JP2017207392A - 試料注入装置及びそれを備えるクロマトグラフ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャリーオーバー現象を抑制することができる試料注入装置及びクロマトグラフ装置を提供する。【解決手段】液体試料を採取して所定量の液体試料を移動相中に注入する試料注入部30と、先端部にニードル22aが形成され、末端部が試料注入部30に連結された試料導入管22と、ニードル22aを移動させるニードル駆動部23と、ニードル22aを洗浄するための紫外光を出射する光源32cを有した洗浄部32とを備える構成とする。【選択図】図1
Description
本発明は、試料注入装置及びそれを備えるクロマトグラフ装置に関し、特に、多数の液体試料を測定する液体クロマトグラフ装置(以下、LCと略す)に関する。
図6及び図7は、従来の一般的なLCの一例を示す概略構成図である。LC201は、移動相を貯蔵する移動相貯槽10と、移動相貯槽10に連結された送液ポンプ11と、カラム連結管(カラムIN側配管)12と、カラム連結管12と連結された分離用カラム13と、分離用カラム13を略一定の温度に保つカラム恒温槽14と、分離用カラム13と連結された検出器(検出部)15と、移動相中へ液体試料を注入するオートサンプラ(試料注入装置)220と、LC201を制御する制御部240とを備える。
オートサンプラ220は、多数の試料バイアルSが配置されたテーブル21と、先端部にステンレス製のニードル22aが形成された試料導入管22と、ニードル22aを上下方向及び水平方向に移動させるニードル駆動部23と、ニードル22aを洗浄するためのリンスポート(洗浄部)24と、試料注入部230とを備える。
試料バイアルSは、底面を有する円筒形状のガラス容器と、ガラス容器の開口部に取り付けられたシリコン製のセプタムとから構成され、内部に液体試料が収容されている。
リンスポート24は、リンス液(溶出力の高い溶液)が収容された容器24aを備えている。
リンスポート24は、リンス液(溶出力の高い溶液)が収容された容器24aを備えている。
試料注入部230は、シリンジポンプ31と、ニードル22aを洗浄するためのインジェクションポート(洗浄部)232と、6つのポートa〜fを有する流路切換バルブ33と、7つのポートg〜mを有する流路切換バルブ34とを備える。
シリンジポンプ31は、円筒状体のシリンジ31aと、シリンジ31a内に挿入される円柱形状のプランジャ31bと、プランジャ31bを上下方向に移動させるパルスモータ31cとを備える。そして、シリンジポンプ31は、流路切換バルブ33及び流路切換バルブ34が図7の状態のときにプランジャ31bが下方に引かれると、液体試料や洗浄液を試料導入管22内に注入するようになっている。
インジェクションポート232は、リンス液が収容された容器232aと、容器232aの底面に形成されたニードル22aが挿入されるためのニードルシール(極細流路)32bとを備える。
流路切換バルブ33のポートaは送液ポンプ11を介して移動相貯槽10に、ポートbは試料導入管22に、ポートcは流路切換バルブ34のポートkに、ポートdは電磁弁35を介してドレインに、ポートeはインジェクションポート232のニードルシール32bに、ポートfはカラム連結管12にそれぞれ接続されている。そして、隣り合うポートa〜f同士が連通可能に構成されている。
流路切換バルブ34のポートgとポートhとポートiは洗浄液が収容された容器36に、ポートjはシリンジポンプ31に、ポートkは流路切換バルブ33のポートcに、ポートlはリンスポート24に、ポートmは電磁弁37を介してシリンジポンプ31にそれぞれ接続されている。そして、ポートmはポートg〜lのいずれか1個のポートに連通可能となっているとともに、隣り合うポートg〜l同士が連通可能に構成されている。
ここで、上述したLC201を用いて多数の液体試料を自動的に連続して分析する分析方法について説明する。まず、制御部240は、流路切換バルブ33、34のポートa〜mを図7の状態に制御する。したがって、移動相貯槽10から送液ポンプ11を介して供給された移動相は、カラム連結管12を通って分離用カラム13に送られる。次に、制御部240は、ニードル22aの直下に所望の試料バイアルSがくるように移動させた後、ニードル22aを降下させて試料バイアルS内に挿入する。そして、制御部240は、プランジャ31bを引くことにより、試料バイアルS内の液体試料を試料導入管22内に充填する。
次に、制御部240は、ニードル22aの直下にインジェクションポート232を移動させた後、ニードル22aを降下させてインジェクションポート232のニードルシール32b内に挿入する。そして、制御部240は、流路切換バルブ33、34のポートa〜mを図6の状態に制御する。したがって、移動相貯槽10から送液ポンプ11を介して供給された移動相は、試料導入管22とニードル22aとニードルシール32bとを通ってカラム連結管12に送られる。このとき、試料導入管22内に充填されていた液体試料は、移動相と共にカラム連結管12に送り込まれ、分離用カラム13で成分分離された後に検出器15によって順次検出される。
そして、制御部240は、液体試料をカラム連結管12内に注入後、流路切換バルブ33、34のポートa〜mを図7の状態に制御する。次に、制御部240は、ニードル22aの直下にリンスポート24を移動させた後、ニードル22aを降下させてリンスポート24内に挿入する。そして、制御部240は、プランジャ31bを抜き差しすることにより、試料注入部230の容器36内の洗浄液を試料導入管22内に流通させる。
その後、制御部240は、上記と同様の手順により次の液体試料を測定する制御を行う。
その後、制御部240は、上記と同様の手順により次の液体試料を測定する制御を行う。
また、インジェクションポート内に貯留可能な量の洗浄液を計量ポンプに吸引させた後、ニードルをニードルの先端部がニードルシール面と接触しない位置に移動させて、計量ポンプによりニードルを通してインジェクションポートに洗浄液を吐出・吸引させることによりニードルシール面を洗浄する洗浄動作を実行するオートサンプラも開示されている(例えば特許文献1参照)。
さらに、リンス液が収容された容器と、その容器に取り付けられた超音波振動子とを備えるリンスポートも開示されている(例えば特許文献2参照)。このようなリンスポートによれば、試料バイアルSから液体試料を採取した状態で、ニードル22aをリンスポート24内に挿入する。そして、振動周波数が20kHz以上80kHz以下となる超音波をリンス液に発生させる。超音波振動子によって発生した超音波は、コヒーレントでない疎密波であり、容器24aの内壁で反射されてリンス液に浸漬されたニードル22aを振動させる。これにより、振動が均一に伝わり、ニードル22aの外周面に残った余分な液体試料を除去することができる。その後、ニードル22aをインジェクションポート232のニードルシール32b内に挿入することになる。
さらに、リンス液が収容された容器と、その容器に取り付けられた超音波振動子とを備えるリンスポートも開示されている(例えば特許文献2参照)。このようなリンスポートによれば、試料バイアルSから液体試料を採取した状態で、ニードル22aをリンスポート24内に挿入する。そして、振動周波数が20kHz以上80kHz以下となる超音波をリンス液に発生させる。超音波振動子によって発生した超音波は、コヒーレントでない疎密波であり、容器24aの内壁で反射されてリンス液に浸漬されたニードル22aを振動させる。これにより、振動が均一に伝わり、ニードル22aの外周面に残った余分な液体試料を除去することができる。その後、ニードル22aをインジェクションポート232のニードルシール32b内に挿入することになる。
上述したようなLC201において、近年、検出器15の検出感度が高くなるにつれて「キャリーオーバー」と呼ばれる現象が問題になってきている。なお、「キャリーオーバー」とは、過去に測定した液体試料の成分が残留し、あたかも現在測定している液体試料中にその成分が存在するかのような検出結果を示す現象である。
出願人は、キャリーオーバー現象が起こる原因について検討した。そして、液体試料中に糖質やタンパク質や脂質等の高分子化合物が含まれている場合に、この高分子化合物の一部がニードル22aに残留することにより、その残留物が次に注入された液体試料に混ざって検出器15に導入されていることがわかった。
そこで、ニードル部の残留成分を除去するにあたり、紫外光によって分解することを見出した。
そこで、ニードル部の残留成分を除去するにあたり、紫外光によって分解することを見出した。
すなわち、本発明の試料注入装置は、液体試料を採取し、所定量の液体試料を移動相中に注入するための試料注入部と、先端部にニードルが形成され、末端部が前記試料注入部に連結された試料導入管と、前記ニードルを移動させるニードル駆動部と、前記ニードルを洗浄するための洗浄部とを備える試料注入装置であって、前記洗浄部は、紫外光を出射する光源を備えるようにしている。
ここで、「所定量」とは、分析時に測定者等によって決められる任意の量であり、例えば10μl等となる。
以上のように、本発明の試料注入装置によれば、高分子化合物を紫外光によって分解して低分子化するため、ニードルの洗浄効率が向上してキャリーオーバー現象を抑制することができる。
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明の試料注入装置において、前記洗浄部は、インジェクションポートであるようにしている。
また、本発明の試料注入装置において、前記洗浄部は、インジェクションポートであるようにしている。
また、本発明の試料注入装置において、前記洗浄部は、前記ニードル及びニードルシールに紫外光を照射するための鏡を備えるようにしている。
このような試料注入装置によれば、UV照射によって発生したO3により、ニードルやニードルシールに付着した高分子化合物が分解されて、洗浄効率を向上させることができる。
このような試料注入装置によれば、UV照射によって発生したO3により、ニードルやニードルシールに付着した高分子化合物が分解されて、洗浄効率を向上させることができる。
また、本発明の試料注入装置において、前記洗浄部は、リンスポートであるようにしている。
また、本発明の試料注入装置において、前記洗浄部は、前記ニードルに紫外光を照射するための鏡を備えるようにしている。
このような試料注入装置によれば、UV照射によって発生したO3により、ニードルに付着した高分子化合物が分解されて、洗浄効率を向上させることができる。
また、本発明の試料注入装置において、前記洗浄部は、前記ニードルに紫外光を照射するための鏡を備えるようにしている。
このような試料注入装置によれば、UV照射によって発生したO3により、ニードルに付着した高分子化合物が分解されて、洗浄効率を向上させることができる。
また、本発明の試料注入装置において、前記ニードルは、光触媒コーティングされるようにしている。
このような試料注入装置によれば、光触媒の強い酸化還元作用により、ニードルに付着した高分子化合物を分解して低分子化するため、ニードルの洗浄効率がより一層向上する。また、ニードルが強い親水性を示すため、分子サイズや有機無機等の種別を問わず、疎水性化合物の吸着が抑制される。
このような試料注入装置によれば、光触媒の強い酸化還元作用により、ニードルに付着した高分子化合物を分解して低分子化するため、ニードルの洗浄効率がより一層向上する。また、ニードルが強い親水性を示すため、分子サイズや有機無機等の種別を問わず、疎水性化合物の吸着が抑制される。
そして、本発明のクロマトグラフ装置は、上述したような試料注入装置と、前記試料注入部にカラム連結管を介して連結され、前記液体試料が注入された移動相が通過する分離用カラムと、前記分離用カラムに連結され、前記液体試料中の成分を検出する検出部とを備えるようにしている。
さらに、上記のクロマトグラフ装置において、前記試料注入部は、所定量の液体試料を採取するためのシリンジポンプと、前記シリンジポンプと前記試料導入管とを連結するか、或いは、前記試料導入管と前記カラム連結管とを連結するためのポートバルブとを備えるようにしている。
さらに、上記のクロマトグラフ装置において、前記試料注入部は、所定量の液体試料を採取するためのシリンジポンプと、前記シリンジポンプと前記試料導入管とを連結するか、或いは、前記試料導入管と前記カラム連結管とを連結するためのポートバルブとを備えるようにしている。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
<第一実施形態>
本発明に係る第一実施形態のクロマトグラフ装置の構成例として、LCを例にして図1及び図2にその概略構成を示す。なお、上述した従来のLC201と同様のものについては、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
LC1は、移動相を貯蔵する移動相貯槽10と、移動相貯槽10に連結された送液ポンプ11と、カラム連結管(カラムIN側配管)12と、カラム連結管12と連結された分離用カラム13と、分離用カラム13を略一定の温度に保つカラム恒温槽14と、分離用カラム13と連結された検出器(検出部)15と、移動相中へ液体試料を注入するオートサンプラ(試料注入装置)20と、LC1を制御する制御部40とを備える。
本発明に係る第一実施形態のクロマトグラフ装置の構成例として、LCを例にして図1及び図2にその概略構成を示す。なお、上述した従来のLC201と同様のものについては、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
LC1は、移動相を貯蔵する移動相貯槽10と、移動相貯槽10に連結された送液ポンプ11と、カラム連結管(カラムIN側配管)12と、カラム連結管12と連結された分離用カラム13と、分離用カラム13を略一定の温度に保つカラム恒温槽14と、分離用カラム13と連結された検出器(検出部)15と、移動相中へ液体試料を注入するオートサンプラ(試料注入装置)20と、LC1を制御する制御部40とを備える。
オートサンプラ20は、多数の試料バイアルSが配置されたテーブル21と、先端部にステンレス製のニードル22aが形成された試料導入管22と、ニードル22aを上下方向及び水平方向に移動させるニードル駆動部23と、ニードル22aを洗浄するためのリンスポート(洗浄部)24と、試料注入部30とを備える。
試料注入部30は、シリンジポンプ31と、ニードル22aを洗浄するためのインジェクションポート(洗浄部)32と、6つのポートa〜fを有する流路切換バルブ33と、7つのポートg〜mを有する流路切換バルブ34とを備える。
図3は、インジェクションポートの構成の一例を示す斜視図である。インジェクションポート32は、内周面に曲面鏡が形成された円柱形状の容器32aからなり、容器32a内には、ニードル22aが挿入されるためのニードルシール(極細流路)32bが底面に形成されるとともに、制御部40によって制御される光源32cが配置されている。
光源32cから出射される光の波長は、O3を充分に発生させるために、200nm以上380nm以下とすることが好ましい。また、光源32cの出射時間は、60秒以上とすることが好ましい。
このようなインジェクションポート32によれば、光源32cが200nm以上380nm以下の光を出射すると、出射された光は曲面鏡で反射されて容器32a内全体に伝搬し、このときO3が発生する。そして、このO3によって高分子化合物が酸化分解されることにより、ニードル22aやニードルシール32bの残留成分が除去される。
制御部40は、CPU41と入力部42とを備える。CPU41が処理する機能をブロック化して説明すると、オートサンプラ20を制御するオートサンプラ制御部41aと、検出器15からイオン強度信号を受信する分析制御部41bと、インジェクションポート32の光源32cを制御する洗浄部制御部41cとを有する。
洗浄部制御部41cは、ニードル22aがインジェクションポート32の容器32a内に挿入されたときに、光源32cを作動させる制御を行う。
洗浄部制御部41cは、ニードル22aがインジェクションポート32の容器32a内に挿入されたときに、光源32cを作動させる制御を行う。
ここで、上述したLC1を用いて多数の液体試料を自動的に連続して分析する分析方法について説明する。まず、制御部40のオートサンプラ制御部41aは、流路切換バルブ33及び流路切換バルブ34のポートa〜mを図2の状態に制御する。次に、オートサンプラ制御部41aは、ニードル22aの直下に所望の試料バイアルSがくるように移動させた後、ニードル22aを降下させて試料バイアルS内に挿入する。そして、オートサンプラ制御部41aは、シリンジポンプ31のプランジャ31bを引くことにより、試料バイアルS内の液体試料を試料導入管22内に充填する。
次に、オートサンプラ制御部41aは、ニードル22aの直下にインジェクションポート32を移動させた後、ニードル22aを降下させてインジェクションポート32のニードルシール32b内に挿入する。そして、オートサンプラ制御部41aは、流路切換バルブ33、34のポートa〜mを図1の状態に制御する。したがって、移動相貯槽10から送液ポンプ11を介して供給された移動相は、試料導入管22とニードル22aとニードルシール32bとを通ってカラム連結管12に送られる。このとき、試料導入管22内に充填されていた液体試料は、移動相と共にカラム連結管12に送り込まれ、分離用カラム13で成分分離された後に検出器15によって順次検出される。
そして、オートサンプラ制御部41aは、液体試料をカラム連結管12内に注入後、流路切換バルブ33、34のポートa〜mを図2の状態に制御する。次に、オートサンプラ制御部41aがニードル22aを上昇させてインジェクションポート32の容器32a内に配置した後に、洗浄部制御部41cが光源32cを所定時間作動させる。そして、オートサンプラ制御部41aは、ニードル22aを上昇させてニードル22aの直下にリンスポート24を移動させた後、ニードル22aを降下させてリンスポート24内に挿入する。
次に、オートサンプラ制御部41aは、プランジャ31bを抜き差しすることにより、試料注入部30の容器36内の洗浄液を試料導入管22内に流通させる。
その後、制御部40は、上記と同様の手順により次の液体試料を測定する制御を行う。
その後、制御部40は、上記と同様の手順により次の液体試料を測定する制御を行う。
以上のように、本発明の第一実施形態に係る構成を有したLC1によれば、UV照射により発生したO3によって、ニードル22aやニードルシール32bに付着した高分子化合物が分解されることにより、洗浄効率が向上してキャリーオーバー現象を抑制することができる。
<第二実施形態>
図4及び図5は、本発明の第二実施形態を適用したLCを示す概略構成図である。なお、上述した従来のLC1、201と同様のものについては、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
LC101は、移動相を貯蔵する移動相貯槽10と、移動相貯槽10に連結された送液ポンプ11と、カラム連結管(カラムIN側配管)12と、カラム連結管12と連結された分離用カラム13と、分離用カラム13を略一定の温度に保つカラム恒温槽14と、分離用カラム13と連結された検出器(検出部)15と、移動相中へ液体試料を注入するオートサンプラ(試料注入装置)120と、LC101を制御する制御部140とを備える。
図4及び図5は、本発明の第二実施形態を適用したLCを示す概略構成図である。なお、上述した従来のLC1、201と同様のものについては、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
LC101は、移動相を貯蔵する移動相貯槽10と、移動相貯槽10に連結された送液ポンプ11と、カラム連結管(カラムIN側配管)12と、カラム連結管12と連結された分離用カラム13と、分離用カラム13を略一定の温度に保つカラム恒温槽14と、分離用カラム13と連結された検出器(検出部)15と、移動相中へ液体試料を注入するオートサンプラ(試料注入装置)120と、LC101を制御する制御部140とを備える。
オートサンプラ120は、多数の試料バイアルSが配置されたテーブル21と、先端部にニードル122aが形成された試料導入管22と、ニードル122aを上下方向及び水平方向に移動させるニードル駆動部123と、ニードル122aを洗浄するためのリンスポート(洗浄部)124と、試料注入部230とを備える。
ニードル122aは、ステンレス製であり、表面に光触媒(例えば酸化チタン等)コーティングが施されている。
リンスポート124は、内周面に複数の平面鏡が形成された容器124aからなり、容器124a内には、水が収容されるとともに、制御部140によって制御される複数の光源124bが配置されている。
リンスポート124は、内周面に複数の平面鏡が形成された容器124aからなり、容器124a内には、水が収容されるとともに、制御部140によって制御される複数の光源124bが配置されている。
光源124bから出射される光の波長は、OHラジカルを充分に発生させるために、200nm以上380nm以下とすることが好ましい。また、光源124bの出射時間は、60秒以上とすることが好ましい。
このようなリンスポート124によれば、光源124bが200nm以上380nm以下の光を出射すると、出射された光は平面鏡で反射されて容器124a内全体に伝搬し、このときOHラジカルが発生する。そして、このOHラジカルや光触媒の酸化還元作用によって高分子化合物が酸化分解されることにより、ニードル122aの残留成分が除去される。
制御部140は、CPU141と入力部42とを備える。CPU141が処理する機能をブロック化して説明すると、オートサンプラ120を制御するオートサンプラ制御部141aと、検出器15からイオン強度信号を受信する分析制御部41bと、リンスポート124の光源124bを制御する洗浄部制御部141cとを有する。
洗浄部制御部141cは、ニードル122aがリンスポート124の容器124a内に挿入されたときに、光源124bを作動させる制御を行う。
洗浄部制御部141cは、ニードル122aがリンスポート124の容器124a内に挿入されたときに、光源124bを作動させる制御を行う。
ここで、上述したLC101を用いて多数の液体試料を自動的に連続して分析する分析方法について説明する。まず、制御部140のオートサンプラ制御部141aは、流路切換バルブ33及び流路切換バルブ34のポートa〜mを図5の状態に制御する。次に、オートサンプラ制御部141aは、ニードル122aの直下に所望の試料バイアルSがくるように移動させた後、ニードル122aを降下させて試料バイアルS内に挿入する。そして、オートサンプラ制御部141aは、シリンジポンプ31のプランジャ31bを引くことにより、試料バイアルS内の液体試料を試料導入管22内に充填する。
次に、オートサンプラ制御部141aは、ニードル122aの直下にインジェクションポート232を移動させた後、ニードル122aを降下させてインジェクションポート232のニードルシール32b内に挿入する。そして、オートサンプラ制御部141aは、流路切換バルブ33、34のポートa〜mを図4の状態に制御する。したがって、移動相貯槽10から送液ポンプ11を介して供給された移動相は、試料導入管22とニードル122aとニードルシール32bとを通ってカラム連結管12に送られる。このとき、試料導入管22内に充填されていた液体試料は、移動相と共にカラム連結管12に送り込まれ、分離用カラム13で成分分離された後に検出器15によって順次検出される。
そして、オートサンプラ制御部141aは、液体試料をカラム連結管12内に注入後、流路切換バルブ33、34のポートa〜mを図5の状態に制御する。次に、オートサンプラ制御部141aがニードル122aの直下にリンスポート124を移動後、ニードル222aを降下させてリンスポート124内に挿入した後に、洗浄部制御部141cが光源124bを所定時間作動させる。
次に、オートサンプラ制御部141aは、プランジャ31bを抜き差しすることにより、試料注入部230の容器36内の洗浄液を試料導入管22内に流通させる。
その後、制御部140は、上記と同様の手順により次の液体試料を測定する制御を行う。
その後、制御部140は、上記と同様の手順により次の液体試料を測定する制御を行う。
以上のように、本発明の第二実施形態に係る構成を有したLC101によれば、光触媒の強い酸化還元作用によってニードル122aに付着した高分子化合物を分解して低分子化することにより、ニードル122aの洗浄効率を向上させてキャリーオーバー現象を抑制することができる。また、光触媒コーティングを施したニードル122aは強い親水性を示すため、分子サイズや有機無機等の種別を問わず、疎水性化合物の吸着が抑制される。
本発明は、多数の液体試料を測定する液体クロマトグラフ装置等に利用することができる。
1: LC(クロマトグラフ装置)
12: カラム連結管
13: 分離用カラム
15: 検出器(検出部)
20: オートサンプラ(試料注入装置)
22: 試料導入管
22a: ニードル
23: ニードル駆動部
30: 試料注入部
32: インジェクションポート(洗浄部)
32c: 光源
12: カラム連結管
13: 分離用カラム
15: 検出器(検出部)
20: オートサンプラ(試料注入装置)
22: 試料導入管
22a: ニードル
23: ニードル駆動部
30: 試料注入部
32: インジェクションポート(洗浄部)
32c: 光源
Claims (8)
- 液体試料を採取し、所定量の液体試料を移動相中に注入するための試料注入部と、
先端部にニードルが形成され、末端部が前記試料注入部に連結された試料導入管と、
前記ニードルを移動させるニードル駆動部と、
前記ニードルを洗浄するための洗浄部とを備える試料注入装置であって、
前記洗浄部は、紫外光を出射する光源を備えることを特徴とする試料注入装置。 - 前記洗浄部は、インジェクションポートであることを特徴とする請求項1に記載の試料注入装置。
- 前記洗浄部は、前記ニードル及びニードルシールに紫外光を照射するための鏡を備えることを特徴とする請求項2に記載の試料注入装置。
- 前記洗浄部は、リンスポートであることを特徴とする請求項1に記載の試料注入装置。
- 前記洗浄部は、前記ニードルに紫外光を照射するための鏡を備えることを特徴とする請求項4に記載の試料注入装置。
- 前記ニードルは、光触媒コーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の試料注入装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の試料注入装置と、
前記試料注入部にカラム連結管を介して連結され、前記液体試料が注入された移動相が通過する分離用カラムと、
前記分離用カラムに連結され、前記液体試料中の成分を検出する検出部とを備えることを特徴とするクロマトグラフ装置。 - 前記試料注入部は、所定量の液体試料を採取するためのシリンジポンプと、
前記シリンジポンプと前記試料導入管とを連結するか、或いは、前記試料導入管と前記カラム連結管とを連結するためのポートバルブとを備えることを特徴とする請求項7に記載のクロマトグラフ装置。
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