JP2017526952A - 調節システム及び調節システムを備えるリソグラフィ装置 - Google Patents

調節システム及び調節システムを備えるリソグラフィ装置 Download PDF

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Abstract

複数のモジュール(215)を備えるリソグラフィ装置のための調節システム(200)が開示される。調節システムは、複数のモジュールのための共通調節媒体と、各モジュール(又はモジュールのサブセット)につき1つの、調節媒体を搬送する複数の調節分岐(220)と、各々が調節分岐のうちの1つで共通調節媒体の温度を局所的に変更するように動作可能な複数の熱アクチュエータ(225)と、各々が調節分岐のうちの1つで共通調節媒体の温度を感知するように動作可能な複数のセンサ(230)と、を備える。【選択図】図2

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2014年7月23日出願の欧州特許出願第14178124.5号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は調節システム、並びにリソグラフィ装置及びそのような調節システムを備えるリソグラフィ装置のための方法に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0004] リソグラフィ装置は、その構成要素モジュールを共通温度で維持するための調節システムを備えることができる。モジュール間での温度差は、基板処理中のオーバーレイに悪影響を与える可能性がある。そのような調節システムは、調節モジュール(冷却水キャビネットなど)内に所望の温度で維持された後、モジュールを所望の共通温度で維持するためにモジュールに分配される、調節媒体(水など)を備えることができる。しかしながら、このような受動的な調節システムは、温度差が10mK未満に維持されるべきである将来のオーバーレイ要件を満たすには不十分である。
[0005] リソグラフィ装置のための改良された調節システムを提供することが望ましい。
[0006] 本発明の態様によれば、複数のモジュールを備えるリソグラフィ装置のための調節システムが提供され、調節システムは、複数のモジュールのための共通調節媒体と、複数のモジュールのうちの異なる個別のモジュール又はモジュールのサブセットの各々が、共通調節媒体を搬送する対応する調節分岐を介して調節されるように配列された複数の調節分岐と、各々が調節分岐のうちの1つで共通調節媒体の温度を局所的に変更するように動作可能な複数の熱アクチュエータと、各々が調節分岐のうちの1つで共通調節媒体の温度を感知するように動作可能な複数のセンサと、を備える。
[0007] 本発明のさらなる態様によれば、複数のモジュールを備えるリソグラフィ装置を調節する方法が提供され、方法は、複数のモジュールのうちの異なる個別のモジュール又はモジュールのサブセットの各々を、共通調節媒体を搬送する対応する調節分岐を介して調節することと、調節分岐の各々で共通調節媒体の温度を感知することと、複数のモジュールを共通温度で維持するように調節分岐の各々で共通調節媒体の温度を局所的に変更することと、を含む。
[0008] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
本発明の実施形態に従ったリソグラフィ装置を示す図である。 本発明の実施形態に従った調節システムを含む図である。
[0009] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0010] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0011] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0012] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0013] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0014] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0015] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0016] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械(ウェーハステージは、ウェーハテーブルを含むモジュールである)においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0017] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
[0018] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0019] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0020] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上で保持されたパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターンが付与される。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。システムが液浸システムの場合、液浸フードIHが提供される。投影システムの最終要素と基板との間の空間を満たすように、リソグラフィ投影装置内で相対的に高い屈折率を有する液体、例えば水に基板を液浸させることが知られている。これは、露光放射が液体中ではより短い波長を有することから、小型のフィーチャの結像を可能にするためである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を増加させること、及び焦点深度を増加させることとも見なされ得る。)内部に固体粒子(例えば、クオーツ)が懸濁している水を含む、他の液浸液が提案されている。液浸フードIHは、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間に液浸液を供給する。
[0021] 第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)の助けにより、例えば異なるターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示的に示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリからの機械的取り出し後、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に関してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けによって実現可能である。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現可能である。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定することができる。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせ可能である。基板アライメントマークは、図に示されるように専用ターゲット部分を占有しているが、ターゲット部分間の空間に配置することも可能である(これらはスクライブレーンアライメントマークとも呼ばれる)。同様に、複数のダイがマスクMA上に提供される状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置することも可能である。
[0022]図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、マスクテーブルMTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させるごとに、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0023]上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0024] いくつかのリソグラフィ装置において、温度変化及びそれらの間のオフセットに敏感な、多くの性能に不可欠なモジュール(サブシステム及び/又はコンポーネントを含み得る)が存在する。これらのモジュールは、ウェーハテーブルWT、液浸フードIH、計測フレームMF、格子板(計測フレーム上に取り付けて、計測基準として働くことが可能である)、投影システムPS、エンコーダブロック(その上にウェーハテーブルWTがクランプされる)、ウェーハステージ、位置センサIF(又は他の計測デバイス)、ウェーハハンドラ、マスクMA、(例えば)エンコーダブロックをパージするためのパージングモジュール、又はアライメントセンサを含む。これらのモジュールはすべて、直接、又は共通調節媒体、例えばレンズ冷却水(LCW)などの液体によって、間接的に調節することができる。他の実施形態において、共通調節媒体は空気などの気体であってよい。
[0025] システム全体にわたる圧力降下及び熱源の差異により、モジュールの温度レベルは等しくない。例えば第2のポジショナPWからの熱負荷により、格子板を調節する空気は共通調節媒体よりも温かい場合がある。その結果、格子板がウェーハテーブルWTよりも高温となる可能性がある。別の例では、共通調節媒体が、調節システム及び(特定の例として)ウェーハテーブルWTを通って送られる間に圧力を失う可能性がある。この圧力降下が、ウェーハテーブルWTに入る共通調節媒体の温度を上昇させることになる。結果として、ウェーハテーブルWTと液浸フードIHとの間、及びウェーハテーブルWTとウェーハハンドラとの間に、温度差が生じる。
[0026] モジュール間の温度オフセットは、オーバーレイ(リソグラフィ構造のパターン間アライメント)における不安定性を生じさせることになる。例えば、ウェーハハンドラからのウェーハが基板ロード時のウェーハテーブルWTよりも温かい場合、基板WからウェーハテーブルWTへの熱流が生じ、測定サイクル中に基板Wを変形させることになる。ウェーハステージエアシャワー(製造中、ウェーハステージに空気を勢いよく通すために使用される)からの空気が、エンコーダのパージに使用される空気よりも温かい場合、エンコーダビーム中に屈折率の変動を生じさせ、ウェーハステージ位置決め誤差を生じさせることになる。これらは2つの例に過ぎない。
[0027] 通常、機械内での温度差は、以下の2つの影響を生じさせることになる。
・2つのモジュール間での温度差は、これらの2つのモジュールが出会った場合に熱流を生じさせる。これにより、ウェーハ、又は測定ループ内のコンポーネント(例えば、ウェーハテーブルWT、液浸フードIH、ウェーハハンドラ、エンコーダブロック、格子板、位置センサIF/計測センサ)の、熱機械変形を生じさせる可能性がある。
・2つのエアサプライ間での温度差は、空気(又は他の媒体、例えば液浸水)中に屈折率変化を生じさせ、光学測定誤差(ウェーハステージ、エンコーダパージング、アライメントパージング、投影レンズ)を生じさせる。
これらの温度オフセットは、およそ20から100mKであってよい。しかしながら、将来のオーバーレイ仕様は、温度オフセットが10分の1に改善されている必要がある。好ましくは、温度オフセットは10mKを超えないことが望まれる。
[0028] 従来のリソグラフィ装置は、共通調節媒体が共通調節媒体モジュール内で所望の温度まで加熱又は冷却される、調節システムを備えることができる。例えば、共通調節媒体としてLCWが使用される場合、LCWはLCWキャビネットが供給源であり、LCWキャビネット内で加熱又は冷却されることになる。その後、所望の温度の共通調節媒体は、その温度を調節し、上記の温度オフセットを最小限にするために、リソグラフィ装置モジュールに出力される。しかしながらこの方法のみでは、前述の将来のオーバーレイ仕様を満たすほど温度オフセットを減少させるには不十分である。
[0029] 本明細書において、較正及び制御を介してリソグラフィプロセス中に存在する温度勾配の大部分を低減又は消去することを目的とする、温度マッチング機能及びストラテジを作成することが提案される。これは、リソグラフィ装置全体が1つの所定の温度に制御されるように、共通調節媒体の各調節分岐の温度を調整する能動的な調節システムを提供することによって、システムレベルで達成可能である。各調節分岐についての制御因子は、1つの較正ルーチンごとに決定可能である。各調節分岐は、リソグラフィ装置のモジュールのうちの1つを調節することができる。
[0030] 図2は、実施形態に従った調節システム200を示す。調節システム200は、調節媒体を調節媒体源210から複数のモジュール215に搬送する、太線で示される調節媒体経路205(例えば、LCW回路)を備える。調節媒体経路205は、各モジュール215につき(又は、モジュールのサブセットにつき)1つの、複数の調節分岐220を備える。調節分岐220のうちのいくつか又はすべてには、各々、熱アクチュエータ225(例えば、加熱又は冷却要素)が直接又は間接的に装備されている。各モジュール又は調節分岐には、センサ230も装備されている。この例において、熱アクチュエータ225は調節制御ユニット235内に備えられる。代替として、熱アクチュエータ225の各々は、(モジュール215内の、又は調節分岐220内の他の場所の)センサ230に隣接して、又はそのすぐ近傍に配置可能である。すぐ近傍とは、各センサとその対応する熱アクチュエータとの間の距離が、30cm未満、20cm未満、10cm未満、又は5cm未満であることを意味し得る。
[0031] 好ましくは、各センサ230はできる限り当該地点の近くに配置すべきである。当該地点とは、例えば、処理されている基板がモジュール215内の特定地点と接触する、モジュール215内の地点であってよい。このように、調節システム200は、リソグラフィ装置との関連においてモジュール215を調節する各調節分岐220の局所的調節を可能にする機能を備える。
[0032] 調節制御ユニット235は、各センサ230から出力される信号を処理し、制御信号を熱アクチュエータ225に送信する。調節制御ユニット235は、入力として温度設定点240を受信し、同じ絶対温度について各センサの未較正の読み取り値に対する補償を行うために、較正オフセット245を用いてオフセットを行うことができる。調節制御ユニット235は、設定点240に従って熱アクチュエータを制御し、そのセンサについての較正オフセット245を用いてオフセットを行うことができる。各モジュールのセンサ230及び熱アクチュエータ225は、温度設定点240によって定義された絶対温度で(又はできる限り近くで)モジュールの温度が維持されるように、フィードバックループで動作する。このようにして、前述のシステムにおける圧力降下及び熱源が補償される。調節制御ユニット235は、図に示されるように単一のユニットを備えることが可能であるか、又は、モジュール215に対してコントローラを局所的に分散させてもよい。
[0033] 特定の実施形態において、これらの局所的に制御される分岐は、以下のモジュール215のうちのいくつか又はすべてを調節する。
・ウェーハテーブル
・ウェーハハンドラ微動調節テーブル
・エンコーダパージング
・レベルセンサパージング
・計測フレーム
・投影レンズ
・液浸フード及び/又は液浸流体
・SPM格子板(計測フレーム及びWSエアシャワーを介して間接的に)
・WSエンコーダブロック(液浸流体及びWSエアシャワーを介して間接的に)
・他の環境調節システム
これらのモジュールは、単なる例として列挙されており、実施形態は、異なるモジュール、他のモジュール、及び/又はこれらのモジュールの単なるサブセットの調節を提供することができる。
[0034] リソグラフィ装置は、センサ230を較正するために較正ルーチンを実行するための制御ソフトウェアも備えることができる。較正ルーチンは、較正媒体の存在下で共通の場所に2つ(又はそれ以上)のモジュール215をまとめることを含むことができるため、それらのセンサは互いに共通の場所の近傍にあることになる。センサのうちの1つはすでに較正されている、且つ/又は、較正媒体は既知の温度に予め温度マッチングされている。較正ルーチンは、較正済みセンサに対して、及び/又は較正媒体の温度(予め温度マッチングされている場合)に対して、未較正センサを較正することを含む。代替又は追加として、較正ルーチンは、予め温度マッチングされた較正媒体(既知の温度を有する)に未較正センサを導入すること、及び、予め温度マッチングされた較正媒体に対して未較正センサを較正することを含むことができる。
[0035] 較正ルーチンは、他方のモジュール及び/又は共通較正媒体に関して、各々のモジュールを温度マッチングすることもできる。温度マッチングは、1つ以上のモジュールの温度及び/又は較正媒体の温度を制御することを含むことができるため、モジュール及び/又は較正媒体の温度は等化されることになる。この温度マッチングは、温度マッチングされているモジュール及び/又は較正媒体が共通の場所にある時に実行され、上記の段落で説明された較正ステップと同時に実行することができる。温度の制御は、例えば適切な熱アクチュエータを使用して、モジュール又は較正媒体に入力される熱を調整することによって、達成可能である。
[0036] 較正媒体は共通調節媒体と同じであるか、又は異なる媒体とすることができる。較正媒体は、較正が実行される異なる共通の場所では異なるものとすることができる。較正媒体は、流体(例えば、水又は空気)、又は固体(例えば、基板)とすることができる。
[0037] リソグラフィ装置内では、モジュール(較正媒体、例えば空気ホース又は蛇口として使用可能な、流体を分配するためのコンポーネントを含む)のうちのいくつか又はすべては、通常動作中に定義済み範囲の動きを有する。これは、各モジュール独自のソフトウェアサブルーチンによって制御される。較正ルーチンは、同時にこれらのモジュールのうちの2つ(又はそれ以上)が共通の場所に移動されるように、それらの離散的な動きを命じる、さらなるサブルーチンを含むことが可能であり、離散的な動きは各モジュールの動きの定義済み範囲内にある。これは、製造(セットアップ時)とは別に実行可能である。いくつかの異なる共通の場所が、特定のセンサが較正される各較正ステップについて1つずつ存在し得る。各共通の場所は、それらを通って流れる1つの媒体(較正媒体)を有する領域となるように選択可能である。代替として、流体を分配するためのコンポーネントは、較正媒体を提供するための領域に移動させることもできる。
[0038] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、すでに複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0039] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
[0040] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0041] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指すことができる。
[0042] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2014年7月23日出願の欧州特許出願第14178124.5号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は調節システム、並びにリソグラフィ装置及びそのような調節システムを備えるリソグラフィ装置のための方法に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0004] リソグラフィ装置は、その構成要素モジュールを共通温度で維持するための調節システムを備えることができる。モジュール間での温度差は、基板処理中のオーバーレイに悪影響を与える可能性がある。そのような調節システムは、調節モジュール(冷却水キャビネットなど)内に所望の温度で維持された後、モジュールを所望の共通温度で維持するためにモジュールに分配される、調節媒体(水など)を備えることができる。しかしながら、このような受動的な調節システムは、温度差が10mK未満に維持されるべきである将来のオーバーレイ要件を満たすには不十分である。
[0005] リソグラフィ装置のための改良された調節システムを提供することが望ましい。
[0006] 本発明の態様によれば、複数のモジュールを備えるリソグラフィ装置のための調節システムが提供され、調節システムは、複数のモジュールのための共通調節媒体と、複数のモジュールのうちの異なる個別のモジュール又はモジュールのサブセットの各々が、共通調節媒体を搬送する対応する調節分岐を介して調節されるように配列された複数の調節分岐と、各々が調節分岐のうちの1つで共通調節媒体の温度を局所的に変更するように動作可能な複数の熱アクチュエータと、各々が調節分岐のうちの1つで共通調節媒体の温度を感知するように動作可能な複数のセンサと、を備える。
[0007] 本発明のさらなる態様によれば、複数のモジュールを備えるリソグラフィ装置を調節する方法が提供され、方法は、複数のモジュールのうちの異なる個別のモジュール又はモジュールのサブセットの各々を、共通調節媒体を搬送する対応する調節分岐を介して調節することと、調節分岐の各々で共通調節媒体の温度を感知することと、複数のモジュールを共通温度で維持するように調節分岐の各々で共通調節媒体の温度を局所的に変更することと、を含む。
[0008] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
本発明の実施形態に従ったリソグラフィ装置を示す図である。 本発明の実施形態に従った調節システムを含む図である。
[0009] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0010] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0011] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0012] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0013] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0014] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0015] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0016] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械(基板ステージは、基板テーブルを含むモジュールである)においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0017] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
[0018] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0019] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0020] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上で保持されたパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターンが付与される。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。システムが液浸システムの場合、液体閉じ込め構造(液浸フード)IHが提供される。投影システムの最終要素と基板との間の空間を満たすように、リソグラフィ投影装置内で相対的に高い屈折率を有する液体、例えば水に基板を液浸させることが知られている。これは、露光放射が液体中ではより短い波長を有することから、小型のフィーチャの結像を可能にするためである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を増加させること、及び焦点深度を増加させることとも見なされ得る。)内部に固体粒子(例えば、クオーツ)が懸濁している水を含む、他の液浸液が提案されている。液体閉じ込め構造IHは、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間に液浸液を供給する。
[0021] 第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)の助けにより、例えば異なるターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示的に示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリからの機械的取り出し後、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に関してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けによって実現可能である。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現可能である。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定することができる。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせ可能である。基板アライメントマークは、図に示されるように専用ターゲット部分を占有しているが、ターゲット部分間の空間に配置することも可能である(これらはスクライブレーンアライメントマークとも呼ばれる)。同様に、複数のダイがマスクMA上に提供される状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置することも可能である。
[0022]図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、マスクテーブルMTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させるごとに、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0023]上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0024] いくつかのリソグラフィ装置において、温度変化及びそれらの間のオフセットに敏感な、多くの性能に不可欠なモジュール(サブシステム及び/又はコンポーネントを含み得る)が存在する。これらのモジュールは、基板テーブルWT、液体閉じ込め構造IH、計測フレームMF、格子板(計測フレーム上に取り付けて、計測基準として働くことが可能である)、投影システムPS、エンコーダブロック(その上に基板テーブルWTがクランプされる)、基板ステージ、位置センサIF(又は他の計測デバイス)、基板ハンドラ(ウェーハハンドラ)、マスクMA、(例えば)エンコーダブロックをパージするためのパージングモジュール、又はアライメントセンサを含む。これらのモジュールはすべて、直接、又は共通調節媒体、例えばレンズ冷却水(LCW)などの液体によって、間接的に調節することができる。他の実施形態において、共通調節媒体は空気などの気体であってよい。
[0025] システム全体にわたる圧力降下及び熱源の差異により、モジュールの温度レベルは等しくない。例えば第2のポジショナPWからの熱負荷により、格子板を調節する空気は共通調節媒体よりも温かい場合がある。その結果、格子板が基板テーブルWTよりも高温となる可能性がある。別の例では、共通調節媒体が、調節システム及び(特定の例として)基板テーブルWTを通って送られる間に圧力を失う可能性がある。この圧力降下が、基板テーブルWTに入る共通調節媒体の温度を上昇させることになる。結果として、基板テーブルWTと液体閉じ込め構造IHとの間、及び基板テーブルWTと基板ハンドラとの間に、温度差が生じる。
[0026] モジュール間の温度オフセットは、オーバーレイ(リソグラフィ構造のパターン間アライメント)における不安定性を生じさせることになる。例えば、基板ハンドラからの基板が基板ロード時の基板テーブルWTよりも温かい場合、基板Wから基板テーブルWTへの熱流が生じ、測定サイクル中に基板Wを変形させることになる。基板ステージエアシャワー(製造中、基板ステージに空気を勢いよく通すために使用される)からの空気が、エンコーダのパージに使用される空気よりも温かい場合、エンコーダビーム中に屈折率の変動を生じさせ、基板ステージ位置決め誤差を生じさせることになる。これらは2つの例に過ぎない。
[0027] 通常、機械内での温度差は、以下の2つの影響を生じさせることになる。
・2つのモジュール間での温度差は、これらの2つのモジュールが出会った場合に熱流を生じさせる。これにより、基板、又は測定ループ内のコンポーネント(例えば、基板テーブルWT、液体閉じ込め構造IH、基板ハンドラ、エンコーダブロック、格子板、位置センサIF/計測センサ)の、熱機械変形を生じさせる可能性がある。
・2つのエアサプライ間での温度差は、空気(又は他の媒体、例えば液浸水)中に屈折率変化を生じさせ、光学測定誤差(基板ステージ、エンコーダパージング、アライメントパージング、投影レンズ)を生じさせる。
これらの温度オフセットは、およそ20から100mKであってよい。しかしながら、将来のオーバーレイ仕様は、温度オフセットが10分の1に改善されている必要がある。好ましくは、温度オフセットは10mKを超えないことが望まれる。
[0028] 従来のリソグラフィ装置は、共通調節媒体が共通調節媒体モジュール内で所望の温度まで加熱又は冷却される、調節システムを備えることができる。例えば、共通調節媒体としてLCWが使用される場合、LCWはLCWキャビネットが供給源であり、LCWキャビネット内で加熱又は冷却されることになる。その後、所望の温度の共通調節媒体は、その温度を調節し、上記の温度オフセットを最小限にするために、リソグラフィ装置モジュールに出力される。しかしながらこの方法のみでは、前述の将来のオーバーレイ仕様を満たすほど温度オフセットを減少させるには不十分である。
[0029] 本明細書において、較正及び制御を介してリソグラフィプロセス中に存在する温度勾配の大部分を低減又は消去することを目的とする、温度マッチング機能及びストラテジを作成することが提案される。これは、リソグラフィ装置全体が1つの所定の温度に制御されるように、共通調節媒体の各調節分岐の温度を調整する能動的な調節システムを提供することによって、システムレベルで達成可能である。各調節分岐についての制御因子は、1つの較正ルーチンごとに決定可能である。各調節分岐は、リソグラフィ装置のモジュールのうちの1つを調節することができる。
[0030] 図2は、実施形態に従った調節システム200を示す。調節システム200は、調節媒体を調節媒体源210から複数のモジュール215に搬送する、太線で示される調節媒体経路205(例えば、LCW回路)を備える。調節媒体経路205は、各モジュール215につき(又は、モジュールのサブセットにつき)1つの、複数の調節分岐220を備える。調節分岐220のうちのいくつか又はすべてには、各々、熱アクチュエータ225(例えば、加熱又は冷却要素)が直接又は間接的に装備されている。各モジュール又は調節分岐には、センサ230も装備されている。この例において、熱アクチュエータ225は調節制御ユニット235内に備えられる。代替として、熱アクチュエータ225の各々は、(モジュール215内の、又は調節分岐220内の他の場所の)センサ230に隣接して、又はそのすぐ近傍に配置可能である。すぐ近傍とは、各センサとその対応する熱アクチュエータとの間の距離が、30cm未満、20cm未満、10cm未満、又は5cm未満であることを意味し得る。
[0031] 好ましくは、各センサ230はできる限り当該地点の近くに配置すべきである。当該地点とは、例えば、処理されている基板がモジュール215内の特定地点と接触する、モジュール215内の地点であってよい。このように、調節システム200は、リソグラフィ装置との関連においてモジュール215を調節する各調節分岐220の局所的調節を可能にする機能を備える。
[0032] 調節制御ユニット235は、各センサ230から出力される信号を処理し、制御信号を熱アクチュエータ225に送信する。調節制御ユニット235は、入力として温度設定点240を受信し、同じ絶対温度について各センサの未較正の読み取り値に対する補償を行うために、較正オフセット245を用いてオフセットを行うことができる。調節制御ユニット235は、設定点240に従って熱アクチュエータを制御し、そのセンサについての較正オフセット245を用いてオフセットを行うことができる。各モジュールのセンサ230及び熱アクチュエータ225は、温度設定点240によって定義された絶対温度で(又はできる限り近くで)モジュールの温度が維持されるように、フィードバックループで動作する。このようにして、前述のシステムにおける圧力降下及び熱源が補償される。調節制御ユニット235は、図に示されるように単一のユニットを備えることが可能であるか、又は、モジュール215に対してコントローラを局所的に分散させてもよい。
[0033] 特定の実施形態において、これらの局所的に制御される分岐は、以下のモジュール215のうちのいくつか又はすべてを調節する。
基板テーブル
基板ハンドラ微動調節テーブル
・エンコーダパージング
・レベルセンサパージング
・計測フレーム
・投影レンズ
・液体閉じ込め構造及び/又は液浸流体
・SPM格子板(計測フレーム及び基板ステージエアシャワーを介して間接的に)
基板ステージエンコーダブロック(液浸流体及び基板ステージエアシャワーを介して間接的に)
・他の環境調節システム
これらのモジュールは、単なる例として列挙されており、実施形態は、異なるモジュール、他のモジュール、及び/又はこれらのモジュールの単なるサブセットの調節を提供することができる。
[0034] リソグラフィ装置は、センサ230を較正するために較正ルーチンを実行するための制御ソフトウェアも備えることができる。較正ルーチンは、較正媒体の存在下で共通の場所に2つ(又はそれ以上)のモジュール215をまとめることを含むことができるため、それらのセンサは互いに共通の場所の近傍にあることになる。センサのうちの1つはすでに較正されている、且つ/又は、較正媒体は既知の温度に予め温度マッチングされている。較正ルーチンは、較正済みセンサに対して、及び/又は較正媒体の温度(予め温度マッチングされている場合)に対して、未較正センサを較正することを含む。代替又は追加として、較正ルーチンは、予め温度マッチングされた較正媒体(既知の温度を有する)に未較正センサを導入すること、及び、予め温度マッチングされた較正媒体に対して未較正センサを較正することを含むことができる。
[0035] 較正ルーチンは、他方のモジュール及び/又は共通較正媒体に関して、各々のモジュールを温度マッチングすることもできる。温度マッチングは、1つ以上のモジュールの温度及び/又は較正媒体の温度を制御することを含むことができるため、モジュール及び/又は較正媒体の温度は等化されることになる。この温度マッチングは、温度マッチングされているモジュール及び/又は較正媒体が共通の場所にある時に実行され、上記の段落で説明された較正ステップと同時に実行することができる。温度の制御は、例えば適切な熱アクチュエータを使用して、モジュール又は較正媒体に入力される熱を調整することによって、達成可能である。
[0036] 較正媒体は共通調節媒体と同じであるか、又は異なる媒体とすることができる。較正媒体は、較正が実行される異なる共通の場所では異なるものとすることができる。較正媒体は、流体(例えば、水又は空気)、又は固体(例えば、基板)とすることができる。
[0037] リソグラフィ装置内では、モジュール(較正媒体、例えば空気ホース又は蛇口として使用可能な、流体を分配するためのコンポーネントを含む)のうちのいくつか又はすべては、通常動作中に定義済み範囲の動きを有する。これは、各モジュール独自のソフトウェアサブルーチンによって制御される。較正ルーチンは、同時にこれらのモジュールのうちの2つ(又はそれ以上)が共通の場所に移動されるように、それらの離散的な動きを命じる、さらなるサブルーチンを含むことが可能であり、離散的な動きは各モジュールの動きの定義済み範囲内にある。これは、製造(セットアップ時)とは別に実行可能である。いくつかの異なる共通の場所が、特定のセンサが較正される各較正ステップについて1つずつ存在し得る。各共通の場所は、それらを通って流れる1つの媒体(較正媒体)を有する領域となるように選択可能である。代替として、流体を分配するためのコンポーネントは、較正媒体を提供するための領域に移動させることもできる。
[0038] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、すでに複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0039] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
[0040] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0041] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指すことができる。
[0042] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (15)

  1. 複数のモジュールを備えるリソグラフィ装置のための調節システムであって、
    前記複数のモジュールのための共通調節媒体と、
    前記複数のモジュールのうちの異なる個別のモジュール又はモジュールのサブセットの各々が、前記共通調節媒体を搬送する対応する調節分岐を介して調節されるように配列された、複数の調節分岐と、
    各々が前記調節分岐のうちの1つで前記共通調節媒体の温度を局所的に変更するように動作可能な複数の熱アクチュエータと、
    各々が前記調節分岐のうちの1つで前記共通調節媒体の前記温度を感知するように動作可能な複数のセンサと、
    を備える、調節システム。
  2. 前記複数のセンサは、対応するモジュール又は調節分岐の温度を感知するように動作可能な、各モジュール又は調節分岐のための専用センサを備え、
    前記複数の熱アクチュエータは、対応する調節分岐で前記共通調節媒体の温度を局所的に変更するように動作可能な、各調節分岐のための専用熱アクチュエータを備える、
    請求項1に記載の調節システム。
  3. 前記専用センサの各々は、対応する専用熱アクチュエータのすぐ近傍に配置される、請求項2に記載の調節システム。
  4. 前記調節システムは、前記複数のモジュールを共通温度で維持するように、前記センサの出力に基づいて前記熱アクチュエータを制御するように動作可能なコントローラを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の調節システム。
  5. 前記コントローラ及び前記複数の熱アクチュエータは、単一の制御ユニット内に含まれる、請求項4に記載の調節システム。
  6. 前記熱アクチュエータの前記制御は、同じ絶対温度について各センサの未較正の出力に対する補償を行うために、前記センサの各々についての較正オフセットを考慮し、前記リソグラフィ装置は、前記較正オフセットを計算するために較正ルーチンを実行するように動作可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の調整システム。
  7. 前記較正ルーチンは、1つ以上の未較正センサ、較正済みセンサ、及び較正媒体を共通の場所にまとめること、並びに、前記未較正センサを前記較正済みセンサに対して較正すること、を含む、請求項6に記載の調節システム。
  8. 前記較正ルーチンは、1つ以上の未較正センサ及び既知の温度の較正媒体を共通の場所にまとめること、並びに、前記未較正センサを既知の温度の前記較正済み媒体に対して較正すること、を含む、請求項6又は7に記載の調節システム。
  9. 前記較正ルーチンは前記モジュールの動きを制御するように動作可能であり、
    前記モジュールの各々は、前記較正済み及び未較正のセンサ及び/又は前記較正媒体を1つ以上の共通の場所にまとめるために、前記センサのうちの1つ及び/又は前記較正媒体のための排出口を備える、請求項6から8のいずれか一項に記載の調節システム。
  10. 前記モジュールの前記動きは、前記リソグラフィ装置の通常動作中の、各モジュールの動きの定義済み範囲内の動きを含む、請求項9に記載の調節システム。
  11. 前記較正ルーチンは、前記モジュール及び/又は前記較正媒体が前記共通の場所にある間に、前記モジュール及び/又は前記較正媒体の前記温度を等化することを含む、請求項6から10のいずれか一項に記載の調節システム。
  12. 前記共通調節媒体は、調節流体を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の調節システム。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の調節システムと、
    前記複数のモジュールと、
    を備える、リソグラフィ装置。
  14. 前記複数のモジュールは、ウェーハテーブル、液浸フード、計測フレーム、1つ以上の格子板、投影システム、エンコーダブロック、及びウェーハステージ、のうちの1つ以上を備える、請求項13に記載のリソグラフィ装置。
  15. 複数のモジュールを備えるリソグラフィ装置を調節する方法であって、
    前記複数のモジュールのうちの異なる個別のモジュール又はモジュールのサブセットの各々を、共通調節媒体を搬送する対応する調節分岐を介して調節することと、
    前記調節分岐の各々で前記共通調節媒体の温度を感知することと、
    前記複数のモジュールを共通温度で維持するように前記調節分岐の各々で前記共通調節媒体の前記温度を局所的に変更することと、
    を含む、方法。
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