JP2018102094A - ハブダイナモ - Google Patents
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Abstract
Description
一般に、ハブダイナモは、車輪側に永久磁石を備えたロータを配設し、そのロータが、ハブ軸側に設けたステータの周囲にて回転することで、ステータに備わるコイルで発電する。
すなわち、第1ヨークは、コイルの外周側に位置してコイルの軸方向一端側から軸方向他端側に先端を延ばした外周側磁極部と、コイルの内周側に位置してコイルの軸方向一端側から軸方向他端側に向けた中間位置まで先端を延ばした内周側磁極部と、コイルの軸方向一端側において半径方向に沿って直線状に延在し外周側磁極部と内周側磁極部の基端同士を連結する連結部と、を有する側面視コ字形をなしている。
そして、コイルの内周側において、第1ヨークの内周側磁極部の先端と第2ヨークの内周側磁極部の先端とを当接させ、それにより、第1ヨークと第2ヨークとが磁気的に接続されている。
なお、各ヨークの傾斜方向の前方側に位置する積層板状部材の径方向外周端の位置に対し、ヨークの傾斜方向の後方側に位置する前記積層板状部材の径方向外周端の位置を、径方向外方に突出させる方法としては、傾斜方向の前方側と後方側に積層する板状部材の寸法を異ならせたり、傾斜方向の前方側と後方側に積層する板状部材の積層位置をずらしたりする方法を採用することができる。
図1は、ハブダイナモ10の取付概要図である。なお、以下の説明では、本発明に係るハブダイナモ10を自転車1のハブ軸11に取り付け、自転車1の前照灯4に電力を供給する場合について説明する。この前照灯4には、ランプとして、フィラメント式の電球ではなく、LEDランプが使用されている。
図1に示すように、自転車1の前輪5は、フレームの一部を構成するフロントフォーク3によりハブ軸11を介して回転可能に軸支されている。ハブ軸11は、両側がフロントフォーク3にナット(不図示)等により回転不能に締結固定されている。ハブ軸11の軸方向中央の大部分には、ハブダイナモ10が、ハブ軸11と同軸に取り付けられている。このハブダイナモ10は、前輪5の側方に配置された前照灯4に電力を供給するものとして設けられている。
以下、ハブ軸11の中心軸線Oの軸方向を単に軸方向といい、軸方向に直交する方向を径方向といい、中心軸線O周りに沿った方向を周方向という。なお、ハブ軸11のうち、少なくともステータ101(後述)が取り付けられた部分よりも軸方向外側に位置する部分には、フロントフォーク3にハブダイナモ10を固定するための雄ねじ部(不図示)が形成されている。
図2は、ハブダイナモ10の側面図である。図3は、ハブダイナモ10の断面図である。
図2、図3に示すように、ロータ20は、ハブシェル30を主体に構成されている。ハブシェル30は、略有底円筒状に一体成形された円筒状の胴部(筒部)31および胴部31の軸方向他方Q側(図3における右側)の第2のエンドプレート33と、胴部31の軸方向一方P側(図3における左側)の開口を塞ぐ第1のエンドプレート32と、からなる。第1のエンドプレート32は、胴部31に圧入固定されている。
次にステータ101の詳細について説明する。
図6は、ステータ101の構成を示す斜視図である。図7は、ステータ101の構成を示す分解斜視図である。
図6および図7に示すように、ステータ101は、ハブ軸11が挿通される合成樹脂製(非磁性材料製)の筒状のコイルボビン110と、コイルボビン110に巻かれたリング状のコイル140と、コイル140を内側に包囲するように組み立てられたクローポール型のステータコア120と、により構成されている。これらハブ軸11、コイルボビン110、第1ヨーク120Aおよび第2ヨーク120Bは、同軸上に配置されている。
図8は、コイルボビンの斜視図である。図9は、コイルボビンにコイルを巻いた状態を示す斜視図である。
図8および図9に示すように、コイルボビン110は、外周にコイル140が巻回される円筒状の胴部111と、胴部111の軸方向一方P側および軸方向他方Q側の端部外周に径方向外方に張り出すように設けられた第1フランジ112Aおよび第2フランジ112Bと、を有している。
また、第2フランジ112Bの軸方向外側端面には、ガイド溝113Bが設けられている。第2フランジ112Bの外周面には、ガイド溝113Bに対応する位置に、このガイド溝113Bに連通する係合溝114Bが設けられている。これらガイド溝113Bおよび係合溝114Bは、コイルボビン110に、第2ヨーク120Bを位置決めして取り付けるためのものである。
図10は、ステータの斜視半断面図、図11は、ステータの軸方向から見た図であり、(a)は、図6のEA矢視図、(b)は、図6のEB矢視図である。図12は、ステータの第1ヨークと第2ヨークの配置角度を説明するための軸方向から見た1組のヨークとコイルボビンの図である。図13は、第1ヨークと第2ヨークの配置角度を説明するための図で、(a)は、第1ヨークと第2ヨークを組み合わせる前の状態を示す斜視図、(b)は、第1ヨークと第2ヨークを組み合わせた後の状態を示す斜視図、(c)は、図13(b)のF矢視図である。図14は、各ヨークの構成を説明するための図で、(a)は、ヨークを構成する1枚の板状部材の斜視図、(b)は、板状部材を積層して構成したヨークの斜視図、(c)は、連結部側から見たヨークの斜視図である。
ここで、図14(a)〜図14(c)に示すように、第1ヨーク120Aおよび第2ヨーク120Bの各々は、鉄等の磁性体からなる複数の平坦な板状部材130を板厚方向(コイル140の半径方向と直交する方向)に積層した積層ヨーク(積層体)として構成されている。板状部材130(積層板状部材とも言う)の材料としては、例えば、表面に酸化被膜が形成された珪素鋼板(より詳しくは無方向性珪素鋼板)が採用されている。これら板状部材130は、プレス等にて板材を打ち抜き成形したものであり、ヨーク120A、120Bの形成に際して曲げ加工は施されておらず、平坦な板体として構成されている。
各板状部材130の基本的な形状は同じであり、図14(b)および図14(c)に示すように、これら所定枚数の板状部材130を板厚方向に積層することにより、板状部材130の外周側磁極部131によりヨーク120A、120Bの外周側磁極部121が構成されている。また、板状部材130の内周側磁極部133により、ヨーク120A、120Bの内周側磁極部123が構成されている。さらに、板状部材130の連結部132によりヨーク120A、120Bの連結部122が構成されている。本例では、各ヨーク120A、120Bは、7枚の板状部材130を積層することで構成されている。
すなわち、図11および図12に示すように、コイルボビン110の第1フランジ112Aおよび第2フランジ112Bの各ガイド溝113A、113Bも、それらの延在方向が半径方向に対して同様の傾斜角度αA、αBを持つように形成されている。
図15は、隣接ヨーク間の干渉の問題を説明するための図である。図16は、各ヨークの外周縁と永久磁石の内周面との間のエアギャップの問題を説明するための図で、(a)は、ヨークが斜めに配置されることでエアギャップにバラツキが生じることを説明するための図、(b)はエアギャップの均一化を図るためにヨークを構成する各板状部材の外周縁の位置を調節した状態を示す図である。
図15に示すように、ヨーク120A、120Bを円周方向に間隔をおいて軸方向から見て放射状に配列すると、隣接するヨーク120Aの内周側磁極部123が密に並ぶことになり、互いに干渉する可能性が出てくる。そこで、本実施形態では、内周側磁極部123の周方向一端側または他端側の少なくとも一方に、隣接するヨーク120Aの内周端同士の干渉を避ける切欠部135が設けられている。他方のヨーク120Bについても同様である。
そうした場合、ヨーク120A(120B)の傾斜方向の前方側に位置する積層板状部材(例えば、板状部材130−1)の径方向内周端の位置が、ヨーク120A(120B)の傾斜方向の後方側に位置する積層板状部材(例えば、板状部材130−7)の径方向内周端の位置よりも径方向外方にあるように、積層された板状部材130の寸法が決められている。
これにより、板状部材130−1〜130−7を積層した際に、ヨーク120A(120B)の内周側磁極部123の内周端の傾斜方向の前端に、隣のヨーク120A(120B)の内周側磁極部123の内周端との干渉を避ける切欠部135が確保される。
次に、各ヨーク120A、120Bの外周端の問題について述べる。
前述したように、ヨーク120A、120Bを半径方向に対して傾斜して配置すると、図16(a)に示すように、傾斜方向の前方側に位置する積層板状部材(例えば、板状部材130−1)の径方向外周端の位置より、ヨーク120A、120Bの傾斜方向の後方側に位置する積層板状部材(例えば、板状部材130−7)の径方向外周端の位置の方が径方向内方に引っ込んだ形になる。つまり、傾斜方向の前方側の位置における積層板状部材(例えば、前端の板状部材130−1)の径方向外周端と永久磁石22の内周面22aとの間の隙間(エアギャップ)d1より、傾斜方向の後方側の位置における積層板状部材(例えば、後端の板状部材130−7)の径方向外周端と永久磁石22の内周面22aとの間の隙間(エアギャップ)d7の方が大きくなる。この結果、エアギャップd1〜d7に偏りが生じる。実際には、各板状部材130−1〜130−7の外周端と永久磁石22の内周面22aとの間の隙間(エアギャップ)d1〜d7は、d1<d2<d3<d4<d5<d6<d7となる。
(発電の仕組み)
このように構成されたハブダイナモ10の発電は、以下の要領で行われる。
すなわち、前輪5が回転すると、スポーク2により前輪5に接続されたロータ20が前輪5と共にハブ軸11周りに回転し、永久磁石22がステータ101周りを回転する。
例えば、ヨーク120A、120Bを構成する際の板状部材130の積層枚数は任意に定めてよいし、100%出力時のヨーク120A、120Bの個数も32個に限られるものではない。また、ステータ101の個数も1つに限定されず、2つあるいは3つをハブ軸11上に配置してもよい。
5…前輪(車輪)
10…ハブダイナモ
11…ハブ軸
20…ロータ
22…永久磁石
30…ハブシェル
31…胴部
101…ステータ
110…コイルボビン
111…胴部
112A…第1フランジ
112B…第2フランジ
113A…ガイド溝(第1ヨーク連結部ガイド溝)
113B…ガイド溝(第2ヨーク連結部ガイド溝)
114A…係合溝(第1ヨーク外周側ガイド溝)
114B…係合溝(第2ヨーク外周側ガイド溝)
120…ステータコア
120A…第1ヨーク
120B…第2ヨーク
121…外周側磁極部
122…連結部
123…内周側磁極部
123a…先端
130,130−1〜130−7…板状部材
135…切欠部
140…コイル
QA…周方向中央(第1ヨークの配置位置)
QB…周方向中央(第2ヨークの配置位置)
SA0…第1ヨークの配置基準面
SA1…第1ヨークの実配置面
SB0…第2ヨークの配置基準面
SB1…第2ヨークの実配置面
SC…交差線
Claims (6)
- 車輪と共に回転するハブシェルおよび該ハブシェルの胴部内周に円周状に配置された永久磁石を有するロータと、
前記車輪を回転自在に支持するハブ軸に回転不能に固定されると共に、前記ハブシェルの内部に収容された状態で前記永久磁石の内周側に配置され、前記ロータの回転により交番電流を出力するリング状のコイルを有したステータと、
を具備するハブダイナモにおいて、
前記ステータは、ステータコアとして、前記リング状のコイルを包囲するように軸方向一方側と軸方向他方側に配置され、且つ、周方向に間隔をあけて放射状に配置されると共に周方向に交互に配置された複数の第1ヨークおよび複数の第2ヨークを有し、
前記第1ヨークは、
前記コイルの外周側に位置して前記コイルの軸方向一端側から軸方向他端側に先端を延ばした外周側磁極部と、
前記コイルの内周側に位置して前記コイルの軸方向一端側から軸方向他端側に向けた中間位置まで先端を延ばした内周側磁極部と、
前記コイルの軸方向一端側において直線状に延在し前記外周側磁極部と前記内周側磁極部の基端同士を連結する連結部と、
を有し、
前記第2ヨークは、
前記コイルの外周側に位置して前記コイルの軸方向他端側から軸方向一端側に先端を延ばした外周側磁極部と、
前記コイルの内周側に位置して前記コイルの軸方向他端側から軸方向一端側に向けた中間位置まで先端を延ばした内周側磁極部と、
前記コイルの軸方向他端側において直線状に延在し前記外周側磁極部と前記内周側磁極部の基端同士を連結する連結部と、
を有し、
前記第1ヨークおよび前記第2ヨークは、磁性体からなる複数の平坦な板状部材を積層した積層ヨークとして構成され、
前記第1ヨークおよび前記第2ヨークの配置に際し、前記ステータの外周面上に、周方向に間隔をおいて交互に前記第1ヨークの配置位置および第2ヨークの配置位置が設定され、
前記ハブ軸の中心軸線と前記第1ヨークの前記外周側磁極部における外周面側の周方向中央とを含む平面が前記第1ヨークの配置基準面として設定されると共に、前記第1ヨークの配置基準面に対して周方向一方側に傾斜した平面が前記第1ヨークの実配置面として設定されることにより、前記第1ヨークの実配置面上に前記第1ヨークが配置され、
前記ハブ軸の中心軸線と前記第2ヨークの前記外周側磁極部における外周面側の周方向中央とを含む平面が前記第2ヨークの配置基準面として設定されると共に、前記第2ヨークの配置基準面に対して周方向他方側に傾斜した平面が前記第2ヨークの実配置面として設定されることにより、前記第2ヨークの実配置面上に前記第2ヨークが配置され、
前記第1ヨークの実配置面と前記第2ヨークの実配置面との交差線上において、前記第1ヨークの前記内周側磁極部の先端と前記第2ヨークの前記内周側磁極部の先端とが当接している
ことを特徴とするハブダイナモ。 - 前記ステータは、非磁性材料よりなるコイルボビンを有し、
該コイルボビンは、
前記コイルが巻回された円筒状の胴部と、
該胴部の軸方向両端部外周に設けられた第1フランジおよび第2フランジと、
を有し、
前記第1フランジに、前記第1ヨークの軸方向一端部が係合されることにより前記第1ヨークを前記第1ヨークの実配置面上に位置決めするガイド部が設けられ、
前記第2フランジに、前記第2ヨークの軸方向他端部が係合されることにより前記第2ヨークを前記第2ヨークの実配置面上に位置決めするガイド部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のハブダイナモ。 - 前記ガイド部は、
前記第1フランジの軸方向端部に設けられ、前記第1ヨークの前記連結部が嵌まることにより前記第1ヨークを前記第1ヨークの実配置面上に位置決めする第1ヨーク連結部ガイド溝と、
前記第2フランジの軸方向端部に設けられ、前記第2ヨークの前記連結部が嵌まることにより前記第2ヨークを前記第2ヨークの実配置面上に位置決めする第2ヨーク連結部ガイド溝と、
を有することを特徴とする請求項2に記載のハブダイナモ。 - 前記ガイド部は、
前記第1フランジの外周面に設けられ、前記第1ヨークの前記外周側磁極部が嵌まることにより前記第1ヨークを前記第1ヨークの実配置面上に位置決めする第1ヨーク外周側ガイド溝と、
前記第2フランジの外周面に設けられ、前記第2ヨークの前記外周側磁極部が嵌まることにより前記第2ヨークを前記第2ヨークの実配置面上に位置決めする第2ヨーク外周側ガイド溝と、
を有することを特徴とする請求項2または3に記載のハブダイナモ。 - 前記第1ヨークの配置基準面に対する前記第1ヨークの実配置面の傾斜方向、および前記第2ヨークの配置基準面に対する前記第2ヨークの実配置面の傾斜方向を、それぞれ各ヨークの傾斜方向とするとき、
前記第1ヨークおよび前記第2ヨークの傾斜方向の後方側に位置する積層された前記板状部材の径方向外周端の位置が、
前記第1ヨークおよび前記第2ヨークの傾斜方向の前方側に位置する積層された前記板状部材の径方向外周端の位置に対し、径方向外方に突出している
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハブダイナモ。 - 前記第1ヨークおよび前記第2ヨークの内周端の周方向一端側または他端側の少なくとも一方に、周方向で隣接する他の第1ヨークおよび第2ヨークの内周端同士の干渉を避ける切欠部が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のハブダイナモ。
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