JP2017519855A - 高純度フィッシャー−トロプシュ軽油画分を調製するための方法 - Google Patents

高純度フィッシャー−トロプシュ軽油画分を調製するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、フィッシャー−トロプシュ軽油画分を調製するための方法であって、a)1種以上の汚染物質を含むフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を供給するステップ、b)フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を予備処理ゾーンに供給して予備処理し、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中の1種以上の汚染物質の少なくとも一部を除去するステップ、c)フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料に対して汚染物質が激減している精製フィッシャー−トロプシュ軽油を予備処理ゾーンから回収するステップ、およびd)精製フィッシャー−トロプシュ軽油を分画ゾーンに供給し、精製フィッシャー−トロプシュ軽油を分画して2つ以上の高純度フィッシャー−トロプシュ軽油画分にするステップを含む、方法を提供する。本発明は、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の使用をさらに提供する。

Description

本発明は、高純度フィッシャー−トロプシュ軽油画分を調製するための方法および溶媒または機能性流体としてのその使用に関する。
この20年間で、合成のパラフィン性炭化水素生成物に対する関心が増加している。かかる合成のパラフィン性生成物は、例えば、いわゆるフィッシャー−トロプシュ法で生成し、合成ガス、すなわち、水素および一酸化炭素が支配的である混合物が、パラフィンを含む高級炭化水素化合物に転換される。
特に重要な合成パラフィン性生成物は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料である。その起源が合成であるために、こうしたフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、芳香族化合物、ナフテン系化合物および不純物がその原油由来の対応物に対して非常に低水準である。加えて、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、低粘度を必要とする溶媒および機能性流体用途で有利である特性を有する。
US2004/164000号には、直鎖パラフィンまたは鎖末端モノメチルの含量が高い炭化水素生成物を調製する方法であって、n−パラフィン含量が50重量%超のフィッシャー−トロプシュ原料を予備処理して含酸素化合物を除去し、続いて分画する方法が記載されている。US5906727では、約160から370℃の沸点範囲を有するフィッシャー−トロプシュ由来の溶媒が開示されている。US5906727によれば、溶媒は、臭気が少なく、無色である(+30のセーボルト色番号)。
US5906727で開示された溶媒に対してより狭い沸点範囲を有するフィッシャー−トロプシュ由来の溶媒に対する必要性が当技術分野に存在する。
米国特許出願公開第2004/164000号明細書 米国特許第5906727号明細書
(発明の要旨)
本発明は、高純度フィッシャー−トロプシュ軽油画分を調製するための方法を提供する。比較的広い沸点範囲、例えば、約150から450℃の範囲内を有するフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料がより狭い沸点範囲を有する2つ以上の画分に分画される場合、少なくとも1つの画分は臭気および/または変色の増加を示すことが発見された。実質的に無臭で無色のフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を分画する場合に発生するこうした不利な副次効果はこれまで知られていなかった。今や、この課題を本発明に記載の方法によって解決できることが発見された。
したがって、本発明は、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分を調製するための方法であって、
a)1種以上の汚染物質を含むフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を供給するステップであり、前記フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料が50重量%超のイソパラフィンを含むステップ、
b)フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を予備処理ゾーンに供給して予備処理し、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中の1種以上の汚染物質の少なくとも一部を除去するステップ、
c)フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料に対して汚染物質が激減されている精製フィッシャー−トロプシュ軽油を予備処理ゾーンから回収するステップ、および
d)精製フィッシャー−トロプシュ軽油を分画ゾーンに供給し、精製フィッシャー−トロプシュ軽油を2つ以上の精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分に分画するステップ
を含む、方法を提供する。
本発明に記載の方法によって、その調製元であるフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料(フィッシャー−トロプシュ軽油原料とも呼ばれる)より狭い沸点範囲を有し、溶媒、希釈剤および機能性流体としての用途を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の調製が可能になる。
本発明に記載の方法によって、所望の臭気特性および/または色仕様を有し、溶媒、希釈剤および機能性流体としての用途を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分を調製することがさらに可能になる。
本発明に記載の方法によって、比較的単純で、安価および安全な吸収法を使用して汚染物質を除去することがさらに可能になる。
本発明に記載の方法によって、持ち越された汚染物質と基本的に変化せずに画分中に集積する汚染物質の両方、ならびに分画条件にさらされた場合に反応してさらなる汚染物質になる場合のある汚染物質の除去がさらに可能になる。
別の態様では、本発明は、本発明に記載の方法によって生成した精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の、溶媒、希釈剤または機能性流体としての使用を提供する。
本発明は、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分を調製するための方法を提供する。こうしたフィッシャー−トロプシュ軽油画分は、溶媒、希釈剤または機能性流体としての使用に、詳細には、本明細書に記載の用途に特に適している。
本発明に記載の方法では、画分は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油を供給し分画することによって調製される。本発明に記載のフィッシャー−トロプシュ由来の軽油は、フィッシャー−トロプシュ法に由来する合成軽油である。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油は、当技術分野で公知である。「フィッシャー−トロプシュ由来の」という用語とは、軽油がフィッシャー−トロプシュ法の合成生成物であるまたはそれから生成したことを意味する。フィッシャー−トロプシュ法では、合成ガスは、合成生成物に転換される。合成ガスまたはシンガスは、炭化水素系原料を転換することによって得られる水素および一酸化炭素が支配的である混合物である。適切な原料として、天然ガス、原油、重油画分、石炭、バイオマスまたはリグノセルロース系バイオマスおよび褐炭および褐炭が挙げられる。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油はまた、GTL(気体から液体)軽油とも呼ぶことができる。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油は、合成ガスまたは水素および一酸化炭素が支配的である混合物が、1種または複数のVIII族金属、例えば、コバルト、ルテニウム、鉄などからなる担持触媒上で高温において加工されるようなフィッシャー−トロプシュ法の生成物を特徴とする。フィッシャー−トロプシュ生成物の少なくとも一部分は、水素化分解反応と水素化異性化反応の両方を生成する場合に活性である、1種または複数の金属、水素化成分および酸性酸化物担体成分を含む好ましくは二機能性の1種または複数の触媒上で、水素化分解/水素化異性化条件下で水素と接触する。生じた水素化分解/水素化異性化されたフィッシャー−トロプシュ生成物の少なくとも一部分は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料として供給することができる。
フィッシャー−トロプシュ由来の軽油は、原油由来の軽油と異なる。類似の沸点範囲を有するにも拘わらず、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油の特異な分子組成によって、とりわけ、粘度特性の改善、流動点の改善、密度特性の改善、および詳細には、所望の特定な引火点特性と任意の前記特性との組合せが可能になり得る。例えば、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油は、低揮発性と高引火点を組み合わせることができるが、かかるフィッシャー−トロプシュ由来の軽油の粘度は、類似の揮発性および引火点を有する原油に由来する軽油原料の粘度より低くすることができる。上記にも拘わらず、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油は、例えば、純n−ドデカンのような純パラフィン性分子と比較にならないほどの複雑な分子混合物である。
原油由来の軽油に対して異なる、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油の特性は、一般に、イソパラフィンと直鎖パラフィンの特定の重量比(i/n比)、モノメチル分枝イソパラフィンの相対量およびパラフィンの分子量分布による。
フィッシャー−トロプシュ由来の軽油の特定の利点は、こうした軽油が非常に少ない臭気を示し、ほとんど無色であることである。本明細書で使用される色は、セーボルト数(ASTM D156:Standard Test Method for Saybolt Color of Petroleum Products)で測定されるセーボルト色である。高いセーボルト数、+30は、無色の流体を示すのに対し、より低いセーボルト数、詳細には、ゼロ未満は、変色を示す。25未満のセーボルト数は、すでに、目視観察できる変色の存在を示す。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油は、通常、最大のセーボルト数、すなわち、+30を有する。上記した粘度、流動点、密度および引火点特性の改善と合わせて高い純度、小さい臭気および最小の色特性は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油を、溶媒、希釈剤および機能性流体の用途に対して極めて適したものにする。
こうした低い臭気および最小の色特性は、部分的に、汚染物質がフィッシャー−トロプシュ由来の軽油中に含まれるが、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油中のこうした汚染物質の濃度は比較的低いという事実によって引き起こされる。これは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油を作製するためのフィッシャー−トロプシュ法の特質のためであり、フィッシャー−トロプシュ法への原料は、ほとんどからまったくイオウを含まず、本方法は、不飽和化合物、例えば、芳香族化合物、含酸素化合物および亜硝酸化合物を非常に少ししか生成しない。
今や、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を異なる沸点範囲を有する2つ以上の画分に分画することによってフィッシャー−トロプシュ由来の軽油の特定の用途の具体的な要件を満足させることが可能であることが発見された。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油を分画することによって、イソパラフィンおよび直鎖パラフィンが2つ以上の画分で不均等に分布し、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料と異なるi/n比を有するフィッシャー−トロプシュ軽油画分を得ることができる。またモノメチル分枝イソパラフィンの相対量およびパラフィンの分子量分布も異なることができる。結果として、フィッシャー−トロプシュ軽油画分とも呼ばれるフィッシャー−トロプシュ由来の軽油画分の粘度、流動点、密度および引火点特性は、沸点範囲のみに基づく分画に基づいて予想される変化を超えて変化することができる。
しかし、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油を分画する場合、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中に含まれる汚染物質もまた、低水準であるにも拘らず、2つ以上の画分に均一に分布しない。
本明細書における汚染物質は、非パラフィン性で非ナフテン性の化合物である。本明細書において汚染物質という用語は、含酸素化合物、不飽和炭化水素化合物、イオウ含有化合物および窒素含有化合物からなる群から選択される化合物を指す。
本明細書において含酸素化合物という用語は、酸素含有炭化水素性化合物を指す。含酸素化合物の例として、限定されないが、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル、エポキシドおよび酸が挙げられる。
本明細書において不飽和炭化水素化合物という用語は、不飽和脂肪族炭化水素化合物および芳香族化合物を含めた、1つ以上の不飽和結合を有する化合物を指す。
本明細書において芳香族化合物という用語は、多環式芳香族化合物を含めた、芳香族化合物および1つ以上の芳香族基を有する化合物を指す。
より好ましくは、本明細書において汚染物質という用語は、含酸素化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物、および芳香族化合物からなる群から選択される化合物を指す。その理由は、こうした化合物が任意の生じたフィッシャー−トロプシュ軽油画分中に集積する場合、こうした化合物は、臭気および変色に対して最も顕著に寄与すると考えられているからである。本明細書において、含酸素化合物は、汚染物質富化フィッシャー−トロプシュ軽油画分の臭気およびより低い程度での変色に最も顕著に寄与すると考えられている。芳香族化合物は、汚染物質富化フィッシャー−トロプシュ軽油画分の変色および臭気に最も顕著に寄与すると考えられている。
本明細書において汚染物質濃度という用語は、特段の指示のない限り、重量ppmで表され、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料、精製フィッシャー−トロプシュ軽油、または精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の全量と汚染物質の全重量に基づいて計算された汚染物質濃度を指す。
詳細には、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、含酸素化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物および芳香族化合物からなる群から選択される1種以上の汚染物質を含む場合がある。
詳細には、より小さい分子量のおよび/またはより揮発性の汚染物質は、より高い沸点画分に滞留するのではなく、より低い沸点画分に集積する場合があることが観察されている。結果として、低い方の沸点画分中のこうした汚染物質の濃度は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料に対して増加する場合がある。こうした汚染物質は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料で観察されなかった、画分の望ましくない臭気および任意選択的に、変色を引き起こすと考えられている。
詳細には、より大きい分子量のおよび/または揮発性のより小さい汚染物質は、より低い沸点画分に滞留するのでなくより高い沸点画分に集積する場合があることが観察されている。結果として、低い方の沸点画分中のこうした汚染物質の濃度は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料に対して増加する場合がある。こうした汚染物質は、画分の望ましくない変色をもっぱら引き起こすと考えられている。
さらに、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を分画する場合、低水準ではあるがフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中に存在する汚染物質は、任意選択的に、酸素または酸素含有化合物の存在下で高温にさらされる。結果として、望ましくない副反応が分画中に行われる場合があり、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中に存在する1種以上の汚染物質は、その場で他の汚染物質に転換される場合があり、その場で形成された汚染物質は、より明確な臭気および色を誘発する特性を示す場合がある。
行われる場合のある一つの具体的な副反応は、汚染物質の熱酸化であり、詳細には、不飽和脂肪族炭化水素汚染物質は、分画中に含酸素化合物に特に転換され易いと考えられている。詳細には、180℃超の温度で、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中の不飽和脂肪族炭化水素汚染物質は、益々熱酸化され易くなる。また、分画ユニット、詳細には、蒸留ユニット中の金属表面の存在は、酸化反応を触媒する場合がある。本明細書において酸化とは、分画中の酸素との反応を指す。酸素は、分画ユニット中に存在する場合がある。酸素は、分画ユニット中に存在する空気の形態で工程内に導入される場合がある。
行われる場合のある別の具体的な副反応は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中の1種以上の汚染物質の、不飽和脂肪族炭化水素および芳香族化合物を含めた、不飽和および/または多重不飽和汚染物質への熱脱水素化である。1種以上の炭化水素汚染物質の熱脱水素化は、限定されないが、酸化、異性化、オリゴマー化、分解、アルキル化および芳香族化副反応を含めての広範囲の続いてのまたはさらなる副反応をもたらす場合がある。詳細には、酸化および、またはより少ない程度の、芳香族化および/または脱水素−芳香族化反応は、副生物として含酸素化合物および芳香族汚染物質の形成をもたらす場合がある。熱酸化の場合と同様に、分画ユニット、詳細には、蒸留ユニット中の金属表面の存在は、脱水素化および続いての反応を触媒する場合がある。
上述したように、調製されるフィッシャー−トロプシュ軽油画分中の汚染物質の濃度増加の効果は、フィッシャー−トロプシュ軽油画分のセーボルト数の低下、すなわち、画分の着色であり得る。この望ましくない変色は、より高い沸点のフィッシャー−トロプシュ軽油画分で特に観察される。いかなる特定の理論にも拘泥することを望むものではないが、詳細には、より複雑で共役の分子は光の放出および吸収に影響を与えると考えられている。かかる複雑で共役の分子は、より大きい分子量である可能性が高い。より低い画分の変色も、程度は低いけれども発生する場合があることが観察されている。
フィッシャー−トロプシュ軽油画分中の汚染物質の濃度増加のさらなる効果は、フィッシャー−トロプシュ軽油画分によって放出される臭気の増加である場合がある。この望ましくない臭気は、より低い沸点のフィッシャー−トロプシュ軽油画分で特に観察される。いかなる特定の理論にも拘泥することを望むものではないが、詳細には、より揮発性の低分子量分子は臭気を存在させると考えられている。
フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料および詳細には、フィッシャー−トロプシュ由来のパラフィンは、本質的に臭気を有する。したがって、本明細書で臭気のない、低い臭気または少ない臭気のような用語を指す場合は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料またはパラフィンの臭気に定性的に等しいまたは定性的に類似である臭気を指す。本明細書では、増加した臭気、より強い臭気および望ましくない臭気または類似の属性の用語を指す場合は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料またはパラフィンの臭気と定性的に異なる臭気を指す。臭気におけるこの差は、任意選択的に汚染物質濃度が増加したフィッシャー−トロプシュ軽油画分の臭気をフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料と比較し、差を分類することによって特徴づけることができる、すなわち、1は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料に定性的に等しい(良好な臭気の特徴)が、5は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料と定性的に非常に異なる(不良な臭気の特徴)。
上記の変色と臭気の増加の両方は、望ましくない特性であり、溶媒、希釈剤または機能性流体用途におけるフィッシャー−トロプシュ軽油画分の使用に利点を与えない。フィッシャー−トロプシュ軽油画分を広範囲の溶媒、希釈剤または機能性流体用途に適したものにするために、臭気および/または変色の効果は好ましくは、最小にされる。したがって、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、処理してフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料からの汚染物質のフィッシャー−トロプシュ軽油画分への持越しを低減し、分画中のさらにより望ましくない汚染物質の形成を低減すべきである。
フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料からフィッシャー−トロプシュ軽油画分への汚染物質の持越しを低減し、分画中のさらにより望ましくない汚染物質の形成を低減するために、本発明に記載の方法は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を分画する前にフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の予備処理を行う。
予備処理は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中の汚染物質を除去するまたは汚染物質の濃度を低減するのに適した任意の予備処理であってよい。適切な予備処理の例として、吸収、水素処理および酸処理が挙げられる。
好ましい予備処理は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料が少なくとも1つの吸収材料と接触する吸収処理である。この方法は、例えば、水素処理ステップに対して比較的単純でより安価であり、例えば、酸のような有害で反応性の化合物をフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料内に導入する必要がない。
したがって、本発明に記載の方法では、1種以上の汚染物質を含むフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、予備処理ゾーンに供給され、予備処理されて1種以上の汚染物質の少なくとも一部が除去され、精製フィッシャー−トロプシュ軽油が予備処理ゾーンから回収される。好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、少なくとも1つの吸収材料を含む吸収ゾーンである予備処理ゾーンに供給され、予備処理は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を吸収材料と接触させて1種以上の汚染物質の少なくとも一部を吸収させるステップを含む。
吸収ゾーンは、汚染物質の少なくとも一部分を吸収するのに適している少なくとも1種の吸収材料を含む。本明細書において吸収材料は、吸収材料および吸着材料を指す。本明細書において吸収することは、吸収することおよび吸着することを指す。本明細書において吸収は、吸収および吸着を指す。
好ましくは、吸収ゾーンは、ケイ酸マグネシウムおよび4Aまたは5Aモレキュラーシーブを含むモレキュラーシーブ材料、ゼオライトX、ゼオライト13X、ゼオライトY、脱アルミニウムゼオライトY、超安定化Y(ultrastable Y)、ZSM−12、モルデナイト、ゼオライトベータ、ゼオライトL、ゼオライトオメガからなる群から選択される少なくとも1種の吸収材料を含む。
いかなる特定の理論にも拘泥することを望むものではないが、詳細には、より大きな細孔径、すなわち、0.5nm(5オングストローム)以上を超える径を有する吸収材料は、含酸素化合物および他の汚染物質に加えて比較的大きな芳香族化合物を吸収することができると考えられる。より小さい細孔径を有する吸収材料は、詳細には含酸素化合物を含めた非芳香族化合物を支配的に吸収する。
したがって、吸収ゾーンは、0.5nm(5オングストローム)超、より好ましくは、少なくとも0.55nm(5.5オングストローム)、さらにより好ましくは、少なくとも0.6nm(6オングストローム)、さらにより好ましくは、少なくとも0.65nm(6.5オングストローム)の細孔径を有する細孔を含む少なくとも1種の吸収材料を含むことが特に好ましい。好ましくは、吸収ゾーンは、ゼオライトX、ゼオライト13X、ゼオライトY、脱アルミニウムゼオライトY、超安定化Y(ultrastable Y)、ZSM−12、モルデナイト、ゼオライトベータ、ゼオライトL、ゼオライトオメガ、より好ましくは、ゼオライトX、ゼオライト13X、ゼオライトY、脱アルミニウムゼオライトY、超安定化Y(ultrastable Y)、ZSM−12、モルデナイト、ゼオライトベータ、ゼオライトL、ゼオライトオメガからなる群から選択されるモレキュラーシーブ材料である少なくとも1種の吸収材料を含み、さらにより好ましくは、吸収材料は、ゼオライトXのナトリウム形態であるゼオライト13Xである。吸収ゾーンが少なくとも1種のモレキュラーシーブ吸収材料を含む場合、少なくとも1種のモレキュラーシーブ吸収材料は、0.5nm(5オングストローム)超、より好ましくは、少なくとも0.55nm(5.5オングストローム)、さらにより好ましくは、少なくとも0.6nm(6オングストローム)、さらにより好ましくは、少なくとも0.65nm(6.5オングストローム)の直径を有する、1つ以上の方向におけるチャネル構造を有することが好ましい。
吸収ゾーンは、2種以上の吸収材料、好ましくは、上記の吸収材料から選択される2種以上を含むことができる。吸収材料の好ましい組合せとして、ゼオライト13Xとケイ酸マグネシウムを挙げることができる。吸収材料の別の好ましい組合せとして、ゼオライト13Xと活性炭を挙げることができる。吸収剤の組合せは、より広い範囲の汚染物質、例えば、より大きいとより小さい両方の分子径の汚染物質、例えば、含酸素化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物と芳香族化合物、または極性と非極性汚染物質をより効率的に吸収させることが可能になる場合がある。
本発明の方法で吸収材料として使用されるモレキュラーシーブは、好ましくは、骨格のシリカ対アルミナのモル比が100未満、より好ましくは、10超、例えば20から50である酸性モレキュラーシーブに基づいている。シリカのより少ない材料は、利用可能な吸着サイト用のサイトがより多く、したがって、シリカのより多いモレキュラーシーブ材料よりより効率的であり得る。
本発明の方法の吸収ゾーンで使用される吸収材料は、粒子、例えば、押出成型体、球またはペレットの形態で提供することができる。粒子は、吸収材料のみ、または結合剤材料またはフィラー材料と一緒に吸収材料を含んで粒子の強度を改善することもできる。結合剤またはフィラー材料は、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニアおよびチタニアを含めての非晶質金属酸化物であってよい。好ましくは、結合剤またはフィラー材料はアルミナである。
好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、0から150℃の範囲の温度で吸収ゾーン中の吸収材料と接触する。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料が吸収ゾーン中の吸収材料と接触する温度範囲のより低い限界は、吸収が拡散律速であり、0℃未満の温度はフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料から吸収材料への汚染物質の拡散速度の望ましくない減少を引き起こす恐れがあるという事実に関係している。接触温度が上昇、すなわち、0℃超になると、拡散速度は増加することができる。150℃未満の温度を維持することによって、副生物の形成が低減する。こうした副生物は、精製フィッシャー−トロプシュ軽油中に残り、したがって画分中に持ち越される場合があり、そのために生じたフィッシャー−トロプシュ軽油画分の応用に対して望ましくない効果を有する場合があるので、このことは重要である。
より好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、10から40℃の範囲、最も好ましくは、10から30℃の範囲の温度で吸収ゾーン中の吸収材料と接触する。
好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、1から75バール、好ましくは、1.1から50バールの範囲の圧力で吸収ゾーン中の吸収材料と接触する。
フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、バッチ方式または連続様式で吸収材料と接触することができる。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、乱流条件下で吸収材料と接触して流体/固体材料の相互作用を刺激することが好ましい。連続様式の場合では、吸収ゾーンは、好ましくは、吸収材料の少なくとも1つの固定床を備える固定床反応機を含むことができる。
好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、連続撹拌または誘導混合下で吸収材料と接触するが、これは、バッチ方式の運転の場合において特に好ましい。
好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、汚染物質の少なくとも一部を吸収するのに十分な時間吸収ゾーン中の吸収材料と接触する。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料と吸収材料とのバッチ方式接触の場合では、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、1分から48時間、好ましくは、30分から24時間、より好ましくは、60分から24時間の範囲の任意の時間、吸収材料と接触することができる。好ましくは、バッチ接触では、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、0.5から200、より好ましくは、1から175、さらにより好ましくは、5から125の範囲の、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料と吸収材料の体積比で吸収材料と接触することができる。
フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料と吸収材料の連続接触の場合、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、1分から48時間、好ましくは、30分から24時間、より好ましくは、60分から24時間の範囲の任意の時間吸収材料と接触することができる。好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、0.0001から0.01s−1、より好ましくは、0.0001から0.005s−1、さらにより好ましくは、0.0001から0.003s−1のLHSVで吸収ゾーンにおいて吸収材料と接触する。
吸収ゾーンは、1つ以上の吸収区画を備えることができる。一実施形態では、吸収ゾーンは、直列で2つ以上の吸収区画を備えることができる。任意選択的に、吸収ゾーンは、2つ以上の区画を備え、それぞれが別個の吸収材を含むことができる。これは、異なる汚染物質を必要な程度まで別々に除去できるという利点を有する。一例では、ケイ酸Mgまたは類似の吸収材料を含む第1区画およびゼオライト13Xまたは類似の大細孔モレキュラーシーブ吸収材料を含む第2区画であってよい。この組合せは、ケイ酸Mgまたは類似の吸収材料が一部分の含酸素化合物を吸収することができ、そのためにゼオライト13Xまたは類似の大細孔モレキュラーシーブ吸収材料の吸収能の大部分を芳香族系汚染物質用に使用することを可能にするという利点を有する。代替的に、吸収ゾーンは、2種以上の吸収材料の混合物を含むこともできる。
さらなる実施形態では、吸収ゾーンは、並列で、好ましくは、同一の吸収材料を含む2つ以上の吸収区画を備えることができる。並列の吸収ゾーンを備える利点は、これによって、吸収工程の連続運転が可能になり、吸収床が交互に再生され(本明細書で以下により詳細に説明されるように)、一方残りの区画が通常の運転方式であることである。
他の実施形態は、並列と直列に並んだ吸収ゾーンの両方を備えることができる。
精製フィッシャー−トロプシュ軽油に加えて、汚染物質含有吸収材料を吸収ゾーンから回収することができる。汚染物質含有吸収材料は、吸収ゾーンに再循環することができる、または詳細には、吸収材料の収着能に到達した場合、汚染物質含有吸収材料は、再生することができる。吸収材料は、吸収材料から汚染物質を脱着するまたは他の方法で除去する任意の適切な方式で再生することができる。例えば、吸収材料は、蒸気または窒素のような脱着材を用いて取り除くことによって、または例えば、酸素、酸素富化空気、空気または水素含有ガスの存在下で吸収材料を加熱して吸収された汚染物質を焼き払うまたは他の方法で分解することによって再生することができる。吸収材料を再生した後に、それを吸収ゾーンに再循環することができる。
本発明に記載の方法では、精製フィッシャー−トロプシュ軽油は、予備処理ゾーンから回収される。吸収ゾーンから回収された精製フィッシャー−トロプシュ軽油は、汚染物質が激減している、すなわち、精製フィッシャー−トロプシュ軽油は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の汚染物質濃度より低い汚染物質濃度を含む。好ましくは、精製フィッシャー−トロプシュ軽油の芳香族化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物および含酸素化合物濃度の少なくとも1つは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の対応する濃度より低い。より好ましくは、精製フィッシャー−トロプシュ軽油の芳香族化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物および含酸素化合物濃度の少なくとも2つは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の対応する濃度より低い。さらにより好ましくは、精製フィッシャー−トロプシュ軽油の芳香族化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物および含酸素化合物濃度のすべては、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の対応する濃度より低い。
好ましくは、本発明に記載の精製フィッシャー−トロプシュ軽油は、
・精製フィッシャー−トロプシュ軽油の重量に対して0から300重量ppm、より好ましくは、0から200重量ppm、さらにより好ましくは、0から100重量ppm、さらにより好ましくは、0から50重量ppm、最も好ましくは、0から25重量ppmの範囲の芳香族化合物、
・含酸素化合物中の元素酸素の重量および精製フィッシャー−トロプシュ軽油の重量を基準にして計算された0から3重量ppm、より好ましくは、0から1重量ppmの範囲の含酸素化合物、
・ASTM D2710にしたがって測定された0から100、好ましくは、0から75、より好ましくは、0から50、さらにより好ましくは、0から35の範囲のBr指数(mgBr/100g原料)に対応する不飽和脂肪族炭化水素化合物濃度、
・イオウ含有炭化水素系化合物中の元素イオウの重量および精製フィッシャー−トロプシュ軽油の重量を基準にして計算された0から3重量ppm、より好ましくは、0から1重量ppm、さらにより好ましくは、0から0.2重量ppmの範囲のイオウ含有炭化水素系化合物、および/または
・窒素含有炭化水素系化合物中の元素窒素の重量および精製フィッシャー−トロプシュ軽油の重量を基準にして計算された0から1重量ppmの範囲の窒素含有炭化水素系化合物を含む。
より好ましくは、本発明に記載の精製フィッシャー−トロプシュ軽油は、
・精製フィッシャー−トロプシュ軽油の重量に対して0から300重量ppm、より好ましくは、0から200重量ppm、さらにより好ましくは、0から100重量ppm、さらにより好ましくは、0から50重量ppm、最も好ましくは、0から25重量ppmの範囲の芳香族化合物、
・含酸素化合物中の元素酸素の重量および精製フィッシャー−トロプシュ軽油の重量を基準にして計算された0から3重量ppm、好ましくは、0から1重量ppmの範囲の含酸素化合物、
・ASTM D2710にしたがって測定された0から100、好ましくは、0から75、より好ましくは、0から50、さらにより好ましくは、0から35の範囲のBr指数(mgBr/100g原料)に対応する不飽和脂肪族炭化水素化合物濃度、
・イオウ含有炭化水素系化合物中の元素イオウの重量および精製フィッシャー−トロプシュ軽油の重量を基準にして計算された0から3重量ppm、より好ましくは、0から1重量ppm、さらにより好ましくは、0から0.2重量ppmの範囲のイオウ含有炭化水素系化合物、および
・窒素含有炭化水素系化合物中の元素窒素の重量および精製フィッシャー−トロプシュ軽油の重量を基準にして計算された0から1重量ppmの範囲の窒素含有炭化水素系化合物を含む。上の本明細書では、含酸素化合物、イオウ含有炭化水素系化合物および窒素含有炭化水素系化合物の濃度が軽油中に存在する酸素、イオウおよび窒素原子の重量基準で決定され、そうした酸素、イオウおよび窒素原子を含む完全な分子の重量基準で決定されていないことを示すために、元素酸素、元素イオウおよび元素窒素と呼ばれる。
精製フィッシャー−トロプシュ軽油は、続いて分画ゾーンに供給され、分画される。
本発明に記載の方法では、精製されたフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、分画ゾーンに供給される。本明細書における分画ゾーンとは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を沸点範囲が異なる2つ以上の画分に分離するための1つ以上の分離手段を指す。適切な分離手段の例として、限定されないが、蒸留ユニットが挙げられる。好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、蒸留によって分画される。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、単一の蒸留塔または2つ以上の蒸留塔で分画することができる。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、1つ以上の蒸留塔で分画されることが好ましい。本発明に記載の方法では、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、好ましくは、蒸留によって分画され、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の一部分または全部を150から500℃の範囲の温度まで加熱することによって分画される、すなわち、蒸留される。
分画ゾーンでは、精製フィッシャー−トロプシュ軽油は、2つ以上の精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分に分画され、それぞれが異なる沸点範囲を有する。好ましくは、精製フィッシャー−トロプシュ軽油は、3つ以上、より好ましくは、4つ以上に分画され、フィッシャー−トロプシュ軽油画分はそれぞれが異なる沸点範囲を有する。精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは、少なくとも2つは、260℃以下、好ましくは、250℃以下、より好ましくは、215℃以下の最終沸点を有する。本明細書では、最終沸点とは、フィッシャー−トロプシュ軽油画分の沸点範囲の高い方の限界を指し、この沸点範囲は、ASTM D86によって決定される大気条件下で測定される初期沸点と最終沸点の間の範囲として定義される。
同様に好ましくは、フィッシャー−トロプシュ軽油画分の少なくとも1つ、より好ましくは、少なくとも2つは、260℃超、好ましくは、少なくとも300℃、より好ましくは、少なくとも310℃の初期沸点を有する。本明細書では、初期沸点とは、フィッシャー−トロプシュ軽油画分の沸点範囲の低い方の限界を指し、この沸点範囲は、ASTM D86によって決定される大気条件下で測定される初期沸点と最終沸点の間の範囲として定義される。
好ましくは、ステップ(d)で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも1つは、260℃以下、好ましくは、250℃以下、より好ましくは、215℃以下の最終沸点を有する。好ましくは、少なくとも1つの精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分は、(1)180℃以下、好ましくは、170℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分、(2)少なくとも160℃、好ましくは、少なくとも170℃の初期沸点および200℃以下、好ましくは、190℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分、(3)少なくとも180℃、好ましくは、少なくとも190℃の初期沸点および225℃以下、好ましくは、215℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分、および(4)少なくとも205℃、好ましくは、少なくとも215℃の初期沸点および260℃以下、好ましくは、250℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分からなる群から選択される精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分であり、沸点が、ASTM D86を使用して決定され、大気条件下で測定される。
詳細には、ステップ(d)で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも1つは、(1)180℃以下、好ましくは、170℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分、(2)少なくとも160℃、好ましくは、少なくとも170℃の初期沸点および200℃以下、好ましくは、190℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分、および(3)少なくとも180℃、好ましくは、少なくとも190℃の初期沸点および225℃以下、好ましくは、215℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分からなる群から選択されるフィッシャー−トロプシュ軽油画分であってよく、沸点が、ASTM D86を使用して決定され、大気条件下で測定される。
より詳細には、ステップ(d)で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも1つは、(2)少なくとも160℃、好ましくは、少なくとも170℃の初期沸点および200℃以下、好ましくは、190℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分、(3)少なくとも180℃、好ましくは、少なくとも190℃の初期沸点および225℃以下、好ましくは、215℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分からなる群から選択される精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分であり、沸点が、ASTM D86を使用して決定され、大気条件下で測定される。
好ましくは、ステップ(d)で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも1つは、260℃超、好ましくは、300℃超、より好ましくは、310℃超の初期沸点を有する。好ましくは、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも1つは、(1)260℃超、好ましくは、少なくとも270℃の初期沸点および320℃以下、好ましくは、310℃以下の最終沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分、(2)少なくとも310℃、好ましくは、少なくとも330℃、より好ましくは、少なくとも360℃の初期沸点を有する精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分からなる群から選択されるフィッシャー−トロプシュ軽油画分であり、沸点が、ASTM D86を使用して決定され、大気条件下で測定される。
詳細には、ステップ(d)で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも1つは、少なくとも310℃、好ましくは、少なくとも330℃、より好ましくは、少なくとも360℃の初期沸点を有するフィッシャー−トロプシュ軽油画分であってよく、沸点が、ASTM D86を使用して決定され、大気条件下で測定される。
好ましくは、ステップ(d)で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも1つは、2から6の範囲のi/n比を有する。好ましくは、ステップ(d)で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の大部分、すなわち、半分超は、2から6の範囲のi/n比を有する。高いi/n比は、有利には、とりわけ、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の粘度に影響を及ぼす場合がある。イソパラフィンの相対濃度を増加することによって精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の全体的な粘度が低くなる場合がある。精製されたフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を分画することによって、特定の予測される用途に応じて、改善されたi/n比を有する画分を得ることができる。
好ましくは、ステップ(d)で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも1つは、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分中のイソパラフィンの全重量に対して30から75重量%、より好ましくは、35から70重量%、より好ましくは、35から60重量%の範囲のモノメチル分枝イソパラフィンを含む。
好ましくは、ステップ(d)で得られる精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の大部分、すなわち、半分超は、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分中のイソパラフィン全重量に対して、30から75重量%の範囲のモノメチル分枝イソパラフィンを含む。好ましくは、ステップ(d)で得られる精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも1つは、精製されたフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料よりイソパラフィン全重量に対してより高い重量パーセントのモノメチル分枝イソパラフィンを含む。より好ましくは、ステップ(d)で得られる精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分のうちの少なくとも2つ、さらにより好ましくは、3つは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料よりイソパラフィン全重量に対してより高い重量パーセントのモノメチル分枝イソパラフィンを含む。
モノメチル分枝イソパラフィンは、他のイソパラフィンに対して望ましい生分解特性を示す。他のイソパラフィンに対して比較的高い濃度のモノメチルイソパラフィンは、有利には、とりわけ、フィッシャー−トロプシュ軽油画分の生分解特性に有効であり得る。他のイソパラフィンに対するモノメチルイソパラフィンの相対的濃度を増加させることによって、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の生分解特性以上に精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の生分解性特性を改善することができる。
本発明に記載の方法によって調製された精製フィッシャー−トロプシュガソリン画分は、任意選択的に、さらなる処理後、所望の用途のために使用することができる。
さらなる態様では、本発明は、溶媒としての、機能性流体製剤または希釈剤での精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の使用を提供する。本明細書での機能性流体製剤は、好ましくは添加剤化合物をさらに含む精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分を含む製剤であってよい。通常、溶媒、機能性流体製剤および希釈剤は、多数の領域、例えば、油およびガスの探査および生産、プロセス油、農業用化学薬品、プロセス化学薬品、建設産業、食品および関連産業、紙、生地および皮革、ならびに多様な家庭および消費者用製品で使用することができる。さらに、本発明に記載の機能性流体製剤で使用される添加剤の型は、流体製剤の型によって決まる。機能性流体製剤用の添加剤として、限定されないが、腐食およびレオロジー制御製品、乳化剤および湿潤剤、掘削安定剤、高圧および耐摩耗添加剤、脱および消泡剤、流動点抑制剤、および酸化防止剤が挙げられる。
希釈油または基油として本発明に記載の方法で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分を使用する好ましい溶媒、希釈剤および/または機能性流体製剤として、限定されないが、ドリル流体、加熱燃料、ランプ油、バーベキューライター、コンクリート脱型、殺虫剤スプレー油、ペンキおよびコーティング、パーソナルケアおよび化粧品、消費者用品、医薬品、工業および機関用クリーニング、接着剤、インク、空気清浄剤、シーラント、爆薬、水処理、クリーナー、磨き粉、カー脱ワックス剤、放電器、変圧器油、プロセス油、プロセス化学薬品、シリコーンワニス、2ストロークモーターサイクル油、金属クリーニング、ドライクリーニング、潤滑剤、金物工事流体、アルミニウムロール油、爆薬、塩素化パラフィン、加熱硬化印刷インク、木材処理、ポリマー加工油、錆止油、ショック吸収剤、温室燃料、破壊流体および燃料添加剤製剤が挙げられる。
典型的な溶媒、希釈剤および機能性流体用途は、例えば、「The Index of Solvents」、Michael Ash、Irene Ash、Gower publishing Ltd、1996、ISBN 0−566−07884−8 および「Handbook of Solvents」、George Wypych、Willem Andrew publishing、2001、ISBN 0−8155−1458−1に記載されている。
溶媒、希釈剤として、または機能性流体製剤中での精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の使用の利点は、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分は、粘度が低く、流動点が低いが、引火点が高いということである。精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の物理的特性のこうした組合せは、低粘度の要件と合わせて機能性流体製剤でのその使用で非常に望ましい。
例えば、ドリル流体用途において、使用中、ドリル流体の温度が低下する可能性があり、これによってドリル流体の粘度の増加がもたらされる可能性がある。高粘度は、ドリル流体の有利な使用にとって有害になる可能性がある。したがって、粘度が低く、引火点が高い本発明による方法から得られる精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分は、ドリル流体用途でのその使用にとって非常に望ましい。
希釈剤としての精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の使用は、溶媒および/または機能性流体用途のための希釈油または基油としての使用を含むことができる。
希釈油という用語は、粘度を低減するおよび/または溶媒および機能性流体製剤の他の特性を改善するのに使用される油を意味する。
基油という用語は、それに対して他の油、溶媒または物質を添加して溶媒または機能性流体製剤を生成する油を意味する。
溶媒および/または機能性流体製剤のための希釈油または基油としての精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の使用の利点は、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分を含み、添加剤化合物をさらに含む機能性流体製剤の場合上記と同じである。
さらなる態様では、本発明は、溶媒および/または機能性流体用途における生分解性を改善し、毒性を低下させるための、本発明による方法によって得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の使用を提供する。
上記したように、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分は、好ましくは、芳香族化合物、イオウ、窒素化合物が非常に低い水準であり、好ましくは、多環式芳香族炭化水素を含まない。こうした低水準は、限定されないが、精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の低水中毒性、低沈降有機体毒性、低ヒトおよび動物毒性および低地球環境毒性をもたらすことができる。精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の分子構造は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の容易な生分解性をもたらすことができる。
特定の精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の具体的な使用は、そうした特定のフィッシャー−トロプシュ軽油画分の正確な組成および特性に依存することができる。
原料として本発による方法のステップ(a)で供給されたフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、メタン、石炭またはバイオマスのような原油以外の原料に由来し、フィッシャー−トロプシュ法で生成した合成軽油である。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の調製は、その両方を参照により本明細書に組み込む、例えば、WO02/070628号およびWO−A−9934917(詳細には、WO−A−9934917の実施例IIIの触媒を使用するWO−A−9934917の実施例VIIで記載の方法)に記載されている。上記したように、こうしたフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、原油由来の軽油原料に対して異なる分子組成を有し、顕著に異なる特性を有する。したがって、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、原油由来の軽油原料とは明確に区別することができる。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の多数の好ましい特性が本明細書で提供される。
好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、70重量%超、さらに好ましくは、80重量%超のイソパラフィンを含む。好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、少なくとも2、より好ましくは、少なくとも2.8、さらにより好ましくは、少なくとも3.5、さらにより好ましくは、少なくとも3.7、さらにより好ましくは、少なくとも4、さらにより好ましくは、少なくとも4.5のi/n比を有する。
好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中のイソパラフィンの全重量に対して20から40重量%、好ましくは、21から37重量%、より好ましくは、23から37重量%の範囲のモノメチル分枝イソパラフィンを含む。
好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、大気条件下で少なくとも150℃の初期沸点および450℃以下の最終沸点を有する。適切には、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、ASTM D86を使用して測定された、大気条件下で少なくとも175℃の初期沸点を有する。本明細書では、本発明を説明する際に本明細書で示された初期沸点、最終沸点および沸点範囲は、ASTM D86によって決定された初期沸点、最終沸点および沸点範囲であることに留意されたい。フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料全体に対するASTM D86によって決定された初期沸点、最終沸点および沸点範囲は、それぞれフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料全体のASTM D86基準の初期沸点およびASTM D86基準の最終沸点未満または超の真の沸騰温度を有する化合物または画分の存在を排除しないことにさらに留意されたい。
フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、好ましくは、大気条件下で330から450℃、より好ましくは、331から370℃、さらにより好ましくは、332から365℃、333から351℃、さらにより好ましくは、336から348℃およびさらにより好ましくは、339から345℃の最終沸点を有する。大気条件下の沸点は、大気沸点を意味し、沸点はASTM D86によって決定される。
フィッシャー−トロプシュ全範囲軽油とも呼ばれるフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、炭素原子7から30個の範囲のアルキル鎖長を有し、イソパラフィンおよび直鎖パラフィンを含めたパラフィンを含む、好ましくは、炭素原子9から25個を有するパラフィンを含む流体である;フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、フィッシャー−トロプシュ由来のパラフィンの全量に対して、好ましくは、炭素原子7から30個を有するフィッシャー−トロプシュ由来のパラフィンの量に対して、好ましくは、少なくとも70重量%、より好ましくは、少なくとも85重量%、より好ましくは、少なくとも90重量%、より好ましくは、少なくとも95重量%、さらにより好ましくは、少なくとも98重量%の炭素原子9から25個を有するフィッシャー−トロプシュ由来のパラフィンを含む。
さらに、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、好ましくは、774kg/mから782kg/m、より好ましくは、775kg/mから780kg/m、さらにより好ましくは、776kg/mから779kg/mのASTM D4052記載の15℃における密度を有する。
適切には、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料のASTM D445記載の40℃における動力学的粘度は、2.3から3.0cSt、好ましくは、2.5cStから2.9cStである。
さらに、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の流動点(ASTM D97に記載の)は、好ましくは、−10℃未満、より好ましくは、−15℃未満、より好ましくは、−17℃未満、より好ましくは、−20℃未満、より好ましくは、−22℃未満、さらにより好ましくは、−27℃未満および好ましくは、−40℃超である。
適切には、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の曇り点(ASTM D2500に記載の)は、好ましくは、−10℃未満、より好ましくは、−15℃未満、より好ましくは、−18℃未満、より好ましくは、−20℃未満、より好ましくは、−22℃未満、および最も好ましくは−27℃未満、および好ましくは、−40℃超である。
好ましくは、ASTM D93に記載のフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の引火点は、少なくとも60℃、より好ましくは、70℃、さらにより好ましくは、少なくとも80℃、およびさらにより好ましくは、少なくとも85℃である。
フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、50mm超のASTM D1322記載の煙点を有する。
本発明で使用されるフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、1種以上の汚染物質を含む。通常、原料として本発明に記載の方法に提供されるフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、
・フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量に対して0から500重量ppm、より好ましくは、0から200重量ppm、さらにより好ましくは、0から100重量ppm、さらにより好ましくは、0から50重量ppm、最も好ましくは、0から25重量ppmの範囲の芳香族化合物、
・含酸素化合物中の元素酸素の重量およびフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量を基準にして計算された0から3重量ppm、より好ましくは、0から1重量ppmの範囲の含酸素化合物、
・ASTM D2710にしたがって測定された0から100、好ましくは、0から75、より好ましくは、0から50、さらにより好ましくは、0から35の範囲のBr指数(mgBr/100g原料)に対応する不飽和脂肪族炭化水素化合物濃度、
・イオウ含有炭化水素系化合物中の元素イオウの重量およびフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量を基準にして計算された0から3重量ppm、より好ましくは、0から1重量ppm、さらにより好ましくは、0から0.2重量ppmの範囲のイオウ含有炭化水素系化合物、
・窒素含有炭化水素系化合物中の元素窒素の重量およびフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量を基準にして計算された0から1重量ppmの範囲の窒素含有炭化水素系化合物、および/または
・フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量に対して0から2重量%の範囲のナフテン系化合物を含み、芳香族化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物、酸素含有化合物、イオウ含有炭化水素系化合物および窒素含有炭化水素系化合物のうちの少なくとも1つがフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中に含まれる、すなわち、上の濃度の少なくとも1つがゼロでない。詳細には、芳香族化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物および含酸素化合物のうちの少なくとも1つがフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中に含まれる、すなわち、上の芳香族化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物および含酸素化合物濃度のうちの少なくとも1つがゼロでない。
好ましくは、原料として本発明に記載の方法に提供されるフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、
・フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量に対して0から300重量ppm、より好ましくは、0から200重量ppm、さらにより好ましくは、0から100重量ppm、さらにより好ましくは、0から50重量ppm、最も好ましくは、0から25重量ppmの範囲の芳香族化合物、
・含酸素化合物中の元素酸素の重量およびフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量を基準にして計算された0から3重量ppm、より好ましくは、0から1重量ppmの範囲の含酸素化合物、
・イオウ含有炭化水素系化合物中の元素イオウの重量およびフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量を基準にして計算された0から3重量ppm、より好ましくは、0から1重量ppm、さらにより好ましくは、0から0.2重量ppmの範囲のイオウ含有炭化水素系化合物、
・ASTM D2710にしたがって測定された0から100、好ましくは、0から75、より好ましくは、0から50、さらにより好ましくは、0から35の範囲のBr指数(mgBr/100g原料)に対応する不飽和脂肪族炭化水素化合物濃度、
・窒素含有炭化水素系化合物中の元素窒素の重量およびフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量を基準にして計算された0から1重量ppmの範囲の窒素含有炭化水素系化合物、および
・フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量に対して0から2重量%の範囲のナフテン系化合物を含み、芳香族化合物、含酸素化合物、イオウ含有炭化水素系化合物および窒素含有炭化水素系化合物のうちの少なくとも1つがフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中に含まれる、すなわち、上の濃度の少なくとも1つがゼロでない。詳細には、芳香族化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物および含酸素化合物のうちの少なくとも1つがフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中に含まれる、すなわち、上の芳香族化合物、不飽和脂肪族炭化水素化合物および含酸素化合物濃度のうちの少なくとも1つがゼロでない。上記では、含酸素化合物、イオウ含有炭化水素系化合物および窒素含有炭化水素系化合物の濃度が軽油中に存在する酸素、イオウおよび窒素の重量基準で決定され、こうした酸素、イオウおよび窒素原子を含む完全な分子の重量基準で決定されていないことを示すために、元素酸素、元素イオウおよび元素窒素に言及する。
さらに、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、好ましくは、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料の重量に対して、300重量ppm未満の多環式芳香族炭化水素、より好ましくは、25重量ppm未満の多環式芳香族炭化水素、最も好ましくは、1重量ppm未満の多環式芳香族炭化水素を含む。さらに、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料は、n−パラフィンを含み、環式アルカンを含むことができる。

Claims (12)

  1. 精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分を調製するための方法であって、
    a)1種以上の汚染物質を含むフィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を供給するステップであり、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料が50重量%超のイソパラフィンを含むステップ、
    b)フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を予備処理ゾーンに供給して予備処理し、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料中の1種以上の汚染物質の少なくとも一部を除去するステップ、
    c)フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料に対して汚染物質が激減している精製フィッシャー−トロプシュ軽油を予備処理ゾーンから回収するステップ、および
    d)精製フィッシャー−トロプシュ軽油を分画ゾーンに供給し、精製フィッシャー−トロプシュ軽油を2つ以上の精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分に分画するステップ
    を含む、方法。
  2. 1種以上の汚染物質が、含酸素化合物および芳香族化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 予備処理ゾーンが、少なくとも1種の吸収材料を含む吸収ゾーンであり、予備処理が、フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料を吸収材料と接触させて1種以上の汚染物質の少なくとも一部を吸収させるステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも1種の吸収材料が、モレキュラーシーブ材料、好ましくは、ゼオライトX、ゼオライト13X、ゼオライトY、脱アルミニウムゼオライトY、超安定化Y(ultrastable Y)、ZSM−12、モルデナイト、ゼオライトベータ、ゼオライトL、ゼオライトオメガ、好ましくは、ゼオライト13Xである、請求項3に記載の方法。
  5. 吸収ゾーンが、2種以上の吸収材料、好ましくは、少なくともゼオライト13Xおよびケイ酸マグネシウムを含む、請求項3または4に記載の方法。
  6. フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料が、0から150℃の範囲の温度で吸収材料と接触させられる、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料が、吸収材料の少なくとも1つの固定床を備える固定床反応器中の吸収材料と接触させられる、請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. フィッシャー−トロプシュ由来の軽油原料が、450℃以下の最終沸点を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 精製フィッシャー−トロプシュ軽油が、3つ以上の精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分に分画される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 少なくとも1種の精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分が、260℃以下の最終沸点を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 少なくとも1種の精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分が、215℃以下の最終沸点を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の方法で得られた精製フィッシャー−トロプシュ軽油画分の、溶媒、希釈剤または機能性流体としての使用。
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