JP2018112018A - ラッチ錠 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉の開閉時に音が生じにくいラッチ錠を提供することである。【解決手段】ラッチ6と、ラッチ6を保持するラッチケース7を有し、ラッチ6は、ラッチケース7から突出する突出位置とラッチケース7内に退入する退入位置の間をスライド移動可能であると共に、突出位置で揺動が可能であり、ラッチ6がラッチケース7から突出する突出方向に付勢力を生じさせるばね9と、ばね9によってラッチ6の突出方向に付勢されてラッチ6を押圧する押圧部材8とを有し、押圧部材8又はラッチケース7のいずれか一方が、ラッチ6の突出方向に対して傾斜する溝14を有し、押圧部材8又はラッチケース7のいずれか他方が突起部23a、23bを有し、突起部23a、23bは溝14に係合しており、押圧部材8が移動する際に、突起部23a、23bが溝14に沿って相対移動する。【選択図】図14

Description

本発明は、扉に設置されるラッチ錠に関するものである。
扉が開閉するときには、扉内(錠箱内)に退入したラッチが元の姿勢に復帰することに起因するカチッという音が生じる。
この音は、病院や図書館等の静寂な環境下においては耳障りであり、改善が望まれていた。特許文献1、2には、ラッチが錠箱から突出する際の移動速度を遅くし、音が生じにくくなるようにするための構成が開示されている。
特許第3710104号公報 特許第5659436号公報
ところで、特許文献1、2の様な従来の消音装置は、部品点数が多い上に構造が複雑であるという短所があり改善の余地がある。
そこで本発明は、簡単な構成でラッチの復帰時の移動速度を低減させ、扉の開閉時に音が生じにくいラッチ錠を提供することを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、ラッチと、当該ラッチを保持する保持部を有する錠箱とを有し、前記ラッチは、錠箱から突出する突出位置と錠箱内に退入する退入位置の間をスライド移動可能であり、ラッチが錠箱から突出する突出方向に付勢力を生じさせる付勢部材と、前記付勢部材によってラッチの突出方向に付勢されてラッチを押圧する押圧部材とを有し、前記押圧部材又は錠箱の前記保持部のいずれか一方が、ラッチの突出方向に対して傾斜するガイドラインを有し、前記押圧部材又は前記保持部のいずれか他方が係合部を有し、前記係合部は前記ガイドラインに係合しており、押圧部材が移動する際に、前記係合部が前記ガイドラインに沿って相対移動することを特徴とするラッチ錠である。
請求項1に記載の発明では、押圧部材及びラッチが移動する際に、係合部がガイドラインに沿って相対移動する。ここで、ガイドラインはラッチの突出方向に対して傾斜している。すなわち、ガイドラインは、押圧部材及びラッチの移動方向に対して傾斜している。
そのため、ラッチの移動距離に対して、係合部のガイドラインに対する相対移動距離(すなわち、実質的な移動距離)が長くなり、ラッチの移動速度が遅くなる。
また、係合部とガイドラインの間で摩擦力が作用する。そのため、押圧部材及びラッチの移動速度が抑制される。
その結果、扉の開閉時にラッチが退入位置から突出位置に復帰することに起因する音は生じにくくなる。
ここで、錠箱から突出する突出位置とは、ラッチが錠箱から最も突出する位置であり、錠箱内に退入する退入位置とは、ラッチ全体が錠箱の中に入り込む場合のみならず、ラッチの一部が錠箱から突出している状態も含んでいる。すなわち退入位置におけるラッチの錠箱からの突出量は、突出位置におけるラッチの錠箱からの突出量よりも少ない。
請求項2に記載の発明は、前記ラッチは、突出位置で揺動が可能であることを特徴とする請求項1に記載のラッチ錠である。
ラッチが突出位置で揺動が可能である場合には、退入位置から突出位置に復帰する際に特に音が生じやすいが、本発明によるとラッチの移動速度が遅くなるので、この様な場合であっても音の発生を良好に抑制できる。
請求項3に記載の発明は、前記押圧部材は、ラッチの突出方向に長さを有しており、少なくとも二つの支持部材が押圧部材の長手方向に配置されていて、前記各支持部材を介して錠箱の保持部に押圧部材が押圧部材の長手方向に移動可能に支持されており、二つの支持部材の間に前記付勢部材が配されていて、ラッチ側に配されたラッチ側支持部材が押圧部材と共に押圧部材の長手方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のラッチ錠である。
請求項3に記載の発明では、押圧部材は、ラッチの突出方向に長さを有しており、少なくとも二つの支持部材が押圧部材の長手方向に配置されており、各支持部材を介して錠箱の保持部に押圧部材が押圧部材の長手方向に移動可能に支持されているので、錠箱内における押圧部材の支持は安定している。
二つの支持部材の間に付勢部材が配されていて、ラッチ側に配されたラッチ側支持部材が押圧部材と共に押圧部材の長手方向に移動可能であるので、押圧部材におけるラッチ側の支持が常に安定する。そのため、押圧部材の姿勢が安定し、ラッチを良好に押圧することができる。
ラッチ側支持部材は、押圧部材と一体化されていてもよい。
前記押圧部材はラッチの突出方向に長さを有しており、押圧部材に長手方向にのびる螺旋状の前記ガイドラインが設けられており、押圧部材は軸芯回りに回転可能に錠箱の前記保持部に支持されており、前記保持部側に前記係合部が設けられているのが好ましい(請求項4)。
前記押圧部材に前記係合部が設けられており、前記係合部は押圧部材に対して揺動可能であり、錠箱の前記保持部に前記ガイドラインが設けられていてもよい(請求項5)。
請求項6に記載の発明は、ラッチと、当該ラッチを収容する収容部材を有し、前記ラッチは、収容部材から突出する突出位置と収容部材内に退入する退入位置の間をスライド移動可能であると共に、収容部材に対して揺動が可能であり、ラッチが収容部材から突出する突出方向に付勢力を生じさせる付勢部材と、前記付勢部材によってラッチの突出方向に付勢されてラッチを押圧する押圧部材とを有し、前記押圧部材は、ラッチの突出方向に長さを有しており、少なくとも二つの支持部材が押圧部材の長手方向に配置されていて、前記各支持部材を介して押圧部材が収容部材に長手方向に移動可能に支持されており、二つの支持部材の間に前記付勢部材が配されていて、ラッチ側に配されたラッチ側支持部材が押圧部材と共に押圧部材の長手方向に移動可能であり、前記押圧部材又は収容部材のいずれか一方が、ラッチの突出方向に対して傾斜するガイドラインを有し、前記押圧部材又は収容部材のいずれか他方が係合部を有し、前記係合部は前記ガイドラインと係合しており、押圧部材が移動する際に、前記係合部が前記ガイドラインに沿って相対移動することを特徴とするラッチ錠である。
請求項6に記載の発明では、押圧部材及びラッチが移動する際に、係合部がガイドラインに沿って相対移動する。ここで、ガイドラインはラッチの突出方向に対して傾斜している。すなわち、ガイドラインは、押圧部材及びラッチの移動方向に対して傾斜している。
そのため、ラッチの移動距離に対して、係合部のガイドラインに対する相対移動距離(すなわち、実質的な移動距離)が長くなり、ラッチの移動速度が遅くなる。
また、係合部とガイドラインの間で摩擦力が作用する。そのため、押圧部材及びラッチの移動速度が抑制される。
その結果、扉の開閉時にラッチが退入位置から突出位置に復帰することに起因する音は生じにくくなる。
また、押圧部材は、ラッチの突出方向に長さを有しており、少なくとも二つの支持部材が押圧部材の長手方向に配置されており、各支持部材を介して収容部材に押圧部材が押圧部材の長手方向に移動可能に支持されているので、収容部材内における押圧部材の支持は安定している。
二つの支持部材の間に付勢部材が配されていて、ラッチ側に配されたラッチ側支持部材が押圧部材と共に押圧部材の長手方向に移動可能であるので、押圧部材におけるラッチ側の支持が常に安定する。そのため、押圧部材の姿勢が安定し、ラッチを良好に押圧することができる。
ラッチ側支持部材は、押圧部材と一体化されていてもよい。
ここで、収容部材から突出する突出位置とは、ラッチが収容部材から最も突出する位置であり、収容部材内に退入する退入位置とは、ラッチ全体が収容部材の中に入り込む場合のみならず、ラッチの一部が収容部材から突出している状態も含んでいる。すなわち退入位置におけるラッチの収容部材からの突出量は、突出位置におけるラッチの収容部材からの突出量よりも少ない。
前記ガイドラインは、押圧部材に設けられた押圧部材の長手方向にのびる螺旋状の溝であり、押圧部材は軸芯回りに回転可能に収容部材に支持されており、前記収容部材側に前記係合部が設けられているのが好ましい(請求項7)。
押圧部材とラッチ側支持部材が一体化されており、押圧部材に、当該押圧部材に対して揺動可能な係合部が設けられており、前記ガイドラインは、収容部材に設けられた溝又は長孔であるのが好ましい(請求項8)。
本発明のラッチ錠は、少ない部品点数と簡単な構造によって、ラッチの移動速度を抑制することができ、ラッチの退入位置から突出位置への復帰時の音を良好に低減することができる。
本発明の第一実施形態に係るラッチ錠の正面図であり、ラッチが戸枠側の受け部に係合している状態を示す。 図1のラッチ錠の内部構造を示す正面図である。 図1のラッチ錠において、錠箱からラッチユニットが外された状態を示す正面図である。 図3のラッチユニットの(a)は正面側から見た斜視図であり、(b)は背面側から見た斜視図である。 図4(a)のラッチユニットを下方側から見た斜視図である。 図4のラッチユニットの、ラッチケースの内部を示す斜視図である。 図6とは別の角度から見たラッチユニットの内部を示す斜視図である。 図6のラッチユニットの内部を下方側から見た斜視図である。 ラッチユニットの内部構造の分解斜視図である。 反ラッチ側支持部材の(a)は正面図であり、(b)は背面図である。 ラッチ側支持部材の背面側から見た斜視図である。 ラッチの背面側から見た斜視図である。 図4のラッチユニットの背面側から見た斜視図であり、反ラッチ側支持部材を外した状態を示している。 図4のラッチユニットの内部とその周辺部分を示しており、(a)はラッチが突出位置にある状態を示す正面図であり、(b)はラッチが退入位置にある状態を示す正面図であり、(c)は(a)のA−A断面図である。 本発明の第二実施形態に係るラッチ錠のラッチユニットを示す斜視図であり、(a)はラッチが突出位置にある状態を示し、(b)はラッチが退入位置にある状態を示す。 図15のラッチユニットのラッチケースの斜視図である。 図15のラッチユニットの内部構造を示す斜視図である。 図17のラッチユニットにおいて、揺動部材が揺動した状態を示す斜視図である。 図17のラッチユニットの内部構造の分解斜視図である。 図17のB−B断面図である。 (a)〜(c)は、ラッチ及びその周辺の部位を下方から見た図であり、扉が開く際の動作を示す説明図である。 (a)〜(c)は、ラッチ及びその周辺の部位を下方から見た図であり、扉が閉じる際の動作を示す説明図である。
以下、図面を参照しながら、ラッチ錠3の概要を説明し、続いてラッチ錠3の詳細な構造を説明する。
図1〜図3に示す様に、本発明の第一実施形態に係るラッチ錠3は錠箱5とラッチユニット4を有しており、ラッチユニット4は錠箱5に対して着脱可能である。すなわち、ラッチユニット4はカートリッジ式に錠箱5に装着されている。
ラッチ錠3は、従来のラッチ錠と同様に扉1に取り付けられている。ラッチユニット4はラッチ6を有しており、ラッチ6は錠箱5から突出しており、扉1の閉鎖時には扉枠2の受け部2a(凹部)に嵌まり込む。扉1の開閉時には、ラッチ6は扉枠2に押圧されて錠箱5内に一時的に退入し、扉枠2側からの押圧力が作用しなくなると錠箱5から突出する。
図3に示す様に、ラッチ錠3の錠箱5内にはラッチユニット4が収容される収容空間である収容部5aが設けられている。収容部5aは、ラッチユニット4をちょうど収容することができるように錠箱5内の他の領域と仕切部5bで仕切られた空間である。仕切部5bは薄板状の部材で構成されており、ラッチユニット4の形状に沿った形状を呈している。仕切部5bの背面側には、後述の押圧部材8を貫通させる孔50a(図2)が設けられている。また、仕切部5bの下面側には、後述の揺動防止部材51の係合片52を挿通させる長孔50b(図2)が設けられている。
ラッチユニット4はラッチ6と当該ラッチ6を収容するラッチケース7(収容部材)を有している。すなわち、ラッチ6を収容したラッチケース7(収容部材)が、錠箱5の収容部5aに収容されている。
以下、本発明の特徴的な構造を有するラッチユニット4について説明する。
図4、図6に示す様に、ラッチユニット4は、ラッチ6、ラッチケース7、押圧部材8、ばね9(付勢部材)、ラッチ側支持部材10、反ラッチ側支持部材11を有する。
ラッチ6は反転ラッチであるが、反転するために必要な構造は従来のものと同様である。図6乃至図8に示す様に、ラッチ6の正面側(突出側)には、扉1を開く際に扉枠2と当接する開時当接部31aと、扉1を閉じる際に扉枠2と当接する閉時当接部31bが設けられている。開時当接部31aと閉時当接部31bは、共に鉛直壁であり、平面視すると両者は鋭角を成している。
図12に示す様に、ラッチ6の背面側(退入側)には被押圧部6aが設けられている。被押圧部6aは、側面部6b、上面部6c、下面部6dを有する断面略コの字形を呈する部位である。すなわち、被押圧部6aは、ラッチ6の背面側の高さ方向の中央部分が凹んだ部位である。側面部6bは鉛直壁(垂直壁)を構成しており、上面部6cと下面部6dは、それぞれ対向する天面壁と底面壁を構成しており、上面部6c及び下面部6dが形成する天面及び底面は水平面である。
上面部6cは、平面視するとラッチ6の背面側に鋭角に突出したような形状を呈しており、一方側の側面が傾斜面部35aを構成しており、他方側の側面が直交面部44aを構成している。傾斜面部35aと直交面部44aは共に鉛直壁であり、互いに鋭角に交差している。
ラッチ6を平面視及び底面視する(すなわち、上方及び下方から見る)と、上面部6cと下面部6dの輪郭が重なって見える。すなわち、下面部6dは、傾斜面部35bと直交面部44bを有しており、傾斜面部35a、35bは同一面内にあり、直交面部44a、44bも同一面内にあり、ラッチ6を平面視すると傾斜面部35a、35bは重なって見え、直交面部44a、44bも重なって見える。
さらに、上面部6cには直交面部44aが形成されている。上面部6cを平面視すると、直交面部44aと傾斜面部35aは鋭角を成している。同様に、下面部6dには直交面部44bが形成されており、直交面部44bと傾斜面部35bは鋭角を成している。直交面部44a、44bは、同一面内にある。
開時当接部31aは、傾斜面部35a、35bと交差して連続している。また、閉時当接部31bは、直交面部44a、44bと交差して連続している。すなわち、ラッチ6を平面視又は底面視すると、開時当接部31a、閉時当接部31b、傾斜面部35a(35b)、直交面部44a(44b)が四辺の位置にある菱形を構成している。
被押圧部6aは、後述の押圧部材8及びラッチ側支持部材10が配置される部位である。被押圧部6aが押圧されることによって、ラッチ6はラッチケース7(錠箱5、扉1)から突出する。
ラッチ6の上部には係合部30が設けられている。係合部30は、ラッチ6の高さ方向に厚みを有する部位である。係合部30には、係合溝30aが形成されている。また、係合部30の突出側には起立壁部32が形成されている。起立壁部32は、係合溝30aと直交する面を構成している。
ラッチ6を平面視すると、起立壁部32は、傾斜面部35a、35bと傾斜しており、直交面部44a、44bと直交している。
図8、図12に示す様に、ラッチ6の下部にも同様の係合溝30aを有する係合部30が設けられている。
ラッチケース7は、図4(a)、図4(b)、及び図5に示す様に、外形が略直方体形状を呈する部材であり、内部にはラッチ6等を収容する空間が形成されている。すなわちラッチケース7は、一対の側面壁部26a、26bと、対向する天面壁部27及び底面壁部28を有しており、略四角筒形状を呈している。
天面壁部27には、ラッチ6の突出方向にのびる切欠部29が設けられている。切欠部29によって、ラッチケース7の内外は連通している。図5に示す様に、底面壁部28にも、天面壁部27の切欠部29と同様の切欠部29が設けられている。底面壁部28の切欠部29は、錠箱5の仕切部5bの長孔50bと一致している。
ラッチケース7の正面側にはラッチ6を出没させる開口7aが設けられている。また、ラッチケース7の背面側も開口しており、ラッチケース7の内部には正面側から背面側に連通した空間が形成されている。
側面壁部26a、26bの背面側の端辺には、それぞれ突出係合部12a、12bが設けられている。突出係合部12a、12bは、ラッチケース7の正面側から背面側へ向かう方向にのびている。突出係合部12a、12bには、それぞれ係合孔13a、13bが設けられている。係合孔13a、13bは対向した位置関係にある。
押圧部材8は、図9に示す様に、長さを有する円柱状の本体部8aとフランジ部8bを有するボルトの様な構造を有する部材である。フランジ部8bは、本体部8aの正面側(ラッチ側)の端部に設けられている。
また、本体部8aの側面には螺旋状の2条の溝14a、14b(ガイドライン)が設けられている。
ラッチ側支持部材10は、図11に示す様に、外形が略直方体形状を呈する部材であり、内部には空間が形成されている。図9に示す様に、ラッチ側支持部材10の正面側には正面壁部15、上部には天面壁部17、下部には底面壁部18、側部には側面壁部16a、16bが設けられている。図11に示す様に、ラッチ側支持部材10の背面側は開放されている。
ラッチ側支持部材10では、側面壁部16a、16bが対向しており、天面壁部17と底面壁部18も対向しており、これらが筒状に連続しており、正面側に正面壁部15が直交して連続している。すなわち、正面壁部15の縁(周囲)には、正面壁部15と直交する側面壁部16a、16b、天面壁部17、及び底面壁部18が連続している。
正面壁部15の中央部分には孔15aが設けられている。孔15aの周囲であって正面壁部15の内側部分には、後述のばね9(付勢部材)が当接する。また、孔15aには、押圧部材8の本体部8aが貫通する。すなわち、孔15aの内径は、押圧部材8の本体部8aを通過させることができる程度の大きさであり、ばね9の直径よりは小さい。
反ラッチ側支持部材11は、図10(a)、図10(b)に示す様に、本体部19と張出部20a、20bを有する。
本体部19には本体部19を貫通する孔21が設けられており、本体部19の正面側における孔21の周囲には段部22が設けられている。
孔21の内径は、押圧部材8をちょうど通過させることができる程度の大きさであり、後述のばね9の直径よりは小さい。また、段部22は、ばね9を当接させる部位である。
孔21には、図10(a)、図10(b)に示す様に、二つの突起部23a、23b(係合部)が設けられている。突起部23a、23bは、孔21の内周面から内向きに突出しており、互いに対向して接近する方向に突出している。すなわち、突起部23a、23bは、孔21の内周面の180度の位置関係にある。換言すると、突起部23aの延長上に突起部23bがある。
張出部20a、20bの端部には、それぞれ挿入部24a、24bが設けられている。挿入部24a、24bは、図13に示すラッチケース7の係合孔13a、13bに挿入する部位である。図7及び図10(b)に示す様に、挿入部24a、24bの背面側には、それぞれ隆起部25a、25bが設けられている。
隆起部25a、25bは、挿入部24a、24bが、図13に示すラッチケース7の係合孔13a、13bに挿入された際に、係合孔13a、13bに係合し、挿入部24a、24bと係合孔13a、13bの間に抵抗を付与する抜け止め機能を発揮する。
図2に示す様に、錠箱5内には、係合片52を有する揺動防止部材51が設けられている。揺動防止部材51は錠箱5内で回動可能であり、ばね53によって一方向に付勢されている。また、揺動防止部材51は、図示しない操作ハンドルを操作することにより、ばね53の付勢力に抗して揺動防止部材51を回動させることができる。
係合片52は、ラッチ6の下方に配置されており、錠箱5(仕切部5b)の長孔50bと、ラッチケース7の底面壁部28の切欠部29(図5)を貫通して、ラッチ6の下部に設けた係合部30の係合溝30a(図5、図8)と係合している。ばね53は、係合片52が係合溝30aと係合する方向に揺動防止部材51を付勢している。すなわち、図示しない操作ハンドルを操作すると、係合片52がラッチ6の係合溝30aから外れ、操作ハンドルから手を離すとばね53によって係合片52が元の位置に復帰して係合溝30aと係合する。
係合片52が係合溝30aに係合するとラッチ6は揺動不能となり、係合片52が係合溝30aから外れるとラッチ6は揺動可能になる。すなわち、係合片52が係合溝30aから外れた状態で当接部31が扉枠2に当接すると、ラッチ6は揺動する。
揺動防止部材51の詳しい構造の説明は省略する。
ばね9(付勢部材)は螺旋ばねであり、ラッチ側支持部材10、反ラッチ側支持部材11の間に配された圧縮ばねである。すなわち、ばね9の正面側の端部はラッチ側支持部材10の正面壁部15に当接しており、背面側の端部は反ラッチ側支持部材11の段部22に当接している。そのため、ラッチ側支持部材10が反ラッチ側支持部材11に接近するほどばね9は圧縮されて付勢力は大きくなる。
次に、ラッチユニット4の各構成部材の関係について説明する。
図14(a)に示す様に、押圧部材8の本体部8aがラッチ側支持部材10の正面壁部15の孔15a(図9)を貫通し、フランジ部8bが正面壁部15に当接している。
また、押圧部材8の本体部8aは、図13に示す反ラッチ側支持部材11の孔21も貫通しており、図14(c)に示す様に、孔21の突起部23a、23b(係合部)が、押圧部材8の螺旋状の2条の溝14a、14b(ガイドライン)にそれぞれ係合している。図7では、突起部23aが一方の溝14aに係合している状態が示されているが、図14(c)に示す様に、突起部23bも他方の溝14bに係合している。
押圧部材8の本体部8aには、ばね9(付勢部材)が外嵌されている。ばね9の正面側(ラッチ側)の端部が、ラッチ側支持部材10の正面壁部15に当接している。また、ばね9の背面側(反ラッチ側)の端部が、反ラッチ側支持部材11の段部22に当接している。
図6、図7に示すラッチ6、ラッチ側支持部材10、反ラッチ側支持部材11、押圧部材8、ばね9が、図4(a)、図4(b)に示すラッチケース7に装着されている。すなわち、ラッチケース7は、ラッチ6を収容する収容部材として機能すると共に、ラッチ6を保持する保持部としても機能する。
ラッチ6は、図4(a)に示す様に、開口7aの縁39(抜け止め)に係合してラッチケース7の開口7aから一部が突出した状態で保持されている。すなわち、図6に示すラッチ6の起立壁部32が開口7aの縁39に当接し、ラッチケース7からのラッチ6のそれ以上の突出が阻止されている。
また、押圧部材8のフランジ部8bが、図7、図14(a)等に示す様に、ラッチ6の被押圧部6aの側面部6bに当接している。
さらに、反ラッチ側支持部材11の挿入部24a、24bが、ラッチケース7の突出係合部12a、12bの係合孔13a、13bに挿入されている。挿入部24a、24bの隆起部25a、25bが係合孔13a、13bに係合している。そのため、反ラッチ側支持部材11は、ラッチケース7から容易に外れることがない。
反ラッチ側支持部材11は、ラッチケース7と一体化されている。すなわち、反ラッチ側支持部材11は、ラッチケース7の一部とみなすこともできる。
ばね9は、ラッチ側支持部材10と反ラッチ側支持部材11の間に縮設されている。そのため、ばね9の付勢力はラッチ6に作用している。
押圧部材8及びばね9は、ラッチ側支持部材10と反ラッチ側支持部材11を介してラッチケース7に対して水平姿勢で支持されている。
さらに、ラッチユニット4は、錠箱5の収容部5aに収容されて図示しない固定手段によって固定されている。ラッチケース7の底面壁部28の切欠部29(図5)と、錠箱5の仕切部5bの長孔50bは一致している。さらに、ラッチ6が突出位置にあるときには、図5に示す様に、ラッチ6の係合溝30aは、ラッチケース7の底面壁部28の切欠部29と一致している。また、係合溝30a及び切欠部29は、錠箱5の長孔50b(図2)と一致している。すなわち、ラッチ6が突出位置にあるときには、係合溝30a、切欠部29、長孔50bが平行な状態で重なっており、係合片52(図2、図21(a))が切欠部29、長孔50bを貫通して係合溝30aに係合することができる。
次に、ラッチ錠3の動作について説明する。
図1に示す扉1は、図21(a)等に示す様に、建物(扉枠2)にヒンジ48を介して回動可能に支持されている。すなわち扉1は、図21(a)乃至図21(c)に示す様に、ヒンジ48を中心に矢印Aで示す方向に回動して開き、図22(a)乃至図22(c)に示す様に、ヒンジ48を中心に矢印Bで示す方向に回動して閉じる。
図21(a)に示す様な扉1(図1)が閉じた状態では、ラッチ6がラッチケース7の開口7aから最も突出した突出位置にある。
扉1(図1)が閉じた状態では、ラッチ6の係合溝30aに係合片52が係合しているために、ラッチ6は揺動が不能である。図示しない操作ハンドルを操作すると、係合片52を係合溝30aから外すことができる。この状態では、ラッチ6は揺動することができる。
扉1(図1)を開く際、ばね53(図2)の付勢力に抗して図示しない操作ハンドルを操作し、ラッチ6の係合溝30a(図5、図8)から係合片52(図2、図21(a))を外し、扉1を矢印A方向に回動させると、図21(a)、図21(b)に示すラッチ6の当接部31が扉枠2に押圧されてラッチ6が揺動する。
図21(b)に示す状態では、係合溝30aが、長孔50b(図2)及び切欠部29(図5)と平行ではなくなっており、係合片52は係合溝30aと係合することはできない。また、ラッチケース7の開口7aの縁39と、ラッチ6の係合部30の起立壁部32も平行ではなくなっている。
図21(b)に示す状態からさらに矢印A方向に扉1を回動させると、ラッチ6が揺動すると共に当接部31が扉枠2に対して摺動し、ラッチ6の先端部分が扉枠2に当接した図21(c)に示す状態となる。すなわち、ラッチ6は図14(a)に示す突出位置から図14(b)に示す退入位置に、一時的に錠箱5(ラッチケース7)内に最も退入した退入位置にスライド移動する。
ラッチ6が突出位置から退入位置に移動すると、押圧部材8及びラッチ側支持部材10も反ラッチ側支持部材11側へ移動してばね9が圧縮され、ばね9の付勢力は反ラッチ側支持部材11とラッチ側支持部材10に作用する。反ラッチ側支持部材11はラッチケース7と一体であり、ラッチケース7に対して相対移動しないが、ラッチ側支持部材10はラッチケース7に固定されておらず、ラッチ側支持部材10はラッチ6及び押圧部材8と共にラッチケース7に対して相対移動することができる。押圧部材8は、錠箱5の仕切部5bに設けられた孔50a(図2)を貫通し、退入側へ移動する。
本実施形態では、ラッチ6は、ばね9の付勢力に抗して反ラッチ側支持部材11に近づくように、突出する向き(突出方向)とは逆の退入する向きにスライド移動する。ラッチ6がスライド移動する方向は、押圧部材8の本体部8aの軸芯方向(長手方向)である。
図21(c)に示す様に、ラッチ6が退入位置に移動すると、ラッチ6は揺動して傾斜面部35a、35bがラッチケース7の側面壁部26a(内面)に当接し、ラッチ6の揺動が停止する。
図21(c)に示す状態から扉1が矢印A方向にさらに回動すると、図22(a)に示す様に、ラッチ6が扉枠2から外れ、ラッチ6はばね9(付勢部材)の付勢力によって突出方向にスライド移動し、起立壁部32がラッチケース7の縁39に当接すると共に、直交面部44a、44bがラッチケース7の側面壁部26b(内面)に当接する。従来のラッチでは、このときに衝突音が生じる。ところが、本実施形態のラッチ錠3ではラッチ6が後述の理由によってゆっくりと動作し、衝突音の発生は抑制される。
衝突音の発生が抑制される理由とは以下の通りである。
図14(c)に示す様に、押圧部材8の本体部8aの螺旋状の溝14a、14b(ガイドライン)には反ラッチ側支持部材11の突起部23a、23b(係合部)が係合しており、反ラッチ側支持部材11はラッチケース7と一体である。
そのため、ラッチ6が本体部8aの軸芯方向(長手方向)に移動する際には、螺旋状の溝14a、14bが突起部23a、23bから抵抗を受け、押圧部材8がこの抵抗(反力)によって回転する。換言すると、突起部23a、23b(係合部)が螺旋状の溝14a、14b(ガイドライン)に沿って相対移動し、押圧部材8が回転しながら直線移動する。
すなわち、ラッチ6が本体部8aの軸芯方向(長手方向)に移動する際、押圧部材8は直線移動すると共に回転する。
そして、突起部23a、23bが溝14a、14bに沿って移動し、この移動距離がラッチ6の突出・退入方向の移動距離よりも長いため、押圧部材8の移動速度が遅くなる。
また、突起部23a、23bと溝14a、14bの間に摩擦力が生じ、この摩擦力がばね9の付勢力に抗するため、押圧部材8の移動速度は抑制される。すなわち、押圧部材8と一体に突出位置へ移動するラッチ6の移動速度が抑制され、ラッチ6は比較的ゆっくりと退入位置から突出位置へ移動する。
そのため、突出時における、起立壁部32がラッチケース7の縁39に衝突する際の衝突音、及び、直交面部44a、44bがラッチケース7の側面壁部26bに衝突する際の衝突音が抑制される。
また、ラッチ6(被押圧部6aの側面部6b)と、ラッチ側支持部材10(正面壁部15)は、押圧部材8のフランジ部8bと当接しており、押圧部材8が回転すると、押圧部材8とラッチ6の間、及び押圧部材8とラッチ側支持部材10の間でも摩擦力が発生する。この摩擦力もばね9の付勢力に抗するため、ラッチ6の突出位置への移動速度は抑制される。
突起部23a、23bは、押圧部材8の本体部8aの両側から2条の各溝14a、14bに係合しているため、押圧部材8が移動する際に、押圧部材8にはバランスよくばね9の付勢力に抗する摩擦力が発生する。すなわち、押圧部材8は、水平姿勢を保ったまま
突出位置から退入位置へ、又は退入位置から突出位置へ回転しながら移動する。
次に、開いた扉1を閉じる際には、ラッチ6は図22(a)〜図22(c)に示す様に動作する。
開いた扉1を矢印B方向に回動させて閉じると、図22(a)に示す様に、ラッチ6の閉時当接部31bが扉枠2に当接する。
図22(a)に示す状態から扉1を矢印B方向に回動させると、図22(b)に示す様に、ラッチ6はばね9の付勢力に抗して退入位置へスライド移動する。すなわち、ラッチ6は反転することなくスライド移動するのみであり、ラッチケース7のいずれの部位とも衝突しない。さらに図22(c)に示す様に、扉1が矢印B方向に回動すると、ラッチ6は受け部2aに対向し、突出方向にスライド移動して受け部2aに嵌まり込む。その際、ラッチ6は突出方向にゆっくりと移動し、起立壁部32が縁39にゆっくりと当接する。
すなわち、ラッチ6が受け部2aの位置に対向すると、扉枠2からの押圧力がなくなる。そのため、ラッチ6はばね9の付勢力によって突出方向にスライド移動し、起立壁部32がラッチケース7の縁39に当接する。このときもラッチ6はゆっくりと突出方向にスライド移動するので、起立壁部32は縁39にゆっくりと当接し、衝突音の発生は抑制される。
そして、揺動防止部材51の係合片52が係合溝30aと係合し、ラッチ6は揺動不能な状態となる。
ここで、ラッチ側支持部材10は、ラッチケース7に対して水平方向にのみ移動可能であり、ラッチ6の被押圧部6aに配置されており、ラッチ側支持部材10の天面壁部17と底面壁部18が、ラッチ6の上面部6cと下面部6dに当接しているだけである。そのため、押圧部材8が回転してもラッチ側支持部材10は回転しない。
また、ラッチ側支持部材10の側面壁部16a、16bが、ラッチケース7の側面壁部26a、26bの内面に近接対向しており、ラッチ側支持部材10が押圧部材8の回転に追従して回転(揺動)しようとしてもラッチケース7に当接し、回転(揺動)は阻止される。
さらに、ラッチ側支持部材10は、ラッチ6を突出方向に押圧するのみであり、ラッチ6を退入方向に牽引することはできない。
図14(a)に示す様に、ラッチ6がラッチケース7(収容部材)又は錠箱5から最も突出する位置がラッチ6の突出位置であり、図14(b)に示す様に、ラッチ6がラッチケース7(収容部材)内又は錠箱5内に最も退入する位置がラッチ6の退入位置である。すなわち、図14(b)では、ラッチ6の一部がラッチケース7又は錠箱5から突出しているが、その突出量は図14(a)に示す突出位置におけるラッチ6の突出量よりは少ない。
退入位置におけるラッチ6の突出量は、扉枠2と図1に示す扉1(すなわち、ラッチケース7又は錠箱5)のクリアランス(隙間)と略一致している。
上述の第一実施形態では、反ラッチ側支持部材11に螺旋状の溝14a、14bに係合する突起部23a、23bを設けた例を示したが、突起部23a、23bは、ラッチケース7や、錠箱5(仕切部5b)等の押圧部材8と相対移動する部位に設けてもよい。すなわち、錠箱5の仕切部5bを、ラッチ6を保持する保持部として機能させることも可能である。
また、螺旋状の溝(14a、14b)は、必ずしも2条(2つ)である必要はなく、1条(1つ)又は3条(3つ)以上であってもよい。
さらに、螺旋状の溝14a、14bの代わりに、押圧部材8の本体部8aには螺旋状の突条を設け、この突条に係合するコの字形の係合部をラッチケース7や錠箱5等の固定側に設けてもよい。
ラッチケース7は独立したユニットを構成しており、錠箱5の収容部5a(図3)に天地逆向きに装着することもできる。この場合には、揺動防止部材51の係合片52は、ラッチケース7の天面壁部27の切欠部29を介して、ラッチ6の底部側の係合部30の係合溝30aと係合する。
また、本発明は、反転しないラッチであっても実施可能である。
次に図15乃至図20を参照しながら本発明の第二実施形態について説明する。
図15に示すラッチユニット34は、図1に示すラッチユニット4と同様に錠箱5に装着され、ラッチ錠33として使用されるものである。
以下、ラッチ錠33の特徴的な構成であるラッチユニット34について説明する。
ラッチユニット34は、図15乃至図19に示す様に、ラッチ6、ラッチケース37、押圧部材40、支持部材41、ばね9等を有する。
ラッチ6は、図12に示す第一実施形態で採用されたものと同様のものである。
図16に示すラッチケース37は、図4等に示す第一実施形態のラッチケース7と同様の外形を有しているが、側面壁部46aに長孔45(ガイドライン)が設けられている点がラッチケース7と相違している。長孔45は、側面壁部46aを正面視して略W字形を呈すると共に側面壁部46aを貫通する孔である。すなわち、長孔45は、図15(a)、図15(b)に示す様に、ラッチ6の突出又は退入する方向に対してジグザグ状に傾斜して連続する孔である。
図17乃至図19に示す様に、押圧部材40は、正面壁部55、側面壁部56a、56b、天面壁部57、底面壁部58を有し、背面側が開放された略直方体の外形を呈する箱状部40aと、真っ直ぐな棒状の軸部38を有している。軸部38は、図20に示す様に、正面壁部55に一体化されている。
すなわち、箱状部40aの外形は、第一実施形態におけるラッチ側支持部材10の様な略直方体形状を呈しており、軸部38は押圧部材8の本体部8aの様な棒状を呈しており、両者は一体化されている。換言すると、押圧部材40は、第一実施形態におけるラッチ側支持部材10と押圧部材8とが一体化された様な構造を有している。
押圧部材40の箱状部40aは突出側から退入側にのびる幅(長さ)を有しており、図20に示す様に、軸部38の一端は箱状部40aの内部にあって正面壁部55に一体固着されており、軸部38の他端は、箱状部40aの外側へ突出している。軸部38には、第一実施形態の押圧部材8の本体部8aの様な螺旋状の溝14a、14b(図9)は設けられていない。
側面壁部56aには、図17乃至図19に示す様に、下側傾斜段部59と上側傾斜段部60が設けられている。下側傾斜段部59は、側面壁部56aの下部側であって、退入側から突出側へいくほど低くなる様に傾斜した段を構成している。上側傾斜段部60は、側面壁部56aの上部側であって、退入側から突出側へいくほど高くなる様に傾斜した段を構成している。すなわち、側面壁部56aの下部側と上部側には側面壁部56aの肉厚が厚い部位があり、側面壁部56aの中央部分には肉厚が薄い部位があり、側面壁部56aは中央部分が凹んだ様な構造を呈している。換言すると、側面壁部56aの中央部分には、退入側から突出側へいくほど高さ方向の幅が大きくなる凹みがある。この凹みは扇状に拡がっており、扇状の根元部分(退入側の端部付近)には支持軸部61が設けられている。支持軸部61は、側面壁部56aの厚み方向に突出する突起状の部位である。
下側傾斜段部59と上側傾斜段部60は、ラッチケース37の側面壁部46a、46bの内側面と近接対向し、摺動部としても機能する。
支持軸部61には、揺動部材42が装着されている。
揺動部材42は、細長い板状の部材であり、一方の端部には軸孔42aが設けられており、他方の端部には係合突起42b(係合部)が設けられている。
軸孔42aの中心と係合突起42bの中心は同方向を向いている。すなわち、軸孔42aは、揺動部材42の厚み方向に穿設された孔であり、係合突起42bは、揺動部材42の厚み方向に突出した突起である。
揺動部材42の幅は、側面壁部56aの下側傾斜段部59と上側傾斜段部60の間隔よりも狭く、下側傾斜段部59と上側傾斜段部60の間に揺動部材42を配置することができる。
揺動部材42の係合突起42bは、側面壁部56aの下側傾斜段部59及び上側傾斜段部60よりも側面壁部56の厚み方向外側へ突出している。
図17、図18に示す様に、揺動部材42の軸孔42aに支持軸部61が挿通されており、揺動部材42は、支持軸部61を中心に円滑に揺動可能である。すなわち、揺動部材42は、支持軸部61を中心に下側傾斜段部59と上側傾斜段部60の間で揺動することができる。すなわち、下側傾斜段部59と上側傾斜段部60の間の扇形の凹部は、揺動部材42の揺動範囲を確保しており、これによって係合突起42bが長孔45に沿って移動することができるようになっている。
支持部材41は、図9に示す第一実施形態の反ラッチ側支持部材11と同様の構造を有しているが、孔21に半径方向内方へ突出する突起部23a、23bが設けられていない点のみが相違している。支持部材41のその他の構造は反ラッチ側支持部材11と同様であり、反ラッチ側支持部材11の各部と同じ符号を付し、説明を省略する。
ばね9は、螺旋状のばねであり、第一実施形態のばね9と同じ部材である。
次に、ラッチユニット34の組立構造について説明する。
ラッチケース37内には、ラッチ6と押圧部材40が収容されている。ラッチ6の被押圧部6aの側面部6bには押圧部材40の正面壁部55が当接している。
押圧部材40は、ラッチケース37内で突出方向又は退入方向にのみ往復移動可能にガイドされている。具体的には、ラッチケース37の内側面に押圧部材40の天面壁部57と底面壁部58が係合するガイドレールが設けられており、このガイドレールに沿って押圧部材40が突出方向及び退入方向に往復移動する。
また、図15(a)に示す様に、揺動部材42の係合突起42bが、ラッチケース37の長孔45に係合している。
図20に示す様に、押圧部材40の軸部38にばね9が外嵌されており、ばね9の一端は押圧部材40の正面壁部55の内面に当接している。また、ばね9の他端はラッチケース37に取り付けられた支持部材41の段部22に当接している。
押圧部材40の正面壁部55と支持部材41の段部22の距離は、ばね9の自然長よりも短い。すなわち、ばね9は縮設された圧縮ばねであり、押圧部材40を介してラッチ6を突出方向へ押圧している。
次に、ラッチ錠33(ラッチユニット34)の動作について説明する。
扉1(図1)に取り付けられた錠箱5のラッチ錠33(ラッチユニット34)は、通常は図15(a)に示す様に、ラッチ6がばね9の付勢力によってラッチケース37から突出した姿勢を保っており、ラッチ6は揺動可能である。このとき、揺動部材42の係合突起42bはラッチケース37の長孔45の突出側にある。
扉1を開閉し、ラッチ6が扉枠2側に押圧されるとラッチ6はばね9の付勢力に抗してラッチケース37(錠箱5)内に揺動して退入し、図15(b)に示す状態となる。すなわち、係合突起42bが長孔45の退入側へ移動している。
揺動部材42の揺動範囲は、図17、図18に示す下側傾斜段部59と上側傾斜段部60によって確保されており、揺動部材42はこの確保された揺動範囲内で揺動することができ、係合突起42bがW字形の長孔45に沿って移動することができる。
図20に示す様に、ばね9は軸部38に外嵌しているため、略真っ直ぐな姿勢を保って圧縮されている。
また、軸部38は、支持部材41の孔21を貫通しており、図15(b)に示す様に、孔21の右側(退入側)に突出している。
扉1が閉じられると、ラッチ6の扉枠2側からの押圧力がなくなり、ばね9の付勢力によってラッチ6及び押圧部材40が突出方向に移動する。その際、押圧部材40の揺動部材42の係合突起42bがラッチケース37の長孔45に係合しているので、係合突起42bは長孔45に沿いながら突出側へ移動する。すなわち、揺動部材42は、図17、図18に示す様に支持軸部61を中心に揺動し、係合突起42bが上下に移動しながらW字形の長孔45に沿って移動する。
よって、揺動部材42の係合突起42bが長孔45に沿って移動する距離は、ラッチ及び押圧部材40が突出側から退入側(又はその逆)に移動する距離よりも長い。そのため、ラッチ及び押圧部材40の実質的な移動距離が長くなっており、換言すると移動速度が遅くなる。
また、係合突起42bは長孔45の縁に押し付けられながら長孔45内を移動するため、両者の間には摩擦力が作用する。そのため、ラッチ6及び押圧部材40の突出方向への移動速度が抑制される。よって、ラッチ6はゆっくりと図15(b)に示す退入位置から図15(a)に示す突出位置に復帰する。その結果、ラッチ6が復帰することに起因する音の発生が良好に抑制される。
側面壁部46aには、長孔45の代わりに側面壁部46aの内側に長孔45と同様の略W字形を呈する溝(有底穴)を形成してもよい。また、側面壁部46aには、W字形状の長孔45の代わりに、一方向にのみ傾斜(例えば、側面壁部46aを正面視して上側から下側へ傾斜、又は下側から上側へ傾斜)した長孔又は溝を形成してもよい。さらに、長孔45は、W字形に限らず、V字形やN字形等であってもよく、直線や曲線で構成されていてもよい。
押圧部材40の側面壁部56aの下側傾斜段部59と上側傾斜段部60の傾斜の向きを逆にして、支持軸部61を側面壁部56aの突出側端部付近に設け、揺動部材42の突出側と退入側を入れ替えてもよい。
すなわち、下側傾斜段部59は、突出側から退入側へいくほど高さが低くなるように傾斜し、上側傾斜段部60は、突出側から退入側へいくほど高さが高くなるように傾斜し、側面壁部56aの凹部が、突出側から退入側へいくほど高さ方向の幅が大きくなるように構成すると共に、揺動部材42が、突出側を起点に退入側が下側傾斜段部59と上側傾斜段部60の間で上下に揺動できるようにしてもよい。
押圧部材40の側面壁部56bにも揺動部材42を設け、ラッチケース37の両側に長孔45を設けてもよい。すなわち、ラッチ錠33の両側に長孔45(ガイドライン)と揺動部材42(係合部)を設けてもよい。
3 ラッチ錠
5 錠箱
5b 錠箱の仕切部(保持部)
6 ラッチ
7 ラッチケース(保持部)
8 押圧部材
9 ばね(付勢部材)
10 ラッチ側支持部材
11 反ラッチ側支持部材
14 押圧部材の溝(ガイドライン)
23a、23b 突起部(係合部)
33 ラッチ錠
37 ラッチケース(保持部)
40 押圧部材
41 支持部材
42b 揺動部材の係合突起(係合部)
45 ラッチケースの長孔(ガイドライン)

Claims (8)

  1. ラッチと、当該ラッチを保持する保持部を有する錠箱とを有し、
    前記ラッチは、錠箱から突出する突出位置と錠箱内に退入する退入位置の間をスライド移動可能であり、
    ラッチが錠箱から突出する突出方向に付勢力を生じさせる付勢部材と、
    前記付勢部材によってラッチの突出方向に付勢されてラッチを押圧する押圧部材とを有し、
    前記押圧部材又は錠箱の前記保持部のいずれか一方が、ラッチの突出方向に対して傾斜するガイドラインを有し、
    前記押圧部材又は前記保持部のいずれか他方が係合部を有し、
    前記係合部は前記ガイドラインに係合しており、
    押圧部材が移動する際に、前記係合部が前記ガイドラインに沿って相対移動することを特徴とするラッチ錠。
  2. 前記ラッチは、突出位置で揺動が可能であることを特徴とする請求項1に記載のラッチ錠。
  3. 前記押圧部材は、ラッチの突出方向に長さを有しており、
    少なくとも二つの支持部材が押圧部材の長手方向に配置されていて、前記各支持部材を介して錠箱の保持部に押圧部材が押圧部材の長手方向に移動可能に支持されており、
    二つの支持部材の間に前記付勢部材が配されていて、ラッチ側に配されたラッチ側支持部材が押圧部材と共に押圧部材の長手方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のラッチ錠。
  4. 前記押圧部材はラッチの突出方向に長さを有しており、
    押圧部材に長手方向にのびる螺旋状の前記ガイドラインが設けられており、
    押圧部材は軸芯回りに回転可能に錠箱の前記保持部に支持されており、
    前記保持部側に前記係合部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のラッチ錠。
  5. 前記押圧部材に前記係合部が設けられており、前記係合部は押圧部材に対して揺動可能であり、錠箱の前記保持部に前記ガイドラインが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のラッチ錠。
  6. ラッチと、当該ラッチを収容する収容部材を有し、
    前記ラッチは、収容部材から突出する突出位置と収容部材内に退入する退入位置の間をスライド移動可能であると共に、収容部材に対して揺動が可能であり、
    ラッチが収容部材から突出する突出方向に付勢力を生じさせる付勢部材と、
    前記付勢部材によってラッチの突出方向に付勢されてラッチを押圧する押圧部材とを有し、
    前記押圧部材は、ラッチの突出方向に長さを有しており、
    少なくとも二つの支持部材が押圧部材の長手方向に配置されていて、前記各支持部材を介して押圧部材が収容部材に長手方向に移動可能に支持されており、
    二つの支持部材の間に前記付勢部材が配されていて、ラッチ側に配されたラッチ側支持部材が押圧部材と共に押圧部材の長手方向に移動可能であり、
    前記押圧部材又は収容部材のいずれか一方が、ラッチの突出方向に対して傾斜するガイドラインを有し、
    前記押圧部材又は収容部材のいずれか他方が係合部を有し、
    前記係合部は前記ガイドラインと係合しており、
    押圧部材が移動する際に、前記係合部が前記ガイドラインに沿って相対移動することを特徴とするラッチ錠。
  7. 前記ガイドラインは、押圧部材に設けられた押圧部材の長手方向にのびる螺旋状の溝であり、
    押圧部材は軸芯回りに回転可能に収容部材に支持されており、
    前記収容部材側に前記係合部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のラッチ錠。
  8. 押圧部材とラッチ側支持部材が一体化されており、押圧部材に、当該押圧部材に対して揺動可能な係合部が設けられており、
    前記ガイドラインは、収容部材に設けられた溝又は長孔であることを特徴とする請求項6に記載のラッチ錠。
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