JP2018088444A - 熱電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部抵抗が低く、出力が大きく、かつ柔軟性が高い熱電変換素子を提供する。【解決手段】本発明に係る熱電変換素子1は、シート状の複数の熱電変換材料2と、第1の導電接続部3と、第2の導電接続部4とを備え、複数の熱電変換材料2は、互いに接するように直接積層された状態であるか、又は、複数の熱電変換材料2は、互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態であり、第1の導電接続部3は、複数の熱電変換材料2を導電接続しており、第2の導電接続部4は、第1の導電接続部3と離れた位置において、複数の熱電変換材料2を導電接続している。【選択図】図1
Description
本発明は、熱電変換素子に関する。
近年、エネルギー問題への取り組みが活発化しており、熱エネルギーの回収技術への期待が高まっている。熱は、体温、太陽熱、エンジン及び工業排熱など様々な場面から回収することができ、最も一般的なエネルギー源である。また、エネルギー効率の高い低炭素社会を実現するために、熱エネルギーの回収技術の必要性は増大している。
熱エネルギーの回収技術としては、ゼーベック効果(又はペルチェ効果)に基づく熱電変換デバイスが、温度差発電、熱センサ及び冷却などの様々な場面で既に活用されている。熱電変換デバイスは、例えば、p型半導体とn型半導体との組み合わせである熱電対が多数直列に接続されたモジュール構造を有する。このような熱電変換デバイスは、可動部がないことから騒音及び振動が無く、スケール効果が無く、小さな温度差でも発電でき、様々な機器及び環境に組み込めるという多くの利点を有する。
上記のような熱電変換デバイスの一例が、下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の熱電変換デバイスは、複数の熱電変換材料を有する。熱電変換材料は、カーボンナノチューブ及びドーパントを含む。ドーパントをカーボンナノチューブの凝集体の内部にも吸着させることにより、ドーパントとカーボンナノチューブとの接触抵抗が低くなる。複数の熱電変換材料は、電極を介して電気的に接続されている。
熱電変換素子の出力は、熱電変換材料の内部抵抗を低くするほど大きくなる傾向がある。熱電変換材料の厚みを厚くし、断面積を大きくすることにより内部抵抗は低くなるが、その一方で、柔軟性が損なわれる。このように、従来の熱電変換素子では、内部抵抗を低くし、出力を高めることと、柔軟性を高めることとの両立は困難である。
本発明は、内部抵抗を低くすることができ、出力を大きくすることができ、かつ柔軟性を高めることができる熱電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の広い局面によれば、シート状の複数の熱電変換材料と、第1の導電接続部と、第2の導電接続部とを備え、前記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直接積層された状態であるか、又は、前記複数の熱電変換材料は、互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態であり、前記第1の導電接続部は、前記複数の熱電変換材料を導電接続しており、前記第2の導電接続部は、前記第1の導電接続部と離れた位置において、前記複数の熱電変換材料を導電接続している、熱電変換素子が提供される。
本発明に係る熱電変換素子のある特定の局面では、前記第1の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部を導電接続しており、前記第2の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部を導電接続している。
本発明に係る熱電変換素子のある特定の局面では、前記第1の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部の側面上に配置されており、かつ前記第2の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部の側面上に配置されているか、又は、前記第1の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部において、前記複数の熱電変換材料の間に配置されており、かつ前記第2の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部において、前記複数の熱電変換材料の間に配置されている。
本発明に係る熱電変換素子のある特定の局面では、前記第1の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部において、前記複数の熱電変換材料の間に配置されており、前記第2の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部において、前記複数の熱電変換材料の間に配置されている。
本発明に係る熱電変換素子のある特定の局面では、前記熱電変換材料を少なくとも3つ有し、前記第1の導電接続部を少なくとも2つ有し、前記第2の導電接続部を少なくとも2つ有し、前記第1の導電接続部が前記複数の熱電変換材料を導電接続している部分において、前記熱電変換材料と、前記第1の導電接続部と、前記熱電変換材料と、前記第1の導電接続部と、前記熱電変換材料とが、この順で積層されており、前記第2の導電接続部が前記複数の熱電変換材料を導電接続している部分において、前記熱電変換材料と、前記第2の導電接続部と、前記熱電変換材料と、前記第2の導電接続部と、前記熱電変換材料とが、この順で積層されている。
本発明に係る熱電変換素子のある特定の局面では、前記複数の熱電変換材料の厚みがそれぞれ、100μm以下である。
本発明に係る熱電変換素子のある特定の局面では、前記複数の熱電変換材料の厚みがそれぞれ、50μm以下である。
本発明に係る熱電変換素子のある特定の局面では、前記複数の熱電変換材料がカーボンナノチューブを含む。
本発明に係る熱電変換素子のある特定の局面では、前記第1の導電接続部及び前記第2の導電接続部の材料がそれぞれ、銀ペーストである。
本発明に係る熱電変換素子は、シート状の複数の熱電変換材料と、第1の導電接続部と、第2の導電接続部とを備え、上記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直接積層された状態であるか、又は、上記複数の熱電変換材料は、互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態であり、上記第1の導電接続部は、上記複数の熱電変換材料を導電接続しており、上記第2の導電接続部は、上記第1の導電接続部と離れた位置において、上記複数の熱電変換材料を導電接続しているので、内部抵抗を低くすることができ、出力を大きくすることができ、かつ柔軟性を高めることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る熱電変換素子は、シート状の複数の熱電変換材料と、第1の導電接続部と、第2の導電接続部とを備える。上記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直接積層された状態であるか、又は、互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態である。上記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直接積層された状態に限られない。上記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直接積層された状態であってもよく、互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態であってもよい。上記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直接積層された部分を有していてもよく、互いに接しないように間隔を隔てて積層された部分を有していてもよい。上記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直接積層された部分と、互いに接しないように間隔を隔てて積層された部分とを有していてもよい。上記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直接積層された部分のみを有していてもよく、互いに接しないように間隔を隔てて積層された部分のみを有していてもよい。上記第1の導電接続部は、上記複数の熱電変換材料を導電接続している。上記第2の導電接続部は、上記第1の導電接続部と離れた位置において、上記複数の熱電変換材料を導電接続している。
本発明に係る熱電変換素子では、各上記熱電変換材料はシート状であり、厚みを薄くすることができるので、柔軟性を高くすることができる。上記複数の熱電変換材料は表面に、一般的に凹凸を有する。そのため、上記複数の熱電変換材料が互いに接するように直接積層された状態の場合においても、上記複数の熱電変換材料の表面全面同士が密着した状態とはなり難い。よって、熱電変換材料が一体で形成されている熱電変換素子よりも、シート状の複数の熱電変換素子が積層された熱電変換素子の方が、柔軟性を高めることができる。さらに、本発明に係る熱電変換素子では、熱電変換素子における複数の熱電変換材料の全体としての厚みを厚くすることができるので、熱電変換素子の内部抵抗を低くすることができ、出力を高めることができる。
上記複数の熱電変換材料が互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態の場合には、柔軟性をより一層高めることができる。
上記熱電変換素子の出力を効果的に高める観点からは、上記第1の導電接続部が、上記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部を導電接続しており、上記第2の導電接続部が、上記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部を導電接続していることが好ましい。この場合には、上記熱電変換素子の両端部の温度差を効果的に大きくすることができるので、出力を効果的に高めることができる。
上記熱電変換素子の出力を効果的に高める観点からは、上記第1の導電接続部が、上記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部の側面上に配置されており、かつ上記第2の導電接続部が、上記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部の側面上に配置されていることが好ましい。この場合には、温度差を効果的に大きくすることができ、出力を効果的に高めることができる。
上記熱電変換素子の内部抵抗をより一層低くする観点からは、上記第1の導電接続部が、上記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部において、上記複数の熱電変換材料の間に配置されており、かつ上記第2の導電接続部が、上記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部において、上記複数の熱電変換材料の間に配置されていることが好ましい。この場合には、上記複数の熱電変換材料が上記第1の導電接続部により導電接続されている部分の面積を大きくすることができ、かつ上記複数の熱電変換材料が上記第2の導電接続部により導電接続されている部分の面積を大きくすることができる。熱電変換素子の内部抵抗をより一層小さくすることができ、出力をより一層に高めることができる。
上記第1,第2の導電接続部が上記複数の熱電変換材料の間に配置されている場合において、上記複数の熱電変換材料が、互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態であることがより好ましい。この場合には、出力をより一層高めることができ、かつ柔軟性をより一層高めることができる。なお、上記第1,第2の導電接続部が上記複数の熱電変換材料の間に配置されている場合において、上記複数の熱電変換材料が互いに接していてもよい。
上記熱電変換素子の出力を効果的に高める観点からは、上記熱電変換材料を3つ以上有することが好ましい。上記複数の熱電変換材料が導電接続されている部分の面積を大きくすることができ、内部抵抗を低くすることができるので、上記第1の導電接続部を少なくとも2つ有し、上記第2の導電接続部を少なくとも2つ有することが好ましい。上記第1の導電接続部が上記複数の熱電変換材料を導電接続している部分において、上記熱電変換材料と、上記第1の導電接続部と、上記熱電変換材料と、上記第1の導電接続部と、上記熱電変換材料とが、この順で積層されていることが好ましい。同様に、上記第2の導電接続部が上記複数の熱電変換材料を導電接続している部分において、上記熱電変換材料と、上記第2の導電接続部と、上記熱電変換材料と、上記第2の導電接続部と、上記熱電変換材料とが、この順で積層されていることが好ましい。
上記熱電変換素子の柔軟性を効果的に高める観点からは、上記複数の熱電変換材料の厚みがそれぞれ、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
上記熱電変換素子を破損し難くする観点からは、上記複数の熱電変換材料の厚みがそれぞれ、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。
上記熱電変換素子の内部抵抗を効果的に低くする観点からは、上記第1の導電接続部及び上記第2の導電接続部の材料がそれぞれ、銀ペーストであることが好ましい。なお、上記第1の導電接続部及び上記第2の導電接続部の材料は、銀ペーストには限定されず、例えば、銀以外の金属ペーストや導電性を有する接着剤等、他の適宜の導電性接合剤であってもよい。
上記第1の導電接続部及び上記第2の導電接続部の材料は、例えば、それぞれ金属箔であってもよい。このとき、上記第1の導電接続部及び上記第2の導電接続部の材料である金属箔の表面は粗面処理されていることが好ましい。この場合には、上記熱電変換材料同士の間に上記金属箔を挟み、加圧することにより、上記熱電変換材料を上記金属箔を介して容易に圧着することができるので、生産性を高めることができる。
上記熱電変換素子の出力を効果的に高める観点からは、上記熱電変換材料がカーボンナノチューブを含むことが好ましい。上記熱電変換材料は、例えば、カーボンナノチューブを含む不織布状の熱電変換材料であってもよい。
上記熱電変換材料がカーボンナノチューブを含む場合において、導電性を効果的に高める観点からは、上記熱電変換材料100重量%中において、カーボンナノチューブの含有量は好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、好ましくは100重量%以下である。
カーボンナノチューブを含むシート状の熱電変換材料は、例えば、カーボンナノチューブが分散された液体をろ過することにより得られた堆積物を乾燥させることにより作製することができる。導電性を高くするために熱電変換材料の厚みを厚くする場合、上記堆積物の厚みが厚くなり、上記ろ過の効率が低くなるので、生産性が低くなる傾向がある。また、カーボンナノチューブを含む熱電変換材料の厚みを厚くしたとしても、導電性が低くなる場合がある。これは、熱電変換材料の厚みが厚くなるほど、カーボンナノチューブの配向の制御が困難になること等に起因すると考えられる。
これに対して、本発明の上記熱電変換素子においては、上記複数の熱電変換材料が積層されている。各上記熱電変換材料の厚みを薄くすることができるので、生産効率を高めることができる。加えて、上記熱電変換素子の内部抵抗をより確実に低くすることができ、出力をより確実に高くすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱電変換素子の正面図である。
なお、実施形態において参照する図面は、模式的に記載されており、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。具体的な物体の寸法の比率などは、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1に示す熱電変換素子1は、シート状の複数の熱電変換材料2と、複数の第1の導電接続部3と、複数の第2の導電接続部4とを備える。
複数の第1の導電接続部3は、複数の熱電変換材料2の両端部のうちの一方の端部に配置されている。複数の第2の導電接続部4は、複数の熱電変換材料2の両端部のうちの他方の端部に配置されている。具体的には、第1の導電接続部3は、複数の熱電変換材料2の両端部のうちの一方の端部において、複数の熱電変換材料2の間に配置されている。第2の導電接続部4は、複数の熱電変換材料2の両端部のうちの他方の端部において、複数の熱電変換材料2の間に配置されている。第1の導電接続部3が複数の熱電変換材料2を導電接続している部分において、熱電変換材料2と、第1の導電接続部3と、熱電変換材料2と、第1の導電接続部3と、熱電変換材料2とが、この順で積層されている。同様に、第2の導電接続部4が複数の熱電変換材料2を導電接続している部分において、熱電変換材料2と、第2の導電接続部4と、熱電変換材料2と、第2の導電接続部4と、熱電変換材料2とが、この順で積層されている。複数の熱電変換材料2は、互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態である。
本実施形態では、熱電変換材料2はカーボンナノチューブを含む。また、本実施形態では、第1の導電接続部3及び第2の導電接続部4の材料は銀ペーストである。
各熱電変換材料2の厚みを薄くすることができ、かつ複数の熱電変換材料2の全体としての厚みを厚くすることができるので、熱電変換素子1の内部抵抗を低くすることができ、出力を大きくすることができ、かつ柔軟性を高めることができる。
なお、熱電変換材料は、第1,第2の導電接続部に導電接続されている部分以外の部分において、他の熱電変換材料に接していてもよい。本実施形態のように、複数の熱電変換材料2は、互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態であることが好ましい。この場合には、柔軟性をより一層高めることができる。
本実施形態では、熱電変換素子1において3つの熱電変換材料2が積層されている。熱電変換素子1は、第1の導電接続部3を2つ有し、第2の導電接続部4を2つ有する。なお、熱電変換素子においては、4つ以上の熱電変換材料が積層されていてもよい。熱電変換素子は、第1の導電接続部を3つ以上有し、第2の導電接続部を3つ以上有していてもよい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る熱電変換素子の正面図である。
図2に示す熱電変換素子11は、シート状の複数の熱電変換材料2と、第1の導電接続部13と、第2の導電接続部14とを備える。熱電変換材料2は、互いに接するように直接積層された状態である。
熱電変換材料2は、対向し合う主面2a,2bを有し、両端部において側面2c,2dを有する。第1の導電接続部13は、複数の熱電変換材料2の両端部のうちの一方の端部の側面2c上に配置されている。第2の導電接続部14は、複数の熱電変換材料2の両端部のうちの他方の端部の側面2d上に配置されている。本実施形態では、第1の導電接続部13は、側面2cから、厚み方向における最も外側の2つの熱電変換材料2のうちの一方の熱電変換材料2の主面2a及び最も外側の2つの熱電変換材料2のうちの他方の熱電変換材料2の主面2bに延びている。第2の導電接続部14も、側面2dから、厚み方向における最も外側の2つの熱電変換材料2のうちの一方の熱電変換材料2の主面2a及び最も外側の2つの熱電変換材料2のうちの他方の熱電変換材料2の主面2bに延びている。熱電変換素子11を安定的に加熱することができ、かつ放熱性を高めることができる。
なお、第1の導電接続部及び第2の導電接続部は、熱電変換部材の主面に至っていなくてもよい。
各熱電変換材料2の厚みを薄くすることができ、かつ複数の熱電変換材料2の全体としての厚みを厚くすることができるので、熱電変換素子11の内部抵抗を低くすることができ、出力を大きくすることができ、かつ柔軟性を高めることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。なお、各実施例及び比較例においては、熱電変換材料として、CNT不織布を用いた。
(実施例1)
(CNT分散液の作製)
単層カーボンナノチューブ(OCSiAl社製)250mgをo−ジクロロベンゼン1Lに加え、超音波分散装置を用いて分散液を作製した。
(CNT分散液の作製)
単層カーボンナノチューブ(OCSiAl社製)250mgをo−ジクロロベンゼン1Lに加え、超音波分散装置を用いて分散液を作製した。
(CNT不織布の作製)
有効ろ過面積113平方センチの加圧ろ過装置を用いて、CNT分散液1Lを約10分間ろ過し、面内5点測定の平均厚み47μmのCNT不織布を得た。このとき、穴径0.2μmのメンブレンフィルターを使用した。次に、同様の操作で面内5点測定の平均厚み46μmのCNT不織布を得た。
有効ろ過面積113平方センチの加圧ろ過装置を用いて、CNT分散液1Lを約10分間ろ過し、面内5点測定の平均厚み47μmのCNT不織布を得た。このとき、穴径0.2μmのメンブレンフィルターを使用した。次に、同様の操作で面内5点測定の平均厚み46μmのCNT不織布を得た。
(CNT不織布のn型化)
18−クラウン−6−エーテル及び水酸化カリウムのそれぞれの濃度が0.1Mとなるように調整したメタノール溶液にCNT不織布シートを48時間浸漬した後取出し、常温にて乾燥し、n型のCNT不織布を得た。
18−クラウン−6−エーテル及び水酸化カリウムのそれぞれの濃度が0.1Mとなるように調整したメタノール溶液にCNT不織布シートを48時間浸漬した後取出し、常温にて乾燥し、n型のCNT不織布を得た。
(熱電変換デバイスの作製)
n型のCNT不織布と、n型化していないp型のCNT不織布とのそれぞれからから3mm×6mmの短冊を切り出した。個々のp型及びn型のCNT不織布短冊2枚を積層させ、銀ペーストにより長手方向の両端部で電気的に接続した。なお、熱電変換デバイスの温度差を発生させる区間(CNT不織布短冊の長手方向の両端の距離)は2mmとした。これにより、面内で温度差を取るpn対が20対であるπ型の熱電変換デバイスを作製した。
n型のCNT不織布と、n型化していないp型のCNT不織布とのそれぞれからから3mm×6mmの短冊を切り出した。個々のp型及びn型のCNT不織布短冊2枚を積層させ、銀ペーストにより長手方向の両端部で電気的に接続した。なお、熱電変換デバイスの温度差を発生させる区間(CNT不織布短冊の長手方向の両端の距離)は2mmとした。これにより、面内で温度差を取るpn対が20対であるπ型の熱電変換デバイスを作製した。
(実施例2)
p型及びn型のCNT不織布短冊を3枚積層したこと以外は実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。
p型及びn型のCNT不織布短冊を3枚積層したこと以外は実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。
(実施例3)
p型及びn型のCNT不織布短冊を4枚積層したこと以外は実施例1と同様にして発電
デバイスを作製した。
p型及びn型のCNT不織布短冊を4枚積層したこと以外は実施例1と同様にして発電
デバイスを作製した。
(比較例1)
(CNT分散液の作製)
単層カーボンナノチューブ(OCSiAl社製)500mgをo−ジクロロベンゼン1Lに加え、超音波分散装置を用いて分散液を作製した。
(CNT分散液の作製)
単層カーボンナノチューブ(OCSiAl社製)500mgをo−ジクロロベンゼン1Lに加え、超音波分散装置を用いて分散液を作製した。
(CNT不織布の作製)
ろ過の時間を約40分間とした以外は、実施例1と同様にして、面内5点の平均厚み93μmのCNT不織布を得た。次に、同様の操作で面内5点の平均厚み95μmのCNT不織布を得た。
ろ過の時間を約40分間とした以外は、実施例1と同様にして、面内5点の平均厚み93μmのCNT不織布を得た。次に、同様の操作で面内5点の平均厚み95μmのCNT不織布を得た。
(CNT不織布のn型化)
実施例1と同様にしてn型のCNT不織布を得た。
実施例1と同様にしてn型のCNT不織布を得た。
(熱電変換デバイスの作製)
上記のように作製したCNT不織布を用いて、p型、n型とも短冊1枚のみとし、積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。
上記のように作製したCNT不織布を用いて、p型、n型とも短冊1枚のみとし、積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。
(比較例2)
(CNT分散液の作製)
単層カーボンナノチューブ(OCSiAl社製)750mgをo−ジクロロベンゼン1Lに加え、超音波分散装置を用いて分散液を作製した。
(CNT分散液の作製)
単層カーボンナノチューブ(OCSiAl社製)750mgをo−ジクロロベンゼン1Lに加え、超音波分散装置を用いて分散液を作製した。
(CNT不織布の作製)
ろ過の時間を約4時間とした以外は、実施例1と同様にして、面内5点の平均厚み138μmのCNT不織布を得た。次に、同様の操作で面内5点の平均厚み140μmのCNT不織布を得た。
ろ過の時間を約4時間とした以外は、実施例1と同様にして、面内5点の平均厚み138μmのCNT不織布を得た。次に、同様の操作で面内5点の平均厚み140μmのCNT不織布を得た。
(CNT不織布のn型化)
実施例1と同様にしてn型のCNT不織布を得た。
実施例1と同様にしてn型のCNT不織布を得た。
(熱電変換デバイスの作製)
上記のように作製したCNT不織布を用いて、p型、n型とも短冊1枚のみとし、積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。
上記のように作製したCNT不織布を用いて、p型、n型とも短冊1枚のみとし、積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。
(比較例3)
(CNT分散液の作製)
単層カーボンナノチューブ(OCSiAl社製)1000mgをo−ジクロロベンゼン1Lに加え超音波分散装置を用いて分散液を作製した。
(CNT分散液の作製)
単層カーボンナノチューブ(OCSiAl社製)1000mgをo−ジクロロベンゼン1Lに加え超音波分散装置を用いて分散液を作製した。
(CNT不織布の作製)
ろ過の時間を約7時間とした以外は、実施例1と同様にして、面内5点の平均厚み192μmのCNT不織布を得た。次に、同様の操作で面内5点の平均厚み190μmのCNT不織布を得た。
ろ過の時間を約7時間とした以外は、実施例1と同様にして、面内5点の平均厚み192μmのCNT不織布を得た。次に、同様の操作で面内5点の平均厚み190μmのCNT不織布を得た。
(CNT不織布のn型化)
実施例1と同様にしてn型のCNT不織布を得た。
実施例1と同様にしてn型のCNT不織布を得た。
(熱電変換デバイスの作製)
上記のように作製したCNT不織布を用いて、p型、n型とも短冊1枚のみとし、積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。
上記のように作製したCNT不織布を用いて、p型、n型とも短冊1枚のみとし、積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして熱電変換デバイスを作製した。
(熱電変換デバイスの評価)
23℃における熱電変換デバイスの抵抗値および熱電変換デバイスの加熱端に100℃の熱源を接触させ、冷却端は23℃の環境で自然放熱させ、その時の抵抗値、電圧値及び電流値を測定した。個々の測定にはデジタルマルチメータ(三和電機社製「PC710」)を使用した。各測定値は1分間の平均値を小数点第2位を四捨五入した値を下記の表1に記載した。なお、測定値は実測値であり、デジタルマルチメータの内部抵抗の影響を受けている。
23℃における熱電変換デバイスの抵抗値および熱電変換デバイスの加熱端に100℃の熱源を接触させ、冷却端は23℃の環境で自然放熱させ、その時の抵抗値、電圧値及び電流値を測定した。個々の測定にはデジタルマルチメータ(三和電機社製「PC710」)を使用した。各測定値は1分間の平均値を小数点第2位を四捨五入した値を下記の表1に記載した。なお、測定値は実測値であり、デジタルマルチメータの内部抵抗の影響を受けている。
表1に示すように、比較例1〜3においては、抵抗値は17Ωより高い。また、CNT不織布短冊の厚みが厚くなるほど、抵抗値は大きくなり、電流値は小さくなっており、かつ電圧値も大きく下降している。
これに対して、実施例1〜3においては、抵抗値を11.5Ω以下とすることができていることがわかる。さらに、p型及びn型のCNT不織布短冊の積層数が多くなり、全体としての熱電変換材料の厚みが厚くなるほど、抵抗値は小さくなり、電流値が大きくなっている。加えて、CNT不織布短冊の積層数が多くなることほど、電流値及び電圧値の積としての出力は大きくなっている。このように、実施例1〜3では、内部抵抗を低くすることができ、出力を大きくすることができている。
1…熱電変換素子
2…熱電変換材料
2a,2b…主面
2c,2d…側面
3,4…第1,第2の導電接続部
11…熱電変換素子
13,14…第1,第2の導電接続部
2…熱電変換材料
2a,2b…主面
2c,2d…側面
3,4…第1,第2の導電接続部
11…熱電変換素子
13,14…第1,第2の導電接続部
Claims (9)
- シート状の複数の熱電変換材料と、
第1の導電接続部と、
第2の導電接続部とを備え、
前記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直接積層された状態であるか、又は、前記複数の熱電変換材料は、互いに接しないように間隔を隔てて積層された状態であり、
前記第1の導電接続部は、前記複数の熱電変換材料を導電接続しており、
前記第2の導電接続部は、前記第1の導電接続部と離れた位置において、前記複数の熱電変換材料を導電接続している、熱電変換素子。 - 前記第1の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部を導電接続しており、
前記第2の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部を導電接続している、請求項1に記載の熱電変換素子。 - 前記第1の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部の側面上に配置されており、かつ前記第2の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部の側面上に配置されているか、又は、
前記第1の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部において、前記複数の熱電変換材料の間に配置されており、かつ前記第2の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部において、前記複数の熱電変換材料の間に配置されている、請求項2に記載の熱電変換素子。 - 前記第1の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの一方の端部において、前記複数の熱電変換材料の間に配置されており、
前記第2の導電接続部が、前記複数の熱電変換材料の両端部のうちの他方の端部において、前記複数の熱電変換材料の間に配置されている、請求項3に記載の熱電変換素子。 - 前記熱電変換材料を少なくとも3つ有し、
前記第1の導電接続部を少なくとも2つ有し、
前記第2の導電接続部を少なくとも2つ有し、
前記第1の導電接続部が前記複数の熱電変換材料を導電接続している部分において、前記熱電変換材料と、前記第1の導電接続部と、前記熱電変換材料と、前記第1の導電接続部と、前記熱電変換材料とが、この順で積層されており、
前記第2の導電接続部が前記複数の熱電変換材料を導電接続している部分において、前記熱電変換材料と、前記第2の導電接続部と、前記熱電変換材料と、前記第2の導電接続部と、前記熱電変換材料とが、この順で積層されている、請求項4に記載の熱電変換素子。 - 前記複数の熱電変換材料の厚みがそれぞれ、100μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
- 前記複数の熱電変換材料の厚みがそれぞれ、50μm以下である、請求項6に記載の熱電変換素子。
- 前記複数の熱電変換材料がカーボンナノチューブを含む、請求項1〜7に記載の熱電変換素子。
- 前記第1の導電接続部及び前記第2の導電接続部の材料がそれぞれ、銀ペーストである、請求項1〜8に記載の熱電変換素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016230033A JP2018088444A (ja) | 2016-11-28 | 2016-11-28 | 熱電変換素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016230033A JP2018088444A (ja) | 2016-11-28 | 2016-11-28 | 熱電変換素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018088444A true JP2018088444A (ja) | 2018-06-07 |
Family
ID=62493735
Family Applications (1)
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JP2016230033A Pending JP2018088444A (ja) | 2016-11-28 | 2016-11-28 | 熱電変換素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018088444A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020235254A1 (ja) * | 2019-05-21 | 2020-11-26 | 株式会社Gceインスティチュート | 発電素子、発電装置、電子機器、及び発電素子の製造方法 |
-
2016
- 2016-11-28 JP JP2016230033A patent/JP2018088444A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020235254A1 (ja) * | 2019-05-21 | 2020-11-26 | 株式会社Gceインスティチュート | 発電素子、発電装置、電子機器、及び発電素子の製造方法 |
JPWO2020235254A1 (ja) * | 2019-05-21 | 2020-11-26 | ||
JP7473222B2 (ja) | 2019-05-21 | 2024-04-23 | 株式会社illuminus | 発電素子、発電装置、電子機器、及び発電素子の製造方法 |
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