以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図7は本発明をいわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、正面視矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に隣接するように配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。もちろん、ガラス扉5と前面板6とを一つの扉体として一体に開閉可能としてもよい。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々配置されている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、演出用の操作ボタン12,13、球貸し操作部14等が配置されている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤15(図2)が例えば前側から着脱自在に装着されている。遊技盤15の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール16が環状に装着されると共に、そのガイドレール16の内側の遊技領域17に、中央表示ユニット18、普通図柄始動手段19、第1特別図柄始動手段20、第2特別図柄始動手段21、第1大入賞手段22、第2大入賞手段23、普通入賞手段24等の各種遊技部品が配置されている。
中央表示ユニット18は、例えば遊技領域17の左右方向略中央における上部側に配置されており、遊技盤15の裏側に固定される液晶式その他の画像表示手段25に対応して遊技盤15の前側に着脱自在に固定されている。画像表示手段25は、第1演出図柄表示手段26、第2演出図柄表示手段27、第1特別保留個数表示手段28、第2特別保留個数表示手段29等を構成している。
中央表示ユニット18は、遊技盤15の前面側に当接し且つ固定ねじ等により遊技盤15に固定される前面装着板32と、画像表示手段25等に対応する内部領域18aを略取り囲むように例えば前面装着板32の前側に突設される表示枠33とを例えば一体に備えており、発射手段により遊技領域17の上部側に打ち込まれた遊技球は、表示枠33の頂部で左右に振り分けられ、中央表示ユニット18の左側の左流下経路34aと右側の右流下経路34bとの何れかを流下するようになっている。
また、例えば表示枠33上には、普通図柄表示手段35、普通保留個数表示手段36、第1特別図柄表示手段37、第2特別図柄表示手段38等の表示手段の他、例えば左側部には遊技球が入球可能なワープ入口39が、画像表示手段25の下部前側には、例えば左流下経路34aからワープ入口39に流入した遊技球を左右方向に自由に転動させて左右方向中央の中央落下部40又はその左右から落下させるステージ41が夫々設けられている。
普通図柄始動手段19は、普通図柄表示手段35による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、遊技球の通過を検出する遊技球検出手段19aを備えている。この普通図柄始動手段19は、中央表示ユニット18に対して例えば右下部に配置されており、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が高い確率で通過可能となっている。
普通図柄表示手段35は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、普通図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち遊技球が普通図柄始動手段19を通過し、遊技球検出手段19aがその遊技球を検出することに基づいてそれら複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、普通図柄始動手段19による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様(所定態様)に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合には外れ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。普通図柄表示手段35の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合には後述する普通利益状態が発生する。
また、普通図柄表示手段35の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段19が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は普通保留個数表示手段36等によって遊技者に報知される。
第1特別図柄始動手段20は、第1特別図柄表示手段37による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段20aを備えている。この第1特別図柄始動手段20は、例えば中央表示ユニット18の中央落下部40の下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路34a側のワープ入口39からステージ41を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路34bを流下してきた遊技球よりも左流下経路34aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
第2特別図柄始動手段(可変始動手段)21は、第2特別図柄表示手段38による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段42の作動によって遊技球が入賞可能な開状態(第1状態)と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態(第2状態)とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段21aを備えており、普通図柄表示手段35の変動後の停止図柄が当たり態様(所定態様)となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段42が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。この第2特別図柄始動手段21は、例えば第1特別図柄始動手段20の下側に配置されており、釘配置等により、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
第1特別図柄表示手段37は、1個又は複数個、例えば1個の第1特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動手段20が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第1特別図柄始動手段20に入賞し、遊技球検出手段20aがその遊技球を検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1特別図柄始動手段20への入賞時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には大当たり態様で、小当たり判定値と一致する場合には小当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で夫々停止するようになっている。第1特別図柄表示手段37の変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合には大当たり状態が発生し、小当たり状態となった場合には小当たり状態が発生する。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示手段37に関しては大当たり態様として図4(a)に示すA1〜A3の3種類を、小当たり態様として図4(b)に示すa1の1種類を夫々設けており、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合(例えば大当たり確率1/259)には、例えば大当たり判定乱数値と共に取得された大当たり図柄乱数値に基づいて大当たり態様A1〜A3のうちの何れかが図4(a)に示す選択率で選択され、大当たり判定乱数値が小当たり判定値と一致した場合(例えば小当たり確率1/29.97)には100%の確率で小当たり態様a1が選択されるようになっている。
また、第1特別図柄表示手段37の図柄変動中、第2特別図柄表示手段38の図柄変動中、後述する小当たり状態中及び後述する大当たり状態中を含む特別保留期間中に第1特別図柄始動手段20が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1特別乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、特別保留期間が終了し且つその時点で第2特別図柄側の保留記憶がない場合に1個ずつ消化されて第1特別図柄の変動が行われる。このように本実施形態では、第1特別図柄側と第2特別図柄側とに共に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動が優先的に行われるようになっている。なお、第1特別乱数情報の記憶個数(第1特別保留個数)は、第1特別保留個数表示手段28等によって遊技者に報知される。
第2特別図柄表示手段(特別図柄表示手段)38は、1個又は複数個、例えば1個の第2特別図柄(特別図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第2特別図柄始動手段(可変始動手段)21が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第2特別図柄始動手段21に入賞し、遊技球検出手段21aがその遊技球を検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2特別図柄始動手段21への入賞時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には大当たり態様(第1特定態様)で、小当たり判定値と一致する場合には小当たり態様(第2特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で夫々停止するようになっている。第2特別図柄表示手段38の変動後の停止図柄が大当たり態様(第1特定態様)となった場合には大当たり状態(第1利益状態)が発生し、小当たり状態(第2特定態様)となった場合には小当たり状態(第2利益状態)が発生する。
なお本実施形態では、第2特別図柄表示手段38に関しては大当たり態様として図5(a)に示すB1の1種類を、小当たり態様として図5(b)に示すb1〜b3の3種類を夫々設けており、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合(例えば大当たり確率1/259)には100%の確率で大当たり態様B1が選択され、大当たり判定乱数値が小当たり判定値と一致した場合(例えば小当たり確率1/1.56)には、例えば大当たり判定乱数値と共に取得された大当たり図柄乱数値に基づいて小当たり態様b1〜b3のうちの何れかが図5(b)に示す選択率で選択されるようになっている。なお、第2特別図柄表示手段38に関しては、停止図柄が例えば大当たり態様と小当たり態様との何れかとなり、外れ態様にはならないように構成してもよい。
また、第1特別図柄表示手段37の図柄変動中、第2特別図柄表示手段38の図柄変動中、後述する小当たり状態中及び後述する大当たり状態中を含む特別保留期間中に第2特別図柄始動手段21が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第2特別乱数情報が予め定められた上限保留個数を限度として保留記憶され、特別保留期間が終了した場合に1個ずつ消化されて第2特別図柄の変動が行われる。ここで、本実施形態では第2特別図柄の保留個数については上限を1個に設定している。なお、第2特別乱数情報の記憶個数(第2特別保留個数)は、第2特別保留個数表示手段29等によって遊技者に報知される。
本実施形態の場合、遊技者は後述する特別遊技状態中以外の通常遊技状態中は第1特別図柄始動手段20を狙って左打ちをし、特別遊技状態中は普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをするため、通常遊技状態中は主として第1特別図柄が変動し、特別遊技状態中は主として第2特別図柄が変動する。
なお、第1,第2特別図柄には数字図柄等を用いてもよいし、遊技者が停止図柄態様の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を用いてもよい。
第1,第2演出図柄表示手段26,27は、第1,第2特別図柄表示手段37,38の図柄変動を演出するもので、それぞれ1個又は複数個、例えば左右方向に3個の第1,第2演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段25の表示画面25aに変動表示可能に構成されており、例えば第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動と時間的に同調して第1,第2演出図柄を変動させるようになっている。なお、第1,第2演出図柄表示手段26,27は第1,第2特別図柄の変動と同調することなく第1,第2演出図柄を独自に変動させ又はその他の演出画像を表示させる場合があってもよい。
第1,第2演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」、「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり演出態様、例えば少なくとも1つの図柄が異なるものが小当たり演出態様又は外れ演出態様となっている。そして、例えば第1,第2特別図柄の停止図柄が大当たり態様、小当たり態様、外れ態様のときは第1,第2演出図柄もそれに対応して大当たり演出態様、小当たり演出態様、外れ演出態様で停止する。
第1,第2特別保留個数表示手段28,29は、第1,第2特別保留個数を報知するもので、画像表示手段25の表示画面25a上の所定箇所、例えば下部側に、第1,第2保留個数分の第1,第2保留表示画像28a,29aを表示するようになっている。
第1大入賞手段(特定入球手段)22は、開閉手段43の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成されており、第1,第2特別図柄表示手段37,38の変動後の停止図柄が小当たり態様(第2特定態様)となって小当たり状態(第2利益状態)が発生したときに、開閉手段43が一又は複数種類の小当たり開放パターンの何れかに従って開放するようになっている。
第1大入賞手段22は、例えば右流下経路34b側で且つ普通図柄始動手段19の下流側に配置されており、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
第1大入賞手段22の開閉手段43は、例えば遊技領域17の中央側(左側)が低い傾斜状に配置された板状体で、前後方向にスライド移動可能となっており、閉状態のときには遊技盤15の盤面よりも前側に突出して、上向き開口状の入賞口を閉鎖すると共にその上側に落下してきた遊技球を遊技領域17の中央側(ここでは左側)に向けて案内し、開状態のときには後側に退避して入賞口を開放するようになっている。
また第1大入賞手段22は、例えば一つの特定領域44aと、例えば一つの通常領域44bと、第1大入賞手段22に入賞した遊技球を特定領域44aと通常領域44bとに振り分ける例えば可動式の振り分け手段45と、特定領域44aに流入した遊技球を検出する特定遊技球検出手段46aと、通常領域44bに流入した遊技球を検出する通常遊技球検出手段46bとを備えている。第1大入賞手段22に入賞した遊技球は、振り分け手段45によって特定領域44aと通常領域44bとの何れかに案内され、特定遊技球検出手段46aと通常遊技球検出手段46bとの何れかによって検出された後、遊技盤15の裏側に案内される。第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44a側に案内されて特定遊技球検出手段46aがその遊技球を検出した場合(以下、V入賞という)には大当たり状態(第3利益状態)が発生する。
特定領域44aと通常領域44bとは例えば左右に隣接して配置されている。振り分け手段45は、例えば特定領域44aと通常領域44bとの間に対応してその上側に配置された爪状部材で、図示しない駆動手段の駆動により例えば前後方向の回転軸廻りに所定のパターンで揺動することにより、通常領域44b側への流入を阻止しつつ特定領域44a側へ遊技球を案内する特定案内状態と、特定領域44a側への流入を阻止しつつ通常領域44b側へ遊技球を案内する通常案内状態とに切り換え可能となっている。
本実施形態の小当たり開放パターンは、例えばα、βの2種類設けられており、第1特別図柄表示手段37が小当たり態様a1となった場合の小当たり状態では、図4(b)に示すように小当たり開放パターンαが、第2特別図柄表示手段38が小当たり態様b1〜b3となった場合の小当たり状態では、図5(b)に示すように小当たり開放パターンβが夫々用いられるようになっている。
図6は、小当たり開放パターンα,βにおける、開閉手段43及び振り分け手段45の動作を示したものである。図6(a)に示す小当たり開放パターンαでは、開閉手段43が1回開放し、その開放時間は例えば1.5秒となっている。また、振り分け手段45は、開閉手段43の開放と同時に特定案内状態に変化した後、例えば0.08秒後に通常案内状態に変化するようになっている。ここで、第1大入賞手段22に入球した遊技球が振り分け手段45に達するまでの平均時間をS秒とすると、本実施形態では0.08秒<S<2.5秒となっているものとする。従って小当たり開放パターンαの場合、開閉手段43が開状態のときに遊技球が入賞しても、その遊技球が振り分け手段45に達したときには必ず通常案内状態であるため、遊技球が特定領域44a側に案内される可能性は限りなく0に近い。
一方、図6(b)に示す小当たり開放パターンβでは、開閉手段43が例えば計10回開放し、その1回の開放時間は例えば0.08秒となっている。また、開閉手段43の1回目の開放と2回目の開放との間には3.92秒のインターバルが、2〜10回の各開放の間には夫々1.04秒のインターバルが夫々設けられている。また振り分け手段45は、開閉手段43の1回目の開放と同時に特定案内状態となった後、0.08秒後に開閉手段43の閉鎖と同時に通常案内状態に変化する。そして、開閉手段43の2回目の開放が開始されると同時に再び特定案内状態となり、開閉手段43の最後の開放が終了してから所定の排出確認時間(ここでは2.5秒)経過後に通常案内状態に変化するようになっている。
ここで、上述したように本実施形態では0.08秒<S<2.5秒となっているため、小当たり開放パターンβの場合、開閉手段43の1回目の開放時に入球した遊技球は特定領域44a側に案内されることはないが、2〜10回目の開放時に入球した遊技球は確実に特定領域44a側に案内される。しかも上述したように、開閉手段43は、左右方向の緩やかな傾斜状に配置された板状体で、前後方向にスライド移動可能となっており、閉状態のときには遊技盤15の盤面よりも前側に突出してその上側に落下してきた遊技球を遊技領域17の中央側に向けて案内し、開状態のときには遊技領域17から後側に退避して第1大入賞手段22を開放するようになっているため、開閉手段43の2〜10回目の開放(連続開閉動作)の際には、そのインターバル(閉状態)中に開閉手段43上に落下した遊技球についてもその多くを第1大入賞手段22に入賞させることができる。従って、第2特別図柄始動手段21の実際の開放時間(開状態となっている時間の合計)を所定上限時間(例えば1.8秒)内に収めつつ、実質的な開放時間(2回目の開放開始から10回目の開放終了まで)を十分に長くすることができ、遊技者が右流下経路34b側を狙って右打ちをすることにより極めて高い確率で第1大入賞手段22に入賞させることが可能である。
第2大入賞手段23は、開閉手段47の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成されており、第1,第2特別図柄表示手段37,38の変動後の停止図柄が大当たり態様となるか、第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44a側に案内されることにより大当たり状態(第1,第3利益状態)が発生したときに、開閉手段47が一又は複数種類の大当たり開放パターンの何れかに従って開放するようになっている。
なお以下の説明では、第1,第2特別図柄表示手段37,38の変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合に発生する大当たり状態と、第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44a側に案内された場合に発生する大当たり状態とを区別する必要がある場合には、前者を図柄大当たり状態(第1利益状態)、後者をV入賞大当たり状態(第3利益状態)という。
第2大入賞手段23の開閉手段47は、例えば前向き開口状の入賞口に対応する横長矩形状の板状体で、下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能となっており、閉状態のときには遊技盤15の盤面に沿って直立することにより入賞口を閉鎖し、開状態のときには上部側が遊技盤15の盤面よりも前側に突出することにより後ろ下がりの傾斜状となってその上側に落下してきた遊技球を入賞口内に案内するようになっている。なお第2大入賞手段23は、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段48を備えている。
本実施形態の大当たり開放パターンは、第2大入賞手段23を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を所定ラウンド数行うようになっており、そのラウンド数の違いによって例えば4R,12R等の複数種類設けられている(図4,図5)。
なお複数種類の大当たり開放パターンのうちの少なくとも一つにおいて、上記のような通常ラウンドに加えて、遊技球の入賞がほとんど期待できない程度の短時間だけ開放する短時間ラウンドを一又は複数回行うように構成してもよい。この場合、通常ラウンド数と短時間ラウンド数との合計は同じでその配分が異なる複数種類の開放パターンを設けることで、仕様上は同じラウンド数であっても遊技者から見た実質的なラウンド数を異ならせることができる。例えば、通常ラウンド×2+短時間ラウンド×10に設定された12R開放パターンと、通常ラウンド×10+短時間ラウンド×2に設定された12R開放パターンと、通常ラウンド×12に設定された12R開放パターンとの3種類の開放パターンを設けた場合、実質的なラウンド数はそれぞれ2R,10R,12Rであるにも拘わらず仕様上のラウンド数は全て同じ12Rとすることができる。なお、短時間ラウンドのみを一又は複数回行う大当たり開放パターンを設けてもよい。
また、大当たり状態(第1利益状態、第3利益状態)の終了後には、所定の確率で、特別遊技状態の一例としての開放延長状態が発生する。開放延長状態は、大当たり状態が終了したときに開始し、一又は複数の特別遊技状態終了条件の何れかが満たされたときに終了する。開放延長状態中は、普通利益状態における第2特別図柄始動手段21の開放時間が通常開放時間(例えば0.2秒)から延長開放時間(例えば4秒)へ切り換えられる。
また本実施形態では、特別遊技状態終了条件として、次の大当たり状態の発生を内容とする基本終了条件の他に、第1,第2特別図柄の合計変動回数が所定数に達することを内容とする第1終了条件と、小当たり状態の発生回数が所定数に達することを内容とする第2終了条件と、第2特別図柄の変動回数が所定数に達することを内容とする第3終了条件とを設けている(図4,図5)。なお、第1終了条件と第3終了条件とが特定終了条件の一例である。
第1特別図柄が特別遊技状態中に大当たり態様となった場合には、図4(a)に示すようにその大当たり態様がA1〜A3の何れであっても同一条件の特別遊技状態が発生し、その特別遊技状態の終了条件は、第1終了条件が100、第2終了条件が5、第3終了条件が1となっている。即ち、第1特別図柄が特別遊技状態中に大当たり態様A1〜A3の何れかとなった場合に発生する特別遊技状態は、第1,第2特別図柄の合計変動回数が100回に達するか、小当たり状態の発生回数が5回に達するか、第2特別図柄が1回変動した時点で終了する。従ってこの場合の特別遊技状態は、実際上は基本終了条件と第3終了条件との何れかが満たされることによって終了し、第1,第2終了条件が満たされることによって終了することはない。
また第1特別図柄が通常遊技状態中に大当たり態様となった場合には、図4(a)に示すようにその大当たり態様がA1,A2の何れかの場合(選択率65%)にのみ同一条件の特別遊技状態が発生し、その特別遊技状態の終了条件は、第1終了条件が100、第2終了条件が5であり、第3終了条件は設定されていない。即ち、第1特別図柄が通常遊技状態中に大当たり態様A1,A2の何れかとなった場合に発生する特別遊技状態は、第1,第2特別図柄の合計変動回数が100回に達するか、小当たり状態の発生回数が5回に達した時点で終了する。
また第2特別図柄が大当たり態様B1となった場合には、図5(a)に示すようにその時点の遊技状態に拘わらず特別遊技状態が発生し、その特別遊技状態の終了条件は、第1終了条件が100、第2終了条件が5、第3終了条件が1となっている。即ち、第2特別図柄が大当たり態様B1となった場合に発生する特別遊技状態は、第1,第2特別図柄の合計変動回数が100回に達するか、小当たり状態の発生回数が5回に達するか、第2特別図柄が1回変動した時点で終了する。
また、以上のような図柄大当たり状態の終了後だけでなく、V入賞大当たり状態の終了後にも特別遊技状態は発生し得る。図5(b)に示すように、第2特別図柄に関するV入賞大当たり状態の終了後には、遊技状態に拘わらず特別遊技状態が発生し、その特別遊技状態の終了条件は、第1終了条件が100、第2終了条件が5、第3終了条件が1となっている。即ち、第2特別図柄に関するV入賞大当たり状態の終了後に発生する特別遊技状態は、第1,第2特別図柄の合計変動回数が100回に達するか、小当たり状態の発生回数が5回に達するか、第2特別図柄が1回変動した時点で終了する。
このように第2特別図柄に関する図柄大当たり状態、V入賞大当たり状態の終了後に発生する特別遊技状態は、実際上は基本終了条件と第3終了条件との何れかが満たされることによって終了し、第1,第2終了条件が満たされることによって終了することはない。
一方、上述したように第1特別図柄が小当たり態様となった場合に発生する小当たり開放パターンαでの小当たり状態では基本的にV入賞することはないため、V入賞大当たり状態は発生せず、従って特別遊技状態も発生しない(図4(b))。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、51は主制御基板、52は演出制御基板で、これら各制御基板51,52は、遊技盤15に装着された中央表示ユニット18、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤15を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板51は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段61、普通始動検出処理手段62、普通乱数記憶手段63、普通図柄処理手段64、普通利益状態発生手段65、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71b、第1,第2特別始動検出処理手段72a,72b、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73b、第1,第2特別図柄処理手段74a,74b、小当たり状態発生手段75、大当たり状態発生手段76、特別遊技状態発生手段77、制御コマンド送信手段78等を備えている。
普通乱数作成処理手段61は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否か(普通利益状態を発生させるか否か)の判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動検出処理手段62は、普通図柄始動手段19による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段19が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段61で作成された当たり判定乱数値等の普通乱数情報を取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段64は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段63に記憶されている普通乱数情報の待ち行列の先頭から当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うと共に普通図柄表示手段35による普通図柄を所定時間変動させ、当たり判定の場合には当たり態様に対応する「○」で、外れ判定の場合には外れ態様に対応する「×」で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段65は、第2特別図柄始動手段(可変始動手段)21が開状態(第1状態)に変化する普通利益状態を発生させるもので、普通図柄処理手段64による判定結果が当たりとなることに基づいて普通図柄表示手段35の変動後の停止図柄が当たり態様(所定態様)となった場合に、第2特別図柄始動手段21の開閉手段42を複数種類の開閉パターンの何れかに従って所定時間開状態に変化させる普通利益状態を発生させるようになっている。
第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様、小当たり態様、外れ態様の何れにするかの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様、小当たり態様となる場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
第1,第2特別始動検出処理手段72a,72bは、第1,第2特別図柄始動手段20,21による遊技球の検出(入賞)に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段20,21が遊技球を検出することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等の第1,第2特別乱数情報を取得し、その第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段74a,74bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段37,38が変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに1個以上の第1,第2特別乱数情報が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶されている第1,第2特別乱数情報の待ち行列の先頭から大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値、小当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値等とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄態様選択機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果に基づいて、第1,第2演出図柄に対応する変動パターンとして複数種類の中から1つを選択する変動パターン選択機能、第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動を開始させ、選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、選択された停止図柄態様で第1,第2特別図柄の変動を停止させる第1,第2特別図柄変動制御機能等を備えている。
本実施形態では、第1特別図柄表示手段37に関する判定結果が大当たりとなった場合には、図4(a)に示すように3種類の大当たり態様A1〜A3がそれぞれ50,15,35%の確率で選択され、第2特別図柄表示手段38に関する判定結果が大当たりとなった場合には、図5(a)に示すように1種類の大当たり態様B1が選択され、第1特別図柄表示手段37に関する判定結果が小当たりとなった場合には、図4(b)に示すように1種類の小当たり態様a1が選択され、第2特別図柄表示手段38に関する判定結果が小当たりとなった場合には、図5(b)に示すように3種類の小当たり態様b1〜b3がそれぞれ50,39,11%の確率で選択される。なお、第1特別図柄表示手段37と第2特別図柄表示手段38とで大当たり態様となる確率(大当たり確率)は同じ(例えば1/259)である。
また、第1特別図柄表示手段37の図柄変動中、第2特別図柄表示手段38の図柄変動中、小当たり状態中及び大当たり状態中を含む特別保留期間中には第1,第2特別図柄による新たな変動は開始せず、また特別保留期間が終了した時点で第1特別図柄側と第2特別図柄側とに共に保留記憶がある場合(第1,第2特別保留個数が共に1以上の場合)には、第2特別図柄の変動が優先的に行われる。
またその特別保留期間は、第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動開始から停止図柄確定までの特別図柄変動期間と、その停止図柄確定から所定時間経過するまでの特別図柄確定期間とを含んでいる。即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄が所定の停止図柄態様で停止・確定した後、特別図柄確定期間が経過するまでは次の第1,第2特別図柄の変動は開始されない。
ここで、特別図柄確定期間は、開放延長状態中(特別遊技状態中)における普通利益状態の開始から終了までの時間以上の長さに設定されている。本実施形態では、開放延長状態中の普通利益状態における第2特別図柄始動手段21の開閉パターンは、図7(a)に示すように開閉手段42が例えば100msのインターバル(閉状態)を挟んで2000msの開放を2回行うように設定されている。即ち、開放延長状態中における普通利益状態の開始から終了までの時間は4100msであり、特別図柄確定期間はその4100msより長い5000msに設定されている。
小当たり状態発生手段(第2利益状態発生手段)75は小当たり状態(第2利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/小当たり/外れの判定結果が小当たりとなり、第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄態様が小当たり態様(第2特定態様)となった場合に、第1大入賞手段(特定入球手段)22を所定の小当たり開放パターンに従って開放する小当たり状態を発生させるようになっている。
本実施形態ではα,βの2種類の小当たり開放パターンが設けられており、図4(b)に示すように第1特別図柄が小当たり態様となった場合には小当たり開放パターンαが選択され、図5(b)に示すように第2特別図柄が小当たり態様となった場合には小当たり開放パターンβが選択される。
なお上述したように、小当たり開放パターンαの場合には、図6(a)に示すように遊技球が入賞しても特定領域44a側に案内されることはないのに対し、小当たり開放パターンβの場合には、図6(b)に示すように遊技球が入賞すればその遊技球は極めて高い確率で特定領域44a側に案内され、しかも実質的な開放時間が非常に長いために多くの遊技球を容易に入賞させることができる。また、第2特別図柄は小当たり態様となる確率が例えば1/1.56と比較的高いため、遊技者は特別遊技状態中に右打ちをして第2特別図柄始動手段21に遊技球を入賞させ、第2特別図柄を変動させれば、高い確率で大当たり状態を発生させることが可能である。
大当たり状態発生手段(第1利益状態発生手段、第3利益状態発生手段)76は大当たり状態(第1利益状態、第3利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/小当たり/外れの判定結果が大当たりとなることに基づいて第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄態様が大当たり態様(第1特定態様)となるか、小当たり状態中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44aに案内された場合に、第2大入賞手段23を所定の大当たり開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させるようになっている。
本実施形態の大当たり開放パターンは、第2大入賞手段23を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を所定ラウンド数行うようになっており、そのラウンド数の違いによって4R,12R等の複数種類設けられている。第1特別図柄の大当たり態様と大当たり開放パターンとの対応関係を図4(a)に、第2特別図柄の大当たり態様と大当たり開放パターンとの対応関係を図5(a)に、第2特別図柄の小当たり態様とその後のV入賞大当たり状態における大当たり開放パターンとの対応関係を図5(b)に夫々示している。
特別遊技状態発生手段77は、大当たり状態(第1利益状態,第3利益状態)の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、大当たり状態が終了したときに所定の確率で特別遊技状態の一例としての開放延長状態を開始させると共に、一又は複数の特別遊技状態終了条件の何れかが満たされた場合に開放延長状態を終了させるようになっている。開放延長状態中は、普通利益状態における第2特別図柄始動手段21の開放時間が通常開放時間(例えば0.2秒)から延長開放時間(例えば4秒)へ切り換えられる。
特別遊技状態終了条件は、次の大当たり状態の発生を内容とする基本的終了条件に加えて、第1,第2特別図柄の合計変動回数が所定数に達することを内容とする第1終了条件と、小当たり状態の発生回数が所定数に達することを内容とする第2終了条件と、第2特別図柄の変動回数が所定数に達することを内容とする第3終了条件が設けられており、大当たり態様の種類及び遊技状態に応じてそれら第1〜第3終了条件のうちの少なくとも一つが設定されている(図4,図5)。
ここで、開放延長状態中は第2特別図柄の変動において高い確率(例えば1/1.56)で小当たり状態が発生するため、この小当たり状態を続けることによって出玉を増やすことができる場合には、開放延長状態の終盤まで敢えてV入賞を回避して出玉を増やし(いわゆるVはずし)、開放延長状態の終了直前(例えば第1終了条件が満たされる直前)にV入賞させて大当たり状態による出玉も獲得することが、遊技者にとって最も有利であると考えることもできる。
しかしながら本実施形態の場合、第2特別図柄に関する図柄大当たり状態及びV入賞大当たり状態の終了後に発生する開放延長状態、及び開放延長状態中に第1特別図柄が大当たり態様となった場合に発生する開放延長状態については、第3終了条件が1に設定されており、第2特別図柄が1回変動した時点で開放延長状態が終了するため、遊技者がいわゆるVはずしにより利益を得ることはできない。
また、通常遊技状態中に第1特別図柄が大当たり態様A1,A2となった場合(初回大当たり)に発生する特別遊技状態については、図4(a)に示すように第3終了条件は設定されていないが、第1終了条件が100に、第2終了条件が5に夫々設定されている。即ちこの場合、第1,第2特別図柄が100回変動するまでに小当たり状態が5回発生した時点で開放延長状態が終了するため、この場合も遊技者がいわゆるVはずしにより利益を得ることはできない。なお、この場合の第2終了条件は4以下の値に設定してもよいが、第1特別保留個数の上限値である4よりも1多い5に設定することで、開放延長状態の開始時に第1特別図柄の保留が上限の4個残っており、しかもそれらが全て小当たりであったとしても、開放延長状態中に少なくとも1回は第2特別図柄による図柄変動を行うことが可能である。
また本実施形態では、図柄変動回数が所定数に達することを内容とする第1,第3終了条件の何れかが満たされることによって開放延長状態(特別遊技状態)が終了する場合、その開放延長状態の終了タイミングは、図7(a)に示すようにその開放延長状態における最終の図柄変動における停止図柄確定の時点(図7(a)のta1)に設定されている。また本実施形態では、第1,第2特別図柄の停止図柄確定から次の第1,第2特別図柄の変動が可能になるまでの特別図柄確定期間の長さ(図7(a)のta1からta3まで)が、普通利益状態の開始から終了までの時間(ここでは4100ms)よりも長い5000msに設定されているため、開放延長状態中に普通図柄が当たり態様となった場合には、それによって発生する延長開放時間での普通利益状態は、開放延長状態終了後の最初の第1,第2特別図柄変動が開始するまでに必ず終了する(図7(a)のta2)。従って、開放延長状態の終了後に例えば第2特別図柄が変動することにより減り始めた保留個数が、開放延長状態の終了前に発生した普通利益状態によって再び増加する可能性を排除できる。
なお従来のように、開放延長状態終了前の最終の図柄変動において停止図柄が確定した後、特別図柄確定期間が経過した時点(図7(b)のtb1)で開放延長状態を終了するように構成した場合、例えば開放延長状態終了前の特別図柄確定期間中に普通図柄が当たり態様となって延長開放時間での普通利益状態が発生すると、その普通利益状態が開放延長状態終了後の最初の図柄変動の開始後(図7(b)のtb1以降)も継続する可能性があり、開放延長状態終了後の最初の図柄変動の開始によって減り始めた保留個数が再び増加し得るという問題がある。
制御コマンド送信手段78は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板52等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄の変動開始時に、第1,第2特別保留個数の減少を指定する第1,第2保留減少コマンド、第1,第2演出図柄の変動パターンを指定する第1,第2変動パターン指定コマンド、第1,第2特別図柄の停止図柄態様を指定する第1,第2停止図柄態様指定コマンドをこの順序で演出制御基板52側に送信し、第1,第2特別図柄の変動終了時に第1,第2演出図柄の変動停止を指示する第1,第2変動停止指定コマンドを演出制御基板52側に送信する機能、第1,第2特別保留個数が増加したときに第1,第2特別保留個数の増加を指定する第1,第2保留増加コマンドを演出制御基板52側に送信する機能、特別遊技状態発生手段77による特別遊技状態の発生時及び終了時に特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板52側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板52は、第1,第2演出図柄表示手段26,27、第1,第2特別保留個数表示手段28,29、音声出力手段81、電飾手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄制御手段83、特別保留個数表示制御手段84等を備えている。
演出図柄制御手段83は、第1,第2演出図柄表示手段26,27の表示制御及びそれに伴う音声出力手段81、電飾手段82の制御を行うもので、主制御基板51から第1,第2変動パターン指定コマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに基づいて第1,第2演出図柄表示手段26,27による演出図柄の変動及びそれに伴う音声出力、電飾発光を開始させると共に、第1,第2変動停止指定コマンドを受信したときに、第1,第2停止図柄態様指定コマンドと第1,第2変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄態様で第1,第2演出図柄の変動を停止させ、またそれに伴う音声出力、電飾発光を停止させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段84は、第1,第2特別保留個数表示手段28,29の表示制御を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段20,21により新たに遊技球が検出され、主制御基板51から第1,第2保留増加コマンドを受信したときに、その第1,第2保留増加コマンドに基づいて、画像表示手段25の表示画面25a上の所定位置に第1,第2特別保留個数分の保留表示画像28a,29aを表示し、例えば主制御基板51から第1,第2保留減少コマンドを受信することに基づいて、表示中の保留表示画像28a,29aの数を1個減少させて前側にシフトさせるようになっている。
続いて、本パチンコ機における遊技の流れを説明する。本パチンコ機では、特別遊技状態中(開放延長状態中)以外の通常遊技状態中は、普通図柄始動手段19が遊技球を検出して普通図柄表示手段35が変動し、普通図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生しても、第2特別図柄の変動を開始させるための第2特別図柄始動手段21の開放時間(通常開放時間)は僅か(例えば0.2秒)であるため、普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをしても第2特別図柄始動手段21への入賞の可能性は極めて低い。一方、非作動式の入賞手段である第1特別図柄始動手段20は入賞の難易度が遊技状態によって変動することがなく、通常遊技状態中であっても安定的な入賞が期待できる。従って、通常遊技状態中からいきなり右流下経路34b側の普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをするのではなく、第1段階としてまずは特別遊技状態を発生させるべく、左打ちをして左流下経路34a側から第1特別図柄始動手段20への入賞を狙うべきである。よって、通常遊技状態中には例えば画像表示手段25に「←左を狙え」等の画像を表示する等、遊技者を左打ちに誘導するための左打ち誘導報知を行うことが望ましい。
遊技者が通常遊技状態中に左打ちをし、その遊技球が左流下経路34aから例えばワープ入口39、ステージ41を経て中央落下部40から第1特別図柄始動手段20に入賞するか、又はステージ41等を経ることなく遊技釘等に案内されて第1特別図柄始動手段20に入賞すると、その遊技球は遊技盤15の裏側に案内される際に遊技球検出手段20aによって検出され、それによって所定個数の賞球が上皿8に払い出されると共に、第1特別図柄表示手段37及び第1演出図柄表示手段26による第1特別図柄及び第1演出図柄の変動が行われる。
その変動後に第1特別図柄が小当たり態様で停止した場合には小当たり状態が発生し、第1大入賞手段22が小当たり開放パターンαで開放する(図4(b))。しかしながら、この小当たり開放パターンαでの開放中(例えば1.5秒)に第1大入賞手段22に遊技球が入賞しても、その遊技球が振り分け手段45に達したときには振り分け手段45は通常案内状態となっているため(図6(a))、その遊技球が特定領域44aに案内されることはなく、よって大当たり状態が発生することはない。従って、通常遊技状態中に第1特別図柄が小当たり態様となって小当たり状態が発生しても、遊技者を右打ちに誘導するための右打ち誘導報知は行わないことが望ましい。なおこの場合、小当たり状態の終了後には遊技者は引き続き左打ちを行う。
一方、第1特別図柄が大当たり態様で停止した場合には大当たり状態が発生し、大当たり態様の種類に応じて選択された4R,12Rの何れかの大当たり開放パターン(図4(a))に従って第2大入賞手段23が長時間開放する。従って、この場合には例えば画像表示手段25に「右を狙え→」等の画像を表示する等、遊技者を右打ちに誘導するための右打ち誘導報知を行うことが望ましい。そして、遊技者が右打ちをして開放中の第2大入賞手段23に遊技球が入賞すると、入賞1個あたり所定個数の賞球が上皿8に払い出されるため、遊技者は大量の賞球を容易に得ることができる。
その大当たり状態の終了後には、図4(a)に示すように開放延長状態が65%の確率で発生する。大当たり状態の終了後に開放延長状態が発生しない場合(大当たり態様A3の場合)には、例えば左打ち誘導報知が行われ、遊技者は再び左打ちを開始する。一方、大当たり状態の終了後に開放延長状態が発生すると、普通利益状態における第2特別図柄始動手段21の開放時間が通常開放時間(例えば0.2秒)から延長開放時間(例えば4秒)へ切り換えられる。また、開放延長状態中は普通図柄が極めて高い確率で当たり態様となるため、遊技球が普通図柄始動手段19を通過すれば、普通図柄の変動後に高い確率で第2特別図柄始動手段21が長時間(例えば4秒間)開放する。従って、開放延長状態中は例えば右打ち誘導報知が行われ、遊技者は右打ちをすることにより遊技球を容易に第2特別図柄始動手段21に入賞させることができる。
遊技球が第2特別図柄始動手段21に入賞すると、その遊技球は遊技盤15の裏側に案内される際に遊技球検出手段21aによって検出され、それによって所定個数の賞球が上皿8に払い出されると共に、第2特別図柄表示手段38及び第2演出図柄表示手段27による第2特別図柄及び第2演出図柄の変動が行われる。なお、開放延長状態の開始時点で第1特別保留個数が1以上の場合には、その後に遊技球が第2特別図柄始動手段21に入賞して第2特別保留個数が1以上になるまでは第1特別図柄の保留が消化される。
第2特別図柄が小当たり態様で停止した場合には小当たり状態が発生し、第1大入賞手段22が小当たり開放パターンβで開放する(図5(b))。この小当たり開放パターンβは実質的な開放時間が非常に長く、しかもその開放中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球は略確実に特定領域44aに案内される(V入賞)ため、遊技者が右打ちを継続すれば略確実にV入賞大当たり状態を発生させることが可能である。V入賞大当たり状態では、小当たり態様の種類に応じて選択された大当たり開放パターン(図5(b))に従って第2大入賞手段23が長時間開放する。一方、第2特別図柄が大当たり態様で停止した場合も大当たり状態が発生し、例えば12Rの大当たり開放パターン(図5(a))に従って第2大入賞手段23が長時間開放する。開放延長状態中に大当たり状態が発生すると、基本終了条件が満たされることによりその開放延長状態は終了する。
なお、この通常遊技状態中に第1特別図柄が大当たり態様A1,A2となった場合(初回大当たり)に発生する開放延長状態については、基本終了条件の他、図4(a)に示すように第1終了条件が100に、第2終了条件が5に夫々設定されている。即ちこの場合、第1,第2特別図柄が100回変動するまでに小当たり状態が5回発生した時点で開放延長状態が終了する。このようにV入賞しなくても小当たり状態の発生回数が5回に達した時点で開放延長状態が終了するため、遊技者がいわゆるVはずしにより利益を得ることはできない。また、第2終了条件を5に設定しているため、開放延長状態の開始時に第1特別保留個数が上限の4個残っており、しかもそれらが全て小当たりであったとしても、開放延長状態中に少なくとも1回は第2特別図柄による図柄変動を行うことが可能である。
第2特別図柄に関する図柄大当たり状態及びV入賞大当たり状態の終了後には、第3終了条件が1に設定された開放延長状態が発生する(図5(a),(b))。即ちこの開放延長状態は、その開始後に第2特別図柄が1回変動した時点で終了する。その1回の第2特別図柄変動において小当たり態様又は大当たり態様となって図柄大当たり状態、V入賞大当たり状態が発生すれば、その終了後に再び同様の開放延長状態が発生する。一方、第2特別図柄の変動に関しては例えば1個を上限として保留記憶されるため、第2特別図柄が外れ態様となって開放延長状態が終了しても、保留が残っていれば次の1回は第2特別図柄を変動させることができ、その第2特別図柄変動において小当たり態様又は大当たり態様となって図柄大当たり状態、V入賞大当たり状態が発生すれば、その終了後に再び開放延長状態を発生させることができる。なお、第2特別図柄の保留上限数は2以上の値に設定してもよい。
また、第2特別図柄が1回変動することを内容とする第3終了条件が満たされる場合、図7(a)に示すようにその1回の第2特別図柄変動において停止図柄が確定した時点(図7(a)のta1)で開放延長状態は終了する。しかも、特別図柄確定期間の長さ(図7(a)のta1からta3まで)は、普通利益状態の開始から終了までの時間(ここでは4100ms)よりも長い5000msに設定されている。従って、開放延長状態中に普通図柄が当たり態様となっても、それによって発生する延長開放時間での普通利益状態は、開放延長状態終了後の最初の第2特別図柄変動が開始するまでに必ず終了する(図7(a)のta2)。従って、開放延長状態の終了後に第2特別図柄が変動することにより減少した保留個数が、開放延長状態の終了前に発生した普通利益状態によって再び増加することはない。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では特別図柄確定時間の長さ(例えば5000ms)を、特別遊技状態中における普通利益状態の開始から終了までの時間(例えば4100ms)よりも長く設定した例を示したが、特別図柄確定時間の長さと特別遊技状態中における普通利益状態の開始から終了までの時間とを同じにしてもよい。またこのように、特別図柄確定時間の長さは特別遊技状態中における普通利益状態の開始から終了までの時間以上とすることが望ましいが、そのように設定しない場合でも、図柄変動における停止図柄確定の時点で特別遊技状態を終了するように構成することで、特別遊技状態の終了によって減り始めた特別図柄の保留がその直後に再び増加する可能性を小さくできる。
実施形態では、通常遊技状態中に第1特別図柄が大当たり態様となった場合に発生する特別遊技状態については、その終了条件として、小当たり状態の発生回数が所定数に達することを内容とする第2終了条件を設け、その第2終了条件における所定数を、第1特別図柄の保留上限数である4よりも1多い5に設定した例を示したが、その所定数は第1特別図柄の保留上限数よりも2以上多い値に設定してもよい。
実施形態は本発明をいわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機に採用した例を示したが、それ以外のパチンコ機においても、またアレンジボール機、雀球遊技機等の各種の遊技機においても同様に実施することが可能である。