以下に、図面を参照しながら本願発明を具体化した実施形態を説明する。なお、本願特許請求の範囲及び本願明細書等において、炊飯米とは、原料米が加水及び加熱されて原料米の澱粉成分が糊化した状態の糊化物を意味し、例えば、炊飯米にはいわゆる蒸米も含まれる。
図1は、米ゲル製造システムの一実施形態の概略平面図である。図2は、同実施形態の概略構成図である。米ゲル製造システム1は、大まかな構成として、原料米を貯留する貯米部2、原料米を水洗いする洗米部3、洗米を浸漬する浸漬部4、浸漬米を炊飯する炊飯部5、炊飯米を搬送する搬送部6、炊飯米を粉砕して米ゲルを得る粉砕部7、米ゲルを移送する米ゲル移送部8、米ゲルを小分け収容するゲル収容部9、米ゲル収容物を検査する検査部10、米ゲル袋を出荷する出荷部11を備える。
例えば玄米や精白米などの原料米は、貯米部2で納米ホッパー12に投入され、納米昇降機13により上昇されて、納米庫14の上部から納米庫14に収容される。納米庫14は、納米庫14の下部から排出する原料米を計量する計量装置を備え、所定量の原料米を排出する。納米庫14から排出された原料米は、昇降機等を有する原料米搬送機15にて洗米部3の洗米機16に送られる。洗米機16で原料米を水洗いして得られる洗米は、洗米移送管17を介して浸漬部4の浸漬タンク18に送られ、浸漬タンク18内で例えば1.5時間程度、浸漬される。
浸漬タンク18内の浸漬米は、計量及び水切りされて所定量ずつ炊飯釜Aに供給される。米ゲル製造システム1は、複数の炊飯釜Aと、炊飯釜Aを炊飯部5へ搬送するコンベヤ19を備える。コンベヤ19の搬送上流側に配置された空の炊飯釜Aに、浸漬タンク18から所定量の浸漬米が供給される。また、炊飯釜Aには、加水機20から所定量の炊飯水が供給される。浸漬米(原料米)及び炊飯水を収容する炊飯釜Aは、コンベヤ19により炊飯部5側へ搬送され、搬送途中で蓋配置部(図示省略)により蓋がされた後、炊飯部5の連続式炊飯機21へ送られる。
連続式炊飯機21は、内部に設けたコンベヤ及び熱源(図示省略)により炊飯釜Aを搬送しながら加熱し、炊飯釜A内の浸漬米を炊飯する。連続式炊飯機21には、浸漬米及び炊飯水を収容する炊飯釜Aがコンベヤ19から順次供給される。連続式炊飯機21は、コンベヤ19から受け継いだ複数の炊飯釜A内の浸漬米を連続的に炊飯する。なお、連続式炊飯機21の熱源は、いかなるものであってもよく、例えばガス式であってもよいし、IH(Induction Heating)式であってもよい。
連続式炊飯機21で炊飯された炊飯米を収容する炊飯釜Aは、搬送部6の搬送コンベヤ22に受け継がれる。搬送部6は、搬送コンベヤ22と自動反転機23とほぐし機24を備え、連続式炊飯機21から受け継いだ炊飯釜A内の炊飯米を搬送コンベヤ22上で蒸らしながら、炊飯釜Aを自動反転機23へ搬送する。搬送コンベヤ22の搬送下流端側で炊飯釜A上の蓋が蓋取外し機(図示省略)により取り外された後、炊飯釜Aが自動反転機23により持ち上げられて反転され、炊飯釜A内の炊飯米が取り出されてほぐし機24に供給される。
ほぐし機24は、炊飯米を攪拌してほぐす。ほぐされた炊飯米は、粉砕部7の粉砕機25へ供給される。粉砕機25へ供給されるときの炊飯米の温度は、老化する温度よりも高い温度であり、この実施形態では85度程度である。なお、搬送コンベヤ22上で蒸らし搬送されるときの炊飯米の温度は90度程度である。粉砕機25は、例えば石臼形式の摩砕機(融砕機とも呼ばれる)で構成され、炊飯米を粉砕して米ゲルを得る。なお、粉砕機25は、炊飯米を粉砕して米ゲルを得ることができる構成であれば、粉砕方式は特に限定されない。
粉砕機25で得られる米ゲルは、米ゲル移送部8の移送ポンプ26に供給される。移送ポンプ26は、例えばモーノポンプと呼ばれる一軸偏心ねじポンプで構成され、米ゲル移送配管27を介して米ゲルをゲル収容部9の包装機28へ移送する。米ゲル移送配管27は例えばステンレス鋼製である。
ゲル収容部9は米ゲルを小分け収容する。ゲル収容部9の包装機28は、樹脂フィルムを製袋すると共に、袋状樹脂フィルムに米ゲルを充填して所定量(例えば5キログラム)ずつに封止し、一袋ずつに切断して米ゲル収容物Pを順次得る。
ゲル収容部9で得られる米ゲル収容物Pは、コンベヤ30により検査部10へ搬送される。検査部10では、米ゲル収容物P内の異物の有無が異物検出機31で検査され、米ゲル収容物Pの重さが所定重さ範囲内であることが重さ検査機32で検査される。検査完了後の米ゲル収容物Pは、出荷部11の移動台33へ順次載せられる。出荷部11では、複数の米ゲル収容物Pが移動台33ごと搬送され、殺菌機34で加熱殺菌及び冷却されて、除水機35で順次除水された後、箱詰めされて出荷可能な状態にされる。
なお、搬送部6において、自動反転機23により炊飯米が取り出されて搬送コンベヤ22に戻された空の炊飯釜Aは、例えば手作業で釜洗浄機36へ搬送されて洗浄された後、コンベヤ19の搬送上流端側の浸漬米供給位置に配置される。ここで、搬送コンベヤ22に戻された空の炊飯釜Aが、別のコンベヤ等により搬送コンベヤ22から自動で釜洗浄機36へ移動され、釜洗浄機36にて自動で洗浄されて、さらに別のコンベヤ等により、コンベヤ19の浸漬米供給位置に自動で配置されるようにしてもよい。これにより、コンベヤ19、連続式炊飯機21、搬送コンベヤ22、自動反転機23及び釜洗浄機36の移動経路を炊飯釜Aが自動で循環移動するので、作業者の負担が軽減される。
この実施形態の米ゲル製造システム1は、原料米を炊飯又は蒸煮して炊飯米を得る炊飯部5と、炊飯米を搬送する搬送部6と、搬送部6から受け継いだ炊飯米を粉砕機25で粉砕して米ゲルを得る粉砕部7を備えるので、搬送部6により炊飯米を炊飯部5から粉砕部7へ自動で搬送して、粉砕部7で米ゲルを順次生産でき、米ゲルの大量生産が可能になる。
また、米ゲル製造システム1は、老化する温度よりも高い温度(例えば85度程度)の温度の炊飯米を粉砕機25に供給するので、炊飯米の老化に起因する粉砕機25の負荷増大を防止でき、ひいては粉砕機25の故障や寿命低下を防止できる。これにより、粉砕部7の維持管理コストを低減できると共に、粉砕機25の修理頻度や交換頻度を低減して安定した米ゲル生産を実現できる。なお、加水及び加熱によって米の澱粉成分が糊化する温度は概ね60度程度であり、80〜90度程度で急速に糊化する。また、澱粉成分が糊化した炊飯米は、温度が概ね20度未満になると老化が促進される。そこで、粉砕機25に供給される炊飯米の温度は、炊飯米が老化する温度よりも高い温度であることが好ましく、例えば20度以上、より好ましくは30度以上、さらに好ましくは60度以上である。
また、米ゲル製造システム1において、炊飯部5は、原料米(浸漬米)及び炊飯水を収容する複数の炊飯釜Aを搬送しながら加熱して炊飯米を得る連続式炊飯機21により構成され、搬送部6は、炊飯釜Aを反転させて炊飯米を炊飯釜Aから取り出して粉砕部7に供給する。これにより、炊飯米を大量生産できると共に、その炊飯米を搬送部6により炊飯釜Aから取り出して粉砕部7へ自動で供給して、米ゲルの大量生産が可能になる。
また、米ゲル製造システム1は、粉砕部7で得られる米ゲルを移送する米ゲル移送部8と、米ゲル移送部8から受け継いだ米ゲルを小分け収容するゲル収容部9を備えるので、ゲル収容部9で米ゲルを例えば米ゲル収容物Pに小分け収容して出荷しやすい状態にできる。なお、ゲル収容部9における米ゲルの小分け収容方式は、特に限定されず、米ゲルを小分け収容できる構成であればどのような収容方式であってもよい。例えば、ゲル収容部9は、タンク等の複数の容器に米ゲルを順次小分け収容する構成であってもよい。
さらに、米ゲル移送部8は、高粘性流体を移送可能な一軸偏心ねじポンプで構成される移送ポンプ26で米ゲルを移送するので、粉砕部7で得られる米ゲルの粘度が高い場合であっても、米ゲルをゲル収容部9へ移送できる。
図3は、米ゲル製造システムの他の実施形態の概略構成図である。この実施形態の米ゲル製造システム1は、原料米に傷をつける原料米加工部38を備えている。この実施形態では、原料米加工部38は、貯米部2と洗米部3の間に設けられる。原料米加工部38は、原料米の米粒表面に傷をつけたり米粒を割ったりする損傷加工を行う粉砕装置37を備える。貯米部2から所定量の原料米が原料米加工部38に移送され、原料米加工部38で損傷加工された原料米が洗米部3の洗米機16を介して、浸漬部4の浸漬タンク18に移送される。浸漬処理前に、原料米に損傷加工を施すことにより、浸漬水と接する原料米の表面積が増えるので、浸漬時間を短くできる。なお、原料米加工部38の配置位置は、原料米を浸漬処理する前に損傷加工できる位置であればよく、例えば、貯米部2の納米ホッパー12と納米庫14の間であってもよい。
図1及び図2に示した実施形態と、図3に示した実施形態は、原料米の水洗い処理を洗米部3で行うと共に、浸漬処理を浸漬部4の浸漬タンク18内で行っているが、水洗い処理及び浸漬処理は炊飯釜A内で行われてもよい。また、原料米の水洗い処理を洗米部3で行った後、洗米と浸漬水を炊飯釜A内に収容して、炊飯釜A内で浸漬処理を行う構成であってもよい。
次に、図4から図9を参照しながら、米ゲル製造システムのさらに他の実施形態を説明する。この実施形態の米ゲル製造システム1は、炊飯部5に蒸気式の連続炊飯装置43を備え、搬送部6に主コンベヤ46及び複数の投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dを備え、粉砕部7に複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eを備える。
原料米は、貯米部2で納米ホッパー12に投入され、納米昇降機13により搬送されて納米庫14に収容される。納米庫14から排出される所定量の原料米は、原料米搬送機15にて洗米部3の洗米機16に送られる。洗米機16で得られる洗米は、送米機41及び洗米移送管17を介して浸漬部4の浸漬タンク18に送られ、浸漬タンク18内で浸漬される。
浸漬タンク18内の浸漬米は、メッシュベルト等を有する水切りコンベヤ42の搬送上流端側に供給され、水切りコンベヤ42で搬送されながら水切りされて、連続炊飯装置43に供給される。連続炊飯装置43は、例えば炊飯釜A(図1等参照)を用いずに、浸漬米をコンベヤ(図示省略)で搬送しながら、蒸気及び熱湯で加熱して連続炊飯し、炊飯米R(図8及び図9参照)を炊飯米排出コンベヤ44で排出する。炊飯米排出コンベヤ44から排出される炊飯米Rの温度は95度以上である。
連続炊飯装置43の炊飯米排出コンベヤ44から排出される炊飯米Rは、搬送部6のコンベヤ45、主コンベヤ46及び投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dを介して粉砕部7に搬送される。搬送部6は、連続炊飯装置43から受け継いだ炊飯米Rを粉砕部7の複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに振り分けて供給する。粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに供給される炊飯米Rの温度は85度以上である。
図6に示すように、搬送部6は、連続炊飯装置43の炊飯米排出コンベヤ44にコンベヤ45を介して連結される主コンベヤ46と、主コンベヤ46に連結されると共に直列連結される複数の投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dを備える。第1投入用コンベヤ47a、第2投入用コンベヤ47b及び第3投入用コンベヤ47cは、搬送方向が傾斜するように配置される。主コンベヤ46の搬送下流端の下方に1段目の第1投入用コンベヤ47aの中途部が配置される。第1投入用コンベヤ47aの一端(下方端)の下方に第1粉砕機25aが配置され、他端(上方端)の下方に後段側の第2投入用コンベヤ47bの中途部が配置される。第2投入用コンベヤ47bの一端(下方端)の下方に第2粉砕機25bが配置され、他端(上方端)の下方に後段側の第2投入用コンベヤ47bの中途部が配置される。第3投入用コンベヤ47cの一端(下方端)の下方に第3粉砕機25cが配置され、他端(上方端)の下方に後段側の第4投入用コンベヤ47dの中途部が配置される。第4投入用コンベヤ47dは水平配置され、一端の下方に第4粉砕機25dが配置され、他端の下方に第5粉砕機25eが配置される。
搬送部6は、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの搬送方向を切り替えることで、炊飯米Rを粉砕機25a,25b,25c,25d,25eのいずれかに供給し、又は後段側の投入用コンベヤ47b,47c,47dに供給する。これにより、搬送部6は、炊飯米Rを複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに振り分けて供給する。各粉砕機25a,25b,25c,25d,25eの粉砕処理能力は、ここでは同じである。搬送部6の振り分け動作については後述する。
粉砕部7は、粉砕機25a,25b,25c,25d,25eで炊飯米を粉砕して米ゲルを得る。粉砕機25で得られる米ゲルは、米ゲル移送部8の米ゲルホッパー48を介して移送ポンプ26に供給され、1台の移送ポンプ26により米ゲル移送配管27を介してゲル収容部9の包装機28へ移送される。包装機28で米ゲルが小分け収容されて得られる米ゲル収容物Pは、コンベヤ30により検査部10へ搬送され、異物検出機31及び重さ検査機32で検査された後、出荷部11の移動台33へ順次載せられる。さらに、米ゲル収容物Pは、殺菌機34で加熱殺菌及び冷却され、除水機35で除水された後、箱詰めされて出荷可能な状態にされる。
図7に示すように、米ゲル製造システム1には、搬送部6のコンベヤ46,47a,47b,47c,47dのコンベヤ駆動モータ56,57a,57b,57c,57dの動作を制御する制御装置58が設けられる。制御装置58は、主コンベヤ46の搬送速度や、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの搬送方向及び搬送速度を制御する。
図8を参照しながら、搬送部6における炊飯米Rの振り分け動作の一例を説明する。この振り分け動作例では、工程(1)から(4)が繰り返されて、炊飯米Rが複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに振り分けて供給される。以下に説明する工程(1)から(4)は、図8のかっこ数字(1)から(4)に対応している。連続炊飯装置43から排出される炊飯米Rは、コンベヤ45(図6参照)及び主コンベヤ46を介して、第1投入用コンベヤ47aへ搬送される。
工程(1):図8(1)に示すように、炊飯米Rを第1粉砕機25aに供給する場合、第1投入用コンベヤ47aの搬送方向が第1粉砕機25a側へ向くように制御し、主コンベヤ46から供給される炊飯米Rを所定量だけ第1粉砕機25aに供給する。また、工程(1)では、後述する工程(4)で第5粉砕機25eに向けて搬送する炊飯米Rが投入用コンベヤ47b,47c,47d上で搬送され、所定量の炊飯米Rが第5粉砕機25eに供給される。
工程(2):図8(2)に示すように、炊飯米Rを第2粉砕機25bに供給する場合、上記工程(1)での動作状態から、第1投入用コンベヤ47aの搬送方向を第2投入用コンベヤ47b側へ向くように切り替える。また、第2投入用コンベヤ47bの搬送方向が第2粉砕機25b側へ向くように制御する。主コンベヤ46から供給される炊飯米Rを、投入用コンベヤ47a,47bを介して所定量だけ第2粉砕機25bに供給する。
工程(3):図8(3)に示すように、炊飯米Rを第3粉砕機25cに供給する場合、上記工程(2)での動作状態から、第2投入用コンベヤ47bの搬送方向を第3投入用コンベヤ47c側へ向くように切り替える。また、第3投入用コンベヤ47cの搬送方向が第3粉砕機25c側へ向くように制御する。主コンベヤ46から供給される炊飯米Rを、投入用コンベヤ47a,47b,47cを介して所定量だけ第3粉砕機25cに供給する。
工程(4):図8(4)に示すように、炊飯米Rを第4粉砕機25dに供給する場合、上記工程(3)の動作状態から、第3投入用コンベヤ47cの搬送方向を第4投入用コンベヤ47d側へ向くように切り替える。また、第4投入用コンベヤ47dの搬送方向が第4粉砕機25d側へ向くように制御する。主コンベヤ46から供給される炊飯米Rを、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dを介して所定量だけ第4粉砕機25dに供給する。
上記工程(4)で、第4粉砕機25dに所定量の炊飯米Rが供給された後、第4投入用コンベヤ47dの搬送方向を逆に切り替えて、第5粉砕機25e側へ向くように制御する。これにより、第5粉砕機25eへの炊飯米Rの供給が開始される。第5粉砕機25eへ投入された炊飯米Rの量と、第2から第4の投入用コンベヤ47b,47c,47d上の炊飯米Rの量の合計が所定量になると、第1投入用コンベヤ47aの搬送方向を逆に切り替えて、第1粉砕機25aへの炊飯米Rの投入を開始する(上記工程(1)及び図8(1)参照)。第2から第4の投入用コンベヤ47b,47c,47d上の炊飯米Rは、投入用コンベヤ47b,47c,47dの駆動により、第5粉砕機25eへ搬送される。これにより、所定量の炊飯米Rが第5粉砕機25eへ供給される。
上記工程(1)から(4)を繰り返すことで、粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに炊飯米Rが順次振り分けて供給される。なお、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの搬送方向の切り替え時期は、例えば、各コンベヤの駆動時間を計測することで行う。また、主コンベヤ46上の所定位置を通過する炊飯米Rの量を計測する計測器を設けて、その計測器の出力に基づいて各粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに供給される炊飯米Rの量が所定量になるように、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの搬送方向を切り替えてもよい。なお、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの搬送速度は、主コンベヤ46の搬送速度と同じであるか、それよりも大きいことが好ましいが、主コンベヤ46の搬送速度よりも小さくてもよい。また、粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに炊飯米Rが供給される順番は、特に限定されない。
次に、図9を参照しながら、搬送部6における炊飯米Rの振り分け動作の他の例を説明する。この振り分け動作例では、工程(1)から(3)が繰り返されて、炊飯米Rが複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに振り分けて供給される。以下に説明する工程(1)から(3)は、図9のかっこ数字(1)から(3)に対応している。
工程(1):図9(1)に示すように、第1投入用コンベヤ47aの搬送方向が第2投入用コンベヤ47b側へ向き、第2投入用コンベヤ47bの搬送方向が第3投入用コンベヤ47c側へ向き、第3投入用コンベヤ47cの搬送方向が第4投入用コンベヤ47d側へ向き、第4投入用コンベヤ47dの搬送方向が第4粉砕機25d側へ向くように、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの駆動を制御する。投入用コンベヤ47a,47b,47cの長さはほぼ同じであり、炊飯米Rの搬送中に、各投入用コンベヤ47a,47b,47c上に存在する炊飯米Rの量は、おおよそ同量の状態になる。第4投入用コンベヤ47dの駆動により、各投入用コンベヤ47a,47b,47c上の各炊飯米Rの量とおおよそ同量の炊飯米Rが供給される。
工程(2):図9(2)に示すように、第4投入用コンベヤ47dの搬送方向が切り替えられて、第5粉砕機25e側へ向けられ、第5粉砕機25eへの炊飯米Rの供給が開始される。第5粉砕機25eへ投入された炊飯米Rの量と、第4投入用コンベヤ47d上の炊飯米Rの量の合計が、各投入用コンベヤ47a,47b,47c上の各炊飯米Rの量とおおよそ同量になるまで、第5粉砕機25eへの炊飯米Rの供給が継続される。
工程(3):第5粉砕機25eへ投入された炊飯米Rの量と、第4投入用コンベヤ47d上の炊飯米Rの量の合計が、各投入用コンベヤ47a,47b,47c上の各炊飯米Rの量とおおよそ同量になると、図9(3)に示すように、投入用コンベヤ47a,47b,47cの搬送方向をそれぞれ逆に切り替えて、投入用コンベヤ47a,47b,47c上の炊飯米Rを粉砕機25a,25b,25cへ供給する。ここで、第1投入用コンベヤ47aの搬送速度は、粉砕機25aへの炊飯米Rの供給時に主コンベヤ46からの炊飯米Rの落下を少なくすべく、主コンベヤ46の搬送速度よりも大きいことが好ましい。これにより、工程(1)から(3)で、ほぼ同量の炊飯米Rが各粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに供給される。
上記工程(1)から(3)を繰り返すことで、粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに炊飯米Rが順次振り分けて供給される。なお、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの搬送方向の切り替え時期は、上記図8の実施形態で説明した構成と同様に、例えば、各コンベヤの駆動時間を計測することで行ってもよいし、主コンベヤ46上の所定位置を通過する炊飯米Rの量を計測する計測器の出力に基づいて行ってもよい。また、上記工程(1)及び(2)での投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの搬送速度は、主コンベヤ46の搬送速度と同じであってもよいし、それよりも大きくてもよいし、それよりも小さくてもよい。また、上記工程(3)での投入用コンベヤ47b,47c,47dの搬送速度も同様である。
図4から図9を参照しながら説明した実施形態の米ゲル製造システム1では、粉砕部7は複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eを備え、搬送部6は、炊飯部5から受け継いだ炊飯米Rを複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに振り分けて供給するので、炊飯部5からの炊飯米Rを複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eで並行して粉砕して米ゲルを生産できるので、より高い炊飯米生産能力を有する蒸気式連続炊飯器43(炊飯部5)の導入が可能になり、米ゲル生産能力をより向上できる。
また、搬送部6は、炊飯部5に連結される主コンベヤ46と、主コンベヤ46に連結されると共に直列連結される複数の投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dを備える。主コンベヤ46の搬送下流端の下方に1段目の第1投入用コンベヤ47aの中途部が配置され、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの両端の下方に、粉砕機25a,25b,25c,25d,25e又は後段側の投入用コンベヤ47b,47c,47dの中途部が配置される。そして、投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dの搬送方向を切り替えることで、炊飯米Rを粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに供給し、又は後段側の投入用コンベヤ47b,47c,47dに供給して、炊飯米Rを複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25e又に振り分けて供給する。これにより、簡単な構成で炊飯米Rを複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eへ振り分けて供給できる。
また、炊飯部5は、浸漬米(原料米)をコンベヤで搬送しながら蒸煮する連続炊飯装置43により構成されるので、例えばコンベヤで搬送される複数の炊飯釜Aで炊飯する連続式炊飯機21(図1等参照)に比べて、炊飯米Rの生産能力を向上でき、ひいては米ゲル生産能力をより向上できる。
次に、図10及び図11を参照しながら、米ゲル製造システムのさらに他の実施形態を説明する。この実施形態の米ゲル製造システムは、炊飯部5に連続炊飯装置43を備え、搬送部6に複数の投入用コンベヤ61を備え、粉砕部7に複数の粉砕機25を備える。その他の構成は、図4等を参照して説明した上記実施形態の米ゲル製造システム1と同様である。
この実施形態の米ゲル製造システムでは、並列配置される複数の投入用コンベヤ61の各搬送上流端部が、連続炊飯装置43の炊飯米排出コンベヤ44の搬送下流端の下方に配置される。この実施形態では、5本の投入用コンベヤ61が設けられる。炊飯米排出コンベヤ44の搬送下流端と、投入用コンベヤ61の搬送上流端部の間には、炊飯米排出コンベヤ44から排出される炊飯米Rを5本の投入用コンベヤ61にほぼ均等に振り分ける複数の振り分け部材62が配置される。
振り分け部材62は、炊飯米排出コンベヤ44に向けて突出する板状突起部を備え、炊飯米排出コンベヤ44の幅方向全体に存在する炊飯米Rが搬送下流端から落下する際に各投入用コンベヤ61上に載るように、炊飯米Rを分割する。各投入用コンベヤ61の搬送下流端の下方に、それぞれ粉砕機25が配置される。この実施形態では5台の粉砕機25が配置される。また、各粉砕機25の粉砕処理能力は同じである。
連続炊飯装置43で炊飯される炊飯米Rは、炊飯米排出コンベヤ44の搬送下流端から排出されて、投入用コンベヤ61へ向けて落下する。排出される炊飯米Rの温度は95度程度である。炊飯米排出コンベヤ44の搬送下流端から落下する炊飯米Rは、隣り合う投入用コンベヤ61間に配置される振り分け部材62により分割されて、各投入用コンベヤ61に振り分けて供給される。
投入用コンベヤ61に供給された炊飯米Rは、投入用コンベヤ61ごとに搬送されて、各粉砕機25に供給される。粉砕機25に供給される炊飯米Rの温度は、老化する温度よりも高い温度であり、ここでは85度程度である。各粉砕機25は、炊飯米Rを粉砕して米ゲルにして、その米ゲルを米ゲルホッパー48に供給する。米ゲルホッパー48に供給される米ゲルは、移送ポンプ26により、米ゲル移送配管27を介してゲル収容部9(図4等参照)へ移送される。
この実施形態の米ゲル製造システムでは、粉砕部7は5台(複数)の粉砕機25を備え、搬送部6は、炊飯部5から受け継いだ炊飯米Rを5台の粉砕機25に振り分けて供給するので、炊飯部5からの炊飯米Rを5台の粉砕機25で並行して粉砕して米ゲルを生産でき、より高い炊飯米生産能力を有する蒸気式連続炊飯器43(炊飯部5)の導入が可能になり、米ゲル生産能力をより向上できる。
また、この実施形態の米ゲル製造システムでは、搬送部6は炊飯部5にそれぞれ連結されると共に並列配置される5本(複数)の投入用コンベヤ61を備え、粉砕部7は複数の粉砕機25を備え、各投入用コンベヤ61の搬送下流端の下方にそれぞれ粉砕機25が配置される。これにより、簡単な構成で炊飯米Rを複数の粉砕機25へ振り分けて供給できると共に、複数の粉砕機25で並列して米ゲルを生産できる。
上記実施形態では、連続炊飯装置43から排出される炊飯米Rをコンベヤにより搬送しているが、例えば、炊飯米Rを一軸偏心ねじポンプ(モーノポンプ)により移送してもよい。この場合、炊飯米Rを一軸偏心ねじポンプにより移送管を介して複数の粉砕機25に向けて移送すると共に、該移送管の中途部に切り替えバルブ及び枝別れ移送管を設けて、該切り替えバルブの切り替えにより、炊飯米Rを複数の粉砕機25に振り分けて供給する。ここで、移送管は、例えばステンレス鋼管で構成され、炊飯米を移送する際の炊飯米の温度低下が抑制される。これにより、老化する温度よりも高い温度(例えば85度以上)の炊飯米が各粉砕機25に供給され、炊飯米の老化に起因する粉砕機25の負荷増大が抑制される。
なお、粉砕部7が複数の粉砕機25を備える構成において、粉砕機25で生産される米ゲルを複数台の移送ポンプ26でゲル収容部9へ移送するようにしてもよい。また、移送部8で米ゲルを移送するための移送装置は、一軸偏心ねじポンプで構成される移送ポンプ26に限定されず、米ゲルを移送可能な移送装置であればよく、例えば渦巻ポンプ等であってもよい。また、移送部8が米ゲルを移送する方法は、ポンプを用いる移送方法に限定されず、移送部8は、米ゲルを粉砕部7からゲル収容部9へ移送可能な構成であればよい。例えば、移送部8は、コンベヤ等の搬送装置により、米ゲルを粉砕部7からゲル収容部9へ移送する構成であってもよい。
次に、図12を参照しながら、米ゲル製造システムのさらに他の実施形態を説明する。この実施形態の米ゲル製造システムは、炊飯部5に連続炊飯装置43を備え、搬送部6にコンベヤ45,71,72a,72b,72c,72d,72eと振り分け部材73a,73b,73c,73dと制御装置74を備え、粉砕部7に複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eを備える。その他の構成は、図4等を参照して説明した上記実施形態の米ゲル製造システム1と同様である。
この実施形態の米ゲル製造システムでは、連続炊飯装置43の炊飯米排出コンベヤ44の搬送下流端の下方に、炊飯米を受け継ぐコンベヤ45が配置され、コンベヤ45の搬送下流端に主コンベヤ71の搬送上流部が連結される。主コンベヤ71の搬送中途部の側方に、第1から第4の投入用コンベヤ72a,72b,72c,72dの搬送下流端側が配置され、主コンベヤ71の搬送下流端に第5投入用コンベヤ72eの搬送上流部が連結される。各投入用コンベヤ72a,72b,72c,72d,72eの搬送下流端の下方に、粉砕部7の第1から第5の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eが配置される。
搬送部6には、主コンベヤ71上で搬送される炊飯米を第1から第4の投入用コンベヤ72a,72b,72c,72d側へ落下させる第1から第4の振り分け部材73a,73b,73c,73dが設けられる。各振り分け部材73a,73b,73c,73dは、主コンベヤ71上で炊飯米の搬送経路上に配置される遮蔽位置(二点鎖線位置)と、炊飯米の搬送経路から外れた退避位置(実線位置)の間で、それぞれ移動可能に設けられる。振り分け部材73a,73b,73c,73dは、制御装置74によって動作制御される振り分け部材移動機構(図示省略)の作動により、遮蔽位置と退避位置の間で移動される。振り分け部材73a,73b,73c,73dは、遮蔽位置では、主コンベヤ71の搬送方向に対して傾斜して配置される。
連続炊飯装置43で炊飯される炊飯米は、炊飯米排出コンベヤ44の搬送下流端から排出されて、搬送部6のコンベヤ45上に落下し、コンベヤ45により主コンベヤ71の搬送上流部に搬送される。主コンベヤ71は、コンベヤ45から受け継いだ炊飯米を搬送下流側へ向けて順次搬送する。
搬送部6は、主コンベヤ71で搬送される炊飯米を、投入用コンベヤ72a,72b,72c,72d,72eに振り分けて供給し、ひいては粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに振り分けて供給する。炊飯米を第1投入用コンベヤ72aに供給する場合、制御装置74の制御により第1振り分け部材73aが主コンベヤ71上の遮蔽位置に配置される。主コンベヤ71上を搬送される炊飯米は、搬送方向に対して傾斜配置される第1振り分け部材73aに接触し、主コンベヤ71上を搬送されながら第1振り分け部材73aに沿って第1投入用コンベヤ72a側へ移動し、第1投入用コンベヤ72aの搬送上流部の上に落下する。第1投入用コンベヤ72aに受け継がれた炊飯米は、第1投入用コンベヤ72aの作動により第1粉砕機25aに供給される。
所定量の炊飯米が第1投入用コンベヤ72aに供給されると、制御装置74は、第1振り分け部材73aを退避位置へ移動させ、第2振り分け部材73bを主コンベヤ71上の遮蔽位置に配置する。主コンベヤ71の搬送によって第2振り分け部材73bに到達した炊飯米は、主コンベヤ71上を搬送されながら第2振り分け部材73bに沿って第2投入用コンベヤ72b側へ移動し、第2投入用コンベヤ72bの搬送上流部の上に落下する。第2投入用コンベヤ72bに受け継がれた炊飯米は、第2投入用コンベヤ72bの作動により第2粉砕機25bに供給される。
所定量の炊飯米が第2投入用コンベヤ72bに供給されると、制御装置74は、第2振り分け部材73bを退避位置へ移動させ、第3振り分け部材73cを主コンベヤ71上の遮蔽位置に配置する。このとき、第1振り分け部材73aは退避位置に配置される。主コンベヤ71の搬送によって第3振り分け部材73cに到達した炊飯米は、主コンベヤ71上を搬送されながら第3振り分け部材73cに沿って第3投入用コンベヤ72c側へ移動し、第3投入用コンベヤ72cの搬送上流部の上に落下する。第3投入用コンベヤ72cに受け継がれた炊飯米は、第3投入用コンベヤ72cの作動により第3粉砕機25cに供給される。
所定量の炊飯米が第3投入用コンベヤ72cに供給されると、制御装置74は、第3振り分け部材73cを退避位置へ移動させ、第4振り分け部材73dを主コンベヤ71上の遮蔽位置に配置する。このとき、第1及び第2の振り分け部材73a,73bは退避位置に配置される。主コンベヤ71の搬送によって第4振り分け部材73dに到達した炊飯米は、主コンベヤ71上を搬送されながら第4振り分け部材73dに沿って第4投入用コンベヤ72d側へ移動し、第4投入用コンベヤ72dの搬送上流部の上に落下する。第4投入用コンベヤ72dに受け継がれた炊飯米は、第4投入用コンベヤ72dの作動により第4粉砕機25dに供給される。
所定量の炊飯米が第4投入用コンベヤ72dに供給されると、制御装置74は、第4振り分け部材73dを退避位置へ移動させ、第1から第4の振り分け部材73a,73b,73c,73dを退避位置に配置する。主コンベヤ71で搬送される炊飯米は、主コンベヤ71の搬送下流端から第5投入用コンベヤ72eの搬送上流部の上に落下する。第5投入用コンベヤ72eに受け継がれた炊飯米は、第5投入用コンベヤ72eの作動により第5粉砕機25eに供給される。第5投入用コンベヤ72eに供給された炊飯米の量と、第1振り分け部材73aの遮蔽位置の下流側で主コンベヤ71上に載っている炊飯米の量の合計が所定量になると、制御装置74は第1振り分け部材73aを遮蔽位置に配置して、第1投入用コンベヤ72aへの炊飯米の供給を開始する。
なお、振り分け部材73a,73b,73c,73dの移動時期は、例えば、主コンベヤ71の駆動時間を計測することで行う。また、主コンベヤ71上の搬送上流側を通過する炊飯米の量を計測する計測器を設けて、その計測器の出力に基づいて振り分け部材73a,73b,73c,73dの移動時期を制御してもよい。
このようにして、炊飯米は、搬送部6により、粉砕部7の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに振り分けて供給される。ここで、粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに供給される炊飯米の温度は、老化する温度よりも高い温度であり、ここでは85度程度である。
この実施形態の米ゲル製造システムでは、搬送部6は、主コンベヤ71と、5本(複数)の投入用コンベヤ72a,72b,72c,72d,72eと、主コンベヤ71で搬送される炊飯米を投入用コンベヤ72a,72b,72c,72d,72eに振り分ける振り分け機構(振り分け部材73a,73b,73c,73d)を備え、粉砕部7は、投入用コンベヤ72a,72b,72c,72d,72eの搬送下流端に連結される5台(複数)の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eを備える。これにより、簡単な構成で炊飯米を複数の粉砕機25へ振り分けて供給できると共に、複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eで並列して米ゲルを生産でき、米ゲルの生産能力を向上できる。
なお、この実施形態の搬送部6において、炊飯米を投入用コンベヤ72a,72b,72c,72d,72eに振り分けて供給する順番は、特に限定されない。また、図12に示した搬送部6における振り分け機構の構成は一例であり、振り分け部材73a,73b,73c,73dの移動方向や配置は特に限定されない。例えば、振り分け部材73a,73b,73c,73dは、上下方向に移動可能に設けられて、主コンベヤ71の上方で、遮蔽位置と退避位置の間を移動する構成であってもよいし、水平方向で回動可能に設けられて、主コンベヤ71上の遮蔽位置と主コンベヤ71上から外れた退避位置の間を移動する構成であってもよい。
また、粉砕部7が複数の粉砕機25を備える構成において、搬送部6が炊飯米を複数の粉砕機25に振り分ける構成は、図6に示した構成や、図10及び図11に示した構成や、図12に示した構成に限定されず、炊飯部5から受け継いだ炊飯米を複数の粉砕機25に振り分けて供給可能な構成であれば、どのような構成であってもよい。また、投入用コンベヤの本数や、粉砕機の台数は、上記実施形態に限定されず、炊飯部5の炊飯米生産能力や、粉砕部7での粉砕機25の粉砕処理能力に応じて、適宜変更可能である。
また、複数の炊飯釜Aを用いて連続的に炊飯する炊飯部5を備える構成において、複数の粉砕機25を備えると共に、炊飯釜Aから取り出す炊飯米を複数の粉砕機25に振り分けて供給する搬送部6を備えるようにしてもよい。例えば、炊飯釜Aから取り出した炊飯米をほぐすほぐし機24(図1及び図2参照)の下方に、粉砕機25に替えて主コンベヤ46(図4から図9参照)を配置し、炊飯釜Aからほぐし機24を介して供給される炊飯米を複数の投入用コンベヤ47a,47b,47c,47dで複数の粉砕機25a,25b,25c,25d,25eに振り分けて供給してもよい。ここで、炊飯釜A内の炊飯米の量に応じて、投入用コンベヤの本数及び粉砕機の台数を減らすことも可能である。
次に、図13及び図14を参照しながら、米ゲル製造システムのさらに他の実施形態を説明する。この実施形態の米ゲル製造システム1は、炊飯部5に連続炊飯装置43を備え、搬送部6にコンベヤ45と投入用コンベヤ81を備え、粉砕部7に1台の粉砕機82を備える。その他の構成は、図4等を参照して説明した上記実施形態の米ゲル製造システム1と同様である。
この実施形態の米ゲル製造システム1では、連続炊飯装置43の炊飯米排出コンベヤ44の搬送下流端の下方に、炊飯米を受け継ぐコンベヤ45が配置され、コンベヤ45の搬送下流端に投入用コンベヤ81の搬送上流部が連結される。搬送部6は、炊飯部5の連続炊飯装置43から排出される炊飯米を受け継いで、コンベヤ45,81の作動により、大型の粉砕機82へ搬送する。
粉砕機82は、粉砕処理速度(粉砕能力)が大きいものであり、連続炊飯装置43から排出される炊飯米を滞留させることなく粉砕して米ゲルを生産可能な粉砕処理速度を有する。換言すれば、粉砕機82が単位時間あたりに粉砕可能な炊飯米の量は、単位時間あたりに炊飯部5(連続炊飯装置43)から排出される炊飯米の量よりも多い。粉砕機82で得られる米ゲルは、米ゲル移送部8の米ゲルホッパー48を介して移送ポンプ26に供給され、移送ポンプ26により米ゲル移送配管27を介してゲル収容部9へ移送される。
このように、この実施形態の米ゲル製造システム1では、粉砕部7は1台の粉砕機82で炊飯米を粉砕して米ゲルを得るので、粉砕部7に複数の粉砕機が設置される場合に比べて、搬送部6及び粉砕部7の構成が単純になると共に、それらの設置空間を小さくできる。なお、この実施形態において、コンベヤ45の搬送下流端の下方に粉砕機82を配置して、投入用コンベヤ81を省略すれば、搬送部6の構成より単純にできる。
以上、実施形態を説明したが、本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、炊飯部5は連続式炊飯機21又は連続炊飯装置43で構成されるが、米ゲル製造システム1において、炊飯部5は、原料米を炊飯又は蒸煮して炊飯米を得られる構成であればよく、例えば、浸漬米(原料米)をコンベヤで搬送しながら蒸煮して蒸米を得る連続式蒸米機であってもよい。
また、実施形態の米ゲル製造システムで使用する原料米は、欠け米や割れ米等のいわゆる屑米であってもよい。安価な屑米を原料米として使用すれば、米ゲルの製造コストを低減できる。なお、実施形態の米ゲル製造システムでは、原料米が炊飯されて得られる炊飯米は、そのまま出荷されるのではなく、粉砕部で粉砕されて米ゲルにされるので、原料米が屑米であっても何ら問題はない。