JP2018039995A - 可溶性多官能ビニル芳香族共重合体、その製造方法、硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジビニル芳香族化合物に由来する構造単位(a)、モノビニル芳香族化合物に由来する構造単位(b)、及びシクロオレフィン化合物に由来する構造単位(c)を含み、構造単位(a)を2〜95モル%未満含有し、構造単位(a)の一部としての下記式(1)で表されるビニル基含有単位(a1)のモル分率が0.02〜0.8の範囲であり、構造単位(c)の一部としての共重合体の末端に存在する末端基(c1)の1分子当たりの数は1.5以上であり、Mnが300〜100,000であり、Mw/Mnが100.0以下であり、及びトルエン等の溶媒に可溶である多官能ビニル芳香族共重合体。
【化1】
【選択図】 なし
Description
しかしながら、この可溶性多官能ビニル芳香族共重合体は、分子量を調節する為に、アルコール性水酸基を有する鎖状炭化水素化合物及び芳香族炭化水素化合物及びチオアルコール性メルカプト基を有する鎖状炭化水素化合物及び芳香族炭化水素化合物といった極性化合物を使用するために、末端にエーテル結合又はチオエーテル結合のいずれかを介した鎖状炭化水素基又は芳香族炭化水素基を末端基として含有するため、高度の誘電特性が求められる先端技術分野で使用される基板材料には適するとは言い難い。
前記構造単位(a)を2モル%以上95モル%未満含有し、構造単位(a)の少なくとも一部は下記式(1)で表されるビニル基含有構造単位(a1)であり、
前記構造単位(c)の少なくとも一部は多官能ビニル芳香族共重合体の末端に存在する末端基(c1)であり、1分子当たりの平均の末端基(c1)の数は1.5以上であり、
前記構造単位(a)、(b)及び(c)の総和に対するビニル基含有構造単位(a1)モル分率は0.02〜0.8の範囲であることを特徴とする多官能ビニル芳香族共重合体である。
上記多官能ビニル芳香族共重合体は、好ましくは数平均分子量Mnが300〜100,000であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比で表される分子量分布(Mw/Mn)が100.0以下であり、及びトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶である。
上記エポキシ樹脂としては、1分子中に2以上のエポキシ基と芳香族構造を有するエポキシ樹脂、1分子中に2以上のエポキシ基とシアヌレート構造を有するエポキシ樹脂及び1分子中に2以上のエポキシ基と脂環構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂がある。
そして、数平均分子量Mnが300〜100,000、好ましくは500〜10,000、より好ましくは1,000〜3,000であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比で表される分子量分布(Mw/Mn)が100.0以下、好ましくは1〜50、より好ましくは5〜10であり、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶であることがよい。
本明細書でいう構造単位は、共重合体の主鎖中に存在する繰り返し単位と末端又は側鎖に存在する単位又は末端基を含む。
ここで、上記モル分率は、構造単位(a)、(b)及び(c)の総和に対するビニル基含有構造単位(a1)のモル分率であり、これは下記式(2)で計算される。
(a1)/[(a)+(b)+(c)] (2)
ここで、(a)、(b)、(c)及び(a1)は、それぞれ構造単位(a)、(b)、(c)及び(a1)の存在量(モル)を示す。
共重合体が直鎖状のポリマーの場合、末端は2つ(開始末端と停止末端)なので、停止末端としてシクロオレフィン化合物に由来する末端基は1つしか入らない。しかし、分岐が一つできると、末端は4つ(開始末端2つと停止末端2つ)なので、例えば停止末端としてシクロオレフィン化合物を持つ末端基は2つになることになる。このように、分岐が増えると、末端の数が増えるので、シクロオレフィン化合物に由来する末端基も1分子に2個以上入り、その数は分岐の数が増えるに従って、増えていく。したがって、(c1)が1.5(個/分子)以上ということは、分岐があることを意味することにもつながる。なお、シクロオレフィン化合物に由来する構造単位(c)は、末端以外にも存在し得る他、他の構造単位も末端に存在し得るが、シクロオレフィン化合物は比較的、単独重合性が低い為に、シクロオレフィン化合物の連鎖が生じにくく、重合を停止させて末端に存在しやすい。
構造単位が、構造単位(a)、(b)及び(c)だけからなる場合は、構造単位(a)のモル分率は、構造単位(a)、(b)及び(c)の総和に対して0.02〜0.95となる。このモル分率は、下記式(3)で計算される。
(a)/[(a)+(b)+(c)] (3)
(ここで、(a)、(b)、及び(c)は、式(2)と同義である。)
上記モル分率は、好ましくは0.05〜0.80、より好ましくは0.10〜0.70モルの範囲である。特に好ましくは0.15〜0.65である。
なお、構造単位(a)、(b)及び(c)以外の構造単位を含む場合においても、好ましい含有率は5〜80モル%、より好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは15〜75モル%である。
また、シクロオレフィン化合物に由来する構造単位(c)のモル分率は、好ましくは0.96〜0.03であり、より好ましくは0.75〜0.05であり、特に好ましくは0.60〜0.10である。
構造単位(b)のモル分率は下記式(4)で計算され、及び構造単位(c)のモル分率は下記式(5)で計算される。
(b)/[(a)+(b)+(c)] (4)
(c)/[(a)+(b)+(c)] (5)
(ここで、(a)、(b)、及び(c)は、式(2)と同義である。)
なお、構造単位(a)、(b)及び(c)以外の構造単位を含む場合においても、構造単位(b)又は構造単位(c)の好ましいモル分率は、上記の範囲である。
なお、本発明の多官能ビニル芳香族共重合体の製造方法を、本発明の共重合体の製造方法又は本発明の製造方法と略称することもある。
(式中、R22〜R25は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、R22とR25とは互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有してもよく、また、R22とR23とで、またはR24とR25とでアルキリデンを形成してもよい。mは0または1である。)
また、アセナフチレン系化合物としては、アセナフチレン、アルキルアセナフチレン類、ハロゲン化アセナフチレン類、アリールアセナフチレン類、アルコキシアセナフチレン類、アルコキシカルボニルアセナフチレン類、アシルオキシアセナフチレン類、アルキルシリルアセナフチレン類及びアルキルスタンニルアセナフチレン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げることができる。
ベンゾフラン系化合物、及びベンゾチオフェン系化合物についても、ベンゾフラン、及びベンゾチオフェンの他に、インデン系化合物、アセナフチレン系化合物と同様の官能基で変性されたベンゾフラン類、及びベンゾチオフェン類であっても良い。
上記に具体的に例示したシクロオレフィン化合物(c)は、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。これらのシクロオレフィン化合物で、工業的な入手の容易さ、誘電特性、並びに、本発明の共重合体の分子量制御の効果の高さの観点から、ノルボルネン化合物、インデン系化合物、及びアセナフチレン系化合物が好適に使用される。最も好ましくは、誘電特性と分子量制御の効果の高さの観点から、ノルボルネン化合物が使用される。
ジビニル芳香族化合物;2〜98モル%、好ましくは5〜80モル%、より好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは15〜65モル%。
モノビニル芳香族化合物;98〜2モル%、好ましくは75〜5モル%、より好ましくは60〜10モル%。
シクロオレフィン化合物は、他のモノマーに比べて一般に反応性が劣るので、一部は未反応で残すように過剰に使用することがよい。このため、シクロオレフィン化合物の使用量は、上記の合計100モル%に対し、好ましくは3〜300モル%、より好ましくは5〜200モル%、より好ましくは10〜150モル%の範囲がよい。好ましくは、全末端基の10モル%以上が上記末端基(c1)となるように使用することがよい。より好ましくは、全末端基の20モル%以上が上記末端基(c1)となるように使用することがよく、最も好ましくは、全末端基の50モル%以上が上記末端基(c1)となるように使用することがよい。
上記ルイス塩基化合物の具体例としては、次の化合物が挙げられる。
1)酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル等のエステル系化合物、
2)メチルメルカプトプロピオン酸、エチルメルカプトプロピオン酸等のチオエステル系化合物、
3)メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゾフェノン等のケトン系化合物、
4)メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等のアミン系化合物、
5)ジエチルエーテル、テトラヒドロラン等のエーテル系化合物、
6)ジエチルスルフィド、ジフェニルスルフィド等のチオエーテル系化合物、及び
7)トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ビニルホスフィン、プロペニルホスフィン、シクロヘキセニルホスフィン、ジアルケニルホスフィン、トリアルケニルホスフィンなどのホスフィン系化合物。
これらの中でも、ルイス酸触媒と相乗的に作用して、重合速度及び重合体の分子量分布を容易に制御できる点からエステル系化合物及びケトン系化合物が好ましく使用される。
これらのルイス塩基化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。
有利には、本発明の多官能ビニル芳香族共重合体が得られる。
本発明の硬化性組成物は、本発明の多官能ビニル芳香族共重合体(本発明の製造方法で得られる多官能ビニル芳香族共重合体を含む。)とラジカル重合開始剤(ラジカル重合触媒ともいう。)とを含有する。ラジカル重合開始剤としては、例えば、本発明の樹脂組成物は後述するように加熱等の手段により架橋反応を起こして硬化するが、その際の反応温度を低くしたり、不飽和基の架橋反応を促進する目的でラジカル重合開始剤を含有させるとよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、PPS樹脂、ポリシクロペンタジエン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂等や、既知の熱可塑性エラストマー、例えば、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、水添スチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体等や、あるいはゴム類、例えばポリブタジエン、ポリイソプレンを挙げることができる。
末端に不飽和炭化水素基を含有する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂の1分子が有する不飽和炭化水素基の平均個数(末端官能基数)は、特に限定されない。好ましくは、硬化物の耐熱性並びに硬化性組成物の保存安定性及び流動性のバランスの観点から、1〜5個であることが好ましく、1〜3個であることがより好ましく、1.5〜3個であることがさらに好ましい。
活性エステル化合物を形成するためのフェノール化合物及びナフトール化合物の具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。これらのなかでも耐熱性、溶解性の観点から、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックが好ましく、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックがより好ましく、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックがさらに好ましい。
活性エステル化合物を形成するためのチオール化合物の具体例としては、ベンゼンジチオール、トリアジンジチオール等が挙げられる。
活性エステル化合物の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができるが、たとえば、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得ることができる。
上記樹脂ワニスは、多官能ビニル芳香族共重合体とラジカル重合開始剤及び溶媒とを含有する。この樹脂ワニスは、回路基板用に適する。なお、ここでいう回路基板材料の用途は、具体的には、プリント配線基板、プリント回路板、フレキシブルプリント配線板、ビルドアップ配線板等が挙げられる。
まず、多官能ビニル芳香族共重合体及び硬化性反応型樹脂等の、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、必要に応じて用いられ、有機溶媒に溶解しない成分、例えば、無機充填材等を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の硬化性組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、多官能ビニル芳香族共重合体及び硬化性反応型樹脂等を溶解させ、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、本発明において、必要に応じて有機溶剤を使用するが、その種類としては、使用樹脂組成物に相溶するものであれば、特に限定されるものではない。その代表例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等の極性溶剤類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤類等が挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。誘電特性の観点から、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が好ましい。
樹脂ワニスを作成する際に、使用する有機溶剤の量は、本発明の硬化性組成物100重量%に対して、5〜900重量%であることが好ましい。10〜700重量%であることがより好ましく。20〜500重量%であることが特に好ましい。なお、本発明の硬化性組成物が樹脂ワニス等の有機溶剤溶液である場合、その有機溶剤の量は組成物の計算には含めない。
本発明の硬化性複合材料には、必要に応じて樹脂と基材の界面における接着性を改善する目的でカップリング剤を用いることができる。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等一般のものが使用できる。
本発明のフィルムを製造する方法としては特に限定されることはなく、例えば硬化性組成物を芳香族系、ケトン系等の溶媒若しくはその混合溶媒中に均一に溶解又は分散させ、PETフィルムなどの樹脂フィルムに塗布した後乾燥する方法などが挙げられる。塗布は必要に応じて複数回繰り返すことも可能であり、またこの際組成や濃度の異なる複数の溶液を用いて塗布を繰り返し、最終的に希望とする樹脂組成及び樹脂量に調整することも可能である。
可溶性多官能芳香族共重合体の分子量及び分子量分布測定はGPC(東ソー製、HLC−8120GPC)を使用し、溶媒にテトラヒドロフラン、流量1.0ml/min、カラム温度38℃、単分散ポリスチレンによる検量線を用いて行った。
日本電子製JNM−LA600型核磁気共鳴分光装置を用い、13C−NMR及び1H−NMR分析により決定した。溶媒としてクロロホルム−d1を使用し、テトラメチルシランの共鳴線を内部標準として使用した。
末端基の算出は、13C−NMR及び1H−NMR測定結果に加えて、GC分析より得られる共重合体中に導入された各構造単位の総量に関するデータより、末端に導入された特定の構造単位の導入量を算出し、この末端に導入された特定の構造単位の導入量と上記のGPC測定より得られる数平均分子量とから、多官能ビニル芳香族共重合体1分子中に含まれる特定の構造単位の末端基数を算出した。
乾燥後の厚さが20μmになるように、ガラス基板に多官能ビニル芳香族共重合体をトルエンに溶解させた溶液を均一に塗布し、ホットプレートを用いて90分で30分間加熱し、乾燥させた。ガラス基板とともに得られた樹脂膜はTMA(熱機械分析装置)にセットし、窒素気流下、昇温速度10℃/分で220℃まで昇温し、更に220℃で20分間加熱処理することにより残存する溶媒を除去するとともに多官能ビニル芳香族共重合体を硬化させた。ガラス基板を室温まで放冷した後、TMA測定装置中の試料に分析用プローブを接触させ、窒素気流下、昇温速度10℃/分で30℃から360℃までスキャン測定を行い、接線法で軟化温度を求めた。
可溶性多官能ビニル芳香族共重合体の耐熱性評価は、試料をTGA(熱天秤)測定装置にセットし、窒素気流下、昇温速度10℃/分で30℃から400℃までスキャンさせることにより測定を行い、350℃における重量減少量の大きさを耐熱性の指標として求めた。一方、耐熱変色性の測定は、可溶性多官能ビニル芳香族共重合体6.0g、ベンジルメタクリレート4.0g、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、パーブチルO)0.02gを混合し、窒素気流下で200℃、1時間加熱し、硬化物を得た。そして、得られた硬化物の変色量を目視にて確認し、○:熱変色なし、△:淡黄色、×:黄色に分類することにより耐熱変色性の評価を行った。
可溶性多官能ビニル芳香族共重合体のエポキシ樹脂との相溶性の測定は、試料5.0gをエポキシ樹脂(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)3.0g、及びフェノール樹脂(メラミン骨格系フェノール樹脂:群栄化学工業社製、PS−6492)2.0gをメチルエチルケトン(MEK)10gに溶解させ、溶解後の試料の透明性を目視にて確認し、○:透明、△:半透明、×:不透明もしくは溶解せず、に分類することにより相溶性の評価を行った。
ジビニルベンゼン 0.63モル(89.7mL)、エチルビニルベンゼン 0.37モル(52.7mL)、ノルボルネン 1.00モル(94.2g)、酢酸ブチル 0.40モル(52.8mL)、トルエン 150mLを1.0Lの反応器内に投入し、70℃で30ミリモルの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、6時間反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、60℃で減圧脱揮し、共重合体を回収した。得られた共重合体を秤量して、共重合体A 117.8gが得られたことを確認した。
実施例及び比較例において、得られた共重合体は可溶性多官能ビニル芳香族共重合体である。
また、硬化物のTMA測定の結果、明確なTgは観察されなかった、軟化温度は300℃以上であった。TGA測定の結果、350℃における重量減少は2.20wt%、耐熱変色性は○であった。一方、エポキシ樹脂との相溶性は○であった。
共重合体Aはトルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルムに可溶であり、ゲルの生成は認められなかった。
ジビニルベンゼン 0.40モル(57.0mL)、エチルビニルベンゼン 0.235モル(33.4mL)、スチレン 0.365モル(42.0mL)、ノルボルネン 1.00モル(94.2g)、酢酸ブチル 0.52モル(68.6mL)、トルエン 135mLを1.0Lの反応器内に投入し、70℃で40ミリモルの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、6時間反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、60℃で減圧脱揮し、重合体を回収した。得られた重合体を秤量して、共重合体B 119.4gが得られたことを確認した。
また、硬化物のTMA測定の結果、明確なTgは観察されなかった、軟化温度は300℃以上であった。TGA測定の結果、350℃における重量減少は2.54wt%、耐熱変色性は○であった。一方、エポキシ樹脂との相溶性は○であった。
共重合体Bはトルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルムに可溶であり、ゲルの生成は認められなかった。
ジビニルベンゼン 0.514モル(73.2mL)、エチルビニルベンゼン 0.121モル(17.2mL)、スチレン 0.365モル(42.0mL)、ノルボルネン 1.00モル(94.2g)、酢酸ブチル 0.52モル(68.6mL)、トルエン 135mLを1.0Lの反応器内に投入し、70℃で40ミリモルの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、6時間反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、60℃で減圧脱揮し、重合体を回収した。得られた重合体を秤量して、共重合体C 121.5gが得られたことを確認した。
また、硬化物のTMA測定の結果、明確なTgは観察されなかった、軟化温度は300℃以上であった。TGA測定の結果、350℃における重量減少は2.31wt%、耐熱変色性は○であった。一方、エポキシ樹脂との相溶性は○であった。
共重合体Cはトルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルムに可溶であり、ゲルの生成は認められなかった。
ジビニルベンゼン 0.40モル(57.0mL)、エチルビニルベンゼン 0.235モル(33.4mL)、スチレン 0.365モル(42.0mL)、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン 1.00モル(160.26g)、酢酸ブチル 0.52モル(68.6mL)、トルエン 100mLを1.0Lの反応器内に投入し、70℃で40ミリモルの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、6時間反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、60℃で減圧脱揮し、重合体を回収した。得られた重合体を秤量して、共重合体D 172.3gが得られたことを確認した。
また、硬化物のTMA測定の結果、明確なTgは観察されなかった、軟化温度は300℃以上であった。TGA測定の結果、350℃における重量減少は2.12wt%、耐熱変色性は○であった。一方、エポキシ樹脂との相溶性は○であった。
共重合体Dはトルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルムに可溶であり、ゲルの生成は認められなかった。
ジビニルベンゼン2.03モル(288.5mL)、エチルビニルベンゼン0.084モル(12.0mL)、スチレン2.11モル(241.7mL)、2−フェノキシエチルメタクリレート2.25モル(427.3mL)、酢酸ブチル100.0mL、トルエン1150mLを3.0Lの反応器内に投入し、50℃で300ミリモルの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、4時間反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、室温で反応混合液を大量のメタノールに投入し、重合体を析出させた。得られた重合体をメタノールで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、共重合体E 282.4gを得た。
また、硬化物のDMA測定の結果、Tgは197℃であった。硬化物のTMA測定の結果、軟化温度は300℃以上であった。TGA測定の結果、350℃における重量減少は4.86wt%、耐熱変色性は○であった。一方、エポキシ樹脂との相溶性は△であった。
共重合体Eはトルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルムに可溶であり、ゲルの生成は認められなかった。
ジビニルベンゼン 1.28モル(182.7mL)、エチルビニルベンゼン 0.97モル(137.8mL)、メタクリル酸t−ブチル 2.00モル(323.2mL)、トルエン 300mLを2.0Lの反応器内に投入し、50℃で50ミリモルの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、4時間反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、60℃で減圧脱揮し、重合体を回収した。得られた重合体を秤量して、共重合体F 234.6gが得られたことを確認した。
また、硬化物のTMA測定の結果、明確なTgは観察されなかった、軟化温度は300℃以上であった。TGA測定の結果、350℃における重量減少は2.80wt%、耐熱変色性は○であった。一方、エポキシ樹脂との相溶性は○であった。
共重合体Fはトルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルムに可溶であり、ゲルの生成は認められなかった。
ジビニルベンゼン 0.40モル(57.0mL)、エチルビニルベンゼン 0.235モル(33.4mL)、p−メチルスチレン 0.365モル(48.1mL)、アセナフチレン 1.00モル(152.2g)、メチルエチルケトン 0.52モル(46.6mL)、トルエン 135mLを1.0Lの反応器内に投入し、70℃で40ミリモルの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、6時間反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、60℃で減圧脱揮し、重合体を回収した。得られた重合体を秤量して、共重合体G 152.3gが得られたことを確認した。
また、硬化物のTMA測定の結果、明確なTgは観察されなかった、軟化温度は300℃以上であった。TGA測定の結果、350℃における重量減少は2.36wt%、耐熱変色性は○であった。一方、エポキシ樹脂との相溶性は○であった。
共重合体Gはトルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルムに可溶であり、ゲルの生成は認められなかった。
硬化性樹脂組成物のワニス溶液粘度は、E型粘度計を使用して、測定温度:25℃で測定を行った。
曲げ試験に使用する試験片は、真空プレス成形機の下の金型上に硬化性樹脂組成物のワニスを乗せ、加熱真空下、溶剤を脱揮させた。その後、上型を乗せ、真空下、加熱プレスを行い、200℃で1時間保持することによって、厚さ:1.0mmの平板を成形した。成形して得られた平板より、幅:5.0mm、厚さ:1.0mm、長さ、120mmの試験片を作成し、曲げ試験を行った。作成した曲げ試験片の曲げ強度及び曲げ破断伸びは万能試験装置を用いて測定を行った。そして、曲げ強度及び曲げ破断伸びは、基準となる配合の測定値に対して±10%未満の値となるものを○、10%以上の値となるものを◎−10〜−20%の範囲の値となるものを△、−20%以下の値となるものを×として評価を行った。基準とした配合は、表1及び表6に於いては、実施例6の配合とし、表2及び表3に於いては、実施例11の配合とし、表4及び表5では、比較例7の配合とした。なお、表5中の実施例25は、比較とするべき配合がないことから、測定データは記載しなかった。
線膨張係数及びガラス転移温度の試験に使用する試験片は、真空プレス成形機の下の平板形状の金型上に硬化性樹脂組成物のワニスを乗せ、加熱真空下、溶剤を脱揮させた。その後、0.2mmのスペーサーを挟んで、上型を乗せ、真空下、加熱プレスを行い、200℃で1時間保持することによって、厚さ:0.2mmの平板を成形した。成形して得られた平板より、幅:3.0mm、厚さ:0.2mm、長さ、40mmの試験片を作成し、TMA(熱機械分析装置)の上方のチャックのみにセットし、窒素気流下、昇温速度10℃/分で220℃まで昇温し、更に220℃で20分間加熱処理することにより残存する溶媒を除去するとともに、試験片中の成形歪みの除去を行った。TMAを室温まで放冷した後、TMA測定装置中の試験片の下側についても、分析用プローブにセットさせ、窒素気流下、昇温速度10℃/分で30℃から360℃までスキャン測定を行い、0〜40℃に於ける寸法変化より、線膨張係数を算出した。
また、ガラス転移温度については、上記の試験片を、DMA(動的粘弾性装置)測定装置にセットし、窒素気流下、昇温速度3℃/分で30℃から320℃までスキャンさせることにより測定を行い、tanδ曲線のピークトップによりTgを求めた。
JIS C2565規格に準拠し、株式会社エーイーティー製、空洞共振器法誘電率測定装置により、絶乾後23℃、湿度50%の室内に24時間保管した後の硬化物平板試験片を使用して、18GHzでの誘電率及び誘電正接を測定した。
また、硬化物平板試験片を85℃、相対湿度85%で2週間放置した後、誘電率及び誘電正接の測定を行い、耐湿熱試験後の誘電率及び誘電正接を測定した。
さらに、材料の高温耐熱酸化劣化性を確認する為、硬化物平板試験片を135℃、空気雰囲気下で150時間放置した後、誘電率及び誘電正接の測定を行い、高温耐熱酸化劣化性試験後の誘電率及び誘電正接を測定した。
熱硬化性樹脂組成物のワニスにガラスクロス(Eガラス、目付71g/m2)を浸漬して含浸を行い、80℃のエアーオーブン中で10分間乾燥させた。その際、得られるプリプレグのレジンコンテンツ(R.C)が50wt%となるように調整した。
このプリプレグを使用して、成形後の厚みが約0.6mm〜1.0mmになるように、上記の硬化性複合材料を必要に応じて複数枚重ね合わせ、その両面に厚さ18μmの銅箔(商品名F2−WS銅箔、Rz:2.0μm、Ra:0.3μm)を置いて真空プレス成形機により成形硬化させて評価用積層体を得た。硬化条件は、3℃/分で昇温し、圧力3MPaで、200℃で60分間保持し、評価用銅張積層板としての積層体硬化物を得た。
耐湿熱性試験後の銅箔引き剥がし強さの試験は、上記の試験片を85℃、相対湿度85%で2週間放置した後、上記と同様にして測定した。
前項で成形を行った評価用銅張積層板を用いて、格子状に線幅(L)が0.5mm、線間隔(S)が1.0mm(L/S=0.5/1.0mm)にパターニングしたコア材を作成した。このコア材を黒化処理し、次いで、その上に、さらにプリプレグを積層し、2次成形することで、内層が格子状パターンの評価用積層基板を作成した。その作成した評価用積層基板について、例えば、樹脂ワニスの流動性不足によるボイド等の欠陥が生じていないかを確認した。その後、この評価用積層基板を沸騰水に4時間浸漬した後、280℃のはんだ槽に浸漬させた。その際、ボイドの存在が確認できず、はんだ槽に浸漬した後も膨れ、層間剥離、ミーズリング(白斑)などの不良現象の発生が見られないものを「○」、前記不良現象の発生は見られないが、反りが発生したものを「△」、前記不良現象が発生したものを「×」と評価した。
実施例1で得られた共重合体−A 20gと、重合開始剤としてパークミルP 0.2g、酸化防止剤としてアデカスタブAO−60 0.04gをトルエン8.6gに溶解し硬化性樹脂組成物(ワニスA)を得た。
表1に示した配合処方としたこと以外は、実施例6と同じ方法で硬化性樹脂組成物(ワニス)を得た。そして、実施例6と同様にして硬化物平板試験片を作成し、実施例6と同じ項目について、試験・評価を行った。これらの試験により得られた結果を表1に示した。
表2〜表6に示した配合処方としたこと以外は、実施例6と同様な方法で硬化性樹脂組成物(ワニス)を得た。そして、実施例6と同様にして硬化物平板試験片を作成し、実施例6と同じ項目について、試験・評価を行った。これらの試験により得られた結果を表2〜表6に示した。なお、ワニス濃度(固形分濃度)は60wt%とした。
さらに、これらの実施例及び比較例で示したワニスを使用して、前述の11)〜13)に記載の方法に従って、プリプレグ、試験用銅張積層板、及び、試験用めっき付き積層板を作成し、銅箔引き剥し強さ、銅めっき引き剥し強さ、並びに、成形性の評価を行った。試験結果を表2〜表6に示した。
変性PPE−A:両末端にビニル基を有するポリフェニレンオリゴマー(Mn=1160、三菱瓦斯化学(株)製、2,2',3,3',5,5'-ヘキサメチルビフェニル-4,4'-ジオール・2,6-ジメチルフェノール重縮合物とクロロメチルスチレンとの反応生成物)
変性PPE−B:両末端にビニル基を有するポリフェニレンオリゴマー(Mn=2270、三菱瓦斯化学(株)製、2,2',3,3',5,5'-ヘキサメチルビフェニル-4,4'-ジオール・2,6-ジメチルフェノール重縮合物とクロロメチルスチレンとの反応生成物)
変性PPE−C:片末端にビニル基を有するポリフェニレンオリゴマー(Mn=2340、ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA120)とクロロメチルスチレンとの反応生成物)
TAIC:トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製)
A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート (新中村化学工業株式会社製)
YDCN700;o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポトートYDCN−700−3(低粘度タイプ、新日鉄住金化学株式会社製)
HP4032D;ナフタレン骨格液状エポキシ樹脂:EPICLON HP−4032D、Mw=304、(DIC社製)
ナフトール型エポキシ樹脂:ESN−475V、エポキシ当量:340(新日鉄住金化学社製)
エピコート828;ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂:エピコート828US、Mw=370、(ジャパンエポキシレジン社製)
フルオレン骨格エポキシ樹脂:大阪ガスケミカル社製、オグソール EG−200
変性PPE−D:両末端にエポキシ基を有するポリフェニレンオリゴマー(Mn=1180、三菱瓦斯化学(株)製、2,2',3,3',5,5'-ヘキサメチルビフェニル-4,4'-ジオール・2,6-ジメチルフェノール重縮合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物)
MEH7851;ビフェニル骨格フェノール樹脂、明和化成社製、MEH−7851−S
PS6492:メラミン骨格系フェノール樹脂、群栄化学工業社製、PS−6492
YLH903:アリル基含有骨格フェノール樹脂、ジャパンエポキシレジン社製、YLH−903
脂環式骨格酸無水物:新日本理化社製、MH−700
芳香族骨格酸無水物:サートマー・ジャパン社製、SMAレジンEF60
スチレン系共重合体:KRATON A1535(Kraton Polymers LLC製)
フェノキシ樹脂:重量平均分子量37000、三菱化学(株)製「YL7553BH30」(不揮発分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)
アモルファス球状シリカ:アドマテックス社製、SE2050 SPE、平均粒子径0.5μm(フェニルシランカップリング剤により処理)
パークミルP:ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、日油(株)製
パークミルD:ジクミルパーオキサイド、日油(株)製
ノフマーBC−90:2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、日油(株)製
アデカスタブAO−60:フェノール系酸化防止剤、(株)ADEKA製
アデカスタブAO−80:フェノール系酸化防止剤、(株)ADEKA製
Claims (16)
- ジビニル芳香族化合物に由来する構造単位(a)、モノビニル芳香族化合物に由来する構造単位(b)、及びシクロオレフィン化合物に由来する構造単位(c)を含有する多官能ビニル芳香族共重合体であって、
構造単位(a)を2モル%以上95モル%未満含有し、構造単位(a)の少なくとも一部は下記式(1)で表されるビニル基含有構造単位(a1)であり、
構造単位(c)の少なくとも一部は多官能ビニル芳香族共重合体の末端に存在する末端基(c1)であり、1分子当たりの平均の末端基(c1)の数は1.5以上であり、
構造単位(a)、(b)及び(c)の総和に対するビニル基含有構造単位(a1)モル分率は0.02〜0.8の範囲であることを特徴とする多官能ビニル芳香族共重合体。 - 数平均分子量Mnが300〜100,000であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比で表される分子量分布(Mw/Mn)が100.0以下であり、及び
トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶である請求項1に記載の多官能ビニル芳香族共重合体。 - ジビニル芳香族化合物、モノビニル芳香族化合物、及びシクロオレフィン化合物を含むモノマーを、ルイス酸触媒の存在下に重合してジビニル芳香族化合物に由来する構造単位(a)、モノビニル芳香族化合物に由来する構造単位(b)、及びシクロオレフィン化合物に由来する構造単位(c)を含有する多官能ビニル芳香族共重合体であり、かつ、下記式(1)で表されるビニル基含有構造単位(a1)を含有し、構造単位(c)の少なくとも一部は多官能ビニル芳香族共重合体の末端に存在する末端基(c1)として存在する多官能ビニル芳香族共重合体の製造方法であって、
ジビニル芳香族化合物とモノビニル芳香族化合物の合計100モル%に対し、ジビニル芳香族化合物2〜98モル%、モノビニル芳香族化合物2〜98モル%を使用し、かつ、シクロオレフィン化合物を3〜300モル%使用し、これらを含む重合原料を誘電率2.0〜15.0の溶媒に溶解させた均一溶媒中、20〜120℃の温度で重合させることを特徴とするトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶である多官能ビニル芳香族共重合体の製造方法。 - ルイス酸触媒が、金属フッ化物又はその錯体である請求項3に記載の多官能ビニル芳香族共重合体の製造方法。
- 全モノマー成分の合計100モルに対し、ルイス酸触媒を0.001〜100モルの範囲内で使用することを特徴とする請求項3又は4に記載の多官能ビニル芳香族共重合体の製造方法。
- 請求項1に記載の多官能ビニル芳香族共重合体と、ラジカル重合開始剤とを含有することを特徴とする硬化性組成物。
- 硬化性反応型樹脂又は熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項6に記載の硬化性組成物。
- 前記化性反応型樹脂が、硬化性官能基を有するポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の硬化性組成物。
- 前記硬化性反応型樹脂が、1分子中に2以上のエポキシ基と芳香族構造を有するエポキシ樹脂、1分子中に2以上のエポキシ基とシアヌレート構造を有するエポキシ樹脂及び1分子中に2以上のエポキシ基と脂環構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の硬化性組成物。
- 前記硬化性反応型樹脂が、分子中に1個以上の重合性不飽和炭化水素基を有する1種以上のビニル化合物類であることを特徴とする請求項7に記載の硬化性組成物。
- 請求項6〜10のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
- 請求項6〜10のいずれかに記載の硬化性組成物と基材からなる硬化性複合材料であって、基材を5〜90重量%の割合で含有することを特徴とする硬化性複合材料。
- 請求項12に記載の硬化性複合材料を硬化して得られたことを特徴とする硬化複合材料。
- 請求項13に記載の硬化複合材料の層と金属箔層とを有することを特徴とする積層体。
- 請求項6〜10のいずれかに記載の硬化性組成物から形成された膜を金属箔の片面に有することを特徴とする樹脂付き金属箔。
- 請求項6〜10のいずれかに記載の硬化性組成物を有機溶剤に溶解させてなる回路基板材料用ワニス。
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