JP2018049199A - 局所ウェットエッチング装置及びフォトマスク用基板の製造方法 - Google Patents

局所ウェットエッチング装置及びフォトマスク用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フォトマスク用基板を、意図しない部分をエッチングすることなく、精度よく局所ウェットエッチングでき、局所ウェットエッチング起因の欠陥の発生が少なく、且つ機構が比較的簡単な局所ウェットエッチング装置を提供する。【解決手段】ガラス基板101を支持する基板支持手段と、基板支持手段によって支持されたガラス基板101の主表面に対向するようにガラス基板101の下側に配置されるウェットエッチング手段と、基板支持手段とウェットエッチング手段とを相対移動させる相対移動手段を備え、ウェットエッチング手段は上面にウェットエッチング液をガラス基板の主表面に供給する開口部を有し、少なくともこの開口部におけるガラス基板101の主表面と対向する面はウェットエッチング液に対して撥液性を有する材料で構成されているウェットエッチング槽と、リンス槽と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば液晶表示装置、FPD(Flat Panel Display)等の製造に用いられるフォトマスク用基板を製造する際に用いられる局所ウェットエッチング装置、及び局所ウェットエッチングを行ってフォトマスク用基板を製造するフォトマスク用基板の製造方法に関する。
近年、液晶表示装置製造用のフォトマスクは大型化が進んでいる。具体的には、一辺500mm以上の方形のものが多用されるようになり、特に最近は一辺1000mm以上の方形のものも使用されてきている。
これらのフォトマスクでは、そのフォトマスクを製造する際に用いられるフォトマスク用基板の主表面に対して高い平坦度が要求されている。
フォトマスク用基板の平坦化を行うため、局所ウェットエッチングを研磨と併用する方法がある。その方法では、基板主表面における所定の基準を超えた大きさの凸部に対して局所的にウェットエッチングを行い、基板主表面を所定の範囲の平坦度に収めた後、研磨を行って所望の平坦度を得る。
又、フォトマスクは、使用を繰り返すことで汚れたり、傷が生じたりして使用不可能になること、及び仕様変更に伴って不要になることがある。こうした場合、使用済みフォトマスクを廃棄して新たなフォトマスクを製造するよりも、使用済みフォトマスクを再利用してフォトマスクを製造(リサイクル)する方が、製造コストの低減や資源活用の観点から有効である。特に、大きなサイズのフォトマスクでは、大型で高価な透明基板(ガラス基板)が用いられているが、このような透明基板を再利用することができれば、特に大きな効果が得られる。
この場合も、比較的領域が広く高さも高い凸部を局所的にウェットエッチングして、平坦化処理を行うと所望の平坦度を有するフォトマスク用基板を効率的に製造(リサイクル)することができるので有効である。特に、基準値を満たす板厚の確保が重要なフォトマスク用基板のリサイクルでは、局所ウェットエッチングと研磨の併用によるフォトマスク用基板の平坦化は、研磨量を相対的に少なくしやすいので有効である。
局所ウェットエッチングを行うための装置としては、特許文献1に示されるように、ウェットエッチング液を供給する供給手段と、その供給手段を取り囲むようにウェットエッチング液を吸引する吸引手段とが備えられたウェットエッチングユニットを有するものが知られている。その装置では、前記ウェットエッチングユニットをガラス基板の被ウェットエッチング加工面に近接させ、前記供給手段からウェットエッチング液を供給するとともに、供給したウェットエッチング液を吸引手段で吸引する。この方法では、ウェットエッチングユニットとガラス基板とが対面する間隙のみにウェットエッチング液が満たされてウェットエッチングが行われる。ウェットエッチングユニットを被加工ガラス基板上で走査(移動)し、その移動速度を場所とともに変化させることによって、被加工ガラス基板のエッチング量に面内分布を与え、局所ウェットエッチングを行う。
特許第5652381号公報
特許文献1に記載の従来のフォトマスク用基板の局所ウェットエッチングは、前記のように、ウェットエッチングユニットとガラス基板とが対面する間隙にウェットエッチング液を満たし、ウェットエッチングユニットをガラス基板上で移動させることによって所望の場所を含む領域をウェットエッチングする。この際、ウェットエッチングユニットがガラス基板から一定の間隔以上離れるとウェットエッチング液の吸引が不十分になり、ウェットエッチング液がウェットエッチングユニットとガラス基板との隙間の外に流れ出し、所望のウェットエッチングを行うことが困難になる。このため、ウェットエッチングユニットをガラス基板と一定の間隔に保つようにして、ウェットエッチングユニットとガラス基板の間にウェットエッチング液を常に保持しながら、ウェットエッチングユニットをガラス基板に対して移動させる。
特許文献1記載のウェットエッチング方法では、ウェットエッチング液は、ウェットエッチングユニットとともにガラス基板の表面に接して連続的に移動するため、例えば、ガラス基板面上の孤立した領域に対して局所ウェットエッチングを実施したい場合でも、ウェットエッチングユニットがその孤立した領域に至る道中に対しウェットエッチングが行われる。ウェットエッチングの量は、ウェットエッチングユニットの移動速度を変えることによって調整可能であるが、意図しない領域もウェットエッチングするという問題がこの局所ウェットエッチング方法にあった。
又、特許文献1記載の局所ウェットエッチング方法では、ウェットエッチングユニットにウェットエッチング液供給系と吸引系が組み込まれ、且つウェットエッチング液供給の量及びその速度と、吸引の量と速度を精密に制御する必要がある。又、ウェットエッチングユニットを、ガラス基板と一定の間隔を保ちつつ、速度制御しながら移動させる機構を備える必要がある。このため、この局所ウェットエッチング装置は機構が比較的複雑で、製造コストも高いという問題がある。
局所ウェットエッチングを行う別の機構の装置としては、ウェットエッチング液をノズルから噴水のように噴出してウェットエッチング液をガラス基板に接触させる方式のものも考えられる。この方式のものは、機構が比較的簡単であるが、ガラス基板面へのウェットエッチング液の供給に変動が生じやすく、又、ウェットエッチング液の飛沫が発生しやすい。局所ウェットエッチングを行う領域以外の意図しない部分にウェットエッチング液の飛沫が付着すると、その場所がウェットエッチングされて欠陥になりやすいという問題が起こる。
本発明は、フォトマスク用基板を、意図しない部分をエッチングすることなく、精度よく局所ウェットエッチングでき、局所ウェットエッチングに伴う欠陥の発生が少なく、且つ機構が比較的簡単な局所ウェットエッチング装置を提供することを目的としている。又、ガラス基板凸部のみを局所的にウェットエッチングすることにより、平坦度の高いフォトマスク用基板を製造するためのフォトマスク用基板の製造方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
ガラス基板の主表面をウェットエッチング液によって局所的に加工してフォトマスク用基板を製造する局所ウェットエッチング装置において、
ガラス基板を支持する基板支持手段と、
前記基板支持手段によって支持された前記ガラス基板の主表面に対向するように前記ガラス基板の下側に配置されるウェットエッチング手段と、
前記基板支持手段と前記ウェットエッチング手段とを相対移動させる相対移動手段を備え、
前記ウェットエッチング手段は上面に前記ウェットエッチング液を前記ガラス基板の主表面に供給する開口部を有し、少なくとも前記開口部における前記ガラス基板の主表面と対向する面は前記ウェットエッチング液に対して撥液性を有する材料で構成されているウェットエッチング槽と、リンス槽と、を有することを特徴とする局所ウェットエッチング装置。
(構成2)
前記ウェットエッチング槽は、前記開口部の上面から流出したウェットエッチング液を回収する回収手段を備えることを特徴とする構成1記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成3)
前記開口部を構成する材料は、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする構成1又は2に記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成4)
前記開口部の縁部は、所定の厚みを有し、当該縁部の最内周の高さが最外周の高さよりも低い傾斜面を備えていることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成5)
前記開口部の形状は、平面視で矩形であることを特徴とする構成1及至4のいずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成6)
前記傾斜面は、前記基板支持手段と前記ウェットエッチング手段とが水平移動する方向に備えられていることを特徴とする構成5記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成7)
前記開口部は、前記基板支持手段と前記ウェットエッチング手段とが水平移動する方向に垂直な方向に、前記ウェットエッチング液が前記開口部の下面に向かって流出する流路を備えていることを特徴とする構成5又は6記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成8)
前記ウェットエッチング槽は、前記基板支持手段に対して水平移動する方向に垂直な方向に複数配置されていることを特徴とする構成1及至7いずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成9)
前記相対移動手段は、前記ウェットエッチング手段を上下方向に移動させる上下移動手段を備えていることを特徴とする構成1及至8いずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成10)
前記上下移動手段は、前記ウェットエッチング液及び前記ウェットエッチング液により発生する腐食性ガスから隔離する隔離手段を備えていることを特徴とする構成9に記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成11)
前記相対移動手段は、前記基板支持手段を水平方向に移動させる水平移動手段を備えることを特徴とする構成1及至10いずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
(構成12)
構成1乃至11のいずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置を用いて、
前記ガラス基板を前記基板支持手段に載置し、
前記相対移動手段を用いて、局所ウェットエッチングを行う前記ガラス基板の所定の場所に前記ウェットエッチング手段をセットし、
前記ガラス基板の所定の場所を局所ウェットエッチングすることを特徴とするフォトマスク用基板の製造方法。
(構成13)
ガラス基板の主表面上の一部に対してウェットエッチング液を接触させることにより局所ウェットエッチングを行ってフォトマスク用基板を製造するフォトマスク用基板の製造方法において、
前記局所ウェットエッチングを行う前記ガラス基板の主表面が下向きになるように前記ガラス基板を保持し、
開口部を有し、少なくとも前記開口部の前記ガラス基板主表面と対向する面は前記ウェットエッチング液に対して撥液性を有する材料で構成されたウェットエッチング槽と、リンス槽とを用意し、
前記ウェットエッチング槽の前記開口部の上面に前記ウェットエッチング液を保持し、
前記ウェットエッチング手段を前記ガラス基板の主表面に近接させることによって前記ウェットエッチング液を前記ガラス基板の主表面に接触させて局所ウェットエッチングを行った後、リンス槽により前記ガラス基板主表面に残留するウェットエッチング液を除去することを特徴とするフォトマスク用基板の製造方法。
本発明の局所ウェットエッチング装置によれば、前記開口部における前記ガラス基板の主表面と対向する面はウェットエッチング液に対して撥液性を有する材料で構成されているため、前記開口部上に保持されるウェットエッチング液の液面の高さは主にこの撥液性材料とウェットエッチング液との界面張力、及びウェットエッチング液の表面張力という使用する材料の物性で決まる。このため、このウェットエッチング液面の高さを開口部より高い状態で(盛り上がった状態で)形成でき、且つその高さの変動は抑えられる。ウェットエッチング液の液面の高さが開口部より高い状態で安定していると、前記相対移動手段によって、局所ウェットエッチングを行う前記ガラス基板の主表面上の所定の領域に対してウェットエッチング液を接触させたり、非接触にさせたりする精度、すなわち局所ウェットエッチングの精度を高めることが可能になる。
又、このウェットエッチング液の液面は、液体の流れによって生じるものではないため、ウェットエッチング液の飛沫も発生しにくく、ウェットエッチング液の飛沫がガラス基板101上の意図しない領域に付着してエッチング欠陥が発生するという問題も起こしにくい。
又、前記相対移動手段によりウェットエッチング液面が保持された前記開口部をガラス基板主表面上の所望の位置に移動させてガラス基板主表面上のその領域のみにウェットエッチング液を接触させることができるので、本発明では、意図しない領域のエッチングを防止できる。このため、例え局所ウェットエッチングを行う領域が基板上の孤立した領域であっても、意図しない他の領域をウェットエッチングすることなく、所定の領域を局所ウェットエッチングすることができる。
本発明の局所ウェットエッチング装置によれば、ウェットエッチング液の液面高さが安定しているのでウェットエッチングを精度よく行うことができ、目的の場所以外の意図しない領域をエッチングすることなく、且つ、ウェットエッチング液飛沫によるエッチング欠陥の発生を抑制できる。さらに、本発明の局所ウェットエッチング装置には、その機構を比較的簡単にできるという特徴がある。
本発明のフォトマスク用基板の製造方法では、ウェットエッチング液に対して撥液性を有する材料で前記開口部が構成されているため、前記開口部上に保持されるウェットエッチング液の液面の高さは安定し、前記ガラス基板の主表面上の所定の場所に対してウェットエッチング液を接触させたり、非接触にさせたりする精度、すなわち局所ウェットエッチングの精度を高いものにすることができる。
又、このウェットエッチング液の液面が、液体の流れではなくウェットエッチング液と撥液性材料との界面張力やウェットエッチング液の表面張力で形成されているので、液流によるウェットエッチング液の飛沫も発生しにくく、ウェットエッチング液の飛沫がガラス基板主表面上の意図しないウェットエッチング用設備に付着してエッチング欠陥が発生することを抑制できる。
このため、本発明のフォトマスク用基板の製造方法により、ガラス基板に対して精度の高い局所ウェットエッチングを行うことができるので、平坦度の高いフォトマスク用基板を製造することが可能になる。しかも本発明のフォトマスク用基板の製造方法には、ウェットエッチング起因の欠陥が発生しにくいという効果がある。
本発明の第1の実施形態における局所ウェットエッチング装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態におけるエッチング手段の平面図である。 本発明の第1の実施形態におけるウェットエッチング処理部及びリンス処理部の断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるウェットエッチング槽の平面図である。 図4におけるA―A’の線に沿った断面図である。 図4におけるB―B’の線に沿った断面図である。 ウェットエッチング液面の状態を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるウェットエッチング処理部及びリンス処理部の断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるウェットエッチング処理部及びリンス処理部の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。ここで、図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
実施形態1.
第1の実施形態では、本発明の局所ウェットエッチング装置の構成と機能について図1から図9を参照しながら説明する。
本発明の局所ウェットエッチング装置1は、ローダー部11、ウェットエッチング処理部12、ウェットエッチング槽駆動機構部13、リンス処理部14、乾燥処理部16、アンローダー部15を備えている。
ローダー部11は、後述の基板支持手段である搬送用治具に載置されたガラス基板101の受け入れ口で、ローダー部11にセットされたガラス基板101はウェットエッチング処理部12へ送り出される。
ウェットエッチング処理部12は、ウェットエッチング手段としての、ウェットエッチング液を保持することができるウェットエッチング槽34を備えていて、ウェットエッチング槽34に保持されたウェットエッチング液をガラス基板101の所定の場所に接触させて局所ウェットエッチングを行う。
ウェットエッチング槽駆動機構部13は、ウェットエッチング手段を上下方向に移動させる上下移動手段であって、具体的には、ウェットエッチング槽34を上下移動(上下動)させるための駆動装置を備えている。ウェットエッチング槽34を上下動させることにより、ウェットエッチング液のガラス基板101の主表面への接触、非接触を制御する。
リンス処理部14は、リンス槽41を備えていて、ウェットエッチング液が付着したガラス基板101をリンス処理する。
乾燥処理部16は、エアブローワーなどの乾燥機を備えていて、リンス液が付着したガラス基板101を乾燥処理する。
アンローダー部15は、一連の局所ウェットエッチング処理を行ったガラス基板101の出口で、ここに着いた局所ウェットエッチング済みのガラス基板101は搬送用治具から取り出される。
又、本発明の局所ウェットエッチング装置は、ガラス基板を保持する基板支持手段とウェットエッチング手段とを相対移動させる相対移動手段を備えている。この相対移動手段は、ガラス基板移動手段であるガラス基板駆動系とウェットエッチング槽駆動機構部13からなる。ガラス基板駆動系は基板支持手段とともにそこに載置されたガラス基板を水平方向に移動させる手段であり、ウェットエッチング槽駆動機構部13は、前記のように、ウェットエッチング手段を上下移動させる手段である。
ガラス基板101の搬送(移動)は、基板支持手段を用いて行う。この基板支持手段は、ウェットエッチング処理を行うための開口を有する搬送用治具(図示なし)であって、搬送用治具にてガラス基板101の側面、ガラス基板101下面の外周部の一部の少なくともいずれかを保持し、ガラス基板101を搬送用治具に固定して使用される。搬送用治具の材料としては、ステンレス、カーボンファイバーなどを挙げることができる。搬送用治具は、ウェットエッチング液が近くに存在する環境下にて使用されるので、搬送用治具を薬品耐性の高い材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレンで表面処理(表面コーティング)しておくことが好ましい。
ガラス基板101の移動手段としては、ガラス基板搬送用レールを用いる方法やロボットアームを用いて移動させる方法などがある。
ガラス基板搬送用レールを用いる方法は、図1に示したように、ローダー部11においてガラス基板搬送用レール21上にガラス基板101を載置した搬送用治具をセットした後、ガラス基板搬送用レール21上でガラス基板駆動系(図示せず)によりその搬送用治具をウェットエッチング処理部12などを通ってアンローダー部15に向かって移動させる方法である。ガラス基板搬送用レール21を用いるとガラス基板101を移動させるときの高さ方向の制御性を高めやすいという特徴がある。又、ローダー部11からアンローダー部に向かう方向をX方向としたとき、ガラス基板101をX方向へ移動する方式として装置小型化の面でも優れる。又、Y方向への駆動系を備えることによってY方向にガラス基板101を移動させることもできる。
ガラス基板101への局所ウェットエッチングは、ウェットエッチング槽34を備えるウェットエッチング用設備31を用いて行う。図3に示されるように、ウェットエッチング用設備31はウェットエッチング部32とアーム33からなっているが、ウェットエッチング部32の上下方向への移動機構の方式を変えてウェットエッチング用設備31をウェットエッチング部32のみで構成することも可能である。アーム33は、後述のように、ウェットエッチング部32を上下方向へ移動させるために使用される。
図3及び図4に示すように、ウェットエッチング部32は、ウェットエッチング液回収槽35を備えるウェットエッチング槽34からなり、ウェットエッチング槽34にはウェットエッチング液供給口36、ウェットエッチング液回収槽35にはウェットエッチング液回収口37が設けられている。
ウェットエッチング液回収口37から回収されたウェットエッチング液は、フィルター、温度調節機、及び必要に応じて濃度調整機を通して、ポンプにより、再びウェットエッチング液供給口へ供給される(図示なし)。したがって、本発明にはウェットエッチング液回収手段があって、ウェットエッチング液は、ウェットエッチング液供給口36から供給された後、ウェットエッチング槽34にウェットエッチング液の一部が溜められるとともに残りのウェットエッチング液は後述の流出流路を伝わってウェットエッチング液回収槽35に入り、ウェットエッチング液回収口37からフィルターなどを介して再度ウェットエッチング液供給口36へ供給される。このウェットエッチング液回収、循環システムにより、品質が管理されたウェットエッチング液を用いたウェットエッチングができるとともに、ウェットエッチング液を効率的に使用することが可能となる。
ウェットエッチング槽34の詳細を図4、5及び6を用いて説明する。図4は、ウェットエッチング槽34を含むウェットエッチング部32の平面図で、図5は、AとA′の線に沿った断面図、図6は、BとB′の線に沿った断面図である。ここで、AとA′を結ぶ線は、ローダー部11からアンローダー部15に向かうガラス基板101の移動方向であるX方向に沿っていて、BとB′を結ぶ線は、そのガラス基板101の移動方向と垂直な方向であるY方向に沿っている。
ウェットエッチング槽34は縁部が所定の厚みを有する開口が上面に形成されている。AとA′を結ぶ線での開口部縁部の断面形状34c(基板支持手段に載置されたガラス基板101の進行方向であるX方向に面するウェットエッチング槽34の壁面34aの上端縁部の断面形状34c)は、最内周の高さが最外周の高さよりも低い傾斜面を備えた傾斜形状である。一方、BとB′を結ぶ線での開口部縁部の断面形状34d(基板支持手段に載置されたガラス基板101の進行方向に対して垂直な方向であるY方向に面するウェットエッチング槽34の壁面34bの上端縁部の断面形状34d)は、最内周の高さが最外周の高さよりも高い傾斜面を備えた形状、すなわちウェットエッチング槽34の内側に溜まったウェットエッチング液が開口部の縁を越えて外側の壁面から下面に向かって流出しやすい内周側が高く、外周側が低い傾斜形状である。そして、ウェットエッチング槽の壁面34bの高さを、壁面34aの高さと同じか、少し低くして、壁面34bの上端部側からウェットエッチング液が流れ出しやすくして(オーバーフローしやすくして)、ウェットエッチング液が下面に向かって流出する流路を確保する。一方で、壁面34a側は、上端縁部の外側が内側よりも高い傾斜形状のため、ウェットエッチング液は流れ出しにくく、ウェットエッチング液を上端部一杯に溜めやすい。
尚、ウェットエッチング液は、ウェットエッチング槽から層流状態でオーバーフローさせる。このウェットエッチング液のオーバーフローは、ウェットエッチング液の液面高さを稼ぐのが目的ではなく、ウェットエッチング液を循環させて新鮮なウェットエッチング液をガラス基板101の主表面との接触面に供給することを目的とするため、その流量は少なくてよい。このため、このウェットエッチング液のオーバーフローの流れは層流にしやすく、ウェットエッチング液の飛沫の発生も防ぐことができる。
ウェットエッチング槽34の上面の開口部の形状は平面視で矩形であることが好ましい。
ガラス基板101のウェットエッチングは、この開口部に保持されたウェットエッチング液をガラス基板101の主表面に接触させ、ガラス基板101とこの開口部を有するウェットエッチング槽34を相対的に移動させて行う。このときのエッチング量はエッチングを受ける場所がウェットエッチング液に接触している時間で決まる。矩形でないとウェットエッチング液に接触している時間が場所によって異なり、ウェットエッチングを行う領域の中心部と周辺部でエッチング分布が生じるためであり、矩形にすることによりエッチング領域内での分布が少ない均一なエッチングを行うことができる。例えば、開口部の形状が平面視で円形であった場合は、円の中心を通る部分のエッチング量は大きく、円の周辺を通る部分のエッチング量は少なくなる。
ウェットエッチング槽34の少なくとも上面の開口部は、使用するウェットエッチング液に対して撥液性を有する材料で構成される。ウェットエッチング液230をウェットエッチング槽34に満たした状態でのAとA′を結ぶ線での断面形状である図7に示されるように、ウェットエッチング槽34の開口部を撥液性の材料で構成することにより、ウェットエッチング液の液面231は凸のメニスカスをもつ。このことにより、ウェットエッチング液の液面231は、ウェットエッチング槽34の壁面上端よりも高い位置に形成される。このときの高さをhとする。ウェットエッチング液の流動が少ない状態では、この高さhは、ウェットエッチング液230と開口部を形成する材料との界面張力、及びウェットエッチング液230の表面張力に依存する。高さhは物性依存であるため、その値は使用する材料で決まって安定しているという特徴がある。尚、この開口部を形成する材料の撥液性の程度を表す接触角は、使用するウェットエッチング液230に対して、90度以上が好ましく、より好ましくは120度以上が望ましい。
ウェットエッチング槽34の少なくとも上面の開口部を構成する材料は、ポリテトラフルオロエチレンであることが好ましい。この材料は、フッ酸を含有する溶液に対して十分な撥液性を有するからである。又、ポリテトラフルオロエチレンは、フッ酸水溶液、フッ化水素水、フッ化アンモニウム水溶液、フッ酸とフッ化アンモニウム水溶液からなるバッファードフッ酸などの、ガラス基板101をウェットエッチングする際に使用されるウェットエッチング液に対して高い薬品耐性を有する。このため、ポリテトラフルオロエチレンは、ウェットエッチング槽34の材料として好適である。
ウェットエッチング槽34は、ウェットエッチング槽駆動機構部13により、上下方向(Z方向)に移動される。ウェットエッチング槽34を上下方向に駆動する方式としては、回転アームを用いた回転アーム方式があるが、回転アーム方式以外の方式、例えば、パンタグラフ方式、ピストン方式、ウォームギア方式などを用いることもできる。駆動源は、アクチュエーター、モーター、電磁石、圧搾空気、ピエゾ素子などを用いることができる。
回転アーム方式は、ウェットエッチング部32に繋がれたアーム33を回転軸38を支点にしてアクチュエーター39により回転させるもので、アーム33の回転によりウェットエッチング部32に備えられているウェットエッチング槽34を上下方向に移動させる方式である(図2、3参照)。一例として、アーム33を回転させてウェットエッチング槽34を下げた状態を、ウェットエッチング処理部、ウェットエッチング機構部及びリンス処理部14の断面図である図8に示す。この方式では、アーム33が過大に回転してウェットエッチング槽34からウェットエッチング液が溢れないように、過大回転防止用のストッパー53を備えておくことが好ましい。ウェットエッチング槽34を上下方向に移動させることにより、ウェットエッチング槽34の開口部に保持されたウェットエッチング液とガラス基板101の主表面との接触、非接触を制御できる。尚、図3中の102は、ガラス基板101の局所ウェットエッチングが施される面であるガラス基板101の下面側の主表面の高さ方向の位置を示す基準線(ガラス基板下面高さ基準線)である。
アーム33を回転させるとウェットエッチング槽34も傾き、回転量が大きいとウェットエッチング槽34からウェットエッチング液が溢れやすくなる。これの溢れを防止するため、ウェットエッチング部32とアーム33の接続部にカム機構201を備えて、アーム33を回転させたときにウェットエッチング部32が傾斜しないようにするとなお好ましい(この場合のウェットエッチング処理部、ウェットエッチング機構部及びリンス処理部14の断面図である図9参照)。
ガラス基板101をウェットエッチングするときのウェットエッチング液としては、フッ酸水溶液、フッ化アンモニウム水溶液、フッ酸とフッ化アンモニウム水溶液からなるバッファードフッ酸、ケイフッ酸水溶液、フッ酸とケイフッ酸の混合水溶液など腐食性で有害なフッ酸系の溶液が用いられる。腐食を防止し、安全性を確保するためには、耐腐食処理を施したもの以外はウェットエッチング液に接触しないようにするとともに、ウェットエッチング液から発生するガスからも保護する必要がある。
回転アーム方式は、図3に示すように、腐食性ガスから隔離する隔離手段として隔壁51、及び排気口52を備えており、ウェットエッチング処理部12を他の場所と隔離し、腐食抑止と安全性確保を図ることができる。特に、この方式は、腐食性ガスに晒されると不具合を発生しやすいウェットエッチング槽駆動機構部13をウェットエッチング処理部12と隔壁51により隔離することができるので好ましく用いることができる。
ウェットエッチング槽34は、ウェットエッチング装置に1つ備えられていても複数備えられていてもよい。但し、ウェットエッチング槽34が1つの場合は、ガラス基板101をローダー部11からアンローダー部15に向かう方向(X方向)にも、その方向と垂直な方向(Y方向)にも移動させることが可能なガラス基板駆動系を備えて、ガラス基板101の主表面上のウェットエッチングを行う所定の場所がウェットエッチング槽34の上面開口部と対向できるようにする必要がある。
ウェットエッチング槽34を複数備える場合は、ローダー部11からアンローダー部15に向かう方向に対して垂直な方向(Y方向)に配置することが好ましい。言い換えれば、ガラス基板101を保持する基板支持手段に対して水平移動する方向に垂直方向に複数配置することが好ましい。この場合、図1に示すように、Y方向のみではなく、Y方向の位置をずらしてX方向にも複数配置する場合も含む。このようにすると、X、Y方向(水平面2軸方向)ガラス基板駆動系を用いた場合は、ガラス基板101のY方向移動量(ストローク)を少なくすることができる。又、Y方向に対してウェットエッチング槽34の開口部が隙間なく、又、重ならないようにウェットエッチング槽34を複数配置することにより、ガラス基板の移動方向がX方向のみのガラス基板駆動系を用いることができる。X方向のみの1軸駆動系は、水平面2軸駆動系より構造が簡単になるとともに、装置を小型化できるという特徴がある。ガラス基板101として大型ガラス基板を用いる場合は、装置の小型化は実用上重要である。
リンス処理部14は、リンス槽41とリンス液回収槽42を備え、リンス槽41にはリンス液供給口43及びリンス液排出口44が、又、リンス液回収槽42にはリンス液排液口45が備えられている。リンス槽41の上部には開口部46が設けられ、リンス液供給口43から供給されたリンス液により開口部までリンス液が満たされ、一部オーバーフローして開口部からリンス槽41の外壁面に沿ってリンス液が流れ出すようにする。リンス液排出口44及び開口部46から流れ出したリンス液はリンス液回収槽42に溜まり、リンス液排液口45から排出されて廃液となる。
開口部上のリンス液の液面がガラス基板下面高さ基準線102に接するか又はその基準線を越える高さになるようにリンス液供給口43からリンス液を供給して、ガラス基板101がリンス処理部14を移動する際に、ガラス基板101のウェットエッチングを行った主表面側をリンスする(図示せず)。
乾燥処理部16はエアブローワー61を備える。ガラス基板101が乾燥処理部16を移動する際に、エアブローワー61から乾燥空気又は乾燥窒素ガスなどの気体をガラス基板101の主表面に吹き付け、リンス処理を終えたガラス基板101の乾燥処理を行う。
第1の実施の形態に記載の比較的構造が簡単で、小型化が可能なウェットエッチング装置により、大型ガラス基板を含むガラス基板への局所ウェットエッチングを精度よく、低欠陥で、効率的に行うことが可能になる。
実施形態2.
第2の実施形態では、第1の実施形態に記載の局所ウェットエッチング装置を用いてガラス基板を局所ウェットエッチングしてフォトマスク用基板を製造する方法を示す。
まず、ガラス基板101を基板支持手段である搬送用治具に載置し、第1の実施の形態で示した局所ウェットエッチング装置のローダー部11にセットする。この際、ガラス基板101の下側の主表面が、ウェットエッチング槽34の開口部に保持されたウェットエッチング液面と対向するように、ウェットエッチングを行う面を下向きにしてガラス基板101を載置する。ここで、ガラス基板101の表面凹凸を光学式表面形状測定装置(表面凹凸形状測定装置)などを用いて測定しておき、局所ウェットエッチングを行う領域とそのときのエッチング量を求めておく。尚、表面形状測定装置をローダー部11とウェットエッチング処理部12の間に設置し、搬送用治具に載置されたガラス基板101がこの表面形状測定装置上を移動する際にウェットエッチングを行うガラス基板主表面の凹凸形状を測定してもよい。
ガラス基板101は、露光光に対して高い透過率とマスクステージに載置したときの形状変形が所定の範囲に収まる剛性を有するものであれば特に限定されない。ガラス基板101の材料も特に限定はなく、その材料としては、例えば、合成石英ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスを挙げることができる。ガラス基板101の大きさも特に制限はなく、例えば、縦×横×厚さが、800mm×920mm×10mm或いは1220mm×1400mm×13mmといった大型フォトマスク用のガラス基板、152mm×152mm×6.35mmの半導体製造に用いるフォトマスク用のガラス基板などを挙げることができる。ここで、大型フォトマスク用のガラス基板では、局所エッチングにイオンエッチングなどの物理エッチングを適用しようとすると巨大な大きさのエッチング装置が必要になるので、局所エッチングをウェットエッチングで行うことが特に好ましい。
次に、搬送用治具に載置されたガラス基板101をガラス基板駆動系によりウェットエッチング処理部12へ移動する。そこでは、ウェットエッチング槽34の開口部上にガラス基板101の主表面上のウェットエッチングを行う場所が来るようにガラス基板101を移動する。
通常状態では、ウェットエッチング槽34を下げておいてウェットエッチング液がガラス基板面と接触しないようにしておく。又、図7に示すようにウェットエッチング液面231がウェットエッチング槽34の最上端部より高くなるように(高さhとなるように)、ウェットエッチング液供給口36からウェットエッチング槽34にウェットエッチング液230を供給しておく。そして、ガラス基板101主表面上のウェットエッチングを行う場所がウェットエッチング槽34の開口部上に来たとき、ガラス基板面がウェットエッチング槽34には接触しないが、ウェットエッチング液230には接触する高さまでウェットエッチング槽34を上昇させてガラス基板101を局所的にウェットエッチングする。このとき、ガラス基板101のエッチング量は、ウェットエッチング液との接触時間で制御する。局所ウェットエッチングを行う領域がエッチング槽34の開口部よりも広い場合は、ガラス基板101を移動させてその領域全体をエッチングする。又、図1に示すように、ウェットエッチング槽34が複数備えられている場合は、局所ウェットエッチングを行う領域に対応するウェットエッチング槽34を、局所ウェットエッチングを行う領域にガラス基板101の主表面が来たときに上昇させて、ウェットエッチング液と接触させてウェットエッチングを行う。局所ウェットエッチングを終えると、ウェットエッチング槽34を下げてウェットエッチング液がガラス基板面と接触しないようにする。
ウェットエッチング液は、ガラス基板101をエッチングする液であれば特に限定されないが、フッ酸を含んだ液体を好ましく用いることができ、例えば、フッ酸水溶液、フッ化アンモニウム水溶液、フッ酸とフッ化アンモニウム水溶液からなるバッファードフッ酸、ケイフッ酸水溶液、フッ酸とケイフッ酸の混合水溶液などを挙げることができる。
この局所ウェットエッチングの方法では、局所ウェットエッチングする領域以外はエッチングされないという特徴がある。又、ウェットエッチングを行わない領域では、マスク基板101の移動を高速に行うことができ、スループットが優れるという特徴がある。
又、ウェットエッチング槽34に形成されるウェットエッチング液面の高さは安定しているため(高さhに保たれるため)、ウェットエッチング液とガラス基板101の主表面との接触の制御性が高く、高い精度でウェットエッチングを行うことができる。さらに、ウェットエッチング液の飛沫が発生しにくいので、エッチング欠陥も発生しにくい。
その後、搬送用治具に載置されたガラス基板101をガラス基板駆動系によりリンス処理部14へ移動し、リンス槽41に接触しないようにしてリンス槽41からオーバーフローしているリンス液とガラス基板下面側の主表面を接触させてリンスを行う。リンス液は特に限定されないが、純水を好ましく用いることができる。純水以外では、純水に界面活性剤を含有させたものなども用いることができる。
その後、搬送用治具に載置されたガラス基板101をガラス基板駆動系により乾燥処理部16へ移動し、ガラス基板101の主表面に対してエアブローワーにより乾燥空気を吹き付けてガラス基板101を乾燥させる。
最後に、搬送用治具に載置されたガラス基板101をガラス基板駆動系によりアンローダー部15へ移動し、搬送用治具からガラス基板101を取り出して、ガラス基板101の局所ウェットエッチングを終了する。
尚、ガラス基板101の両主表面に対して局所ウェットエッチングを行う場合は、第1主表面に対して前記方法により局所ウェットエッチングを行った後、ガラス基板101の表裏を反対にして第2主表面が下向きになるようにしてガラス基板101を搬送用治具に載置して同様の方法で第2主表面の局所ウェットエッチングを行う。
その後、平坦度、平滑度、傷、欠陥などの検査を行い、必要に応じて研磨布や砥石などを用いた研磨処理をしてフォトマスク用基板を製造する。
第2の実施形態によるフォトマスク用基板の製造方法では、局所ウェットエッチングする場所以外の意図しない領域をエッチングすることはなく、又、ウェットエッチング液面231の高さが安定しているため(高さhに保たれるため)、高い精度で局所ウェットエッチングを行うことができる。さらに、ウェットエッチング液230の飛沫が発生しにくいので、エッチング欠陥も発生しにくい。又、一旦ウェットエッチング液面231からガラス基板101の主表面を離した状態では、マスク基板101の移動を高速に行うことができるので、スループットが優れる。このため、平坦度が高く、欠陥の少ないフォトマスク用基板を効率的に製造することができる。
<実施例1>
以下、実施例1では、局所ウェットエッチング装置について説明する。
実施例1の局所ウェットエッチング装置は、ローダー部11、ウェットエッチング処理部12、ウェットエッチング槽駆動機構部13、リンス処理部14、乾燥処理部16、アンローダー部15を備えている。
ガラス基板101の移動方法は、図1に示すように、ガラス基板搬送用レール21を用い、その上をガラス基板駆動系(図示せず)によりガラス基板101を載置した搬送用治具(基板支持手段)をアンローダー部15に向かって(X方向に向かって)移動させる方法とした。
ウェットエッチング処理部12は、図1に示すように、X方向に2段配置としたウェットエッチング部32を12個備える。又、ウェットエッチング槽34の開口部がY方向に隙間や重なりをもたないようにY方向に配置している。
ウェットエッチング槽34の材料は、上部の開口部付近を含めポリテトラフルオロエチレンである。この材料に対するウェットエッチング液として使用する30重量%のフッ酸水溶液の接触角は120度であり、この材料は十分な撥液性を有する。
ウェットエッチング槽34の上部には開口部が形成されているが、その開口部の形状は平面視で矩形であり、その開口の大きさは横(X方向)が20mm、縦方向(Y方向)が100mmであり、開口を取り囲む縁部の厚さは5mmである。
X方向に面するウェットエッチング槽34の壁面34aの上端縁部の断面形状34cは外周側が高く、内周側が低い傾斜形状となっており、その傾斜角は15度である。Y方向に面するウェットエッチング槽34の壁面34bの上端縁部の断面形状34dは、外周側が低く、内周側が高い傾斜形状となっており、その傾斜角は30度である。
ウェットエッチング槽34を撥液性の材料で構成していることと、開口上端部の形状により、その開口部上に形成されるウェットエッチング液面は開口部を構成する壁面の最上部より5mm高く(図7に示す壁面最上部からの高さhが5mm)、しかもその高さの変動は極めて小さいものであった。
ウェットエッチング槽34には、ウェットエッチング液を再利用するためのウェットエッチング液回収手段として、ウェットエッチング液回収槽35が備えられている。ウェットエッチング槽34の壁面34b側を伝わって開口部の上面から流出したウェットエッチング液は一旦ウェットエッチング液回収槽35に溜められ、ウェットエッチング液回収口37から回収される。回収されたウェットエッチング液は、フィルター、温調機を通してポンプによりウェットエッチング槽34に備えられたウェットエッチング液供給口に供給され、循環再利用される。
ウェットエッチング槽34及びウェットエッチング液回収槽35を備えるウェットエッチング部32にはアーム33が取り付けられている。アーム33はアクチュエーター39により回転軸38を支点にして回転し、ウェットエッチング槽34を上下方向に動かせるようになっている。ウェットエッチング槽34の上下動の幅(ストローク)は50mmとした。ウェットエッチング槽34が上部にあるときは、ウェットエッチング液の液面がガラス基板101の下側の主表面が移動する高さであるガラス基板下面高さ基準線102より僅かに高い位置に来るので、ガラス基板101の下側の主表面とウェットエッチング液を接触させることができる。一方、ウェットエッチング槽34を下側に下げると、ウェットエッチング液の液面はガラス基板下面高さ基準線102よりも下側に離れ、ウェットエッチング液はガラス基板101と接触しなくなる。
ウェットエッチング処理部12は、隔壁51により隔離されており、又、排気口52が設けられて十分な排気がなされている。このため、ウェットエッチング槽駆動機構部13へのウェットエッチング液が発する腐食性ガスの浸入は認められなかった。
リンス処理部14はリンス槽41とリンス液回収槽42を備え、リンス槽41にはリンス液供給口43及びリンス液排出口44が、又、リンス液回収槽42にはリンス液排液口45が備えられている。リンス槽41の上部には開口部46が設けられ、リンス液供給口43から供給されたリンス液により開口部までリンス液が満たされ、一部オーバーフローして開口部からリンス槽41の外壁面に沿ってリンス液が流れ出すようになっている。
乾燥処理部16はエアブローワー61を備える。ガラス基板101が乾燥処理部16を移動する際に、エアブローワー61から乾燥空気をガラス基板101の主表面に吹き付け、リンス処理を終えたガラス基板101の乾燥処理を行う。
実施例1の局所ウェットエッチング装置は、比較的構造が簡単で、小型でありながら、大型ガラス基板を含むガラス基板への局所ウェットエッチングを精度よく、低欠陥で、効率的に行うことが可能であった。この装置を用いてガラス基板に対して局所ウェットエッチングを施し、フォトマスク用基板を製造したときの例や、その効果については実施例2で述べる。
<実施例2>
以下、実施例2では、実施例1の局所ウェットエッチング装置を用いてガラス基板を局所ウェットエッチングし、フォトマスク用基板を製造した。
まず、ガラス基板101として、両主表面の表面研削加工を終えた大きさが800mm×920mm×10mmの合成石英ガラスからなる基板を準備し、その第1主表面と第2主表面の両面の表面形状(表面凹凸形状)を黒田精工(株)製フラットネステスターにて測定した。そして、そのデータを基に局所ウェットエッチングを行う場所、領域、ガラス基板のエッチング量を求めておいた。その結果、第2主表面に対しては局所ウェットエッチングの必要はなく、第1主表面に対して局所ウェットエッチングを行うことにした。
ガラス基板101を第1主表面が下向きになるように基板支持手段である搬送用治具に載置し、実施例1の局所ウェットエッチング装置のローダー部11にセットした。
次に、ガラス基板駆動系によりウェットエッチング槽34の開口部上に、ガラス基板101の主表面上のウェットエッチングを行う領域が位置するように、搬送用治具に載置されたガラス基板101を移動した。
ウェットエッチング槽34では、ウェットエッチング液面をウェットエッチング槽34の最上端部より5mm高い位置に形成するようにウェットエッチング液供給口からウェットエッチング液を供給しておき、通常状態ではウェットエッチング槽34を下げておいてウェットエッチング液がガラス基板主表面と接触しないようにしておいた。そして、ガラス基板101主表面上のウェットエッチングを行う場所がウェットエッチング槽34の開口部上に来たとき、ガラス基板主表面がウェットエッチング槽34には接触しないが、ウェットエッチング液には接触する高さまでウェットエッチング槽34を上昇させてガラス基板101を局所的にウェットエッチングした。
ガラス基板101のエッチング量は、ウェットエッチング液との接触時間で制御した。
そして、局所ウェットエッチングを終えると、ウェットエッチング槽34を下げてウェットエッチング液がガラス基板主表面と接触しないようにした。尚、ウェットエッチング液としては、30重量%のフッ酸水溶液を用いた。
その後、搬送用治具に載置されたガラス基板101をガラス基板駆動系によりリンス処理部14へ移動し、リンス槽41に接触しないようにしてリンス槽41からオーバーフローしているリンス液とガラス基板101の下側の主表面を接触させてリンスを行った。ここで、リンス液としては純水を用いた。
その後、搬送用治具に載置されたガラス基板101をガラス基板駆動系により乾燥処理部16へ移動し、ガラス基板101に対してエアブローワーにより乾燥空気を吹き付けてガラス基板101を乾燥させた。
最後に、搬送用治具に載置されたガラス基板101をガラス基板駆動系によりアンローダー部15へ移動し、搬送用治具からガラス基板101を取り出して、ガラス基板101の局所ウェットエッチング工程を完了した。
その後、平坦度、平滑度、傷、欠陥などの検査を行い、そのデータに基づいて第1研磨工程を行った。
第1研磨工程では、第2主表面の平坦度が7μm以下で、且つガラス基板101の平行度が7μm以下になるように、第2主表面の面内で加工量の異なる片面研磨装置の加工条件を決定し、第2主表面に対して片面研磨を実施した。
このときの研磨の条件は、下記の通りである。
研磨条件:
研磨液:酸化セリウム(平均粒径:1μm)砥粒に水を加えた遊離砥粒
研磨布:軟質ポリシャ
基板保持プレートの回転数:3〜20rpm(基板保持プレートの上面から見て反時計回りに回転)
研磨定盤の回転数:3〜20rpm(基板保持プレートの上面から見て時計回りに回転)
第1研磨工程が終了したのち、低濃度のアルカリ水溶液を用いて、ガラス基板101を薬液洗浄し、その後、ガラス基板101を純水洗浄した。
引き続き、精密研磨工程として、第1主表面と第2主表面の両主表面の平滑度を高める目的で、ガラス基板101の両主表面を、両面研磨装置を用いて研磨した。その研磨条件は、下記の通りである。
研磨条件:
研磨液:コロイダルシリカ(平均粒径:50〜80nm)砥粒に水を加えた遊離砥粒
研磨布:軟質ポリシャ
上定盤回転数:1〜30rpm(両面研磨装置上面から見て時計回りに回転)
下定盤回転数:1〜30rpm(両面研磨装置上面から見て反時計回りに回転)
圧力:80〜100g/cm
この精密研磨工程が終了したのち、ガラス基板101を、低濃度のアルカリ水溶液を用いて薬液洗浄し、その後、純水洗浄した。
その後、ガラス基板101の第1主表面と第2主表面との平行度、第1、第2主表面の平坦度と平滑度、及び欠陥検査を行って、フォトマスク用基板を製造した。
実施例2のフォトマスク用基板の製造方法では、局所ウェットエッチング工程において、局所ウェットエッチングする場所以外の意図しない領域をエッチングすることはなかった。又、ウェットエッチング液面の高さが安定しているため、高い精度で局所ウェットエッチングを行うことができた。さらに、ウェットエッチング液の飛沫が発生しにくく、ウェットエッチング液の飛沫が原因のエッチング欠陥は認められなかった。
このため、平坦度が高く、欠陥の少ないフォトマスク用基板を効率的に製造することができた。
<実施例3>
以下、実施例3では、フォトマスク用基板をリサイクルしてフォトマスク用基板を製造する際に、実施例1の局所ウェットエッチング装置を用いた局所ウェットエッチング工程を行った場合について説明する。
<<膜パターン除去工程>>
最初に、800mm×920mmの8092サイズの合成石英ガラスからなるガラス基板101上にクロム系の材料からなる遮光膜パターンが形成された使用済みのフォトマスクを準備した。
次に、遮光膜パターンを、硝酸第二セリウムアンモニウム及び過塩素酸と純水を含むクロム用エッチング液にて除去し、ガラス基板101を得た。
<<基板板厚検査工程>>
遮光膜パターンをクロム用エッチング液で除去した後、洗浄処理したガラス基板101の第1主表面(表面)と第2主表面(裏面)を黒田精工(株)製フラットネステスターにて測定して表面形態情報を取得した。
この表面形態情報は、両主表面の凹凸を示す情報であり、両主表面の外周5mmを除く領域を10mm間隔で測定した、仮想絶対平面に対する両主表面の各測定点の高さ情報である。
得られた表面形態情報を基に、ガラス基板101の板厚を、その板厚のバラツキを含めて算出した。
8092サイズのフォトマスク用基板の板厚仕様は、10mm±0.2mmである。板厚仕様の下限値(9.8mm)と、その後に行われる研磨工程での研磨取り代を考慮し、このガラス基板101の最小板厚が9.9mm以上を有しているかを検査した。
検査の結果、最小板厚は9.9mmを超えており、要求される表面粗さを得るために必要な研磨取り代を有していること確認した。
<<表面傷欠陥検査工程>>
その後、ガラス基板101の両主表面における傷の有無の検査を、目視検査により行なった。経験的に深さ20μm以上の傷は、目視検査により検出(確認)することができる。得られたガラス基板101を検査したところ、両主表面には、目視検査で検出できる傷は、確認できなかった。
<<表面平坦度算出工程>>
前記得られた表面形態情報を基に両主表面の平坦度を算出した。
両主表面の平坦度を算出した結果、第1主表面は22.5μm、第2主表面は8.5μmであった。
<<局所ウェットエッチング工程>>
次に、先に取得した両主表面の表面形態情報(位置情報と基準面に対する高さ情報)を基に、少なくとも許容値を超えて相対的に凸部となっている領域に対して、フッ酸による局所ウェットエッチングを行った。この局所ウェットエッチングには実施例1の局所ウェットエッチング装置を用い、実施例2に記載された局所ウェットエッチング工程により局所ウェットエッチング処理を行った。
その結果、第1主表面の平坦度は5.4μmとなった。
尚、局所ウェットエッチングによる表面荒れは確認されなかった。
局所ウェットエッチングは、研磨取り代を抑えつつ、その後に行われる研磨工程の負荷を低減することができる。
<<研磨工程>>
ここでの研磨工程は、第1研磨工程、研磨後表面形態情報取得工程、研磨後平坦度算出工程、第2研磨工程、及び第3研磨工程からなる。
<<<第1研磨工程>>>
第1研磨工程では、目視で確認が困難な微小傷を消すことを目的に、ガラス基板101の第1主表面と第2主表面の両主表面を、両面研磨装置を用いて研磨した。ここで、研磨条件は下記の通りとした。
研磨条件:
研磨液:酸化セリウム(平均粒径:1μm)砥粒に水を加えた遊離砥粒
研磨布:硬質ポリシャ
上定盤回転数:1〜30rpm(両面研磨装置上面から見て時計回りに回転)
下定盤回転数:1〜30rpm(両面研磨装置上面から見て反時計回りに回転)
圧力:80〜100g/cm
第1研磨工程が終了したのち、低濃度のアルカリ水溶液を用いて、ガラス基板101を薬液洗浄し、その後、ガラス基板101を純水洗浄した。
<<<研磨後表面形態情報取得工程>>>
研磨後表面形態情報取得工程では、第1研磨工程後に薬液洗浄と純水洗浄が行われたガラス基板101の第1主表面と第2主表面に対して、表面形態情報を取得した。
この表面形態情報は、第1主表面と第2主表面の両主表面の凹凸を示す情報であり、具体的には、第1主表面及び第2主表面の外周5mmを除く領域を、10mm間隔で測定した、仮想絶対平面に対する各測定点の高さ情報である。
尚、表面形態情報の取得に用いる測定器としては、黒田精工(株)製のフラットネステスターを用いた。
<<<研磨後平坦度算出工程>>>
研磨後平坦度算出工程では、コンピュータを用いて、研磨後表面形態情報取得工程で得られた第1主表面と第2主表面の両主表面の表面形態情報から、第1主表面と第2主表面の平坦度を算出するとともに、ガラス基板101の平行度も算出した。
その結果、第1主表面の平坦度は6.1μm、第2主表面の平坦度は9.4μm、そしてガラス基板101の平行度は10.8μmであった。
<<<第2研磨工程>>>
第2研磨工程では、第2主表面の平坦度が7μm以下で、且つガラス基板101の平行度が7μm以下になるように、第2主表面の面内で加工量の異なる片面研磨装置の加工条件を決定し、第2主表面に対して片面研磨を実施した。
この研磨の条件は、下記の通りである。
研磨条件:
研磨液:酸化セリウム(平均粒径:1μm)砥粒に水を加えた遊離砥粒
研磨布:軟質ポリシャ
基板保持プレートの回転数:3〜20rpm(基板保持プレートの上面から見て反時計回りに回転)
研磨定盤の回転数:3〜20rpm(基板保持プレートの上面から見て時計回りに回転)
第2研磨工程が終了したのち、低濃度のアルカリ水溶液を用いて、ガラス基板101を薬液洗浄し、その後、ガラス基板101を純水洗浄した。
<<<第3研磨工程>>>
第3研磨工程(精密研磨工程)では、第1主表面と第2主表面の両主表面の平滑度を高める目的で、ガラス基板101の両面を、両面研磨装置を用いて研磨した。その研磨条件は、下記の通りである。
研磨条件:
研磨液:コロイダルシリカ(平均粒径:50〜80nm)砥粒に水を加えた遊離砥粒
研磨布:軟質ポリシャ
上定盤回転数:1〜30rpm(両面研磨装置上面から見て時計回りに回転)
下定盤回転数:1〜30rpm(両面研磨装置上面から見て反時計回りに回転)
圧力:80〜100g/cm
第3研磨工程が終了したのち、ガラス基板101を、低濃度のアルカリ水溶液を用いて薬液洗浄し、その後、純水洗浄した。
<<表面平坦度・平行度、欠陥検査>>
第3研磨工程後に薬液洗浄と純水洗浄が行われた後のガラス基板101に対して、両主表面の表面形態情報を取得した。そして、得られた表面形態情報から両主表面の平坦度を算出するとともに、平行度を算出した。
その結果、第1主表面の平坦度が6.1μm、第2主表面の平坦度が5.8μm、平行度が6.7μmであった。又、ガラス基板101の両主表面の欠陥を欠陥検査装置(パルステック社製)により検査したところ、欠陥は検出されなかった。
得られたガラス基板101は、両主表面の平坦度、及び平行度が共に7μm以下であるため、高精細なパターンを形成するためのフォトマスクなどの製造に適するフォトマスク用基板の仕様を満たしていた。
次に、前記説明したフォトマスク用基板をリサイクルして、フォトマスク用基板を製造する方法の製造歩留まりを評価した。
使用済みのフォトマスクを準備し、その中から表面傷欠陥検査の目視検査により傷が確認されなかった50枚のガラス基板を選び出して、前記方法によって、フォトマスク用基板を作製した。
その結果、両主表面の平坦度と平行度が共に7μm以下のフォトマスク用基板は、50枚中50枚得られ、その製造歩留まりは100%であった。
<比較例1>
上述の実施例3における局所ウェットエッチング工程を、30重量%のフッ酸水溶液をノズルから噴水のように噴出して、該フッ酸水溶液をガラス基板101に接触させて局所ウェットエッチングを行った以外は実施例3と同様にしてフォトマスク用基板を50枚製造した。
得られた50枚のフォトマスク用基板について、主表面平坦度・平行度、欠陥検査を行ったところ、欠陥が検出されず、且つ、ガラス基板101の両主表面の平坦度、及び平行度が共に7μm以下であるフォトマスク用基板は、2枚しか得られず、その製造歩留まりは4%であった。
1・・・局所ウェットエッチング装置、11・・・ローダー部、12・・・ウェットエッチング処理部、13・・・ウェットエッチング槽駆動機構部、14・・・リンス処理部、15・・・アンローダー部、16・・・乾燥処理部、21・・・ガラス基板搬送用レール、31・・・ウェットエッチング用設備、32・・・ウェットエッチング部、33・・・アーム、34・・・ウェットエッチング槽、34a,34b・・・ウェットエッチング槽壁面、34c,34d・・・ウェットエッチング槽壁面上部形状、35・・・ウェットエッチング液回収槽、36・・・ウェットエッチング液供給口、37・・・ウェットエッチング液回収口、38・・・回転機構、39・・・アクチュエーター、41・・・リンス槽、42・・・リンス液回収槽、43・・・リンス液供給口、44・・・リンス液排出口、45・・・リンス液排液口、46・・・開口部、51・・・壁(隔壁)、52・・・排気口、53・・・ストッパー、61・・・エアブローワー、101・・・ガラス基板、102・・・ガラス基板下面高さ基準線、201・・・カム機構部、230・・・ウェットエッチング液、231・・・ウェットエッチング液面。

Claims (13)

  1. ガラス基板の主表面をウェットエッチング液によって局所的に加工してフォトマスク用基板を製造する局所ウェットエッチング装置において、
    ガラス基板を支持する基板支持手段と、
    前記基板支持手段によって支持された前記ガラス基板の主表面に対向するように前記ガラス基板の下側に配置されるウェットエッチング手段と、
    前記基板支持手段と前記ウェットエッチング手段とを相対移動させる相対移動手段を備え、
    前記ウェットエッチング手段は上面に前記ウェットエッチング液を前記ガラス基板の主表面に供給する開口部を有し、少なくとも前記開口部における前記ガラス基板の主表面と対向する面は前記ウェットエッチング液に対して撥液性を有する材料で構成されているウェットエッチング槽と、リンス槽と、を有することを特徴とする局所ウェットエッチング装置。
  2. 前記ウェットエッチング槽は、前記開口部の上面から流出したウェットエッチング液を回収する回収手段を備えることを特徴とする請求項1記載の局所ウェットエッチング装置。
  3. 前記開口部を構成する材料は、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の局所ウェットエッチング装置。
  4. 前記開口部の縁部は、所定の厚みを有し、当該縁部の最内周の高さが最外周の高さよりも低い傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
  5. 前記開口部の形状は、平面視で矩形であることを特徴とする請求項1及至4のいずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
  6. 前記傾斜面は、前記基板支持手段と前記ウェットエッチング手段とが水平移動する方向に備えられていることを特徴とする請求項5記載の局所ウェットエッチング装置。
  7. 前記開口部は、前記基板支持手段と前記ウェットエッチング手段とが水平移動する方向に垂直な方向に、前記ウェットエッチング液が前記開口部の下面に向かって流出する流路を備えていることを特徴とする請求項5又は6記載の局所ウェットエッチング装置。
  8. 前記ウェットエッチング槽は、前記基板支持手段に対して水平移動する方向に垂直な方向に複数配置されていることを特徴とする請求項1及至7いずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
  9. 前記相対移動手段は、前記ウェットエッチング手段を上下方向に移動させる上下移動手段を備えていることを特徴とする請求項1及至8いずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
  10. 前記上下移動手段は、前記ウェットエッチング液及び前記ウェットエッチング液により発生する腐食性ガスから隔離する隔離手段を備えていることを特徴とする請求項9に記載の局所ウェットエッチング装置。
  11. 前記相対移動手段は、前記基板支持手段を水平方向に移動させる水平移動手段を備えることを特徴とする請求項1及至10いずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一に記載の局所ウェットエッチング装置を用いて、
    前記ガラス基板を前記基板支持手段に載置し、
    前記相対移動手段を用いて、局所ウェットエッチングを行う前記ガラス基板の所定の場所に前記ウェットエッチング手段をセットし、
    前記ガラス基板の所定の場所を局所ウェットエッチングすることを特徴とするフォトマスク用基板の製造方法。
  13. ガラス基板の主表面上の一部に対してウェットエッチング液を接触させることにより局所ウェットエッチングを行ってフォトマスク用基板を製造するフォトマスク用基板の製造方法において、
    前記局所ウェットエッチングを行う前記ガラス基板の主表面が下向きになるように前記ガラス基板を保持し、
    開口部を有し、少なくとも前記開口部の前記ガラス基板主表面と対向する面は前記ウェットエッチング液に対して撥液性を有する材料で構成されたウェットエッチング槽と、リンス槽とを用意し、
    前記ウェットエッチング槽の前記開口部の上面に前記ウェットエッチング液を保持し、
    前記ウェットエッチング手段を前記ガラス基板の主表面に近接させることによって前記ウェットエッチング液を前記ガラス基板の主表面に接触させて局所ウェットエッチングを行った後、リンス槽により前記ガラス基板主表面に残留するウェットエッチング液を除去することを特徴とするフォトマスク用基板の製造方法。
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