JP2017529486A - 平衡シールアセンブリを含むロータリーデバイス - Google Patents

平衡シールアセンブリを含むロータリーデバイス Download PDF

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Abstract

ロータリーデバイスが提供される。そのロータリーデバイスは、円筒形の内側表面を有するハウジングと、ハウジングに回転のために取り付けられたロータアセンブリとを含むロータアセンブリは、ロータと、ロータに旋回可能に結合された少なくとも1つのロッカと、平衡シールアセンブリとを含む。ロータは、中心部分と、中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを含む。各アームは、内側表面とスライド係合するように配置された末端部を有する。ロッカの旋回は、ロータを回転させる。平衡シールアセンブリは、アームのうちの少なくとも1つの末端部に配置され、シールと、平衡おもり機構とを含む。平衡おもり機構は、ロータの回転の結果として内側表面上のシールによって加えられる接触圧力を制御するように構成される。

Description

本開示の分野は、一般にロータリーデバイスに関し、特にそのようなデバイスに使用されるクロスオーバシールに関する。
内燃ロータリーエンジンなどのロータリーデバイスは、一般的に、ハウジングと、回転のためのハウジング内のロータとを含む。ロータは、ハウジングを1つ以上のチャンバに分離し、そこでガスまたは液体などの流体は、受け取られ、圧縮され、燃焼され、および/または排出される。ロータリーエンジン内では、このようなチャンバ内の空燃混合気の燃焼は、ガスの急速な膨張を引き起こし、ロータを回転させる。ロータの回転は、自動車、圧縮機、ポンプ、および他のデバイスなどの様々なデバイスに電力を供給するために使用することができる。
このロータリーデバイスの中のロータは、典型的には、アペックスシールまたはクロスオーバシールと一般に呼ばれる、ロータの遠位の外側部分に配置されたシールを含む。アペックスシールは、ロータリーデバイスのハウジングにシールを形成して、隣接するチャンバを互いに封止し、一方のチャンバから他方のチャンバへのガスの漏れを防止するように設計されている。いくつかのロータリーデバイスは、ばねをも使用してアペックスシールをハウジングに対して付勢し、シールとハウジングとの間の十分な接触圧力を確保して、隣接するチャンバ間の封止を維持する。
ロータの回転は、アペックスシールに遠心力を与え、ロータの回転速度が増加するにつれてシールとハウジングとの間の接触圧力を増加させる。比較的高い回転速度で作動された場合、アペックスシールに作用する遠心力は、特にばねがハウジングに対してシールを付勢するために使用される場合、シールの急速な摩耗をもたらし得る。このような摩耗は、アペックスシールの耐用年数の望ましくない低下をもたらす。
いくつかの公知のロータリーデバイスは、ばねを省略し、遠心力に頼ってアペックスシールをハウジングに対して押し付けている。しかしながら、比較的低い回転速度におけるこのようなデバイスの動作は、隣接するチャンバ間の封止が不十分であるため適切ではなかった。
ある態様では、ロータリーデバイスが提供される。ロータリーデバイスは、円筒形の内側表面を有するハウジングと、ハウジングに回転のために取り付けられたロータアセンブリとを含む。ロータアセンブリは、ロータと、ロータに旋回可能に結合された少なくとも1つのロッカと、平衡シールアセンブリとを含む。ロータは、中心部分と、中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを含む。各アームは、内側表面とスライド係合するように配置された末端部を有する。ロッカは、内側表面から離れた第1位置と内側表面に隣接した第2位置との間を旋回する。ロッカの旋回は、ロータを回転させる。平衡シールアセンブリは、アームのうちの少なくとも1つの末端部に配置され、シールと、平衡おもり機構とを含む。平衡おもり機構は、ロータの回転の結果として内側表面上のシールによって加えられる接触圧力を制御するように構成される。
別の態様では、ロータリーデバイスに使用するロータアセンブリが提供される。ロータアセンブリは、ロータと、ロータに旋回可能に結合された少なくとも1つのロッカと、平衡シールアセンブリとを含む。ロータは、中心部分と、中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを含む。中心部分および複数のアームは、中心部分から半径方向外側に延びる複数のチャンバを規定する。ロッカは、中心部分に近接した第1位置と中心部分から遠位の第2位置との間を旋回する。ロッカの旋回は、ロータを回転させる。平衡シールアセンブリは、複数のチャンバの隣接するチャンバ間の流体の流れを阻止するように構成される。平衡シールアセンブリは、シールと、ロータの回転によってシールに加えられる遠心力に起因するシールの半径方向の変異を制御するように構成された平衡おもり機構を含む。
更に別の態様では、ロータリーデバイスが提供される。ロータリーデバイスは、内側表面を有するハウジングと、ハウジングに回転するように取り付けられたロータアセンブリとを含む。ロータアセンブリは、ロータと、ロータに旋回可能に結合された少なくとも1つのロッカと、シールアセンブリとを含む。ロータは、中心部分と、中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを含む。各アームは、内側表面とスライド係合するように配置された末端部を有する。ロッカは、ハウジングの内側表面から離れた第1位置と内側表面に隣接した第2位置との間を旋回する。ロッカの旋回は、ロータを回転させる。シールアセンブリは、アームの少なくとも1つの末端部に配置され、シールと、シールに動作可能に結合された制御機構とを含む。制御機構は、シールに可変の半径方向の力を加えて、ロータの回転に起因してシールによって内側表面に加えられる接触圧力を制御するように構成される。
更に別の態様では、ロータリーデバイスが提供される。ロータリーデバイスは、内側表面を有するハウジングと、ロータリーデバイスの軸方向を規定する軸の周りを回転するようにハウジングに取り付けられたロータアセンブリとを含む。ロータアセンブリは、ロータおよびシールアセンブリを含む。ロータは、中心部分と、中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを含む。各アームは、ハウジングの内側表面とスライド係合するように配置された末端部を有し、アームのうちの少なくとも1つは、そこに規定されたチャネルを有する。シールアセンブリは、チャネル内に配置される。シールアセンブリは、シールと、シールを受け入れるように構成されたシールチャネルを規定するベースと、平衡おもり機構とを含む。平衡おもり機構は、ベースに旋回可能に結合され、ロータの回転に起因してシールによって内側表面に加えられる接触圧力を制御するように構成される。
更に別の態様では、ロータを含むロータリーデバイスに使用するシールアセンブリが提供される。シールアセンブリは、シールと、ベースと、平衡おもり機構とを含む。ベースは、長手方向に延びるシールチャネルを規定する。シールは、シールチャネル内に配置される。平衡おもり機構は、ベースに旋回可能に結合され、ロータの回転によってシールに加えられる遠心力によるシールの半径方向の変位を制御するように構成される。
更に別の態様では、ロータリーデバイスが提供される。ロータリーデバイスは、内側表面を有するハウジングと、ロータリーデバイスの軸方向を規定する軸の周りを回転するようにハウジングに取り付けられたロータアセンブリとを含む。ロータアセンブリは、ロータおよびシールアセンブリを含む。ロータは、中心部分と、中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを有する。各アームは、内側表面とスライド係合するように配置された末端部を有し、アームのうちの少なくとも1つが、そこに規定されたチャネルを有する。シールアセンブリは、チャネル内に配置され、シールと、ベースと、平衡おもり機構とを含む。シールは、ボディおよびボディから外側に延びるへりを含む。ベースは、シールチャネルを規定し、および支点を含む。シールは、シールチャネル内に配置される。平衡おもり機構は、支点に動作可能に結合され、平衡おもりと、平衡おもりから離れて延びるレバーとを含む。ロータの回転は、平衡おもり機構に支点の周りを回転させ、およびレバーをしてシールに半径方向内向きの力を加えさせる。
更に別の態様では、ロータを含むロータリーデバイスに使用するシールアセンブリが提供される。シールアセンブリは、シールと、ベースと、平衡おもりとを含む。シールは、ボディおよびボディから外側に延びるへりを含む。ベースは、シールチャネルを規定し、および支点を含む。シールは、シールチャネル内に配置される。平衡おもり機構は、支点に動作可能に結合され、平衡おもりと、平衡おもりから離れて延びるレバーとを含む。ロータの回転は、平衡おもり機構に支点の周りを回転させ、およびレバーをしてシールに半径方向内向きの力を加えさせる。
例示的なロータリーエンジンの斜視図である。 図1に示されたロータリーエンジンの分解図であり、ロータリーエンジンのハウジングおよびロータアセンブリを示している。 図2に示されたロータリーエンジンのロータアセンブリの分解図であり、ロータアセンブリのロータと、複数のロッカと、外側クランクシャフトと、およびメインクランクシャフトとを示している。 自動車内の図1のロータリーエンジンの断面図である。 図3に示されたロータの正面図である。 図3に示されたロータの部分正面図であり、第1位置にあるロッカの1つを示している。 図3に示されたロータの部分正面図であり、第2位置にあるロッカを示している。 図3に示されたロータの例示的なロッカの斜視図である。 図3に示されたロータの例示的な外側クランクシャフトの分解図である。 図1に示されたロータリーエンジンのハウジングの正面斜視図である。 冷却ジャケットを含む図10に示されたロータリーエンジンのハウジングの後面斜視図である。 図3に示されたロータの斜視図である。 図3に示されたメインクランクシャフトの斜視図である。 ロータリーエンジンの中における使用に適した例示的な2チャンバロータの正面図である。 2つのロータリーエンジンを含む例示的な2ユニットロータリーエンジンの斜視図である。 図1に示されたロータリーエンジンと共に使用するのに適した代替的なリングプレートの斜視図である。 図1に示されたロータリーエンジンと共に使用するのに適した別の代替的なリングプレートの斜視図である。 図1に示されたロータリーエンジンと共に使用するのに適した交換部品の斜視図である。 図1に示されたロータリーエンジンと共に使用するのに適した例示的なシールの斜視図である。 ロータリー式の圧縮機と共に使用するのに適した例示的なハウジングの斜視図である。 図1に示されたロータリーエンジンと共に使用するのに適した代替的な平歯車の斜視図である。 図1に示されたロータリーエンジンと共に使用するのに適した代替的なロータの斜視図である。 図1に示されたロータリーエンジンと共に使用するのに適したスリーブを含む例示的なハウジングの分解図である。 図2に示されたハウジングおよびロータアセンブリと共に使用するのに適した例示的なロータの断面図であり、ロータは、平衡シールアセンブリを含んでいる。 図24に示されたロータの部分拡大図であり、平衡シールアセンブリの詳細を示している。 図25に示された平衡シールアセンブリと共に使用するのに適した例示的なシールの側面図である。 図26に示されたシールの一部の斜視図である。 図25に示された平衡シールアセンブリと共に使用するのに適した例示的な平衡おもり機構の斜視図である。 制御機構を含む平衡シールアセンブリの代替的な具体例を含むロータアームの部分断面図である。 平衡シールアセンブリの別の代替的な具体例を含むロータアームの部分斜視図である。 図30のロータアームの部分斜視図であり、ロータアームから取り外された図31の平衡シールアセンブリを示している。 図31の平衡シールアセンブリの部分分解図である。 平衡シールアセンブリの別の代替的な具体例の部分分解図である。 図33の平衡シールアセンブリが取り付けられたロータアセンブリの部分斜視図である。 平衡シールアセンブリの更に別の代替的な具体例の分解図である。 図35の平衡シールアセンブリの端面図である。
様々な具体例の特定の特徴は、いくつかの図面には示され、他の図面には示されていないが、これは便宜のために過ぎない。どの図面のどの特徴も、他の図面のいずれかの特徴と組み合わせて参照および/または請求されてもよい。
図1は、例示的なロータリーエンジン100の斜視図であり、図2は、ロータリーエンジン100の分解図である。ロータリーエンジン100は、他の部品を収納するためおよび自動車または他のデバイスに取り付けるためのハウジング200と、ロータアセンブリ300(広くは、パワーモジュール)と、出力部材600(広くは、出力)とを含む。
ハウジング200は、8620、8514または他のスチールまたは鉄の合金のほぼ円筒形のハウジングボディ202を含んでもよい。アルミニウムまたは他の適切な材料も使用することができる。ハウジングボディ202は、円筒形の内壁または内側表面204を有する。いくつかの具体例では、内壁204は、外側のハウジングボディに受け入れられるスチールの挿入物またはスリーブによって規定される(例えば図23参照)。
ハウジング200は、空冷式または水冷式であってもよい。水冷式の場合、ハウジング200は、上部水溝210および下部水溝220を有してもよい(図10および図11)。上部水溝210を覆う上部水ジャケット212は、入口214および出口216を有する(図10)。同様に、下部水溝220を覆う下部水ジャケット222は、入口224および出口226を有する。入口は、ラジエータまたは他の熱交換器から冷却剤を受け取り、出口は、冷却剤をラジエータに戻す。入口および出口をラジエータに接続するホースは、図示されていない。溝は、熱伝導性材料のベーン218および228を有し、熱をハウジングから冷却剤に移してもよい。ベーンはまた、冷却剤を入口から出口へ移動させてもよい。更に、入口および出口の位置またはベーン218、228の向きを変更することができる。ある具体例では、例えば、ベーン218、228は、ハウジング200の軸方向に平行に延びていてもよい。
前部プレート230および後部プレート232は、ハウジング200を囲む(図1および図2)。プレート230および232は、6061アルミニウムまたは他の適切な材料であってもよい。用語「前部(front)」および「後部(rear)」は、図面を参照して使用されるものであって、必ずしもロータリーエンジンが搭載された自動車または他のデバイスに関して使用されるものではない。ハウジングボディ202は、円周方向に間隔の空いたボアを有し、ボアはハウジングボディの前部と後部にわたって広がっている。図2、図4、図10および図11では、ハウジング200の前部のボア234のみが見えている。ボルトまたは他の締結具(図示せず)は、前部プレート230の対応するホール236を通って延び、ボアに固定される。ハウジングボディ202は、開口部およびポートを有してもよいが、これらは以下でより詳細に説明される。
前部プレート230および後部プレート232は、油リングシール溝238を含んでもよい(図2にプレート232上のもののみが示されている)。対応するリングシール(図19のシール532参照)は、リングシール溝に取り付けられ、プレートがハウジングボディ202に取り付けられた場合にシールを形成する。ガスケット(図示せず)もまた、プレートでハウジングボディを封止してもよい。異種金属によるガルバニック腐食を防止するために、他のデバイスまたはシステムが提供されてもよい。
ロータアセンブリ300(広くは、パワーモジュール)は、回転のためにハウジングボディ202内に搭載される。ロータアセンブリ300は、ハウジングボディ202内の回転軸の周りを回転するロータ310を含む。ロータ310は、8620または8514スチールまたはダクタイル鋳鉄で形成されてもよい。ロータ310は、4つのアーム312、314、316および318を有してもよい(図5、図6、図7、および図12)。各アームの末端部、例えばアーム312の端部320(図5および図7)は、2つの短い間隔の空いた拡張部322および324(図6および図7)を有する。拡張部322および324の外側の面326および328(図3、6および7)は、ハウジングボディ202の内壁204に適合し、円筒形の内壁204とスライド係合する表面を有してもよい。図3に示された具体例では、圧力プレート330が、これは9254スチールであり得るが、拡張部322と324との間のスペースに取り付けられている。ばね332は、これはINCOLOY(登録商標)合金から成り得るが、圧力プレート330に圧力を加えて、シール306および308(図3)を押圧し、円筒形の内壁204に対して封止する。拡張部322および324などの圧力プレートシールおよびアーム拡張部は、アームの末端部でハウジングボディ202の円筒形の内壁204を封止する。残りのアーム314、316および318も、同様の配置である。
アーム312、314、316および318は、中心部分、すなわちハブ344から外側に延びる2つのプレート340および342から形成され、プレート340と342との間の中空のスペース336を形成してもよい。図12では、アーム312を形成するプレートのみが番号を付けられている。後述のように、中空の空間は、外側クランクシャフトによって使用される。更に、間隔を空けて配置されたプレートを有することにより、ロータの質量を減少させ、効率を増加させ得る。
アーム312、314、316および318のためのプレートは、整列したボアを有してもよい。図12は、プレート340内のボア350、352、354および356を示している。プレート342内のボア358のみが見えている。ボア350、352、354および356は、プレート342内の対応するボアと整列する。
図5を参照すると、複数のチャンバ360、362、364、および366は、隣接するアーム312、314、316、および318と、円筒形の内壁204との組によって規定される。図示された具体例では、チャンバ360(図5)は、アーム312と318との間に形成され、アーム312と314との間、314と316との間および316と318との間の空間は、それぞれチャンバ362、364および366を形成する。
複数のロッカ370、372、374および376は、旋回可能にロータ310に接続され、内壁204から離れた第1位置(内側位置)(図6)と内壁204に隣接した第2位置(外側位置)との間を旋回する。4つのロッカ370、372、374および376のうちの1つは、各チャンバ360、362、364および366内で旋回するように取り付けられる。図3は、ロータから分解されたロッカ376を示し、図5は、ロータ310との関係で各ロッカ370、372、374および376を示し、および図8は、例示的なロッカの拡大図を示している。ロッカ370、372、374および376は、4032アルミニウムまたは他の適切な材料から形成されてもよい。
図5および図8に示されているように、ピボットピン380は、各ロッカ370、372、374および376のリッジ382を通って延びている(図5に1つのピンのみ示されている)。リッジ382は、各アーム312、314、316および318の円形部384に取り付けられている。リッジ382の外面は、円形部384の表面と協働して、ロッカが旋回するときにリッジ382および円形部384の交差部を封止する。リッジ382における封止を向上させるために、リッジ382(図8)の近くのシール部材428(図3)などの追加の構造が提供されてもよい。ロッカ370、372、374および376は、前部溝404および側部溝(例えば、図8に溝406が示されている)を有してもよい。側部圧縮シール424および426(図3)は、側部溝に取り付けられ、前部圧縮シール428は、前部溝404に取り付けられる。側部圧縮シール424および426並びに前部圧縮シール428は、5254スチールであってもよい。側部圧縮シール424および426は、リングプレート396および398がロータ310の外側に取り付けられた場合(図3)、前部リングプレート396および後部リングプレート398に接触する。前部圧縮シール428は、各ロータアームのロッカ面、例えばアーム312の面368(図5)に接触する。ロッカ面は、各ピボットピンの軸を巻くアーチ形であってもよい。ロッカ面はまた、2つのプレートの間の空間を閉鎖する。シール306および308(図3)は、リングプレート396および398の円周溝334に固定されてもよい(図3にリングプレート396の溝334のみが示されている)。各シール306および308は、内側向き部分504および506を有してもよい(図3にシール306の内側向き部分504および506のみが示されている)。内側向き部分504および506は、互いに接触してシールを形成する。内側向き部分504および506は、リングプレートの切欠き、例えば切欠き508を通って円周溝から延びてもよい。デバイスが組み立てられた場合、シール306および308は、チャンバ360、362、364および366の外側を封止する。
ロッカ面の1つ(例えば、図5に示されているロッカ面368)が損傷または摩耗した場合、部品を交換したい場合がある。したがって、ロータ310は、損傷を受けていない、または摩耗していない面を有する交換部品(図18)を許容するように設計されてもよい。
再び図3を参照すると、前部リングプレート396および後部リングプレート398は、ロータアーム312、314、316および318と、チャンバ360、362、364および366と、ロッカ370、372、374および376とを覆う。リングプレート396および398は、ダクタイル鋳鉄から形成されてもよい。前部リングプレート396は、4つの切抜き484、486、488および490を有する。各切抜き484、486、488および490は、ロータアーム312、314、316および318のそれぞれの中のボア350、352、354、356のうちの1つと一直線に並ぶ。後部リングプレート398は、4つの切抜き496、498、500および502を有する(図3)。各切抜き496、498、500および502は、前部リングプレート396の対応する切抜きと一直線に並ぶ。
ピボットピン380は、前部リングプレート396のボア394(図3)などのボアの中へ、および後部リングプレート398の対応するボア(番号は付けられていない)へ延びてもよい。ピボットピン380はまた、くぼみの中へ伸びてもよく、ここではリングプレートの中へ延びるが、リングプレートを貫通しない。リングプレート上のボア388、390および392並びに他の番号が付けられていないボアは、リングプレート396をロータ310にボルトで留めるために使用することができる。対応するボルトまたは他の締結具は、後部リングプレート398をロータ310に取り付ける。締結具(図示せず)は、ロータアーム312、314、316および318上のねじ穴386(図3〜7)に取り付けられる。リングプレートを取り付けるために使用されるボアの位置は、異なってもよい。
手で位置決めするために、合わせ釘が使用され、適切な穴、例えば、リングプレート396または398のホール388を適切なボア386と整列させてもよい。自動組立ては、様々な技術を使用してもよい。
再び図8を参照すると、ロッカ376は、間隔の空いた2つのピンボス410および412を含んでもよいが、これらのピンボスは、ロッカ376の一部として一体的に形成されてもよい。ロッカロッドピン414は、4140スチールであってもよく、ピンボス410のボア416を貫通して延びている(図8では1つのみが見える)。また、ロッカロッドピン414は、リンク418の上部ボア420(図3および図8に示されている)を貫通して延びている。リンク418の下部ボア422も図3に示されている。リンク418はまた、4140スチールであってもよい。ロッカ370、372、および374は、図8に示されているロッカ376と同様の構成を有してもよい。
ロッカ370、372、374および376は、それぞれのピボットピン、例えばロッカ376のピン380(図5)の周りを旋回する。各ロッカ370、372、374および376は、ハウジングボディ202の内壁204に近い外側の位置と内壁204から離れた内側の位置との間で旋回し、そして外側位置に戻る。したがって、図5では、ロッカ370および374は、内側の位置に示され、ロッカ372および376は、外側の位置に示されている。後述のように、これらの位置は、ロッカ370、372、374および376が前後に旋回するため、一時的なものである。
各ロッカ370、372、374および376の旋回は、対応する外側クランクシャフト430、432、434および436を回転させる(図5)。同様に、外側のクランクシャフトの回転は、対応するロッカを旋回させる。外側クランクシャフト430、432、434および436は、4140スチールから成ってもよい。図8および図9に示されている具体例では、外側クランクシャフト436は、部品の組み立てを含むが、外側クランクシャフト430、432、434および436のうちの1つまたは複数は、一体的な構成を有してもよい。図8および図9に示されているように、クランクシャフト436は、前部ホイール440および後部ホイール442を含む。前部ホイール440は、後部ジャーナル444を含み、これはその端部にタング446を有する。タング446は、後部クランクホイール442のタング受容部448の中に取り付けられる(図9)。前部第1駆動装置または駆動部材、すなわち前部平歯車450は、前部ホイール440のタング受容開口部に取り付けられたタング452を含み、後部第1駆動装置または駆動部材、すなわち後部平歯車456もまた、後部クランクホイール442のタング受容開口部(図9では見えない)の中に受けられたタング458を含む。
ボルト460および462(図5(2つのみ番号を付けられている)および図7および図8)または他の締結具は、前部平歯車450のボルトホール464と466を貫通しおよび前部クランクホイール440内の一列に並んだホール468と470を貫通し、後部クランクホイール442内の一列に並んだホール472と474を貫通し、そして後部平歯車456のホール476と478の中へ延びる。後部平歯車の内部にボルトを係合させるためのねじは見えていない。その結果、ボルトは、前部平歯車、前部クランクアセンブリおよび後部クランクアセンブリおよび後部平歯車を共に固定する。
各外側クランクシャフト、例えばクランクシャフト436の前部ホイール440および後部ホイール442は、ホイールに潤滑油を塗るための油溝480および482(図8および図9)を有してもよい。油溝は、油供給口338(図12)から潤滑剤を受け取ってもよい。油供給口は、機械加工を容易にするために角度を付けてもよい。代わりに、油供給口は、アームプレート340および344を貫通して穿孔した後にそれを穿孔することによって、直線状にすることができる。
ロッカ376に関連する燃焼チャンバ内の燃料の点火によって生じるガスからの圧力は、ロッカ376を内側に旋回させる(すなわち、図7では、右側のロッカ376が下方向に動く)。その結果、ロッカは、外側クランクシャフト436のジャーナル444に対してリンク418を駆動し、クランクシャフトを回転させる。部品は、ロッカがその最も内側の位置に達した場合に、クランクシャフトジャーナルがその下部の位置またはその近くになるように寸法決めされる。ジャーナルの継続的な回転は、ロッカを外側に駆動する。ロッカがガス膨張によって押し込まれる以外の位置にあり、そのサイクルにおけるロッカの位置に応じて、クランクシャフトは、ロッカを引きまたは押す。
メインクランクシャフト610(図2、図3、図5および図13に示されている)は、4130スチールであってもよいが、エンジンからの動力を供給して、自動車に動力を与えまたは他の有用な仕事を生産する。メインクランクシャフト610は、一体であってもよく、または互いに接続された別個に形成された部品のアセンブリであってもよい。メインクランクシャフト610は、部分またはスリーブ616(図3)を含んでもよく、これは中間の直径部分614より大きい直径を有する。大直径部分616の端部の油溝650および652(図13)は、潤滑のための油を運ぶ。また、メインクランクシャフト610は、クランクシャフトの端部に小さな直径のフランジ612および618を含む。更に、スリーブ616は、長手方向のキー溝632を含む(図13)。図13は、1つのキー溝のみを示しているが、クランクシャフト610は、2つ以上のキー溝を含んでもよい。
メインクランクシャフト610の長手方向の中心は、中空であってもよく、油をクランクシャフトの外側に、および1つの油穴から別の油穴に移動させる。例えば、1つ以上の油配給チャネル640(図13)は、中央の、大直径部分616に沿って延びて、油溝650および652に接続してもよい。同様に、1つ以上の追加の円周油トラフ642および644が、メインクランクシャフトのより小さい直径のフランジ612および618の外側の周りに延びてもよい。油供給口628および630は、潤滑剤を油トラフへ運んでもよい。フランジ612および618は、キー溝634および636を有してもよい。フランジの端部は、ボルト穴638を形成するが、図13ではこのうち1つのみが見えている。
図12を参照すると、スラストリング540は、青銅であってもよいが、ロータ310のスラストリングキャビティ542に取り付けられ、対応するスラストリング(図12では見えていない)は、ロータ310の他の側に取り付けられる。各スラストリングは、ボア544を有する。メインクランクシャフト610は、メインクランクシャフト610をキャビティ542内に配置し、およびスラストリング(例えば、スラストリング542)をメインクランクシャフト610上にスライドさせることによって、ロータ310に取り付けられてもよい。各スラストリングのキー546は、スリーブ616のキー溝640に係合する。
メインクランクシャフト610は、リングギヤ620および622(広くは、第2駆動装置または駆動部材)と、リングプレート396および398とを通って延びる。リングギヤ620および622は、4140スチールであってもよい。メインクランクシャフト610は、アームプレート340および342の中心のボア(図6、図7および図12に、ボア510のみが見えている)に取り付けられる。リングギヤは、前部プレート230および後部プレート232の内部に対して固定される(図1および図2)。例えば、リングギヤは、取付プレート662に固定され、ボルト660は、リングギヤおよび取付プレートを前部プレートおよび後部プレートに固定してもよい。また、リングギヤは、他の構造に固定されてもよい。
前部平歯車450および後部平歯車456の歯は、外側クランクシャフト436およびロッカ376に関連付けられるものであるが、リングギヤ620および622の歯と噛み合う。同様に、他のロッカに関連する他の外側クランクシャフトの他の平歯車、例えば432、434、436も、前部リングギヤおよび後部リングギヤの歯と噛み合う。リングギヤは静止しているため、平歯車の回転によって、平歯車がリングギヤの周りを回転する。それらの平歯車を含む外側クランクシャフトのロータ310への接続によって、ロータがロータの回転軸の周りを回転する。その軸は、メインクランクシャフトの回転軸と一致する。
図では、平歯車は、リングギヤの外側を周回する。リングギヤは、内歯を有する遊星歯車であり、平歯車がこのような歯車の内部を周回する。更に、図面は、平歯車がリングギヤに噛み合っていることを示しているが、歯車は、ベルト、チェーン駆動部、摩擦駆動部などの、それらの相互作用によって駆動しまたは駆動されることができる他のデバイスに置き換えられてもよい。
平歯車の歯とリングギヤの歯の数の比率は、変更可能である。変更することにより、平歯車、例えば歯車450および456の各回転に対してロータ310が移動する角距離が変化する。
メインクランクシャフト610のフランジ612および618は、ボア244および246を通って、前部プレート230および後部プレート232へ延びてもよい。しかしながら、ハウジング200から突き出てもよいのは、1つのフランジのみである。クランクシャフトフランジは、クランクシャフトカラー248および250のそれぞれの開口部252および254を通って延びてもよい。前部クランクシャフトカラー248の開口部256を通って延びる締結具(図示せず)は、前部プレート230内のボア258と係合し、対応する締結具は、後部カラー250を後部プレートに固定する。各カラーは、開口部252および254の内側の周りにシール(図示せず)を有してもよい。タイミングマーク取付穴260(図1)もまた供給されてもよい。
前部プレート230および後部プレート232は、油リングシール溝238を含んでもよい(図2にプレート232上のもののみが示されている)。対応するリングシール(例えば、図2および図19に示されているシール532)は、リングシール溝に取り付けられ、前部ロータリングプレート396および後部ロータリングプレート398と前部ハウジングプレート230および後部ハウジングプレート232の内側との間のシールを、これらのプレートがハウジングボディ202に取り付けられた場合に、形成する。リングプレートシールは、環状肩部530を含んでもよいが、これはリングプレートに面して接触する。リングプレートシールは、鋳鉄、シリコングラファイト、炭素繊維または他の適切な材料であってもよい。ばね(図示せず)は、リングプレートシールを前後のリングプレートに向けて付勢してもよい。
リングプレートシール532は、ロータ310の回転中、ハウジングプレート230および232に対して静止したままである。したがって、ロータのリングプレート396および398は、リングプレートシール上をスライドする。リングプレートシールは、縁の肩部534を有する(図19)。ガスケット(図示せず)もまた、プレート230および232をハウジングボディ202に封止する。他のデバイスまたはシステムが、異種の金属が互いに接触することによるガルバニック腐食を防止するために提供されてもよい。
図16および図17は、それぞれ492および494で示される、前部リングプレートおよび後部リングプレートの2つの代替的な構造を示している。前部リングプレート492の外面580は、ボス582を含む。ボス582は、図2に示される端部のプレート230または232から修正された、ハウジングの前部または後部プレート上の対応するくぼみ内に嵌合する。開口部584、586および588などの開口部は、いくつかの機能を果たしてもよい。開口部584および586と、これに対応するリングプレート494内の穴は、リングプレートをロータに取り付ける締結具(図示せず)のためのものである。開口部590および592(図17)は、4つの平歯車の取付け(clearance)および支持のためのものである。各四分円の1つの開口部には、ロータのロッカのためのピボットピンを取り付けてもよい。リングプレートを完全に貫通する切抜き、例えば図3に示された切抜き484、486、488および490など、の代わりに、前部リングプレート492および後部リングプレート494は、それぞれのリングプレートの内壁に規定されたくぼみ590(図17)などのくぼみを含んでもよい。平歯車594(図21)は、各くぼみに取り付けられる。ボア588および592(図16および図17)は、それぞれのリングプレート492および494を通って延び、対応する平歯車のハブ596を受ける。シャフトは、ボアを貫通して延び、平歯車を外側クランクシャフトのホイールに接続する。開口部(図示せず)はまた、平歯車に隣接して提供され、平歯車に潤滑剤を噴霧する。
エンジンが動作するためには、ロッカ374(図5)などのロッカがそれぞれのピボットピン(例えば、ピボットピン380)の周りを内側に旋回するにつれて、制御された量の空気および燃料が、吸気口514(図10および図11)を通って噴射される。電子制御は、空気および燃料の量または空燃比を変化させてもよい。ターボチャージャまたはスーパーチャージャは、吸気口を通る空気(酸素)の量を増加させてもよい。外側クランクシャフト434の平歯車が前部リングギヤ620を中心に回転(および対応する平歯車が後部リングギヤ622を中心に回転)すると、外側クランクシャフトが回転する。ロッカ374へのリンクを介した外側クランクシャフトの接続は、ロッカを内側に旋回させる。内側に向けた旋回は、チャンバ366(図5において「吸気」と示されたチャンバ)内の圧力を減少させる。
チャンバ366が所定の量の空気および燃料を受け取った後、ロータ310の回転は、チャンバ366を運んで吸気口514を通過させる(図10および図11)。ロータ310の更なる回転により、外側クランクシャフト434は、ロッカ374を外側に旋回させ始める。図面はアニメーション化されず、構成要素は静止したままであるから、チャンバ366は、チャンバ360が図示されていた場所へ移動したものと見なし、今度はそこにあった部品に対して参照番号が使用されるものと見なす。ロッカ(今は376)が外側に旋回するため、チャンバ360内の容積の減少は、ロッカの上のチャンバ内の空燃混合気の対応する圧力増加(圧縮)を引き起こす。
再び図8を参照すると、ロッカ、例えばロッカ376の上面は、コーティングされてもよい。図8に示された具体例では、ロッカ376の上面は、スキッシュ区域に囲まれた中央燃焼領域402を有する。ピストンエンジンにおいて、スキッシュ区域は、燃焼チャンバの狭い部分であり、そこでは空燃混合気が残りのチャンバよりも圧縮されている。スキッシュ区域は、新鮮な空燃混合気の流れを導き、掃気(すなわち、燃焼したガスをシリンダの外へ押し出すこと)を向上させることを助ける。ここでは、スキッシュ区域408は、表面402から外側に広がっている隆起表面であり、ハウジングボディ202の内壁204に適合する。この隆起表面は、燃焼表面402の広がった縁の周りでより高い圧力を生み出す。
スキッシュ区域408は、空燃混合気が中央燃焼領域402上で完全な圧縮に達すると、区域内の空燃混合気を圧縮することによって乱流を発生させ得る。これは、ガス混合物をより完全に燃焼させて、排出ガスを減少させることを可能にする。また、スキッシュ区域は、残った燃焼ガスの排気を向上させ得る。スキッシュ区域の表面は、燃焼表面402より0.010インチ〜0.080インチ(0.25mm〜2mm)(メートル法の相当量は概算である)上にあってもよく、場合により0.020インチ〜0.060インチ(0.5mm〜1.5mm)が好ましい。
図1および図4を参照すると、点火プラグ520は、ハウジングボディ202内に規定されたマウント522を貫通し、チャンバ360に向かい、点火プラグからの火花は、空燃混合気を点火することができる。高圧の直接噴射装置は、ガソリン直接噴射用のために、点火プラグ520に近接してハウジング202に取り付けられてもよい。点火プラグの高温端は、ハウジングボディ202の内壁204のくぼみ524で終端してもよい(図10)。くぼみは、円筒形として示されているが、燃焼を改善するサイズおよび形状にされてもよい。図示された具体例は、単一の点火プラグを持つものとして示されているが、ロータリーエンジン100は、各燃焼チャンバに対して2つ以上の点火プラグを含んでもよい。他の具体例では、ロータリーエンジンは、より高い圧力で、および点火プラグなしで、ディーゼルサイクルに基づいて動作してもよい。これらのより高い圧力は、ロータリーエンジンの部品に対して異なる材料または異なる寸法を要求する可能性がある。
点火プラグ520は、適切なエンジンタイミングのために所定の時間に点火する。チャンバ360内の空気の存在下での燃料の点火は、燃焼を引き起こし、チャンバ内の圧力を実質的に増加させる。燃焼からの圧力は、ロッカ376に力を加え、ロッカ376をその内側位置に移動させる。
外側クランクシャフトタング436をタング受容部448に接続することにより、ロッカ376の内側への移動は、外側クランクシャフト442を回転させる。その結果、平歯車450および456は、回転してリングギヤ620および622の外側に沿って移動する(図3および図5)。これにより、ロータ310が回転する。
ロータ310の継続的な回転は、チャンバを図5のチャンバ364の位置に配置する。このロータの回転の間、ロッカ(今はロッカ372)に関連する平歯車は、外側クランクシャフトとロッカとの間のリンクに作用して、ロッカを外側に旋回させる。外側への旋回は、排気口516(図2、図10、および図11)を通して排気ガスを押し出す。このサイクルは、ロータ310が回転し続けると繰り返される。
ロータ310の各回転の間、4つのチャンバのそれぞれは、吸気、圧縮、動力(すなわち、燃焼)および排気の4つのサイクルを順番に経る。吸気、圧縮、燃焼および排気サイクルのタイミングは、その外側クランクシャフト436およびロッカ376(図8)に対するロッカリンク、例えばリンク418のオフセットピボットおよびそのピボットピン380の位置を変更することによって変更することができる。更にまたは代わりに、吸気および/または燃焼のタイミングは、構成(例えば形状)および/または吸気口514および/または排気口516の半径方向の位置を変更することによって変更されてもよい。
ロッカのピボットは静止しているから、ピボットは、アーチ形状のオフセット角を作り出す。例えば、ロッカは、圧縮および排気サイクルより長い動力および吸気サイクルを有してもよい。これらのサイクルは、次のようなものであってもよい。吸気=100°、圧縮=80°、燃焼=100°および排気=80°。この重なりは、各燃焼サイクルが前のチャンバがその動力サイクルを終了する20°前に点火することを可能にする。この重なり機能は、動力サイクル間のより滑らかな遷移を可能にし得る。
更に、吸気口514および排気口516(図10および図11)は、重なってもよく、新しい空気および燃料は、吸気口が開いている間であって排気口が完全に閉鎖される前に、吸気口を通って燃焼チャンバに入ってもよい。これは、新しい空燃混合気の小さな突入が、残りの排気ガスを押し出し、完全に新しい燃料および空気の充填を引き込むことを可能にし得る。吸気口514および排気口516の重なりの程度は、約0°〜約24°の間、より適切には約1°〜約20°の間、更に適切には約8°であってもよい。
図示された具体例では、燃焼チャンバ内のロッカに接続された外側クランクシャフトのみが、ロッカに作用する燃焼による圧力から直接的に動力を受け取る。リングギヤ620および622に作用する外側クランクシャフト平歯車の回転により、ロータ310が回転する。同時に、ロータの連続的な回転は、他の3つの外側クランクシャフトの平歯車を回転させ、それらのクランクシャフトに関連するロッカを内側または外側に旋回させる。各ロッカおよびそれに対応する平歯車は、動力/燃焼位置に移動し、そこで空燃混合気が発火し、膨張ガスがロッカを内側に駆動する。その結果、その平歯車の組が駆動歯車となり、他の平歯車が従動歯車となる。
ロータアセンブリ300が組み立てられた場合、前部リングプレート396の後面および後部リングプレート398の前面は、ロータ310のそれぞれの側面に係合する。ロータ310のそれぞれの側部は、図5〜7に示されているシール溝530などのシール溝を有してもよく、このシール溝は、アームの周囲に沿って広がっている。ロータシールコード(図示せず)は、ロータ310の両方の側部のシール溝に取り付けられ、アーム312、314、316、および318とリングプレート396および398との間にシールを形成してもよい。
図1に示されているように、ロータリーエンジン100が組み立てられた場合、メインクランクシャフト610は、カラー248を通って延びる。ロータリーエンジンが自動車に使用された場合、メインクランクシャフト610は、自動車の駆動系の残りの部分、例えばトランスミッション、クラッチまたは他の部品に接続されてもよい。ポンプや圧縮機などの自動車以外の用途では、クランクシャフト610は、駆動されるデバイスに接続される。また、メインクランクシャフト610は、デバイスが、図20を参照して以下に記載される圧縮機800などの圧縮機またはポンプとして使用される場合に駆動され得る。また、メインクランクシャフト610は、ハウジングのどちらかの側部または両側に延びてもよい。
ロータリーエンジンの様々な構成要素は、冷却剤および潤滑剤のためのチャネルおよび開口部、例えば開口部346および348(図6、図7、および図12)などを有してもよい。そのようなチャネルおよび開口部は、エンジンのサイズおよび設計が異なると、変化してもよい。また、アームも、チャンバへの注油を提供するための油ジェット、例えばジェット338(図12)を有してもよい。これらのオイルジェットは、圧力または動作によって活性化され、所望の場合にのみ油が通過することを許容するものであってもよい。他の物理的に活性化された(圧力または動作)油ジェットは、可動部品の制御された給油のために、前部プレート230および後部プレート232(図2)などの様々な構成部品上に配置されてもよい。構成要素および部品は、摩擦低減、金属と金属の接触保護、または所望の許容差仕様を保持するために必要な場合に、ブッシュまたはベアリング(図示せず)を有してもよい。前部プレート230および後部プレート232(図2)上の油真空ポートは、エンジンの物理的な取付位置に応じて、重力による油収集領域を利用できる最も低い場所に配置され、動く部品から油を抽出してもよい。また、部品は、切抜きを有し、重量を減らしまたはより良好な放熱を提供してもよい。
図4を参照すると、ロータリーエンジン100は、自動車環境の状態で示されている。吸気システム110は、スロットルボディ114の上の空気フィルタ112を含んでもよく、吸気マニホールド116に接続している。吸気システムからの空気は、吸気チャンバ366(図5)に流入する。燃料噴射器は、吸気チャンバの近くに配置される。エンジンは、異なる燃料、例えばガソリン、エタノール、CNG、LNG、プロパン、または水素を燃焼させるように設計されてもよい。そのようなエンジンの燃料噴射器は、異なる燃料用の別個の出口128および130を有することができる。チャンバ364(図5)からの排気は、排気ヘッダ118内を通り、排気システムの残りの部分に入る。スタータモータ120、オルタネータ122、および電子制御ユニット(electronic control unit、ECU)124もまた、ハウジング200に取り付けられる。
エンジン区画のサイズおよびエンジン区画内のロータリーエンジンの位置は、区画に適合しなければならず、および点検のためにアクセス可能である必要がある限りにおいて、様々な構成要素の位置に影響を与える可能性がある。
ベルトまたは他のコネクタ(図示せず)は、オルタネータおよび他の装置をエンジン動力から駆動してもよい。
図14は、ロータリーエンジンの中における使用に適した例示的な2チャンバロータ550の正面図を示している。ロータ550は、ロータ550の所望の用途に応じて、各動力エンジンの動力ストローク毎に1回以上回転してもよい。ロータ550は、2つのアーム552および554を有し、それらは図14に示すように成形されてもよい。アームは、2つの対向するチャンバ556および558を形成する。ロッカ560および562は、それぞれのピン564および566に取り付けられている。外側クランクシャフト(図14には示されていない)は、図8に示されているのと同様のリンク機構によってロッカに接続している。各クランクシャフトは、ロータからボア568および570を通って突き出ている外側クランクシャフトの端部に平歯車(図14には示されていない)を有してもよい。メインクランクシャフト(図14には示されていない)は、中心ボア572を通って延びる。静止リングギヤ(図14には示されていない)は、静止ハウジング構造に取り付けられる。
図14のある配置では、空燃混合気は、噴射されるか、そうでなければチャンバの1つ、例えばチャンバ556に入る。ロータ550が回転すると、ロッカ560は、外側に旋回し、全圧縮時またはそれに近くの、空気と燃料を点火する火花が生じるところまで空燃混合気を圧縮する。ロータ550の所望の用途に応じて、ロータ550は、ロータが初期位置、すなわちチャンバ556が図14の位置に戻るまで、排気ガスの排気と共に、または排気なしで回転してもよい。バルブ(図示せず)は、チャンバ556および558からの吸気および排気を制御してもよい。1つ以上のバルブが開いて空燃混合気がチャンバ556に入ることを可能にし、次に1つ以上の異なるバルブが開いて排気ガスが排気システムに入ることを可能にする。
記載されたロータリーエンジンは、吸気、圧縮、燃焼および排気の4ストロークのエンジンである。4ストロークピストンエンジンでは、これらのストロークは、メインクランクシャフトの2回転ごとに発生する。2ストロークピストンエンジンは、ピストンの内へおよび外への2つの動きでサイクルを完了する。ロータリーエンジンは、2ストロークエンジンに変更できる。2および4ストローク設計は、互いに利点および欠点を有する。
内燃機関の典型的な用途は自動車にある。ピストンエンジンのサイズ、圧縮率、動力定格、および他の要素が車種ごとに異なるように、ロータリーエンジンの仕様は変化することができる。ロータリーエンジンが発電機、ポンプ、機械または他のデバイスに動力を供給する限りにおいて、エンジンは、異なる設計を有することができる。あるものは、より高速であるが低速トルクよりも低いトルクを必要とする場合がある。他の用途は、低速で高いトルクを必要とし得る。いくつかの用途では、長期間にわたって一定の出力を必要とし得る。ロータリーエンジンの燃焼チャンバの容積、ロッカのサイズおよび旋回角度、および他の要素を調整することは、エンジンの要求を満たすように修正されてもよい。
少なくとも2つの方法は、出力動力を動力需要に合わせることを可能にする。第1は、より大きなロッカを有するより大きな燃焼チャンバを有することである。ロータ310の直径を増加させると、ロッカがより大きな角度で旋回して変位を増加させることが可能になる。同様に、ロータの幅を増加させると、各チャンバの変位も増加する。性能を最適化するためには、ロータの直径および幅を増化させる効果のバランスを取る必要がある。例えば、すべての構成要素の寸法重量が増加し、他のエンジン構成要素またはエンジンの対称性に影響を与える可能性がある。
メインクランクシャフトに沿って2つ以上のロータアセンブリまたは動力モジュールを積み重ねることもまた、モジュールの出力を組み合わせることができる。更に、異なるサイズのロータアセンブリまたは動力モジュールの組合せは、1つのユニットにまとめることができる。
図15は、前部ユニット702および後部ユニット704を含む2ユニットロータリーエンジン700を示している。前部ユニットは、前部プレート706および中央プレート710によって境界を定められ、後部ユニットは、後部プレート708および中央プレート710によって境界を定められる。図15では、燃焼が発生する場所は、ハウジングの同じ側にあるが、180°離れて取り付けられてもよい。同様に、1つのエンジンについてより多くのロータを用いると、燃焼が発生する場所は、各ハウジングの周りに均等に間隔を置くことができ、例えば3つのロータについては120°離れて、および4つのロータについては90°離れて置くことができる。
ここで説明された構成は内燃機関であるが、ロータリーエンジン100は、圧縮機に利用されてもよい。図20は、例えば、ハウジングボディ802を含む圧縮機800を示している。圧縮機は、自立式であってもよい。したがって、圧縮機は、ベース804を含んでもよい。ハウジングボディ202は、円筒形の開口部806を有し、これは動力モジュールまたはロータアセンブリ300(図2)などのロータアセンブリを受けるように構成されている。前部および後部ハウジングプレート(図示せず。図2のプレート230および232と同様)は、ロータアセンブリおよび円筒状の開口部を覆う。シール810および812は、ハウジングプレートをハウジングボディに封止し、ハウジングプレートの開口部を貫通する締結具(図示せず)は、ハウジングボディのボア808に付いてもよい。ロータアセンブリのメインクランクシャフト(メインクランクシャフト610など)は、ハウジングプレートを貫通して、別個のモータまたはエンジンに接続する。デバイスが圧縮機として使用される場合、メインクランクシャフトは、動力を提供する代わりに駆動される。
ハウジングボディ802は、1つ以上の入口820および824並びに1つ以上の出口826および828を含む。これらの入口および出口は、液体加圧などの高圧に使用されることができる。バルブは、どの入口または出口に対して提供されてもよく、その構造および動作は、流体の体積および圧力に依存し得る。ボア830、832、836及び838などの様々なボアが提供され、潤滑のための入口および出口などの関連するデバイスを固定してもよい。
ロータの回転は、ロッカを内および外に旋回させる。入口は、空気の場合には大気から、または流体の供給源から空気、他の気体または液体(すなわち流体)を受け取るように配置される。ロッカが内側に回転して圧力が下がると、流体は、ロータのチャンバの1つに流入する。ロータが入口から離れる方向に回転した場合、ロッカは外側に旋回して流体を圧縮し、出口を通してそれを押し出す。4チャンバロータでは、ロータは、別の入口へ回転し、チャンバ内へ流体を引き込み、次にロータが隣接する別の出口へ移動すると、流体を圧縮する。
4ストロークは、必ずしも必要でない。したがって、加圧流体は、圧縮ストローク(ロッカの外側への旋回)ですべて出口から流出することができる。したがって、ロータは、空間の制限を受ける対応する数のロッカおよび外側クランクシャフトを有する2、4、6またはそれ以上のチャンバを有することができる。
図22は、例えば、8つのチャンバを有するロータ910を示している。ロータ910は、特に、高馬力のディーゼルユニットとして有用であり得る。ロータ910は、8つのアーム912、914、916、918、920、922、924および926を含む。隣接するペアは、アーム914と916の間のチャンバ930、およびアーム916と918の間のチャンバ923などの8つのチャンバを部分的に規定する。ロータ910が収容されるハウジングの内部円筒壁(図示せず)は、各チャンバの外側を規定する。ロッカ934および936などのロッカは、各アーム912、914、916、918、920、922、924および926の末端部の近くに旋回可能に取り付けられる。ロッカは、チャンバ930などのそれぞれのチャンバの内側および外側に旋回するように構成される。ロッカ934は、図22では内側の位置に示され、ロッカ936は、図22では外側の位置に示されている。
ロータ910は、前部プレート940および対応する後部プレートから形成されるが、これらは図22では見えていない。ボア942および944などのボアは、ロータの前部プレートへ貫通し、対応しかつ一直線に並んだボア(図示せず)は、後部プレートへ貫通する。適切なサイズのホイール(図22には図示せず)がボアに取り付けられ、平歯車(図22には図示せず)がホイールに取り付けられ、ボアから延びる。平歯車は、中心ボア946を通って延びるメインクランクシャフト上に取り付けられたリングギヤと噛み合い、ロータ910がその軸の周りを回転すると回転する。ホイールとロッカとの間のリンクは、ロータが回転すると、ロッカをそれぞれのチャンバの内外に旋回させる。燃料が動力チャンバであるチャンバ内で着火すると、ロッカの膨張ガスからの力がホイールおよび平歯車を回転させる。この回転は、リングギヤに作用してロータを回転させる。
ロータは、ボア950および952などの追加のボアを有して重量を減少させてもよい。また、ボアは、潤滑剤を運んでもよい。
ハウジングの円筒形の壁に接触または近接する各アームの外側は、2つの溝、例えば溝958および960を有してもよく、これらはシール(図示せず)を受け入れる。チャンバおよびロータ自体を封止するための他のシールは、図示されていない。
8チャンバ型では、空燃混合気は、ハウジングの反対側の2つのチャンバ内で同時に着火する。したがって、各ロータの回転中に、各チャンバは、8サイクル(吸気、圧縮、動力、排気、吸気、圧縮、動力および排気)を完了する。ロータ当たり12、16はそれ以上のチャンバを有するエンジンが考えられる。それらは、アースムーバ、鉱業用ダンプトラック、クレーンなどの大型重機には特に有用であり得る。
図23は、ロータリーエンジン100と共に使用するのに適した例示的なハウジング2300の分解図である。ハウジング2300は、図1、図2を参照して上で説明されたハウジング200と実質的に同様であるが、ただし、ハウジング2300が、ハウジングボディ2302と、ハウジングボディ2302内に受け入れられるスリーブ2304とを含むことを除く。スリーブ2304は、厳格な公差のプレスまたはクランプによって、ハウジングボディ2302と静的に接触するようなサイズおよび形状である。スリーブ2304は、ロータアセンブリ300などのロータアセンブリを受け入れるように構成され、ハウジングボディ2302とロータアセンブリ300との間の中間部分として機能する。
各ハウジングボディ2302およびスリーブ2304は、それぞれの入口または吸気口2306、2308と、出口または排気口2310、2312と、および点火プラグマウント2314、2316とを含む。スリーブ2304がハウジングボディ2302に結合された場合、スリーブ2304の入口2308、出口2312、および点火プラグマウント2316は、ハウジングボディ2302の入口2306、出口2310、および点火プラグマウント2314とそれぞれ合致する。
図24は、ハウジング200およびロータアセンブリ300(両者とも図2に示されている)と共に使用するのに適した例示的なロータ2400の断面図である。ロータ2400は、図2に示されたハウジング200を参照して説明されているが、ロータ2400は、図23に示されたハウジング2300などの他のロータリーエンジンハウジングに利用されてもよいことが理解される。ロータ2400は、図3〜図7および図12を参照して上で説明されたロータ310と実質的に同様であるが、ただし、ロータ2400が、ロータリーエンジン100の性能を向上させ、ロータリーエンジン100内の対応するクロスオーバシールの耐用年数を増加させるように構成された平衡シールアセンブリ2402を含むことを除く。
図24に示されているように、ロータ2400は、中心部分またはハブ2406から半径方向に外側に伸びる複数のアーム2404を含む。各アーム2404は、ハブ2406からハウジング200の内壁または内側表面204(図1、図2)とスライド係合するように配置されたそれぞれの末端部2408までアーチ状に延びている。ロータ2400は、図3〜図7および図12を参照して上で説明されたロータ310と同じ材料で形成されてもよい。更に、ロータ2400は、ロータ310と同様の2つのプレートから形成されてもよい。
各アーム2404は、ロータ2400を軸方向に貫通する規定されたボア2410を有する。各ボア2410は、その中にクランクシャフト436(図5〜図9)などの外側クランクシャフトを受け入れるようなサイズおよび形状である。各アーム2404はまた、ロッカ376(図8)などのロッカの一部を受け入れるように構成された円形部2412をも規定する。
各アーム2404の末端部2408は、ハウジング200の内壁204と相補的な形状の外面2414を含む。各アーム2404の末端部2408、具体的には、外面2414は、ハウジングボディ202の内壁204とスライド係合するように配置される。シールチャネル2416は、各アーム2404内に規定され、外面2414から半径方向に内側に延びている。図24および図25に示された具体例では、空洞2418の対もまた、各アーム2404内に規定されている。各空洞2418は、シールチャネル2416の対向する側面から円周方向に広がる。以下でより詳細に説明されるように、シールチャネル2416および空洞2418は、平衡シールアセンブリ2402を受け入れるように構成される。図24には、1つの平衡シールアセンブリ2402のみが示されているが、各アーム2404は、平衡シールアセンブリ2402を含んでもよいと理解される。他の具体例では、空洞2418は、アーム2404から取り除かれてもよい(例えば、図30および図31参照)。
ロータ2400は、ロータアセンブリ300などのロータアセンブリの一部として組み立てられ、およびハウジング200(図1、図2)などのエンジンハウジング内で回転するように取り付けられるように構成される。ロータ2400が、ロータアセンブリ300内に組み立てられ、ハウジング200内に取り付けられた場合、ロータ2400は、図3〜図7および図12を参照して上で説明されたロータ310と実質的に同じように動作するように構成される。具体的には、各アーム2404は、ロッカ376(図8)などのロッカに旋回可能に結合されるように構成され、ここでロッカは、ボア2410に受け取られたクランクシャフト436(図5〜図9)などの外側クランクシャフトに動作可能に結合されている。外側クランクシャフトは、ハウジング200に取り付けられた第2駆動装置または駆動部材(例えば、リングギヤ620および622)と係合するように構成される。ロッカの内側または外側への旋回は、外側クランクシャフトを旋回させ、外側クランクシャフトは、第2駆動部材と係合してロータ2400を回転させる。メインクランクシャフト610などの出力部材は、ロータ2400に動作可能に結合され、ロータ2400の回転時に回転する。
図25は、アーム2404の末端部2408の拡大図であり、シールチャネル2416、空洞2418、および平衡シールアセンブリ2402の詳細を示している。図25に示されているように、平衡シールアセンブリ2402は、クロスオーバまたはアペックスシール2420および平衡おもり機構2422を含む。
図26は、シール2420の側面図であり、図27は、シール2420の一部の斜視図である。図示された具体例では、シール2420は、一般的にT字型の断面を有し、ヘッド2424および一般的にヘッド2424から鉛直に延びるステム2426を含む。ヘッド2424は、ハウジングボディ202の内壁204と密封的に係合するように構成された外面2428を規定する。ステム2426は、ステム2426の横方向の両側から内側に延びる1対の溝2430を規定する。
図示された具体例では、ヘッド2424は、幅または弧長2432を横方向(すなわち、ロータ2400の円周方向)に延び、吸気口514の円周方向幅および排気口516の円周方向幅よりも大きい。吸気口514および排気口516に関して使用されるように、円周方向幅という用語は、ハウジングボディ202の円周方向において測定されるそれぞれの口の幅を指す。これにより、シール2420は、内壁204との一定の密封を維持し、シールがなければ吸気口514および排気口516によって発生するシール2420の周りの流体の流れを抑制する。
図示された具体例では、シール2420は、互いに独立して半径方向に移動またはスライドすることができる2つの別個のピースを含む。具体的には、シール2420は、第1シール部材2434および第2シール部材2436を含む。第1シール部材2434および第2シール部材2436は、シールチャネル2416内に互いに隣接して配置され、それぞれの係合表面2438、2440に沿って互いに隣接する。図示された具体例では、第1シール部材2434および第2シール部材2436は、物理的にリンクされ、接着され、または他の方法で互いに接続されておらず、半径方向に互いに自由に移動またはスライドすることができる。他の具体例では、シール2420は単一の構造を有してもよい。すなわち、シール2420は、単一の材料片から形成されてもよい。シール2420は、ダクタイル鋳鉄などの様々な適切な材料から構成されてもよい。
図28は、平衡おもり機構2422の斜視図である。図示された具体例では、平衡おもり機構2422は、平衡おもり2442および平衡おもり2442から離れて広がるレバー2444を含む。平衡おもり2442は、略円筒形の形状を有し、かつ空洞2418の1つの中に受け入れられるようなサイズである。他の具体例では、平衡おもり2442は、略円筒形以外の形状であってもよい。レバー2444は、平衡おもり2442から外側に広がり、ステム2426によって規定された溝2430の1つの中に受け取られるサイズおよび形状である。平衡おもり2442およびレバー2444は、共に、長手方向または軸方向に延びる一対の溝2446を規定する。本明細書でより詳細に説明されるように、溝2446は、ロータ2400のアーム2404などのアームの一部と協力して、ロータ2400の回転に応答して平衡おもり機構2422を旋回させるように構成される。平衡おもり機構2422は、適切には、比較的高密度の材料から構成され、その材料は、スチール、鉄、鉛、およびこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
再び図25を参照すると、アーム2404は、平衡おもり機構2422を旋回軸で旋回可能に係合するように構成された支点2448を含む。図示された具体例では、支点2448は、アーム2404の末端部2408から半径方向に内側に延びる支持部2450を含む。支持部2450は、空洞2418の1つとシールチャネル2416との間に配置され、シールチャネル2416および空洞2418の1つを部分的に規定する。
シールチャネル2416は、外面2414から半径方向に内側に延び、シール2420を受け入れるサイズおよび形状である。図示された具体例では、シールチャネル2416は、外面2414から、シール2420の半径方向の長さよりも大きい半径方向の深さまで延びている。例えば、ロータ2400の回転からシール2420に与えられる遠心力の結果として、シールチャネル2416は、シール2420の半径方向の変位を可能にする。図示された具体例では、シールチャネル2416は、シール2420のT字型の断面に一致するT字型の断面を有するが、シールチャネル2416は、平衡シールアセンブリ2402が本明細書に記載されるように機能させることができる適切な構造であればいかなる構成を有してもよい。各空洞2418は、アーム2404内に規定され、アーム2404を通って軸方向に延びる。空洞2418は、シールチャネル2416の両側からアーム2404内に円周方向に延びる。各空洞2418は、平衡おもり2442を受け入れるサイズおよび形状である。
動作中、シール2420は、ハウジングボディ202の内壁204に密封的に係合するように構成され、それによって、アーム2404によって規定される隣接するチャンバ間の流体の流れを阻止する。シール2420は、ロータ2400が回転するときにスライド可能にハウジングボディ202の内壁204に係合し、内壁204との一定の密封を維持するように構成される。シール2420は、内壁204に接触圧力を加えて、隣接するチャンバ間の密封を維持する。ロータ2400の回転速度が増加すると、シール2420に作用する遠心力が増大し、シール2420と内壁204との間の接触圧力が増加する。そのような接触圧力は、制御されなければ、シール2420をすぐに摩耗させ、シール2420の耐用年数を減少させる。
平衡おもり機構2422は、ロータ2400の回転によるシール2420の半径方向の変位を制御し、ロータ2400の回転の結果として内壁204上のシール2420によって加えられる接触圧力を制御するように構成される。具体的には、平衡おもり機構2422の重心は、平衡おもり2442に向かってオフセットされている。その結果、平衡おもり機構2422に作用する遠心力は、平衡おもり機構2422を、支点2448によって規定される旋回軸の周りに旋回させる。溝2430に沿ったレバー2444とシール2420との係合は、ロータ2400の回転によるシール2420の半径方向外側への変位を制限し、それによってシール2420と内壁204との間の接触圧力を制限する。
図示された具体例では、平衡シールアセンブリ2402は、シール2420の横方向に両側に配置された2つの平衡おもり機構2422を含む。各平衡おもり機構2422は、前部シール部材2434および後部シール部材2436のうちの1つと溝2430内で係合する。2つの平衡おもり機構2422は、第1シール部材2434および第2シール部材2436の独立した半径方向の移動を可能にし、それによって第1シール部材2434と第2シール部材2436との間の接触圧力の差を可能にする。他の具体例では、平衡シールアセンブリ2402は、単一の平衡おもり機構のみを含んでもよい。
上述のように、レバー2444は、レバー2444とシール2420に規定された溝2430との係合によってシール2420に動作可能に結合されている。他の具体例では、レバー2444は、平衡シールアセンブリ2402が本明細書に記載されるように機能することを可能にする適切な手段によって、シール2420に動作可能に結合されてもよい。ある具体例では、例えば、平衡おもり機構2422は、1つ以上のピンによってシール2420にヒンジ式に結合される(例えば図35および図36参照)。
図29は、ロータアーム2900の部分断面図であり、ロータ2400(図24および図25)との使用に適した平衡シールアセンブリ2902の別の具体例を示している。ロータアーム2900および平衡シールアセンブリ2902は、図24〜図28を参照して説明されたロータアーム2404および平衡シールアセンブリ2402と実質的に同一であるが、ただし平衡シールアセンブリ2902が制御機構2904を含むことを除く。したがって、図29に示された構成要素のうち図24〜図28に示された構成要素と同一のものには、同一の参照符号で識別される。
制御機構2904は、シール2420に可変の半径方向の力を加えることによって、シール2420とハウジングボディ202の内壁204との間の接触圧力を選択的に制御するように構成される。図示された具体例では、制御機構2904は、平衡おもり機構2422を経由してシール2420に動作可能に結合され、平衡おもり2442に可変の半径方向の力を加えることによって、シール2420と内壁204との間の接触圧力を制御する。平衡おもり2442に可変の半径方向の力を加えることによって、制御機構2904は、空洞2418内の平衡おもり2442の半径方向の変位を制御することを容易にし、それによってシール2420の半径方向の変位の制御を可能にする。他の具体例では、制御機構2904は、平衡おもり機構2422以外の中間連結部材によってシール2420に動作可能に結合されてもよい。いくつかの具体例では、例えば、制御機構2904は、レバー2444などの連結アームによってシール2420に結合される。言い換えれば、平衡おもり2442は、平衡シールアセンブリ2902から省かれてもよく、制御機構は、レバー2444を経由してシール2420に結合されてもよい。
制御機構2904は、シール2420に可変の半径方向の力を加えるように構成された適切な機構を含んでもよい。いくつかの具体例では、制御機構2904は、平衡おもり機構2422などの1つ以上の中間連結部材によって直接的または間接的にシール2420に動作可能に結合されたアクチュエータ2906を含む。平衡おもり2442に近接した空洞2418内にアクチュエータ2906が示されているが、アクチュエータ2906は、平衡おもり2442から離れて配置されてもよく、例えばロータ2400のハブ2406(図25)内に、またはハウジングボディ202(図2)内などに配置されてもよい。
アクチュエータ2906は、例えば、機械式、油圧式、空気式、磁気式、およびそれらの組合せを含む、様々な適切な手段によって動作可能であってもよい。いくつかの具体例では、例えば、アクチュエータ2906は、平衡おもり機構2422を介してシール2420に動作可能に結合された空気圧式アクチュエータを含んでもよい。別の具体例では、アクチュエータ2906は、平衡おもり2442と磁気的に相互作用するように構成された磁石または電磁石を含み、空洞2418内の平衡おもり2442の半径方向の変位を制御してもよい。
他の具体例では、アクチュエータ2906は、ロータリーエンジン100内の1つ以上の環境条件に反応して動作可能であってもよい。図示された具体例では、例えば、アクチュエータ2906は、バイメタルストリップ(広くは、多層金属ストリップ)を含み、これは平衡おもり2442に動作可能に結合され、およびロータリーエンジン内の温度変化に応じて半径方向に外側および内側に曲がるように構成されている。これにより、アクチュエータ2906は、ロータリーエンジン100内の温度に基づいて平衡おもり2442に可変の半径方向の力を加えるように構成される。バイメタルストリップの層は、バイメタルストリップがロータリーエンジン100内の温度変化に応じて平衡おもり2442に可変の半径方向の力を加えることを可能にする適切な材料であればいかなる材料から構成されてもよい。ある具体例では、例えば、一方の層は鋼鉄から構成され、他方の層は銅または黄銅のような銅合金から構成される。図示された具体例では、制御機構2904は、2つのバイメタルストリップを含むが、制御機構2904は、単一のバイメタルストリップなどの、制御機構2904が本明細書に記載されるように機能することを可能にする適切な数のバイメタルストリップを含んでもよい。
いくつかの具体例では、アクチュエータ2906は、ECU124(図4)などのコンピューティングデバイスに動作可能に結合され、およびコンピューティングデバイスによって制御されてもよく、シール2420とハウジングボディ202の内壁204との間の接触圧力を選択的に制御してもよい。例えば、ECU124は、ロータ2400の1回のストロークまたは1回転の間に、指定された時間および/または回転位置で、アクチュエータ2906によってシール2420に加えられる半径方向の力を変化させるようにプログラムされてもよい。ECU124は、シール2420の回転位置、ロータ2400の回転位置、メインクランクシャフト610(図1〜図3)の回転位置、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つに基づいて、アクチュエータ2906によってシール2420に加えられる半径方向の力を変化させるようにプログラムされてもよい。これにより、制御機構2904は、ロータ2400の1回転の間の様々な時間に、シール2420と内壁204との間の接触圧力を正確に制御することができる。
図30は、ロータアーム3000の部分斜視図であり、ロータリーエンジン100(図1および図2)および圧縮機800(図20)などのロータリーデバイスにおける使用に適した平衡シールアセンブリ3002の別の具体例を示している。図31は、ロータアーム3000の部分斜視図であり、ロータアーム3000から取り外された平衡シールアセンブリ3002を示している。本明細書でより詳細に説明されるように、平衡シールアセンブリ3002の構成は、平衡シールアセンブリ3002およびその構成要素の取付け、取外し、および交換を容易にする。
ロータアーム3000は、ロータ2400(図24および図25)などのロータの中心部分またはハブから、ロータアーム3000の末端部3004まで半径方向外側に延びる。ロータアーム3000は、クランクシャフト436(図5〜9)などの外側クランクシャフトを受け入れるためのボア2410(図24)と同様のボア(図示せず)を含んでもよい。ロータアーム3000は、ロッカ376(図8)などのロッカの一部を受け入れるように構成された円形部3006を規定する。
ロータアーム3000の末端部3004は、ハウジング200(図1および図2)またはハウジング2300(図23)などのロータリーデバイスハウジングの内壁または内側表面と相補的な形状の外面3008を含む。末端部3004は、ハウジング200(図1および図2)またはハウジング2300(図23)などのロータリーデバイスハウジングの内壁または内側表面とスライド係合するように構成される。
図31に示されているように、ロータアーム3000は、一対の対向する内部側面3010、3012と、内部側面3010と3012との間に広がっている半径方向内側表面3014と、およびそれぞれの側面3010、3012からそれぞれ外側に延びる一対のレッジ3016とを含む。側面3010、3012、半径方向内側表面3014、およびレッジ3016は、ロータアーム3000内のシールアセンブリチャネル3018を規定する。シールアセンブリチャネル3018は、外面3008から半径方向内側に広がり、およびロータアーム3000を通って軸方向に広がり、平衡シールアセンブリ3002は、ロータアーム3000のいずれかの側に挿入されまたはそこから取り外されることができる。シールアセンブリチャネル3018は、平衡シールアセンブリ3002を受け入れるように構成される。具体的には、平衡シールアセンブリ3002は、図31に矢印3020によってしめされている軸方向または長手方向にシールアセンブリチャネル3018に出入りするように構成され、アセンブリ全体の取付け、取外し、および交換を容易にする。軸方向3020は、その周りをロータアーム3000が動作中に回転する軸に平行である。図30および図31に示されているように、ロータアームは空洞2418を含まないが、それは、平衡シールアセンブリ3002のすべての構成要素が、シールアセンブリチャネル3018内に受け入れられるからである。すなわち、シールアセンブリチャネル3018は、シールアセンブリ3002の各要素を受け入れるサイズおよび形状である。
図32は、平衡シールアセンブリ3002の部分分解図である。図32に示されているように、平衡シールアセンブリ3002は、クロスオーバまたはアペックスシール3022と、ベース3024と、および複数の平衡おもり機構3026を含む。
図示された具体例では、シール3022は、ほぼ長方形の断面を有し、およびボディ3028と、ボディ3028の両側から横方向に外側に延びる一対のへり3030とを含む。図32では、へり3030のうち1つのみが見えている。ボディ3028は、軸方向3020に、シール3022の第1端部3032からシール3022の第2端部3034まで延びる。ボディ3028は、半径方向内側表面3036および半径方向外側表面3038を規定する。動作中、半径方向外側表面3038は、ハウジング200(図1および図2)またはハウジング2300(図23)などのロータリーデバイスハウジングの内壁に密封的に係合して、チャンバ360、362、364および366(図5)などの隣接するロータリーデバイスのチャンバ間の流体の流れを阻止する。
更に、ボディ3028は、ロータアーム3000を越えて軸方向3020に延びる。より具体的には、ボディ3028は、軸方向3020の長さを有し、それはシールアセンブリチャネル3018の軸方向3020の長さよりも大きい。したがって、シール3022の第1端部3032および第2端部3034は、ハウジング200の前部プレート230および後部プレート232またはリングプレート396、398(すべて図2に示されている)などのロータリーデバイスの面プレートと密封的に係合し、シール3022の第1端部3032および第2端部3034の周りの流体の流れを阻止する。
溝3040は、ボディ3028の半径方向内側表面3036を規定する。溝3040は、シール3022の第1端部3032からシール3022の第2端部3034まで軸方向に延びる。溝3040は、ベース3024と協力して、本明細書でより詳細に説明されるように、平衡シールアセンブリ3002内のシール3022の整列を維持するように構成される。
各へり3030は、シール3022のそれぞれの側部から横方向外側に延びている。各へり3030は、少なくとも1つの平衡おもり機構3026とベース3024との間にスライド可能に受け入れられるように構成される。図32に示されているように、各へり3030は、ボディ3028の軸方向3020の長さよりも短い軸方向3020の長さを有する。特に、各へり3030は、シールアセンブリチャネル3018およびベース3024と実質的に同じ軸方向3020の長さを有する。動作中、平衡シールアセンブリ3002が取り付けられているロータの回転からシール3022に加えられた遠心力は、シール3022を半径方向外向きに押す。へり3030と平衡おもり機構3026との間の係合は、ロータアーム3000内のシール3022を保持し、より詳細に後述されるように、シール3022の半径方向の変位を更に制御する。
図示された具体例では、シール3022は、一体構造を有する。すなわち、シール3022は、ダクタイル鋳鉄などの単一の材料片から形成される。他の具体例では、シール3022は、モジュール式組立構造を有してもよい。すなわち、シール3022は、シール2420(図25〜図27)と同様の複数のシール部材を含んでもよい。
ベース3024は、一対の対向する側壁3042、3044と、側壁3042、3044の間に広がりそれらを相互接続する半径方向内壁3046とを含む。平衡シールアセンブリ3002がシールアセンブリチャネル3018内に取り付けられた場合、各側壁3042、3044は、ロータアーム3000の内部側面3010、3012に隣接して配置され、ロータアーム3000の半径方向内側表面3014からそれぞれのレッジ3016まで延びる。半径方向内壁3046は、ロータアーム3000の半径方向内側表面3014に隣接して配置される。ベース3024は、シールアセンブリチャネル3018と相補的なサイズおよび形状であり、側壁3042、3044および半径方向内壁3046は、内部側面3010、3012および半径方向内側表面3014とそれぞれ同一平面上にある。これにより、ベース3024の構成は、平衡シールアセンブリ3002を取り付け、取り外し、および交換するために、平衡シールアセンブリ3002を軸方向3020にスライドさせることを容易にする。
側壁3042、3044および半径方向内壁3046は、シール3022を受け入れるように構成されたシールチャネル3048を規定する。シールチャネル3048は、シール3022の断面形状に対応するほぼ長方形の断面形状を有するが、シールチャネル3048およびシール3022は、平衡シールアセンブリ3002が本明細書に記載されるように機能することを可能にする構成であればいかなる構成を有してもよい。
図32に示されているように、ベース3024は、複数の支点3050をも含む。各支点3050は、支点3050の半径方向内側表面に沿って平衡おもり機構3026に旋回可能に係合するように構成される。各支点3050は、側壁3042、3044のうちの1つに結合される。図示された具体例は、4つの支点3050を含み、各支点3050は、1つの平衡おもり機構3026に対応する。図示された具体例では、2つの支点3050がベース3024の各側壁3042、3044に結合されている。共通の側壁に結合された支点3050は、互いに間隔を置いて軸方向3020に配置され、互いに軸方向3020に一直線に整列されている。図示された具体例では、ベース3024は、アルミニウムから構成され、各支点3050は、側壁3042、3044の一方に押し込まれた硬化スチールピンから構成されている。他の具体例では、ベース3024および支点3050は、平衡シールアセンブリ3002が本明細書に記載されるように機能することを可能にする材料であればいかなる材料から構成されてもよい。
ベース3024はまた、半径方向内壁3046から半径方向外側に突き出るリッジ3052をも含む。リッジ3052は、ベース3024の全長に沿って軸方向に延び、溝3040内に受け入れられるようなサイズおよび形状である。シール3022は、リッジ3052に沿って軸方向3020にスライドするように構成される。リッジ3052は、シール3022の取付けおよび取外し中に、および、平衡シールアセンブリ3002が取り付けられているロータリーデバイスの動作中に、シールの調整の維持を容易にする。
図30および図31に示されているように、ベース3024は、シールアセンブリチャネル3018と実質的に同じ軸方向の長さを有し、かつロータアーム3000の側面に隣接している。ベース3024はまた、シール3022のへり3030と同じ軸方向長さを有する。
各平衡おもり機構3026は、平衡おもり3054と、平衡おもり3054から離れて延びるレバー3056とを含む。切欠き3058は、平衡おもり3054とレバー3056との間の平衡おもり機構3026内に規定される。切欠き3058は、その中に支点3050の1つを受け入れるようなサイズおよび形状であり、平衡おもり機構3026が旋回する旋回軸を提供する。
図32に示されているように、各平衡おもり機構3026は、対応する支点3050とベース3024(具体的には、ベース3024の半径方向内壁3046)との間に配置されている。各平衡おもり機構3026は、支点3050の1つに旋回可能に結合され、軸方向3020に実質的に鉛直である旋回軸3060の周りを旋回するように構成される。平衡おもり機構3026は、適切には、比較的高密度の材料から構成され、その材料は、スチール、鉄、鉛、およびこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
平衡おもり機構3026は、ロータアーム3000の回転によるシール3022の半径方向の変位を制御し、ロータアーム3000の回転によるロータリーデバイスハウジングの内壁へシール3022によって加えられる接触圧力を制御するように構成される。具体的には、各平衡おもり機構3026の重心は、平衡おもり3054に向かってオフセットされている。その結果、平衡おもり機構3026に作用する遠心力は、平衡おもり機構3026を、対応する支点3050によって規定される旋回軸3060の周りに旋回させる。ロータアーム3000が回転すると、平衡おもり機構3026に作用する遠心力は、平衡おもり3054を半径方向外側向きに回転させ、レバー3056を半径方向内側向きに回転させる。レバー3056は、シール3022のへり3030と係合し、へり3030に半径方向内向きの力を加えて、シール3022の半径方向外側への変位を制限する。これにより、平衡おもり機構3026は、シール3022とロータリーデバイスハウジングの内壁との間の接触圧力を制限する。
図示された具体例では、平衡シールアセンブリ3002は、4つの平衡おもり機構3026を含む。2つの平衡おもり機構3026は、支点3050によってベース3024の各側壁3042、3044に動作可能に結合されている。共通の側壁に連結された平衡おもり機構3026は、平衡おもり機構3026の平衡おもり3054が互いに向き合うように配置されている。すなわち、各平衡おもり3054は、切欠き3058から、共通の側壁に結合された他の平衡おもり機構3026に向かって延びている。
上述のように、平衡シールアセンブリ3002は、シールアセンブリチャネル3018を軸方向3020に出入りするように構成されている。この平衡シールアセンブリ3002の構成は、平衡シールアセンブリ3002およびその構成要素の取付け、取外し、および交換を容易にする。特に、シール3022および平衡おもり機構3026は、共通の構造(すなわち、ベース3024)に結合される。より具体的には、シール3022は、平衡おもり機構3026とへり3030との間の係合によってシールチャネル3048内に保持され、平衡おもり機構3026は、支点3050によってベース3024に動作可能に結合される。その結果、平衡シールアセンブリ3002のすべての構成要素(すなわち、ベース3024、シール3022、および平衡おもり機構3026)は、例えば、平衡シールアセンブリ3002の取付けまたは取外しの間、単一のユニットまたはモジュールとして(例えばベース3024を移動させることによって)一緒に移動することができる。
加えて、平衡おもり機構3026がベース3024内に支持されるため、平衡おもり機構3026は、平衡シールアセンブリ3002の取付中にロータアーム3000の別個の空洞、穴、またはスロットと整列される必要がない。更に、シール3022のへり3030は、平衡おもり機構3026とベース3024との間をスライドするように構成されているため、平衡おもり機構3026は、シール3022の取付けまたは交換中に、シール3022の溝またはチャネルと整列される必要はない。その結果、ロータアーム3000から平衡シールアセンブリ3002の他の構成要素を取り外すことなく、シール3022は、容易に取付けまたは交換されることができる。言い換えれば、シール3022は、ベース3024および平衡おもり機構3026とは独立して、軸方向3020にスライドするように構成される。
図33は、ロータリーエンジン100(図1および図2)および圧縮機800(図20)などのロータリーデバイスにおける使用に適した平衡シールアセンブリ3300の別の具体例の部分分解図である。
図33に示されているように、平衡シールアセンブリ3300は、クロスオーバまたはアペックスシール3302と、ベース3304と、複数の平衡おもり機構3306と、および一対の端部シール3308とを含む。
シール3302は、図30〜図32を参照して上で説明されたシール3022と実質的に同一であるが、ただしシール3302がそこに規定された溝3310を有することを除く。このように、図33に示されたシール3302の構成要素のうち図30〜図32に示された構成要素と同一のものには、同一の参照符号で識別される。
各端部溝3310は、第1端部3032および第2端部3034のうちの1つからシール3302のボディ3028内に軸方向内向きに延び、半径方向外側表面3038から半径方向内側表面3036までボディ3028を通って半径方向に延びる。各端部溝3310は、ボディ3028の半径方向内側表面3036に沿って規定された溝3040に隣接し、単一の連続した溝を形成する。各端部溝3310は、端部シール3308の1つの一部を受け入れるサイズおよび形状である。
ベース3304は、図30〜図32を参照して上で説明されたベース3024と実質的に同一であるが、ただしベース3304がリッジ3052(図32)を含まないことと、ベース3304がそこに規定された端部シールチャネル3312を有することとを除く。このように、図33に示されたベース3304の構成要素のうち図30〜図32に示された構成要素と同一のものには、同一の参照符号で識別される。端部シールチャネル3312は、半径方向内向きにベース3304の半径方向内壁3046内に延び、ベース3304の軸方向の長さ全体にわたって軸方向に延びる。端部シールチャネル3312は、その中の各端部シール3308の一部を受け入れるサイズおよび形状である。
平衡おもり機構3306は、図30〜図32を参照して説明された平衡おもり機構3026と同一である。
各端部シール3308は、シール3302とベース3304との間に配置され、溝3040、端部溝3310のうちの1つ、および端部シールチャネル3312内に配置される。図示された具体例では、各端部シール3308は、溝3040および端部溝3310によって規定される連続的な溝の形状に対応する「L」字型の断面を有する。本明細書でより詳細に説明されるように、端部シール3308は、シール3302の端部3032、3034の周囲にシールを形成し、シールを比較的低温で維持することを容易にするように構成される。
各端部シール3308は、第1端部すなわちシール端部3314と、シール端部3314から遠位の第2端部すなわち非シール端部3316とを含む。各端部シール3308のシール端部3314は、平衡シールアセンブリ3300が取り付けられるロータリーデバイスの前部プレート230または後部プレート232(図2)などの面プレートに密封的に係合するように構成される。端部シール3308は、互いに近接して配置された非シール端部3316で位置合わせされる。
ばね(図示せず)などの付勢部材は、端部シール3308の間に取り付けられる。より具体的には、付勢部材は、端部シール3308の非シール端部3316の間に配置され、端部シール3308を、平衡シールアセンブリ3300が取り付けられたロータリーデバイスのそれぞれの面プレート、例えば前部プレート230または後部プレート232(図2)などに向かって付勢する。
図34は、平衡シールアセンブリ3300(図33)が取り付けられたロータアセンブリ3400の部分斜視図である。ロータアセンブリ3400は、ロータアーム3402と、前部リングプレート3404(広くは、第1リングプレート)と、および後部リングプレート3406(広くは、第2リングプレート)とを含む。使用時には、ロータアセンブリ3400は、ハウジング200(図2)またはハウジング2300(図23)などのロータリーデバイスハウジング内で回転するように取り付けられ、前部プレート230および後部プレート232(図2)などの面プレートによってハウジング内に封入される。ロータアセンブリ3400は、上述のロータアセンブリ300(図2および図3)と実質的に同じように機能する。
上述のように、端部シール3308は、シール3302の端部3032、3034の周囲のシールを比較的低温で維持することを容易にする。具体的には、ロータリー燃焼エンジンなどの、動作中に比較的大きな温度変動を受けるロータリーデバイスにおいては、シール3302は、シール3302の軸方向の熱膨張を可能にするために「標準より小さい」。その結果、シール3302の端部3032、3034は、比較的低い温度でロータアセンブリ3400を囲む面プレートから隔てられ、シール3302は、面プレートに密封的に係合しない。
端部シール3308は、ロータアセンブリ3400を囲む面プレートに密封的に係合することによって、シール3302の端部3032、3034の周囲にシールを維持する。具体的には、各端部シール3308のシール端部3314は、端部シール3308の間に配置された付勢部材によってそれぞれの面プレートに付勢され、それによってシール3302の各端部3032、3034にシールを形成する。ロータアセンブリ3400の温度が上昇すると、シール3302は、シール3302の端部3032、3034がロータアセンブリ3400を囲む面プレートに密封的に係合するまで、軸方向に膨張する。端部シール3308も同様に熱膨張し、非シール端部3316を互いに向かって膨張させ、端部シール3308の間に配置された付勢部材を圧縮する。
図35は、ロータリーエンジン100(図1および図2)および圧縮機800(図20)などのロータリーデバイスにおける使用に適した平衡シールアセンブリ3500の別の具体例の分解図である。図36は、平衡シールアセンブリ3500の端面図である。図35および図36に示されているように、平衡シールアセンブリ3500は、クロスオーバまたはアペックスシール3502と、ベース3504と、一対の平衡おもり機構3506と、一対の端部シール3508と、および一対の軸方向に延びるピン3510とを含む。図35および図36に示されている具体例では、以下でより詳細に説明されるように、平衡おもり機構3506は、ピン3510によって、シール3502にヒンジ式に結合されている。
図示された具体例では、シール3502は、ほぼT字型の断面を有し、ヘッド3512と、ヘッド3512から実質的に鉛直に延びるステム3514とを含む。ヘッド3512は、シール3502の半径方向外側表面3516を規定し、ステム3514は、シール3502の半径方向内側表面3518を規定する。動作中、半径方向外側表面3516は、ハウジング200(図1および図2)またはハウジング2300(図23)などのロータリーデバイスハウジングの内壁または内側表面に密封的に係合する。
シール3502は、図35の矢印3520によって示されている軸方向または長手方向に、シール3502の第1端部3522からシール3502の第2端部3524まで延びる。シール3502の第1端部3522および第2端部3524は、それぞれそこに規定された端部溝3526を有する。各端部溝3526は、第1端部3522および第2端部3524のうちの1つから、シール3502の中に軸方向内側に延び、および半径方向外側表面3516からシール3502の中に半径方向に延びる。各端部溝3526は、端部シール3508のうちの1つの少なくとも一部を受け入れるサイズおよび形状である。
シール3502はまた、第1端部3522から第2端部3524までシール3502を通って軸方向に延びるピン穴3528をも有する。ピン穴3528は、ピン3510を受け入れるサイズおよび形状である。シール3502は、単一の連続的なピン穴を含んでもよく、またはシール3502は、2つ以上の別個のピン穴を含んでもよい。図示された具体例では、ピン穴3528は、シール3502の第1端部3522および第2端部3524に沿って端部溝3526に隣接し、単一の連続溝を形成している。他の具体例では、ピン穴3528は、端部溝3526から離れていてもよい。
図示された具体例では、シール3502は、そこに規定された一対の切欠き3530を有する。各切欠き3530は、半径方向内側表面3518からシール3502の中に半径方向に延び、平衡おもり機構3506の一部を受け入れる大きさおよび形状である。切欠き3530は、互いに離れて長手方向3520に配置されている。図35に示されているように、切欠き3530は、ピン穴3528を3つの部分に分離するが、これらの部分は、軸方向外側部分および軸方向内側部分を含む。いくつかの具体例では、シール3502は、切欠き3530を含まなくてもよい。
図示された具体例では、シール3502は、一体構造を有する。すなわち、シール3502は、ダクタイル鋳鉄などの単一の材料片から形成される。他の具体例では、シール3502は、モジュール式組立構造を有してもよい。すなわち、シール3502は、シール2420(図25〜図27)と同様の複数のシール部材を含んでもよい。
図36に示されているように、ベース3504は、一対の対向する側壁3532、3534と、側壁3532、3534の間に広がりそれらを相互接続する半径方向内壁3536と、およびそれぞれの側壁3532、3534からそれぞれ外側に延びている一対のレッジ3538とを含む。ベース3504は、シールアセンブリチャネル3018(図31)などのシールアセンブリチャネル内にスライド可能に受け入れられるように構成される。レッジ3538は、周方向または横方向に互いに離れて配置され、シールチャネル3540を部分的に規定して、シール3502、特にその中のシール3502のステム3514を受け入れるように構成されている。
ベース3504はまた、一対の支点3542をも含み、これはそれぞれ平衡おもり機構3506の1つにスライド可能に係合するように構成されている。各支点3542は、旋回軸を規定し、この旋回軸の周りを、平衡おもり機構3506が、平衡シールアセンブリ3500が取り付けられているロータの回転に応じて旋回する。図示された具体例では、各旋回軸は、軸方向3520に実質的に平行である。図示された具体例では、各支点3542は、それぞれのレッジ3538からベース3504の半径方向内壁3536に向かって半径方向内向きに延びる支持部3544を含む。
ベース3504はまた、その中に規定された一対の平衡おもりチャネル3546を有するが、これはそれぞれ平衡おもり機構3506の一部を受け入れるように構成されている。各平衡おもりチャネル3546は、半径方向内壁3536と、それぞれの側壁3532、3534と、それぞれのレッジ3538と、およびそれぞれの支持部3544とによって規定される。図36に示されているように、支持部3544は、十分な距離だけ半径方向内壁3536に向かって半径方向内向きに延び、平衡おもり機構3506が平衡おもりチャネル3546から長手方向3520を横切る方向に滑り出るのを防止する。
図示された具体例では、ベース3504はアルミニウムから構成されているが、ベース3504は、本明細書に記載されるように機能することを可能にする材料であればいかなる材料から構成されてもよい。
図35に示されているように、平衡おもり機構3506は、平衡おもり3548と、第1レバー3550と、および第2レバー3552とを含む。平衡おもり3548は、ほぼ長方形の形状を有し、平衡おもりチャネル3546のうちの1つの中に受け入れられるようなサイズである。他の具体例では、平衡おもり3548は、ほぼ長方形以外の形状であってもよい。第1レバー3550および第2レバー3552は、それぞれ平衡おもり3548から離れて延び、軸方向3520に互いに離れて配置されている。第1レバー3550および第2レバー3552は、それぞれシール3502内に規定された切欠き3530の1つの中に受け入れられるサイズおよび形状である。第1レバー3550および第2レバー3552のそれぞれは、それぞれの支点3542と協力するように構成された軸方向に延びる溝3554を規定し、平衡おもり機構3506を、平衡シールアセンブリ3500が取り付けられたロータの回転に応じて旋回させる。言い換えれば、各平衡おもり機構3506は、支点3542の1つによって、ベース3504に旋回可能に結合されている。
第1レバー3550および第2レバー3552はそれぞれ、その中に規定されたそれぞれのピン穴3556を含む。ピン穴3556は、それぞれ、ピン3510の1つを受け入れるサイズおよび形状であり、平衡おもり機構3506をシール3502にヒンジ式に結合する。より具体的には、平衡シールアセンブリ3500が組み立てられた場合、ピン穴3556は、シール3502のピン穴3528と一直線に並び、各ピン3510は、第1レバー3550および第2レバー3552のうちの1つに規定されたピン穴3528およびピン穴3556を通して挿入される。したがって、第1レバー3550および第2レバー3552は、ピン3510によってシール3502と係合する。
第1レバー3550および第2レバー3552は、切欠き3530の間の軸方向距離以上の距離だけ互いに離れており、平衡シールアセンブリ3500が組み立てられた場合、第1レバー3550は、切欠き3530の1つの中に配置され、第2レバー3552は、切欠き3530の他方の中に配置される。図示された具体例では、第1レバー3550および第2レバー3552は、切欠き3530の間の軸方向距離よりも大きな距離だけ互いに間隔を置いて配置されている。より具体的には、第1レバー3550および第2レバー3552は、互いに間隔を置いて配置され、平衡シールアセンブリ3500が組み立てられた場合、各平衡おもり機構3506上の第1レバー3550および第2レバー3552の相対的な軸方向位置が互い違いになる。すなわち、平衡シールアセンブリ3500が組み立てられた場合、一方の平衡おもり機構3506の第1レバー3550は、他方の平衡おもり機構3506の第1レバー3550の軸方向内側に配置され、一方の平衡おもり機構3506の第2レバー3552は、他方の平衡おもり機構3506の第2レバー3552の軸方向外側に配置される。他の具体例では、一方の平衡おもり機構3506の第1レバー3550と第2レバー3552との間の軸方向間隔は、他方の平衡おもり機構3506の第1レバー3550と第2レバー3552との間の軸方向の間隔よりも小さくてもよく、一方の平衡おもり機構3506の両レバー3550、3552は、他方の平衡おもり機構3506の両レバー3550、3552の軸方向内側に配置される。更に他の具体例では、シール3502は、切欠き3530を含まなくてもよく、第1レバー3550および第2レバー3552は、平衡シールアセンブリ3500が組み立てられた場合、それぞれシール3502の端部3522、3524に隣接して配置されてもよい。
端部シール3508は、図33および図34を参照して上で述説明された端部シール3308と実質的に同じ態様で動作する。特に、各端部シール3502は、端部溝3526の1つの内部に配置され、シール3502の一端3522、3524の周りにシールを形成し、シールを比較的低温で容易に維持できるように構成される。コイルばねなどの付勢部材は、ピン3510の間のピン穴3528の内部に配置され、平衡シールアセンブリ3500が取り付けられたロータリーデバイスの前部プレート230または後部プレート232(図2)などのそれぞれの面プレートに向かって端部シール3508を付勢する。
各ピン3510は、シール3502に規定されたピン穴3528の中に、および第1レバー3550と第2レバー3552とに規定されたピン穴3556のうちの少なくとも1つの中に受け入れられるようなサイズおよび形状である。各ピン3510は、軸方向3520に十分な長さを有し、第1レバー3550および第2レバー3552の一方をシール3502にヒンジ式に結合する。特に、各ピン3510は、軸方向3520の長さを有し、平衡シールアセンブリ3500が組み立てられた場合、シール3502のピン穴3528および第1レバー3550と第2レバー3552のうちの1つに規定されたピン穴3556を通って延びる。図示された具体例では、各ピン3510は、軸方向の長さを有し、シール3502のピン穴3528を通り、第1レバー3550と第2のレバー3552のうちの1つに規定されたピン穴3556を通り、そしてシール3502に規定されたピン穴3528に戻っている。
図示された具体例は、2つのピン3510を含み、それぞれはシール3502のそれぞれの端部3522、3524に挿入されるように構成され、平衡おもり機構3506をシール3502にヒンジ式に結合する。特に、各ピン3510は、端部シール3508の1つと一体的に形成されている。したがって、平衡シールアセンブリ3500では、端部シールとは別に形成されたピンを有する平衡シールアセンブリと比較して、部品点数が減少する。他の具体例では、ピン3510は、端部シール3508とは別に形成されてもよい。ある具体例では、例えば、端部シール3508は平衡シールアセンブリ3500から省略され、平衡シールアセンブリ3500は、別々のピンを含む。更に他の具体例では、平衡シールアセンブリ3500は、平衡シールアセンブリ3500が組み立てられた場合に、第1レバー3550と第2レバー3552の両方に規定されたピン穴3556を通って延びるように構成された単一のピンを含んでもよい。
使用時には、平衡シールアセンブリ3500は、ロータのロータアーム3000(図30)などのロータアームに取り付けられる。ロータアーム3000が回転すると、平衡おもり機構3506に作用する遠心力によって、平衡おもり機構3506が旋回軸(例えば、支点3542)を中心に旋回する。ピン3510によるレバー3550、3552とシール3502との間の係合は、ロータアーム3000の回転によるシール3502の半径方向外側への変位を制限し、それによって、シール3502とハウジング200(図1および図2)またはハウジング2300(図23)などのロータリーデバイスハウジングの内壁または内側表面との間の接触圧力を制限する。
シール3502と平衡おもり機構3506との間のヒンジ接続は、図35および図36に示された具体例に限定されず、かつ本明細書に記載されている他の平衡シールアセンブリで利用されてもよい。ある具体例では、例えば、平衡シールアセンブリ3500のシール3502および平衡おもり機構3506は、平衡おもり機構3506が旋回する旋回軸を規定する支点2448を有するロータ2400(図24および図25)のロータアーム2408において利用されてもよい。
いくつかの公知のロータリーエンジンシステムと比較して、本明細書で開示されているロータリーエンジンは、ロータリーエンジン内のクロスオーバシールの信頼性および耐用年数の改善を容易にする。特に、本明細書で開示されているロータリーエンジンは、シールと、シールの半径方向の変位を制御するように構成された平衡おもり機構とを含む平衡シールアセンブリを含む。シールの半径方向の変位を制御することによって、平衡おもり機構は、シールとロータリーエンジンを収容するハウジングの内壁との間の接触圧力を制御し、ロータリーエンジン内のロータの回転からシールに与えられる遠心力に対抗する。
加えて、いくつかの具体例では、本明細書で開示されている平衡シールアセンブリは、シールに可変の半径方向の力を加えるように構成された制御機構を含み、シールとロータリーエンジンハウジングの内壁との間の接触圧力を制御する。制御機構を利用して、ロータの1回のストロークまたは回転の間の特定の時間および/または回転位置でシールに加えられる半径方向の力を選択的に変化させ、それによってターボチャージ、スーパーチャージ、チャンバ結合および分離などの様々なエンジン機能を可能にすることができる。更に、シールに加えられる半径方向の力の選択的な制御を可能にすることによって、制御機構は、ロータリーエンジンの動作に対する「オンザフライ」調整を可能にする。例えば、制御機構を利用して、高速走行時に燃費を向上させながら、車両のロータリーエンジンの圧縮比を下げることができる。制御機構は、追加の動力が必要とされる場合に、ロータリーエンジンの圧縮比を高めるために利用されてもよい。制御機構はまた、ロータリーエンジン内の圧縮比の選択的な調整を可能にすることにより、ロータリーエンジンが異なる種類の燃料により動作することを可能にする。
更に、いくつかの具体例では、本明細書で開示された平衡シールアセンブリの構成は、平衡シールアセンブリ取付け、取外し、および交換を容易にする。特に、本明細書で開示されるいくつかの平衡シールアセンブリのシールおよび平衡おもり機構は、ベースなどの共通構造に結合されて、平衡シールアセンブリのすべての構成要素を単一のユニットまたはモジュールとして一緒に動かすことを可能にする。
本発明の様々な具体例の特定の特徴は、いくつかの図面には示され、他の図面には示されていないが、これは便宜上のものに過ぎない。本発明の原理によれば、図面のあらゆる特徴は、他の図面のどの特徴と組み合わせて参照および/または請求されてもよい。
ここで記載された説明は、例を使用して、最良の形態を含む本発明を開示し、また当業者が、本発明を実施することを可能にし、ここで実施は、任意のデバイスまたはシステムの作製および使用、および組み込まれた方法の実行を含む。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の例を含んでもよい。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文字通りの言葉との実質的な相違がない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。

Claims (46)

  1. 円筒形の内側表面を有するハウジングと、
    前記ハウジングに回転のために取り付けられたロータアセンブリと、
    を含むロータリーデバイスであって、前記ロータアセンブリは、
    中心部分と、前記中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを含むロータであって、各アームは、前記内側表面とスライド係合するように配置された末端部を有するロータと、
    前記ロータに旋回可能に結合され、前記ハウジングの前記内側表面から離れた第1位置と前記ハウジングの前記内側表面に隣接した第2位置との間を旋回する少なくとも1つのロッカであって、前記ロッカの旋回が前記ロータを回転させるロッカと、
    前記アームのうちの少なくとも1つの前記末端部に配置された平衡シールアセンブリであって、シールと、前記ロータの回転の結果として前記内側表面上の前記シールによって加えられる接触圧力を制御するように構成された平衡おもり機構と、を含む平衡シールアセンブリと、
    を含むロータリーデバイス。
  2. 前記平衡おもり機構は、平衡おもりおよび前記平衡おもりから離れて広がるレバーを含み、前記レバーは、前記シールに係合して、前記ロータの回転から前記シールに加えられる遠心力によって生じる前記シールの半径方向の変異を制御する請求項1に記載のロータリーデバイス。
  3. 前記シールは、そこに規定された溝を有し、前記レバーは、その溝の内部に受け入れられる請求項2に記載のロータリーデバイス。
  4. 前記少なくとも1つのアームは、前記平衡おもり機構を旋回可能に支持するように構成された支点を含む請求項1に記載のロータリーデバイス。
  5. 前記平衡おもり機構は、軸方向に延びる溝を規定し、前記支点は、前記溝の内部に受け入れられた支持部を含む請求項4に記載のロータリーデバイス。
  6. 前記シールは、ヘッドおよびステムを含むT字型のボディを含み、前記ヘッドは、前記ハウジングの前記内側表面と密封的に係合するように構成され、前記ステムは、前記平衡おもり機構に動作可能に結合されている請求項1に記載のロータリーデバイス。
  7. 前記ハウジングは、吸気口および排気口を含み、前記シールは、前記吸気口および前記排気口のうちの少なくとも1つの円周方向幅より大きい弧長を有する請求項1に記載のロータリーデバイス。
  8. 前記シールは、第1シール部材および第2シール部材を含み、前記第1および第2シール部材は、半径方向に互いに独立して移動するように構成されている請求項1に記載のロータリーデバイス。
  9. 前記ロータアセンブリは、更に、
    前記ロッカに動作可能に結合され、前記第1および第2位置の間を旋回する前記ロッカに応答して回転する第1駆動装置と、
    前記ハウジングに動作可能に結合され、および前記第1駆動装置に係合する第2駆動装置と、を含み、前記第1駆動装置の回転は、前記第1駆動装置を前記第2駆動装置の周りで回転させ、および前記ロータを回転させる請求項1に記載のロータリーデバイス。
  10. 前記アームのうちの少なくとも1つは、ボアを含み、前記第1駆動装置は、前記ボアの内部に配置されている請求項9に記載のロータリーデバイス。
  11. 前記アームは、前記中心部分の周囲に配置され、各アームは、前記中心部分から円弧状に延びている請求項1に記載のロータリーデバイス。
  12. ロータリーデバイスに使用するロータアセンブリであって、
    中心部分と、前記中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームと、を含むロータであって、前記中心部分および前記複数のアームは、前記中心部分から半径方向外側に延びる複数のチャンバを規定するロータと、
    前記ロータに旋回可能に結合され、前記中心部分に近接した第1位置と前記中心部分から遠位の第2位置との間を旋回する少なくとも1つのロッカであって、前記ロッカの旋回は、ロータを回転させるロッカと、
    前記複数のチャンバの隣接するチャンバ間の流体の流れを阻止するように構成された平衡シールアセンブリであって、シールと、前記ロータの回転によって前記シールに加えられる遠心力に起因する前記シールの半径方向の変異を制御するように構成された平衡おもり機構を含む平衡シールアセンブリと、
    を含むロータアセンブリ。
  13. 前記平衡おもり機構は、平衡おもりおよび前記平衡おもりから離れて広がるレバーを含み、前記レバーは、前記シールに係合して、前記ロータの回転から前記シールに加えられる遠心力によって生じる前記シールの半径方向の変異を制御する請求項12に記載のロータアセンブリ。
  14. 前記シールは、そこに規定された溝を有し、前記レバーは、その溝の内部に受け入れられる請求項13に記載のロータアセンブリ。
  15. 前記少なくとも1つのアームは、前記平衡おもり機構を旋回可能に支持するように構成された支点を含む請求項12に記載のロータアセンブリ。
  16. 前記平衡おもり機構は、軸方向に延びる溝を規定し、前記支点は、前記溝の内部に受け入れられた支持部を含む請求項15に記載のロータアセンブリ。
  17. 前記シールは、第1シール部材および第2シール部材を含み、前記第1および第2シール部材は、半径方向に互いに独立して移動するように構成されている請求項12に記載のロータアセンブリ。
  18. 内側表面を有するハウジングと、
    前記ハウジングの中に回転するように取り付けられたロータアセンブリと、
    を含むロータリーデバイスであって、前記ロータアセンブリは、
    中心部分と、前記中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを含むロータであって、各アームは、前記内側表面とスライド係合するように配置された末端部を有するロータと、
    前記ロータに旋回可能に結合され、前記ハウジングの前記内側表面から離れた第1位置と前記ハウジングの前記内側表面に隣接した第2位置との間を旋回する少なくとも1つのロッカであって、前記ロッカの旋回が前記ロータを回転させるロッカと、
    前記アームの少なくとも1つの前記末端部に配置されたシールアセンブリであって、シールと、前記シールに動作可能に結合され、および前記シールに可変の半径方向の力を加えて、前記ロータの回転に起因して前記シールによって前記内側表面に加えられる接触圧力を制御するように構成された制御機構と、を含むシールアセンブリと、
    を含むロータリーデバイス。
  19. 前記シールアセンブリは、更に、平衡おもりおよび前記平衡おもりから離れて広がるレバーを含む平衡おもり機構を含み、前記制御機構は、前記平衡おもりに可変の力を加えて、前記シールによって前記内側表面に加えられる接触圧力を制御する請求項18に記載のロータリーデバイス。
  20. 前記制御機構は、前記シールに動作可能に結合された多層金属ストリップであって、前記ロータリーデバイス内の温度に基づいて、前記シールに可変の半径方向の力を加えるように構成されている多層金属ストリップを含む請求項18に記載のロータリーデバイス。
  21. 前記制御機構は、前記ロータの1回転の間、前記シールに可変の半径方向の力を加えるように構成されているアクチュエータを含む請求項18に記載のロータリーデバイス。
  22. 前記アクチュエータは、前記シールの回転位置、前記ロータの回転位置、および前記ロータの1回転の間の特定の時間のうちの少なくとも1つに基づいて前記シールに可変の半径方向の力を加えるように構成されている請求項21に記載のロータリーデバイス。
  23. 内側表面を有するハウジングと、
    ロータリーデバイスの軸方向を規定する軸の周りを回転するように前記ハウジングに取り付けられたロータアセンブリと、
    を含むロータリーデバイスであって、前記ロータアセンブリは、
    中心部分と、前記中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを含むロータであって、各アームは、前記内側表面とスライド係合するように配置された末端部を有し、前記アームのうちの少なくとも1つは、そこに規定されたチャネルを有するロータと、
    前記チャネル内に配置されたシールアセンブリであって、
    シールと、
    前記シールを受け入れるように構成されたシールチャネルを規定するベースと、
    前記ベースに旋回可能に結合され、前記ロータの回転に起因して前記シールによって前記内側表面に加えられる接触圧力を制御するように構成された平衡おもり機構と、
    を含むシールアセンブリと、
    を含むロータリーデバイス。
  24. 前記シールアセンブリは、前記少なくとも1つのアームに規定されたチャネル内で軸方向にスライドするように構成されている請求項23に記載のロータリーデバイス。
  25. 前記シールは、前記ベースと独立に軸方向にスライドするように構成されている請求項23に記載のロータリーデバイス。
  26. 前記シールは、前記平衡おもり機構と前記ベースとの間にスライド可能に受け入れられるへりを含み、前記平衡おもり機構は、前記へりに係合して、前記シールによって前記内側表面に加えられる接触圧力を制御する請求項23に記載のロータリーデバイス。
  27. 前記ベースは、前記平衡おもり機構がその周りを旋回する旋回軸を規定する支点を含み、前記旋回軸は、前記軸方向に実質的に鉛直である請求項23に記載のロータリーデバイス。
  28. 前記平衡おもり機構を前記シールにヒンジ式に結合するピンを更に含む請求項23に記載のロータリーデバイス。
  29. 前記ベースは、前記平衡おもり機構がその周りを旋回する旋回軸を規定する支点を含み、前記旋回軸は、前記軸方向に実質的に平行である請求項23に記載のロータリーデバイス。
  30. 前記シールは、第1端部と前記第1端部から遠位の第2端部とを含み、前記第1端部および第2端部のそれぞれは、そこに規定された端部溝を有し、前記シールアセンブリは、一対の端部シールを更に含み、各端部シールは、前記端部溝の1つに配置されている請求項23に記載のロータリーデバイス。
  31. 前記ロータアセンブリは、前記ロータに旋回可能に結合され、前記ハウジングの前記内側表面から離れた第1位置と前記ハウジングの前記内側表面に隣接した第2位置との間を旋回する少なくとも1つのロッカを更に含み、前記ロッカの旋回が前記ロータを回転させる請求項23に記載のロータリーデバイス。
  32. ロータを含むロータリーデバイスに使用するシールアセンブリであって、
    シールと、
    長手方向に延びるシールチャネルを規定するベースであって、前記シールが、前記シールチャネル内に配置されるベースと、
    前記ベースに旋回可能に結合された平衡おもり機構であって、前記ロータの回転によって前記シールに加えられる遠心力による前記シールの半径方向の変位を制御するように構成された平衡おもり機構と、
    を含むシールアセンブリ。
  33. 前記シールは、前記ベースと独立に長手方向にスライドするように構成されている請求項32に記載のシールアセンブリ。
  34. 前記シールは、前記平衡おもり機構と前記ベースとの間にスライド可能に受け入れられるへりを含み、前記平衡おもり機構は、前記へりに係合して、前記シールの半径方向の変位を制御する請求項32に記載のシールアセンブリ。
  35. 前記ベースは、前記平衡おもり機構がその周りを旋回する旋回軸を規定する支点を含み、前記旋回軸は、前記長手方向に実質的に鉛直である請求項32に記載のシールアセンブリ。
  36. 前記平衡おもり機構を前記シールにヒンジ式に結合するピンを更に含む請求項32に記載のシールアセンブリ。
  37. 前記ベースは、前記平衡おもり機構がその周りを旋回する旋回軸を規定する支点を含み、前記旋回軸は、前記長手方向に実質的に平行である請求項32に記載のシールアセンブリ。
  38. 前記シールアセンブリは、前記ロータのアームのうちの1つの中に規定されたシールアセンブリチャネル内にスライド可能に受け入れられるように構成されている請求項32に記載のシールアセンブリ。
  39. 前記シールは、第1端部と前記第1端部から遠位の第2端部とを含み、前記第1端部および第2端部のそれぞれは、そこに規定された端部溝を有し、前記シールアセンブリは、一対の端部シールを更に含み、各端部シールは、前記端部溝の1つに配置されている請求項32に記載のシールアセンブリ。
  40. 内側表面を有するハウジングと、
    ロータリーデバイスの軸方向を規定する軸の周りを回転するように前記ハウジングに取り付けられたロータアセンブリと、
    を含むロータリーデバイスであって、前記ロータアセンブリは、
    中心部分と、前記中心部分から半径方向外側に延びる複数のアームとを含むロータであって、各アームは、前記内側表面とスライド係合するように配置された末端部を有し、前記アームのうちの少なくとも1つは、そこに規定されたチャネルを有するロータと、
    前記チャネル内に配置されたシールアセンブリであって、
    シールと、
    シールチャネルを規定するベースであって、前記シールが前記シールチャネル内に配置され、前記ベースが支点を含むベースと、
    前記支点に動作可能に結合され、平衡おもりと、前記平衡おもりから離れて延びるレバーと、を含む平衡おもり機構であって、前記ロータの回転は、前記平衡おもり機構に前記支点の周りを回転させ、および前記レバーをして前記シールに半径方向内向きの力を加えさせる平衡おもり機構と、
    を含むシールアセンブリと、
    を含むロータリーデバイス。
  41. 前記支点は、前記平衡おもりがその周りを回転する旋回軸を規定し、前記旋回軸は、前記軸方向に実質的に鉛直である請求項40に記載のロータリーデバイス。
  42. 前記シールは、ボディおよび前記ボディから外側に延びるへりを含み、前記ロータの回転は、前記レバーをして前記へりに半径方向内向きの力を加えさせる請求項40に記載のロータリーデバイス。
  43. 前記平衡おもり機構を前記シールにヒンジ式に結合するピンを更に含む請求項40に記載のロータリーデバイス。
  44. 前記支点は、前記平衡おもり機構がその周りを旋回する旋回軸を規定し、前記旋回軸は、前記軸方向に実質的に平行である請求項40に記載のロータリーデバイス。
  45. 前記ロータアセンブリは、前記ロータに旋回可能に結合され、前記ハウジングの前記内側表面から離れた第1位置と前記ハウジングの前記内側表面に隣接した第2位置との間を旋回する少なくとも1つのロッカを更に含み、前記ロッカの旋回が前記ロータを回転させる請求項40に記載のロータリーデバイス。
  46. ロータを含むロータリーデバイスに使用するシールアセンブリであって、
    シールと、
    シールチャネルを規定し、前記シールが前記シールチャネル内に配置されるベースであって、更に支点を含むベースと、
    前記支点に動作可能に結合され、平衡おもりと、前記平衡おもりから離れて延びるレバーと、を含む平衡おもり機構であって、前記ロータの回転は、前記平衡おもり機構に前記支点の周りを回転させ、および前記レバーをして前記シールに半径方向内向きの力を加えさせる平衡おもり機構と、
    を含むシールアセンブリ。
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