柄の図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターン(変動種別)との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、各遊技モード毎にテーブル等により予め規定されている。なお、本実施形態におけるモード判別は、後述する高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグのオンオフ状況の組合せにより行われる。例えば、高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグが全てオン状態(フラグ値「1」)であれば、高確率モードと判別される。
ここで、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の大当たり時においては、図20(a)に示すような通常モード中大当たり時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=0〜69のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=70〜149のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=150〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。CS1=197,198かつCS2=0〜120のときは、変動パターンコマンドに「FF15」(プレミアムリーチPR1)が設定される。CS1=197,198かつCS2=121〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF16」(プレミアムリーチPR2)が設定される。
また、ステップS905,ステップS908における図柄コマンドは、大当たりの図柄を所定区分で指示するものであり、停止図柄の決定は、後述するようにサブ制御装置262が行う。具体的には、確変図柄の組合わせを示す「A1」が図柄コマンドに設定されると(ステップS905)、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。一方、通常図柄の組合わせを示す「A2」が図柄コマンドに設定されると(ステップS908)、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。当該ステップS905、ステップS908で図柄コマンドを設定した後、ステップS917へ移行する。
また、ステップS901にて否定判断された場合に移行するステップS909では、リーチであるか否かを判断する。この判断は、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動選択カウンタC3の値に基づいてなされる。上述したように、本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。ここでリーチであると判断された場合(ステップS909:YES)、ステップS910へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(ステップS909:NO)、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS915にて外れ変動パターンを決定し、ステップS916にて完全外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
ステップS910では、前後外れリーチであるか否かを判断する。ここで前後外れリーチであると判断された場合(ステップS910:YES)、ステップS911にて外れ変動パターンを決定し、ステップS912にて前後外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。一方、前後外れリーチでないと判断された場合(ステップS910:NO)、すなわち前後外れ以外リーチである場合には、ステップS913にて外れ変動パターンを決定し、ステップS914にて前後外れ以外図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS911,ステップS913,ステップS915で外れ変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS904等と同様である。
ここで、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の前後外れリーチ時においては、図20(b)に示すような通常モード中前後外れリーチ時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=0〜90のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=91〜170のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=171〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。また、前後外れ以外リーチ時(C3=2〜21)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらずノーマルリーチとなり、変動パターンコマンドに「FF11」が設定される。また、完全外れ時(C3=22〜238)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらず、変動パターンコマンドに「FF10」が設定される。
また、ステップS912,ステップS914,ステップS916における図柄コマンドが外れの図柄の組合わせの所定区分を指示するものであることも、上記ステップS905等と同様である。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「A3」が図柄コマンドに設定されると(ステップS912)、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「A4」が図柄コマンドに設定されると(ステップS914)、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「A5」が図柄コマンドに設定されると(ステップS916)、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
さて、ステップS917では、特別表示装置43において色換え表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には10000msecと設定される。そして、後述するように表示タイマは通常処理が1回行われる毎に4msecずつ減算されていく。なお、本実施形態における特別表示装置43の変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43において色換え表示が開始される。特別表示装置43は上述したような3色LEDであり、点灯している色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤へ色換えを行う。そして、ステップS917の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図17の説明に戻り、ステップS802がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS807に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば、10000msecの表示タイマが設定された場合には、当該表示タイマの設定された回の次回の通常処理における表示タイマ減算処理において表示タイマの値は9996msecとなる。
続いてステップS808に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS808が肯定判別される。ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS810において特別表示装置43にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、高確率モードへの移行を伴う確変大当たりである場合には赤色を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、時間短縮モードへの移行を伴う通常大当たりである場合には緑色を停止表示させ、外れである場合には青色を停止表示させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置43による停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なものとなっている。
続いてステップS811に進み、判別情報設定処理を行う。より詳しくは、図19に示すように、ステップS1001において、停止表示が大当たりに対応するか否かを判別する。ここで、大当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、大当たり設定を行う。具体的には、大当たりフラグ、可変フラグ、可変タイマ及びラウンド数カウンタの設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、判別情報設定処理を終了する。
大当たりフラグとは、特別遊技状態としての大当たり状態か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される。大当たりフラグの値は、大当たり乱数カウンタC1の値に基づき決定される。
可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
ラウンド数カウンタとは、後述するように大当たり状態中に実行されるラウンド数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を判別するための判別情報であり、本処理では15ラウンドを示す「15」が値として設定される。
さて、ステップS1001において、大当たりに対応しない、すなわち外れであると判別された場合には、ステップS1003へ移行する。
ステップS1003では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように通常大当たり終了後にカウンタ値として「100」が設定される。
ここで、変動回数カウンタが解除されている場合(オフ状態の場合)には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(オン状態の場合)には、時間短縮状態の設定中とみなし、ステップS1004において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、変動回数カウンタの値が残り0カウントか否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、通常大当たりの終了後(時間短縮状態の付与後)、100回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が残り0カウントであれば、ステップS1006において後述する高入球状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1007において後述する時間短縮状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1008において変動回数カウンタを解除(オフ)する処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS1005で、変動回数カウンタの値が残り0カウントでないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
図17の説明に戻り、ステップS811の判別情報設定処理の終了後、第1表示制御処理を終了する。また、上記ステップS808で否定判別された場合には、ステップS812において、特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)を継続して行うための色換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この色換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤への色換えを行うよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)が実現される。なお、本実施形態では、停止表示設定処理(ステップS810)の後に、判別情報設定処理(ステップS811)を行う構成となっているが、これに限らず、例えば、変動表示設定処理(ステップS806)の後に行う構成としてもよい。
次に上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図21のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201において可変入賞装置32の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS1201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
一方、上記ステップS1201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は可変入賞装置32が開状態であるとみなし、ステップS1202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS1203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS1203が肯定判別される。そして、ステップS1203で肯定判別された場合にはステップS1204へ移行する。
また、ステップS1203で否定判別された場合には、ステップS1205において可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS1204へ移行する。一方、ステップS1205で否定判別された場合、すなわち可変入賞装置32への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、可変入賞装置32は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS1204に進み、上記ラウンド数カウンタの値を参酌して可変入賞装置32の開放回数、すなわち実行したラウンド数が規定回数の達したか(ラウンド数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、ラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1206において、ラウンド数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS1204において、ラウンド数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、大当たりフラグのリセット処理、ラウンド数カウンタのリセット処理、高確率状態フラグの設定処理、時間短縮状態フラグの設定処理、高入球状態フラグの設定処理、変動回数カウンタの設定処理などが行われる。
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。
大当たりフラグのリセット処理では、大当たり状態の終了を示す「0」がフラグ値として設定される。
ラウンド数カウンタのリセット処理により、ラウンド数カウンタが解除(オフ)される。
高確率状態フラグとは、遊技モードが高確率状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高確率状態フラグの設定処理では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて、フラグ値の切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、高確率状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定され、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、低確率状態の発生を示す「0」がフラグ値として設定される。
時間短縮状態フラグとは、遊技モードが時間短縮状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記時間短縮状態フラグの設定処理では、時間短縮状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
高入球状態フラグとは、遊技モードが高入球状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高入球状態フラグの設定処理では、高入球状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、前記変動回数カウンタの設定処理では、上記高確率状態フラグの設定処理と同様にモード決定カウンタC2の値に基づいて、変動回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、変動回数カウンタは解除(オフ)される。一方、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定される。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
図22において、ステップS2101では、表示タイマの設定状況を見て普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、変動表示中でもない場合、ステップS2102に進み、保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、保留球数Nが0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ保留球数N>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、保留球数Nから1を減算する。ステップS2104では、第2保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは普通図柄表示装置41の表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における普通図柄表示装置41の変動表示時間は、上述したように高入球状態と低入球状態とでそれぞれ予め設定されている。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップS2101がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2107に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS2107が肯定判別される。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、第2保留球格納エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、当選か否かは普通図柄乱数カウンタC4の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低入球状態では普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜250のうち「5〜153」が当たり値であり、高確率モード等の高入球状態では「5〜228」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、第1契機対応ユニット33の開閉部材33cの開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、可変フラグ、可変タイマ及び開放回数カウンタの設定処理を行う。
可変フラグとは、第1契機対応ユニット33の開閉部材33cが開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
可変タイマとは、第1契機対応ユニット33の開閉部材33cの開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
開放回数カウンタとは、第1契機対応ユニット33の開閉部材33cの開閉処理の実行回数を判別するための判別情報である。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)を継続して行うための切換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において第1契機対応ユニット33の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように可変フラグとは、第1契機対応ユニット33の開閉部材33c(下入賞口33b)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS2201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第1契機対応ユニット33に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33cを開放する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33の下入賞口33bが開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33cを閉鎖する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33の下入賞口33bが閉状態となる。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は第1契機対応ユニット33の下入賞口33bが開状態であるとみなし、ステップS2202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。そして、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行する。
また、ステップS2203で否定判別された場合には、ステップS2205において第1契機対応ユニット33(上入賞口33a及び下入賞口33b)へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS2204へ移行する。一方、ステップS2205で否定判別された場合、すなわち第1契機対応ユニット33への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、第1契機対応ユニット33は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで下入賞口33bの開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS2204に進み、上記開放回数カウンタの値を参酌して第1契機対応ユニット33の開閉部材33cの開放回数が規定回数の達したか(開放回数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、開放回数が規定回数に達していない場合には、ステップS2206において、開放回数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS2204において、開放回数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS2207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS2207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、開放回数カウンタのリセット処理などが行われる。
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。また、開放回数カウンタのリセット処理により、開放回数カウンタが解除(オフ)される。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図24を参照して受信割込み処理を説明し、その後図25を参照してメイン処理を説明する。
図24は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、ライトポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるためにライトポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図26に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図25を参照して説明する。図25は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図26のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図27を参照して以下に説明する。
図27は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図24参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、リードポインタが次の記憶領域に対応したリードポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、リードポインタが次の記憶領域に対応したリードポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図26のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判定されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチ(図示略)の検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチ(図示略)の検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えば下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態が発生した場合のように、報知すべき状態がある場合には、その旨をエラー信号として主制御装置261へ送信する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出装置358を駆動させ球抜き処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の処理ついて説明する。変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を装飾図柄表示装置42において表示制御装置45に表示させる。
ここで、図28のフローチャートを参照して、サブ制御装置262の通常処理ついてより詳しく説明する。この通常処理は、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動される。
先ずステップS3901では、前回の処理で更新された設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
ステップS3902では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図29に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、上列、中列及び下列の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たりの際、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において装飾図柄は、確変図柄が5通り、通常図柄が5通り設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄の組合わせを示す「A1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、確変図柄の組合わせを決定する。また、図柄コマンドが通常図柄の組合わせを示す「A2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に通常図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタC5はステップS3902のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に上列装飾図柄、中列装飾図柄、下列装飾図柄の停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより上図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより下図柄列の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図30に示すように、ステップS4001では、上図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄列の外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄列の外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄列の更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄列の更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(S4007がYES)、ステップS4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(S4007がNO)には、ステップS4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、ステップS4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(S4010がYES)、ステップS4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS4006、S4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
図28の説明に戻り、ステップS3903において、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたか否かを判別する。この場合、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。そして、コマンドが受信されている場合には、ステップS3904においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。一方、コマンドが受信されていない場合には、そのままステップS3906へ移行する。
RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するものであり、上記同様のリングバッファで構成されている。
続くステップS3905の演出設定処理では、例えばRAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。従って、ここで装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定され、変動パターンコマンドの変動時間に対応する値が変動時間計測タイマに設定される。この際、サブ制御装置262は、例えば図31に示すような装飾図柄の変動種別と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて処理を行う。
なお、表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、コマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。
また、ここでは、図柄コマンドに基づいて停止図柄の決定もあわせて行う。なお、上述したことであるが、図柄コマンドに「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A3」が設定されている場合、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ(図29参照)に格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
そして、これらの情報を基に表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
そして、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS3905で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
そして、主制御装置261によって大当たりが確定すると、特別表示装置43にてその旨が表示されると共に、補助的に装飾図柄表示装置42上で装飾図柄が大当たり図柄の組合せとなり、大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている(大当たり状態が開始される)。
ステップS3906では、音声類、ランプ類を駆動するための制御設定や、デモ画面表示中の表示制御設定などその他の処理を行い、その後、本処理を終了する。例えば、主制御装置261からエラー表示ランプ104の点滅制御を行う旨のコマンドを受信した場合には、エラー表示ランプ104を点滅制御するための設定を行う。
以上詳述したように、本実施形態では、入賞口スイッチ221等の各種入球検出手段からの信号レベルが「L」から「H」に切り替わった後、少なくとも18msecの間、ハイレベル信号が継続して入力されているか否かを判別するといった異常判定処理を行っている。これは、継続して規定期間18msecを越えるハイレベル信号は、当該信号が遊技球の入球に基づくものではなく、何らかの故障や、不正行為による人為的な動作などに基く異常な信号であるとみなすことができるためである。
実際に遊技球が一般入賞口31等の各種入球手段へ入球してハイレベル信号が入力された場合には、その信号継続期間は長くとも数msec〜10数msec程度である。これに対し、不正行為者がセル板等を挿し抜きするような人為的な動作は、一般入賞口31等へ入球した遊技球が入賞口スイッチ221等を通過していく速度に比べて極めて遅く、どんなに短くとも数百msec程度かかってしまう。正規の入球に基づく信号と同等の長さの信号を、セル板等の挿し抜きといった上記不正行為により生成することは、不可能である。
従って、上記異常判定処理を行うことにより、不正行為者の人為的な動作により生成される擬似的な信号を判別することができ、ひいては上記不正行為の抑制を図ることができる。
また、本実施形態では、2msec周期で信号レベルをチェックする毎に、当該信号レベルに対応した論理値が信号レベルバッファに順に書き込まれていく。そして、入球判定処理(又は異常判定処理)では、信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分(又は11回分)のデータのうちの最先のデータの論理反転処理を行うとともに、当該論理反転されたデータ及び残り2回分(又は10回分)のデータすべての論理積を算出し、この演算結果に基づき判定処理を行う。このようなソフト的な処理が可能なため、回路規模の大型化、ひいては生産コストの増大を抑制することができる。
なお、従来では、入賞口スイッチ221等の各種入球検出手段から出力される信号レベルが高くなった場合に割込み信号が入力されること等によって、これに対応した一般入賞口31等の各種入球手段に入球があったことを検出していた。
しかし、この方法だと、信号にノイズが乗った場合や、コネクタの抜き差し等を行い、検出信号を意図的に生成する不正行為が行われた場合など、これらの信号レベルの変化に基づき、一般入賞口31等に遊技球が入球していないにもかかわらず入球があったと誤判断してしまうおそれがあった。このような不具合は、入賞口スイッチ221等から、遊技球の非検出中にローレベル信号が出力され、遊技球の検出中にハイレベル信号が出力される構成において、より発生しやすい。
これに対し、本実施形態では、遊技球が入賞口スイッチ221等の通過孔を通過してない通常時には、入賞口スイッチ221等からは+12Vのハイレベル信号(H)が出力される。一方、一般入賞口31等へ遊技球が入球して、遊技球が入賞口スイッチ221等の通過孔を通過している最中には、入賞口スイッチ221等からローレベル信号(L)が出力される。さらに、信号レベルバッファに記憶された3回分以上のデータを基に判定処理を行う。従って、上述したような不具合を抑制し、判定の精度を高めることができる。
なお、上記スイッチ読み込み処理(ステップS301)において異常有りと判定されるケースの中には、上述したように当該異常が不正行為によるものではなく、コネクタの接続不良など各入球検出スイッチとの電気的接続が断たれているケースも考えられる。入賞口スイッチ221等からCPU501に至る電気経路途中で例えばコネクタが外れると、上記構成のもと、実際には遊技球の通過がないにもかかわらず、基準電位0Vのローレベル信号が出力されてしまう。つまり、上記スイッチ読み込み処理における異常判定処理のみでは、不正行為が行われているのか、コネクタの接続不良などの不具合が発生しているのかの区別をつけることができず、それぞれへの対処が遅れるおそれがある。また、コネクタの接続不良等が発生した状態のまま、遊技者が遊技を継続すると、一般入賞口31等に遊技球が入球しても入賞口スイッチ221等により検出されず、遊技者に不利益となるおそれもある。
ここで、このような不具合を解消することのできる別の実施形態(スイッチ読み込み処理)について詳しく説明する。上記実施形態同様、このスイッチ読み込み処理では、各入球検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応口スイッチ225)を個々に監視して、個別に同様の処理が行われる。従って、ここでは入賞口スイッチ221に係るスイッチ読み込み処理を一例に図34を参照して詳しく説明するが、他の入球検出スイッチに関しても図34に示す処理と同様の処理が行われる。また、上記実施形態と同様の構成部分についての詳細な説明は省略する。
先ずステップS6401では、入賞口スイッチ221からの入力信号の信号レベルをチェックする。
上記実施形態同様、遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過してない通常時には、入賞口スイッチ221からは+12Vのハイレベル信号(H)が出力され、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501に基準電位0Vのローレベル信号(L)が入力される。
一方、一般入賞口31へ遊技球が入球して、遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過している最中には、入賞口スイッチ221からローレベル信号(L)が出力され、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501にハイレベル信号(H)が入力される。
続くステップS6402では、ステップS6401にてチェックした信号レベルを、RAM503の作業エリアに設けられた入賞口スイッチ221用の信号レベルバッファに記憶する。
入賞口スイッチ221用の信号レベルバッファには、2msec周期で信号レベルをチェックする毎に、当該信号レベルに対応した論理値が順にライトポインタの示す所定アドレス位置に書き込まれていく。ここで、CPU501への入力信号の信号レベルが「H(ハイ)」の場合には、これを示すレベル情報としての論理値「1」が記憶され、信号レベルが「L(ロー)」の場合には、これを示すレベル情報としての論理値「0」が記憶される。
その後、ステップS6403において、一般入賞口31へ遊技球の入球の有無を判定するための前処理である演算処理を行う。
より詳しくは、信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分のデータのうちの最先のデータ(最も古いデータ)の論理反転処理を行うとともに、当該論理反転された最先のデータ及び残り2回分のデータすべての論理積を算出する。そして、この値を、RAM503の作業エリアにて一旦記憶する。
続くステップS6404では、ステップS6403にて算出された論理積の値が「1」であるか否かを判別する。ここで論理積の値が「1」となった場合には、信号レベルが「L」から「H」に切り替わったことを意味するため、これをもって一般入賞口31への入球有りと判断し、ステップS6405において入賞口スイッチ221(一般入賞口31)用の入球判別フラグの値に「1」を設定するとともに、後述する接続異常タイマを解除(クリア)する。
一方、論理積の値が「0」の場合には、過去4msecの間、信号レベルが「L」のままか若しくは「H」のまま切り替わらなかった、又は信号レベルが「H」から「L」に切り替わったこと等を意味するため、これをもって一般入賞口31への入球無しと判断し、ステップS6406において入賞口スイッチ221用の入球判別フラグの値に「0」を設定する。
ステップS6405,S6406に続くステップS4607では、入賞口スイッチ221からの入力信号の有効性を判定するための前処理である演算処理を行う。
より詳しくは、信号レベルバッファに記憶された最近の過去11回分のデータのうちの最先のデータ(最も古いデータ)の論理反転処理を行うとともに、当該論理反転されたデータ及び残り10回分のデータすべての論理積を算出する。そして、この値を、RAM503の作業エリアにて一旦記憶する。
続くステップS6408では、ステップS6407にて算出された論理積の値が「1」であるか否かを判別する。ここで論理積の値が「1」となった場合には、信号レベルが「L」から「H」に切り替わった後、少なくとも18msecの間、ハイレベル信号が継続して入力されていることを意味するため、これをもって入力信号が遊技球の入球に基づくものではなく何らかの異常有りと判断し、ステップS6409において入賞口スイッチ221用の入球異常判定フラグの値に「1」を設定する。つまり、継続して規定期間18msecを越えるハイレベル信号は、コネクタの接続不良などの何らかの故障や、不正行為による人為的な動作などに基く異常な入力信号であると判断される。また、上記実施形態同様、上記入球異常判定フラグの値に基づき、通常処理の外部出力処理において、遊技ホールのホールコンピュータへ入球エラー信号が出力される。
そして、ステップS6409に続くステップS6410にて、RAM503の作業エリアに設けられた異常計数カウンタの値に1を加算する。
続いて、ステップS6411において、接続異常タイマの設定処理が行われる。本実施形態では、第2の規定期間である60秒をセットする。接続異常タイマとは、異常なハイレベル信号の継続時間を計測するための計測手段であり、入球異常有りと判定されてから、すなわち入球異常判定フラグが設定されてから第2の規定期間60秒が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、上述したように不正行為者がセル板等を挿し抜きするような人為的な動作によりハイレベル信号が出力された場合には、その出力時間(信号継続期間)は長くとも数百msec〜数秒(数千msec)である。つまり、ハイレベル信号の出力時間が上記第2の規定期間60秒もあった場合には原因が不正行為よりもコネクタの接続不良等の不具合によるものである可能性が高い。従って、第2の規定期間は60秒に限定されず、これを判別できるのであれば適宜、変更可能である。
一方、ステップS6408にて、論理積の値が「0」と判定された場合には、少なくとも過去20msecの間、信号レベルが「L」のままか、又は信号レベルが「L」から「H」に切り替わった後、18msecの間に再度「L」に切り替わっていること等を意味するため、これをもって異常無しと判断し、ステップS6412において入賞口スイッチ221用の入球異常判定フラグの値に「0」を設定する。
ステップS6411,S6412に続くステップS6413では、異常計数カウンタの値が5以上か否かを判定する。
ここで、異常計数カウンタの値が5以上と判定された場合には、ステップS6414において、入球異常報知設定処理を行った後、ステップS6415へ移行する。一方、異常計数カウンタの値が5以上でないと判定された場合には、そのままステップS6415へ移行する。
ステップS6414の入球異常報知設定処理では、入球異常有りを報知するための設定処理が行われる。
より具体的には、異常計数カウンタの値が5以上と判定された場合には、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドをサブ制御装置262へ出力するための設定を行う。これに基づき、通常処理の外部出力処理において、サブ制御装置262に対し当該コマンドが出力され、サブ制御装置262によってエラー表示ランプ104の点滅制御が行われる。
ステップS6415では、上記接続異常タイマの設定状況を見て異常なハイレベル信号の継続中であるか否かを判別する。詳しくは、接続異常タイマが設定されている場合には継続中とみなされ、接続異常タイマが解除されている場合には、継続中でないとみなされる。そして、継続中でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、継続中である場合には、ステップS6416に進み、タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に接続異常タイマの値が2msecずつ減算されていく。
続くステップS6417では、上記減算後の接続異常タイマの値を参酌して予め設定された第2の規定期間60秒が経過したか否かを判別する。ここで第2の規定期間60秒を経過していないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、第2の規定期間60秒が経過し(接続異常タイマの値が「0」となり)、ステップS6417で肯定判別された場合には、ステップS6418において上記接続異常タイマを解除(クリア)し、ステップS6419において接続異常報知設定処理を行い、本処理を終了する。ステップS6415〜S6417等の処理により本実施形態における接続断判定手段が構成される。
ステップS6419の報知設定処理では、接続異常有りを報知するための設定処理が行われる。より具体的には、スピーカSにて報知音をならすためのコマンドをサブ制御装置262へ出力するための設定を行う。これに基づき、通常処理の外部出力処理において、サブ制御装置262に対し当該コマンドが出力され、サブ制御装置262によってスピーカSの音声発生制御が行われる。このスピーカSが本実施形態における第2の報知手段を構成する。
このような構成にすることにより、不正行為者の人為的な動作により生成される擬似的な信号と、コネクタの接続不良等の不具合に基づく信号とを区別することができる。ひいては不正行為の判断精度を高めることができる。
なお、上記構成では、第2の規定期間60秒(60000msec)を、接続異常タイマを設定することにより計測しているが、これに限らず、所定のカウンタを設定することにより計測する構成としてもよい。例えば、所定のカウンタに30000という値を設定し、スイッチ読込み処理の2msec周期ごとに1カウントずつ減算していくことにより、60秒を計測する構成としてもよい。
また、上記構成では、この接続異常タイマの設定処理が、ステップS6408にて入球異常有りと判断された後段階(ステップS6411)にて行われる構成となっている。しかし、接続異常タイマの設定処理は、このように入球異常有りと判断された場合にのみ行われる構成に限定されるものではなく、どのようなタイミングで行われてもよい。例えば、ステップS6401の前段階等において常時タイマがセットされ、異常無しの場合には定期的にタイマがリセットされ、一旦、入球異常有りの判断がなされると、当該タイマによる計測が継続される構成としてもよい。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、入賞口スイッチ221等の各種入球検出スイッチとして、貫通型の近接スイッチを採用している。入球検出スイッチのタイプはこれに限定されるものではない。例えばフォトスイッチなど他の非接触式スイッチや、マイクロスイッチなどの接触式スイッチなどを採用してもよい。
(b)上記実施形態では、遊技球が入賞口スイッチ221等の通過孔を通過してない通常時には、入賞口スイッチ221等からは+12Vのハイレベル信号(H)が出力され、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501に基準電位0Vのローレベル信号(L)が入力される。一方、一般入賞口31等へ遊技球が入球して、遊技球が入賞口スイッチ221等の通過孔を通過している最中には、入賞口スイッチ221等からローレベル信号(L)が出力され、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501にハイレベル信号(H)が入力される。
このような構成に限らず、例えば、反転回路229を省略して、入賞口スイッチ221等から出力された信号がそのままCPU501に入力される構成としてもよい。
また、遊技球が通過してない通常時には、入賞口スイッチ221等からローレベル信号(L)が出力され、遊技球が通過孔を通過している最中には、入賞口スイッチ221等からハイレベル信号(H)が出力される構成としてもよい。
(c)上記実施形態では、入球判定処理を行うに際して、信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分のデータのうちの最先のデータの論理反転処理を行うとともに、当該論理反転されたデータ及び残り2回分のデータすべての論理積を算出し、この演算結果に基づき判定処理を行う。これに限らず、信号レベルバッファに記憶された少なくとも2回分のデータを基に同様の処理を行う構成としてもよい。また、最先のデータの論理反転処理を省略して、単に複数回分のデータの論理積を算出する構成としてもよい。
同様に、異常判定処理に際して用いるデータ数は、上記実施形態に限定されるものではない。少なくとも入球判定処理に際して用いるデータ数より多ければよい。但し、異常判定処理に際して用いるデータ数と、入球判定処理に際して用いるデータ数とに大きな差を設けておく方が誤判断を防ぐためには、より好ましい。また、最先のデータの論理反転処理を省略する構成は、異常判定処理に関しても同様に適用できる。
(d)上記実施形態では、入球エラーが発生した場合(異常判定処理により異常有りと判定された場合)には、遊技ホールのホールコンピュータへ外部中継端子板240から入球エラー信号が出力される。また、これが所定回数以上(5回以上)繰り返し行われた場合にはエラー表示ランプ104が点滅制御される。
入球エラーを報知する報知手段は、これらに限定されるものではなく、スピーカS等の音声発生手段や、装飾図柄表示装置42等の各種表示手段などを用いてもよい。
また、異常計数カウンタの値が所定値以上となって初めてホールコンピュータへ入球エラー信号を出力する構成としてもよいし、異常計数カウンタを省略し、異常判定処理により異常有りと判定される毎に、エラー表示ランプ104が点滅制御される構成としてもよい。
同様に、接続異常有りを報知するための第2の報知手段は、上記スピーカSに限定されるものではなく、エラー表示ランプ104など他の手段を用いてもよい。また、接続異常が発生した場合に、遊技ホールのホールコンピュータへ外部中継端子板240から接続異常信号が出力される構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、入球エラーが発生した場合でも賞球の払出しがそのまま行われる構成となっているが、これに限らず、異常判定処理により異常有りと判定された場合には、判定対象となった信号を無効とみなし、入球が無かったものとみなす処理を行う構成としてもよい。このようにすれば、正規の入球があった場合と同様に賞球の払出しが行われてしまうといった不具合を防止することができる。
(f)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。