JP2017187103A - 電磁石用リード線のシール構造 - Google Patents
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Abstract
Description
リード線3におけるコイルボビン11のリード線保持部12から導出された部分は、弾性材からなるシール部材5を貫通している。リード線3は、このシール部材5に圧入状態で嵌合している。
このように構成された従来のシール構造1によれば、ヨーク6のリード線引出口(凹陥部14)がシール部材5によってシールされるために、ケース4内の潤滑用のオイルや、ケース外の雨水が圧着端子部分や励磁コイル9内に浸入することを防止でき、腐食により絶縁不良が生じることを防止できる。
板状部18の外縁部に断面円形のOリング状のシール部19を設けたとしても、期待したほどシールの効果は得られず、耐湿性や防水性において改善が必要であった。
したがって、本発明によれば、励磁コイルのリード線が貫通する部分のシール性が高く、通電部分が絶縁不良を起こすことがない電磁石用リード線のシール構造を提供することができる。
以下、本発明に係る電磁石用リード線のシール構造の一実施の形態を図1〜図12によって詳細に説明する。この実施の形態による電磁石用リード線のシール構造は、特許請求の範囲の請求項1、請求項2、請求項5および請求項6に記載された発明を構成するものである。
ヨーク22は、機械構造用低炭素鋼などの磁性材料によって形成されており、図2に示すように、軸線Cと同一軸線上に位置する環状のコイル収容溝27を有している。このコイル収容溝27は、ヨーク22の軸線方向の他端部(図2においては右側の端部)に開口している。この実施の形態においては、このコイル収容溝27が本発明でいう「環状溝」に相当する。
コイルボビン36は、図4および図5に示すように、円環状に形成されており、このコイルボビン36の軸線方向の一端部から軸線方向に突出するリード線保持部41を有している。このリード線保持部41は、後述するリード線42(図3参照)を保持するためのものである。
コイルボビン36は、図5に示すように、環状凹部43を有している。環状凹部43は、コイルボビン36の他端部(図5においては右側の端部)に開口している。環状凹部43の底であって、リード線保持部41と対応する部分には、リード線導出用の穴44が形成されている。
コイルボビン36の中に配置された樹脂プレート37は、図8に示すように、円環状に形成されており、コイルボビン36の環状凹部43内に嵌合している。コイルボビン36の内部は、図3に示すように、この樹脂プレート37によって、軸線方向の他端側に位置するコイル収容空間46と、軸線方向の一端側に位置する配線空間47とに分けられている。
この実施の形態による樹脂プレート37は、厚みが相対的に厚い厚肉部37aと、相対的に薄い薄肉部37bとを有している。薄肉部37bは、樹脂プレート37を周方向に6等分する位置にそれぞれ設けられている。
絶縁樹脂39は、励磁コイル38を収容したコイルボビン36がコイル収容溝27内に挿入された状態で、コイル収容溝27内にインジェクションモールド法(射出成型法)によって充填されている。この絶縁樹脂39の充填は、図11に示すように、ヨーク22の凹陥部33を金型52によって閉塞した状態で実施される。
シール部62bは、断面円形状に形成されて円板部62aに全周にわたって接続されており、円板部62aを径方向の外側から囲んでいる。
このシール部材32は、貫通孔63にリード線42が圧入され、フランジ部62が突出部56の先端面56aと対向する状態で電磁石21に装着される。この装着状態においては、貫通孔63の緊縛部64が自らの弾性でリード線42に密着し、シール部材32にリード線42が液密に嵌合する。
第2の浸入経路58は、ヨーク22とケース24との合わせ部分に生じる微小な隙間によって形成される。
しかし、これらの第1の浸入経路57と第2の浸入経路58とがシール部62bと先端面56aとの密着部分で絶たれているから、微小な隙間Sに浸入したオイルや水が先端面56aを伝ってリード線42側に染み込むことはない。
したがって、この実施の形態によれば、励磁コイル38のリード線42が貫通する部分のシール性が高く、通電部分が絶縁不良を起こすことがない電磁石用リード線のシール構造を提供することができる。
このように構成されたシール構造31は、ヨーク22をケース24に取付けることによってシール状態になる。このため、作業者は、電磁石21をケース24に取付ける際に、絶縁樹脂39とケース24とでフランジ部62を締め付ける力を意識しなくてもシール構造31が確実にシール状態になる。したがって、この実施の形態によれば、シール性が高いばかりでなく、組立作業が容易な電磁石用リード線のシール構造を提供できる。
シール部材32のフランジ部62は、主にシール部62bにおいて絶縁樹脂39の先端面56aに接触する。このため、この実施の形態によれば、シール部材32と絶縁樹脂39との接触圧力が高くなるから、シール性が更に高くなる電磁石用リード線のシール構造を提供できる。
本発明に係る電磁石用リード線のシール構造は、図13に示すように構成することができる。図13において、図1〜図12によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。この実施の形態による電磁石用リード線のシール構造は、特許請求の範囲の請求項3と請求項5および請求項6とに記載された発明を構成するものである。
図13に示す電磁石用リード線のシール構造71は、第1の実施の形態で示したシール構造31とは絶縁樹脂39の突出部56が異なるだけで、その他の構成は同一である。
本発明に係る電磁石用リード線のシール構造は、図14に示すように構成することができる。図14において、図1〜図12によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。この実施の形態による電磁石用リード線のシール構造は、特許請求の範囲の請求項4と請求項5および請求項6とに記載された発明を構成するものである。
この実施の形態による電磁石用リード線のシール構造81は、機械装置23の構成部材を使用することなく実現できる。
この実施の形態によるヨーク22には、コイル収容溝27内に収容された絶縁樹脂39の端部にコイル収容溝27の底とは反対側から接触するかしめ片84が設けられている。
この実施の形態による電磁石用リード線のシール構造81は、機械装置23のケース24を用いることなく電磁石単体で実現可能である。このため、このシール構造81を採用した電磁石21は、機械装置23のケース24に簡単に取付けることができるものとなる。
Claims (6)
- 励磁コイルが収容される環状溝が形成された環状のヨークと、
前記ヨークの軸線方向に延びて前記環状溝の底に一端が開口するとともに他端が装置外面に開口し、前記励磁コイルに接続されたリード線が通される配線用の孔と、
弾性材によって形成され、前記リード線が液密に嵌合した状態で前記配線用の孔内に配置されたシール部材と、
前記励磁コイルおよびこの励磁コイルと前記リード線との接続部を封止する絶縁樹脂とを備え、
前記配線用の孔は、
前記装置外面に開口する第1の孔部と、
前記第1の孔部における前記環状溝に近接する一端に接続され、前記第1の孔部より開口幅が広く形成された第2の孔部とを有し、
前記絶縁樹脂は、前記環状溝内から前記第2の孔部まで延びて先端面が前記第2の孔部内で前記ヨークの軸線と直交する方向に延びる突出部を有し、
前記シール部材は、
前記第1の孔部に挿入された柱状部と、
前記第2の孔部内で前記ヨークの軸線と直交する方向に延びる板状部と、
これらの柱状部および板状部を貫通するリード線用の貫通孔とを有し、
前記板状部は、第1の孔部と第2の孔部との境界から前記ヨークの軸線と直交する方向に延びる孔壁面と、前記突出部の先端面とによって挟まれて圧縮されていることを特徴とする電磁石用リード線のシール構造。 - 請求項1記載の電磁石用リード線のシール構造において、
前記配線用の孔は、前記ヨークと、このヨークが取付けられる装置のケースとを貫通し、
前記第1の孔部は、前記ケースに形成され、
前記第2の孔部は、前記ヨークに形成されて前記環状溝に連通孔を介して連通され、
前記絶縁樹脂は、前記環状溝内と、前記連通孔と、前記第2の孔部内の一部とに充填され、
前記板状部は、前記ヨークが前記ケースに取付けられた状態で前記突出部の先端面と前記ケースの装置内面とによって挟まれて圧縮されていることを特徴とする電磁石用リード線のシール構造。 - 請求項2記載の電磁石用リード線のシール構造において、
前記第2の孔部の前記軸線方向に延びる孔壁面は、前記絶縁樹脂によって覆われていることを特徴とする電磁石用リード線のシール構造。 - 請求項1記載の電磁石用リード線のシール構造において、
前記配線用の孔は、前記ヨークにおける前記環状溝の底を構成する壁のみに形成され、
前記絶縁樹脂は、前記環状溝に挿入可能な環状に形成され、
前記ヨークにおける前記環状溝の開口縁部には、前記環状溝内に収容された前記絶縁樹脂の端部に前記環状溝の底とは反対側から接触するかしめ片が設けられていることを特徴とする電磁石用リード線のシール構造。 - 請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載の電磁石用リード線のシール構造において、
前記シール部材の前記板状部は、
前記柱状部に接続され、前記柱状部より前記軸線方向とは直交する方向に突出する円板部と、
前記円板部の外周部に全周にわたって設けられ、前記円板部の厚みより外径が大きい断面円形状のシール部とを有していることを特徴とする電磁石用リード線のシール構造。 - 請求項1ないし請求項5のうちいずれか1つに記載の電磁石用リード線のシール構造において、
前記シール部材における前記リード線が貫通する貫通孔は、前記軸線方向に所定の間隔をおいて並ぶ複数の緊縛部を有し、
前記緊縛部は、前記リード線が圧入状態で嵌合するリング状に形成されていることを特徴とする電磁石用リード線のシール構造。
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