JP2018065412A - 車両の下部構造及び車両の製造方法 - Google Patents

車両の下部構造及び車両の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】走行風により、車両の駆動中に発熱する装置の冷却を行いながら、製造コストの低減を図ることができる車両の下部構造及び車両の製造方法を提供する。
【解決手段】アンダーカバー21は、エンジン及びPTOの下方を覆うように配置されている。アンダーカバー21には、空気取込部21aの後端部分に開口部21bが設けられている。開口部21bからは、車両の走行に伴い空気が取り込まれる。アンダーカバー21における開口部21bに隣接する部分には、4つの孔部21c,21c,21d,21dが設けられている。導風面部22aを有する導風体22は、4つの孔部21c,21c,21d,21dの内、一対の21c,21dに対して、孔部22d,22eがそれぞれ合され、リベット23,24を用い取り付けがなされている。これにより、開口部21bから導入された空気は、導風面部22aでPTOに向け導かれる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の下部構造及び車両の製造方法に関し、特に、車両下部から導入した空気の導風に関する。
従来から、FF車(フロントエンジン・フロントドライブ車)やFR車(フロントエンジン・リヤドライブ車)をベースとする四輪駆動車が実用化されている。このような四輪駆動車では、変速機を介して出力されたエンジンからの動力を、動力分割装置(PTO:Power Take−Off)により前輪と後輪とに分割する。動力分割装置による配分は、例えば、路面μなどに応じて比率が逐次変更されるようになっている。
FF車の多くの動力分割装置は、エンジンルーム内において、エンジンの後方に配置される。そして、動力分割装置は、車両の駆動中に発する熱を冷却する必要がある。このため、車両におけるエンジンルーム下部のアンダーカバーに開口部を設け、当該開口部から導入した走行風を用い、動力伝達装置を冷却する技術が開示されている(特許文献1)。
特開2013−180609号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、車両の構造毎にアンダーカバーの設計を変更せざるを得ず、製造コストの削減を行うことが困難である。即ち、特許文献1に開示された技術では、開口部から取り込まれた空気の流れを冷却しようとする装置の側に向きを変更するために導風部が設けられているが、当該導風部は、アンダーカバーに一体形成されている。よって、車種によって冷却対象となる装置の配置が異なる場合には、アンダーカバーの流用ができず、車種毎にアンダーカバーを準備する必要がある。
従って、上記特許文献1に開示された技術では、アンダーカバーの共通化ができず、製造コストの低減が困難となる。
なお、上記においては、動力分割装置を冷却対象の一例としたが、エンジンルーム内の他の装置を冷却しようとする場合も同様の問題が存在する。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、走行風により、車両の駆動中に発熱する装置の冷却を行いながら、製造コストの低減を図ることができる車両の下部構造及び車両の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る車両の下部構造は、車両の駆動に伴い発熱する装置と、アンダーカバーと、導風体と、を備える。
前記アンダーカバーは、前記装置の下方を覆う状態で配され、開口部が設けられてなる。
前記導風体は、前記アンダーカバーにおける前記開口部に隣接して取り付けられ、前記開口部から取り込まれた空気の流れを、前記装置に向けて導く導風面部を有する。
そして、本態様に係る車両の下部構造では、前記導風体は、前記開口部と前記装置との相対的な位置関係に基づき、前記アンダーカバーにおける選択的に規定された位置に取り付けられている。
上記態様に係る車両の下部構造においては、導風体は、開口部と冷却対象である装置との相対的な位置関係に基づき、アンダーカバーにおける選択的に規定された位置に取り付けられている。換言すると、導風体は、取り込まれた空気が冷却対象となる装置に適切に吹き付けるよう、開口部に対する導風面部の位置が規定され、その上でアンダーカバーへの導風体の取付位置が規定される。
このため、アンダーカバーの開口部に対して冷却対象である装置の相対的な位置が異なる車両に対しても、当該装置の位置に合わせて導風体の取り付けがなされる。これは、上記特許文献1に提案された技術とは異なり、導風体をアンダーカバーと別部材とすることによりなされる。よって、本態様に係るアンダーカバー及び導風体は、複数の車種にわたって共通化した場合にあっても、冷却対象である装置を効果的に冷却することができるとともに、部品の共通化により製造コストの低減を図ることが可能となる。
従って、本態様に係る車両の下部構造では、走行風により、車両の駆動中に発熱する装置の冷却を行いながら、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の別態様に係る車両の下部構造は、上記構成において、前記導風体の剛性は、前記アンダーカバーの剛性に比べて低い。
上記態様に係る車両の下部構造では、導風体の剛性を、アンダーカバーの剛性よりも低くすることにより、車両の走行時に段差等に乗り上げた場合にあっても、突き上げられた導風体により冷却対象である上記装置やエンジンのオイルパンなどが損傷することを抑制できる。即ち、車両走行中に、車両が段差等に乗り上げた場合、アンダーカバーに対して車両下方から上方に向けて力が作用する場合がある。
アンダーカバーに下方からの力が作用した場合には、導風体が冷却対象である上記装置やエンジンのオイルパンなどに接触することが懸念される。これに対して、導風体の剛性をアンダーカバーの剛性よりも低くしている本態様では、段差等に乗り上げた際の、導風体が冷却対象である上記装置やエンジンのオイルパンなどにダメージを与えることを抑制することができる。
本発明の別態様に係る車両の下部構造は、上記構成に加え、前記車両の駆動時に動力を生成する動力源を、さらに備える。そして、本態様に係る車両の下部構造では、前記装置は、前記動力源から出力された動力の伝達経路中に介挿されている。
上記態様に係る車両の下部構造では、走行風による冷却対象が、動力の伝達経路中に介挿された装置である。このような装置は、車両の駆動中において、絶えず内部の構成部品(例えば、ギヤなど)が駆動し、熱を発する。このため、本態様に係るアンダーカバー及び導風体の組み合わせ構造により、効果的に冷却することで車両の高い信頼性を確保することができる。
本発明の別態様に係る車両の下部構造は、上記構成において、前記装置は動力分割装置であり、前記動力分割装置の外装は、前記車両の前方側のフロントケースと、前記車両の後方側のリヤケースとが、突き合せられることにより構成されており、前記フロントケースと前記リヤケースとの突合せ面は、前記車両の前後方向に対して交差する方向に延設されている。そして、本態様に係る車両の下部構造では、前記導風体における前記導風面部の位置は、前記空気の流れが前記突合せ面における下端部分である突合せ部に向くよう、選択的に設定されている。
上記態様に係る車両の下部構造では、導風体における導風面部の位置が、空気の流れが動力分割装置の突合せ部に向くようになっている。このため、動力分割装置の突き合せ部に吹き付けられた空気は、フロントケース側及びリヤケース側の双方に分流することになる。よって、本態様に係る車両の下部構造では、動力分割装置をフロント側及びリヤ側で万遍なく冷却することができ、車両の高い信頼性を確保することができる。
本発明の別態様に係る車両の下部構造は、上記構成において、前記動力源は、エンジンであって、前記車両の下方側にオイルパンを有してなる。そして、本態様に係る車両の下部構造では、前記アンダーカバーにおける前記開口部は、前記車両の前後方向において、前記オイルパンよりも後方に設けられている。
上記態様に係る車両の下部構造では、アンダーカバーの開口部を、オイルパンよりも車両後方側に設けることとしているので、雪や泥がアンダーカバーとオイルパンとの間に挟まることが防止される。よって、上記態様では、アンダーカバーの開口部から取り込まれた空気が、確実に冷却対象となる装置に向けて流れる。
本発明の別態様に係る車両の下部構造は、上記構成において、前記アンダーカバーには、前記導風体の取り付け位置として、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第1位置となるよう位置設定された第1取付位置と、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第2位置となるよう位置設定された第2取付位置と、が設けられており、前記導風体は、前記アンダーカバーの前記第1取付位置又は前記第2取付位置の一方に取り付けられている。
上記態様に係る車両の下部構造では、アンダーカバーにおける導風体の取付位置として、第1取付位置と第2取付位置とが設けられている。そして、本態様では、冷却対象である装置の位置を勘案して、導風体の取り付けに際して最適となる取付位置に対して導風体を取り付けることができる。これより、車種毎の最適な位置に導風体を取り付けることが可能となり、対象となる装置の冷却が効果的に行うことができる。
本発明の別態様に係る車両の下部構造は、上記構成において、前記導風体は、前記アンダーカバーに対して、リベットにより取り付けられており、前記アンダーカバーには、前記導風体の取り付けのために前記リベットが挿通する孔部として、前記導風体の取付位置が前記第1取付位置となる第1孔部と、前記導風体の取付位置が前記第2取付位置となる第2孔部と、が設けられており、前記導風体は、前記アンダーカバーの前記第1孔部又は前記第2孔部の一方で取り付けられている。
上記態様に係る車両の下部構造では、アンダーカバーに対し、第1孔部と第2孔部とが設けられており、冷却対象である装置の位置を勘案して、導風体の取り付けに際して用いる孔部が選択されるようになっている。これより、車種毎の最適な位置に導風体を取り付けることが可能となり、対象となる装置の冷却が効果的に行うことができる。
本発明の別態様に係る車両の下部構造は、上記構成において、前記アンダーカバーにおける前記第1孔部及び前記第2孔部は、前記アンダーカバーの一部領域が前記車両の上方側に張出し形成されてなる部分の頂部分に設けられている。
上記態様に係る車両の下部構造では、第1孔部及び第2孔部を、張出し形成されて成る部分の頂部分に設けている。このため、アンダーカバーに対して導風体をリベット止めした際に、リベットの先端がアンダーカバーの下方に大きく飛び出すことが抑制される。これより、車両の走行中に路面の凹凸や輪留めなどによりリベットが損傷することが抑制され、アンダーカバーに対する導風体の取り付けを確実に維持することができる。
本発明の一態様に係る車両の製造方法は、前記車両の駆動に伴い発熱する装置と、前記装置の下方を覆う状態で配されてなるアンダーカバーと、を備える車両の製造方法であって、以下の工程を備える。
[アンダーカバー準備工程]一部領域に開口部が設けられたアンダーカバーを準備する。
[導風体準備工程]空気の流れの向きを変更する導風面部を有する導風体を準備する。
[取付工程]前記導風体を、前記アンダーカバーにおける前記開口部に隣接して取り付ける。
そして、本態様に係る車両の製造方法では、前記開口部から取り込まれた空気の流れの向きが前記装置に向くよう、前記アンダーカバーに対する前記導風体の相対的な位置が選択的に規定された上で、前記アンダーカバーへの前記導風体の取り付けがなされる。
上記態様に係る車両の製造方法では、取付工程において、開口部から取り込まれた空気の流れの向きが冷却対象である装置に向くよう、アンダーカバーに対する導風体の相対的な位置が選択的に規定された上で、導風体を取り付けるので、該装置の冷却を効果的に行うことができる。
また、上記態様に係る車両の製造方法では、アンダーカバーに対する導風体の取付位置を選択的に規定できるので、アンダーカバー及び導風体を共通化しながら、車種毎に最適な位置に導風体を取り付けることができる。これは、上記特許文献1に提案された技術とは異なり、導風体をアンダーカバーと別部材とすることによりなされる。よって、本態様に係るアンダーカバー及び導風体は、複数の車種にわたって共通化することが可能であり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
従って、本態様に係る車両の製造方法では、走行風により、車両の駆動中に発熱する装置の冷却を行いながら、製造コストの低減を図ることができる車両の製造が可能である。
本発明の別態様に係る車両の製造方法は、上記方法において、前記アンダーカバー準備工程では、前記導風体の取り付けのためにリベットが挿通する孔部として、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第1位置となるよう位置設定された第1孔部と、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第2位置となるよう位置設定された第2孔部と、が設けられてなる前記アンダーカバーを準備し、前記取付工程では、前記アンダーカバーの前記第1孔部又は前記第2孔部の一方を選択的に用い、前記アンダーカバーに対して、前記リベットにより前記導風体を取り付ける。
上記態様に係る車両の製造方法では、アンダーカバーに第1孔部と第2孔部とが設けられており、取付工程では、第1孔部又は第2孔部の一方の孔部を選択的に用い導風体を取り付けることができる。よって、アンダーカバー及び導風体の共通化を図りながら、複数の車種に対して最適な位置に導風体を配置することが可能となる。
本発明の別態様に係る車両の製造方法は、上記方法において、前記導風体準備工程では、前記アンダーカバーへの取り付けのためにリベットが挿通する孔部として、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第3位置となるよう位置設定された第3孔部と、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第4位置となるよう位置設定された第4孔部と、が設けられてなる前記導風体を準備し、前記取付工程では、前記導風体の前記第3孔部又は前記第4孔部の一方を選択的に用い、前記アンダーカバーに対して、前記リベットにより前記導風体を取り付ける。
上記態様に係る車両の製造方法では、導風体に第3孔部と第4孔部とが設けられており、取付工程では、アンダーカバーに対して第3孔部又は第4孔部の一方の孔部を選択的に用い取り付けることができる。よって、アンダーカバー及び導風体の共通化を図りながら、複数の車種に対して最適な位置に導風体を配置することが可能となる。
本発明の一態様に係る車両の製造方法は、前記車両の駆動に伴い発熱する装置と、前記装置の下方を覆う状態で配されてなるアンダーカバーと、を備える車両の製造方法であって、以下の工程を備える。
[アンダーカバー準備工程]一部領域に開口部が設けられたアンダーカバーを準備する。
[導風体準備工程]それぞれが空気の流れの向きを変更する導風面部を有し、互いに変更する空気の向きが異なる第1導風体及び第2導風体を準備する。
[取付工程]前記アンダーカバーにおける前記開口部に隣接した部分に、前記第1導風体又は前記第2導風体の一方を選択的に取り付ける。
上記態様に係る車両の製造方法では、変更する空気の向きが互いに異なる第1導風体と第2導風体とを準備しておき、取付工程において、第1導風体又は第2導風体の一方を選択的にアンダーカバーに取り付ける。本態様では、複数の車種に対してアンダーカバーを共通化しながら、冷却対象となる装置の冷却を確実に行うことができる。
上記の各態様では、走行風により、車両の駆動中に発熱する装置の冷却を行いながら、製造コストの低減を図ることができる。
実施形態に係る車両1の概略構成を示す模式図である。 車両1の下部におけるPTO15とアンダーカバー21とを示す模式斜視図である。 導風体22が取り付けられたアンダーカバー21と、PTO15と、を示す模式断面図である。 (a)は、アンダーカバー21に対して導風体22を取り付ける前の状態を示す模式図であり、(b)は、アンダーカバー21に対して導風体22を取り付けた状態を示す模式平面図である。 PTO15の配置が異なる車両での、導風体22が取り付けられたアンダーカバー21と、PTO15と、を示す模式断面図である。 アンダーカバー21に対して導風体22を取り付けた状態を示す模式平面図である。 エンジン10におけるオイルパン10aと、アンダーカバー21の開口部21bとの相対的な位置関係を示す模式断面図である。 第1変形例に係る導風体32の構成を示す模式斜視図である。 第2変形例に係る導風体42の構成を示す模式斜視図である。 第3変形例に係る導風体52の構成を示す模式斜視図(一部断面図)である。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一態様であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[実施形態]
1.車両1の概略構成
本実施形態に係る車両1の概略構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、車両1のフロント部分には、動力源としてのエンジン10が搭載されている。エンジン10は、例えば、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジンである。エンジン10の出力側には、変速機11、及びデファレンシャルギヤ12が順に接続されている。
エンジン10で生成された動力は、変速機11及びデファレンシャルギヤ12を介して、ドライブシャフト13に伝達され、左前輪14L及び右前輪14Rに伝達される。
なお、本実施形態に係る車両1は、FF車(フロントエンジン・フロントドライブ車)をベースとする四輪駆動車であり、前輪14L,14Rが主駆動輪である。よって、路面のμが高い場合等には、前輪14L,14Rに殆どの動力が配分される。
また、車両1においては、エンジン10で生成された動力の伝達経路中に、動力の一部をプロペラシャフト16へと分割する動力分割装置(PTO:Power Take−Off)15が介挿されている。
プロペラシャフト16の後端部には、電子制御4WDカップリング17及びデファレンシャルギヤ18を介してドライブシャフト19が接続されている。ドライブシャフト19には、左後輪20L及び右後輪20Rが取り付けられている。
動力分割装置15で分割された動力の一部は、プロペラシャフト16、電子制御4WDカップリング17、リヤデファレンシャルギヤ18、及びドライブシャフト19を介して、左後輪20L及び右後輪20Rに伝達される。
2.車両1の下部構造
車両1の下部構造について、図2及び図3を用い説明する。なお、図2及び図3では、車両1の下部構造の内、一部構成だけを抜き出して図示している。
図2に示すように、車両1の下部は、板状のアンダーカバー21により覆われている。アンダーカバー21は、樹脂材料を用い形成されており、板厚が4mm〜8mm(例えば、6mm)である。アンダーカバー21には、PTO15に対して車両前方側の部分に空気取込部21aが設けられている。
空気取込部21aは、アンダーカバー21の一部が車両上方に張出し形成されてなる部分であって、車両前方側から後方側にゆくに従って車両上方への張出し量が漸増している。そして、空気取込部21aの車両後方側の端部には、開口部21bが設けられている。
図3に示すように、開口部21bは、アンダーカバー21の内外を挿通するものであって、アンダーカバー21の下側表層の空気を、PTO15などが収納されたエンジンルーム内に取り込むための開口部である。
図2に戻って、アンダーカバー21上には、開口部21bに対して直ぐ後方側には、導風体22が取り付けられている。導風体22は、PTO15の直下よりも、やや車両1の前方側に配置されている。導風体22の詳細な構成については、後述する。
図3に示すように、開口部21bから取り込まれた空気の流れFlowは、導風体22により向きをPTO15の側へと変更される。そして、空気の流れFlowは、PTO15における突合せ部15aで、空気の流れFlowと空気の流れFlowとに分流される。その後、PTO15を万遍なく冷却した後、車両後方側へと排出される。
なお、詳しい図示を省略しているが、PTO15の外装は、車両1の前方側のフロントケースと、車両1の後方側のリヤケースとが、突き合せられることにより構成されており、突合せ面は、車両1の前後方向に交差する方向に延伸している。図3で示す突合せ部15aは、フロントケースとリヤケースとの突合せ面の下端部分である。
3.アンダーカバー21に対する導風体22の取り付け構造
アンダーカバー21に対する導風体22の取り付け構造について、図4を用い説明する。図4(a)は、アンダーカバー21への導風体22の取り付け前の状態を示す模式図であり、図4(b)は、アンダーカバー21へ導風体22を取り付けた状態を示す模式平面図である。
先ず、図4(a)に示すように、アンダーカバー21には、開口部21bに対し車両1の後方側であって、幅方向両側部分に、固定部21c,21dが設けられている。固定部21c,21dは、それぞれ、アンダーカバー21の一部が車両1の上方側に張出し形成されてなる部分である。
固定部21c,21dには、それぞれ2つずつ孔部21c,21c,21d,21dが設けられている。固定部21cの孔部21cと固定部21dの孔部21dとは、車両1の幅方向に並んだ状態で設けられ、固定部21cの孔部21cと固定部21dの孔部21dとも、車両1の幅方向に並んだ状態で設けられている。
一方、導風体22は、斜面状に設けられた導風面部22aと、後方側に設けられたベース板部22bと、強度補強のために設けられた補強板部22cとが一体形成されてなる。また、導風体22には、アンダーカバー21への取り付けのための孔部22d,22eが設けられている。
次に、図4(b)に示すように、導風体22は、アンダーカバー21に対して、孔部22dを孔部21cに合わせ、孔部22eを孔部21dに合わせて、リベット23,24により取り付けがなされている。即ち、本実施形態では、アンダーカバー21に設けられた孔部21c,21c,21d,21dの内、孔部21c,21dが選択的に用いられて、導風体22の取り付けがなされている。これにより、アンダーカバー21に設けられた2か所の導風体22の取付位置の内、本実施形態では、車両後方側の位置に導風体22が取り付けられている。
なお、図4(b)に示すように、本実施形態では、リベット23,24は、アンダーカバー21の車両下方側より軸部が挿入されている。このため、リベット23,24の頭部は、図示を省略している。また、本実施形態では、リベット23,24の構成材料として、一例として、アルミニウム合金を採用している。
以上のような構成を採用することにより、図3に示すように、アンダーカバー21の開口部21bから取り込まれた走行風は、導風体22により、確実にPTO15の突合せ部15aへと空気の流れが導かれる。
4.PTO15の配置が異なる車両へのアンダーカバー21及び導風体22の適用
上記のアンダーカバー21及び導風体22は、PTO15の配置が車両前後方向に異なる車両に対しても、流用可能である。換言すると、アンダーカバー21及び導風体22は、複数種の車両の製造において、共通化された部品である。
PTO15の配置が異なる車両へのアンダーカバー21及び導風体22の適用について、図5及び図6を用い説明する。
先ず、図5に示すように、本例におけるPTO15は、上記車両1に対して矢印Aで示すように車両の前方側に配置されている。ただし、アンダーカバー21は、上記車両1と共通化された部品であるので、PTO15の突合せ部15aに対して、アンダーカバー21の開口部21bの相対的な位置が近づいた状態となっている。
次に、図6に示すように、本例の車両への適用において、導風体22は、アンダーカバー21に対して、孔部22dを孔部21cに合わせ、孔部22eを孔部21dに合わせて(図4(a)を参照。)、リベット23,24により取り付けがなされている。即ち、本例の車両への適用においては、アンダーカバー21に設けられた孔部21c,21c,21d,21dの内、孔部21c,21dが選択的に用いられて、導風体22の取り付けがなされている。これにより、アンダーカバー21に設けられた2か所の導風体22の取付位置の内、図5及び図6に示す例では、車両前方側の位置に導風体22が取り付けられている。
このような取り付け形態とすることにより、図5に示すように、アンダーカバー21に対する導風体22の取付位置が、矢印Bで示すように車両前方側に変更することができる。予め、車両1に対するPTO15の配置変更量を把握しておき、これを考慮してアンダーカバー21の孔部21c,21c,21d,21dの位置を規定することにより、図5に示すように、空気の流れFlowを導風体22で向きを変更して、PTO15の突合せ部15aに当てることでPTO15の冷却を行うことが可能となる。
5.車両の製造方法に関する小括
本実施形態における車両の製造方法の内、アンダーカバー21への導風体22の取り付け過程は、次のように小括することができる。
(a)アンダーカバー準備工程
車両組み付け時にPTO15のやや前方側となる領域に開口部21bが設けられ、導風体22を取り付けるための孔部21c,21c,21d,21dが設けられたアンダーカバー21を準備する。
(b)導風体準備工程
空気の流れFlowの向きを変更する導風面部22aを有し、アンダーカバー21への取り付けのための孔部22d,22eを有する導風体22を準備する。
(c)取付工程
PTO15における突合せ部15aの位置に応じて、導風体22の孔部22d,22eを、孔部21c,21d又は孔部21c,21dの一方に選択的に合わせ、リベット23,24の軸部をアンダーカバー21の下方から上方に向けて差し込み、導風体22の取り付けを行う。
6.エンジン10におけるオイルパン10aと、アンダーカバー21の開口部21bとの位置関係
エンジン10におけるオイルパン10aと、アンダーカバー21の開口部21bとの位置関係について、図7を用い説明する。図7は、エンジン10におけるオイルパン10aと、アンダーカバー21の開口部21bとの位置関係を示す模式断面図である。
図7に示すように、エンジンルームにおいては、PTO15の前方側には、エンジン10が配置されている。エンジン10の下部には、オイルパン10aが設けられている。本実施形態では、オイルパン10aの外周が、カバー部材25で被覆されている。
カバー部材25は、吸音及び保温のために設けられている。カバー部材25の被覆により、アンダーカバー21の上方の空隙SPは、狭くなっている。
本実施形態に係るアンダーカバー21においては、車両の前後方向において、開口部21bがオイルパン10aよりも後方に設けられている。これは、アンダーカバー21の開口部21bから入り込む雪や泥が、アンダーカバー21とオイルパン10aを被覆するカバー部材25との間に挟まることを防止するためである。
本実施形態では、上記のような開口部21bの配置により、アンダーカバー21の開口部21bから取り込まれた空気が、確実にPTO15の突合せ部15aに向けて流れる。
7.効果
本実施形態に係る車両1の下部構造においては、導風体22は、アンダーカバー21の開口部21bとPTO15における突合せ部15aとの相対的な位置関係に基づき、アンダーカバー21における選択的に規定された位置に取り付けられている。具体的には、PTO15における突合せ部15aの位置に応じて、アンダーカバー21の孔部21c,21c,21d,21dの内の何れを用いて導風体22を取り付けるかが規定されている。即ち、本実施形態では、導風体22をアンダーカバー21と別部材とすることにより、上記のような選択的に規定された位置への取り付けが可能となる。よって、本実施形態に係るアンダーカバー21及び導風体22は、複数の車種にわたって共通化することが可能であり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本実施形態では、導風体22における導風面部22aの位置が、空気の流れがPTO15の突合せ部15aに向くようになっている。このため、PTO15の突き合せ部15aに吹き付けられた空気は、PTO15の外装を構成するフロントケース側及びリヤケース側の双方に分流することになり、PTO15をフロント側及びリヤ側で万遍なく冷却することができ、車両の高い信頼性を確保することができる。
また、本実施形態では、アンダーカバー21の開口部21bを、オイルパン10aよりも車両後方側に設けることとしているので、雪や泥がアンダーカバー21とオイルパン10aを被覆するカバー部材25との間に挟まることが防止される。よって、本実施形態では、アンダーカバー21の開口部21bから取り込まれた空気が、確実にPTO15の突合せ部15aに向けて流れる。
また、本実施形態では、アンダーカバー21において、21c,21cを張出し形成されてなる固定部21cの頂部分に設け、孔部21d,21dを張出し形成されてなる固定部21dの頂部分に設けている。このため、アンダーカバー21に対して導風体22をリベット23,24を用い取り付けた際に、リベット23,24の先端がアンダーカバー21の下方に大きく飛び出すことが抑制される。よって、車両の走行中に路面の凹凸や輪留めなどによりリベット23,24が損傷することが抑制され、アンダーカバー21に対する導風体22の取り付けを確実に維持することができる。
本実施形態に係る車両の製造方法では、アンダーカバー21に対して導風体22を取り付ける工程において、開口部21bから取り込まれた空気の流れの向きがPTO15の突合せ部15aに向くよう、アンダーカバー21に対する導風体22の相対的な位置が選択的に規定された上で、導風体22を取り付けるので、PTO15の冷却を効果的に行うことができる。
また、本実施形態に係る製造方法では、アンダーカバー21に対する導風体22の取付位置を選択的に規定できるので、アンダーカバー21及び導風体22を共通化しながら、車種毎に最適な位置に導風体22を取り付けることができる。これは、上述のように、導風体22をアンダーカバー21と別部材とすることによりなされる。よって、本実施形態に係るアンダーカバー21及び導風体22は、複数の車種にわたって共通化することが可能であり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
従って、本実施形態に係る車両の製造方法では、走行風により、PTO15の冷却を確実に行うことができるとともに、製造コストの低減を図ることができる車両の製造が可能である。
さらに、本実施形態に係る車両の下部構造においては、導風体22の剛性を、アンダーカバー21の剛性よりも低くすることにより、車両の走行時に段差等に乗り上げた場合にあっても、突き上げられた導風体22によりPTO15やエンジン10のオイルパン10aなどが損傷することを抑制できる。即ち、車両走行中に、車両が段差等に乗り上げた場合、アンダーカバー21に対して車両下方から上方に向けて力が作用する場合がある。
アンダーカバー21に下方からの力が作用した場合には、導風体22がPTO15やエンジン10のオイルパン10aなどに接触することが懸念される。これに対して、導風体22の剛性をアンダーカバー21の剛性よりも低くしている本態様では、段差等に乗り上げた際の、導風体が冷却対象であるPTO15やエンジン10のオイルパン10aなどにダメージを与えることを抑制することができる。
具体的には、アンダーカバー21の板厚を4mm〜8mm(例えば、6mm)としているのに対して、導風体22における孔部22d,22eの周辺の板厚を2mmとして、剛性を低くしている。これより、仮にアンダーカバー21が突き上げられた場合には、導風体22がPTO15やオイルパン10aに接触する前の段階で孔部22d,22e及びその周辺部分が破断する。
また、本実施形態では、リベット23,24としてアルミニウム合金からなるリベットを用いているので、せん断力が作用した際に破断する。
従って、本実施形態では、車両の走行時に段差等に乗り上げた場合にあっても、突き上げられた導風体22によりPTO15やエンジン10のオイルパン10aなどが損傷することを抑制できる。
なお、本実施形態では、アンダーカバー21の剛性に対して導風体22の剛性を低くするための一手法として、板厚を薄くすることとしたが、これ以外にも、構成材料を変えることによりアンダーカバーの構成材料よりも導風体の剛性を低くすることもできる。
さらに、本実施形態では、アンダーカバー21に導風体22を取り付けるリベット23,24を、アンダーカバー21の下方から差し込むこととした。これにより、作業性の向上を図ることができるとともに、リベット23,24の先端が路面と干渉するのを抑制することができる。
即ち、リベット23,24をアンダーカバー21の下方から差し込むことにより、リベット23,24の軸部がアンダーカバー21の上方に向けて突出し、アンダーカバー21の下方には軸部に比べて突出量が少ない頭部が出るだけとなる。このため、リベット23,24が路面との干渉により損傷を受けることを抑制することができる。
[第1変形例]
第1変形例に係る車両の製造方法について、図8を用い説明する。図8は、本変形例に係る製造方法で準備する導風体32の構成を示す模式斜視図である。
本変形例では、車両の製造において、車種に応じて2種類の導風体22,32を準備する。この内、導風体22については、上記実施形態と同様である。
もう一種類の導風体32は、図8に示すように、基本的な外観構成は、上記導風体22に類似している。即ち、導風体32は、傾斜面である導風面部32a、ベース板部32b、補強板部32cが一体形成されてなる。
導風体32が導風体22と異なる点は、アンダーカバー21への取り付け用の孔部32d,32eが、導風体22に比べてX方向前方に設けられている点にある。即ち、仮にアンダーカバー21の同じ孔部に対して導風体22と導風体32とを取り付けた場合には、導風体32における導風面部32aの方が開口部21bから離れた位置に配置されることになる。
このように、車両の製造において、2種類の導風体22,32を準備し、PTO15の配置に応じて、導風体22と導風体32との一方を選択的に採用することにより、導風面部22a,32aの位置をPTO15の突合せ部15aに冷却風を当てる上で、より適正な位置とすることができる。
なお、本変形例においては、アンダーカバー21における孔部21c,21d,と孔部21c,21dの内、何れかを省略することも可能である。この場合においても、導風体22と導風体32との選択的な使用により、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
[第2変形例]
第2変形例に係る車両の下部構造及び製造方法について、図9を用い説明する。図9は、本変形例に係る車両の下部構造に具備し、また、本変形例に係る車両の製造で用いる導風体42の構成を示す模式斜視図である。
図9に示すように、導風体42についても、基本的な外観構成は、上記導風体22及び上記導風体32に類似している。即ち、導風体42は、傾斜面である導風面部42a、ベース板部42b、補強板部42cが一体形成されてなる。
導風体42が導風体22及び導風体32と異なる点は、アンダーカバー21への取り付け用として、4つの孔部42d,42e,42f,42gが設けられている点にある。
本変形例に係る導風体42を上記アンダーカバー21に取り付けて用いる場合には、アンダーカバー21の開口部21bに対する導風面部42aの位置を、3段階に変更できる。具体的には、次の3種類の取付形態を採用することが可能である。
(a)アンダーカバー21の孔部21c,21dに対して、導風体42の孔部42d,42eを位置合わせし、リベット23,24で取り付ける。
(b)アンダーカバー21の孔部21c,21dに対して、導風体42の孔部42f、42gを位置合わせし、リベット23,24で取り付ける。
(c)アンダーカバー21の孔部21c,21dに対して、導風体42の孔部孔部42f、42gを位置合わせし、リベット23,24で取り付ける。
このように、本変形例では、1種類の導風体42を準備しておくだけで、開口部21bと導風面部42aとの相対的な位置を3段階に調整でき、車種によりPTO15における突合せ部15aの位置が変わった場合においても、PTO15の冷却のためにより適正な位置対応が可能である。よって、準備しておく導風体42の種類を減らしながら、PTO15を効果的に冷却することが可能となる。
なお、本変形例に係る導風体42では、X方向に2つずつ並ぶ孔部42d,42e,42f,42gを設けることとしたが、各側部に3つ以上の孔部を設けることとしてもよい。
[第3変形例]
第3変形例に係る車両の下部構造について、図10を用い説明する。図10は、本変形例に係る車両の下部構造に具備する導風体42の構成を示す模式斜視図である。
図10に示すように、導風体52についても、基本的な外観構成は、上記導風体22及び上記導風体32に類似している。即ち、導風体52は、傾斜面である導風面部52a、ベース板部52b、補強板部52cが一体形成されてなる。また、導風体52には、上記導風体22と同様に、アンダーカバー21への取り付けのための2つの孔部52d,52eが設けられている。
導風体52が導風体22及び導風体32と異なる点は、空気の流通路の上方の一部が蓋板部52fで覆われている点にある。図10における二点鎖線で囲んだ部分に示すように、導風体52では、蓋板部52fを設けることにより、一方に開口部52h、他方に開口部52gが設けられてなる筒状部(パイプ状部)を有する。
本変形例に係る導風体52では、空気の流通路が筒状部内に形成されることになり、開口部21bから取り込まれた走行風を、確実にPTO15の突合せ部15aに向けて吹き付けることができる。よって、本変形例では、より効果的にPTO15を冷却することができる。
なお、本変形例においても、導風体52をアンダーカバー21と別体としているので、上記実施形態と同様に、車種によってPTO15の位置が異なる場合にも、部品の共通化を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。
[その他の変形例]
上記変形例1においては、2種類の導風体22,32の一方を選択した上で、アンダーカバー21に取り付け、車種によるPTO15の突合せ部15aの位置が異なる場合にも対応できることとした。
しかし、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、互いに導風面部の傾斜角度が異なる複数種類の導風体を準備しておき、PTO15の突合せ部15aの位置に応じて、最適な導風体を選択することとしてもよい。
また、導風体における導風面部については、上記実施形態及び上記変形例1〜上記変形例3で示したような表面が平面のものに限らず、曲面の表面を有する導風面部の導風体を準備しておくことも可能である。
また、上記変形例3では、固定構造の蓋板部52fを有する導風体52を採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、蓋板部を前方に延長可能な構造とし、先端をアンダーカバー21の開口部21bに連結できるようにすることもできる。これにより、開口部21bから取り込まれた走行風を、確実にPTO15の突合せ部15aに吹き付けることが可能となる。
また、上記実施形態及び上記変形例1〜上記変形例3では、導風体22,32,42,52の材質については言及しなかったが、樹脂材料あるいは金属材料などを用いることが可能である。また、導風体を必ずしも一体成型する必要はなく、複数の部材を組み合わせて形成することとしてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例1〜上記変形例3では、走行風を用いた冷却対象をPTO15としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、変速機11やデファレンシャルギヤ12などを冷却対象とすることや、バッテリや発電機、さらにはEGR(Exhaust Gas Recirculation)などを冷却対象とすることもできる。
また、上記実施形態及び上記変形例1〜上記変形例3では、エンジン10を搭載した車両を一例としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、電動モータを動力源として備える車両に適用することも可能である。
また、上記実施形態及び上記変形例1〜上記変形例3では、フロントエンジンの車両を一例としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、リヤにエンジンあるいは電動モータを搭載する車両に適用することも可能である。この場合にも、駆動系や他の補機などで冷却が必要な部位に対して、上記のような構成を以って走行風を吹き付けることとしてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例1〜上記変形例3では、アンダーカバー21への導風体22,32,42,52の取り付けをリベット23,24を用い行うこととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、接着剤を用い取り付けることとしてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例1〜上記変形例3では、冷却対象であるPTO15を備える車両を一例としたが、アンダーカバー21を走行風を用いた冷却対象がない車両(例えば、FF車)に用いることも可能である。この場合には、孔部21c,21c,21d,21dを用い開口部21bを塞ぐ部品を取り付けるようにすれば、エンジンルーム内への雪や泥の侵入を防止することができ、また、エンジンルーム内の温度維持を図ることもできる。
また、上記実施形態及び上記変形例1〜上記変形例3では、アンダーカバー21の下方からリベットリベット23,24を差し込んで導風体22,32,42,52の取り付けを行うこととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。逆に、導風体の側から下方に向けてリベットの軸部を差し込むこととしてもよい。この場合には、リベットの頭部が導風体上に、リベットの軸部先端がアンダーカバー下方に位置することとなる。
1 車両
10 エンジン
15 動力分割装置(PTO)
21 アンダーカバー
21b 開口部
22,32,42,52 導風体
22a,32a,42a,52a 導風面部
23,24 リベット

Claims (12)

  1. 車両の下部構造において、
    前記車両の駆動に伴い発熱する装置と、
    前記装置の下方を覆う状態で配され、開口部が設けられてなるアンダーカバーと、
    前記アンダーカバーにおける前記開口部に隣接して取り付けられ、前記開口部から取り込まれた空気の流れを、前記装置に向けて導く導風面部を有する導風体と、
    を備え、
    前記導風体は、前記開口部と前記装置との相対的な位置関係に基づき、前記アンダーカバーにおける選択的に規定された位置に取り付けられている、
    車両の下部構造。
  2. 請求項1記載の車両の下部構造であって、
    前記導風体の剛性は、前記アンダーカバーの剛性に比べて低い、
    車両の下部構造。
  3. 請求項1又は請求項2記載の車両の下部構造であって、
    前記車両の駆動時に動力を生成する動力源を、さらに備え、
    前記装置は、前記動力源から出力された動力の伝達経路中に介挿されている、
    車両の下部構造。
  4. 請求項3記載の車両の下部構造であって、
    前記装置は、動力分割装置であり、
    前記動力分割装置の外装は、前記車両の前方側のフロントケースと、前記車両の後方側のリヤケースとが、突き合せられることにより構成されており、
    前記フロントケースと前記リヤケースとの突合せ面は、前記車両の前後方向に対して交差する方向に延設されており、
    前記導風体における前記導風面部の位置は、前記空気の流れが前記突合せ面における下端部分である突合せ部に向くよう、選択的に設定されている、
    車両の下部構造。
  5. 請求項3又は請求項4記載の車両の下部構造であって、
    前記動力源は、エンジンであって、前記車両の下方側にオイルパンを有してなり、
    前記アンダーカバーにおける前記開口部は、前記車両の前後方向において、前記オイルパンよりも後方に設けられている、
    車両の下部構造。
  6. 請求項1から請求項5の何れか記載の車両の下部構造であって、
    前記アンダーカバーには、前記導風体の取り付け位置として、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第1位置となるよう位置設定された第1取付位置と、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第2位置となるよう位置設定された第2取付位置と、が設けられており、
    前記導風体は、前記アンダーカバーの前記第1取付位置又は前記第2取付位置の一方に取り付けられている、
    車両の下部構造。
  7. 請求項6記載の車両の下部構造であって、
    前記導風体は、前記アンダーカバーに対して、リベットにより取り付けられており、
    前記アンダーカバーには、前記導風体の取り付けのために前記リベットが挿通する孔部として、前記導風体の取付位置が前記第1取付位置となる第1孔部と、前記導風体の取付位置が前記第2取付位置となる第2孔部と、が設けられており、
    前記導風体は、前記アンダーカバーの前記第1孔部又は前記第2孔部の一方で取り付けられている、
    車両の下部構造。
  8. 請求項7記載の車両の下部構造であって、
    前記アンダーカバーにおける前記第1孔部及び前記第2孔部は、前記アンダーカバーの一部領域が前記車両の上方側に張出し形成されてなる部分の頂部分に設けられている、
    車両の下部構造。
  9. 前記車両の駆動に伴い発熱する装置と、前記装置の下方を覆う状態で配されてなるアンダーカバーと、を備える車両の製造方法であって、
    一部領域に開口部が設けられたアンダーカバーを準備するアンダーカバー準備工程と、
    空気の流れの向きを変更する導風面部を有する導風体を準備する導風体準備工程と、
    前記導風体を、前記アンダーカバーにおける前記開口部に隣接して取り付ける取付工程と、
    を備え、
    前記取付工程では、前記開口部から取り込まれた空気の流れの向きが前記装置に向くよう、前記アンダーカバーに対する前記導風体の相対的な位置が選択的に規定された上で、前記アンダーカバーへの前記導風体の取り付けがなされる、
    車両の製造方法。
  10. 請求項9記載の車両の製造方法であって、
    前記アンダーカバー準備工程では、前記導風体の取り付けのためにリベットが挿通する孔部として、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第1位置となるよう位置設定された第1孔部と、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第2位置となるよう位置設定された第2孔部と、が設けられてなる前記アンダーカバーを準備し、
    前記取付工程では、前記アンダーカバーの前記第1孔部又は前記第2孔部の一方を選択的に用い、前記アンダーカバーに対して、前記リベットにより前記導風体を取り付ける、
    車両の製造方法。
  11. 請求項9又は請求項10記載の車両の製造方法であって、
    前記導風体準備工程では、前記アンダーカバーへの取り付けのためにリベットが挿通する孔部として、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第3位置となるよう位置設定された第3孔部と、前記開口部に対する前記導風面部の位置が第4位置となるよう位置設定された第4孔部と、が設けられてなる前記導風体を準備し、
    前記取付工程では、前記導風体の前記第3孔部又は前記第4孔部の一方を選択的に用い、前記アンダーカバーに対して、前記リベットにより前記導風体を取り付ける、
    車両の製造方法。
  12. 前記車両の駆動に伴い発熱する装置と、前記装置の下方を覆う状態で配されてなるアンダーカバーと、を備える車両の製造方法において、
    一部領域に開口部が設けられたアンダーカバーを準備するアンダーカバー準備工程と、
    それぞれが空気の流れの向きを変更する導風面部を有し、互いに変更する空気の向きが異なる第1導風体及び第2導風体を準備する導風体準備工程と、
    前記アンダーカバーにおける前記開口部に隣接した部分に、前記第1導風体又は前記第2導風体の一方を選択的に取り付ける取付工程と、
    を備える、
    車両の製造方法。
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