JP2017209228A - 医療用デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】生体内に挿入される際に薬剤が剥離することを防止して、好適に患部に薬剤を投与することのできる医療用デバイスを提供する。【解決手段】医療用デバイス1は、生体管腔内に挿入される長尺状の本体部11と、本体部の外周に薬剤が塗布されてなる薬剤塗布部20と、薬剤塗布部を被覆するように薬剤塗布部の外周に巻き付いた状態で取り付けられ、生体管腔の内壁に接触した状態での周方向の回転に伴って薬剤塗布部から離脱可能に構成されてなる保護部材30と、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、医療用デバイスに関する。
従来から、診断や治療のために薬剤を投与する方法として、カテーテルを生体内に挿入して、カテーテルの外周に塗布された薬剤を、患部に対して直接投与することが行われている。このような方法によれば、経口や静脈注射などの手段で薬剤投与を行う場合と比較して、患部に対して薬剤を直接投与するため効率的である。
カテーテルを生体内に挿入する際、カテーテルの外周に塗布された薬剤が血管壁等の生体管腔壁と接触することによって、薬剤がカテーテルの外周から剥離する可能性がある。このように薬剤が剥離してしまうと、患部に所定量の薬剤を投与できない、必要ない箇所に薬剤が投与されることで患者の負担が増大するなどの課題がある。
これに関連して、例えば下記の特許文献1には、挿入方向の基端側に折り返された内部に薬剤が収容される薬剤収容拡張部材を先端に備える薬剤塗布チューブが開示されている。このように構成された薬剤塗布チューブによれば、薬剤塗布チューブを生体内に挿入する際は、薬剤は基端側に折り返された薬剤収容拡張部材の内部に収容されているため、薬剤の外周は薬剤収容拡張部材によって保護されており、薬剤が生体管腔壁と接触して薬剤が剥離することを防止できる。
特開2008−161239号公報
しかしながら、特許文献1に係る薬剤塗布チューブでは、薬剤塗布チューブを生体内に挿入する際、薬剤収容拡張部材の先端において薬剤は露出されているため、薬剤が生体管腔壁の内部を流通する血液等の体液と接触することによって、薬剤が薬剤収容拡張部材から剥離して薬剤収容拡張部材の内部から漏れ出てしまう可能性がある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、生体内に挿入される際に薬剤が剥離することを防止して、好適に患部に薬剤を投与することのできる医療用デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成する医療用デバイスは、生体管腔内に挿入される長尺状の本体部と、前記本体部の外周に薬剤が塗布されてなる薬剤塗布部と、前記薬剤塗布部を被覆するように前記薬剤塗布部の外周に巻き付いた状態で取り付けられ、前記生体管腔の内壁に接触した状態での周方向の回転に伴って前記薬剤塗布部から離脱可能に構成されてなる保護部材と、を有する。
上記のように構成した医療用デバイスによれば、保護部材が薬剤塗布部を被覆した状態で生体内に挿入されることによって、薬剤が生体管腔壁やその内部を通過する体液と接触することを防止することができる。そして、患部近傍まで保護部材が挿入された際に、保護部材を生体管腔の内壁に接触した状態で周方向に回転することによって、保護部材を薬剤塗布部から離脱することができ、薬剤を患部に投与することができる。以上から、生体内に挿入される際に薬剤が剥離することを防止して、好適に患部に薬剤を投与することのできる医療用デバイスを提供することができる。
第1実施形態に係る医療用デバイスを示す平面図である。 図1のA部を示す斜視図である。 図1の3−3線に沿う断面図である。 第1実施形態に係る医療用デバイスの使用方法を説明するための図であって、図4(A)は保護部材を狭窄部の直前まで挿入した様子を示し、図4(B)は保護部材が薬剤塗布部から離脱した様子を示し、図4(C)は薬剤が狭窄部に投与される様子を示す。 保護部材の自由端部が血管壁に接触した状態を示す断面図である。 自由端部がめくれて、保護部材の隙間から血液が浸入する様子を示す断面図である。 保護部材が薬剤塗布部から離脱した様子を示す断面図である。 第1実施形態の変形例に係る医療用デバイスを示す図である。 第2実施形態に係る医療用デバイスを示す図である。 第2実施形態に係る医療用デバイスを示す断面図である。 保護部材の接触部が血管壁に接触した状態を示す断面図である。 脆弱部を起点に保護部材が破断して、保護部材の隙間から血液が浸入する様子を示す断面図である。 第3実施形態に係る医療用デバイスの先端における構成を示す図である。 第4実施形態に係る医療用デバイスを示す図である。 第4実施形態に係る医療用デバイスの使用方法を説明するための図であって、図15(A)は保護部材を狭窄部の直前まで挿入した様子を示し、図15(B)は保護部材が薬剤塗布部から離脱した様子を示し、図15(C)は薬剤塗布部が狭窄部に到達した様子を示し、図15(D)はバルーンを拡張させた様子を示す。
<第1実施形態>
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1〜図3は、第1実施形態に係る医療用デバイス1の構成の説明に供する図である。
第1実施形態に係る医療用デバイス1は、血管内に発生した狭窄部Nに薬剤を投与するために用いられる。以下、図1〜図3を参照して、医療用デバイス1の構成について説明する。
医療用デバイス1は、図1〜図3に示すように、概説すると、カテーテル10と、薬剤塗布部20と、保護部材30と、を有する。
明細書の説明においては、医療用デバイス1の体腔内に挿入される側を先端または先端側と称し、医療用デバイス1に設けられたハブ13側を基端または基端側と称し、カテーテル10の延在方向を軸方向と称する。
カテーテル10は、図1に示すように、カテーテル本体(本体部に相当)11と、カテーテル本体11の内部に軸方向に沿って設けられるルーメン12と、カテーテル本体11の基端に装着されたハブ13と、を有する。
カテーテル本体11は長尺状に構成され、血管内に挿入される。カテーテル本体11の先端部11Aは、血管内を挿通しやすいように、先端に向かって外径が漸減している。
カテーテル本体11を構成する材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成高分子有機材料からなるものが挙げられる。
ルーメン12は、医療用デバイス1の血管内への挿入時にガイドワイヤGWが挿入される。本実施形態に係る医療用デバイス1は、ガイドワイヤGWがカテーテル10の基端側から先端側まで挿通されるオーバーザワイヤ型である。このため、ガイドワイヤが挿入されるルーメンが先端側に形成されるラピッドエクスチェンジ型と比較して、医療用デバイス1の回転操作が容易である。
ハブ13は、ルーメン12内へのガイドワイヤGWの挿入口として機能するとともに、医療用デバイス1を操作する際の把持部としても機能する。
薬剤塗布部20は、カテーテル10の外周に薬剤が塗布されてなる。薬剤塗布部20は、カテーテル本体11のうち先端側に設けられる。
薬剤としては、例えば、生物学的生理活性物質を用いることができる。
生物学的生理活性物質としては、本実施形態に係る薬剤塗布部20を狭窄部に留置した際に起こり得る管腔の再狭窄、再閉塞を抑制するものであれば特に限定されず、任意に選択することができるが、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン、粘液融解剤、及びNO産生促進物質からなる群から選択される少なくとも1種であることが、病変部組織の細胞の挙動を制御して病変部を治療できるという理由から、好ましい。
保護部材30は、図1〜図3に示すように、薬剤塗布部20を被覆するように薬剤塗布部20の外周に巻き付いた状態で取り付けられる。また、保護部材30は、血管壁Wに接触した状態で周方向に回転されることによって、薬剤塗布部20から離脱可能に構成されている(図6参照)。
保護部材30は、図1、図2に示すように、軸方向において、薬剤塗布部20よりも先端側および基端側に長く構成されている。このように薬剤塗布部20に対して先端側および基端側に長く構成されている箇所は、カテーテル本体11に対して仮止めされる仮止め部30Aとして機能する。保護部材30は、仮止め部30Aにおいてカテーテル本体11に対して接着剤(不図示)によって仮止めされている。このため、カテーテル本体11の血管内への挿入に伴って、保護部材30は血管内に挿入される。仮止め部30Aは、保護部材30の周方向の回転に伴って、薬剤塗布部20から離脱する際に仮止め状態が解除される。
保護部材30は、図2、図3に示すように、周方向に沿って一回り巻回して構成される保護本体部31と、保護本体部31から周方向(図3の反時計回り)に延長して形成される自由端部32と、を有する。
自由端部32は、保護部材30の周方向の回転に伴って、薬剤塗布部20の外周に巻き付けられた保護部材30を周方向に展開させる起点となって薬剤塗布部20からの離脱を補助する離脱補助部として機能する。自由端部32の作用については、後述の使用方法において詳述する。
自由端部32は、図2に示すように、挿入方向の先端(図2の右上)に向かって、周方向に延長される長さが短くなるテーパ部32aを備える。また、自由端部32は、挿入方向の基端(図2の左下)に向かって、周方向に延長される長さが短くなるテーパ部32bを備える。すなわち、自由端部32は、中央32cが周方向に延長される長さが長く、両端につれて周方向に延長される長さが短くなるように構成される。このように自由端部32はテーパ部32a、32bを備えるため、医療用デバイス1を血管内において軸方向に進退移動させた際に、血液は自由端部32に対して傾斜した角度で接触してテーパ部32a、32bにならって流れる。さらに、自由端部32はテーパ部32a、32bを備えるため、医療用デバイス1の軸方向の進退移動に伴って自由端部32が狭窄部Nに接触する際に、自由端部32はテーパ部32a、32bの傾斜にならって狭窄部Nに接触する。したがって、医療用デバイス1を血管内において軸方向に進退移動させた際の、自由端部32のめくれを抑制することができる。
保護部材30はX線造影性(不図示)を備えることが好ましい。X線造影性を備えさせる方法としては、保護部材30の内部に、タングステン、金、白金等により形成された金属部材の埋設、あるいは金属粉末の混入などが挙げられる。このように保護部材30がX線造影性を備えることによって、X線画像において保護部材30の位置および状態を確認できる。したがって、後述する使用方法において、保護部材30が薬剤塗布部20から確実に離脱したかを確認することができる。
保護部材30を構成する材料は、例えば生体内で分解される生分解性材料によって構成されることが好ましい。生分解性材料としては、生分解性ポリマーを用いることができる。生分解性ポリマーとしては、本実施形態に係る薬剤塗布部20を狭窄部に留置した際に、徐々に生分解するポリマーであって、生体内に悪影響を及ぼさないポリマーであれば特に限定されないが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、セルロース、ポリヒドロキシブチレイト吉草酸、及びポリオルソエステルからなる群から選択される少なくとも1種、または、これらの共重合体、混合物、もしくは、複合物であるのが好ましい。生体組織との反応性が低く、生体内での分解速度を制御することができるからである。
次に、図4〜図7を参照して、第1実施形態に係る医療用デバイス1の使用方法について説明する。図4は、医療用デバイス1の使用方法を説明するための図であって、図5〜図7は、保護部材30を薬剤塗布部20から離脱させる工程を説明するための図である。なお、理解の容易のため、図4(A)では、カテーテル本体11および保護部材30は平面図にて示し、その他の構成は断面図にて示し、図4(B)、(C)では、カテーテル本体11は平面図にて示し、その他の構成は断面図にて示す。また、図4ではガイドワイヤの記載は省略する。また、図5〜図7は、カテーテル本体11、薬剤塗布部20、および保護部材30を含む箇所(図1の3−3線)における軸直交断面を示す。
まず術者は、図4(A)に示すように、患者の血管内に医療用デバイス1を挿入していき、カテーテル本体11の先端部11Aを狭窄部Nの基端側まで挿入する。この工程において医療用デバイス1を挿入する際は、予めカテーテル10のルーメン12にガイドワイヤGWを挿入しておき、挿入されたガイドワイヤGWに沿ってカテーテル10を挿入する。医療用デバイス1を血管内に挿入する際、自由端部32はテーパ部32aを備えるため、自由端部32のめくれを抑制することができる。
次に術者は、図4(B)に示すように、医療用デバイス1を基端側から視て反時計回りに回転して、保護部材30を薬剤塗布部20から離脱させる。以下、図5〜図7を参照して、保護部材30を薬剤塗布部20から離脱させる方法について説明する。
術者は、図5に示すように、保護部材30の自由端部32が血管壁Wに接触した状態で、保護部材30を自由端部32の延長する方向(図5の反時計回り)に回転する。この結果、自由端部32と血管壁Wとの間の摩擦力に起因して、図6に示すように、自由端部32は周方向に沿ってめくれる。そして、自由端部32がめくれることによって形成された保護部材30の隙間30aを介して、血液Bが薬剤塗布部20および保護部材30の間に浸入する。この結果、自由端部32と血管壁Wとの間の摩擦力、本体部31と血管壁Wとの間の摩擦力、および血液Bによる径方向外方の力に起因して、保護部材30の薬剤塗布部20からの離脱が進展し、図7に示すように、薬剤塗布部20から離脱して周方向に展開される。ここで、血管壁Wは粘性を備えるため、薬剤塗布部20から離脱した保護部材30は血管壁Wに張り付いた状態を維持する。保護部材30は上述したように、生分解性材料によって構成されるため、所定時間後に消滅する。
上記のように保護部材30を薬剤塗布部20から離脱させた後、術者は、図4(C)に示すように、薬剤塗布部20が露出した状態のカテーテル本体11を、先端側に移動させて、狭窄部Nに薬剤を投与する。その後術者は、医療用デバイス1を抜去する。
以上説明したように、第1実施形態に係る治療方法は、概説すると、(i)カテーテルの先端部を狭窄部の近傍(基端側)まで挿入する挿入ステップと、(ii)血管壁に接触した状態で保護部材を周方向に回転して保護部材を薬剤塗布部から離脱させる離脱ステップと、(iii)狭窄部に薬剤を投与する投与ステップと、を有する。
以上のように、第1実施形態に係る医療用デバイス1は、血管内に挿入される長尺状のカテーテル本体11と、カテーテル本体11の外周に薬剤が塗布されてなる薬剤塗布部20と、薬剤塗布部20を被覆するように薬剤塗布部20の外周に巻き付いた状態で取り付けられ、血管壁Wに接触した状態での周方向の回転に伴って薬剤塗布部20から離脱可能に構成されてなる保護部材30と、を有する。このように構成された医療用デバイス1によれば、保護部材30が薬剤塗布部20を被覆した状態で血管内に挿入されることによって、薬剤が血管壁Wや血液Bと接触することを防止することができる。そして、狭窄部N近傍まで保護部材30が挿入された際に、保護部材30を血管壁Wに接触した状態で周方向に回転することによって、保護部材30を薬剤塗布部20から離脱することができ、薬剤を狭窄部Nに投与することができる。以上から、血管内に挿入される際に薬剤が剥離することを防止して、好適に狭窄部Nに薬剤を投与することのできる医療用デバイス1を提供することができる。
また、薬剤塗布部20の外周に巻き付けられた保護部材30を周方向に展開させる起点となって薬剤塗布部20からの離脱を補助する離脱補助部を有する。このように構成された医療用デバイス1によれば、離脱補助部が保護部材30を薬剤塗布部20から離脱させることを補助するため、容易に保護部材30を薬剤塗布部20から離脱させることができる。
また、保護部材30は、周方向に沿って一回り巻回して構成される保護本体部31と、保護本体部31から周方向に延長して形成される自由端部32と、を有する。離脱補助部は、自由端部32に設けられている。このように構成された医療用デバイス1によれば、容易な構成によって保護部材30を薬剤塗布部20から離脱させることができる。
また、自由端部32は、挿入方向の先端および基端に向かって、周方向に延長される長さが短くなるテーパ部32a、32bを備える。このため、医療用デバイス1を血管内において軸方向に進退移動させた際の、自由端部32のめくれを抑制することができる。
また、保護部材30は、X線造影性を備える。このため、X線画像において保護部材30の位置および状態を確認できる。したがって、保護部材30が薬剤塗布部20から離脱したか等を確実に確認することができる。
また、保護部材30は、生分解性材料によって構成される。このため、薬剤塗布部20から離脱した保護部材30は、所定時間経過後、血管内において分解して消滅する。よって、保護部材30を回収する必要がない。
<第1実施形態の変形例>
図8は、第1実施形態の変形例に係る医療用デバイス1Aを示す図であって、図2に対応する図である。
医療用デバイス1Aは、図8に示すように、一端50aが保護部材30に固定され、他端50bがカテーテル本体11に固定される2つの線材50を有する。2つの線材50は、保護部材30から基端側に延在して配置される。なお、線材50が設けられる数や位置は、線材50の一端が保護部材30に固定され、他端がカテーテル本体11に固定されている限りにおいて、限定されない。
保護部材30および線材50ならびにカテーテル本体11および線材50を固定する方法は、特に限定されないが、例えば接着剤による接着である。
このように構成された医療用デバイス1Aによれば、薬剤を狭窄部Nに投与した後に医療用デバイス1Aを抜去する際に、カテーテル本体11の抜去に伴って、線材50によって保護部材30も抜去することができる。このため、非生分解性材料からなる保護部材も使用することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と共通する部分は説明を省略して、第2実施形態のみに特徴のある箇所について説明する。
第2実施形態に係る医療用デバイス2は、保護部材130の構成が、第1実施形態に係る医療用デバイス1と相違する。以下、第2実施形態に係る医療用デバイス2について説明する。
図9、図10は、第2実施形態に係る医療用デバイス2を示す図である。図9は図2に対応する図であって、図10は図3に対応する図である。図9では理解の容易のため、薬剤塗布部20は省略する。
第2実施形態に係る医療用デバイス2は、図9に示すように、カテーテル10と、薬剤塗布部20と、保護部材130と、を有する。カテーテル10および薬剤塗布部20は、第1実施形態に係る医療用デバイス1と同様の構成であるため、説明は省略する。
保護部材130は、図9、図10に示すように、周方向に沿って一回り巻回して構成される。保護部材130は、他の部位より周方向の引張力に対して破断しやすい脆弱部131を有する。脆弱部131は、例えば、軸方向に沿って形成された切込み線である。なお、脆弱部131は、他の部位より周方向の引張力に対して破断しやすい構成であれば特に限定されず、例えば肉厚が他の部位よりも薄く構成されていたり、他の部位よりも引張強度の低い材料からなってもよい。
脆弱部131は、保護部材130の周方向の回転に伴って、薬剤塗布部20の外周に巻き付けられた保護部材130を周方向に展開させる起点となって薬剤塗布部20からの離脱を補助する離脱補助部として機能する。脆弱部131の作用については、以下の使用方法にて詳述する。
次に、図11、図12を参照して、第2実施形態に係る医療用デバイス2の使用方法について説明する。なお、第2実施形態に係る医療用デバイス2の使用方法は、第1実施形態に係る医療用デバイス1の使用方法と比較して、保護部材130を薬剤塗布部20から離脱させる方法のみ異なるため、ここでは、保護部材130を薬剤塗布部20から離脱させる方法について説明する。
術者は、図11に示すように、保護部材130の脆弱部131の時計回り側近傍に設けられる接触部132が血管壁Wに接触した状態で、保護部材130を図11の反時計回りに回転する。この結果、接触部132と血管壁Wとの間の摩擦力に起因して、図12に示すように、脆弱部131を起点に保護部材130が破断する。そして、脆弱部131を起点に保護部材130が破断することによって形成された保護部材130の隙間130aを介して、血液Bが薬剤塗布部20および保護部材130の間に浸入する。この結果、第1実施形態に係る医療用デバイス1と同様に、図7に示すように、保護部材130は薬剤塗布部20から離脱して周方向に展開される。
以上のように、第2実施形態に係る医療用デバイス2では、保護部材130は他の部位より周方向の引張力に対して破断しやすい脆弱部131を有し、離脱補助部は脆弱部131に設けられている。このように構成された医療用デバイス2によれば、容易な構成によって保護部材130を薬剤塗布部20から離脱させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第3実施形態のみに特徴のある箇所について説明する。第3実施形態に係る医療用デバイス3は、カテーテル210の先端の形状が、第1実施形態に係る医療用デバイス1と異なる。以下、第3実施形態に係る医療用デバイス3について詳述する。
図13は、第3実施形態に係る医療用デバイス3の先端における構成を示す平面断面図である。
第3実施形態に係る医療用デバイス3は、図13に示すように、カテーテル210と、薬剤塗布部20と、保護部材30と、スペーサー240と、を有する。薬剤塗布部20および保護部材30は、第1実施形態に係る医療用デバイス1と同様の構成であるため、説明は省略する。
カテーテル210は、図13に示すように、カテーテル本体(本体部に相当)211と、カテーテル本体211の内部に軸方向に沿って設けられるルーメン212とを有する。
カテーテル本体211は、先端に設けられ先端側に向かって外径が漸減する縮径部215と、縮径部215の基端215Aにおける外径D1よりも小さい外径D2を備え、縮径部215の基端215Aから基端側に連続する連続部216と、を有する。
連続部216の外周には、薬剤塗布部20および保護部材30が設けられる。
縮径部215の基端215Aにおける外径D1は、保護部材30の外径D3と同じとなるように構成される。すなわち、先端側から医療用デバイス3を視た際に、保護部材30は、径方向外方に突出しないように構成される。このため、医療用デバイス3を血管内に挿入する際に、保護部材30の先端面30Bが血管壁Wに接触することを防止することができる。よって、医療用デバイス3を血管内に挿入する際に、保護部材30のめくれを抑制することができる。
スペーサー240は、図13に示すように、カテーテル本体211の連続部216および保護部材30の間に設けられる。スペーサー240は、薬剤塗布部20よりも径方向の厚みが厚い。このようにスペーサー240が設けられることによって、保護部材30が薬剤塗布部20に接触することを防止することができるため、保護部材30に薬剤が付着することを防止できる。
スペーサー240を構成する材料は特に限定されないが、カテーテル本体11を構成する材料と同様の材料を用いることができる。
第3実施形態に係る医療用デバイス3の使用方法は、第1実施形態に係る医療用デバイス1と同様であるため、説明は省略する。
以上のように、第3実施形態に係る医療用デバイス3は、カテーテル本体211の連続部216および保護部材30の間に設けられ、薬剤塗布部20よりも径方向の厚みが厚いスペーサー240をさらに有する。このため、保護部材30が薬剤塗布部20に接触することを防止することができ、保護部材30に薬剤が付着することを防止できる。
また、カテーテル本体211は、先端に設けられ先端側に向かって外径が漸減する縮径部215と、縮径部215の基端215Aにおける外径D1よりも小さい外径D2を備え縮径部215の基端215Aから基端側に連続する連続部216と、を有する。連続部216の外周には、薬剤塗布部20および保護部材30が設けられる。縮径部215の基端215Aにおける外径D1は、保護部材30の外径D3と同じとなるように構成されてなる。このように構成された医療用デバイス3によれば、医療用デバイス3を血管内に挿入する際に、保護部材30のめくれを抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第4実施形態のみに特徴のある箇所について説明する。第4実施形態に係る医療用デバイス4は、保護部材30が適用される対象がバルーンカテーテル310である点が、第1実施形態に係る医療用デバイス1と異なる。
図14は、第4実施形態に係る医療用デバイス4を示す図である。図14では理解の容易のため、薬剤塗布部20は省略する。
第4実施形態に係る医療用デバイス4は、図14に示すように、バルーンカテーテル310と、薬剤塗布部20と、保護部材30と、を有する。
バルーンカテーテル310は、流体の注入によって拡張可能なバルーン315が外周に取り付けられた長尺部材(本体部に相当)311と、流体供給源(不図示)が接続可能なハブ313と、を有する。バルーンカテーテル310としては公知のバルーンカテーテルを用いることができる。
薬剤塗布部20は、バルーン315の外周に設けられている。すなわち、本実施形態に係るバルーン315は、薬剤溶出性バルーン(DEB:Drug Eluting Balloon)である。
次に、図15を参照して、第4実施形態に係る医療用デバイス4の使用方法について説明する。図15は、医療用デバイス4の使用方法を説明するための図である。なお、図15では、理解の容易のため、長尺部材311およびバルーン315は平面図にて示し、その他の構成は断面図にて示す。
まず術者は、図15(A)に示すように、患者の血管内に医療用デバイス4を挿入していき、長尺部材311の先端側を狭窄部Nの基端側まで挿入する。
次に術者は、図15(B)に示すように、保護部材30が血管壁Wに接触した状態で医療用デバイス4を基端側から視て反時計回りに回転して、保護部材30を薬剤塗布部20から離脱させる。
次に術者は、図15(C)に示すように、薬剤塗布部20が露出した状態の長尺部材311を、先端側に移動させて、薬剤塗布部20を狭窄部Nに到達させる。
次に術者は、図15(D)に示すように、流体供給源からバルーン315に対して流体を供給して、バルーン315を拡張させて、狭窄部Nを拡張させるとともに狭窄部Nに薬剤を塗布する。
以上説明したように、第4実施形態に係る治療方法は、概説すると、(i)バルーンカテーテルの先端を狭窄部の近傍(基端側)まで挿入する挿入ステップと、(ii)血管壁に接触した状態で保護部材を周方向に回転して保護部材を薬剤塗布部から離脱させる離脱ステップと、(iii)薬剤塗布部を狭窄部に到達させる到達ステップと、(iv)バルーンを拡張させる拡張ステップと、を有する。
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る医療用デバイスを説明したが、本発明は実施形態および変形例において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、医療用デバイスは、自由端部または脆弱部のように、保護部材の薬剤塗布部からの離脱を補助する離脱補助部を有した。しかしながら、医療用デバイスは、離脱補助部を有していなくてもよく、保護部材が周方向の回転に伴い、薬剤塗布部から離脱可能に構成されていれば、特に限定されない。
また、上述した実施形態では、保護部材はX線造影性を備えたが、X線造影性を備えていなくてもよい。
また、上述した実施形態では、医療用デバイスを基端側から視て反時計回りに回転して、保護部材を薬剤塗布部から離脱させた。しかしながら、医療用デバイスを基端側から視て時計回りに回転して、保護部材を薬剤塗布部から離脱させてもよい。
また、上述した実施形態では、保護部材は薬剤塗布部よりも軸方向に沿って一回り大きく構成されて、保護部材の仮止め部がカテーテル本体に対して仮止めされることによって、保護部材がカテーテル本体に対して仮止めされた。しかしながら、保護部材のカテーテル本体に対する仮止め方法は特に限定されず、例えば、保護部材およびカテーテル本体の間を負圧にすることで仮止めされてもよい。
また、上述した実施形態では、カテーテル本体の先端を狭窄部の基端側まで挿入した後に、保護部材を薬剤塗布部から離脱させ、カテーテル本体を先端側に移動させて、狭窄部に薬剤を投与した。しかしながら、カテーテル本体の先端を狭窄部の先端側まで挿入した後に、保護部材を薬剤塗布部から離脱させ、カテーテル本体を基端側に移動させて、狭窄部に薬剤を投与してもよい。
また、上述した実施形態では、医療用デバイスは、オーバーザワイヤ型であったが、ラピッドエクスチェンジ型であってもよい。
また、上述した第3実施形態では、縮径部の基端における外径は保護部材の外径と同じとなるように構成された。しかしながら、縮径部の基端における外径は保護部材の外径よりも大きくなるように構成されていてもよい。
また、第1実施形態の変形例に係る医療用デバイスの線材は、第2〜第4実施形態に係る医療用デバイスに取り付けられていてもよい。
また、図13に示す第3実施形態に係る医療用デバイスの先端における構成が、第1、第2、第4実施形態に係る医療用デバイスに適用されてもよい。
また、上述した実施形態では、自由端部は挿入方向の先端および基端に向かってテーパ部を備えた。しかしながら、自由端部はテーパ部が設けられていなくてもよい。
また、上述した実施形態では、医療用デバイスは血管内に発生した狭窄部Nに薬剤を投与するために用いられた。しかしながら、これに限定されず、胆管、気管、食道、その他消化管、尿道、耳鼻内腔、その他の臓器等の生体器官内の患部に薬剤を投与するために用いられてもよい。
また、上述した実施形態では、薬剤として狭窄部の再狭窄を抑制するものが挙げられた。しかしながら、薬剤としては、狭窄部である生体組織を柔らかくしたり、硬くしたりするものであってもよい。例えば生体組織を柔らかくすることによって、バルーンによる拡張を容易にすることができる。また、生体組織を硬くすることによって、レーザー等で生体組織を破壊し易くすることができる。
1、1A、2、3、4 医療用デバイス、
10、210 カテーテル、
11、211 カテーテル本体(本体部)、
20 薬剤塗布部、
30、130 保護部材、
31 保護本体部、
32 自由端部(離脱補助部)、
50 線材、
131 脆弱部(離脱補助部)、
215 縮径部、
215A 縮径部の基端、
216 連続部、
240 スペーサー、
310 バルーンカテーテル、
311 長尺部材(本体部)、
315 バルーン、
D1 縮径部の基端における外径、
D3 保護部材の外径、
W 血管壁。

Claims (10)

  1. 生体管腔内に挿入される長尺状の本体部と、
    前記本体部の外周に薬剤が塗布されてなる薬剤塗布部と、
    前記薬剤塗布部を被覆するように前記薬剤塗布部の外周に巻き付いた状態で取り付けられ、前記生体管腔の内壁に接触した状態での周方向の回転に伴って前記薬剤塗布部から離脱可能に構成されてなる保護部材と、を有する医療用デバイス。
  2. 前記薬剤塗布部の外周に巻き付けられた前記保護部材を前記周方向に展開させる起点となって前記薬剤塗布部からの離脱を補助する離脱補助部をさらに有する請求項1に記載の医療用デバイス。
  3. 前記保護部材は、前記周方向に沿って一回り巻回して構成される保護本体部と、前記保護本体部から前記周方向に延長して形成される自由端部と、を有し、
    前記離脱補助部は前記自由端部に設けられている請求項2に記載の医療用デバイス。
  4. 前記自由端部は、前記本体部の挿入方向の先端および基端に向かって、前記周方向に延長される長さが短くなるテーパ部を備える請求項3に記載の医療用デバイス。
  5. 前記保護部材は他の部位より前記周方向の引張力に対して破断しやすい脆弱部を有し、
    前記離脱補助部は前記脆弱部に設けられている請求項2〜4のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
  6. 前記保護部材はX線造影性を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
  7. 前記本体部および前記保護部材の間に設けられ、前記薬剤塗布部よりも径方向の厚みが厚いスペーサーをさらに有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
  8. 前記本体部は、先端に設けられ先端側に向かって外径が漸減する縮径部と、前記縮径部の基端における外径よりも小さい外径を備え前記縮径部の基端から基端側に連続する連続部と、を有し、
    前記連続部の外周には、前記薬剤塗布部および前記保護部材が設けられ、
    前記縮径部の基端における外径は、前記保護部材の外径と同じまたは前記保護部材の外径より大きく構成されてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
  9. 一端が前記保護部材に固定され、他端が前記本体部に固定される線材をさらに有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
  10. 前記保護部材は、生分解性材料によって構成される請求項1〜9のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
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