JP2018024545A - 溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物、コークス炉用プレキャストブロック及び溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物の製造方法 - Google Patents

溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物、コークス炉用プレキャストブロック及び溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物において、溶融シリカガラスの結晶化を抑制し、かつ容積安定性を向上すること。
【解決手段】溶融シリカガラスを80質量%以上含有し、粒径1μm未満の超微粉シリカを凝集することで固める溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物において、Al,P,Bの成分合計を0.5質量%以上2.5質量%以下、Al,P,Bの成分合計とNaOとKOの成分合計の質量比((Al+P+B)/(NaO+KO))を4以上、かつPとAlの成分の質量比(P/Al)を1.5以上とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶融シリカガラスを主成分とする溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物、及びこの溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物を使用したコークス炉用プレキャストブロック、さらには溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物の製造方法に関する。
溶融シリカガラスには、石英を電気炉内で水素,酸素の混合ガスによる火炎で溶融、固化した溶融石英ガラスと液体原料から合成された合成溶融シリカガラスとがあるが、いずれも金属などの不純物が少なく耐熱性に優れ、熱膨張係数が約10−7Kと小さく容積安定性、耐熱衝撃性に優れることから、溶融シリカガラスを主成分とする溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物は、特にコークス炉用プレキャストブロックに汎用されている。
キャスタブル耐火物の結合剤(硬化剤)としては一般にアルミナセメントが使用されるが、溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物のようにシリカ(SiO)を主成分とするキャスタブル耐火物の場合、SiOとアルミナセメントの主成分であるCaO・Alが反応してSiO−CaO−Al系の低融点物を生成し耐熱性が低下する。そのため特許文献1ではポルトランドセメントを結合剤(硬化剤)として使用し、CaO−SiO系とすることで、耐熱性の低下を抑制している。しかし、セメントを結合剤としたキャスタブル耐火物は、400〜1200℃の乾燥,焼成時にセメント水和反応による脱水及び焼結によりマトリックス部が大きく収縮する。特に、溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物ではマトリックス部が収縮すると、骨材の溶融シリカガラスが低熱膨張材料であることから、施工体に亀裂が入る。
これに対して特許文献2では、溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物において、結合剤にセメントを使わずコロイダルシリカを結合剤とすることが提案されている。しかし、溶融シリカガラスは1000℃以上の高温になるとナトリウムなどの不純物によってSi−O−Si結合が切断されクリストバライトやトリディマイトなどの鉱物に変わる結晶化(失透)を起こしやすいところ、特許文献2ではコロイダルシリカの硬化剤として珪酸ソーダが使用されており、これが溶融シリカガラスの結晶化を起こす原因となる。1000℃以上で溶融シリカガラスが結晶化すると、溶融シリカガラスの比重よりもクリストバライトやトリディマイトの比重が小さいため、結晶化するとき膨張が大きくなり容積安定性が低下する。また、冷却すると約230℃でクリストバライトが高温型から低温型に転移するとき大きく収縮するため、結晶化が進んでいると強度低下や亀裂の原因となる。また、コロイダルシリカの硬化剤に珪酸ソーダなどナトリウムを含有したものを使用しなくても、分散剤に含有されている微量(0.1質量%以下)のナトリウムでも溶融シリカガラスの結晶化を促進する。分散剤由来の微量のナトリウムは不可避であることから、結晶化を抑制する技術が必要である。
これに関して非特許文献1には、1350℃の熱間において微量のナトリウムによって引き起こされる溶融シリカガラスの結晶化を抑制する技術としてアルミナの少量添加に効果があることが示されている。しかし、本発明者らが実際に溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物に少量のアルミナを添加して試験を行ったところ、結晶化を抑制する効果は確認できたものの、1000〜1200℃の温度範囲で焼結による大きな収縮が発生し、容積安定性が劣化するという問題があることがわかった。
特開2006−290657号公報 特開2013−189322号公報
J.Am.Ceram.Soc.,66,C-188-189(1983)
本発明が解決しようとする課題は、溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物において、溶融シリカガラスの結晶化を抑制し、かつ容積安定性を向上することにある。
本発明者らは、溶融シリカガラスを主成分とし、結合剤にセメントを使わず、コロイダルシリカ等の粒径1μm未満の超微粉シリカを凝集することで固める溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物において、溶融シリカガラスの結晶化の抑制にはAlのほかにP、Bにも効果があり、しかもPをAlに対して所定の質量比以上で含有させることにより容積安定性を向上することを見出した。
すなわち、本発明の一観点によれば、溶融シリカガラスを80質量%以上含有し、粒径1μm未満の超微粉シリカを凝集することで固める溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物において、Al,P,Bの成分合計が0.5質量%以上2.5質量%以下、Al,P,Bの成分合計とNaOとKOの成分合計の質量比((Al+P+B)/(NaO+KO))が4以上、かつPとAlの成分の質量比(P/Al)が1.5以上であることを特徴とする溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物が提供される。
本発明の他の観点によれば、本発明の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物からなるコークス炉用プレキャストブロックが提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、原料配合におけるP,Bの成分源として水に不溶又は難溶の化合物を使用することを特徴とする溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物の製造方法が提供される。
本発明によれば、溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物において、溶融シリカガラスの結晶化を抑制し、かつ容積安定性を向上することができる。
本発明の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物は、溶融シリカガラスを80質量%以上含有し、粒径1μm未満の超微粉シリカを凝集することで固めるキャスタブル耐火物である。すなわち、本発明の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物はSiOを主成分とする。具体的なSiO成分の含有量は技術常識の範囲内にあるが、典型的には80質量%以上99.5質量%以下である。
溶融シリカガラスは、例えば粒径1μm以上10mm未満程度となるように粉砕、整粒したものを80質量%以上含有させる。溶融シリカガラスの含有量の上限は技術常識の範囲内にあるが、典型的には90質量%以下である。
超微粉シリカとしては、フュームドシリカ、湿式法シリカ、コロイダルシリカなど各種の非晶質シリカ超微粉原料を使用できる。本発明において超微粉シリカは、フィラーとして6質量%以上19.5質量%以下含有させることが好ましい。なお、超微粉シリカとしてコロイダルシリカを使用する場合、その含有量(添加量)は固形分としての含有量(添加量)をいう。
詳しくは後で説明するが、Al,P,Bの各成分は、NaO,KOなどのアルカリ成分による溶融シリカガラスの結晶化を抑制する効果があることから、本発明ではこれら3成分を合計で0.5質量%以上2.5質量%以下含有させる。3成分の成合計が0.5質量%未満では結晶化抑制の効果が十分に得られない。一方、3成分の合計が2.5質量%より多いと溶融シリカガラスの粘性が低下し、高温での荷重下において変形が大きくなる。
このように本発明において前記3成分は、シリカ原料(溶融シリカガラス,超微粉シリカ)の不純物として微量含有されていたり、分散剤中に不可避成分として微量含まれているアルカリ成分(NaO,KO)による溶融シリカガラスの結晶化を抑制するために含有させることから、前記3成分の成分合計とNaOとKOの成分合計の質量比((Al+P+B)/(NaO+KO))は4.0以上とする。すなわち、この質量比が4未満では結晶化抑制の効果が十分に得られない。
また、本発明では前記3成分のうちPとAlの成分の質量比(P/Al)を1.5以上とする。P成分が少なく前記質量比が1.5未満になると、1000〜1200℃の熱間で焼結による収縮が発生し容積安定性が低下する。すなわち、本発明において前記3成分のうちP成分は必須の成分であり、このP成分が溶融シリカガラスの結晶化を抑制しつつ容積安定性を向上する作用を奏することは、メカニズムは定かではないが、本発明者らによる新たな知見である。一方、本発明において前記3成分のうちAlとBは必須の成分ではない。ただし、Alは優れた結晶化抑制効果を発揮するので、Pと併用することが好ましい。より具体的には、Al成分の含有量は0.05質量%以上0.9質量%以下、P成分の含有量は0.3質量%以上1.9質量%以下であることが好ましい。
次に、本発明の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物の製造方法について説明すると、本発明では、原料配合におけるP,Bの成分源として水に不溶又は難溶の化合物を使用する必要がある。五酸化二りん(P)や酸化ほう素(B)のように水溶性の化合物は水と反応して腐食性を示したり、キャスタブル耐火物の流動性及び硬化性に悪影響を及ぼしたりするからである。具体的には、Pの成分源としては、第三りん酸アルミニウム(CAS番号7784−30−7)及び/又はメタりん酸アルミニウム(CAS番号32823−06−6)、Bの成分源としては、りん酸ほう素(CAS番号13308−51−5)及び/又はほう酸アルミニウム(CAS番号12005−61−7)を使用することが好ましい。また、Alの成分源としては、第三りん酸アルミニウム(CAS番号7784−30−7)、メタりん酸アルミニウム(CAS番号32823−06−6)、ほう酸アルミニウム(CAS番号12005−61−7)及びアルミナ粉から選択される1種又は2種以上を使用することが好ましい。
原料配合にはこれらAl,P,Bの成分源のほかに、通常、超微粉シリカを凝集し硬化させる凝集硬化剤及び分散剤を配合する。凝集硬化剤としては、炭酸マグネシウム、マグネシア、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等、分散剤としては、トリポリりん酸ナトリウム、ヘキサメタりん酸ナトリウムなどの縮合りん酸塩や、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸等が使用できる。ただし、アルカリ土類金属化合物の配合量は、高い熱間強度を確保する点から1質量%以下であることが好ましい。また、原料配合には必要に応じて、珪石、シャモット、ジルコン、ジルコニア等を配合することができる。なお、本発明では結合剤にセメントを使用しないことは前提条件である。
このような原料配合を適量の水分とともに混練して鋳込み成形し、養生後乾燥、焼成することで、本発明の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物(プレキャストブロック)を製造することができる。この本発明の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物(プレキャストブロック)は、特にコークス炉用として有用である。
NaO,KOによる溶融シリカガラスの結晶化とそれを抑制する添加剤組成について次の実験を行った。
まず、粒径1mm未満の溶融シリカガラス粉末100質量%に、添加剤を外掛けで1質量%以下の所定の量で添加し乳鉢で混合した後、外掛け8質量%のアラビアゴム水溶液(濃度10%)で錬り込んだものを100MPaで加圧成形したのち、110℃で24時間乾燥させて乾燥成形体を得、得られた乾燥成形体を、電気炉にて1200℃で3時間焼成して焼成体を得た。この焼成体を試料とする。
表1に、その実験結果の代表的なものを示す。ここで、「結晶化度」は、試料を粉砕しX線回折外部標準法で石英、トリディマイト、クリストバライトの質量割合を測定し、その和とした。結晶化度が0なら溶融シリカガラスの結晶化は起こっておらず、100なら溶融シリカガラスは全て結晶化していることを示す。
Figure 2018024545
試料Bは、キャスタブル耐火物においてNaOが分散剤中に不可避成分として微量含まれることからそれを想定し、NaO成分として炭酸ナトリウムを添加したものである。溶融シリカガラスのみの試料Aと比較すると大きく結晶化していることがわかる。また、試料C,Dの結晶化度は大きく試料Bとほぼ同じであることからジルコニア、酸化チタンにはNaOによる溶融シリカガラスの結晶化を抑制する効果がないことがわかる。
試料Eは炭酸ナトリウムとアルミナ粉末を添加したものであり、結晶化度は溶融シリカガラスのみの試料Aとほぼ同じで、AlはNaOによる溶融シリカガラスの結晶化を抑制する効果が大きいことが確認された。
試料Fは炭酸ナトリウムと第一りん酸アルミニウム(Al(HPO)を添加したもので、試料G〜HはNaO,KO源としてりん酸ナトリウムガラス又ははりん酸ナトリウム・カリウムガラスを添加したものである。試料Gは試料Bに比べNaO成分が多いにも関わらず結晶化度は小さくなっている。試料Hはアルカリ成分がNaOとKOからなるが試料Gとほぼ同じ結果になった。試料F〜試料Jの結果よりAl成分のほかにP成分にもアルカリ成分(NaO,KO)による溶融シリカガラスの結晶化を抑制する効果があることがわかる。
試料Kは炭酸ナトリウムとほう酸を添加したものである。試料Bに比べ結晶化度は小さい。以上より、AlのほかにP、B成分にもアルカリ成分(NaO,KO)による溶融シリカガラスの結晶化を抑制する効果があることがうかがえる。
次に、表2に本発明の実施例、表3に比較例を示す。
Figure 2018024545
Figure 2018024545
表2,3に記載の原料配合に従って各原料を配合し、適量の水分を添加して、混練、鋳込み成形し、養生後110℃で乾燥処理して乾燥後成形体を作製し、以下の試験評価を行った。なお、溶融シリカガラスは、粒径1μm以上10mm未満となるように粉砕、整粒したものを使用した。
化学成分は、乾燥後成形体を350℃で更に熱処理したものを試料として測定した。化学成分において「その他」にはIg.loss,TiO,MgO,CaO,Fe,ZrOが含まれる。
結晶化度は、乾燥後成形体をそれぞれ1200℃,1400℃で、3時間焼成した試料を粉砕し、表1と同様にX線回折外部標準法で石英、トリディマイト、クリストバライト質量割合を測定し、その和とした。評価は1200℃,3時間焼成で結晶化度が30以下、1400℃,3時間焼成で結晶化度が60以下を良好とした。
曲げ強さは、乾燥後成形体を1200℃,3時間焼成した後、JIS−R2553に準拠して測定した。
熱膨張率は、乾燥後成形体をJIS−R2555準拠して測定し、表2,3には1000℃、1200℃、1400℃の時の熱膨張率を記した。熱膨張率は−0.1%以上0.1%以下を良とした。この熱膨張率は容積安定性を示す指標である。
荷重軟化は、乾燥後成形体をJIS−R2209に準じて測定し、軟化が開始する温度T1を求め、T1≧1580℃を良とした。
先に示した表1の実験からAlのほかにP,B成分にもアルカリ成分(NaO,KO)による溶融シリカガラスの結晶化を抑制する効果があることが示されたが、表1で用いた第一りん酸アルミニウム(Al(HPO)や、ほう酸(HBO)は水に溶けキャスタブル耐火物の流動性、硬化性、乾燥性に不良を及ぼすことから、表2の実施例では、P成分として、水に不溶又は難溶の第三りん酸アルミニウム(CAS番号7784−30−7)、メタりん酸アルミニウム(CAS番号32823−06−6)、B成分としては、りん酸ほう素(CAS番号13308−51−5)、ほう酸アルミニウム(CAS番号12005−61−7)、Al成分としては、第三りん酸アルミニウム(CAS番号7784−30−7)、メタりん酸アルミニウム(CAS番号32823−06−6)、ほう酸アルミニウム(CAS番号12005−61−7)及びアルミナ微粉から選択される1種又は2種を使用した。
比較例1は、特許文献1にあるような、ポルトランドセメントを結合剤とした材料であるが、熱膨張試験において1200℃以上で、熱膨張率が−1%未満と脱水と焼結によると考えられる大きな収縮があり容積安定性に劣る。
比較例2は、1200,1400℃焼成後の結晶化度が他の試料に比べ大きく、1200℃焼成後の曲げ強さが他の試料に比べ小さい。比較例2の試料の結合剤はコロイダルシリカで、SiO成分が多く不純物の少ない材料であるが、分散剤などに含まれる微量のNaOによって溶融シリカガラスからクリストバライトへの結晶化が促進され、冷却時、高温型から低温型のクリストバライトに転移することによって欠陥が生じ、曲げ強さが低下したと考えられる。また、熱膨張試験においても、結晶化が進行することによって1200,1400℃の熱膨張率が大きくなっている。
比較例3は、表1の試験でNaOによる溶融シリカガラスの結晶化抑制に効果のあった第一りん酸アルミニウムを添加したものである。第一りん酸アルミニウムは水に溶け、シリカフュームやコロイダイルシリカが凝集しやすいpH(≦2)となるのでキャスタブルの流動性がなく鋳込むことができなかった。
比較例4は、比較例2の材料をベースにAl成分としてアルミナ微粉を添加したものであるが、結晶化度が大幅に小さくなっており、NaOによる結晶化抑制に大きな効果がある。しかし、熱膨張試験の1200,1400℃において焼結によると考えられる大きな収縮が生じており容積安定性に劣ることがわかった。
実施例1,2,3及び比較例5,6は、比較例2の材料をベースにP,Al成分としてメタりん酸アルミウムを添加したものである。比較例5は比較例2よりも結晶化度が小さくなっているが、メタりん酸アルミニウムの添加量が少ないため1200,1400℃3時間焼成後の結晶化度が設定した基準より大きく効果が不十分である。実施例1,2,3は結晶化度、熱膨張率、荷重軟化ともに良好な値を示した。比較例6は結晶化度は小さく良好であるが、メタりん酸アルミニウムの量が多すぎ荷重軟化点が1580℃よりも低下してしまった。
比較例7は、比較例2の材料をベースにP,Al成分として第三りん酸アルミニウムを1質量%添加したものである。結晶化度は小さく良好であるが、第三りん酸アルミニウムはメタりん酸アルミニウムよりAl含有量が高くP/Al比が1.2と小さくなったため、熱膨張試験の1200,1400℃において焼結によると考えられる大きな収縮が生じており容積安定性に劣る。
実施例4,5及び比較例8,9は、比較例2の材料をベースにP,B成分としてりん酸ほう素を添加したものである。比較例8は比較例2よりも結晶化度が小さくなっているが、りん酸ほう素の添加量が少ないため1200,1400℃3時間焼成後の結晶化度が設定した基準より大きく効果が不十分である。実施例4,5は結晶化度、熱膨張率、荷重軟化ともに良好な値を示した。比較例9は結晶化度は小さく良好であるが、りん酸ほう素の量が多すぎ荷重軟化点が1580℃よりも低下してしまった。
比較例10は、Al,B成分としてほう酸アルミニウムを0.5質量%添加した。結晶化度は小さく良好な値を示したが、P成分がないため熱膨張試験の1200,1400℃において焼結によると考えられる大きな収縮が生じており容積安定性に劣る。
実施例6〜11及び比較例11は、P,Al,B成分源を複数添加したものである。
アルミナ微粉を添加した比較例4、りん酸アルミニウムを添加した比較例7、ほう酸アルミニウムを添加した比較例10は、いずれもP/Al比が1.5より小さく熱膨張試験の1200,1400℃において大きく収縮する。しかし、実施例6〜11のように、りん酸ほう素を併用しAl,P,Bの3成分の和が0.5質量%以上2.5質量%以下であり、(Al+P+B)/(NaO+KO)比が4以上であり、さらにP/Al比が1.5以上になるように成分調整をすると結晶化度、熱膨張率、荷重軟化ともに良好な値を示した。一方、比較例11は、前記3成分の和が3.1質量%と2.5質量%より大きいため荷重軟化が1580℃より低い結果となってしまった。
比較例12,13は比較例2の材料をベースにりん酸ナトリウムガラス、りん酸ナトリウム・カリウムガラスを1質量%添加したものである。P成分は増えるものの、NaO+KO成分も増えるため、(Al+P+B)/(NaO+KO)比が4より小さくなるため結晶化度が大きくなる結果となった。
実施例12,13は比較例12,13の材料をベースに第三りん酸アルミニウムを1質量%添加し、(Al+P+B)/(NaO+KO)比が4より大きくなるように調整したもので、結晶化度が小さく、熱膨張率も良好な値を示した。

Claims (5)

  1. 溶融シリカガラスを80質量%以上含有し、粒径1μm未満の超微粉シリカを凝集することで固める溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物において、Al,P,Bの成分合計が0.5質量%以上2.5質量%以下、Al,P,Bの成分合計とNaOとKOの成分合計の質量比((Al+P+B)/(NaO+KO))が4以上、かつPとAlの成分の質量比(P/Al)が1.5以上であることを特徴とする溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物。
  2. 請求項1に記載の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物からなるコークス炉用プレキャストブロック。
  3. 請求項1に記載の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物を製造する溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物の製造方法において、原料配合におけるP,Bの成分源として水に不溶又は難溶の化合物を使用することを特徴とする溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物の製造方法。
  4. の成分源として、第三りん酸アルミニウム及び/又はメタりん酸アルミニウム、Bの成分源として、りん酸ほう素及び/又はほう酸アルミニウム、Alの成分源として、第三りん酸アルミニウム、メタりん酸アルミニウム、ほう酸アルミニウム及びアルミナ粉から選択される1種又は2種以上を使用する請求項3に記載の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物の製造方法。
  5. 原料配合において、アルカリ土類金属化合物の配合量が1質量%以下である請求項4に記載の溶融シリカガラス質キャスタブル耐火物の製造方法。
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