JP2018033343A - 植物用の固形培地 - Google Patents
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Abstract
Description
水生植物の売買においては、従来は、販売店などに設置された水槽内で水生植物を育成しておき、これを購入した消費者が水生植物を水と共にプラスチック製の袋等に入れて持ち帰るなどしていた。
また、植物の種類によっては、植物体の根以外の葉や茎が水中にあることが生育条件として望ましい場合もあり、このような植物に対して、特許文献1に記載の技術を適用した場合には、保管中や搬送中に植物が枯れてしまうといったことも少なくなかった。
一方、このような水生植物に対して、特許文献1に記載の固形培地を適用した上で容器内に水を入れることは、培地の溶解等の問題から困難であるため、この技術を、水中で生育する種類の水生植物に適用することはできなかった。
また、特許文献1に記載されるような固形培地を用いた場合、水槽中に植物を移植しようとする際には、固形培地から植物を抜き取り、根についた固形培地を洗い流してから、水槽の底に敷いた底床へ移植をしなければならず、その作業は煩わしいものであった。
また、水を入れた水槽の底に、水生植物の育成に適したソイル(土壌の焼結体)を敷き、そのソイルに水生植物を植えた状態では、輸送中等の振動によって、水中にソイルが拡散してしまい、水生植物がソイルから離脱してしまい、生育状態が悪化するという問題もある。
本発明の固形培地は、カビの発生や腐敗を極力防ぎ、植物を育成する効果に優れる。本発明の固形培地は、水中でも固形状態を維持し、植物を保持することができるため、生育環境が水中であっても用いることができる。特に、輸送中に振動が与えられてもその固形状態を維持できるため、植物の育成状態を極力悪化させずに輸送、保管ができる。
また、植物を水槽中に移植する際にも、固形培地を除去する必要がなく、容易な移植が可能となる。
なお、本発明において、「育成」とは、生存させ、維持させることを意味する。
このような形態とすることにより、植物の良好な生育環境が得られる。
このような形態とすることにより、植物の良好な生育環境が得られる。
なお「植物」には、植物の種子も含まれる。
本発明の培地付き植物は、植物を良好な育成状態で維持し、植物を水槽中に移植する際にも、固形培地を除去する必要がない。
このような形態とすることにより、植物を育成しつつ流通させることが容易になる。
このような固形培地用組成物を用いれば、水を混合するだけで、本発明の固形培地を調製することが可能である。
本発明の製造方法を用いることで、容易に培地付き植物を製造することが可能である。
また、本発明の培地付き植物は、無菌、滅菌がされていない一般的な空調環境にて無菌化されていない一般的な植物を植えつけることによって製造できるため、製造コスト、管理コストを抑えることも可能となる。
本実施形態の固形培地1は、図1に示すように、粒状の底床材2と、粘着性の含水ゲル3とを含有し、底床材2の粒同士は含水ゲル3を介して結着されている。
ここで、「結着」の程度として、必ずしもすべての粒が完全に固定化されていることまでは必要とせず、例えば、2〜5cm四方の面積、1〜2cm程度の厚みの固形培地を、概ね形状を保持しつつ手指で保持できる程度に、結着していればよい。
ゲル化剤としては、植物の生育可能な温度やpH等の条件において、含水ゲルを形成し、その状態で粘着性を発揮し得るものであれば特に制限されない。
なお、植物5は、植物の種子であってもよい。
植物5の種類としては、特に制限されず、自然の生育条件が、植物体全体が完全に水中のもの、時期により植物体全体が水中のもの、基本的に根のみが水中のもの等、どのような植物であってもよい。すなわち、水生植物であってもよいし、陸上植物のうち、根が水中にあっても生育が可能な植物(アクアテラリウムに用いられる観葉植物)であってもよい。
本実施形態の培地付き植物4は、前述した固形培地1に植物5が植え付けられている状態で、植物5が固形培地1と共に、容器6に収納されている。容器6は、容器本体61と蓋62とを有している。容器本体61と蓋62は、何れも光透過性、酸素透過性、かつ水不透過性のプラスチック材料で形成されている。容器6の容量は、植物5の種類によって適宜調製することが可能である。
また、容器本体61は、前記固形培地1に包含される以外に、流体としての水を含むものであってもよい。水の有無、水の量は、植物の種類、成長速度に応じて、適宜設定することができる。
なお、蓋62は、植物5が水生植物である場合にはあることが好ましいが、植物5が陸上植物である場合にはなくてもよい。
そして、このように容器に収納された培地付き植物4は、輸送等による振動によっても、植物5が固形培地1から離脱する可能性を低減させて、良好な育成状態を維持することを可能にする。
また、消費者に販売されるまでの間に、容器6に収納した状態で、植物の剪定を行うこと等で、商品維持ができる。
また、固形培地1は、必要に応じて手で任意に分割することもできるので、水槽内へ移植する際に、レイアウトデザインもしやすい。
得られた固形培地に、水生植物を植えつけ、プラスチック製容器本体の開口を、プラスチック製の蓋をすることにより閉じて、培地付き水生植物を得た。
移植から1週間後には、水槽の底に敷いたソイルに根付き、その後も順調な成長を見せた。また、水槽の水が濁ることもなかった。
一方、本発明の固形培地に変えて、ソイルのみの培地を用いて同様に振動を加えた場合には、ソイルが水中に分散し、水生植物が培地から離脱してしまった(図3(B))。
2 底床材
3 含水ゲル
4 培地付き植物
5 植物
6 容器
61 容器本体
62 蓋
Claims (7)
- 粒状の底床材と、常温で粘着性の含水ゲルとを含有し、
前記底床材の粒同士が、前記粘着性の含水ゲルを介して結着されていることを特徴とする、植物用の固形培地。 - 前記含水ゲルは、多糖類又は蛋白質から選ばれるゲル化剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の固形培地。
- 前記底床材又は含水ゲルは、滅菌処理されていないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の固形培地。
- 請求項1〜3の何れかに記載の固形培地と、該固形培地に植えられた植物とを含むことを特徴とする、培地付き植物。
- 開口部を有する容器本体を有する水不透過性の容器を備え、該容器内に、前記植物が前記固形培地とともに収納されていることを特徴とする、請求項4に記載の培地付き植物。
- 請求項1〜3の何れかに記載の固形培地を調製するための固形培地用組成物であって、粒状の底床材と、常温で粘着性の含水ゲルを生成するゲル化剤とを含有することを特徴とする、固形培地用組成物。
- 開口部を有する容器本体を有する容器の容器本体の底に、粒状の底床材を敷く工程と、
水と、常温で粘着性の含水ゲルを生成するゲル化剤とを混合して、ゲル化剤の水溶液を調製する工程と、
ゲル化剤の水溶液を前記容器本体に注入する工程と、
前記底床材の粒同士を、前記粘着性のゲルを介して結着させる工程と、
前記底床材に、植物を植える工程と、
を有することを特徴とする、培地付き植物の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021010335A (ja) * | 2019-07-08 | 2021-02-04 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 根系採取方法、根系採取装置、振動発生装置、及びポット用固定台 |
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JPH077376U (ja) * | 1993-07-09 | 1995-02-03 | 環境エンジニアリング株式会社 | 幼苗容器 |
JPH11235127A (ja) * | 1998-02-23 | 1999-08-31 | Sumika Nogyo Shizai Kk | 育苗培土の調製方法及び育苗培土並びに育苗培土調製用セット |
JP2007000011A (ja) * | 2005-06-21 | 2007-01-11 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 植物育成用容器、植物育成方法及び植物育成用培地 |
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- 2016-08-30 JP JP2016168084A patent/JP6818340B2/ja active Active
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JP7262111B2 (ja) | 2019-07-08 | 2023-04-21 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 根系採取方法及び根系採取装置 |
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