JP2018092982A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポイントコンタクト構造の電極を有する太陽電池において安定してBSF層を形成可能な太陽電池の製造方法を得ること。
【解決手段】太陽電池の製造方法は、第1導電型のシリコン基板の一方の面にパッシベーション膜を形成する第1工程と、パッシベーション膜を貫通してパッシベーション膜の表面からシリコン基板の一方の面の表層に達する複数のコンタクトホールを形成する第2工程と、第1導電型の不純物元素を含む電極材料ペーストを複数のコンタクトホール内およびパッシベーション膜上に形成する第3工程と、電極材料ペーストを焼成する第4工程と、を含む。第3工程では、電極材料ペーストを透過させないホールマスク部がコンタクトホールの内部に挿入された状態で、スクリーンメッシュを用いたスクリーン印刷により電極材料ペーストを複数のコンタクトホールの内部およびパッシベーション膜上に塗布する。
【選択図】図4
【解決手段】太陽電池の製造方法は、第1導電型のシリコン基板の一方の面にパッシベーション膜を形成する第1工程と、パッシベーション膜を貫通してパッシベーション膜の表面からシリコン基板の一方の面の表層に達する複数のコンタクトホールを形成する第2工程と、第1導電型の不純物元素を含む電極材料ペーストを複数のコンタクトホール内およびパッシベーション膜上に形成する第3工程と、電極材料ペーストを焼成する第4工程と、を含む。第3工程では、電極材料ペーストを透過させないホールマスク部がコンタクトホールの内部に挿入された状態で、スクリーンメッシュを用いたスクリーン印刷により電極材料ペーストを複数のコンタクトホールの内部およびパッシベーション膜上に塗布する。
【選択図】図4
Description
本発明は、基板の裏面に設けられたパッシベーション膜のコンタクトホールの内部に電極を有する太陽電池の製造方法に関する。
従来、太陽電池の裏面アルミニウム電極として用いられてきたアルミニウムペーストは、アルミニウムがシリコン基板内に拡散することにより、p型不純物が高濃度に拡散したp+層を加熱処理により容易に形成できる。これにより、太陽電池の内部に少数キャリアに対する障壁電界を生じさせることにより多数キャリアの収集効率を向上させる、いわゆるBSF(Back Surface Field)層を容易に形成することができる。結晶シリコン系の太陽電池では、BSF層を形成するために、シリコン基板の裏面の全面にわたって裏面アルミニウム電極が形成されていた。
また、シリコン基板を用いた太陽電池の製造においては、受光面電極と裏面集電電極と裏面アルミニウム電極とを形成するための電極材料ペーストをスクリーン印刷法でシリコン基板に印刷し、同時に焼成することが一般的になっている。
近年、シリコン基板の裏面の再結合速度を抑制するため、シリコン基板の裏面全体がパッシベーション膜で保護され、パッシベーション膜に設けられた微小なコンタクトホールを通じてシリコン基板に電気的に接触するポイントコンタクト構造の裏面アルミニウム電極が提案されている。
一方、特許文献1には、上記の構成を有する太陽電池を形成する際に、シリコン基板とアルミニウム電極層との界面にボイド、すなわち空洞が形成され、BSF層が形成できない場合がある、という問題が報告されている。BSF層が形成されない部分が発生した場合には、太陽電池の出力効率の低下が生じる。
特許文献1では、上記の問題を解決する電極材料ペーストとして、アルミニウム粉末と、アルミニウム−シリコン合金粉末と、シリコン粉末と、ガラス粉末と、有機ビヒクルとを含み、アルミニウム粉末100質量部に対して、アルミニウム−シリコン合金粉末を100質量部以上500質量部以下、シリコン粉末を33質量部以上100質量部以下、含むペースト組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献1のペースト組成物を用いた場合でも、実際の太陽電池の量産においては、BSF層を安定して形成することは困難である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ポイントコンタクト構造の電極を有する太陽電池において安定してBSF層を形成可能な太陽電池の製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、第1導電型のシリコン基板の一方の面にパッシベーション膜を形成する第1工程と、パッシベーション膜を貫通してパッシベーション膜の表面からシリコン基板の一方の面の表層に達する複数のコンタクトホールを形成する第2工程と、第1導電型の不純物元素を含む電極材料ペーストを複数のコンタクトホール内およびパッシベーション膜上に形成する第3工程と、電極材料ペーストを焼成する第4工程と、を含む。第3工程では、電極材料ペーストを透過させないホールマスク部がコンタクトホールの内部に挿入された状態で、スクリーンメッシュを用いたスクリーン印刷により電極材料ペーストを複数のコンタクトホールの内部およびパッシベーション膜上に塗布する。
本発明によれば、ポイントコンタクト構造の電極を有する太陽電池において安定してBSF層を形成することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態にかかる太陽電池の製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの構成を示す断面図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面側から見た上面図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面側と対向する裏面側から見た下面図である。図1は、図2および図3におけるI−I線における断面図である。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの構成を示す断面図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面側から見た上面図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面側と対向する裏面側から見た下面図である。図1は、図2および図3におけるI−I線における断面図である。
本実施の形態1にかかる太陽電池である太陽電池セルにおいては、第1導電型であるp型シリコンからなる半導体基板1の表面である受光面側に、リン拡散によってn型の不純物が拡散された不純物拡散層であるn型不純物拡散層3が形成されているとともにシリコン窒化膜よりなる反射防止膜4が形成されている。
半導体基板1としてはp型の単結晶または多結晶のシリコン基板を用いることができる。なお、半導体基板1はこれに限定されるものではなく、n型のシリコン基板を用いてもよい。また、反射防止膜4には、シリコン酸化膜を用いてもよい。また、太陽電池セルの半導体基板1の受光面側の表面には、テクスチャー構造として微小凹凸2が形成されている。微小凹凸2は、受光面において外部からの光を吸収する面積を増加し、受光面における反射率を抑え、光を閉じ込める構造となっている。
また、半導体基板1の受光面側には、銀、ガラスを含む電極材料により構成される受光面電極8が、反射防止膜4を突き抜けてn型不純物拡散層3に電気的に接続して設けられている。受光面電極8としては、半導体基板1の受光面の面内方向において長尺細長の受光面グリッド電極9が複数並べて設けられ、またこの受光面グリッド電極と導通する受光面バス電極10が半導体基板1の受光面の面内方向において該受光面グリッド電極9と直交するように設けられており、それぞれ底面部においてn型不純物拡散層3に電気的に接続している。なお、図1においては、受光面電極8のうち受光面グリッド電極9のみを示している。
一方、半導体基板1における受光面と反対側の面である裏面には、全体にわたってシリコン窒化膜からなる裏面パッシベーション膜5が設けられている。なお、裏面パッシベーション膜5には、シリコン酸化膜を用いてもよい。裏面パッシベーション膜5には、半導体基板1の裏面に達するドット状のコンタクトホール5aが格子状に配列されて設けられている。また、該コンタクトホール5aが半導体基板1の裏面の表層に延長しており、ドット状のコンタクトホール1aが格子状に配列されて設けられている。コンタクトホール5aとコンタクトホール1aとにより、格子状に配列されたコンタクトホール6が構成されている。コンタクトホール6は、半導体基板1の面内に沿った断面が円形状とされている。
また、半導体基板1の裏面には、裏面電極11が半導体基板1の裏面に電気的に接続して設けられている。裏面電極11としては、コンタクトホール6を埋めるとともに裏面パッシベーション膜5の面内方向において裏面パッシベーション膜5を全体にわたって被覆する裏面アルミニウム電極12が設けられている。さらに、半導体基板1の裏面上には、裏面アルミニウム電極12に囲まれて裏面アルミニウム電極12と電気的に接続する裏面集電電極13が設けられている。裏面アルミニウム電極12は、コンタクトホール1aにおいて半導体基板1の裏面とポイント的に電気的に接続するポイントコンタクトとされている。
また、半導体基板1の裏面の表層における裏面アルミニウム電極12に接する領域周辺には、裏面アルミニウム電極12から拡散源であるアルミニウムが半導体基板1の裏面側に表層に高濃度に拡散したp+領域であるBSF層7が形成されている。すなわち、半導体基板1の裏面の表層におけるコンタクトホール1aに隣接する領域には、BSF層7が形成されている。半導体基板1の裏面側においては、太陽電池セルで発電された電気は、半導体基板1からBSF層7、裏面アルミニウム電極12、裏面集電電極13の経路で流れる。
上述した実施の形態1にかかる太陽電池セルは、上記のような構成を有することにより、1回の焼成においてBSF層7の形成と、アセンブリに必要な裏面集電電極13とを同時に形成することが可能な構成とされており、製造工程の簡略化および電力エネルギーの消費量の低減により製造コストの低下が図られた安価な太陽電池セルが実現されている。
つぎに、上記の本実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法について説明する。図4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法の手順を示すフローチャートである。図5から図9、図12、図14および図15は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法を示す断面図である。図10、図11および図13は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法を示す平面図である。
まず、半導体基板1として、比抵抗が1Ω・m〜6Ω・m、基板厚みAが140μm〜260μmのp型シリコン基板を用意し、該半導体基板1を80℃〜100℃程度の水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液、または室温程度のフッ酸と硝酸との混合溶液などの酸溶液を用いたエッチングにより、スライス時に形成されたダメージ層を除去する。
つぎに、ステップS10において、濃度1wt%〜数wt%の水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いて該半導体基板1に対してエッチングを行うことにより、図5に示すように半導体基板1の表面、すなわち受光面側の表面にテクスチャー構造として深さが1μm〜10μmのサイズの微小凹凸2を形成する。このようなテクスチャー構造を半導体基板1の受光面側に形成することで、太陽電池セルの表面で光の多重反射を生じさせて、実効的に反射率を低減し変換効率を構造させることができる。
つぎに、ステップS20において、表面にテクスチャー構造を形成した半導体基板1に対してオキシ塩化リン(POCl3)、リン酸等のn型の不純物を熱拡散により拡散させて、図6に示すように、シート抵抗が60Ω/□〜200Ω/□程度のn型不純物拡散層3を形成することでPN接合を形成する。ここで、n型不純物拡散層3の形成直後の半導体基板1の表面にはガラスを主成分とする膜が形成されているため、フッ酸等を用いて除去する。また、受光面側をレジストまたは耐酸性樹脂等で保護した後にフッ硝酸溶液中に半導体基板1を浸漬することにより、半導体基板1の端面と裏面側のn型不純物拡散層3を除去する。
つぎに、ステップS30において、図7に示すように、膜厚が65nm〜90nmのSiNHO膜からなる反射防止膜4を、n型不純物拡散層3を形成した半導体基板1の受光面側、すなわちn型不純物拡散層3上に形成する。反射防止膜4の形成には、例えばプラズマ化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)法を使用し、シランとアンモニアと酸素との混合ガスを用いて反射防止膜4としてシリコン窒化膜を形成する。なお、反射防止膜4としてシリコン酸化膜を形成してもよい。
つぎに、ステップS40において、図8に示すように、膜厚が30nm〜100nmのシリコン窒化膜(SIN膜)からなる裏面パッシベーション膜5を、半導体基板1の裏面上に形成する。裏面パッシベーション膜5の膜厚は、コンタクトホール深さD−半導体基板の加工深さBに対応する。裏面パッシベーション膜5を形成することにより、半導体基板1の裏面のシリコン結晶に対するパッシベーション効果が得られる。裏面パッシベーション膜5の形成には、例えばプラズマCVD法を使用することができる。なお、裏面パッシベーション膜5としてシリコン酸化膜を形成してもよい。
つぎに、ステップS50において、図9および図10に示すように、膜厚方向において裏面パッシベーション膜5を貫通し、既定のコンタクトホール径Cが直径30μm〜500μmのドット状のコンタクトホール5aを、裏面パッシベーション膜5の全面に形成する。コンタクトホール5aは、例えばレーザーを用いて、既定の間隔を有する格子状に形成される。つぎに、コンタクトホール5aと同じ既定のコンタクトホール径Cを有するコンタクトホール1aを、半導体基板1の裏面においてコンタクトホール5aの下部に対応する領域にレーザーを用いて形成する。これにより、半導体基板1の裏面側に、コンタクトホール1aとコンタクトホール5aとが連通した、既定のコンタクトホール径Cおよび既定のコンタクトホール深さDを有するコンタクトホール6が形成される。なお、コンタクトホール6は、半導体基板1の裏面側の全面に満遍なくドット状に配置され、且つ半導体基板1の裏面において裏面集電電極13が形成される既定の領域には、形成されない。
コンタクトホール6は、半導体基板1の裏面全体に0.5mm〜2mm程度の間隔で等間隔に配置されている。図10では、隣り合うコンタクトホール6の間隔および数量は模式的に示している。半導体基板1が156mm角の外形を有し、隣り合うコンタクトホール6の間隔が1mmである場合、半導体基板1の裏面側に形成されるコンタクトホール6の数は、156×156=24,336個となる。半導体基板1が156cm角の外形を有し、隣り合うコンタクトホール6の間隔が0.5mmである場合は、半導体基板1の裏面側に形成されるコンタクトホール6の数は、(156/0.5)×(156/0.5)=97,344個となる。すなわち、コンタクトホール6は数万個程度となる。
コンタクトホール6のコンタクトホール径Cが100μmであり、隣り合うコンタクトホール6の間隔が1mmである場合、半導体基板1の裏面すなわち太陽電池セルの裏面に占めるコンタクトホール6の面積率は、[π×502]/[10002]=0.8%である。コンタクトホール6のコンタクトホール径Cが100μmであり、隣り合うコンタクトホール6の間隔が0.5mmである場合、半導体基板1の裏面すなわち太陽電池セルの裏面に占めるコンタクトホール6の面積率は、[π×502]/[5002]=3.1%である。
このように、太陽電池セルの裏面に占めるコンタクトホール6の面積率は数%と小さく、裏面パッシベーション膜5の効果により、裏面アルミニウム電極12の近くでのキャリア消滅が抑制されている。
つぎに、ステップS60において、裏面集電電極13の電極材料であって銀およびガラス等を含む裏面集電電極材料ペースト13aにより、図11に示すように、半導体基板1の裏面における裏面パッシベーション膜5上にスクリーン印刷法により裏面集電電極13のパターンを選択的に印刷する。裏面集電電極材料ペースト13aは、裏面パッシベーション膜5上において、コンタクトホール6が形成されていない既定の形成領域に、既定の間隔を有する格子状に印刷される。その後、裏面集電電極材料ペースト13aを乾燥する。スクリーン印刷には、一般的なスクリーン印刷機が用いられる。すなわち、電極材料ペーストが載せられた状態の印刷マスク上においてスキージを走査させることで、印刷マスクを介して、半導体基板1における印刷面に電極材料ペーストが印刷される。
つぎに、ステップS70において、図12および図13に示すように、裏面アルミニウム電極12の電極材料であってアルミニウムおよびガラス等を含む裏面アルミニウム電極材料ペースト12aにより、半導体基板1の裏面にスクリーン印刷法により裏面アルミニウム電極12のパターンを選択的に印刷する。裏面アルミニウム電極材料ペースト12aは、第1の導電型の拡散源を含む電極材料ペーストである。裏面アルミニウム電極材料ペースト12aは、半導体基板1の裏面において、コンタクトホール6を埋めるとともに裏面パッシベーション膜5の面内方向において裏面パッシベーション膜5を全体にわたって被覆して印刷される。すなわち、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aは、隣り合うコンタクトホール6の間を接続して印刷される。裏面アルミニウム電極材料ペースト12aは、裏面集電電極材料ペースト13aを囲んだ状態で印刷される。また、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aは、半導体基板1の面内において、半導体基板1の端部より0.1mm以上開けて印刷される。その後、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを乾燥する。
つぎに、ステップS80において、図14に示すように、半導体基板1の受光面側の反射防止膜4上に、受光面電極8の電極材料であって銀およびガラス等を含む受光面電極材料ペースト8aを、受光面電極8の形状に選択的にスクリーン印刷法により印刷する。すなわち、受光面電極材料ペースト8aを受光面グリッド電極9のパターンおよび受光面バス電極10のパターンに選択的に印刷する。
つぎに、ステップS90において、図15に示すように、大気中において、例えば700℃〜900℃の温度で2秒〜10秒の時間、裏面集電電極材料ペースト13a、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aおよび受光面電極材料ペースト8aの印刷パターンを同時に焼成する。これにより、受光面電極材料ペースト8aが反射防止膜4をファイヤースルーして貫通し、n型不純物拡散層3と導通する受光面電極8が形成される。
また、裏面アルミニウム電極12および裏面集電電極13が形成されるとともに、半導体基板1の裏面側における裏面アルミニウム電極12に接する領域周辺に、裏面アルミニウム電極12からアルミニウムが高濃度に拡散したp+領域であるBSF層7が形成され、該BSF層7と裏面アルミニウム電極12とがコンタクトホール6内において電気的に接続する。すなわち、コンタクトホール6内に印刷された裏面アルミニウム電極材料ペースト12aと半導体基板1の裏面のシリコンとが共晶反応してBSF層7を形成するとともに、BSF層7に電気的に接続するポイントコンタクトが形成される。
つぎに、上述したステップS70における裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷について、より詳細に説明する。以下、裏面アルミニウム電極12の形成時にコンタクトホール6の内部に発生するボイドを抑制するための印刷マスクについて説明する。
図16は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法において、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷に用いる印刷マスク31の平面図である。図16では、半導体基板1に対向する側の面を示している。図17は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法において、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷に用いる印刷マスクの断面図である。図17は、図16におけるXVII−XVII線における断面図である。
図16および図17に示すように、印刷マスク31は、マスクフレームに保持されたスクリーンメッシュ部32を備える。また、印刷マスク31は、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを印刷しない箇所に、感光性乳剤により構成された乳剤パターンが配置されている。すなわち、印刷マスク31は、感光性乳剤により構成されてスクリーンメッシュ部32に設けられた第1乳剤部33と第2乳剤部34とを備える。なお、図16および図17においては、スクリーンメッシュ部32を保持するマスクフレーム等の図示は省略している。
第1乳剤部33は、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷時にコンタクトホール6の内部に挿入されて裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを透過させないホールマスク部である。第1乳剤部33は、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷時にコンタクトホール6に対応する位置に設けられている。第1乳剤部33は、印刷マスク31の面内に沿った断面が円形とされている。
第2乳剤部34は、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷時に半導体基板1の裏面の周辺部に対向して配置される乳剤部である。第2乳剤部34は、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷時に、例えば半導体基板1の端部より0.1mm以上の範囲の外周縁部および半導体基板1の裏面の外側の領域に対向して配置される。
印刷マスク31は、感光性乳剤でカバーされた部分では裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを通過させず、スクリーンメッシュを露出させた部分で裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを通過させる。すなわち、スクリーンメッシュ部32は、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷時に裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを通過させる。一方、第1乳剤部33と第2乳剤部34とは、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷時に裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを通過させない。
図10に示したように、コンタクトホール6は半導体基板1の裏面側において規則正しく格子状に配置されているが、裏面集電電極13の形成領域には裏面アルミニウム電極材料ペースト12aによるBSF層7が形成されない。このため、図10に示したように、半導体基板1の裏面側において裏面集電電極13の形成領域に対応する領域にはコンタクトホール6が形成されていない。したがって、図16に示すように、印刷マスク31のスクリーンメッシュ部32においては、裏面集電電極13の形成領域に対応する領域には第1乳剤部33が形成されていない。
スクリーン印刷に用いられる一般的な印刷マスクの場合は、乳剤パターンは印刷マスクの全面において同じ厚みで設けられる。一方、本実施の形態1にかかる印刷マスク31は、図17に示すようにコンタクトホール6に対応する箇所は、コンタクトホール深さDに対応する厚み分だけ、他の箇所よりも乳剤パターンが厚くされている。すなわち、コンタクトホール6に挿入される第1乳剤部33の乳剤の厚みは、コンタクトホール深さDに対応する厚み分だけ、第2乳剤部34の乳剤の厚みよりも厚い。第2乳剤部34は一般的な印刷マスクと同様な厚みで構成される。そして、第1乳剤部33は、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷時に半導体基板1の裏面に対向する側、すなわち裏面アルミニウム電極材料ペースト12aが印刷される側にスクリーンメッシュ部32から突出して設けられている。第1乳剤部33と第2乳剤部34との間には概ね次式の関係がある。
(第1乳剤部33の乳剤の厚み)−(第2乳剤部34の乳剤の厚み)=コンタクトホール深さD
(第1乳剤部33の乳剤の厚み)−(第2乳剤部34の乳剤の厚み)=コンタクトホール深さD
上述したステップS70において印刷マスク31を用いて裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷した直後の断面図を図18に示す。図18は、本発明の実施の形態1にかかる印刷マスク31を用いた裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷において印刷マスク31の半導体基板1の裏面からの版離れが始まった直後の状態を示す断面図である。半導体基板1および印刷マスク31は、一般的なスクリーン印刷の場合と同様に配置される。すなわち、半導体基板1は図示しないステージにより吸引固定され、印刷マスク31も図示しない保持機構により固定されている。ここで、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷時に、印刷マスク31の第1乳剤部33がコンタクトホール6に挿入される。
半導体基板1および印刷マスク31は、別途、高精度なアライメント機構により位置決めされている。これにより、第1乳剤部33は、裏面パッシベーション膜5と接触することはなく、コンタクトホール6内に正確に挿入される。裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷時には、第1乳剤部33は、コンタクトホール6の底面と接触するか、またはコンタクトホール6の底面と5μm以下の間隙を有してコンタクトホール6の底面に近接した状態で配置される。これにより、コンタクトホール6内の空気の大半が第1乳剤部33により排除される。
このような状態で裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを印刷することにより、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷直後にスクリーンメッシュ部32のテンションで第1乳剤部33が半導体基板1の裏面から版離れする際に、コンタクトホール6の底部は疑似真空状態となる。そして、コンタクトホール6の底部から離れる第1乳剤部33と、コンタクトホール6の底部と、の界面に裏面アルミニウム電極材料ペースト12aが僅かに引き込まれて裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷ニジミが発生する。
この印刷ニジミによって、図18に示すように、コンタクトホール6の側面側からコンタクトホール6の底部に延在して繋がった薄い裏面アルミニウム電極材料ペースト12aが配置される。これにより、焼成後に形成されるコンタクトホール6の底部の裏面アルミニウム電極12の厚みであるコンタクトホール底部裏面アルミニウム電極厚Gは、図1に示すように、コンタクトホール6の側壁部の裏面アルミニウム電極12の厚みであるコンタクトホール側壁裏面アルミニウム電極厚F、および裏面パッシベーション膜5上の裏面アルミニウム電極厚Eよりも大幅に薄くなる。コンタクトホール底部裏面アルミニウム電極厚Gは、たとえば5μm以下である。
上記のようにして印刷マスク31を用いた裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷を行うことにより、コンタクトホール6の内部のシリコンと裏面アルミニウム電極12との界面にボイド、すなわち空洞が形成されることが防止される。これにより、ボイド発生に起因してBSF層7の形成が妨げられ、BSF効果が十分に得られないことに因る出力効率の低下を防止でき、出力効率の高い太陽電池を製造できる。
ここで、コンタクトホール径C、スクリーン印刷機における半導体基板1と印刷マスク31とのアライメント精度±a、印刷マスクのスクリーンメッシュ部32の伸縮量±b、第1乳剤部の径2cの関係は次式で表される。
C>2a+2b+2c
C>2a+2b+2c
例えば、アライメント精度±a=±5μm、印刷マスクのスクリーンメッシュ部32の伸縮量±b=±20μmである場合、コンタクトホール径C=直径100μmであれば、第1乳剤部の径2cは、2c=直径50μm以下で設計すればよい。第1乳剤部33は、スクリーンメッシュ部32の上における孤立パターンであるが、直径50μmの残しパターンであれば、第1乳剤部33を形成する際の乳剤の印刷時の衝撃による第1乳剤部33のパターン飛びも無く、実現可能である。
また、印刷マスク31では周辺部と中央部とで乳剤の厚みが異なるが、乳剤フィルムを用いたマスク作製方法で簡単に製造可能である。例えば、通常、印刷マスクの仕様としてメッシュ数:#250、メッシュ線径:直径30μmで、裏面アルミニウム電極厚E=30μmの裏面アルミニウム電極12を形成する場合は、フィルム厚30μmの1層目の乳剤フィルムをメッシュ付きマスク枠の全面に貼り付け、続いてフィルム厚30μmの2層目の乳剤フィルムを裏面集電電極13に対応する四角部分とメッシュ付きマスク枠の外周縁部と相当する位置と大きさで貼り付ける。その後、乳剤フィルムにおけるコンタクトホール6に対応する部分を露光現像除去することにより、図17に示すような印刷マスク31を製造できる。2層目の乳剤フィルムのフィルム厚30μmが、コンタクトホール深さD=30μmに相当している。このように、乳剤の厚みが局所的に異なる印刷マスク31は、容易に且つ安価に作製可能である。
乳剤の厚みがスクリーンメッシュの面内において等しい一般的な印刷マスクを用いて裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを印刷する場合には、半導体基板1と裏面アルミニウム電極12との界面およびコンタクトホール6内の裏面アルミニウム電極12に形成されるボイドは、コンタクトホール径Cが小さいほど、またコンタクトホール深さDが深いほど、発生しやすい傾向があることが本発明者等の実験により判明している。コンタクトホール深さDが30μmの場合、コンタクトホール径Cを直径300μmから直径100μmにすると、ボイド発生率は100%に達するまで増加する。一方、本実施の形態1にかかる印刷マスク31を用いることにより、コンタクトホール径Cが直径100μmの場合でもボイドは発生しない。したがって、裏面アルミニウム電極12におけるボイドに起因した出力効率の低下を防止でき、出力効率の高い太陽電池を安価に製造できる。
上述したように、本実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法においては、半導体基板1の裏面側に設けたコンタクトホール6にスクリーン印刷法により裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを埋め込む際に、第1乳剤部33をコンタクトホール6に挿入する。これにより、コンタクトホール6内の空間が第1乳剤部33により埋められ、コンタクトホール6内の不要な空気を追い出すことができる。また、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aの印刷直後に第1乳剤部33が半導体基板1の裏面から版離れする際に、コンタクトホール6の底部が疑似真空状態となる。
そして、コンタクトホール6内の第1乳剤部33の近くの領域は真空状態に近い状態となるので、裏面アルミニウム電極材料ペースト12aが横方向に滲んでコンタクトホール6の底部を薄くアルミペーストが覆う。この薄いアルミペーストにはボイドが無いため、コンタクトホール6に隣接する半導体基板1にBSF層7を安定して形成できる。これにより、コンタクトホール6内の空気が抜けずに半導体基板1と裏面アルミニウム電極材料ペースト12aとの間および裏面アルミニウム電極材料ペースト12a内にボイドが発生することを防止でき、ボイドに起因したBSF層7の未形成部分の発生を防止でき、発電効率の高い太陽電池を安価に製造できる。
したがって、本実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法によれば、ポイントコンタクト構造の電極を有する太陽電池において安定してBSF層を形成することができ、出力効率の高い太陽電池を安価に量産できる。
実施の形態2.
実施の形態2では、コンタクトホール6にスクリーン印刷法により裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを埋め込む際に、コンタクトホール6内の不要な空気を追い出すための他の方法について説明する。
実施の形態2では、コンタクトホール6にスクリーン印刷法により裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを埋め込む際に、コンタクトホール6内の不要な空気を追い出すための他の方法について説明する。
図19は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池セルの構成を示す断面図である。実施の形態2にかかる太陽電池セルの上面図は、上記の図2と同様である。実施の形態2にかかる太陽電池セルの下面図は、上記の図3と同様である。本実施の形態2にかかる太陽電池セルが実施の形態1にかかる太陽電池セルと異なる点は、裏面アルミニウム電極が、第1裏面アルミニウム電極41と、第2裏面アルミニウム電極42と、により構成された裏面アルミニウム電極40とされている点である。
第1裏面アルミニウム電極41は、コンタクトホール6内において底部に配置されている。第2裏面アルミニウム電極42は、裏面パッシベーション膜5上からコンタクトホール6に側面および第1裏面アルミニウム電極41上に沿って形成され、半導体基板1の裏面において裏面集電電極13の形成領域を除いてほぼ全面にわたって形成されている。したがって、コンタクトホール6内において底部には、第1裏面アルミニウム電極41と、第2裏面アルミニウム電極42と、により構成された第1裏面アルミニウム電極の電極厚Jと、第2裏面アルミニウム電極の電極厚Kとの合計の厚みを有する裏面アルミニウム電極40が形成されている。
つぎに、上記の本実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法について説明する。図20は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法の手順を示すフローチャートである。図20に示すフローチャートでは、図4に示したフローチャートと同じ工程については同じステップ番号を付してあり、詳細な説明を省略する。
本実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法が実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法と異なる点は、ステップS60とステップS70との間に、ステップS110の第1裏面アルミニウム電極印刷乾燥工程が挿入されている点である。コンタクトホール先埋め第1裏面アルミニウム電極印刷乾燥工程は、コンタクトホール6にスクリーン印刷法により裏面アルミニウム電極材料ペースト12aを埋め込む前に、別途、アルミニウムペーストをコンタクトホール6にスクリーン印刷法により埋め込む工程である。
図21は、本実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法において第1電極材料ペーストである先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aの印刷に用いる印刷マスク51を示す平面図である。図22は、本実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法において先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aの印刷に用いる印刷マスク51を示す断面図である。図22は、図21におけるXXII−XXII線における断面図である。先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aは、第1裏面アルミニウム電極41の電極材料であって拡散源となるアルミニウムおよびガラス等を含む。
図21および図22に示すように、印刷マスク51は、マスクフレームに保持されたスクリーンメッシュにおいて、先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aを印刷しない箇所に、感光性乳剤により構成された乳剤パターンが配置されている。すなわち、印刷マスク51は、感光性乳剤により構成された第3乳剤部53を備える。印刷マスク51では、スクリーンメッシュにおける面内の大半が第3乳剤部53により覆われている。また、印刷マスク51では、コンタクトホール6に対応する位置に、第3乳剤部53により覆われていないスクリーンメッシュが露出したメッシュ開口部52が設けられている。なお、図21および図22においては、スクリーンメッシュを保持するマスクフレーム等の図示は省略している。
第3乳剤部53は、先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aの印刷時に先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aを透過させないマスク部である。
メッシュ開口部52は、先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aの印刷時に先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aを透過させる。メッシュ開口部52は、先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aの印刷時にコンタクトホール6に対応する位置に設けられている。メッシュ開口部52は、印刷マスク35の面内に沿った断面が円形とされ、コンタクトホール6より小さな開口面積を有する。
ステップS110において印刷マスク51を用いて先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aを印刷した直後の断面図を図23に示す。図23は、本発明の実施の形態2にかかる印刷マスク51を用いた先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aの印刷直後の状態を示す断面図である。図23は、図21におけるXXII−XXII線における断面図に対応する。コンタクトホール6より小さな開口面積を有する印刷マスク51をコンタクトホール6に対向させて配置し、先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aを印刷する。これにより、コンタクトホール6より小さな印刷パターンで、コンタクトホール6内に先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aを印刷できる。また、コンタクトホール6内に印刷される先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aの量は少ないため、第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aに空気が巻き込まれることを防止して、半導体基板1と第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aとの界面および第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41a内のボイドの発生を防止できる。
図23においては、コンタクトホール6と同じ程度の大きさおよび半導体基板の加工深さBと同程度の厚みでコンタクトホール6内に印刷された先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aを示している。なお、コンタクトホール6内に印刷される先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aのパターンは、更に小さくてもよく、また更に薄くてもよい。
ステップS110において印刷マスク51を用いて先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aをコンタクトホール6内に印刷し乾燥した後、ステップS70において第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aにより、半導体基板1の裏面にスクリーン印刷法により第2裏面アルミニウム電極42のパターンを選択的に印刷する。第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aは、第2裏面アルミニウム電極42の電極材料であって拡散源となるアルミニウムおよびガラス等を含む第2電極材料ペーストである。ここでは、第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aと第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aとに、同じ電極材料ペーストを用いる。
図24は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法において第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aの印刷に用いる印刷マスク61を示す断面図である。図25は、本発明の実施の形態2にかかる印刷マスク61を用いた第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aの印刷直後の状態を示す断面図であり、図24におけるXXV−XXV線における要部断面図である。ステップS70においては、上述した印刷マスク31の代わりに、図24に示す半導体基板1の外径より0.1mm程度小さな外形寸法を有するスクリーンメッシュ部62とスクリーンメッシュ部62の外周側に設けられた第4乳剤部63と、を備えた印刷マスク61を用いて第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aを印刷する。
第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aは、半導体基板1の裏面において、コンタクトホール6を埋めるとともに裏面パッシベーション膜5の面内方向において裏面パッシベーション膜5を全体にわたって被覆して印刷される。すなわち、第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aは、隣り合うコンタクトホール6の間を接続して印刷される。第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aは、隣り合うコンタクトホール6に形成された第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41a同士を接続する状態に印刷される。第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aは、裏面集電電極材料ペースト13aを囲んだ状態で印刷される。また、第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aは、半導体基板1の面内において、半導体基板1の端部より0.1mm以上開けて印刷される。その後、第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aを乾燥する。その後は実施の形態1の場合と同様に、ステップS80において電極パターンの焼成が行われる。
コンタクトホール6には、予め第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aが印刷されている。このため、第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aの印刷時には、コンタクトホール6と裏面パッシベーション膜5の表面との段差が小さくされており、コンタクトホール6内の空気が少なくされている。予めコンタクトホール6内に印刷された第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aにより、コンタクトホール6と裏面パッシベーション膜5の表面との段差は半導体基板1と第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aとの界面および第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42a内にボイドが発生しにくい大きさ、例えば5μm以下になっている。これにより、第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aの印刷時に半導体基板1と第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aとの界面および第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42a内に巻き込まれる空気量が少なくなり、ボイドが発生しにくくなる。
上記のように作製される本実施の形態2にかかる太陽電池は、第1裏面アルミニウム電極41と第2裏面アルミニウム電極42とが形成されたコンタクトホール6の底面部の裏面アルミニウム電極40の厚みが、平坦な裏面パッシベーション膜5の上の裏面アルミニウム電極である第2裏面アルミニウム電極42の厚みの2倍相当とされ、BSF層7を形成するには問題ない厚みを有する。
また、先埋め用の第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aは、数μmサイズのアルミニウム粒子と顔料と樹脂成分とを含有している。このため、乾燥後に図25に示すように、コンタクトホール6内においてコンタクトホール6の側壁上部の隣接する領域に空隙が5μm以下程度存在しても、空気はアルミニウム粒子の間隙を抜けてしまうのでボイドになったり、アルミニウム膜が焼成時に熱膨張爆発することもないが、コンタクトホール6の底面に十分存在する第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aによりBSF層7が均一に形成される。
なお、本実施の形態2では、コンタクトホール6の内部に印刷する第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aは、BSF層7を形成するための拡散源を含むことが好ましい。半導体基板1がp型シリコン基板であれば、p型の拡散源となるとともに金属材料として電気抵抗の低いアルミニウムを含むことが好ましい。また、拡散源は、アルミニウム以外のp型の金属材料であってもよい。
また、一方、隣り合うコンタクトホール6の間の領域を接続する第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aは、必ずしもp型の拡散源を含む必要が無く、第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aと異なる電極材料ペーストであってもよく、例えば銀ペーストまたは銅ペーストでも構わない。
上述したように、本実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法では、予めコンタクトホール6内に印刷された第1裏面アルミニウム電極材料ペースト41aを印刷し、その後、第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aを印刷する。これにより、コンタクトホール6内の空気の巻き込みに起因したボイドを発生させずにBSF層7を安定して形成し、安価で高出力な太陽電池セルを製造できる。
なお、上述した実施の形態1および実施の形態2では、コンタクトホール6が円形の開口形状を有する場合について示したが、コンタクトホール6の開口形状は、正方形もしくは長方形でもよく、また櫛形でもよい。
また、上述した実施の形態1および実施の形態2では、p型シリコン基板とn型不純物拡散層との組み合わせによるPN接合を有する太陽電池について説明したが、n型シリコン基板とp型不純物拡散層との組み合わせによるPN接合を有する太陽電池に上記の太陽電池の製造方法を適用してもよい。
また、実施の形態2では、第1裏面アルミニウム電極41と第2裏面アルミニウム電極42とは異なる組成を有する電極材料ペーストであってもよい。
また、ステップS60において裏面集電電極材料ペースト13aを印刷するための印刷マスクに印刷マスク61の印刷パターンを形成することにより、1枚のマスクで裏面集電電極材料ペースト13aの印刷と第2裏面アルミニウム電極材料ペースト42aの印刷とを行うことができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 半導体基板、1a,5a,6 コンタクトホール、2 微小凹凸、3 n型不純物拡散層、4 反射防止膜、5 裏面パッシベーション膜、7 BSF層、8 受光面電極、8a 受光面電極材料ペースト、9 受光面グリッド電極、10 受光面バス電極、11 裏面電極、12 裏面アルミニウム電極、12a 裏面アルミニウム電極材料ペースト、13 裏面集電電極、13a 裏面集電電極材料ペースト、31 印刷マスク、32 スクリーンメッシュ部、33 第1乳剤部、34 第2乳剤部、40 裏面アルミニウム電極、41 第1裏面アルミニウム電極、41a 第1裏面アルミニウム電極材料ペースト、42 第2裏面アルミニウム電極、42a 第2裏面アルミニウム電極材料ペースト、52 メッシュ開口部、53 第3乳剤部、61 印刷マスク、62 スクリーンメッシュ部、63 第4乳剤部、A 基板厚み、B 半導体基板の加工深さ、C コンタクトホール径、D コンタクトホール深さ、E 裏面アルミニウム電極厚、F コンタクトホール側壁裏面アルミニウム電極厚、G コンタクトホール底部裏面アルミニウム電極厚、J 第1裏面アルミニウム電極の電極厚、K 第2裏面アルミニウム電極の電極厚。
Claims (7)
- 第1導電型のシリコン基板の一方の面にパッシベーション膜を形成する第1工程と、
前記パッシベーション膜を貫通して前記パッシベーション膜の表面から前記シリコン基板の前記一方の面の表層に達する複数のコンタクトホールを形成する第2工程と、
第1の導電型の拡散源を含む電極材料ペーストを前記複数のコンタクトホール内および前記パッシベーション膜上に形成する第3工程と、
前記電極材料ペーストを焼成する第4工程と、
を含み、
前記第3工程では、前記電極材料ペーストを透過させないホールマスク部が前記コンタクトホールの内部に挿入された状態で、スクリーンメッシュを用いたスクリーン印刷により前記電極材料ペーストを前記複数のコンタクトホールの内部および前記パッシベーション膜上に塗布すること、
を特徴とする太陽電池の製造方法。 - 前記第3工程では、前記スクリーンメッシュに設けられた前記ホールマスク部を前記コンタクトホールの内部に挿入すること、
を特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。 - 第1導電型のシリコン基板の一方の面にパッシベーション膜を形成する第1工程と、
前記パッシベーション膜を貫通して前記パッシベーション膜の表面から前記シリコン基板の前記一方の面の表層に達する複数のコンタクトホールを形成する第2工程と、
前記コンタクトホールの底面に、第1の導電型の拡散源を含む第1電極材料ペーストを塗布する第3工程と、
隣り合う前記コンタクトホールの間の領域の前記パッシベーション膜上に、隣り合う前記コンタクトホール内の前記第1電極材料ペースト同士を接続する状態に第2電極材料ペーストを塗布する第3工程と、
前記第1電極材料ペーストと前記第2電極材料ペーストとが塗布された前記シリコン基板を焼成する第4工程と、
を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 前記第3工程では、スクリーンメッシュを用いたスクリーン印刷により前記第1電極材料ペーストを塗布すること、
を特徴とする請求項3に記載の太陽電池の製造方法。 - 前記第1電極材料ペーストと前記第2電極材料ペーストに同じ電極材料ペーストを用いること、
を特徴とする請求項3または4に記載の太陽電池の製造方法。 - 前記第3工程と前記第4工程とが異なる工程で実施され、
前記第3工程では、前記隣り合うコンタクトホールの間の領域には前記第1の電極材料ペーストを塗布しないこと、
を特徴とする請求項4に記載の太陽電池の製造方法。 - 前記第1電極材料ペーストと前記第2電極材料ペーストとに異なる電極材料ペーストを用いること、
を特徴とする請求項6に記載の太陽電池の製造方法。
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