JP2017537749A - スノーシュー - Google Patents

Abstract

スノーシュー（１０）は、履物支持プレート（１２）、前方ビンディング装置（１４）、及び後方ビンディング装置（１６）を備える。前記プレート（１２）は、部分的に互いに重複する複数の中空角柱構造体（１８ａ，１８ｂ）から形成される、格子状の本質的に平坦な構造を有している。中空の角柱構造体（１８ａ，１８ｂ）の下端（２０ａ，２０ｂ）が、プレート（１２）が雪上でグリップ力を得ることを許容する鋭い端部（２０ａ，２０ｂ）を形成するように、各中空角柱構造体（１８ａ，１８ｂ）の主軸（ｘ）は、プレート（１２）の中心軸に対して、２０度から７０度に含まれる角度（α）で傾斜しており、中空角柱構造体（１８ａ，１８ｂ）の内表面（１９ａ，１９ｂ）は、雪への高い押し込み抵抗を一般的に示し、ユーザの体重を幅広い接触表面に分散させることを許容し、それによって良好な浮揚性を保証する。【選択図】図１

Description

本発明は、独立請求項１の前半部分で規定されるようなスノーシューに関する。

このタイプのスノーシューは、欧州特許第０６１３７０４号によって知られている。

スノーシューズは、雪の積もった環境でのハイキング活動のために典型的に使用される装置であり、新雪上を徒歩で容易に移動可能にする。スノーシューズは、プラスチック材料、金属、布、又はこれらの材料の組合せであり得るプレートと、前記プレートをユーザの靴、典型的には冬季ハイキングブーツに固定するためのビンディング手段とを典型的には備える。プレートは、靴のソールによって提供されるものよりも幅広い地面（又はより良くは積雪層）との接触表面を提供するように、ユーザの靴のソールよりも大きな長さ及び幅を有する。ビンディング手段は、単純なベルトから、より複雑な自動ビンディング装置までを含んでもよい。さらに、恒久的に又は一時的だけ、ユーザのかかとの自由な運動を許容するために、すなわち、足裏がプレートと独立して運動できるようにするために、ビンディング手段とプレートとの間にヒンジ継手が設けられており、したがって、プレートは、歩行中に地面とおおよそ平行な平面を維持する。現代的なスノーシューは、例えば、国際公開第２０１４／０２７８９３号に開示されている。

現在知られているスノーシューズのほとんどは、主に、平地上のパウダースノーで浮力を提供するように設計されており、従って、雪の積もったでこぼこの地面、特に、２０度以上の勾配を有する雪の積もった傾斜地にはあまり適していない。さらに、現在知られているスノーシューズのほとんどは、大きな寸法を有しており、従って、かさばり、使用されないとき、例えば、スキー又はスノーボードで下山している間、容易に輸送できない。

例えば、米国特許第６１８５８４６号で開示されているもののような、所謂「コンパクト」スノーシューズは、過去に着想されており、ユーザが雑多な地面を歩行することを容易にすると共に、使用されないときにスノーシューズを輸送することを容易にするために、コンパクトな寸法を有することと、固定されたヒールピースを有し、したがって足を恒久的にプレートに固定することとを特徴とする。しかしながら、これらのスノーシューズは、伝統的なスノーシューズのような平面構造体を有しており、パウダースノー上での浮力、並びに、固まった雪上又は氷上、及び急勾配の傾斜地上でのグリップ力という点で低い特性を示す。

国際公開第２０１４／０７１２３２号に開示されている製品に似た製品も、市場で入手可能であり、一度アイゼンに好適に結合すると、パウダースノーでの浮力を増加させる複数のプレートから構成され、したがって、雪の積もった傾斜上での登山及び下山を容易にする。しかしながら、これらの既知の製品は、多くの欠点を有している：これらは重く、これらはパウダースノーでの高いグリップ力を保証せず、さらに、これらは、プレートの底面にくっついたまま残る圧縮された雪の塊を形成し、プレートの上面上に必然的に滑る雪が付着する傾向があり、したがってユーザが歩行することをより困難にする。

本発明の目的は、上述した先行技術に対して改良されたスノーシューを提供することである。

より詳細には、ユーザが、でこぼこの雪の積もった地形、特に、雪の積もった傾斜地上を容易に移動することを可能にし、パウダースノー上及び固まった雪上の両方で高いグリップ力を提供し、パウダースノーでの良好な浮揚性を保証し、プレートの下方及びプレートの上方の両方での雪の堆積を避けるか、そうでなければ最小化し、良好な操作性を保証し、使用されないとき（例えばスキー又はスノーボードでの下山中）に容易に輸送可能であるように軽量でコンパクトであるスノーシューを提供することである。

これらの及び他の目的は、本発明によれば、独立請求項１で明らかにする特徴を有するスノーシューのおかげで、完全に達成される。

本発明の有利な実施形態は、従属請求項で定義され、従属請求項の主題は、以下の説明の不可欠であり統合された部分を形成するものとみなされるべきである。

要するに、本発明は、プレートが、互いに部分的に重複した複数の中空角柱構造から形成され、好ましくは平面に延在している、格子状構造を有している、スノーシューを提供するという考えに基づく。それらの構造体の各々の主軸は、長手方向垂直面、すなわちプレートの長手方向、又は前後方向に沿って向く垂直面上の前記主軸の投影が、プレートの中心面に垂直な方向と２０度から７０度の間に含まれる角度を形成するようにプレートの中心面に対して傾斜している。

プレートのそのような構成のおかげで、中空角柱構造体の下端は、雪がパウダースノーであろうが固まった雪であろうが、プレートが雪上でグリップ力を得ることを可能にする鋭い端部を形成する。さらに、中空角柱構造体の傾斜した配向のおかげで、それらの構造体の内表面は、ユーザの体重が分散する幅広い領域を示し、従って、プレートが格子状構造を有しコンパクトな寸法ではあるが、良好な浮揚性を保証する。

好ましくは、複数の中空角柱構造体は、パウダースノーを貫通するために特に適しているアーチ状の下端を有する構造体の第１群と、固まった雪に特に適している尖端状の下端を有する構造体の第２群とを備える。この場合、プレートは、好ましくは、第１群の構造体の列、すなわちアーチ状の下端を有する列と、第２群の構造体の列、すなわち端状の下端を有する列と、を交互に有するように形成される。

中空角柱構造体の主軸は、プレートの様々な領域で異なる傾斜を有しても良く、特に、登山中の地面上でのスノーシューのグリップ力を改善するようにプレートの前方部において前方に傾斜してもよく、下山中の地面上でのスノーシューのグリップ力を改善するように、プレートの後方部において後方に傾斜してもよい。

好ましくは、プレートは、例えばプラスチック材料製の、単一の部品として作られる。

一実施形態によると、スノーシューは、前方ビンディング装置と、後方ビンディング装置とをさらに備え、これらは共にプレートに固定され、好ましくは、互いから調整可能な距離で固定されている。

好ましくは、前方及び後方ビンディング装置の各々は、プレートに取り付けられた金属の底部要素と、それぞれの底部要素と好適に結合し、ユーザの靴のつま先とかかとをそれぞれ拘束するように形作られている柔軟性のあるビンディング部材とを備える。

好ましくは、スノーシューは、氷上又は混合地形（例えば岩と雪）上での歩行を更に改善するために、アイゼンを備える。アイゼンは、前方及び後方ビンディング装置の底部要素に直接取り付けられてもよく、又は前方及び後方ビンディング装置と一体に作られてもよい。代替的には、アイゼンは、プレートに直接取り付けられてもよく、又はプレート若しくはプレートの一部と一体に作られてもよい。

本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面に関する非制限的な例として単に与えられる以下の詳細な説明からより明らかになる。

本発明の実施形態に係るスノーシューの斜視図。 図１のスノーシューのプレートの平面図。 長手方向垂直断面における図２のプレートの断面図。 図１のスノーシューのいくつかの構成要素の分解図。

以下の説明及び特許請求の範囲において、「前方」及び「後方」、「上方」及び「下方」、「縦の」及び「横の」、「垂直の」及び「水平の」等のような用語は、スノーシューがユーザによって使用され、平らな地面上に載置されている状態を言及するものとして意図されている。具体的には、用語「縦の」は、ここでは、歩行方向に平行な方向を示すために使用され、一方で、用語「横の」は、ここでは、歩行方向に垂直な方向を示すために使用される。

まず、図１を参照すると、本発明の一実施形態に係るスノーシューは、概して１０で示される。スノーシュー１０は、プレート１２と、プレート１２の前方部に取り付けられた前方ビンディング装置１４と、プレート１２の後方部に取り付けられた後方ビンディング装置１６とを基本的に備える。プレート１２は、長手方向に沿って延びた細長い形状、特に、アーチ形の小さい辺（前方側及び後方側）を有する略矩形状を有する。

前方ビンディング装置１４及び後方ビンディング装置１６は、前記長手方向に沿って整列しており、好ましくは、互いから調整可能な距離で位置決め可能である。この目的を達成するために、図示の実施形態によれば、前方ビンディング装置１４は、定位置でプレート１２に取り付けられ、一方で、詳細に後述するように、後方ビンディング装置１６は、互いに離間するいくつかの位置でプレート１２に取り付け可能である。

次に、図２から４を同様に参照すると、プレート１２は、格子状の構成を有しており、好ましくは、例えばプラスチック材料で一体成形される。ここで提案する本実施形態において、プレート１２は、本質的に平坦であり、その中心平面は、図３においてＰで示されるが、僅かに凹形であってもよく、従って平坦ではない中心面を有していてもよい。本発明によれば、プレート１２は、互いに部分的に重複しており、水平に対して（又は、より広義には、プレートの中心面に対して、たとえプレートが平坦であろうとなかろうと）傾斜している複数の中空角柱構造体１８ａ，１８ｂから形成されている。具体的には、各構造体１８ａ，１８ｂの主軸（ｘで示される）は、その長手方向垂直断面、すなわち、スノーシューの長手方向、又は前後方向に向いた垂直断面（図３の断面図の断面平面に一致する）上での投影が、垂直方向（ｚで示される）、又は、より広義には、前記プレートの中間面に垂直な方向と、２０度から７０度の間に含まれる角度αを形成する程度に傾斜している。角度αは、好ましくは、３０度から５０度の間に含まれ、より好ましくは、３５度から４５度の間に含まれる。

構造体１８ａ，１８ｂのそのような傾斜した配置のおかげで、これらの構造体の下端２０ａ，２０ｂは、プレート１２が雪上で、それがパウダースノーであれ固まった雪であれ、グリップ力を得ることを可能にする鋭い端部を形成しており、従って、歩行、特に登山を容易にする。更に、構造体１８ａ，１８ｂのそのような傾斜した配置は、前記構造体の内表面（１９ａ，１９ｂで示される）に、雪への貫通に対する一般的に高い抵抗をもたらし、これゆえに、ユーザの体重を幅広い接触表面上に分散させ、これにより、良好な浮揚性を保証する。

図に示す実施形態において、中空角柱構造体１８ａ，１８ｂの主軸ｘは、全て長手方向垂直平面に位置するように配向されているが、それらの少なくともいくつかは、これらの平面に対して、好ましくは、平面の領域に応じた異なる傾斜角度で傾斜してもよい。

好ましくは、プレート１２は、パウダースノーに特に適しているアーチ形の下端２０ａを有する構造体（１８ａで示されるもの）の第１群と、固まった雪に特に適している尖端状の下端２０ｂを有する構造体（１８ｂで示されるもの）の第２群とを備える。図示された実施形態によれば、プレート１２は、第１群の構造体１８ａの列、すなわちアーチ形の下端２０ａを有する列と、第２群の構造体１８ｂの列、すなわち尖端状の下端２０ｂを有する列とを交互に有するように構成されている。しかしながら、プレートは、ここで例示された形状と異なる形状を有するより多くの構造体の群、ここで例示されたものとは異なる構造体の形状、及び／又はここで例示されたものとは異なるプレートの表面上での構造体の群の配置を備えることができるため、本発明は、ここで例示される特定の構成に限定されない。さらに、例示された実施形態において中空角柱構造体は同一の大きさを有しているが、しかしながら、プレートの様々な領域において中空角柱形構造は異なる大きさ（好ましくは５０％まで）を有することが考えられる。

（図示しない）一実施形態によれば、構造体１８ａ，１８ｂの主軸ｘは、プレート１２の様々な領域で異なる傾斜を有していてもよく、特に、登山中の地面上でのスノーシューのグリップ力を改善するようにプレートの前部において（図３の断面図に示す構造体１８ａ，１８ｂのように）前方部に傾斜していてもよく、下山中の地面上でのスノーシューのグリップ力を改善するように、プレートの後方部において後方に傾斜していてもよい。

前方ビンディング装置１４は、プレート１２に取り付けられ、好ましくは金属製である底部要素２２と、後者に対して、したがってプレート１２に対して横方向の振動軸ｙを中心として傾斜可能なように底部要素２２に蝶番式に取り付けられており、靴のつま先を拘束するように構成されているビンディング部材２４とを備える。同様に、後方ビンディング装置１６は、好ましくは長手方向に調整可能な位置で、プレート１２に取り付けられ、好ましくは金属製である底部要素２６と、底部要素２６に取り付けられ、靴のかかとを拘束するように構成されているビンディング部材２８とを備える。レース３０は、スノーシューをユーザの靴に安全に留めるために、前方及び後方ビンディング装置１４，１６のビンディング部材２４，２８に設けられた特別な穴又は溝に挿入される。

後方ビンディング装置１６の長手方向位置の調整、従って前方ビンディング装置１４からの距離の調整は、後方ビンディング装置１６の底部要素２６に拘束されたバネ部材３４（特に、高調波の鋼鉄からなる弓形のばね）のピン３２を、好ましくは底部要素２６のような金属製であり、プレート１２の長手方向溝４０に受けられているインサート３８に設けられた複数の穴３６のうちの１つに係合する可能性によって保証される。

前方及び後方ビンディング装置１４，１６の底部要素２２，２４は、両方とも、好ましくは、氷上又は混合地形上での歩行をさらに改善するために、アイゼン４２，４４を備える。アイゼン４２，４４は、底部要素２２，２４に取り付けられてもよく、又はそれらと一体に製造されてもよい。代替的には、アイゼン４２，４４は、プレート１２に直接取り付けられてもよく、それらと一体に製造されてもよい。

前記プレートの特別な構成のおかげで、本発明に係るスノーシューは、コンパクトで軽量であり、従って使用しないときに操作及び輸送が容易であるが、同時に、雪の多い傾斜、非常に急勾配の場所でさえも、雪の性質に関係なく良好なグリップ力を保証し、パウダースノー又は多様な雪の上で良好な浮力を保証する。さらに、プレートの格子状構造のおかげで、本発明に係るスノーシューは、プレートの下面に雪塊が容易に形成せず、プレートの上部の上面に雪が容易に堆積しない。

当然、本発明の原理が変わらずに維持されていれば、実施形態及び構造の詳細は、非制限的な例により単純に説明し例示したものから広範に変更可能であり、これによって添付の特許請求の範囲で定義した本発明の範囲から逸脱しない。

Claims (10)

1. 履物支持プレート（１２）を備え、
   前記プレート（１２）は、複数の中空角柱構造体（１８ａ，１８ｂ）から形成される格子状構造を有する、スノーシュー（１０）であって、
   前記複数の構造体（１８ａ，１８ｂ）は、部分的に重複する方法で互いに相互に接続しており、
   前記複数の構造体（１８ａ，１８ｂ）のそれぞれの主軸（ｘ）は、プレート（１２）の中心面（Ｐ）に対して、前記主軸（ｘ）の長手方向垂直平面上の投影が、プレート（１２）の前記中心面（Ｐ）に垂直な垂直方向（ｚ）と２０度から７０度の間の角度（α）を形成するように傾斜していることを特徴とするスノーシュー（１０）。
2. 前記角度（α）は、３０度から５０度の間に含まれる、請求項１に記載のスノーシュー。
3. 前記プレート（１２）は、本質的に平らな構造を有する、請求項１又は２に記載のスノーシュー。
4. 前記複数の中空角柱構造体（１８ａ，１８ｂ）は、アーチ状の下端（２０ａ）を有する構造体（１８ａ）の第１群と、尖端状の下端（２０ｂ）を有する角柱構造体（１８ｂ）の第２群とを備える、前述の請求項のうちのいずれか１項に記載のスノーシュー。
5. プレート（１２）は、前記第１群の構造体（１８ａ）の列と、前記第２群の構造体（１８ｂ）の列を交互に有するように構成されている、請求項４に記載のスノーシュー。
6. 中空角柱構造体（１８ａ，１８ｂ）は、プレート（１２）の様々な領域において、プレート（１２）に対して異なる傾斜を有しており、特に、プレートの前方部で前方への傾斜を有しており、プレートの後方部で後方への傾斜を有している、前述の請求項のいずれか１項に記載のスノーシュー。
7. 前記中空角柱構造体（１８ａ，１８ｂ）の前記主軸（ｘ）は、長手方向垂直平面上に位置している、前述の請求項のいずれか１項に記載のスノーシュー。
8. 前記中空角柱構造体（１８ａ，１８ｂ）の少なくとも一部の主軸（ｘ）は、長手方向垂直平面に対して傾斜している、請求項１から６のいずれか１項に記載のスノーシュー。
9. 互いから調整可能な距離でプレート（１２）に取り付けられた前方ビンディング装置（１４）と後方ビンディング装置（１６）とをさらに備える、前述の請求項のいずれか１項に記載のスノーシュー。
10. 前記プレート（１２）又は前方及び後方ビンディング装置（１２，１６）に直接固定されるか、又はそれらと形成されるアイゼン（４２，４４）を更に備える、請求項９に記載のスノーシュー。

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