JP2018055955A - 蓄電素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常発生時における電極体によるガス排出弁の閉塞を抑制する構成を簡易にする蓄電素子等を提供する。【解決手段】蓄電素子100は、正極基材箔21a及び負極基材箔22a上にそれぞれ正極活物質層21b及び負極活物質層22bを有する正極板21及び負極板22が積層された電極体20と、容器10とを備える。蓄電素子100では、容器10は、ガス排出弁70が設けられた蓋体12を有し、正極基材箔21a及び負極基材箔22aはそれぞれ、弱化部21w及び22wを含み、弱化部21w及び22wは正極活物質層21b及び負極活物質層22bで覆われている。【選択図】図3

Description

本発明は、容器にガス排出弁を備える蓄電素子及びその製造方法に関する。
二次電池等の蓄電素子には、電極体と、電極体を収容する容器と、容器内の電解液等の電解質とを備えるものがある。例えば、特許文献1には、電池ケースの開口部の封口板にガス排出弁としてのガス排出機構を備える非水電解質二次電池が記載されている。電池ケースには、正極と負極とをセパレータを介して巻回した電極体としての電極群が、収納されている。さらに、電極群と封口板との間には、上部絶縁板が配置され、上部絶縁板は、電極群の中央部に配置された中芯と一体成形された構成を有する。
特開2013−73873号公報
特許文献1には、二次電池の異常発生時に多量のガスが発生した場合、ガスがガス排出機構を介して電池ケースの外部へ排出されることに伴い、電極群が封口板側へ移動し、ガス排出機構へのガス排出流路を遮断するという問題が、挙げられている。特許文献1の二次電池は、上部絶縁板と、中芯とが一体成形されることによって、上部絶縁板の中央部での強度を向上させている。これにより、ガス排出圧力が増加した場合であっても上部絶縁板の破損を抑え、ガス排出機構への電極群の移動を抑制する。しかしながら、上記二次電池では、電池ケースに上部絶縁板を固定するための構造、電極群への上部絶縁板及び中芯の取付作業等が必要になり、構造の複雑化及び作業工程の増加によるコスト上昇の問題が生じる。
そこで、本発明は、異常発生時における電極体によるガス排出弁の閉塞を抑制する構成を簡易にする蓄電素子及びその製造方法を提供する。
本発明に係る蓄電素子は、基材箔上に活物質層を有する極板が積層された電極体と、容器とを備える蓄電素子であって、容器は、ガス排出弁が設けられた壁部を有し、基材箔は、弱化部を含み、弱化部は活物質層で覆われている。
弱化部の少なくとも一部は、ガス排出弁に対向する位置に配置されてもよい。
弱化部は、基材箔に形成されたスリット及び溝部の少なくとも一方を含んでもよい。
弱化部は複数のスリット及び複数の溝部の少なくとも一方を含んで形成され、複数のスリット及び複数の溝部の少なくとも一方は、上記壁部から離れる方向に沿って列状に並ぶように配置されてもよい。
弱化部が、複数層の極板に配置され、複数層の極板の弱化部は、極板の積層方向に沿って並ぶように配置されてもよい。
本発明に係る蓄電素子の製造方法は、基材箔にスリット及び溝の少なくとも一方を設ける工程と、スリット及び溝の少なくとも一方が設けられた基材箔に活物質を塗布し極板を形成する工程と、極板を積層して電極体を形成する工程とを含む。
本発明に係る蓄電素子等によれば、異常発生時における電極体によるガス排出弁の閉塞を抑制する構成が、簡易になる。
実施の形態に係る蓄電素子の外観を模式的に示す斜視図である。 図1の蓄電素子の分解斜視図である。 図1の蓄電素子の断面側面図であり、正極端子及び負極端子の中央を通り且つ容器本体の長側壁に沿う蓄電素子の断面を、方向IIIで見た図である。 図2の電極体の一部を展開した斜視図である。 ガス排出弁の開放時の蓄電素子を、図3と同様に示す断面側面図である。 実施の形態に係る蓄電素子の製造工程の流れを示す図である。 実施の形態の変形例に係る蓄電素子の図2と同様の分解斜視図である。 図7の蓄電素子の断面側面図であり、図3と同様に示す図である。 図7の電極体の一部を展開した斜視図である。 実施の形態の別の変形例に係る蓄電素子の断面側面図であり、図3と同様に示す図である。 実施の形態のさらに別の変形例に係る蓄電素子の断面側面図であり、図3と同様に示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態及び変形例に係る蓄電素子及びその製造方法について説明する。なお、以下で説明する実施の形態及び変形例は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態及び変形例で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、並びに製造工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態及び変形例における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。さらに、各図において、同一又は同様な構成要素については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態及び変形例の説明において、略平行、略直交のような「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、略平行とは、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。他の「略」を伴った表現についても同様である。
[実施の形態]
実施の形態に係る蓄電素子100の構成を説明する。図1は、実施の形態に係る蓄電素子100の外観を模式的に示す斜視図である。図1に示されるように、蓄電素子100は、扁平な直方体状の外形を有している。蓄電素子100は、充放電可能な二次電池である。例えば、蓄電素子100は、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。しかしながら、蓄電素子100は、非水電解質二次電池に限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよく、キャパシタであってもよい。
図1及び図2を参照すると、蓄電素子100は、扁平な直方体状の容器10と、容器10の中に収容される電極体20と、容器10に設けられる正極端子30及び負極端子40とを備えている。なお、図2は、図1の蓄電素子100の分解斜視図である。
容器10は、有底角筒状の容器本体11と、容器本体11の細長い矩形状の開口部11aを閉鎖可能である細長い矩形板状の蓋体12とを有している。容器本体11は、細長い矩形状の底壁11bと、底壁11bの4つの縁から直立する4つの矩形状の側壁11c、11d、11e及び11fとを有している。側壁11c及び11eは、互いに対向して位置し、開口部11aから底壁11bを見たときの容器本体11の外周方向で、側壁11d及び11fよりも幅広である長側壁を形成している(以下、側壁11c及び11eを、長側壁11c及び11eとも呼ぶ)。側壁11d及び11fは、互いに対向して位置し、上記外周方向で長側壁11c及び11eよりも幅狭である短側壁を形成している(以下、側壁11d及び11fを、短側壁11d及び11fとも呼ぶ)。
容器本体11と蓋体12とは、溶接等の接合方法によって接合され、その接合部を気密な状態にして固定される。これにより、容器10は、内部に密閉された空間を形成する。容器本体11及び蓋体12は、限定するものではないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等の溶接可能であり且つ高い剛性を有する金属から作製され得る。
容器10の内部には、電極体20と共に電解液(本実施の形態では、非水電解液)等の電解質が封入されるが、当該電解質の図示は省略する。容器10に封入される電解質としては、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
蓋体12の外面12a上に、導電性を有する正極端子30及び負極端子40が配置されている。蓋体12において、正極端子30と負極端子40との中間には、ガス排出弁70が形成されている。ガス排出弁70の構成については、後述する。ここで、蓋体12は、容器10の壁部の一例である。
図2及び図3を参照すると、正極端子30及び負極端子40はそれぞれ、蓋体12を貫通して延び、容器10内に設けられ且つ導電性を有する正極集電体50及び負極集電体60と接続される。そして、正極集電体50及び負極集電体60は、電極体20とも接続される。電極体20は、正極集電体50及び負極集電体60と共に容器本体11内に収容される。なお、図3は、図1の蓄電素子100の断面側面図であり、正極端子30及び負極端子40の中央を通り且つ容器本体11の長側壁11c及び11eに沿う蓄電素子100の断面を、方向IIIで見た図である。図3では、電極体20は側面図で描かれている。
また、板状の上部絶縁部材31及び41がそれぞれ、正極端子30と蓋体12との間、及び負極端子40と蓋体12との間に設けられ、正極端子30及び負極端子40を蓋体12から電気的に絶縁する。板状の下部絶縁部材32及び42がそれぞれ、蓋体12と正極集電体50との間、及び蓋体12と負極集電体60との間に設けられ、正極集電体50及び負極集電体60を蓋体12から電気的に絶縁する。各絶縁部材31、32、41及び42はいずれも、樹脂等の電気的な絶縁性を有する材料から作製され、例えば、ガスケットである。
正極端子30及び負極端子40はそれぞれ、軸部30a及び40aを有している。軸部30aは、上部絶縁部材31、蓋体12及び下部絶縁部材32を貫通して延び、正極集電体50の板状の固定部51と接合される。軸部40aは、上部絶縁部材41、蓋体12及び下部絶縁部材42を貫通して延び、負極集電体60の固定部61と接合される。また、正極集電体50及び負極集電体60はそれぞれにおいて、固定部51及び61から延びる脚部52及び62が、電極体20に接合される。これにより、正極端子30及び負極端子40が、正極集電体50及び負極集電体60を介して電極体20と電気的に接続される。
図2及び図4を参照して、電極体20の構成を説明する。なお、図4は、図2の電極体20の一部を展開した斜視図である。電極体20は、電気を蓄積可能な蓄電要素(発電要素とも呼ばれる)である。電極体20は、シート状の正極板21と、シート状の負極板22と、シート状の2つのセパレータ23及び24とを、層状に重ねるように含んでいる。ここで、正極板21及び負極板22は、極板の一例である。
電極体20は、正極板21、負極板22並びにセパレータ23及び24が互いに重ね合わせられつつ一緒に、巻回軸Aを中心に巻回方向Bで渦巻き状に多重に巻回されることによって、形成される。巻回軸Aは、図4において一点鎖線で示される仮想の軸であり、電極体20は、巻回軸Aに関して略対称な構成を有している。本実施の形態では、電極体20は、巻回軸Aに垂直な断面が長円形状である扁平な外形を有している。このような電極体20は、巻回軸Aを通り且つ電極体20の中央に位置する平坦部分と、平坦部分の両側に位置する2つの湾曲部分とを含む。なお、電極体20の断面形状は、円形、楕円形、矩形、その他の多角形等の長円形以外の形状であってもよい。
正極板21は、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属からなる矩形帯状の金属箔である正極基材箔21aと、正極基材箔21a上の正極活物質層21b(図4において斜線表示)とを含む。負極板22は、銅、銅合金等の金属からなる矩形帯状の金属箔である負極基材箔22aと、負極基材箔22a上の負極活物質層22b(図4において斜線表示)とを含む。正極活物質層21b及び負極活物質層22bはそれぞれ、正極基材箔21a及び負極基材箔22aの両側の幅広な主面上の略全体に、塗工等によって付着形成されているが、一方の主面にのみ形成されてもよい。正極活物質層21b及び負極活物質層22bに用いられる正極活物質及び負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出可能である適宜公知の材料が使用され得る。セパレータ23及び24は、樹脂等の電気的な絶縁性を有する材料からなる微多孔性のシートである。ここで、正極基材箔21a及び負極基材箔22aは、基材箔の一例であり、正極活物質層21b及び負極活物質層22bは、活物質層の一例である。
正極板21の長手に沿う2つの縁21c及び21dのうちの一方の縁21cに沿って、帯状の正極活物質層非形成部21eが形成されている。負極板22の長手に沿う2つの縁22c及び22dのうちの一方の縁22dに沿って、帯状の負極活物質層非形成部22eが形成されている。正極活物質層非形成部21e及び負極活物質層非形成部22eではそれぞれ、正極基材箔21a及び負極基材箔22aのいずれの主面にも正極活物質層21b及び負極活物質層22bが形成されず、正極基材箔21a及び負極基材箔22aが露出している。
正極板21及び負極板22は、正極活物質層21b及び負極活物質層22bが重なり且つ正極活物質層非形成部21e及び負極活物質層非形成部22eが上記重なり部分を挟んで反対側に位置するように、重ねられる。このとき、正極活物質層非形成部21e及び負極活物質層非形成部22eはそれぞれ、負極板22の縁22c及び正極板21の縁21dから巻回軸A方向外方に突出する。
セパレータ23及び24は、1つの負極板22をその両側の主面側から挟むように設けられ、さらに、1つの正極板21が、セパレータ23上に重ねて設けられる。上述のように重ね合わされた状態の正極板21、負極板22並びにセパレータ23及び24が一緒に巻回されることによって、電極体20が形成される。電極体20では、セパレータ23及び24は、負極板22の両側主面上の負極活物質層22bを覆うと共に、正極板21の両側主面上の正極活物質層21bを覆い、負極活物質層22bと正極活物質層21bとの直接的な接触を抑制する。
電極体20の巻回軸A方向の一方の端部20aでは、正極活物質層非形成部21eの正極基材箔21aが、セパレータ23及び24から巻回軸A方向外方に突出し巻回されている。電極体20の巻回軸A方向の他方の端部20bでは、負極活物質層非形成部22eの負極基材箔22aが、セパレータ23及び24から巻回軸A方向外方に且つ正極活物質層非形成部21eの正極基材箔21aと反対側に突出し、巻回されている。正極活物質層非形成部21e及び負極活物質層非形成部22eはそれぞれ、正極板21及び負極板22の集電領域を形成し、正極集電体50の脚部52及び負極集電体60の脚部62と接合される。正極集電体50及び負極集電体60と接合された電極体20は、巻回軸Aが蓋体12の長手方向に沿い且つ一方の湾曲部分が蓋体12に対向する姿勢で蓋体12に固定され、容器本体11内に収容される。このような電極体20は、蓋体12に対する縦巻き型の電極体とも呼ばれる。なお、蓋体12の長手方向は、短側壁11dから短側壁11fに向かう方向である。
また、正極基材箔21aには、縁21c及び21dに沿って互いに間隔をあけて一列に配列された複数のスリット21fが、形成されている。複数のスリット21fは、正極基材箔21aの長手方向に延びる1つのスリット列21gを形成する。本実施の形態では、複数のスリット21fは、ミシン目状に直線的に形成されており、正極基材箔21aは、1巻回あたりに複数のスリット21fを含む。さらに、各スリット21fは、正極基材箔21aを貫通する細長な矩形状の貫通穴を形成し、その長手がスリット列21gに沿うように方向付けられている。スリット列21gは、正極基材箔21aの長手方向全体にわたって延びる。スリット列21gは、正極基材箔21aにおいて、電極体20の端部20a及び20bの中間の位置、つまり、正極活物質層21bの巻回軸A方向の中央の位置に配置されている。スリット21f同士の間に位置する正極基材箔21aの複数の正極基材箔連結部分21aaは、スリット列21gの両側の正極基材箔21a同士を連結している。各正極基材箔連結部分21aaは、正極基材箔連結部分21aa以外の領域の正極基材箔21aよりも、大幅に小さい長さ及び幅で形成されるため、破断しやすい。なお、正極基材箔連結部分21aaの長さ及び幅はそれぞれ、スリット列21gに沿う方向の長さ、及びスリット列21gに垂直な方向の幅である。正極基材箔連結部分21aa及びスリット21fは、正極基材箔21aに弱化部21wを形成する。正極基材箔連結部分21aa及びスリット21fは、正極基材箔21aの弱化部の好適な一例である。
同様に、負極基材箔22aにも、縁22c及び22dに沿って互いに間隔をあけて一列に配列された複数のスリット22fが、形成されている。複数のスリット22fは、負極基材箔22aの長手方向に延びる1つのスリット列22gを形成する。本実施の形態では、複数のスリット22fの形状、寸法、方向付け及びスリット間の間隔等の構成は、正極基材箔21aのスリット21fと同様であるが、スリット21fと異なっていてもよい。スリット列22gは、負極基材箔22aの長手方向全体にわたって延びる。スリット列22gは、負極基材箔22aにおいて、電極体20の端部20a及び20bの中間の位置、つまり、負極活物質層22bの巻回軸A方向の中央の位置に配置されている。スリット22f同士の間に位置する負極基材箔22aの複数の負極基材箔連結部分22aaと複数のスリット22fとは、負極基材箔22aに弱化部22wを形成する。負極基材箔連結部分22aa及びスリット22fは、負極基材箔22aの弱化部の好適な一例である。
正極活物質層21b及び負極活物質層22bはそれぞれ、スリット21f及び22fを形成後の正極基材箔21a及び負極基材箔22aの両側主面に対して、スリット21f及び22fの中を正極活物質及び負極活物質で埋めつつ、層状に形成される。これにより、正極活物質層21bを形成後の正極板21及び負極活物質層22bを形成後の負極板22では、スリット21f及び22fは、正極活物質層21b及び負極活物質層22bによって隠され見えない。さらに、正極基材箔21a及び負極基材箔22aの上それぞれにおける正極活物質層21b及び負極活物質層22bの形成面積は、スリット21f及び22fが存在することにより減少しない。スリット21f及び22fはそれぞれ、正極基材箔21a及び負極基材箔22aの製造過程で形成されてもよく、製造後に金型による押し抜き、レーザーカット等の加工によって形成されてもよい。
上述のように構成されたスリット列21g及び22gはそれぞれ、電極体20の巻回軸Aと略垂直に延在する。スリット列21g及び22gはそれぞれ、電極体20において、正極板21及び負極板22の全巻回にわたって延び、且つ、各巻回の正極板21及び負極板22の全周にわたって存在する。よって、スリット列21g及び22gは、正極板21及び負極板22による積層の各層に形成される。また、スリット列21g及び22gはそれぞれ、正極活物質層非形成部21eと負極活物質層非形成部22eとの中間に位置する。そして、各層のスリット列21gは、正極板21の積層方向で互いに重なるように位置し、各層のスリット列22gは、負極板22の積層方向で互いに重なるように位置する。さらに、スリット列21g及び22gは、正極板21及び負極板22の積層方向で互いに重なるように位置する。よって、スリット列21g及び22gのスリット21f及び22fは、巻回軸Aに略垂直な電極体20の1つの断面又は当該断面の近傍の領域内に位置する、つまり、正極板21及び負極板22の積層方向に沿って並ぶように位置する。しかしながら、スリット21f及び22fの一部が、当該領域からずれて位置してもよい。
図2及び図3を参照すると、ガス排出弁70は、蓋体12と一体的に形成されている。ガス排出弁70は、蓋体12の一部の厚さを薄くすることによって強度が低くなるように形成された薄肉部71を含んでいる。本実施の形態では、蓋体12の外面12aに垂直な方向でみたときの薄肉部71の平面形状が、長円形状である。容器10の内圧の上昇等によって、ガス排出弁70に所定の圧力が作用すると、薄肉部71が破断して圧力逃がし穴としての開放部73(図5参照)を形成する。これにより、容器10内の圧力が外部に逃がされる。なお、薄肉部71は、溝状の切り込み部72がさらに形成されることによって、切り込み部72の部分で破断しやすく構成されてもよい。
次に、蓋体12と電極体20との間の位置関係を説明する。図2〜図4を参照すると、電極体20は、スリット列21g及び22gが延びる方向が、蓋体12と交差する方向、例えば蓋体12に略垂直な方向となるように、蓋体12に対して配置されている。このとき、スリット列21g及び22gは、蓋体12から離れる方向に延び、巻回軸Aは、蓋体12と略平行に延びる。よって、スリット列21g及び22gのスリット21f及び22fは、蓋体12から離れる方向に沿って列状に並ぶ。
また、スリット列21g及び22gは、ガス排出弁70と対向する位置に位置している。このとき、スリット21f及び22fの少なくとも一部が、ガス排出弁70と対向する位置に位置する。具体的には、スリット列21g及び22gが上記の位置にある場合、容器10の長側壁11cから長側壁11eに向かって見たとき、蓋体12の長手方向での位置に関して、スリット列21g及び22gの位置が、ガス排出弁70と対向する位置にある。このとき、スリット列21g及び22gを通る巻回軸Aに略垂直な面がガス排出弁70を通る。また、スリット21f及び22fが、一列に並ばず、蓋体12の長手方向に広がって位置する場合、蓋体12の長手方向での位置に関して、少なくとも一部のスリット21f及び22fの位置が、ガス排出弁70と対向する位置にある。また、スリット列21g及び22gが上記の位置にある場合、容器10の短側壁11dから短側壁11fに向かって見たとき、蓋体12の長手方向に垂直である短手方向での位置に関して、少なくとも一部のスリット21f及び22fの位置が、ガス排出弁70と対向する位置にある。
蓄電素子100では、例えば、過充電、衝撃、突き刺し等の異常発生に起因して電解液が分解して、ガスを生じる場合がある。発生するガスにより容器10の内圧が上昇すると、図5に示されるように、ガス排出弁70の薄肉部71が破断して開放し、容器10の内部を外部に連通する開放部73を形成する。これにより、開放部73から外部にガスが流出する。この際、ガスが急激な気流を発生し、それにより、電極体20が蓋体12に向かって移動して蓋体12に当接し、開放部73を塞ぐことがある。開放部73が塞がれた場合、ガスの放出が著しく低下して容器10の内圧が上昇し、容器本体11が開裂する、又は、容器本体11と蓋体12との接合部が破断する等の状況が発生する虞がある。このような状況の発生は、安全性の観点から回避される必要がある。このため、発生したガスは、ガス排出弁70から円滑に且つ安定して排出される必要がある。なお、電極体20が移動する際には、電極体20と正極及び負極の集電体50及び60との接合が外れること、集電体50及び60が変形すること等の状態も発生しうるが、そのような状態は図5に図示していない。また、図5は、ガス排出弁70の開放時の蓄電素子100を、図3と同様に示す断面側面図であり、電極体20が移動して蓋体12に当接した状態を示す。
図4及び図5を参照すると、電極体20の正極基材箔21a及び負極基材箔22aはそれぞれ、スリット21f及び22fの形成部位である弱化部21w及び22wで強度が低下しており、スリット列21g及び22gに沿って裂けやすく構成されている。このため、内圧の上昇により圧力が高いガスは、開放部73に向かって流れる過程で、スリット列21g及び22gにおいて正極基材箔21a及び負極基材箔22aを破断する。このとき、正極活物質層21b及び負極活物質層22bも正極基材箔21a及び負極基材箔22aと共に破断するため、正極板21及び負極板22が破断し、それにより、電極体20に破断した部分が形成される。電極体20の破断部分は、電極体20上及び/又は電極体20内で、電極体20を貫通するように延び、ガス排出弁70に向かって延びるガス流路Gを形成する。よって、電極体20が移動して蓋体12に当接しガス排出弁70に覆い被さった場合でも、ガス流路Gが、ガス排出弁70(開放部73)を容器10内の空間に連通し、ガスをガス排出弁70に導くことができる。なお、スリットが形成されていないセパレータ23及び24は、多数の空孔を有しているため、破断の有無に関わらずガスを通過させる。
ガスの気流が激しいガス排出弁70に近いほど、多くのスリット21f及び22fで正極基材箔21a及び負極基材箔22aの破断が生じる。これにより、ガス排出弁70に近いほど、電極体20も大きく破断し、ガス流路Gの流路幅も大きくなる。このため、破断前にスリット列21g及び22gがガス排出弁70と対向する位置にない場合でも、上記破断によって形成されるガス流路Gは、ガス排出弁70と連通し、容器10内の空間をガス排出弁70に連通する。また、ガス流路Gは、正極板21と負極板22とセパレータ23及び24との間隙を介して、ガス排出弁70に連通することもできる。スリット列21g及び22gについて、その少なくとも一部が、ガス排出弁70と対向するように位置することが望ましいが、破断時に上述のような電極体20の作用があるため、その全てがガス排出弁70と対向する位置になくてもよく、例えば、ガス排出弁70と対向する位置の近傍に位置してもよい。
また、上述のような蓄電素子100の電極体20は、図6と共に以下に説明するような製造方法で製造されることができる。なお、図6は、実施の形態に係る蓄電素子100の電極体20の製造工程の流れを示す図である。図4及び図6を参照すると、活物質を塗布前の正極基材箔21a及び負極基材箔22aそれぞれにスリット21f及び22fが形成される(工程S1)。スリット21f及び22fは、正極基材箔21a及び負極基材箔22aを製造する過程で形成されてもよく、製造後の正極基材箔21a及び負極基材箔22aに金型による押し抜き、レーザーカット等の加工処理を施すことによって、形成されてもよい。正極基材箔21a及び負極基材箔22aの製造後での形成の場合、スリット21f及び22fは、正極基材箔21a及び負極基材箔22aが電極体20を形成するために巻回される過程で、形成されてもよく、電極体20を形成する工程の前に予め形成されてもよい。なお、電極体20を形成する前の正極基材箔21a及び負極基材箔22aは、ロール状に巻回される。
次いで、スリット21f及び22fを形成後の正極基材箔21a及び負極基材箔22aそれぞれに、正極活物質及び負極活物質が塗布される(工程S2)。具体的には、正極基材箔21a及び負極基材箔22aが、それぞれのロールから引き出されてから、電極体20を形成するために巻回されるまでの間の過程において、正極活物質及び負極活物質が塗布される。この工程において、正極活物質及び負極活物質はそれぞれ、正極基材箔21a及び負極基材箔22a上で、スリット21f及び22f内を埋めてスリット21f及び22fを覆い隠すように層を形成する、つまり正極活物質層21b及び負極活物質層22bを形成する。そして、正極基材箔21a及び負極基材箔22aそれぞれでは、正極活物質及び負極活物質の形成部と、正極活物質層非形成部21e及び負極活物質層非形成部22eとが、形成される。
さらに、正極活物質及び負極活物質の塗布及び乾燥が完了した後の正極基材箔21a及び負極基材箔22aが、電極体20を形成するために、セパレータ23及び24と共に重ね合わされつつ、巻回軸Aを中心に巻回される。つまり、正極基材箔21a及び負極基材箔22aが積層され、電極体20を形成する(工程S3)。この際、正極基材箔21a、負極基材箔22a並びにセパレータ23及び24は、重ね合わされた状態で、巻き芯に巻きつけられ、さらに、巻き芯が回転されることによって、巻き芯の周りに多重に巻回される。ロールからの正極基材箔21a及び負極基材箔22aの引き出し処理から正極基材箔21a及び負極基材箔22aの巻回処理までの一連の処理は、巻回機等によって連続的に実施され得る。そして、工程S1〜工程S3までの処理を実施することによって、電極体20の製造が完了する。
上述したように、実施の形態に係る蓄電素子100は、正極基材箔21a及び負極基材箔22a上にそれぞれ正極活物質層21b及び負極活物質層22bを有する正極板21及び負極板22が積層された電極体20と、容器10とを備える。蓄電素子100では、容器10は、ガス排出弁70が設けられた蓋体12を有し、正極基材箔21a及び負極基材箔22aはそれぞれ、弱化部21w及び22wを含み、弱化部21w及び22wは正極活物質層21b及び負極活物質層22bで覆われている。
上述の構成において、蓄電素子100の異常発生時に容器10内にガスが発生し容器10の内圧が上昇した場合、高い圧力のガスによって弱化部21w及び22wの正極基材箔21a及び負極基材箔22aが破断し、それにより、正極板21及び負極板22が破断する。破断した正極板21及び負極板22は、電極体20にガスの流路を形成する。よって、容器10の内圧の上昇により開放するガス排出弁70から流出するガスが発生する気流によって、電極体20がガス排出弁70へ移動する場合でも、電極体20に形成される流路によって、容器10内からガス排出弁70へのガスの流路が確保され得る。また、弱化部21w及び22wが正極活物質層21b及び負極活物質層22bで覆われているため、弱化部21w及び22wの形成に起因する正極活物質層21b及び負極活物質層22bの形成面積の減少が抑えられ、これにより、電極体20のエネルギー密度の減少が抑えられる。
実施の形態に係る蓄電素子100において、電極体20の正極基材箔21a及び負極基材箔22aの弱化部21w及び22wの少なくとも一部は、ガス排出弁70に対向する位置に配置される。上述の構成において、弱化部21w及び22wは、電極体20におけるガス排出弁70に対向する位置にガスの流路を形成し得る。このため、電極体20が移動して蓋体12に当接しガス排出弁70に覆い被さる場合でも、容器10内からガス排出弁70へのガスの流路が効果的に確保され得る。
実施の形態に係る蓄電素子100において、電極体20の正極基材箔21a及び負極基材箔22aの弱化部21w及び22wはそれぞれ、正極基材箔21a及び負極基材箔22aに形成されたスリット21f及び22fを含む。なお、弱化部21w及び22wはそれぞれ、正極基材箔21a及び負極基材箔22aに形成された溝部を含んでもよい。上述の構成において、正極基材箔21a及び負極基材箔22aに、スリット又は溝を形成するだけで弱化部21w及び22wが形成されるため、弱化部21w及び22wの形成が簡易である。
実施の形態に係る蓄電素子100において、電極体20の正極基材箔21a及び負極基材箔22aの弱化部21w及び22wはそれぞれ、複数のスリット21f及び22fを含んで形成され、複数のスリット21f及び22fは、蓋体12から離れる方向に沿って列状に並ぶように配置される。なお、弱化部21w及び22wはそれぞれ、正極基材箔21a及び負極基材箔22aに形成された複数の溝部を含んでもよい。上述の構成において、弱化部21w及び22wは、破断時に、蓋体12に対して遠位から近位に向かうガスの流路を形成し得る。よって、容器10内からガス排出弁70へガスを効果的に導くガスの流路が形成される。
実施の形態に係る蓄電素子100において、電極体20の正極基材箔21a及び負極基材箔22aの弱化部21w及び22wはそれぞれ、複数層の正極板21及び負極板22に配置され、複数層の正極板21及び負極板22の弱化部21w及び22wは、正極板21及び負極板22の積層方向に沿って並ぶように配置される。上述の構成において、複数層の正極板21及び負極板22の弱化部21w及び22wが、その積層方向でラップして並ぶ。これにより、弱化部21w及び22wで正極板21及び負極板22が破断した場合、ガスの流路は、電極体20における正極板21及び負極板22の積層方向にも延びる。よって、電極体20内を通過しつつ容器10内からガス排出弁70へガスを効果的に導くガスの流路が形成される。
本発明に係る蓄電素子100の製造方法は、正極基材箔21a及び負極基材箔22aにスリット21f及び22fを設ける工程と、スリット21f及び22fが設けられた正極基材箔21a及び負極基材箔22aにそれぞれ正極活物質及び負極活物質を塗布し正極板21及び負極板22を形成する工程と、正極板21及び負極板22を積層して電極体20を形成する工程とを含む。なお、正極基材箔21a及び負極基材箔22aに、スリット21f及び22fの代わりに又はスリット21f及び22fに加えて、溝が設けられてもよい。上述の方法によって、実施の形態に係る蓄電素子100と同様の効果が得られる。また、スリット21f及び22f等の形成後に、正極活物質及び負極活物質が塗布されるため、スリット21f及び22f等の部分を含む正極基材箔21a及び負極基材箔22aの全体への正極活物質層21b及び負極活物質層22bの形成が可能である。
反対に、正極活物質層21b及び負極活物質層22bの形成後にスリット21f及び22f等を形成する場合、スリット21f及び22f等の部分において、正極活物質及び負極活物質が除去されるため、好ましくない。具体的には、正極活物質層21b及び負極活物質層22bの形成後にスリット21f及び22fを形成する際、スリット21f及び22f以外の部分でも正極活物質及び負極活物質が脱落する虞がある。さらに、スリット21f及び22fを形成する際、正極基材箔21a及び負極基材箔22aにおいて、スリット21f及び22fの周縁にバリが生じる可能性がある。バリは、セパレータ23及び24を損傷する虞があり、これにより正極板21及び負極板22の内部短絡が発生する虞がある。しかしながら、このようなバリは、正極活物質又は負極活物質によって覆われているため、発見が困難である。
上述のような事象に対して、正極活物質層21b及び負極活物質層22bが形成されていない段階で正極基材箔21a及び負極基材箔22aにスリット21f及び22fを設けることは、正極基材箔21a及び負極基材箔22aでのバリ等の変形の発生、並びに、バリ等の変形に起因するセパレータ23及び24の損傷の発生を抑制できる。さらに、バリ等の変形が発生した場合でも、その発見が容易であり、変形部位の手直し及び除去も容易に行うことができる。
[変形例]
また、実施の形態の変形例に係る蓄電素子200として、以下のような構成が挙げられる。なお、以下の変形例の説明において、前出した図における参照符号と同一の符号の構成要素は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図7及び図8を参照すると、変形例に係る蓄電素子200は、容器10の蓋体12に対して横巻き型の電極体を備えるように構成されている。なお、図7は、実施の形態の変形例に係る蓄電素子200の図2と同様の分解斜視図である。図8は、図7の蓄電素子200の断面側面図であり、図3と同様に示す図である。そして、蓄電素子200において、横巻き型の電極体220は、巻回軸A方向の一方の端部220aが蓋体12に対向し且つ2つの湾曲部分が容器本体11の短側壁11d及び11fと対向する姿勢で、容器10内に配置される。この場合、電極体220の巻回軸Aが蓋体12と略垂直に交差する。
図9を参照すると、電極体220は、実施の形態に係る蓄電素子100の電極体20と同様に、一緒に巻回された正極板221、負極板222並びにセパレータ23及び24を含む。なお、図9は、図7の電極体220の一部を展開した斜視図である。
正極板221の正極基材箔221aは、その縁221ab及び221acのうちの縁221abに、複数の箔片状の正極集電タブ221adを含む。負極板222の負極基材箔222aは、その縁222ab及び222acのうちの縁222abに、複数の箔片状の負極集電タブ222adを含む。正極基材箔221a及び負極基材箔222aではそれぞれ、正極集電タブ221ad及び負極集電タブ222ad以外の領域に、正極活物質層21b及び負極活物質層22bが形成される。電極体220の端部220aにおいて、正極集電タブ221ad及び負極集電タブ222adはそれぞれ、1つの場所に集まり、正極集電タブ群224及び負極集電タブ群225を形成する。なお、正極集電タブ群224及び負極集電タブ群225の数量はいずれも、1つに限定されない。
正極基材箔221aには、複数のスリット21fが、正極基材箔221aを貫通して形成されている。具体的には、複数のスリット21fは、正極基材箔221aの縁221abから縁221acにわたって、縁221ab及び221acに略垂直な方向である巻回軸A方向に一列に配列され、巻回軸A方向に延びるスリット列221gを形成する。複数のスリット列221gが、正極基材箔221aの長手方向に間隔をあけて形成されている。本変形例では、各スリット列221gにおいて、複数のスリット21fの構成は、実施の形態に係る蓄電素子100の電極体20のスリット21fと同様であるが、異なっていてもよい。スリット21f同士の間に位置する正極基材箔221aの複数の正極基材箔連結部分221aaと、複数のスリット21fとは、正極基材箔221aに弱化部221wを形成する。
負極基材箔222aにも、複数のスリット22fが、負極基材箔222aを貫通して形成されている。具体的には、複数のスリット22fの構成は、正極基材箔221aのスリット21fと同様であるが、異なっていてもよい。複数のスリット22fは、負極基材箔222aの縁222abから縁222acにわたって、縁222ab及び222acに略垂直な方向である巻回軸A方向に一列に配列され、巻回軸A方向に延びるスリット列222gを形成する。複数のスリット列222gが、負極基材箔222aの長手方向に間隔をあけて形成されている。スリット22f同士の間に位置する負極基材箔222aの複数の負極基材箔連結部分222aaと、複数のスリット22fとは、負極基材箔222aに弱化部222wを形成する。
正極基材箔221a及び負極基材箔222aそれぞれの半巻回毎に、1つのスリット列221g及び222gが配置されている。複数のスリット列221g及び222gは、電極体220における中央付近、つまり巻回軸Aを通り且つ電極体220の平坦部分に略垂直な断面内又は当該断面の近傍に位置している。正極活物質層21b及び負極活物質層22bはそれぞれ、各スリット21f及び22fの内部を埋めつつ、各スリット21f及び22fを覆い隠すように、正極基材箔221a及び負極基材箔222aに形成される。
よって、電極体220において、電極体220の平坦部分に略垂直な方向、つまり電極体220の扁平な方向に略垂直な方向に積層される正極板221及び負極板222の全ての層に、スリット21f又は22fが形成される。さらに、正極基材箔221aの複数のスリット列221gと負極基材箔222aの複数のスリット列222gとは、正極板221及び負極板222の積層方向で互いに重なるように位置する。これにより、スリット21f及び22fは、正極板221及び負極板222の積層方向に沿って並ぶように位置する。しかしながら、スリット21f及び22fの一部が、上記並びからずれて位置してもよい。
図7及び図8を参照すると、電極体220の正極板221及び負極板222はそれぞれ、正極集電タブ群224及び負極集電タブ群225を介して、正極端子30及び負極端子40と電気的に接続される。具体的には、正極端子30の軸部30aと接続された板状の正極集電体250が、正極リード板251を介して、電極体220の正極集電タブ群224に接続される。負極端子40の軸部40aと接続された板状の負極集電体260が、負極リード板261を介して、電極体220の負極集電タブ群225に接続される。
容器本体11に収容された電極体220において、スリット列221g及び222gは、実施の形態に係る蓄電素子100の電極体20のスリット列21g及び22gと同様に、蓋体12のガス排出弁70に対向する位置に位置する。よって、蓄電素子200の異常発生時に生じるガスによって、電極体220は、実施の形態に係る蓄電素子100の電極体20と同様の挙動を示す。また、変形例に係る蓄電素子200におけるその他の構成及び動作は、実施の形態に係る蓄電素子100と同様であるため、その説明を省略する。さらに、変形例に係る蓄電素子200によると、実施の形態に係る蓄電素子100と同様の効果が得られる。
[その他の変形例]
以上、本発明の実施の形態及び変形例に係る蓄電素子及びその製造方法について説明したが、本発明は、実施の形態及び変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及び変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子の電極体は、重ね合わされた正極板、負極板及びセパレータを巻回して形成される巻回型の電極体であったが、これに限定されない。電極体は、多数の正極板、負極板及びセパレータを重ねて形成されるスタック型の電極体であってもよく、重ねられた一組又は二組以上の正極板、負極板及びセパレータを複数回折り曲げて形成されるZ型の電極体であってもよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子の電極体では、スリット21f及び22fは、全ての層の正極板及び負極板に形成されていたが、これに限定されない。例えば、実施の形態に係る蓄電素子の電極体20において、全巻回の正極板及び負極板に形成されていたスリット21f又は22fを、複数巻回につき1巻回以上の正極板及び負極板に形成してもよい。また、変形例に係る蓄電素子の電極体220において、1巻回毎に正極板及び負極板に形成されていた2つのスリット列221g及び222gを、例えば1つのスリット列としてもよい。このとき、スリット列221g及び222gは、巻回軸Aを通り且つ電極体220の平坦部分に沿う断面を境界として、電極体220の一方の側にのみ配置されてもよく、電極体220の両方の側に均等に又はランダムに配置されてもよい。また、スリット列221g及び222gは、1巻回毎に正極板及び負極板に形成されなくてもよく、複数巻回につき1巻回以上の正極板及び負極板に形成されてもよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子の電極体では、スリット21f及び22fは、容器10の蓋体12から底壁11bへ向かう方向で、電極体の全体にわたって形成されていたが、これに限定されない。スリット21f及び22fは、蓋体12から底壁11bへ向かう方向で、例えば、蓋体12から電極体の中央までの領域に形成されるだけでもよい。この構成によっても、スリットでの破断によって電極体に形成されるガス流路は、容器10内の空間をガス排出弁70に連通することが可能である。
実施の形態に係る蓄電素子の電極体20が上述の構成を有する場合、例えば図10に示されるように、電極体20の2つの湾曲部分のうちの蓋体12と対向する湾曲部分の頂部である突出縁端20cと、巻回軸Aを通り且つ2つの湾曲部分の中間に位置する電極体20の中央20dとの間の領域内にのみ、スリット21f及び22fが形成される。なお、図10は、実施の形態の別の変形例に係る蓄電素子の断面側面図であり、図3と同様に示す図である。また、変形例に係る蓄電素子の電極体220が上述の構成を有する場合、例えば図11に示されるように、電極体220の巻回軸A方向の一方の端部220aから他方の端部220bまでの中間に位置する電極体220の中央220dと、端部220aとの間の領域内にのみ、スリット21f及び22fが形成される。なお、図11は、実施の形態のさらに別の変形例に係る蓄電素子の断面側面図であり、図3と同様に示す図である。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子の電極体では、スリット21f及び22fは、正極板及び負極板のそれぞれに形成されていたが、これに限定されず、正極板又は負極板に形成されてもよい。例えば、実施の形態及び変形例のように正極基材箔が、アルミニウム、アルミニウム合金等から形成され、負極基材箔が、銅、銅合金等から形成される場合、負極基材箔の方が高い融点を有する。よって、容器10内の昇温による溶融等の影響をより受けない負極基材箔に、スリットを形成する方が望ましい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子の電極体では、スリット21f及び22fは、スリット列に沿う方向を長手方向とする細長の矩形形状であったが、これに限定されない。スリット21f及び22fは、スリット列が延びる方向と交差する方向、例えば、直交する方向を長手方向としてもよい。スリット21f及び22fの形状は、細長な矩形形状に限定されず、いかなる形状であってもよい。例えば、スリット21f及び22fの形状は、円、楕円、長円、多角形等又はこれらの組み合わせであってもよく、孤等の曲線を形成するように湾曲した形状であってもよい。スリット21f及び22fの形状及び寸法はそれぞれ、正極活物質及び負極活物質がスリット21f及び22f内を埋めつつ正極活物質層21b及び負極活物質層22bを形成することができるような形状及び寸法であることが望ましい。
また、スリット21f及び22fは、正極基材箔及び負極基材箔を貫通せずに、正極基材箔及び負極基材箔を薄肉化する溝等の凹部であってもよい。凹部の形状は、貫通孔を形成するスリットと同様の形状であってもよい。凹部での正極基材箔21a及び負極基材箔22aの厚さは、凹部以外での厚さよりも小さくされることが、望ましい。例えば、正極基材箔21a及び負極基材箔22aの凹部以外での厚さが、約10μmである場合、凹部での厚さは、約6μmとされ得る。凹部の形成は、正極基材箔21a及び負極基材箔22aへのプレス加工等の加工によって形成される。このようなケースでも、正極基材箔21a及び負極基材箔22aにおいて、凹部と、凹部間の部分とが、弱化部を構成する。そして、正極板及び負極板は、凹部により構成される弱化部で低い強度を有し、破断しやすい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子の電極体では、スリット列21g、22g、221g及び222gの形状は、直線状であったが、これに限定されない。スリット列の形状は、屈曲、湾曲等を含むいかなる形状であってもよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子の電極体では、スリット列21g、22g、221g及び222gは、一列に並ぶ複数のスリット21f及び22fで構成されていたが、これに限定されない。1つのスリット列が、複数列を形成して並ぶスリットを含んでもよい。この場合、1つのスリット列内で隣り合う列のスリットは、スリット列と垂直な方向で並列に配置されてもよく、千鳥に配置されてもよい。又は、1つのスリット列内で、スリットは、整列されずにランダムに配置されてもよい。例えば、スリットが、帯形状の領域等の所定の領域内でランダムに配置されてもよい。上述のような構成のスリット列においても、正極板及び負極板は破断しやすい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子の電極体では、複数のスリット21f及び22fが、スリット列に沿って、互いに間隔をあけて配置されていたが、これに限定されない。例えば、スリット列に沿って並ぶ複数のスリット21f及び22fの一部が連続していてもよい。いずれの場合も、正極基材箔及び負極基材箔が、スリット列において完全に分離されなければよい。
実施の形態に係る蓄電素子100では、電極体20は、正極活物質層非形成部21e及び負極活物質層非形成部22eでそれぞれ正極集電体50及び負極集電体60が接続される構成であったが、これに限定されない。電極体は、少なくとも1つの端部に、正極基材箔から突出する正極集電タブによって構成される正極集電タブ群と、負極基材箔から突出する負極集電タブによって構成される負極集電タブ群とを有していてもよい。上述の構成において、正極集電タブ群及び負極集電タブ群がそれぞれ、正極集電体及び負極集電体に接続される。変形例に係る蓄電素子200では、電極体220は、端部220aに正極集電タブ群224及び負極集電タブ群225を有していたが、これに限定されない。電極体は、その2つの対向する端部のそれぞれに、正極活物質層非形成部及び負極活物質層非形成部を有してもよい。この場合、正極活物質層非形成部及び負極活物質層非形成部がそれぞれ、正極集電体及び負極集電体に接続される。
また、実施の形態及び変形例に係る蓄電素子の電極体では、セパレータ23及び24には、スリットが形成されていなかったが、セパレータ23及び24にも、正極基材箔及び負極基材箔と同様のスリットが形成されてもよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子は、1つの電極体を備えていた。しかしながら、蓄電素子は、2つ以上の電極体を備えるものであってもよい。
また、実施の形態及び変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。また、本発明は、上述のような蓄電素子として実現することができるだけでなく、1つ以上の蓄電素子を備える蓄電装置においても実現することができる。例えば、蓄電装置は、配列されて配置された複数の蓄電ユニットを備え、各蓄電ユニットは、配列されて配置された複数の蓄電素子100を備えるように構成され得る。上述の構成によって、蓄電装置の高出力が可能となる。さらに、複数の蓄電素子100が、1ユニットとして使用され、蓄電装置に必要な電気容量、蓄電装置の形状及び寸法等に対応して、蓄電ユニットの数量及び配列が選択され得る。
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子等に適用できる。
10 容器
12 蓋体(壁部)
20,220 電極体
21,221 正極板(極板)
21a,221a 正極基材箔(基材箔)
21b 正極活物質層(活物質層)
21f,22f スリット
21g,22g,221g,222g スリット列
21w,22w,221w,222w 弱化部
22,222 負極板(極板)
22a,222a 負極基材箔(基材箔)
22b 負極活物質層(活物質層)
70 ガス排出弁
100,200 蓄電素子

Claims (6)

  1. 基材箔上に活物質層を有する極板が積層された電極体と、容器とを備える蓄電素子であって、
    前記容器は、ガス排出弁が設けられた壁部を有し、
    前記基材箔は、弱化部を含み、
    前記弱化部は前記活物質層で覆われている
    蓄電素子。
  2. 前記弱化部の少なくとも一部は、前記ガス排出弁に対向する位置に配置されている
    請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記弱化部は、前記基材箔に形成されたスリット及び溝部の少なくとも一方を含む
    請求項1または2に記載の蓄電素子。
  4. 前記弱化部は複数のスリット及び複数の溝部の少なくとも一方を含んで形成され、前記複数のスリット及び前記複数の溝部の少なくとも一方は、前記壁部から離れる方向に沿って列状に並ぶように配置される
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  5. 前記弱化部が、複数層の前記極板に配置され、
    前記複数層の極板の前記弱化部は、前記極板の積層方向に沿って並ぶように配置される
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  6. 基材箔にスリット及び溝の少なくとも一方を設ける工程と、
    前記スリット及び前記溝の少なくとも一方が設けられた前記基材箔に活物質を塗布し極板を形成する工程と、
    前記極板を積層して電極体を形成する工程とを含む
    蓄電素子の製造方法。
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