JP2017220119A - 硬貨識別装置 - Google Patents

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Ryo Hasegawa
涼 長谷川
田中 秀和
Hidekazu Tanaka
秀和 田中
裕文 鎌谷
Hirofumi Kamatani
裕文 鎌谷
和雅 森本
Kazumasa Morimoto
和雅 森本
佑介 大野
Yusuke Ono
佑介 大野
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優司 足立
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Naoki Fukaki
直樹 富垣
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Abstract

【課題】識別能力の高い硬貨識別装置を提供する。【解決手段】搬送される硬貨の磁気特性を各々採取する複数の磁気センサと、前記複数の磁気センサと離れて設けられ、前記硬貨の表面の光学特性を採取する光学センサと、前記硬貨が搬送される搬送面を構成し、前記硬貨よりも大きな1枚のガラス板と、前記複数の磁気センサ及び前記光学センサの制御と、識別処理とを行う制御部と、を備え、前記ガラス板は、前記複数の磁気センサの各々の少なくとも一部と、前記光学センサの少なくとも一部とを覆うことを特徴とする硬貨識別装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、硬貨識別装置に関する。より詳しくは、バイメタル貨や汚損貨等の硬貨の識別に好適な硬貨識別装置に関するものである。
従来、硬貨の計数等の処理を行う硬貨処理機には、硬貨の金種識別を行うための複数のセンサを備える硬貨識別装置が搭載されている。
例えば、特許文献1には、コインを磁気的に検出する磁気センサと、この磁気センサの筒型コアの開口部を光軸が通るように磁気センサと複合一体的に設けられ、コインに光を照射しコインによる遮光面積を光学的に検出する光センサとを備えるコイン識別装置が開示されている。
特開平9−161119号公報
硬貨識別装置に対する要望として、(1)高額硬貨に採用されているバイメタル貨の検出といった高精度の金種識別能力の付与、及び、(2)汚損貨を選別する能力の付与が挙げられる。しかしながら、特許文献1に記載のコイン識別装置は、硬貨の径、厚み及び材質しか検出することができず、識別能力が低い。また、これらの要望を満たすために、上記(1)及び(2)用のセンサユニットを硬貨の搬送路に並べて配置した場合は、センサユニット間に段差が発生し、搬送中の硬貨の挙動が不安定になってしまう。例えば、硬貨の段差通過時にバウンド、浮き、片寄外れ等の挙動が発生し、正確に識別できないおそれがある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、識別能力の高い硬貨識別装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、搬送される硬貨の磁気特性を各々採取する複数の磁気センサと、前記複数の磁気センサと離れて設けられ、前記硬貨の表面の光学特性を採取する光学センサと、前記硬貨が搬送される搬送面を構成し、前記硬貨よりも大きな1枚のガラス板と、前記複数の磁気センサ及び前記光学センサの制御と、識別処理とを行う制御部と、を備え、前記ガラス板は、前記複数の磁気センサの各々の少なくとも一部と、前記光学センサの少なくとも一部とを覆うことを特徴とする硬貨識別装置である。
また、本発明は、上記発明において、前記複数の磁気センサは、前記硬貨の径に応じた信号を出力する径検知センサを含み、前記径検知センサは、前記搬送面を挟んで互いに対向して配置された励磁コイル及び検知コイルを有することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数の磁気センサは、前記硬貨の磁性の有無を検知する磁性検知センサを含み、前記磁性検知センサは、磁気検出素子を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数の磁気センサは、前記硬貨の材質特性を検知する材質検知センサを含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記硬貨識別装置は、前記材質検知センサとして、搬送される前記硬貨の外縁部近傍に設置された第一の材質検知センサと、搬送される前記硬貨の前記外縁部を除く中央部近傍に設置された第二の材質検知センサとを備え、前記制御部は、前記第一の材質検知センサの出力信号と前記第二の材質検知センサの出力信号とを比較することにより、前記硬貨が単一の材質から構成されるか、又は、2以上の材質から構成されるかを判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記光学センサは、複数波長で発光する光源と、受光素子とを含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記光学センサは、前記硬貨の搬送方向と交差する方向に複数設けられることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数の光学センサは、前記搬送方向と直交し、かつ、前記搬送面と平行な方向に設置されることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数の光学センサは、前記硬貨の搬送方向と直交する方向において、部分的に重なり合うように配置されることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記光学センサの出力信号に基づいて、前記搬送面上における前記硬貨の有無を判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記硬貨識別装置は、前記搬送面の一側方に設けられ壁部と、前記壁部の前記搬送面とは反対側に設けられた厚検知センサとを備え、前記硬貨は、前記壁部側に片寄せられた状態で前記搬送面上を搬送され、前記厚検知センサは、前記硬貨の厚みに応じた信号を出力する磁気センサであることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記ガラス板は、サファイヤガラスから構成されることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記硬貨識別装置は、前記ガラス板が取り付けられる取付部材と、前記ガラス板を前記取付部材に接着する接着部材とを備え、前記取付部材は、前記ガラス板に直に当接した第一の面と、前記第一の面よりも低く、前記接着剤が塗布された第二の面と、前記第二の面よりも低く、前記第一の面と前記第二の面との間に設けられた第三の面とを有することを特徴とする。
本発明の硬貨識別装置によれば、識別能力を高くすることができる。
本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の斜視模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の平面模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の断面模式図であり、図2のA1−A2線における断面に相当する。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の断面模式図であり、図2のB1−B2線における断面に相当する。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の機能ブロック図である。 本発明の実施形態1における硬貨と光学センサの配置関係を説明するための模式図であり、(a)は、断面図を示し、(b)は、平面図を示す。 本発明の実施形態1における光学センサの配置関係を説明するための断面模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置によって処理され得るバイメタル貨の例(バイカラー貨)を示す平面模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置によって処理され得るバイメタル貨の例(クラッド貨)を示す模式図であり、(a)及び(c)は、平面図を示し、(b)及び(d)は、断面図を示す。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の一部(ガラス板と取付部材の接着構造)の拡大断面模式図である。 本発明の実施形態1の変形例に係る硬貨処理装置の拡大断面模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置と、貨幣処理装置のフィンの軌跡とを示す平面模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置と、貨幣処理装置のフィンとを示す斜視模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置と、貨幣処理装置のフィンとを示す別の斜視模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の一部(ガラス板の端部付近における取付部材の構造)の斜視模式図である。 本発明の実施形態1の変形例に係る硬貨処理装置の一部(ガラス板の端部付近における取付部材の構造)の斜視模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の平面模式図であり、接着剤の塗布方法を説明するための図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の一部(ガラス板のコーナー部分を含む領域における構造)の斜視模式図である。 本発明の実施形態1に係る硬貨処理装置の断面模式図であり、図18のC1−C2線における断面に相当する。 本発明の変形形態に係る硬貨処理装置の平面模式図である。
(実施形態1)
以下、図面を参照して、本発明に係る硬貨識別装置の好適な実施形態を詳細に説明する。本実施形態に係る硬貨識別装置は、硬貨処理装置内で、硬貨を識別及び計数するために利用される。
図1〜4に示すように、本実施形態に係る硬貨識別装置1は、硬貨100が搬送される搬送路2と、硬貨識別装置1への硬貨100の侵入を検知するタイミングセンサ12と、硬貨100の汚損及び色味を検知する複数の光学センサ20と、硬貨100の径(直径)を検知する磁気センサである径検知センサ30と、硬貨100の厚みを検知する磁気センサである厚検知センサ31と、硬貨100の外縁部近傍の材質特性を検知する磁気センサであるリング検知センサ(第一の材質検知センサ)32と、硬貨100の外縁部を除く中央部近傍の材質特性を検知する磁気センサであるコア検知センサ(第二の材質検知センサ)33と、硬貨100の磁性の有無を検知する磁気センサである磁性検知センサ34とを備えており、これらのセンサが一体化されたセンサユニットを構成している。
このように、各検知要素に対して個別のセンサが配置されているため、高精度な検知が可能となり、硬貨識別装置1の識別能力(識別精度)が向上する。また、多種多様(グローバル)な金種判定が可能となる。更に、複数のセンサを複合一体化することによって、コスト低減及び省スペース化が図れる。
硬貨100は、硬貨処理装置の搬送手段、例えばフィン70によって搬送路2上を、一枚ずつ間隔を空けて搬送される。硬貨識別装置1の搬送路2は、硬貨処理装置の円弧状の搬送路の全体の一部を構成するものであり、硬貨100の下面を支える平滑な搬送面3と、硬貨100の周面に接して硬貨100を片寄せ案内する案内面4とを有している。硬貨100は、搬送路2の案内面4側の端部に片寄せられた状態で、すなわち、案内面4に接触した状態で、搬送面3上を摺動する。
搬送面3は、矩形状の1枚のガラス板9から構成されており、ガラス板9の材料は、強度及び透明性の観点からサファイヤガラスが用いられている。ガラス板9の寸法は、識別対象の硬貨100のうち、最も径が大きい硬貨100よりも大きく、ガラス板9は、後述する接着部材により取付部材11に取り付け(貼り付け)られている。
案内面4は、ジルコニア等のセラミックから形成される平板状の壁部5と、壁部5の上流及び下流側にそれぞれ設けられ、金属又は硬質樹脂から形成された壁部材6及び7とから構成されている。壁部材6及び7の案内面4の形成部は、円弧状に形成され、矩形状のガラス板9の外縁部に重なっている。その結果として、案内面4全体が緩やかな円弧状に形成されている。
図5に示すように、硬貨識別装置1は、図1〜4に示した構成の他に、DA変換器40と、光源駆動回路41と、受光回路42と、光学センサ用AD変換器43と、径検知センサ用共振回路44aと、厚検知センサ用共振回路44bと、リング検知センサ用共振回路44cと、コア検知センサ用共振回路44dと、径検知センサ用検出回路45a及び45bと、厚検知センサ用検出回路45cと、リング検知センサ用検出回路45dと、コア検知センサ用検出回路45eと、磁性検知センサ用検出回路45fと、磁気センサ用AD変換器46と、制御部50と、記憶部60とを有している。
制御部50は、検出部51を有しており、検出部51は、汚損検出部51a、色検出部51b、径検出部51c、厚検出部51d、リング材質検出部51e、コア材質検出部51f、及び、磁性検出部51gを有している。
各光学センサ20は、反射型光学センサであり、LED(発光ダイオード)等の光源21と、フォトダイオード等の受光素子22とを含んで構成されている。各光源21及び各受光素子22は、搬送面3の上側及び下側の2枚の基板23のいずれかに実装されている。なお、上側の基板23及び径検知センサ30は、図示しない保持部材に保持されている。
光学センサ20は、搬送面3の上側及び下側にそれぞれ複数、好ましくは硬貨100の搬送方向と交差する方向、より好ましくは搬送路2の幅方向(硬貨100の搬送方向と略直交する方向)に配列されており、例えば、下側には硬貨100の片寄せ側から4つの光学センサ20a、20b、20c及び20dが、上側には硬貨100の片寄せ側から2つの光学センサ20e及び20fが設けられている。これにより、硬貨100の上面及び下面(特に下面)の広範囲において硬貨100の光学特性の検知が可能である。光学センサ20a〜20dは、搬送面3と平行な同じ平面上に設けられており、光学センサ20e及び20fもまた、搬送面3と平行な同じ平面上に設けられている。
各光学センサ20において、光源21が上流側、受光素子22が下流側に配置されている。上側の光学センサ20は、下側の光学センサ20のうち、硬貨100の反片寄せ側(すなわち案内面4と反対側)の2つの光学センサ20に対向し、それらの真上に配置されている。
図6に示すように、下側の光学センサ20a〜20dは、検知対象の複数種の硬貨100のうち、最も径が大きい硬貨100と重なるように配置されている。また、光学センサ20a〜20dのうち、片寄せ側の光学センサ20a及び20bは、検知対象の複数種の硬貨100のうち、最も径が小さい硬貨100と重なるように配置されている。他方、上側の光学センサ20e及び20fは、検知対象の複数種の硬貨100のうち、最も径が小さい硬貨100と重ならないように配置されている。
図7に示すように、各光源21は、搬送路2を搬送される硬貨100の上面又は下面(上側の光源21は上面、下側の光源21は下面)に対してスポット状に光を照射する。そして、各受光素子22は、これらの光源21からの光が硬貨100の上面又は下面(上側の受光素子22は上面、下側の受光素子22は下面)において反射された光であるスポット状の反射光を受光する。なお、各受光素子22は、同じ光学センサ20に含まれる光源21(最も近い光源21)が照射した光の反射光のみならず、他の光学センサ20に含まれる光源21が照射した光の反射光も受光し得る。
また、上側の光学センサ20の各受光素子22は、下側の光学センサ20の光源21からの光も受光することができ、同様に、下側の光学センサ20の各受光素子22は、上側の光学センサ20の光源21からの光も受光することができる。したがって、これらの光学センサ20は、透過センサとしても機能でき、制御部50は、光学センサ20の出力に基づいて、硬貨100(透明な媒体以外の物体)の有無の判定を行うことが可能である。
光学センサ20による硬貨100の色の相違の検知能力を高める観点から、光学センサ20a、20b、20c、20d、20e及び20fの光源21a、21b、21c、21d、21e及び21fは、各々、異なる複数の波長域の光、好ましくは赤色、緑色及び青色の光を照射可能なように構成されている。具体的には、各光源21a、21b、21c、21d、21e、21fは、発光素子として赤色、緑色及び青色の光をそれぞれ照射する3種のLEDを含んでいる。
制御部50は、これらの光源21と後述する硬貨通過検知用光源12aとが同時に発光しないように、かつ、異なる複数の波長域の光の発光が同時に起こらないように、これらの光源21と硬貨通過検知用光源12aとを順に点灯させる動的点灯制御を行う。
また、制御部50は、各光源21の発光期間中に、当該光源21と同じ光学センサ20に含まれる受光素子22(当該光源21から最も近い受光素子22)の出力を採取及び保存するとともに、当該光源21から2番目に近い受光素子22の出力も採取及び保存する。本実施形態において、光源21a、21b、21c、21d、21e及び21fから2番目に近い受光素子22は、それぞれ、光学センサ20b、20a、20d、20c、20f及び20eの受光素子22b、22a、22d、22c、22f及び22eである。
光学センサ20は、同じ光学センサ20に含まれる光源21(最も近い光源21)が照射した光の反射光を受光した受光素子22の出力に基づいて、硬貨100の汚損(光沢度)を検知し、搬送路2の幅方向において隣に位置する光学センサ20に含まれる光源21(2番目に近い光源21)が照射した光の反射光を受光した受光素子22の出力に基づいて、硬貨100の色の相違を検知する。
タイミングセンサ12は、LED等の硬貨通過検知用光源12aと、搬送面3の下側に配置された1つの光学センサ20bの受光素子22bとを含んで構成されている。すなわち、受光素子22bは、タイミングセンサ12と光学センサ20bとに共用されており、硬貨識別装置1の小型化及び低コスト化が実現されている。
光源12aは、搬送路2の片寄せ側(案内面4側)の斜め上方に配置されており、受光素子22bに直接光が入射するように、その光軸が設定されている。光源12aは、発光素子として赤外光を照射する1種のLEDのみを含んでいる。
搬送路2に硬貨100が侵入すると、光源12aからの照射光が硬貨100によって遮光され、受光素子22bによって受光されなくなる。このようにしてタイミングセンサ12が硬貨100の搬送路2への侵入を検知することによって、硬貨識別の処理タイミングが決定される。
DA変換器40は、制御部50から入力された、各光源12a、21の発光量に応じたデジタル信号をアナログ信号に変換する。光源駆動回路41は、制御部50から指示されたタイミングで、DA変換器40の出力信号に応じた電流を各光源12a、21に供給する駆動回路である。
受光回路42は、各受光素子22の出力(電流値)を電圧値に変換する。光学センサ用AD変換器43は、受光回路42から入力されたアナログ信号を所定時間毎に所定のサンプリング間隔でサンプリングし、デジタル信号に変換する。
径検知センサ30は、C型の1枚のコアプレート30aを含んでいる。コアプレート30aは、コイルのコアを形成するための磁性材料からなる板状体である。コアプレート30aの一部領域で形成される2つの凸部30b及び30cをコアとして、1次コイル(励磁コイル)30d及び2次コイル(検知コイル)30fの2つのコイルが形成されている。凸部30b及び30cは、硬貨100が搬送される開口部8(搬送面3上の空間)に向けて突出しており、1次コイル30d及び凸部30bは、それぞれ、開口部8を挟んで、2次コイル30f及び凸部30cと対向するように設けられている。1次コイル30d及び凸部30bは、ガラス板9の直ぐ下に配置されてガラス板9に覆われている。なお、反対に、2次コイル30f及び凸部30cがガラス板9の直ぐ下に配置されてガラス板9に覆われてもよい。
凸部30bには巻線(図示せず)が巻回されて1次コイル30dを形成しており、凸部30cには巻線(図示せず)が巻回されて2次コイル30fを形成している。本実施形態において、各コイルの巻線としては、表面が絶縁された絶縁電線、例えば、ポリウレタン被膜銅線等のマグネチックワイアを使用することができる。1次コイル30dは、搬送路2(開口部8)に磁界を生じさせる(印加させる)ものであり、2次コイル30fは、搬送路2(開口部8)に生じた(印加された)磁界の変化を検知するものである。
径検知センサ用共振回路44aは、1次コイル30dとともに硬貨100の径検知に適した周波数(例えば、900kHz)で共振する。
1次コイル30d及び2次コイル30fは、図2に示すように搬送方向においては、ガラス板9の略中央に配置されており、図4に示すように搬送路2の幅方向においては、ガラス板9の略中央から案内面4と反対側(反片寄せ側)のガラス板9の端部付近まで設けられている。また、検知対象の複数種の硬貨100のうち、最も径が小さい硬貨100が案内面4側に片寄せられた状態で搬送されたとき、最も径が小さい硬貨100の端部が1次コイル30d及び2次コイル30fの片寄せ側の端部の上方及び下方を通るように、1次コイル30d及び2次コイル30fの搬送路2の幅方向における位置が設定されている。そのため、径が異なる複数種の硬貨100が案内面4側に片寄せられた状態で搬送されると、硬貨100の径によって2次コイル30f及び1次コイル30dの間を通過する硬貨100のコイル30d及び30f(1次コイル30dによる磁界)へのかかり具合(重なりの程度)が変化し、径検知センサ30(2次コイル30f)の出力信号も変化することになる。すなわち、径検知センサ30(径検知センサ用共振回路44a及び2次コイル30f)は、硬貨100の径に応じた信号を出力する。このようにして、径検知センサ30は、硬貨100の径を検知する。
径検知センサ用検出回路45aは、径検知センサ用共振回路44aの出力を増幅する増幅回路と、該増幅回路によって生成された信号を直流に変換する直流変換回路とを含んでいる。径検知センサ用検出回路45bは、2次コイル30fの出力からノイズを除去するフィルタ回路と、該フィルタ回路によって生成された信号を増幅する増幅回路と、該増幅回路によって生成された信号を直流に変換する直流変換回路とを含んでいる。
厚検知センサ31、リング検知センサ32及びコア検知センサ33は、各々、円筒型のポットコア(図示せず)を含んでいる。ポットコアは、コイルのコアを形成するための磁性材料からなり、ポットコアに巻線が巻回されて各センサ31、32、33のコイル31a、32a、33aを形成している。これらのセンサ31、32及び33は、それぞれ、共振回路44b、44c及び44dから与えられる発振周波数に応じて搬送路2に磁界を生じさせるとともに、搬送路2を硬貨100が通過するときの磁界の変化を検知するものである。
厚検知センサ用共振回路44bは、厚検知センサ31のコイル31aとともに硬貨100の厚み検知に適した周波数(例えば、550kHz)で共振する。リング検知センサ用共振回路44cは、リング検知センサ32のコイル32aとともに硬貨100の外周部の材質検知に適した周波数(例えば、1.6MHz)で共振する。コア検知センサ用共振回路44dは、コア検知センサ33のコイル33aとともに硬貨100の外周部を除く中央部の材質検知に適した周波数(例えば、160kHz)で共振する。
図2に示すように、厚検知センサ31のコイル31aは、搬送方向においては、ガラス板9の略中央に配置されており、搬送路2の幅方向においては、壁部5よりも外側、すなわち、壁部5の搬送面3とは反対側に設けられている。コイル31aは、壁部5によって覆われている。また、図4に示すように、厚検知センサ31が搬送されている硬貨100の周面に対向するように、高さ方向においてはコイル31aの下端が搬送面3と略同じ高さに位置している。そのため、厚さが異なる複数種の硬貨100が案内面4(壁部5)側に片寄せられた状態で搬送されると、硬貨100の厚みによってコイル31aの近傍を通過する硬貨100のコイル31a(コイル31aによる磁界)へのかかり具合(重なりの程度)が変化し、厚検知センサ31の出力信号も変化することになる。すなわち、厚検知センサ31(コイル31a)は、硬貨100の厚さに応じた信号を出力する。このようにして、厚検知センサ31は、硬貨100の厚みを検知する。
厚検知センサ用検出回路45cは、コイル31aの出力を増幅する増幅回路と、該増幅回路によって生成された信号を直流に変換する直流変換回路とを含んでいる。
リング検知センサ32のコイル32aは、ガラス板9の直ぐ下に配置されてガラス板9に覆われている。また、図2に示すように、コイル32aは、搬送方向においては、ガラス板9の略中央(ただし、径検知センサ30の1次コイル30d及び2次コイル30fと厚検知センサ31のコイル31aよりは若干下流)に配置されており、搬送路2の幅方向においては、案内面4に隣接して設けられている。そのため、硬貨100が案内面4(壁部5)側に片寄せられた状態で搬送されると、コイル32a上(コイル32aによる磁界内)を硬貨100の外縁部が通過し、リング検知センサ32の出力信号も変化することになる。すなわち、リング検知センサ32(コイル32a)は、硬貨100の外縁部の材質に応じた信号を出力する。このようにして、リング検知センサ32は、硬貨100の外縁部の材質を検知する。
リング検知センサ用検出回路45dは、コイル32aの出力を増幅する増幅回路と、該増幅回路によって生成された信号を直流に変換する直流変換回路とを含んでいる。
コア検知センサ33のコイル33aは、ガラス板9の直ぐ下に配置されてガラス板9に覆われている。また、図2に示すように、コイル33aは、搬送方向においては、ガラス板9の略中央(ただし、リング検知センサ32のコイル32aよりは若干下流)に配置されており、搬送路2の幅方向においては、案内面4側に、リング検知センサ32のコイル32aとの間に若干の隙間を空けて設けられている。そのため、硬貨100が案内面4(壁部5)側に片寄せられた状態で搬送されると、コイル33a上(コイル33aによる磁界内)を硬貨100の中央部(外縁部以外の部分)が通過し、コア検知センサ33の出力信号も変化することになる。すなわち、コア検知センサ33(コイル33a)は、硬貨100の中央部の材質に応じた信号を出力する。このようにして、コア検知センサ33は、硬貨100の中央部の材質を検知する。
コア検知センサ用検出回路45eは、コイル33aの出力を増幅する増幅回路と、該増幅回路によって生成された信号を直流に変換する直流変換回路とを含んでいる。
磁性検知センサ34は、磁気抵抗素子、ホール素子(ホールIC)等の磁気検出素子34aを含むセンサであり、ガラス板9の直ぐ下に配置されてガラス板9に覆われている。また、図2に示すように、磁気検出素子34aは、搬送方向においては、ガラス板9の略中央(ただし、リング検知センサ32のコイル32a及びコア検知センサ33のコイル33aよりは若干上流)に配置されており、搬送路2の幅方向においては、案内面4側に、リング検知センサ32のコイル32aとの間に若干の隙間を空けて設けられている。そのため、硬貨100が案内面4(壁部5)側に片寄せられた状態で搬送されると、磁気検出素子34a上を硬貨100が通過し、硬貨100の磁性の有無に応じて、その出力信号が変化する。このようにして、磁性検知センサ34は、硬貨100の磁性の有無を検知する。
磁性検知センサ用検出回路45fは、磁気検出素子34aの出力を増幅する増幅回路と、該増幅回路によって生成された信号からノイズを除去するフィルタ回路とを含んでいる。
磁気センサ用AD変換器46は、各検出回路45a、45b、45c、45d、45e、45fから入力されたアナログ信号を所定時間毎に所定のサンプリング間隔でサンプリングし、デジタル信号に変換する。なお、AD変換器46は、検出回路45a、45b、45c、45d、45e、45f毎に設けられていてもよい。
制御部50は、例えば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラムと、当該ソフトウェアプログラムを実行するCPU(中央処理装置)と、当該CPUによって制御される各種ハードウェアと、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理デバイス等によって構成されている。各部の動作に必要なソフトウェアプログラムやデータの保存には、記憶部60や、別途専用に設けられたRAMやROM等のメモリやハードディスク等が利用される。
制御部50は、硬貨100が搬送路2に浸入してから通過するまでの間、時間に応じてではなく、硬貨100の径の変化(径検知センサ30の出力)に応じて、各センサの出力、すなわちAD変換器43及び46で変換された信号を順次かつ繰り返し採取し、記憶部60に保存する。これにより、硬貨100の搬送速度が変動した場合であっても、変動しない場合と同様の信号(波形)を採取することができる。また、硬貨100がいずれかのセンサ(搬送路2)上で停止し、再度動き出した場合であっても、正常に搬送された場合と同様の信号を採取することができる。
記憶部60は、揮発性又は不揮発性のメモリやハードディスク等の記憶装置で構成され、硬貨識別装置1で行われる処理に必要な各種のデータを記憶するために利用される。また、記憶部60には、以下のような種々の閾値61が記憶されている。
汚損検出部51aは、受光回路42から光学センサ用AD変換器43を経て入力された信号と、記憶部60に記憶された汚損用閾値とを比較して、検出された硬貨100の汚損(光沢の違い)を検出する。
色検出部51bは、受光回路42から光学センサ用AD変換器43を経て入力された信号と、記憶部60に記憶された色味用閾値とを比較して、検出された硬貨100の色の違いを検出する。
径検出部51cは、径検知センサ用検出回路45a及び45bから磁気センサ用AD変換器46を経て入力された信号と、記憶部60に記憶された径用閾値とを比較して、検出された硬貨100の径が識別対象の複数種の硬貨のうちのいずれの径に相当するものかを検出する。
厚検出部51dは、厚検知センサ用検出回路45cから磁気センサ用AD変換器46を経て入力された信号と、記憶部60に記憶された厚み用閾値とを比較して、検出された硬貨100の厚さが識別対象の複数種の硬貨のうちのいずれの厚さに相当するものかを検出する。
リング材質検出部51eは、リング検知センサ用検出回路45dから磁気センサ用AD変換器46を経て入力された信号と、記憶部60に記憶されたリング材質用閾値とを比較して、検出された硬貨100の外縁部の材質が識別対象の複数種の材質のうちのいずれの材質に相当するものかを検出する。
コア材質検出部51fは、コア検知センサ用検出回路45eから磁気センサ用AD変換器46を経て入力された信号と、記憶部60に記憶されたコア材質用閾値とを比較して、検出された硬貨100の中央部の材質が識別対象の複数種の材質のうちのいずれの材質に相当するものかを検出する。
磁性検出部51gは、磁性検知センサ用検出回路45fから磁気センサ用AD変換器46を経て入力された信号と、記憶部60に記憶された磁性用閾値とを比較して、検出された硬貨100が磁性を有するものであるか否かを検出する。
制御部50は、検出部51による検出結果に基づいて、硬貨100の金種や汚損等の識別処理を行う。具体的には、例えば、制御部50は、リング材質検出部51eの検出結果と、コア材質検出部51fの検出結果とを比較し、硬貨100の外縁部の材質が硬貨100の中央部の材質と同じであるか、又は、異なるかを判定する。これにより、制御部50は、硬貨100が単一の材質から構成されたものであるか、2以上の材質から構成されたもの、すなわちバイメタル貨であるかを判定する。
なお、バイメタル貨には、図8に示すようなバイカラー貨101と、図9(a)〜(d)に示すようなクラッド貨102が含まれる。バイカラー貨101は、中心部のコア部分101aと周辺部のリング部分101bとで異なる金属を用いて形成されたものである。クラッド貨102は、中心部の芯材102aと、芯材102aを覆う表面層102bとで異なる金属を用いて形成されたものである。クラッド貨102としては、例えば、図9(a)及び(b)に示すように、円形の芯材(母材)102aにメッキし、刻印したもの、図9(c)及び(d)に示すように、3層構造の板を円形に打ち抜き、刻印したもの等が挙げられる。
また、制御部50は、汚損検出部51aの検出結果に基づいて、硬貨100が汚損貨であるか否かを判定する。
更に、制御部50は、色検出部51bの検出結果と、他の検出部51の検出結果とに基づいて、硬貨100の金種識別や真偽判定を行う。なお、この金種識別や真偽判定の処理については、一般的な技術を利用することができるので、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態では、各検知要素に対して個別のセンサ(汚損及び色味検知用の光学センサ20、径検知センサ30、厚検知センサ31、リング検知センサ32、コア検知センサ33及び磁性検知センサ34)が配置されている。そのため、バイメタル貨、汚損貨の検出等、高精度な検出が可能となり、硬貨識別装置1の識別能力(識別精度)が向上する。
また、光学センサ20の一部(下側の光学センサ20)と、複数の磁気センサ、具体的には、径検知センサ30の一部(1次コイル30d)、リング検知センサ32、コア検知センサ33及び磁性検知センサ34とが、同じ1枚のガラス板9に覆われている。すなわち、これらのセンサの各特性採取領域(各検知領域)を覆うようにガラス板9が配置され、搬送面3のほぼ全面が形成されている。これにより、これらのセンサ間において搬送面3に段差が生じることを防止できる。そのため、搬送中の硬貨100の挙動を安定化でき、硬貨識別装置1の識別能力を向上することが可能である。また、搬送される硬貨100によるセルフクリーニングが確実に実施可能となり、硬貨識別装置1が汚れ難くすることが可能である。
また、本実施形態では、図10に示すように、取付部材11は、互いに高さが異なる3つの面を備えており、ガラス板9に直に当接する第一の面(以下、ガラス当て面とも言う。)11aと、ガラス当て面11aよりも低く、接着剤が塗布される第二の面(以下、接着剤塗布面とも言う。)11bと、接着剤塗布面11bよりも低く、ガラス当て面11a及び接着剤塗布面11bとの間に設けられた第三の面(以下、接着剤逃がし面とも言う。)11cとを有している。ガラス板9は、接着部材10により取付部材11に接着されている。
ガラス板9を取付部材11に取り付ける際は、まず、接着剤塗布面11bに接着剤を適量塗布し、そして、ガラス板9をガラス当て面11aに取り付ける。このとき、接着剤がガラス板9に接触するとともに広がり、余分な接着剤は接着剤逃がし面11c上に流れ込む。その後、ガラス板9の露出部に磁性検知センサ34の磁気検出素子34aを貼り付ける。
それに対して、本実施形態の変形例では、図11に示すように、取付部材11は、ガラス当て面11aがなく、互いに高さが異なる2つの面、すなわち接着剤塗布面11bと接着剤逃がし面11cしか備えておらず、磁気検出素子34aに隣接して隙間bが設けられている。そのため、接着剤の厚みのバラツキが発生し、ガラス板9の取付高さaが不安定となる。また、隙間bから接着剤が磁気検出素子34aの取付領域まで広がっていたとしても目視で確認することができないため、磁気検出素子34aの取付精度が不安定となる。更に、接着剤の塗り漏れ箇所があると、当該箇所の隙間bから塵が侵入するため、磁気検出素子34a周辺での防塵性が不安定となる。
他方、図10に示した実施形態では、ガラス当て面11aに接着剤が入り込まない構造となっており、ガラス板9は、ガラス当て面11aに直に当接するため、ガラス板9の取付高さaが安定する。また、磁気検出素子34a周辺にガラス当て面11aが設けられているため、接着剤が磁気検出素子34aの取付領域に浸入することを防止でき、磁気検出素子34aをガラス板9に精度よく、かつ、確実に取り付けることが可能である。更に、磁気検出素子34a周辺にガラス当て面11aが設けられているため、磁気検出素子34a周辺の防塵性を向上することができる。
また、ガラス板9をサファイヤガラスから形成した場合は、サファイヤガラスの透明性が高いため、磁気検出素子34aの取付と、その確認が容易となる。
取付部材11の材質とサファイヤガラスとの間では、通常、線膨張係数が異なるため、ガラス板9が大きくなると、環境(温度)変化に起因して接着部材10の破断や剥がれ等の接着不具合が発生することが懸念される。しかしながら、上述のように接着剤塗布面11bをガラス当て面11aから一段下げ、接着部材10の厚さを確保することで、環境(温度)変化に起因する接着不具合の発生を防止することが可能である。より具体的には、(接着部材10の厚さ)×(接着部材10の破断伸び)>(温度変動)×(ガラス板9のサイズ)×(取付部材11及びサファイヤガラスの熱膨張係数の差)を満たすことが好ましい。
また、本実施形態では、図12〜14に示すように、フィン70の軌跡70a上にガラス当て面11aのリブ11dが設けられている。このように、フィン70の軌跡70aの真下においてガラス板9をガラス当て面11aで受けることによって、ガラス板9の歪みを低減でき、硬貨100の搬送状態を安定させることが可能である。また、硬貨100の搬送状態が安定化することによって、硬貨識別装置1の識別能力が向上する。
また、図15に示すように、ガラス当て面11aのリブ11dは、ガラス板9の端面まで延在していない。これにより、ガラス板9の外縁部全体に接着剤を塗布することが可能となり、硬貨識別装置1内への粉塵等の異物の侵入を効果的に防止することが可能となる。
他方、図16に示すように、ガラス当て面11aのリブ11dがガラス板9の端面まで延伸されていると、ガラス当て面11aには接着剤が塗布されていないことから、硬貨識別装置1内への粉塵等の異物が侵入する可能性がある。その場合、ガラス板9が歪んだり、剥がれたりするおそれがある。
なお、図17に示すように、接着剤塗布面11bが設けられていない領域に関しては、取付部材11がない領域11eでは、裏(取付部材11側)からガラス板9の端部に沿って接着剤を塗布し、ガラス当て面11aが存在する領域11fでは、表(ガラス板9側)からガラス板9の端部に沿って接着剤を塗布する。また、接着剤塗布面11bに隣接するガラス板9の端部領域9aから接着剤がはみ出した場合は、そのはみ出した接着剤をふき取ることが好ましい。
図2及び17に示したように、本実施形態では、円弧状の搬送路2に対して矩形状のガラス板9を配置している。これは、ガラス板9(特にサファイヤガラス)の形状を異形状とするとコストアップとなるが、ガラス板9を矩形状とすることによって加工を容易とし、コストダウンを実現するためである。しかしながら、ガラス板9が矩形状であるため、識別対象の複数種の硬貨100のうち、最も径が大きい硬貨100は、硬貨識別装置1への侵入時に、ガラス板9ではなく、取付部材11上を部分的に通過することになる。そして、最も径が大きい硬貨100が変形していた場合、取付部材11上からガラス板9上への乗り継ぎが不安定となるおそれがある。
そこで、本実施形態では、図18及び19に示すように、ガラス板9の表面よりも取付部材11の表面が低く形成されており、これにより、変形貨の取付部材11上からガラス板9上へのスムーズな乗り継ぎを実現している。同様の観点から、ガラス板9の端部をテーパ状にし、取付部材11の高さを該テーパ形成部の高さの範囲内に設定している。
上述のように、上記実施形態に係る硬貨識別装置1は、搬送される硬貨100の磁気特性を各々採取する複数の磁気センサ30、32及び33と、複数の磁気センサ30、32及び33と離れて設けられ、硬貨100の表面の光学特性を採取する光学センサ20と、複数の磁気センサ30、32、33及び光学センサ20の制御と、識別処理とを行う制御部50と、を備えることから、硬貨100の識別能力が高く、バイメタル貨、汚損貨の検出といった高精度な検知が可能である。
また、上記実施形態に係る硬貨識別装置1は、硬貨100が搬送される搬送面3を構成し、硬貨100よりも大きな1枚のガラス板9を備え、ガラス板9は、複数の磁気センサ30、32及び33の各々の少なくとも一部と、光学センサ20の少なくとも一部とを覆うことから、これらのセンサ間において搬送面3に段差が生じることを防止できる。そのため、搬送中の硬貨100の挙動を安定化でき、硬貨識別装置1の識別能力を向上することが可能である。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。また、各実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
(変形形態)
上記実施形態では、硬貨100の搬送方向と直交する方向において、隣り合う光学センサ20間に隙間が設けられる場合について説明したが、図20に示すように、光学センサ20(光源21及び受光素子22)は、硬貨100の搬送方向と直交する方向において、部分的に重なり合うように配置されていてもよい。これにより、硬貨100の表面の光学特性をより細かく検知することができるため、硬貨識別装置1の識別能力をより向上することが可能である。
以上のように、本発明は、バイメタル貨や汚損貨等の硬貨を識別するために有用な技術である。
1:硬貨識別装置
2:搬送路
3:搬送面
4:案内面
5:壁部
6、7:壁部材
8:開口部
9:ガラス板
9a:端部領域
10:接着部材
11:取付部材
11a:第一の面(ガラス当て面)
11b:第二の面(接着剤塗布面)
11c:第三の面(接着剤逃がし面)
11d:リブ
11e:領域
11f:領域
12:タイミングセンサ
12a:硬貨通過検知用光源
20、20a〜20f:光学センサ
21、21a〜21f:光源
22、22a〜22f:受光素子
23:基板
30:径検知センサ
30a:コアプレート
30b、30c:凸部
30d:1次コイル(励磁コイル)
30f:2次コイル(検知コイル)
31:厚検知センサ
31a:コイル
32:リング検知センサ(第一の材質検知センサ)
32a:コイル
33:コア検知センサ(第二の材質検知センサ)
33a:コイル
34:磁性検知センサ
34a:磁気検出素子
40:DA変換器
41:光源駆動回路
42:受光回路
43:光学センサ用AD変換器
44a:径検知センサ用共振回路
44b:厚検知センサ用共振回路
44c:リング検知センサ用共振回路
44d:コア検知センサ用共振回路
45a、45b:径検知センサ用検出回路
45c:厚検知センサ用検出回路
45d:リング検知センサ用検出回路
45e:コア検知センサ用検出回路
45f:磁性検知センサ用検出回路
46:磁気センサ用AD変換器
50:制御部
51:検出部
51a:汚損検出部
51b:色検出部
51c:径検出部
51d:厚検出部
51e:リング材質検出部
51f:コア材質検出部
51g:磁性検出部
60:記憶部
61:閾値
70:フィン
70a:フィンの軌跡
100:硬貨
101:バイカラー貨
101a:コア部分
101b:リング部分
102:クラッド貨
102a:芯材
102b:表面層
a:取付高さ
b:隙間

Claims (13)

  1. 搬送される硬貨の磁気特性を各々採取する複数の磁気センサと、
    前記複数の磁気センサと離れて設けられ、前記硬貨の表面の光学特性を採取する光学センサと、
    前記硬貨が搬送される搬送面を構成し、前記硬貨よりも大きな1枚のガラス板と、
    前記複数の磁気センサ及び前記光学センサの制御と、識別処理とを行う制御部と、
    を備え、
    前記ガラス板は、前記複数の磁気センサの各々の少なくとも一部と、前記光学センサの少なくとも一部とを覆うことを特徴とする硬貨識別装置。
  2. 前記複数の磁気センサは、前記硬貨の径に応じた信号を出力する径検知センサを含み、
    前記径検知センサは、前記搬送面を挟んで互いに対向して配置された励磁コイル及び検知コイルを有することを特徴とする請求項1記載の硬貨識別装置。
  3. 前記複数の磁気センサは、前記硬貨の磁性の有無を検知する磁性検知センサを含み、
    前記磁性検知センサは、磁気検出素子を有することを特徴とする請求項1又は2記載の硬貨識別装置。
  4. 前記複数の磁気センサは、前記硬貨の材質特性を検知する材質検知センサを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬貨識別装置。
  5. 前記硬貨識別装置は、前記材質検知センサとして、搬送される前記硬貨の外縁部近傍に設置された第一の材質検知センサと、搬送される前記硬貨の前記外縁部を除く中央部近傍に設置された第二の材質検知センサとを備え、
    前記制御部は、前記第一の材質検知センサの出力信号と前記第二の材質検知センサの出力信号とを比較することにより、前記硬貨が単一の材質から構成されるか、又は、2以上の材質から構成されるかを判定することを特徴とする請求項4記載の硬貨識別装置。
  6. 前記光学センサは、複数波長で発光する光源と、受光素子とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の硬貨識別装置。
  7. 前記光学センサは、前記硬貨の搬送方向と交差する方向に複数設けられることを特徴とする請求項6記載の硬貨識別装置。
  8. 前記複数の光学センサは、前記搬送方向と直交し、かつ、前記搬送面と平行な方向に設置されることを特徴とする請求項7記載の硬貨識別装置。
  9. 前記複数の光学センサは、前記硬貨の搬送方向と直交する方向において、部分的に重なり合うように配置されることを特徴とする請求項7又は8記載の硬貨識別装置。
  10. 前記制御部は、前記光学センサの出力信号に基づいて、前記搬送面上における前記硬貨の有無を判定することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の硬貨識別装置。
  11. 前記硬貨識別装置は、前記搬送面の一側方に設けられ壁部と、前記壁部の前記搬送面とは反対側に設けられた厚検知センサとを備え、
    前記硬貨は、前記壁部側に片寄せられた状態で前記搬送面上を搬送され、
    前記厚検知センサは、前記硬貨の厚みに応じた信号を出力する磁気センサであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の硬貨識別装置。
  12. 前記ガラス板は、サファイヤガラスから構成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の硬貨識別装置。
  13. 前記硬貨識別装置は、前記ガラス板が取り付けられる取付部材と、前記ガラス板を前記取付部材に接着する接着部材とを備え、
    前記取付部材は、前記ガラス板に直に当接した第一の面と、
    前記第一の面よりも低く、前記接着剤が塗布された第二の面と、
    前記第二の面よりも低く、前記第一の面と前記第二の面との間に設けられた第三の面とを有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の硬貨識別装置。
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