JP2017187457A - 水素透過拡散経路観測装置及びそれを用いて試料を透過する水素イオンを計測する方法 - Google Patents
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Description
試料及び該試料に電子線を照射する電子源を収容する分析室と分析室に配設され試料に照射された電子線により生じる二次電子を検出する二次電子検出器とを備える走査型電子顕微鏡と、
電子源から試料に照射された電子線により生じる水素イオンを検出する水素イオン検出部と、
試料の裏面側に接続される水素配管に水素を供給する水素ガス供給部と、
制御部と、を具備し、
試料を、該試料の結晶粒径と同程度の厚さとすると共に、その表面が平坦面を有し、分析室と水素配管との間に試料が隔膜となるように配設されており、
水素イオン検出部は、電子線の照射で生じる水素イオン以外を除去するフィルタとイオン検出器とを、備え、
制御部は、電子線の走査により試料から生じる二次電子によるSEM像と、試料の裏面から試料内を拡散して表面に湧出する水素を電子線の電子衝撃脱離により発生する水素イオンのESD像とを取得する。
試料及び該試料に電子線を照射する電子源を収容する分析室と分析室に配設され試料に照射された電子線により生じる二次電子を検出する二次電子検出器と、を備える走査型電子顕微鏡と、
電子源から試料に照射された電子線により生じる水素イオンを検出するイオン検出器と、
試料の裏面側に接続される水素配管に水素を供給する水素ガス供給部と、
制御部と、を具備し、
試料は、分析室と水素配管との間に試料が隔膜となるように配設され、
水素イオン検出部は、試料表面から生じる水素イオンを収集する収集機構と、水素イオン以外を除去するイオンエネルギー分解部と、イオンエネルギー分解部を通過した水素イオンを検出するイオン検出器とからなり、
制御部は、電子源から発生する電子線の走査により試料から生じる二次電子によるSEM像を取得し、かつ、試料の裏面から試料内を拡散して表面に湧出する水素を電子線の電子衝撃脱離により水素イオンとし、水素イオンのESD像を電子線の走査に同期して取得する。
収集機構は、好ましくは、グリッド構造を有している。
分析室は、好ましくは、試料の位置を調整する試料位置調整部を備え、好ましくは、質量分析装置及び/又はオージェ電子分光器を備えている。
分析室又は水素配管は、試料の試料加熱部を備えている。
制御部は、好ましくは、二次電子検出部と高電圧安定化電源と記憶装置を制御する電子顕微鏡全体制御部と、ESD像を検出する電子衝撃脱離全体制御部と、を備えている。
電子衝撃脱離全体制御部は、好ましくは、パルス計数部と同期制御部と二次元平面への並べ替え部とを備えている。
水素は、好ましくは重水素である。
好ましくは、試料の温度を変え、水素イオンの放出量データを積算することにより、試料内の水素の拡散速度及び/又は拡散係数を、時間及び試料の位置情報と共に算出する。
導入する水素は、好ましくは重水素である。
また、非破壊、動的測定による拡散速度及び/又は拡散係数の測定や、試料の拡散速度及び/又は拡散係数の温度依存性等を測定することが可能になる。
(第1の実施形態)
最初に、第1の実施の形態に係る水素透過拡散経路観測装置について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る水素透過拡散経路観測装置10の構成を模式的に示すものである。
図1に示すように、水素透過拡散経路観測装置10は、走査型電子顕微鏡15を備え、この走査型電子顕微鏡15には、試料17と、試料17に電子線を照射する電子源16を収容する分析室11と、分析室11に配設され試料17に照射された電子線により生じる二次電子を検出する二次電子検出器18とが配備されている。さらに、水素透過拡散経路観測装置10は、電子源16から試料17に照射された電子線により生じる水素イオンを検出する水素イオン検出部20と、試料17の裏面側に接続される水素配管14に水素を供給する水素ガス供給部19と、制御部50と、を具備している。
図2に示すように、試料17は、分析室11と水素配管14との間に試料台部31と共に試料17が隔膜となるように配設されている。水素ガス供給部19は、水素配管14と試料台部31を介して隔膜型試料ホルダー12に接続されている。本実施形態では、隔膜型試料ホルダー12は分析室11と水素配管14との間に試料台部31と共に配設され、この隔膜型試料ホルダー12に試料17が配設されることで、分析室11を仕切る隔膜として構成されている。隔膜型試料ホルダー12は、例えば、ICF34(国際標準規格)のフランジ付き単管の一端側12aを塞ぐように試料17の外周部を溶接し、単管の他端のフランジ部12bを試料台部31に接続する構成でなる。
図4に示すように、収集機構21は、隔膜型試料ホルダー12の試料17の周囲に取付部21aにより試料台部31に固定されている。
図6に示すように、試料17の表面から放出される水素イオン41は、収集機構21で収集され、水素イオン検出部20のイオンエネルギー分解部22の開口部に入射する。
図10は、試料17に電子線16aが照射されたときの電子衝撃脱離により発生する水素イオン41の検出を模式的に示す図である。図10に示すように、分析室11と、水素配管14及び試料台部31は、試料17が隔壁となり仕切られている。つまり、試料17は、分析室11と水素配管14及び試料台部31との間に試料17が隔膜となるように配設されている。分析室11は、試料17の表面に電子線16aが照射され、試料17から水素イオン41が生じる。
制御部50は、電子源16から照射する電子線16aの走査により試料から発生する二次電子による走査電子顕微鏡像(SEM像と呼ぶ)を取得し、かつ、試料の裏面から該試料内を拡散して表面に湧出する水素を、電子線の電子衝撃脱離(ESD)により水素イオンとし、水素イオンのESD像を電子線の走査に同期して取得する。
図11に示すように、制御部50は、走査型電子顕微鏡15を制御する電子顕微鏡全体制御部51と、ESD像の取得を制御する電子衝撃脱離全体制御部52とを含んで構成されている。電子顕微鏡全体制御部51は、試料17の走査型電子顕微鏡像(SEM像)を取得するための二次電子検出部53と、電子光学系制御部54と、SEM用の画像演算部55と、高電圧安定化電源56と、入力装置57と、ディスプレイ58と、記憶装置59等から構成されている。分析室11内に配設される二次電子検出器18の出力は、二次電子検出部53に入力される。
図12に示すように、ESD像の取得を制御する電子衝撃脱離全体制御部52は、二次元のマルチチャンネルスケーラー60と、パルス計数部61と、同期制御部62と、測定信号の二次元平面への並べ替え部63と、マイクロプロッセッサ72等から構成されている。
分析室11内に配設される水素イオン検出部20の出力は、電子衝撃脱離イオン検出部67を介してパルス計数部61に入力される。電子衝撃脱離全体制御部52には電子光学系制御部54から走査信号が入力され、SEM像と同期して制御される。さらに電子衝撃脱離全体制御部52には、ディスプレイ65と記憶装置66が接続されている。
図13は、電子源16の走査と、ESD像の二次元計測との関係を示す模式図である。図13に示すように、電子源16から発生した電子線16aは、第1の偏向コイル16bと第2の偏向コイル16cを通過することにより、水平方向と垂直方向に走査されて試料17に二次元に照射される。
1パルスの垂直走査信号のパルス幅の期間に、水平方向の画素信号(Horizontal clock)が、合計2048パルス出力される。これにより、2048行×2048列(=4194304)の約419万画素の二次元走査を生成する。つまり、パルス計数部61でカウントされる信号は、ST信号、垂直走査用のクロック信号、水平走査用のクロック信号からなる複数のカウンターを同期させることで、各走査位置におけるイオン検出器23からの水素イオンのカウント数として取得することができる。
図14は、ESD像の二次元走査を説明する図であり、(a)は1行の走査、(b)は第1〜第3行の走査、(c)は1画面となる全画素の走査である。図14(a)に示すように1行の走査が終了すると、図14(b)に示すように2行目の走査が開始されて、第1行の走査と同様に水平方向の画素毎に水素イオンのカウント数が取得される。2行目の走査が終了すると、次に3行の走査が開始される。上記の二次元走査の繰り返しにより、図14(c)に示すように、1画面として、例えば、2048行×2048列からなる4194304画素(約419万画素)の二次元のESD像を取得することができる。
図15は、走査による二次元のESD像を計測するフロー図である。図15に示すように、二次元のESD像は、以下のステップで行うことができる。
ステップ1:試料17の表面から脱離した水素イオンが、イオン検出器23で検出される。
ステップ2:イオン検出器23で検出した水素イオンの定量計測を、パルス計数部61で行う。
ステップ3:図13に示した垂直走査用のクロック信号及び水平走査用のクロック信号を生成する同期制御部62により、試料17の二次元の各測定点の水素イオンのカウントを行う。
ステップ4:ステップ3で測定した試料17の二次元の各測定点の水素イオンのカウント数を記憶装置66のメモリーに保存する。
ステップ5:垂直走査用のクロック信号及び水平走査用のクロック信号を元に記憶装置66のメモリーに保存されたイオン信号を二次元画像として並び替える。
ステップ6:ステップ5で取得したESD像をディスプレイ65に表示され、画像及び数値データとして、記憶装置66に保存する。
これにより、SEM像と同じ領域のESD像が取得される。
水素放出位置の空間分解能は、本質的には走査型電子顕微鏡15の倍率に依存するため、走査型電子顕微鏡15の倍率と同等まで向上できるので、10〜20nm、つまり20nm以下の分解能が得られる。走査型電子顕微鏡15の倍率の限界は、走査型電子顕微鏡15とその周囲の振動除去と電子ビーム径により決まる。
本発明の水素透過拡散経路観測装置10によれば、水素を供給しながら、非破壊かつ実時間で水素の透過経路(チャンネル)を測定することができる。
次に、本発明の第2の実施形態として水素透過拡散経路観測装置10を用いた水素イオン等の測定方法について説明する。
試料17の結晶粒界は、表面を平坦にした試料17を、その材料に応じたエッチングで処理し、その表面の二次電子像であるSEM像で観察することができる。試料17の表面は、研磨や鏡面研磨により平坦化することができる。エッチングは、酸やアルカリ等によるエッチング液や電解研磨により行うことができる。これにより、試料17の結晶粒界や転位を、SEM像で観察することができる。
図16は、試料17の断面の模式図である。図16に示すように、金属からなる試料17の厚さを、金属の結晶粒と同程度の寸法(サイズ)にした場合を示しており、結晶粒サイズが100〜150μmとしている。
図16の(a)、(d)は転位の無い結晶粒の場合であり、試料17の裏面側から拡散する水素が、結晶粒の境界である結晶粒界ではなく、結晶粒の内部を拡散して表面側に拡散する経路を示している。図16の(b)は転位の入った結晶粒の場合であり、試料17の裏面側から拡散する水素が、結晶粒の境界である結晶粒界ではなく、結晶粒の内部を拡散して表面側に拡散するが、転位があるので、試料17からの水素放出が大きくなる。図16の(c)は転位の入った結晶粒ではあるが、下側には転位の無い結晶粒があり、試料17の裏面側から拡散する水素が、生じないことを示している。
図16で説明した試料17から脱離する水素イオンの量は、測定位置毎に検出した水素イオンのカウント数の画像処理において、白黒の濃淡化やカラー表示を施すことにより、水素放出の分布が観察できる。従って、試料17の厚さを、試料17の結晶粒の大きさと同程度の厚さとしてESD像を取得すれば、結晶粒とESD像から得られる水素イオン分布との対応を調べることができる。これにより、結晶粒における水素イオンの放出位置の構造情報を得ることができる。
SEM像により結晶粒界と結晶粒の構造を観察し、ESD像と対比することにより、試料17の水素放出が大きい箇所と、結晶粒界又は結晶粒との関係を判定することが可能となる。水素放出が大きい箇所と、結晶粒界又は結晶粒との関係を判定するためには、試料17の厚さを、結晶粒と同程度あるいはそれ以下の寸法にすればよい。これにより、図16の断面に示すように、水素放出が大きい箇所と、結晶粒界や結晶粒との関係を高感度で検出することが可能となる。
実施例1の水素透過拡散経路観測装置10は、走査型電子顕微鏡15(日本電子社製、JAMP−10)に、隔膜型試料ホルダー12、試料加熱部32、試料位置調整部34、第2の真空排気部38、重水素ガス供給部19、収集用機構21、イオンエネルギー分解部22、イオン検出器23を付加して、試料17の表面から脱離した重水素イオンが検出できるようにした。さらに、重水素イオンの信号検出に関しては、二次元のマルチチャンネルスケーラー60と、パルス計数部61と、同期制御部62と、測定信号の二次元平面への並べ替え部63等から構成される電子衝撃脱離全体制御部52を製作して、制御部50に組み込んだ。
試料17の温度は200℃である。ESD像の撮影時間は、電子線16aの走査速度で変えることができるが、6分とした。積算時間の間、水素配管14から重水素が供給され続けている。SEM像及びESD像の一辺は330μmである。
図17は、重水素導入から0.5時間後に6分の撮影時間で取得したESD像であり、図18は重水素導入から55時間後に6分の撮影時間で取得したESD像である。
図17から、重水素の拡散経路があっても、実施例1の試料17に関して、6分間では拡散経路を通通過する重水素が少ないため、一枚のESD像では拡散経路のない場所との区別がつかない。
イオン検出の積算時間を、6分×550回の55時間としてESD像を取得した。
図22は実施例1のSEM像の一例であり、図23は実施例1のESD像の一例であり、図24は図22のSEM像に結晶粒界をさらに実線で追加したSEM像であり、図25は図23のESD像に図22に追加した結晶粒界の実線を追加したESD像である。
SEM像は試料17の結晶粒界等の観察に使用しているが、SEM像の取得は、ESD像の取得毎に行う必要がない場合もある。試料17の温度が安定している場合には、SEM像の取得を、例えば積算の第1回目と最終回で行ってもよい。試料17の温度変動があり観察視野が変化するような場合には、試料17の温度が安定したときにSEM像の取得を行えばよい。この場合には、SEM像の取得を所定の頻度で行ってもよい。
実施例2は、収集機構21と電子衝撃脱離全体制御部52を備えていない水素観測装置(非特許文献2参照)である。水素イオン検出部は、電子線の照射で生じる光と散乱電子を除去するフィルタと水素イオン検出器とから構成した。試料17は、該試料17の結晶粒径と同程度の厚さとすると共に、その表面が平坦面を有している。試料17は、実施例1と同様の鏡面仕上げの試料であり、結晶粒径が100〜150μmであり、厚さを100μmとした。
試料17の裏面から試料17内を拡散して表面に湧出する水素を電子線の電子衝撃脱離により発生する水素イオンのESD像を、SEM像と交互に取得した。この場合、画素数2400×2000(480万画素)中の検出イオン数は2926であり、イオン収率は0.06%であり、実施例1の1/300であった。このため、実施例2の水素観測装置では、実施例1のようなESD像は得られなかった。
11:分析室
11a:導線引き出しポート
12:隔膜型試料ホルダー
12a:隔膜型試料ホルダー単管試料側
12b:隔膜型試料ホルダー単管フランジ側
14:水素配管
15:走査型電子顕微鏡
16:電子源
16a:電子線
16b:第1の偏向コイル
16c:第2の偏向コイル
17:試料
18:二次電子検出器
19:水素ガス供給部
20:水素イオン検出部
21:収集機構
21a:取付部
21b:メッシュ部
21c:メッシュ保持部
22:イオンエネルギー分解部
23:イオン検出器
31:試料台部
32:試料加熱部
33:試料温度測定部
34:試料位置調整部
35:質量分析器
37:第1の真空排気部
38:第2の真空排気部
41:水素イオン
50:制御部
51:電子顕微鏡全体制御部
52:電子衝撃脱離全体制御部
53:二次電子検出部
54:電子光学系制御部
55:SEM用の画像演算部
56:高電圧安定化電源
57:入力装置
58:ディスプレイ
59:記憶装置
60:二次元のマルチチャンネルスケーラー
61:パルス計数部
61a:水素イオンのカウント数信号
62:同期制御部
62a:垂直走査信号
62b:水平走査信号
62c:走査位置に関する情報
62d、62e:デジタルアナログ変換器
63:測定信号の二次元平面への並べ替え部
64:ESD用の画像演算部
65:ディスプレイ
66:記憶装置
67:電子衝撃脱離イオン検出部
72:マイクロプロッセッサ
72a、72b:入出力インターフェース
Claims (18)
- 試料及び該試料に電子線を照射する電子源を収容する分析室と該分析室に配設され前記試料に照射された電子線により生じる二次電子を検出する二次電子検出器とを備える走査型電子顕微鏡と、
前記電子源から試料に照射された電子線により生じる水素イオンを検出する水素イオン検出部と、
前記試料の裏面側に接続される水素配管に水素を供給する水素ガス供給部と、
制御部と、を具備し、
前記試料が、該試料の結晶粒径と同程度の厚さにされると共に、その表面が平坦面を有し、
前記分析室と前記水素配管との間に前記試料が隔膜となるように配設されており、
前記水素イオン検出部は、前記電子線の照射で生じる前記水素イオン以外を除去するフィルタとイオン検出器とを、備え、
前記制御部は、
前記電子線の走査により試料から生じる二次電子によるSEM像と、
前記試料の裏面から該試料内を拡散して表面に湧出する水素を前記電子線の電子衝撃脱離により発生する水素イオンのESD像と、
を取得する、水素透過拡散経路観測装置。 - 試料と該試料に電子線を照射する電子源を収容する分析室と該分析室に配設され前記試料に照射された電子線により生じる二次電子を検出する二次電子検出器とを備える走査型電子顕微鏡と、
前記電子源から試料に照射された電子線により生じる水素イオンを検出する水素イオン検出部と、
前記試料の裏面側に接続される水素配管に水素を供給する水素ガス供給部と、
制御部と、を具備し、
前記試料は、前記分析室と前記水素配管との間に前記試料が隔膜となるように配設されており、
前記水素イオン検出部は、前記試料表面から生じる水素イオンを収集する収集機構と該水素イオン以外を除去するイオンエネルギー分解部と該イオンエネルギー分解部を通過した水素イオンを検出するイオン検出器とからなり、
前記制御部は、
電子源から発生する電子線の走査により試料から発生する二次電子によるSEM像を取得し、かつ、
前記試料の裏面から該試料内を拡散して表面に湧出する水素を前記電子線の電子衝撃脱離により水素イオンとし、該水素イオンのESD像を前記電子線の走査に同期して取得する、水素透過拡散経路観測装置。 - 前記試料は、隔膜型試料ホルダーに支持され、該試料と隔膜型試料ホルダーとで、前記分析室と前記水素配管とを仕切る隔膜として構成される、請求項1又は2に記載の水素透過拡散経路観測装置。
- 前記収集機構は、グリッド構造を有している、請求項2又は3に記載の水素透過拡散経路観測装置。
- 前記分析室は、前記試料の位置を調整する試料位置調整部を備えている、請求項2〜4の何れかに記載の水素透過拡散経路観測装置。
- 前記分析室は、質量分析装置及び/又はオージェ電子分光器を備えている、請求項2〜5の何れかに記載の水素透過拡散経路観測装置。
- 前記分析室又は水素配管には、前記試料の試料加熱部が設けられている、請求項2〜6の何れかに記載の水素透過拡散経路観測装置。
- 前記制御部は、
二次電子検出部と高電圧安定化電源と記憶装置を制御する電子顕微鏡全体制御部と、
ESD像を検出する電子衝撃脱離全体制御部と、
を備えている、請求項2〜7の何れかに記載の水素透過拡散経路観測装置。 - 前記電子衝撃脱離全体制御部は、パルス計数部と同期制御部と測定信号の二次元平面への並べ替え部とを備えている、請求項8に記載の水素透過拡散経路観測装置。
- 前記水素が重水素である、請求項1〜9の何れかに記載の水素透過拡散経路観測装置。
- 請求項2〜10の何れかに記載の水素透過拡散経路観測装置を用いて試料を透過する水素イオンを計測する方法であって、
前記ESD像の位置分解能を、前記SEM像と比較することにより20nm以下とする、試料を透過する水素イオンの計測方法。 - 前記パルス計数部で計数した試料位置毎の水素イオンのカウント数を所定の撮影時間で取得してESD像を得、このESD像を複数積算したESD像により前記試料を透過した水素イオン分布を得る、請求項11に記載の試料を透過する重水素イオンの計測方法。
- 前記ESD像の取得前に、前記試料の表面に存在する水素や炭素等のバックグラウンドを、前記分析室内に設けたスパッタ源又は電子線照射により除去する、請求項11又は12に記載の試料を透過する重水素イオンの計測方法。
- 前記ESD像の取得前に、前記試料の表面に存在する残留物をオージェ電子分光器で測定する、請求項11〜13の何れかに記載の試料を透過する水素イオンの計測方法。
- 前記試料の厚さを、該試料の結晶粒の大きさと同程度として、該試料により前記ESD像を取得する、請求項11〜14の何れかに記載の試料を透過する水素イオンの計測方法。
- 前記試料の表面をエッチングして前記SEM像を観察し、
該SEM像から結晶粒界を特定し、特定した結晶粒界を前記SEM像及び前記ESD像に重ねて表示して、前記結晶粒と前記ESD像で得られる水素イオン分布との対応を調べ、前記結晶粒における前記水素イオンの放出位置の構造情報を得る、請求項11〜15の何れかに記載の試料を透過する水素イオンの計測方法。 - 前記試料の温度を変え、水素イオンの放出量データを演算することにより、前記試料内の水素の拡散速度及び/又は拡散係数を、時間及び前記試料の二次元位置情報と共に算出する、請求項11〜16の何れかに記載の試料を透過する水素イオンの計測方法。
- 前記水素が重水素である、請求項11〜17の何れかに記載の試料を透過する水素イオンの計測方法。
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