JP2018036476A - スクロール制御システムおよびスクロール制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】利用者の視点によってスクロールを制御する技術の提供。【解決手段】表示部においてオブジェクトをスクロールさせる表示制御部と、利用者の視点を検出する視点検出部と、前記スクロールの方向と前記視点の移動方向とが一致している場合、前記スクロールの速度を減速させるスクロール制御部と、を備えるスクロール制御システムが構成される。【選択図】図3
Description
本発明は、スクロール制御システムおよびスクロール制御プログラムに関する。
従来、検索結果等をリスト表示した場合に、画面に表示しきれなかったリストをスクロールによって表示する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、ジョグダイヤルを用いた操作によってリストをスクロールさせる技術が開示されている。
従来の技術においては、ジョグダイヤルやマウス等の操作入力装置を利用してスクロール動作を制御しており、利用者の視点によってスクロールを制御することができなかった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、利用者の視点によってスクロールを制御する技術を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、利用者の視点によってスクロールを制御する技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、スクロール制御システムは、表示部においてオブジェクトをスクロールさせる表示制御部と、利用者の視点を検出する視点検出部と、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合、スクロールの速度を減速させるスクロール制御部と、を備える。
また、上記の目的を達成するため、スクロール制御プログラムは、コンピュータを、表示部においてオブジェクトをスクロールさせる表示制御部、利用者の視点を検出する視点検出部、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合、スクロールの速度を減速させるスクロール制御部、として機能させる。
すなわち、スクロール中の表示部を視認する際の視点は、スクロールにおいて典型的な動作を行う場合がある。例えば、スクロール前に利用者所望のオブジェクトが表示部に表示されていない場合、通常は、スクロールによって表示される新しいオブジェクトを利用者が探すため、当該探す動作に応じて視点が移動する。一方、利用者所望のオブジェクト(または当該オブジェクトに類似するオブジェクト)が表示部に現れると、視点は当該オブジェクトの移動を追うように移動する。
従って、利用者にとって関心があるオブジェクトが新たに現れると、スクロール方向と視点の移動方向とが一致する可能性が高い。そこで、スクロール制御システムおよびプログラムでは、表示部においてスクロールが行われている状況において、スクロールの方向と当該スクロール中の表示部または当該表示部付近における視点の移動方向とが一致している場合に、スクロールの速度を減速させる。この構成によれば、利用者の視点によってスクロールを制御することができ、さらに、利用者所望のオブジェクトまたは当該オブジェクトに類似するオブジェクトが表示部に現れた場合に、当該オブジェクトが利用者所望のオブジェクトであるか否かを確認しやすい状況にすることができる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)スクロール制御システムの構成:
(2)スクロール制御処理:
(3)他の実施形態:
(1)スクロール制御システムの構成:
(2)スクロール制御処理:
(3)他の実施形態:
(1)スクロール制御システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態であるスクロール制御システムを実現するナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。本実施形態にかかるスクロール制御システムは、車両に搭載されたナビゲーションシステム10の機能の一部として実現される。ナビゲーションシステム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、制御部20は、当該ROMや記録媒体30に記録された所望のプログラムを実行することができる。
図1は、本発明の一実施形態であるスクロール制御システムを実現するナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。本実施形態にかかるスクロール制御システムは、車両に搭載されたナビゲーションシステム10の機能の一部として実現される。ナビゲーションシステム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、制御部20は、当該ROMや記録媒体30に記録された所望のプログラムを実行することができる。
本実施形態において、制御部20は、図示しないナビゲーションプログラムを実行することができ、当該ナビゲーションプログラムを実行することにより、図示しないGPS信号等に基づいてナビゲーションシステム10が搭載された車両を指定の目的地まで誘導する。また、ナビゲーションプログラムは、誘導案内に関する処理以外にも各種の処理を制御部20に実行させることが可能である。例えば、制御部20は、ナビゲーションプログラムにより、音楽の再生などの各種の処理を実行することができる。また、制御部20は、ナビゲーション処理や音楽再生処理等に関連する各種の検索(目的地の検索や楽曲の検索等)を実行することができる。
車両は、ディスプレイ40(表示部)および視線検出センサ42を備えている。ディスプレイ40は、図示しないインタフェースを介して制御部20と接続されており、制御部20は、ディスプレイ40に対して制御信号を出力することにより、任意の座標を指定し、任意の画像をディスプレイ40に表示させることができる。また、ディスプレイ40は、タッチパネルディスプレイであり、利用者はディスプレイ40に表示された画像をユーザインタフェースとして各種の操作入力を行うことができる。従って、本実施形態においてディスプレイ40は、操作入力装置を兼ねた表示部である。
視線検出センサ42は、赤外線出力部と少なくとも2個の赤外線カメラとを備えている。当該赤外線カメラは、運転者の顔を視野に含むように車室内の構造体(例えば、インストルメントパネルの壁面)に取り付けられている。赤外線カメラは、赤外線出力部から出力された赤外線によって撮影された利用者(運転者)の目の像に基づいて、目の位置および利用者の視線方向(ベクトル)を検出し、出力する。制御部20は、当該出力に基づいて、予め定義された3次元空間内で目の位置および視線方向を特定することができる。視線方向は、例えば、両眼のそれぞれにおいて設定された基準点と、眼球の動きに応じて位置が変化する動点とを結ぶ方向として取得され、他にも種々の方式が採用されてよい。また、両眼のそれぞれにおいて特定された視線方向の平均値等によって利用者の視線方向を1方向に特定することができるが、視線方向の特定方法も種々の方法が採用され得る。
以上の構成においては、制御部20がナビゲーションプログラムによって実行した検索の結果を、ディスプレイ40にリスト表示することができる。なお、以後においては、地図情報30aに記録された目的地の検索が行われた場合について主に説明する。検索された目的地のリスト表示においては、各検索結果を示すオブジェクト(アイコン)がソートされており、上位のオブジェクトから順に上から下に並べて表示するように構成されている。また、検索結果を示すオブジェクトがディスプレイ40上に同時に表示される際の数に上限が設けられている。そして、制御部20は、検索結果としての項目数が当該上限より多い場合にはディスプレイ40上に表示されたオブジェクトのスクロールの開始指示を受け付ける。
当該スクロールが行われた場合にスクロールを制御するため、ナビゲーションプログラムは、スクロール制御プログラム21を備えている。スクロール制御プログラム21は、表示制御部21aと視点検出部21bとスクロール制御部21cとを備えている。
表示制御部21aは、ディスプレイ40においてオブジェクトをスクロールさせる機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、検索結果としての項目数が当該上限より多い場合、制御部20は、ディスプレイ40に制御信号を出力し、検索結果を示すオブジェクトを既定数ディスプレイ40に表示させる。また、制御部20は、ディスプレイ40に対して制御信号を出力し、当該既定数のオブジェクトが表示された画面上に、スクロールの開始指示を受け付けるためのオブジェクト(ボタン等)を表示させる。
ディスプレイ40に表示された、スクロールの開始指示を受け付けるためのオブジェクトを利用者がタッチすると、当該タッチ位置を示す信号がディスプレイ40から出力され、制御部20は、当該信号に基づいてスクロールの開始指示を受け付ける。スクロール開始指示を受け付けると、制御部20は、ディスプレイ40に対して制御信号を出力し、検索結果を示すオブジェクトの中で、ディスプレイ40に表示されていない検索結果を示すオブジェクトをソート順に従って順次表示させる。
すなわち、表示された検索結果よりも下位を表示させるためのスクロール指示が行われた場合、制御部20は、表示済の検索結果の中で最も上位のリストを削除し、未表示の検索結果の中で最も上位のリストを表示対象に加え、ソート順位に従って上位から下位に検索結果を並べ、各検索結果に対応するオブジェクトを表示する処理を繰り返す。この場合、リストはディスプレイ40の下方から上方に向けてスクロールされる。
一方、表示された検索結果よりも上位のリストを表示させるためのスクロール指示が行われた場合、制御部20は、表示済の検索結果の中で最も下位のリストを削除し、未表示の検索結果の中で最も下位のリストを表示対象に加え、ソート順位に従って上位から下位に検索結果を並べ、各検索結果に対応するオブジェクトを表示する処理を繰り返す。この場合、リストはディスプレイ40の上方から下方に向けてスクロールされる。むろん、スクロールは、オブジェクト単位でなくてもよく、オブジェクトが画素単位で移動する構成であっても良い。
なお、本実施形態において、制御部20は、リストのスクロールの過程においてディスプレイ40上の表示の更新を行うと、予め決められた待機期間だけ待機した後に次の更新を行う。従って、制御部20が、当該待機期間の長さを調整することにより、スクロールの速度(単位時間にディスプレイ40に表示される情報量(本例では検索結果の数))を調整することができる。本実施形態において制御部20は、待機期間を予め決められた初期値に設定することにより、デフォルトの速度でスクロールを開始する。
視点検出部21bは、利用者の視点を検出する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態においては、視点の検出領域となるディスプレイ40の画面の位置が、車室内空間の位置を規定する3次元座標系によって予め特定されている。制御部20は、視線検出センサ42の出力に基づいて、利用者の目の位置および視線方向を取得し、画面の位置が規定された3次元座標系内で利用者の目の位置および視線方向を特定する。そして、当該目の位置から視線方向に延びる仮想的な線と、ディスプレイ40の画面との交点を視点として特定する。画面上に視点が存在しない場合、例えば、視点が不定とされる。
スクロール制御部21cは、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合、スクロールの速度を減速させる機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、スクロール中のディスプレイ40を視認する際の視点は、スクロールにおいて典型的な動作を行う場合が多く、本実施形態において制御部20は、スクロールの方向と視点の移動方向とを比較することによって当該典型的な動作を補足する。
具体的には、利用者所望のオブジェクト(または当該オブジェクトに類似するオブジェクト)がディスプレイ40に現れていない状態から、現れた状態に変移すると、視点は当該オブジェクトの移動を追うように移動する。従って、利用者にとって関心があるオブジェクトが新たに現れると、スクロール方向と視点の移動方向とが一致する。そこで、制御部20は、表示制御部21aの制御によって実行されたスクロールの方向を特定し、視点検出部21bの処理によって特定された視点の経時的な変化に基づいて視点の移動方向を特定する。そして、制御部20は、両方向を比較する。
本実施形態において、スクロール方向はディスプレイ40の上方から下方に向けた方向と、下方から上方に向けた方向とのいずれかである。そこで、制御部20は、視点の移動方向に上下方向の移動成分が含まれる場合(移動方向がディスプレイ40の横方向のみではない場合)、その移動成分をスクロールの方向と比較することにより、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致しているか否かを判定する。
そして、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合、制御部20は、利用者の視線がスクロール中のオブジェクトを追いかけていると推定する。利用者の視線がスクロール中のオブジェクトを追いかけていると推定された場合、制御部20は、スクロールの際の待機期間を長くする。この結果、制御部20が、表示制御部21aによってスクロール表示を行うと、スクロールの速度が減速される。
一方、利用者所望のオブジェクトがディスプレイ40に表示されていない状態でスクロールが行われると、通常は、スクロールによって表示される新しいオブジェクトを利用者が探すため、利用者は視点をスクロール方向と逆側に移動させて所望のオブジェクトを探し、見つからなければ、新たなオブジェクトがスクロールによって順次表示されていく部位を注視する。
いずれにしても、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致していない場合、利用者の視線はスクロール中のオブジェクトを追いかけていないため、利用者所望のオブジェクトがディスプレイ40に表示されていない状態であると推定される。そこで、制御部20は、スクロールの際の待機期間を短くする。この結果、制御部20が、表示制御部21aによってスクロール表示を行うと、スクロールの速度が加速される。
以上の構成によれば、そこで、利用者所望のオブジェクトが表示され、利用者が当該オブジェクトを視線で追っていると推定される場合には、スクロールの速度が減速される。この構成によれば、利用者の視点によってスクロールを制御することができ、さらに、利用者所望のオブジェクトまたは当該オブジェクトに類似するオブジェクトがディスプレイ40に現れた場合に、当該オブジェクトが利用者所望のオブジェクトであるか否かを確認しやすい状況にすることができる。
さらに、利用者所望のオブジェクトが表示されておらず、利用者が当該オブジェクトを探していると推定される場合には、スクロールの速度が加速される。この構成によれば、利用者所望のオブジェクトを早期にディスプレイ40に表示させることができる可能性を高めることができる。なお、本実施形態においては、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合にスクロールの速度を減速させ、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致していない場合にスクロールの速度を加速させる。従って、利用者がスクロール方向と一致する方向または逆方向に視点を意図的に移動させることにより、スクロールの加減速を意図的に操作することができる。
(2)スクロール制御処理:
次に上述の構成におけるスクロール制御処理を詳細に説明する。図2は、当該スクロール制御処理を示すフローチャートである。本実施形態においては、ディスプレイ40に検索結果としての目的地を示すオブジェクトがリスト表示されている状態で利用者がディスプレイ40をタッチしてスクロール開始指示を行った場合に、スクロール制御処理が実行される。
次に上述の構成におけるスクロール制御処理を詳細に説明する。図2は、当該スクロール制御処理を示すフローチャートである。本実施形態においては、ディスプレイ40に検索結果としての目的地を示すオブジェクトがリスト表示されている状態で利用者がディスプレイ40をタッチしてスクロール開始指示を行った場合に、スクロール制御処理が実行される。
すなわち、制御部20は、表示制御部21aの処理により、スクロール開始指示を受け付け、待機期間の初期値だけ待機しながら表示対象のオブジェクトを1個ずつ未表示のオブジェクトと入れ替えるように更新することで、スクロール開始指示によって示された方向へのスクロールを開始する。図3A、図3Bは、検索結果を示すオブジェクトが矩形のアイコン(アイコンR等)でリスト表示されている例を示している。この例においては、オブジェクトの横にスクロールの開始指示を行うためのボタンBu,Bdが表示されており、ボタンBuがタッチされると、オブジェクトが下方から上方に向けてスクロールする。一方、ボタンBdがタッチされると、オブジェクトが上方から下方に向けてスクロールする。
スクロール制御処理において、制御部20は、スクロール制御部21cの処理により、スクロール方向を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、利用者がディスプレイ40をタッチしたタッチ位置に基づいて、スクロールの方向として指示された方向を特定する。図3Aにおいては、矢印Aに示す方向(下方から上方に向けた方向)がスクロールの方向である例を示している。従って、この例であれば制御部20は、当該矢印Aに示す方向をスクロールの方向として取得する。
以下、図3A,図3Bに示す例に沿って実例を説明する。なお、図3A,図3Bに示す例においては、リスト表示の対象がオブジェクト1〜オブジェクトMxであり、図3Aに示す順に上位(オブジェクト1)から下位(オブジェクトMx)にソートされている。また、これらの例において、ディスプレイ40に同時に表示されるオブジェクトの数は4個である。
次に、制御部20は、視点検出部21bの処理により、視点を検出する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、視線検出センサ42の出力に基づいて、車室内の空間上の位置を規定する3次元座標系において利用者の目の位置および視線方向を取得する。さらに、制御部20は、当該目の位置から視線方向に延びる仮想的な線と、画面との交点を特定する。そして、当該交点の位置を画面座標系の位置に変換することにより、利用者の視点の位置をディスプレイ40上で特定する。なお、視点の位置はRAMに記録される。
次に、制御部20は、スクロール制御部21cの処理により、視点の移動方向を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、ステップS105〜S130のループ処理の過程で視点を検出するため、今回のループ処理で検出した視点と前回のループ処理で検出した視点とを比較する。ディスプレイ40の上下方向に位置が変化していない場合、視点の移動方向は上下いずれでもないと特定される。
ディスプレイ40の上下方向に位置が変化している場合、制御部20は、前回の視点から今回の視点に移動した方向が下方から上方に向けた方向、上方から下方に向けた方向のいずれであるのかを特定する。なお、図3Aに示す例において、視点Peはオブジェクト4の下端であり、視点の移動方向は上下いずれでもない。なお、ステップS105〜S130のループ処理が初めて実行された場合など、視点の移動方向が定義できない場合には、例えば、ステップS115〜S125がスキップされても良い。
次に、制御部20は、スクロール制御部21cの処理により、スクロール方向と視点の移動方向が一致するか否かを判定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、ステップS100で特定されたスクロール方向と、ステップS110で特定された視点の移動方向とを比較する。ステップS115において、スクロール方向と視点の移動方向が一致すると判定された場合、制御部20は、スクロール制御部21cの処理により、スクロール速度を減速させる(ステップS120)。すなわち、制御部20は、待機期間を長くする。なお、本実施形態においては、待機期間の上限値が決められており、待機期間が上限値である状態でさらに減速が行われる場合、速度は0とされる。従って、スクロール方向と視点の移動方向が一致する状態でステップS105〜S130が繰り返されることにより、待機時間が徐々に長くなり、スクロール速度は徐々に遅くなる。
ステップS115において、スクロール方向と視点の移動方向が一致すると判定されない場合、制御部20は、スクロール制御部21cの処理により、スクロール速度を加速させる(ステップS125)。すなわち、制御部20は、待機期間を短くする。なお、本実施形態においては、待機期間の下限値が決められており、待機期間が下限値である状態でさらに加速されることはない。なお、図3Aに示す例においては、視点の移動方向が上下いずれでもないため、ステップS115において、スクロール方向と視点の移動方向が一致すると判定されず、スクロール速度は加速される。
図3Bにおいては、利用者がオブジェクトNに関心があり、ディスプレイ40にオブジェクトNが表示されたことに伴って、オブジェクトNを視線で追いかけ、図3Aに示す視点Peの位置から視点を上方に移動させた例を示している。この場合、スクロールの方向である矢印Aと視点の移動方向である下方から上方への方向は一致しているため、スクロール速度は減速される。
ステップS120またはステップS125が実行されると、制御部20は、速度が0であるか否かを判定し(ステップS130)、速度が0であると判定されるまでステップS105以降の処理を繰り返す。例えば、図3Bに示す例のように、利用者の視線がオブジェクトNを追いかけるとスクロール速度が減速され、この状態が続くとスクロール速度が減速され続けるため、待機時間が徐々に長くなり、やがてスクロール速度は0になる。従って、利用者は、視線によって所望のオブジェクトをディスプレイ40に表示させることができる。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合にスクロールの速度を減速させる限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、スクロール制御システムは、ナビゲーションシステム以外のシステム、例えば、汎用コンピュータシステムに適用されていても良い。また、スクロール制御システムは、複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)によって実現されるシステムであっても良い。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合にスクロールの速度を減速させる限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、スクロール制御システムは、ナビゲーションシステム以外のシステム、例えば、汎用コンピュータシステムに適用されていても良い。また、スクロール制御システムは、複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)によって実現されるシステムであっても良い。
さらに、スクロール制御システムを構成する表示制御部21a、視点検出部21b、スクロール制御部21cの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。例えば、表示制御部21aがディスプレイ40内の制御部で実現されても良いし、視点検出部21bが視線検出センサ42内の制御部で実現されても良い。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。さらに、スクロールの方向と視点の移動方向との関係に応じたスクロールの制御法が予め定義されておらず、人工知能による学習等によって定義されても良い。例えば、利用者がスクロールの開始指示を行うことによってリストのスクロールが開始され、ユーザがスクロールの減速指示および停止指示を行うことによってスクロールが減速して停止した場合に、利用者の視点の移動方向がスクロール方向と一致していたことが学習され、学習後に制御部がスクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合にスクロールの速度を減速させるように構成されていても良い。
表示制御部は、表示部においてオブジェクトをスクロールさせることができればよい。すなわち、任意の画像を表示可能な表示部に表示対象となり得るオブジェクトの一部が表示されており、他のオブジェクトが表示されていない状況において、スクロールが開始されると、表示制御部は、表示されていたオブジェクトを移動および消去し、表示されていなかったオブジェクトを順次表示していく。
オブジェクトは、表示部における表示対象となり、表示部においてスクロールし得る対象であれば良い。従って、表示部に表示される任意の画像がオブジェクトとなり得る。例えば、表示部に複数の項目がリスト表示され、スクロールし得る場合に各項目がオブジェクトとなり得る。また、表示部に地図が表示され、地図の表示範囲がスクロールによって変化し得る場合に当該地図がオブジェクトとなり得る。
なお、スクロールの開始は、種々のトリガに基づいて行われてもよい。例えば、上述の実施形態のように利用者が操作する操作入力部(ボタンやタッチパネル等)によって行われた操作がスクロールの開始トリガになっても良いし、視点による特定の移動がトリガになっても良く、種々のトリガを採用可能である。
視点検出部は、利用者の視点を検出することができればよく、種々の構成を採用可能である。例えば、上述の実施形態のように、利用者の目を撮影するカメラの出力に基づいて利用者の目の動作を特定することにより視線を特定し、視線と予め特定されたディスプレイ画面との交点を視点と見なす構成等を採用可能である。検出対象となる目は1個であっても良いし、2個であっても良いが、精度を高めるためには検出対象の目は2個であることが好ましい。2個の目の視線が特定された場合における視点は、各目の視線に基づいて特定された各視点から統計的に特定されても良いし、利き目によるバイアスに基づいて視点が特定されても良い。
さらに、視点は、表示部においてスクロール中のオブジェクトを追いかけるか否かを判定できるように特定されればよく、視点の検出領域は限定されていても良い。例えば、利用者が表示部を視認している場合に表示部上に存在する視点が特定される構成や、表示部の周囲を含む所定領域内で視点が特定される構成等が採用されてもよい。
スクロール制御部は、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合、スクロールの速度を減速させることができればよい。すなわち、スクロール制御部は、スクロールの方向と視点の移動方向との比較によって、利用者の視線がスクロール中のオブジェクトを追いかけているか否かを推定し、追いかけていると推定される場合にスクロールの速度を減速させることができればよい。
スクロールの方向と視点の移動方向とが一致しているか否かの判定は、視線がオブジェクトを追いかけているか否かの判定を行うために実施されれば良い。従って、表示部上の角度が厳密に比較される構成の他、両方向の角度の差分が所定範囲内である場合に一致していると見なされる構成であってもよい。方向を角度に基づいて定義する態様は、多数の方向にスクロールし得る地図のスクロール等に使用して好適な態様である。
また、スクロールの方向と視点の移動方向とを基準方向(表示部の辺や座標系に平行な方向等)の成分に分解した場合に、共通の方向である(基準方向の成分がともに正など)に両方向が一致していると判定される構成が採用されてもよい。スクロール方向や視点の移動方向が基準方向によって判定される態様は、スクロール方向が限定されたリストスクロール等に使用して好適な態様である。
なお、視点以外の要素、例えば、利用者が操作入力装置を操作してスクロール速度を制御した場合、当該操作に応じてスクロールが制御されても良い。また、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致していない場合、例えば、視点が停止している場合や視点の移動方向がスクロールの方向と逆である場合には、スクロールの速度を減速させる制御と異なる制御にすれば良い。
このような構成の例として、上述の実施形態のように、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致していない場合、スクロール制御部がスクロールの速度を加速させる構成が採用されてもよい。すなわち、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致していない場合、利用者の視線はスクロール中のオブジェクトを追いかけていないため、利用者所望のオブジェクトが表示部に表示されていない状態であると推定することができる。従って、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致していない場合に、スクロール制御部がスクロールの速度を加速させる構成であれば、利用者所望のオブジェクトを早期に表示部に表示させることができる可能性を高めることができる。
なお、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致していない状態としては、両方向が逆の場合と、視点が停止している場合とが含まれる。そこで、これらの場合にスクロールの速度を異なる方法で制御しても良い。例えば、スクロールの方向と視点の移動方向とが逆の場合にスクロールの速度を加速させ、視点が停止している場合にスクロールの速度を維持するような構成等が採用されてもよい。
さらに、スクロールの制御手法は種々の手法があり得る。例えば、スクロール制御部が、減速の初期における加速度の絶対値を、初期よりも後の加速度の絶対値より大きくする構成が採用されてもよい。すなわち、減速の初期においては、それより後の期間と比較して急激に減速されるように構成されていても良い。この構成は、例えば、上述の実施形態において、ステップS105〜S125のループの最初または当該ループで加速が行われた後においてステップS120の減速が実行される場合に、初期の待機時間の変化を大きくし、後の期間において待機時間の変化を小さくする構成等が挙げられる。
この構成によれば、利用者が所望のオブジェクトが表示されたかもしれないと思って視点を移動させた場合に、スクロール中のオブジェクトを視認しやすくすることができる。なお、加速度は連続的に変化しても良いし段階的に変化しても良く、種々の態様で変化して良い。また、減速の場合の加速度は負の加速度であり、加速度の絶対値が大きいほど急激に減速される。むろん、加速の場合であっても同様に、加速の初期における加速度の絶対値を、初期よりも後の加速度の絶対値より大きくする構成であってもよい。
さらに、スクロールの速度の下限値は、負の値の速度であってもよい。すなわち、スクロールの速度が減速され、停止した後、逆方向にスクロールするように構成されていても良い。この構成は、例えば、上述の実施形態において減速が行われ、ステップS130において速度が0になったと判定された場合に、スクロール停止のトリガがなければ、その後も減速を続けて負の速度となる構成等によって実現される。
この構成によれば、利用者所望のオブジェクトが表示部に表示された後、スクロールの停止が間に合わずに表示部外にオブジェクトがスクロールしてしまったとしても、スクロール方向を逆転させることによって再度オブジェクトを表示部に表示させることができる。なお、スクロールが停止した後、スクロールを停止させるためのトリガは、種々の態様であって良く、例えば、利用者による操作入力や視点の特定態様の移動、視点の位置の不変等が生じた場合にスクロールを停止させ、当該トリガがなければ逆転が行われる構成であっても良い。むろん、特定のトリガに応じてスクロールの逆転が開始されても良い。例えば、視点が停止していなければ逆転させる構成や、視点が表示部の特定の位置に移動した場合(例えば、一方の端から他方の端まで移動した場合)に逆転させる構成等が採用されてもよい。むろん、操作入力装置等による介入がない場合に逆転させる構成等であっても良い。
さらに、スクロール制御部は、スクロールの速度と視点の移動速度とが一致した場合、スクロールを停止させる構成であっても良い。すなわち、スクロールの速度と視点の移動速度とが一致した場合、利用者所望のオブジェクトが表示部に現れ、利用者の視線が当該オブジェクトを追いかけていると推定される。そこで、スクロールの速度と視点の移動速度とが一致した場合にスクロールを停止させる構成とすれば、利用者所望のオブジェクトが表示部に表示された状態でスクロールが停止する確率を高めることができる。
この構成は、例えば、上述の実施形態において、ステップS115でスクロール方向と視点の移動方向が一致すると判定された後、さらに、スクロール速度(単位時間におけるオブジェクトの画面上での移動量)と視点の移動方向(単位時間におけるオブジェクトの画面上での移動量)とが一致するか否かを判定する構成によって実現可能である。すなわち、スクロール速度と視点の移動速度とが一致した場合に、制御部20は、スクロールを停止させ、スクロール制御処理を終了する。なお、速度においても方向と同様に、基準方向(例えば、画面の横または縦)成分のみに着目した評価がなされても良い。むろん、スクロール速度と視点の移動速度とが一致しているか否かの判定は、速度が厳密に一致するか否かの判定に加え、速度の差分が一定の範囲内であるか否かの判定であっても良い。
さらに、本発明のように、スクロールの方向と視点の移動方向とが一致している場合にスクロールの速度を減速させる手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような手段を備えたナビゲーションシステム、携帯端末や方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
10…ナビゲーションシステム、20…制御部、21…スクロール制御プログラム、21a…表示制御部、21b…視点検出部、21c…スクロール制御部、30…記録媒体、30a…地図情報、40…ディスプレイ、42…視線検出センサ
Claims (6)
- 表示部においてオブジェクトをスクロールさせる表示制御部と、
利用者の視点を検出する視点検出部と、
前記スクロールの方向と前記視点の移動方向とが一致している場合、前記スクロールの速度を減速させるスクロール制御部と、
を備えるスクロール制御システム。 - 前記スクロール制御部は、
前記スクロールの方向と前記視点の移動方向とが一致していない場合、前記スクロールの速度を加速させる、
請求項1に記載のスクロール制御システム。 - 前記スクロール制御部は、
減速の初期における加速度の絶対値を、前記初期よりも後の加速度の絶対値より大きくする、
請求項1または請求項2のいずれかに記載のスクロール制御システム。 - 前記スクロールの速度の下限値は、負の値の速度である、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスクロール制御システム。 - 前記スクロール制御部は、
前記スクロールの速度と前記視点の移動速度とが一致した場合、前記スクロールを停止させる、
請求項1、請求項3、請求項4のいずれかに記載のスクロール制御システム。 - コンピュータを、
表示部においてオブジェクトをスクロールさせる表示制御部、
利用者の視点を検出する視点検出部、
前記スクロールの方向と前記視点の移動方向とが一致している場合、前記スクロールの速度を減速させるスクロール制御部、
として機能させるスクロール制御プログラム。
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- 2016-08-31 JP JP2016169107A patent/JP2018036476A/ja active Pending
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