JP2018123661A - 音響調整パネル - Google Patents

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【課題】優れた音響調整効果が得られ、意匠性にも優れた音響調整パネルを提供する。
【解決手段】室内空間に面するパネル面Aが、並列した複数の面部aで構成され、各面部aは長手方向で傾斜するとともに、隣接する2つの面部aどうしは、面部全体若しくは長手方向で複数に区分けされた各面部分が、傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成される。この音響調整パネルは、複数の面部aのうちの全部が吸音面又は音の反射面であってもよいし、複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音面で、他の面部aが音の反射面であってもよい。このような異なるタイプのパネルを適宜選択して設置することで音響環境を最適化でき、また外観形状が同じであるので、室内の意匠的な調和を保つことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、室内の音響環境を改善するために壁面に設置される音響調整パネルと、その設置構造及び製造方法に関するものである。
一般住宅のほとんどの部屋は、壁面どうし(壁と壁、天井と床)が平行面で構成されており、壁や床が音を反射しやすい硬い材質の場合には、音源から出た音が平行な壁面間で繰り返し反射する、いわゆるフラッターエコーが生じる。このフラッターエコーが生じると、残響(反射音)がいつまでも残り、音源から新たに出た音に混ざるため、音の明瞭度が極端に低下し、音楽鑑賞などには適さない音響環境となる。
従来、上記のようなフラッターエコーを生じさせないために、部屋の壁面に吸音材を設置することが行われており、吸音材(吸音パネル)として様々な提案がなされている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2001−65077号公報 特開2001−81878号公報 特開2014−91976号公報
しかし、従来の吸音材は、全体の吸音性能が劣っていたり、低音域での吸音性能が十分でないなどの問題があった。また、室内を最適な音響環境にするには、極端に残響が残りすぎたり、消えすぎたりしないこと(すなわち適度に吸音されること)や、部屋の響きのバランスがよいこと、などが必要であり、そのためには、吸音と反射(拡散)のバランスがとれる音響調整材(吸音材など)を設置することが必要であるが、従来の吸音材は、そのような要求に応えられるものではなかった。
また、一般住宅の居室の壁面に設置される音響調整材には、高い意匠性が求められるが、従来のパネル型などの吸音材は意匠性にも欠ける問題があった。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、室内の壁面に設置された場合に優れた音響調整効果が得られ、意匠性にも優れた音響調整パネルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのような音響調整パネルを用いて、室内の意匠的な調和を確保しつつ、室内の音響環境を最適化することができる音響調整パネルの設置構造を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、そのような音響調整パネルを効率的に製造することができる製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]室内の壁面に設置される音響調整パネルであって、
室内空間に面するパネル面(A)が、並列した複数の面部(a)で構成され、各面部(a)は長手方向で傾斜するとともに、隣接する2つの面部(a)どうしは、面部全体若しくは長手方向で複数に区分けされた各面部分が、傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されることを特徴とする音響調整パネル。
[2]上記[1]の音響調整パネルにおいて、各面部(a)は平らな単一の傾斜面で構成されることを特徴とする音響調整パネル。
[3]上記[1]の音響調整パネルにおいて、各面部(a)は長手方向で谷又は/及び山を形成する傾斜面で構成されることを特徴とする音響調整パネル。
[4]上記[3]の音響調整パネルにおいて、谷又は/及び山を形成する傾斜面は複数の平らな面からなることを特徴とする音響調整パネル。
[5]上記[3]の音響調整パネルにおいて、谷又は/及び山を形成する傾斜面は、一部又は全部が曲面からなることを特徴とする音響調整パネル。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの音響調整パネルにおいて、基板(1)と、各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成し、並列した状態で基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に固定される複数の箱型ユニット(2)からなることを特徴とする音響調整パネル。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの音響調整パネルにおいて、パネル面(A)が3つ以上の面部(a)で構成されることを特徴とする音響調整パネル。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの音響調整パネルにおいて、複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面であることを特徴とする音響調整パネル。
[9]上記[1]〜[7]のいずれかの音響調整パネルにおいて、複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面であることを特徴とする音響調整パネル。
[10]上記[1]〜[7]のいずれかの音響調整パネルにおいて、複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であることを特徴とする音響調整パネル。
[11]上記[10]の音響調整パネルにおいて、隣接する2つの面部(a)は、一方が吸音面である面部(a)であり、他方が音の反射面である面部(a)であることを特徴とする音響調整パネル。
[12]上記[1]〜[6]のいずれかの音響調整パネルにおいて、パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であることを特徴とする音響調整パネル。
[13]上記[1]〜[6]のいずれかの音響調整パネルにおいて、パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、その両側の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であることを特徴とする音響調整パネル。
[14]上記[8]〜[13]のいずれかの音響調整パネルにおいて、基板(1)と、各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成し、並列した状態で基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に固定される複数の箱型ユニット(2)からなり、
各箱型ユニット(2)は、箱型の本体(3)と、該本体(3)の内部に充填される繊維集合体(4)を備え、
箱型ユニット(2)の上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が吸音面である面部(a)を構成する場合には、本体(3)の上板部(但し、パネルを平置きした状態での上板部)が軟質の吸音性材料からなる板体で構成され、箱型ユニット(2)の上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が音の反射面である面部(a)を構成する場合には、本体(3)の上板部(但し、パネルを平置きした状態での上板部)が硬質の反射性材料からなる板体で構成されることを特徴とする音響調整パネル。
[15]上記[1]〜[7]のいずれかの音響調整パネルの設置構造であって、
下記(i)〜(iii)の音響調整パネルのうちの2種以上が組み合わされて、室内の壁面に設置されることを特徴とする音響調整パネルの設置構造。
(i)複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
[16]上記[1]〜[7]のいずれかの音響調整パネルの設置構造であって、
下記(i)〜(iv)の音響調整パネルのうちの2種以上が組み合わされて、室内の壁面に設置されることを特徴とする音響調整パネルの設置構造。
(i)複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、吸音面である面部(a)と音の反射面である面部(a)の数が面部(a)≧面部(a)である音響調整パネル。
(iv)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、吸音面である面部(a)と音の反射面である面部(a)の数が面部(a)<面部(a)である音響調整パネル。
[17]上記[1]〜[6]のいずれかの音響調整パネルの設置構造であって、
下記(i)〜(iv)の音響調整パネルのうちの2種以上が組み合わされて、室内の壁面に設置されることを特徴とする音響調整パネルの設置構造。
(i)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iv)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、その両側の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
[18]上記[15]〜[17]のいずれかの設置構造において、上記(i)〜(iii)の音響調整パネル又は上記(i)〜(iv)の音響調整パネルは、外観形状が同じであることを特徴とする音響調整パネルの設置構造。
[19]上記[1]〜[5]のいずれかの音響調整パネルの製造方法であって、
各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成する箱型ユニット(2)であって、面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である箱型ユニット(2x)と、面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である箱型ユニット(2y)を予め製作し、
箱型ユニット(2x)及び/又は箱型ユニット(2y)からなる複数の箱型ユニット(2)を、基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に並列した状態で固定することにより、下記(i)〜(iii)のなかの任意の音響調整パネルを製造することを特徴とする音響調整パネルの製造方法。
(i)複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
[20]上記[1]〜[5]のいずれかの音響調整パネルの製造方法であって、
各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成する箱型ユニット(2)であって、面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である箱型ユニット(2x)と、面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である箱型ユニット(2y)を予め製作し、
箱型ユニット(2x)及び/又は箱型ユニット(2y)からなる複数の箱型ユニット(2)を、基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に並列した状態で固定することにより、下記(i)〜(iv)のなかの任意の音響調整パネルを製造することを特徴とする音響調整パネルの製造方法。
(i)複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、吸音面である面部(a)と音の反射面である面部(a)の数が面部(a)≧面部(a)である音響調整パネル。
(iv)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、吸音面である面部(a)と音の反射面である面部(a)の数が面部(a)<面部(a)である音響調整パネル。
[21]上記[1]〜[5]のいずれかの音響調整パネルの製造方法であって、
各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成する箱型ユニット(2)であって、面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である箱型ユニット(2x)と、面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である箱型ユニット(2y)を予め製作し、
箱型ユニット(2x)及び/又は箱型ユニット(2y)からなる複数の箱型ユニット(2)を、基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に並列した状態で固定することにより、下記(i)〜(iv)のなかの任意の音響調整パネルを製造することを特徴とする音響調整パネルの製造方法。
(i)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iv)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、その両側の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
[22]上記[19]〜[21]のいずれかの製造方法において、上記(i)〜(iii)の音響調整パネル又は上記(i)〜(iv)の音響調整パネルは、外観形状が同じであることを特徴とする音響調整パネルの製造方法。
[23]上記[19]〜[22]のいずれかの製造方法において、各箱型ユニット(2)は、箱型の本体(3)と、該本体(3)の内部に充填される繊維集合体(4)を備え、
上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が吸音面である面部(a)を構成する箱型ユニット(2x)は、本体(3)の上板部(但し、パネルを平置きした状態での上板部)が軟質の吸音性材料からなる板体で構成され、上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が音の反射面である面部(a)を構成する箱型ユニット(2y)は、本体(3)の上板部(但し、パネルを平置きした状態での上板部)が硬質の反射性材料からなる板体で構成されることを特徴とする音響調整パネルの製造方法。
本発明の音響調整パネルは、室内の壁面に設置された場合に優れた音響調整効果が得られ、また意匠性にも優れている。
また、本発明の音響調整パネルの設置構造は、そのような音響調整パネルを用いることにより、室内の意匠的な調和を確保しつつ、室内の音響環境を最適化することができる。
また、本発明の製造方法によれば、様々な音響調整機能を有する本発明の音響調整パネルを効率的に製造することができる。
本発明の音響調整パネルの一実施形態を平置きした状態で示す斜視図 図1の実施形態の音響調整パネルの正面図 図1の実施形態の音響調整パネルの平面図 図1の実施形態の音響調整パネルの側面図 図1の実施形態の音響調整パネルの背面図 図2中のA−A線に沿う断面図 図2中のB−B線に沿う断面図 図1の実施形態の音響調整パネルを構成する部材を組み立て前の状態で模式的に示す断面図 図1の実施形態の音響調整パネルの一設置例を示す斜視図 図1の実施形態の音響調整パネルの他の設置例を示す斜視図 本発明の音響調整パネルの他の実施形態を平置きした状態で示す斜視図 本発明の音響調整パネルの他の実施形態を平置きした状態で示す斜視図 本発明の音響調整パネルの他の実施形態を平置きした状態で示す斜視図 本発明の音響調整パネルの他の実施形態を平置きした状態で示す斜視図 本発明の音響調整パネルの他の実施形態を平置きした状態で示す斜視図 本発明の音響調整パネルの他の実施形態を立置きした状態で示す斜視図 図16の実施形態の音響調整パネルの平面図 図1の実施形態の音響調整パネルの吸音特性を、比較例の吸音パネルと比較して示したグラフ 図1の実施形態の音響調整パネルの遮音特性を、比較例の吸音パネルと比較して示したグラフ
本発明の音響調整パネルは、室内の壁面に設置される音響調整パネルであり、室内空間に面するパネル面A(パネル前面)が、並列した複数の面部aで構成される。そして、各面部aは長手方向で傾斜するとともに、隣接する2つの面部aどうしは、面部全体若しくは長手方向で複数に区分けされた各面部分が、傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成される。また、この隣接する2つの面部a(面部全体若しくは長手方向で複数に区分けされた各面部分)の傾斜面は、異なる傾斜角度であっても、同じ傾斜角度であってもよいが、後述する製造法における製造の容易性や意匠性の観点からは後者の方が好ましい。
ここで、本発明において壁面とは、室内空間を形成する壁面を意味し、したがって、狭義の壁だけでなく天井面などを含む。
音響調整パネルのパネル面Aを構成する各面部aは、平らな単一の傾斜面で構成されてもよいし、長手方向で谷又は/及び山を形成する傾斜面で構成されてもよい。後者の場合、谷又は/及び山を形成する傾斜面は、複数の平らな面(平坦面)からなるもの(例えば、図12〜図15の各実施形態)でもよいし、一部又は全部が曲面からなるもの(例えば、図16及び図17の実施形態)でもよい。
パネル面Aを構成する面部aの数は任意であり、2つ以上であればよいが、一般には3つ以上が好ましい。
音響調整パネルの具体的な構造も任意であるが、例えば、基板1と、各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部aを構成し、並列した状態で基板1上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に固定される複数の箱型ユニット2で構成することができ、このような構造とすれば製造が容易になる。
音響調整パネルは、複数の面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面であってもよいし、或いは反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であってもよい。
一方、音響調整パネルは、複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であってもよい。この場合、並列した複数の面部aは、吸音面である面部aと音の反射面である面部aが交互になるように構成すること、すなわち、隣接する2つの面部aは、一方が吸音面である面部aであり、他方が音の反射面である面部aであるようにするのが好ましい。このような実施形態では、吸音面である面部aと音の反射面である面部aの数を同じにしてもよいが、両者の数が面部a>面部aであるような吸音面主体の音響調整パネルとしてもよいし、面部a<面部aであるような反射面主体の音響調整パネルとしてもよい。
図1〜図10は、本発明の音響調整パネルの一実施形態を示すもので、図1は平置きした状態で示す斜視図、図2は正面図、図3は平面図、図4は側面図、図5は背面図、図6は図2中のA−A線に沿う断面図、図7は図2中のB−B線に沿う断面図である。また、図8は音響調整パネルを構成する部材を組み立て前の状態で示す断面図、図9及び図10は音響調整パネルの設置例をそれぞれ示す斜視図である。
本実施形態の音響調整パネルは、パネル面Aが3つの面部aで構成されている。
さきに述べたように、本発明の音響調整パネルの形態としては、(i)複数の面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面であるタイプ、(ii)複数の面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であるタイプ、(iii)複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面であるタイプ、があるが、本実施形態では、(iii)のタイプにおいて、中央の面部aを吸音面、その両側の面部aを音の反射面(拡散面)としたものである。
以下の説明において、上面、側面、底面、上板部、側板部及び底板部という場合、パネルを平置きした状態での上面、側面、底面、上板部、側板部及び底板部を意味するものとする。
各面部aは、細長い平面矩形状であって長手方向で傾斜し、平らな単一の傾斜面で構成されている。3つの面部aのうち、隣接する2つの面部aどうしは、面部全体が同じ傾斜角度であって且つ傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されている。したがって、中央の面部a(傾斜面)に対して、その両側の面部aが、同じ傾斜角度であって且つ傾斜方向が逆向きの傾斜面を構成している。
なお、本発明の音響調整パネルでは、隣接する2つの面部aどうしは、面部全体若しくは長手方向で複数に区分けされた各面部分が、傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されるようにすればよいので、本実施形態でも、この関係を満たすように、面部aの数をさらに増やす(4つ以上とする)こともできる。
この音響調整パネルは、基板1と、並列した状態で基板1上面に固定される3つの箱型ユニット2で構成されており、箱型ユニット2の上面が面部aを構成している。
各箱型ユニット2は、箱型の本体3と、この本体3の内部に充填される繊維集合体4を備え、上面及び側面が装飾布5で覆われている。
3つの箱型ユニット2のうち、中央の面部a(吸音面)を構成する箱型ユニット2xは、本体3の側板部31及び底板部32が合板などの硬質材料で構成されるが、上板部30は軟質の吸音性材料からなる板体で構成されている。この板体には、例えば、ポリエステルボードなどのような軟質の樹脂板が適用できる。
一方、両側の2つの面部a(反射面)を構成する箱型ユニット2yは、本体3の側板部31及び底板部32が合板などの硬質材料で構成されるとともに、上板部30も硬質の反射性材料からなる板体で構成されている。この板体には、例えば、側板部31及び底板部32と同様の合板や、アクリルボード、ポリカーボネートボードなどのような硬質の樹脂板が適用できる。
本体3の内部に充填される繊維集合体4としては、短繊維集合体が好ましく、なかでも、マトリックス繊維である中空ポリエステル繊維又は中空ポリエステル繊維及び羊毛と、熱接着性繊維とを混綿し、熱処理により熱接着性繊維を溶融させ、その溶融物によりマトリックス繊維の繊維接点を接着させて得られた短繊維集合体が好ましい。
この短繊維集合体では、短繊維集合体の原料となるマトリックス繊維(a)(中空ポリエステル繊維又は中空ポリエステル繊維及び羊毛)と熱接着性繊維(b)の質量比(a)/(b)は、90/10〜60/40程度が好ましく、85/15〜70/30程度がより好ましい。また、マトリックス繊維(a)が中空ポリエステル繊維と羊毛からなる場合には、羊毛(x)と中空ポリエステル繊維(y)の質量比(x)/(y)が90/10〜10/90程度が好ましく、85/15〜40/60程度がより好ましい。また、一般に、マトリックス繊維(a)となる中空ポリエステル繊維、羊毛の繊維長は40〜210mm程度が適当である。
通常、繊維集合体4を短繊維集合体で構成する場合には、所定の密度(例えば0.008〜0.05g/cm程度)の短繊維集合体が適度な圧縮状態で拘束される(すなわち、本体3内に封入されることで拘束される)ことにより構成される。この短繊維集合体は、密度が低すぎると吸音性能などが低下し、一方、密度が高すぎると復元力が強くなり、パネルの形状が不安定になりやすい。また、厚さが薄すぎると十分な機能を果たせず、一方、厚すぎるとパネルの重量が大きくなり、パネルを壁に取り付ける上で支障となる。このため、本体3内の短繊維集合体は、密度(かさ密度)が0.012〜0.10g/cm程度、厚さが5〜50mm程度のものが好ましい。
この短繊維集合体は、中空ポリエステル繊維又は中空ポリエステル繊維及び羊毛と熱接着性繊維を混綿し、カーディングを行い、クロスレイヤー機で積層した後、熱処理を加えて形状を安定化させることにより製造することができる。
繊維集合体4(特に上記の短繊維集合体)は吸音性能、遮音性能が高いので、中央の面部a(吸音面)を構成する箱型ユニット2xにおいて、上述したように上板部30を軟質の吸音性材料からなる板体で構成することにより、面部a(吸音面)が特に高い吸音性能を有することができる。また、両側の面部a(反射面)を構成する箱型ユニット2xを含めて、パネル全体が内部に繊維集合体4を有することにより、特に高い遮音性能も得られる。
基板1は、スチレンボードなどの一定の剛性を有する板材で構成され、外縁部が装飾布5で覆われている。
音響調整パネルは、図8に示すように、基板1の上面に複数の箱型ユニット2(箱型ユニット2x、2y)を並列した状態で固定する(接着剤などで接着固定する)ことにより構成される。また、基板1の底面には不織布などのシート6が貼設される。
音響調整パネルは、室内の壁面に対して任意の手段で固定することができるが、本実施形態ではパネル底面(背面)の4隅にマグネットシート7が取り付けられ、マグネットシート7を壁面側に取付られるアイアンシートに吸着させることで、音響調整パネルを壁面に固定できるようにしている。
本発明の音響調整パネルは、例えば、図9又は図10に示すような状態で壁面に設置することができるが、このように縦横の向きを変えることでも、音響調整効果が変化するので、その機能にバリエーションを持たせることができる。
面部aの傾斜角度は特に限定しないが、音響調整パネルとして機能、パネルの意匠性、製造の容易性などの観点から2〜60°程度が適当であり、3〜10°程度がより好ましい。
音響調整パネルのサイズも特に限定しないが、一般には、パネルを平置きした状態で、縦横のパネル長さが300〜2500mm程度、最大厚み部のパネル厚み(面部aの傾斜面の最上部位置でのパネル厚み)が25〜50mm程度、最小厚み部のパネル厚み(面部aの傾斜面の最下部位置でのパネル厚み)が10〜30mm程度となる。
本実施形態の音響調整パネルは、3つの面部aのうちの中央の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であるが、他の実施形態として、例えば、以下のような構成とすることができる。
(1)3つの面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル
(2)3つの面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)である音響調整パネル
(3)3つの面部aのうちの中央の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であり、その両側の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル
図11〜図16(及び図17)は、それぞれ本発明の音響調整パネルの他の実施形態示すもので、図11〜図15は音響調整パネルを平置きした状態で示す斜視図である。また、図16は音響調整パネルを立置きした状態で示す斜視図、図17はその音響調整パネルの平面図である。
図11の実施形態は、パネル面Aが並列した9つの面部a(細長い平面矩形状の面部)で構成され、隣接する2つの面部aどうしは、面部全体が傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されたものである。この実施形態の各面部aは、図1〜図10の実施形態と同様に、細長い平面矩形状であって長手方向で傾斜し、平らな単一の傾斜面で構成されている。なお、その他の構成は図1〜図10の実施形態と同様である。
図12〜図15に示されるのは、いずれも、パネル面Aを構成する各面部aが長手方向で谷又は/及び山を形成する傾斜面で構成されるとともに、この傾斜面が複数の平らな面(平坦面)を組合わせて構成された音響調整パネルの実施形態である。
図12の実施形態は、パネル面Aが並列した4つの面部a(細長い平面矩形状の面部)で構成されるとともに、各面部aが長手方向で山を形成する傾斜面で構成され、隣接する2つの面部aどうしは、面部全体が傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されたものである。なお、その他の構成は図1〜図10の実施形態と同様である。
図13の実施形態は、パネル面Aが並列した3つの面部a(細長い平面矩形状の面部)で構成されるとともに、各面部aが長手方向で山又は谷を形成する傾斜面で構成され、隣接する2つの面部aどうしは、長手方向で複数に区分けされた各面部分a(各面部aが長手方向で2つの面部分aに区分けされている)が、傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されたものである。なお、その他の構成は図1〜図10の実施形態と同様である。
図14の実施形態は、パネル面Aが並列した3つの面部a(細長い平面矩形状の面部)で構成されるとともに、各面部aが長手方向で山及び谷を形成する傾斜面で構成され、隣接する2つの面部aどうしは、長手方向で複数に区分けされた各面部分a(各面部aが長手方向で4つの面部分aに区分けされている)が、傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されたものである。なお、その他の構成は図1〜図10の実施形態と同様である。
図15の実施形態は、パネル面Aが並列した2つの面部a(細長い平面矩形状の面部)で構成されるとともに、各面部aが長手方向で山又は谷を形成する傾斜面で構成され、隣接する2つの面部aどうしは、長手方向で複数に区分けされた各面部分a(各面部aが長手方向で2つの面部分aに区分けされている)が、傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されたものである。なお、その他の構成は図1〜図10の実施形態と同様である。
図16及び図17に示されるのは、パネル面Aを構成する各面部aが長手方向で谷又は/及び山を形成する傾斜面で構成されるとともに、この傾斜面の一部又は全部が曲面からなる音響調整パネルの一実施形態である。
この実施形態は、パネル面Aが並列した4つの面部a(細長い平面矩形状の面部)で構成されるとともに、各面部aが長手方向で曲面状の山を形成する傾斜面で構成され、隣接する2つの面部aどうしは、面部全体が傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されたものである。なお、その他の構成は図1〜図10の実施形態と同様である。
なお、傾斜面の一部又は全部が曲面からなる音響調整パネルとしては、例えば、図12の実施形態において各面部aの傾斜面の山の頂部のみを曲面状にしたもの、図13〜図15の各実施形態において各面部aの傾斜面の山の頂部又は/及び谷の底部のみを曲面状にしたもの、図12〜図15の各実施形態において複数の平らな面(平坦面)のうちの一部又は全部を曲面状にしたもの、などのような実施形態とすることも可能である。
また、本発明の音響調整パネルでは、隣接する2つの面部aどうしは、面部全体若しくは長手方向で複数に区分けされた各面部分が、傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されるようにすればよいので、図11〜図16(及び図17)の実施形態でも、この関係を満たすように、面部aの数をさらに増やすこともできる。
本発明の音響調整パネルの平面形状(パネルを平置きした状態での形状)は任意であり、上述した各実施形態のような正方形、矩形のほかに、例えば、円形、楕円形、六角形、五角形、三角形などの平面形状としてよい。これらの場合には、パネル面Aを構成する複数の面部aは異なる形状となる場合がある。
本発明の音響調整パネルは、パネル面Aを構成する並列した複数の面部aが傾斜面で構成されるとともに、隣接する2つの面部aを構成する傾斜面の傾斜方向が逆向きになるので、室内に平行面があることにより生じるフラッターエコーを効果的に抑制できるとともに、音を多方向に拡散(反射)させることができるので、部屋の響きのバランスを良好にすることができる。
また、面部aが吸音面である場合(複数の面部aのうちの一部又は全部が吸音面である場合)、吸音面に傾斜を持たせたことにより、パネル厚みの違いによって吸音する周波数が異なるため、幅広い周波数帯域の音を吸収することができ、特定の周波数帯域の音だけを吸収して音色が大きく変化する恐れがない。
また、面部aが反射面(拡散面)である場合(複数の面部aのうちの一部又は全部が音の反射面(拡散面)である場合)、吸音することなくフラッターエコーを抑制できる利点がある。
さらに、図1〜図10の実施形態のように、基板1と箱型ユニット2からなり、箱型ユニット2の本体3内に繊維集合体4が充填された構造の音響調整パネルは、上述した諸性能に加えて、優れた遮音性能を有している。
また、本発明の音響調整パネルは、パネル面Aが傾斜面を組合わせた斬新なデザインで優れた意匠性を有し、しかも、下記(i)〜(iv)のような機能が異なる音響調整パネルであっても、外観形状を全く同じにできるため、調和のとれた室内デザインを実現でき、機能性とデザイン性を兼ね備えた音響調整パネルであるといえる。
上述したように本発明の音響調整パネルは、全く同じ外観形状で、例えば、以下の(i)〜(iv)のような機能が異なる4タイプ(若しくは(iii)・(iv)を区別しない3タイプ)のパネルを提供することができる。
(i)複数の面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)複数の面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)である音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であり、吸音面である面部aと音の反射面である面部aの数が面部a≧面部aである音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの中央の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、その両側の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(iv)複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であり、吸音面である面部aと音の反射面である面部aの数が面部a<面部aである音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの中央の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
これらのなかで、上記(i)のタイプは、全ての面部aで吸音されるため高い吸音性能を持ち、特に吸音効果が必要な場面などに使用される。これに対して、上記(ii)のタイプは、全ての面部aで音が反射(拡散)するため、主に音源の強さを軽減したり、音に適度な広がりを必要とする場面などに使用される。また、スタジオなど、広い面積に多く張り付ける際は、上記(i)のタイプと組み合わせることで、大サイズのハイブリッド型音響調整パネルとして機能させることができる。
また、上記(iii)、(iv)のタイプは、吸音面と音の反射面(拡散面)の両方を備えたハイブリッド型の音響調整パネルであり、特に繊細な音響チューニングを必要とする場面で高い効力を発揮する。このうち上記(iii)のタイプは、上記(i)のタイプではやや吸音しすぎであり、若干の反射音が欲しいという場面などに使用される。また、上記(iv)のタイプは、(ii)のタイプでは反射が強すぎる場面や程よい吸音が望まれる場面などに使用される。
一般に、吸音は音の反射が強い場所に吸音材を置くことで余分な反響音と音圧を抑え、雑音をなくして音をクリアにすることを目的として行われる。一方、吸音材は音を吸い込むため、取りたくない音圧も余分にとってしまうことも少なくなく、その場合はリスニングポイントから聴くと“音が耳まで届かない”、“面白みがなくなる”といったデメリットを生むこともある。例えば、オペラ、クラシック、ジャズ、映画の順番で、音の反響音が少なくなることが一般的によい音となる傾向にある。よって、オペラやクラシック、ジャズに関しては、しっかりと音を聴く人の耳まで届ける必要がある。クリアな音を面白みを保ったまま耳まで届けることに役立つのが拡散材(反射材)である。拡散材は、音の反射を乱反射させることで音の集まりを散らし、部屋全体で一定の反響音をつくり、音場を整える効果がある。音の面白さを残したまま一部分に集まりやすい部屋内の音を全体に散らして聴きやすい環境に整える。ただし、吸音のように音圧を直接的に減衰させることはできない。このため従来では、拡散材で音を拡散させる箇所と吸音材で反響音を吸音する箇所に別々の意匠の音響材を設置し、音響環境を調整するのが一般的であった。しかし、このようにした場合には、室内の意匠的な調和が保てず、調和のとれた室内デザインを実現することは難しかった。
これに対して本発明の音響調整パネルは、上記4タイプ(または3タイプ)のパネルの外観形状や外観デザインを全く同じにでき、このため、上記4タイプ(または3タイプ)のパネルを、目的や好みに応じて単独でまたは適宜組み合わせて設置することにより、さらには縦横の向きを選択して設置することにより、室内の意匠的な調和をとりつつ、室内環境に応じた音の吸音(残響調整)と拡散を最適化することができ、最適な音響空間を作ることができる。また、会話の声をクリアにする効果もあるため、ホームシアターやオーディオだけでなく、飲食店舗、オフィスなどにも適用できる。
また、複数の楽器を同室で使用する場合でも、複数の面部aが逆方向の傾斜面を構成しているので、イレギュラーな方向からの音源に対しても、フラットな吸音パネルや細かい突起のある吸音材よりも、効率のよい自然な吸音又は拡散がなされる。
また、特に図1〜図10に示すような実施形態の音響調整パネルは、優れた遮音性能も有するため、遮音性が求められるような部屋に設置することにより、反響音を抑えるとともに、高い遮音効果も得られる。
したがって、本発明の音響調整パネルは、例えば、下記(i)〜(iii)の音響調整パネルのうちの2種以上が組み合わされて、室内の壁面に設置されることが好ましい。
(i)複数の面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)複数の面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
また、下記(i)〜(iv)の音響調整パネルのうちの2種以上が組み合わされて、室内の壁面に設置されることが好ましい。
(i)複数の面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)複数の面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)である音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であり、吸音面である面部aと音の反射面である面部aの数が面部a≧面部aである音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの中央の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、その両側の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(iv)複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であり、吸音面である面部aと音の反射面である面部aの数が面部a<面部aである音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの中央の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
ここで、上記(iii)、(iv)の音響調整パネルは、並列した複数の面部aを、吸音面である面部aと音の反射面である面部aが交互になるように構成すること、すなわち、隣接する2つの面部aを、一方が吸音面である面部aとなり、他方が音の反射面である面部aとなるように構成するのが好ましい。
また、上記(i)〜(iii)の音響調整パネル又は上記(i)〜(iv)の音響調整パネルは、外観形状が同じであることが好ましい。
本発明の音響調整パネルと従来型の吸音パネルについて、以下の試験により吸音特性と遮音特性を調べた。
・吸音特性の試験
図1〜図10に示す実施形態において3つの面部aがすべて吸音面である音響調整パネル(本発明例)と、従来のフラットタイプの吸音パネル(比較例)を用いて、吸音試験を行った。本発明例の音響調整パネルと比較例の吸音パネルは、同じサイズのものを使用した。音源であるスピーカーの音を通常の壁(石膏ボード+壁紙)と、本発明例の音響調整パネルと、比較例の吸音パネルに当て、その反射音を計測することで吸音性能を評価した。試験条件は以下の通りである。
音源である小型スピーカーを指向性を持たせるための箱に入れ、壁に向けて発音させる。音そのものはビープ音であり、およそ50Hz〜16KHzの音をシームレスに発音させる。計測器として、iPadアプリの「RTA Audio」を使用し、iPadのマイク部を反射体に向けて設置し、反射音を拾わせる。
以上の吸音試験の結果を図18に示す。なお、ブランクとは基準値となる壁の反射音である。図18によれば、比較例の吸音パネルに較べて、本発明例の音響調整パネルは広い周波数帯域において高い吸音効果が得られることが判る。
・遮音特性の試験
図1〜図10に示す実施形態において3つの面部aがすべて吸音面である音響調整パネル(本発明例1)と、3つの面部aがすべて音の反射面である音響調整パネル(本発明例2)と、従来のフラットタイプの吸音パネル(比較例)を用いて、遮音試験を行った。本発明例1、2の音響調整パネルと比較例の吸音パネルは、同じサイズのものを使用した。音源であるスピーカーの音を計測機に向けて発音し、スピーカーと計測器の間に何もない状態と、音源の遮蔽物として本発明例1、2の音響調整パネルと比較例の吸音パネルを介在させた状態で、計測機により音を計測することで遮音性能を評価した。試験条件は以下の通りである。
音源である小型スピーカーを指向性を持たせるための箱に入れ、壁に向けて発音させる。音そのものはビープ音であり、およそ50Hz〜16KHzの音をシームレスに発音させる。計測器として、iPadアプリの「RTA Audio」を使用し、iPadのマイク部を音源に向けて設置し、ビープ音を拾わせる。
以上の遮音試験の結果を図19に示す。なお、ブランクとは遮蔽体が何もない状態での基準値である。図19によれば、比較例の吸音パネルに較べて、本発明例の音響調整パネルは広い周波数帯域において高い遮音効果が得られることが判る。
次に、本発明の音響調整パネルの製造方法について説明する。
本発明の音響調整パネルは、面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面である箱型ユニット2xと、面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面である箱型ユニット2yを予め製作し、この箱型ユニット2xと箱型ユニット2yをそれぞれ単独に或いは組合わせて基板1に固定するだけで、機能が異なる上述したような3タイプ或いは4タイプのものを効率的に製造することができる。
すなわち、各上面が面部aを構成する箱型ユニット2であって、面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面である箱型ユニット2xと、面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面である箱型ユニット2yを予め製作し、これら箱型ユニット2x及び/又は箱型ユニット2yからなる複数の箱型ユニット2を、基板1上面に並列した状態で固定することにより、下記(i)〜(iii)のなかの任意の音響調整パネルを製造することができる。
(i)複数の面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)複数の面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)である音響調整パネル。
(iii)複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)である音響調整パネル。
同様に、箱型ユニット2x及び/又は箱型ユニット2yからなる複数の箱型ユニット2を、基板1上面に並列した状態で固定することにより、下記(i)〜(iv)のなかの任意の音響調整パネルを製造することができる。
(i)複数の面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(ii)複数の面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)である音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
(iii)複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であり、吸音面である面部aと音の反射面である面部aの数が面部a≧面部aである音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの中央の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、その両側の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
(iv)複数の面部aのうちの一部の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面(拡散面)であり、吸音面である面部aと音の反射面である面部aの数が面部a<面部aである音響調整パネル。例えば、図1〜図10の実施形態では、3つの面部aのうちの中央の面部aが吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部aが反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
ここで、上記(iii)、(iv)の音響調整パネルは、並列した複数の面部aを、吸音面である面部aと音の反射面である面部aが交互になるように構成すること、すなわち、隣接する2つの面部aを、一方が吸音面である面部aとなり、他方が音の反射面である面部aとなるように構成するのが好ましい。
また、上記(i)〜(iii)の音響調整パネル又は上記(i)〜(iv)の音響調整パネルは、外観形状が同じであることが好ましい。
また、箱型ユニット2xは、本体3の上板部が軟質の吸音性材料からなる板体で構成され、箱型ユニット2yは、本体3の上板部が硬質の反射性材料からなる板体で構成されることが好ましい。
A パネル面
a,a,a 面部
面部分
1 基板
2,2x,2y 箱型ユニット
3 本体
4 繊維集合体
5 装飾布
6 シート
7 マグネットシート
30 上板部
31 側板部
32 底板部

Claims (23)

  1. 室内の壁面に設置される音響調整パネルであって、
    室内空間に面するパネル面(A)が、並列した複数の面部(a)で構成され、各面部(a)は長手方向で傾斜するとともに、隣接する2つの面部(a)どうしは、面部全体若しくは長手方向で複数に区分けされた各面部分が、傾斜方向が逆向きの傾斜面で構成されることを特徴とする音響調整パネル。
  2. 各面部(a)は平らな単一の傾斜面で構成されることを特徴とする請求項1に記載の音響調整パネル。
  3. 各面部(a)は長手方向で谷又は/及び山を形成する傾斜面で構成されることを特徴とする請求項1に記載の音響調整パネル。
  4. 谷又は/及び山を形成する傾斜面は複数の平らな面からなることを特徴とする請求項3に記載の音響調整パネル。
  5. 谷又は/及び山を形成する傾斜面は、一部又は全部が曲面からなることを特徴とする請求項3に記載の音響調整パネル。
  6. 基板(1)と、各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成し、並列した状態で基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に固定される複数の箱型ユニット(2)からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の音響調整パネル。
  7. パネル面(A)が3つ以上の面部(a)で構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の音響調整パネル。
  8. 複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の音響調整パネル。
  9. 複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の音響調整パネル。
  10. 複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の音響調整パネル。
  11. 隣接する2つの面部(a)は、一方が吸音面である面部(a)であり、他方が音の反射面である面部(a)であることを特徴とする請求項10に記載の音響調整パネル。
  12. パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の音響調整パネル。
  13. パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、その両側の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の音響調整パネル。
  14. 基板(1)と、各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成し、並列した状態で基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に固定される複数の箱型ユニット(2)からなり、
    各箱型ユニット(2)は、箱型の本体(3)と、該本体(3)の内部に充填される繊維集合体(4)を備え、
    箱型ユニット(2)の上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が吸音面である面部(a)を構成する場合には、本体(3)の上板部(但し、パネルを平置きした状態での上板部)が軟質の吸音性材料からなる板体で構成され、箱型ユニット(2)の上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が音の反射面である面部(a)を構成する場合には、本体(3)の上板部(但し、パネルを平置きした状態での上板部)が硬質の反射性材料からなる板体で構成されることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の音響調整パネル。
  15. 請求項1〜7のいずれかに記載の音響調整パネルの設置構造であって、
    下記(i)〜(iii)の音響調整パネルのうちの2種以上が組み合わされて、室内の壁面に設置されることを特徴とする音響調整パネルの設置構造。
    (i)複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
    (ii)複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
    (iii)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
  16. 請求項1〜7のいずれかに記載の音響調整パネルの設置構造であって、
    下記(i)〜(iv)の音響調整パネルのうちの2種以上が組み合わされて、室内の壁面に設置されることを特徴とする音響調整パネルの設置構造。
    (i)複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
    (ii)複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
    (iii)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、吸音面である面部(a)と音の反射面である面部(a)の数が面部(a)≧面部(a)である音響調整パネル。
    (iv)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、吸音面である面部(a)と音の反射面である面部(a)の数が面部(a)<面部(a)である音響調整パネル。
  17. 請求項1〜6のいずれかに記載の音響調整パネルの設置構造であって、
    下記(i)〜(iv)の音響調整パネルのうちの2種以上が組み合わされて、室内の壁面に設置されることを特徴とする音響調整パネルの設置構造。
    (i)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
    (ii)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
    (iii)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
    (iv)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、その両側の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
  18. 上記(i)〜(iii)の音響調整パネル又は上記(i)〜(iv)の音響調整パネルは、外観形状が同じであることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の音響調整パネルの設置構造。
  19. 請求項1〜5のいずれかに記載の音響調整パネルの製造方法であって、
    各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成する箱型ユニット(2)であって、面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である箱型ユニット(2x)と、面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である箱型ユニット(2y)を予め製作し、
    箱型ユニット(2x)及び/又は箱型ユニット(2y)からなる複数の箱型ユニット(2)を、基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に並列した状態で固定することにより、下記(i)〜(iii)のなかの任意の音響調整パネルを製造することを特徴とする音響調整パネルの製造方法。
    (i)複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
    (ii)複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
    (iii)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
  20. 請求項1〜5のいずれかに記載の音響調整パネルの製造方法であって、
    各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成する箱型ユニット(2)であって、面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である箱型ユニット(2x)と、面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である箱型ユニット(2y)を予め製作し、
    箱型ユニット(2x)及び/又は箱型ユニット(2y)からなる複数の箱型ユニット(2)を、基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に並列した状態で固定することにより、下記(i)〜(iv)のなかの任意の音響調整パネルを製造することを特徴とする音響調整パネルの製造方法。
    (i)複数の面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
    (ii)複数の面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
    (iii)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、吸音面である面部(a)と音の反射面である面部(a)の数が面部(a)≧面部(a)である音響調整パネル。
    (iv)複数の面部(a)のうちの一部の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、他の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、吸音面である面部(a)と音の反射面である面部(a)の数が面部(a)<面部(a)である音響調整パネル。
  21. 請求項1〜5のいずれかに記載の音響調整パネルの製造方法であって、
    各上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が面部(a)を構成する箱型ユニット(2)であって、面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である箱型ユニット(2x)と、面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である箱型ユニット(2y)を予め製作し、
    箱型ユニット(2x)及び/又は箱型ユニット(2y)からなる複数の箱型ユニット(2)を、基板(1)上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)に並列した状態で固定することにより、下記(i)〜(iv)のなかの任意の音響調整パネルを製造することを特徴とする音響調整パネルの製造方法。
    (i)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの全部が、吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
    (ii)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの全部が、反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
    (iii)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面であり、その両側の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面である音響調整パネル。
    (iv)パネル面(A)が3つの面部(a)で構成され、3つの面部(a)のうちの中央の面部(a)が反射性材料を含んで構成された音の反射面であり、その両側の面部(a)が吸音性材料を含んで構成された吸音面である音響調整パネル。
  22. 上記(i)〜(iii)の音響調整パネル又は上記(i)〜(iv)の音響調整パネルは、外観形状が同じであることを特徴とする請求項19〜21のいずれかに記載の音響調整パネルの製造方法。
  23. 各箱型ユニット(2)は、箱型の本体(3)と、該本体(3)の内部に充填される繊維集合体(4)を備え、
    上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が吸音面である面部(a)を構成する箱型ユニット(2x)は、本体(3)の上板部(但し、パネルを平置きした状態での上板部)が軟質の吸音性材料からなる板体で構成され、上面(但し、パネルを平置きした状態での上面)が音の反射面である面部(a)を構成する箱型ユニット(2y)は、本体(3)の上板部(但し、パネルを平置きした状態での上板部)が硬質の反射性材料からなる板体で構成されることを特徴とする請求項19〜22のいずれかに記載の音響調整パネルの製造方法。
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