JP2018062501A - 薬物担体とするために酸化修飾による膜透過性ペプチドの創薬可能性の改善方法 - Google Patents

薬物担体とするために酸化修飾による膜透過性ペプチドの創薬可能性の改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薬物担体とするために酸化修飾による膜透過性ペプチドの創薬可能性の改善方法【解決手段】下記式で表される膜透過ペプチド(CPP)ecpの二量体で、酸化修飾によりジスルフィド結合により連結された膜透過ペプチド二量体。前記酸化修飾作用は過酸化水素又は硫酸銅により行うペプチド二量体。該二量体はペプチド担体の安定性の強化、タンパク質分解速度の低下、細胞透過能力の保持及びヘパリチン硫酸の結合特異性と結合能力の増加によって、ペプチドの創薬可能性を向上させることができ、この修飾されたペプチドは適合の薬物担体として薬物を運ぶことができ、それにより標的療法に応用できる。NYBX1BX2BNQX3(Bは塩基性アミン酸;X1はアリール、疎水性又は無電荷の側鎖を有するアミノ酸、X2はシスティン;X3はアスパラギン)【選択図】図5

Description

本発明は酸化修飾によって生成する膜透過性ペプチド二量体、特にジスルフィド結合で連結される膜透過性ペプチド二量体に関する。この二量体は従来の膜透過性ペプチドの特性、特に薬物担体として応用する時に生成する薬物の安定性という問題が、引き起こす創薬可能性の障害を改善することができる。
現在、癌の治療用化学療法によく生成する深刻な副作用は、薬物ががん細胞と正常な細胞を識別できなく、選択性なしで細胞を攻撃するため、治療濃度域(therapeutic window)の範囲が狭くなるだけでなく、その上、予後の結果(prognosis)を損傷することまで引き起こす。正常組織に対する損害を削減するために、抗がん用の化学療法は常に、使用量が標準に達せなく、全体が予期の効果に達成することができなくなる。これらの挑戦を克服するために、標的薬物送達システムは時機に応じて生まれた。それは特異性の特定細胞の結合能力を経由して、薬物の効果が改善され且つ副作用が低下された。今日に至るまで、モノクローナル抗体を除いて、ペプチド、タンパク質及び小分子が全部担体として、薬物と結合して担体‐薬物複合体を形成し、薬物を選択的に特定の受容体に表現が異常になるがん細胞まで携帯できるということは研究に示された。しかし、現時点において、まだペプチドを利用する担体‐薬物複合体が上場に成功することはなかった。可能性のあるいくつかの原因は下記を含む:(a)特定の細胞表面における標的受容体(targeted receptor)とマッチできる適当の配位子(ligand)は発見しにくい;(b)配位子が細胞に吸収され、細胞内で排除されるなどのメカニズムに関する研究情報は少ない;(c)これらの複合体の物理、化学性質及び送達特性などに関連する系統的な研究は限りがある。
最近に発見された新型の膜透過性ペプチド(CPP)は、上記様々な問題に対して、実行可能の解決手段を提供した。このペプチド(CPPecp)は、好酸球カチオン性タンパク質における特定のアミノ酸序列[ECP(32−41)]から誘導される。この前、CPPecpにおける特定の内部広域構造(motif)がヘパリン又はヘパリチン硫酸との結合能力を有し、且つCPPecpが低い細胞毒性及び癌細胞の転移に対する適度な抑制能力を表現し、マクロ飲作用(macropinocytosis)を経由して優れた膜透過性効果に達成できる特性は証明された。これらの機能もCPPecpを治療用薬物担体とする可能性があることを宣告した。
それはそうだけど、一般に、自然に存在するペプチドは血清循環において、比較的に短い半減期、低い透過性及び代謝の不安定性を有し、それにより組織における滞留時間は限りがあり且つ短い。CPPecpに高度な透過性があることは証明されたが、薬物の吸収、分布、代謝と排泄(ADME)など複数の課題を考えると、低い半減期はやはりそれが成功に薬物担体とすることに対して極めて困難な挑戦である。本発明で、ペプチド担体の安定性の強化、タンパク質分解速度の低下、浸透性の保持及びヘパリチン硫酸向けの選択的結合活性の増加によって、ペプチドの創薬可能性を改善する策略を開発した。
上記発明の背景説明部分に掲示される内容は、本発明の背景技術に対する了解を増加するためだけである。それで、上記内容は本発明を妨げない従来技術を含み、且つ本分野の技術者によく知られるはずである。
それにより、本発明は膜透過性ペプチドの創薬可能性を改善するアイディアを提出する。CPPecpと呼ばれるこの膜透過性ペプチドは、下記のNYBX1BX2BNQX3という序列を有する。そのうちBは塩基性アミノ酸、X1はアリール基、疎水性又は無荷電の側鎖を有するアミノ酸、X2はシステイン(Cysteine)を表し、及びX3はアスパラギン(Asparagine)を表す又は存在しない。
本発明は更に酸化修飾という策略を提供し、ペプチドの安定性の強化、タンパク質分解速度の低下、浸透性の保持及びヘパリチン硫酸向けの選択的結合活性の増加によって、ペプチドの薬物担体に応用する創薬可能性を改善する。
本発明はまた細胞内での輸送方法を提供し、(a)本発明の膜透過性ペプチドポリマーを含む複合体を提供すること;(b)該複合体を標的細胞と培養することを含む。
本発明も本発明の修飾された薬物担体及び一つから二つまでの物質を含む複合体を提供する。この種類の物質は治療剤、診断プローブ、ペプチド、ヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、ナノ粒子、リポソーム、小分子及び放射性マーカーを含むグループで構成され、独立又は併用療法に適する。
本発明は必要な薬物を被験者まで送達する方法を提供し、(a)本発明の修飾された薬物担体を含む複合体を調製すること;(b)経口、関節内、腹腔内、鞘内、動脈内、鼻内、脳内、皮下、筋肉内、静脈内、表皮内、直腸内、又は被験者の一部分に該複合体を投入することを含む。
本発明の利点は併用療法(combinatorial therapy)又はセラノスティクス(theranostics)に応用できること。
本発明の一つ又は一つ以上の上記実施例について、附図及び下記描写で詳しく説明する。これらの描写、図式及び特許請求の範囲を経由して、本発明の他の特徴、目的と利点を容易に理解できると同時に、本発明の上記特徴と利点がより理解しやすくなるために、下記は実施例と附図を結合して本発明を詳細に説明する。
本発明は附図及び文字による詳細な描写に参照して本発明をより分かりやすくようにする:
図1はCPPecpがマウスの血清における安定性を表示する。ここにおいて、CPPecpを1*PBS(4mg/ml)に溶解し、下記様々な時点で同じ体積のマウス血清(最終濃度は50%)と共に、0、2、5、15、30、60分培養する。同じ体積のTCA溶液(最終濃度は50%)を加えて反応を終了し、遠心分離で変性した血清タンパク質を除去する。上清液に残るCPPecpをHPLCで測量する。反応の起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。資料は三つの独立実験の平均数±標準偏差を表し、CPPecpの半減期(t1/2)はCompuSynソフトウェアで計算しあげる。
図2はCPPecp及びN端がFITC栄光染色剤でマークされたCPPecp複合体がマウス血清における安定性の比較を表示する。ここにおいて、両者を脱イオン水(0.5mg/ml)に溶解し、下記様々な時点で同じ体積の20%のマウス血清(最終濃度は10%)と共に、0、2、5、15、30、60分培養する。同じ体積のTCA溶液(最終濃度は50%)を加えて反応を終了し、遠心分離で変性した血清タンパク質を除去する。上清液に残るペプチドをHPLCで測量する。反応の起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。CPPecp及びFITCでマークされたCPPecpの半減期(t1/2)はCompuSynソフトウェアで計算しあげる。
図3はN端が栄光染色剤でマークされた(5−FAM)―CPPecp―CPPecp(A)及びN端がアセチル化されたAc−CPPecp(B)などのペプチド複合体がマウス血清における安定性を表示する。ここにおいて、両者の修飾されたペプチドを蒸留水(0.5mg/ml)に溶解し、下記様々な時点で同じ体積の20%のマウス血清(最終濃度は10%)と共に培養する。(5−FAM)―CPPecp―CPPecpを0−24時間培養し、Ac−CPPecpを0−60分培養する。同じ体積のTCA溶液(最終濃度は50%)を加えて反応を終了し、遠心分離で変性した血清タンパク質を除去する。上清液に残るペプチドをHPLCで測量する。反応の起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。(5−FAM)―CPPecp―CPPecp及びAc−CPPecpの半減期(t1/2)はCompuSynソフトウェアで計算しあげる。
図4はCPPecp二量体の分子量(A)及び2−メルカプトエタノールで還元されたCPPecp二量体のHPLC分析図(B)を表示する。ここにおいて、CPPecpのシステインチオール基を10mMの過酸化水素又は50μMの硫酸銅で室温に12−16時間酸化する。CPPecp二量体の分子量をマススペクトログラフで測定する。ペプチド間のジスルフィド結合の形成を更に確認するために、CPPecp二量体を室温に、1%の2−メルカプトエタノール(2−mercaptoethanol)で5分培養した後、HPLCで分析する。2−メルカプトエタノールはジスルフィド結合をチオール基に還元する。
図5はCPPecp(A)とCPPecp二量体(B)がマウス血清における安定性の比較を表示する。ここにおいて、両者のペプチドを1*PBS(4mg/ml)に溶解し、下記様々な時点で同じ体積のマウス血清(最終濃度は50%)と共に培養する。CPPecpを0−60分培養し、CPPecp二量体を0−48時間培養する。同じ体積のTCA溶液(最終濃度は50%)を加えて反応を終了し、遠心分離で変性した血清タンパク質を除去する。上清液に残るペプチドをHPLCで測量する。反応の起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。資料は三つの独立実験の平均数±標準偏差を表し、CPPecpとCPPecp二量体の半減期(t1/2)はCompuSynソフトウェアで計算しあげる。
図6は栄光顕微鏡で、CPPecp(A)とCPPecp二量体(B)が細胞を結合、透過する映像を表示する。ここにおいて、処理する前、細胞を含むそれぞれの穴(ウェル)(12穴の微量細胞培養皿)を2%のBSAで1時間阻止(blocking)してPBSで二回洗浄する。その後、A549細胞を12.5μMのFITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体によって37℃で30分培養する。PBSTで二回を洗浄した後、細胞をメタノールで20分固定してPBSTで四回洗浄する。最後、細胞をDAPIを含む封入剤(DAPI containing mounting medium)で固定する。栄光共焦点顕微鏡によってペプチドの結合と透過状況を分析し、拡大率は100*、比例尺は30μm。
図7はCPPecpとCPPecp二量体がNCI−H460細胞における結合特異性を表示する。ここにおいて、処理する前、細胞を含むそれぞれの穴(ウェル)(96穴の微量細胞培養皿)を4℃で2%のBSAによって1時間阻止してPBSで一回洗浄する。その後、NCI−H460細胞を0.625、1.25及び2.5μMのFITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体によって4℃で1時間培養する。PBTSで洗浄した後、栄光分光計(A)でFITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体の結合を測量する。結合の特異性をテストするために、ペプチドを処理する前、先に細胞をヘパリナーゼ(5U/ml)と37℃で2時間培養する(B及びC)。既知の細胞処理に用いるあらゆるペプチドの量(結合及び溶出を含む)を百パーセントと定義し、FITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体の相対結合を算出する。資料は三回の独立実験(triplicate incubation)の平均数を表し、エラーバー(error bar)は三回の重複実験の標準偏差を表す。
図8はCPPecpとCPPecp二量体が異なる肺がん細胞株に対する毒性を表示する。ここにおいて、細胞を37℃で、下記の0、0.3、1、3、10及び30μMを含む濃度のCPPecpとCPPecp二量体とそれぞれ72時間培養し、細胞の生存率をMTS実験で測量する。ペプチドで処理されない細胞の数を百パーセントと定義し(対照組)、ペプチド濃度が異なる処理を経た細胞の相対的生存率を計算しあげる。
本発明の利点、特徴及び達成方法は、例示的実施例及び附図によってもっと詳細に説明するのでより理解しやすい。しかし、本発明は異なる形式で実現することができるので、ここで述べる実施例に限られるわけではない。それとは逆に、所属する技術分野に通常の知識を持つ人にとって、ここで提供するこれらの実施例はもっとはっきりで、完全に本発明の範囲を伝達する。その上、本発明は添付された特許請求範囲しか定義されない。図において、成分又は部品の寸法及び相対的寸法は理解しやすいために、誇示する方法で表示される可能性はある。
別に定義されたもの以外、文書に使用する全部の専門用語(科技及び科学用語を含む)は本発明が所属する該分野の技術者に理解できる一般的な意味を有する。更に理解しやすいのは、一般的に使用する辞書で定義される用語は関連する分野の内容と一致する意味を有し、この文書に明確的定義されるもの以外は、一般又は普通の意味で理解すべきである。
後で述べる実施例は本発明の実施状況を説明し、所属する分野の通常技術者が本発明を実行することに協力するが、これらの実施例は本発明の範囲を制限する手段ではない。
本発明は下記実施例を参照して、膜透過性ペプチド二量体を調製するプロセス及びその性質の分析を説明し、それは例を示すだけで、制限性はない。その目的はこの技術に精通する人が本発明の内容を理解する上に実現できることである。本発明の考えに関する範囲は、特許請求の範囲を基準とするべきである。
実施例1 CPPecp安定性に対する改善
修飾されないCPPecp(NH2−NYRWRCKNQN−COOH)は台湾の明欣生物科技有限公司(MISSION BIOTECH Inc.)で合成される。修飾されないCPPecpのマウス血清における安定性を測定するために、CPPecp(0.5mg/ml又は4mg/ml)を同じ体積のマウス血清(品種はCD−1(ICR)、最終濃度は50%)と混合して室温で0、2、5、15、30及び60分培養する。同じ体積の100%のTCA溶液を200μl加えて反応を終止し、5秒発振して血清タンパク質を沈殿させる。変性し且つ沈殿した血清タンパク質を4℃、18000*gである条件で2分遠心分離して除去する。上清液をHPLC(カラムクロマトグラフィー:Purospher?STAR EP−18e;移動相A:脱イオン水における0.1%のTFA;移動相B:アセトニトリルにおける0.1%のTFA;流速:1ml/min;移動相の勾配条件:移動相Bを15分以内に2%から35%まで向上させる;探知波長:280nm)で分析する。起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。CPPecpの半減期(t1/2)を1.0版のCompuSynスフトウェアで計算しあげる。図1に示すように、修飾されないCPPecpのマウス血清における半減期は2.34分だけであり、その結果から見るとそれが臨床に応用する効果はわずかである。
使用可能な薬物担体として、そのタンパク質分解の安定性及び標的送達の特異性は決定的性質である。CPPecpの安定性を改善するために、複数の典型的又は非典型的な修飾を導入してテストを行う。それは以下を含む:(1)N端が栄光染色剤(FITC及び5−FAM)でマークされたペプチド複合体で薬物接合を模擬すること;(2)N端がアセチル化された(Ac)ペプチド複合体;(3)ペプチド複合体のC端を別の生物分子と接合すること;及び(4)酸化修飾によってペプチド間(inter−peptide)のジスルフィド結合を形成させること。FITC−CPPecp(5−FAM)−CPPecp−CPPecp及びAc−CPPecpの安定性を測定するために、0.5mg/mlのペプチドを蒸留水に溶解させ、同じ体積の20%のマウス血清(最終濃度は10%)と混合した後、上記HPLC条件によって分析する。更に長時間に渡る安定性を測定するために、培養時間(0、1、2、3、4、6、8、12、24及び48時間)を延長する。図2に示すように、修飾されないCPPecpと比較すると、FITC−CPPecpは決してペプチドの安定性を著しく改善しなかった。この結果は、単純な薬物接合がCPPecpの安定性を改善できないため、別に方法を探さないといけないということを暗示した。図3Aにおいて、N端の5−FAMマーカー及びペプチド複合体のC端と別の生物分子でマークされた(5−FAM)−CPPecp−CPPecpとの延伸作用は確かにその安定性を延長した。しかし、この種類のペプチドの数量は初めの一時間以内に急激に低下することも、それとマウス血清タンパク質との迅速な結合現象を暗示した。もう一方、ペプチドの安定性を改善する伝統的な手段とするN端のアセチル化も、図3Bに示すように、CPPecpの安定性を改善するのに十分でない。ところが、驚くべきことは、酸化修飾されたCPPecp二量体はCPPecpの安定性を180倍ほど増加することができ、それはCPPecp二量体が効果的な臨床用薬物担体(図5)になる見込みがあることを掲示した。全部のペプチド修飾複合体のCPPecpと比較する半減期は表1に並べられ、且つCPPecpの半減期(t1/2)を基準点(one−fold)とする。

実施例2 CPPecpを酸化修飾してCPPecp二量体を形成する
CPPecpの安定性を増加するほかその応用潜在力を改善するために、ペプチド間のジスルフィド結合は二つのCPPecpペプチドを形成するシステイン残基間にある。ジスルフィド結合を形成するために、システインのチオール基(thiol group)をCPPecpに、10mMの過酸化水素又は50μMの硫酸銅によって室温で12−16時間酸化してCPPecp二量体を形成する(Abouelatta, A.I., Campanali,A.A., Ekkati, A.R., Shmoun, M., Kalapugama,S.,& Kodanko,J.J. (2009). Oxidation of the natural amino acids by ferryl complex: kinetic and mechanistic studies with peptide model compounds. Inorganic chemistry, 48(16), 7729−7739)。CPPecp二量体はHPLC(条件は実施例1に述べるように)で分析され、その分子量は明欣生物科技有限公司(MISSION BIOTECH Inc.)のマススペクトログラフ(MASS spectrometry)で分析して確定される。ペプチド間のジスルフィド結合の形成をより詳しく確認するために、CPPecp二量体を室温で1%の2−メルカプトエタノール(2−mercaptoethanol)(SIGMA)で5分培養した後、HPLCで分析する。2−メルカプトエタノールはジスルフィド結合をチオール基まで還元する。図4Aに示すように、マススペクトログラフの分析結果はCPPecp二量体の分子量(分子量は2.76kDa)とマッチし、それはCPPecp二量体の形成を確認した。もう一方、CPPecp二量体は2−メルカプトエタノールによってモノマー(分子量は1.38kDa)に還元され、それはジスルフィド結合で形成するCPPecp二量体(図4B)を再度確認した。
実施例3 CPPecp二量体の細胞表面における結合及び透過
細胞の培養 A459細胞をRPMI1640完全培地(Hyclone)、及び加熱して非活性化された10%(v/v)の胎仔ウシ血清(FBS;Gibco)と1%(v/v)のペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)で培養する。細胞は15mmのカバーグラスで成長し、37℃で、5%の二酸化炭素に培養される。
CPPecp二量体の細胞表面における結合及び透過 CPPecpのジスルフィド結合で連結される二量体がもともとCPPecpが有する機能を保持するかどうかを検証するために、FITCでマークされたCPPecpモノマーと二量体で細胞結合と透過能力を分析し、且つ蛍光顕微鏡で観察する。ペプチドを処理する前、ペプチドの非特異性結合を防止するために、12穴(well)の細胞培養皿にあるそれぞれの穴及び内部に細胞が付着されたカバーグラスを、2%のBSAを含む阻止緩衝液で1時間浸し、PBSで二回洗浄する。阻止した後、15mmのカバーグラスに成長するA549細胞を12.5μMのFITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体によって、37℃で30分培養する。PBSTで二回洗浄した後、細胞をメタノールで20分固定し且つPBSTで四回洗浄する。その後、細胞をDAPIを含む封入剤(DAPI containing mounting medium)で固定して細胞核を比較観測する。蛍光共焦点顕微鏡(Leica)によって、ペプチドが細胞に対する結合及び透過状況を分析する(図6)(拡大率は100*、比例尺は30μm)。図6に示すように、FITC−CPPecpモノマーと比較すると(図6A)、FITC−CPPecp二量体は同様に細胞結合と透過という特徴を有するほか、A549細胞の細胞表面、細胞質及び細胞核においてそれぞれペプチドの蛍光情報を発見することができる。それはCPPecpの原生機能はジスルフィド結合が形成した後全く変化しない(図6B)。
実施例4 CPPecp二量体がヘパリチン硫酸に対する結合特異性
細胞の培養 NCI−H460細胞をRPMI1640完全培地、加熱して非活性化された10%(v/v)の胎仔ウシ血清(FBS;Gibco)及び1%(v/v)のペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)で培養する。細胞は15mmのカバーグラスで成長し、且つ37℃で、5%の二酸化炭素に培養される。
ヘパリチン硫酸結合の検定 ジスルフィド結合で連結されるCPPecp二量体がもともとCPPecpがヘパリチン硫酸に対する特異性の結合親和性を保持するかどうかを検証するために、FITCでマークされたCPPecpモノマー及び二量体によって、ヘパリチン硫酸の結合親和性を研究し、蛍光分光計で測量する。肺がん細胞のNCI−H460細胞(2*104/穴)を、96穴の細胞培養皿に植え、一夜を過して培養する。完全に付着した後、培地を除去し、それぞれの穴を4℃の環境において、2%のBSA(1*PBS)で1時間阻止して非特異性結合を防止する。阻止した後、それぞれの穴を100μlの1*PBSで洗浄して残るBSAを除去する。FITCでマークされたペプチド材料(CPPecpモノマー及び二量体)を脱イオン水(最終濃度は100μm)の中に調製して必要とする濃度でそれぞれの穴に加え(5μl+95μlの無血清培地)、4℃の環境で1時間培養する。反応後、結合しないペプチドを含む培地を除去し且つ別の細胞培養皿に移転する。それぞれのウェルを100μlの1*PBSで洗浄し、洗浄された緩衝液を第二皿に移転する。洗浄した後、連結されないペプチドを含み培地を除去して別の細胞培養皿に転移する。それぞれの穴に100μlの1*PBSで洗浄した後緩衝液を第二皿に転移する。洗浄後、それぞれの穴に100μlの1*PBSを加え、蛍光分光計でその蛍光の強度(励起波長は485nm、放射波長は521nm)を測量してそれを結合部分と定義する。培地と緩衝液の蛍光強度を合計して連結せず且つ洗浄されたペプチドの比例を得る。CPPecp結合の特異性がヘパリチン硫酸に関するかどうかを確認するために、BSAで阻止する前、細胞を5U/mlのヘパラナーゼ(heparanase)混合物(SIGMA)で2時間培養することで、細胞表面にあるヘパリチン硫酸を除去する。酵素で処理する前、それぞれの穴を100μlの1*PBSで洗浄して残ったヘパラナーゼ混合物を除去し、且つ上記結合プロセスを行い続ける。
それぞれのペプチドの付加蛍光強度標準曲線を経由して、注入するペプチドの総和(inputs;結合及び溶出を含む)を算出し、注入する全部のペプチドで実際の結合部分を割ると、FITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体の結合百分率を算出する。資料は三回の重複実験(triplicate incubation)の平均数を表し、エラーバー(error bar)は三回の重複実験の標準偏差を表す。図7Aに示すように、FITC−CPPecp(モノマー)と比べ、FITC−CPPecp二量体の結合能力は顕著に向上し、それは二量化がペプチドの細胞に対する結合能力を顕著に増加することを表示した。結合特異性がヘパリチン硫酸と関連するかどうかを更に確認するために、事前にヘパラナーゼでNCI−H460細胞を処理し、図7Cに示すように、FITC−CPPecp二量体が細胞に対する結合百分率は顕著に削減され、同じ傾向もFITC−CPPecpモノマーに発見された(図7B)。結論として、FITC−CPPecpと比較すると、FITC−CPPecp二量体は比較的良い細胞結合親和性を表し、その上、この結合がヘパリチン硫酸による特異性の結合であることは証明された。
実施例5 CPPecp二量体が潜在力のある薬物担体とする
CPPecp二量体が薬物担体とする応用潜在力を研究するために、CPPecpモノマーとCPPecp二量体が、A549、NCI−H460及びNCI−H441という三つの肺がん細胞株における毒性を測定して比較する。肺がん細胞株を96穴の細胞培養皿(2*103/穴)に植えて一夜を過して培養する。付着した後、異なる濃度のCPPecpモノマー及びCPPecp二量体(0、0.3、1、3、10及び30μM)を加えて72時間培養する。次にMST試薬(Promega Corp.)で細胞の生存率を測定する。処理されない細胞を制御組として、百パーセントと設定し、各濃度の相対的生存率を算出する。結果は図8に示すように、細胞の生存率から見ると、CPPecpモノマー及びCPPecp二量体は三つの肺がん細胞の分裂に対して、全部顕著な抑制作用を果たしなかった。
要約すると、本発明の前記結論のように、CPPecpの安定性は二つのCPPecp分子間のジスルフィド結合で形成するCPPecp二量体によって改善された。このCPPecp二量体は元のCPPecpモノマーにある細胞透過性を維持し、ヘパリチン硫酸に対する結合親和性を増加し且つ顕著な細胞毒性はないため、将来医薬に応用する潜在力を表した。更に、CPPecp二量体も異なる組合の治療剤、診断プローブ又は他の小分子を同じ担体に接合する可能性を提供することによって、独立又は併用治療の要件に満たすので、更に併用治療(combinatorial therapy)又はセラノスティックス(theranostics)に応用することができる。
上記実施例は本発明の技術構想及び特徴に関する説明だけであり、その目的はこの技術に精通する人が本発明の内容を理解する上実現できること。本発明の特許範囲を限定することはなく、即ち本発明が掲示する精神に従って行う同等な変化又は修飾、例えば:複数の細胞透過性ペプチドで構成されるポリマー(数は二以上)は依然として、本発明の特許請求範囲以内に含まれるべきである。この技術に精通する人が完成しやすいいずれかの変更または同等な配置も全部本発明が考える範囲に属するべきである。本発明の権利保護範囲は特許請求の範囲を基準とするべきである。
上記をまとめると、本発明は従来技術を突破した上、必要の増加効果に確かに達し、該技術に精通する人に自明といえるほど、それが有する進歩性、実用性は、特許の申請要件に合うため、ここに法律によって特許申請を出願した。発明を励まし、貴局が本発明の特許請求を審査の上許可するよう懇願し、深く感謝する。
本発明は酸化修飾によって生成する膜透過性ペプチド二量体、特にジスルフィド結合で連結される膜透過性ペプチド二量体に関する。この二量体は従来の膜透過性ペプチドの特性、特に薬物担体として応用する時に生成する薬物の安定性という問題が、引き起こす創薬可能性の障害を改善することができる。
現在、癌の治療用化学療法によく生成する深刻な副作用は、薬物ががん細胞と正常な細胞を識別できなく、選択性なしで細胞を攻撃するため、治療濃度域(therapeutic window)の範囲が狭くなるだけでなく、その上、予後の結果(prognosis)を損傷することまで引き起こす。正常組織に対する損害を削減するために、抗がん用の化学療法は常に、使用量が標準に達せなく、全体が予期の効果に達成することができなくなる。これらの挑戦を克服するために、標的薬物送達システムは時機に応じて生まれた。それは特異性の特定細胞の結合能力を経由して、薬物の効果が改善され且つ副作用が低下された。今日に至るまで、モノクローナル抗体を除いて、ペプチド、タンパク質及び小分子が全部担体として、薬物と結合して担体‐薬物複合体を形成し、薬物を選択的に特定の受容体に表現が異常になるがん細胞まで携帯できるということは研究に示された。しかし、現時点において、まだペプチドを利用する担体‐薬物複合体が上場に成功することはなかった。可能性のあるいくつかの原因は下記を含む:(a)特定の細胞表面における標的受容体(targeted receptor)とマッチできる適当の配位子(ligand)は発見しにくい;(b)配位子が細胞に吸収され、細胞内で排除されるなどのメカニズムに関する研究情報は少ない;(c)これらの複合体の物理、化学性質及び送達特性などに関連する系統的な研究は限りがある。
最近に発見された新型の膜透過性ペプチド(CPP)は、上記様々な問題に対して、実行可能の解決手段を提供した。このペプチド(CPPecp)は、好酸球カチオン性タンパク質における特定のアミノ酸序列[ECP(32−41)]から誘導される。この前、CPPecpにおける特定の内部広域構造(motif)がヘパリン又はヘパリチン硫酸との結合能力を有し、且つCPPecpが低い細胞毒性及び癌細胞の転移に対する適度な抑制能力を表現し、マクロ飲作用(macropinocytosis)を経由して優れた膜透過性効果に達成できる特性は証明された。これらの機能もCPPecpを治療用薬物担体とする可能性があることを宣告した。
それはそうだけど、一般に、自然に存在するペプチドは血清循環において、比較的に短い半減期、低い透過性及び代謝の不安定性を有し、それにより組織における滞留時間は限りがあり且つ短い。CPPecpに高度な透過性があることは証明されたが、薬物の吸収、分布、代謝と排泄(ADME)など複数の課題を考えると、低い半減期はやはりそれが成功に薬物担体とすることに対して極めて困難な挑戦である。本発明で、ペプチド担体の安定性の強化、タンパク質分解速度の低下、浸透性の保持及びヘパリチン硫酸向けの選択的結合活性の増加によって、ペプチドの創薬可能性を改善する策略を開発した。
上記発明の背景説明部分に掲示される内容は、本発明の背景技術に対する了解を増加するためだけである。それで、上記内容は本発明を妨げない従来技術を含み、且つ本分野の技術者によく知られるはずである。
それにより、本発明は膜透過性ペプチドの創薬可能性を改善するアイディアを提出する。CPPecpと呼ばれるこの膜透過性ペプチドは、下記のNYBX1BX2BNQX3という序列を有する。そのうちBは塩基性アミノ酸、X1はアリール基、疎水性又は無荷電の側鎖を有するアミノ酸、X2はシステイン(Cysteine)を表し、及びX3はアスパラギン(Asparagine)を表す又は存在しない。
本発明は更に酸化修飾という策略を提供し、ペプチドの安定性の強化、タンパク質分解速度の低下、浸透性の保持及びヘパリチン硫酸向けの選択的結合活性の増加によって、ペプチドの薬物担体に応用する創薬可能性を改善する。
本発明はまた細胞内での輸送方法を提供し、(a)本発明の膜透過性ペプチドポリマーを含む複合体を提供すること;(b)該複合体を標的細胞と培養することを含む。
本発明も本発明の修飾された薬物担体及び一つから二つまでの物質を含む複合体を提供する。この種類の物質は治療剤、診断プローブ、ペプチド、ヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、ナノ粒子、リポソーム、小分子及び放射性マーカーを含むグループで構成され、独立又は併用療法に適する。
本発明は必要な薬物を被験者まで送達する方法を提供し、(a)本発明の修飾された薬物担体を含む複合体を調製すること;(b)経口、関節内、腹腔内、鞘内、動脈内、鼻内、脳内、皮下、筋肉内、静脈内、表皮内、直腸内、又は被験者の一部分に該複合体を投入することを含む。
本発明の利点は併用療法(combinatorial therapy)又はセラノスティクス(theranostics)に応用できること。
図1はCPPecpがマウスの血清における安定性を表示する。 図2はCPPecp及びN端がFITC栄光染色剤でマークされたCPPecp複合体がマウス血清における安定性の比較を表示する。 図3はN端が栄光染色剤でマークされた(5−FAM)―CPPecp―CPPecp(A)及びN端がアセチル化されたAc−CPPecp(B)などのペプチド複合体がマウス血清における安定性を表示する。 図4はCPPecp二量体の分子量(A)及び2−メルカプトエタノールで還元されたCPPecp二量体のHPLC分析図(B)を表示する。 図5はCPPecp(A)とCPPecp二量体(B)がマウス血清における安定性の比較を表示する。 図6は栄光顕微鏡で、CPPecp(A)とCPPecp二量体(B)が細胞を結合、透過する映像を表示する。 図7はCPPecpとCPPecp二量体がNCI−H460細胞における結合特異性を表示する。 図8はCPPecpとCPPecp二量体が異なる肺がん細胞株に対する毒性を表示する。
本発明の一つ又は一つ以上の上記実施例について、附図及び下記描写で詳しく説明する。これらの描写、図式及び特許請求の範囲を経由して、本発明の他の特徴、目的と利点を容易に理解できると同時に、本発明の上記特徴と利点がより理解しやすくなるために、下記は実施例と附図を結合して本発明を詳細に説明する。本発明は附図及び文字による詳細な描写に参照して本発明をより分かりやすくようにする:
本発明の利点、特徴及び達成方法は、例示的実施例及び附図によってもっと詳細に説明するのでより理解しやすい。しかし、本発明は異なる形式で実現することができるので、ここで述べる実施例に限られるわけではない。それとは逆に、所属する技術分野に通常の知識を持つ人にとって、ここで提供するこれらの実施例はもっとはっきりで、完全に本発明の範囲を伝達する。その上、本発明は添付された特許請求範囲しか定義されない。図において、成分又は部品の寸法及び相対的寸法は理解しやすいために、誇示する方法で表示される可能性はある。
別に定義されたもの以外、文書に使用する全部の専門用語(科技及び科学用語を含む)は本発明が所属する該分野の技術者に理解できる一般的な意味を有する。更に理解しやすいのは、一般的に使用する辞書で定義される用語は関連する分野の内容と一致する意味を有し、この文書に明確的定義されるもの以外は、一般又は普通の意味で理解すべきである。
後で述べる実施例は本発明の実施状況を説明し、所属する分野の通常技術者が本発明を実行することに協力するが、これらの実施例は本発明の範囲を制限する手段ではない。
図1はCPPecpがマウスの血清における安定性を表示する。ここにおいて、CPPecpを1*PBS(4mg/ml)に溶解し、下記様々な時点で同じ体積のマウス血清(最終濃度は50%)と共に、0、2、5、15、30、60分培養する。同じ体積のTCA溶液(最終濃度は50%)を加えて反応を終了し、遠心分離で変性した血清タンパク質を除去する。上清液に残るCPPecpをHPLCで測量する。反応の起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。資料は三つの独立実験の平均数±標準偏差を表し、CPPecpの半減期(t1/2)はCompuSynソフトウェアで計算しあげる。
図2はCPPecp及びN端がFITC栄光染色剤でマークされたCPPecp複合体がマウス血清における安定性の比較を表示する。ここにおいて、両者を脱イオン水(0.5mg/ml)に溶解し、下記様々な時点で同じ体積の20%のマウス血清(最終濃度は10%)と共に、0、2、5、15、30、60分培養する。同じ体積のTCA溶液(最終濃度は50%)を加えて反応を終了し、遠心分離で変性した血清タンパク質を除去する。上清液に残るペプチドをHPLCで測量する。反応の起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。CPPecp及びFITCでマークされたCPPecpの半減期(t1/2)はCompuSynソフトウェアで計算しあげる。
図3はN端が栄光染色剤でマークされた(5−FAM)―CPPecp―CPPecp(A)及びN端がアセチル化されたAc−CPPecp(B)などのペプチド複合体がマウス血清における安定性を表示する。ここにおいて、両者の修飾されたペプチドを蒸留水(0.5mg/ml)に溶解し、下記様々な時点で同じ体積の20%のマウス血清(最終濃度は10%)と共に培養する。(5−FAM)―CPPecp―CPPecpを0−24時間培養し、Ac−CPPecpを0−60分培養する。同じ体積のTCA溶液(最終濃度は50%)を加えて反応を終了し、遠心分離で変性した血清タンパク質を除去する。上清液に残るペプチドをHPLCで測量する。反応の起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。(5−FAM)―CPPecp―CPPecp及びAc−CPPecpの半減期(t1/2)はCompuSynソフトウェアで計算しあげる。
図4はCPPecp二量体の分子量(A)及び2−メルカプトエタノールで還元されたCPPecp二量体のHPLC分析図(B)を表示する。ここにおいて、CPPecpのシステインチオール基を10mMの過酸化水素又は50μMの硫酸銅で室温に12−16時間酸化する。CPPecp二量体の分子量をマススペクトログラフで測定する。ペプチド間のジスルフィド結合の形成を更に確認するために、CPPecp二量体を室温に、1%の2−メルカプトエタノール(2−mercaptoethanol)で5分培養した後、HPLCで分析する。2−メルカプトエタノールはジスルフィド結合をチオール基に還元する。
図5はCPPecp(A)とCPPecp二量体(B)がマウス血清における安定性の比較を表示する。ここにおいて、両者のペプチドを1*PBS(4mg/ml)に溶解し、下記様々な時点で同じ体積のマウス血清(最終濃度は50%)と共に培養する。CPPecpを0−60分培養し、CPPecp二量体を0−48時間培養する。同じ体積のTCA溶液(最終濃度は50%)を加えて反応を終了し、遠心分離で変性した血清タンパク質を除去する。上清液に残るペプチドをHPLCで測量する。反応の起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。資料は三つの独立実験の平均数±標準偏差を表し、CPPecpとCPPecp二量体の半減期(t1/2)はCompuSynソフトウェアで計算しあげる。
図6は栄光顕微鏡で、CPPecp(A)とCPPecp二量体(B)が細胞を結合、透過する映像を表示する。ここにおいて、処理する前、細胞を含むそれぞれの穴(ウェル)(12穴の微量細胞培養皿)を2%のBSAで1時間阻止(blocking)してPBSで二回洗浄する。その後、A549細胞を12.5μMのFITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体によって37℃で30分培養する。PBSTで二回を洗浄した後、細胞をメタノールで20分固定してPBSTで四回洗浄する。最後、細胞をDAPIを含む封入剤(DAPI containing mounting medium)で固定する。栄光共焦点顕微鏡によってペプチドの結合と透過状況を分析し、拡大率は100*、比例尺は30μm。
図7はCPPecpとCPPecp二量体がNCI−H460細胞における結合特異性を表示する。ここにおいて、処理する前、細胞を含むそれぞれの穴(ウェル)(96穴の微量細胞培養皿)を4℃で2%のBSAによって1時間阻止してPBSで一回洗浄する。その後、NCI−H460細胞を0.625、1.25及び2.5μMのFITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体によって4℃で1時間培養する。PBTSで洗浄した後、栄光分光計(A)でFITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体の結合を測量する。結合の特異性をテストするために、ペプチドを処理する前、先に細胞をヘパリナーゼ(5U/ml)と37℃で2時間培養する(B及びC)。既知の細胞処理に用いるあらゆるペプチドの量(結合及び溶出を含む)を百パーセントと定義し、FITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体の相対結合を算出する。資料は三回の独立実験(triplicate incubation)の平均数を表し、エラーバー(error bar)は三回の重複実験の標準偏差を表す。
図8はCPPecpとCPPecp二量体が異なる肺がん細胞株に対する毒性を表示する。ここにおいて、細胞を37℃で、下記の0、0.3、1、3、10及び30μMを含む濃度のCPPecpとCPPecp二量体とそれぞれ72時間培養し、細胞の生存率をMTS実験で測量する。ペプチドで処理されない細胞の数を百パーセントと定義し(対照組)、ペプチド濃度が異なる処理を経た細胞の相対的生存率を計算しあげる。
本発明は下記実施例を参照して、膜透過性ペプチド二量体を調製するプロセス及びその性質の分析を説明し、それは例を示すだけで、制限性はない。その目的はこの技術に精通する人が本発明の内容を理解する上に実現できることである。本発明の考えに関する範囲は、特許請求の範囲を基準とするべきである。
実施例1 CPPecp安定性に対する改善
修飾されないCPPecp(NH2−NYRWRCKNQN−COOH)は台湾の明欣生物科技有限公司(MISSION BIOTECH Inc.)で合成される。修飾されないCPPecpのマウス血清における安定性を測定するために、CPPecp(0.5mg/ml又は4mg/ml)を同じ体積のマウス血清(品種はCD−1(ICR)、最終濃度は50%)と混合して室温で0、2、5、15、30及び60分培養する。同じ体積の100%のTCA溶液を200μl加えて反応を終止し、5秒発振して血清タンパク質を沈殿させる。変性し且つ沈殿した血清タンパク質を4℃、18000*gである条件で2分遠心分離して除去する。上清液をHPLC(カラムクロマトグラフィー:Purospher?STAR EP−18e;移動相A:脱イオン水における0.1%のTFA;移動相B:アセトニトリルにおける0.1%のTFA;流速:1ml/min;移動相の勾配条件:移動相Bを15分以内に2%から35%まで向上させる;探知波長:280nm)で分析する。起点(t=0)におけるCPPecpの回収量を百パーセントと設定してから、各時点に回収するCPPecpの相対量を算出する。CPPecpの半減期(t1/2)を1.0版のCompuSynスフトウェアで計算しあげる。図1に示すように、修飾されないCPPecpのマウス血清における半減期は2.34分だけであり、その結果から見るとそれが臨床に応用する効果はわずかである。
使用可能な薬物担体として、そのタンパク質分解の安定性及び標的送達の特異性は決定的性質である。CPPecpの安定性を改善するために、複数の典型的又は非典型的な修飾を導入してテストを行う。それは以下を含む:(1)N端が栄光染色剤(FITC及び5−FAM)でマークされたペプチド複合体で薬物接合を模擬すること;(2)N端がアセチル化された(Ac)ペプチド複合体;(3)ペプチド複合体のC端を別の生物分子と接合すること;及び(4)酸化修飾によってペプチド間(inter−peptide)のジスルフィド結合を形成させること。FITC−CPPecp(5−FAM)−CPPecp−CPPecp及びAc−CPPecpの安定性を測定するために、0.5mg/mlのペプチドを蒸留水に溶解させ、同じ体積の20%のマウス血清(最終濃度は10%)と混合した後、上記HPLC条件によって分析する。更に長時間に渡る安定性を測定するために、培養時間(0、1、2、3、4、6、8、12、24及び48時間)を延長する。図2に示すように、修飾されないCPPecpと比較すると、FITC−CPPecpは決してペプチドの安定性を著しく改善しなかった。この結果は、単純な薬物接合がCPPecpの安定性を改善できないため、別に方法を探さないといけないということを暗示した。図3Aにおいて、N端の5−FAMマーカー及びペプチド複合体のC端と別の生物分子でマークされた(5−FAM)−CPPecp−CPPecpとの延伸作用は確かにその安定性を延長した。しかし、この種類のペプチドの数量は初めの一時間以内に急激に低下することも、それとマウス血清タンパク質との迅速な結合現象を暗示した。もう一方、ペプチドの安定性を改善する伝統的な手段とするN端のアセチル化も、図3Bに示すように、CPPecpの安定性を改善するのに十分でない。ところが、驚くべきことは、酸化修飾されたCPPecp二量体はCPPecpの安定性を180倍ほど増加することができ、それはCPPecp二量体が効果的な臨床用薬物担体(図5)になる見込みがあることを掲示した。全部のペプチド修飾複合体のCPPecpと比較する半減期は表1に並べられ、且つCPPecpの半減期(t1/2)を基準点(one−fold)とする。

実施例2 CPPecpを酸化修飾してCPPecp二量体を形成する
CPPecpの安定性を増加するほかその応用潜在力を改善するために、ペプチド間のジスルフィド結合は二つのCPPecpペプチドを形成するシステイン残基間にある。ジスルフィド結合を形成するために、システインのチオール基(thiol group)をCPPecpに、10mMの過酸化水素又は50μMの硫酸銅によって室温で12−16時間酸化してCPPecp二量体を形成する(Abouelatta, A.I., Campanali,A.A., Ekkati, A.R., Shmoun, M., Kalapugama,S.,& Kodanko,J.J. (2009). Oxidation of the natural amino acids by ferryl complex: kinetic and mechanistic studies with peptide model compounds. Inorganic chemistry, 48(16), 7729−7739)。CPPecp二量体はHPLC(条件は実施例1に述べるように)で分析され、その分子量は明欣生物科技有限公司(MISSION BIOTECH Inc.)のマススペクトログラフ(MASS spectrometry)で分析して確定される。ペプチド間のジスルフィド結合の形成をより詳しく確認するために、CPPecp二量体を室温で1%の2−メルカプトエタノール(2−mercaptoethanol)(SIGMA)で5分培養した後、HPLCで分析する。2−メルカプトエタノールはジスルフィド結合をチオール基まで還元する。図4Aに示すように、マススペクトログラフの分析結果はCPPecp二量体の分子量(分子量は2.76kDa)とマッチし、それはCPPecp二量体の形成を確認した。もう一方、CPPecp二量体は2−メルカプトエタノールによってモノマー(分子量は1.38kDa)に還元され、それはジスルフィド結合で形成するCPPecp二量体(図4B)を再度確認した。
実施例3 CPPecp二量体の細胞表面における結合及び透過
細胞の培養 A459細胞をRPMI1640完全培地(Hyclone)、及び加熱して非活性化された10%(v/v)の胎仔ウシ血清(FBS;Gibco)と1%(v/v)のペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)で培養する。細胞は15mmのカバーグラスで成長し、37℃で、5%の二酸化炭素に培養される。
CPPecp二量体の細胞表面における結合及び透過 CPPecpのジスルフィド結合で連結される二量体がもともとCPPecpが有する機能を保持するかどうかを検証するために、FITCでマークされたCPPecpモノマーと二量体で細胞結合と透過能力を分析し、且つ蛍光顕微鏡で観察する。ペプチドを処理する前、ペプチドの非特異性結合を防止するために、12穴(well)の細胞培養皿にあるそれぞれの穴及び内部に細胞が付着されたカバーグラスを、2%のBSAを含む阻止緩衝液で1時間浸し、PBSで二回洗浄する。阻止した後、15mmのカバーグラスに成長するA549細胞を12.5μMのFITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体によって、37℃で30分培養する。PBSTで二回洗浄した後、細胞をメタノールで20分固定し且つPBSTで四回洗浄する。その後、細胞をDAPIを含む封入剤(DAPI containing mounting medium)で固定して細胞核を比較観測する。蛍光共焦点顕微鏡(Leica)によって、ペプチドが細胞に対する結合及び透過状況を分析する(図6)(拡大率は100*、比例尺は30μm)。図6に示すように、FITC−CPPecpモノマーと比較すると(図6A)、FITC−CPPecp二量体は同様に細胞結合と透過という特徴を有するほか、A549細胞の細胞表面、細胞質及び細胞核においてそれぞれペプチドの蛍光情報を発見することができる。それはCPPecpの原生機能はジスルフィド結合が形成した後全く変化しない(図6B)。
実施例4 CPPecp二量体がヘパリチン硫酸に対する結合特異性
細胞の培養 NCI−H460細胞をRPMI1640完全培地、加熱して非活性化された10%(v/v)の胎仔ウシ血清(FBS;Gibco)及び1%(v/v)のペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)で培養する。細胞は15mmのカバーグラスで成長し、且つ37℃で、5%の二酸化炭素に培養される。
ヘパリチン硫酸結合の検定 ジスルフィド結合で連結されるCPPecp二量体がもともとCPPecpがヘパリチン硫酸に対する特異性の結合親和性を保持するかどうかを検証するために、FITCでマークされたCPPecpモノマー及び二量体によって、ヘパリチン硫酸の結合親和性を研究し、蛍光分光計で測量する。肺がん細胞のNCI−H460細胞(2*104/穴)を、96穴の細胞培養皿に植え、一夜を過して培養する。完全に付着した後、培地を除去し、それぞれの穴を4℃の環境において、2%のBSA(1*PBS)で1時間阻止して非特異性結合を防止する。阻止した後、それぞれの穴を100μlの1*PBSで洗浄して残るBSAを除去する。FITCでマークされたペプチド材料(CPPecpモノマー及び二量体)を脱イオン水(最終濃度は100μm)の中に調製して必要とする濃度でそれぞれの穴に加え(5μl+95μlの無血清培地)、4℃の環境で1時間培養する。反応後、結合しないペプチドを含む培地を除去し且つ別の細胞培養皿に移転する。それぞれのウェルを100μlの1*PBSで洗浄し、洗浄された緩衝液を第二皿に移転する。洗浄した後、連結されないペプチドを含み培地を除去して別の細胞培養皿に転移する。それぞれの穴に100μlの1*PBSで洗浄した後緩衝液を第二皿に転移する。洗浄後、それぞれの穴に100μlの1*PBSを加え、蛍光分光計でその蛍光の強度(励起波長は485nm、放射波長は521nm)を測量してそれを結合部分と定義する。培地と緩衝液の蛍光強度を合計して連結せず且つ洗浄されたペプチドの比例を得る。CPPecp結合の特異性がヘパリチン硫酸に関するかどうかを確認するために、BSAで阻止する前、細胞を5U/mlのヘパラナーゼ(heparanase)混合物(SIGMA)で2時間培養することで、細胞表面にあるヘパリチン硫酸を除去する。酵素で処理する前、それぞれの穴を100μlの1*PBSで洗浄して残ったヘパラナーゼ混合物を除去し、且つ上記結合プロセスを行い続ける。
それぞれのペプチドの付加蛍光強度標準曲線を経由して、注入するペプチドの総和(inputs;結合及び溶出を含む)を算出し、注入する全部のペプチドで実際の結合部分を割ると、FITC−CPPecp及びFITC−CPPecp二量体の結合百分率を算出する。資料は三回の重複実験(triplicate incubation)の平均数を表し、エラーバー(error bar)は三回の重複実験の標準偏差を表す。図7Aに示すように、FITC−CPPecp(モノマー)と比べ、FITC−CPPecp二量体の結合能力は顕著に向上し、それは二量化がペプチドの細胞に対する結合能力を顕著に増加することを表示した。結合特異性がヘパリチン硫酸と関連するかどうかを更に確認するために、事前にヘパラナーゼでNCI−H460細胞を処理し、図7Cに示すように、FITC−CPPecp二量体が細胞に対する結合百分率は顕著に削減され、同じ傾向もFITC−CPPecpモノマーに発見された(図7B)。結論として、FITC−CPPecpと比較すると、FITC−CPPecp二量体は比較的良い細胞結合親和性を表し、その上、この結合がヘパリチン硫酸による特異性の結合であることは証明された。
実施例5 CPPecp二量体が潜在力のある薬物担体とする
CPPecp二量体が薬物担体とする応用潜在力を研究するために、CPPecpモノマーとCPPecp二量体が、A549、NCI−H460及びNCI−H441という三つの肺がん細胞株における毒性を測定して比較する。肺がん細胞株を96穴の細胞培養皿(2*103/穴)に植えて一夜を過して培養する。付着した後、異なる濃度のCPPecpモノマー及びCPPecp二量体(0、0.3、1、3、10及び30μM)を加えて72時間培養する。次にMST試薬(Promega Corp.)で細胞の生存率を測定する。処理されない細胞を制御組として、百パーセントと設定し、各濃度の相対的生存率を算出する。結果は図8に示すように、細胞の生存率から見ると、CPPecpモノマー及びCPPecp二量体は三つの肺がん細胞の分裂に対して、全部顕著な抑制作用を果たしなかった。
要約すると、本発明の前記結論のように、CPPecpの安定性は二つのCPPecp分子間のジスルフィド結合で形成するCPPecp二量体によって改善された。このCPPecp二量体は元のCPPecpモノマーにある細胞透過性を維持し、ヘパリチン硫酸に対する結合親和性を増加し且つ顕著な細胞毒性はないため、将来医薬に応用する潜在力を表した。更に、CPPecp二量体も異なる組合の治療剤、診断プローブ又は他の小分子を同じ担体に接合する可能性を提供することによって、独立又は併用治療の要件に満たすので、更に併用治療(combinatorial therapy)又はセラノスティックス(theranostics)に応用することができる。
上記実施例は本発明の技術構想及び特徴に関する説明だけであり、その目的はこの技術に精通する人が本発明の内容を理解する上実現できること。本発明の特許範囲を限定することはなく、即ち本発明が掲示する精神に従って行う同等な変化又は修飾、例えば:複数の細胞透過性ペプチドで構成されるポリマー(数は二以上)は依然として、本発明の特許請求範囲以内に含まれるべきである。この技術に精通する人が完成しやすいいずれかの変更または同等な配置も全部本発明が考える範囲に属するべきである。本発明の権利保護範囲は特許請求の範囲を基準とするべきである。
上記をまとめると、本発明は従来技術を突破した上、必要の増加効果に確かに達し、該技術に精通する人に自明といえるほど、それが有する進歩性、実用性は、特許の申請要件に合うため、ここに法律によって特許申請を出願した。発明を励まし、貴局が本発明の特許請求を審査の上許可するよう懇願し、深く感謝する。

Claims (8)

  1. 複数の膜透過性ペプチドで構成されるポリマーであって、それぞれの膜透過性ペプチドは下記のNYBX1BX2BNQX3という序列で構成され、そのうちBは塩基性アミノ酸、X1はアリール基、疎水性又は無荷電の側鎖を有するアミノ酸、X2はシステイン(Cysteine)を表し、及びX3はアスパラギン(Asparagine)を表す又は存在しない。該複数の膜透過性ペプチド間はジスルフィド結合によって連結される。
  2. 該ポリマーは膜透過性ペプチド二量体であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
  3. 該ポリマーはヘパリチン硫酸の選択的結合活性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマー。
  4. それぞれの該膜透過性ペプチドは酸化修飾作用でジスルフィド結合を形成して連結されることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
  5. 該酸化修飾作用は過酸化水素又は硫酸銅を加えて行うことを特徴とする請求項4に記載のポリマー。
  6. 複合体は、請求項1〜5のいずれかに記載の膜透過性ペプチド、及び治療剤、診断プローブ、ペプチド、ヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、ナノ粒子、リポソーム、小分子及びマーカーで構成されるグループから選択される物質を含む。
  7. 細胞内での輸送方法は、(a)請求項1〜3のいずれかに記載の膜透過性ペプチドポリマーを含む複合体を提供すること、及び(b)該複合体を目標細胞と培養することを含む。
  8. 該複合体は治療剤、診断プローブ、ペプチド、ヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、ナノ粒子、リポソーム、小分子及びマーカーによって構成されるグループから選択される物質を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
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