JP2018107136A - 照明ランプ及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
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また、自重に加え熱膨張による反りを生じ難い技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、LED照明管において、接触不良からの不灯、撓み、落下等を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
図1は、本実施の形態に係る照明装置を示す斜視図である。
照明装置500は、固定具(図示しない)を介して天井面などの取付け面に取り付けられ、照明ランプ1が点灯することによって床面や室内空間を照射する。
照明ランプ1については、後で詳しく説明する。
なお、アースソケット101は照明ランプ1と電気的に接続されず、照明ランプ1を機械的に保持する役割のみを有する場合もある。
樹脂基材には、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂などが用いられる。透光性を有する樹脂(透光性樹脂)であれば、その他の樹脂でもよい。
樹脂強化材として用いられる繊維には、入手容易性、強度、透光性などを勘案すると、ガラス繊維を用いることが好適であるが、強度、透光性を備える繊維であればその他の繊維でも構わない。
また、カバー3は、中空の管状部材(チューブ)でなくてもよい。例えば、ヒートシンク22の基板設置部220(図3)側のみを覆っても構わない。例えば、断面が半円形状の雨どい形状、断面が三角形状、四角形状、多角形状、その他の形状のカバーでもよい。
カバー3は、押出成形の方法を用いて製造される。
また、カバー3の各部の寸法は、カバー3の押出成形の最適条件を優先すると、D1=D2=D3となることが好ましい。ここで、D1はカバー3の第1領域部30側の厚さ寸法(外周面31と内周面32との間の距離)、D2はカバー3の第2領域部34側の厚さ寸法(外周面35と内周面36との間の距離)、D3は保持突起部39の平均厚さ寸法である。
例えば、カバー3の各部の寸法は、R1=25.5mm、R2=23.5mm、D1=D2=D3=1.0mm、D4=7.0mm、H1=4.25mmである。
なお、カバー3の各部の寸法も、上述した寸法に限定されるものではない。
ヒートシンク22の、第2空間91側(LED20の出射側と反対側)における中央近傍には、ヒートシンク凹部225が形成される。基板設置部220と円弧部224は、ヒートシンク凹部225を形成する壁である。ヒートシンク凹部225とカバー3の内周面36で囲われる領域は、第2空間91になっている。
図5は、本実施の形態に係るカバー3の製造方法を示すフロー図である。
上述したように、カバーは、ポリカーボネート(PC)等の「樹脂基材」にガラス繊維等の「樹脂強化材」を混合した「繊維強化樹脂材料」を用い、押出し成形によって形成される。
次に、S102〜S103において、繊維強化樹脂生成工程により生成された繊維強化樹脂を成形し(成形工程(S102))、成形された前記繊維強化樹脂を冷却し、切断する(固化工程(S103))。
S101〜S103の工程について、詳しく説明する。
図6(a)において、照明器具100は、天井などの取付け面900に設置されている。
例えば、照明ランプ1の長さ寸法Lは1198mmであるが、この寸法に限定されるものではない。
図3に示すように、照明ランプ1では、熱源となる発光部2が照明器具100側(以下、器具側寄り)に配置されている。また、照明ランプ1は、発光部2の動作熱がヒートシンク22を介してカバー3に直接伝達される。これらのことから、カバー3の温度は出射側より器具側の方が高くなる。この結果、照明ランプ1には、熱による線膨張量が大きくなる器具側に変位する山なりの反りが発生する。
HC1は、HP1の位置と、照明ランプ1の中央部の位置(照明ランプ1の中央部の上端部(上面部))との差分を反り量として測定した結果である。
HE1は、HP1の位置と、照明ランプ1のアース口金5側の端部(図7では右端部)の上端部(上面部)との差分を測定した結果である。
反り量は、上方に反る場合に正の数とし、下方に反る場合は負の数とする。
図9は、本実施の形態に係る照明ランプ1における反り量HC1の測定結果の一例を示す図であり、(a)は自重によるランプの反り量HC1の測定結果の一例を示す図、(b)は動作熱によるランプの反り量HC1の測定結果の一例を示す図、(c)は(a)(b)の測定結果から変化量を算出した結果を示す図である。
実施例1〜5では、カバー3の材質において、ポリカーボネート(PC)に混合されるガラス繊維の混合比率が異なっている。
具体的には、実施例1は混合比率0.5wt%、実施例2は混合比率1wt%、実施例3は混合比率3wt%、実施例4は混合比率5wt%、実施例5は混合比率8wt%の繊維強化樹脂材料を用いている。
例えば、(a)の実施例2では、HC1=−1.7、HE1=−0.3であり、HC1の箇所とHE1の箇所とはともに下方に反っている。そこで、最大反り量はHP1の箇所とHC1の箇所との差分となり、−1.7の絶対値1.7となる。
一方、(b)の実施例2では、HC1=0.6、HE1=−0.5であり、HC1の箇所は上方に反り、HE1の箇所は下方に反っている。そこで、最大反り量はHE1の箇所とHC1の箇所との差分となり、1.1となる。
照明ランプ1における反りの抑制効果を判断するにあたっては、照明ランプ1の中央部の反り量(HC1)を比較判断することが適している。よって本実施の形態では、図9に示すようにHC1の反り量を用いて抑制効果の判断を行った。
また、図9(c)では、自重による反り量と動作熱による反り量との差(図9(a)の値−図9(b)の値)の絶対値を変化量として設定した。変化量が少なければ少ない程、反りの抑制効果が大きく、照明ランプ1のカバー3の素材として優れていると判断することができる。
また、従来品の値と実施例の反り量との差の絶対値を効果として設定した。
実施例2〜5のそれぞれの変化量は、2.3mm、1.7mm、1.8mm、1.5mmであり、いずれの実施例についても従来例の変化量3.5mmよりも減少した。
(a)照明ランプ1の長さ寸法Lに対する自重による反り量HC1の比率は以下の通りである。
<従来品>HC1:L=2.5:1198となり、0.21%
<実施例1>HC1:L=2.3:1198となり、0.19%
<実施例2>HC1:L=1.7:1198となり、0.14%
<実施例3>HC1:L=1.8:1198となり、0.15%
<実施例4>HC1:L=2.3:1198となり、0.19%
<実施例5>HC1:L=0.5:1198となり、0.04%
以上のように、実施例1〜5における照明ランプ1の長さ寸法Lに対する自重による反り量HC1の比率は、いずれも改善されている。
<従来品>HC1:L=1.0:1198となり、0.08%
<実施例1>HC1:L=0.5:1198となり、0.04%
<実施例2>HC1:L=0.6:1198となり、0.05%
<実施例3>HC1:L=0.1:1198となり、0.01%
<実施例4>HC1:L=0.5:1198となり、0.04%
<実施例5>HC1:L=1.0:1198となり、0.08%
以上のように、実施例1〜4における照明ランプ1の長さ寸法Lに対する自重による反り量HC1の比率は、いずれも改善されている。
実施例5については、カバー3の表面において、ガラス繊維による微少な凸部が生じ、測定結果に加算され誤差が生じたと考えられる。しかし、この場合でも従来品と同等の換算値である。
<従来品>:R:L=3.5:1198となり、0.29%
<実施例1>:R:L=2.8:1198となり、0.23%
<実施例2>:R:L=2.3:1198となり、0.19%
<実施例3>:R:L=1.7:1198となり、0.14%
<実施例4>:R:L=1.8:1198となり、0.15%
<実施例5>:R:L=1.5:1198となり、0.13%
以上のように、実施例1〜4における照明ランプ1の長さ寸法Lに対する変化量Rの比率は、いずれも改善されている。特に、実施例2〜5においては、顕著な効果が見られる。
特に、混合比率0.5wt%(実施例1)〜混合比率8wt%(実施例5)の繊維強化樹脂材料を用いてカバー3を形成することが好ましい。
また、より好ましいのは、混合比率1.0wt%(実施例2)〜混合比率8.0wt%(実施例5)の繊維強化樹脂材料を用いてカバー3を形成することである。
また、自重による反りの抑制については、ガラス繊維を増やすと剛性が上がるので反りにくくなるが、カバーの重さが重くなるので増やしすぎると逆効果となる。
このように、自重によるランプの反りと動作熱によるランプの反りとのバランスを勘案すると、より好ましいのは、混合比率1.0wt%(実施例2)〜混合比率5.0wt%(実施例4)の繊維強化樹脂材料を用いてカバー3を形成することである。
変化量の値、自重によるランプの反り及び動作熱によるランプの反りのバランス、及び上記の考慮すべき点を勘案すると、好ましいのは、混合比率3.0wt%(実施例3)〜混合比率5.0wt%(実施例4)の繊維強化樹脂材料を用いてカバー3を形成することである。特に、混合比率3.0wt%(実施例3)、あるいは、混合比率5.0wt%(実施例4)の繊維強化樹脂材料を用いることが好適である。
また、図8の実施例に限らず、混合比率が8.0wt%〜30wt%の間であってもよい。
すなわち、混合比率が0.5wt%〜30wt%の間であれば、カバー3の剛性を向上させるとともに、照明ランプの反りの抑制の効果が高いものとなる。
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図10は、本実施の形態に係るカバー3aを示す断面図である。
図10は、実施の形態1で説明した図4に相当する図であり、同様の機能を有する構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
なお、カバー3aの内部に配置されるヒートシンク22を点線で示している。このヒートシンク22は、実施の形態1の図3で説明したヒートシンク22と同一である。
このため、LED20の点灯が開始しても、ヒートシンク22からカバー3aの最上部(出射側の端部)への伝熱がなく、カバー3aの最上部の温度上昇が抑制され、カバー3aの上下部の温度差が大きくなりにくい。
しかし、LED20の点灯が長時間継続して、カバー3aの上下部の温度差が徐々に大きくなり、カバー3aに反りが発生した場合は、維持突起部37が基板設置部220に当たることで反りが大きくなることが防止される。
また、カバー3aの各部の寸法は、図4で説明した寸法と同様に、図4で説明した寸法に限定されるものではない。なお、カバー3aの押出成形の最適条件を優先すると、図4で説明したものと同様に、維持突起部37の平均厚さ寸法は、D1、D2、D3と同じ寸法であることが好ましい。
本実施の形態について、主に実施の形態1,2との差異を説明する。
図11は、本実施の形態に係るカバー3bを示す断面図である。
図11は、実施の形態1で説明した図4及び実施の形態2で説明した図10に相当する図であり、同様の機能を有する構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
なお、カバー3bの内部に配置されるヒートシンク22を点線で示している。このヒートシンク22は、実施の形態1の図3で説明したヒートシンク22と同一である。
本実施の形態について、主に実施の形態1〜3との差異を説明する。
図12は、本実施の形態に係るカバー3cを示す断面図である。
図12は、実施の形態1で説明した図4、実施の形態2で説明した図10、実施の形態3で説明した図11に相当する図であり、同様の機能を有する構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
なお、カバー3cの内部に配置されるヒートシンク22を点線で示している。このヒートシンク22は、実施の形態1の図3で説明したヒートシンク22と同一である。
なお、以上の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
Claims (7)
- 長手状の基板の一面に複数の発光素子が実装されている発光部と、
透光性樹脂に重量比0.5wt%以上8wt%以下の繊維を混合させた繊維強化樹脂により形成され、前記発光素子を覆うように配置されている透光性のカバーと
を備え、
長手方向に交差する方向の変化量が、前記長手方向に沿った長さ寸法の0.29%より小さい変化量である照明ランプ。 - 前記変化量は、
自重による長手方向に交差する方向の反り量と前記発光部の動作熱による長手方向に交差する方向の反り量との差である請求項1に記載の照明ランプ。 - 長手状の基板の一面に複数の発光素子が実装されている発光部と、
透光性樹脂に重量比0.5wt%以上8wt%以下の繊維を混合させた繊維強化樹脂により形成され、前記発光素子を覆うように配置されている透光性のカバーと
を備え、
前記発光部の動作熱による長手方向に交差する方向の反り量が、前記長手方向に沿った長さ寸法の0.08%より小さい反り量である照明ランプ。 - 長手状の基板の一面に複数の発光素子が実装されている発光部と、
透光性樹脂に重量比0.5wt%以上8wt%以下の繊維を混合させた繊維強化樹脂により形成され、前記発光素子を覆うように配置されている透光性のカバーと
を備え、
自重による長手方向に交差する方向の反り量が、前記長手方向に沿った長さ寸法の0.21%より小さい反り量である照明ランプ。 - 前記カバーは筒形に形成されており、
前記発光素子は前記カバーに収納されている請求項1から4のいずれか一項に記載の照明ランプ。 - 前記繊維は、ガラス繊維である請求項1から5のいずれか一項に記載の照明ランプ。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の照明ランプと、
前記照明ランプが取り付けられるランプ取付部と
を備えている照明装置。
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