JP2017155697A - エンジンの油温低減機構 - Google Patents

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Masahito Fukui
雅人 福井
敬道 松木
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敬道 松木
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Abstract

【課題】専用の冷却装置を設けることなく、エンジンの潤滑必要箇所に供給する潤滑油の油温を低減することの可能な、エンジンの油温低減機構を提供する。【解決手段】エンジンの油温低減機構であって、エンジン11の燃焼室を形成するシリンダヘッド16と、シリンダヘッド16に設けた吸気バルブ26及び排気バルブ27と、シリンダヘッド16に固定されたヘッドカバー17と、シリンダヘッド16とヘッドカバー17との間に形成されたカムシャフト収容室28と、カムシャフト収容室28に配置した吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30と、吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30を支持するカムサポート75と、カムサポート75に設けられ、かつ、ヘッドカバー17に向けて潤滑油を噴射する第2噴射孔82a,82b,82cと、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンの潤滑必要箇所に供給する潤滑油を冷却する、エンジンの油温低減機構に関する。
エンジンは、潤滑油必要箇所、例えば、摩耗箇所、発熱箇所を有する。このため、エンジンは、潤滑油必要箇所に潤滑油を供給する潤滑油供給機構を有する。エンジンの潤滑油供給機構の例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたエンジンは、クランクケース、シリンダ及びシリンダヘッドを有する。シリンダヘッドは、吸気ポート、排気ポート、吸気バルブ、排気バルブ、カムシャフト、吸気ロッカアーム、排気ロッカアーム、ロッカカバー、ヘッドカバーを有する。
カムシャフトには、カムチェーンから駆動力を伝達されるスプロケットが設けられており、カムシャフトはクランクフャフトの回転数の半分の回転数で回転する。シリンダヘッドにオイル溜め部が設けられ、潤滑油がオイル溜め部に供給される。カムシャフトは回転することによってオイル溜め部の潤滑油を飛沫させる。ロッカカバーの上面部には、潤滑油を供給するオイルギャラリが形成されている。オイルポンプによって加圧された潤滑油がオイルギャラリに供給される。オイルギャラリから噴出する潤滑油は、吸気バルブの軸端部を潤滑する。カムシャフトの回転によって飛散した潤滑油は、吸気バルブの軸端部を潤滑する。
特開2012−189082号公報
しかし、特許文献1に記載された潤滑油供給機構は、潤滑油必要箇所としての吸気バルブの軸端部を潤滑すると、潤滑油の温度が上昇する可能性があり、その点で改善の余地があった。
本発明の目的は、専用の冷却装置を設けることなく、エンジンの潤滑必要箇所に供給する潤滑油の油温を低減することの可能な、エンジンの油温低減機構を提供することにある。
本発明は、エンジンの潤滑油必要箇所に潤滑油を供給する潤滑油供給機構を備えている、エンジンの油温低減機構であって、前記エンジンの燃焼室を形成するシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに設けられ、かつ、前記燃焼室に接続するポートを開閉するバルブと、前記シリンダヘッドに固定されたヘッドカバーと、前記シリンダヘッドと前記ヘッドカバーとの間に形成された第1収容室と、前記第1収容室に配置され、かつ、前記バルブを動作させるカムシャフトと、前記第1収容室に配置され、かつ、前記カムシャフトを回転可能に支持するカムサポートと、前記カムサポートに設けられ、かつ、前記ヘッドカバーに向けて潤滑油を噴射する噴射孔と、を有する。
本発明におけるエンジンの油温低減機構によれば、エンジンの潤滑必要箇所に供給する潤滑油の油温を、専用の冷却装置を設けることなく低減できる。
油温低減機構を有するエンジンの縦断面図である。 エンジンの外観図である。 エンジンのヘッドカバー及びシリンダヘッドの平面図である。 エンジンのヘッドカバー及びシリンダヘッドの平面図である。 エンジンのチェーン収容室を示す縦断面図である。 エンジンの内部構造を示す図である。 オイルポンプから吐出される潤滑油の油路を示す断面図である。 潤滑油の供給経路を示すエンジンの縦断面図である。 潤滑油の供給経路を示すエンジンの縦断面図である。
以下、エンジンの油温低減機構の実施形態を図1〜図9に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すパワートレーン10は、各種の移動体に設けることが可能である。移動体は、自動車、全地形走行車、耕運機、草刈機を含む。パワートレーン10は、エンジン11及び変速機12を有する。変速機12は、無段変速機または有段変速機の何れでもよい。
エンジン11は、移動体を移動させるための駆動力源であり、エンジン11は、エンジン本体13を備えている。エンジン本体13は、クランクケース14、シリンダケース15、シリンダヘッド16、シリンダヘッド16の開口部を覆うヘッドカバー17を有する。シリンダケース15はクランクケース14とシリンダヘッド16との間に配置され、シリンダヘッド16は、シリンダケース15とヘッドカバー17との間に配置されている。クランクケース14、シリンダケース15、シリンダヘッド16及びヘッドカバー17は、金属材料、例えば、アルミニウム、またはアルミニウム合金で成形され、かつ、ねじ部材で互いに固定されて、エンジン本体13が組み立てられている。
シリンダケース15内にシリンダ18が設けられ、シリンダ18はピストン19を収容している。ピストン19は、シリンダ18内で中心線A1方向に往復動可能である。中心線A1は、重力の作用方向である鉛直線に対して傾斜している。シリンダ18に燃焼室20が形成されている。燃焼室20は、ピストン19の頂部とシリンダヘッド16の内壁との間に形成される空間である。シリンダヘッド16に点火プラグ21が設けられている。点火プラグ21は燃焼室20の混合気に点火する。
図1のように、シリンダヘッド16は、燃焼室20に通じる吸気ポート22及び排気ポート23を有する。図3、図4、図5のように、シリンダヘッド16の外面から突出した吸気管24及び排気管25が設けられている。吸気管24と排気管25とは、シリンダヘッド16の平面視で、互いに反対の位置に配置されている。シリンダヘッド16の平面視とは、中心線A1に対して垂直な平面を意味する。吸気ポート22は吸気管24内につながり、排気ポート23は排気管25につながってる。
吸気ポート22を開閉する吸気バルブ26と、排気ポート23を開閉する排気バルブ27とが、シリンダヘッド16に設けられている。吸気バルブ26及び排気バルブ27は、共にシリンダヘッド16に対して往復動可能である。吸気バルブ26を付勢して吸気ポート22を閉じる弾性部材が設けられ、排気バルブ27を付勢して排気ポート23を閉じる弾性部材が設けられている。
シリンダヘッド16及びヘッドカバー17は、カムシャフト収容室28を形成し、吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30が、カムシャフト収容室28に配置されている。シリンダヘッド16の平面視で、吸気カムシャフト29の中心線B1と、排気カムシャフト30の中心線B2とが、互いに平行に配置されている。シリンダヘッド16の平面視であり、かつ、中心線B1,B2に対して直角な方向で、吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30は、吸気管24と排気管25との間に配置されている。
吸気カムシャフト29はスプロケット31及びカム32を有し、排気カムシャフト30は、スプロケット33及びカム34を有する。カム32が吸気バルブ26に押し付けられると、吸気バルブ26は弾性部材の付勢力に抗して動作し、カム34が排気バルブ27に押し付けられると、排気バルブ27は弾性部材の付勢力に抗して動作する。
図1のように、コネクティングロッド35の第1端部がピストン19に連結され、コネクティングロッド35の第2端部が、クランクピン36によってクランクシャフト37に連結されている。コネクティングロッド35は、ピストン19の動作力をクランクシャフト37に伝達する。
クランクシャフト37は、2個の軸受38,39を介してクランクケース14により回転可能に支持されている。クランクシャフト37は、中心線A2を中心として回転する。スプロケット40がクランクシャフト37に設けられている。シリンダケース15、シリンダヘッド16及びヘッドカバー17内に亘って、チェーン室41が設けられている。無端状のチェーン42がチェーン室41に配置され、チェーン42は、スプロケット31,33及びスプロケット40に巻き掛けられている。
クランクシャフト37の回転力は、チェーン42を介して吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30にそれぞれ伝達される。吸気カムシャフト29が回転すると吸気バルブ26が動作し、吸気ポート22が開閉される。排気カムシャフト30が回転すると排気バルブ27が動作し、排気ポート23が開閉される。
クラッチカバー43がクランクケース14に固定され、クランクケース14とクラッチカバー43とにより形成された空間に、遠心クラッチ44が配置されている。遠心クラッチ44は、クランクシャフト37と、変速機12の入力要素45との間の動力伝達経路を接続及び遮断する。遠心クラッチ44は、クランクシャフト37の回転速度が所定値以下であると、動力伝達経路を遮断し、クランクシャフト37の回転速度が所定値を超えると、動力伝達経路を接続する。
中心線A2方向で遠心クラッチ44が配置された箇所とは反対の箇所で、クランクケース14にスタータカバー46が固定されている。スタータモータ47がスタータカバー46内に配置されている。スタータモータ47は電動モータであり、スタータモータ47は、スタータカバー46に固定されたステータ48と、クランクシャフト37に固定されたロータ49と、を有する。スタータモータ47に電圧が印加されると、スタータモータ47の回転力がクランクシャフト37に伝達される。
中心線A2方向でスプロケット40と軸受38との間に駆動ギヤ50が設けられている。クランクシャフト37と平行なバランサシャフト51がクランクケース14内に設けられ、バランサシャフト51に従動ギヤが設けられている。バランサシャフト51の中心線は、重力の作用方向で、クランクシャフト37の中心線A2よりも上に配置されている。従動ギヤは駆動ギヤ50と噛み合っている。バランサシャフト51に第1スプロケット52が設けられている。
回転軸53がクランクシャフト37と平行に配置されている。図1及び図6のように、回転軸53に第2スプロケット54が設けられている。第1スプロケット52及び第2スプロケット54にチェーン55が巻き掛けられている。クランクシャフト37の回転力は、チェーン55を介して回転軸53に伝達される。回転軸53の中心線は、重力の作用方向で、クランクシャフト37の中心線A2よりも下に配置されている。
図1のように、回転軸53の回転力で駆動するウォータポンプ56が設けられている。ウォータポンプ56は冷却水を吸入及び吐出する。ウォータポンプ56の吸入口は、通水管57を介してラジエータに接続されている。エンジン本体13、例えば、シリンダケース15に冷却水通路が設けられており、ウォータポンプ56の吐出口は冷却水通路に接続されている。
また、シリンダケース15及びシリンダヘッド16に亘ってウォータジャケット58が設けられているウォータジャケット58は、冷却水通路に接続されている。シリンダヘッド16の外部に通水管59が設けられ、ウォータジャケット58は、通水管59を介してラジエータに接続されている。ウォータポンプ56から吐出された冷却水はウォータジャケット58に供給され、シリンダケース15及びシリンダヘッド16を冷却する。
エンジン11及び変速機12を潤滑する潤滑機構を説明する。クランクケース14の下部にオイルパン60が設けられ、オイル溜まり61が、オイルパン60内に形成されている。オイルポンプ62がオイルパン60内に設けられている。オイルポンプ62は回転軸53の回転力で駆動して、オイル溜まり61の潤滑油を吸入し、かつ、加圧して吐出する。
図7のように、オイルポンプ62の吐出口に第1油路63が接続され、第1油路63に第2油路64が接続され、第2油路64に第3油路65が接続されている。第3油路65は変速機12の潤滑油必要箇所につながっている。オイルフィルタ66がクランクケース14の下部に設けられている。オイルフィルタ66は潤滑油に含まれる異物を除去する。オイルフィルタ66は、入口及び出口と、入口から出口に至る経路に配置されたエレメントと、を有する。オイルフィルタ66の入口は第2油路64に接続され、オイルフィルタ66の出口は第4油路67に接続されている。
第5油路68が第4油路67に接続されている。クランクシャフト37に第6油路69が設けられ、第6油路69の第1端部は、クランクピン36の取付孔37Aにつながっている。第6油路69の第2端部は第5油路68に接続されている。
図8のように、シリンダケース15及びシリンダヘッド16に亘って第7油路70が設けられている。第7油路70は第5油路68に接続されている。シリンダヘッド16をクランクケース14に固定するボルト71が設けられ、ボルト71がねじ込まれる図示しない雌ねじ孔がクランクケース14に設けられ、ボルト71が挿通される軸孔72、73が、シリンダケース15とシリンダヘッド16にそれぞれ設けられている。第7油路70は、軸孔72、73に沿って設けられている。図8及び図9のように、第8油路74がシリンダヘッド16に設けられている。第8油路74は第7油路70に接続されている。
カムサポート75がカムシャフト収容室28に設けられている。カムサポート75は、金属、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金で一体成形されている。カムサポート75は、ボルト76を用いてシリンダヘッド16に固定されている。雌ねじ孔77がカムサポート75に設けられ、ボルト88を雌ねじ孔77にねじ込んでヘッドカバー17がカムサポート75に固定されている。カムサポート75及びシリンダヘッド16は、吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30を回転可能に支持している。カムサポート75は、第1ブロック78と第2ブロック79とを接続したものである。第1ブロック78は、吸気カムシャフト29の上に配置され、第2ブロック79は排気カムシャフト30の上に配置されている。
カムサポート75は、第9油路80と、第9油路80に接続された第1噴射孔81a,81b及び第2噴射孔82a,82b,82cと、を有する。第1噴射孔81aは、第1ブロック78のうち、吸気カムシャフト29と対向する位置に設けられている。第1噴射孔81bは、第2ブロック79のうち、排気カムシャフト30と対向する位置に設けられている。
第2噴射孔82a,82b,82cは、カムサポート75のうちヘッドカバー17と対向する位置に設けられている。第2噴射孔82aは、第1ブロック78に設けられ、第2噴射孔82bは、第1ブロック78と第2ブロック79との間に設けられ、第2噴射孔82cは、第2ブロック79に設けられている。また、カムサポート75の端部には、吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30のカムロブ部に向けて潤滑油を供給する噴射孔が設けられている。この噴射孔は図示されていない。
シリンダヘッド16は、隔壁83,84を有し、隔壁83はカムシャフト収容室28を形成している。隔壁84は、ウォータジャケット58を形成している。隔壁83と隔壁84との間に戻し油室86が形成されている。隔壁84は、ウォータジャケット58と戻し油室86とを仕切る。隔壁83を貫通する第10油路87が設けられている。第10油路87は、カムシャフト収容室28と戻し油室86とをつなぐ。戻し油室86は、チェーン室41を介してオイルパン60内に接続されている。カムシャフト収容室28内の潤滑油は、自重で戻し油室86及びチェーン室41を経由してオイルパン60内に戻る。
エンジン11は、停止及び始動を選択するメインスイッチと、メインスイッチの信号が入力されるコントローラと、を有する。コントローラは、点火プラグ21及びスタータモータ47を制御する。
作業者がエンジン11を始動するようにメインスイッチを操作すると、スタータモータ47が駆動して、スタータモータ47の回転力がクランクシャフト37に伝達される。クランクシャフト37が回転すると、クランクシャフト37の回転力は、コネクティングロッド35を介してピストン19に伝達され、ピストン19がシリンダ18内で往復動作する。
また、クランクシャフト37の回転力はチェーン42を介して吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30に伝達され、吸気ポート22及び排気ポート23が開閉される。混合気は、吸気管24及び吸気ポート22を経由して燃焼室20に供給され、かつ、点火プラグ21により点火制御が行われる。コントローラは、エンジン11が自律回転するとスタータモータ47を停止する。燃焼室20内の排気ガスは、排気ポート23を介して排気管25に排出される。
クランクシャフト37の回転力は、バランサシャフト51、チェーン55及び回転軸53を介してウォータポンプ56に伝達される。ウォータポンプ56は、吸入口から冷却水を吸い込み、かつ、吐出口から冷却水を吐出する。ウォータポンプ56から吐出された冷却水は、冷却水通路を通ってウォータジャケット58に供給される。ウォータジャケット58に供給された冷却水は、通水管59を通ってラジエータに流れ込む。冷却水はラジエータで冷却された後、通水管57を通りウォータポンプ56に吸入される。冷却水がウォータジャケット58、シリンダケース15及びシリンダヘッド16に設けた通路を流れる間、シリンダケース15及びシリンダヘッド16の熱は冷却水に伝達され、シリンダケース15及びシリンダヘッド16が冷却される。
オイルポンプ62は回転軸53の回転力で駆動し、オイルポンプ62はオイル溜まり61の潤滑油を吸入し、かつ、潤滑油を第1油路63に吐出する。第1油路63に吐出された潤滑油の一部は、第3油路65を通り変速機12に供給され、変速機12を潤滑する。第1油路63に吐出された潤滑油の一部は、第2油路64を経由してオイルフィルタ66に流れ込む。オイルフィルタ66で潤滑油の異物が除去され、その潤滑油は第4油路67を経て第5油路68に供給される。第5油路68に供給された潤滑油の一部は、第6油路69を経て取付孔37Aに供給され、クランクピン36及び軸受38,39を潤滑する。
第5油路68に供給された潤滑油の一部は、第7油路70、第8油路74を経て第9油路80に供給される。第9油路80に供給された潤滑油の一部は、第1噴射孔81a,81bからカムシャフト収容室28に向けて噴射される。第1噴射孔81a,81bからカムシャフト収容室28に向けて噴射された潤滑油は、吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30を潤滑し、シリンダヘッド16及びカムサポート75のうち、吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30に接触する箇所を潤滑する。
また、第9油路80に供給された潤滑油の一部は、第2噴射孔82a,82b,82cからヘッドカバー17の内面に向けて噴射される。ヘッドカバー17の内面に付着した潤滑油の熱は、ヘッドカバー17を介して外気に放熱される。このため、ヘッドカバー17に付着した潤滑油の温度が低減される。ヘッドカバー17に付着した潤滑油は、自重で下降、または落下し、第10油路87を通って戻し油室86に至る。また、カムシャフト収容室28に向けて噴射された潤滑油は、第10油路87を通って戻し油室86に至る。
潤滑油が戻し油室86に至ると、潤滑油の熱は、隔壁84を介してウォータジャケット58内の冷却水に伝達される。つまり、エンジン11は、潤滑油の冷却を促進する。戻し油室86の潤滑油は、自重でチェーン室41の内面を伝って下降し、オイルパン60内に戻る。本実施形態のエンジン11は、第9油路80に供給されたオイルの一部を、第2噴射孔82a,82b,82cからヘッドカバー17の内面に向けて噴射し、かつ、ヘッドカバー17に付着した潤滑油の温度を低減できる。したがって、潤滑油の劣化を抑制でき、エンジン11の使用を開始した時点から、潤滑油のメンテナンスを行うまでの期間を、なるべく延長できる。
さらに、ヘッドカバー17は、カムシャフト収容室28を形成する役割に加え、潤滑油の熱を空気に伝達する放熱要素の役割を有する。したがって、エンジン11は、潤滑油の温度を低減するために、専用の冷却機構を設けずに済む。
また、シリンダへッド16の平面視した図3において、第2噴射孔82a,82b,82cからヘッドカバー17の内面の位置C1,C3及び中間位置C2に潤滑油がそれぞれ噴射される。中間位置C2は、排気管25と吸気管24との中間、位置C1は、中間位置C2と、吸気管24との間、位置C3は中間位置C2と排気管25との間である。位置C1,C3及び中間位置C2は、シリンダへッド16の平面視で、中心線B1,B2に対して直角な方向の位置を意味する。また、位置C1,C3及び中間位置C2は、シリンダへッド16の平面視でピンポイントの位置ではなく、所定の面積を有する領域、若しくは範囲である。シリンダへッド16の平面視した図3において、位置C1は、排気管25よりも吸気管24の方が近い。
ここで、ヘッドカバー17は、中間位置C2と排気管25との間の領域である位置C3よりも、中間位置C2と吸気管24との間の領域である位置C1の方が、温度が低い。したがって、ヘッドカバー17の内面の位置C1に向けて噴射することで潤滑油の温度を低減する効果が高い。
なお、第2噴射孔82a,82b,82cからヘッドカバー17の内面に向けて潤滑油が噴射される位置を、位置C1,C3及び中間位置C2とする構造は、第2噴射孔82aを位置C1の真下に設け、第2噴射孔82bを位置C3の下に設け、第2噴射孔82cを中間位置C2の真下に設ける構造の他、第2噴射孔82a,82b,82cの中心線を水平面に対して傾斜させる構造、を含む。
さらに、カムサポート75はシリンダヘッド16に固定されているため、吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30の回転方向の位相に関わりなく、第2噴射孔82a,82b,82cからヘッドカバー17に向けて、常に潤滑油を噴射できる。
また、エンジン11は、戻し油室86内の潤滑油の温度を、ウォータジャケット58内の冷却水により低減できる。つまり、潤滑油がヘッドカバー17に付着した際の温度低減と、戻し油室86にある潤滑油の温度低減という、2段階の温度低減を行うことができる。
エンジンの潤滑油必要箇所は、吸気カムシャフト29及び排気カムシャフト30と、シリンダヘッド16及びカムサポート75との接触箇所、クランクピン36、軸受38,39を含む。潤滑油供給機構は、オイルポンプ62、第1油路63、第2油路64、第4油路67、第5油路68、第6油路69、第7油路70、第8油路74、第9油路80を含む。これらの油路は、オイルポンプ62から吐出された潤滑油を、第2噴射孔82a,82b,82cに導く経路である。
また、エンジンの戻し油路は、戻し油室86、チェーン室41を含む。エンジンの熱伝達部は、シリンダヘッド16に設けた隔壁84を含む。エンジンの巻き掛け伝動機構は、スプロケット31,33,40及びチェーン42を含み、エンジンの第1収容室は、カムシャフト収容室28を含み、エンジンの第2収容室は、チェーン室41を含む。油温低減機構は、カムサポート75、第9油路80、第2噴射孔82a,82b,82c、ヘッドカバー17を含む。
エンジンの潤滑構造は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、第9油路80からヘッドカバー17に向けてオイルを噴射する第2噴射孔82a,82b,82cは、カムサポート75を平面視した場合における位置設定の他、ヘッドカバー17を側面視した場合における第2噴射孔82a,82b,82cの中心線の角度を変更することも可能である。第2噴射孔82a,82b,82cの中心線の角度は、鉛直線と、第2噴射孔82a,82b,82cの中心線と、の間に形成される角度、または、シリンダ18の中心線A1と、第2噴射孔82a,82b,82cの中心線と、の間に形成される角度として把握可能である。
巻き掛け伝動機構は、スプロケット及びチェーンの他、ギヤ及びベルトを含む。第1収容室は、カムシャフトを収容する構造であり、第1収容室は、シリンダとヘッドカバーとの間に形成された空間、凹部を含む。第2収容室は、巻き掛け伝動機構を収容する構造であり、第2収容室は、シリンダ及びシリンダヘッドに亘って設けた空間、凹部を含む。エンジンに設ける油路は、シリンダ、シリンダヘッド、クランクケースに設ける孔、溝、空間の他、管によって形成する通路を含む。
10 パワートレーン
11 エンジン
12 変速機
13 エンジン本体
14 クランクケース
15 シリンダケース
16 シリンダヘッド
17 ヘッドカバー
18 シリンダ
19 ピストン
20 燃焼室
21 点火プラグ
22 吸気ポート
23 排気ポート
24 吸気管
25 排気管
26 吸気バルブ
27 排気バルブ
28 カムシャフト収容室
29 吸気カムシャフト
30 排気カムシャフト
31,33,40 スプロケット
32,34 カム
35 コネクティングロッド
36 クランクピン
37 クランクシャフト
37A 取付孔
38,39 軸受
41 チェーン室
42,55 チェーン
43 クラッチカバー
44 遠心クラッチ
45 入力要素
46 スタータカバー
47 スタータモータ
48 ステータ
49 ロータ
50 駆動ギヤ
51 バランサシャフト
52 第1スプロケット
53 回転軸
54 第2スプロケット
56 ウォータポンプ
57,59 通水管
58 ウォータジャケット
60 オイルパン
62 オイルポンプ
63 第1油路
64 第2油路
65 第3油路
66 オイルフィルタ
67 第4油路
68 第5油路
69 第6油路
70 第7油路
71,76,88 ボルト
72,73 軸孔
74 第8油路
75 カムサポート
77 雌ねじ孔
78 第1ブロック
79 第2ブロック
80 第9油路
81a,81b 第1噴射孔
82a,82b,82c 第2噴射孔
83,84 隔壁
86 戻し油室
87 第10油路
A1,A2,B1,B2 中心線
C1 位置
C2,D1,D2 中間位置

Claims (6)

  1. エンジンの潤滑油必要箇所に潤滑油を供給する潤滑油供給機構を備えている、エンジンの油温低減機構であって、
    前記エンジンの燃焼室を形成するシリンダヘッドと、
    前記シリンダヘッドに設けられ、かつ、前記燃焼室に接続するポートを開閉するバルブと、
    前記シリンダヘッドに固定されたヘッドカバーと、
    前記シリンダヘッドと前記ヘッドカバーとの間に形成された第1収容室と、
    前記第1収容室に配置され、かつ、前記バルブを動作させるカムシャフトと、
    前記第1収容室に配置され、かつ、前記カムシャフトを回転可能に支持するカムサポートと、
    前記カムサポートに設けられ、かつ、前記ヘッドカバーに向けて潤滑油を噴射する噴射孔と、
    を有する、エンジンの油温低減機構。
  2. 請求項1記載のエンジンの油温低減機構において、
    前記ポートは、吸気ポート及び排気ポートを含み、
    前記シリンダヘッドは、
    前記吸気ポートにつながる吸気管と、
    前記排気ポートにつながる排気管と、
    を備え、
    前記噴射孔から前記ヘッドカバーに向けてオイルが噴射される位置は、前記排気管よりも前記吸気管の方が近い、エンジンの油温低減機構。
  3. 請求項2記載のエンジンの油温低減機構において、
    前記バルブは、
    前記吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
    前記排気ポートを開閉する排気バルブと、
    を含み、
    前記カムシャフトは、
    前記吸気バルブを動作させる吸気カムシャフトと、
    前記排気バルブを動作させる排気カムシャフトと、
    を含み、
    前記シリンダヘッドの平面視で、前記吸気カムシャフトの中心線と前記排気カムシャフトの中心線とが互いに平行に配置され、
    前記吸気カムシャフト及び前記排気カムシャフトは、前記シリンダヘッドの平面視で、前記吸気管と前記排気管との間に配置されている、エンジンの油温低減機構。
  4. 請求項2または3記載のエンジンの油温低減機構において、
    前記潤滑油供給機構は、
    オイル溜まりの潤滑油を吸入及び吐出するオイルポンプと、
    前記オイルポンプから吐出された潤滑油を前記噴射孔に導く油路と、
    前記ヘッドカバーに噴射された後の潤滑油を前記オイル溜まりに戻す戻し油路と、
    を有し、
    前記エンジンの熱を冷却水で低減するウォータジャケットが設けられ、
    前記戻し油路を通る前記潤滑油の熱を前記ウォータジャケットの冷却水に伝達する熱伝達部が設けられている、エンジンの油温低減機構。
  5. 請求項4記載のエンジンの油温低減機構において、
    前記エンジンは、
    前記燃焼室を形成するシリンダ内で往復動作するピストンと、
    前記ピストンの動作により回転するクランクシャフトと、
    前記クランクシャフトの回転力を前記カムシャフトに伝達する巻き掛け伝動機構と、
    前記巻き掛け伝動機構を収容した第2収容室と、
    を有し、
    前記戻し油路は、前記第2収容室を含む、エンジンの油温低減機構。
  6. 請求項4または5項記載のエンジンの油温低減機構において、
    前記熱伝達部は、前記戻し油路と前記ウォータジャケットとを仕切る隔壁を含む、エンジンの油温低減機構。
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