JP2018084452A - ガスセル、磁場計測装置、およびガスセルの製造方法 - Google Patents

ガスセル、磁場計測装置、およびガスセルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スピン偏極の緩和を抑制することができるガスセルを提供する。
【解決手段】内壁により規定された第1室を有するセル本体と、前記内壁に設けられた第1パラフィン膜と、を含み、前記第1室には、電磁波と相互作用する気体が収容され、前記第1パラフィン膜は、純パラフィン膜であり、前記第1パラフィン膜を構成するパラフィンは、分子軸の向きをそろえて配列している、ガスセル。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガスセル、磁場計測装置、およびガスセルの製造方法に関する。
生体の心臓等から発せられる磁場を検出する磁場計測装置として、光ポンピング式の磁場計測装置が知られている。光ポンピング式の磁場計測装置では、アルカリ金属ガスが封入されたガスセルに直線偏光を照射し、ガスセルを透過した光の偏光面の回転角に応じて磁場を測定する。
磁場計測装置において、ガスセル内のアルカリ金属は、光でスピン偏極した後、ガスセルの内壁に衝突して熱平衡状態に戻る(スピン偏極が緩和される)が、熱平衡状態に戻るまでの時間が長くなると性能が向上する。アルカリ金属のスピン偏極の緩和を抑制するため、ガスセルの内壁をパラフィン膜でコーティングする技術が知られている(特許文献1参照)。このように、アルカリ金属のスピン偏極の緩和を抑制することは、磁場計測装置において重要である。
特開2016−8836号公報
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、スピン偏極の緩和を抑制することができるガスセルを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記ガスセルを含む磁場計測装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、スピン偏極の緩和を抑制することができるガスセルの製造方法を提供することにある。
本発明に係るガスセルは、
内壁により規定された第1室を有するセル本体と、
前記内壁に設けられた第1パラフィン膜と、
を含み、
前記第1室には、電磁波と相互作用する気体が収容され、
前記第1パラフィン膜は、純パラフィン膜であり、
前記第1パラフィン膜を構成するパラフィンは、分子軸の向きをそろえて配列している。
このようなガスセルでは、パラフィンの分子軸の向きをそろえて配列していない場合に比べて、第1パラフィン膜の結晶性が高く、緻密で平滑な表面を有することができ、スピン偏極の緩和を抑制することができる。
本発明に係るガスセルは、
内壁により規定された第1室を有するセル本体と、
前記内壁に設けられた第1パラフィン膜と、
を含み、
前記第1室には、電磁波と相互作用する気体が収容され、
前記第1パラフィン膜は、混合純パラフィン膜であり、
前記第1パラフィン膜を構成するパラフィンは、分子軸の向きをそろえて配列している。
このようなガスセルでは、パラフィンの分子軸の向きをそろえて配列していない場合に比べて、第1パラフィン膜の結晶性が高く、緻密で平滑な表面を有することができ、スピン偏極の緩和を抑制することができる。
本発明に係るガスセルにおいて、
前記パラフィン膜は、第1パラフィンと、前記第1パラフィンと炭素数の異なる第2パラフィンと、の混合純パラフィン膜であってもよい。
このようなガスセルでは、スピン偏極の緩和を抑制することができる。
本発明に係るガスセルにおいて、
前記パラフィン膜は、炭素数50のパラフィンと炭素数38のパラフィンとの混合純パラフィン膜であってもよい。
このようなガスセルでは、より確実に、スピン偏極の緩和を抑制することができる(詳細は「5. 実験例」参照)。
本発明に係るガスセルにおいて、
前記内壁と前記第1パラフィン膜との間に設けられた第2パラフィン膜を含み、
前記第2パラフィン膜は、前記第1パラフィン膜よりも低い融点を有してもよい。
このようなガスセルでは、表面凝固(Surface Freezing:SF)を利用して第1パラフィン膜および第2パラフィン膜が形成されており、第1パラフィン膜を構成するパラフィンを、分子軸の向きをそろえて配列させることができる。
本発明に係るガスセルにおいて、
前記電磁波と相互作用する気体は、アルカリ金属の気体であってもよい。
このようなガスセルでは、スピン偏極の緩和を抑制することができる。
本発明に係るガスセルにおいて、
前記セル本体は、前記第1室に連通孔を介して連通する第2室を有していてもよい。
このようなガスセルでは、第1室の気体のアルカリ金属の蒸気圧を調整することができ、また、第1室の気体のアルカリ金属の量を調整することができる。
本発明に係る磁場計測装置は、
本発明に係るガスセルを含む。
このような磁場計測装置は、本発明に係るガスセルを含むため、スピン偏極の緩和を抑制することができる。
本発明に係るガスセルの製造方法は、
セル本体の内部空間にパラフィンを配置するパラフィン配置工程と、
前記セル本体を加熱して前記パラフィンを気化させる加熱工程と、
前記加熱工程の後に、前記セル本体を冷却して、前記パラフィンをSurface Freezing温度より高い第1温度まで冷却する第1冷却工程と、
前記第1冷却工程の後に、前記セル本体を冷却して、前記パラフィンを融点より低い第2温度まで冷却する第2冷却工程と、
前記セル本体の前記内部空間に気体のアルカリ金属を充填させる充填工程と、
を含み、
前記第2冷却工程の平均降温速度は、1℃/時間以上10℃/時間以下である。
このようなガスセルの製造方法では、Surface Freezingが生じる第2冷却工程を、時間をかけて行うことができ、分子軸の向きがそろって配列されたパラフィンからなるパラフィン膜を形成することができる。したがって、このようなガスセルの製造方法では、スピン偏極の緩和を抑制することができるガスセルを製造することができる。
本発明に係るガスセルの製造方法において、
前記第2冷却工程の後であって前記充填工程の前に、前記パラフィンを第2温度に保持する保持工程を含んでもよい。
このようなガスセルの製造方法では、特性の安定したパラフィン膜を形成することができる。
本発明に係るガスセルの製造方法において、
前記加熱工程、前記第1冷却工程、および前記第2冷却工程によって形成されるパラフィン膜は、混合純パラフィン膜であってもよい。
このようなガスセルの製造方法では、パラフィンのSurface Freezing温度と、パラフィンのバルクの融点と、の差を、純パラフィン膜を形成する場合よりも大きくすることができ、Surface Freezingが生じる第2冷却工程を、時間をかけて行うことができる。
本発明に係るガスセルの製造方法において、
前記内部空間に前記アルカリ金属が収容された容器を配置するアルカリ金属配置工程を含み、
前記充填工程では、前記容器を破壊して前記内部空間に気体の前記アルカリ金属を充填させてもよい。
このようなガスセルの製造方法では、充填工程において、内部空間の気密性を保った状態で、第1室に気体のアルカリ金属を充填させることができる。
本発明に係るガスセルの製造方法において、
前記内部空間に前記アルカリ金属を含む固形物を配置するアルカリ金属配置工程を含み、
前記充填工程では、前記固形物にレーザー光を照射して前記内部空間に気体の前記アルカリ金属を充填させてもよい。
このようなガスセルの製造方法では、内部空間にアルカリ金属が収容された容器を配置せずに、第1室にアルカリ金属ガスを充填させることができる。
本発明に係るガスセルの製造方法において、
前記第2冷却工程の平均降温速度は、前記第1冷却工程の平均降温速度より遅くてもよい。
このようなガスセルの製造方法では、Surface Freezingが生じる第2冷却工程を、時間をかけて行うことができる。
本実施形態に係る磁場計測装置の構成を示すブロック図。 本実施形態に係るガスセルを模式的に示す断面図。 本実施形態に係るパラフィン膜を説明するための図。 本実施形態に係るガスセルの製造方法を説明するためのフローチャート。 本実施形態に係るガスセルの製造方法を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るガスセルの製造方法を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るガスセルの製造方法を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るガスセルの製造方法を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るガスセルの製造方法を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るパラフィン膜の形成工程を説明するための図。 本実施形態に係るパラフィン膜の形成工程を説明するための図。 加熱工程から第3冷却工程までの温度プロファイルの一例を示す図。 本実施形態の変形例に係るガスセルの製造方法を模式的に示す断面図。 実験例で用いた光学系を説明するための図。 スピン偏極の緩和特性評価の結果を示すグラフ。 光学顕微鏡写真。 光学顕微鏡写真。 本実施形態に係る原子発振器の構成を示す概略図。 本実施形態に係る原子発振器の動作を説明する図。 本実施形態に係る原子発振器の動作を説明する図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 磁場計測装置
まず、本実施形態に係る磁場計測装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る磁場計測装置1000の構成を示すブロック図である。
磁場計測装置1000は、非線形光学回転(Nonlinear Magneto−Optical Rotation:NMOR)を用いた磁場計測装置である。磁場計測装置1000は、例えば、心臓からの磁場(心磁)や脳からの磁場(脳磁)などの生体から発せられる微小な磁場を測定する生体状態測定装置(心磁計または脳磁計など)に用いられる。磁場計測装置1000は、金属探知機などにも用いることができる。
磁場計測装置1000は、本発明に係るガスセルを含む。以下では、本発明に係るガスセルとして、ガスセル100を用いた例について説明する。
磁場計測装置1000は、光源1と、光ファイバー2と、コネクター3と、偏光板4と、ガスセル100と、偏光分離器5と、光検出器(Photo Detector:PD)6と、光検出器(PD)7と、信号処理回路8と、表示装置9と、を含んで構成されている。ガスセル100内には、アルカリ金属ガス(気体のアルカリ金属)が収容されている。アルカリ金属としては、例えば、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)などを用いることができる。以下では、アルカリ金属としてセシウムを用いる場合を例に取り説明する。
光源1は、セシウムの吸収線に応じた波長(例えばD1線に相当する894nm)のレーザービームを出力する装置、例えばチューナブルレーザーである。光源1から出力されるレーザービームは、連続的に一定の光量を有する、いわゆるCW(Continuous Wave)光である。
光ファイバー2は、光源1により出力されたレーザービームを、ガスセル100側に導く部材である。光ファイバー2には、例えば、偏波保持ファイバーや、基本モードのみを伝播するシングルモードの光ファイバーが用いられる。
コネクター3は、光ファイバー2に接続されている部材である。コネクター3は、例えば、ねじ込み式で、光ファイバー2に接続されている。
コリメーターレンズ11は、レーザービームを、平行光とするためのレンズである。
偏光板4は、レーザービームを特定方向に偏光させ、直線偏光にする素子である。
ガスセル100は、内部に空隙を有する箱(セル)であり、この空隙(図2に示す第1室12)には気体のアルカリ金属(アルカリ金属の蒸気)が収容されている。ガスセル100の構成については、後述する。
偏光分離器5は、入射したレーザービームを、互いに直交する2つの偏光成分のビームに分離する素子である。偏光分離器5は、例えば、ウォラストンプリズムまたは偏光ビームスプリッターである。
光検出器6および光検出器7は、レーザービームの波長に感度を有する検出器であり、入射光の光量に応じた電流を信号処理回路8に出力する。光検出器6および光検出器7は、それ自体が磁場を発生すると測定に影響を与える可能性があるので、非磁性の材料で構成されることが望ましい。光検出器6および光検出器7は、ガスセル100からみて偏光分離器5と同じ側(下流側)に配置される。
磁場計測装置1000において、レーザービームの経路の最上流には光源1が位置し、以下、上流側から下流側に向かって、光ファイバー2、コネクター3、偏光板4、ガスセル100、偏光分離器5、および光検出器6,7の順で配置されている。
磁場計測装置1000における各部の動作を説明する。
光源1から出力されたレーザービームは、光ファイバー2に導かれて偏光板4に到達する。偏光板4によってレーザービームは、偏光度がより高い直線偏光になる。ガスセル100において、レーザービームは、ガスセル100に封入されているアルカリ金属原子を励起(光ポンピング)する。このとき、レーザービームは、磁場の強さに応じた偏光面の回転作用を受けて偏光面が回転する。ガスセル100を透過したレーザービームは偏光分離器5により2つの偏光成分のビームに分離される。2つの偏光成分のビームの光量は、それぞれ光検出器6および光検出器7で計測(プロービング)される。
信号処理回路8は、光検出器6および光検出器7により計測されたビームの光量を示す信号をそれぞれから受け取る。信号処理回路8は、受け取った各信号に基づいて、レーザービームの偏光面の回転角を求める。最も簡便な方法は、両信号の差をとることである。また、信号処理回路8は、偏光面の回転角からレーザービームの伝播方向における磁場の強さを求める。表示装置9は、信号処理回路8で求められた磁場の強さを表示する。
2. ガスセル
次に、本実施形態に係るガスセルについて、図面を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係るガスセル100を模式的に示す断面図である。
ガスセル100は、図2に示すように、セル本体10と、封止栓20と、被覆膜30と、を含む。
セル本体10の材質は、耐熱性に優れ、アルカリ金属ガスの吸収栓を透過し、かつ紫外光領域での吸収が小さいホウ珪酸ガラスや石英ガラスが望ましい。セル本体10は、例えば、石英板を貼り合わせることで形成することができる。セル本体10を構成する石英板の厚さは、例えば、0.5mm以上5mm以下である。
セル本体10は、第1室(主室)12と、連通孔(キャピラリー)14と、第2室(副室、リザーバー)16と、を有している。
第1室12は、セル本体10の内壁13によって規定されている。第1室12には、アルカリ金属ガス(アルカリ金属の気体)40が収容されている。アルカリ金属ガスは、電磁波と相互作用する気体である。図示の例では、第1室12には、アルカリ金属ガス40が充満(充填)している。第1室12に光(レーザービーム)を照射することで、アルカリ金属は、光と相互作用して、光ポンピングによるスピン偏極や量子干渉等を生じる。なお、第1室12に収容されている気体は、電磁波と相互作用する気体であれば、アルカリ金属ガスに限定されず、例えば、ストロンチウム(Sr)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)などの気体であってもよい。
連通孔14は、第1室12と第2室16とを接続している。連通孔14は、アルカリ金属ガス40が通過できるように形成されている。連通孔14は、第1室12に収容されているアルカリ金属ガス40が第1室12から第2室16に戻る割合が小さくなるような大きさに形成されている。連通孔14の断面積(第1室12から第2室16に向かう方向と直交する方向において切断した断面積)は、例えば、第1室12の断面積の数千分の1程度である。
第2室16は、第1室12に連通孔14を介して連通している。第1室12、連通孔14、および第2室16は、セル本体10の内部空間18を構成している。内部空間18は、外部と気体の出入りがないように気密にされている。
第2室16の容積は、例えば、第1室12の容積よりも小さい。第2室16には、パラフィンを収容していた第1容器50と、アルカリ金属を収容していた第2容器52とが収容されている。第1容器50に収容されたパラフィンを気化させることによって、第1室12を規定する内壁13に被覆膜30を形成することができる。第2容器52に収容されたアルカリ金属を気化させることによって、第1室12にアルカリ金属ガスを充填させることができる。第2室16には、アルカリ金属が固体または液体の状態で収容されていてもよい。
封止栓20は、投入口22を密封している。これにより、内部空間18を気密にすることができる。投入口22は、第1容器50および第2容器52を外部から第2室16に導入するための入口である。封止栓20の材質は、例えば、石英ガラスである。封止栓20の材質は、セル本体10の材質と同じであってもよい。封止栓20は、例えば、低融点ガラスの粉末(ガラスフリット)を用いてセル本体10に接合されている。
被覆膜30は、第1室12を規定するセル本体10の内壁13に設けられている。被覆膜30は、例えば95%以上、好ましくは99%以上、より好ましくは99.9%以上の被覆率で、内壁13を被覆している。なお、図示はしないが、被覆膜30は、連通孔14を規定するセル本体10の内壁に設けられていてもよいし、第2室16を規定するセル本体10の内壁に設けられていてもよい。
被覆膜30の材質は、パラフィンである。パラフィンとは、炭素数20以上のアルカン(一般式がC2n+2の鎖式飽和炭化水素)である。被覆膜30を構成するパラフィンは、例えば、枝分かれの無い直線状の分子構造を有している。被覆膜30を構成するパラフィンの炭素数は、例えば、20以上100以下であり、好ましくは30以上60以下である。被覆膜30を構成するパラフィンの炭素数(分子量)は、例えば、ガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
被覆膜30は、パラフィン膜(第2パラフィン膜)32と、パラフィン膜(第1パラフィン膜)34と、を有している。パラフィン膜32は、内壁13の表面に(内壁13上に)設けられている。パラフィン膜34は、パラフィン膜32を介して内壁13に設けられている。パラフィン膜34は、パラフィン膜32の表面に(パラフィン膜32上に)設けられている。
被覆膜30(パラフィン膜32,34)は、例えば、純パラフィン膜であってもよい。純パラフィン膜とは、パラフィン膜を構成するパラフィンのうち98%以上が同じ分子量(炭素数)のパラフィンによって構成された膜のことであり、好ましくはパラフィン膜を構成するパラフィンの全てが同じ分子量である膜のことである。分留して分子量が異なるパラフィンを除くことにより、純パラフィン膜を形成することができる。単に分留したのみでは、分子量が様々なパラフィンが得られる。
被覆膜30(パラフィン膜32,34)は、例えば、混合純パラフィン膜であってもよい。混合純パラフィン膜とは、複数の純パラフィン原料を混合して形成されたものである。純パラフィン原料は、98%以上が同じ分子量のパラフィン(主パラフィン)によって構成されており、混合純パラフィン膜は、主パラフィンの分子量が異なる複数の純パラフィン原料を混合して形成される。純パラフィン原料を構成するパラフィンは、好ましくは、全てが同じ分子量である。混合純パラフィン膜は、2種類の純パラフィン原料を混合して形成されてもよいし、3種類以上の純パラフィン原料を混合して形成されてもよい。
被覆膜30(パラフィン膜32,34)は、例えば、炭素数50のパラフィン(第1パラフィン)と、炭素数38のパラフィン(第1パラフィンと炭素数の異なる第2パラフィン)と、の混合純パラフィン膜であってもよい。すなわち、パラフィン膜32,34は、炭素数50を主パラフィンとする第1純パラフィン原料と、炭素数38を主パラフィンとする第2純パラフィン原料と、を混合して形成された混合純パラフィン膜であってもよい。第1純パラフィン原料と第2順パラフィン原料との混合比は、特に限定されない。パラフィン膜32,34は、炭素数50のパラフィンと炭素数38のパラフィンとのみからなる混合純パラフィン膜であってもよい。
ここで、図3は、図2に示す被覆膜30近傍の拡大図であり、被覆膜30を説明するための図である。なお、便宜上、図3では、パラフィン(パラフィン分子)の両端のメチル基(−CH)を○で示し、その間の直鎖部(アルキル鎖、−(CH−)を線分で示している。また、図3では、一例として、被覆膜30が混合純パラフィン膜である場合を示しており、線分の長さが分子長を反映している。
パラフィン膜32の厚さは、例えば、1nm以上50nm以下である。パラフィン膜32は、パラフィン膜34よりも低い結晶性を有している。パラフィン膜32は、非晶質であってもよく、結晶性を有していてもよく、結晶性を有する場合は、パラフィン膜34よりも結晶性が低い。パラフィン膜32が混合純パラフィン膜である場合、パラフィン膜32は、共晶であってもよい。パラフィン膜32を構成するパラフィンは、パラフィン膜34を構成するパラフィンよりも、パラフィンのアルキル鎖(直鎖分)の長手方向の向き(分子軸の向き)がそろっていない。また、パラフィンの総量が少ない場合は、パラフィン膜32が形成されていなくてもよい。
パラフィン膜34の厚さは、例えば、2nm以上20nm以下である。パラフィン膜34は、パラフィン膜32よりも高い結晶性を有している。パラフィン膜34は、単結晶であってもよい。パラフィン膜34が混合純パラフィン膜である場合、パラフィン膜34は、共晶であってもよい。パラフィン膜34が混合純パラフィン膜である場合、パラフィン膜32を構成するパラフィンの組成と、パラフィン膜34を構成するパラフィンの組成とは、異なっていてもよい。
パラフィン膜34を構成するパラフィンは、アルキル鎖の長手方向の向き(分子軸の向き)をそろえて配列している。図示の例では、パラフィンのアルキル鎖の長手方向は、内壁13の垂線Pと平行である。図示はしないが、アルキル鎖の長手方向は、垂線Pに対して45°以下で傾いていてもよく、20°以下で傾いていてもよい。パラフィン膜34を構成するパラフィンは、例えば、垂線Pの延出方向と直交する方向に配列している。なお、図示の例では、パラフィン膜34を構成するパラフィンのアルキル鎖の長さは、互いに等しいが、被覆膜30が混合純パラフィン膜である場合、パラフィン膜34を構成するパラフィンのアルキル鎖の長さは、互いに異なっていてもよい。
パラフィン膜34の融点は、パラフィン膜32の融点よりも高い。すなわち、パラフィン膜32の融点は、パラフィン膜34の融点よりも低い。パラフィン膜32およびパラフィン膜34の融点は、例えば、50℃以上120℃以下であり、パラフィン膜34の融点とパラフィン膜32の融点との差は、例えば、2℃以上20℃以下である。パラフィン膜34の融点がパラフィン膜32の融点よりも高いことは、例えば、被覆膜30を加熱し、パラフィン膜32がパラフィン膜34よりも早く溶け出すことによって確認することができる。
ガスセル100は、例えば、以下の特徴を有する。
ガスセル100は、パラフィン膜34を構成するパラフィンは、分子軸の向きをそろえて配列している。そのため、ガスセル100では、パラフィンの分子軸の向きをそろえて配列していない場合に比べて、パラフィン膜34の結晶性が高く、緻密で平滑な表面を有することができ、スピン偏極の緩和を抑制することができる。
さらに、ガスセル100では、パラフィン膜34は、純パラフィン膜であってもよい。そのため、ガスセル100では、パラフィン膜が純パラフィン膜ではなく分子量の様々なパラフィンによって構成されている場合に比べて、パラフィン膜34の特性(例えばスピン偏極の緩和特性)が安定している。
さらに、ガスセル100では、パラフィン膜34は、混合純パラフィン膜であってもよい。そのため、ガスセル100では、パラフィン膜が純パラフィン膜である場合に比べて、よりスピン偏極の緩和を抑制することができる(詳細は「5. 実験例」参照)。
ガスセル100では、パラフィン膜34は、炭素数50のパラフィンと炭素数38のパラフィンとの混合純パラフィン膜であってもよい。そのため、ガスセル100では、より確実に、スピン偏極の緩和を抑制することができる(詳細は「5. 実験例」参照)。
ガスセル100では、内壁13とパラフィン膜34との間に設けられたパラフィン膜32を含み、パラフィン膜32は、パラフィン膜34よりも低い融点を有する。そのため、ガスセル100では、表面凝固(Surface Freezing:SF)を利用してパラフィン膜32,34が形成されており、パラフィン膜34を構成するパラフィンを、分子軸の向きをそろえて配列させることができる。さらに、ガスセル100では、SFを利用してパラフィン膜32,34が形成されているため、パラフィン膜32,34は、密着性および被覆率が高い。なお、SFについては、後述する。
ガスセル100では、セル本体10は、第1室12に連通孔14を介して連通する第2室16を有してもよい。そのため、ガスセル100では、第2室16にアルカリ金属を固体または液体の状態で収容することにより、第1室12のアルカリ金属ガス40の圧力が温度で決まる飽和蒸気圧から乖離した場合に、第2室16のアルカリ金属が気化または液化することで、第1室12のアルカリ金属ガス40の蒸気圧を調整することができる。また、長期的には、アルカリ金属ガス40は、セル本体10に拡散したり、僅かであるが外界からリークする不純物等と反応して酸化や水酸化を生じたりして、アルカリ金属が減少する場合がある。このような場合に、第2室16に収容されたアルカリ金属によって、第1室12のアルカリ金属ガス40の量を調整することができる。このように、第2室16は、アルカリ金属を貯蔵する役割を果たすことができる。
3. ガスセルの製造方法
次に、本実施形態に係るガスセルの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係るガスセル100の製造方法を説明するためのフローチャートである。図5〜図9は、本実施形態に係るガスセル100の製造方法を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、セル本体10を準備し、セル本体10を減圧状態で加熱して、セル本体10の内壁13に付着した不純物を除去する(ステップS1)。本工程では、例えば、セル本体10をオーブン(図示せず)上に配置し、300℃以上600℃以下まで加熱する。
図6に示すように、セル本体10の第2室16に、投入口22を通して、パラフィンが収容された第1容器50を配置する(ステップS2、パラフィン配置工程)。本工程は、例えば、室温において、窒素雰囲気中で行われる。第1容器50へのパラフィンの充填は、例えば、パラフィンを固形または粉末状態で用意し、減圧下でパラフィンを加熱溶融させて均質化し、毛細管現象を利用して行われる。第1容器50は、例えば、管状のガラス管である。混合パラフィン膜を形成する場合は、複数種の原料を計量して所定の配合比で混合させたものを、第1容器50へ充填させる。パラフィンが収容された第1容器50は、被覆膜30を形成するために必要な個数分だけ配置される。
図7に示すように、セル本体10の第2室16に、投入口22を通して、アルカリ金属が収容された第2容器52を配置する(ステップS3、アルカリ金属配置工程)。本工程は、例えば、室温において、窒素雰囲気中で行われる。アルカリ金属が収容された第2容器52は、例えば、真空状態において、管状のガラス管の内部にアルカリ金属を充填し、ガラス管の両端を溶着し密封することで得られる。アルカリ金属が収容された第2容器52は、第1室12に所定量のアルカリ金属ガス40を充填するために必要な個数分だけ準備される。なお、パラフィン配置工程(ステップS2)とアルカリ金属配置工程(ステップS3)とは、順序を入れ替えてもよい。
図8に示すように、減圧状態で、投入口22を封止栓20で密封する(ステップS4)。これにより、セル本体10の内部空間18を、真空状態にすることができる。
図9に示すように、セル本体10の内壁13に被覆膜30を形成する。ここで、図10および図11を用いて、被覆膜30を形成する工程について説明する。なお、図10および図11は、被覆膜30の形成工程を説明するための図であり、図3と同様に、パラフィンの両端のメチル基を○で示し、その間のアルキル鎖を線分で示している。
まず、大気中において、セル本体10を加熱して、図10に示すように、第1容器50に収容されたパラフィンを気化させる(ステップS5、加熱工程)。気化したパラフィンは、第1室12に収容される。本工程では、例えば、セル本体10をオーブン上に配置し、200℃以上500℃以下まで加熱する。本工程により、第1室12にパラフィンを飽和蒸気圧で存在させることができる。第1容器50に収容されたパラフィンの量が十分な場合、セル本体10の加熱温度に対応する飽和蒸気圧により被覆膜30の膜厚を決定することができる。
次に、セル本体10を冷却して、パラフィンをSurface Freezing温度(SF温度)より高い第1温度まで冷却する(ステップS6、第1冷却工程)。本工程では、例えば、セル本体10が配置されたオーブンの設定温度を加熱工程(ステップS5)よりも下げることにより、セル本体10の温度を下げる。本工程により、図11に示すように、気体で存在できなくなったパラフィンが内壁13に吸着し、液体状態で膜を形成することができる。第1温度は、気体で存在できなくなったパラフィンが内壁13に吸着し、液体状態で膜を形成することができる温度である。第1温度は、例えば、100℃以上200℃以下である。本冷却工程の降温速度は、ステップS5の加熱温度から第1温度まで、一定であってもよいし、変化してもよい。また、本冷却工程は、温度を一定に保つ部分を有していてもよい。本冷却工程の平均降温速度は、例えば、20℃/時間以上40℃/時間以下である。なお、冷却工程の平均降温速度は、当該冷却工程の始まりの温度A℃から当該冷却工程の終わりの温度B℃までT時間かけて温度を下げたとすると、(A−B)/Tで表すことができる。
ここで、SFは、パラフィンのバルクの融点Tfよりも高い温度Tsにおいて、下層は液体でありながら、表面のみに固体膜を形成する現象であり、SF温度とはTsのことである。パラフィンのSF温度Tsとパラフィンの融点Tfとの差は、例えば、2℃以上20℃以下である。パラフィン膜34の融点とパラフィン膜32の融点との差は、例えば、パラフィンのSF温度Tsと融点Tfとの差と同じである。
次に、セル本体10を冷却して、パラフィンを融点Tfより低い第2温度まで冷却する(ステップS7、第2冷却工程)。本工程では、例えば、セル本体10が配置されたオーブンの設定温度を、融点Tfよりも低い温度にして、セル本体10の温度を下げる。第2温度は、例えば、50℃以上150℃以下である。本工程により、パラフィンが凝固して固体化され、パラフィン膜32,34を有する被覆膜30を形成することができ、パラフィン膜34を構成するパラフィンを、アルキル鎖の長手方向の向きをそろえて配列させることができる。加熱工程(ステップS5)、第1冷却工程(ステップS6)、および第2冷却工程(ステップS7)によって形成されるパラフィン膜32,34は、純パラフィン膜であってもよいし、混合純パラフィン膜であってもよい。混合純パラフィン膜を形成するために複数の純パラフィン原料を用いた場合は、本工程において、固液共存領域を形成し、特定の組成のパラフィンの結晶が析出する場合がある。
第2冷却工程(ステップS7)の降温速度は、第1温度から第2温度まで、一定であってもよいし、変化してもよい。また、本冷却工程は、温度を一定に保つ部分を有していてもよい。本冷却工程の平均降温速度は、例えば、1℃/時間以上10℃/時間以下である。本冷却工程の平均降温速度は、自然冷却による平均降温速度(自然冷却によってパラフィンの第1温度から第2温度まで下げる場合の平均降温速度)より遅い。自然冷却とは、大気中で、室温(例えば25℃)かつ無風の環境に放置した場合の冷却のことをいう。第2冷却工程(ステップS7)の平均降温速度は、第1冷却工程(ステップS6)の平均降温速度より遅い。例えば、第1冷却工程の始まり側の降温速度を速くし、第1冷却工程の終わり側の降温速度を遅くすることにより、より確実に、第2冷却工程の降温速度を、第1冷却工程の降温速度より遅くすることができる。
次に、パラフィンを第2温度に保持する(ステップS8、保持工程)。例えば、第2温度で5時間以上15時間以下、オーブン上にセル本体10を配置させることにより、特性の安定した被覆膜30を形成することができる。
次に、図2に示すように、セル本体10の第1室12に、アルカリ金属ガス40を充填させる(ステップS9、充填工程)。具体的には、アルカリ金属が収容された第2容器52をレーザー光で破壊(単に貫通孔を形成する場合も含む)して、第1室12にアルカリ金属ガス40を充填させる。
以上の工程により、ガスセル100を製造することができる。
ガスセル100の製造方法では、第2冷却工程(ステップS7)の平均降温速度は、1℃/時間以上10℃/時間以下である。ガスセル100の製造では、第2冷却工程(ステップS7)の平均降温速度が10℃/時間以下であるため、SFが生じる第2冷却工程を、時間をかけて行うことができ、被覆膜30の表面に、アルキル鎖の長手方向の向きがそろって配列されたパラフィンからなるパラフィン膜34を形成することができる。したがって、ガスセル100の製造方法では、スピン偏極の緩和を抑制することができるガスセル100を製造することができる。第2冷却工程の平均降温速度が10℃/時間より速いと、パラフィン膜の表面に、アルキル鎖の長手方向の向きがそろって配列されたパラフィンによって覆われない箇所が生じてしまう場合がある。さらに、ガスセル100の製造方法では、第2冷却工程(ステップS7)の平均降温速度が1℃/時間以上であるため、アルキル鎖の長手方向の向きがそろって配列されたパラフィンからなるパラフィン膜34を形成可能な範囲で、製造工程の時間の短縮化を図ることができる。
ガスセル100の製造方法では、パラフィンを第2温度に保持する保持工程(ステップS8)を含んでもよい。そのため、ガスセル100の製造方法では、特性の安定したパラフィン膜32,34を形成することができる。
ガスセル100の製造方法では、加熱工程(ステップS5)、第1冷却工程(ステップS6)、および第2冷却工程(ステップS7)によって形成されるパラフィン膜32,34は、混合純パラフィン膜であってもよい。そのため、ガスセル100では、パラフィンのSF温度Tsと融点Tfとの差を、純パラフィン膜を形成する場合よりも大きくすることができ、SFが生じる第2冷却工程を、時間をかけて行うことができる。
ガスセル100の製造方法では、内部空間18にアルカリ金属が収容された第2容器52を配置するアルカリ金属配置工程(ステップS3)を含み、充填工程(ステップS9)では、第2容器52を破壊して第1室12にアルカリ金属ガス40を充填させてもよい。そのため、ガスセル100の製造方法では、充填工程において、内部空間18の気密性を保った状態で、第1室12にアルカリ金属ガス40を充填させることができる。
ガスセル100の製造方法では、第2冷却工程(ステップS7)の平均降温速度は、第1冷却工程(ステップS6)の平均降温速度より遅くてもよい。そのため、ガスセル100の製造方法では、SFが生じる第2冷却工程を、時間をかけて行うことができ、かつ、第1冷却工程の平均降温速度を第2冷却工程の平均降温速度より速くすることにより、製造工程の短縮化を図ることができる。
ここで、図12は、加熱工程(ステップS5)から第3冷却工程(ステップS8)までの温度プロファイル(設定値)の一例を示す図であって、ペンタコタンC50102からなる被覆膜30を形成するためのプロファイルを示す図である。ペンタコタンのバルクの融点は約94℃であり、SF温度は約100℃である。
図12に示す例では、加熱工程では340℃まで加熱し、その後、第1冷却工程において150℃(第1温度)まで急冷し、第2冷却工程において80℃(第2温度)までゆっくり冷却させ、第3冷却工程において80℃で8時間保っている。図12に示す例では、各工程は、オーブンの上にセル本体10を配置して行われている。
4. ガスセルの製造方法の変形例
次に、本実施形態の変形例に係るガスセルの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図13は、本実施形態に係るガスセルの製造方法を模式的に示す断面図である。以下、本実施形態の変形例に係るガスセルの製造方法において、本実施形態に係るガスセルの製造方法の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
本実施形態の変形例に係るガスセルの製造方法では、アルカリ金属配置工程(ステップS3)において、アルカリ金属が収容された第2容器52の代わりに、図13に示すように、内部空間18に、アルカリ金属を含む固形物54を配置する。固形物54は、例えば、略円柱状のピルである。固形物54は、アルカリ金属化合物および吸着剤を有している。アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属としてセシウムを用いる場合、例えば、モリブデン酸セシウム、塩化セシウムなどのセシウム化合物を用いる。吸着剤としては、例えば、ジルコニウム粉末、アルミニウムなどを用いる。
本実施形態の変形例に係るガスセルの製造方法では、充填工程(ステップS9)において、固形物54にレーザー光を照射して内部空間18に気体の前記アルカリ金属を充填させる。固形物54にレーザー光を照射することにより、固形物が加熱されてアルカリ金属化合物が活性化し、アルカリ金属ガスが生成する。その際に放出される不純物や不純ガスは、吸着剤に吸着される。
本実施形態の変形例に係るガスセルの製造方法では、内部空間18にアルカリ金属が収容された第2容器52を配置せずに、第1室12にアルカリ金属ガスを充填させることができる。
なお、固定物54は、レーザー光が照射されて内部空間18に気体の前記アルカリ金属を充填させることができれば、略円柱状のピルに限定されず、例えば略ワイヤー状のディスペンサーであってもよい。
5. 実験例
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実験例によって何ら限定されるものではない。
5.1. 第1実験
50102の純パラフィン膜、またはC50102とC3878との混合純パラフィン膜をセル本体の内部空間にコーティングした2種類のガスセルについて、スピン偏極の緩和特性を評価した。C50102の純パラフィン膜は、パラフィン膜を構成するパラフィンのうち98%以上がC50102のパラフィンであるパラフィン膜である。C50102とC3878との混合純パラフィン膜は、98%以上がC50102である第1純パラフィン原料と、98%以上がC3878である第2純パラフィン原料と、を1:9(第1純パラフィン原料:第1純パラフィン原料=1:9)で混合して形成されたパラフィン膜である。セル本体に封入するアルカリ金属としては、セシウムを用いた。
図14は、本実験で用いた光学系2000を説明するための図である。光源210から射出された光(レーザー光、セシウムのD1線の超微細構造量子数F=4からF´=3に遷移する約894nmに波長を設定)を、シャッター212、レンズ214、およびλ/4波長板(円偏光に変換するための素子)216を介して、ガスセル100に照射させた。ガスセル100を透過した光を、レンズ218およびミラー220を介して、光電子増倍管(検出器)222に入射させた。なお、便宜上、図14では、ガスセル100を簡略化して図示している。また、本実験で用いた光学系2000としては、文献(W.FRANZEN,「Spin Relaxation of Optically Aligned Rubidium Vapor」,PHYSICAL REVIEW,AUGUST 15,1959,VOLUME 115,NUMBER 4,p.850−856)を参考にすることができる。
上記の光学系2000においてアルカリ金属をスピン偏極した後、シャッター212を閉じ暗状態にしてスピン偏極が緩和する(Relaxation in the dark)までの時間を計測した。
図15は、スピン偏極の緩和特性評価の結果を示すグラフである。図15において、横軸は、暗状態にした時間であり、縦軸は、ガスセル100を透過する光強度(光電子増倍管222で検出した光強度)を規格化したものであり、縦軸の値が大きいほど、スピン偏極の緩和を抑制できていることになる。
図15に示すように、混合純パラフィン膜は、純パラフィン膜よりも規格化透過強度が高かった。純パラフィン膜における緩和速度は、15.8Hzであった。これに対し、混合純パラフィン膜における緩和速度は、7.2Hzであり、純パラフィン膜よりも緩和時間が長かった。これにより、混合純パラフィン膜は、純パラフィン膜に比べて、よりスピン偏極の緩和を抑制できることがわかった。
5.2. 第2実験
50102の純パラフィン膜、およびC50102とC3878との混合純パラフィン膜を光学顕微鏡により観察した。
図16は、C50102の純パラフィン膜の光学顕微鏡写真である。図17は、C50102とC3878との混合純パラフィン膜の光学顕微鏡写真である。
図16に示すように、純パラフィン膜の表面は、僅かであるが凹凸が観測された。これは、純パラフィン膜の下層(純パラフィン膜の下側の部分、例えば図3に示すパラフィン膜32に相当する部分)の固体化の段階で微結晶が形成されたことにより、表面に凹凸が発生したと推測される。
一方、図17に示すように、混合純パラフィン膜の表面は、純パラフィン膜に観測されたような凹凸が見られず滑らかであった。これは、混合純パラフィン膜の場合では、下層は共晶または非晶質により微結晶のような粒界が存在しないため、滑らかな表面が維持されたと推測される。
6. 原子発振器
次に、本実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図18は、本実施形態に係る原子発振器3000の構成を示す概略図である。図19および図20は、本実施形態に係る原子発振器3000の動作を説明する図である。本発明に係る原子発振器は、本発明に係るガスセルを含む。以下では、本発明に係るガスセルとして上述したガスセル100を含む原子発振器3000について説明する。
原子発振器(量子干渉装置)3000は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。原子発振器3000は、図18に示すように、ガスセル100と、光源71と、光学部品72,73,74,75と、光検出部76と、ヒーター77と、温度センサー78と、磁場発生部79と、制御部80と、を含む。
光源71は、ガスセル100内のアルカリ金属原子を励起する励起光LLとして、後述する周波数の異なる2種の光(図19に示す共鳴光L1および共鳴光L2)を射出する。光源71は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)などの半導体レーザーなどで構成される。光学部品72,73,74,75は、それぞれ、光源71とガスセル100との間における励起光LLの光路上に設けられ、光源71側からガスセル100側へ、光学部品72(レンズ)、光学部品73(偏光板)、光学部品74(減光フィルター)、光学部品75(λ/4波長板)の順に配置されている。
光検出部76は、ガスセル100内を透過した励起光LL(共鳴光L1,L2)の強度を検出する。光検出部76は、例えば、太陽電池、フォトダイオードなどで構成されており、後述する制御部80の励起光制御部82に接続されている。ヒーター77(加熱部)は、ガスセル100内のアルカリ金属をガス状に(アルカリ金属ガスとして)維持するために、ガスセル100を加熱する。ヒーター77(加熱部)は、例えば、発熱抵抗体などで構成される。
温度センサー78は、ヒーター77の発熱量を制御するために、ヒーター77またはガスセル100の温度を検出する。温度センサー78は、サーミスター、熱電対などの公知の各種温度センサーで構成される。磁場発生部79は、ガスセル100内のアルカリ金属の縮退した複数のエネルギー準位をゼーマン分裂させる磁場を発生させる。ゼーマン分裂により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器3000の発振周波数の精度を高めることができる。磁場発生部79は、例えば、ヘルムホルツコイルやソレノイドコイルなどで構成される。
制御部80は、光源71が射出する励起光LL(共鳴光L1,L2)の周波数を制御する励起光制御部82と、温度センサー78の検出結果に基づいてヒーター77への通電を制御する温度制御部81と、磁場発生部79から発生する磁場が一定となるように制御する磁場制御部83と、を有する。制御部80は、例えば、基板上に実装されたICチップに設けられている。
原子発振器3000の原理を簡単に説明する。図19は、原子発振器3000のガスセル100内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明する図である。図20は、原子発振器3000の光源71からの2つの光の周波数差と光検出部76での検出強度との関係を示すグラフである。図19に示すように、ガスセル100内に封入されているアルカリ金属(アルカリ金属ガス)は、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態S1、基底状態S2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態S1は、基底状態S2よりも低いエネルギー状態である。
このようなアルカリ金属ガスに対して周波数の異なる2種の共鳴光L1,L2を照射すると、共鳴光L1の周波数ω1と共鳴光L2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光L1,L2のアルカリ金属ガス13における光吸収率(光透過率)が変化する。そして、共鳴光L1の周波数ω1と共鳴光L2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態S1と基底状態S2とのエネルギー差に相当する周波数と一致したとき、基底状態S1,S2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光L1,L2は、いずれも、アルカリ金属ガスに吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
光源71は、ガスセル100に向けて、上述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光L1および共鳴光L2)を射出する。ここで、例えば、共鳴光L1の周波数ω1を固定し、共鳴光L2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光L1の周波数ω1と共鳴光L2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態S1と基底状態S2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部76の検出強度は、図20に示すように急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号と呼ぶ。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を基準として用いることにより、高精度な原子発振器3000を実現することができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…光源、2…光ファイバー、3…コネクター、4…偏光板、5…偏光分離器、6,7…光検出器、8…信号処理回路、9…表示装置、10…セル本体、11…コリメートレンズ、12…第1室、13…内壁、14…連通孔、16…第2室、18…内部空間、20…封止栓、22…投入口、30…被覆膜、32…パラフィン膜、34…パラフィン膜、40…アルカリ金属ガス、50…第1容器、52…第2容器、54…固形物、71光源、72,73,74,75…光学部品、76…光検出器、77…ヒーター、78…温度センサー、79…磁場発生部、80…制御部、81…温度制御部、82…励起光制御部、83…磁場制御部、100…ガスセル、210…光源、212…シャッター、214…レンズ、216…λ/4波長板、218…レンズ、220…ミラー、222…光電子増倍管、1000…磁場計測装置、2000…光学系、3000…原子発振器

Claims (14)

  1. 内壁により規定された第1室を有するセル本体と、
    前記内壁に設けられた第1パラフィン膜と、
    を含み、
    前記第1室には、電磁波と相互作用する気体が収容され、
    前記第1パラフィン膜は、純パラフィン膜であり、
    前記第1パラフィン膜を構成するパラフィンは、分子軸の向きをそろえて配列している、ガスセル。
  2. 内壁により規定された第1室を有するセル本体と、
    前記内壁に設けられた第1パラフィン膜と、
    を含み、
    前記第1室には、電磁波と相互作用する気体が収容され、
    前記第1パラフィン膜は、混合純パラフィン膜であり、
    前記第1パラフィン膜を構成するパラフィンは、分子軸の向きをそろえて配列している、ガスセル。
  3. 請求項2において、
    前記パラフィン膜は、第1パラフィンと、前記第1パラフィンと炭素数の異なる第2パラフィンと、の混合純パラフィン膜である、ガスセル。
  4. 請求項2または3において、
    前記パラフィン膜は、炭素数50のパラフィンと炭素数38のパラフィンとの混合純パラフィン膜である、ガスセル。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記内壁と前記第1パラフィン膜との間に設けられた第2パラフィン膜を含み、
    前記第2パラフィン膜は、前記第1パラフィン膜よりも低い融点を有する、ガスセル。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記電磁波と相互作用する気体は、アルカリ金属の気体である、ガスセル。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、
    前記セル本体は、前記第1室に連通孔を介して連通する第2室を有する、ガスセル。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のガスセルを含む、磁場計測装置。
  9. セル本体の内部空間にパラフィンを配置するパラフィン配置工程と、
    前記セル本体を加熱して前記パラフィンを気化させる加熱工程と、
    前記加熱工程の後に、前記セル本体を冷却して、前記パラフィンをSurface Freezing温度より高い第1温度まで冷却する第1冷却工程と、
    前記第1冷却工程の後に、前記セル本体を冷却して、前記パラフィンを融点より低い第2温度まで冷却する第2冷却工程と、
    前記セル本体の前記内部空間に気体のアルカリ金属を充填させる充填工程と、
    を含み、
    前記第2冷却工程の平均降温速度は、1℃/時間以上10℃/時間以下である、ガスセルの製造方法。
  10. 請求項9において、
    前記第2冷却工程の後であって前記充填工程の前に、前記パラフィンを第2温度に保持する保持工程を含む、ガスセルの製造方法。
  11. 請求項9または10において、
    前記加熱工程、前記第1冷却工程、および前記第2冷却工程によって形成されるパラフィン膜は、混合純パラフィン膜である、ガスセルの製造方法。
  12. 請求項9ないし11のいずれか1項において、
    前記内部空間に前記アルカリ金属が収容された容器を配置するアルカリ金属配置工程を含み、
    前記充填工程では、前記容器を破壊して前記内部空間に気体の前記アルカリ金属を充填させる、ガスセルの製造方法。
  13. 請求項9ないし11のいずれか1項において、
    前記内部空間に前記アルカリ金属を含む固形物を配置するアルカリ金属配置工程を含み、
    前記充填工程では、前記固形物にレーザー光を照射して前記内部空間に気体の前記アルカリ金属を充填させる、ガスセルの製造方法。
  14. 請求項9ないし13のいずれか1項において、
    前記第2冷却工程の平均降温速度は、前記第1冷却工程の平均降温速度より遅い、ガスセルの製造方法。
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