JP2017205459A - 遊技機 - Google Patents

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市原 高明
Takaaki Ichihara
高明 市原
明彦 成吉
Akihiko Nariyoshi
明彦 成吉
肇 加藤
Hajime Kato
肇 加藤
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Abstract

【課題】 遊技興趣の低下を抑止することが可能な遊技機を提供する。【解決手段】 第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、該抽選手段によって当りの抽選結果が得られた場合に特典を付与する特典付与手段と、所定の表示部にて抽選の結果を示唆する演出表示を行う演出表示制御手段と、該特典付与手段による特典の付与後に、第2始動条件の成立割合が通常状態よりも高い特定状態に制御し得る状態制御手段と、を備え、演出表示制御手段は、通常状態中に第1始動条件の成立に基づく抽選が行われた場合に、当該抽選結果に応じた演出結果を表示部に表示させる演出結果表示手段と、特定状態中に少なくとも第1始動条件の成立に基づく抽選が行われた場合に、当該抽選に基づいて演出表示を行う以前から表示部に表示されている演出結果を継続して表示させる演出結果継続表示手段と、を有する。【選択図】 図99

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、遊技盤の前面に遊技領域を形成するとともに、該遊技領域に複数の始動口を設けた遊技機が知られている。このような遊技機では、遊技者が操作ハンドルを操作し、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球が複数の始動口のいずれかに入球すると、大当りとするか否かの抽選が行われる。そして、抽選の結果が大当りとなった場合には、遊技者に利益を付与する大当り遊技状態を発生させる。
また、複数の始動口として、第1始動口と、左右に一対の羽根部が設けられて開放条件が成立すると一対の羽根部を所定時間及び所定の開放回数に亘って左右に開閉させる第2始動口と、を備え、各々が遊技領域における離間した位置に設けられるものが提案されている(例えば、特許文献1)。
またこのような遊技機では、時短状態に移行制御された場合には通常時よりも羽根部の開放時間を延長させたり開放回数を増加させたりして、通常時には第2始動口への入球が発生し難くする一方、時短時には第2始動口への入球が発生し易くすることにより、通常時には第1始動口を狙う遊技が行われるようにするとともに、時短状態では第2始動口を狙う遊技が行われるようにしている。
特開2012−217636号公報
上記した遊技機では、例えば第1始動口よりも第2始動口の有利度合いを高めた場合には、時短状態の制御が開始されたにもかかわらず有利度合いの低い第1始動口への入球に伴う変動表示が実行されることがあり、この場合には遊技興趣の低下を招くおそれがあった。
本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、遊技興趣の低下を抑止することが可能な遊技機を提供することにある。
上記の目的を達成するため本発明は、第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段によって当りの抽選結果が得られた場合に特典を付与する特典付与手段と、
所定の表示部にて前記抽選の結果を示唆する演出表示を行う演出表示制御手段と、
該特典付与手段による前記特典の付与後に、前記第2始動条件の成立割合が通常状態よりも高い特定状態に制御し得る状態制御手段と、を備え、
前記演出表示制御手段は、
前記通常状態中に前記第1始動条件の成立に基づく前記抽選が行われた場合に、当該抽選結果に応じた演出結果を前記表示部に表示させる演出結果表示手段と、
前記特定状態中に少なくとも前記第1始動条件の成立に基づく前記抽選が行われた場合に、当該抽選に基づいて前記演出表示を行う以前から前記表示部に表示されている演出結果を継続して表示させる演出結果継続表示手段と、を有することを特徴とする。
このように、本発明によれば、遊技興趣の低下を抑止することが可能な遊技機を提供することができる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の左側面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を右前から見た斜視図である。 パチンコ機を左前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見た一部拡大図を含むパチンコ機の斜視図である。 他の形態を示すもので、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見た一部拡大図を含むパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 外枠の右側面図である。 外枠を前から見た斜視図である。 外枠を後ろから見た斜視図である。 外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠の左側面図である。 扉枠の右側面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。 図36B(a)のX−X線断面図である。 一部拡大図を含む図37AのY−Y線断面図である。 操作線無効化部材の他の形態を示す一部拡大分解図を含むファールカバーユニットの分解斜視図である。 操作線無効化部材の他の形態を示すファールカバーユニットの一部拡大図を含む横断平面図である。 操作線無効化部材の他の形態を示すファールカバーユニットの一部拡大図を含む横断平面図である。 (a)は操作線無効化部材の他の形態を示すファールカバーユニットの縦断正面図、(b)は同横断平面図である。 他の不正防止手段を示すファールカバーユニットの縦断正面図である。 (a),(b)は遊技球(ファール球)の正常な流れを示す図37Gの要部拡大図、(c)は不正球の逆進防止状態を示す図37Gの要部拡大図である。 ファールカバーユニットの平面図である。 操作線無効化部材の他の形態を示すファールカバーユニットの平面図である。 他の不正防止手段を示すファールカバーユニットの縦断正面図である。 (a)は図37KのZ部の拡大図、(b)はファール球が通過する状態を示す図37KのZ部の拡大図である。 (a)、(b)は操作線が無効化される状態を示す図37KのZ部の拡大図である。 (a)、(b)は操作線無効化部材を電動化した状態を示すもので、操作線が無効化される状態を示す図37KのZ部に相当する拡大図である。 操作線無効化部材の他の形態を示す要部の斜視図である。 (a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠の皿ユニットを見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図である。 皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作部ボタンユニットの進退方向から見た平面図である。 (a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。 (a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 (a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。 演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。 演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。 (a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。 (a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。 扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の背面図である。 本体枠を右前から見た斜視図である。 本体枠を左前から見た斜視図である。 本体枠を後ろから見た斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。 本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。 (a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。 (a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。 扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。 (a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。 基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。 (a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。 パチンコ機における遊技盤の正面図である。 V入賞装置の拡大図である。 始動口ユニットの拡大図であり、(A)正面図、(B)断面図、(C)断面斜視図である。 始動口ユニットの拡大図であり、(A)正面図、(B)断面図、(C)断面斜視図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 (a)は、主制御MPUによって実行されるメイン処理についてその手順を示すフローチャートであり、(b)は、主制御MPUによって定期的に行われる割り込み処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第一始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される事前判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第二始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第一特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第一特別図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される当り判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、当りについての抽選処理に用いられる当り判定テーブルであり、(B)は、大当りの種類についての抽選処理に用いられる大当り図柄決定テーブルであり、(C)は、小当りの種類についての抽選処理に用いられる小当り図柄決定テーブルである。 主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第一変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第一特別図柄変動処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第二特別図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第二特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第二変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される第二特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される大当り制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される小当り制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される小当り開始処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、第二大入賞口の開放パターンAを示すタイムチャートであり、(B)は、第二大入賞口の開放パターンBを示すタイムチャートである。 主制御MPUによって実行される小当り中処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される普通図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行されるゲート部通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される普通図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、普図当りについての抽選処理に用いられる普図当り判定テーブルであり、(B)は、普図当り時の開放パターンについての決定処理に用いられる普図当り時開放パターンテーブルである。 主制御MPUによって実行される普通図柄変動パターン決定処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される普通図柄変動処理についてその手順を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される普通図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、第二始動口の開放パターンAを示すタイムチャートであり、(B)は、第二始動口の開放パターンBを示すタイムチャートである。 主制御MPUによって実行される普通電動役物開放処理についてその手順を示すフローチャートである。 周辺制御MPUによって実行されるサブメイン処理についてその手順を示すフローチャートである。 周辺制御MPUによって実行される16mS定常処理についてその手順を示すフローチャートである。 周辺制御MPUによって実行される演出制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 周辺制御MPUによって実行される大当り演出処理についてその手順を示すフローチャートである。 周辺制御MPUによって実行される演出図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、演出当りについての抽選処理に用いられる演出当り判定テーブルであり、(B)は、演出図柄の変動パターンとして演出図柄の変動時間が設定される演出図柄変動パターンテーブルである。 周辺制御MPUによって実行される演出図柄変動パターン決定処理についてその手順を示すフローチャートである。 周辺制御MPUによって実行される演出図柄変動処理についてその手順を示すフローチャートである。 周辺制御MPUによって実行される演出図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 大当り遊技中におけるサブ演出表示装置の演出表示の一例である。 時短状態中におけるメイン演出表示装置の演出表示の一例である。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10A、図10Bは、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図90を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル182とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、電源基板630や払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ(図示しない)と、基板ホルダの後面に取付けられており主制御基板1310を有している主制御ユニット(図示しない)と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット(図示しない)と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能なメイン演出表示装置1600と、遊技領域5aのメイン演出表示装置1600の下方に配置されており所定の演出画像を表示可能なサブ演出表示装置1700と、遊技パネル1100の前面に取付けられる各種入賞口2001a〜e,2002,2004,2005a〜b,2006a〜b、ゲート2003,2007、上センター役物2500、下センター役物2600、遊技状態に応じて発光演出を行うことが可能なサイドランプ1801,1802と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット(図示しない)と、を備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘と、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001a〜e、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005a,bと、遊技球Bが通過しても遊技者に対して所定の特典(普通図柄表示器1402における普通図柄の変動表示)を付与することのないダミーゲート2007と、常に閉鎖状態とされて遊技球Bを受け入れることのないダミー一般入賞口2006a,bと、を備えている。障害釘は、遊技パネル1100の前面に植設されている。なお、左中一般入賞口2001bは可動片2001b1,2001b2を備えるとともに、この可動片2001b1,2001b2が閉じた状態でも上方からの遊技球Bを受け入れ可能となっている。ただし、可動片2001b1,2001b2は開閉動作されることなく常に閉じた状態とされ、入賞割合が一定に保たれるようになっている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル182の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に所定の演出画像を表示させたり、サイドランプ1801,1802に発光演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
本実施形態のパチンコ機1は、後述する上皿201に遊技球を貯留した状態で遊技者がハンドル182を回転操作すると、球発射装置540によってハンドル182の回転角度に応じた強さで打ち出される遊技球が、発射レール544と外レール1001と内レール1002とによる発射通路部1012で形成された発射球通路を通って遊技盤5の遊技領域5a内へ案内される。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、前記一般入賞口2001等に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が後述する払出装置580によって球用開口から上皿201に払出される。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、遊技領域5aに到達不能な強さ、つまり弱い発射力で発射された遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、図10A、図37Aに示したように、発射レール544の端部(終端部)と外レール1001の端部(始端部)との間に開設されたファール球落下口1013に落下し、それが後述する返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150のファール球受部150cに受けられ、ファールカバーユニット150内を通って球用開口たる下皿球供給口211cから下皿202に排出される。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図13乃至図18を参照して説明する。図13はパチンコ機における外枠の正面図であり、図14は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図16は外枠を前から見た斜視図であり、図17は外枠を後ろから見た斜視図である。図18は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2−1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、夫々が上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2−2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bが夫々挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2−3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cが夫々挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、無数の小穴を有したパンチングメタルにより形成されている。ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間からスピーカのエンクロージャ内の音が漏れるのを防止するものである。
[2−4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21(a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2−5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図22乃至図30を参照して詳細に説明する。図22はパチンコ機における扉枠の表面図であり、図23は扉枠の背面図であり、図24は扉枠の左側面図であり、図25は扉枠の右側面図である。図26は扉枠を右前から見た斜視図であり、図27は扉枠を左前から見た斜視図であり、図28は扉枠を後ろから見た斜視図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けらている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット400と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット410と、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられているハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。
また、ファールカバーユニット150は、球発射装置540により弱い発射力で発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル182を備えており、ハンドル182を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられておりハンドルユニット180を取付けるためのハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット400が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット410が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、夫々取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101bと、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入される挿入凹部101cと、挿入凹部101cにおいて前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3−1b.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材102は、扉枠ベース101の前面にハンドルユニットを取付けるためのものであり、扉枠ベース101の前面のハンドル取付座面101bに取付けられる。
ハンドル取付部材102は、前後方向へ延びた円筒状の筒部102aと、筒部102aの後端から筒部102aの軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部102bと、筒部102a内に突出していると共に筒部102aの軸方向全長に亘って延びており筒部102aの周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条102cと、筒部102aの外周面とフランジ部102bの前面とを繋ぎ、筒部102aの周方向に対して複数配置された補強リブ102dと、を備えている。
ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面を、扉枠ベース101におけるハンドル取付座面101bの前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面101bに取付けられる。
筒部102aは、内径がハンドルユニット180におけるハンドルベース181の基部181aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条102cは、一つが筒部102aの上部に備えられており、残り二つが筒部102aの下部に備えられている。これら三つの突条102cは、ハンドルベース181における三つの溝部181cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材102は、三つの突条102cと、ハンドルベース181の三つの溝部181cとを一致させた状態でのみ、筒部102a内にハンドルベース181の基部181aを挿入させることができ、扉枠ベース101に対してハンドルベース181(ハンドルユニット180)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面に対して、筒部102aの軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース101の傾斜しているハンドル取付座面101bに取付けることで、筒部102aの軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット180を同様に傾いた状態で扉枠ベース101に取付けることができる。
[3−1c.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3−1d.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図32及び図33等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図83及び図84を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びているが扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3−1e.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3−1f.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、夫々一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面している夫々の辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101の挿入凹部101c内に挿入された状態となる。
[3−1g.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1h.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図22等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠側下ヒンジ部材の扉枠用ヒンジ孔に挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1i.シリンダ錠]
扉枠ベースユニット100のシリンダ錠130について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、後述する施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後側に取付けられており鍵穴132に挿入され正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が皿ユニット200における皿ユニット本体252のシリンダ挿通口252hの前端と略一致した状態となる(図22等を参照)。
[3−1j.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145が夫々配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態(待機位置に留まった状態)となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、待機位置である仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動桿146と、球送給作動桿146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動桿146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動桿146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図35(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動桿146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動桿146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が待機位置にある遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図103を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニットの上皿球抜ボタンを下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダが作動伝達部と共に下方へスライドし、作動伝達部の下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部と共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネ243によって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネ243によって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に第1の不正防止手段たる操作線無効化部材700が収容されるように取付けられている。球送給ユニット140の操作線無効化部材700は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。なお、ここで、操作線の無効化とは、操作線を切断又は挟止(挟んで止める)又は絡める(巻き取る)又はホットメルト等で接着する等して不正球の操作が正常に行えない状態にすることをいう。
操作線無効化部材700は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している第一片部701及び第二片部702と、第一片部701及び第二片部702の互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部703と、を備えている。操作線無効化部材700の第一片部701は、操作線無効化部材700の平板面に対して、図35(a)において正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。一方、第二片部702は、操作線無効化部材700の平板面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、第一片部701と第二片部702とによって、右方に向かうに従ってV字状に広がる剪断部700vを形成している。
操作線無効化部材700は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、第一片部701と第二片部702とで形成されるV字状の剪断部700vが打球供給口142a内と連通した状態となる。
この操作線無効化部材700によれば、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を、上皿201から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正球に取付けられた上皿201側に出ている操作線を操作して、不正球を用いて不正な球流路を形成したり、不正球を第一始動口2002等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により遊技領域5aに到達可能な強さで発射(打球)された不正球の勢いによって、不正球に取付けられた操作線を、第一片部701と第二片部702との間に挿入させた上で、第一片部701と第二片部702とによって形成された剪断部700vの狭くなった部位によりハサミのごとくに切断させることができ、そうして操作線を無効化して不正球を用いた不正行為が行われるのを抑止することができる。
なお、球送給ユニット140に設けられる第1の不正防止手段としては、上記した形態のものに限らず、他の形態であってもよい。例えば、不正球に取付けられた操作線を切断或は狭止して、不正行為を抑止する構成であれば、金属板を上述と異なる形態に屈曲させたり、折り曲げた操作線無効化部材700を設ける構成としてもよいし、不正球に取付けられた操作線を切断或は狭止し得る形状を有した樹脂成型部材を、金属板に代えて設ける構成としてもよい。
また、不正球がアクリル等の合成樹脂製である場合には、球送給ユニット140の前記待機位置(前記仕切部143a上)にある金属製の遊技球を非接触タイプ(例えば近接スイッチ)のセンサーで検知し、その検知信号を電動送給手段たる球送給ソレノイド145の駆動条件に加えることで不正球の発射自体を防止することができる。非接触タイプのセンサーでは合成樹脂製の不正球が検知されず、球送給ソレノイド145が球送給用の駆動を行わないためである。
[3−1k.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図36A及び図36Bを参照して詳細に説明する。図36A(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図36B(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。
ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により所定の力(遊技領域5aに到達可能な発射力)より弱い力(遊技領域5aに到達不能な発射力)で発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610aと皿ユニット200の球用開口である上皿球供給口211aとを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bと連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置540で発射レール544から発射されたにも関わらず勢い不足で遊技領域5a内へ到達することなく該発射レール544と外レール1001の間に形成されたファール球落下口1013に落下した遊技球B(ファール球)を受けるファール球受部150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受部150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニット200の球用開口たる下皿球供給口211cと連通する球放出口150dと、該球放出口150d(厳密には後述する貯留通路150e)と前記ファール球受部150cとをつなぐ連絡通路150hと、を備えている。この連絡通路150hは、ファール球受部150cの底壁150gの下側に該底壁150gとは逆の勾配にして配設された上部通路壁150iと、該上部通路壁150iから遊技球ほぼ1個分の間隔を離して平行に配設された下部通路壁150jとからなり、始端部がファール球受部150cの底壁150gの下傾端部に上向きに開口し、終端部が貯留通路150eに対して下向きに開口する。
なお、発射レール544と外レール1001の間に開設されたファール球落下口1013からファール球受部150cと連絡通路150hと貯留通路150eを通って球放出口150dに至る一連の通路がファール球返却通路であり、これら一連の要素によって返却通路部1014が形成される。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受部150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受部150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図91を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
また、ファールカバーユニット150には、前記操作線Lを取付けた不正球Qによる不正を抑止するための第2の不正防止手段たる操作線無効化部材7000が設けられ、同じく前記発射レール544と外レール1001の間に開設されたファール球落下口1013には第3の不正防止手段たる操作線無効化部材7000H,7000Sが設けられている。
ファールカバーユニット150に設けられた第2の操作線無効化部材7000は、連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの間の内部空間であって、図37B拡大図に示したようにユニット本体151の取付孔151h及び蓋部材152の取付孔152hに両横の凸部7001が嵌合支持され且つ上部通路壁150iの上面に固着(接着)して取り付けられ、さらに、安全上の配慮から従業員や遊技機組立作業員等の手が接触困難なように、ユニット本体151及び蓋部材152によって外部からカバーして収容されている。
具体的な操作線無効化部材7000は、前記球送給ユニット140に設けられた前記操作線無効化部材700と同等の構成要素を備えており、図35の屈曲した第一片部701に相当する第一片部7010と、真っ直ぐな第二片部702に相当する前記凸部7001から延設された第二片部7020とによって、連絡通路150hの球の流下方向と対向する向きに開口するV字状の剪断部7000vが形成されている。
なお、実施形態のファールカバーユニット150は、図37B拡大図に示したように、操作線無効化部材7000の前記V字状の剪断部7000vの中心が、ファールカバーユニット150を構成する蓋部材152の内面とほぼ面一になるように配設されると共にファール球受部150cの底壁150gと連絡通路150hの上部通路壁150iとの折り返し部分に操作線無効化部材7000の剪断部7000vに向けて操作線Lを誘導し得るテーパ状の誘導部150kが設けられている。具体的にはファール球受部150cの底壁150gは、その上面を遊技球が流下するに必要な面幅を有しつつ、上部通路壁150iとの折り返し部分に、蓋部材152側に向けて操作線無効化部材7000側に下る第一の傾斜部150kaと、その第一の傾斜部150kaに連続するように蓋部材152沿いに操作線無効化部材7000の剪断部7000vに向かって幅が狭くなる先窄み形状(操作線Lを捕獲し得る形状)の第二の傾斜部150kbと、からなるテーパ状の誘導部150kを有している。そして、この誘導部150kに不正球Qの転がりや外部からの引張りで張力を受けた操作線Lが巻回状に摺接すると、操作線Lに加わる張力によって前記第一の傾斜部150kaから第二の傾斜部150kbを滑るようにして該操作線Lが操作線無効化部材7000に誘導される。これにより、操作線Lを操作線無効化部材7000で確実に捉えることができる。このようにして正常なファール球の円滑な流下と、不正球Qに取り付けられた操作線Lの誘導を担っている。なお、操作線Lをより捕獲しやすくするために、誘導部150kの第一の傾斜部150kaと第二の傾斜部150kbの角部を湾曲状に形成しておくようにしてもよい。
ファールカバーユニット150に設けられた第2の操作線無効化部材7000は以上のように構成されているため、下皿球供給口211cから遊技領域5aに連通する空間を用いて、操作線Lを取付けた不正球Qを遊技領域5aに侵入させるとともに、下皿球供給口211c側に出ている操作線Lを操作して、不正球Qを用いて不正な球流路を形成したり、不正球Qを第一始動口等に出し入れさせるような不正行為を抑止することができる。
例えば、下皿球供給口211cからセル板等の専用工具を使って不正球Qを返却通路部1014に押し込んで逆流させて球発射装置540の発射位置に送り込むような不正行為(以下「不正行為A」という。)が行われた場合、不正球Qが連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの折り返し部分を越えて発射レール544の発射位置に向かうと、それに引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが同折り返し部分に沿ってUターン状に回り込む。そうすると操作線Lが、誘導部150kのテーパに沿って操作線無効化部材7000に案内され、第一片部7010と第二片部7020によるV字状の剪断部7000vに入り込んで最終的に切断され、結果的に操作線Lが操作できなくなるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。
また、操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口142aから発射位置に送り込み、それを意図的にファール球にして、球用開口である下皿球供給口211cからファール球となった不正球に繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為(以下「不正行為B」という。)が行われた場合にも、連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの折り返し部分に存在する操作線Lが、後続の不正球Qの発射により引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが同折り返し部分に押し付けられ、上記と同様に操作線Lが剪断部7000vに入り込んで切断され、結果的に操作線Lが操作できなくなるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。なお、図37A、図37Bは、不正行為Bが行われた場合を想定した説明図である。また、上記した不正行為Bに対しては、第1の不正防止手段たる操作線無効化部材700等がファール球となる不正球Qに十分に効果を発揮できない可能性(例えば、ファール球となる程度の強さで不正球Qが発射されても操作線Lが第1の不正防止手段で無効化されない可能性)もあるため、本実施形態は、第1の不正防止手段による不正対策を補強する効果も有している。このため、不正行為Bを対象にする場合には、第1、第2の不正防止手段たる操作線無効化部材700,7000、さらには後述する第3の不正防止手段たる操作線無効化部材7000H,7000Sを適宜併用することが好ましく、第1の操作線無効化部材700と、それとは別の第2の操作線無効化部材7000或は第3の操作線無効化部材7000H,7000Sを一台のパチンコ機1に一緒に設けるとよい。この場合、第1の操作線無効化部材700と第2の操作線無効化部材7000は、扉枠3側に一緒に且つ外部に露出しない状態に設けられているため目立ちにくく、従って球詰まり等のトラブルで扉枠3を開いても不正対策情報が漏れにくい。また、操作線無効化部材700,7000は、切れ味の低下等が防犯性能を左右するため、扉枠3と一緒に交換されるようにすれば防犯性能を維持することが容易である。
ところで上記した第1、第2の不正防止手段たる操作線無効化部材700,7000は、剪断部700v,7000vによって操作線Lを切断して無効化するものであるが、操作線Lを挟止させる、すなわち操作線Lを例えば二枚の金属板7011,7022間に挟み込んで柔軟な操作線Lを押し引き不能又は押し引き困難な状態にして操作線Lに繋がる不正球Qを容易に操作できないように無効化するようにしてもよい。
具体的には、例えば図37C、図37Dに示したように操作線無効化部材7000を図37C拡大図の斜線部で接合した二枚の金属板7011,7022で形成し、該金属板7011,7022の先端の非接合部前半をV字状に拡開させて導入案内部7033とし、非接合部後半を挟止部7044とする。このような操作線無効化部材7000は、蓋部材152の内面に固着して取り付けられ、さらに、安全上の配慮から従業員や遊技機組立者等の手に接触困難なように、ユニット本体151及び蓋部材152によって外部からカバーして収容されている。
かかる操作線無効化部材7000によれば、図37D拡大図に示したように操作線Lが、不正球Qに引っ張られて連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの折り返し部分をUターン状に回り込むとき、同折り返し部分の誘導部150kのテーパに沿って操作線無効化部材7000に案内され、金属板7011と金属板7022の非接合部後半の挟止部7044によってピンセットのごとくに挟まれて挟止される。
これにより、前述した不正行為Aにより下皿球供給口211cから逆流した不正球Qが発射レール544の発射位置に到達すること、或は、不正行為Bにより意図的にファール球にした不正球Qが球用開口である下皿球供給口211cに到達することを抑制することが可能になると共に、仮にそこまで到達したとしても、操作線Lが操作線無効化部材7000に挟まれた状態にあるため、下皿球供給口211cから柔軟な操作線Lをいくら押し入れようとしてもそこで弛むのみであって結果的に操作線Lの繰り出し量が調整できない(遊技領域5aにぶら下がった不正球Qの高さが調整できない)ようになるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、二枚の金属板7011,7022の先端の非接合部前半をV字状に拡開させて導入案内部7033とし、非接合部後半を挟止部7044とする構成としたが、これに代えて、一枚の金属板を板面を重ねるように折り曲げて、折り曲がった一方の板面の先端部分をV字状に拡開させて導入案内部7033(誘導部)とし、両板面の挟幅部分を挟止部7044とする構成としてもよい。これにより、上述の不正抑止効果と同様の効果を奏しつつ、金属板の部品点数を減らすことによる組付作業効率を向上させることができる。
また、操作線Lを挟止させる操作線無効化部材7000は、図示しないが図37Dの第二の傾斜部150kbの隙間に両面テープを設置するか或は硬化しない性質の粘着剤を充填するなどして粘着部を形成し、そうして第二の傾斜部150kbに誘導された操作線Lが該粘着部に接着されて動けなくなるようにしてもよい。
また、操作線Lを挟止させる操作線無効化部材7000は、二枚の金属板7011,7022からなる上記のものを、図37Eに示したようにコイルスプリングに変更し、このコイルスプリングを、前記誘導部150kの第二の傾斜部150kbの誘導方向と自己の中心軸線とが略直交するように設置して形成してもよい。かかるコイルスプリングの隣合うコイル同士の間に第二の傾斜部150kbで案内された操作線Lが嵌り込んで挟止される。
なお、コイルスプリングは、引張りコイルスプリングや捩りコイルスプリングのような無荷重時に隣合うコイル同士が当接している構造のものが、圧縮コイルスプリングのように圧縮状態にして設置する必要があるものに比べて設置作業上有利である。
また、コイルスプリングは、無荷重時の真っ直ぐな状態で設置してももちろんよいが、図37Eに示したように操作線Lの進入側のコイル同士が若干拡開する向きに湾曲させて設置する方が、操作線Lの進入が円滑になるため好ましい。
このように操作線無効化部材7000をコイルスプリングで形成した場合には、安価に製造できるため低コストにすることができる。
また、上記の操作線無効化部材7000に対し、球用開口(下皿球供給口211c)からセル板等の異物を差し込んで該セル板で操作線無効化部材7000への誘導部150kを塞ごうとするさらなる不正工作が考えられるが、これに対応すべく上述した実施形態では、ファール球の返却通路部1014の進路変更部分(本実施形態では下皿球供給口211c直上に対応する部分)に、かかるセル板(異物)が入り込むスリット1015を形成している(図37A参照)。これにより、球用開口(下皿球供給口211c)から異物を差し込んで誘導部150kを塞ごうとするさらなる不正工作も抑止することができる。なお、球用開口(下皿球供給口211c)からセル板等の異物を差し込んで誘導部150kを塞ごうとする不正工作の対応としては、上述のスリット1015のようにセル板等の異物を取り込む取り込み口を形成するものに限らず、図37Aに二点鎖線で示したように、セル板等の異物を衝突させて誘導部150kまでの到達を阻害する突起状の障害部1016を設ける構成として、さらに高度な不正防止が達成できるようにしてもよい。
また、これまで説明した第1、第2の操作線無効化部材700,7000は、操作線Lの進入を待って無効化する静的構造になっているが、図37K、図37L、図37M、図37N、図37Pに示したように、不正球Qの存在によって操作線Lを積極的に無効化する動的な操作線無効化部材7000Dにしてもよい。
図37K、図37L、図37Mは、動的な操作線無効化部材7000Dの一つの具体例を示したものであり、その操作線無効化部材7000Dは、ファール球返却通路(返却通路部1014)の進路変更部(下皿球供給口211c直上に対応する角部)に揺動可能に軸着されている。
すなわち、操作線無効化部材7000Dは、図37Kにおいて、水平な板状の球受部2645と、該球受部2645の右端に垂直に突設した板状の無効化部2646と、球受部2645と無効化部2646が交わる角部に形成した軸孔2647と、無効化部2646の上縁から右側に突設された前記軸孔2647を中心とする弧状の球止部2648と、を有し、前記軸孔2647にファールカバーユニット150に植設された支持軸2649が回転自在に挿通されていて、図37L(a)の球受け姿勢から反時計回りに約90゜回転した図37L(b)のリリース姿勢に揺動し得る。また、操作線無効化部材7000Dには、前記球受部2645と無効化部2646の軸孔2647を挟んだ反対側にバランスウェイト2650が設けられており、該バランスウェイト2650の付勢によって球受部2645に外力(具体的には遊技球1個分の荷重)が作用しない状態で図37L(a)の球受け姿勢が保たれ、一方、球受部2645に遊技球1個分の荷重が作用したとき図37L(b)のリリース姿勢に揺動するようになっている。
また、操作線無効化部材7000Dの無効化部2646の端縁は、軸孔2647を中心に旋回してファール球返却通路(返却通路部1014)を横切る交差辺部2651になっており、操作線無効化部材7000Dが図37L(b)のリリース姿勢に揺動したとき該交差辺部2651がファール球返却通路の受部2652に嵌まるようになっている。
以上の動的な操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に通常のファール球が流入した場合は、該ファール球が図37L(a)のようにファール球返却通路の連絡通路150hを流下し、進路変更部で下向きに進路を変えた直後に球受け姿勢にある操作線無効化部材7000Dの球受部2645に載る。このファール球の荷重により操作線無効化部材7000Dが支持軸2649を中心に反時計回りに回動して図37L(b)のリリース姿勢に変わる。そうすると操作線無効化部材7000Dの球受部2645に載っていたファール球が下流の貯留通路150eに放出されるため、該ファール球から解放された操作線無効化部材7000Dがバランスウェイト2650の付勢により元の球受け姿勢に復動する。
なお、まれに複数のファール球が一度に発生する場合があるが、そうした場合でも先のファール球が操作線無効化部材7000Dで処理される間、後のファール球が図37L(b)のように弧状の球止部2648で止められ、操作線無効化部材7000Dが復動してから続けて処理される。したがってファール球が複数個同時に発生しても、一個ずつ順番に支障なく処理することができる。
次に、動的な操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に上記した不正行為B(操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口142aから発射位置に送り込み、その不正球を意図的に弱く発射することによりファール球にして球用開口である下皿球供給口211cから取り出し、さらにその不正球に繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為)による不正球Qが流入した場合は、該不正球Qが図37M(a)のように連絡通路150hを流下し、進路変更部で下向きに進路を変えた直後に球受け姿勢にある操作線無効化部材7000Dの球受部2645に載る。そしてこの不正球Qの荷重により操作線無効化部材7000Dが支持軸2649を中心に反時計回りに回動して図37M(b)のリリース姿勢に変わる。このとき操作線無効化部材7000Dの無効化部2646も回動し、その端縁の交差辺部2651がファール球返却通路を横切って通路側の受部2652に嵌まるが、交差辺部2651がファール球返却通路を横切る際、そこを通る操作線Lも当然に横切るため、該操作線Lが図37M(b)のように交差辺部2651と受部2652の間に挟まって動けない状態(挟止)になる。そうすると操作線Lに繋がっている不正球Qが落下不能になるため、操作線無効化部材7000Dの球受部2645が不正球Qから解放されずにリリース姿勢を継続することになる。もちろん操作線無効化部材7000Dは、球用開口たる下皿球供給口211cから手を入れても届かない位置にあるため、この位置に止まる不正球Qが外部から取り出されるおそれはない。
なお、交差辺部2651と受部2652の間で操作線Lを蛇行させるなどして操作線Lの逆進が困難になるようにしておけば、操作線無効化部材7000Dに捕捉された状態の不正球Qを打球供給口142a側に引き戻すことも困難になる。これにより操作線無効化部材7000Dに残った不正球Qを証拠球として保存・回収することができる。
以上の動的な操作線無効化部材7000Dは、不正球Qの自重を利用したものであるが、該操作線無効化部材7000Dを図37Nに示したように電動駆動手段で作動させるようにしてもよい。
すなわち図37Nの操作線無効化部材7000Dは、前記のバランスウェイト2650を設けた部分に電動駆動手段たるソレノイド2653のプランジャ2654を連結すると共に操作線無効化部材7000Dの無効化部2646に球検出器2655を設けてなり、球受部2645に遊技球が載ってそれが球検出器2655によって検出されるとソレノイド2653のプランジャ2654が上昇して操作線無効化部材7000Dが球受け姿勢からリリース姿勢に変化し、また、球受部2645から遊技球が放出されてそれが球検出器2655によって検出(遊技球有りから無しへの信号の変化)されるとソレノイド2653のプランジャ2654が下降して操作線無効化部材7000Dがリリース姿勢から球受け姿勢に復動するようになっている。
斯かる操作線無効化部材7000Dの球受部2645に正常なファール球が載った場合は、ファール球の発生と放出が球検出器2655の信号の変化によって検出され、それを受けてソレノイド2653が適宜作動するため、自重利用の操作線無効化部材7000Dと同様にファール球が一個ずつ処理される。
一方、操作線無効化部材7000Dの球受部2645に不正球Qが載った場合は、不正球Qが球検出器2655で検出されるため、ソレノイド2653のプランジャ2654が上昇して操作線無効化部材7000Dが不正球Qを伴ってリリース姿勢に変化するものの、上記のように操作線Lが無効化部2646の交差辺部2651と受部2652に挟止されて不正球Qが落下せず、球検出器2655から放出の信号が発せられないため、ソレノイド2653のプランジャ2654が上昇位置に止まる。よって不正球Qが狙った球用開口から取り出せないため、不正を未然に防止することができる。
なお、上記した動的な操作線無効化部材7000Dは、無効化部2646の交差辺部2651及び/又は受部2652に切断刃を設けておくことにより、操作線Lを切断して無効化することができる。また、実施形態の操作線無効化部材7000Dは、球受部2645が返却通路部104を塞いだ状態で球用開口側からの不正球Qの侵入を阻止する機能を有するため、後述する不正球逆進防止手段として利用することもできる。よって、より高い不正防止機能を発揮する。
また、動的な操作線無効化部材7000Dは、上記の構成以外にも、例えば無効化部を、直線的に進退して連絡通路150hを開閉するシャッター板構造に形成すると共にそのシャッター板の先端をファール球返却通路を横切る交差辺部となし、また、連絡通路150hの流路の途中であって前記交差辺部の可動領域より下流に球検出器を設置すると共に交差辺部の可動領域を通過した後の不正球Qを該球検出器で検出して無効化部を作動させるようになし、そうして連絡通路150hを横切った交差辺部で操作線Lを挟止又は切断させるようにしてもよい。
また、上記した動的な操作線無効化部材7000Dは、球送給ユニット140の第1の操作線無効化部材700に適用することもできる。具体的には、球送給ユニット140に設けられている球送給ソレノイド145を操作線無効化部材7000Dのソレノイド2653に置き換え、球送給部材144を操作線無効化部材7000Dに置き換える。この場合、不正球Qが球送給ユニット140内に止まって球発射装置540へ供給されなくなるため、不正抑止効果を確実に高めることができる。
また、図37Pは、動的な操作線無効化部材7000Dであって、操作線Lを巻き取って無効化するものである。
すなわち、この操作線無効化部材7000Dは、ファールカバーユニット150の連絡通路150h内に該通路と直交する向きの回転軸2656を中心に回転し得るように取り付けられた角リング状の無効化部2646と、該無効化部2646を回転させる電動駆動手段たるモーター2657と、該無効化部2646の連絡通路150hを横切る横棒を交差辺部2651として該交差辺部2651の可動(回転)領域より下流に設けられた球検出器2655と、からなり、該球検出器2655でファール球が検出される度に無効化部2646を1回転させるようにしたものである。
斯かる操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に通常のファール球が流入した場合は、該ファール球が連絡通路150hに入って無効化部2646を潜り抜け、そのファール球が球検出器2655で検出されることで無効化部2646が1回空回りするが、ファール球はそのまま流下して球用開口から外部に放出される。
一方、この操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に上記した不正行為Bによる不正球Qが流入した場合は、不正球Qが無効化部2646を潜った時点で操作線Lも無効化部2646を通るため、不正球Qが球検出器2655で検出されて無効化部2646が1回転すると操作線Lが無効化部2646に巻き付く。したがって不正球Qが連絡通路150h内に止まるため、不正者の手に渡るおそれがない。
なお、不正球Qを検出する球検出器2655は、不正球Qに付された操作線Lの張力を受けて変位するものでもよく、そうした場合は、不正球Qを確実に検出することができるため、前記した操作線Lを巻き取る操作線無効化部材7000Dの無駄な空回しをなくすることができる。
以上、動的な操作線無効化部材に関する実施形態の説明には、次のような技術的思想が含まれる。
「遊技球で遊技を行う遊技領域と、
遊技球を発射する球発射装置と、
前記球発射装置の発射位置から前記遊技領域に連通する発射球通路を形成する発射通路部と、
前記発射球通路の途中に開設されたファール球落下口と機前の外部に遊技球を放出する球用開口とを結ぶファール球返却通路を形成する返却通路部と、
不正球に付された操作線の機前からの操作を防止し得る不正防止手段と、を備え、
前記不正防止手段は、前記操作線を挟止又は切断又は巻き取って無効化する操作線無効化部材であり、
該操作線無効化部材は、遊技球の前記ファール球返却通路を横切る交差辺部を備えると共に前記不正球が該交差辺部の可動領域を通過した後に該交差辺部を作動させて前記ファール球返却通路を横切らせるようになし、そうして前記交差辺部で前記ファール球返却通路を通る前記操作線を挟止又は切断又は巻き取って無効化するものであることを特徴とする遊技機。」
次に、前記したファール球落下口1013に設けられた第3の不正防止手段は、図10A、図10B、図37A、図37I、図37Jに示したように、発射レール544の端部(終端部)に設けられた操作線無効化部材7000Hと外レール1001の端部(具体的には樹脂製のレール基台1001x)に設けられた操作線無効化部材7000Sとからなる。
発射レール544の飛び出し側の端部に設けられた操作線無効化部材7000Hは、鋭利な切断刃であり、その刃先に作業者の手が直接触れないように金属製の三角プレートを櫛歯状に並べた安全カバー部1017でカバーしてなる。なお、切断刃は、この安全カバー部1017によって支持されている。
したがって、前記のように、下皿球供給口211cからセル板等の専用工具を使って不正球Qを返却通路部1014に押し込んで逆流させ、球発射装置540の発射位置に送り込むような不正行為Aが行われた場合、不正球Qが発射レール544の端部に載って傾斜により転がって発射位置に向かうと、それに引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが操作線無効化部材7000Hの切断刃に触れて切断される。よって操作線Lが操作できなくなる。
また、操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口142aから発射位置に送り込み、それを意図的にファール球にして球用開口である下皿球供給口211cから不正球Qに繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為Bが行われた場合にも、不正球Qがファール球となって返却通路部1014を落下する過程で操作線Lが操作線無効化部材7000Hの切断刃に触れるため、その段階で切断される。よって操作線Lが操作できなくなる。
一方、外レール1001を構成する樹脂製のレール基台1001xに設けられた操作線無効化部材7000Sは、図10A、図37A及び図37Iに示したように硬質樹脂製の線材をブラシ状に多数突設してなる。
かかる操作線無効化部材7000Sによれば、仮に不正球Qが遊技領域5aに到達して操作線Lにつながった状態でぶら下がり、その操作線Lの端を球用開口である下皿球供給口211cを介して不正者が掴んでいるとしても、遊技領域5aの不正球Qを上昇させるべく操作線Lを外部から引っ張ったとき、その張力により操作線Lが操作線無効化部材7000Sの線材同士の間に入り込むため、その後、不正球Qを下降させるべく操作線Lを操る手の力を緩めても、操作線Lが操作線無効化部材7000Sの線材群から受ける抵抗で滑りにくくなっているから緩めた手の動きが不正球Qに伝わらない。つまり遊技領域5aにある不正球Qが下げられないため、結果的に不正球Qを用いた不正行為を抑止することができる。
このように第3の不正防止手段は、不正行為A、Bの初期段階で発射レール544側の操作線無効化部材7000Hが効果を発揮し、また、仮にそれが破られたとしても外レール1001側の操作線無効化部材7000Sが効果を発揮するため、より高度な不正防止効果が得られる。
なお、操作線無効化部材7000H,7000Sの何れか一方を単独で使用することももちろん可能であり、また、操作線無効化部材7000Hと操作線無効化部材7000Sの具体的な無効化部材も実施形態同士で入れ替えたり、同じ無効化部材を採用してもよい。
また、操作線無効化部材7000H,7000Sを実施形態のように別部品化して発射レール544や外レール1001に取り付ける場合の他、例えば発射レール544を構成する金属板を適宜加工して操作線無効化部材7000Hを一体に形成したり、或は外レール1001を構成する樹脂製のレール基台1001xに線材を一体成形するか、または該レール基台1001xの角部に図8BのようにV溝状の挟止部7000Svを刻設し該挟止部7000Svの溝奥に操作線Lを誘引して挟止するようにしてもよい。
さらにまた、外レール1001の操作線無効化部材7000Sを、図37Jに示したように第2の操作線無効化部材7000と同じ構成、例えば図37C、図37Dで説明した二枚の金属板7011,7022で形成し、外レール1001のレール基台1001xに第一の傾斜部150kaと第二の傾斜部150kbとからなる誘導部150kを設ける構成にしてもよい。
以上、不正球Qに取り付けられた操作線Lを無効化する第2の操作線無効化部材7000を返却通路部1014に設ける実施形態について、また、同じく第3の操作線無効化部材7000をファール球落下口1013に設ける実施形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では操作線無効化部材7000をファール球受部150cの底壁150gと連絡通路150hの上部通路壁150iとの折り返し部分、つまり連絡通路150hの入口部分に設けたが、当該操作線無効化部材7000を連絡通路150hの出口部分(図37A矢示z参照)に設けたり、図36B(a)の球放出口150dの後面側に設けたり、ファール球落下口1013を構成する外レール1001の始端部と発射レール544の終端部のそれぞれに設ける等、操作線Lが返却通路部1014の一部に当接して屈曲する部位であって操作線Lが不正球Qの重量等と不正者による引張り力とによる張力を受けて真っ直ぐ張ろうとした場合に押圧力を受ける部位であることを条件として、返却通路部1014内のどの位置に設けるようにしてもよい。なお、実施形態の操作線無効化部材7000の設置位置は、球用開口から遊技者が指先を挿入しても触れることができない位置としており、この位置が、遊技者の安全面及び操作線無効化部材7000自体に対する不正工作が困難になる防犯面を考慮すると好ましい。
また、実施形態では操作線無効化部材7000を連絡通路150hの一方に片寄せて設けるようにしたが、図37F(a),(b)のように通路幅一杯に操作線無効化部材7000として切断刃を配置するようにしてもよい。なお、図37F(a),(b)では、ファール球受部150cの底壁150gの終端部分と連絡通路150hの始端部分を櫛歯状の安全カバー部1017にして切断刃の刃先が作業者に触れないようになっている。この場合の操作線無効化部材7000の切断刃は、周知の折れ刃構造又はチップ構造のものを使用し、これを上部通路壁150iの上面の鞘状ホルダー部1018に設置すると共にユニット本体151と蓋部材152の夫々に装填口1019と排出口1020を設け、そうして切断刃をところてん式に押し出して新旧交換し得るようにすれば、常にシャープな切れ味を持続させることができる。
その他、図37F(a),(b)において符合1021は、前記安全カバー部1017の谷部に切り込んだ操作線L用の挟止割線部であり、該挟止割線部1021に操作線Lが食い込み得るようになっている。したがって、もし仮に切断刃の操作線無効化部材7000が操作線Lの切断に失敗したとしても、底壁150g等の前記挟止割線部1021に操作線Lが食い込み得るため、不正防止の確実性が向上する。
また、上述の実施形態ではファール球が下皿に返却される例を示したが、ファール球が上皿(下皿がない場合を含む)に返却される構造の遊技機もあり、こうした遊技機の場合、上皿球供給口(球用開口)から遊技領域5aに連通する空間を用いて、操作線Lを取付けた不正球Qを遊技領域5aに侵入させる不正行為(上述した不正行為A、Bに類似する不正行為)が行われる虞がある。こうした遊技機の場合には、上皿球供給口から遊技領域5aに連通する空間に位置するファール返却通路の所定部位に、上述した実施例と同様に第2の不正防止手段を設けることが例示できる。
また、上述の実施形態では、返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150を扉枠3側に設けたが、該ファールカバーユニット150は本体枠4側に設けてもよい。
また、上述の実施形態では、返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150に第2の不正防止手段を一つ設けるようにしたが、複数設けるようにしてもよい。例えば、返却通路部1014に上述した実施形態の折り返し部分のような屈曲部が複数形成される通路構成の場合、屈曲部の各々に(折り返し部分の各々に)、上述した実施形態のような第2の不正防止手段を設けるようにしてもよい。これにより、不正球Qを用いた不正行為の抑止効果を一層高めることが可能となる。
また、上述の実施形態では、返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150に第2の不正防止手段として金属板を設けるようにしたが、金属板でなく同様の構成の樹脂成型物を設けるものとしたり、あるいは、ファールカバーユニット150の成型そのものを特殊な形状として第2の不正防止手段として機能し得るようにしてもよい。例えば、前述した実施形態における第2の不正防止手段である金属板を設けず、代わりに、ファール球受部150cの底壁150gと連絡通路150hの上部通路壁150iとの折り返し部分に設けられるテーパ状の誘導部150kの最も幅が狭い部分(最狭部分)で操作線Lを捕獲し得るように、返却通路部1014を構成する樹脂成型部品にスリット状の捕獲部を形成するようにしておき、この誘導部150kの最狭部分である捕獲部で不正球Qに取り付けられた操作線Lが挟止される構成としてもよい。このような構成でも、上述した実施形態と同等の不正抑止効果を奏することができる。
また、上述の実施形態では不正球Qに取り付けられた操作線Lを操作線無効化部材7000によって切断又は挟止するようにしたが、上述した不正行為Aの対策に特化したものとして、図37G,図37H,図37Kでは、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、球用開口からの不正球Qの侵入を阻止する(不正球Qの逆進・逆流を阻止する)不正球逆進防止手段を設けることによって、不正球Qによる不正を防止するようにしている。
具体的には、図37Gのように、返却通路部1014の進路変更部(下皿球供給口211c直上に対応する部分)に、例えば不正球Qを押し込むセル板(異物)のような専用工具だけでなく、不正球Qそのものを別通路に誘引して動きを封じるための誘引部1022を設けることが例示できる(第1の不正球逆進防止手段)。これにより、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、上述した不正行為Aのような不正球Qを逆流させる不正行為を抑止できる。加えて、誘引部1022の入口部分に、逆流した不正球Qの該誘引部1022への侵入方向にのみ揺動可能な捕獲弁(誘引部1022への侵入を許容し、且つ、誘引部1022からの離脱を不能とする片開き式の弁、図示省略)を設けるようにしてもよく、これにより不正球Qを使用した痕跡、不正行為を行った証拠を残すことができる。
また、図37Hのように、返却通路部1014の所定部位に遊技球の流下方向にのみ揺動可能な逆止弁1023を設けて、不正球Qの逆進(逆流)を阻止することが例示できる(第2の不正球逆進防止手段)。このような構成によっても、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、上述した不正行為Aのような不正球Qを逆流させる不正行為を抑止できる。なお、図37Kの操作線無効化部材7000Dも一種の逆止弁であり、前記逆止弁1023と同様な効果を発揮する。
また、上記した静的な操作線無効化部材と動的な操作線無効化部材は、両方を兼ね備えるようにしてももちろんよい。
また、上記の実施形態では第1の操作線無効化部材700とは別の操作線無効化部材を返却通路部1014に設けるようにしたが、かかる操作線無効化部材を例えばファール球落下口1013と発射位置との間或はファール球落下口1013と内レール1002の上端との間に設けるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[3−2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図97を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図97を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、夫々回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3−3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−4.ハンドルユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180について、主に図38等を参照して詳細に説明する。図38(a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドルカバー185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内に夫々突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル182は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182fと、を備えている。
四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起182aは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起182bは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起182aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起182aよりはやや低く突出している。この第二突起182bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起182aと相似した形状に形成されている。
第三突起182cは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起182bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起182aの約半分の高さで突出している。この第三突起182cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起182dは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起182cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起182aよりもやや高く突出している。この第四突起182dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルカバー185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度を規制している。本例では、ハンドル182を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドルカバー185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドルカバー185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドルカバー185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込み強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット180は、ハンドル182に、四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dを備えており、ハンドル182を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球Bを最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起182dが、ハンドル182を回転させていない時の第一突起182aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起182dを第一突起182aとしてハンドル182を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル182を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図39乃至図42を参照して詳細に説明する。図39は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図40は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図41は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図42は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340の回転を回転操作部302に伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330を発光装飾させる演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆う装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3−5a.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図46を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口211eの上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口211eを通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具201bが備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3−5b.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方で演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3−5c.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図43乃至図46を参照して詳細に説明する。図43は皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図であり、図44は皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。また、図45は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図46は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられると共に、前面に、皿装飾ユニット250及び演出操作ユニット300が取付けられるものである。
皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の前面上部における上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、皿ユニットベース211の前面で取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3−5c−1.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口211eと、を備えている。
また、皿ユニットベース211は、上皿球送給口211eの右方で前方へ突出しており取付ベースが載置される載置突部211fと、上皿球送給口211eの左方で上皿本体の下方において前後に貫通しており上皿球抜後ユニット240における上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bが挿通されるスライダ挿通口211gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口211hと、正面視右隅付近で前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口211iと、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口211e、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211eは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口241aの前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口241aから球送給誘導路241bへ供給される。
[3−5c−2.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3−5c−3.取付ベース]
皿ベースユニット210の取付ベース213について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。取付ベース213は、皿ユニットベース211の載置突部211fの上面に載置された状態で皿ユニットベース211の前面に取付けられると共に、上側に球貸操作ユニット220が取付けられるものである。取付ベース213は、上方が開放された浅い箱状に形成されている。取付ベース213は、左端付近において上下に貫通している挿通口213aと、後端右隅において上下に貫通している貫通口213bと、を備えている。
取付ベース213の挿通口213aは、上皿球抜前ユニット230の前スライダ232が挿通されるものである。また、貫通口213bは、球貸操作ユニット220と扉枠主中継基板104とを接続するための配線ケーブルが挿通されるものである。
[3−5c−4.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び操作部中継基板392との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fより右側に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3−5c−5.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図39乃至図46等を参照して詳細に説明する。球貸操作ユニット220は、取付ベース213を介して皿ユニットベース211の前面に取付けられている。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、取付ベース213の上側に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部(図示は省略)と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部は、三つの7セグメントLEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
[3−5c−6.上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fの左方で球貸操作ユニット220の下方に取付けられる。上皿球抜後ユニット240は、皿ユニットベース211の後面における上皿球抜前ユニット230の後方となる部位に取付けられる。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面に取付けられており上下に延びた筒状の前ベース231と、前ベース231の筒内に上下方向へ移動可能に挿入されている前スライダ232と、を備えている。前ベース231は、皿ユニットベース211の前面における上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gの前方付近に取付けられている。前スライダ232は、上下に延びており、上端が上皿球抜ボタン222の下端と当接していると共に、下端が上皿球抜後ユニット240の上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面と当接している。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gを後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ243と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口241aと、球受口241aに受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口241aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口211eを通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口241a及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部242aと、作動受部242aの後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部242aは、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部242aが、皿ユニットベース211のスライダ挿通口211gを後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部242aの上面に上皿球抜前ユニット230の前スライダ232の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネ243は、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネ243の付勢力により上方への移動端に位置しており、バネ243の付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面に当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222を上方へ移動端に位置させている。また、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口241aへ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネ243の付勢力に抗して下方へ押圧すると、前スライダ232を介して上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口241a及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネ243の付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、作動受部242aと当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3−5d.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。図47は皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図48は皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図49は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図50は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿ユニット本体252の全面で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
[3−5d−1.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3−5d−2.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、下部前面装飾部252bの下端から後方へ平板状に延びている底板部252cと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、後方が開放された箱状に形成されており、夫々の前面に皿左上装飾ユニット270及び皿左下装飾ユニット280と皿右上装飾ユニット275及び皿右下装飾ユニット285が取付けられる。左側の上部サイド膨出部252aは、下面の右端が下部前面装飾部252bと接続されている。また、右側の上部サイド膨出部252aは、下端が下部前面装飾部252bと接続されている。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
また、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bにおける下皿本体251の外周を被覆している部位の前面下端から上方へ切欠かれている前面切欠部252eと、底板部252cにおける下皿本体251の下方となる部位において切欠かれている底面切欠部252fと、を備えている。前面切欠部252e及び底面切欠部252fには、下皿球抜ユニット260が挿入される。
更に、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bの右下隅において前後に貫通しておりハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口252gと、ハンドル挿通口252gの上方で下部前面装飾部252bを前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口252hと、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部252iと、を備えている。演出操作ユニット取付部252iは、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。また、皿装飾ユニット250に組立てた状態では、前面切欠部252eから下皿球抜ユニット260の下皿球抜ボタン263が前方へ臨むと共に、下皿球抜ユニット260の下皿球抜ベース261が底面切欠部252fを閉鎖して下面同士が同一面上の状態となる。
[3−5d−3.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられており平面視右前隅に上下に貫通している貫通孔を有した平板状の下皿球抜ベース261と、下皿球抜ベース261の上面側において前後へスライド可能に取付けられているスライダ262と、スライダ262の前端に取付けられている下皿球抜ボタン263と、スライダ262を前方へ付勢しているバネ264と、スライダ262の前後方向への移動によって貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、スライダ262を介して下皿球抜蓋265を開状態に保持する保持機構266と、を備えている。
下皿球抜ベース261は、皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖する大きさに形成されており、下皿202(下皿本体251)の下皿球抜孔202aと一致する位置に上下に貫通している貫通孔が形成されている。下皿球抜ベース261の貫通孔は、下皿球抜孔202aと同じ大きさに形成されている。スライダ262は、前後に延びた平板状に形成されており、下皿球抜ベース261における左右方向中央から左寄りの部位に、前後へスライド可能に取付けられている。スライダ262は、上方へ円柱状に突出している突ピンを備えている。
下皿球抜蓋265は、左端側が、スライダ262よりも左方の位置で、上下に延びた軸周りに対して回転可能に下皿球抜ベース261に取付けられており、右端側が、スライダ262を越えて右方へ延出しており右端側が貫通孔を閉鎖可能に形成されている。下皿球抜蓋265には、スライダ262の突ピンが摺動可能に挿入される左右に延びたスリットが形成されている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ベース261が皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖していると共に、下皿球抜ベース261の下面が底板部252cの下面と同一面上に位置している。また、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252の前面切欠部252eから前方に臨んでいる。下皿球抜ユニット260は、通常の状態では、スライダ262がバネ264の付勢力により前方側の移動端に位置していると共に、下皿球抜蓋265の右端側が貫通孔の直上に位置しており、貫通孔(下皿球抜孔202a)を閉鎖している。
この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。また、通常の状態では、下皿球抜ボタン263の前面が、下部前面装飾部252bの前面における前面切欠部252eの周囲の前面と略一致している。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧して、バネ264の付勢力に抗して後方へ移動させると、下皿球抜ボタン263と伴にスライダ262が後方へ移動することとなる。このスライダ262が後方へ移動することで、スライダ262の突ピンがスリットを介して下皿球抜蓋265を後方へ押圧し、下皿球抜蓋265が左端側を中心にして右端側が後方へ移動する方向へ回動することとなる。そして、貫通孔の直上に位置していた下皿球抜蓋265の右端側が、貫通孔の位置から後方へ移動することで、貫通孔が開放されて下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧によりスライダ262を後方へ移動させると、スライダ262の後端が保持機構266によって保持されるようになっており、下皿球抜ボタン263の押圧を解除しても、スライダ262がバネ264の付勢力によって前方へ移動することはない。これにより、下皿球抜蓋265の右端側が後方へ回動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、保持機構266によるスライダ262の保持が解除される。そして、下皿球抜ボタン263の押圧を放すと、スライダ262がバネ264の付勢力により前方へ移動し、下皿球抜ボタン263の前面が下部前面装飾部252bの前面と一致した状態に復帰すると共に、下皿球抜蓋265が回動して右端側が貫通孔の直上に位置し、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265により閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3−5d−4.皿左上装飾ユニット及び皿右上装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左上装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左上装飾体271と、皿左上装飾体271の後側に取付けられている皿左上リフレクタ272と、皿左上リフレクタ272の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左上装飾基板273と、を備えている。
皿左上装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左上装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左上装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左上リフレクタ272は、皿左上装飾体271の内部に後方から挿入されており、皿左上装飾基板273のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左上装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左上装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左上装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット400の下端と連続し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの左端と連続している。皿左上装飾ユニット270は、皿左上装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左上装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左上装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右上装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右上装飾体276と、皿右上装飾体276の後側に取付けられている皿右上リフレクタ277と、皿右上リフレクタ277の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右上装飾基板278と、を備えている。
皿右上装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右上装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右上装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右上リフレクタ277は、皿右上装飾体276の内部に後方から挿入されており、皿右上装飾基板278のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右上装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右上装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット410の下端と連続し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの右端と連続している。皿右上装飾ユニット275は、皿右上装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右上装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右上装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5d−5.皿左下装飾ユニット及び皿右下装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275に夫々沿って延びるように、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の下部に取付けられる。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と協働して、皿ユニット200の前面と演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左下装飾ユニット280は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左下装飾体281と、皿左下装飾体281の後側に取付けられている皿左下リフレクタ282と、皿左下リフレクタ282の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左下装飾基板283と、を備えている。
皿左下装飾体281は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿左下装飾体281は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸がやや斜め左上後方に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端が球面状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿左下装飾体281は、乳白色に形成されている。
皿左下リフレクタ282は、皿左下装飾体281の内部に後方から挿入されており、皿左下装飾基板283のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左下装飾基板283に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左下装飾体281を発光装飾させることができる。
皿左下装飾ユニット280は、扉枠3に組立てた状態で、左端が皿左上装飾ユニット270の左端の下方に位置し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの左端と連続している。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281の左端が球面状に形成されていることから、左端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左下装飾基板283の複数のLEDを発光させると、皿左下装飾体281の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右下装飾ユニット285は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右下装飾体286と、皿右下装飾体286の後側に取付けられている皿右下リフレクタ287と、皿右下リフレクタ287の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右下装飾基板288と、を備えている。
皿右下装飾体286は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿右下装飾体286は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸がやや斜め右上後方に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端が球面状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿右下装飾体286は、乳白色に形成されている。
皿右下リフレクタ287は、皿右下装飾体286の内部に後方から挿入されており、皿右下装飾基板288のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右下装飾基板288に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右下装飾体286を発光装飾させることができる。
皿右下装飾ユニット285は、扉枠3に組立てた状態で、右端が皿右上装飾ユニット275の右端の下方に位置し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの右端と連続している。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286の右端が球面状に形成されていることから、右端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右下装飾基板288の複数のLEDを発光させると、皿右下装飾体286の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5e.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図51乃至図54等を参照して詳細に説明する。図51は、皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作ボタンの進退方向から見た平面図である。図52(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図53は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成されている。演出操作部301は、回転操作部302が、外径に対して約3/5の大きさの内径を有した円環状に形成されており、その環内に押圧操作部303が配置されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に配置され、回転操作部302の内径の半分よりも若干大きい直径の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周と回転操作部302の内周との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、演出操作リング330の回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340と演出操作リング340の回転操作部302との間で回転を伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に操作部ベース320に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330の下方で操作部ベース320の上面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆うように操作部ベース320に取付けられている装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
[3−5e−1.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに取付けられ、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の前面を装飾するものである。演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。
演出操作部カバーユニット310は、下方へ窪んだ半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の前側上端に取付けられており前方へ膨出した半円環状のユニット前カバー312と、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から取付けられている皿中央上リフレクタ313と、皿中央上リフレクタ313に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央上装飾基板314と、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から取付けられている皿中央下リフレクタ315と、皿中央下リフレクタ315に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央下装飾基板316と、を備えている。
ユニット下カバー311は、ユニット下カバー311は、前後方向中央後寄りから前側が、下方へ膨出した半球面状に形成されており、これより後側が、皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに、上方から載置されるように取付けられる。ユニット下カバー311は、前部の半円弧状に延びている上端縁に形成される仮想の平面に垂直な軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。ユニット下カバー311は、皿ユニット200に組立てた時に、最も低くなる部位に複数の排水孔311aが形成されている。
ユニット前カバー312は、ユニット前カバー312は、平面視の形状がユニット下カバー311の前端に沿うように前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット下カバー311の前部上端に取付けられている。ユニット前カバー312は、前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央上装飾体312aと、皿中央上装飾体312aの下方で前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央下装飾体312bと、を備えている。ユニット前カバー312は、皿中央下装飾体312bの下端がユニット下カバー311に取付けられている。
ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bは、略同じ太さ(半径)の円筒を、半割にした上で割面を中心側へ向けて半円弧状に延びるように屈曲させた形状に形成されている。皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、大きい曲率で半円弧状に延びていると共に、皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、若干細い太さの半円筒状に形成されている。ユニット前カバー312は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿中央上装飾体312aの前端が、皿中央下装飾体312bの前端よりも前方へ突出している。また、皿ユニット200に組立てた状態では、皿中央上装飾体312aの左右両端が、皿左上装飾ユニット270の右端及び皿右上装飾ユニット275の左端と夫々連続していると共に、皿中央下装飾体312bの左右両端が、皿左下装飾ユニット280の右端及び皿右下装飾ユニット285の左端と夫々連続している。ユニット前カバー312は、透光性を有し、乳白色に形成されている。
また、ユニット前カバー312は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット前カバー312の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
皿中央上リフレクタ313は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央上リフレクタ313は、皿中央上装飾基板314に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央上装飾基板314は、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央上装飾基板314の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央上装飾体312aを発光装飾させることができる。
皿中央下リフレクタ315は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央下リフレクタ315は、皿中央下装飾基板316に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央下装飾基板316は、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央下装飾基板316の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央下装飾体312bを発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bにおいて、半円弧状に延びている途中に補強用のリブを有していないことから、皿中央上装飾基板314のLED及び皿中央下装飾基板316のLEDを発光させると、夫々の全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、皿中央上装飾体312aが皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276と連続していると共に、皿中央下装飾体312bが皿左下装飾体281及び皿右下装飾体286と連続している。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3−5e−2.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース320について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部ベース320は、演出操作部カバーユニット310内に上方から挿入され、下端が演出操作部カバーユニット310に取付けられると共に、上部後端が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース320は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース320は、外形が略立方体の箱状に形成されており上方が開放されている本体部321と、本体部321の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部322と、本体部321の底面から下方へ突出している複数(ここでは四つ)の脚部323と、フランジ部322の後端に形成されており皿ベースユニット210に取付けられる上部取付部324と、本体部321の左外側でフランジ部322を貫通して上方に開口しており操作リング用伝達ギア350を回転可能に支持するためのギア軸受部325と、を備えている。
操作部ベース320は、本体部321が、内部に演出操作ボタンユニット360を収容可能な大きさに形成されている。本体部321は、底壁に下側から振動スピーカ354が取付けられると共に、下面における振動スピーカ354が取付けられる部位が平坦面に形成されている。本体部321の底壁は、振動スピーカ354からの振動に対して共振し易く形成されており、振動を増幅させることができると共に、振動を音声や音楽等のサウンドに変換して出力させることができる。
本体部321の底壁の上面には、演出操作ボタンユニット360におけるボタンユニットベース361の脚部361bが取付けられる。また、本体部321は、底壁の外周縁において、本体部321内に侵入した液体を排出させる貫通孔が形成されている。本体部321は、左側壁外側に回転駆動ユニット340が取付けられると共に、後側壁外側に操作部中継基板ユニット390が取付けられる。
フランジ部322は、外周がユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの内周と略一致する直径に形成されている。フランジ部322の上面には、演出操作リング装飾基板352及び装飾基板カバー353が取付けられると共に、演出操作リング330のリング取付ベース331が取付けられる。複数の脚部323は、下端が演出操作部カバーユニット310におけるユニット下カバー311の上面に取付けられる。
ギア軸受部325は、ギア取付部材と協働して操作リング用伝達ギアを、左右に延びた軸周りに対して回転可能に取付けることができる。ギア軸受部325に操作リング用伝達ギア350を取付けた状態では、操作リング用伝達ギア350の上部が上方へ突出した状態となると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bがフランジ部322の下方において外側に露出した状態となる。
操作部ベース320は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部322の上面が、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの上面よりも若干下方に位置している。また、演出操作ユニット300に組立てた状態では、本体部321の下面に振動スピーカ354が接した状態で取付けられている。
[3−5e−3.演出操作リング]
演出操作ユニット300の演出操作リング330について、主に図55及び図56等を参照して詳細に説明する。図55(a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。図56(a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。演出操作リング330は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、遊技者が回転操作可能な回転操作部302を有している。演出操作リング330(回転操作部302)は、直径(外径)が上皿201の前後方向の寸法の約2倍の大きさとされており、内径が外径の約3/5の大きさの円環状に形成されている。本実施形態では、演出操作リング330の外径が約13cmとされている。
演出操作リング330は、操作部ベース320のフランジ部322の上面に取付けられる円環状のリング取付ベース331と、リング取付ベース331に回転可能に載置される円環状の回転ベース332と、回転ベース332の外周面と当接しリング取付ベース331に上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられている複数のブッシュ333と、リング取付ベース331に取付けられており回転ベース332の上方への移動を規制しているリング抜止部材334と、を備えている。
また、演出操作リング330は、回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外上カバー335と、リング外上カバー335の下側に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外下カバー336と、リング外上カバー335の内周側で回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング内カバー337と、を備えている。リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、夫々透光性を有した円環状に形成されている。
リング取付ベース331は、外径が操作部ベース320のフランジ部322の外径よりも若干大きく、内径がフランジ部322の内径と略同じ大きさに形成されている。リング取付ベース331は、内周縁に沿った上面側に回転ベース332が周方向へ摺動可能に載置される載置部331aと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ離間して複数(ここでは四つ)の部位から上方へ円筒状に突出しておりブッシュ333を回転可能に取付けるためのボス部331bと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ間隔をあけて複数の部位において上下に貫通している貫通口331cと、を備えている。複数の貫通口331cは、演出操作リング装飾基板352のLEDと対応する位置に形成されている。
回転ベース332は、外径がリング取付ベース331の載置部331aの直径(外径)よりも若干小さく、内径がリング取付ベース331の内径よりも小さく形成されている。回転ベース332は、下面から下方へ突出していると共に周方向へ延びているリングギア332aを備えている。リングギア332aは、回転ベース332の中心側へ向かうに従って下方へ突出するように傘歯車に形成されている。リングギア332aは、リング取付ベース331の内径よりも外径が小さく形成されており、演出操作リング330に組立てた状態では、リング取付ベース331の内周側から下方へ臨んだ状態となる。このリングギア332aは、演出操作ユニット300に組立てた状態で、操作リング用伝達ギア350のリング側ギア部350aと噛合する。
リング外上カバー335は、円形における外部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている外上表面部335aと、外上表面部335aに立体的に形成されており周方向へ複数配置されている装飾部335bと、外上表面部335aの内周端から下方へ延出した後に中心側へ延出しており周方向へ複数配置されている外上カバー取付部335cと、を備えている。リング外上カバー335の外上表面部335aは、円の1/4の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。装飾部335bは、外形が六角形に形成されている。外上カバー取付部335cは、外上表面部335aの下端よりも若干下方へ延出しており、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外下カバー336は、円形における外部且つ下部を構成している円弧が円環状に延びている外下表面部336aと、外下表面部336aの内側から上方且つ中心側へ突出しており周方向へ複数配置されている外下カバー取付部336bと、を備えている。リング外下カバー336の外下表面部336aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。外下カバー取付部336bは、リング外上カバー335に取付けられるものである。
リング内カバー337は、円形における内部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている内表面部337aと、内表面部337aの内側端部から中心軸に平行に下方へ延びている筒状の筒表面部337bと、筒表面部337bの外周に形成されており周方向へ複数配置されている内カバー取付部337cと、を備えている。リング内カバー337の内表面部337aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。筒表面部337bは、円筒状の内径が回転ベース332の内径と同じ大きさである。内カバー取付部337cは、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、演出操作リング330に組立てた状態で、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aが、連続するように形成されており、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aによって、円の1/2以上の範囲の部位を構成し、全体がドーナツ状となる。演出操作リング330は、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能とされている。
[3−5e−4.回転駆動ユニット]
演出操作ユニット300における回転駆動ユニット340について、主に図57乃至図59等を参照して詳細に説明する。図57(a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図58は回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図であり、図59は回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。回転駆動ユニット340は、演出操作リング330の回転操作部302を回転駆動させたり、回転操作部302の回転操作を検知したりするためのものである。回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321における左側面の外側に取付けられる。
回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321に取付けられる回転駆動ベース341と、回転駆動ベース341の右側面後部に回転軸が左方へ突出するように取付けられる操作リング駆動モータ342と、操作リング駆動モータ342の回転軸に取付けられる駆動ギア343と、駆動ギア343により回転させられる変速ギア344と、変速ギア344により回転させられると共に操作リング用伝達ギア350を回転させる伝達検知ギア部材345と、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345を回転駆動ベースを協働して回転可能に取付けていると共に駆動ギア343、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345左方から被覆しているギアカバー346と、を備えている。
また、回転駆動ユニット340は、ギアカバー346に取付けられており伝達検知ギア部材345の回転位置を検知している第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348を左方から覆うようにギアカバー346に取付けられているセンサカバー349と、を備えている。
回転駆動ベース341は、左右方向が短く前後方向へ長く延びており左方へ開放されている浅い箱状に形成されている。操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされている。駆動ギア343は、平歯車とされている。変速ギア344は、駆動ギアと噛合する平歯車状の第一ギア344aと、第一ギア344aと一体回転すると共に大径に形成されている平歯車状の第二ギア344bと、から構成されている。変速ギア344の第二ギア344bは、伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合する。
伝達検知ギア部材345は、変速ギア344よりも大径(第二ギア344bの直径の2倍の大きさ)のギア部345aと、ギア部345aの左側面から左方へ突出しており周方向に一定の間隔で列設されている複数の検知片345bと、を備えている。ギア部345aは、変速ギア344の第二ギア344bと噛合すると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。複数の検知片345bは、周方向の長さが周方向へ離間している間隔と同じ長さとされている。本実施形態では、検知片345bは、45度の回転角度の間隔で、周方向に八つ配置されている。これら検知片345bは、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知される。
第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知するものである。第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、周方向へ列設されている検知片345bの間隔に対して、整数倍とは異なる間隔で周方向へ離間して配置されている。本実施形態では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、101.25度の回転角度で離間している。これにより、伝達検知ギア部材345が回転した時に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が同じタイミングで検知片345bを検知することはなく、一方が先に検知片345bを検知するようになっている。これにより、伝達検知ギア部材345を介して演出操作リング330における回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができる。
回転駆動ユニット340は、組立てた状態で、伝達検知ギア部材345のギア部345aの上部が上方へ露出しており、ギア部345aの露出した部位が操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。また、回転駆動ユニット340は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、全体が演出操作部カバーユニット310内に位置している。
回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342の駆動により、駆動ギア343、変速ギア344、伝達検知ギア部材345、及び操作リング用伝達ギアを介して、演出操作リング330の回転操作部302を任意の方向へ回転させることができる。また、回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342により駆動ギア343を、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。
また、回転駆動ユニット340は、遊技者により演出操作リング330の回転操作部302が回転させられると、操作リング用伝達ギア350を介して伝達検知ギア部材345が回転し、伝達検知ギア部材345の検知片345bが第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知され、回転操作部302の回転操作を検知することができる。従って、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。
また、回転駆動ユニット340では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作された回転方向と同じ方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作をアシストすることができる。或いは、回転操作部302の回転方向とは反対の方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作に負荷を与えることができる。従って、これらを適宜組合せることで、回転操作部302に、遊技者参加型演出の内容に応じた操作感を付与したり、クリック感を付与したりすることができる。
[3−5e−5.操作リング用伝達ギア]
演出操作ユニット300の操作リング用伝達ギア350について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作リング用伝達ギア350は、回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345と演出操作リング340の回転操作部302の回転ベース332との間で回転を伝達させるものであり、操作部ベース320のギア軸受部325に回転可能に取付けられるものである。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング340の回転ベース332におけるリングギア332aと噛合する傘歯車状のリング側ギア部350aと、リング側ギア部350aと一体回転し回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345におけるギア部345aと噛合する平歯車状の駆動側ギア部350bと、を備えている。リング側ギア部350aと駆動側ギア部350bは、ピッチ円が同じ直径に形成されている。傘歯車状のリング側ギア部350aは、回転ベース332の回転軸の方向へ窄まっている。
操作リング用伝達ギア350は、回転軸が左右方向へ延びていると共に、演出操作リング340の回転ベース332の回転軸と交わるように、操作部ベース320に取付けられる。操作リング用伝達ギア350は、操作部ベース320のギア軸受部325に上方から挿入された上で、ギア取付部材351が操作部ベース320に取付けられることで、操作部ベース320に回転可能に取付けられる。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作ユニット300に組立てられた状態で、リング側ギア部350aが演出操作リング330における回転ベース332のリングギア332aと噛合していると共に、駆動側ギア部350bが回転駆動ユニット340における伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合している。従って、操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転操作部302の回転操作を回転駆動ユニット340側へ伝達させることができると共に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342の回転駆動を演出操作リング330の回転操作部302に伝達させて回転させることができる。
[3−5e−6.演出操作リング装飾基板]
演出操作ユニット300における演出操作リング装飾基板352について、主に図53及び図54等を参照して説明する。演出操作リング装飾基板352は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されている。演出操作リング装飾基板352は、演出操作リング330の下方に取付けられており、複数のLEDを適宜発光させることで演出操作リング330(回転操作部302)を発光装飾させることができる。
演出操作リング装飾基板352は、円環を前後に分割したような形態に形成されており、前側の前装飾基板352aと、後側の後装飾基板352bとで構成されている。前装飾基板352a及び後装飾基板352bの上面の夫々に、複数のLEDが外周に沿って列設されている。演出操作リング装飾基板352の複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。
演出操作リング装飾基板352は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、演出操作リング330のリング取付ベース331の下方に位置している。演出操作リング装飾基板352は、上側が透明な装飾基板カバー353によって被覆されている。装飾基板カバー353は、演出操作リング装飾基板352と同様に、前後に分割された形態に形成されており、前装飾基板352aを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる前基板カバー353aと、後装飾基板352bを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる後基板カバー353bと、で構成されている。
演出操作リング装飾基板352は、上面に実装されている複数のLEDを発光させることで、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331の貫通口331cを通して、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337を、内部から発光装飾させることができる。従って、回転操作部302内にLEDが備えられているような発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3−5e−7.振動スピーカ]
演出操作ユニット300における振動スピーカ354について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。振動スピーカ354は、操作部ベース320における本体部321の下面に出力方向を上方へ向けて取付けられており、音声や音楽等のサウンドに加えて、多彩な周波数の振動を出力することができるものである。
振動スピーカ354は、操作部ベース320の底壁を振動板として振動させることで、音声や音楽等のサウンド(音)を出力することができる。また、振動スピーカ354は、操作部ベース320を介して演出操作ユニット300全体を振動させることができる。この振動スピーカ354は、偏芯させた錘をモータで回転させる振動装置と比較して、様々な周波数の振動を発生させることができ、より多彩な演出を遊技者に提示することができる。
[3−5e−8.演出操作ボタンユニット]
演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360について、主に図60乃至図62等を参照して詳細に説明する。図60は演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図61は演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。図62(a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。演出操作ボタンユニット360は、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられており、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303を有している。演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303は、円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を覆うように形成されている円筒状の外周押圧操作部303bと、で構成されている。
演出操作ボタンユニット360は、外周が略円形状に形成されており操作部ベース320の本体部321内に取付けられるボタンユニットベース361と、ボタンユニットベース361の中心軸を境にして対象に配置されており上方へ円柱状に延出している一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンユニットベース361よりも小さい円形状に形成されている円盤状の上部ベース363と、上部ベース363とボタンユニットベース361との間において一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられており外周がボタンユニットベース361と略同じ大きさの円形状に形成されている円盤状の昇降ベース364と、一対のガイドシャフト362が夫々挿通されており昇降ベース364を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、を備えている。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361の中心から上方へ円柱状に延出しており上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、ボタンユニットベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しておりボタンユニットベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することで昇降ベース364を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うようにボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
更に、演出操作ボタンユニット360は、内径が上部ベースよりも大径で上下に延びた有底筒状に形成されており昇降ベース364より上側で一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられている中央ボタン本体373と、中央ボタン本体373と昇降ベース364との間に配置されており中央ボタン本体373を上方へ付勢している一対のボタンバネ374と、中央ボタン本体373と略同じ径で上端側が閉鎖された有底筒状に形成されており上部ベース363の上方を覆うように中央ボタン本体373の上端に取付けられている中央ボタンカバー375と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、中央ボタン本体373と中央ボタンカバー375とで中央押圧操作部303aを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、昇降ベース364の上面における中央ボタン本体373よりも外側の部位に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている円環状の外周ボタン装飾基板377と、外周ボタン装飾基板377の上側を覆うと共に中央ボタン本体373の外周を覆うように昇降ベース364に取付けられている外周基板カバー378と、外周基板カバー378における中央ボタン本体373の外周を覆っている部位の外周側で外周ボタン装飾基板377の上方に配置されており立体的な装飾が施された透光性を有する円筒状の外周装飾レンズ379と、外周装飾レンズ379の外周及び上面を覆うように昇降ベース364に取付けられており中央において中央ボタンカバー375が上方へ臨む透明な外周ボタンカバー380と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、外周基板カバー378と外周装飾レンズ379と外周ボタンカバー380とで、外周押圧操作部303bを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381と、ボタンユニットベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370の回転位置を検知することで昇降ベース364の昇降を検知する昇降検知センサ382と、を備えている。
ボタンユニットベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、を備えている。ボタンユニットベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース320における本体部321の内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。このベース本体361aは、上面に、一対のガイドシャフト362、中央シャフト366、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、及びギアカバー372が取付けられ、下面に、押圧検知センサ381及び昇降検知センサ382が取付けられる。ボタンユニットベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース320における本体部321の底壁に取付けられる。
一対のガイドシャフト362は、ボタンユニットベース361のベース本体361aの上面において、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に夫々取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。一対のガイドシャフト362は、中央シャフト366よりも太く形成されている。
上部ベース363は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、下端がボタンユニットベース361のベース本体361aに当接していると共に、上端が昇降ベース364に当接している。昇降バネ365は、ボタンバネ374よりも付勢力の強いバネとされている。
昇降ベース364は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径と略同じ大きさに形成されている。昇降ベース364は、一対のガイドシャフト362が夫々摺動可能に挿入される一対のガイド孔364aと、中央において昇降カム部材371が通過可能な大きさで上下に貫通している中央孔364bと、中央孔364bの周縁から上方へ円筒状に突出している立壁部364cと、立壁部364cの下端付近において中央孔364bの内へ互いに対向するように突出している一対の案内ピン364dと、を備えている。一対の案内ピン364dは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
昇降ベース364は、一対のガイド孔364aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。昇降ベース364は、立壁部364cの上端が上部ベース363に当接することで、上方への移動が規制されると共に、上部ベース363との間に中央ボタン本体373の底部373bが移動可能な空間を形成している。また、昇降ベース364は、一対の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ382により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、昇降ベース364の案内ピン364dを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図62を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、昇降ベース364の案内ピン364dの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aにおいて、第二カム371dが、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aにより昇降ベース364の案内ピン364dを案内して昇降ベース364を昇降させることができる。
中央ボタン本体373は、中央ボタン本体373は、上下に延びた円筒状の筒部373aと、筒部373aの下端側を閉鎖している底部373bと、底部373bを貫通しており一対のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される一対のガイド孔373cと、底部373bの中央において昇降ベース364の立壁部364cの外径よりも大きい径で貫通している中央口373dと、底部373bから下方へ突出しており押圧検知センサ381により検知される押圧検知片373eと、底部373bから後方へ円柱状に突出しておりボタンバネ374に挿通される一対のガイドボス373fと、を備えている。
中央ボタン本体373は、筒部373aと底部373bとによって、有底筒状に形成されている。中央ボタン本体373は、底部373bが上部ベース363と昇降ベース364との間に配置されると共に、筒部373aの上端が上部ベース363よりも上方へ突出するように形成されている。中央口373dは、下方へ短く延びた円筒状に形成されており、下端が昇降ベース364の上面に当接することで、中央ボタン本体373の下方への移動が規制される。中央ボタン本体373の中央口373dを通って、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363に当接する。
中央ボタン本体373は、一対のガイドボス373fが挿通されている一対のボタンバネ374によって上方へ付勢されている。一対のガイドボス373fは、下端が昇降ベース364を貫通して下方へ延出するように形成されており、下端にワッシャが挿通されたビスが取付けられる。ガイドボス373fの下端に取付けられたワッシャが昇降ベース364の下面に当接することで、中央ボタン本体373の上方への移動が規制される。
中央ボタン本体373の押圧検知片373eは、一対のボタンバネ374の付勢力に抗して中央ボタン本体373の底部373b(中央口373dの下端)が昇降ベース364の上面に当接した時に、昇降ベース364を貫通して下方へ突出するように形成されている。この中央ボタン本体373は、不透明に形成されている。一対のボタンバネ374は、昇降バネ365よりも付勢力の弱いコイルバネとされている。
中央ボタンカバー375は、中央ボタン本体373の筒部373aと略同じ直径の円盤状の天板部375aと、天板部375aの外周から下方へ延出している筒状の周壁部375bと、を備えており、透光性を有するように形成されている。中央ボタンカバー375は、天板部375aと周壁部375bとによって有底筒状に形成されている。この中央ボタンカバー375は、周壁部375bの下端が中央ボタン本体373における筒部373aの上端に取付けられる。
中央ボタン装飾基板376は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。中央ボタン装飾基板376は、複数のLEDを適宜発光させることで、中央ボタンカバー375を発光装飾させることができる。外周ボタン装飾基板377は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。外周ボタン装飾基板377は、複数のLEDを適宜発光させることで、外周装飾レンズ379及び外周ボタンカバー380を発光装飾させることができる。
外周基板カバー378は、外周ボタン装飾基板377の上側を覆い昇降ベース364に取付けられる円環状の基板部378aと、基板部378aの内周から上方へ筒状に延出しており中央ボタン本体373の外周を覆う円筒部378bと、を備えている。外周基板カバー378は、透明に形成されている。
外周装飾レンズ379は、上方へ向かうに従って周方向へ移動するように延びている捩れた部位が、周方向に一定の間隔で列設されている。外周装飾レンズ379は、外周基板カバー378における基板部378aの上側に取付けられている。外周ボタンカバー380は、外周装飾レンズ379の外周を覆う円筒状の筒状部380aと、筒状部380aの上端から中心側へ延出している円環状の環状部380bと、を備えている。外周ボタンカバー380は、筒状部380aの下端が昇降ベース364に取付けられる。環状部380bは、内径が外周基板カバー378の円筒部378bと略同じ大きさに形成されている。
演出操作ボタンユニット360は、組立てた状態では、図62(a)に示すように、昇降ベース364が一対の昇降バネ365によって上方へ付勢された状態で、昇降ベース364の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aにおける係止部371cに下方から挿入されている。この状態では、昇降ベース364が下方へ移動した下降位置の状態となっており、一対の昇降バネ365が圧縮されている。また、この状態では、中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力により上方側への移動端に位置しており、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出した状態となっている。
従って、演出操作ユニット300に組立てた状態では、外周ボタンカバー380の上面が演出操作リング330の上面よりも僅かに上方へ突出していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している(図63等を参照)。
この状態(図62(a)の状態)で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を下方へ押圧して、ボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動させると、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知され、中央押圧操作部303aの押圧操作が検知される。中央押圧操作部303aを押圧操作した状態では、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面と略一致した高さとなっている(図65(c)を参照)。
また、この状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を下方へ押圧操作しても、外周ボタンカバー380は下方へ移動することはなく、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381に検知されることもない。つまり、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。
この下降位置の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図62において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、昇降ベース364の案内ピン364dが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン364dが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン364dと一緒に昇降ベース364が上昇して上昇位置の状態となる。
上昇位置の状態では、図62(b)に示すように、昇降ベース364の案内ピン364dが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
上昇位置の状態では、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363の下面に当接しており、昇降ベース364のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、上昇位置の状態では、下降位置の時の中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)と外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)との位置関係が保持されており、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を含む押圧操作部303全体が上方へ移動していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している。
演出操作ユニット300に組立てた状態で、上昇位置へ移動させると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく突出した状態となる(図65(b)等を参照)。
この上昇位置の状態で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、ボタンバネ374の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動し、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接することとなる。中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接している状態では、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364よりも下方へ突出した状態となっているが、昇降ベース364がボタンユニットベース361から離れているため、押圧検知片373eが押圧検知センサ381によって検知されることはない。
中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した上で、昇降ベース364が、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接することで、昇降ベース364が下降位置の状態となり、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)も下降位置の状態となる。
このように、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した状態で、昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接すると、昇降ベース364から下方へ突出している中央ボタン本体373の押圧検知片373eが、押圧検知センサ381に検知された状態となり、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)の押圧が検知される。
一方、上昇位置の状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を、昇降バネ365の付勢力よりも力で下方へ押圧した場合、外周ボタンカバー380を介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。この状態では、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380が下降位置の状態となるが、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)がボタンバネ374の付勢力により上方へ突出していることから、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364から下方へ突出しておらず、押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知されない。
中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を(押圧操作部303を)、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図62(b)において、昇降ベース364の案内ピン364dの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン364dの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン364dが下方へ押圧され、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン364dが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、昇降ベース364の下方への移動が停止し、案内ピン364dが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン364dが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、元の下降位置の状態となる。
[3−5e−9.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300における操作部中継基板ユニット390について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320における本体部321の後面に取付けられる箱状の基板ボックス391と、基板ボックス391内に取付けられている操作部中継基板392と、を備えている。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300に組立てた時に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342を後側から覆うモータカバー部391aを有している。操作部中継基板392は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、操作リング駆動モータ342、第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、演出操作リング装飾基板352、振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、押圧検知センサ381、及び昇降検知センサ382と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3−5e−10.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図63乃至図65等を参照して詳細に説明する。図63は、演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。図64は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。図65(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。
演出操作ユニット300は、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、大きな円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303とで構成されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に位置する円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aと回転操作部302との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
回転操作部302は、演出操作リング330のリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されている。中央押圧操作部303aは、演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373によって形成されており、外周押圧操作部303bは、外周ボタンカバー380及び外周基板カバー378によって形成されている。
演出操作ユニット300は、円環状の回転操作部302(演出操作リング330)の上面によって形成される仮想の平面の前方側が低くなるように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられる。従って、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303の押圧方向が、下方へ向かうに従って後方へ移動する(換言すると、上方へ向かうに従って前方へ移動する)ように傾斜している。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、回転操作部302の上面よりも押圧操作部303が僅かに上方へ突出した状態となっている。詳しくは、演出操作リング330の上面よりも外周ボタンカバー380の上面が僅かに上方へ突出していると共に、外周ボタンカバー380の上面よりも中央ボタンカバー375の上面が上方へ突出した状態となっている(図63等を参照)。
この通常の状態で、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して演出操作リング330の回転操作部302が、平面視において時計周りの方向へ回転する。一方、操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で反時計周りの方向へ回転させると、演出操作リング330の回転操作部302が平面視において反時計回りの方向へ回転する。
操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされており、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。この振動は、振動スピーカ354による振動とは異なり、回転操作部302のみが振動する。
演出操作リング330の回転操作部302は、操作リング駆動モータ342により回転させられるだけでなく、遊技者によっても回転させることができる。回転操作部302を平面視において時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転し、回転操作部302を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転する。この伝達検知ギア部材345は、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348の二つのセンサによって回転を検知している。
伝達検知ギア部材345の回転は、複数の検知片345bを第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することで、回転を検知している。詳述すると、周方向に等間隔で列設されている複数の検知片345bの間隔に対して、周方向に離間している第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348との間隔が、整数倍とならない間隔とされている。これにより、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、同じタイミングで検知片345bを検知しないように構成されている。
本実施形態では、伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転すると、第二回転検知センサ348が検知片345bを検知してから第一回転検知センサ347が検知片345bを検知する。これに対して、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転すると、第一回転検知センサ347が検知片345bを検知してから第二回転検知センサ348が検知片345bを検知する。従って、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、検知片345bを検知する順番によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転方向を検知することができる。また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348における検知片345bの検知時間によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転速度を検知することができる。
このように、回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。また、回転操作部302の回転操作を検知した時に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と同じ方向へ回転駆動させることで、回転操作を軽くしてアシストすることができる。或いは、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と反対方向へ回転駆動させることで、回転操作を重くしたり、クリック感を付与したりすることができる。
演出操作リング330の回転操作部302は、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されており、円の半分以上の円弧が環状に延びている形状に形成されている。換言すると、回転操作部302がドーナツ状に形成されている。そして、回転操作部302は、図示するように、外周面、上面、及び内周面の一部、が露出した状態で取付けられているため、遊技者の手で掴み易い形状に形成されている。
これにより、回転操作部302に対して遊技者が様々な方向から触れることができるため、遊技者のやり易い思い思いの仕方で回転操作部302を回転操作させることができ、回転操作部302の操作性が高められている。また、回転操作部302は、押圧操作部303が下降位置又は上昇位置の何れの状態の時でも、回転操作することができる。なお、回転操作部302は、下面側が操作部ベース320に取付けられているため、自動車のハンドルのように握ることはできない。
演出操作ユニット300は、図64に示すように、演出操作リング330の下方に、複数のLEDが円環状に列設されている演出操作リング装飾基板352を備えている。これにより、演出操作リング装飾基板352のLEDを発光させることで、演出操作リング330の回転操作部302を発光装飾させることができる。また、演出操作リング装飾基板352では、複数のLEDを回転操作部302に沿って環状に列設しているため、回転操作部302の回転に合わせて、列設されている複数のLEDを順次発光させることで、回転している回転操作部302の特定の部位のみを発光装飾させることができる。これにより、回転する回転操作部302内に、LED(装飾基板)が備えられているように遊技者を錯覚させることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図65(a)に示すように、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303が、その上面が回転操作部302の上面よりも僅かに上方に突出した下降位置の状態となっている。この状態では、回転操作部302を回転させることができると共に、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを押圧操作することができる。中央押圧操作部303aを下方へ押圧操作すると、中央押圧操作部303a(中央ボタンカバー375)の上面が、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)の上面と略同じ高さまで下降し、押圧検知センサ381により押圧が検知される。
この通常(下降位置)の状態では、押圧操作部303における外周押圧操作部303bを下方へ押圧しても、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)が下方へ移動することはなく、押圧検知センサ381により押圧が検知されることはない。
通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降ベース364の案内ピン364dがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、昇降ベース364と共に押圧操作部303が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図65(b)を参照)。この上昇位置の状態では、押圧操作部303の上面が回転操作部302の上面よりも大きく上方に位置している。換言すると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく上方へ突出している。
押圧操作部303が上昇位置の状態で、中央押圧操作部303aを下方へ押圧すると、まず、ボタンバネ374の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが下方へ移動し、中央押圧操作部303aの上面と外周押圧操作部303bの上面とが略同じ高さの状態となる。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。更に、昇降バネ365の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが外周押圧操作部303bと一緒に下方へ移動し、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(c)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知する。
また、押圧操作部303が上昇位置の状態で、外周押圧操作部303bを下方へ押圧すると、中央押圧操作部303aの上面が外周押圧操作部303bの上面よりも上方へ突出している状態のまま、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとが下方へ移動し、外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(a)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。
このように、本実施形態の押圧操作部303は、下降位置或いは上昇位置に関わらず、中央押圧操作部303aを、下方への移動端まで押圧しないと、押圧検知センサ381により検知されないようになっている。従って、遊技者に対して、中央押圧操作部303aをしっかりと押圧操作させることを促すことが可能となるため、遊技者参加型演出において演出操作部301の操作に注意を引付けさせることができ、遊技者参加型演出をより楽しませることができる。
なお、押圧操作部303が上昇位置の状態でも、回転操作部302を回転させることができる。従って、押圧操作部303を上昇位置の状態とした時では、遊技者によっては、押圧操作部303を手がかりにして回転操作が楽になったり、押圧操作部303が邪魔になって回転操作がし難くなったりすることから、回転操作部302の操作性を変化させることができ、より多彩な操作を楽しませることができる。
[3−6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット400について、主に図66乃至図68を参照して詳細に説明する。図66(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図67は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図68は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠左サイドユニット400は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット400は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース401と、扉枠左サイドベース401の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板402と、扉枠左サイド装飾基板402の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている左サイドリフレクタ403と、左サイドリフレクタ403の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている扉枠左サイド装飾体404と、を備えている。
扉枠左サイドベース401は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、上下に延びた帯板状に形成されており、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとで構成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠左サイド装飾基板402は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠左サイド装飾体404を発光装飾させることができる。
左サイドリフレクタ403は、扉枠左サイド装飾基板402に実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔403aが形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体404は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、下端が皿ユニット200における皿左上装飾ユニット270の皿左上装飾体271の左端と連続するように形成されており、上端が扉枠トップユニット450扉枠トップ装飾体453の左側下端と連続するように形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、左右方向の幅と前後方向の奥行が、略同じ距離に形成されている。扉枠左サイドユニット400は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
[3−7.扉枠右サイドユニット]
扉枠3における扉枠右サイドユニット410について、主に図69乃至図71を参照して詳細に説明する。図69(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図70は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図71は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠右サイドユニット410は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3の右辺から皿ユニット200の上皿201や下皿202と略同じ位置まで前方へ平板状に延出しており、左右方向へ貫通しているサイド窓410aと、サイド窓410a内に複数配置されている発光可能なサイド窓内装飾部410bと、を備えている。この扉枠右サイドユニット410は、パチンコ機1が設置された遊技ホール等において、右側に配置されているパチンコ機の遊技領域内を見え難くしたり、右側のパチンコ機で遊技している遊技者から本パチンコ機1の遊技領域5a内を見え難くしたりすることができ、遊技のプライバシーを保護するような遊技者のパーソナル空間を形成することができる。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられ上下に延びている扉枠右サイドベース411と、扉枠右サイドベース411の前面に取付けられており前方へ円筒状に延出し上下に列設されている複数のサイド窓内装飾部410bを有するサイド窓内装飾部材412と、前面におけるサイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bと対応する部位に複数のLEDが実装されており扉枠右サイドベース411の前側に取付けられているサイド窓内装飾部装飾基板413と、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの内部に夫々挿入されている内部リフレクタ414と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット410は、サイド窓内装飾部材412の前端よりも前方に配置されており上下に延びている右サイドリフレクタ415と、扉枠右サイドベース411に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の右側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口416aが形成されている扉枠右サイド外パネル416と、扉枠右サイドベース411及び右サイドリフレクタ415に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の左側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口417aが形成されている扉枠右サイド内パネルと417と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット410は、右サイドリフレクタ415の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板418と、右サイドリフレクタ415の前側を覆うように右サイドリフレクタ415に取付けられている扉枠右サイド装飾体419と、を備えている。
扉枠右サイドベース411は、上下に延びており後方へ開放された箱状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、上下方向に列設されている複数(ここでは三つ)のサイド窓内装飾部410bの下端同士を連結している平板状の連結ベース412aを有している。サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410bは、前端側が後端側よりも外径がやや小さくなった円錐台状の円筒に形成されていると共に、円筒の前端が半球状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、サイド窓内装飾部410bの前端が扉枠右サイド外パネル416に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、扉枠右サイドベース411の前面において、上下方向中央に対して下寄りの位置から上側の部位に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、透光性を有した乳白色に形成されている。
サイド窓内装飾部装飾基板413は、扉枠右サイドベース411の前面において、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの後方となる部位に取付けられる。サイド窓内装飾部装飾基板413に備えられている複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。サイド窓内装飾部装飾基板413は、複数のサイド窓内装飾部410bの夫々の後方となる部位に、四つのLEDがサイド窓内装飾部410bの軸芯を中心として上下左右の十字状に配置されている。
内部リフレクタ414は、正面視の形状がX状に形成されており、挿入されるサイド窓内装飾部410bの内面に沿うように前後方向に延びている。内部リフレクタ414は、サイド窓内装飾部410bの内部を、上下左右の四つに仕切っている。
右サイドリフレクタ415は、扉枠右サイドベース411と同じ高さで上下に延びており、前後方向の形状が、上端から下端へ向かうに従って、前方へ移動した後に後方へ移動するような波状に形成されている。右サイドリフレクタ415は、前後に貫通し、扉枠右サイド装飾基板418のLEDが前方へ臨む複数の貫通孔415aが形成されている。
扉枠右サイド外パネル416は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド外パネル416は、左右方向へ貫通している貫通口416aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド外パネル416は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド内パネル417は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド内パネル417は、左右方向へ貫通している貫通口417aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド内パネル417は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド装飾基板418は、上下に延びた帯板状に形成されており、右サイド上装飾基板418aと、右サイド下装飾基板418bとで構成されている。扉枠右サイド装飾基板418は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠右サイド装飾基板418は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠右サイド装飾体419を発光装飾させることができる。
扉枠右サイド装飾体419は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体419は、前方へ膨出した半円弧が、右サイドリフレクタ415に沿うように波状に上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体419は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、下端が皿ユニット200における皿右上装飾ユニット275の皿右上装飾体276の右端と連続するように形成されていると共に、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の右側下端と連続するように形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体419の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。扉枠右サイドユニット410は、上から1/4の部位が最も前方へ突出するように前端(前辺)が波状に前方へ延びており、衝立状に形成されている。扉枠右サイドユニット410は、左右方向へ貫通しているサイド窓410aを有しており、サイド窓410aを通して反対側を視認することができる。
扉枠右サイドユニット410は、サイド窓410a内に、前後に延びた円筒状(円柱状)のサイド窓内装飾部410bを備えており、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDを発光させることで、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることができる。そして、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることで、サイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通して反対側を見え難くすることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット410によれば、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。従って、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
更に、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させると、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としていることから、光が帯状且つ放射状に放射されることとなるため、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれ難くすることができる。このように、遊技領域5a内を覗かれ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技者を遊技に専念させることで遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3−8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図72乃至図74等を参照して詳細に説明する。図72(a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。図73は扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図74は扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板454と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ中央装飾基板455との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ中央リフレクタ458と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ左装飾基板456との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ左リフレクタ459と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ右装飾基板457との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ右リフレクタ460と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ底板454の上面中央に取付けられている中央スピーカボックス461と、中央スピーカボックス461に下方へ向けて取付けられている一対のトップ中央スピーカ462と、扉枠トップベース451の前面左右両端付近に取付けられている一対のスピーカブラケット463と、一対のスピーカブラケット463に夫々取付けられている一対のトップサイドスピーカ464と、扉枠トップ底板454を下方から覆うように扉枠トップ底板454に取付けられているトップ下カバー465と、トップ下カバー465の外周縁を下方から押圧するように扉枠トップ底板454に取付けられている下カバー枠466と、扉枠トップベース451の上部右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板467と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の左右方向の幅と同じ長さで左右に延びている平板状の本体部451aと、本体部451aの前面における左右両端付近から前方へ突出している前方突出部451bと、を備えている。本体部451aは、下辺が、扉枠ベース101における扉窓101aの上縁と沿うように、左右方向の中央が上方へ位置するような湾曲状に形成されている。左右の前方突出部451bは、前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており、後方へ開放された箱状に形成されている。正面視右側の前方突出部451bは、上方にも開放されている。
トップ上カバー452は、正面視の形状が、扉枠トップベース451と略同じ形状に形成されている。トップ上カバー452は、扉枠トップベース451の左右の前方突出部451bの夫々の外側を覆うと共に、左右の前方突出部451bの前端上部の間を結ぶような形状に形成されている。トップ上カバー452の前端は、左右方向中央が前方へ最も突出しており、左右方向中央から左右方向両端へ向かうに従って、下方及び後方へ移動するように湾曲状に延びている。また、トップ上カバー452は、上面に後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、前方へ膨出した半円弧が、左右両端から左右方向中央へ向かうに従って曲率が小さくなると共に、トップ上カバー452の前端に沿うように、左右方向へ延びた形態に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、左右方向の両端が下方へ延びるように向いており、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続するように形成されている。
扉枠トップ底板454は、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の本体部451aの下端同士を連結するように前後方向へ延びていると共に、左右方向中央が上方へ膨出するように左右方向へ延びている。扉枠トップ底板454は、前後方向の中央が下方へ突出するように折れ曲がった形態に形成されている。扉枠トップ底板454は、左右方向へ離間しており前端と後端とを結ぶと共に上方へ平板状に延びている一対の補強リブ454aと、一対の補強リブ454aの間において上下に貫通しておりトップ中央スピーカ462が臨む一対の中央スピーカ口454bと、一対の補強リブ454aの夫々の左右方向外側において上下に貫通しておりトップサイドスピーカ464が臨む一対のサイドスピーカ口454cと、を有している。扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に中央スピーカボックス461が取付けられる。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
トップ中央リフレクタ458、トップ左リフレクタ459、及びトップ右リフレクタ460は、夫々左右方向に延びており、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に夫々実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔が形成されている。
中央スピーカボックス461は、左右に延びた箱状に形成され、一対のトップ中央スピーカ462が下前を向くように取付けられる。この中央スピーカボックス461は、扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に取付けられる。トップ中央スピーカ462は、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。
スピーカブラケット463は、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。トップサイドスピーカ464は、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカ462やトップサイドスピーカ464から出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板467は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ462、及びトップサイドスピーカ464と、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続しており、一体的な装飾を形成している。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ462及び一対のトップサイドスピーカ464によって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3−9.扉枠の装飾]
扉枠3における装飾について、主に図75等を参照して詳細に説明する。図75は、各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状(半円筒状、若しくは、半チューブ状)で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
これにより、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができる。
また、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に配置されている皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bを、半チューブ状のチューブの太さを若干細くしていると共に、皿中央下装飾体312bの下方に半球面状のユニット下カバー311を備えている。これにより、演出操作ユニット300では下端から上方へ向かうほど大きくなっているため、上下方向に対する遠近感を強調することが可能となり、上側に配置されている遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。従って、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。従って、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。図76はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図77はパチンコ機における本体枠の背面図である。図78は本体枠を右前から見た斜視図であり、図79は本体枠を左前から見た斜視図であり、図80は本体枠を後ろから見た斜視図である。図81は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図82は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側におけるの正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、る球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4−1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図76乃至図84等を参照して詳細に説明する。図83(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図84は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺において夫々前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図84等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図84(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図84(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4−2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4−5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図85等を参照して詳細に説明する。図85(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル182の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端の発射位置に供給されるようになっており、発射レール544の発射位置に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル182を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544と遊技盤5の外レール1001及び内レール1002よりなる発射通路部1012の発射球通路(図37A参照)を通って遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、発射した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、図37Aに示したように、発射レール544と外レール1001の間に開設されたファール球落下口1013から返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150のファール球受部150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って球用開口たる下皿球供給口211cから下皿202に排出される。
[4−6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図86等を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図92を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
更に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の正面視左方に取付けられている外部端子板558を、更に備えている。外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。外部端子板558は、図示は省略するが、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b側へ臨んだアース接続部を備えている。アース接続部には、遊技盤5側から延びたアース線が接続される。
[4−7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。図87(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図88(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4−7a.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図92を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4−7b.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図89は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図90(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図89に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視におけ左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するように夫々から後方及び前方へ突出していると共に、夫々が払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図90を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4−7c.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図92を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4−7d.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、夫々の上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとの夫々の前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、夫々上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、夫々の前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4−7e.払出ユニットにおける遊技球の流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図92を参照して詳細に説明する。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4−8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図93乃至図97等を参照して詳細に説明する。図93(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図94は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図95は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図96は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図97は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図97を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。払出制御基板ボックス632は、開閉の痕跡が残るように形成されている。これにより、払出制御基板633に対する不正な改造を察知することができ、不正行為に対する抑止力を高めている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板、周辺制御基板、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4−9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4−10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図98を参照して詳細に説明する。図98(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図99を参照して詳細に説明する。図99はパチンコ機における遊技盤の正面図である。パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005が備えられている。従って、遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001a〜e、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005a,b等に、受入れられたり通過したりするように、ハンドル182の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダと、基板ホルダの後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図103を参照)を有している主制御ユニットと、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニットと、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能なメイン演出表示装置1600と、遊技領域5aのメイン演出表示装置1600の下方に配置されており所定の演出画像を表示可能なサブ演出表示装置1700と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニットと、を更に備えている。裏ユニットの前面にメイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700が取付けられていると共に、メイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700の後面に周辺制御ユニットが取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成される平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニットが取付けられる枠状のパネルホルダ(図示しない)と、を備えている。
遊技パネル1100の前面には、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは五つ)の一般入賞口2001a〜eと、複数の一般入賞口2001a〜eとは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005a,bと、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられ、メイン演出表示装置1600を中央に備えるとともに上部に上一般入賞口2001aを備える枠状の上センター役物2500と、遊技領域5a内の正面視略中央やや下寄りに取付けられ、サブ演出表示装置1700を中央に備える枠状の下センター役物2600と、が設けられている。
[5−1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図99乃至図101を参照して詳細に説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口1008を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダのパネルホルダの切欠部と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及びパネルホルダの切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図99乃至図101を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、メイン演出表示装置1600、サブ演出表示装置1700、各種入賞口2001a〜e,2002,2004,2005a〜b,2006a〜b、ゲート2003,2007、上センター役物2500、下センター役物2600、サイドランプ1801,1802、及び裏ユニット等が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニットが取付けられる枠状のパネルホルダと、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、不透明なベニヤ板によって形成されるとともに、その前面にはセルシートが貼着されている。また、このセルシートには遊技領域5aの全体で統一感を有するような絵柄がプリントされ、機種特有の世界観を醸し出している。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダよりも薄く、障害釘を前面に植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板によりパネル板1110を形成してもよいし、透明な合成樹脂板によってパネル板1110を形成してもよい。
パネル板1110には、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。
遊技パネル1100のパネルホルダは、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダは、合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダは、パネル板1110を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ上で、内側が略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口を備えている。
また、パネルホルダは、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれているパネルホルダの切欠部を備えている。このパネルホルダの切欠部は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及びパネルホルダの切欠部を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダについて説明する。基板ホルダは、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダは、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部を有している。この基板ホルダは、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニットの下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニットの主制御基板ボックス(図示しない)が取付けられている。
基板ホルダは、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、一般入賞口2001a〜e、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、大入賞口2005a,b及び裏ユニットから下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニットについて説明する。主制御ユニットは、基板ホルダの後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニットは、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図103を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダに取付けられる主制御基板ボックス(図示しない)と、を備えている。
主制御基板ボックスは、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックスを閉じると、次に、主制御基板ボックスを開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックスの開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックスの不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニットの主制御基板1310は、インターフェイス基板635、及び周辺制御基板1510と、接続されている。また、主制御基板1310は、パネル中継基板(図示しない)を介して、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2401、始動口センサ3002,2402、カウントセンサ2403a,b、羽根開閉ソレノイド2404a、球受進退ソレノイド2404b、アタッカソレノイド2405a,b、V入賞口ソレノイド2111、一般入賞口センサ3001a〜d、磁気センサ3003、排出口センサ4008、V入賞口センサ4007a,b、と接続されている。
[5−5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図99を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、遊技状態を表示する二つのLEDからなる状態表示器1401と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器1402と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器1403と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器1404と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器1405と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器1406と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、第一大入賞口2005aの開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器1408、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
ここで、第一特別保留数表示器1405は、未実行の状態にて保留されている第1特別図柄側の大当り判定の記憶数(以下、第一保留記憶数とも言う)を遊技者に報知するものである。第一保留記憶数は、遊技盤5に配設した第一始動口2002に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、第1側図柄変動が開始されることにより「1」減算される。したがって、第1側図柄変動が行われている期間内で第一始動口2002に遊技球が受け入れられると、第一保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(第1上限数、本実施形態では「4」)まで累積される。
一方、第2特別図柄側の大当り判定の記憶数(以下、第二保留記憶数とも言う)は保留されないようになっている。したがって、第1側図柄変動や第2側図柄変動が行われている期間内で第二始動口2004に遊技球が受け入れられると、第二保留記憶数は加算されることなく取得した乱数を破棄するようになっている。
また、普通図柄表示器1402においては、普通当りか否かの判定(普通判定)が行われるとき、該普通判定の結果に基づいて複数種類の普通図柄を変動させる普通図柄変動が行われる。この普通図柄変動は、普通判定の結果に基づいて選択された変動時間だけ変動状態を維持した後、普通当りを認識し得る普通図柄の停止態様である普通当り図柄(普通当り表示結果)と、普通はずれを認識し得る普通図柄の停止態様である普通はずれ図柄(はずれ表示結果)とのいずれかが現れるかたちで停止されることで、遊技者は、普通当りに当選したのか落選(普通ハズレ)したのかを認識することができるようになる。なお、本例の第二始動口2004の上方は障害釘によって塞がれており、後述する羽根部材2022aが略垂直に立上った閉鎖状態では障害釘と一対の羽根部材2022aとによって遊技球Bの受け入れが不能な状態とされるのに対し、普通図柄表示器1402において実行される普通図柄変動の結果として普通当り図柄が現れるかたちで停止された場合は、羽根部材2022aが左右方向へ拡開した開放状態に変化して第二始動口2004へ遊技球を受け入れ可能になる。
また、普通保留表示器1403は、未実行の状態にて保留されている普通判定の記憶数(以下、普図保留記憶数とも言う)を遊技者に報知するものである。普図保留記憶数は、遊技盤5に配設したゲート部2003に遊技球が受け入れられることで「1」加算される一方で、普通図柄変動が開始されることにより「1」減算される。したがって、普通図柄変動が行われている期間内でゲート部2003に遊技球が受け入れられると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(普図上限数、本実施形態では「4」)まで累積される。
また、本実施形態において、第1側図柄変動と第2側図柄変動とは同時に実行されないように構成されており、第二始動口2004に遊技球が受け入れられたときに特別図柄を用いた図柄変動(第1側図柄変動または第2側図柄変動)が実行されておらず、第一保留記憶数が「0」であるとともに、大当り遊技と小当り遊技とのいずれも実行されていない場合に限って第2側図柄変動を実行可能になる。また、本実施形態において、特別図柄を用いた図柄変動(第1側図柄変動または第2側図柄変動)と普通図柄変動とは同時に実行可能である。
[5−6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニットについて説明する。周辺制御ユニットは、裏ユニットの前面に取付けられているメイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700の後側に取付けられている。周辺制御ユニットは、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図103を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス(図示しない)と、を備えている。周辺制御基板1510は、図示は省略するが、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニットの周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、メイン演出表示装置1600、サブ演出表示装置1700、等と接続されている。
[5−7.表示装置]
遊技盤5におけるメイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700について、主に図99乃至図101を参照して説明する。メイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニットを介して取付けられている。メイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700は、裏ユニットの前壁の略中央の前面に対して、着脱可能に取付けられている。メイン演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状の上センター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができるようになっており、サブ演出表示装置1700は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状の下センター役物2600の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができるようになっている。メイン演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした12inchのフルカラーの液晶表示装置であり、サブ演出表示装置1700は、白色LEDをバックライトとした11inchのフルカラーの液晶表示装置である。メイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。なお、メイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700をドットマトリクスLEDにより構成して所定の静止画像や動画を表示するようにしてもよい。
また、本例のパチンコ機1では第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別抽選結果に応じて、メイン演出表示装置1600にて複数の図柄列(本実施形態では3列)にそれぞれ含まれる複数種類の装飾図柄を変動表示させる変動ゲームを行う。
また、遊技盤5の左下に設けられる機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404及び第二特別図柄表示器1406では、特別図柄を変動させて表示する図柄変動が行われる。特別図柄は、大当りまたは小当りか否かの判定(大当り判定)の結果を示す報知用の図柄である。そして、本実施形態において、上記装飾図柄を用いた変動ゲームは、第一特別図柄表示器1404または第二特別図柄表示器1406において特別図柄を変動させて表示する図柄変動が開始されてから停止されるまでを1回のゲームとして実行されるものとなっている。以下、第一特別図柄表示器1404で行われる図柄変動を「第1側図柄変動」と示すことがあり、第二特別図柄表示器1406で行われる図柄変動を「第2側図柄変動」と示すことがある。
この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図柄変動が開始されるに際して、複数種類の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)のなかから、いずれの特別図柄を用いた大当り判定を行うかが選択されるようになっている。そして、選択された側の特別図柄を用いた大当り判定が行われたとき、該大当り判定の結果に基づいて上記選択された側の特別図柄に対応する図柄表示器で図柄変動を開始させる制御が行われる(主制御基板1310)。こうして開始された図柄変動では、大当り判定の結果に基づいて選択された変動時間だけ変動状態を維持した後、大当りを認識し得る特別図柄の停止態様である大当り図柄(大当り表示結果)と、小当りを認識し得る特別図柄の停止態様である小当り図柄(小当り表示結果)と、はずれを認識し得る特別図柄の停止態様であるはずれ図柄(はずれ表示結果)とのいずれかが現れるかたちで停止されることで、遊技者は、大当りに当選したのか小当りに当選したのか落選(ハズレ)したのかを認識することができるようになる。なお、大当り図柄が現れるかたちで停止された場合は、遊技者によって賞球が獲得可能とされる大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が現れるかたちで停止された場合は、遊技者によって賞球が獲得可能とされる小当り遊技が付与される。
これに対し、メイン演出表示装置1600は、各図柄表示器1404,1406よりも大きい表示領域で構成されており、該表示領域において、複数の図柄列(本実施形態では3列)にそれぞれ含まれる複数種類の装飾図柄(複数種類の数字)を、特別図柄よりも大きく表示させるものとなっている。つまり、各図柄表示器1404,1406で特別図柄の変動表示が開始されるとこれに対応してメイン表示装置1600においても装飾図柄の変動表示が開始される。
そして、メイン演出表示装置1600には、各図柄表示器1404,1406の表示結果に応じた表示結果が表示される。より具体的には、第一特別図柄表示器1404または第二特別図柄表示器1406に大当り図柄が停止表示される場合には、メイン演出表示装置1600においても特別な図柄組み合わせ(全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせなど)が確定停止表示され、第一特別図柄表示器1404または第二特別図柄表示器1406に小当り図柄が停止表示される場合には、メイン演出表示装置1600においても大当り時とは別の特別な図柄組み合わせ(全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせなど)が確定停止表示され、第一特別図柄表示器1404または第二特別図柄表示器1406にはずれ図柄が停止表示される場合には、メイン演出表示装置1600においてもハズレ時の図柄組み合わせ(全列の図柄が同一図柄とならない図柄組み合わせなど)が確定停止表示される。これにより、遊技者は、メイン演出表示装置1600にて行われる変動ゲームを確認することで、大当りに当選したのか小当りに当選したのか落選(ハズレ)したのかをより簡単に認識することができるようになる。
また、メイン演出表示装置1600では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に装飾図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の装飾図柄が先行するかたちで一旦停止表示された場合、リーチ状態が形成される。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列となり、左列及び右列がリーチ状態を形成するリーチ形成列となる。
ここで、「一旦停止表示」とは、第一特別図柄表示器1404または第二特別図柄表示器1406において特別図柄が変動状態を維持している期間中に現れうるものであって、メイン演出表示装置1600の表示領域内で特定の装飾図柄がゆれ変動状態で表示されている状態のことである。これに対し、「確定停止表示」とは、第一特別図柄表示器1404または第二特別図柄表示器1406において特別図柄が停止されるとき、若しくはそれ以降に現れうるものであって、メイン演出表示装置1600の表示領域内でいずれの装飾図柄もゆれ変動せずに停止している状態のことである。
一方、サブ演出表示装置1700は各図柄表示器1404,1406で実行される特別図柄の変動表示に同期して図柄変動を行うものではなく、特定条件下(本例では大当り遊技の実行中における所定期間内)で右下一般入賞口2001eに遊技球Bが受け入れられた場合に複数の図柄列(本実施形態では3列)にそれぞれ含まれる複数種類の演出図柄を変動表示させる昇格演出を行う。具体的には、大当り遊技中に右下一般入賞口2001eに遊技球Bが受け入れられると、演出乱数を取得し、この取得した演出乱数と大当りの種類に応じた判定テーブルとを比較することにより昇格演出の演出態様を決定し、この決定した演出態様で演出図柄を変動表示して所定の図柄組み合わせで停止表示させる。なお、大当り遊技の終了後に時短状態に制御する大当りである場合には特別な図柄組み合わせ(全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせなど)が停止表示され得る一方、大当り遊技後に時短状態に制御しない大当りである場合にははずれ図柄の組み合わせ(全列の図柄が同一図柄とならない図柄組み合わせなど)が停止表示される。これにより、遊技者は大当り遊技が開始された場合にサブ演出表示装置1700で実行される昇格演出を確認することで、大当り遊技後に時短状態に制御されるか非時短状態に制御されるかをより簡単に認識することができるようになる。
なお、サブ演出表示装置1700においてもメイン演出表示装置1600と同様に、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に演出図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の演出図柄が先行するかたちで一旦停止表示された場合、リーチ状態が形成される。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列となり、左列及び右列がリーチ状態を形成するリーチ形成列となる。
また、本例では大当り遊技が開始された場合にサブ演出表示装置1700にて演出を実行するように構成したが、メイン演出表示装置1700で実行される装飾図柄の変動表示に関連して所定の演出表示(大当りや小当りとなることを期待させるような演出表示等)を実行するようにしてもよい。
[5−8.各種入賞装置]
遊技盤5における各種入賞装置(一般入賞口2001a〜e、始動口2002,2004、ゲート2003、大入賞口2005a,b)について、主に図99乃至図102を参照して詳細に説明する。各種入賞装置は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出している。
遊技盤5には、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは五つ)の一般入賞口2001a〜eと、複数の一般入賞口2001a〜eとは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球Bの受入れが可能となる第一大入賞口2005aと、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二大入賞口2005bと、遊技球Bが通過しても遊技者に対して所定の特典(普通図柄表示器1402における普通図柄の変動表示)を付与することのないダミーゲート2007と、常に閉鎖状態とされて遊技球Bを受け入れることのないダミー一般入賞口2006a,bと、を備えている。
複数(ここでは五つ)の一般入賞口2001a〜eは、遊技領域5a内の左右方向中央上部に一つ、左側下部に二つ、右側下部に二つ、夫々配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口1008の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向中央の上寄りに配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の下方に配置されている。第一大入賞口2005aは、左右方向中央の第一始動口2002の下方に配置され、第二大入賞口2005bは、左右方向中央より右側の右下一般入賞口2001eの右上方で第一始動口2002と第一大入賞口2005aとの間の高さに配置されている。
上記した第二大入賞口2005bは、第二アタッカソレノイド2405bによって遊技球Bの受入れが可能となる開放状態と、遊技球Bの受入れが不可能な閉鎖状態と、に変化するものであって、通常時には閉鎖状態であるのに対し、第二始動口センサ2402によって遊技球Bの入球が検出されることで抽選される第二特別抽選結果に応じて、すなわち第二特別抽選結果が「小当り」であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化するようになっている。
また、第二大入賞口2005bの内部には、第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BをV入賞口2411と排出口2412とのいずれか一方の側に振り分けるV入賞装置2400を備えている。このV入賞装置2400は、第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球Bを1つだけ保持することが可能な窪み部2410aを備える回転体2410と、回転体2410の窪み部2410aに1つの遊技球が保持されている状態で回転体2410が右回転したときにその遊技球を受け入れることが可能となるV入賞口2411と、回転体2410の窪み部2410aに1つの遊技球が保持されているか回転体2410が右回転していることで窪み部2410aが上方に位置していない状態で第二大入賞口2005bに遊技球が受入られたときにその遊技球を排出することが可能となる排出口2412と、を備えている。
そして、第二特別抽選結果が「小当り」になるとV入賞口ソレノイド2111によって「小当り」の種類に応じた態様で回転体2410を回転動作させるものであり、V入賞口ソレノイド2111によって回転体2410が待機状態から90°左回転されることによって窪み部2410aが上方に位置する受入可能状態で第二大入賞口2005bに遊技球Bが受け入れられるとその遊技球Bを窪み部2410aにおいて保持するのに対し、V入賞口ソレノイド2111によって回転体2410が待機状態から90°左回転されることによって窪み部2410aが上方に位置する受入可能状態とされているが既に窪み部2410aに遊技球Bが保持されている場合やV入賞口ソレノイド2111によって回転体2410が90°左回転されていないことで窪み部2410aが上方に位置していない待機状態で第二大入賞口2005bに遊技球Bが受け入れられた場合にはその遊技球Bは回転体2410の窪み部2410aに保持されることなく排出口2412から排出されることとなる。そして、第二大入賞口2005bが閉鎖状態に戻されたときには、回転体2410もV入賞口ソレノイド2111によって受入可能状態から90°右回転されて窪み部2410aが上方に位置しない(水平方向右側を向いた状態で位置する)待機状態に戻すことで、回転体2410の窪み部2410aに保持されている1つの遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることとなる。
なお、V入賞口2411には、通過する遊技球Bを検出するセンサとして、第一V入賞口センサ4007aと、第二V入賞口センサ4007bと、が設けられている。また、排出口2412には、通過する遊技球Bを検出する排出口センサ4008が設けられている。これによれば、回転体2410によってV入賞口2411に振り分けられた遊技球Bは、第一V入賞口センサ4007aと第二V入賞口センサ4007bとのいずれのセンサにも検出されるはずであるが、いずれか一方のセンサのみが検出された場合には、V入賞口2411に遊技球Bが入球していないと判断するようにし、不正行為が行われることを防止している。また、第一V入賞口センサ4007a及び第二V入賞口センサ4007bによって検出された遊技球の数と、排出口センサ4008によって検出された遊技球の数と、の合計は、第二カウントセンサ2403bによって検出された遊技球の数と一致するはずであり、これらが一致しない場合には、V入賞口2411に遊技球が入球していないと判断するようにし、不正行為が行われることを防止している。
また、パネル板1110と同様にV入賞装置2400の前面にもセルシートが貼着されており、V入賞装置2400の内部は一部(回転体2410の遊技球Bを保持可能なくぼみ部分とV入賞口2411の一部)だけが視認可能になっている。また、V入賞装置2400の前面に貼着されるセルシートにはパネル板1110に貼着されるセルシートに描かれている絵柄と統一感のある絵柄が描かれており、遊技領域5aの全体で機種特有の世界観を醸し出すようになっている。また、第二大入賞口2005bを構成するユニット部材(図示省略)は、遊技盤5の開口に嵌め込まれて設けられるものである。第二大入賞口2005bを構成するユニット部材が遊技盤5の開口に嵌め込まれると、このユニット部材の一部である回転体2410の前壁部(セルシートが貼着される面部)が、遊技領域5aの面部と略同一面を形成するように配置される。また、回転体2410に貼着されているセルシートに描かれている絵柄は回転体2410の窪み部2410aが水平方向右側を向いた待機状態である場合に遊技領域5aの全体で統一感を有するようになっており、回転体2410の窪み部2410aが上方に位置する受入可能状態に変化すると遊技領域5aの全体における絵柄の統一感が崩れるようになっている。
具体的には図100(A)に示すように、回転体2410の前面に貼着されているセルシートには「A」という文字の一部が描かれており、回転体2410の窪み部2410aが水平方向右側を向いた待機状態である場合にV入賞装置2400の前面に貼着されているセルシートに描かれている絵柄と共に「A」という文字を表すようになっている。そして、図100(B)に示すように、小当り遊技が開始されて回転体2410が窪み部2410aを上方に位置させる受入可能状態に変化すると「A」という文字が崩れるようになっている。
このように、回転体2410が小当り遊技の実行されていない待機状態ではV入賞装置2400の前面に貼着されているセルシートに描かれている絵柄と共に「A」という文字を表すように配置される一方、小当り遊技が開始されて遊技者にとって有利な状態となる可能性が高い受入可能状態、即ち回転体2410の窪み部2410aが上方に位置してV入賞装置2400に遊技球Bが受け入れられた場合にV入賞口2411に振り分けられ得る受入可能状態では「A」という文字が崩れるようになっている。これにより、遊技領域5aの全体における絵柄の統一感が崩れて遊技者に違和感を与えることができるため、音声出力や発光装飾等を行うことなしに遊技者にとって有利な状態となる可能性が高い受入可能状態となっていることを認識させることができる。
なお、本例では回転体2410が小当り遊技の実行されていない待機状態においてV入賞装置2400の前面に貼着されているセルシートに描かれている絵柄と共に「A」という文字を表すように構成したが、文字に限らずキャラクタや風景等の絵柄を回転体2410の前面に貼着されているセルシートとV入賞装置2400の前面に貼着されているセルシートとによって表すようにしてもよい。この場合には回転体2410の前面に貼着されているセルシートにキャラクタや風景等の絵柄の一部が描かれるものであればよい。
また、第二大入賞口2005bを構成するユニット部材を遊技盤5の開口に嵌め込んだ場合に回転体2410の前壁部が遊技領域5aの面部と略同一面を形成するように配置されるものに限られない。例えば、回転体2410に示すような可動部材を、遊技領域5aの前面よりも前方に突出して配置したり、遊技領域5aの前面よりも後方に奥まって配置するとともに、この可動部材の少なくとも一部に遊技領域5aの前面と連続して複合的な装飾(一体的な装飾)を構成する部位を設け、可動部材の動作によって複合的な装飾を歪ませるようにしてもよい。このように遊技領域5aの前面から連続的に続く立体複合装飾の歪みによって、遊技者に遊技上の情報(例えば遊技者にとって有利な状態となる可能性が高い受入可能状態となっていること)を示唆することが可能となる。
ゲート部2003はゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401を備えている。また、第二始動口2004は第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402を備えている。大入賞口2005a,bは大入賞口2005a,bに受入れられた遊技球Bをそれぞれ検知するカウントセンサ2403a,bを備えている。また、第二始動口2004はゲート部2003の遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて第二始動口2004を遊技球Bを受け入れ可能な状態に変化させる羽根開閉ソレノイド2404a、球受進退ソレノイド2404bを備えている。大入賞口2005a,bは第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて大入賞口2005a,bをそれぞれ開閉させるアタッカソレノイド2405a,bと、を備えている。
なお、本例の第二始動口2004には、羽根開閉ソレノイド2404aにより拡開可能な一対の羽根部材2022aが配置されており、一対の羽根部材2022aが略垂直に立上った閉鎖状態では第二始動口2004の上方に植設される障害釘と一対の羽根部材2022aとによって遊技球Bの受け入れが不能であるのに対して、一対の羽根部材2022aが左右方向へ拡開した開放状態では遊技球Bの受け入れが可能になる。更に、本例の第二始動口2004には、球受進退ソレノイド2404bによって進退可能な球受部材2023が配置されており、遊技盤4の後方に退避した退避状態では遊技球Bを第二始動口2004に受け入れることなく第二始動口2004の下方から遊技領域5aへと放出するのに対して、遊技盤4の前方に突出した突出状態では遊技球Bをその上面で受け止めて第二始動口2004に受け入れるようになっている。また、羽根部材2022aの開閉動作と球受部材2023の進退動作とは同期して行われるようになっている。つまり、羽根開閉ソレノイド2404aにより羽根部材2022aを閉鎖状態から開放状態に変化させる場合には、この開閉動作と同時に球受進退ソレノイド2404bによって球受部材2023を退避状態から突出状態に変化させ、羽根開閉ソレノイド2404aにより羽根部材2022aを開放状態から閉鎖状態に変化させる場合には、この開閉動作と同時に球受進退ソレノイド2404bによって球受部材2023を突出状態から退避状態に変化させるようになっている。これにより、羽根部材2022aが開放状態である場合に遊技球Bが受け入れられると突出状態の球受部材2023によって第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられるようになっている。
図101及び図102に始動口ユニット2100の拡大図を示す。本例では第二始動口2004と羽根部材2022aと球受部材2023と羽根開閉ソレノイド2402aと球受進退ソレノイド2404bとがユニット化され、遊技盤5への着脱が容易になっている。また、図101は羽根部材2022aが閉鎖状態であるとともに球受部材2023が退避状態であることで第二始動口2004内に遊技球Bを受け入れ不能な状態を示す図であり、図102は羽根部材2022aが開放状態であるとともに球受部材2023が突出状態であることで第二始動口2004内に遊技球Bを受け入れ可能な状態を示す図である。
図101(A)は、羽根部材2022aが閉鎖状態とされているとともに球受部材が退避状態とされている状態の始動口ユニット2100を正面から見た拡大図であり、図101(B)は始動口ユニット2100を側方から見た断面図であり、図101(C)は始動口ユニット2100の右斜め上方向から見た断面斜視図である。図101(B)に示すようにこの状態で遊技球Bが二つの羽根部材2022aの間から始動口ユニット2100内に進入しても球受部材2023が退避状態とされているためにこの進入した遊技球Bを球受部材2023の上面で受け止めることなく通過させて第二始動口ユニット2100の下方から遊技領域5aへと放出する。
上記したように本例のパチンコ機1では羽根部材2022aの閉鎖状態時には障害釘によって始動口ユニット2100内への遊技球の進入が阻まれるようになっていると共に、羽根部材2022aの開閉動作と球受部材2023の進退動作とは同期して行われるようになっているため、羽根部材2022aが閉鎖状態とされている場合には始動口ユニット2100内に遊技球が進入することはない。ただし、羽根部材2022aが開放状態から閉鎖状態へと変化している最中には始動口ユニット2100内に遊技球が進入する場合がある。しかしながらこの場合であっても、羽根部材2022aの開放状態から閉鎖状態への変化に同期して球受部材2023が突出状態から退避状態へと変化されるため、羽根部材2022aの開放状態から閉鎖状態への変化に伴って始動口ユニット2100内に押し込まれた(進入した、誘導された)遊技球はその殆どが球受部材2023の上面で受け止められることはなく通過して第二始動口ユニット2100の下方から遊技領域5aへと放出される。
換言すると、閉鎖条件が成立(羽根開閉ソレノイド2404aをオン状態にして羽根部材2022aを閉鎖状態から開放状態へと変化させるとともに球受進退ソレノイド2404bをオン状態にして球受部材2023を退避状態から突出状態へと変化させる開放条件(普通判定にて普図当りに当選し、普通図柄表示器1402に普通当り図柄が停止されたこと)が成立した後、予め定められた時間が経過)した以降、即ち羽根開閉ソレノイド2404aをオフ状態にして羽根部材2022aを開放状態から閉鎖状態へと変化させるとともに球受進退ソレノイド2404bをオフ状態にして球受部材2023を突出状態から退避状態へと変化させている期間に始動口ユニット2100内に進入した遊技球はその殆どが球受部材2023の上面で受け止められることはなく通過して第二始動口ユニット2100の下方から遊技領域5aへと放出される。つまり、開放条件が成立してから閉鎖条件が成立するまでの期間に始動口ユニット2100内に進入した遊技球に比べて、閉鎖条件が成立した以降に始動口ユニット2100内に進入した遊技球は第二始動口2004内に受け入れられ難くなっている。
また、羽根部材2022aの閉鎖状態時には障害釘によって始動口ユニット2100内への遊技球の進入を阻むように構成するため、開放条件が成立したことに基づいて始動口ユニット2100内に遊技球が進入していない状態で球受進退ソレノイド2404bをオン状態にして球受部材2023を退避状態から突出状態に変化させることができ、球受部材2023の先端部2023aと始動口ユニット2100の前面カバー2101の裏面とによって遊技球が挟み込まれるいわゆる「球噛み」の発生を防止できる。
本例では羽根部材2022aを開閉動作させるソレノイド(羽根開閉ソレノイド2404a)と球受部材2023を進退動作させるソレノイド(球受進退ソレノイド2404b)とを別々に備えるものとしたが、羽根部材2022aと球受部材2023とを一つのソレノイドによって連動して動作させるようにしてもよい。この場合には開放条件が成立していなければ羽根部材2022aが開放されないようにするロック機構を備えるようにしてもよく、これにより開放条件が成立していないにもかかわらず羽根部材2022aを開放させて第二始動口2004内に遊技球を進入させる不正を防止できる。なお、本例の始動口ユニット2100では開放条件が成立していなければ羽根部材2022aが開放されないようにするロック機構を備えていない。しかし、羽根部材2022aを開閉動作させるソレノイド(羽根開閉ソレノイド2404a)と球受部材2023を進退動作させるソレノイド(球受進退ソレノイド2404b)とを別々に備えて個々に動作させるため、開放条件が成立していないにもかかわらず羽根部材2022aを開放させて第二始動口2004内に遊技球を進入させようとしても羽根部材2022aの開放に連動して球受部材2023が突出状態に変化することなく退避状態で維持されることになり、第二始動口2004内に遊技球を進入させる不正を防止できる。
なお、羽根部材2022aの閉鎖状態時に始動口ユニット2100内への遊技球の進入を阻む障害釘を設けないように構成してもよく、この場合には羽根部材2022aの閉鎖状態時にも始動口ユニット2100内へ遊技球が進入することになる。ただし、羽根部材2022aの開閉動作と球受部材2023の進退動作とは同期して行われて、羽根部材2022aが閉鎖状態とされている場合には球受部材2023が退避状態とされているため、羽根部材2022aの閉鎖状態時に始動口ユニット2100内へ進入した遊技球は球受部材2023の上面で受け止められることはなく通過し、第二始動口ユニット2100の下方から遊技領域5aへと放出される。
また、球受部材2023は退避状態において先端部2023aが第二始動口2004の入り口よりも更に奥まった位置となるように設けられる。また、始動口ユニット2100の第二始動口2004の入り口上部2102は前方に突出するように形成されている。そのため、二つの羽根部材2022aの間から棒などを差し込んで球受部材2023を引き出そうとしても始動口ユニット2100の前面カバー2101の上端部と第二始動口2004の入り口上部2102とに干渉して第二始動口2004内に差し込まれることを防止できるとともに、退避状態において球受部材2023の先端部2023aが第二始動口2004の入り口よりも更に奥まった位置となるように設けることで二つの羽根部材2022aの間から差し込まれる棒が球受部材2023に届くことを確実に防止できる。即ち、不正に第二始動口2004内に遊技球を入球させる不正を防止することができる。
また、始動口ユニット2100の前面に設けられる前面カバー2101はその背部を視認し難いように形成され、これによって球受部材2023の存在を悟られ難いようになっている。ただし、本例では前面カバー2101を凝視することで球受部材2023を視認することが可能である。
なお、一般的に球受部材2023等の遊技盤5の手前側に突出して遊技球を受入可能な状態に変化するとともに奥側に退避して遊技球を受け入れ困難な状態に変化するような可動体は、遊技者からはその動作状態を把握し難い。しかし、本例では遊技者から視認可能に設けられるとともにその開閉状態を容易に把握可能となるように羽根部材2022aが設けられるとともに、この羽根部材2022aの開閉動作と球受部材2023の進退動作とを同期して行い、羽根部材2022aが遊技球を受け入れ困難な閉鎖状態とされていれば球受部材2023も遊技球を受け入れ困難な退避状態とされ、羽根部材2022aが遊技球を容易に受け入れ可能な開放状態とされていれば球受部材2023が遊技球を容易に受け入れ可能な突出状態とされるため、羽根部材2022aの動作状態によって球受部材2023の動作状態を容易に判別することができる。
図102(A)は、羽根部材2022aが開放状態とされているとともに球受部材が突出状態とされている状態の始動口ユニット2100を正面から見た拡大図であり、図102(B)は始動口ユニット2100を側方から見た断面図であり、図102(C)は始動口ユニット2100の右斜め上方向から見た断面斜視図である。図102(B)に示すようにこの状態で遊技球Bが二つの羽根部材2022aの間から始動口ユニット2100内に進入すると突出状態とされている球受部材2023の上面でこの遊技球Bを受け止めるようになっている。また、球受部材2023の上面のうち先端部2023aから後方に向けての所定範囲(窪み部2023b)はなだらかに下方に向けて傾斜しており、上面で受け止めた遊技球を第二始動口2004内に誘導するようになっている。
また、図102(B)、(C)に示すように球受部材2023は先端部2023aが上方に突出した形状を有しており、球受部材2023における上方に突出した先端部2023aと第二始動口2004の入り口との間の窪み部2023bに遊技球が進入することでこの遊技球が第二始動口2004内へ導かれるようになっている。また、球受部材2023の突出状態において球受部材2023における上方に突出した先端部2023aと第二始動口2004の入り口との間の窪み部2023bは遊技球の直径よりも僅かに広い程度の幅とされているとともに、第二始動口2004の入り口の幅(上下方向と左右方向の幅)は遊技球の直径よりも僅かに広い程度の幅とされている。そのため、球受部材2023が突出状態となって先端部2023aが最も手前(遊技者側)に突出した状態となっている場合には始動口ユニット2100内へ進入した遊技球が球受部材2023における上方に突出した先端部2023aと第二始動口2004の入り口との間の窪み部2023bに進入して第二始動口2004内へ導かれるようになる。一方、始動口ユニット2100内へ進入した遊技球が突出状態から退避状態へと変化している球受部材2023に当接した場合には、遊技球が球受部材2023における上方に突出した先端部2023aと第二始動口2004の入り口との間の窪み部2023bに進入することなく球受部材2023における上方に突出した先端部2023a上を転がり、球受部材2023が退避状態へ変化すると第二始動口ユニット2100の下方から遊技領域5aへと放出される。即ち、始動口ユニット2100内へ進入した遊技球が突出状態から退避状態へと変化している球受部材2023に当接しても球受部材2023における上方に突出した先端部2023aと第二始動口2004の入り口上部2102とによって第二始動口2004内への進入を阻まれる。なお、先端部2023aの上面は奥側(遊技盤の後方)に傾斜した形状を有しており、突出状態から退避状態へと変化している球受部材2023に遊技球が当接した場合に、仮に先端部2023aと入り口上部2102とによって遊技球が挟み込まれたとしても球受部材2023の突出状態から退避状態への動作に応じて遊技球を手前側(遊技盤の前方)へ押し出す力が発生するため、遊技球の挟み込みという不具合の発生を抑止可能である。
このように、本例の始動口ユニット2100は羽根部材2022aと球受部材2023とを同期するように動作させることにより、第二始動口2004へ遊技球を受け入れ可能な状態と遊技球を受け入れ不能な状態へと切り替えるようになっている。このように構成することにより、第二始動口2004への入賞を発生させたくない非時短状態時において第二始動口2004を短時間だけ遊技球を受け入れ不能な状態から遊技球を受け入れ可能な状態へと変化させた場合に第二始動口2004内に遊技球が受け入れられることを極力抑止することが可能になり、遊技仕様等の設計が容易となる。
また、第二始動口2004へ遊技球を受け入れ可能な状態と遊技球を受け入れ不能な状態へと変化させる手段としては、羽根部材2022aと球受部材2023とを同期して動作させるものに限らず、羽根部材と羽根部材とを同期して動作させるものや、球受部材と球受部材とを同期して動作させるものであってもよい。
上センター役物2500は、遊技領域5a内において、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。同様に下センター役物2600は、遊技領域5a内において、正面視略中央やや下寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。また、上センター役物2500及び下センター役物2600は、枠状に形成されており、上センター役物2500の枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置されたメイン演出表示装置1600を前方から視認することができ、下センター役物2600の枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置されたサブ演出表示装置1700を前方から視認することができるようになっている。
枠状の上センター役物2500及び下センター役物2600は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
一般入賞口2001a〜eに受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側の裏ユニットへ送られて一般入賞口センサ3001a〜dにより検知された上で、下方の基板ホルダへ排出される。また、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側の裏ユニットへ送られて第一始動口センサ3002により検知された上で、下方の基板ホルダへ排出される。
また、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダへ排出される。第一大入賞口2005aに受入れられた遊技球Bは、第一カウントセンサ2403aに検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダへ排出され、第二大入賞口2005bに受入れられた遊技球Bは、第二カウントセンサ2403bに検知された後に、V入賞口2411と排出口2412との一方に振り分けられてV入賞口センサ4007a,bと排出口センサ4008との一方に検知され、その後に遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダへ排出される。
[5−9.サイドランプ]
サイドランプ1801,1802は、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて発光演出を行うことができるものである。サイドランプ1801,1802は、LEDを適宜発光させて発光演出を行うことが可能であり、それらを適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[5−10.裏ユニット]
遊技盤5における裏ユニットについて説明する。裏ユニットは、遊技パネル1100におけるパネルホルダの後面に取付けられており、前側にメイン演出表示装置1600、サブ演出表示装置1700及び周辺制御ユニットが取付けられている。裏ユニットは、一般入賞口2001a〜eに受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001a〜dと、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003と、を備えている(図103を参照)。
パネル中継基板は、主制御基板1310と、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2401、第二始動口センサ2402、第一カウントセンサ2403a、第二カウントセンサ2403b、羽根開閉ソレノイド2404a、球受進退ソレノイド2404b、第一大入賞口2005aを開閉させる第一アタッカソレノイド2405a、第二大入賞口2005bを開閉させる第二アタッカソレノイド2405b、一般入賞口センサ3001a〜d、第一始動口センサ3002、及び磁気センサ3003との接続を中継するためのものである。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図103を参照して説明する。図103は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいてメイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル182の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[6−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3002、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2402、上一般入賞口2001a及び左中一般入賞口2001bに受入れられた遊技球Bを検出する上・左中一般入賞口センサ3001a、左下一般入賞口2001cに受入れられた遊技球Bを検出する左下一般入賞口センサ3001b、右中一般入賞口2001dに受入れられた遊技球Bを検出する右中一般入賞口センサ3001c、右下一般入賞口2001eに受入れられた遊技球Bを検出する右下一般入賞口センサ3001d、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401、第一大入賞口2005aに受入れられた遊技球Bを検知する第一カウントセンサ2403a、第二大入賞口2005bに受入れられた遊技球Bを検知する第二カウントセンサ2403b、第二大入賞口2005b内のV入賞口2411に受け入れられた遊技球Bを検知する入賞口センサ4007a,b、第二大入賞口2005b内の排出口2412に受け入れられた遊技球を検知する排出口センサ4008、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ3003、等からの検出信号が夫々主制御I/Oポートを介して入力される。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポートから主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、羽根開閉ソレノイド2404a、球受進退ソレノイド2404b、第一アタッカソレノイド2405a、及び第二アタッカソレノイド2405bに駆動信号を出力したり、主制御I/Oポートから機能表示ユニット1400の状態表示器1401、普通図柄表示器1402、普通保留表示器1403、第一特別図柄表示器1404、第一特別保留数表示器1405、第二特別図柄表示器1406、ラウンド表示器1408、等に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、ゲートセンサ2401、一般入賞口センサ3001a〜d、及びカウントセンサ2403a,bには、遊技球Bが頻繁に入球したり頻繁に通過したりするため、耐久性が高く寿命の長い非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、払出制御基板633にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、払出制御基板633等にも出力されている。
[6−2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチと、メンテナンスの際に、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580内の遊技球Bを、パチンコ機1の外部(上皿201)へ排出して球抜き動作を開始するための球抜スイッチと、を備えている。
[6−2a.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ154からの検出信号が入力されたり、球切検知センサ574、払出検知センサ591、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が入力される。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574、払出装置580の払出検知センサ591及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
払出制御MPUは、払出モータ584を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ584に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置580の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示される。
[6−2b.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル182の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御基板633のRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、払出制御基板633のRAMから完全に消去(クリア)される。
[6−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図103に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、メイン演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[6−3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板(サイドランプ1801,1802、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示するメイン保留数表示器1610や特定条件下(本例では大当り遊技の実行中における所定期間内)での右下一般入賞口2001eへの遊技球Bの受入れに係る保留数を表示するサブ保留数表示器1710等に設けられる装飾基板等)に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348からの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。
また周辺制御MPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御MPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出しているボリュームを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御MPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御MPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPUから遊技盤5の演出駆動基板に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
演出駆動基板は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を、扉枠3に備えられた各装飾基板のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を遊技盤5に備えられた各装飾基板のLEDに出力したりする。
また、演出駆動基板は、受信した駆動コマンドに基づいた駆動信号を、扉枠3に備えられた操作リング駆動モータ342及び操作ボタン昇降駆動モータ367や、遊技盤5に備えられた各駆動モータ等に出力したりする。
[6−3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御してメイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従ってメイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出してメイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に出力する。またVDPは、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されてメイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動される。メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査としてメイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、メイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査としてメイン演出表示装置1600やサブ演出表示装置1700の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[7.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図99等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル182を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側(左打ち)、或いは、右側(右打ち)の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込み強さは、ハンドル182の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘に当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球Bの当接により回転する風車が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の左側または右側へ流下した遊技球Bは、障害釘等により左右方向中央側へ寄せられ、第一始動口2002に受入れられる可能性がある。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
また、センター役物2500の右側に遊技球Bが打ち込まれる(所謂、右打ちする)と、その遊技球Bが第二始動口2004に受入れられる可能性や、ゲート部2003を通過する可能性がある。
こうして右打ちされた遊技球Bがゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通判定が行われる。この普通判定にて普図当りに当選し、該当選したことが普通図柄変動において示されると(開放条件が成立)、始動口ユニット2100の羽根部材2022aを開放させる(開放状態にする)ように羽根開閉ソレノイド2404aをオン状態にするとともに、球受部材2023を前進させて遊技者側に突出した状態(突出状態)となるように球受進退ソレノイド2404bをオン状態にし、開放状態の羽根部材2022aから進入した遊技球Bが球受部材2023で受け止められて第二始動口2004へ受け入れ可能になる。この第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
なお、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、始動口ユニット2100の羽根部材2022aを開放状態及び球受部材2023を突出状態へと動作させてから予め定められた時間が経過した(閉鎖条件が成立)ことに基づいて、始動口ユニット2100の羽根部材2022aを閉鎖させる(閉鎖状態にする)ように羽根開閉ソレノイド2404aをオフ状態にするとともに、球受部材2023を後退させて遊技盤5内に入り込んだ状態(退避状態)となるように球受進退ソレノイド2404bをオフ状態にする。ただし、始動口ユニット2100の羽根部材2022aを開放状態及び球受部材2023を突出状態へと動作させてから予め定められた時間が経過していない状況であったとしても、予め定められた上限個数(この例では1球)の遊技球Bが第二始動口2004に受け入れられたときには、その時点で始動口ユニット2100の羽根部材2022aを閉鎖状態及び球受部材2023を退避状態へと動作させることにより遊技球Bが第二始動口2004へ受け入れ不能になる。
また上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り遊技」、「小当り遊技」、「時短状態」、等)を発生させるか否かについての当り判定(第一特別図柄側、若しくは第二特別図柄側)が行われる。なお、当り判定で大当りに当選した場合、入球時に取得されている図柄乱数(以下、図柄乱数(第一特別図柄乱数、第二特別図柄乱数)とも言う)に基づいて大当り種別を判断し、該判断した種別の大当り(決定された大当り種別)に対応する遊技特典(大当り遊技や、大当り遊技後の遊技状態)が付与されるようになっている。同様に当り判定で小当りに当選した場合、入球時に取得されている図柄乱数(以下、図柄乱数(第一特別図柄乱数、第二特別図柄乱数)とも言う)に基づいて小当り種別を判断し、該判断した種別の小当り(決定された小当り種別)に対応する遊技特典(小当り遊技や、小当り遊技でV入賞した場合に実行される大当り遊技、大当り遊技後の遊技状態)が付与されるようになっている。
当り判定が行われると、該当り判定の結果に基づいて選択された変動時間だけ特別図柄(第一特別図柄、若しくは第二特別図柄)を変動表示させた後、該結果に応じた図柄態様(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄)で特別図柄を停止させることで、遊技者が認識可能とされるようになる。そしてこの結果、停止された特別図柄(第一特別図柄、若しくは第二特別図柄)が大当り図柄及び小当り図柄でなければ、次の当り判定にかかる始動条件が満たされることとなり、主制御基板1310において、未実行の状態にて保留されている第一特別図柄があれば、消化順位の最も高い当り判定から消化(実行)されることとなる。
これに対し、停止された特別図柄(第一特別図柄、若しくは第二特別図柄)が大当り図柄であれば、主制御基板1310において、遊技者により賞が獲得可能とされる大当り遊技が行われる。大当り遊技の実行に際しては、まず、大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われるオープニング期間を発生させる。そして、このオープニング期間が終了すると、決定されている大当り種別に応じて予め定められている規定ラウンド数(本実施形態では15ラウンド)を上限として第一大入賞口2005aが開放される(第一大入賞口2005aが遊技球Bを受け入れ可能な状態にされる)ラウンド遊技が行われる。1回のラウンド遊技は、第一大入賞口2005aの開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に第一大入賞口2005aに、規定個数(入賞上限個数:この例では10球)の遊技球Bが入賞する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間:この例では28.5秒)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるエンディング期間(本実施形態では5秒)を発生させ、該エンディング期間が終了すると、大当り遊技は終了される。
また、停止された特別図柄(この例では第二特別図柄)が小当り図柄であれば、主制御基板1310において、遊技者により賞が獲得可能とされる小当り遊技が行われる。小当り遊技の実行に際しては、まず、小当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われるオープニング期間を発生させる。そして、このオープニング期間が終了すると、第二大入賞口2005bが開放される(第二大入賞口2005bが遊技球Bを受け入れ可能な状態にされる)開放遊技が予め定めた規定開放回数(本実施形態では1回)を上限として行われる。1回の開放遊技中に第二大入賞口2005bに、規定個数(入賞上限個数:この例では10球)の遊技球Bが入賞する迄の間、又は規定時間(開放遊技時間:この例では1.8秒)が経過するまでの間、開放される。開放遊技では、開放演出が行われる。そして、規定開放回数の開放遊技が終了すると、小当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるエンディング期間(本実施形態では5秒)を発生させ、該エンディング期間が終了すると、小当り遊技は終了される。
また、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、小当り遊技の終了後に、大当り遊技を継続して発生させる場合がある。具体的には、小当り遊技において第二大入賞口2005bに遊技球Bが入賞し、且つ、その入賞した遊技球Bが内部のV入賞口2411に振り分けられる(V入賞)ことを条件として、決定されている小当り種別に応じて予め定められている規定ラウンド数(本実施形態では15ラウンド)を上限として第一大入賞口2005aが開放されるラウンド遊技が行われる。このため、上記した小当り遊技の終了時点でのエンディング演出では、小当り遊技の終了を示すだけでなく、第二大入賞口2005bの内部のV入賞口2411に遊技球Bが入球したか否か、すなわち小当り遊技から継続して大当り遊技が行われるか否かも示される。なお、小当り遊技の終了後に大当り遊技を継続して発生させる場合には第二大入賞口2005bが開放される小当り遊技が1回のラウンドとなり、この1回のラウンドを含む数のラウンド遊技が規定ラウンド数に達するまでは(2ラウンド目から16ラウンド目までは)第一大入賞口2005aが開放されるラウンド遊技が行われる。
また、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が大当り図柄である場合の一部で、大当り遊技の終了後に、時短状態に制御する。また、第二特別図柄が小当り図柄である場合の一部で、小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられたときに実行される大当り遊技の終了後に、時短状態に制御する。この時短状態では、時短状態が発生していない非時短状態(通常遊技状態など)と比較して、第二始動口2004に遊技球Bを入賞させ易くするか否かの普通判定の結果を導出する普通図柄変動の変動時間が短縮される。また、時短状態では、普通判定において普図当りに当選した場合、非時短状態とは異なる開放パターンで始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放状態及び球受部材2023が突出状態に動作するようになっている。
本実施形態において、非時短状態で普図当りに当選する場合には、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが短開放態様(この例では0.08秒)で開放動作するのと同時に、球受部材2023が短進退態様(この例では0.08秒)で進退動作する開放パターンAが行われる一方で、時短状態で普図当りに当選する場合には、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが長開放態様(この例では2秒)で開放動作するのと同時に、球受部材2023が短進退態様(この例では2秒)で進退動作する開放パターンBが行われる。つまり、第二始動口2004は、時短状態では、非時短状態と比較して、1回の普図当りに対応する羽根部材2022aの開放時間及び球受部材2023の突出時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。このため、時短状態では、非時短状態の場合と比較すると、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放状態及び球受部材2023が突出状態に動作し易い入球率向上状態であり、右打ちを継続して行ったときに第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられて普通判定に応じた普通図柄変動が行われ易くなる。
上記によれば、本例のパチンコ機1では、時短状態で普図当りに当選した場合に右打ちを継続して行っていれば、遊技球Bが第二始動口2004に受け入れられる可能性がある。一方、非時短状態で普図当りに当選した場合には、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放状態にあるときに内部に遊技球Bが入球したとしても、その遊技球Bが球受部材2023に到達するまでの時間として0.08秒以上がかかり、球受部材2023に到達したときには既に球受部材2023が突出状態から退避状態に変化しており、第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられることはない。このため、非時短状態では第二始動口2004への遊技球Bの入球が発生せず、第一始動口2002への遊技球Bの受け入れに基づいて第一特別図柄の変動表示が実行される。
また、この実施の形態にかかる時短状態は、大当り遊技の終了後に予め定められた回数(この例では、100回)の特別図柄の図柄変動が実行されたときに終了するものとなっている。同様に、第二特別図柄側の小当り図柄である場合の一部を除いて、第二大入賞口2005bの内部のV入賞口2411に遊技球Bが入球したときには、大当り遊技の終了後に予め定められた回数(この例では、100回)の特別図柄の図柄変動が実行されたときに終了するものとなっている。
なお、本実施形態におけるパチンコ機1での仕様は以下の通りである。メイン演出表示装置1600に表示される第一特別図柄に対応した装飾図柄としては[1]〜[8]の8種類の数字が採用されており、大当り図柄としては[111][222][333][444][555][666][777][888]が採用されている。また、メイン演出表示装置1600に表示される第一特別図柄に対応したミニ図柄としては[7][−]の2種類の数字や記号が採用されており、大当り図柄としては[7]が採用されている。また、メイン演出表示装置1600に表示される第二特別図柄に対応したミニ図柄としては[7][1][−]の3種類の数字や記号が採用されており、大当り図柄としては[7]、小当り図柄としては[1]が採用されている。また、第一特別図柄側及び第二特別図柄側の大当りの当選確率としては、1/240が規定されている。第一特別図柄側の小当りの当選確率としては、0/240、第二特別図柄側の小当りの当選確率としては、239/240がそれぞれ規定されている。普図当りの当選確率としては、10/10が規定されている。また、遊技球Bの賞球数としては、第一始動口2002に対して3個が、第二始動口2004に対して1個が、第一大入賞口2005a及び第二大入賞口2005bに対して15個がそれぞれ規定されている。また、第二始動口2004の開放パターンAとしては、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放状態及び球受部材2023が突出状態に動作してから0.08秒が経過するまでその状態を維持する態様が規定されている。一方、第二始動口2004の開放パターンBとしては、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放状態及び球受部材2023が突出状態に動作してから2秒が経過するまでその状態を維持する態様が規定されている。また、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが閉鎖状態及び球受部材2023が退避状態に動作する条件である入賞上限個数としては、「1球」が規定されている。また、大当り遊技の各ラウンド遊技では、第一大入賞口2005aの開放回数として「1回」が、入賞上限個数として「10球」が、それぞれ設定されている。また、小当り遊技では、第二大入賞口2005bの開放回数として「1回」が、入賞上限個数として「10球」が、それぞれ規定されている。
ところで、停止された特別図柄(第一特別図柄、若しくは第二特別図柄)が大当り図柄であれば、大当り遊技として、第一大入賞口2005aが開放状態となる。そして、第一大入賞口2005aが開放状態の時に、第一大入賞口2005aに遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、第一大入賞口2005aが開放状態の時に、大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
一方、停止された特別図柄(この例では第二特別図柄)が小当り図柄であれば、小当り遊技として、第二大入賞口2005bが開放状態となる。そして、第二大入賞口2005bが開放状態の時に、第二大入賞口2005bに遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数の遊技球Bが、上皿201に払出される。しかしながら、小当り遊技では、第二大入賞口2005bの開放時間が短く、大当り遊技において第一大入賞口2005aに受け入れられる遊技球Bの数よりも、第二大入賞口2005bに受け入れられる数が大幅に少ない。このように、小当り遊技では、遊技者に払い出される遊技球Bの数が少ないが、小当り遊技中に第二大入賞口2005bに入球した遊技球Bが内部のV入賞口2411に入球することで大当り遊技を発生させることができ、遊技者を楽しませることができる。
本例のパチンコ機1では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れに基づいて特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始してからこれらの図柄を停止させるまでの間に、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、第一特別図柄の変動表示を開始することができないため、先に開始された特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が停止するまで、第一特別図柄の変動表示の開始が保留される。この保留される第一特別図柄の変動表示の保留記憶数は、第一始動口2002に対して4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられても第一特別図柄の変動表示の開始を保留せずに、破棄している。これにより、過度に保留が貯まることによる遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
一方、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れに基づいて特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始してからこれらの図柄を停止させるまでの間に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられたとしても、第二特別図柄の変動表示の開始が保留されない。すなわち、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が停止された状態で、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられた場合のみ、第二特別図柄の変動表示を開始することができる。このように、第一特別図柄とは異なり、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても第二特別図柄の変動表示の開始を保留させないことで、時短状態であったとしても、高い確率で小当りとなる有利な第二特別図柄の変動表示が頻繁に開始されることを防ぎ、遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示は、機能表示ユニット1400とメイン演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が行われる。機能表示ユニット1400での特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の結果(当り判定の結果に応じた図柄態様)を示唆する。
また、メイン演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基いて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として当り判定の結果の示唆が行われる。メイン演出表示装置1600での当り判定の結果を示唆する演出画像としては、、第一特別図柄に対応した装飾図柄、第一特別図柄に対応したミニ図柄、第二特別図柄に対応したミニ図柄、が各々表示される。具体的には、非時短状態である場合に第一始動口2002に遊技球Bが受け入れられると、複数の装飾図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列の装飾図柄が、当り判定の結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される。当り判定の結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各装飾図柄が停止表示された後に、当り判定の結果を示唆する確定画像がメイン演出表示装置1600に表示されて、抽選された当り判定の結果に応じた有利遊技状態(例えば、大当り遊技等)が発生する。また、非時短状態及び時短状態のいずれの場合にも、第一始動口2002に遊技球Bが受け入れられると、第一特別図柄に対応したミニ図柄を変動させ、当り判定の結果と対応したミニ図柄で停止表示される。また、非時短状態及び時短状態のいずれの場合にも、第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられると、第二特別図柄に対応したミニ図柄を変動させ、当り判定の結果と対応したミニ図柄で停止表示される。このように、非時短状態である場合には、第一特別図柄に対応して装飾図柄とミニ図柄とのいずれもが変動表示するが、ミニ図柄よりも装飾図柄のほうが大きく表示されるため、その装飾図柄の変動表示に遊技者が注目するようになっている。これに対し、時短状態である場合には、ミニ図柄よりも大きく表示される装飾図柄が表示されないが、第一特別図柄に対応したミニ図柄や第二特別図柄に対応したミニ図柄が表示されるため、それらのミニ図柄を遊技者が視認することによって当り判定の結果を把握しうるようになっている。
[8.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図104(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板1310の主制御MPUによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図104(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板1310はまず、主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板1310に出力し、電源投入時に主制御MPUがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御内蔵RAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御内蔵RAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。また、初期化処理を実行した場合には遊技状態を非時短状態に制御することになる。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応してメイン演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記第二始動口2004の開放契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数))等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2002に始動入賞した場合であっても、第二始動口2004に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4mS毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図104(b)は、上記主制御基板1310の主制御MPUによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図104(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2401、上記第一始動口センサ3002、上記第二始動口センサ2402、上記第一カウントセンサ2403a、上記第二カウントセンサ2403b、上記上・左中一般入賞口センサ3001a、上記左下一般入賞口センサ3001b、上記右中一般入賞口センサ3001c、上記右下一般入賞口センサ3001d、上記磁気センサ3003、上記V入賞口センサ4005a、上記排出口センサ4008など、各種のセンサからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上記乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御内蔵RAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS15の処理として、上記第二始動口2004の開放契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じく主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ3002、上記第二始動口センサ2402、上記第一カウントセンサ2403a、上記第二カウントセンサ2403b、上記上・左中一般入賞口センサ3001a、上記左下一般入賞口センサ3001b、上記右中一般入賞口センサ3001c、上記右下一般入賞口センサ3001dなどの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板633に払出制御コマンドを出力する賞球処理を実行する。これにより、上記払出制御基板633に搭載される払出制御MPUは、払出モータ584に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。本例では上記第一始動口2002に遊技球Bが入賞して上記第一始動口センサ3002がオン状態になると「3球」、上記第二始動口2004に遊技球Bが入賞して上記第二始動口センサ2402がオン状態になると「1球」、上記第一大入賞口2005aに遊技球Bが入賞して第一カウントセンサ2403aがオン状態になると「15球」、上記第二大入賞口2005bに遊技球Bが入賞して第二カウントセンサ2403bがオン状態になると「15球」、上記上一般入賞口2001a又は上記左中一般入賞口2001bに遊技球Bが入賞して上・左中一般入賞口センサ3001aがオン状態になった場合、上記左下一般入賞口2001cに遊技球Bが入賞して左下一般入賞口センサ3001bがオン状態になった場合、上記右中一般入賞口2001dに遊技球Bが入賞して右中一般入賞口センサ3001cがオン状態になった場合、及び上記右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入賞して右下一般入賞口センサ3001dがオン状態になった場合には「8球」の賞球をそれぞれ遊技者に払い出すようになっている。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS20の処理として、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4mS毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図105は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図105に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ3002による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2402による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、主制御MPUは大当り遊技に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技の制御を行う大当り制御処理(ステップS40)を実行する。なお、大当り制御処理では、第一特別図柄又は第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果(当り判定の結果と大当り種別の内容)が「15R大当り」を示唆する態様となったときに、第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返す15R大当り遊技に制御する処理を実行する。
また、大当り制御処理では、このような第一大入賞口2005aの開放制御を行った後、時短フラグのセット処理を実行する。時短フラグは、時短制御(時短状態で実行される制御)の実行中であることを示すフラグであり、大当り遊技終了後に時短制御する大当りに基づく大当り遊技を終了するときにセットされ、後述する図116に示す第一特別図柄停止処理又は後述する図120に示す第二特別図柄停止処理でリセットされる。このように本例のパチンコ機1では時短回数として100回に設定され、大当り遊技終了後に時短制御を開始して特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を100回実行したときに時短制御を終了するようになっている。
また、主制御MPUは大当り実行中フラグがセットされていなければ、小当り遊技に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS36)、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技の制御を行う小当り制御処理(ステップS41)を実行する。なお、小当り制御処理では、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「小当り」を示唆する態様となったときに、後述する第二大入賞口2005bの開放パターンA又は開放パターンBに基づいて第二大入賞口2005bを開放した後又は第二大入賞口2005bに遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2403bで検出されたときに閉鎖させる処理を実行する。また、第二大入賞口2005b内に入賞した遊技球BがV入賞口2411に進入した場合には大当り遊技に制御して第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返す16R大当り遊技に移行制御する。
また、主制御MPUは大当り実行中フラグと小当り実行中フラグとのいずれもセットされていなければ第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS38)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。
図106は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3002がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図106に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS42)。このステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS43〜S45の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS43の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS44の処理として、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS41で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合にはメイン演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS45)、処理を終了する。
一方、上記ステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS43〜ステップS45の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球Bが入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは第一保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第一保留記憶数をメイン保留数表示器1610に表示するようになっている。
図107は、上記演出事前判定処理(ステップS45)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPUは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS41で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合にはメイン演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS61)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合にはメイン演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS45で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS62)。
そして、上記特別図柄コマンド制御処理(ステップS16)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した第一始動口2002に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合にはメイン演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御MPUの周辺制御RAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1〜4の記憶領域を有しており、周辺制御MPUは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2〜4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図108は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2402がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図108に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数が「0」であるか否かの判断を行う(ステップS52)。このステップS52の処理において、上記第一保留記憶数が「0」であると判断された場合には、上記大当り実行中フラグ及び上記小当り実行中フラグのいずれかがセットされているか否かの判断を行う(ステップS53)。また、ステップS53の処理において、上記大当り実行中フラグ及び上記小当り実行中フラグがいずれもセットされていないと判断された場合には、上記第一特別図柄プロセスフラグ及び上記第二特別図柄プロセスフラグがいずれも特別図柄通常処理(第一特別図柄通常処理、第二特別図柄通常処理)を行うべき旨を示しているか否かの判断を行う(ステップS54)。そして、ステップS54の処理において、上記第一特別図柄プロセスフラグ及び上記第二特別図柄プロセスフラグがいずれも特別図柄通常処理(第一特別図柄通常処理、第二特別図柄通常処理)を行うべき旨を示していると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS55〜S56の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS55の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS56の処理として、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納し、処理を終了する。
一方、上記ステップS52の処理において、上記第一保留記憶数が「0」でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、上記第一特別図柄の変動表示制御が保留の状態にある場合には、ステップS55〜ステップS56の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。また、上記ステップS53の処理において、上記大当り実行中フラグ及び上記小当り実行中フラグのいずれかがセットされていると判断された場合や、上記ステップS54の処理において、上記第一特別図柄プロセスフラグ及び上記第二特別図柄プロセスフラグのいずれかが特別図柄通常処理(第一特別図柄通常処理、第二特別図柄通常処理)を行うべき旨を示していないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、上記第一特別図柄又は上記第二特別図柄の変動表示制御中や、上記大当り遊技や上記小当り遊技の制御中など、上記第二特別図柄の変動表示制御が直ぐに開始できない状態にある場合には、ステップS55〜ステップS56の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
このように本例では、第二始動口2004へ遊技球Bが入球した場合において、上記第一特別図柄の変動表示制御が保留の状態でなく、且つ、上記第二特別図柄の変動表示制御が直ぐに開始しうる状態に限って、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とし、この新たに保留の状態となった上記第二特別図柄の変動表示制御を直ぐに開始するようになっている。
また、第二始動口2004へ遊技球Bが入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜1)をセットして周辺制御基板4140に送信するようになっている。
図109は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。なお、後述する当り判定処理(ステップS105)にて第一特別乱数との比較の結果、小当りとすると判定する場合がないため、第一特別図柄プロセス処理で実行される当り判定処理と、第二特別図柄プロセス処理で実行される当り判定処理と、を別処理とし、第一特別図柄プロセス処理における各々のプロセス処理においては、小当りに関する処理を実行しないように制御してもよい。
1.主制御内蔵RAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器1404に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記メイン演出表示装置1600に第一特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器1404における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器1404に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図104参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図110は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図110に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口2002への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りや小当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図111は、上記当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、図112(A)に示す当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)とを比較する(ステップS114)。
図112(A)に示すように当り判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、1種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、239種類の第一特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;240分の1)。また、本例では特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、1種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、大当り判定値とは異なる239種類の第二特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;240分の1、小当り確率;240分の239)。即ち、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは小当りと判定されることがなく、大当りとハズレとの一方にすると判定されるようになっており、第二特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは必ず大当りと小当りとのいずれか一方にすると判定されるようになっている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS116)、当り判定処理を終了する。
また、選択した当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS117)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(ステップS118)、当り判定処理を終了する。
一方、大当りと小当りとのいずれにも当選していない場合、即ちハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が時短状態時の場合に使用する時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が非時短状態時の場合に使用する非時短状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が時短状態時よりも高められる。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS120)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS121)。
図113は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図113に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS131)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、図112(B)に示す大当り図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と選択した大当り図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS132)。
図112(B)に示すように大当り図柄決定テーブルには、判定結果(大当りA、大当りB、大当りC)に応じて各々図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPUでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の大当り図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが同一となるように設定している。
具体的には、
1.第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005aに入球可能(容易)な15R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態に制御し、さらに大当り遊技のラウンド遊技中に、その後に時短状態に制御される旨を通知しうる大当りA
2.第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005aに入球可能(容易)な15R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態に制御し、さらに大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)に、その後に時短状態に制御される旨を通知しうる大当りB
3.第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005aに入球可能(容易)な15R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、非時短状態に制御する大当りC
なお、第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、大当りAとなる場合に24個の判定値が振り分けられ、大当りBとなる場合に6個の判定値が振り分けられ、大当りCとなる場合に70個の判定値が振り分けられている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には24%の確率で大当りAとなり、6%の確率で大当りBとなり、70%の確率で大当りCとなる。同様に、第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、大当りAとなる場合に24個の判定値が振り分けられ、大当りBとなる場合に6個の判定値が振り分けられ、大当りCとなる場合に70個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には24%の確率で大当りAとなり、6%の確率で大当りBとなり、70%の確率で大当りCとなる。
また、大当りとする抽選結果が得られた場合には大当りの種類に応じて大当り遊技が終了した後の遊技状態が決定される。そして、大当り制御処理(ステップS40)では、大当り遊技の制御を行った後、その決定結果に基づいて時短フラグのセット処理が実行される。
具体的には、「大当りA」及び「大当りB」の大当りが得られた旨を判断したときは、15ラウンド分の大当り遊技が実行された後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまで時短状態に制御され、「大当りC」の大当りが得られた旨を判断したときは、15ラウンド分の大当り遊技が実行された後に、非時短状態に制御される。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には、30%の確率で大当り遊技の終了後に時短状態に制御され、70%の確率で大当り遊技の終了後に非時短状態に制御される。同様に、第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には、30%の確率で大当り遊技の終了後に時短状態に制御され、70%の確率で大当り遊技の終了後に非時短状態に制御される。
なお、大当り遊技の実行中には、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球することに基づいてサブ演出表示装置1700に演出図柄を変動表示させ、その演出図柄の停止図柄によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるか否かを通知する報知演出を実行している。そして、「大当りA」の大当りが得られた旨を判断したときは、大当り遊技のラウンド遊技中に、報知演出によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御される旨を通知している。また、「大当りB」の大当りが得られた旨を判断したときは、大当り遊技のラウンド遊技中に、報知演出によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御されない旨を通知しながらも、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)に、報知演出によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御される旨を通知している。また、「大当りC」の大当りが得られた旨を判断したときは、大当り遊技のラウンド遊技中に、報知演出によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御されない旨を通知するのみである。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には、24%の確率で大当り遊技のラウンド遊技中に時短状態に制御される旨を通知し、6%の確率で大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間に時短状態に制御される旨を通知し、70%の確率で大当り遊技中に時短状態に制御される旨を通知しない。同様に、第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には、24%の確率で大当り遊技のラウンド遊技中に時短状態に制御される旨を通知し、6%の確率で大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間に時短状態に制御される旨を通知し、70%の確率で大当り遊技中に時短状態に制御される旨を通知しない。
また、大当りAに決定した場合には大当り図柄として大当りA図柄に決定し、大当りBに決定した場合には大当り図柄として大当りB図柄に決定し、大当りCに決定した場合には大当り図柄として大当りC図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていない場合にはハズレ図柄に決定する(ステップS136)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS137の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチハズレ、ハズレのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御MPUは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいてメイン演出表示装置1600を表示制御する。メイン演出表示装置1600には、非時短状態である場合のみ、第一特別図柄表示器1404での第一特別図柄に対応した装飾図柄が変動表示されるのに対し、非時短状態及び時短状態のいずれの場合にも、第一特別図柄表示器1404での第一特別図柄に対応したミニ図柄と、第二特別図柄表示器1406での第二特別図柄に対応したミニ図柄と、が変動表示される。具体的には、周辺制御MPUは、非時短状態に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りを特定した場合には大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が[0]〜[8]の同一の図柄の組み合わせ)に決定し、リーチハズレを特定した場合にはリーチを伴ったハズレ図柄(左・右の装飾図柄が[0]〜[8]の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、ハズレを特定した場合には、リーチを伴わないハズレ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を表示制御する。また、周辺制御MPUは、時短状態に表示される第一特別図柄に対応したミニ図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りを特定した場合には大当り図柄(ミニ図柄が[7]の図柄)に決定し、リーチハズレ及びハズレのいずれを特定した場合にもハズレ図柄(ミニ図柄が[−]の図柄)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を表示制御する。また、周辺制御MPUは、時短状態に表示される第二特別図柄に対応したミニ図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りを特定した場合には大当り図柄(ミニ図柄が[7]の図柄)に決定し、小当りを特定した場合には小当り図柄(ミニ図柄が[1]の図柄)に決定し、リーチハズレ及びハズレのいずれを特定した場合にもハズレ図柄(ミニ図柄が[−]の図柄)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を表示制御する。
図114は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図114に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS132で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には、ハズレ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1404に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1404にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記メイン演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、241種類の変動乱数のうち164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。なお、スーパーリーチ演出とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、本例の変動パターンテーブルでは、第一特別乱数に対応する変動時間として非時短状態では10〜60秒が設定され、時短状態では2〜10秒が設定され、同様に第二特別乱数に対応する変動時間として非時短状態では10〜60秒が設定され、時短状態では2〜10秒が設定されている。
第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS151の処理として、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS152)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS153)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS154)。
上記ステップS151の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合、上記ステップS153の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS155の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。
図115は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図115に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図116は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図116に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器1404に表示させるための表示制御を行うとともに、上記メイン演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板1310の主制御MPUは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の所定回数(本例では時短回数100回)の変動表示を実行したときに時短制御を終了させて非時短状態の制御を開始するようになる。
また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技の開始までの待機時間(大当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。なお、図示しないがステップS188では大当りの種類に応じたラウンド数を、ラウンドの残り回数を示す大当り回数カウンタにセットする処理も実行される。大当り回数カウンタは後述する大当り制御処理においてラウンドの実行毎に1ずつ減算され、大当り回数カウンタが「0」になったときに主制御基板1310の主制御MPUが規定ラウンド数を実行したと判断して大当り遊技を終了させるように制御する。具体的には後述する大当り制御処理において大当り回数カウンタが「0」になるまでは大入賞口開放前処理(ステップS91)と大入賞口開放中処理(ステップS92)とを繰り返し実行し、大入賞口開放中処理(ステップS92)でラウンドを終了するときに大当り回数カウンタを1減算して「0」なったことに基づいて大入賞口開放後処理(ステップS93)に移行して大当り遊技を終了させる制御を実行する。
そして、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットする(ステップS189)。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(大当りA、大当りB、大当りC)に応じた大当り開始コマンド(大当りA開始コマンド、大当りB開始コマンド、大当りC開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技の演出がメイン演出表示装置1600、サブ演出表示装置1700、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
また、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグは、大当り遊技を終了するとき、具体的には大当り制御処理(ステップS40)の大入賞口開放後処理(ステップS93)で大当りの種類に応じた第一大入賞口2005aの開閉制御(例えば第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返す開閉制御)を終了したとき(大当り遊技で実行可能な全てのラウンド)にリセットされる。大当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄プロセス処理(ステップS14)のステップS35で大当り制御処理(ステップS40)を実行しないようにされる一方、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示及び第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、大当りフラグがセットされていない場合、即ちハズレとなるときにはステップS187〜ステップS189の処理を実行することなくステップS194に移行する。
上記ステップS186〜ステップS189の処理を実行すると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。
図117は、上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で実行される第二特別図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。
なお、上記したように第二特別図柄プロセス処理は第一特別図柄プロセス処理と略同様のプログラムモジュールであり、一部の処理を除き判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、以下においては第一特別図柄プロセス処理で実行される処理とは異なる処理についてのみ説明する。
上記第二特別図柄プロセスフラグが当該第二特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図117に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS101aの処理として、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第二特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第二特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102aの処理として、上記主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納されている第二特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第二特別乱数、第二図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS103aの処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンする。
なお、第二特別図柄保留記憶領域は1つの記憶領域(第二特別図柄保留記憶領域a)を有するのみであり、第二始動口2004への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数をその1つの記憶領域に記憶する。そして、1つの記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立するとその1つの記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出す。上記したように本例では、第二始動口2004へ遊技球Bが入球した場合に、上記第一特別図柄の変動表示制御が保留の状態でなく、且つ、上記第二特別図柄の変動表示制御が直ぐに開始しうる状態に限って、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とし、この新たに保留の状態となった上記第二特別図柄の変動表示制御を直ぐに開始するものである。このため、第一特別図柄保留記憶領域が4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有するのに対し、第二特別図柄保留記憶領域は1つの記憶領域(第二特別図柄保留記憶領域a)を有するのみでよい。
そしてその後、ステップS105aの処理として、上記読み出された第二特別図柄の第二特別乱数に基づいて上記大当りや小当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で実行される第二特別図柄停止図柄設定処理にプロセス移行されるよう上記第二特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106a)、この処理を終了する。
図118は、上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で実行される第二特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。
上記したように本例のパチンコ機1では、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として小当りとなるものを含まないのに対し、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として小当りとなるものも含むため、第二特別図柄停止図柄設定処理では第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として、小当りとなったか否かについても判別している。この抽選処理結果の判別は、小当りフラグがセットされているか否かを判別することにより行う。
具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS131a)、小当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS133a)、小当りフラグがセットされていれば図112(C)に示す小当り図柄決定テーブルを選択して、図示しない第二特別図柄通常処理で読み出した第二図柄乱数と選択した小当り図柄決定テーブルとを比較することにより第二特別図柄の変動制御停止時の態様(第二特別図柄の停止図柄)としての小当り図柄を決定する(ステップS134a)。
図112(C)に示すように小当り図柄決定テーブルには、判定結果(小当りA、小当りB、小当りC、小当りD)に応じて各々図柄乱数(第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPUでは、取得した第二図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、小当りの種類を決定する。
具体的には、
1.第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられうる開放パターンAに基づいて第二大入賞口2005bを開放した後又は第二大入賞口2005bに遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2403bで検出されたときに閉鎖させる小当り遊技に制御し、小当り遊技中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられた場合に、第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005aに入球可能(容易)な大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態に制御し、さらに大当り遊技のラウンド遊技中に、その後に時短状態に制御される旨を通知しうる小当りA
2.第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられうる開放パターンAに基づいて第二大入賞口2005bを開放した後又は第二大入賞口2005bに遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2403bで検出されたときに閉鎖させる小当り遊技に制御し、小当り遊技中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられた場合に、第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005aに入球可能(容易)な大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態に制御し、さらに大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)に、その後に時短状態に制御される旨を通知しうる大当りB
3.第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられうる開放パターンAに基づいて第二大入賞口2005bを開放した後又は第二大入賞口2005bに遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2403bで検出されたときに閉鎖させる小当り遊技に制御し、小当り遊技中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられた場合に、第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005aに入球可能(容易)な大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、非時短状態に制御する小当りC
4.第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられえない開放パターンBに基づいて第二大入賞口2005bを開放した後又は第二大入賞口2005bに遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2403bで検出されたときに閉鎖させる小当り遊技に制御する小当りD
なお、第二図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルは、小当りAとなる場合に24個の判定値が振り分けられ、小当りBとなる場合に6個の判定値が振り分けられ、小当りCとなる場合に69個の判定値が振り分けられ、小当りDとなる場合に1個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には24%の確率で小当りAとなり、6%の確率で小当りBとなり、69%の確率で小当りCとなり、1%の確率で小当りDとなる。
また、小当りとする抽選結果が得られた場合には小当りの種類に応じて小当り遊技中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技終了後の遊技状態が決定される。そして、大当り制御処理(ステップS40)では、小当り遊技中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられたことに基づいて大当り遊技の制御を行った後、その決定結果に基づいて時短フラグのセット処理が実行される。
具体的には、「小当りA」、「小当りB」の小当りが得られた旨を判断したときは、小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する15ラウンド分の大当り遊技が実行された後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまで時短状態に制御され、「小当りC」の小当りが得られた旨を判断したときは、小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する15ラウンド分の大当り遊技が実行された後に、非時短状態に制御される。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には、30/99の確率で大当り遊技の終了後に時短状態に制御され、69/99の確率で大当り遊技の終了後に非時短状態に制御される。なお、「小当りD」の小当りが得られた旨を判断したときは、小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることがないため、大当り遊技が発生することがない。
なお、小当りが得られた旨を判断したときには、大当りが得られた旨を判断したときと同じく、小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技の実行中には、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球することに基づいてサブ演出表示装置1700に演出図柄を変動表示させ、その演出図柄の停止図柄によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるか否かを通知する報知演出を実行している。そして、「小当りA」の小当りが得られた旨を判断したときは、大当り遊技のラウンド遊技中に、報知演出によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御される旨を通知している。また、「小当りB」の小当りが得られた旨を判断したときは、大当り遊技のラウンド遊技中に、報知演出によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御されない旨を通知しながらも、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)に、報知演出によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御される旨を通知している。また、「小当りC」の小当りが得られた旨を判断したときは、大当り遊技のラウンド遊技中に、報知演出によって大当り遊技の終了後に時短状態に制御されない旨を通知するのみである。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には、24/99の確率で大当り遊技のラウンド遊技中に時短状態に制御される旨を通知し、6/99の確率で大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間に時短状態に制御される旨を通知し、69/99の確率で大当り遊技中に時短状態に制御される旨を通知しない。
なお、第二特別図柄停止図柄設定処理において小当りAに決定した場合には小当り図柄として小当りA図柄に決定し、小当りBに決定した場合には小当り図柄として小当りB図柄に決定し、小当りCに決定した場合には小当り図柄として小当りC図柄に決定し、小当りDに決定した場合には小当り図柄として小当りD図柄に決定する。
図119は、上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で実行される第二変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二変動パターン設定処理において大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS141a)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS143a)、小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS144a)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第二特別図柄通常処理で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148a)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第二特別図柄表示器1406に表示される第二特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149a)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150a)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第二特別図柄表示器1406にて第二特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記メイン演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
図120は、上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で実行される第二特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS186a)、上記小当りフラグがセットされていれば(ステップS190a)、小当り遊技を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS191a)、小当り遊技の開始までの待機時間(小当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS192a)。そして、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットする(ステップS193a)。なお、小当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、小当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS191aでは、小当りの種類(小当りA、小当りB、小当りC、小当りD)に応じた小当り開始コマンド(小当りA開始コマンド、小当りB開始コマンド、小当りC開始コマンド、小当りD開始コマンド)をセットする。これにより、小当り開始コマンドによって指示された小当りの種類に応じた小当り遊技の演出がメイン演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
また、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグは、小当り遊技を終了するとき、具体的には後述する小当り制御処理(ステップS41)の小当り中処理(ステップS401)で小当りの種類に応じた第二大入賞口2005bの開閉制御(例えば第二大入賞口2005bを開放(例えば1.8秒)した後又は第二大入賞口2005bに遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2403bで検出されたときに閉鎖させる開閉制御)を終了したときにリセットされる。小当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄プロセス処理(ステップS14)のステップS36で小当り制御処理(ステップS41)を実行しないようにされる一方、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示及び第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、小当りフラグがセットされていない場合、即ちハズレとなるときにはステップS190a〜ステップS193aの処理を実行することなくステップS194aに移行する。
図121は、上記大当り制御処理(ステップS40)についてその手順を示すフローチャートである。大当り制御処理では、大当りプロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて上記大当り遊技に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機したり、次のラウンドが開始されるまで待機する大入賞口開放前処理(ステップS91)
2.特別図柄の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて第一大入賞口2005aを開放状態に制御したり、次のラウンドが開始されることに基づいて第一大入賞口2005aを開放状態に制御し、第一大入賞口2005aを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005aに遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2403aで検出されたときに閉鎖させる大入賞口開放中処理(ステップS92)
3.全てのラウンドを終了するときに大当り遊技が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機する大入賞口開放後処理(ステップS93)
なお、上記大当りプロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図104参照)において、上記大入賞口開放前処理(ステップS91)を行うべき旨を示すよう操作されている。また、上記大入賞口開放中処理(ステップS92)では、第一大入賞口2005aを開放状態に制御するラウンドの開始時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットし、第一大入賞口2005aを閉鎖状態に制御するラウンドの終了時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットする。なお、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示されたラウンド数に応じた大当り遊技の演出がメイン演出表示装置1600、サブ演出表示装置1700、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
図122は、上記小当り制御処理(ステップS41)についてその手順を示すフローチャートである。小当り処理では、小当りプロセスフラグに応じて、以下の2つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.小当り遊技を開始するための設定処理を実行する小当り開始処理(ステップS400)
2.小当り遊技中の遊技球Bの入球や開放時間を監視する小当り中処理(ステップS401)
なお、上記小当りプロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図104参照)において、上記小当り開始処理(ステップS400)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図123は、上記小当り開始処理(ステップS400)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS411の処理として小当り遊技開始までの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、このインターバルタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS412でNO)以降の処理を実行することなく処理を終了する。なお、インターバルタイマは上記したように第二特別図柄の変動表示停止時に小当りフラグがセットされていることに基づいてセットされる(第二特別図柄停止処理)。
一方、インターバルタイマがタイムアウトしていれば(ステップS412でYES)、小当りの種類に応じた第二大入賞口2005bの開放パターン(開放パターンA、開放パターンBのいずれか一方)、及び振分部材2400の動作パターンを設定するとともに(ステップS413)、V入賞口ソレノイド2011をオン状態にして第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられうる状態に制御する(ステップS414)。
その後、上記小当り中処理(ステップS401)にプロセス移行されるよう上記小当りプロセスフラグが更新された時点で(ステップS417)、この処理を終了する。
ここで、図124を参照して第二大入賞口2005bの開閉部材及び振分部材2400の回転体2410の制御(主制御基板1310)について以下に説明する。
第二大入賞口2005bの開閉部材は、小当りの種類に応じて開放パターンを決定し、その決定した開放パターンに応じた開閉態様で、開放状態と閉鎖状態を取り得るように動作する。本実施形態では、開放パターンA及び開放パターンBのいずれも、第二大入賞口2005bの開放時間として1.8秒にわたって第二大入賞口2005bを開放状態に制御するが、開放パターンAと開放パターンBで、小当り遊技の開始後における第二大入賞口2005bの開放開始タイミングが異なるものとなっている。
具体的には、図124(A)に示すように、開放パターンAでは、小当り遊技を開始してから0.2秒が経過したときに第二大入賞口2005bを開放状態に制御し、さらに1.8秒が経過したときに開放状態の第二大入賞口2005bを閉鎖状態に制御する。一方、図124(B)に示すように、開放パターンBでは、小当り遊技を開始してから4.6秒が経過したときに第二大入賞口2005bを開放状態に制御し、さらに1.8秒が経過したときに開放状態の第二大入賞口2005bを閉鎖状態に制御する。
また、振分部材2400の回転体2410は、小当りの種類に応じて決定される開放パターンにかかわらず1種類の動作態様(動作パターン)で、V入賞口ソレノイド2111がオン状態となることで回転体24110が左回転した位置と、V入賞口ソレノイド2111がオフ状態となることで回転体24110が右回転した位置と、を取り得るように動作する。このとき、回転体24110が左回転した位置では、第二大入賞口2005bに入球した1つの遊技球Bが保持されうるのに対し、回転体24110が右回転した位置では、第二大入賞口2005bに入球した遊技球Bが保持されることなく、排出口2412から排出されることとなる、また、左回転した回転体2410によって1つの遊技球Bが保持されている場合には、その後に回転体2410が右回転し、回転体2410に保持されている1つの遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることとなる。なお、本実施形態において、第二大入賞口2005bの開閉部材の開放パターンと1種類の振分部材2400の動作態様とは、同じ時間を上限として制御される。また、本実施形態において、第二大入賞口2005bに上限個数の遊技球Bが入賞すると、開閉制御の途中であってもその開閉制御が終了することとなる。
具体的には、図124(A)に示すように、開放パターンAの実行時には、振分部材2400の動作態様(動作パターン)として、小当り遊技を開始するときに回転体24110が左回転するようにV入賞口ソレノイド2111をオン状態に制御し、さらに2秒が経過したときに回転体24110が右回転するようにV入賞口ソレノイド2111をオフ状態に制御する。また、図124(B)に示すように、開放パターンBの実行時には、振分部材2400の動作態様(動作パターン)として、開放パターンAの実行時と同じく小当り遊技を開始するときに回転体24110が左回転するようにV入賞口ソレノイド2111をオン状態に制御し、さらに2秒が経過したときに回転体24110が右回転するようにV入賞口ソレノイド2111をオフ状態に制御するが、その後に2.5秒が経過したときに回転体24110が再び左回転するようにV入賞口ソレノイド2111をオン状態に制御し、さらに0.2秒が経過したときに回転体24110が右回転するようにV入賞口ソレノイド2111をオフ状態に制御する。
また、小当り遊技中には、V入賞口センサ4005a,bを有効状態と無効状態のいずれかに制御する。ここで、有効状態とは、V入賞口2411に遊技球Bが振り分けられることにより小当り遊技の終了後に大当り遊技に制御される状態であるのに対し、無効状態とは、V入賞口2411に遊技球Bが振り分けられたとしても小当り遊技の終了後に大当り遊技に制御されない状態である。本実施形態では、V入賞口2411に遊技球Bが振り分けられる可能性のある期間については、有効状態とし、V入賞口2411に遊技球Bが振り分けられる可能性のない期間、例えば不正行為によってV入賞口2411に遊技球Bが振り分けられた疑いのある期間などについては、無効状態としている。
具体的には、図124(A)に示すように、開放パターンAの実行時には、第二大入賞口2005bを開放状態に制御したときに有効状態に制御し、開放状態の第二大入賞口2005bを閉鎖状態に制御してから2秒が経過したときに無効状態に制御する。また、図124(B)に示すように、開放パターンBの実行時には、開放パターンAの実行時と同じく第二大入賞口2005bを開放状態に制御したときに有効状態に制御し、開放状態の第二大入賞口2005bを閉鎖状態に制御してから2秒が経過したときに無効状態に制御する。これにより、第二大入賞口2005bに入球した遊技球BがV入賞口2411に振り分けられる場合には、必ず有効状態中にV入賞口2411に遊技球Bが振り分けられるようになっている。
図124(A)に示すように、開放パターンAの実行時には、第二大入賞口2005bを開放状態に制御する期間において、V入賞口ソレノイド2111をオン状態に制御し、左回転した回転体2410によって1つの遊技球Bを保持しうる状態としている。ただし、第二大入賞口2005bに入球した遊技球Bが回転体2410に到達するまでの時間として1秒程度がかかることから、第二大入賞口2005bを開放状態に制御する期間のうち、前半の期間に第二大入賞口2005bに遊技球Bが入球した場合のみ、左回転した回転体2410によって1つの遊技球Bを保持することができる。一方、後半の期間に第二大入賞口2005bに遊技球Bが入球した場合には、回転体2410に到達する時点でその回転体2410が右回転しており、回転体2410によって遊技球Bを保持することができない。このように、開放パターンAの実行時には、第二大入賞口2005bに遊技球Bが入球するタイミングによって、V入賞口2411に遊技球Bが振り分けられる場合と、V入賞口2411に遊技球Bが振り分けられない場合と、がある。
一方、図124(B)に示すように、開放パターンBの実行時には、第二大入賞口2005bを開放状態に制御する期間のうち、最初の0.1秒の期間において、V入賞口ソレノイド2111をオン状態に制御し、左回転した回転体2410によって1つの遊技球Bを保持しうる状態としている。しかし、最初の0.1秒の期間のみ回転体2410が左回転している場合には、第二大入賞口2005bに遊技球Bが入球したとしても、回転体2410に到達する時点でその回転体2410が右回転しており、回転体2410によって遊技球Bを保持することができない。このように、開放パターンBの実行時には、第二大入賞口2005bに遊技球Bが入球するタイミングにかかわらず、V入賞口2411に遊技球Bが振り分けられないようになっている。
図125は、上記小当り中処理(ステップS401)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS421の処理において、V入賞口ソレノイド2011がオン状態(第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられる状態)にあると判断されるとすると、同図125に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS413で設定した振分部材2400の動作パターンに従って、V入賞口ソレノイド2011がオン状態から所定時間が経過したときには(ステップS422)、オン状態のV入賞口ソレノイド2011をオフ状態(第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球Bが排出口に振り分けられる状態)に制御する(ステップS423)。
一方、ステップS421の処理において、V入賞口ソレノイド2011がオフ状態にあると判断されるとすると、同図125に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS413で設定した振分部材2400の動作パターンに従って、V入賞口ソレノイド2011をオン状態とするタイミングになったときには(ステップS424)、オフ状態のV入賞口ソレノイド2011をオン状態に制御する(ステップS423)。
次いで、ステップS426の処理において、第二大入賞口2005bが開放状態にあると判断されるとすると、同図125に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS413で設定した第二大入賞口2005bの開放パターンに従って、第二大入賞口2005bが開放状態から所定時間が経過したとき(ステップS427)、あるいは、第二大入賞口2005bに遊技球Bが最大入賞数(本例では、10個)入賞したときには(ステップS428)、開放状態の第二大入賞口2005bを閉鎖状態に制御する(ステップS429)。
一方、ステップS426の処理において、第二大入賞口2005bが閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図125に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS413で設定した第二大入賞口2005bの開放パターンに従って、第二大入賞口2005bを開放状態とするタイミングになったときには(ステップS430)、閉鎖状態の第二大入賞口2005bを開放状態に制御する(ステップS431)。
また、ステップS430の処理において、第二大入賞口2005bを開放状態とするタイミングではないと判断されるとすると、同図125に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二大入賞口2005bの開放状態が終了してから所定時間が経過した小当り遊技の終了タイミングにあると判断されるとすると、上記小当り実行中フラグをリセットする(ステップS433)。
このとき、有効状態中にV入賞口2411に遊技球Bが進入していれば(ステップS434)、大当り遊技開始までの待機時間をインターバルタイマにセットした後(ステップS435)、上記大当り実行中フラグと小当り遊技中にV入賞したことに基づいて大当り遊技となったことを示す役物当選フラグをセットする(ステップS436)。役物当選フラグは上記大当り制御処理(ステップS40)で小当り遊技中にV入賞したことに基づいて大当り遊技となったか、大当り図柄が停止表示されて大当り遊技となったか、の判別に用いられ、役物当選フラグがセットされている場合には16ラウンドに亘って実行される16R大当り遊技の2ラウンド目が実行されているかのように通知されて遊技者は小当り遊技を含めて16R大当り遊技が実行されていると認識するようになる。
なお、図示しないがステップS435では小当りの種類に応じた大当りのラウンド数のうち未実行のラウンド数(小当り遊技を1回のラウンドとした場合の残りラウンド数(例えばV入賞口2411に遊技球Bが進入したことに基づいて16R大当り遊技に制御する小当りAであれば残りラウンド数として15回))を、ラウンドの残り回数を示す大当り回数カウンタにセットする処理も実行される。上記したように大当り回数カウンタは大当り制御処理においてラウンドの実行毎に1ずつ減算されるものであり、大当り回数カウンタが「0」になったときに主制御基板1310の主制御MPUが規定ラウンド数を実行したと判断して大当り遊技を終了させるようになっている。
ステップS436の処理を終了した場合及びステップS434で有効状態中にV入賞なしと判別した場合には、上記小当り開始処理(ステップS400)にプロセス移行されるよう上記小当りプロセスフラグが更新された時点で(ステップS437)、この処理を終了する。
図126は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2401による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図126に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPUのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記普通図柄表示器1402に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)
3.普通図柄表示器1402における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記普通図柄表示器1402に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図104参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図127は、上記ゲート部通過処理(ステップS802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2401による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図127に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS811の処理として、まず、普通図柄保留記憶領域に記憶される普通乱数の個数を示す普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS811の処理において、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS812〜S814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS812の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS813の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS814の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS811の処理において、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS812〜ステップS814の処理を実行しない(上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得しない)ことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
なお、ゲート部通過処理(ステップS802)としては、以下に記載する別例のようにしても良い。例えば、いま、上記ゲートセンサ2401による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得し、暫定記憶領域に格納する。その後に、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得し、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。そして、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)し、次いで、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数(暫定記憶領域に記憶された上記普通乱数、上記普図変動乱数)を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。一方、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得した結果、このカウンタ値がその最大値である「4」であると判断された場合(上記普通図柄の保留記憶数がその最大値である場合)には、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数を、普通図柄保留記憶領域に格納することなく破棄し、上記取得した普通図柄の変動表示制御は新たに保留されないようにすることとしてもよい。
図128は、上記普通図柄通常処理(ステップS803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図128に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPUのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球Bが通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPUは、図129(A)に示す普図当り判定テーブルとステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
図129(A)に示す普図当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。そして、普通乱数と比較するために参照される普図当り判定テーブルでは、10種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致するように上記普通乱数が関連付けされている。即ち、本例では、上記ゲート部2003に遊技球Bが通過した場合において、必ず普図当りに当選するようになっている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットし(ステップS830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)として普図当り図柄に決定する(ステップS831)。一方、ステップS829で普図当りとしないと判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)として普図ハズレ図柄に決定する(ステップS833)。
そして、こうして普通図柄についての抽選処理が行われた後は、ステップS834の処理として、これら抽選結果(普図当りとハズレとのいずれかを指示)が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた普図判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS835の処理として、上記普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図130は、上記普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)についてその手順を示すフローチャートである。上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動パターン決定処理を行うべき旨を示しているときは、同図130に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、時短フラグがセットされていれば(ステップS841)、時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルを選択し(ステップS842)、時短フラグがセットされていれば(ステップS841)、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS843)。
そして、選択した普通図柄変動パターン決定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普図変動乱数とを比較することにより実行する普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)を決定し(ステップS844)、決定した普図変動パターンでの普通図柄変動の開始を周辺制御基板1510に通知する普図変動パターンコマンドをセットして普通図柄表示器1402に表示される普通図柄の変動表示を開始する(ステップS845)。
また主制御MPUは、普図変動パターンを決定するとこの決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間を普図変動タイマに設定する(ステップS846)。これにより、決定された普図変動パターンに応じた普図変動時間だけ普通図柄表示器1402(における普通図柄の変動表示)にて演出制御が行われるようになる。
また、本例の非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルでは、普図変動時間として10秒が設定されている。一方、本例の時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルでは、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルと比べて普図変動時間が短時間となるように、普図変動時間として2秒が設定されている。なお、普通図柄変動パターン決定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。
また、普通図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS847の処理として、上記普通図柄変動処理(ステップS805)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図131は、上記普通図柄変動処理(ステップS805)についてその手順を示すフローチャートである。上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図131に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS851の処理として、上記ステップS846で普図変動時間が設定された普図変動タイマを1減算する。そして、普図変動時間タイマが0、すなわち、上記普通図柄の変動時間が経過したと判断されると(ステップS852)、次にステップS853の処理に移行する。すなわち、このステップS853の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS806)にプロセス移行されるよう上記普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図132は、上記普通図柄停止処理(ステップS806)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図132に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS861の処理として、上記普通図柄通常処理にて決定された普通図柄の停止図柄を上記普通図柄表示器1402に表示させるための表示制御を行うとともに、その第一特別図柄の停止図柄の導出表示を通知する普図停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS862)。
そして次に、上記普図当りフラグがセットされているときは(ステップS863)、図129(B)に示す普図当り時開放パターンテーブルを用いて、現在の遊技状態に応じた第二始動口2004の開放パターンを設定する(ステップS864)。
具体的には、第二始動口2004の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンAを設定する。即ち、第二始動口2004の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、普通乱数に基づく抽選により普図当りとする抽選結果が得られた場合には、図133(A)に示すように、羽根開放ソレノイド2404aをオン状態にして始動口ユニット2100の羽根部材2022aが短開放態様(この例では0.08秒)で開放動作するのと同時に、球受進退ソレノイド2404bをオン状態にして球受部材2023が短進退態様(この例では0.08秒)で進退動作する開放パターンAを実行することとなる。これにより、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンAが実行された場合には、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放動作する時間が短く、その羽根部材2022aが開放状態にあるときに内部に遊技球を入球させることが困難である。また、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放状態にあるときに内部に遊技球が入球したとしても、羽根部材2022aと球受部材2023とが離間していることから、その羽根部材2022aから球受部材2023までの距離を遊技球が流下する間に球受部材2023が突出状態(前進した状態)から退避状態(後退した状態)に変化している確率が高く、その遊技球が第二始動口2004に殆ど入球しないようになっている。
ところで、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンAが実行された場合において、第二始動口2004に遊技球が入球するか否かは、始動口ユニット2100の羽根部材2022aを開放状態とする時間と、その羽根部材2022aから球受部材2023までの距離と、が関係する。すなわち、羽根部材2022aから球受部材2023までの距離を長くし、その距離を遊技球が流下する時間が、羽根部材2022aを開放状態とする時間よりも長くした場合には、球受部材2023に遊技球が到達した時点でその球受部材2023が必ず退避状態(後退した状態)となり、羽根部材2022aから内部に入球した遊技球を第二始動口2004に入球しないようにできる。一方で、羽根部材2022aから球受部材2023までの距離を短くし、その距離を遊技球が流下する時間よりも、羽根部材2022aを開放状態とする時間を長くするほど、球受部材2023に遊技球が到達した時点でその球受部材2023が突出状態(前進した状態)である確率が高く、羽根部材2022aから内部に入球した遊技球が第二始動口2004に入球する確率を高くすることができる。
一方、第二始動口2004の開放開始時に時短状態に制御されていれば、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンBを設定する。即ち、第二始動口2004の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、普通乱数に基づく抽選により普図当りとする抽選結果が得られた場合には、図133(B)に示すように、羽根開放ソレノイド2404aをオン状態にして始動口ユニット2100の羽根部材2022aが長開放態様(この例では2秒)で開放動作するのと同時に、球受進退ソレノイド2404bをオン状態にして球受部材2023が短進退態様(この例では2秒)で進退動作する開放パターンBを実行することとなる。これにより、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンBが実行された場合には、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放状態にあるときに内部に遊技球が入球するとともに、球受部材2023が突出状態にあるときにその遊技球が第二始動口2004に入球しうるようになっている。ただし、羽根開放ソレノイド2404aをオフ状態にして始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放状態から閉鎖状態に変化する直前や、開放状態から閉鎖状態に変化する最中には、羽根部材2022aから内部に遊技球が入球したとしても、羽根部材2022aと球受部材2023とが離間していることから、その羽根部材2022aから球受部材2023までの距離を遊技球が流下する間に球受部材2023が突出状態(前進した状態)から退避状態(後退した状態)に変化している確率が高く、その遊技球が第二始動口2004に殆ど入球しないようになっている。
第二始動口2004の開放パターンが設定されると、次にステップS885の処理として、普図当り遊技を開始することを示す普図当り開始コマンドをセットし、普通図柄プロセスフラグを普通電動役物開放処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS866)、この処理を終了する。なお、普図当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、普図当り開始コマンドによって指示された普図当りの種類に応じた普図当り遊技の演出がメイン演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行されうる。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS864で上記普図当りフラグがセットされていない場合において、普通図柄プロセスフラグを初期値である普通図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS868)、この処理を終了する。
図134は、上記普通電動役物開放処理(ステップS807)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS871の処理において、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが開放状態にあり、球受部材2023が突出状態にあると判断されるとすると、同図134に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、同図134に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二始動口2004の開放状態を開始してから所定時間(ステップS865で設定した開放パターンにおける第二始動口2004の開放時間)が経過したときには(ステップS872)、始動口ユニット2100の羽根部材2022aを閉鎖状態に制御するとともに、球受部材2023を退避状態(後退した状態)に制御した時点で(ステップS873)、この処理を終了する。
また、ステップS871の処理において、始動口ユニット2100の羽根部材2022aが閉鎖状態にあり、球受部材2023が退避状態にあると判断されるとすると、同図134に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、始動口ユニット2100の羽根部材2022aを開放状態にするとともに球受部材2023を突出状態にするタイミングになったときには(ステップS874)、始動口ユニット2100の羽根部材2022aを開放状態に制御するとともに、球受部材2023を突出状態(前進した状態)に制御した時点で(ステップS875)、この処理を終了する。
また、ステップS871の処理において、始動口ユニット2100の羽根部材2022aを開放状態にするとともに球受部材2023を突出状態にするタイミングではないと判断されるとすると、同図134に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二始動口2004の開放回数が所定回数(ステップS865で設定した開放パターンにおける第二始動口2004の開放回数)となったときには(ステップS876)、普図当り終了コマンドをセットする(ステップS877)。そして、普通図柄プロセスフラグを初期値である普通図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS878)、この処理を終了する。なお、普図当り終了コマンドは周辺制御基板1510に送信され、周辺制御基板1510では普図当り終了コマンドを受信するとメイン演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行中の普図当り遊技の演出を終了させうる。
[9.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUによって実行される処理について説明する。図135は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図135に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPUは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUに内蔵されているRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16mS経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPUは、2mS経過毎に割込を発生させ、2mS定常処理を実行する。2mS定常処理では、16mS経過監視カウンタをカウントアップする(16mS経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16mS経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16mS経過したときに16mS経過フラグTをセットするとともに、16mS経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16mS経過フラグTは、2mS定常処理にて16mS毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16mS経過フラグがセットされている(16mS経過フラグTが「1」)ときには、16mS経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16mS定常処理を行う(ステップS504)。
この16mS定常処理では、主制御基板1310から受信したコマンドにもとづいてメイン演出表示装置1600、サブ演出表示装置1700、ランプ・LED、スピーカ等を制御する処理が実行される。16mS定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16mS経過フラグTがセットされる毎に、つまり16mS毎に上記したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16mS経過フラグTがセットされていない(16mS経過フラグTが「0」)ときには、16mS経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図136は、サブメイン処理にて16mS毎に実行される16mS定常処理の一例を示すフローチャートである。16mS定常処理において、周辺制御MPUは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板1310から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS149、第二変動パターン設定処理のステップS149a)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいてメイン演出表示装置1600に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、パチンコ機1に設けられたスピーカに関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、各種装飾基板184,273等にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16mS定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16mS以内に終了する。仮に、16mS定常処理を開始してから当該16mS定常処理の終了までに16mS以上かかったとしても、16mS定常処理を開始してから16mS経過したときに直ぐに16mS定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16mS定常処理の実行中に16mS経過したときには、16mS経過フラグのセットのみを行い、当該16mS定常処理の終了後にステップS502で16mS経過フラグがセットされていると判定されたときに16mS定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16mS定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16mS定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図137は、演出制御処理(ステップS602)の一例を示すフローチャートである。
演出制御処理において、周辺制御MPUは上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUに格納されている遊技の進行状況を示す演出プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.上記コマンド解析処理にて解析された特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを指示する変動パターンコマンド(第一特別図柄の変動パターンを指示する第一変動パターンコマンド、第二特別図柄の変動パターンを指示する第二変動パターンコマンド)に基づいてメイン演出表示装置1600、LED及びスピーカ等を制御する処理などを行った後、上記演出プロセスフラグを変動演出中処理に応じた値に変更する変動演出開始処理(ステップS711)
2.メイン演出表示装置1600、LED及びスピーカ921等の制御を開始してからの経過時間を計測し、経過時間に応じてメイン演出表示装置1600、LED及びスピーカ等を制御する処理などが行い、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンに応じた変動時間が経過したことに応じて上記演出プロセスフラグを変動終了処理に応じた値に変更する変動演出中処理(ステップS712)
3.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止を指示する停止表示コマンドを受信したことに基づいて所定の表示結果を導出表示するための処理を行い、ハズレであれば上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更し、大当りであれば大当り演出処理に応じた値に変更し、小当りであれば小当り演出処理に応じた値に変更する変動演出終了処理(ステップS713)
4.大当り遊技の開始を指示する大当り開始コマンドを受信したことに基づいてメイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700に大当り遊技中の表示制御を実行するための処理を行い、大当り遊技を終了するときに上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更する大当り演出処理(ステップS714)
5.小当り遊技の開始を指示する小当り開始コマンドを受信したことに基づいてメイン演出表示装置1600に小当り遊技中の表示制御を実行するための処理を行い、小当り遊技中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球BがV入賞口2411に振り分けられていれば小当り遊技を終了するときに上記演出プロセスフラグを大当り演出開始処理に応じた値に変更し、遊技球BがV入賞口2411に振り分けられていなければ変動演出開始処理に応じた値に変更する小当り演出処理(ステップS715)
以上の処理によって特別図柄表示器(第一特別図柄表示器1404、第二特別図柄表示器1406)で実行される特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示に同期してメイン演出表示装置1600で装飾図柄の変動表示及びミニ図柄の変動表示が実行されるようになる。
図138は、上記大当り演出処理(ステップS714)についてその手順を示すフローチャートである。
大当り演出処理では、演出図柄プロセスフラグに応じて、以下の4つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.上記乱数更新処理(ステップS606)で更新されている演出乱数を取得し、取得した演出乱数に基づいて上記演出図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる演出図柄通常処理(ステップS901)
2.大当り遊技のラウンド数又はエンディング期間に応じて上記サブ演出表示装置1700に表示される演出図柄の変動態様(変動時間)についての決定処理などが行われる演出図柄変動パターン決定処理(ステップS902)
3.サブ演出表示装置1700における上記演出図柄の変動表示が停止されるまで待機する演出図柄変動処理(ステップS903)
4.演出図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された演出図柄の変動制御停止時の態様が上記サブ演出表示装置1700に表示されるように上記演出図柄の変動表示を停止させる演出図柄停止処理(ステップS904)
なお、上記演出図柄プロセスフラグは、上述のステップS501の処理(図135参照)において、上記演出図柄通常処理(ステップS901)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図139は、上記演出図柄通常処理(ステップS901)についてその手順を示すフローチャートである。
上記演出図柄プロセスフラグが当該演出図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図139に示されるように、上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、まず、ステップS921の処理として、大当り遊技中に実行される演出図柄の変動表示の表示結果として演出当り図柄を導出済みである旨を示す演出当り図柄停止済みフラグがセットされているか否かを判別し、演出当り図柄停止済みフラグがセットされていれば、ステップS922〜S934の処理を実行する。また、演出当り図柄停止済みフラグがセットされていなければ、ステップS922〜S934の処理を実行することなく、この処理を終了する。このように、大当り遊技中には、サブ演出表示装置1700に演出図柄の変動表示の表示結果として演出当り図柄が導出された場合、後述する演出保留数カウンタが0であるか否かにかかわらず、その後に演出図柄の変動表示が行われないようになっている。
なお、演出保留数カウンタは、上記右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した個数を示すカウンタであり、上記周辺制御MPUのRAMに記憶される。具体的には、上記右下一般入賞口センサ3001dがオン状態にあり、上記右下一般入賞口2001eへの遊技球Bの入球があったと判断されたと判断されたとすると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した旨を示す右下一般入賞口入賞コマンドを上記周辺制御基板1510に送信する。このとき、上記周辺制御基板1510のMPUは、演出保留数カウンタによるカウンタ値を周辺制御MPUのRAMから取得し、このカウンタ値に基づいて演出図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。そして、上記演出図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記演出図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、演出保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。一方で、上記演出図柄の保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記演出図柄の変動表示制御は新たに保留されない。なお、本実施形態では、大当り遊技中(エンディング期間を除く。)である場合のみ、上記右下一般入賞口2001eへの遊技球Bの入球があったときに上記右下一般入賞口入賞コマンドを上記周辺制御基板1510に送信するようにし、上記演出図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としうるようになっている。すなわち、大当り遊技中(エンディング期間を除く。)以外には、上記演出図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすることがない。
次に、ステップS922の処理として、演出保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある演出図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御があると判断された場合には、ステップS923の処理として、上記演出保留数カウンタをカウントダウン(1減算)する。そして次に、ステップS924の処理として、大当りBや大当りC時の大当り遊技中、小当りBや小当りC時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかであると判断した場合には、演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)として演出ハズレ図柄に決定する(ステップS925)。
一方、ステップS924で大当りA時の大当り遊技中、小当りA時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかであると判断した場合には、ステップS926の処理として、大当り遊技の実行中のラウンド数が10ラウンド目(小当り時には11ラウンド目)以降であるか否かの判断を行う。この結果、大当り遊技の実行中のラウンド数が1〜9ラウンド目(小当り時には2〜10ラウンド目)であると判断された場合には、ステップS927の処理として、上記乱数更新処理(ステップS606)で更新されている演出乱数を取得し、図140(A)に示す演出当り判定テーブルとステップS927で抽出した演出乱数とを比較する(ステップS928)。
図140(A)に示す演出当り判定テーブルは、上記周辺制御MPUのROMに記憶されている。そして、演出乱数と比較するために参照される演出当り判定テーブルでは、3種類の演出乱数が演出当りに当選したことを示す演出当り判定値と一致し、9種類の演出乱数が演出ハズレであることを示す演出ハズレ判定値と一致するように上記演出乱数が関連付けされている。即ち、本例では、大当りA時の大当り遊技中、小当りA時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかであり、且つ、その大当り遊技中のラウンド数が1〜9ラウンド目(小当り時には2〜10ラウンド目)である場合において、右下一般入賞口2001eへの遊技球Bの入球に基づいて演出図柄の変動表示が行われる場合には、1/4の確率で演出当りに当選するようになっている。
上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、演出当り判定テーブルと演出図柄通常処理のステップS927で抽出した演出乱数との比較の結果、演出当りとすると判定した場合には(ステップS929)、当該変動が演出当りに当選していることを示す演出当りフラグをセットし(ステップS930)、演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)として演出当り図柄に決定する(ステップS931)。一方、ステップS929で演出当りとしないと判定した場合には、演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)として演出ハズレ図柄に決定する(ステップS925)。
また、上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、ステップS926で大当り遊技の実行中のラウンド数が10ラウンド目(小当り時には11ラウンド目)以降であると判断された場合には、当該変動が演出当りに当選していることを示す演出当りフラグをセットし(ステップS930)、演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)として演出当り図柄に決定する(ステップS931)。このように、大当りA時の大当り遊技中、小当りA時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかであり、且つ、大当り遊技の実行中のラウンド数が9ラウンド目(小当り時には10ラウンド目)までの間に演出当りに当選しなかった場合には、大当り遊技の実行中のラウンド数が10ラウンド目(小当り時には11ラウンド目)以降に開始される演出図柄の変動表示において、演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)を決定する際に、演出当りとするか否かの判定を行うことなく、強制的に演出当り図柄に決定するようにしている。
また、上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、ステップS922で保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がないと判断された場合のうち、ステップS932の処理として、大当りA時の大当り遊技中、小当りA時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかであり、且つ、大当り遊技の実行中のラウンド数が10ラウンド目(小当り時には11ラウンド目)以降であると判断された場合には、当該変動が演出当りに当選していることを示す演出当りフラグをセットし(ステップS930)、演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)として演出当り図柄に決定する(ステップS931)。このように、大当りA時の大当り遊技中、小当りA時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかであり、且つ、大当り遊技の実行中のラウンド数が9ラウンド目(小当り時には10ラウンド目)までの間に演出当りに当選しなかった場合には、大当り遊技の実行中のラウンド数が10ラウンド目(小当り時には11ラウンド目)以降に演出図柄の変動表示が開始可能な時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がなかったとしても、強制的に演出図柄の変動表示を開始させるようにし、その演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)として、強制的に演出当り図柄に決定するようにしている。
また、上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、ステップS922で保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がないと判断された場合のうち、、ステップS933の処理として、大当りB時の大当り遊技中、小当りB時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかであり、且つ、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)であると判断された場合には、当該変動が演出当りに当選していることを示す演出当りフラグをセットし(ステップS930)、演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)として演出当り図柄に決定する(ステップS931)。このように、大当りB時の大当り遊技中、小当りB時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかである場合には、演出当りとするか否かの判定にて演出当りに当選することがないが、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)において、強制的に演出図柄の変動表示を開始させるようにし、その演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)として、強制的に演出当り図柄に決定するようにしている。なお、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間の開始時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がある場合には、その保留の状態にある演出図柄の変動表示制御を全て行った後に、強制的に演出図柄の変動表示を開始させるようにし、その演出図柄の変動制御停止時の態様(演出図柄の停止図柄)として、強制的に演出当り図柄に決定するようにしている。
そして、ステップS925で演出ハズレ図柄、ステップS931で演出当り図柄のいずれかが決定された後には、上記演出図柄変動パターン決定処理(ステップS902)にプロセス移行されるよう上述の演出図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御MPUは、決定した演出図柄変動パターンに基づいてサブ演出表示装置1700を表示制御する。サブ演出表示装置1700では、大当り遊技の実行中のみ、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球することに基づいて左・右・中の演出図柄を変動表示させ、その演出図柄の停止図柄が演出当り図柄で停止表示されるか否かによって大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるか否かを通知する報知演出を実行している。具体的には、周辺制御MPUは、演出図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として演出当り図柄(左・中・右の装飾図柄が[0]〜[8]の同一の図柄の組み合わせ)に決定した場合には、演出図柄変動パターンから特定される変動時間の経過時においてその決定された停止図柄を表示制御することで、大当り遊技の終了後に時短状態に制御される旨を通知している。また、周辺制御MPUは、演出図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として演出ハズレ図柄(左・中・右の装飾図柄が同一ではない図柄の組み合わせ)に決定した場合には、演出図柄変動パターンから特定される変動時間の経過時においてその決定された停止図柄を表示制御することで、大当り遊技の終了後に時短状態に制御される旨を通知しないようにしている。
図141は、上記演出図柄変動パターン決定処理(ステップS902)についてその手順を示すフローチャートである。上記演出図柄プロセスフラグが当該演出図柄変動パターン決定処理を行うべき旨を示しているときは、同図141に示されるように、上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、図140(B)に示す演出図柄変動パターン決定テーブルを用い、大当り遊技のラウンド数又はエンディング期間に応じた演出図柄変動パターンを決定し(ステップS941)、サブ演出表示装置1700に表示される演出図柄の変動表示を開始する(ステップS942)。
また周辺制御MPUは、演出図柄変動パターンを決定するとこの決定した演出図柄変動パターンに応じた演出変動時間を演出変動タイマに設定する(ステップS943)。これにより、決定された演出図柄変動パターンに応じた演出変動時間だけサブ演出表示装置1700(における演出図柄の変動表示)にて演出制御が行われるようになる。
また、図140(B)に示すように、演出図柄変動パターン決定テーブルでは、演出図柄の変動時間として大当り遊技の1〜13ラウンド目(小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技では2〜14ラウンド目に相当)では10秒に設定され、大当り遊技の14ラウンド目(同様に15ラウンド目に相当)では5秒に設定され、大当り遊技の15ラウンド目(同様に16ラウンド目に相当)では2秒に設定され、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)では0.5秒に設定されている。即ち、大当り遊技のラウンド数が進行するほど、演出図柄の変動時間が短時間になるとともに、大当り遊技のラウンド中よりもその後のエンディング期間のほうが、演出図柄の変動時間が短時間となるように設定されている。なお、演出図柄変動パターン決定テーブルは、上記周辺制御MPUのROMに記憶されている。
また、演出図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS944の処理として、上記演出図柄変動処理(ステップS903)にプロセス移行されるよう上述の演出図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図142は、上記演出図柄変動処理(ステップS903)についてその手順を示すフローチャートである。上記演出図柄プロセスフラグが当該演出図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図142に示されるように、上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、まず、ステップS951の処理として、上記ステップS943で演出変動時間が設定された演出変動タイマを1減算する。そして、演出変動時間タイマが0、すなわち、上記演出図柄の変動時間が経過したと判断されると(ステップS952)、次にステップS953の処理に移行する。すなわち、このステップS953の処理において、上記演出図柄停止処理(ステップS904)にプロセス移行されるよう上記演出図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図143は、上記演出図柄停止処理(ステップS904)についてその手順を示すフローチャートである。
上記演出図柄プロセスフラグが当該演出図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図143に示されるように、上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、まず、ステップS961の処理として、上記演出図柄通常処理にて決定された演出図柄の停止図柄を上記サブ演出表示装置1700に表示させるための表示制御を行う。
そして次に、上記演出当りフラグがセットされているときは(ステップS962)、ステップS963の処理として、上記演出当り図柄停止済みフラグをセットし、演出図柄プロセスフラグを演出図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS964)、この処理を終了する。なお、演出当り図柄停止済みフラグは、大当り遊技の終了時(大当り遊技のラウンド遊技の終了時であってもよい。)にリセットされる。
また、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、ステップS962で上記演出当りフラグがセットされていない場合において、演出図柄プロセスフラグを初期値である演出図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS964)、この処理を終了する。
[10.大当り遊技中の変動演出]
本実施形態では、大当り遊技の実行中(小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技の実行中を含む。)において、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球することに基づいてサブ演出表示装置1700に演出図柄を変動表示させ、その演出図柄の停止図柄が演出当り図柄で停止表示されるか否かによって大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるか否かを通知する報知演出を実行している。具体的には、大当り遊技の終了後に時短状態に制御される大当りA、大当りB、小当りA、小当りBに当選した場合には、大当り遊技が終了するまでの間に、演出図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として演出当り図柄を表示制御することで、大当り遊技の終了後に時短状態に制御される旨を通知している。また、大当り遊技の終了後に非時短状態に制御される大当りC、小当りCに当選した場合には、大当り遊技が終了するまでの間、演出図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として演出ハズレ図柄のみ表示制御することで、大当り遊技の終了後に非時短状態に制御される旨を通知している。
また、本実施形態では、大当り遊技の開始前において、大当りや小当りに基づいてメイン演出表示装置1600に装飾図柄及びミニ図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として大当り図柄や小当り図柄を表示制御しているが、その装飾図柄及びミニ図柄の停止図柄などによって大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるか否かを通知していない。このため、大当り遊技の実行中には、大当り遊技時に開放される第一大入賞口2005aだけでなく、右下一般入賞口2001eにも遊技球Bが入球するように狙わせることができる。そして、大当り遊技の実行中には、大当り遊技の終了後に時短状態に制御される旨が通知されることを期待させながら、サブ演出表示装置1700における演出図柄の変動表示に注目させることができる。
ところで、大当り時に開放される第一大入賞口2005aは、メイン演出表示装置1600及びサブ演出表示装置1700の下方に配置されている。このため、大当り遊技の実行中には、メイン演出表示装置1600の右側及び左側のいずれに遊技球Bを打ち込んだ場合にも、その遊技球Bを開放状態の第一大入賞口2005aに入球させることができる。これに対し、右下一般入賞口2001eは、サブ演出表示装置1700の右下方に配置されている。このため、大当り遊技の実行中には、第一大入賞口2005aだけでなく右下一般入賞口2001eにも入球させるべく、メイン演出表示装置1600の右側に遊技球Bを打ち込むことが望ましい。ただし、サブ演出表示装置1700に演出図柄の変動表示を行わせたくない遊技者にとっては、右下一般入賞口2001eに遊技球Bを入球させないように、メイン演出表示装置1600の左側に遊技球Bを打ち込むようにすればよい。
また、本実施形態では、大当り遊技のラウンド遊技中(大当り時には15ラウンドの終了時点、小当り時には16ラウンドの終了時点まで)において、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球することでサブ演出表示装置1700にて演出図柄の変動表示を行い、演出図柄の変動表示中に右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球したときには演出図柄の変動表示制御が保留される。また、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)において、保留の状態にある変動表示制御がある場合には、その保留に基づいて演出図柄の変動表示が行われる。すなわち、エンディング期間、及び大当り遊技以外の時短状態や非時短状態である場合には、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球したとしても、その入球に基づいた演出図柄の変動表示は行われることがない。なお、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球したときには、払出装置580から所定数(例えば、8個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。そして、エンディング期間、及び時短状態である場合には、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球したときに、スピーカから所定の払出音が出力されるのに対し、非時短状態である場合には、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球したとしても、スピーカから所定の払出音が出力されないようにしている。このように、少なくとも時短状態である場合には、スピーカから所定の払出音を出力しうるようにし、遊技者にとって有利な状態であると認識しうるようにしている。
本実施形態では、大当りA時の大当り遊技中、小当りA時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかである場合には、大当り遊技の実行中のラウンド数が9ラウンド目(小当り時には10ラウンド目)までの間、右下一般入賞口2001eへの遊技球Bの入球に基づいて1/4の確率で演出当りに当選するか否かの判定を行い、演出当りに当選したときに、演出図柄の変動表示の表示結果として演出当り図柄を表示制御している。このように、大当り遊技の実行中のラウンド数が9ラウンド目(小当り時には10ラウンド目)までの間には、右下一般入賞口2001eに遊技球Bを多く入球させるほど、演出図柄の変動表示回数が増大し、演出図柄の変動表示の表示結果として演出当り図柄が表示制御される確率が高まることから、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球するように期待をもって狙わせることができる。
そして、大当りA時の大当り遊技中、小当りA時の小当り遊技中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかであり、且つ、大当り遊技の実行中のラウンド数が9ラウンド目(小当り時には10ラウンド目)までの間に演出当りに当選しなかった場合には、大当り遊技の実行中のラウンド数が10ラウンド目(小当り時には11ラウンド目)以降に開始される演出図柄の変動表示で、その表示結果として演出当り図柄を表示制御している。すなわち、大当り遊技の実行中のラウンド数が10ラウンド目(小当り時には11ラウンド目)以降に演出図柄の変動表示が開始可能な時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がある場合には、その保留に基づいて演出図柄の変動表示を行い、その表示結果として強制的に演出当り図柄を表示制御している。一方で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がなかった場合には、強制的に演出図柄の変動表示を行い、その表示結果として強制的に演出当り図柄を表示制御している。例えば、大当り遊技の実行中のラウンド数が10ラウンド目(小当り時には11ラウンド目)を開始するまでの間に右下一般入賞口2001eに遊技球が入球することなく、演出図柄の変動表示が行われなかった場合にも、強制的に演出図柄の変動表示を行い、その表示結果として強制的に演出当り図柄を表示制御している。このように、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御があるか否かや、右下一般入賞口2001eへの遊技球の入球があったか否かにかかわらず、演出図柄の変動表示の表示結果として強制的に演出当り図柄を表示制御することで、右下一般入賞口2001eに入球させることや、演出当りに当選させることが困難である場合であっても、サブ演出表示装置1700での演出図柄の変動表示に対して安心して注目させることができる。
なお、大当り遊技の実行中には、演出図柄の変動表示の表示結果として演出当り図柄を表示制御した後には、新たに演出図柄の変動表示が行われることがない。このため、演出図柄の変動表示の表示結果として演出当り図柄が表示制御された時点で、演出図柄の変動表示制御が保留されている場合や、演出当り図柄が表示制御されてから大当り遊技(エンディング期間を除く。)が終了するまでの間に、新たに右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球することで演出図柄の変動表示制御が保留される場合には、その保留の状態が維持されることになる。そして、大当り遊技を除いては演出図柄の変動表示が行われないため、次回の大当り時の大当り遊技中や、次回の小当り時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかで、その保留に基づいて演出図柄の変動表示が行われることになる。このように、演出図柄の変動表示の表示結果として演出当り図柄を表示制御した後であっても、大当り遊技の残りの期間での保留に基づいて次回の大当り遊技中に演出図柄の変動表示を行わせることができ、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球するように期待をもって狙わせることができる。
また、本実施形態では、大当りB時の大当り遊技中、小当りB時の小当り遊技中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかである場合には、右下一般入賞口2001eに遊技球が入球したとしても、演出当りとするか否かの判定にて演出当りに当選することがなく、演出図柄の変動表示の表示結果として演出ハズレ図柄を表示制御している。そして、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)において、強制的に演出図柄の変動表示を行い、その表示結果として強制的に演出当り図柄を表示制御している。また、大当り遊技のラウンド遊技が終了するまでの間に右下一般入賞口2001eに遊技球が入球することなく、演出図柄の変動表示が行われなかった場合にも、強制的に演出図柄の変動表示を行い、その表示結果として強制的に演出当り図柄を表示制御している。これによれば、右下一般入賞口2001eに遊技球が入球しなかった場合や、大当り遊技のラウンド遊技中に演出図柄の変動表示の表示結果として演出当り図柄を表示制御しなかった場合であっても、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間に一転して、演出図柄の変動表示の表示結果として演出当り図柄を表示制御する可能性があり、大当り遊技の最後まで、サブ演出表示装置1700での演出図柄の変動表示に対して期待をもって注目させることができる。
なお、上記において、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間の開始時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がある場合には、そのエンディング期間中において、表示結果として演出ハズレ図柄を表示制御するように保留の状態にある演出図柄の変動表示を全て行った後に、強制的に演出図柄の変動表示を行い、その表示結果として強制的に演出当り図柄を表示制御している。このため、演出図柄の変動表示の表示結果として強制的に演出当り図柄が表示制御された時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がない状態となっている。
また、演出図柄の変動時間としては、大当り遊技のラウンド数又はエンディング期間に応じて設定されるものであって、大当り遊技のラウンド数が進行するほど短時間になるとともに、大当り遊技のラウンド中よりもその後のエンディング期間のほうが短時間となるように設定されている。すなわち、大当り遊技のラウンド数が早い段階(本例では、1〜13ラウンド)では、演出図柄の変動時間が長時間であるため、右下一般入賞口2001eに遊技球が入球することによる演出図柄の変動表示制御が保留され易いのに対し、大当り遊技のラウンド数が遅い段階(本例では、14,15ラウンド)では、演出図柄の変動時間が短時間であるため、右下一般入賞口2001eに遊技球が入球することによる演出図柄の変動表示制御が保留され難くなっている。これによれば、大当り遊技のラウンド遊技の終了時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御を極力少なくすることができる。また、演出図柄の変動時間としては、大当り遊技のラウンド中よりもエンディング期間のほうが短時間であるため、大当り遊技のラウンド遊技の終了時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がある場合には、その後に発生するエンディング期間において、その保留の状態にある演出図柄の変動表示制御を早々に全て終了させることができる。なお、エンディング期間としては、演出図柄の保留記憶数が最大値である「4」である場合にその保留の状態にある演出図柄の変動表示制御を全て終了しうる時間として0.5秒(エンディング期間に応じた演出図柄の変動時間)×4と、その後に強制的に演出当り図柄を表示制御する場合に行われる演出図柄の変動時間として0.5秒(エンディング期間に応じた演出図柄の変動時間)と、の合計2.5秒以上が設定されている。
また、表示結果として演出当り図柄を表示制御するように強制的に演出図柄の変動表示を行う場合において、その演出図柄の変動時間としては、強制的ではない演出図柄の変動表示時と同じく、大当り遊技のラウンド数又はエンディング期間に応じた演出図柄の変動時間としている。ただし、別例として、上記のように強制的に演出図柄の変動表示を行う場合には、強制的ではない演出図柄の変動表示時とは異なる演出図柄の変動時間としてもよい。このように、強制的ではない演出図柄の変動表示時とは異なる演出図柄の変動時間で変動表示が行われた場合には、表示結果として演出当り図柄を表示制御するため、サブ演出表示装置1700での演出図柄の変動表示に対して期待をもって注目させることができる。
また、上記では、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間の開始時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がなかった場合には、そのエンディング期間の開始直後に、表示結果として演出当り図柄を表示制御するように強制的に演出図柄の変動表示を行っている。また、エンディング期間の開始時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がある場合には、そのエンディング期間中において、表示結果として演出ハズレ図柄を表示制御するように保留の状態にある演出図柄の変動表示を全て行った後に、表示結果として演出当り図柄を表示制御するように強制的に演出図柄の変動表示を行っている。ただし、別例として、エンディング期間の開始後である所定のタイミング(例えば、5秒経過時)で、表示結果として演出当り図柄を表示制御するように強制的に演出図柄の変動表示を行うようにしてもよい。このように、エンディング期間の開始後である所定のタイミングで、突発的に演出図柄の変動表示が行われた場合には、サブ演出表示装置1700での演出図柄の変動表示に対して驚きをもって注目させることができる。
また、本実施形態では、大当りC時の大当り遊技中、小当りC時の小当り遊技中に遊技球BがV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかである場合には、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球したとしても、演出当りとするか否かの判定にて演出当りに当選することがなく、演出図柄の変動表示の表示結果として演出ハズレ図柄を表示制御している。なお、大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間の開始時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がある場合には、そのエンディング期間中において、表示結果として演出ハズレ図柄を表示制御するように保留の状態にある演出図柄の変動表示を全て行っている。このため、エンディング期間の終了時点で、保留の状態にある演出図柄の変動表示制御がない状態となっている。
なお、本実施形態では、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した時点ではなく、演出図柄の変動表示の開始時点で、演出乱数を抽出し、その抽出した演出乱数を用いて演出当りに当選するか否かの判定を行っている。ただし、別例として、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した時点で、演出乱数を抽出するとともに記憶し、演出図柄の変動表示の開始時点で、その記憶されている演出乱数を用いて演出当りに当選するか否かの判定を行ってもよい。このような場合、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球してから演出図柄の変動表示を開始するまでの間に、記憶されている演出乱数を用いて演出当りに当選するか否かの判定を事前に行い、その判定結果に基づいて演出当りに当選するか否かを示唆する演出(先読み演出)を実行してもよい。例えば、そのような演出において、演出当りに当選する旨を示唆した場合には、高い確率で演出当りに当選する判定を行い、演出図柄の変動表示の表示結果として高い確率で演出当り図柄を表示制御するようになる。
また、本実施形態では、5つの一般入賞口2001a〜2001eのうち、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した場合のみ、演出図柄の変動表示を行っている。ただし、別例として、右下一般入賞口2001eだけでなく、他の一般入賞口に遊技球Bが入球した場合にも、演出図柄の変動表示を行うようにしてもよい。このとき、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した場合と、他の一般入賞口に遊技球Bが入球した場合と、で、演出図柄の変動表示などの演出内容を異ならせてもよい。これによれば、右下一般入賞口2001eと他の一般入賞口とのうち、遊技者が所望する演出内容に対応した一般入賞口を選択させ、その一般入賞口に遊技球Bが入球するように狙い撃ちさせることができる。
また、本実施形態では、右下一般入賞口2001eに1つの遊技球Bが入球したときに、1回の演出図柄の変動表示を行っているが、その演出図柄の変動表示を行うための条件を異ならせてもよい。例えば、右下一般入賞口2001eに2つの遊技球Bが入球するごとに、1回の演出図柄の変動表示を行ってもよいし、右下一般入賞口2001eに1つの遊技球Bが入球するだけで、2回の演出図柄の変動表示を行ってもよい。これによれば、大当り遊技の実行中において、演出図柄の変動表示が行われる頻度を適宜調整することができる。
また、本実施形態では、大当り遊技の実行中のみ、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球したことに基づいて演出図柄の変動表示を行っているが、大当り遊技以外の時短状態や非時短状態でも、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球したことに基づいて演出図柄の変動表示などの演出を実行するようにしてもよい。また、大当り遊技の実行中に右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した場合と、大当り遊技以外で右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した場合と、で、実行される演出内容を異ならせてもよい。これによれば、大当り遊技の実行中と大当り遊技以外とでは、右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球するように打ち込ませる点では同じでありながらも、演出内容が異なる演出を楽しませることができる。
また、本実施形態では、遊技球Bが入球することで所定数(例えば、8個)の遊技球Bが払出される右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した場合に、演出図柄の変動表示を行っている。ただし、別例として、遊技球Bが入球しても遊技球Bが払出されない入球口(例えば、アウト口など)に遊技球Bが入球した場合に、演出図柄の変動表示を行うようにしてもよい。また、遊技球Bが入球することで所定数の遊技球Bが払出される右下一般入賞口2001eに遊技球Bが入球した場合と、遊技球Bが入球しても遊技球Bが払出されない入球口に遊技球Bが入球した場合と、のいずれの場合にも、演出図柄の変動表示を行うようしてもよい。これによれば、上記した入球口に遊技球Bが入球しても、遊技球Bが払出されないが、演出図柄の変動表示により大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるか否かを認識しうるという特典が得られるため、遊技者を満足させることができる。
次に、大当り遊技の実行中(小当り遊技中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技の実行中を含む。)に実行されるサブ演出表示装置1700での具体的な演出例について、図144を参照して説明する。なお、非時短状態である場合には、サブ演出表示装置1700において、例えば当該パチンコ機1を紹介する映像や、メイン演出表示器1600にて実行中の演出に関連した映像など、非時短状態用の演出表示が行われている。
図144(A)に示すように、サブ演出表示装置1700では、大当り遊技の実行中(エンディング期間を除く。)に右下一般入賞口2001eに遊技球Bが受け入れられると、その大当り遊技を発生する起因となった大当りや小当りの種別に基づいて、複数の演出図柄1701a〜1701cからなる図柄列を、左右方向へ三つ並べた状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列が、演出当り図柄とするか否かの決定結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される。なお、大当り遊技の終了後に時短状態に制御される大当りA、大当りB、小当りA、小当りBに当選している場合には、大当り遊技(エンディング期間を含む。)が終了するまでの間に、所定の変動表示で演出当り図柄を停止表示し、大当り遊技の終了後に時短状態に制御される旨を通知している。一方で、大当り遊技の終了後に非時短状態に制御される大当りCや小当りCに当選している場合には、大当り遊技(エンディング期間を含む。)が終了するまでの間に、演出ハズレ図柄しか停止表示することがない。
そして、演出当り図柄とするか否かの決定結果として演出ハズレ図柄に決定している場合には、サブ演出表示装置1700において、三つの図柄列が演出ハズレ図柄の組み合わせ(本例では「714」)となるように各演出図柄1701a〜1701cが停止表示される(図144(B))。この時点で、演出図柄の保留記憶数が「0」ではない場合、すなわちサブ保留数表示器1710における1つ以上のLEDが点灯している場合には、その保留に基づいて複数の演出図柄1701a〜1701cからなる図柄列の変動を再び開始し(図144(C))、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列が、演出当り図柄とするか否かの決定結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される(図144(D))。なお、演出図柄の保留記憶数が「0」である場合、すなわちサブ保留数表示器1710におけるLEDが点灯していない場合であっても、大当り遊技の実行中のラウンド数が10ラウンド目(小当り時には11ラウンド目)の時点や大当り遊技のラウンド遊技後に発生するエンディング期間(全てのラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの待機時間)の時点で、サブ演出表示装置1700における複数の演出図柄1701a〜1701cからなる図柄列の変動を強制的に開始する場合がある。このような場合には必ず、三つの図柄列が演出当り図柄の組み合わせ(本例では「777」)となるように各演出図柄1701a〜1701cが停止表示されるようになっている。
一方で、演出当り図柄とするか否かの決定結果として演出当り図柄に決定している場合には、サブ演出表示装置1700において、三つの図柄列が演出当り図柄の組み合わせ(本例では「777」)となるように各演出図柄1701a〜1701cが停止表示される(図144(E))。この時点で、演出図柄の保留記憶数が「0」ではない場合、すなわちサブ保留数表示器1710における1つ以上のLEDが点灯している場合であっても、演出当り図柄を停止表示した後の大当り遊技の残り期間には、新たに複数の演出図柄1701a〜1701cからなる図柄列の変動を開始することがない。このような場合には、次回の大当り時の大当り遊技中や、次回の小当り時の小当り遊技中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技中、のいずれかで、その保留に基づいて複数の演出図柄1701a〜1701cからなる図柄列の変動が開始されるようになっている。
なお、サブ演出表示装置1700に複数の演出図柄1701a〜1701cとして演出当り図柄を停止表示させた後には、大当り遊技の終了後に時短状態に突入し、次回の大当り時の大当り遊技や、次回の小当り時の小当り遊技中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技、のいずれかが開始されるまでの間、その演出当り図柄を表示させた状態で維持させるようにしている。
[11.時短状態中の演出例]
上記したように本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」や「小当り」)を発生させるか否かの当り判定が行われる。そして、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられた場合には、機能表示ユニット1400における第一特別図柄表示器1404の八つのLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって当り判定の結果を示唆し、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられた場合には、機能表示ユニット1400における第二特別図柄表示器1406の八つのLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって当り判定の結果を示唆する。
図145(A)に示すように、メイン演出表示装置1600では、非時短状態である場合に第一始動口2002に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、複数の装飾図柄1601a〜1601cからなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列が、当り判定の結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される。そして、当り判定の結果が「大当り」の場合には、三つの図柄列が大当り図柄の組み合わせ(本例では「777」)となるように各装飾図柄1601a〜1601cを停止表示させた後に、大当り遊技が発生する(図145(B))。
また、メイン演出表示装置1600には、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示に関連してミニ図柄1602を表示させるとともに、第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示に関連してミニ図柄1603を表示させる。具体的には、非時短状態及び時短状態のいずれの場合にも、第一始動口2002に遊技球Bが受け入れられると、メイン演出表示装置1600におけるミニ図柄1602を変動させ、当り判定の結果と対応したミニ図柄1602が停止表示される。同様に、非時短状態及び時短状態のいずれの場合にも、第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられると、メイン演出表示装置1600におけるミニ図柄1603を変動させ、当り判定の結果と対応したミニ図柄1603が停止表示される。このように、非時短状態である場合に第一始動口2002に遊技球Bが受け入れられると、メイン演出表示装置1600における複数の装飾図柄1601a〜1601cとミニ図柄1602とのいずれもが変動表示される。
そして、図145(C)に示すように、第一特別図柄表示器1404における時短状態の発生の起因となった第一特別図柄の変動表示に関連し、メイン演出表示装置1600に複数の装飾図柄1601a〜1601cの停止図柄として大当り図柄(本例では「777」)を表示させた後には、時短状態が終了するまでの間、その大当り図柄を表示させた状態で維持させる。このように、大当り遊技の終了後に時短状態に突入した場合には、複数の装飾図柄1601a〜1601cの大当り図柄(本例では「777」)の表示が維持された状態とするため、時短状態中に第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示が実行されていることを遊技者に悟られにくくすることができ、第二特別図柄側の当り判定の結果に比べて遊技者に不利な結果が得られる蓋然性が高い第一特別図柄側の当り判定の結果に基づいて複数の装飾図柄1601a〜1601cの変動表示が実行されることによる遊技興趣の低下を抑制することができる。
なお、時短状態である場合に第一始動口2002に遊技球Bが受け入れられると、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示に関連してメイン演出表示装置1600にミニ図柄1602が変動表示されるが、そのような第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示中には、メイン演出表示装置1600における複数の装飾図柄1601a〜1600cを上下又は左右にゆっくりと小幅に移動させる揺れ変動表示が行われている。ただし、別例として、メイン演出表示1600としてドットマトリクス表示器などが用いられる場合には、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示中に、複数の装飾図柄1601a〜1600cの輝度を変化(強弱を繰り返す)させるようにしてもよい。一方で、時短状態である場合に第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられたとしても、第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示に関連してメイン演出表示装置1600にミニ図柄1603が変動表示されるだけであり、複数の装飾図柄1601a〜1600cの揺れ変動表示は行われない。
上記したように、時短状態において、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示中には、メイン演出表示装置1600にミニ図柄1602が変動表示されるとともに、同じくメイン演出表示装置1600に複数の装飾図柄1601a〜1600cが揺れ変動表示されているが、第一特別図柄表示器1404に変動表示されている第一特別図柄の停止表示時には、メイン演出表示装置1600に変動表示されているミニ図柄1602が停止表示されるとともに、同じくメイン演出表示装置1600に揺れ変動表示されている複数の装飾図柄1601a〜1600cが停止表示される(図145(D))。
なお、第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられた場合に、第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示に関連してメイン演出表示装置1600における複数の装飾図柄1601a〜1601cを変動表示させるようにしてもよい。そして、時短状態において、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示中には、メイン演出表示装置1600に複数の装飾図柄1601a〜1601cとして大当り図柄(本例では「777」)の表示が維持された状態とし、第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示中には、メイン演出表示装置1600における複数の装飾図柄1601a〜1601cを変動表示させるようにしてもよい。このような場合には、第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示に関連し、メイン演出表示装置1600に複数の装飾図柄1601a〜1601cの停止図柄として小当り図柄を表示させた後に、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示が行われることで、メイン演出表示装置1600に複数の装飾図柄1601a〜1601cとして大当り図柄の表示が再開されると、複数の装飾図柄1601a〜1601cが変動表示することなく小当り図柄から大当り図柄に切り替わることにより遊技者を混乱させてしまう可能性がある。このような状況を防止するため、第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示に関連し、メイン演出表示装置1600に複数の装飾図柄1601a〜1601cの停止図柄として小当り図柄を表示させた後には、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示が行われたとしても、その小当り図柄の表示が維持された状態としてもよい。
また、大当り遊技の終了後に時短状態に突入する時点で第一保留記憶数が「0」ではない場合、その後に少なくとも第一保留記憶数が「0」になるまでの間、メイン演出表示装置1600に複数の装飾図柄1601a〜1601cとして大当り図柄(本例では「777」)の表示が維持された状態としてもよく、第一保留記憶数が「0」になった後、第一始動口2002に遊技球Bが受け入れられた場合には、第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示に関連して複数の装飾図柄1601a〜1601cの変動表示を再開させるようにしてもよい。
上記に加え、第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられた場合に、第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示に関連してメイン演出表示装置1600における複数の装飾図柄1601a〜1601cを変動表示させるようにしてもよい。このような場合には、時短状態突入後、第一保留記憶数が「0」になるまでの間、メイン演出表示装置1600に複数の装飾図柄1601a〜1601cとして大当り図柄(本例では「777」)の表示が維持された状態とし、第一保留記憶数が「0」になった後、第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられた場合には、第二特別図柄表示器1406における第二特別図柄の変動表示に関連してメイン演出表示装置1600における複数の装飾図柄1601a〜1601cの変動表示を再開させるようにしてもよい。
このように、本例のパチンコ機1では、時短状態突入後、少なくとも第一保留記憶数が「0」になるまでの間、複数の装飾図柄1601a〜1601cの大当り図柄(本例では「777」)の表示が維持された状態とするため、時短状態突入直後に第一特別図柄表示器1404における第一特別図柄の変動表示が実行されていることを遊技者に悟られにくくすることができ、第二特別図柄側の当り判定の結果に比べて遊技者に不利な結果が得られる蓋然性が高い第一特別図柄側の当り判定の結果に基づいて複数の装飾図柄1601a〜1601cの変動表示が実行されることによる遊技興趣の低下を抑制することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、押圧操作部303を上昇位置へ移動させた状態で、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)を下降端まで押圧しても、外周押圧操作部303bの押圧が検知されないものを示したが、これに限定するものではなく、外周押圧操作部303bの押圧を検知できるようにしても良い。これにより、同じ押圧操作でも、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとで異なる演出態様に変化させたり、外周押圧操作部303bが押圧操作された時には中央押圧操作部303aの押圧操作を促したりすることが可能となり、より多彩な遊技者参加型演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記の実施形態では、押圧操作部303(中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303b)を上昇位置へ移動させた状態では、押圧操作部303を押圧すると、下降位置まで移動するものを示したが、これに限定するものではなく、上昇位置の状態で押圧操作部303を押圧すると、上昇位置から僅かに下方へ移動した後に下方への移動が規制されるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、前方へ膨出している皿ユニット200の上面に回転操作部302を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、皿ユニットの内部に回転操作部を配置すると共に、皿ユニットの前面において回転操作部の外周側面を外部に露出させるようにしても良い。これによっても、上述と同様に回転操作部の回転操作を遊技者に楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記の実施形態では、接続筒部43aを介して幕板内部空間40a(ポート部材47)と連通されるスピーカユニット620aを、本体枠4に備えものを示したが、これに限定するものではなく、扉枠3(皿ユニット200)に内部がポート部材47と連通するスピーカユニットを備えるようにしても良く、上述と同様の作用効果を奏することができる。
1 パチンコ機
5a 遊技領域
211c 下皿球供給口(球用開口)
540 球発射装置
700 第1の操作線無効化部材
7000 第2の操作線無効化部材
7000D 第2の操作線無効化部材
1012 発射通路部
1013 ファール球落下口
1014 返却通路部
1310 主制御基板
1510 周辺制御基板
1600 メイン演出表示装置
1610 メイン保留数表示器
1700 サブ演出表示装置
1710 サブ保留数表示器
2001a〜e 一般入賞口
2002 第一始動口
2003 ゲート部
2004 第二始動口
2005a 第一大入賞口
2005b 第二大入賞口
2400 V入賞口装置
2411 V入賞口
2500 センター役物
B 遊技球
Q 不正球
L 操作線

Claims (1)

  1. 第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、
    該抽選手段によって当りの抽選結果が得られた場合に特典を付与する特典付与手段と、
    所定の表示部にて前記抽選の結果を示唆する演出表示を行う演出表示制御手段と、
    該特典付与手段による前記特典の付与後に、前記第2始動条件の成立割合が通常状態よりも高い特定状態に制御し得る状態制御手段と、を備え、
    前記演出表示制御手段は、
    前記通常状態中に前記第1始動条件の成立に基づく前記抽選が行われた場合に、当該抽選結果に応じた演出結果を前記表示部に表示させる演出結果表示手段と、
    前記特定状態中に少なくとも前記第1始動条件の成立に基づく前記抽選が行われた場合に、当該抽選に基づいて前記演出表示を行う以前から前記表示部に表示されている演出結果を継続して表示させる演出結果継続表示手段と、を有することを特徴とする遊技機。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005102935A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Daikoku Denki Co Ltd パチンコ遊技機
JP2011015742A (ja) * 2009-07-07 2011-01-27 Kyoraku Sangyo Kk 制御基板、及びぱちんこ遊技機

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