以下、複数の実施形態による冷蔵庫について、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態にて共通する構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態の冷蔵庫について、図1から図9を参照しながら説明する。
図1および図2に示すように、第1実施形態の冷蔵庫1の本体2の内部には、上部から順に、食材を貯蔵するための貯蔵室である冷蔵室3、野菜室4、製氷室5と上部冷凍室6、および下部冷凍室7が設けられている。冷蔵室3および野菜室4と、製氷室5および上部冷凍室6との間は、断熱仕切壁により仕切られている。冷蔵室3は、図1に示すように、いわゆる両開き式の扉3aによって左右片側ずつ開閉され、野菜室4、製氷室5、上部冷凍室6および下部冷凍室7は、引き出し式の扉4a、扉5a、扉6aおよび扉7aによってそれぞれ開閉されるようになっている。この冷蔵庫1は、例えばキッチンなど、人が生活する際に必ず利用する場所(通過する場所)であるいわゆる生活動線内に設置されている。
図2に示すように、冷蔵室3の後方には、冷蔵室3や野菜室4を冷却するための冷蔵用冷却器8と、この冷蔵用冷却器8により冷却された空気を循環させる冷蔵用ファン9とが設けられている。また、製氷室5の後方には、製氷室5、上部冷凍室6および下部冷凍室7などを冷却するための冷凍用冷却器10と、この冷凍用冷却器10により冷却された空気を循環させる冷凍用ファン11とが設けられている。これら冷蔵用冷却器8および冷凍用冷却器10は、下部冷凍室7の後方の機械室12に配置されているコンプレッサ13により駆動される。このコンプレッサ13は、冷蔵用冷却器8および冷凍用冷却器10とともに、周知の冷凍サイクルを構成している。なお、冷蔵庫1の構成は一例であり、例えば、上部冷凍室6が冷蔵と冷凍とを切り替え可能な切替室であったり、野菜室4が設けられていないなど、各貯蔵室の配置順などが異なっていてもよい。
図1に示すように、冷蔵室3の左側の扉3aには、操作パネル14が設けられている。この操作パネル14は、表示部15および操作スイッチ16を有している。表示部15は、例えば液晶表示器や有機EL表示器などで構成されており、冷蔵庫1に関する各種の情報を文字やグラフなどを用いて表示する。操作スイッチ16は、機械式のスイッチやタッチパネル式のスイッチ等の複数のスイッチで構成されており、人(本実施形態の場合、冷蔵庫1が設置されている住宅の住人)からの冷蔵庫1に対する各種の設定操作が入力される。なお、操作パネル14の表示部15は、後述するように、健康状態を推測可能な例えば体重や血圧、顔色などの生体情報を報知するための報知手段としても機能する。
冷蔵室3の右方の扉3aには、人感センサ17(人検知手段を構成する)、撮像カメラ18(生体情報取得手段、識別手段、人検知手段を構成する)、非接触体温センサ19(生体情報取得手段を構成する)が設けられている。人感センサ17は、例えば赤外線や可視光、超音波などを検出する検出器(あるいは、それらの検出器を組み合わせたもの)を有しており、冷蔵庫1の前方に位置する人を検知する。人感センサ17は、例えば一定時間連続して検知した場合(つまり、人を複数回検知した場合)に人を検知する構成としてもよいし、距離を計測可能とし、冷蔵庫1に接近していると判断される場合に人を検知する構成としてもよい。
撮像カメラ18は、例えばCCDやCMOSなどの撮像素子を有しており、人の顔画像を撮像する。顔画像は、顔色から血流状態を推測したり、表情からストレスを推測したり、形状(顔の輪郭の変化やむくみの有無)の変化から体調の変化や肥満度などを推測したりするなど、健康状態に関する様々な情報を取得可能な生体情報である。また、撮像カメラ18は、撮像した画像を画像処理することにより個人を識別したり、人の身長の測定にも用いられる。人の身長は、顔画像を撮像する際に、予め定められている撮像カメラ18の位置と、当該位置に対する画像処理により求めた人の頭部の位置との比較などにより測定される。このため、撮像カメラ18は、人の身長差にある程度対応するために、その視野方向を上下に変更可能に構成されている。
非接触体温センサ19は、人の体温を非接触で検出する。本実施形態では、非接触体温センサ19は、赤外線検出器を有しており、撮像カメラ18の撮像対象となる人の額部分を測定ポイントとして体温を検出する。また、非接触体温センサ19は、撮像カメラ18に合わせてその測定ポイントを変更可能に構成されている。なお、本実施形態では人感センサ17、撮像カメラ18および非接触体温センサ19を個別に設けたが、例えば人感センサ17と非接触体温センサ19とを兼用する構成や、撮像カメラ18と人感センサ17とを兼用して撮像した画像から人を検知する構成、あるいは、いわゆる赤外線カメラを採用して非接触体温センサ19と兼用する構成などであってもよい。さらには、操作パネル14に対して操作が行われた際に人を検知したと判定する構成であってもよい。
冷蔵室3の扉3aの下端側の部位、すなわち、人が扉3aの開閉操作を行う際に手を触れる取手となる部位には、開閉操作が行われたか否かを検知するための開閉センサ20(図3参照。開閉操作検知手段、人検知手段を構成する)がそれぞれ設けられている。ここで、「扉に対する開閉操作」とは、本実施形態の場合、扉3aを開けるために扉3aの取手に触った状態を想定している。つまり、開閉センサ20は、人が扉3aに触れたこと、すなわち、冷蔵庫1の前に人が存在していることを検知可能となっている。すなわち、開閉センサ20は、人検知手段としても機能する。この開閉センサ20は、例えば取手に設けられた静電センサなどにより構成されている。
また、冷蔵室3の右側の扉3aには複合センサ親機21が設けられ、左側の扉3aには複合センサ子機22が設けられている。これら複合センサ親機21および複合センサ子機22は、いずれも扉3aの取手となる部位に設けられている。なお、複合センサ親機21および複合センサ子機22の位置はこれに限定されず、人が扉を操作する際にふてる位置であれば、野菜室4の扉4aなど、他の位置に設けてもよい。複合センサ親機21は、図3に示すように、血圧センサ23、血流センサ24、心拍数センサ25、接触式体温センサ26および体脂肪率センサ27の第一電極(いずれも生体情報取得手段を構成する)から構成されている。この複合センサ親機21は、図示は省略するが、人の手の形に適合する形状、且つ、扉3aの開閉操作を行う際に例えば中指を挿入可能な孔部を有する形状に形成されている。
血圧センサ23は、孔部に指先が挿入されると、孔部に設けられているベルト(いわゆるカフ)で血管を圧迫した後に開放し、ベルトに設けられているセンサにて圧力(カフ圧)を計測することで血圧を間接的に測定する。血流センサ24は、周知のレーザ式や超音波式あるいは赤外線方式等の血流計であり、指先における血流を計測する。心拍数センサ25は、取手に設けられている電極に指先が触れた際、いわゆる心電図を計測することで心拍数を計測する。なお、赤外線式の血流センサ24と兼用して、血流および心拍数を同時に計測する構成としてもよいし、指先ではなく、取手に触れている手のひらを計測対象とする構成などであってもよい。
接触式体温センサ26は、例えばサーミスタを有しており、取手に接触している指先の温度を計測することで人の体温を測定する。なお、接触式体温センサ26を赤外線検出器で構成し、指先に接触させた状態で体温を測定するものであっても勿論よい。体脂肪率センサ27は、複合センサ親機21側の第一電極と、複合センサ子機22の第二電極とを有しており、人が第一電極および第二電極の双方に触れた際、電極間に微弱な電流を流して生体インピーダンスを計測することにより、体脂肪率を測定する。冷蔵庫1の前方側の床面、すなわち、冷蔵庫1を利用する人が立つ位置に対応して、体重センサ28(いわゆる体重計。生体情報取得手段を構成する)が設けられている。
また、冷蔵庫1には、図2および図3に示すように、庫内を撮像する第一庫内カメラ29および第二庫内カメラ30(いずれも食材情報取得手段を構成する)が設けられている。本実施形態では、第一庫内カメラ29は冷蔵室3内を撮像し、第二庫内カメラ30は野菜室4内を撮像する。これら第一庫内カメラ29および第二庫内カメラ30で撮像された画像は、食材判別部52(図3参照)にて解析され、貯蔵されている食品の種類や貯蔵量などの食材情報を取得するために利用される。なお、カメラの数や配置、および撮像対象の貯蔵室は、図2に例示したものに限らない。例えば野菜室4が無い場合には第二庫内カメラ30を設ける代わりに冷蔵室3内に複数のカメラを設けたり、冷凍室を撮像するカメラを設けたりするなど、冷蔵庫1の構成に合わせて適宜選択すればよい。
このような構成の冷蔵庫1は、制御部40により制御されている。制御部40は、図3に示すように、CPU41、ROM42およびRAM43を有するコンピュータにより構成されており、例えばROM42などに記憶されているコンピュータプログラムにしたがって冷蔵庫1の全体を制御する。制御部40は、計時手段としてのリアルタイムクロック(以下、RTC44と称する)を有しており、時刻情報を取得可能となっている。なお、取得可能な時刻情報には、時間、日付、曜日などが含まれている。
この制御部40は、記憶部45および通信部46に接続している。記憶部45は、例えばメモリカードやHDDなどで構成されており、上記した生体情報取得手段で取得した(測定した)生体情報を記憶する。この記憶部45は、生体情報と、当該生体情報を測定した時刻情報とを対応付けて記憶する記憶手段としても機能する。通信部46は、外部のネットワークに接続するためのものであり、本実施形態ではいわゆる無線LANによる無線通信方式を採用している。通信部46は、図示しない無線アクセスポイントなどを介して、ネットワークに相当するいわゆるインターネット47に接続する。なお、通信部46は、有線通信方式であってもよい。インターネット47には、外部の装置に相当するサーバ48が接続されており、冷蔵庫1は、通信部46を介してサーバ48との間で各種の情報の通信を行う。このサーバ48は、例えば病院や掛かり付けの医師あるいは福祉サービス会社など、生体情報を改善するための知識を有する人や組織、あるいは、スポーツジムやSNS(Social Networking Service)など、生体情報を継続的に測定し続けることを応援あるいは支援する人や組織などにより運営されているものである。
また、制御部40は、個人識別部50(個人識別手段を構成する)、生体情報解析部51(生体情報解析手段を構成する)、食材判別部52(食材情報取得手段を構成する)、アドバイス生成部53(アドバイス生成手段を構成する)、および測定設定部54を有している。これら各部は、本実施形態ではCPU41により実行されるコンピュータプログラムによりソフトウェア的に実現されている。なお、ハードウェア的に実現する構成としてもよい。また、冷蔵庫1の制御を行う制御手段と、生体情報の測定や外部との通信を制御する制御手段とを別々に設ける構成(例えば、生体情報の測定機能を冷蔵庫1のオプション機能とするような構成)としてもよい。
個人識別部50は、撮像カメラ18で撮像した顔画像を画像処理し、いわゆる顔認証を行うことで個人を識別する。なお、顔認証には周知あるいは公知の技術を採用すればよいが、例えば、撮像した顔画像から目、鼻、口等の位置や大きさ、顔の輪郭等の各パーツのデータを抽出し、抽出したデータを予め登録されているデータベースと照合するなどにより、個人を識別することなどが考えられる。このデータベースには、例えば「お母さん」や「お父さん」など個人の名称や年齢など、および、日常の運動強度やスポーツ歴など、生体情報を解析・評価する上で参照するための情報(以下、識別情報と称する)が登録されている。この識別情報の登録は、例えば操作パネル14からの入力により行われる。
生体情報解析部51は、取得した生体情報と登録されている識別情報とに基づいて、生体情報を解析する。具体的には、生体情報解析部51は、例えば身長と体重との比率(BMI指数など)や体重の変化率、血圧などから、生体情報が当人にとって適切な値や傾向を示しているかなどを解析する。なお、生体情報の解析は、生体情報を参照した医師やインストラクターなどにより、サーバ48側で行ってもよい。
食材判別部52は、第一庫内カメラ29および第二庫内カメラ30で撮像した庫内の画像に基づいて食材情報を取得する。具体的には、食材判別部52は、取得した画像から食材に記載されている名称を抽出したり、食材が保存されている容器の内容量を計測したりすることにより、食材の種類や貯蔵量などの食材情報を取得する。なお、カメラの代わりに、食材の重量を計測するセンサや、所定の位置に食材が収容されているか否かを検知するセンサなどを設け、それらのセンサの検知結果に基づいて食材情報を取得するようにしてもよい。
アドバイス生成部53は、生体情報の解析結果に基づいて、また、食材情報を参照して、生体情報を改善するためのアドバイス、つまり、健康管理のためのアドバイスを生成する。アドバイス生成部53は、例えば血圧が高いとの解析結果が得られている場合、例えば、血圧の上昇を低減するためには塩分を控え、タンパク質、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどをバランス良く摂取することが望ましいと言われていることから、タンパク質、カリウム、マグネシウム、カルシウム、塩分について、血圧に影響を及ぼす程度を係数Pt、Kt、Mgt、Cat、Stによって定めると共に、次の(1)式のような計算式に基づいて、血圧上昇抑制効果値を求めている。なお、塩分は血圧を上昇させるので、(1)式では塩分については減算するようにしている。
・血圧上昇抑制効果値=(含有タンパク質量−タンパク質量の標準値)×Pt+(含有カリウム量−カリウム量の標準値)×Kt+(含有マグネシウム量−マグネシウム量の標準値)×Mgt+(含有カルシウム量−カルシウム量の標準値)×Cat−(含有塩分量−塩分量の標準値)×St・・・(1)
また、顔色が悪く貧血気味でるとの解析結果を得られた場合、アドバイス生成部53は、貧血を予防するためのアドバイスを生成する。貧血の予防には鉄分を摂ることが有効である一方、鉄分の人体への吸収を助ける成分と妨げる成分とがあることから、食材によっては予防効果が低減することもある。例えば、ビタミンCやタンパク質は鉄分の吸収を助ける一方、タンニンは鉄分の吸収を妨げる作用があると言われている。そこで、アドバイス生成部53は、鉄分、ビタミンC、タンパク質、タンニンについて、貧血防止に対する効果を示す係数Feh、Vch、Ph、Thを定めると共に、次の(2)式のような計算式に基づいて、貧血予防効果値を求めている。
・貧血予防効果値=含有鉄分量×Feh+含有鉄分量×(含有ビタミンC量−ビタミンC量の標準値)×Vch+含有鉄分量×(含有タンパク質量−タンパク質量の標準値)×Ph−含有鉄分量×(含有タンニン量−タンニン量の標準値)×Th ・・・(2)
そして、アドバイス生成部53は、求めた血圧抑制効果値や貧血予防効果値を達成可能なる食材の種類や使用量、あるいは、それを用いた料理のレシピなどを食生活に関するアドバイスとして生成する。なお、アドバイス生成部53は、例えば、「塩分を控えましょう」、「鉄分を取りましょう」、「体重が増加傾向にあるので運動を心がけましょう」といった直接的には食材を含まない情報の提示や、「鉄分はレバーに多く含まれています」、「お茶は鉄分の摂取を阻害するおそれがあります」といった食材そのものの提示、あるいは、後述するように「レバーが無いので購入しましょう」といった現時点では貯蔵されていないものの生体情報を改善するために役立つ食材を購入する提案なども、本実施形態で想定しているアドバイスに勿論含まれている。生成されたアドバイスは、表示パネルの表示部15に表示され、人に報知される。
測定設定部54は、生体情報を測定する際の測定条件を設定する。例えば、本実施形態では血圧センサ23、血流センサ24、心拍数センサ25、接触式体温センサ26および体脂肪率センサ27にて複合センサを構成しているが、血圧センサ23が常に作動すると、扉を操作する毎に毎回ベルトにより締め付けられ、煩わしく感じることも想定される。そのため、測定設定部54は、測定対象となる生体情報の測定条件を設定する。
測定条件としては、例えば、
・測定対象となる生体情報を各自で設定する。
・顔画像や非接触体温センサ19などのように測定に人の動作を妨げないものや、接触式体温センサ26などのように即座に測定結果を得ることができるものについては毎回測定する。
・測定にある程度の時間が掛かる血圧センサ23や体脂肪率センサ27などのように、人の動作に影響を与える可能性のあるものについては、人の指示に基づいて測定する。この場合、例えば操作パネル14に測定スイッチ等を設け、人が測定スイッチを操作した際に測定を開始することなどが考えられる。
・測定する時刻を、生活パターンに合わせた特定の範囲や特定の曜日などにする。
・食事の準備中など冷蔵庫1を複数回利用する場合を想定し、前回の測定から経過した時間が短い場合には測定を行わない、あるいは、最初の測定結果を採用する。
などが考えられる。なお、上記した測定条件は一例であり、これらの限定されるものではない。
次に、冷蔵庫1の作用について説明する。
冷蔵庫1は、上記したように食品を貯蔵する貯蔵室を有していることから、調理を行う際に毎日利用するものであり、日常生活でほぼ必ず立ち寄って利用するものである。また、人の生活サイクルは概ね一定のパターンで繰り返されることから、人は、毎日ほぼ同じ時刻に冷蔵庫1を利用すると考えられる。また、例えば冷蔵庫1の扉を開閉する場合、冷蔵庫1が設置されている部屋の間取りや扉の開閉方向などによって、人は、概ね同じ姿勢になっていると考えられる。すなわち、ほぼ毎日、ある程度決まった時刻に、ほぼ同様の姿勢にて、人が冷蔵庫1の付近に存在すると考えられる。そのため、生活動線内に設置されている冷蔵庫1にて生体情報を測定可能とすることは、それ自体が、生体情報を継続的に測定する動機付けとなる。
以下、生体情報の測定の流れについて、説明する。なお、以下の処理は上記した各部により行われるものであるが、説明の簡略化のため、冷蔵庫1を主体として説明する。また、上記した識別情報などの登録は既に行われているものとし、測定設定部54にて上記に例示した全ての生体情報を測定するように設定されているものとする。
冷蔵庫1は、図4に示す測定処理を実行しており、冷蔵室3の扉に対する開閉操作行われたか否かを判定している(A1)。本実施形態で冷蔵室3の扉を検知対象としているのは、冷蔵室3の扉に対する開閉操作であれば、人がほぼ正面を向いている状態、つまり、顔が撮像カメラ18側を向いており顔画像を正面から撮像可能な状態であるとともに、人の立ち位置およびその姿勢がほぼ同一になると考えられるためである。つまり、開閉センサ20は、人検知手段としても機能する。なお、開閉センサ20は上記したように取手に触れたことを検知しているので、開閉操作が行われたとき、人は冷蔵庫1の正面側に立っていることになる。
続いて、冷蔵庫1は、人の顔画像を取得する(A2)。このステップA2では、顔画像の取得は、顔色やむくみなどの生体情報を取得するため、および、顔認証により個人を識別するために行われている。そのため、顔画像を取得すると、顔認証により個人を識別できたか否かを判定する(A3)。このとき、個人を識別できれば(A3:YES)、測定条件を記憶部45などから読み出した後(A4)、時刻情報を取得する(A5)。一方、個人を識別できなければ(A3:NO)、直接ステップA5に移行する。これは、登録がなされていなくても、生体情報を測定することはできるためである。以下、個人を識別できたものとする。
時刻情報を取得すると、冷蔵庫1は、生体情報を測定する(A6)。このステップA6では、上記したように、体温、血圧、血流、心拍数、体脂肪率の測定を行っている。なお、ステップA6にて改めて顔画像を取得するようにしてもよい。このとき、体脂肪率のような複数箇所(第一電極と第二電極)への接触を必要とする測定ができなかった場合には、その項目については未測定としてもよいし、表示や音声により接触を促すようにしてもよい。
生体情報の測定が終わると、冷蔵庫1は、測定結果を報知する(A7)。具体的には、冷蔵庫1は、例えば図5に示すように、測定結果を表示部15に表示して報知する。図5の場合、表示部15には、名称(「お母さん」)や年齢などの識別情報、身長、体重、体脂肪率、血圧、体温などの生体情報の測定結果を示す結果表示エリアM1、前日の測定結果との比較などの解析結果を示す比較表示エリアM2が設けられている。比較表示エリアM2では、前日との比較として、上向きの矢印(↑)は前日と比較して上昇していることを示し、右向きの矢印(→)が前日と比較して変化がないことを示し、下向きの矢印(↓)が前日と比較して下降していることを示している。また、表示部15には、生体情報を解析した結果に基づく全般的な健康状態に対するコメント(図5の場合、「良好」)を表示するコメントエリアM3も設けられている。
また、今回のように個人を識別できている場合には、グラフ表示ボタンM4が操作されると、図6に示すように、結果表示エリアM1が、例えば週間の生体情報の履歴を表示する履歴表示エリアM7に切り換えられる。なお、履歴表示エリアM7に表示する生体情報は、体重や体脂肪率に限らず、基礎体温の変化グラフや一月前の顔画像との比較など、他の項目も表示可能である。このとき、表示する項目は、人が設定可能としてもよい。この履歴表示エリアM7が表示されている状態で戻るボタンM6が操作されると、図5に示す表示態様に切り換えられる。このように、冷蔵庫1は、測定した生体情報をリアルタイムで報知する。
続いて、冷蔵庫1は、ステップA3にて個人を識別済みであれば(A8:YES)、測定結果をステップA5で取得した時刻情報に対応付けて記憶部45に記憶する(A9)。なお、個人を識別済みでなければ(A8:NO)、そのまま測定処理を終了する。
さて、冷蔵庫1は、本来、食材を貯蔵するものである。そして、食材の中には、上記したように生体情報に影響を与えるものが数多く存在する。そこで、冷蔵庫1は、貯蔵されている食材に基づいて、以下のように生体情報を改善するためのアドバイスを生成および報知する。
冷蔵庫1は、例えば、図5に示すアドバイスボタンM5が操作されると、図7に示すアドバイス処理を実行し、まず生体情報を解析する(B1)。このステップB1では、当日の生体情報だけでなく、過去の履歴も含めて生体情報を解析している。続いて、第一庫内カメラ29および第二庫内カメラ30で撮像した庫内の画像に基づいて、食材情報を取得し(B2)、生体情報を改善可能な食材があるか否かを判定する(B3)。そして、生体情報を改善可能な食材がある場合には(B3:YES)、食材やその食材を使ったレシピ等のアドバイスを生成し(B4)、アドバイスを報知する(B5)。例えば、冷蔵庫1は、第二庫内カメラ30にて野菜室4内に貯蔵されている野菜を把握し、野菜をふんだんに使ったレシピ等をアドバイスとして生成する。そして、図8に示すように、アドバイス表示エリアM8に生体情報の解析結果として貧血気味であることや、それを改善するために鉄分の取得を促すメッセージ、貯蔵されている食材を使ったレシピなどを表示することで、アドバイスを報知する。
一方、生体情報を改善可能な食材がない場合には(B3:NO)、生体情報の改善に寄与する食材の情報など、食材購入のアドバイスを生成し(B6)、アドバイスを報知する(B5)。具体的には、冷蔵庫1は、図9に示すように、アドバイス表示エリアM8に、鉄分を多く含む食材としてレバー、ひじき、あさりなどを表示することで、アドバイスを報知している。
このように、冷蔵庫1は、生体情報の測定および報知を行うことで継続的な生体情報の測定を可能とするとともに、アドバイスを報知することで生体情報の改善にも寄与している。
以上説明した本実施形態の冷蔵庫1によれば次のような効果を奏する。
生活動線内に設置され、毎日利用する冷蔵庫1に生体情報を測定するセンサ類を設けることで、人は、意識しなくても生体情報を測定する場所に立ち寄ることになるとともに、かならず目にすることになるので、測定をうっかり忘れることもない。したがって、人が意識することなく継続的な生体情報の測定を促すことができ、生体情報の管理を継続的に行うことができる。
このとき、人の生活パターンは概ね一定であることが多く、同じ時間帯に生体情報を測定できるとともに、冷蔵庫1を利用する際には人の姿勢が概ね一定となるので、同様の条件の下で生体情報を測定することができ、測定のばらつきを低減することができる。
報知手段を冷蔵庫1に設けているので、生体情報を測定して直ぐに測定結果を確認することができる。また、生体情報を測定した履歴も表示可能であるので、自身の食生活の改善状況などを効果的に把握することができる。
生体情報の継続的な管理が長続きしない一因として、測定は行ってもその測定結果を自分で管理することに煩わしさを感じるという点が挙げられるが、冷蔵庫1は、生体情報を時刻情報に対応付けて時系列で記憶する。つまり、冷蔵庫1側で測定および測定結果の管理まで行うので、人が煩わしさを感じることがなく、継続的な生体情報の測定を促すことができる。そして、当日の生体情報を測定できるだけでなく、過去の生体情報の履歴をも管理対象とすることで、生体情報の一時的な値だけでなく、長期的な生体情報の変化(例えば、図6に示すグラフなど)をも把握可能となり、より健康管理に役立てることができる。また、いわゆるスケジュール管理機能を持たせ、あるいは、外部のスケジューラと連携させ、注目すべき事象(例えば、運動会に参加した、トレーニングを行った、外食したなど)を、グラフとともに表示することで、その前後の生体情報の変化を比較可能とすれば、それぞれの事象の影響や効果を把握することができる。
開閉センサ20により扉3aに対する開閉操作を検知したときに自動で生体情報を測定するので、人が意識しなくても生体情報を測定することができる。このとき、生体情報を測定するために人が行う動作は基本的には冷蔵庫1を利用するための動作(冷蔵庫1の前に立つ、扉3aに手を触れるなど)であるので、冷蔵庫1を利用する度に自動で生体情報が測定され、生体情報を測定し忘れることが無くなる。
生体情報の測定結果を報知するので、体調管理に役立てることができる。
個人を識別して生体情報を個人別、且つ時系列で管理するので、複数の人が冷蔵庫1を利用する場合にも対応することができる。なお、本実施形態では登録した人以外の測定も可能としたが、識別できなかった人(登録されていない人)には測定を行わないなど、測定対象を制限するプロテクト制御などを行うこともできる。
健康管理の基本となる体温を測定し記憶部45に時系列で記憶するので、体温管理を行うことができる。また、人によって基礎体温は異なるものの、個人を識別して体温を記憶することで、過去の変化からその日の体調を把握することができる。
顔画像を撮像するので、健康状態に関する様々な情報を推測可能となる。また、顔画像も記憶するので、例えば過去の顔画像と比較することで現在との差(つまり、太ったか痩せたか)を認識し易くなるため、現時点での健康度のバロメータとなる。また、太っていると感じると体重を減らすことを心がけるようになるなど、健康意識の向上にも役立つ。
体脂肪率を測定するので、例えば体重が減少しても体脂肪率が増加していればあまり健康的ではないなどの判断ができる。
体重は健康管理の基本的な項目であり、その体重を毎日測定可能とすることで、当日の体調管理だけでなく、体重が増加傾向にある場合には節制を心がけるようになるなど、長期的な健康管理に役立てることができる。また、測定は冷蔵庫1の前に立つだけなので簡単かつ気軽に測定できるので、短期間の変化、例えば食事の前後で測定して食事による影響を数値化して把握することなどができる。また、冷蔵庫1にて体重や体脂肪率など測定して報知することで、例えば調理に使う食材や摂取量を変更したり、風呂上がりに「ちょっとビールでも」と考えた際に控えるようになるなど、長期的にみた場合の健康意識の向上にも役立つ。
血圧を測定することで健康管理に役立てることができる。また、取手に血圧センサ23を設けているので、心臓の位置に対する指先(検知部位)の位置が常に一定で固定されるため、安定した測定、すなわち、長期的な比較対象として確度の高い測定を行うことができる。
血流を測定し、その測定結果を時系列で記憶することにより、日々の変化から血流が弱くなってきたなどの予兆を捉えることが可能となり、血管系の疾病を推測することができる。これは、長期的に継続して測定し、その測定結果を時系列で記憶することにより、実現できるものである。また、取手に血流センサ24を設けているので、血圧と同様に、安定した測定を行うことができる。
心拍数を測定し、その測定結果を時系列で測定することにより、健康状態を推測することができる。ところで、心拍数は、測定時の状況や運動状態によってばらつきが生じる可能性があるものの、ほぼ同一環境での測定を長期に継続することで、全体的に心拍数が上がり気味であるのか下がり気味であるのかを把握することができる。これは、長期的に継続して測定し、その測定結果を時系列で記憶することにより、実現できるものである。
身長を測定することで、例えば子供の成長状態を数値的に把握できるとともに、継続的に測定を行えば、日々の成長記録の代わりにすることなどもできる。
生体情報を解析し、その解析結果に基づいて生体情報を改善するためのアドバイスを生成して報知するので、生体情報を測定する動機付けとなる。また、例えば体重に対する目標値を設定し、目標値に達するためのアドバイスを報知するようにすれば、よりいっそう励みになる。このとき、冷蔵庫1に貯蔵されている食材に関する食材情報を取得し、食材情報に基づいてアドバイスを生成するので、食材を有効利用しつつ、健康管理を行うことができる。さらに、生体情報を改善するのに有用な食材が貯蔵されていない場合には、有用な食材を提示するアドバイスを行うので、健康維持に貢献することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の冷蔵庫について、図10および図11を参照しながら説明する。なお、冷蔵庫の構成は第1実施形態と共通するので、説明を省略する。
冷蔵庫1は、図10に示す測定処理にて人を検知したか否かを判定している(C1)。このとき、冷蔵庫1は、人が冷蔵庫1の付近に存在するか否かを判定している。つまり、第1実施形態では人が冷蔵庫1に接触したことを検知していたが、第2実施形態では、冷蔵庫1の付近に人が存在するか否かを検知している。これは、上記した非接触体温センサ19や撮像カメラ18は、人が接触していなくても生体情報を測定できるため、それらの生体情報を冷蔵庫1が利用されないときにも測定可能とするためである。なお、人の検知は、人感センサ17や体重センサ28などで検知することができる。
冷蔵庫1は、人を検知すると(C1:YES)、第1実施形態と同様に、時刻情報を取得し(C2)、生体情報を測定し(C3)、測定結果を報知する(C5)。そして、顔画像などから個人が識別できていれば、測定結果を時刻情報に対応付けて記憶する(C6)。一方、個人を識別できなければ(C5:NO)、そのまま処理を終了する。
続いて、冷蔵庫1は、図11に示すアドバイス処理を実行し、食材情報を取得した後(D1)、生体情報および食材情報をサーバ48に送信する(D2)。そして、サーバ48側にて生成されたアドバイスを図8などのように報知する(D3)。このとき、サーバ48側では、例えば医師やアドバイザーなどの第三者あるいはサーバ48自身により、生体情報を改善するためのアドバイスが生成される。なお、アドバイス処理は、個人を識別できていなくても行ってもよい。つまり、本実施形態では、アドバイス生成手段を外部のサーバ48側に構成している。
このように、冷蔵庫1は、測定した生体情報をサーバ48側に送信可能となっているとともに、サーバ48側で生成されたアドバイスを報知可能となっている。
この冷蔵庫1は、第1実施形態で述べた効果をもちろん奏するとともに、例えば記憶可能な情報に限りがあるなど対応可能な状況に制限が付く場合などを考慮して、生体情報をサーバ48側に送信することにより、より適切な判断を行うことができるようになる。また、例えば医師など専門的な知識を有する第三者により生体情報の解析・判断を行ってもらい、第三者からのアドバイスをもらうことで、様々な状況に対応できるとともに、より適切なアドバイスを報知できるようになる。
この場合、冷蔵庫が家庭で長期に利用されるものであることを考慮すれば、サーバと接続可能とすることで、最新の生体情報の解析手法などを順次取り入れることができ、生体情報から、疾病の予防や、健康管理のための具体的な対応案(運動処方や食事療法など)、健康管理のための新たなレシピの提案など、外部の情報を有効活用した健康管理支援を行うことができる。また、他の人と情報の共有を可能とすることで、例えば離れて暮らす家族の健康状態を把握したり、いわゆる独居老人の健康状態を遠隔地から見守ることができる。
第2実施形態では人を検知することで測定を開始しているので、冷蔵庫1を利用しなくても、生活動線に設置されている冷蔵庫1の付近を通るだけで生体情報を測定することができる。したがって、測定回数が増えて、つまり、比較対象となるサンプル数が増えて、よりきめ細かいく、且つ、より適切な測定結果を得ることができるとともに、より適切なアドバイスを報知することができる。
(その他の実施形態)
各実施形態では冷蔵庫1の本体2に各種のセンサ(生体情報取得手段)を設けた例を示したが、冷蔵庫1の付近に外付けのセンサを設ける構成としてもよい。これは、上記したように、毎日利用する冷蔵庫1の付近にセンサがあるだけでも生体情報の取得を継続的に行うことを促すことができるからである。
生体情報の種類は、各実施形態で例示したものに限定されない。つまり、例示していない他の生体情報を取得可能としてもよい。
サーバ48側に外部記憶手段を設け、測定した生体情報をサーバ48側に記憶する構成としてもよい。その場合、記憶部45の容量が足りなくなるような状況にも対応することができるとともに、冷蔵庫1側の記憶部45を省略することができるので、低消費電力化ならびに低コスト化を実現することができる。
報知手段を冷蔵庫1に設けたが、報知手段を外部の装置に設け、外部の装置側にて報知するようにしてもよい。具体的には、冷蔵庫1と外部の装置とを通信により接続し、冷蔵庫1にて生体情報の測定を行い、その測定結果を外部の装置側で報知する生体情報取得システムを構築してもよい。この場合、外部の装置としては、実施形態で示したものに限らず、住宅内で冷蔵庫1と無線方式や有線方式にて通信可能に接続されているいわゆるパソコンや携帯通信端末などを採用することができる。つまり、人からすると、冷蔵庫1にていつのまにか測定されていた生体情報が、自動で外部の装置やパソコン等にて記憶されることになり、一層利便性が向上する。また、例えば冷蔵庫1には設けられていない他の生体情報取得手段にて測定した生体情報と組み合わせて測定結果を比較したり、パソコンの表計算ソフトや専用ソフトなどでより専門的な解析を行ったり、いわゆるダイエットブログなどで生体情報を容易に共有可能となるなど、目的を持って生体情報を取得するようになり、生体情報の取得を継続する動機付けとなる。したがって、より一層健康維持の目的に貢献することができる。
また、外部の装置側にて報知可能とすることで、早期の対処を可能とすることができる。すなわち、実施形態で示した外部の装置による生体情報の「参照」の場合、外部の装置側で何らかのアクションが起こされた際に生体情報を見ることはできるものの、外部の装置側でアクションが起こされなければ生体情報が参照されないことになる。一方、外部の装置側に対して「報知」すれば、外部の装置側にてアクションを起こさなくても、生体情報を外部の装置側に知らせることができる。この場合、生体情報との組み合わせで報知するようにするとよい。例えば、高血圧気味の人の血圧が異常値を示した場合など、測定した本人が異常を自覚しなかったとしても緊急な対処が必要と予想される際には、受動的に「参照」されるのを待つのではなく、能動的に「報知」することで、より迅速な対処が可能となる。また、例えば家族の携帯電話等に報知するようにしておけば、定期的に生体情報が報知されるので、例えば「今日も元気でいる」など、遠隔地から対象となる人の健康状態を見守ることもできるようになる。
食材判別部52は、各実施形態で示した構成に限らず、例えば食品に無線タグを付してその種類や貯蔵量を検知するなど、他の構成であってもよい。
各実施形態では血圧センサ23、血流センサ24、心拍数センサ25、接触式体温センサ26および体脂肪率センサ27にて複合センサを構成し、設定によりその作動を制御する例を示したが、接触式体温センサ26のように手が接触すれば即座に測定結果が得られるものと、血圧センサ23や体脂肪率センサ27のように測定結果を得るまでにある程度の時間がかかるものとを別体に構成し、人の意思により、つまり、血圧センサ23や体脂肪率センサ27などを利用する意思が示されたときに作動を開始する構成としてもよい。例えば、人が操作パネル14に生体情報を測定するための操作を入力したときに体脂肪率の測定を行うようにすることなどが考えられる。
操作パネル14の表示部15を報知手段として採用したが、専用の表示器を設ける構成としてもよい。
各実施形態では開閉センサ20を独立して設けた例を示したが、生体情報取得部を開閉センサ20と兼用し、接触式の生体情報取得部に触れた際に開閉操作を検知するようにしてもよい。
各実施形態では開閉センサ20により人が取手に触れたことを検知する例を示したが、扉の開閉状態を検知する構成とし、例えば扉が開放状態になったことや閉鎖状態になったことを検知する構成としてもよい。例えば、各実施形態のように冷蔵室3が両開きの扉3aで開閉され、右側の扉3aに撮像カメラ18が設けられている場合、左側の扉3aが開放されたことを検知した場合にはそのまま顔画像を撮像し、右側の扉3aが開放されたことを検知した場合には、右側の扉3aが閉鎖されるまで待機し、閉鎖したことを検知したときに顔画像を撮像するようにすれば、扉3aの開放中に撮像されて顔画像が乱れることを防止することができる。
各実施形態では撮像カメラ18の視野方向を上下に変更可能とした例を示したが、広角レンズを設けて視野を拡大したり、複数のカメラを設けて例えば大人や子供の身長差に対応するようにしてもよい。また、撮像カメラ18の視野方向を左右に変更可能としてもよい。これは、冷蔵室3の扉3aを開ける際、人は扉3aの真正面ではなく、扉3aが開く側に立つことがあるためである。なお、予め撮像カメラ18の視野を扉3aが開く側に向けておいてもよい。非接触体温センサの測定ポイントについても同様である。
撮像カメラ18の前面にハーフミラーを設け、人が自身の顔画像を見ながら、適切な位置で顔画像を撮像できるようにしてもよい。また、撮像カメラ18にて人を検知する構成、つまり、撮像カメラ18を人検知手段として用いる構成としてもよい。
庫内に撮像カメラ18を設け、扉が開放された際に人の顔画像を撮像するようにしてもよい。このような構成にすれば、庫内の照明等の光源により照らされた状態、つまり、人の顔が同一の明るさで照らされている状態で顔画像を撮像することが可能となり、顔画像から体調などを推測する際のばらつきを低減することができる。
各実施形態では基本的に上半身の体脂肪率を測定しているが、体重センサ28側に体脂肪センサを設け、体全体の体脂肪率を測定するようにしてもよい。
各実施形態では顔画像により個人を識別したが、例えば指紋認証、声紋認証、キーワードによる音声認証、瞳孔認証、登録済み情報の選択やパスワードの入力による認証など、他のどのような方式にて個人を識別する構成であってもよい。
第1実施形態では人が触れたことに基づいて生体情報の測定を開始し、第2実施形態では冷蔵庫1の付近に人が存在するときに生体情報の測定を開始したが、それらを組み合わせて、人が付近に存在している際には非接触系のセンサにて生体情報を測定し、その後、冷蔵庫1を利用するために触れた場合に接触系のセンサにて生体情報を測定するようにしてもよい。
第2実施形態では人を検知すると生体情報の測定を開始したが、人を検知したときに生体情報の測定を促すメッセージ等を表示あるいは音声にて出力してもよい。これにより、積極的に生体情報の測定を行うようになることが期待できる。
報知手段として表示部15を示したが、生体情報の測定結果やアドバイスを音声にて報知する音声出力手段を設けて、音声にて報知する構成としてもよい。
実施形態の冷蔵庫によれば、生体情報を取得する生体情報取得手段を備えている。冷蔵庫は、食材を貯蔵するものであることから毎日利用されるとともに、一般的に生活動線内に設置されている。その冷蔵庫に生体情報取得手段を設けることにより、人は、生体情報を測定するために例えば体重計が置いてある場所にわざわざ移動しなくても、毎日立ち寄る場所にて生体情報を測定することができるようになる。したがって、人が意識することなく、継続的な生体情報の測定を促すことができ、生体情報の管理を継続的に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。