JP2018059615A - 車両用ドラムブレーキ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を削減した簡素な構造によって、パーキングブレーキケーブルと拡開装置との接続を容易にするとともに、パーキングブレーキケーブルが拡開装置から外れることを防止することができる車両用ドラムブレーキを提供する。【解決手段】レバー部材82にはレバー部材側案内部90が形成され、ストラット部材84にはストラット部材側案内部100がそれぞれ形成され、ストラット部材側案内部100は、レバー部材82との間隔掛止部材62の通過を許容する間隔D2よりも小さくなる位置に形成され、パーキングブレーキケーブルをバッキングプレート16から離れるに従って連結ピン80からの距離が増加する方向に案内する第1案内部102と、バッキングプレート16から離れるに従って連結ピン80からの距離が小さくなる方向に案内する第2案内部104とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、車両用ドラムブレーキに関し、特に車両用ドラムブレーキに備えられ、パーキングブレーキケーブルが接続される拡開装置の構造に関するものである。
(a)バッキングプレートに拡開可能に配設された一対のブレーキシューと、(b)バッキングプレートと略平行な連結ピンと、連結ピンまわりに相対回動可能に連結ピンにより連結された基端部をそれぞれ有するレバー部材およびストラット部材とを備え、一対のブレーキシューの一端部間に配設され、レバー部材およびストラット部材がそれぞれ一対のブレーキシューの一方および他方と係合させられる拡開装置と、(c)先端に掛止部材が一体的に設けられ、掛止部材がバッキングプレートに設けられた挿通孔を通りレバー部材の先端部に掛け止められるパーキングブレーキケーブルと、を備えた車両用ドラムブレーキが知られている。たとえば、特許文献1から4に記載の車両用ドラムブレーキがそれである。
上記特許文献1から3の車両用ドラムブレーキでは、拡開装置を構成するたとえばレバー部材やストラット部材とは別の部品であってパーキングブレーキケーブルを案内する案内部材が拡開装置に設けられている。これにより、パーキングブレーキケーブルの装着に際して、バッキングプレートに形成された挿通孔を通したパーキングブレーキケーブルが案内部材によって拡開装置内に案内されるので、拡開装置のレバー部材にパーキングブレーキケーブルの先端に設けられた掛止部材を容易に掛止することができ車両用ドラムブレーキの生産性を向上させることができる。また、上記特許文献4では、拡開装置を構成するたとえばレバー部材やストラット部材とは別の部品であって、拡開装置にパーキングブレーキケーブルを接続させた後にパーキングブレーキケーブルが拡開装置から外れることを防止する外れ止め部材が拡開装置に設けられている。これにより、簡素な方法でパーキングブレーキケーブルが外れることを防止することができる。
しかしながら、上記特許文献1から4の車両用ドラムブレーキでは、パーキングブレーキケーブルと拡開装置とを容易に接続させるための案内部材やパーキングブレーキケーブルが拡開装置から外れることを防止する外れ止め部材は、拡開装置を構成するレバー部材やストラット部材とは別の部品で設けられている。そのため、拡開装置に係る部品点数が多くなり、車両用ドラムブレーキの大型化や部品の組付け作業が煩雑になる可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、部品点数を削減した簡素な構造によって、パーキングブレーキケーブルと拡開装置との接続を容易にするとともに、パーキングブレーキケーブルが拡開装置から外れることを防止することができる車両用ドラムブレーキを提供することにある。
本発明の要旨とするところは、(a)バッキングプレートに拡開可能に配設された一対のブレーキシューと、(b)前記バッキングプレートと略平行な連結ピンと、前記連結ピンまわりに相対回動可能に前記連結ピンにより連結された基端部をそれぞれ有するレバー部材およびストラット部材とを備え、前記一対のブレーキシューの一端部間に配設され、前記レバー部材および前記ストラット部材がそれぞれ前記一対のブレーキシューの一方および他方と係合させられる拡開装置と、(c)先端に掛止部材が一体的に設けられ、前記掛止部材が前記バッキングプレートに設けられた挿通孔を通り前記レバー部材の先端部に掛け止められるパーキングブレーキケーブルと、を備えた車両用ドラムブレーキであって、(d)前記レバー部材の先端部には、前記掛止部材が掛け止められる掛止部と、前記掛止部材を前記掛止部に保持するために突出する突出部と、前記挿通孔へ差し入れられた前記掛止部材と摺接して前記掛止部材を前記突出部の先端側へ案内するレバー部材側案内部とを有し、全体としてフック状に形成されたフック部が設けられ、(e)前記ストラット部材は、前記バッキングプレートに対して略垂直となる姿勢で前記レバーの両側に互いに向かい合うように相互に連結された一対の側板を備え、前記一対の側板の内側には、前記パーキングブレーキケーブルを案内するストラット部材側案内部がそれぞれ形成され、(f)前記ストラット部材側案内部は、前記レバー部材の先端部との間隔が前記掛止部材の通過を許容する間隔よりも小さくなる位置に形成されるとともに、前記バッキングプレートから離れるに従って前記掛止部材を前記バッキングプレートに平行な方向において前記連結ピンからの距離が増加する方向に案内する第1案内部と、前記第1案内部に続いて前記第1案内部よりも前記バッキングプレートから離れるに従って前記連結ピンからの距離が小さくなる方向に前記掛止部材を案内する第2案内部とを、備えるものである。
本発明によれば、車両用ドラムブレーキは、前記レバー部材の先端部には、前記掛止部材が掛け止められる掛止部と、前記掛止部材を前記掛止部に保持するために突出する突出部と、前記挿通孔へ差し入れられた前記掛止部材と摺接して前記掛止部材を前記突出部の先端側へ案内するレバー部材側案内部とを有し、全体としてフック状に形成されたフック部が設けられ、前記ストラット部材は、前記バッキングプレートに対して略垂直となる姿勢で前記レバー部材の両側に互いに向かい合うように相互に連結された一対の側板を備え、前記一対の側板の内側には、前記パーキングブレーキケーブルを案内するストラット部材側案内部がそれぞれ形成されている。さらに、前記ストラット部材側案内部は、前記レバー部材の先端部との間隔が前記掛止部材の通過を許容する間隔よりも小さくなる位置に形成されるとともに、前記バッキングプレートから離れるに従って前記掛止部材を前記バッキングプレートに平行な方向において前記連結ピンからの距離が増加する方向に案内する第1案内部と、前記第1案内部に続いて前記第1案内部よりも前記バッキングプレートから離れるに従って前記連結ピンからの距離が小さくなる方向に前記掛止部材を案内する第2案内部とを、備えたものである。これにより、たとえばガイドスプリングのような案内部材を用いることなく前記レバー部材側案内部と前記ストラット部材側案内部とによって前記パーキングブレーキケーブルを前記レバー部材に容易に接続させられる。さらに、前記ストラット部材側案内部と前記レバー部材の先端部との間隔が前記掛止部材の通過を許容する間隔よりも小さくなる位置に前記ストラット部材側案内部を形成することにより、前記パーキングブレーキケーブルは、前記レバー部材と接続された後に前記拡開装置から外れることを防止することができる。したがって、前記レバー部材や前記ストラット部材とは別の部品を設けることなく、部品点数を削減した簡素な構造によって、前記パーキングブレーキケーブルと前記拡開装置との接続を容易にするとともに、前記パーキングブレーキケーブルが前記拡開装置から外れることを防止することができる。
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である車両用ドラムブレーキ10を示す正面図であり、デュオサーボ式の車両用ドラムブレーキ10を示す。この車両用ドラムブレーキ10は、たとえば図示しない車両の車軸管、アクスルハウジング、サスペンション装置等の非回転部材に一体的に固設された円板形状のバッキングプレート16を備えている。また、車両用ドラムブレーキ10には、そのバッキングプレート16の左右の外周部に円弧形状の凸側が外側になる姿勢で互いに接近離間可能にバッキングプレート16の中心線C1に対して略対照的に配設され、バッキングプレート16に拡開可能に設けられた一対のブレーキシュー20、22が備えられている。さらに、車両用ドラムブレーキ10は、その一対のブレーキシュー20、22の一端部間すなわち図1の上端部間において位置固定に設けられた拡開装置24と、それら上端部を互いに接近する方向に常時付勢して拡開装置24に当接するためのコイル状のリターンスプリング26と、それら上端部間に固設されたアンカー28とが備えられている。拡開装置24は、一対のブレーキシュー20、22の前記一端部がそれぞれ当接させられ、バッキングプレート16に対して相対移動可能に配置されている。アンカー28は、一対のブレーキシュー20、22の前記一端部がそれぞれ当接させられ、拡開装置24に隣接して配置されている。さらに、車両用ドラムブレーキ10には、一対のブレーキシュー20、22の他端部すなわち図1の下端部間に介在させられてアジャストホイール30の回転に伴って全長が変化させられることによりシュー間隙を調節するシュー間隙調節装置32と、それら下端部間に張設されてそれら下端部を互いに接近する方向に常時付勢してシュー間隙調節装置32を長手方向に挟圧するための中間部分がコイル状のリターンスプリング34とが備えられている。つまり、シュー間隙調節装置32は、リターンスプリング34によって相互に接近する方向に付勢された一対のブレーキシュー20、22の前記他端部がそれぞれ当接させられ、一対のブレーキシュー20、22の前記他端部により挟持された状態で、バッキングプレート16に対して相対移動可能に配置されている。上記中心線C1は、図1の正面視において、シュー間隙調節装置32の長手方向の中央、アンカー28の長手方向の中央およびバッキングプレート16の中心を通る線である。
一対のブレーキシュー20、22は、何れもバッキングプレート16の板面と略平行な平板状を成し、かつ、図1に示す正面図において全体が円弧形状に湾曲したシューウェブ36、38と、それらの円弧形状を成すシューウェブ36、38の外周側端縁に沿ってブレーキシュー20、22の断面が略T字状を成すように一体的に固設された円弧形状のシューリム40、42と、それらシューリム40、42の外周面に接着剤などで一体的に固着された摩擦材から成るライニング44、46とを備えてそれぞれ構成されている。
一対のブレーキシュー20、22は、シューウェブ36、38の長手方向の中央付近に配設されたシューホールドダウン装置48、50によってバッキングプレート16側に向かって押圧されていて、拡開可能にバッキングプレート16に配設されている。
図2は、拡開装置24の要部を拡大して示す図であり、図1のII−II視断面図である。図3は、図1の正面視における拡開装置24の要部を拡大して示す図である。拡開装置24は、アンカー28をバッキングプレート16とともに図示しない車両の車体側部材(たとえばアクスルハウジングやサスペンション装置など)に一体的に固設する複数のボルト70の頭部70h上に当接した状態で、一対のブレーキシュー20、22のシューウェブ36、38に支持されている。アンカー28およびバッキングプレート16には、パーキングブレーキケーブル60を挿通させるための挿通穴72、74がそれぞれ設けられている。パーキングブレーキケーブル60の先端には略円柱状の掛止部材62がたとえばかしめによって固設されている。図2は、拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60が接続された状態を示している。
拡開装置24は、バッキングプレート16に対して移動可能な浮動式で、連結ピン80により相対回動可能に連結されたレバー部材82およびストラット部材84を備えている。連結ピン80は、バッキングプレート16と略平行になる姿勢で配設されて、レバー部材82およびストラット部材84を貫通している。レバー部材82は、2枚の金属板82aにて構成されている。2枚の金属板82aは、連結ピン80に連結されるそれぞれの基端部82bが互いに密着するように一体的に重ね合わされている。2枚の金属板82aの基端部82bすなわちレバー部材82の基端部82bには、連結ピン80よりもバッキングプレート16側の位置にシューウェブ36の一端部が当接させられる当接部86が形成されている。2枚の金属板82aの先端部82cすなわちレバー部材82の先端部82cには、2枚の金属板82aが互いに所定の間隔を有するように形成されている。具体的には、図3に示すように、2枚の金属板82aは、互いに密着するように一体的に重ね合わされた基端部82bから先端部82cに向かって伸ばされ、2枚の金属板82aの長手方向の中央よりも先端部82c側の位置から外側に向かって広がるように曲成されて所定の間隔を有するようにそれぞれ略平行に形成された先端部82cを形成している。この所定の間隔は、パーキングブレーキケーブル60の外径よりも大きく且つパーキングブレーキケーブル60に設けられた掛止部材62の外径よりも小さくなるように形成されている。
レバー部材82の先端部82cには、図2に示すように、掛止部材62が掛け止められるように全体としてフック(鉤)状に湾曲して形成されたフック部88が設けられている。フック部88には、掛止部材62が掛け止められる凹状の掛止部88aと、掛け止められた掛止部材62を掛止部88aに保持するために突出する突出部88bとが形成されている。さらに、レバー部材82の先端部82cのバッキングプレート16側の端縁には、パーキングブレーキケーブル60の長手方向において先端部82cの掛止部88aとは反対側に位置して掛止部材62を突出部88bの先端側へ案内するためにストラット部材84に形成された後述する当接部98に向かうほど突出部88bに近づくように傾斜したレバー部材側案内部90が形成されている。レバー部材側案内部90は、挿通孔72、74へ差し入れられた掛止部材62と摺接して掛止部材62を突出部88bの先端側へ案内する。換言すれば、レバー部材側案内部90は、先端部82cのバッキングプレート16側縁部に形成され、バッキングプレート16から離れるに従って掛止部材62をバッキングプレート16に略平行な方向において連結ピン80からの距離が増加する方向に案内するように形成されている。
ストラット部材84は、1枚の金属板を略U字形状に曲げ加工したものであり、バッキングプレート16に対して略垂直となる姿勢でレバー部材82の両側に互いに向かい合うよう一対の側板94と、一対の側板94を所定の間隔を隔てて互いに向かい合うように相互に連結させる連結部96とを備えている。一対の側板94はレバー部材82の両側に互いに向かい合うように形成されているため、向かい合う一対の側板94の内側にレバー部材82が配設されることになる。図3に示すように、ストラット部材84には、連結ピン80に連結される一対の側板94の基端部84aすなわちストラット部材84の基端部84aがそれぞれレバー部82に密着するように平坦に形成されている。ストラット部材84には、連結部96がストラット部材84の長手方向の略中央よりも基端部84a側に備えられている。一対の側板94には、連結ピン80をバッキングプレート16と略平行になる姿勢で配設されるように平坦に形成された基端部84aに続いて、連結部96に向かって連結部96の幅の長さすなわち向かい合う一対の側板94間の長さまで外側に広がるように曲成される曲成部94aがそれぞれ形成されている。連結部96の幅は、レバー部材82の2枚分の板厚と、レバー部材82が一対の側板94の内側に配設可能にレバー部材82の向かい合う先端部82c間の長さとの合計よりも大きくなるように形成されている。連結部96の幅の長さまで広がるように曲成された一対の側板94は、曲成部94aに続いて連結部96の幅の長さすなわち向かい合う一対の側板94間の長さを一定に有する平板部94bが略平行になるようにそれぞれ形成されている。続いて一対の側板94は、後述するストラット部材側案内部100をそれぞれ形成するように内側方向つまり一対の側板94がそれぞれ向かい合う方向に向かって曲げられている。一対の側板94の先端部84bすなわちストラット部材84の先端部84bは、内側へ向かって曲げられて互いに密着するように一体的に重ね合わされるように平坦に形成されている。先端部84bには、シューウェブ38と当接する当接部98が設けられている。
一対の側板94には、パーキングブレーキケーブル60を案内するストラット部材側案内部100がそれぞれ形成されている。ストラット部材側案内部100は、一対の側板94の一部をそれぞれ内側方向に向かってたとえばプレス加工によって曲げられて形成されている。ストラット部材側案内部100は、パーキングブレーキケーブル60を案内可能な形状に形成されている。ストラット部材側案内部100は、レバー部材82の先端部82cとの間隔D1が掛止部材62の通過を許容する間隔D2よりも小さくなる位置に形成されている。具体的には、ストラット部材側案内部100は、ストラット部材側案内部100の先端部側案内面100aとレバー部材82の先端部82cとの間隔D1が掛止部材62の外径D2よりも小さくなるような位置に形成されている。ストラット部材側案内部100には、バッキングプレート16から離れるに従って掛止部材62を連結ピン80からの距離が増加する方向に案内する第1案内部102と、第1案内部102に続いて第1案内部102よりもバッキングプレート16から離れるに従って連結ピン80からの距離が小さくなる方向に掛止部材62を案内する第2案内部104とが備えられている。ストラット部材側案内部100には、第1案内部102と第2案内部104とが備えられている。第1案内部102は、バッキングプレート16から離れるに従って掛止部材62を連結ピン80からの距離が増加する方向に案内させるように形成されている。具体的には、第1案内部102は、ストラット部材84のバッキングプレート16側縁部から形成され、バッキングプレート16から離れるに従って連結ピン80から離れるようにストラット部材84の先端部84c側に向かって傾斜して形成されている。具体的には、第2案内部104は、第1案内部102に連続して形成され、第1案内部102とは反対方向のバッキングプレート16から離れるに従って連結ピン80に近づくようにストラット部材84の基端部84a側に向かって傾斜して形成されている。
パーキングブレーキケーブル60は、たとえば複数本のスチールワイヤーの撚線から構成されており。パーキングブレーキペダル、パーキングブレーキレバー等の図示しないパーキングブレーキ操作装置が操作されることによって発生する操作力すなわち張力をレバー部材82に伝達するものである。つまり、パーキングブレーキが作動させられた状態とは、図示しないパーキングブレーキ操作装置の操作によってパーキングブレーキケーブル60を介してレバー部材82に操作力が加えられた状態をいう。図2に示すように拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60が接続させられた状態であって、図示しないたとえばパーキングブレーキレバーの操作によってパーキングブレーキケーブル60を介してレバー部材82に操作力が加えられてバッキングプレート16に対して略直角の作用方向Gすなわち図2の下方方向へパーキングブレーキケーブル60が引っ張られると、レバー部材82が連結ピン80まわりに回転させられ、シューウェブ36が車両用ドラムブレーキ10の外側方向つまり図2に示すT1方向へ向かって押されることになる。これにより、シューリム40の外側に固着されたライニング44が図示しない回転ドラムの内周面に押圧させられる。また、当接部86を支点として反力によって連結ピン80がT1方向とは反対方向つまり図2の右方向へ移動させられると、ストラット部材84も図2の右方向へ移動させられ、シューウェブ38が車両用ドラムブレーキ10の外側方向つまり図2に示すT2方向へ向かって押されることになる。これにより、シューリム42の外側に固着されたライニング46が図示しない回転ドラムの内周面に押圧させられる。したがって、図示しないパーキングブレーキ操作装置の操作によってパーキングブレーキケーブル60を介してレバー部材82に操作力が加えられた状態とは、シューウェブ36、38つまりブレーキシュー20、22が拡開させられて、シューリム40、42の外周面に固着されたライニング44、46が図示しない回転ドラムの内周面に押圧させられた制動状態である。
図4から図6は、拡開装置24の要部を拡大して示す図であり、拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60を接続する場合の手順を示す。拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60を接続する場合には、図4に示すように、たとえば作業者は図2に示すG方向とは反対方向であって、バッキングプレート16に対して略直角の作用方向のH方向に向かってパーキングブレーキケーブル60を押し込ませる。H方向に向かって押し込まれたパーキングブレーキケーブル60は、アンカー28に形成された挿通孔72およびバッキングプレート16に形成された挿通孔74に差し入れられる。挿通孔72、74に差し入れられたパーキングブレーキケーブル60は、挿通孔72、74を挿通してパーキングブレーキケーブル60の先端に固設された掛止部材62がレバー部材82に形成されたレバー部材側案内部90に当接させられる。ここで、パーキングブレーキケーブル60は所定の弾性(可撓性)を備えたものであり、パーキングブレーキケーブル60による曲げ弾性変形によって、レバー部材側案内部90は、掛止部材62と摺接して掛止部材62をフック部88の先端側へ案内する。掛止部材62は、レバー部材側案内部90の形状に沿って移動させられる。
レバー部材側案内部90の形状に沿って案内させられた掛止部材62は、次にストラット部材側案内部100の形状に沿って案内させられる。具体的には、図5に示すように、レバー部材側案内部90の形状に沿って案内させられた掛止部材62は、ストラット部材側案内部100の先端部側案内面100aに当接させられて、レバー部材側案内部90と先端部側案内面100aとに挟まれるような状態でストラット部材側案内部100の第1案内部102に沿って案内させられる。ストラット部材側案内部100は、レバー部材82の先端部82bとの間隔D1が掛止部材62の通過を許容する間隔D2すなわち掛止部材62の外径D2よりもたとえば1/2〜4/5程度、好適には3/4程度に小さくなる位置に形成されているため、掛止部材62は、パーキングブレーキケーブル60を押し込む力によって当接させられたレバー部材82を連結ピン80まわりに回動させながら移動することになる。つまり、掛止部材62がレバー部材82を回動させることにより、レバー部材82とストラット部材側案内部100との間に掛止部材62の通過を許容する隙間が形成されることになる。掛止部材62は、当接させられたレバー部材82を回動させながら第1案内部102に続いて第2案内部104に沿って案内させられる。
第1案内部102に続いて第2案内部104に沿って案内させられた掛止部材62は、パーキングブレーキケーブル60がさらに押し込められると第2案内部104を通過し、図6に示すように、レバー部材82とストラット部材84との間を通過した状態となる。ここで、掛止部材62がレバー部材82とストラット部材84との間を通過した状態とは、第1案内部102に続いて第2案内部104に沿って案内させられた掛止部材62がレバー部材側案内部90と先端部側案内面100aとに挟まれた状態から解放された状態をいう。掛止部材62がレバー部材側案内部90と先端部側案内面100aとに挟まれた状態から解放されると、たとえば拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60を接続する作業者に作業上の手応えいわゆる節度感を発生させる。また、レバー部材側案内部90およびストラット部材側案内部100に案内されて屈曲させられたパーキングブレーキケーブル60は、掛止部材62がレバー部材82とストラット部材84との間を通過したことにより、掛止部材62が第2案内部104に沿って案内させられた状態とパーキングブレーキケーブル60の弾性とによって元の直線状態に復帰しようとするため図6に示す矢印方向Eに移動することになる。そのため、拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60を接続する作業者は、掛止部材62がレバー部材82を通過することにより発生する節度感を認識することで、パーキングブレーキケーブル60を拡開装置24に十分に押し込んだと判断するとともに、拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60を掛け止めるためにパーキングブレーキケーブル60を図2に示すG方向に引っ張る作業を行う。これにより、掛止部材62が掛止部88aに掛け止められて、図2に示すように、パーキングブレーキケーブル60が拡開装置24に接続させられる。つまり、作業者は、パーキングブレーキケーブル60をH方向に押し込み節度感を認識した後にパーキングブレーキケーブル60をG方向に引っ張るという簡素な作業によって拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60を接続することができる。ここで、パーキングブレーキケーブル60は、レバー部材82の先端部82cの互いに向かい合う2枚の金属板82aの間に嵌め入れられている。
図7は、従来の車両用ドラムブレーキ200において、拡開装置202の要部を拡大して示す図である。本実施例における図2に示される視断面図に対応している。図7に示すように、従来の車両用ドラムブレーキ200には、レバー部材204に所定形状に曲成されたガイドスプリング206が装着されている。掛止部材208が先端に固設されたパーキングブレーキケーブル210を拡開装置202に接続する場合において、ガイドスプリング206は、掛止部材208をレバー部材204に形成された掛止部212へ案内させる案内部材となっている。さらに、ガイドスプリング206は、一旦掛止部212に掛け止められた掛止部材208が拡開装置202から外れないようにパーキングブレーキケーブル210の外れ防止部材となっている。
拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60を接続する場合において、従来の車両用ドラムブレーキ200ではガイドスプリング206を設けてパーキングブレーキケーブル210を案内していたが、本実施例では拡開装置24に備えられたレバー部材82およびストラット部材84に形成された案内部90、100によってパーキングブレーキケーブル60を案内している。さらに、一旦接続されたパーキングブレーキケーブル60が拡開装置24から外れないようにするために、従来の車両用ドラムブレーキ200ではガイドスプリング206を設けていたが、本実施例ではパーキングブレーキケーブル60が一旦接続された後にパーキングブレーキケーブル60の先端に固設された掛止部材62が通過できる通過隙を発生させない構造にすることでパーキングブレーキケーブル60が拡開装置24から外れないようにしている。具体的には、本実施例では、ストラット部材側案内部100は、ストラット部材側案内部100の先端部側案内面100aとレバー部材82の先端部82cとの間隔D1が掛止部材62の外径D2よりも小さくなる位置に形成されていることにより、拡開装置24にパーキングブレーキケーブル60を接続する場合において、拡開装置24に押し込まれる掛止部材62がレバー部材82を回動させて掛止部材62の通過できる通過隙を生じさせている。そのため、掛止部材62がレバー部材82とストラット部材84との間を通過した後にG方向に引っ張られて掛止部88aに掛け止められた場合には、レバー部材82は掛止部材62に回動させられる前の位置に戻されるので掛止部材62の通過できる通過隙が無くなることになる。つまり、本実施例では、一旦パーキングブレーキケーブル60が拡開装置24に接続されると、拡開装置24には掛止部材62の通過できる通過隙が無くなる構造になっているため拡開装置24からパーキングブレーキケーブル60が外れないようになっている。
このように、本実施例の車両用ドラムブレーキ10は、レバー部材82の先端部には、掛止部材62が掛け止められる掛止部88aと、掛止部材62を掛止部88aに保持するために突出する突出部88bと、挿通孔72、74へ差し入れられた掛止部材62と摺接して掛止部材62を突出部88bの先端側へ案内するレバー部材側案内部90とを有し、全体としてフック状に形成されたフック部88が設けられ、ストラット部材84は、バッキングプレート16に対して略垂直となる姿勢でレバー部材82の両側に互いに向かい合うように相互に連結された一対の側板94を備え、一対の側板94の内側には、パーキングブレーキケーブル60を案内するストラット部材側案内部100がそれぞれ形成されている。さらに、ストラット部材側案内部100は、レバー部材82の先端部82bとの間隔D1が掛止部材62の通過を許容する間隔D2よりも小さくなる位置に形成されるとともに、バッキングプレート16から離れるに従って掛止部材62をバッキングプレート16に平行な方向において連結ピン80からの距離が増加する方向に案内する第1案内部102と、第1案内部102に続いて第1案内部102よりもバッキングプレート16から離れるに従って連結ピン80からの距離が小さくなる方向に掛止部材62を案内する第2案内部104とを、備えたものである。これにより、たとえばガイドスプリングのような案内部材を用いることなく、レバー部材側案内部90とストラット部材側案内部100によってパーキングブレーキケーブル60をレバー部材82に容易に接続させることができる。さらに、ストラット部材側案内部100とレバー部材82の先端部82bとの間隔D1が掛止部材62の通過を許容する間隔D2よりも小さくなる位置にストラット部材側案内部100を形成することにより、パーキングブレーキケーブル60がレバー部材82と接続された後に拡開装置24から外れることを防止することができる。したがって、本実施例の車両用ドラムブレーキ10は、レバー部材82やストラット部材84とは別の部品を設けることなく、部品点数を削減した簡素な構造によって、パーキングブレーキケーブル60と拡開装置24との接続を容易にするとともに、パーキングブレーキケーブル60が拡開装置24から外れることを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例においては、第2案内部104は、第1案内部102に続いて第1案内部102よりもバッキングプレート16から離れるに従って連結ピン80からの距離が小さくなるように形成されているが、必ずしもこれに限らず、たとえば第2案内部104は、第1案内部102に続いて第1案内部102よりもバッキングプレート16から離れるに従って連結ピン80からの距離が一定となるように形成されてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用ドラムブレーキ
16:バッキングプレート
20、22:ブレーキシュー
24:拡開装置
60:パーキングブレーキケーブル
62:掛止部材
70:ケーブル案内部材
72、74:挿通孔
80:連結ピン
82:レバー部材
82b:基端部
82c:先端部
84:ストラット部材
88:フック部
88a:掛止部
88b:突出部
90:レバー部材側案内部
94:側板
100:ストラット部材側案内部
102:第1案内部
104:第2案内部
16:バッキングプレート
20、22:ブレーキシュー
24:拡開装置
60:パーキングブレーキケーブル
62:掛止部材
70:ケーブル案内部材
72、74:挿通孔
80:連結ピン
82:レバー部材
82b:基端部
82c:先端部
84:ストラット部材
88:フック部
88a:掛止部
88b:突出部
90:レバー部材側案内部
94:側板
100:ストラット部材側案内部
102:第1案内部
104:第2案内部
Claims (1)
- バッキングプレートに拡開可能に配設された一対のブレーキシューと、
前記バッキングプレートと略平行な連結ピンと、前記連結ピンまわりに相対回動可能に前記連結ピンにより連結された基端部をそれぞれ有するレバー部材およびストラット部材とを備え、前記一対のブレーキシューの一端部間に配設され、前記レバー部材および前記ストラット部材がそれぞれ前記一対のブレーキシューの一方および他方と係合させられる拡開装置と、
先端に掛止部材が一体的に設けられ、前記掛止部材が前記バッキングプレートに設けられた挿通孔を通り前記レバー部材の先端部に掛け止められるパーキングブレーキケーブルと、
を備えた車両用ドラムブレーキであって、
前記レバー部材の先端部には、前記掛止部材が掛け止められる掛止部と、前記掛止部材を前記掛止部に保持するために突出する突出部と、前記挿通孔へ差し入れられた前記掛止部材と摺接して前記掛止部材を前記突出部の先端側へ案内するレバー部材側案内部とを有し、全体としてフック状に形成されたフック部が設けられ、
前記ストラット部材は、前記バッキングプレートに対して略垂直となる姿勢で前記レバー部材の両側に互いに向かい合うように相互に連結された一対の側板を備え、前記一対の側板の内側には、前記パーキングブレーキケーブルを案内するストラット部材側案内部がそれぞれ形成され、
前記ストラット部材側案内部は、前記レバー部材の先端部との間隔が前記掛止部材の通過を許容する間隔よりも小さくなる位置に形成されるとともに、前記バッキングプレートから離れるに従って前記掛止部材を前記バッキングプレートに平行な方向において前記連結ピンからの距離が増加する方向に案内する第1案内部と、前記第1案内部に続いて前記第1案内部よりも前記バッキングプレートから離れるに従って前記連結ピンからの距離が小さくなる方向に前記掛止部材を案内する第2案内部とを、備えたものである
ことを特徴とする車両用ドラムブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016199556A JP2018059615A (ja) | 2016-10-07 | 2016-10-07 | 車両用ドラムブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016199556A JP2018059615A (ja) | 2016-10-07 | 2016-10-07 | 車両用ドラムブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018059615A true JP2018059615A (ja) | 2018-04-12 |
Family
ID=61908601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016199556A Pending JP2018059615A (ja) | 2016-10-07 | 2016-10-07 | 車両用ドラムブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018059615A (ja) |
-
2016
- 2016-10-07 JP JP2016199556A patent/JP2018059615A/ja active Pending
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