JP2018102374A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明の吸収性物品1をトップシート側から見た平面図である。本発明の実施形態に係る吸収性物品1としては、図1に示すような軽失禁パッドが例示されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、軽失禁ライナー、生理用ナプキン、その他の吸収性物品であってもよい。吸収性物品1は、身体接触側表面に配置された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向し、衣類接触側表面に配置された液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を備え、これにより、吸収体20は、トップシート10とバックシート30との間に挟まれた構造となっている。吸収性物品1は、着用者の腹側にあてがわれる前部1aと、着用者の股間にあてがわれる股部1bと、着用者の背側にあてがわれる後部1c、に区分される。また、吸収性物品1は、股部1bに位置する排尿領域を囲って形成される第一のチャネルエンボス40と、前部1aから後部1cに至る略楕円形の第二のチャネルエンボス50と、第一のチャネルエンボス40と第二のチャネルエンボス50を幅方向に連結する誘導溝60と、を有する。
トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体20を挟んで、バックシート30と対向して配置されている。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような基材、例えば、エアスルー不織布を代表とするサーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、又はこれらを積層した複合シートといった材料から形成される。トップシート10は、単層であっても、複数層積層していてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
本発明においては、トップシート10が、3次元の凹部及び凸部を有するマッチドエンボスパターンを有することが好ましい。ここで、マッチドエンボスパターンとは、例えば、特表2002−512660号公報に開示されるものであり、多数の凸体を有する凸ローラと、凸体と相補的な多数の凹体を有する凹ローラとで、凸体と凹体がかみ合うように不織布を挟み込み、必要に応じて熱を付与することにより形成されるものである。トップシート10が、このようなマッチドエンボスパターンを有することにより、トップシート10を、嵩高く維持することができる。本発明においては、トップシート10の厚みは、好ましくは、1mm以上5mm以下となり、より好ましくは、2mm以上4mm以下となる。
バックシート30は、吸収性物品1の外部に体液が漏れないよう、液不透過性を有し、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート30の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。バックシート30は、着用者の股部が位置づけられる長手方向中央に括れ部を有する砂時計形状、略矩形状等の形状を有していてもよく、吸収体20の側縁より若干外方に延在して設けられていてもよい。バックシート30の衣類接触側表面には、着用時に下着等に吸収性物品1を固着するための粘着剤層が設けられていてもよい。吸収性物品1が粘着剤層を有する場合、粘着剤層を保護するための剥離シートを有していてもよく、この剥離シートは、吸収性物品1の包装シートと一体となっていてもよい。トップシート10及びバックシート30は、長手方向端部等、端部の少なくとも一部において、吸収体20を挟まずに、ホットメルト接着剤やヒートシール等により固着されるフラップを形成していてもよい。
吸収体20は、基材としての吸収性繊維と、高吸水性ポリマー(以下、SAPとも称する)と、を含有する。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキン、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体20の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、100g/m2以上800g/m2以下の坪量とすることが好ましい。
吸収体20は、少なくとも後部1cにおいて、圧縮された圧縮部21と、圧縮部21よりも隆起した中高部22と、を有することが好ましく、中高部22は、後述する第二のチャネルエンボス50の内方若しくは外方に、又は第二のチャネルエンボスの内縁に沿って、位置することが好ましい。中高部22を有することにより、臀部における吸収性物品1のフィット性を向上することができる。また、圧縮部21を設けることにより、後部1cにおける吸収性物品1の厚さが薄くなり、吸収性物品1を着用していることを、目立ちにくくすることができる。また、中高部22は、図1及び図3に示すように、第二のチャネルエンボス50の内方に位置することがより好ましい。中高部22が、第二のチャネルエンボス50の内方に位置することで、中高部22の隆起がより明瞭になり、フィット性が良好となり、吸収性物品1からの後漏れを効果的に抑制することができる。なお、本発明において、中高部とは、圧縮部を設けることにより、吸収体の厚みが、圧縮部の吸収体の厚みよりも厚くなった部位のことであり、吸収体の圧縮部以外の部位に比して、吸収体の厚みが厚くなった部位をさすわけではない。
吸収体20は、上層吸収体と下層吸収体の二層を有し、前記上層吸収体において、排尿領域の中心部を通過する、長手方向に平行なスリット23を有することが好ましい。スリット23を設けることにより、排尿領域の体液の分散性を向上させることができる。この場合、上層吸収体と下層吸収体の長手方向及び幅方向の寸法は、上層吸収体の寸法が下層吸収体の寸法より大きくてもよく、上層吸収体の寸法が下層吸収体の寸法と同じであってもよく、上層吸収体の寸法が下層吸収体の寸法より小さくてもよい。
本発明における吸収性物品1は、図1に示すように、股部1bに位置する排尿領域を囲って形成される第一のチャネルエンボス40を有する。第一のチャネルエンボス40を有することにより、排尿領域に排泄された体液の分散性を向上することができる。
本発明の吸収性物品1は、図1に示すように、前部1aから後部1cに至る略楕円形の第二のチャネルエンボス50を有する。また、第二のチャネルエンボス50は、少なくとも、股部1bにおける第一のチャネルエンボス40及び後部1cに位置する吸収体20の中高部22よりも、外方に位置する。このように、吸収性物品1に第二のチャネルエンボス50を設けることにより、後述する誘導溝60の効果と相俟って、体液の分散性を向上し、吸収性物品1からの体液の横漏れや後漏れを効果的に抑制することができる。
本発明の吸収性物品1は、第一のチャネルエンボス40と第二のチャネルエンボス50を幅方向に連結する誘導溝60を有する。誘導溝60が第一のチャネルエンボス40と第二のチャネルエンボス50を連結することにより、排尿領域に排泄された体液を第二のチャネルエンボス50へ迅速に移動することができる。特に、一度に多量の体液が排泄された際に、誘導溝60は、効果的に機能する。また、誘導溝60を設けることにより、吸収性物品1が曲がりやすくなり、吸収性物品1を装着しやすくすることができる。
なお、本発明においては、図1に示すように、前部1aにおける第二のチャネルエンボス50と連結する、略U字状の第三のチャネルエンボス51を追加で設けてもよい。第三のチャネルエンボス51を設けることにより、吸収性物品1の吸収体全体への分散性をより向上させることができる。
吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、吸収体20については、このトップシート10とバックシート30との間に、予め中高部22及び圧縮部21を設けた吸収体20を挟持する。そして、トップシート10から吸収体20に亘る第一のチャネルエンボス40、第二のチャネルエンボス50及び誘導溝60を形成させつつ、トップシート10とバックシート30とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。最後に、これを包装体に個別包装した後、長手方向に3つ折り等にして折り畳めばよい。
1a 前部
1b 股部
1c 後部
10 トップシート
20 吸収体
21 吸収体(圧縮部)
22 吸収体(中高部)
23 スリット
30 バックシート
40 第一のチャネルエンボス
50 第二のチャネルエンボス
51 第三のチャネルエンボス
60 誘導溝
Claims (6)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収体と、を有し、
着用者の腹側にあてがわれる前部、着用者の股間にあてがわれる股部、及び着用者の背側にあてがわれる後部、に区分される吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、股部に位置する排尿領域を囲って形成される第一のチャネルエンボスと、前部から後部に至る略楕円形の第二のチャネルエンボスと、第一のチャネルエンボスと第二のチャネルエンボスを幅方向に連結する誘導溝と、を有する吸収性物品。 - 前記吸収体は、少なくとも後部において、圧縮された圧縮部と、前記圧縮部よりも隆起した中高部と、を有し、前記中高部は、第二のチャネルエンボスの内方若しくは外方に、又は第二のチャネルエンボスの内縁に沿って、位置する、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記トップシートは、3次元の凹部及び凸部を有するマッチドエンボスパターンを有する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、上層吸収体と下層吸収体の二層を有し、前記上層吸収体において、排尿領域の中心部を通過する、長手方向に平行なスリットを有する、請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品。
- 第二のチャネルエンボスの溝幅は、股部から前部及び後部にかけて徐々に狭くなる、請求項1から4のいずれかに記載の吸収性物品。
- 後部における第二のチャネルエンボスにより形成されるエンボスパターンの幅方向の寸法が、股部における第二のチャネルエンボスにより形成されるエンボスパターンの幅方向の寸法と比較して狭いことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の吸収性物品。
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