JP2017180134A - 圧縮機の修正回転数算出方法、圧縮機の制御方法、これらの方法を実行する装置、及びこの装置を備えるガスタービンプラント - Google Patents

圧縮機の修正回転数算出方法、圧縮機の制御方法、これらの方法を実行する装置、及びこの装置を備えるガスタービンプラント Download PDF

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Abstract

【課題】吸気ガスの比熱比が大きく変動する場合でも、圧縮機の運転状態の管理に有効な修正回転数を提供する。【解決手段】修正回転数算出装置は、受付部101と、ガスパラメータ算出部102と、修正回転数算出部103と、を備える。受付部101は、圧縮機30の回転数N、圧縮機30に吸い込まれる吸気ガスの温度である吸気温度T、及び、吸気ガスの組成に関する組成データを受け付ける。ガスパラメータ算出部102は、組成データに基づき、吸気ガスの比熱比及びガス定数を求める。修正回転数算出部103は、回転数Nと吸気温度Tとガス定数と比熱比とを用いて求められる圧縮機の修正回転数を、比熱比の大きさに応じて変更した疑似修正回転数を算出する。【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機の修正回転数算出方法、圧縮機の制御方法、これらの方法を実行する装置、及びこの装置を備えるガスタービンプラントに関する。
圧縮機の運転では、圧縮機やその周りの機器等を保護する観点から、圧縮機内での圧力変動や逆流を伴うサージングと呼ばれる振動現象を避ける必要がある。
このサージングは、圧縮機の実際の圧力比が限界圧力比よりも小さくなるよう制御することで防ぐことができる。この限界圧力比は、圧縮機の修正回転数毎に定まっている。この修正回転数は、圧縮機の現実の回転数、吸気ガスの比熱比、吸気ガスのガス定数、吸気ガスの温度により定まる値である。よって、この修正回転数は、吸気ガスの温度や組成等に応じて変化する。すなわち、吸気ガスの温度や組成等が変わると、これに伴って修正回転数が変化する結果、限界圧力比も変わる。
製鉄所の高炉からのBFG(Blast Furnace Gas)は、高炉状況に応じて、ガス温度やガス組成が変化する。このため、このようなBFGを圧縮するガス圧縮機では、サージングを抑えるため、ガス組成等に応じた修正回転数を求める必要がある。
そこで、以下の特許文献1では、吸気ガスの温度を検知し、この温度に応じた修正回転数を求め、この修正回転数に対応した限界圧力比を定める方法を提案している。また、この特許文献1では、吸気ガスの温度及び密度を検知し、これら温度及び密度に応じた修正回転数を求め、この修正回転数に対応した限界圧力比を定める方法も提案している。さらに、この特許文献1では、吸気ガスの温度を検知すると共に、ガスクロマトグラフで吸気ガスの組成を検知し、これら温度及び組成に応じた修正回転数を求め、この修正回転数に対応した限界圧力比を定める方法等も提案している。
国際公開第2012/132062号
上記特許文献1に記載の方法は、圧縮機に吸い込まれる吸気ガスの状態、例えば、温度や組成等が変化する場合に基本的に有効である。しかしながら、吸気ガスの比熱比が大きく変動する場合、上記特許文献1に記載の方法で求めた修正回転数に基づいて、圧縮機の運転状態を管理すると、サージングを起こす可能性があるという問題点がある。
そこで、本発明は、吸気ガスの比熱比が大きく変動する場合でも、圧縮機の運転状態の管理に有効な修正回転数算出方法、圧縮機の制御方法、これらの方法を実行する装置、及びこの装置を備えるガスタービンプラントを提供することを目的とする。
上記問題点を解決するための発明に係る一態様としての修正回転数算出装置は、
回転数計で検知された圧縮機の回転数、吸気温度計で検知された前記圧縮機に吸い込まれる吸気ガスの温度である吸気温度、及び、組成検知器で検知された前記吸気ガスの組成に関する組成データを受け付ける受付部と、前記組成データに基づき、前記吸気ガスの比熱比及びガス定数を求めるガスパラメータ算出部と、前記回転数と前記吸気温度と前記ガス定数と前記比熱比とを用いて求められる前記圧縮機の修正回転数を、前記比熱比の大きさに応じて変更した疑似修正回転数を算出する修正回転数算出部と、を備える。
比熱比が大きいガスの場合、圧縮機の前段側に比べて後段側の修正回転数が低くなる。よって、比熱比が大きいガスの場合、後段側のガス吸込能力の低下を補うために、前段の翼負荷が高まることになる。前段の翼負荷が高まると、サージングに対する余裕度が低下する。このため、比熱比が大きいガスの場合、前段の翼負荷と相関性を有する後段での修正回転数で圧縮機の運転を管理することが好ましい。
当該修正回転数算出装置では、比熱比が大きいガスの場合、後段での修正回転数の低下が疑似修正回転数に反映される。よって、当該修正回転数算出装置では、吸気ガスの比熱比が大きく変動する場合でも、圧縮機の運転管理に有効な修正回転数を提供することができる。
ここで、前記修正回転数算出装置において、前記修正回転数算出部が算出する前記疑似修正回転数は、前記比熱比の変化に対して負の相関性を持って変化し、且つ前記比熱比が予め定められた値より大きい場合には前記比熱比の変化率より変化率が小さいことが好ましい。
以上のいずれかの前記修正回転数算出装置において、前記修正回転数算出部は、前記比熱比を前記比熱比自体の大きさに応じて変更した疑似比熱比を求める疑似比熱比演算部と、前記回転数と、前記吸気温度と、前記ガス定数と、前記疑似比熱比とを用いて、前記疑似修正回転数を求める修正回転数演算部と、を有してもよい。
前記疑似比熱比演算部を有する前記修正回転数算出装置において、前記疑似比熱比演算部が算出する前記疑似比熱比は、前記比熱比の変化に対して正の相関性を持って変化し、且つ前記比熱比が予め定められた値より大きい場合には前記比熱比の変化率より変化率が大きくてもよい。
以上のいずれかの前記修正回転数算出装置において、前記組成検知器は、前記吸気ガスを構成する複数種類のガス毎の濃度を検知する濃度計を有してもよい。
上記問題点を解決するための発明に係る一態様としての圧縮機の制御装置は、
以上のいずれかの前記修正回転数算出装置と、前記圧縮機のサージングを防止する操作端を制御するサージ制御部と、を備え、前記受付部は、圧力計で検知された前記圧縮機の吐出圧力を少なくとも受け付け、前記サージ制御部は、前記圧縮機の限界圧力比より予め定められた分だけ小さい制限圧力比と疑似修正回転数との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数算出装置が算出した前記疑似修正回転数に対する制限圧力比を定める制限圧力比設定部と、前記受付部が受け付けた前記吐出圧力で定まる前記圧縮機の現実の圧力比を求める実圧力比演算部と、前記制限圧力比設定部が定めた前記制限圧力比と、前記実圧力比演算部が求めた前記現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端の操作量を定めて、前記操作量を前記操作端に出力する操作量設定部と、を有する。
当該制御装置では、吸気ガスの比熱比が大きく変化する場合でも、圧縮機の圧力比を適正に管理することができ、圧縮機のサージング発生を抑えることができる。
上記問題点を解決するための発明に係る他の態様としての圧縮機の制御装置は、
前記疑似比熱比演算部を有する、いずれかの前記修正回転数算出装置と、前記圧縮機のサージングを防止する操作端を制御するサージ制御部と、を備え、前記受付部は、圧力計で検知された前記圧縮機の吐出圧力を少なくとも受け付け、前記サージ制御部は、前記圧縮機の限界圧力比より予め定められた分だけ小さい制限圧力比と疑似修正回転数との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数算出装置が算出した前記疑似修正回転数に対する制限圧力比を定める制限圧力比設定部と、前記受付部が受け付けた前記吐出圧力で定まる前記圧縮機の現実の圧力比を求める実圧力比演算部と、前記制限圧力比設定部が定めた前記制限圧力比と、前記実圧力比演算部が求めた前記現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端の操作量を定めて、前記操作量を前記操作端に出力する操作量設定部と、を有し、前記操作量設定部は、前記疑似比熱比と前記疑似修正回転数と前記操作端の操作量と前記圧力比との予め定められた関係を用いて、前記疑似比熱比演算部が求めた前記疑似比熱比と前記修正回転数算出装置が算出した前記疑似修正回転数と前記現実の圧力比とに応じた前記操作量を定める。
当該制御装置では、吸気ガスの比熱比が大きく変化する場合でも、圧縮機の圧力比を適正に管理することができ、圧縮機のサージング発生を抑えることができる。
ここで、前記疑似比熱比演算部を有する前記圧縮機の制御装置において、前記操作端は、前記吸気ガスの流量を調節する吸気量調節器を有し、前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記吸気量調節器に対して、前記吸気ガスの流量を少なくする操作量を出力してもよい。
また、前記疑似比熱比演算部を有する、いずれかの前記圧縮機の制御装置において、前記操作端は、前記圧縮機が吐出して他の機器に供給するガスである供給ガスの流量を調節する供給量調節弁を有し、前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記供給量調節弁に対して、前記供給ガスの流量を少なくする操作量を出力してもよい。
また、前記操作端が前記吸気量調節器を有する、前記圧縮機の制御装置において、前記操作端は、前記圧縮機を停止させるトリップ操作端を有し、前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で、且つ前記吸気量調節器の操作量が前記吸気量調節器にとって最少吸気流量となる最少操作量である場合に、前記修正回転数算出装置が算出した前記疑似修正回転数が予め定められた値以下になると、前記トリップ操作端に対して前記圧縮機を停止させる動作の実行の指令を出力してもよい。
前記操作端が前記吸気量調節器を有する、いずれかの前記圧縮機の制御装置において、前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値より小さく且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記吸気量調節器に対して、前記吸気ガスの流量を多くする操作量を出力してもよい。
前記操作端が前記供給量調節弁を有する、前記圧縮機の制御装置において、前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値より小さく且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記供給量調節弁に対して、前記供給ガスの流量を少なくする操作量を出力してもよい。
上記問題点を解決するための発明に係る一態様としてのガス供給設備は、
以上のいずれかの前記制御装置と、前記圧縮機と、前記操作端と、を備える。
上記問題点を解決するための発明に係る一態様としてのガスタービンプラントは、
以上のいずれかの前記制御装置と、ガス燃料を圧縮する前記圧縮機と、前記操作端と、前記圧縮機で圧縮された前記ガス燃料が流入し、前記ガス燃料を燃焼させて駆動するガスタービンと、を備える。
上記問題点を解決するための発明に係る一態様としての修正回転数算出方法は、
圧縮機の回転数を検知する回転数検知工程と、前記圧縮機に吸い込まれる吸気ガスの温度である吸気温度を検知する温度検知工程と、前記吸気ガスの組成に関する組成データを検知する組成データ検知工程と、前記回転数、前記吸気温度、前記組成データを受け付ける受付工程と、前記受付工程で受け付けた前記組成データに基づき、前記吸気ガスの比熱比及びガス定数を求めるガスパラメータ算出工程と、前記回転数と前記吸気温度と前記ガス定数と前記比熱比とを用いて求められる前記圧縮機の修正回転数を、前記比熱比κの大きさに応じて変更した疑似修正回転数を算出する修正回転数算出工程と、を実行する。
ここで、前記修正回転数算出方法において、前記修正回転数算出工程で算出される前記疑似修正回転数は、前記比熱比の変化に対して負の相関性を持って変化し、且つ前記比熱比が予め定められた値より大きい場合には前記比熱比の変化率より変化率が小さくてもよい。
また、以上のいずれかの前記修正回転数算出方法において、前記修正回転数算出工程は、前記比熱比を前記比熱比自体の大きさに応じて変更した疑似比熱比を求める疑似比熱比演算工程と、前記回転数と、前記吸気温度と、前記ガス定数と、前記疑似比熱比とを用いて、前記疑似修正回転数を求める修正回転数演算工程と、を含んでもよい。
前記疑似比熱比演算工程を含む、前記修正回転数算出方法において、前記疑似比熱比演算工程で求められる前記疑似比熱比は、前記比熱比の変化に対して正の相関性を持って変化し、且つ前記比熱比が予め定められた値より大きい場合には前記比熱比の変化率より変化率が大きくてもよい。
以上のいずれかの前記修正回転数算出方法において、前記組成データ検知工程では、前記吸気ガスを構成する複数種類のガス毎の濃度を検知してもよい。
上記問題点を解決するための発明に係る一態様としての圧縮機の制御方法は、
以上のいずれかの修正回転数算出方法を実行すると共に、前記圧縮機の吐出圧力を検知する圧力検知工程と、前記圧縮機のサージングを防止する操作端の動作を制御するサージ制御工程と、を実行し、前記受付工程では、前記吐出圧力を受け付け、前記サージ制御工程は、前記圧縮機の限界圧力比より予め定められた分だけ小さい制限圧力比と疑似修正回転数との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数算出工程で算出された記疑似修正回転数に対する制限圧力比を定める制限圧力比設定工程と、前記受付工程で受け付けた前記吐出圧力で定まる前記圧縮機の現実の圧力比を求める実圧力比演算工程と、前記制限圧力比設定工程で定められた前記制限圧力比と、前記実圧力比演算工程で求められた前記現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端の操作量を定めて、前記操作量を前記操作端に出力する操作量設定工程と、を含んでもよい。
上記問題点を解決するための発明に係る他の態様としての圧縮機の制御方法は、
前記疑似比熱比演算工程を含む、前記修正回転数算出方法を実行すると共に、前記圧縮機の吐出圧力を検知する圧力検知工程と、前記圧縮機のサージングを防止する操作端の動作を制御するサージ制御工程と、を実行し、前記受付工程では、前記吐出圧力を受け付け、前記サージ制御工程は、前記圧縮機の限界圧力比より予め定められた分だけ小さい制限圧力比と疑似修正回転数との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数算出工程で算出された記疑似修正回転数に対する制限圧力比を定める制限圧力比設定工程と、前記受付工程で受け付けた前記吐出圧力で定まる前記圧縮機の現実の圧力比を求める実圧力比演算工程と、前記制限圧力比設定工程で定められた前記制限圧力比と、前記実圧力比演算工程で求められた前記現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端の操作量を定めて、前記操作量を前記操作端に出力する操作量設定工程と、を含み、前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比と前記疑似修正回転数と前記操作端の操作量と前記圧力比との予め定められた関係を用いて、前記疑似比熱比演算工程で求められた前記疑似比熱比と前記修正回転数算出工程で算出された前記疑似修正回転数と前記現実の圧力比とに応じた前記操作量を定める。
ここで、前記疑似比熱比演算工程を含む、前記圧縮機の制御方法において、前記操作端は、前記吸気ガスの流量を調節する吸気量調節器を有し、前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記吸気量調節器に対して、前記吸気ガスの流量を少なくする操作量を出力してもよい。
前記疑似比熱比演算工程を含む、以上のいずれかの前記圧縮機の制御方法において、前記操作端は、前記圧縮機が吐出して他の機器に供給するガスである供給ガスの流量を調節する供給量調節弁を有し、前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記供給量調節弁に対して、前記供給ガスの流量を少なくする操作量を出力してもよい。
前記操作端が前記吸気量調節器を有する、前記圧縮機の制御方法において、前記操作端は、前記圧縮機を停止させるトリップ操作端を有し、前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で、且つ前記吸気量調節器の操作量が前記吸気量調節器にとって最少吸気流量となる最少操作量である場合に、前記修正回転数算出工程で算出された前記疑似修正回転数が予め定められた値以下になると、前記トリップ操作端に対して前記圧縮機を停止させる動作の実行の指令を出力してもよい。
前記操作端が前記吸気量調節器を有する、いずれかの前記圧縮機の制御方法において、前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値より小さく且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記吸気量調節器に対して、前記吸気ガスの流量を多くする操作量を出力してもよい。
前記操作端が前記供給量調節弁を有する、前記圧縮機の制御方法において、前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値より小さく且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記供給量調節弁に対して、前記供給ガスの流量を少なくする操作量を出力してもよい。
本発明に一態様によれば、吸気ガスの比熱比が大きく変動する場合でも、圧縮機の運転状態の管理に有効な修正回転数を提供することができる。
本発明に係る一実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。 本発明に係る一実施形態における制御装置の機能ブロック図である。 圧縮機の特性を示すグラフである。 本発明に係る一実施形態における比熱比と変更係数との関係を示すグラフである。 比熱比毎における、圧縮機の流路内での各種パラメータの変化を示すグラフである。同図の(a)は、比熱比毎における、圧縮機の流路内でのガス温度の変化を示すグラフである。同図の(b)は、比熱比毎における、圧縮機の流路内での修正回転数の変化を示すグラフである。同図の(c)は、比熱比毎における、圧縮機の流路内での翼負荷の変化を示すグラフである。 比熱比毎の修正回転数と圧力比との関係を示すグラフである。 本発明に係る一実施形態における比熱比毎の疑似修正回転数と圧力比との関係を示すグラフである。 本発明に係る一実施形態における開度演算部に記憶されている、疑似比熱比と疑似修正回転数と操作端の操作量と圧力比との関係を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態における制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態における疑似比熱比が小さい場合の制限開度特性曲線を示すグラフである。 本発明に係る一実施形態における疑似比熱比が大きい場合の制限開度特性曲線を示すグラフである。 本発明に係る一実施形態における疑似比熱比が大きい場合に、圧縮機がトリップするまでの圧力比及び疑似修正回転数の変化を示す説明図である。
以下、本発明に係る圧縮設備を含むガスタービンプラントの一実施形態、及び各種変形例について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態のガスタービンプラントは、図1に示すように、燃料ガスにより駆動するガスタービン10と、このガスタービン10の駆動で発電する発電機19と、ガスタービン10に燃料ガスを供給する燃料ガス供給設備20と、を備えている。
ガスタービン10は、空気Aを圧縮する空気圧縮機11と、空気圧縮機11で圧縮された空気中で燃料ガスを燃焼させ高温の燃焼ガスを生成する燃焼器12と、燃焼ガスにより駆動するタービン13と、を備えている。
燃料ガス供給設備20は、製鉄所の高炉Bから排気されるBFG(Blast Furnace Gas)が通る燃料ライン21と、燃料ガスとしてのBFGを圧縮する軸流式の燃料ガス圧縮機30と、燃料ガス圧縮機30で圧縮された燃料ガスを燃焼器12に供給する燃料供給ライン22と、燃料供給ライン22中の燃料ガスを燃料ライン21に戻す燃料リターンライン24と、を備えている。
燃料ガス供給設備20は、さらに、燃料ライン21を通る燃料ガス中のダスト等を集塵する電気集塵器(EP(electrostatic Precipitator))26と、燃料リターンライン24を通っている燃料ガスを冷却する冷却器27と、を備えている。電気集塵器26は、燃料ライン21中であって、燃料リターンライン24と燃料ライン21との合流位置よりも下流側である燃料ガス圧縮機30側の位置に設けられている。
燃料ライン21中であって電気集塵器26よりも下流側の位置には、燃料ライン21を通る燃料ガスの状態量等を検知する各種検知器が設けられている。具体的に、燃料ライン21には、燃料ガス圧縮機30に吸い込まれる燃料ガスである吸気ガスの温度Tを検知する吸気温度計41、吸気ガスの圧力Pinを検知する吸気圧力計42と、吸気ガス中の水素濃度Hを検知する水素濃度計45と、吸気ガス中の窒素濃度Nを検知する窒素濃度計46と、吸気ガス中の一酸化炭素濃度COを検知する一酸化炭素濃度計47と、吸気ガス中の二酸化炭素濃度COを検知する二酸化炭素濃度計48と、吸気ガス中のメタン濃度CHを検知するメタン濃度計49とが設けられている。組成検知器45〜49は、これら水素濃度計45と窒素濃度計46と一酸化炭素濃度計47と二酸化炭素濃度計48とメタン濃度計49とで構成される。
燃料供給ライン22には、ここを通って燃焼器12に供給される燃料ガスの流量を調節する供給量調節弁23と、燃料ガス圧縮機30から吐出された燃料ガスの圧力Poutを検知する吐出圧力計43と、が設けられている。供給量調節弁23は、燃料供給ライン22中で燃料リターンライン24との分岐位置よりも下流側である燃焼器12側の位置に設けられている。吐出圧力計43は、燃料供給ライン22中で燃料リターンライン24との分岐位置よりも上流側である燃料ガス圧縮機30側の位置に設けられている。燃料リターンライン24には、燃料供給ライン22を流れる燃料ガスのうちで燃料ライン21に戻す燃料ガスの流量を調節する再循環量調節弁25が設けられている。
燃料ガス圧縮機30は、軸線を中心として回転するロータ31と、ロータ31を覆うケーシング32と、ケーシング32内に吸い込まれる燃料ガスの吸気量を調節するための吸気量調節器33を備えている。ロータ31は、軸線を中心として、この軸線に平行な軸方向に延びるロータ軸部と、このロータ軸部の外周に固定されている複数の動翼列と、を有する。複数の動翼列は、軸方向に並んでいる。各動翼列は、いずれも、軸線を中心として周方向に並ぶ複数の動翼を有する。よって、この燃料ガス圧縮機30は、多段軸流圧縮機である。吸気量調節器33は、ケーシング32内であってケーシング32の吸込口の近くに設けられている翼34と、この翼34の開度を変える翼駆動装置35とを有している。燃料ガス圧縮機30のロータ31は、発電機19又はガスタービン10のロータと、クラッチ38及び減速機39を介して機械的に接続されている。燃料ガス圧縮機30には、そのロータ31の回転数Nを検知する回転数計44が設けられている。
燃料ガス供給設備20は、さらに、各種検知器で検知された値に基づいて、燃料ガス圧縮機30のサージング等を防止する操作端を制御する制御装置100を備えている。操作端は、ここでは、吸気量調節器33、供給量調節弁23、クラッチ38である。なお、以下では、燃焼ガス圧縮機30を単に圧縮機30という。
次に、圧縮機の特性について、図3に示すグラフを用いて説明する。なお、同グラフの横軸は、圧縮機の修正流量であり、縦軸は、圧縮機の圧力比である。また、同グラフでは、修正流量の変化に伴う限界圧力比の変化を示す限界圧力比曲線Crと、修正流量の変化に伴う制限圧力比の変化を示す制限圧力比曲線Clと、修正回転数毎の修正流量と圧力比との関係を示す修正回転数特性曲線Nrと、を示している。なお、制限圧力比とは、限界圧力比よりも圧力比が予め定められた分だけ小さい圧力比のことである。
まず、圧縮機の特性を説明するにあたって使用する各種パラメータについて説明する。
圧力比Rは、吸気ガスの圧力Pinに対する吐出ガスの圧力Poutの比(Pout/Pin)である。よって、圧力比Rは、吸気ガスの圧力Pinに対して吐出ガスPoutの圧力が高くなれば、大きくなる。
修正流量Gは、圧縮機が吸い込む吸気ガスの現実の質量流量Gを、この吸気ガスの状態に応じて修正した流量であり、以下の式(1)で定義される。・
Go=G×[√{(κo・R・T)/(κ・Ro・To)}]/(P/Po) ・・・・(1)
ここで、
Go:修正流量
G:吸気ガスの現実の質量流量
κo:吸気ガスの基準比熱比
κ:吸気ガスの現実の比熱比
Ro:吸気ガスの基準ガス定数
R:吸気ガスの現実のガス定数
To:吸気ガスの基準温度
T:吸気ガスの現実の温度
Po:吸気ガスの基準圧力
P:吸気ガスの現実の圧力
である。
修正回転数Noは、圧縮機の回転数Nを、この圧縮機が吸い込む吸気ガスの状態に応じて修正した回転数であり、以下の式(2)で定義される。
No=N×√{(κo・Ro・To)/(κ・R・T)} ・・・・・・・・・・・・(2)
ここで、
No:修正回転数
N:現実の回転数
である。なお、この式(2)で求められる修正回転数Noは、吸気ガスに関する各種パラメータを用いて求められる関係上、圧縮機30の入口(又は前段)での修正回転数である。
また、修正回転数比αは、修正回転数Noに対する現実の回転数Nの比で、以下の式(3)で定義される。
α={N×√(κo・Ro・To)}/{No×√(κ・R・T)} ・・・・・・・・(3)
修正回転数Noを定めるパラメータのうちで、現実の回転数N、現実の吸気ガスの比熱比κ、現実の吸気ガスのガス定数R、現実の吸気ガスの温度Tは、いずれも、変化するパラメータである。一方、残りのパラメータである吸気ガスの基準比熱比κo、吸気ガスの基準ガス定数Ro、吸気ガスの基準温度Toは、いずれも、圧縮機の設計段階で定まるパラメータであり、固定値である。
限界圧力比は、圧縮機の圧力比がこれよりも大きくなるとサージングを起こすとされる圧力比である。圧縮機の限界圧力比曲線Crは、図3に示すように、修正流量が増加するに連れて限界圧力比が大きくなる曲線である。
修正流量の変化に対して、ある修正回転数Noを維持する場合、つまり、吸気ガスの状態が一定のときに圧縮機の現実の回転数Nを一定に維持する場合の圧力比は、修正流量が限界圧力比での修正流量から増加する場合、急激に小さくなる。すなわち、ある修正回転数Noの修正回転数特性曲線Nrは、図3に示すグラフ中で急峻な右下がりの曲線を描く。
修正回転数特性曲線Nrは、修正回転数No毎に存在する。高い修正回転数Noの特性曲線Nrは、低い修正回転数Noの特性曲線Nrに対して、修正流量及び圧力比が大きい。
修正回転数特性曲線Nrと限界圧力比曲線Crとの交点は、修正回転数特性曲線Nrが示す修正回転数Noでの限界圧力比となる。また、修正回転数特性曲線Nrと制限圧力比曲線Clとの交点は、修正回転数特性曲線Nrが示す修正回転数Noでの制限圧力比となる。よって、修正回転数Noに対する限界圧力比、修正回転数Noに対する制限圧力比は、いずれも、一意に定まる。このため、修正回転数No毎に、修正回転数Noと限界圧力比(又は制限圧力比)との関係を予め準備しておくことで、実際に運転中の圧縮機において、修正回転数Noを把握できれば、この修正回転数Noでの限界圧力比(又は制限圧力比)を求めることができる。
制御装置100は、図2に示すように、先に説明した各検知器41〜49と、各検知器41〜49で検知された値を受け付ける受付部101と、吸気ガスの比熱比κ及びガス定数Rを求めるガスパラメータ算出部102と、圧縮機30の修正回転数Npを算出する修正回転数算出部103と、操作端に対して指令を出力するサージ制御部110と、を備える。なお、本実施形態では、受付部101とガスパラメータ算出部102と修正回転数算出部103と、各検知器41〜49とで、修正回転数算出装置を構成している。よって、本実施形態の制御装置100は、修正回転数算出装置と、サージ制御部110とを有して構成されている。
ガスパラメータ算出部102は、燃料ガスを構成する複数の組成ガスの濃度に基づき、公知の方法で、燃料ガスの比熱比κ及びガス定数Rを求める。なお、ここでは、燃料ガスを構成する組成ガスとして、水素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンがあるものとして、これらを組成検知器を構成する各濃度計45〜49で検知する。しかしながら、燃焼ガスを構成する組成ガスとして、以上で例示したガスのうち、いずれかが含まない場合には、このガスの濃度を検知する必要はない。逆に、燃料ガスを構成する組成ガスとして、例えば、エタン等が含まれる場合には、このエタンの濃度を検知する必要がある。
組成検知器として、本実施形態では各濃度計45〜49を用いる。しかしながら、組成検知器として、背景技術の欄で述べたように、吸気ガスの密度を検知する密度計を用いてもよい。この場合、例えば、吸気ガスの密度とこの吸気ガスを構成する複数の組成ガス毎の濃度との関係を予め把握しておく。そして、密度計で検知された吸気ガスの密度に応じて、複数の組成ガス毎の濃度を定め、各組成ガス毎の濃度に基づいて、吸気ガスの比熱比κ及びガス定数Rを求める。また、組成検知器として、吸気ガスの組成を検知するガスクロマトグラフを用いてもよい。この場合も、ガスクロマトグラフで検知された吸気ガスの組成に基づいて、吸気ガスの比熱比κ及びガス定数Rを求める。
ガスパラメータ算出部102は、ガスパラメータ算出部102で算出された比熱比κをこの比熱比κ自体の大きさに応じて変更した疑似比熱比κpを求める疑似比熱比演算部104と、この疑似比熱比κpを用いて圧縮機30の修正回転数Npを求める修正回転数演算部105と、を有する。
疑似比熱比演算部104には、比熱比κを疑似比熱比κpに変更するための変更係数sと比熱比κとの関係が記憶されている。図4に示すように、この補正係数sは、比熱比κが大きくなるに連れて次第に大きくなる。また、この変更係数sは、比熱比κが予め定められた値κaa以下では1以下で、比熱比κが予め定められた値κaaより大きくなると1より大きくなる。疑似比熱比演算部104は、以下の式(4)に示すように、ガスパラメータ算出部102で算出された比熱比κに変更係数sを掛けて、疑似比熱比κpを求める。よって、この疑似比熱比κpは、比熱比κの変化に対して正の相関性を持って変化し、且つ比熱比κが予め定められた値κaaより大きい場合には比熱比κの変化率よりも変化率が大きい。つまり、疑似比熱比κpは、比熱比κの増加に伴って増加するものの、比熱比κが予め定められた値κaaより大きい場合には、例えば、比熱比κが2倍になると、2倍より大きくなる。
κp=s×κ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
修正回転数演算部105には、吸気ガスの基準比熱比κo、吸気ガスの基準ガス定数Ro、吸気ガスの基準温度Toが記憶されている。修正回転数演算部105は、前述の式(2)に、これらの値と、回転数計44が検知した圧縮機30の回転数Nと、吸気温度計41が検出した吸気ガスの温度Tと、ガスパラメータ算出部102が算出した吸気ガスのガス定数Rと、疑似比熱比演算部104が求めた疑似比熱比κpを代入して、修正回転数Npを求める。なお、以下では、疑似比熱比κpを用いて求めた修正回転数Npを疑似修正回転数Npとし、ガスパラメータ算出部102が算出した比熱比κを用いて求めた修正回転数を単に修正回転数Noとする。
図5(a)に示すように、圧縮機に吸い込まれたガスは、圧縮機内の後段側に向うに連れて次第に圧力上昇伴って温度上昇する。比熱比κが大きいガスは、比熱比κが小さいガスと比べて、圧縮機の圧力比が同じでも、圧縮機にガスが吸い込まれてから吐出するまでの温度上昇量が大きい。
式(2)に示す修正回転数Noの式では、温度Tが分母の一部である。このため、圧縮機内でのガスの温度上昇に伴って、このガスの修正回転数Noが低くなる。よって、図5(b)に示すように、圧縮機に吸い込まれたガスは、圧縮機内を後段側に向かうに連れて次第に修正回転数Noが低くなる。比熱比κが大きいガスは、比熱比κが小さいガスと比べて、圧縮機の圧力比が同じでも、温度上昇量が大きいため、修正回転数Noの低下量も大きい。
圧縮機の前段側に比べて後段側の修正回転数Noが低いということは、圧縮機の前段側に比べて後段側のガス吸込能力が低いということである。特に、比熱比κが大きいガスの場合には、後段側のガス吸込能力の低下量が大きい。よって、比熱比κが大きいガスの場合、後段側のガス吸込能力の低下を補うために、図5(c)に示すように、前段の翼負荷が高まることになる。前段の翼負荷が高まると、サージングに対する余裕度が低下する。一方、比熱比κが小さいガスの場合、前段側に比べて後段側の修正回転数Noがあまり低くならないため、前段の翼負荷よりも後段の翼負荷の方が高い。
よって、比熱比κが小さいガスの場合、後段の翼負荷と相関性を有する前段側での修正回転数Noで圧縮機の運転を管理してよい。逆に、比熱比κが大きいガスの場合、前段の翼負荷と相関性を有する後段での修正回転数Noで圧縮機の運転を管理することが好ましい。
そこで、本実施形態では、比熱比κが大きいガスの場合、前段でのサージングに対する余裕度が低下することを圧縮機30の運転管理に反映させるため、比熱比κが大きくなるに連れてより大きくなる疑似比熱比κpを採用する。
図6を用いて、限界圧力比と修正回転数Noとの関係について説明する。なお、図6中、横軸が修正回転数Noを示し、縦軸が圧力比を示す。同図中に示す曲線は、各比熱比κの限界圧力比を示す限界圧力比曲線である。同図に示すように、限界圧力比は、修正回転数Noの増加に伴って増加する。また、限界圧力比が同じ場合、比熱比κが大きいガスの修正回転数Noは、比熱比κが小さいガスの修正回転数Noよりも大きい。
比熱比κと疑似比熱比κpとは正の相関性を有し、修正回転数Noと疑似修正回転数Npとは正の相関性を有する。このため、限界圧力比は、図7に示すように、疑似修正回転数Npの増加に伴って増加する。なお、なお、図7中、横軸が疑似修正回転数Npを示し、縦軸が圧力比を示す。同図中に示す曲線は、各比熱比κの限界圧力比を示す限界圧力比曲線である。
但し、限界圧力比が同じ場合、比熱比κが大きいガスの疑似修正回転数Npと、比熱比κが小さいガスの疑似修正回転数Npとは、ほぼ同じである。言い換えると、比熱比κが大きいガスに関する、疑似修正回転数Npの変化に伴う限界圧力の変化を示す限界圧力曲線は、比熱比κを除く条件が同じである場合、比熱比κが小さいガスに関する限界圧力曲線とほぼ同じになる。すなわち、比熱比κが変化しても、比熱比κを除く条件が同じ場合、疑似修正回転数Npの変化に伴う限界圧力の変化を示す限界圧力曲線は、ほとんど変化しない。
サージ制御部110は、図2に示すように、制限圧力比Rlを定める制限圧力比設定部111と、圧縮機30の実際の圧力比Rrを求める実圧力比演算部112と、操作端の操作量を定める操作量設定部113と、を有する。
制限圧力比設定部111には、疑似修正回転数Npと制限圧力比Rlとの関係が記憶されている。制限圧力比設定部111は、この関係を用いて、修正回転数演算部105が求めた疑似修正回転数Npに対する制限圧力比Rlを設定する。
実圧力比演算部112は、吸気圧力計42で検知された吸気ガスの圧力Pinと、吐出圧力計43で検知された吐出ガスの圧力Poutの比(Pout/Pin)を実圧力比Prとして求める。
操作量設定部113は、サージ判断部114と、開度演算部115と、開度指令出力部116と、トリップ判断部117と、トリップ指令出力部118と、を有する。
サージ判断部114は、実圧力比Rrが制限圧力比Rl以上であるか否かを判断する。すなわち、サージ判断部114は、サージング発生の可能性が高まったか否かを判断する。
開度演算部115は、実圧力比Rrが制限圧力比Rlより小さくなる吸気量調節器33における翼34の開度(操作端の操作量)を求める。開度演算部115には、疑似比熱比κpと疑似修正回転数Npと圧力比と翼34の開度との関係が記憶されている。具体的には、図8に示すように、疑似比熱比κp毎に、疑似修正回転数Npと圧力比と翼34の開度との関係が記憶されている。なお、同図に描かれている複数のグラフは、互いの疑似比熱比κpが異なるガスに関する疑似修正回転数Npと圧力比と翼34の開度との関係を示すグラフである。また、同図では、下に描かれているグラフほど、疑似比熱比κpが高いガスに関するすグラフになる。
ここで、図8に示す各グラフについて、図10及び図11を用いて詳細に説明する。
図10に示すグラフは、疑似比熱比κpが低いガスに関する疑似修正回転数Npと圧力比と翼34の開度との関係を示すグラフである。横軸が吸気量調節器33における翼34の開度(操作端の操作量)で、縦軸は圧力比である。このグラフでは、疑似修正回転数Np毎に、翼34の開度及び圧力比の変化に対して制限圧力比の変化を示す制限開度特性曲線Olを描いている。
ある修正回転数Noのとき、開度Oと制限圧力比との関係は、開度Oが大きくなるに伴って制限圧力比が大きくなる関係である。よって、ある修正回転数Noに対する制限開度特性曲線Olは、右肩上がりの曲線である。複数の制限開度曲線Olのうち、大きい疑似修正回転数Npに対する制限開度曲線Olは、この疑似修正回転数Npより小さい疑似修正回転数Npに対する制限開度特性曲線Olよりも、同一の開度に対する圧力比が大きい。
図11に示すグラフは、疑似比熱比κpが高いガスに関する疑似修正回転数Npと圧力比と翼34の開度との関係を示すグラフである。このグラフでも、横軸が吸気量調節器33における翼34の開度(操作端の操作量)で、縦軸は圧力比である。また、このグラフでも、疑似修正回転数Np毎に、翼34の開度及び圧力比の変化に対して制限圧力比の変化を示す制限開度特性曲線Olを描いている。
疑似比熱比κpが高いガスでは、ある修正回転数Noのとき、開度Oと制限圧力比との関係は、開度Oが大きくなるに伴って制限圧力比が小さくなる関係である。よって、ある修正回転数Noに対する制限開度特性曲線Olは、右肩下がりの曲線である。複数の制限開度曲線Olのうち、大きい疑似修正回転数Npに対する制限開度曲線Olは、この疑似修正回転数Npより小さい疑似修正回転数Npに対する制限開度特性曲線Olよりも、同一の開度に対する圧力比が大きい。
以上のように、疑似比熱比κpが低いガスに関する制限開度特性曲線Olは、開度が大きくなるに伴って制限圧力比が大きくなる右肩上がりの曲線である。図8に示すように、疑似比熱比κpが高くなると、開度が大きくなるに伴って制限圧力比が大きく度合が小さくなる。そして、疑似比熱比κpがある値a以上になると、制限開度特性曲線Olは、開度が大きくなるに伴って制限圧力比が小さくなる右肩下がりの曲線になる。
開度演算部115には、先に述べたように、疑似比熱比κpと疑似修正回転数Npと圧力比と翼34の開度との関係が記憶されている。開度演算器は、この関係を用いて、疑似比熱比演算部104が求めた疑似比熱比κpと、修正回転数演算部105が求めた疑似修正回転数Npと、実圧力比演算部112が求めた実圧力比Rrと、に応じた開度を定める。
トリップ判断部117は、疑似比熱比κpが予め定められた値a以上で且つ吸気量調節器33の翼34の開度が最少開度Ominであるのときに、疑似修正回転数Npが予め定められた値Nmin以下であるか否かを判断する。すなわち、トリップ判断部117は、圧縮機30をトリップさせるべきか否かを判断する。
トリップ指令出力部118は、トリップ判断部117が圧縮機30をトリップさせるべきであると判断すると、トリップ操作端を構成するである供給量調節弁23及びクラッチ38に対してトリップ指令を出力する。この際、供給量調節弁23に対するトリップ指令は、全閉を示す指令である。また、クラッチ38に対するトリップ指令は、発電機19又はガスタービン10のロータ31と圧縮機30のロータ31との接続解除を示す指令である。
次に、図9に示すフローチャートに従って、本実施形態における制御装置100の動作について説明する。
各検知器41〜49により、圧縮機30の状態を特定するための各種データが検知される(S11:検知工程)。この検知工程(S11)では、回転数計44により、圧縮機30の回転数Nが検知される(S11a:回転数検知工程)。吸気温度計41により、吸気ガスの温度Tが検知される(S11b:温度検知工程)。各濃度計(組成検知器)45〜49)により、吸気ガスを構成する各組成ガスの濃度(組成データ)が検知される(S11c:組成データ検知工程)。吸気圧力計42により、吸気ガスの圧力Pinが検知されると共に、吐出圧力計43により、吐出ガスの圧力Poutが検知される(S11d:圧力検知工程)。
制御装置100の受付部101は、各検知器41〜49により検知された各種データを受け付ける(S12:受付工程)。
制御装置100のガスパラメータ算出部102は、受付部101が受け付けた各種データに基づいて吸気ガスのガスパラメータを算出する(S13)。具体的に、ガスパラメータ算出部102は、受付部101から吸込ガスを構成する各組成ガスの濃度を受け付ける。ガスパラメータ算出部102は、各組成ガスの濃度に基づいて、公知の方法により、この吸気ガスの比熱比κ及びガス定数Rを求める。
修正回転数算出部103は、ガスパラメータ算出部102が求めた比熱比κ及びガス定数R、受付部101が受け付けた吸気温度T及び回転数Nに基づいて、疑似修正回転数Npを算出する(S14:修正回転数算出工程)。
修正回転数算出部103の疑似比熱比演算部104は、図4を用いて前述したように、変更係数sと比熱比κとの関係を用いて、ガスパラメータ算出部102が求めた比熱比κに対応する変更係数sを定める。そして、疑似比熱比演算部104は、ガスパラメータ算出部102が求めた比熱比κに変更係数sを掛けて、疑似比熱比κpを求める(S15:疑似比熱比演算工程)。ここで求められた疑似比熱比κpは、前述したように、比熱比κの変化に対して正の相関性を持って変化し、且つ比熱比κが予め定められた値κaaより大きい場合には比熱比κの変化率よりも変化率が大きい。
修正回転数算出部103の修正回転数演算部105は、吸気ガスの基準比熱比κo、吸気ガスの基準ガス定数Ro、吸気ガスの基準温度Toが記憶されている。修正回転数演算部105は、前述の式(2)に、自身が記憶している基準比熱比κo、基準ガス定数Ro、基準温度Toを代入すると共に、回転数計44が検知した回転数Nと、吸気温度計41が検出した吸気温度Tと、ガスパラメータ算出部102が算出したガス定数Rと、疑似比熱比演算部104が求めた疑似比熱比κpを代入して、疑似修正回転数Npを求める(S16:修正回転数演算工程)。ここで求められた疑似修正回転数Npは、比熱比κの変化に対して負の相関性を持って変化し、且つ比熱比κが予め定められた値κaaより大きい場合には比熱比κの変化率より変化率が小さい。言い換えると、疑似修正回転数Npは、修正回転数Noの変化に対して正の相関性を持って変化し、且つ比熱比κが予め定められた値κaaより大きい場合には修正回転数Noの変化率より変化率が小さい。つまり、疑似修正回転数Npは、修正回転数Noの増加に伴って増加するものの、比熱比κが予め定められた値κaaより大きい場合には、例えば、修正回転数Noが2倍になっても、2倍未満しか変化しない。
以上で、修正回転数算出工程(S14)は、終了する。本実施形態における修正回転数算出方法(S10)では、以上で説明したS11〜S14を実行する。
疑似修正回転数Npが求められると、制御装置100のサージ制御部110がサージ制御工程(S20)を実行する。このサージ制御工程(S20)では、制限圧力設定工程(S21)、実圧力比演算工程(S22)、操作量設定工程(S23)が実行される。
操作量設定工程(S23)では、まず、サージ制御部110のトリップ判断部117が、圧縮機30をトリップさせるべきか否かを判断する(S24:トリップ判断工程)。具体的に、トリップ判断部117は、疑似比熱比κpが予め定められた値a以上で且つ吸気量調節器33の翼34の開度が最少開度Ominであるのときに、疑似修正回転数Npが予め定められた値Nmin以下であるか否かを判断する。トリップ判断部117は、疑似比熱比κpが予め定められた値a以上で且つ吸気量調節器33の翼34の開度が最少開度Ominのときに、疑似修正回転数Npが予め定められた値Nmin以下であれば、圧縮機30をトリップさせるべきであると判断する。トリップ判断部117が圧縮機30をトリップさせるべきであると判断すると、トリップ指令出力部118は、トリップ操作端を構成するである供給量調節弁23及びクラッチ38に対してトリップ指令を出力する(S22:トリップ指令出力工程)。トリップ指令を受けた供給量調節弁23は、全閉になる。この結果、ガスタービン10の燃焼器12には燃料ガスが供給されなくなる。燃焼器12に燃料ガスが供給されなくなると、圧縮機30の圧力比が低下する。また、トリップ指令を受けたクラッチ38は、発電機19又はガスタービン10のロータ31と圧縮機30のロータ31との接続を解除する。ロータ31相互接続が解除されると、圧縮機30の駆動力がなくなる。よって、圧縮機30がサージングを起こすことはない。
トリップ判断部117が圧縮機30をトリップさせる必要がないと判断すると、前述の制限圧力設定工程(S21)、及び実圧力比演算工程(S22)が実行される。制限圧力設定工程(S21)では、制限圧力比設定部111が圧縮機30における制限圧力比Rlを設定する。制限圧力比設定部111は、自身が記憶している疑似修正回転数Npと制限圧力比Rlとの関係を用いて、修正回転数算出部103が算出した疑似修正回転数Npに対する制限圧力比Rlを定める。また、実圧力比演算工程(S22)では、実圧力比演算部112が圧縮機30の実際の圧力比である実圧力比Rrを求める。具体的に、実圧力比演算部112は、吐出圧力計43で検知された吐出ガスの圧力Poutを吸気圧力計42で検知された吸気ガスの圧力Pinで割って、実圧力比Rr(=Pout/Pin)を求める。なお、圧縮機30の吸気圧力がほぼ一定の場合、この吸気圧力を実際に検知する必要はない。この場合、実圧力比演算部112は、自身に予め記憶されている吸気圧力を用いて、実圧力比Rrを求める。
制限圧力比Rl及び実圧力比Rrが求められると、サージ判断部114は、サージング発生の可能性が高まったか否かを判断する。具体的に、サージ判断部114は、実圧力比RrRrが制限圧力比Rl以上になったか否かを判断する(S26:サージ判断工程)。実圧力比Rrが制限圧力比Rl未満でサージ発生の可能性が低い場合には、検知工程(S11)に戻る。実圧力比Rrが制限圧力比Rl以上でサージ発生の可能性が高まった場合には、開度演算部115が吸気量調節器33における翼34の開度(操作量)を求める(S27:開度演算工程)。
ここで、開度演算工程(S27)における開度の求め方について詳細に説明する。
開度演算部115は、まず、疑似比熱比演算部104が求めた疑似比熱比κpを取得する。次に、自身が記憶している疑似修正回転数Npと圧力比と翼34の開度との関係のうちから、取得した疑似比熱比κpに対応する関係を抽出する。仮に、この疑似比熱比κpが予め定められた値aより小さい場合、開度演算部115は、自身が記憶している複数の関係のうちから、図10のグラフで表される関係を抽出する。すなわち、開度演算部115は、右肩上がりの制限開度特性曲線Olが示されているグラフで表される関係を抽出する。
次に、開度演算部115は、図10のグラフに示されている複数の制限開度特性曲線Olのうちから、修正回転数演算工程(S16)で求められた疑似修正回転数Npに対応する制限開度特性曲線Ol1を抽出する。次に、開度演算部115は、実圧力比演算工程(S22)で求められた実圧力比Rr1と現在の翼34の開度O1とに対応する運転点P1をグラフ中にプロットし、この運転点P1と制限開度曲線Ol1との位置関係を比較する。図10に示すグラフ中で、運転点P1が制限開度曲線Ol1より上である場合、開度演算部115は、現在の開度O1よりも大きな開度O2を定める。この結果、圧縮機30の圧力比はRr1からRr2にとなり、運転点が新たな運転点P2になる。図10に示すグラフ中で、運転点P2は制限開度曲線Ol1より下であるから、サージングの可能性はない。
また、疑似比熱比κpが予め定めた値a以上の場合、開度演算部115は、自身が記憶している複数の関係のうちから、図11のグラフで示される関係を抽出する。すなわち、開度演算部115は、右肩下がりの制限開度特性曲線Olが示されているグラフで表される関係を抽出する。
次に、開度演算部115は、図11のグラフに示されている複数の制限開度特性曲線Olのうちから、修正回転数演算工程(S16)で求められた疑似修正回転数Npに対応する制限開度特性曲線Ol1を抽出する。次に、開度演算部115は、実圧力比演算工程(S22)で求められた実圧力比Rr1と現在の翼34の開度O1とに対応する運転点P1をグラフ中にプロットし、この運転点P1と制限開度曲線Ol1との位置関係を比較する。図11に示すグラフ中で、運転点P1が制限開度曲線Ol1より上である場合、開度演算部115は、現在の開度O1よりも小さな開度O2を定める。この結果、圧縮機30の圧力比はRr1からRr2にとなり、運転点が新たな運転点P2になる。図11に示すグラフ中で、運転点P2は制限開度曲線Ol1より下であるから、サージングの可能性はない。
なお、開度演算部115は、翼34の開度を求めるにあたり、図10及び図11に示すグラフ中で上述のようなプロットを実際には行わず、プロットに相当する処理を行う。
開度指令出力部116は、開度演算部115が求めた翼34の開度を示す開度指令を吸気量調節器33に出力する(S28:開度指令出力工程)。この結果、吸気量調節器33における翼34の開度が開度指令指令で示される開度になる。吸気ガスの疑似比熱比κpが予め定められた値aより小さい場合、図10を用いて前述したように、吸気量調節器33における翼34の開度は、O1からO2へ大きくなる。開度が大きくなると、吸気ガスの流量が多くなり、これに伴って制限圧力比も大きくなる。このため、実圧力比Rr2が制限圧力比よりも小さくなり、圧縮機30がサージングを起こす可能性が低下する。また、吸気ガスの疑似比熱比κpが予め定められた値a以上の場合、図11を用いて前述したように、吸気量調節器33における翼34の開度は、O1からO2へ小さくなる。翼34の開度が小さくなると、吸気ガスの流量が少なくなって、ガスタービン10の燃焼器12へ供給される燃料ガスの供給量が減少する。この結果、燃焼器12内の圧力が次第に低下して、圧縮機30の吐出圧力が低下する。このため、圧縮機30の実圧力比Rr2が制限圧力比よりも小さくなり、圧縮機30がサージングを起こす可能性が低下する。
開度指令出力工程(S28)が終了すると、検知工程(S11)に戻る。吸気ガスの疑似比熱比κpが予め定められた値a以上で、吸気量調節器33における翼34の開度が次第に小さくなり、この開度が最少開度Ominになる場合がある。この場合、疑似修正回転数Npが予め定められた値Nmin以下になると、前述したように、トリップ判断工程(S24)で圧縮機30をトリップさせるべきであると判断され、供給量調節弁23及びクラッチ38に対してトリップ指令が出力される(S22:トリップ指令出力工程)。
ここで、図12を参照して、吸気ガスの疑似比熱比κpが予め定められた値a以上の場合に、圧縮機30がトリップするまでの圧力比及び疑似修正回転数Npの変化について説明する。なお、図12における横軸は疑似修正回転数Npを示し、縦軸は圧力比を示す。また、同図中に描かれている曲線は、翼34の開度が特定開度O1,Ominのときの疑似修正回転数Npの変化に伴う制限圧力比Rlの変化を示す制限圧力比曲線Ol(O1),Ol(Omin)である。
翼34の開度がO1のときに疑似修正回転数Npが低下し、圧縮機30の運転点P1が開度O1に対する制限圧力比曲線Ol(O1)より上になると、前述したように、翼34の開度は小さくなる。ここで、翼34の開度は、最小開度Ominになり、運転点が運転点P2になったとする。翼34の開度が最小開度Ominになった以降も、疑似修正回転数Npが低下し、予め定められた値Nmin以下になると、本実施形態では、圧縮機30をトリップさせる。
製鉄所の高炉仕様によっては、この高炉から排出されるBFGの比熱比κが極めて大きく変動する場合にがある。
本実施形態では、疑似修正回転数Npに対応する制限圧力比Rlを定める。比熱比κが大きい場合、前段の翼負荷と相関性を有する後段での修正回転数Noで圧縮機30の運転を管理することが好ましい。本実施形態では、圧縮機30の運転管理に、修正回転数Noと正の相関性を有するもの、比熱比κが大きい場合、その変化率が修正回転数Noの変化率よりも小さい疑似修正回転数Npを用いる。よって、本実施形態では、比熱比κが大きいガスの場合、後段での修正回転数Noの低下が疑似修正回転数Npに反映される。また、比熱比κが小さいガスの場合、前述したように、後段での修正回転数Noが低下量が少なく、前段に比べて後段の修正回転数Noはあまり低くならず、後段の翼負荷の方が前段の翼負荷よりも高くなる。このため、比熱比κが小さい場合、後段の翼負荷と相関性を有する前段での修正回転数Noで圧縮機30の運転を管理することが好ましい。ところで、吸気温度や吸気圧力等を用いて求められる修正回転数Noは、圧縮機30の前段での修正回転数Noである。また、本実施形態では、圧縮機30の運転管理に、疑似修正回転数Npを用いるものの、比熱比κが小さい場合、この疑似回転数Nの値は修正回転数Noの値に極めて近い値になる。よって、本実施形態では、比熱比κが小さいガスの場合、前段の修正回転数Noが疑似修正回転数Npに反映される。
よって、本実施形態では、吸気ガスの比熱比κが大きく変動する場合でも、サージ判断工程(S26)において、疑似修正回転数Npに基づいて定められた制限圧力比Rlのみを基準にして、サージング発生の可能性について判断しても、この判断ミスを抑えることができる。すなわち、本実施形態では、吸気ガスの比熱比κが大きく変動する場合でも、圧縮機30の運転管理に有効な修正回転数を提供することができる。
また、本実施形態では、吸気ガスの比熱比κが小さいときでも大きいときでも、圧縮機30の圧力比を適正に管理することができ、圧縮機30のサージング発生を抑えることができる。
「変形例」
上記実施形態では、サージング発生の可能性が高まった場合、操作端の一つである吸気量調節器33を制御する。しかしながら、サージング発生の可能性が高まった場合、他の操作端を制御してもよい。このような操作端としては、例えば、供給量調節弁23、再循環量調節弁25がある。供給量調節弁23の弁開度を小さくすると、ガスタービン10の燃焼器12へ供給される燃料ガスの供給量が減少する結果、燃焼器12内の圧力が次第に低下して、圧縮機30の吐出圧力が低下する。すなわち、供給量調節弁23の弁開度を小さくすると、圧縮機30の実圧力比Rrが小さくなる。このため、サージング発生の可能性が高まった場合、比熱比κの大小に関わらず、供給量調節弁23の弁開度を小さくしてもよい。また、燃料リターンライン24に設けられている再循環量調節弁25の弁開度を大きくすると、燃焼器12へ供給される燃料ガスの供給量が減少する上に、圧縮機30が吸い込む燃料ガスの流量、つまり吸気ガスの流量が増加する。吸気ガスの比熱比κが高い場合、前述したように、吸気ガスの流量を多くすると、制限圧力比Rlも大きくなるため、制限圧力比Rlに対して実圧力比Rrが相対的に小さくなる。このため、吸気ガスの比熱比κが高いときに、サージング発生の可能性が高まった場合には、再循環量調節弁25の弁開度を大きくしてもよい。
以上のように、サージング発生の可能性が高まった場合、制御対象となる操作端としては、吸気量調節器33の他、各種操作端がある。なお、以上では、サージ制御の際、いずれの1つの操作端を制御するが、複数の操作端のうち、2以上の操作端を制御してもよい。このように、2以上の操作端を制御することで、1つの操作端を制御するよりも、サージング発生の可能性を低下させることができる。
上記実施形態では、比熱比κを変更した疑似比熱比κpを用いて、疑似修正回転数Npを求める。しかしながら、比熱比κを用いて修正回転数Noを求め、この修正回転数Noを疑似修正回転数Npに変更してもよい。この場合も、比熱比κを疑似比熱比κpに変更する際と同様、変更係数を用いて修正回転数Noを変更するとよい。但し、この変更係数は、比熱比κが予め定められた値以下では1以上で、比熱比κが予め定められた値より大きくなると1より小さくなる。このため、この疑似修正回転数Npは、修正回転数Noの変化に対して正の相関性を持って変化し、且つ比熱比κが予め定められた値より大きい場合には修正回転数Noの変化率より変化率が小さい。
上記実施形態では、圧縮機30の吸気ガスがBFGの例である。しかしながら、例えば、吸気ガスは、BFG及びCOG(Coke Oven Gas)の二種類のガスを混合したガスでもよい。また、吸気ガスは、他の燃料ガス、例えば、石油残渣による生成ガスや、液体燃料をガス化したものや、有機性廃棄物(生ゴミ等)や家畜の糞尿などを発酵させて得られる可燃性ガスなどのバイオガス等であってもよい。
また、以上の本実施形態は、ガスタービンプラントにおける燃料ガス圧縮機30に対して制御を行う例であるが、化学プラント等の他のプラントにおけるガス圧縮機に対しても同様の制御をおこなってもよい。
また、圧縮機30は、軸流式に限定されず、遠心式であってもよい。
10…ガスタービン、11:空気圧縮機、12:燃焼器、13:タービン、19:発電機、20:燃料ガス供給設備、21:燃料ライン、22:燃料供給ライン、23:供給量調節弁、24:燃料リターンライン、25:再循環量調節弁、26:電気集塵器、27:冷却器、30:燃料ガス圧縮機(又は圧縮機)、31:ロータ、32:ケーシング、33:吸気量調節器、34:翼、35:翼駆動装置、38:クラッチ、39:減速機、41:吸気温度計、42:吸気圧力計、43:吐出圧力計、44:回転数計、45:水素濃度計、46:窒素濃度計、47:一酸化炭素濃度計、48:二酸化炭素濃度計、49:メタン濃度計、45〜49:組成検知器、100:制御装置、101:受付部、102:ガスパラメータ算出部、103:修正回転数算出部、104:疑似比熱比演算部、105:修正回転数演算部、110:サージ制御部、111:制限圧力比設定部、112:実圧力比演算部、113:操作量設定部、114:サージ判断部、115:開度演算部、116:開度指令出力部、117:トリップ判断部、118:トリップ指令出力部

Claims (26)

  1. 回転数計で検知された圧縮機の回転数、吸気温度計で検知された前記圧縮機に吸い込まれる吸気ガスの温度である吸気温度、及び、組成検知器で検知された前記吸気ガスの組成に関する組成データを受け付ける受付部と、
    前記組成データに基づき、前記吸気ガスの比熱比及びガス定数を求めるガスパラメータ算出部と、
    前記回転数と前記吸気温度と前記ガス定数と前記比熱比とを用いて求められる前記圧縮機の修正回転数を、前記比熱比の大きさに応じて変更した疑似修正回転数を算出する修正回転数算出部と、
    を備える修正回転数算出装置。
  2. 請求項1に記載の修正回転数算出装置において、
    前記修正回転数算出部が算出する前記疑似修正回転数は、前記比熱比の変化に対して負の相関性を持って変化し、且つ前記比熱比が予め定められた値より大きい場合には前記比熱比の変化率より変化率が小さい、
    修正回転数算出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の修正回転数算出装置において、
    前記修正回転数算出部は、
    前記比熱比を前記比熱比自体の大きさに応じて変更した疑似比熱比を求める疑似比熱比演算部と、
    前記回転数と、前記吸気温度と、前記ガス定数と、前記疑似比熱比とを用いて、前記疑似修正回転数を求める修正回転数演算部と、
    を有する、
    修正回転数算出装置。
  4. 請求項3に記載の修正回転数算出装置において、
    前記疑似比熱比演算部が算出する前記疑似比熱比は、前記比熱比の変化に対して正の相関性を持って変化し、且つ前記比熱比が予め定められた値より大きい場合には前記比熱比の変化率より変化率が大きい、
    修正回転数算出装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の修正回転数算出装置において、
    前記組成検知器は、前記吸気ガスを構成する複数種類のガス毎の濃度を検知する濃度計を有する、
    修正回転数算出装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の修正回転数算出装置と、
    前記圧縮機のサージングを防止する操作端を制御するサージ制御部と、
    を備え、
    前記受付部は、圧力計で検知された前記圧縮機の吐出圧力を少なくとも受け付け、
    前記サージ制御部は、
    前記圧縮機の限界圧力比より予め定められた分だけ小さい制限圧力比と疑似修正回転数との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数算出装置が算出した前記疑似修正回転数に対する制限圧力比を定める制限圧力比設定部と、
    前記受付部が受け付けた前記吐出圧力で定まる前記圧縮機の現実の圧力比を求める実圧力比演算部と、
    前記制限圧力比設定部が定めた前記制限圧力比と、前記実圧力比演算部が求めた前記現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端の操作量を定めて、前記操作量を前記操作端に出力する操作量設定部と、
    を有する、
    圧縮機の制御装置。
  7. 請求項3又は4に記載の修正回転数算出装置と、
    前記圧縮機のサージングを防止する操作端を制御するサージ制御部と、
    を備え、
    前記受付部は、圧力計で検知された前記圧縮機の吐出圧力を少なくとも受け付け、
    前記サージ制御部は、
    前記圧縮機の限界圧力比より予め定められた分だけ小さい制限圧力比と疑似修正回転数との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数算出装置が算出した前記疑似修正回転数に対する制限圧力比を定める制限圧力比設定部と、
    前記受付部が受け付けた前記吐出圧力で定まる前記圧縮機の現実の圧力比を求める実圧力比演算部と、
    前記制限圧力比設定部が定めた前記制限圧力比と、前記実圧力比演算部が求めた前記現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端の操作量を定めて、前記操作量を前記操作端に出力する操作量設定部と、
    を有し、
    前記操作量設定部は、前記疑似比熱比と前記疑似修正回転数と前記操作端の操作量と前記圧力比との予め定められた関係を用いて、前記疑似比熱比演算部が求めた前記疑似比熱比と前記修正回転数算出装置が算出した前記疑似修正回転数と前記現実の圧力比とに応じた前記操作量を定める、
    圧縮機の制御装置。
  8. 請求項7に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記操作端は、前記吸気ガスの流量を調節する吸気量調節器を有し、
    前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記吸気量調節器に対して、前記吸気ガスの流量を少なくする操作量を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  9. 請求項7又は8に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記操作端は、前記圧縮機が吐出して他の機器に供給するガスである供給ガスの流量を調節する供給量調節弁を有し、
    前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記供給量調節弁に対して、前記供給ガスの流量を少なくする操作量を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  10. 請求項8に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記操作端は、前記圧縮機を停止させるトリップ操作端を有し、
    前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で、且つ前記吸気量調節器の操作量が前記吸気量調節器にとって最少吸気流量となる最少操作量である場合に、前記修正回転数算出装置が算出した前記疑似修正回転数が予め定められた値以下になると、前記トリップ操作端に対して前記圧縮機を停止させる動作の実行の指令を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  11. 請求項8又は10に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値より小さく且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記吸気量調節器に対して、前記吸気ガスの流量を多くする操作量を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  12. 請求項9に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記操作量設定部は、前記疑似比熱比が予め定められた値より小さく且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記供給量調節弁に対して、前記供給ガスの流量を少なくする操作量を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  13. 請求項6から12のいずれか一項に記載の圧縮機の制御装置と、
    前記圧縮機と、
    前記操作端と、
    を備えるガス供給設備。
  14. 請求項6から12のいずれか一項に記載の圧縮機の制御装置と、
    ガス燃料を圧縮する前記圧縮機と、
    前記操作端と、
    前記圧縮機で圧縮された前記ガス燃料が流入し、前記ガス燃料を燃焼させて駆動するガスタービンと、
    を備えるガスタービンプラント。
  15. 圧縮機の回転数を検知する回転数検知工程と、
    前記圧縮機に吸い込まれる吸気ガスの温度である吸気温度を検知する温度検知工程と、
    前記吸気ガスの組成に関する組成データを検知する組成データ検知工程と、
    前記回転数、前記吸気温度、前記組成データを受け付ける受付工程と、
    前記受付工程で受け付けた前記組成データに基づき、前記吸気ガスの比熱比及びガス定数を求めるガスパラメータ算出工程と、
    前記回転数と前記吸気温度と前記ガス定数と前記比熱比とを用いて求められる前記圧縮機の修正回転数を、前記比熱比κの大きさに応じて変更した疑似修正回転数を算出する修正回転数算出工程と、
    を実行する修正回転数算出方法。
  16. 請求項15に記載の修正回転数算出方法において、
    前記修正回転数算出工程で算出される前記疑似修正回転数は、前記比熱比の変化に対して負の相関性を持って変化し、且つ前記比熱比が予め定められた値より大きい場合には前記比熱比の変化率より変化率が小さい、
    修正回転数算出方法。
  17. 請求項15又は16に記載の修正回転数算出方法において、
    前記修正回転数算出工程は、
    前記比熱比を前記比熱比自体の大きさに応じて変更した疑似比熱比を求める疑似比熱比演算工程と、
    前記回転数と、前記吸気温度と、前記ガス定数と、前記疑似比熱比とを用いて、前記疑似修正回転数を求める修正回転数演算工程と、
    を含む、
    修正回転数算出方法。
  18. 請求項17に記載の修正回転数算出方法において、
    前記疑似比熱比演算工程で求められる前記疑似比熱比は、前記比熱比の変化に対して正の相関性を持って変化し、且つ前記比熱比が予め定められた値より大きい場合には前記比熱比の変化率より変化率が大きい、
    修正回転数算出方法。
  19. 請求項15から18のいずれか一項に記載の修正回転数算出方法において、
    前記組成データ検知工程では、前記吸気ガスを構成する複数種類のガス毎の濃度を検知する、
    修正回転数算出方法。
  20. 請求項15から19のいずれか一項に記載の修正回転数算出方法を実行すると共に、
    前記圧縮機の吐出圧力を検知する圧力検知工程と、
    前記圧縮機のサージングを防止する操作端の動作を制御するサージ制御工程と、
    を実行し、
    前記受付工程では、前記吐出圧力を受け付け、
    前記サージ制御工程は、
    前記圧縮機の限界圧力比より予め定められた分だけ小さい制限圧力比と疑似修正回転数との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数算出工程で算出された記疑似修正回転数に対する制限圧力比を定める制限圧力比設定工程と、
    前記受付工程で受け付けた前記吐出圧力で定まる前記圧縮機の現実の圧力比を求める実圧力比演算工程と、
    前記制限圧力比設定工程で定められた前記制限圧力比と、前記実圧力比演算工程で求められた前記現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端の操作量を定めて、前記操作量を前記操作端に出力する操作量設定工程と、
    を含む、
    圧縮機の制御方法。
  21. 請求項17又は18に記載の修正回転数算出方法を実行すると共に、
    前記圧縮機の吐出圧力を検知する圧力検知工程と、
    前記圧縮機のサージングを防止する操作端の動作を制御するサージ制御工程と、
    を実行し、
    前記受付工程では、前記吐出圧力を受け付け、
    前記サージ制御工程は、
    前記圧縮機の限界圧力比より予め定められた分だけ小さい制限圧力比と疑似修正回転数との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数算出工程で算出された記疑似修正回転数に対する制限圧力比を定める制限圧力比設定工程と、
    前記受付工程で受け付けた前記吐出圧力で定まる前記圧縮機の現実の圧力比を求める実圧力比演算工程と、
    前記制限圧力比設定工程で定められた前記制限圧力比と、前記実圧力比演算工程で求められた前記現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端の操作量を定めて、前記操作量を前記操作端に出力する操作量設定工程と、
    を含み、
    前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比と前記疑似修正回転数と前記操作端の操作量と前記圧力比との予め定められた関係を用いて、前記疑似比熱比演算工程で求められた前記疑似比熱比と前記修正回転数算出工程で算出された前記疑似修正回転数と前記現実の圧力比とに応じた前記操作量を定める、
    圧縮機の制御方法。
  22. 請求項21に記載の圧縮機の制御方法において、
    前記操作端は、前記吸気ガスの流量を調節する吸気量調節器を有し、
    前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記吸気量調節器に対して、前記吸気ガスの流量を少なくする操作量を出力する、
    圧縮機の制御方法。
  23. 請求項21又は22に記載の圧縮機の制御方法において、
    前記操作端は、前記圧縮機が吐出して他の機器に供給するガスである供給ガスの流量を調節する供給量調節弁を有し、
    前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記供給量調節弁に対して、前記供給ガスの流量を少なくする操作量を出力する、
    圧縮機の制御方法。
  24. 請求項22に記載の圧縮機の制御方法において、
    前記操作端は、前記圧縮機を停止させるトリップ操作端を有し、
    前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値以上で、且つ前記吸気量調節器の操作量が前記吸気量調節器にとって最少吸気流量となる最少操作量である場合に、前記修正回転数算出工程で算出された前記疑似修正回転数が予め定められた値以下になると、前記トリップ操作端に対して前記圧縮機を停止させる動作の実行の指令を出力する、
    圧縮機の制御方法。
  25. 請求項22又は24に記載の圧縮機の制御方法において、
    前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値より小さく且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記吸気量調節器に対して、前記吸気ガスの流量を多くする操作量を出力する、
    圧縮機の制御方法。
  26. 請求項23に記載の圧縮機の制御方法において、
    前記操作量設定工程では、前記疑似比熱比が予め定められた値より小さく且つ前記現実の圧力比が前記制限圧力比以上である場合に、前記供給量調節弁に対して、前記供給ガスの流量を少なくする操作量を出力する、
    圧縮機の制御方法。
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