JP2018061097A - 無線通信装置および無線通信装置の設置方法 - Google Patents

無線通信装置および無線通信装置の設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通信距離を確保しつつ、良好なMIMO通信を実現する。【解決手段】無線通信装置(20)は、複数の指向性アンテナ(B1、B2)と、到来する電波を少なくとも一部の指向性アンテナ(B1、B2)に向けて反射させる反射部材(D1)とを備え、反射部材(D1)は当該少なくとも一部の指向性アンテナ(B1、B2)の何れに対しても、各指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外に位置するように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信装置および無線通信装置の設置方法に関する。
特許文献1には、積極的にMIMO伝搬路を制御する技術として、可変反射板等を備えたMIMO送受信テレビが記載されている。可変反射板によって反射パスの経路を変化させることにより、送受信機間のパスを増加させることができる。さらに、指向性アンテナを用い、一方の指向性アンテナは直接波のみを受信し、他方の指向性アンテナは反射波のみを受信するようにする技術も記載されている。
小川恭孝、大鐘武雄、西村寿彦、「MIMOによる超高速化」、通信ソサエティマガジン、No.11[冬号]、32−38頁、2009年
非特許文献1に記載のMIMO送受信テレビは、反射波を積極的に使用することにより、良好なMIMO通信を実現している。テレビのような、一般的な通信環境で使用される無線機器であれば、これで問題無いかもしれない。しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、直接波に比べて減衰している反射波を積極的に使用するため、通信距離を確保することが難しいという問題がある。
一方、例えば、ある無線機器から受信した無線信号を、別の無線機器に送信する無線中継(リレー)装置は、長い通信距離を確保することが求められる。そのため、一般に、無線中継装置は、反射が殆ど生じない環境であるLOS(ラインオブサイト)環境に配置され、直接波を用いて通信がなされる。非特許文献1は、無線中継装置のように、長い通信距離を確保する必要がある無線通信装置において、どのように良好なMIMO通信を実現するかについて何ら開示していない。
本発明の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、通信距離を確保しつつ、良好なMIMO通信を実現することができる無線通信装置およびその設置方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る無線通信装置は、複数の指向性アンテナと、前記複数の指向性アンテナを介してMIMO受信処理を行う受信部と、前記無線通信装置に到来する電波を、前記複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる反射部材と、を備え、前記反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外に位置するように配置されている。
また、本発明の一態様に係る無線通信装置の設置方法は、複数の指向性アンテナと、前記複数の指向性アンテナを介してMIMO受信処理を行う受信部とを備える無線通信装置に、前記無線通信装置に到来する電波を、前記複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる反射部材を配置する配置工程を包含し、前記配置工程では、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外となる位置に、前記反射部材を配置する。
本発明の一態様によれば、無線通信装置は、通信距離を確保しつつ、良好なMIMO通信を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る無線通信装置の一構成例を示す模式図である。 (a)は、本発明の一実施形態における反射部材を説明するための模式図であり、(b)は、本発明の一実施形態における指向性アンテナのメインローブおよびサイドローブを示す図である。 本発明の一実施形態における反射部材の形状のバリエーションを示す模式図である。 指向性アンテナの主放射面を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態における無線通信装置の構造の一構成例を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に係る無線通信装置の設置方法の手順の一例を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る無線通信装置の他の構成例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る無線通信装置の他の構成例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る無線通信装置の反射部材の自動調整の手順の例を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る無線中継装置の一構成例を示す模式図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態(実施形態1)について説明する。本実施形態に係る無線通信装置は、複数の指向性アンテナと、前記複数の指向性アンテナを用いたMIMO受信処理を行う受信処理部と、前記無線通信装置に到来する電波を、前記複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる反射部材と、を備え、前記反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外に位置するように配置されている。
上記の構成によれば、各指向性アンテナは、指向性を有しており、さらに、少なくとも一部の指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲から反射部材が排除されているために、各指向性アンテナは効率よく電波を受信することができる。これにより、通信距離を確保することができる。
ここで、通信距離が長くなった場合、通信距離に対するアンテナ間の距離の比が小さくなるため、空間相関が高くなる。そのため、複数の受信アンテナにほぼ同一の波形の電波が入力されるため、信号分離をすることができず、良好なMIMO通信を実現することが困難になる。しかしながら、上記の構成によれば、反射部材が、無線通信装置に到来する電波を、複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる。これにより、互いに経路長が異なるマルチパスが形成され、空間相関を低下させ、良好なMIMO通信を実現することができる。
特に、反射部材によって反射された反射波が入射する指向性アンテナについては、何れの指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲からも、反射部材が排除されているために、当該指向性アンテナは、直接波および反射波を共に効率よく受信することができる。
以上により、通信距離を確保しつつ、良好なMIMO通信を実現することができる。
本明細書において、「指向方向」とは、指向性アンテナが指向する方向を指し、指向性アンテナが有する指向性パターンのメインローブにおいて最大ゲインを示す方向であり得る。また、「3dBビーム幅の範囲」とは、指向性アンテナに対する角度が、メインローブにおいて最大ゲインから3dB下がる点の間(半値幅)である範囲を指す。また、「MIMO受信処理」とは、複数の指向性アンテナによって受信した無線信号から空間多重された複数のストリームを分離する処理を指す。
本実施形態に係る無線通信装置が備える指向性アンテナは2本以上であればよく、実施するMIMO通信の種類(2×2、3×3、4×4等)に応じて選択すればよい。また、本実施形態に係る無線通信装置が備える反射部材は1個以上であればよく、指向性アンテナの数と同じか、それ以上であってもよい。以下では、指向性アンテナが2本であり、反射部材が1個である最も簡単な構成例1を用いて、本実施形態をより詳細に説明する。
(構成例1)
図1は、本実施形態に係る無線通信装置20の構成例1を示す模式図である。図1が示すように、無線通信装置20は、指向性アンテナB1およびB2、反射部材D1、および、受信処理部21を備えており、指向性アンテナA1およびA2を備えている無線通信装置(第二の無線通信装置)10との間でMIMO通信を行う。
また、図1には、(i)指向性アンテナB1およびB2のそれぞれの3dBビーム幅の範囲C1およびC2、(ii)指向性アンテナB1およびB2に共通する指向方向G1、(iii)反射部材D1から、最も近い指向性アンテナである指向性アンテナB1までの距離L1、ならびに、(iv)無線通信装置10と無線通信装置20との間の距離L2が夫々示されている。
なお、以降、(i)無線通信装置20が備える指向性アンテナ(例えば、指向性アンテナB1およびB2)を総称して「指向性アンテナB」と、(ii)指向性アンテナBの3dBビーム幅の範囲(例えば、範囲C1およびC2)を総称して「範囲C」と、(ii)無線通信装置20が備える反射部材(例えば、反射部材D1)を総称して「反射部材D」と、それぞれ称することがある。
無線通信装置20が配置される環境は特に限定されず、例えば、屋外であってもよいし、屋内であってもよいが、好ましくは、LOS環境であり得る。LOS環境とは、送受信のアンテナ間に遮るものがない見通しの環境であり、最も伝搬経路が短くなる直接波による通信が可能なため、遠方の無線通信装置10との無線通信を好適に行うことができる。
図1において、無線通信装置10の指向性アンテナA1から放射された電波は、実線の矢印で示され、無線通信装置10の指向性アンテナA2から放射された電波は、破線の矢印で示されている。図1に示すように、指向性アンテナA1およびA2から、指向性アンテナB1およびB2に直接入射する直接波は、指向性アンテナB1およびB2から見て指向方向G1側から到来し、3dBビーム幅の範囲C1およびC2に入射している。これにより、距離L2が長くなっても、指向性アンテナB1およびB2は、十分な強度の電波を受信することができる。
しかしながら、距離L2が長くなると相対的に、指向性アンテナA1およびA2の間のアンテナ間隔が見え難くなり、指向性アンテナA1およびA2から指向性アンテナB1またはB2に到来する電波の到来方向がほぼ同一となってしまうため、B1とB2に入力される波形の電波がほぼ同一となってしまい、MIMO受信処理において、ストリームの分離が困難となり、同時に通信できるストリーム数が減少してしまう。したがって、直接波だけでは、良好なMIMO通信を行うことが困難になる。
これに対し、本実施形態に係る無線通信装置20では、指向性アンテナB1およびB2の近くに反射部材D1を設けて、反射部材D1からの反射波を使ってマルチパス環境を作ることにより、ストリームを分離し易くすることができる。すなわち、反射部材D1からの反射波は、直接波と位相がずれるため、ストリームを分離し易くなる。
そして、反射部材D1は、指向性アンテナB1およびB2のそれぞれの3dBビーム幅の範囲C1およびC2の外、すなわち、無線通信装置10からの直接波の到来を妨げない位置に配置されるため、通信距離を損なわずに、良好なMIMO通信を実現することができる。
ここで、反射部材D1が、指向性アンテナB1およびB2のそれぞれの3dBビーム幅の範囲C1およびC2の外に配置されることにより、反射部材D1において反射した反射波は、指向性アンテナB1およびB2に対し、3dBビーム幅の範囲C1およびC2の外から入射するようになっている。このように、マルチパスを形成するための反射波を、各指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲の外に入射させるという独自の構成を取ることによって、通信距離を損なわずに、良好なMIMO通信を実現するという本来トレードオフの関係にあるものを両立させることができる。
無線通信装置10と無線通信装置20との間の距離L2は、特に限定されないが、例えば、一態様において、例えば、10m以上とすることができ、数10m以上、数100m以上または数kmとすることもできる。上述したように、各指向性アンテナBは、無線通信装置10から直接到来する電波の到来方向に向けて指向方向を有しているために、無線通信装置20と、無線通信装置10とが離れている場合であったとしても、各指向性アンテナBは効率よく電波を受信することができる。例えば、通信周波数を5500MHz(WiFi(登録商標)信号)とし、送信/受信アンテナ高さを10mとし、送信電力を10dBmとし、送信/受信アンテナ利得を12dBiとし、アンテナ本数を送信側および受信側ともに3本とした場合、L2を1kmとしても、2Stream MCS7程度で通信可能である。
そして、本実施形態では、通信距離が長く、通信距離に対する指向性アンテナA間の距離の比が小さくなったとしても、反射部材Dによって、互いに経路長が異なるマルチパスが形成されることにより、良好なMIMO通信を実現することができる。
(指向性アンテナ)
無線通信装置20(またはその指向性アンテナB1およびB2)から見て、指向方向G1側には、無線通信装置10が存在しており、無線通信装置10の指向性アンテナA1およびA2から放射された電波を好適に受信するようになっている。一態様において、指向性アンテナB1およびB2は、何れも指向方向G1に指向している。このように、指向方向G1は、複数の指向性アンテナBの指向方向であることが好ましい。
指向性アンテナBは、特に限定されないが、例えば、パッチアンテナ、反射器または導波器として働く非励振素子が組み合わされた指向性アンテナ、またはそれらのアンテナがアレー上に配置されたアンテナ等であり得る。
(受信処理部)
受信処理部21は、複数の指向性アンテナBを用いたMIMO受信処理を行うものであり、指向性アンテナBに接続され、指向性アンテナBにおいて受信した無線信号を復調するとともに、復調した信号から複数のストリームを分離する。
受信処理部21は、例えば、フィルタ、増幅器、復調部、A/D変換部等を備えた高周波回路、ベースバンド信号処理部等を備えている。
(反射部材)
図2の(a)は、本実施形態における反射部材を説明するための模式図である。図2の(a)に示すように、反射部材Dは、無線通信装置20に対して指向方向G1側から到来する電波を、複数の指向性アンテナBのうちの少なくとも一部の指向性アンテナBに向けて反射させる反射面を有する物体である。本構成例では、無線通信装置20は、反射部材D1のみを備えているが、複数の反射部材Dを備えていてもよい。
反射部材Dは、例えば、金属等の導電体によって形成された反射板等であり得る。
また、図2の(a)に示すように、反射部材Dは、上記少なくとも一部の指向性アンテナBの何れに対しても、当該指向性アンテナBの3dBビーム幅の範囲C外に位置するように配置されている。より好ましくは、反射部材Dは、上記複数の指向性アンテナBの何れに対しても、当該指向性アンテナBの3dBビーム幅の範囲C外に位置するように配置されている。このとき、図2の(a)に示すように、反射部材Dにおいて反射した電波は、指向性アンテナBに対し、各指向性アンテナBの3dBビーム幅の範囲C外から入射する。
つまり、図1に示すように、反射部材D1は、指向性アンテナB1の3dBビーム幅の範囲C1の外であり、かつ、指向性アンテナB2の3dBビーム幅の範囲C2の外である位置に配置されており、反射部材D1において反射した電波は、指向性アンテナB1に対して、3dBビーム幅の範囲C1外から入射し、指向性アンテナB2に対して、3dBビーム幅の範囲C2外から入射する。
反射部材Dにおいて反射した反射波が、指向性アンテナBに入射することにより、経路差を有するマルチパス環境が形成され、受信処理部21においてストリームを分離し易くすることができる。各指向性アンテナB1には、3dBビーム幅の範囲C外から反射波が入射するが、少なくとも1つの指向性アンテナB1に対して、ヌル方向ではない方向から反射波が入射すれば、経路差を有するマルチパス環境を形成することができる。
また、一態様において、反射部材Dは、当該反射部材Dにおいて反射した反射波が、各指向性アンテナのサイドローブに入射するように構成してもよい。図2の(b)は、一態様における指向性アンテナBのメインローブE1ならびにサイドローブE2およびE3を示す図である。図2の(b)に示すように、反射部材Dにおいて反射した反射波Rは、3dBビーム幅の範囲C外から入射しており、特に、指向性アンテナBのサイドローブE3に入射している。このように構成することによって、指向性アンテナBにおいて、反射波Rを効率よく受信することができる。
なお、反射波がサイドローブに入射するのは、一部の指向性アンテナBであってもいし、全部の指向性アンテナであってもよい。また、各指向性アンテナBは、一部の反射波をサイドローブに入射されるように構成されていてもよいし、全ての反射波をサイドローブに入射されるように構成されていてもよい。
また、反射波は、サイドローブに対し、当該サイドローブの利得ピークから3dB下がる点の間の範囲(当該サイドローブのビーム幅)に入射することが好ましい。また、反射波は、メインローブの次にピーク利得が高いサイドローブ(例えば、図2の(b)であれば、サイドローブE2)に入射することが好ましい。特に、反射波は、メインローブの次にピーク利得が高いサイドローブに対し、当該サイドローブの利得ピークから3dB下がる点の間の範囲(当該サイドローブのビーム幅)に入射することが好ましい。以上の条件によれば、指向性アンテナBにおいて、反射波をより効率よく受信することができる。
また、反射部材Dは、当該反射部材Dにおいて反射した反射波が入射する指向性アンテナBに対し、使用周波数帯の半波長以上離れていることが好ましい。なお、「使用周波数帯の半波長」とは、指向性アンテナBにおいて受信する無線信号の周波数帯(使用周波数帯)に対応する波長をλとしたとき、λ/2となる長さを指す。つまり、反射部材D1と、反射部材D1に最も近い指向性アンテナB1との間の距離L1は、λ/2以上となる。これにより、反射部材Dによって形成されるマルチパスの経路差を十分に大きくすることができるため、受信処理部21においてストリームをより分離し易くすることができる。
図3は、本実施形態における反射部材の形状のバリエーションを示す模式図である。図3の(a)のように、反射部材Dは、板状の物体であってもよい。また、図3の(b)のように、反射部材Dは、弓状の物体であってもよい。このとき、反射部材Dの反射面は、凸部(図中α側)であってもよいし、凹部(図中α’側)であってもよい。また、図3の(c)のように、反射部材Dは、球(楕円)状の物体であってもよい。これらの形状は、反射部材Dと指向性アンテナBとの位置関係および形成すべきマルチパスに応じて選択することができる。
また、反射部材Dは、電波を乱反射させる反射面を有していてもよい。例えば、図3の(d)のように、反射部材Dの反射面凹部(図中α側)に微細な凹凸が形成されていてもよい。このように構成することによって、好適なマルチパスを形成することができる。
また、反射部材Dは、可動式であってもよい。反射部材Dが可動式であることによって、無線通信装置20の設置時に、反射部材Dの配置を好適に調整することができる。
反射部材Dの動き方は特に限定されず、平行移動であってもよいし、回転移動であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
反射部材Dを可動式に構成するための機構としては、特に限定されないが、例えば、ヒンジ、レールとレールに噛み合う爪等の一般的な構造を用いることができる。
また、反射部材Dは、指向性アンテナBの主放射面G0に沿って動くようになっていることが好ましい。指向性アンテナBの主放射面は、指向性アンテナBにおいて、高い利得で電波を受信することができる平面であり、当該主放射面に反射部材Dが配置されるようにすることで、指向性アンテナBは、反射部材Dにおいて反射した反射波を良好に受信することができる。
図4は、指向性アンテナの主放射面を説明するための模式図であり、指向性アンテナB、指向性アンテナBのメインローブF、指向性アンテナBの主放射面G0および指向性アンテナBの指向方向G1の関係を示している。図4の(a)は、斜視図であり、(b)は平面図である。
図4に示すように、主放射面G0は、指向性アンテナBからメインローブFが広がる方向に伸びる平面であり、指向方向G1と平行な平面である。主放射面G0は、指向性アンテナBの電界面(E面)または磁界面(H面)になり得る。
また、反射部材Dは、上記少なくとも一部の指向性アンテナBの何れに対しても、より好ましくは、上記複数の指向性アンテナBの何れに対しても、当該指向性アンテナBの3dBビーム幅の範囲C外となる可動範囲H内で動くようになっていることが好ましい。これにより、反射部材Dを、上記少なくとも一部の指向性アンテナBの何れに対しても、より好ましくは、上記複数の指向性アンテナBの何れに対しても、当該指向性アンテナBの3dBビーム幅の範囲C外となる位置に容易に配置することができる。
例えば、図2の(a)に示すように、反射部材Dは、指向性アンテナBの3dBビーム幅の範囲C外となる可動範囲H内で動くように構成され得る。
(構成例2)
続いて、構成例2において、無線通信装置20の構造の一例について説明する。図5は、構成例2における無線通信装置20の構造を説明する模式図である。図5の(a)は、無線通信装置20を、指向方向G1側から観察した正面図であり、図5の(b)は、無線通信装置20を、指向方向G1に直交する方向側から観察した上面図である。また、図5の(c)は、反射部材Dを回転可能なように構成した場合を示す上面図であり、図5の(d)は、反射部材Dを平行移動可能なように構成した場合を示す上面図である。
図5に示すように、無線通信装置20は、無線通信装置20の筐体から直立する指向性アンテナB1およびB2と、指向性アンテナB1およびB2を挟むように配置された反射部材D1およびD2とを備えるように構成することができる。反射部材Dを回転可能なように構成した場合であっても、反射部材Dを平行移動可能なように構成した場合であっても、可動範囲Hは、指向性アンテナB1およびB2の何れの3dBビーム幅の範囲C1およびC2の外とすることができる。
(無線通信装置の設置方法)
続いて、本実施形態に係る無線通信装置20の設置方法について説明する。図6は、本実施形態に係る無線通信装置20の設置方法の手順の一例を説明するフローチャートである。
ステップS1において、無線通信装置20を、目的の設置位置に設置する。各指向性アンテナBの指向方向G1は、設置位置と無線通信装置10の位置に合わせて予め設定されていてもよいし、無線通信装置20を設置した後に調整してもよい。また、ステップS1の時点では、反射部材Dは、無線通信装置20に組み込まれていなくともよい。
続いて、ステップS2(配置工程)において、反射部材Dを、無線通信装置20に対して指向方向G1側から到来する電波を、複数の指向性アンテナBのうちの少なくとも一部の指向性アンテナBに向けて反射させるように配置する。このとき、反射部材Dを、上記少なくとも一部の指向性アンテナBの何れに対しても、より好ましくは、上記複数の指向性アンテナBの何れに対しても、当該指向性アンテナBの3dBビーム幅の範囲C外となる位置に配置する。反射部材Dは、予め無線通信装置20に組み込まれていてもよいし、ステップS2において、無線通信装置20に組み込んでもよい。
そして、ステップS3において、MIMO通信が良好であるか否かを判定し、MIMO通信が良好であった場合には、無線通信装置20の設置を完了する。MIMO通信が良好でなかった場合には、再度ステップS2に戻り、反射部材Dの位置を再調整する。なお、MIMO通信が良好かどうかを判断する手段としては、RSSI値等受信電力の測定の他、実際にスループットを測定する等が挙げられる。
以上の工程により、本実施形態に係る無線通信装置20を好適に設置することができる。
以下、構成例3〜8において、本実施形態の様々なバリエーションについて説明する。
(構成例3)
構成例3において、無線通信装置20が備える指向性アンテナBの数は、3以上であり得る。指向性アンテナBの数を3以上とすることにより、3×3、4×4といったMIMO通信を実現することができる。
図7は、本実施形態に係る無線通信装置20の構成例3の一態様を示す模式図である。
図7に示す態様では、無線通信装置20は、指向性アンテナB1、B2およびB3、反射部材D1およびD2、ならびに受信処理部21を備えており、指向性アンテナA1、A2およびA3を備えている無線通信装置10との間で3×3MIMO通信を行う。また、図7には、(i)指向性アンテナB1、B2およびB3のそれぞれの3dBビーム幅の範囲C1、C2およびC3が示されている。
図7に示すように、指向性アンテナA1、A2およびA3から送信された電波は、いずれも、指向性アンテナB1、B2およびB3にそれぞれ直接入射する。また、指向性アンテナA1およびA2から送信された電波は、反射部材D1において反射されて、指向性アンテナB1およびB2に入射する。また、指向性アンテナA3から送信された電波は、反射部材D2において反射されて、指向性アンテナB3に入射する。ここで、反射部材D1およびD2は、いずれも、指向性アンテナB1の3dBビーム幅C1、指向性アンテナB2の3dBビーム幅C2、および、指向性アンテナB3の3dBビーム幅C3の範囲外である。
このように、図7に示す無線通信装置20では、指向性アンテナB1、B2およびB3の近くに反射部材D1およびD2を設けて、反射部材D1およびD2からの反射波を使ってマルチパス環境を作ることにより、ストリームを分離し易くすることができる。そして、反射部材D1およびD2は、指向性アンテナB1、B2およびB3のそれぞれの3dBビーム幅の範囲C1、C2およびC3の外、すなわち、無線通信装置10からの直接波の到来を妨げない位置に配置されるため、通信距離を損なわずに、良好なMIMO通信を実現することができる。
(構成例4)
構成例4において、無線通信装置20が備える反射部材Dの数は、2以上であり得る。反射部材Dの配置の調整のし易さの観点から言えば、反射部材Dの数は、指向性アンテナBの数と同数であることが好ましい。また、MIMO受信処理におけるストリームの分離のし易さの観点から言えば、反射部材Dの数は、指向性アンテナBの数よりも多いことが好ましい。
(構成例5)
構成例5において、反射部材Dは、必ずしも、反射部材Dが反射した反射波が、全ての指向性アンテナBに入射するようになっていなくともよい。例えば、構成例2において、反射部材D1において反射した反射波は、指向性アンテナB1のみに入射し、指向性アンテナB2には入射せず、反射部材D2において反射した反射波は、指向性アンテナB2のみに入射し、指向性アンテナB1には入射しないように構成されていてもよい。反射波が一部の指向性アンテナBに入射すれば、経路差のある電波を少なくとも一部の指向性アンテナBにおいて受信することができるため、良好なMIMO通信を実現することができる。すなわち、上述したように、反射部材Dは、無線通信装置20に対して指向方向G1側から到来する電波を、複数の指向性アンテナBのうちの少なくとも一部の指向性アンテナBに向けて反射させるようになっていればよい。
(構成例6)
構成例6において、反射部材Dは、必ずしも手動で調整可能になっていなくともよい。例えば、一態様において、反射部材Dは無線通信装置20に固定されていてもよい。
また、他の一態様において、指向性アンテナBが可動式であり、指向性アンテナBの動きに合わせて、反射部材Dが連動するように構成されていてもよい。例えば、指向性アンテナBの指向方向に応じた最適な反射部材Dの位置を、予め実験またはシミュレーションによって決定しておき、指向性アンテナBの動きに合わせて、反射部材Dが最適な位置または角度まで移動するように、反射部材Dを連動させてもよい。反射部材Dが指向性アンテナBの動きに連動するための機構としては、例えば、一般的なリンク、ギヤ、ベルト等を用いることができる。
(構成例7)
構成例7において、指向性アンテナBの一部を反射部材Dとして使用してもよい。例えば、受信用の指向性アンテナBが3本ある場合、1本の指向性アンテナBを反射部材Dとして使用して、残りの2本の指向性アンテナBを、MIMO受信用の指向性アンテナBとして使用するように構成されていてもよい。特に、各指向性アンテナBが、異なる周波数で動作するアンテナである場合に、低い周波数で共振し、サイズが大きい指向性アンテナBを、反射部材Dとして併用することもできる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る無線通信装置20の一構成例を示す模式図である。図8に示すように、本実施形態に係る無線通信装置20は、実施形態1に係る無線通信装置20が備える構成に加えて、反射部材D1の駆動機構I1を備えており、受信処理部21が駆動機構I1を制御するように構成されている。なお、以降、無線通信装置20が備える反射部材Dの駆動機構(例えば、駆動機構I1)を総称して「駆動機構I」と称することがある。
反射部材D1の駆動機構I1は、反射部材D1を、実施形態1と同様の態様で動かすようになっており、例えば、アクチュエータ等によって構成され得る。無線通信装置20が、複数の反射部材Dを備えている場合には、無線通信装置20は、個々の反射部材Dに対応する駆動機構Iを備えていてもよい。
図9は、本実施形態に係る無線通信装置20の反射部材Dの自動調整の手順の例を説明するフローチャートである。一態様において、図9の(a)に示すように、受信処理部21は、スループット、RSSI、ACKの応答等を検出することにより、MIMO通信が良好であるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4においてMIMO通信が良好でないと判定された場合(S4のNO)には、受信処理部21は、駆動機構I1を制御して反射部材D1を動かし(ステップS5)、再度、ステップS4を実行する。ステップS4においてMIMO通信が良好であると判定された場合(S4のYES)には、処理を終了する。このように、本実施形態に係る無線通信装置20は、MIMO通信が良好になる位置に自動的に反射部材D1が動くように構成されている。
また、一態様において、図9の(b)に示すように、受信処理部21は、所定のストリーム数でMIMO通信を行っているときに、駆動機構Iを制御して反射部材Dを動かす(ステップS6)。そして、受信処理部21は、スループット、RSSI、ACKの応答等を検出して、MIMO通信の状態が向上したか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7においてMIMO通信が良好になった場合(S7のYES)には、ストリーム数を増加させるという制御を行う(ステップS8)。また、ステップS7においてMIMO通信が良好になっていなかった場合(S7のNO)には、例えば、ステップS6における反射部材Dの移動を元に戻し、処理を終了してもよい。以上により、通信品質が確保されたストリーム数でMIMO通信を行いつつ、反射部材Dの位置を最適な位置に動かすことができる。
無線通信装置20の制御ブロック(受信処理部21)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、無線通信装置20は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の一態様における目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
前記実施形態にて説明した無線通信装置は、外部の複数の無線通信装置間の無線通信を中継する無線中継装置として構成してもよい。すなわち、本実施形態に係る無線中継装置は、複数の独立した送受信処理部(無線回路部)を備えており、各送受信処理部には、それぞれ、複数の指向性アンテナが接続されている。これにより、本実施形態に係る無線中継装置は、複数の通信相手(無線通信装置)との間で、MIMO通信により、無線信号の送受信を行うことができる。そして、1つの通信相手から受信したストリームを、他の1つ以上の通信相手に送信することで、無線中継処理を実現することができる。
ここで、本実施形態に係る無線中継装置は、前記実施形態にて説明した無線通信装置と同様に、無線中継装置に到来する電波を、無線中継装置が備える指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる反射部材を備えており、反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外に位置するように配置されている。これにより、上述したように、無線中継装置において、通信距離を損なわずに、良好なMIMO通信を実現することができる。
一態様において、本実施形態に係る無線中継装置における1つ以上の反射部材は、複数の通信相手からの電波を受信するために共用されるようになっていてもよい。詳細には、1つ以上の反射部材が、第1の通信相手からの電波(第1の送受信処理部に接続された第1の複数の指向性アンテナによって受信される電波)を、第1の複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに反射すると共に、第2の通信相手からの電波(第2の送受信処理部に接続された第2の複数の指向性アンテナによって受信される電波)を、第2の複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに反射するように構成されていてもよい。この構成について、以下、図面を参照して説明する。
図10は、本実施形態に係る無線中継装置(無線通信装置)30の構成例を示す模式図である。図10に示す無線中継装置30は、指向性アンテナA1およびA2を備えた無線通信装置10と、指向性アンテナM1およびM2を備えた無線通信装置40との間で、無線中継処理を行う。
図10に示すように、無線中継装置30は、第1の送受信部(送受信処理部31)、第1の送受信部に接続された第1の複数の指向性アンテナ(指向性アンテナB1およびB2)、第2の送受信部(送受信処理部32)、第2の送受信部に接続された第2の複数の指向性アンテナ(指向性アンテナJ1およびJ2)、ならびに、反射部材(反射部材D1)を備えている。また、図10には、指向性アンテナB1およびB2のそれぞれの3dBビーム幅の範囲C1およびC2、ならびに、指向性アンテナJ1およびJ2のそれぞれの3dBビーム幅の範囲K1およびK2が示されている。
送受信部31は、前記実施形態において説明した受信処理部21と同等の機能を有する他、送信処理部としての機能も有しており、指向性アンテナB1およびB2を介して、無線通信装置10との間で、MIMO送受信を行う。送受信処理部32も、送受信処理部31と同等の機能を有し、指向性アンテナJ1およびJ2を介して、無線通信装置40との間で、MIMO送受信を行う。そして、送受信処理部31と送受信処理部32とはデータの交換が可能なようになっている。これにより、無線中継装置30は、無線通信装置10と無線通信装置40との間で無線中継処理を行うことができる。
そして、反射部材D1は、無線通信装置10から無線中継装置30に到来する電波を、指向性アンテナB1およびB2の少なくとも一部に反射させると共に、無線通信装置40から無線中継装置30に到来する電波を、指向性アンテナJ1およびJ2の少なくとも一部に反射させる(図10では、一部の電波のみ示し、残りは省略している。)。これにより、無線通信装置10からのMIMO受信、および、無線通信装置40からのMIMO受信を良好なものにすることができる。
また、反射部材D1は、指向性アンテナB1の3dBビーム幅C1、指向性アンテナB2の3dBビーム幅C2、指向性アンテナJ1の3dBビーム幅K1、および、指向性アンテナJ2の3dBビーム幅K2の範囲外で移動するようになっており、これらの指向性アンテナによる電波の受信および送信を妨げないようになっている。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る無線通信装置(20)は、複数の指向性アンテナ(B、B1、B2)と、前記複数の指向性アンテナを用いたMIMO受信処理を行う受信処理部(21)と、前記無線通信装置に到来する電波を、前記複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる反射部材(D、D1、D2)と、を備え、前記反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅(C、C1、C2)の範囲外に位置するように配置されている。
上記の構成によれば、各指向性アンテナは、指向性を有しており、さらに、少なくとも一部の指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲から反射部材が排除されているために、各指向性アンテナは効率よく電波を受信することができる。これにより、通信距離を確保することができる。
ここで、通信距離が長くなった場合、通信距離に対するアンテナ間の距離の比が小さくなるため、空間相関が高くなる。そのため、複数の受信アンテナにほぼ同一の波形の電波が入力されるため、信号分離をすることができず、良好なMIMO通信を実現することが困難になる。しかしながら、上記の構成によれば、反射部材が、無線通信装置に到来する電波を、複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる。これにより、互いに経路長が異なるマルチパスが形成され、空間相関を低下させ、良好なMIMO通信を実現することができる。
特に、反射部材によって反射された反射波が入射する指向性アンテナについては、何れの指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲からも、反射部材が排除されているために、当該指向性アンテナは、直接波および反射波を共に効率よく受信することができる。
以上により、通信距離を確保しつつ、良好なMIMO通信を実現することができる。
本発明の態様2に係る無線通信装置は、上記態様1において、前記反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナに対し、使用周波数帯の半波長以上離れているものであってもよい。
上記の構成によれば、反射部材によって形成されるマルチパスの経路差を十分に大きくすることができるため、受信処理部においてストリームをより分離し易くすることができる。
本発明の態様3に係る無線通信装置は、上記態様1または2において、前記反射部材は、当該反射部材において反射した前記電波が、前記少なくとも一部の指向性アンテナに対し、各指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外から入射するように構成されているものであってもよい。
上記の構成のように、マルチパスを形成するための反射波を、各指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲の外に入射させるという独自の構成を取ることによって、通信距離を損なわずに、良好なMIMO通信を実現するという本来トレードオフの関係にあるものを両立させることができる。
本発明の態様4に係る無線通信装置は、上記態様1〜3の何れか一つにおいて、前記反射部材が、可動式であるものであってもよい。
上記の構成によれば、無線通信装置の設置時に、反射部材の配置を好適に調整することができる。
本発明の態様5に係る無線通信装置は、上記態様4において、前記少なくとも一部の指向性アンテナの主放射面(G0)に沿って動くようになっているものであってもよい。
上記の構成によれば、指向性アンテナの主放射面は、指向性アンテナにおいて、高い利得で電波を受信することができる平面であり、当該主放射面に反射部材が配置されるようにすることで、指向性アンテナは、反射部材において反射した反射波を良好に受信することができる。
本発明の態様6に係る無線通信装置は、上記態様4または5において、前記反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外となる可動範囲内で動くようになっているものであってもよい。
上記の構成によれば、反射部材を、当該反射部材が反射した反射波が入射する指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外となる位置に容易に配置することができる。
本発明の態様7に係る無線通信装置は、上記態様1〜6の何れか一つにおいて、前記電波は、前記無線通信装置に対して前記複数の指向性アンテナの指向方向側に配置された第二の無線通信装置(10)から放射された電波であってもよい。
上記の構成によれば、各指向性アンテナは、第二の無線通信装置から直接到来する電波を効率よく受信することができる。
本発明の態様8に係る無線通信装置は、上記態様1〜7の何れか一つにおいて、前記反射部材が反射した前記電波は、前記少なくとも一部の指向性アンテナのサイドローブに入射するようになっていてもよい。
上記の構成によれば、前記少なくとも一部の指向性アンテナにおいて、反射部材が反射した反射波を効率よく受信することができる。
本発明の態様9に係る無線通信装置は、上記態様8において、前記サイドローブは、前記少なくとも一部の指向性アンテナの各々においてメインローブの次にピーク利得が高いサイドローブであってもよい。
上記の構成によれば、前記少なくとも一部の指向性アンテナにおいて、反射部材が反射した反射波をより効率よく受信することができる。
本発明の態様10に係る無線通信装置は、複数の指向性アンテナと、前記複数の指向性アンテナを用いたMIMO受信処理を行う受信処理部とを備える無線通信装置に、前記無線通信装置に到来する電波を、前記複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる反射部材を配置する配置工程を包含し、前記配置工程では、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外となる位置に、前記反射部材を配置する。
上記の構成によれば、態様1に係る無線通信装置を好適に設置することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
10 無線通信装置(第二の無線通信装置)
20 無線通信装置
21 受信処理部
A1、A2、B、B1、B2 指向性アンテナ
C、C1、C2 3dBビーム幅の範囲
D、D1、D2 反射部材
F メインローブ
G0 主放射面
G1 指向方向
H 可動範囲
I1 駆動機構

Claims (9)

  1. 無線通信装置であって、
    複数の指向性アンテナと、
    前記複数の指向性アンテナを用いたMIMO受信処理を行う受信処理部と、
    前記無線通信装置に到来する電波を、前記複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる反射部材と、を備え、
    前記反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外に位置するように配置されていることを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナに対し、使用周波数帯の半波長以上離れていることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記反射部材が、可動式であることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
  4. 前記反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナの主放射面に沿って動くようになっていることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記反射部材は、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外となる可動範囲内で動くようになっていることを特徴とする請求項3または4に記載の無線通信装置。
  6. 前記電波は、前記無線通信装置に対して前記複数の指向性アンテナの指向方向側に配置された第二の無線通信装置から放射された電波であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の無線通信装置。
  7. 前記反射部材が反射した前記電波は、前記少なくとも一部の指向性アンテナのサイドローブに入射するようになっていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の無線通信装置。
  8. 前記サイドローブは、前記少なくとも一部の指向性アンテナの各々においてメインローブの次にピーク利得が高いサイドローブであることを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  9. 複数の指向性アンテナと、前記複数の指向性アンテナを用いたMIMO受信処理を行う受信処理部とを備える無線通信装置に、前記無線通信装置に到来する電波を、前記複数の指向性アンテナのうちの少なくとも一部の指向性アンテナに向けて反射させる反射部材を配置する配置工程を包含し、
    前記配置工程では、前記少なくとも一部の指向性アンテナの何れに対しても、当該指向性アンテナの3dBビーム幅の範囲外となる位置に、前記反射部材を配置することを特徴とする無線通信装置の設置方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111751823A (zh) * 2019-03-29 2020-10-09 安波福技术有限公司 具有用于减少发射器-接收器耦合的天线罩盖板配置的对象检测传感器

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