JP2017136522A - 濾過装置及び濾過方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】濾過フィルタの表面に付着した付着物を効果的に除去する洗浄手段を備えた濾過装置を提供すること。また、濾過フィルタの表面に付着した付着物を効果的に除去する洗浄工程を備えた濾過方法を提供すること。
【解決手段】本発明の濾過装置は、被処理物の供給口と処理物の排出口を有する濾過容器と、前記濾過容器内に設けられ、被処理物を濾過する筒状の濾過フィルタと、前記濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、前記濾過フィルタの外面に付着した付着物を除去するファイルタ洗浄手段と、を有し、前記フィルタ洗浄手段は、圧縮気体を生成する圧縮気体生成装置と、前記濾過フィルタの外側に配置されたノズルと、前記圧縮気体生成装置で生成した圧縮気体の噴射量を調整する調節弁と、を有し、前記ノズルは、中空の筒と、前記筒の軸方向に沿って設けられた前記圧縮気体を射出する孔を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、濾過装置および濾過方法に関する。特に、濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、濾過フィルタ外面に付着した付着物を除去する洗浄手段を備えた濾過装置に関する。また、前記付着物を除去する工程を有する濾過方法に関する。
濾過フィルタ外面に付着した付着物を除去する方法には、濾過フィルタの内側から圧縮気体を射出し、その射出圧力によって除去する方法がある。特許文献1には、この方法を用いた集塵機が開示されている。この集塵機は、縦置きした円筒形のプリーツフィルタと、フィルタの内部に設けたエレメントコーンと、エレメントコーンの上方に設けた大口径ノズルを備えている。そして、洗浄時には、ノズルから圧縮エアを100mSのパルスで放出する。そうすると、その強力な粗密波がエレメントコーンで反射してフィルタの内面に衝突し、フィルタ外面に付着した粉塵が500〜1000mm飛散する。
また、フィルタの洗浄が不要な集塵機も存在し、例えば特許文献2に記載されたものを挙げることができる。この集塵機は、2〜20μmの太い合成繊維を熱圧着して成形したフィルタを用いている。そして、このフィルタは、油煙や油滴等の塵芥が繊維に張り付いて凝集しても再液化して流れ落ちるセルフクリーニング性能を有している。
しかしながら、特許文献1のように、フィルタの内側から圧縮エアを射出する方法では、射出された圧縮エアの一部が、フィルタに当たって内側へ撥ね返るため、フィルタに向かって新たに射出された圧縮エアと、フィルタに当たってはね返った圧縮エアが衝突し、新たに射出された圧縮エアの風速が落ちてしまうという問題があった。圧縮エアの風速が落ちると、フィルタ外面に付着した付着物を除去しづらくなるという問題があり、特に紙粉、繊維状の粉塵、水分量の多い粉塵などがプリーツフィルタの襞間に積層した場合、除去が困難であった。これを解決するために、ノズルから圧縮エアを射出する際の空気圧を上げる方法が考えられるが、ランニングコストが上昇してしまう等のデメリットがある。
また、圧縮エアをフィルタの内側から射出すると、プリーツフィルタ全体が外側へ膨れ、襞と襞の間に付着物を抱え込んでしまうため、剥離量が著しく少なくなってしまうというデメリットもあった。
また、特許文献2のように、セルフクリーニング性能を備えたフィルタを用いることもできるが、フィルタの選択肢が限られてしまうという問題がある。特に、一般的なフィルタを用いた経済性の高い集塵機が望まれる中で、フィルタの選択肢が限られるということは、大きなデメリットとなる。
特開平10−230121号公報 特開2010−201329号公報
そこで、本発明が解決しようとする主たる課題は、濾過フィルタの表面に付着した付着物を効果的に除去する洗浄手段を備えた濾過装置を提供することにある。また、濾過フィルタの表面に付着した付着物を効果的に除去する工程を備えた濾過方法を提供することにある。
この課題を解決するための本発明は、次の通りである。
[請求項1記載の発明]
被処理物の供給口と処理物の排出口を有する濾過容器と、
前記濾過容器内に設けられ、被処理物を濾過する筒状の濾過フィルタと、
前記濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、前記濾過フィルタの外面に付着した付着物を除去するファイルタ洗浄手段と、を有し、
前記フィルタ洗浄手段は、
圧縮気体を生成する圧縮気体生成装置と、
前記濾過フィルタの外側に配置されたノズルと、
前記圧縮気体生成装置で生成した圧縮気体の噴射量を調整する調節弁と、を有し、
前記ノズルは、中空の筒と、前記筒の軸方向に沿って設けられた前記圧縮気体を射出する孔を有することを特徴とする濾過装置。
(作用効果)
濾過フィルタの外方から濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、濾過フィルタの外面に付着した付着物に圧縮気体を直接当てることによって、付着物に対する物理的作用が大きくなり、付着物の除去効果を高めることができる。従来のように、圧縮気体を濾過フィルタの裏面に当てて付着物を除去する場合よりも弱い圧力で、付着物を除去することができる。また、前記のように付着物に対する物理的作用が大きいため、紙粉、繊維状の粉塵、水分量の多い粉塵などがプリーツフィルタの襞間に積層した場合であっても、それらの付着物を除去することができる。
また、圧縮気体を射出する孔が中空の筒の軸方向に沿って設けられており、孔から射出した圧縮気体が濾過フィルタにライン状に当たるため、濾過フィルタをライン状に洗浄することができる。すなわち、一度に一カ所のみを洗浄するのではなく、ライン状に洗浄するため、洗浄時間を短縮することができる。それとともに、濾過フィルタの場所によって洗浄されていたり、洗浄されていなかったりという不均質を避けることができる。
[請求項2記載の発明]
前記ノズルの筒の形状は直線状であり、
前記筒は前記濾過フィルタの長手方向と並列に配置され、
前記筒には、前記筒の軸方向に沿って複数の点状の孔が所定間隔で設けられ、
前記点状の孔は、筒壁のうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられている請求項1記載の濾過装置。
(作用効果)
孔から射出した圧縮気体が、濾過フィルタの長手方向にライン状に当たるため、濾過フィルタを長手方向に均等に洗浄することができる。
[請求項3記載の発明]
前記ノズルの筒の形状は直線状であり、
前記筒は前記濾過フィルタの長手方向と並列に配置され、
前記筒には、前記筒の軸方向に沿って延在するスリット状の孔が設けられ、
前記スリット状の孔は、筒壁のうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられている請求項1記載の濾過装置。
(作用効果)
請求項2と同様の作用効果を奏する。
[請求項4記載の発明]
前記ノズルの筒の形状は環状であり、
前記筒は前記濾過フィルタの外面を取り囲んで配置され、
前記筒には、前記筒の軸方向に沿って所定間隔を空けた複数の点状の孔または前記筒の軸方向に沿って延在するスリット状の孔の少なくとも一方が設けられ、
前記点状の孔またはスリット状の孔は、筒壁のうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられている請求項1記載の濾過装置。
(作用効果)
孔から射出した圧縮気体が、濾過フィルタの周方向にライン状に当たるため、濾過フィルタを周方向に均等に洗浄することができる。
特に、筒の形状が直線状のノズル(ライン状ノズルやドット状ノズル)の場合は、濾過フィルタの全周(360度)に圧縮気体を当てるため、濾過フィルタを回転させるか、濾過フィルタの周りを前記ノズルが回転するような機構が必要であるが、リング状ノズルの場合は、そのようなことをしなくても、濾過フィルタの全周(360度)に圧縮気体を当てることができる。
[請求項5記載の発明]
前記環状のノズルは、前記濾過フィルタの長手方向に沿って、複数設けられている請求項4記載の濾過装置。
(作用効果)
濾過フィルタを周方向に均等に洗浄するのみならず、長手方向にも均等に洗浄することができる。
[請求項6記載の発明]
前記環状のノズルは、前記ノズルを前記濾過フィルタの長手方向に沿って移動させる動力発生機と接続されている請求項4記載の濾過装置。
(作用効果)
請求項5と同様の作用効果を奏する。
また、環状のノズルを複数設ける場合よりも、製造コストを安くすることができる。
[請求項7記載の発明]
濾過装置内の濾過フィルタを用いて、被処理物を濾過する濾過工程と、
前記濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、前記濾過フィルタの外面に付着した付着物を除去する洗浄工程と、を有し、
前記洗浄工程は、
圧縮気体生成装置で圧縮気体を生成する生成工程と、
ノズルの軸方向に沿って設けられた孔を通じ、前記濾過フィルタの外面に向かって、前記圧縮気体を射出する射出工程と、を有することを特徴とする濾過方法。
(作用効果)
請求項1と同様の作用効果を奏する。
本発明によれば、濾過フィルタの表面に付着した付着物を効果的に除去することができる。
第1実施例に係る濾過装置の構造説明図である。 濾過フィルタの説明図である(洗浄装置は図示省略)。 脱水乾燥工程のケーキ、濾過膜およびフィルタ支持体の断面図である。 加熱空気が加熱気体通路を下から上へ流れることの説明図(断面図)である。 加熱空気が加熱気体通路を上から下へ流れることの説明図(断面図)である。 加熱空気が加熱気体通路を上から中央へ、下から中央へ流れることの説明図(断面図)である。 プリーツフィルタの襞の斜視図(一部破断図)である。 円筒型フィルタの斜視図である。 横型の濾過装置を用いた場合の構造説明図である(洗浄装置は図示省略)。 濾過工程のフロー図である。 排液工程のフロー図である。 脱水乾燥工程のフロー図である。 洗浄工程のフロー図である。 リング状ノズルを配置した濾過装置の横断面図である。 リング状ノズルに複数の圧縮気体生成装置を配した濾過装置の横断面図である。 本発明に係るノズルの断面図である。(16a)(16b)ともに、断面形状が円形であって、(16a)は断面視において孔を一つ設けた場合、(16b)は断面視において孔を二つ設けた場合を示す。 断面形状が四角形の筒内の液残りの説明図である。(17a)の状態から(17b)の状態を経て(17c)の状態に変化するにつれて、スラリー量が減少している。 断面形状が四角形の筒内の液残りの説明図である。(18a)の状態から(18b)の状態を経て(18c)の状態に変化するにつれて、スラリー量が減少している。 筒に取り付けられた自動開閉蓋の動作の説明図である。(19a)の状態から(19b)の状態へ、(19b)の状態から(19c)の状態へ変化することを示す。また、その逆の変化も可能である。 筒が首振りすること説明図である。(20a)の状態から(20b)の状態へ、(20b)の状態から(20c)の状態へ変化することを示す。また、その逆の変化も可能である。 ライン状ノズルの側面図である。 ライン状ノズルと濾過フィルタの位置関係を示す斜視図である。 ドット状ノズルの側面図である。 ドット状ノズルと濾過フィルタの位置関係を示す斜視図である。 汚染空気を濾過する横型濾過装置の横断面図である。 汚染空気を濾過する縦型濾過装置(ノズル移動式)の横断面図である。 汚染空気を濾過する縦型濾過装置(複数ノズル式)の横断面図である。 リング状ノズルの斜視図である。(28a)はスリット状の孔を設けた場合、(28b)は点状の孔を設けた場合を示す。 その他の実施形態を示す平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の一実施形態を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきでない。
(被処理物A)
本発明に係る濾過装置10によって濾過される被処理物Aとしては、例えば、トンネル構内排水、吹付け用生コンプラント排水、ダイスライム回収排水、バッチャープラント排水、河川工事ドライピット排水、深礎工事排水、グラウト工事排水、シールド工事排水、シールド余剰泥水、浚渫埋立排水、ケイソン工事排水、場所打杭排水、床面洗浄排水、ウェルポイント工事排水、基礎工事ヤード排水、タイヤ洗浄排水、コアボーリング排水、ダイヤモンドカッター排水、土壌汚染掘削ヤード排水、VOC分解洗浄排水、焼却炉解体洗浄排水、放射能除染工事排水、ワイヤーソー切断工事排水、ウォータージェット切断工事排水、製紙工場プロセス排水、パルプ工場プロセス排水、食品工場洗浄排水、生コン工場洗浄排水、コンクリート二次製品工場排水、砕石工場ヤード排水、ガス洗浄スクラバ排水、ゴミ焼却炉急冷塔排水、転炉ガス洗浄排水、アーク炉ガス洗浄排水、銀回収工程排水、洗砂装置排水、水洗中和排水、バレル研磨排水、電界研磨排水、ガラス研磨排水、ウェットブラスト排水、吹付塗装ブース排水、カチオン塗装排水、ステンレス酸洗排水、原料ヤード排水、原料コンベア洗浄排水、堆積ダスト湿式回収排水、工場ヤード排水、連鋳排水、圧延冷却排水、除湿ドレン排水、浸漬切断ヤード排水、鉱さいヤード排水、船舶底部ビルジ排水、造船ドッグ排水、除貝排水、冷却塔ブロー排水、染色工場排水、ミルクプラント洗浄排水、トンネル壁面洗浄排水、建物外壁洗浄排水、洗車排水、ゴルフ場排水、産業処分場浸出水、等の排水を挙げることができる。
なお、被処理物Aは、前記に例示した液体に限られるものではなく、気体や固体であっても良い。例えば、圧延加工や絞り加工、切削加工、バイオディーゼル生成等に際して飛散した油煙や油滴等の塵埃によって汚染された空気を被処理物Aとしても良い。そして、濾過フィルタ12によって捕捉される塵埃としては、例えば、ダイスオイルミストやタービンオイルミスト、コンプレッサーオイルミスト、油拡散真空ポンプ排気油煙、食品フライヤーヒューム、油焼入れ・熱処理煙、メッキヒュームなどを挙げることができる。なお、この捕捉対象となる塵埃は、その発生場所や由来等が特に限定されず、例えば、切削油(水溶性切削油、鉱物油切削油等)や潤滑剤・離型剤(高温プレス用等)などの液体由来の塵埃であっても良い。
また、ゴムやスポンジ等の弾性や圧縮性を有する粉体や流体を被処理物Aとしても良い。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る濾過装置10は、密閉された濾過容器11内で、被処理物A(例えばスラリー)を濾過フィルタ12で濾過し、処理物B(例えば濾液)及びケーキKを排出する全量濾過(デッドエンド濾過)型の装置である。この濾過装置10において、ケーキKを排出する際は、まず加熱気体HAを用いてケーキKを脱水・乾燥し、次に洗浄用の圧縮気体WAを用いて濾過フィルタ12から乾燥ケーキKを剥離し、そして剥離したケーキKを排出口から排出するフローになっている。このフローについては後で詳述することにして、まずは濾過装置10の構成について説明する。
(濾過容器11)
濾過装置10は濾過容器11を有している。この濾過容器11の下部にはケーキ排出シュート11Sが設けられ、ケーキ排出シュート11Sから上方に筒状の濾過フィルタ内蔵部11Uが連続する形状となっている。この濾過容器11の形状は、前記の形状に限られるものではなく、ケーキ排出シュート11Sがない形状など、任意の形状に変更しても良い。
(筒状体12s)
濾過容器11内には、壁面に濾液Bの透過孔が形成され、内部に濾液通路12rが形成された筒状体12sが設けられる。筒状体12sの形状や姿勢は特に限定されないが、図示した一例では円筒形状であって、その中心軸が濾過容器11の上下方向に沿う姿勢で、濾過容器11内に配されている。そのほか、筒状体12sの形状を角筒形などの任意の公知形状に変更しても良いし、筒状体12sの姿勢を筒状体12sの中心軸が斜めに傾斜するように濾過容器11内に設置しても良い。
なお、図示した前記筒状体12sは、パンチングメタルなどの透過孔を有する平板を円筒状に成形したものであり、筒状体12s内の空間は濾液通路12rとなる。また、筒状体12s内の上部と下部には、邪魔板(図示形態では平板)21u、21dがそれぞれ水平方向に設けられている。邪魔板21u、21dのうち、少なくとも下部の邪魔板21dは、スポット溶接によって筒状体12sの内面に固定されている。そのため、筒状体12s内面と下部の邪魔板21dの端縁の間には隙間が空いており、濾液通路12rを流下して邪魔板21dの上面に到達した濾液Bは、この隙間を通って、濾液排出管14へと流れ落ちる。
なお、筒状体12sは内部に濾液通路12rを作るという機能のほか、邪魔板21u、21dと協同して、加熱空気HAを加熱気体通路22内へ誘導する機能もある。
(濾過膜12m)
前記筒状体12sの壁面の外側には、濾過膜12mが形成されている。この濾過膜12mとしては、表面積(濾過面積)が広いことから、平坦な濾材をジグザグに折り曲げつつ、筒状体12sの外周面に巻き付けて、円筒状に形成したプリーツフィルタを好適に用いることができる。前記のようにジグザグに折り曲げることで複数の襞が生じる。また、その襞の上端および下端は、水平方向に配置した不織布12mT、12mDによって覆われている。
濾過膜12mは、単層または多層にすることができる。この濾過膜12mの素材(濾材)として、例えば、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ステンレス、ナイロン等を用いることができる。また、濾過膜12mの素材には、ぬれ性の良いもの(親水性のもの)を用いることが好ましい。ぬれ性は、固体表面と液滴の接線の間の接触角θを測定することによって示され、固体/気体間の界面張力γVS、液体/気体間の界面張力γLV、液体/固体間の界面張力γLSによって決定する。この接触角と界面張力の関係は、下記の式1(ヤングの式)によって表すことができる。
γVS=γLS+γLV cosθ ・・・式1
なお、撥水性の素材(接触角θが90度以上の素材)に対して、プラズマを照射する方法、紫外線(UV)を照射する方法、薬品処理する方法などにより、素材の表面を親水性にすることも可能である。しかし、このような素材は大気中に置くと再び疎水性に戻ってしまい、親水性を維持できる期間が短い。したがって、もとから親水性の素材(接触角θが90度未満の素材)を用いることが好ましい。特に、超親水性の素材(接触角θが5度未満の素材)を用いることが好ましい。
前記濾過膜12mの具体的な素材としては、例えば、東レ株式会社のポリエステル長繊維不織布「アクスター」(登録商標)のG2260-1S BK0を用いることができる。
前記濾過膜12mの膜厚は、好ましくは0.3〜0.7mm、より好ましくは0.6mmである。また、濾材の繊維径(投影面積円相当径、Heywood径をいう。以下、同じ。)は、好ましくは0.5〜20μmであり、より好ましくは7μmである。繊維径が0.5μmより細い繊維を用いると、濾過時の抵抗が大きくなるとともに、見かけの表面積が狭くなる。また、繊維径が20μmよりも太い繊維を用いると、懸濁粒子(濾過対象物)が濾過膜12mを透過してしまい、ケーキKを形成できなくなる。
したがって、繊維径が0.5〜20μmの濾材を用いて、ある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mを形成することが好ましい。このようなある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mによって、濾過時には、濾過膜12mの目に懸濁粒子が食い込んでコーティング層が形成されるため、そのコーティング層を新たな濾過フィルタ12として利用することができる。他方、脱水乾燥時には、見かけの表面積が増え、加熱気体HAが直接当たる濾過膜12mの面積が増えるため、濾過膜12m(延いては、ケーキK)を脱水乾燥しやすくなる。また、濾過膜12mの目に食い込んだ懸濁粒子に加熱気体HAが直接当たるため、懸濁粒子を直接脱水乾燥できるとともに、濾過膜12mを介した毛細管現象のほかに、懸濁粒子を介した毛細管現象も生じるため、ケーキKの脱水乾燥速度を速めることができる。
この濾過膜12mの長手方向の長さは、例えば300mm〜2000mmにすることができる。
本形態において、濾過膜12mの表面12fとは、濾過容器11側を向いている面をいい、濾過前のスラリーAが接する面をいう。一方、濾過膜12mの裏面12bとは、筒状体12s側を向いている面をいい、スラリーAが濾過膜12m内を通過した後に排出される面をいう。また、ケーキKの表面Kfとは、濾過容器11側を向いている面をいい、濾過前のスラリーAと接する面をいう。一方、ケーキKの裏面Kbとは、筒状体12s側を向いている面をいい、濾過膜12mの表面12fと接する面をいう。
また、濾過膜12mの表面12fに圧縮気体WAが直接噴き付けられるため、濾過膜12mが圧縮気体WAの衝撃波で破損しないように、所定の強度以上の濾過膜12mを用いることが好ましい。例えば、JIS L‐1906の測定方法において、引張強度(N/5cm)タテ:1200、ヨコ:700、破裂強力(kgf/cm2)タテ:25のものを用いると良い。
(プレコーティング層)
なお、スラリーAに含まれる懸濁粒子(濾過対象物)の粒径が濾材の目の大きさよりも小さい場合は、濾過精度が悪くなる。また、ゲル状、コロイド状などになっている付着性が強いスラリー(例えば、ベントナイトスラリー、凝結剤を使用したときのスラリー、藻や海苔のスラリー)の場合は、濾材が目詰まりしやすい。したがって、このような場合は、不具合を防ぐため、珪藻土、ゼオライトなどからなるプレコーティング層を形成することが好ましい。
(凝集剤)
また、前記プレコーティング層の形成に代えて、懸濁粒子を凝集させる凝集剤(凝集沈降剤)を使用することもできる。この凝集剤によって懸濁粒子が凝集するため、濾材12mの目が懸濁粒子より大きかったとしても、懸濁粒子と濾液Bを分離することができる。この凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、高塩基性塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムなどを用いることができる。
(フィルタ支持体25)
また、襞の内面に(濾過膜12mの裏面12bと接するように)、その襞形状に沿うように、ハニカムメッシュや金網等をジグザグに折り曲げた支持板(フィルタ支持体25)を配することが好ましい。濾過膜12mの表面12fにケーキKが積層するにつれて、プリーツフィルタの襞が押し潰され、襞内の空間が無くなる「閉塞」の生じる可能性があるが、支持板25を設けることでこの閉塞を防ぎ、加熱空気HAを流す襞内の空間(加熱気体通路22)を維持することができる。
(供給手段、排出手段)
濾過容器11の一端側には、被処理物Aの供給管13が取り付けられている。被処理物Aを貯留する図示しない貯留槽と前記濾過容器11の間は、この供給管13によって繋がれており、被処理物Aは図示しない圧送ポンプによって貯留槽から濾過容器11へと送られる。
また、濾過容器11の供給管13と反対側には、濾過容器11の外に濾液Bを排出する濾液排出管14が貫通している。濾液排出管14は濾過フィルタ12の濾液通路12rの下端開口から濾過容器11外へ導かれ、濾液排出バルブ14vを介して図示しない貯留槽や排水先等に導かれる。
(圧力気体供給手段)
濾過容器11の側壁における濾過フィルタ12と同じ高さ(濾過フィルタ12の上端と下端の間のいずれかの位置)には、濾過容器11の内面と濾過膜12mの表面12fとの間の空間50に、スラリーA供給手段による供給圧よりも高い圧力で加圧気体CA(以下、「圧気」ともいう。)を供給する圧気供給管15が開口されている。圧気供給管15の開口位置は適宜定めることができるが、図示形態では濾過フィルタ12上部の高さ位置に設けている。圧気供給管15は、圧気供給バルブ15vを介して図示しないコンプレッサに接続される。また、加圧気体CAには、空気だけでなく、窒素等を用いることもできる。
(第1加熱気体供給手段)
濾液排出管14に第1の加熱気体供給管16Aが連結している。加熱気体HAは、この第1加熱気体供給管16Aから供給され、加熱気体通路22を下方から上方へ向かって流れることになる。第1加熱気体供給管16Aは、第1の加熱気体供給バルブ16v1を介して図示しないブロワ等の送風装置に接続される。加熱気体HAとしては、空気だけでなく、窒素等を用いることもできる。
筒状体12sの上方に位置する濾過容器11の天面11Tには、第1加熱気体供給管16Aから供給されて濾過膜12mを加熱した後の加熱気体HA(排ガスX3)を排気する第1の加熱気体排気管17Aが連結している。第1加熱気体排気管17Aには第1の加熱気体排出バルブ17v1が設けられ、第1加熱気体排気管17Aを通って濾過装置10の外へ排気される排ガスX3の流量や、排気する・しないの調整を行っている。
(第2加熱気体供給手段)
濾過容器11の上方外側に第2の加熱気体供給管16Bを設けることもできる。別の加熱気体HAは、この第2加熱気体供給管16Bから供給され、加熱気体通路22を上方から下方へ向かって流れることになる。なお、図示例では、第2加熱気体供給管16Bを通じて、第1加熱気体排気管17Aに加熱気体HAを供給している。また、第2加熱気体供給管16Bは、第2の加熱気体供給バルブ16v2を介して図示しないブロワ等の送風装置に接続される。加熱気体HAの種類やブロワの種類は、第1加熱気体供給管16Aと同様である。
濾液排出管14には、第2加熱気体供給管16Bから供給されて濾過膜12mを加熱した後の加熱気体HA(排ガスX4)を排気する第2の加熱気体排気管17Bが連結している。第2加熱気体排気管17Bには第2の加熱気体排出バルブ17v2が設けられ、第2加熱気体排気管17Bを通って濾過装置10の外へ排気される排ガスX4の流量の調整や、排気する・しないの調整を行っている。
(第3加熱気体供給手段)
濾過容器11の側壁における濾過フィルタ12と同じ高さ(濾過フィルタ12の上端と下端の間のいずれかの位置)には、濾過容器11の内面と濾過膜12mの表面12fとの間の間隙50に加熱気体HAを加圧供給する第3の加熱気体供給管16Cが接続されている。第3加熱気体供給管16Cは、第3の加熱気体供給バルブ16v3を介して図示しないブロワ等の送風装置に接続される。加熱気体HAの種類やブロワの種類は、第1加熱気体供給管16Aと同様である。
濾過容器11の側壁に第3の加熱気体排気管17Cを設けるとともに、第3加熱気体排気管17Cに第3の加熱気体排出バルブ17v3を設けることもできる。第3加熱気体供給管16Cから供給された加熱気体HAは、ケーキKの表面Kfに当たってケーキKを加熱した後、この第3加熱気体排気管17Cを介して濾過容器11の外に排気される。また、ケーキKの脱水乾燥によってケーキK内に通気孔が生じている場合、第3加熱気体供給管16Cから供給された加熱気体HAの一部は、ケーキKの通気孔、濾過膜12mの透過孔、支持体25の透過孔を通って間隙22へ流れ、間隙22を上下に流れる他の加熱気体HAと合流する。そして、他の加熱気体HAが流れる方向にしたがって、第1加熱気体排気管17Aまたは第2加熱気体排気管17Bから排気される。なお、第3加熱気体排気管17Cは、後述するバイパス加熱気体の排気管としても利用可能である。
本発明に係る濾過装置10は、前記第1加熱気体供給手段および前記第2加熱気体供給手段の少なくとも一方を備えていることが好ましい。これらの供給手段によって供給された加熱気体HAを用いて、濾過膜12mを裏面12b側から加熱して脱水乾燥させる。また、濾過膜12mの裏面12b側からの脱水乾燥に伴って、濾過膜12mに付着したケーキKも間接的に脱水させ、乾燥させる。なお、濾過膜12mとケーキKの脱水乾燥速度を促進させるため、図1に示したように、第1加熱気体供給手段、第2加熱気体供給手段および第3加熱気体供給手段の全てを備えるようにしても良い。
(ケーキ排出手段)
ケーキ排出シュート11Sには、その下端開口部を弁座とするバタフライバルブによりケーキ排出弁19が構成されており、このケーキ排出弁19の開閉によりケーキ排出状態と、密閉状態とが切り替え可能となっている。このケーキ排出弁19の構造は特に限定されず、ケーキ排出シュート11Sに一体化せず、下方に別途の弁装置を連結しても良い。また、バタフライバルブ以外の公知のバルブを用いても良い。
本形態では、ケーキ排出シュート11S内からスラリーAを抜くためのドレン手段としてドレン配管19p及びドレンバルブ19vも設けられている。図示形態では、ケーキ排出弁19の弁体19bが濾過容器11の底面に位置するため、ドレン配管19pをケーキ排出弁19の弁体19bを貫通させて設けているが、ケーキ排出シュート11Sの側壁等、適宜の位置に設けることもできる。
(フィルタ洗浄手段35)
濾過装置10を用いて濾過を行うにつれて、濾過フィルタ12の外面12fにケーキKが堆積する。ケーキKが堆積すると濾過能力が低下するため、このケーキKを確実に剥離・除去する必要がある。そのため、本発明ではフィルタ洗浄手段、すなわち洗浄装置35を設けている。この洗浄装置35は、濾過装置10の一部品として製造しても良いし、濾過装置10とは別製品として製造し、濾過装置10に後付けしても良い。
洗浄装置35は、濾過フィルタ12の外側に配置される。
図1に示した洗浄装置35は、濾過容器11の外側に配置したリング状ノズル36sと、濾過フィルタ12を洗浄する圧縮気体WAを生成する圧縮気体生成装置43(コンプレッサともいう。)と、生成した圧縮気体WAを蓄積するタンク38(エアタンクともいう。)(主タンク38Bと分岐タンク38Aを例示することができる。)と、リング状ノズル36s、分岐タンク38B、レギュレータ44(図1のように設けない場合もある)、主タンク38A、圧縮気体生成装置43のそれぞれを繋ぐ配管40と、リング状ノズル36sと分岐タンク38Aを繋ぐ配管40の中ほどに設けられた圧縮気体WAの噴射量を調節する調節弁39(エアパルス弁と言うこともできる)を有している。前記リング状ノズル36sは、図28に示したように、濾過容器11の外周面を取り囲むように配置した円形(平面視の場合の形状)の中空の筒42と、その筒42の軸方向に沿って所定間隔を空けて配置した複数の点状の孔37(37D)またはその筒42の軸方向に沿って延在するスリット状の孔37(37L)の少なくとも一方と、を有している。そして、前記点状の孔37Dまたは前記スリット状の孔37Lは、筒42の壁面のうち、濾過フィルタ12と対面する側(筒42の内周面42M)に設けられている。また、図14、図15、図28において、筒42の外周面は42Nと示している。
リング状ノズル36sの内周面は、濾過容器11の外面と接しており(パッキン等を挟む形態でも良い)、その接合部分において、濾過容器11にもリング状ノズル36sの孔37(37Dまたは37L。以下、「孔37」と表示した場合は、同様。)と同様の孔(図示しない)が設けられている。圧縮気体生成装置43で生成した圧縮気体WAは、リング状ノズル36sの孔37および濾過容器11の孔を通って、濾過フィルタ12の外面へ放出される。孔37から放出された圧縮気体WAは、衝撃波となって濾過フィルタ12に衝突し、その衝撃力によって濾過フィルタ12からケーキKを剥離する。本発明では、このような圧縮気体WAによる衝撃波(エアパルス)を用いてケーキKを剥離することができる。前記従来例では圧縮気体を濾過フィルタの内面に噴き付けていたが、本発明のように濾過フィルタ12の外面に噴き付けることで、圧縮気体WAの衝撃波がケーキKに直接当たるため、濾過フィルタ12に付着したケーキKが剥離・除去しやすくなる。
また、図1のリング状ノズル36sの筒42の断面は、図18に示すような長方形状であるが、この断面形状は任意に変更することができる。例えば、この筒42の断面の高さ方向の長さを25〜70mm、横方向の長さを25〜70mmにすることができる。この筒42のサイズは、調節弁39のサイズによって決定する。すなわち、調節弁39のサイズが大きくなるほど圧縮気体生成装置43から筒42内へ送られる圧縮気体WAの量が多くなるため、筒42の断面積も大きくするというように、孔37から噴射される圧縮気体WAの衝撃波が均一となり、かつ圧力損失が無いように設計することが好ましい。
また、孔37の高さ方向の長さ37hは、例えば1〜3mmにすることができる。高さ方向の長さが1mmに満たない場合は、噴射される圧縮気体WAの量が少なすぎるため、ケーキKを剥離しづらくなる。また、3mmを越える場合は、噴射される圧縮気体WAの量が多くなりすぎるため、濾過膜12mを痛めてしまう可能性がある。
さらに、筒42を平面視した場合において、筒42の中心軸の一周の長さは、濾過容器11や濾過フィルタ12の外周の長さに合わせて決められるが、例えば1000〜1500mmにすることができる。
これまでは断面形状が長方形の筒42を説明してきたが、断面形状は任意に変更することができ、例えば円形、正方形、楕円形、多角形などにすることができる。また、筒42の外面42aと内面42bの断面形状は同じである場合が多いが、異なる形状にしても良い。例えば、外面42aの形状を長方形とし、内面42bの形状を円形としても良い。
また、図18に示すように、リング状ノズル36sの孔37は、筒42の高さ方向の下側に設けたが、上側や中間に設けても良い。詳しくは後述するが、被処理物A(例えば、スラリー)を濾過している間(濾過工程)は、濾過容器11と濾過フィルタ12の間の間隙50に被処理物Aが充満している。そして、濾過工程の後の排液工程において、充満している被処理物Aをスラリー排出管19pから排出する。このとき、濾過容器11内にリング状ノズル36sを設けた場合(後述するライン状ノズル36r、ドット状ノズル36dの場合も同様)、図17に示すように、孔37が筒42の高さ方向中央にあると、筒42内に入り込んだ被処理物Aが、筒42内から排出されない可能性が高い(図17の17c参照)。そのため、図18に示すように、筒42の高さ方向下側に孔37を設けることが好ましく、これによって筒42内から被処理物Aを確実に排出することができる(図18の18c参照)。また、孔37を図17に示すような位置に設けた場合は、筒42内に入り込んだスラリーを抜く孔(図示しない)を別途設けると良い。なお、被処理物Aが気体である場合は、このような孔を設けなくても良い。
なお、孔37を筒42の高さ方向下側に設けた場合、圧縮気体WAを噴射する位置が下側になってしまうという欠点がある。そのため、圧縮気体WAの噴射位置を第一に考える場合は、孔37の位置を高さ方向中央に設けることが好ましい。
また、図16に断面形状を円形にした筒42を示した。図16の16aに示すように、筒42の断面視における孔37の数を一つにすることもできるが、図16の16bに示すように、二つ以上にしても良い。孔37の数を増やすことによって、衝撃波の衝撃力が及ぶ面積を広げることができる。一方、孔37の数を一つに絞ることによって、衝撃波の衝撃力を強めることができるという利点もあるため、断面視における孔37の数は、どちらを重視するかによって決めれば良い。なお、図16bの2つの孔37は、水平方向から上下に約45度の角度をつけているが、この角度は任意に変更することができる。このように角度をつけることによって、プリーツフィルタ12の谷部(襞の基端側部分)に溜まって剥離しづらいケーキKを剥離することができる。
また、筒42の外面または内面に、孔37を開閉する自動開閉蓋41を設けても良い。図19に、筒42の外面に自動開閉蓋41を備えたリング状ノズル36sを示した(後述するライン状ノズル36r、ドット状ノズル36dの場合も同様)。この図19では、筒42の断面形状を円形にし、高さ方向の上側と下側に孔37を設けた形態を示している。図19の19aに示すように、濾過工程では前記蓋41を閉じ、図19の19b、19cに示すように、被処理物Aが孔37から筒42内に入り込まないようにし、洗浄工程では前記蓋41を開にして、孔37から圧縮気体WAを所定方向に噴射することができる。なお、図19に示した自動開閉蓋41は、断面視で360度回転可能となっており、この蓋41を左方向または右方向に回転することによって、孔37の開口位置を自由に調整することができる。例えば、図19bのように下側の孔37だけ開口(この段落において、蓋41に覆われていないことを意味する。)させることもできるし、図19cのように上側と下側の両方の孔37、37を開口させることもできる。また、図示していないが、上側の孔37だけ開口させても良く、この孔37の開口位置や開口度合い(蓋41と孔37の重なり度合い)は、ケーキKの剥離状況に応じて、剥離したいケーキKが存在する方向に向かって圧縮気体WAを噴射するように制御することが好ましい。
なお、圧縮気体WAの種類としては、経済的な観点から空気を用いること好ましいが、不燃性ガスである窒素ガスやアルゴン等を用いても良い。また、この圧縮気体WAを噴射するときの圧力は、0.1〜0.6MPaが好適である。圧力が0.1MPaよりも低い場合は、濾過フィルタ12のケーキKが剥離しづらくなり、0.6MPaよりも高い場合は、圧縮気体WAの圧力によって濾過膜12mが痛んでしまう可能性がある。この噴射圧力の値は、ケーキKの付着力(ケーキKを構成する物質の種類、含水量等)を考慮して決めると良い。
また、ケーキKを万遍なく剥離するため、濾過フィルタ12の外周面全体に対して圧縮気体WAを等しい圧力で噴射することが望ましい。そのため、図14に示すように、1つのリング状ノズル36sに対して、1つの分岐タンク38Aを接続することもできるが、図15に示すように、2つ以上の分岐タンク38Aを接続して噴射位置による噴射量の違いを低減させることがより好ましい。詳しくは、2つ以上の分岐タンク38Aを接続する場合は、筒42と分岐タンク38Aを接続する配管40の供給口45(筒42と配管40の接続部分)の位置を等間隔にすることが好ましい。例えば、図15に示すように、分岐タンク38Aを3つ設ける場合は、円形の筒42の中心点を基準として、120度の間隔で供給口45を設けると良い。
また、リング状ノズル36rに取り付ける調節弁39の設置数は、濾過フィルタ12の大きさや、被処理物Aの状態(形状が毛状であるか否か(毛状の場合は除去しづらい)、素材が紙粉であるか否か(紙粉の場合は除去しやすい)、性質が濾過フィルタ12に固着しやすいか否かなど)等によって決定することが好ましい。例えば、被処理物Aが、濾過フィルタ12に対する付着力が弱い粉塵である場合は、リング状ノズル36rから噴射される圧縮気体量が不均一であったとしても、粉塵を除去する(粉塵を吹き飛ばす。粉塵を払い落とす。)ことが可能であるため、調節弁39の数は一つで十分である。しかし、被処理物Aの付着力が強い場合など、除去しづらい場合は、リング状ノズル36rから噴射される圧縮気体量を均一にすることが求められるため、例えば、前記120度の間隔で3つ供給口を設ける(120度の間隔で3つの調節弁39を設ける)ことが好ましい。
なお、リング状ノズル36rに調節弁39を複数設けた場合は、調節弁39の開閉を同期させ、筒42の内周面に設けた孔37の全方向(360度の方向)から、均等な量の圧縮気体WAを同時に噴射させることが好ましい。
また、図1に示すように、リング状ノズル36sを1つだけ設けても良いが、濾過フィルタ12を万遍なく洗浄するためには、2つ以上のリング状ノズル36sを設けると良い。例えば、3つのリング状ノズル36sを3つ設ける場合は、図27に示すように、濾過フィルタ12の軸方向(図27では、上下方向)中央部に1つ設けるとともに、軸方向両端部にも1つずつ設けると良い。また、図27では、圧縮気体生成装置43と主タンク38Bの間、主タンク38Bとレギュレータ44の間、レギュレータ44と3つの分岐タンク38Aの間が、それぞれ配管40によって接続されている。圧縮気体生成装置43で生成された圧縮気体WAは、いったん主タンク38Bに蓄積される。そして、主タンク38Bに蓄積された圧縮気体WAは、レギュレータ44によって、各分岐タンク38Aに均等な圧力で分配され、各分岐タンク38Aで蓄積される。なお、図26のようにリング状ノズル36sを一つだけ設ける場合であっても、エアパルスを連続して発生させるため、主タンク38Bを設けることが好ましい。
また、このように複数のリング状ノズル36sを設けた場合は、各リング状ノズル36sに取り付けた各調節弁39を同期させなくても良い。すなわち、例えば、上下方向の上側に配置したリング状ノズル36sと接続した調節弁39と、上下方向の中ほどに配置したリング状ノズル36と接続した調節弁39と、上下方向の下側に配置したリング状ノズル36と接続した調節弁39の開閉時期を異なるようにすることもできる。また、圧縮気体WAを噴射するパターンをレシピ化し、被処理物の種類によって、そのタイミングを変えることもできる。例えば、上下方向の上側のリング状ノズル36sから圧縮気体WAを噴射した後、上下方向の中ほどのリング状ノズル36sから圧縮気体WAを噴射し、その後に上下方向の下側のリング状ノズル36sから圧縮気体WAを噴射し、この順序に従って繰り返し噴射するというパターンを用いることができる。このようなパターンを複数用意した場合、被処理物Aの種類によって、パターンを選ぶことができる。例えば、被処理物Aの重量が重い場合は、濾過フィルタ12の下側にケーキKができやすいため、最初に濾過フィルタ12の下側に噴射するパターンを選ぶと良い。一方、被処理物Aの重量が軽い場合は、濾過フィルタ12の上側にケーキKができやすいため、最初に濾過フィルタ12の上側に噴射するパターンを選ぶと良い。なお、濾過フィルタ12の長手方向に沿って複数のリング状ノズル36sを設けた場合、各リング状ノズル36sの圧縮気体WAの噴射時期を同時にすると、隣り合うリング状ノズル36sから噴射された圧縮気体WA同士が互いに干渉してケーキKの剥離効果が弱くなるため、隣り合うリング状ノズル36sの圧縮気体WAの噴射時期は同時にしない方が良い。
さらに、リング状ノズル36sを1つだけ設けた場合は、リング状ノズル36sから離れた箇所を洗浄できないことから、図26に示すように、リング状ノズル36sが濾過フィルタ12の軸方向に移動できるようにすると良い。リング状ノズル36sを移動させる場合は、動力源となるモータ、力の伝達手段となるギヤや、プーリーとベルトなどを設けることができる。
また図1では、リング状ノズル36sを濾過容器11の外周面に取り付けているが、濾過容器11の内面と濾過フィルタ12の外面の間の間隙50にリング状ノズル36sを取り付けるようにしても良い。図1では、濾過容器11の外面に圧気供給管15、第3加熱気体供給管16C、第3加熱気体排出管17Cが取り付けられているため、リング状ノズル36sの取り付け位置やノズル36sが移動できる場所に制約が生じる(前記各管15、16C、17Cと同じ位置に設置できない)が、濾過容器11の内面と濾過フィルタ12の外面の間にリング状ノズル36sを取り付けることで、そのような制約がなくなり、設計の自由度を増やすことができる。また、濾過容器11にリング状ノズル36sに対応した孔を設けなくても良いという利点もある。
しかし、濾過容器11の内面と濾過フィルタ12の外面の間にリング状ノズル36sを取り付けた場合、圧縮気体WAによって吹き飛ばされたケーキKがリング状ノズル36sの筒42の上面に堆積するおそれがある。それを防ぐため、リング状ノズル36sの筒42の上方に邪魔板などを設置することもできるが、設計上の制約があるとともに、メンテナンス性も悪くなってしまう。したがって、どちらかと言えば、リング状ノズル36sは、濾過容器11の外側に配置することが好ましい。
なお、リング状ノズル36sを濾過容器11内に設置するときは、例えば濾過容器11の内面と濾過フィルタ12の外面の間の間隙50に、上下方向に延在する複数の棒状の支持体(図示しない)を設け、その構造体にリング状ノズル36sを取り付けることができる。
また、リング状ノズル36sを濾過容器11内に設置する場合であっても、濾過容器11外に設置する場合であっても、リング状ノズル36sの孔37とフィルタ12の外面(プリーツフィルタの場合は、襞の外側に位置する頂部)との間の距離L(図14参照)は、50mm以上、好ましくは50mm〜150mmにすることが好ましい。この距離が50mm未満である場合は、濾過フィルタ12から落下したケーキKが、リング状ノズル36sの内周面とフィルタ12の外面の間の隙間を通りづらくなる。
(ライン状ノズル36r)
前記ではリング状ノズル36sを例に説明したが、図1などに示したリング状ノズル36sに代えて、直線状の筒42に、筒42の軸方向に沿って延在するスリット状の孔37Lを設けたライン状ノズル36rを用いても良い。なお、ライン状ノズル36sおよび後述するドット状ノズル36dの筒42の形状は、厳密に直線になっているものに限られず、少し湾曲した形状や屈折した形状にするなど、任意に変更しても良い。すなわち、リング状ノズル36sの環状の筒42と対比して、直線状であると認識されるものが含まれる。
図21、図22では、濾過フィルタ12の長手方向に対して、ライン状ノズル36rの筒42を平行に配置している。なお、プリーツフィルタの襞の長手方向に対して、ライン状ノズル36rの軸方向が所定の角度をもって斜めとなるように配置しても良い。
また、ライン状ノズル36rの筒42には、筒42の軸方向に沿って延在する細長い形状(スリット状)の孔37Lが設けられている。この孔37Lは、例えば筒42の軸方向と平行に直線状に設けることができる。なお、本発明の孔37Lはこのような形態に限定されるものでなく、筒42の軸方向と所定の角度をもって交差するように形成しても良い。また、筒42の形状は直線状に限られるものではなく、任意の曲線形状にしたり、筒42の壁面に螺旋状に設けたりしても良い。さらに、この孔37Lは筒42の一端から他端に亘って設けても良いが、図21、図22に示すように、筒42の端部には設けず、中間部分にのみ設けても良い。また、濾過フィルタ12の長手方向全体に圧縮気体WAを噴き付けるため、孔37Lを濾過フィルタ12と相対する位置に設けることが好ましい。すなわち、図22に示すように、筒42の周方向の壁面のうち、濾過フィルタ12と対面する側(濾過フィルタ12と向かい合う側)に設けることが好ましい。一方、孔37Lを濾過フィルタ12と対面しない位置に設けた場合、ケーキKを剥離できないばかりか、圧縮気体WAを無駄に噴射することになるため、好ましくない。
また、孔37Lの高さ方向の長さは、例えば1〜3mmにすることができる。この値にすることの意義は、リング状ノズル36sの場合と同様である。また、筒42の外径は、例えば34〜76mmにすることができ、内径は、例えば27〜68mmにすることができる。さらに、筒42の中心軸の長さは、濾過膜12mの長手方向の長さと同じにすることが好ましく、例えば300〜2000mmにすることができる。
なお、濾過フィルタ12の外面12fに向って噴射された圧縮気体WAは、濾過フィルタ12と衝突した後、一部は濾過膜12mの内部を通過して濾液通路12r内へ流れ、その他の部分は濾過フィルタ12の壁面に沿って横方向に(隣接する外側の襞に)流れる。
(ドット状ノズル36d)
以上では、リング状ノズル36sおよびライン状ノズル36rについて説明してきたが、直線状の筒42に、筒42の軸方向に沿って複数の点状(ドット状)の孔37Dを所定の間隔を空けて(所定のピッチPで)設けたドット状ノズル36dを用いても良い。このドット状ノズル36dの筒42も、ライン状ノズル36rと同様に、濾過フィルタ12の長手方向に沿って平行に配置することができる。なお、必ずしも平行に配置しなくて良い点は、ライン状ノズル36rと同様である。また、複数の孔37DのピッチP(隣接する孔37D、37Dの中心点間の長さ)は、例えば10〜30mmにすることができる。なお、前記ピッチPの値は、サークル状ノズルに複数の点状の孔37Dを設けた場合も同様の値にすることができる。また、孔37Dを設ける位置は、ライン状ノズル36rと同様に、濾過フィルタ12と対面する方向にすることが好ましい。なお、ドット状ノズル36dやリング状ノズル36sに設ける孔37Dの形状は、図23、図24に示すように、円状にすることもできるし、四角形などの任意の形状にすることもできる。また、直線状の筒42の先端側(図25の横方向右側)ほど圧縮気体WAの圧力が溜まりやすいため、先端側の孔37Dの径を小さくし、基端側(図25の横方向左側)の孔37Dの径を大きくしても良い。
また、ライン状ノズル36rおよびドット状ノズル36dにおいては、図20に示すように、筒42の軸心を中心として、前記筒42を上下に回転させて、圧縮気体WAが噴き出す方向を任意に変更できるようにしても良い。
濾過装置10に、リング状ノズル36sを設けるか、ライン状ノズル36rやドット状ノズル36dを設けるかは、どのようにケーキKを剥離したいかによって決めると良い。すなわち、1回のエアパルスで濾過フィルタ12の全周(360度)を洗浄したい場合はリング状ノズル36sを選択すれば良いし、同じく1回のエアパルスで濾過フィルタ12の長手方向全体を洗浄したい場合はライン状ノズル36rやドット状ノズル36dを選択すれば良い。また、ライン状ノズル36rとドット状ノズル36dは、ほぼ同一の効果があるため、任意に選択することができる。
なお、ライン状ノズル36rやドット状ノズル36dを用いる場合は、図25に示すように、それらのノズル36r、36dを濾過フィルタ12の下側に配置すると良い。濾過フィルタ12に対して、圧縮気体WAを下側から噴き付けることで、剥離したケーキKが重力によってケーキ排出口11Sに落ちやすくなるという利点がある。
(その他の手段)
また、好ましくは、濾過フィルタ12のケーキ付着面12fにおけるケーキ厚を計測する手段を設けると良い(図示略)。ケーキ厚を計測する手段としては、実際のケーキ厚を計測する装置のほか、スラリーAの供給圧を計測し、この供給圧とケーキ厚との相関によりケーキ厚を推定する装置を用いても良い。
(濾過工程)
次に、図10を参照しながら、濾過装置10による濾過工程の一例について説明する。
まず、スラリー供給バルブ13vおよび濾液排出バルブ14vを開き(S1)、ポンプ13Pを起動する(S2)。すると、スラリー供給管13を介して、スラリーAが濾過容器11内に加圧供給され、濾過フィルタ12による濾過を行う。このとき、スラリー供給バルブ13vの開度を調節すること等によって、スラリーAの供給量は調節することができる。そして、濾過容器11内に供給されたスラリーAのうち、液分は濾過膜12mを通って濾液通路12rに排出され、濾液Bとして濾液排出管14を通って排出される。このとき、濾液Bの排出量は、濾液排出バルブ14vの開度を調節することなどによって調整する。また、スラリーA中の懸濁粒子は濾過膜12mの表面12fに付着し、積層していく。その結果、濾過膜12mの表面12fにはケーキKが堆積する(S3)。
そして、ケーキKの厚さを計測する手段(図示しない)によって、濾過膜12mの表面12f上に堆積(積層)した懸濁粒子の厚さ(ケーキ厚)を計測する(S4)。このケーキ厚が所定レベルまで成長し(ケーキ厚計測手段を設けない場合は、所定時間が経過したか否かで判断しても良い)、濾過膜12mの表面12fがケーキKにより被覆されたら、ポンプ13Pを止めて、スラリーAの供給を停止する(S5)。その後、スラリー供給バルブ13vを閉じる(S6)。なお、スラリーAの供給を停止する目安は適宜定めることができるが、ケーキKが通気不可能な状態になるまで行うことが好ましい。ケーキKが通気不可能な状態となる厚さは、約1〜2mmである。
(排液工程)
排液工程では、スラリーAの供給を停止した後に、濾過容器11内に残留する残留スラリーAや濾液Bを排出する。残留スラリーAの排出は、容器11の下方に配置したスラリー排出バルブ19vを開いた後に、スラリー排出管19pを通じて行い、濾液Bの排出は、濾液排出バルブ14vの開状態を保ったまま、濾液排出管14を通じて行う。
この排液工程について、図11を参照しながら詳述する。
スラリーAの供給を停止して濾過工程を終了したとき、通常はスラリーAが濾過容器11の上部まで溜まった満タン状態になっている。この状態から、まずはスラリー排出バルブ19vを開き(S21)、スラリー排出管19pを介して、濾過容器11内のスラリーAを濾過装置10外へ徐々に排出する(S22)。そうすると、濾過容器11内のスラリー量が次第に減少してスラリーAの液面が下がり、濾過膜12mの表面12fに付着したケーキKがスラリーAの中から顔を出す。しかし、スラリーAとケーキKの付着力によって、濾過膜12mの表面12fに形成されたケーキKが欠落し、スラリーAの排出に引きずられるように、ケーキKも一緒に排出されてしまう。
そこで、スラリー排出バルブ19vを開くとともに、圧気供給バルブ15vを開き(S21)、スラリーの排出を始めた(S22)後に、図示しないコンプレッサを起動し(S23)、濾過容器11内に圧気CAを供給することが好ましい。供給された圧気CAは、ケーキKを濾過面12mに押し付け、加圧によってケーキKの剥離を防止する。そのため、スラリーAの液面が濾過フィルタ12の下端に到達するまで圧気CAの供給を続け(S24)、下端に達した段階で供給を終了すると良い(S25)。この圧気CAの供給は、濾過容器11内のスラリーAを排出し終わるまで続けても良い。コンプレッサを停止し(S25)、濾過容器11からスラリーAを排出した後、濾液排出バルブ14v、圧気供給バルブ15v、スラリー排出バルブ19vを閉じて(S26)、排液工程を終了する。
(脱水乾燥工程)
次に、排液工程の後の脱水乾燥工程について、図12に基づいて説明する。
まず、任意の排出バルブ17v1、17v2、17v3を開き(S31)、任意の供給バルブ16v1、16v2、16v3を開いた後(S32)、図示しない加熱空気ブロワを起動し(S33)、加熱空気HAを供給する。加熱空気HAを供給している間、濾過フィルタ12の表面12fに付着したケーキKの含水率を計測し、ケーキKの含水率が目標値以下になったら(S34)、加熱空気ブロワの運転を停止し(S35)、開けていた任意の排出バルブ17v1、17v2、17v3と、任意の供給バルブ16v1、16v2、16v3を閉じ(S36)、脱水乾燥工程を終了とする。この脱水乾燥工程について、以下に詳述する。
第1加熱気体排出バルブ17v1と第1加熱気体供給バルブ16v1を開き(S31、S32)、加熱空気ブロワを起動して(S33)、第1加熱気体供給管16Aを通じて、加熱気体HAを供給する。この加熱気体HAの温度は適宜定めることができるが、40〜170℃程度とすることが望ましい。前記加熱気体HAとしては、電気ヒーターで加熱した気体、燃焼ガスで加熱した気体、黒煙等の不純物を除去したディーゼルの排ガス等を用いることができる。また、前記加熱気体HAの供給圧は例えば5〜10kPa程度とすることができる。
第1加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAは、濾液排出管14内を通り、濾液通路12rの下端から濾過容器11の内部へ流れ込む。図4に示すように、濾液通路12rの下部および上部には、邪魔板(図示形態では平板)21d、21uが設けられており、加熱気体HAが濾液通路12rの中間部に入り込まない構造になっている。そのため、加熱気体HAは濾液通路12r下端部の邪魔板21dに当たり、横方向へ流れ、筒状体12sの透過孔を通って、筒状体12sの表面と濾過膜12mの裏面12bの間の空間22(以下、「加熱気体通路」という。)へ流れ込む。その後、図4、図7に示すように、加熱気体HAは加熱気体通路22を下から上へと流れ、濾過膜12mの上端部12mTに達すると、筒状体12sの透過孔を通って、濾液通路12rの上端部(濾液通路12r上端部の邪魔板21uの上方)へ流れ、第1加熱気体排気管17Aを介して、排ガスX3として装置10の外へ排気される。
図3に示すように、加熱気体HAが加熱気体通路22を流れる過程で、濾過膜12mを裏面12b側から加熱し、脱水させ、乾燥させる。この脱水乾燥工程で、ケーキK内が通気可能な状態となっている場合は、加熱気体HAがケーキKを裏面Kbから温めるだけでなく、ケーキK内を裏面Kb側から表面Kf側へ通過しつつ、ケーキK内も同時に温めて脱水乾燥を行うことになる。また、濾過膜12mは、加熱気体HAの通りが良い部分から脱水乾燥する。前記の通り、濾過膜12mは、ぬれ性の良い濾材からなるため、毛細管現象の効果が通常の濾過膜よりも大きく、濾過膜12mの脱水乾燥部分が濾過膜12mの未脱水乾燥部分から水分を吸収して、濾過膜12m全体の脱水乾燥を促進する。この毛細管現象はケーキKにも作用し、濾過膜12mの脱水乾燥部分がケーキKの水分を吸収して、ケーキKの乾燥を促進させる。すなわち、濾過膜12mの毛細管現象を用いて、濾過膜12mの表面12fに付着したケーキKを、ケーキKの裏面Kb側から表面Kf側に向かって、順々に脱水乾燥させることができる。
前記ケーキKの脱水乾燥においては、濾過膜12mにプリーツフィルタを用いて、プリーツフィルタ独特の構造、すなわち濾過膜12mの裏面12b(詳しくは、フィルタ支持体25の裏面)と筒状体12sの表面の間に山型の加熱気体通路22が形成される構造を有効に利用している。図7に示すように、プリーツフィルタの襞の内面に加熱空気HAを通風させ、加熱空気HAと濾過膜12mを直接接触させることで、濾過膜12mの比表面積が大きいことを利用して、ケーキKの脱水乾燥速度を速めることができる。
そのほか、前記プリーツフィルタ以外にも、例えば、図8に示すような円筒形のフィルタを用いても良い。この円筒形フィルタは、1枚の濾過膜12mを円筒形に形成したものであり、この円筒形状を保持するため、濾過膜12mの裏面12bに沿うように、ハニカムや金網などを円筒形に形成した支持板(フィルタ支持体25)を配している。濾過膜12mの裏面12bとフィルタ支持体25の表面は互いに接している。フィルタ支持体25の内側には、筒状体12sが設けられており、フィルタ支持体25の裏面と筒状体12sの表面の間には、5〜10mmの間隙が設けられている。そして、加熱空気HAがこの間隙を通ることによって、濾過膜12mを裏面12b側から加熱する。筒状体12sの構造、邪魔板21d、21uの配置、筒状体12s内が濾液通路12rになること、筒状体12sと邪魔板21d、21uの協同による加熱空気HAの濾過膜12mへの誘導機能などは、前記と同様であるため、説明を省略する。また、濾過フィルタ12の形状は角筒形などの任意の形状に変更しても良い。
前記の説明において、加熱気体HAを第1加熱気体供給管16Aから供給したが、これに代えて、加熱気体HAを第2加熱気体供給管16Bから供給しても良い。すなわち、第2加熱気体排出バルブ17v2と第2加熱気体供給バルブ16v2を開き(S31、S32)、加熱空気ブロワを起動して(S33)、第2加熱気体供給管16Bを通じて、加熱気体HAを供給する。第2加熱気体供給管16Bから供給された加熱気体HAの流れは、第1加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAの通路と逆方向になる。すなわち、図5に示すように、第2加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAは、第1加熱気体排気管17Aを通り、濾液通路12rの上端から内部へと流れ込む。そして、濾液通路12r上端部の邪魔板21uに当たり、横方向へ流れ、筒状体12sの透過孔を通って、加熱気体通路22へ流れ込む。その後、加熱気体HAは加熱気体通路22を上から下へと流れ、濾過膜12m下端縁に達すると、筒状体12sの透過孔を通って、濾液通路12rの下端部(濾液通路12r下端部の邪魔板21dの下方)へ流れ、濾液排出管14および第2加熱気体排気管17Bを介して、排ガスX4として装置10外へ排気される。
なお、加熱空気HAは、第2加熱気体供給管16Bから供給するよりも、第1加熱気体供給管16Aから供給することが好ましい。すなわち、加熱空気HAは、加熱気体通路22の上から下へ流すよりも、下から上へ流すことが好ましい。
加熱気体HAを下から上へ流したとき、加熱気体通路22の下部では、加熱気体HAの温度が高いため、濾過膜12mやケーキKの脱水乾燥速度が速く、良く脱水乾燥する。しかし、加熱気体HAが下から上へ流れるにしたがって、ケーキKや濾過膜12mから蒸発した水分を多く含むようになる。それとともに、加熱気体HAの温度が低くなる。そのため、加熱気体通路22の上部では、濾過膜12mやケーキKの脱水乾燥速度が遅く、脱水乾燥しにくい。
一方、ケーキKや濾過膜12mの水分は、重力によって下側へ移動する傾向があるため、ケーキKや濾過膜12mの含水量は下側ほど多くなる。そこで、加熱空気HAを加熱気体通路22の下から上へ流すことで、含水量が多い下側のケーキKや濾過膜12mを重点的に脱水乾燥することができる。
なお、加熱空気HAを下から上へ流し続けた結果、脱水乾燥を終えた段階で、ケーキKの下部の含水率が上部の含水率よりも低い場合がある。この状態のケーキKを濾過膜12mから剥離する場合、含水率の低いケーキKの下部が剥離しやすく、先に剥離する。他方、ケーキKの上部は、下部と比べて剥離しにくいが、ケーキKの下部が剥離することにより、支えが無くなったケーキKの上部も重力によって剥離する。
以上のような利点があるため、第1加熱気体供給管16Aから加熱気体HAを供給し、その気体HAを下から上へ流すことが好ましい。
また、加熱気体HAを第1加熱気体供給管16Aおよび第2加熱気体供給管16Bのどちらか一方から供給した場合、前記のようにケーキKの上部と下部の含水率に差が生じてしまう。そこで、含水率の差を小さくするため、図6に示すように、第1加熱気体供給管16Aと第2加熱気体供給管16Bの両方から加熱気体HAを供給しても良い。この場合、加熱気体通路22の高さ方向中間部(望ましくは、中央部)に、加熱気体HAを通さない仕切板23を水平に設けることができる。これによって、ケーキKの下部から中間部にかけては、第1加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAによって脱水乾燥され、ケーキKの上部から中間部にかけては、第1加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAによって脱水乾燥される。加熱気体通路22の上から下へ流れ、中間部の仕切板23に当たった加熱気体HAや、同通路22の下から上へ流れ、中間部の仕切板23に当たった加熱気体HAは、濾過膜12mの裏面12bからケーキKの表面Kfへと流れ出て、濾過容器11に設けられた第3加熱気体排気管17v3を通って、排ガスX5として排気される(図1参照)。このように、必ずしも加熱気体HAを加熱気体通路22の上部から下部まで、または下部から上部まで流す必要はなく、途中でバイパスさせても良い。
そのほか、第1加熱気体供給管16Aや第2加熱気体供給管16Bからの加熱気体HAの供給に加えて、第3加熱気体供給管16Cからも加熱気体HAを供給し、ケーキKや濾材12mを表面12f側から加熱して脱水乾燥させても良い(図1参照)。
また、濾過フィルタ12よりも下方や上方に第3加熱気体供給管16Cの口を望ませても良い。
なお、第3加熱気体供給管16Cを通じて、ケーキKの表面Kfに加熱気体HAを当てる場合、空気抵抗が大きいため、大容量のブロワが必要になるとともに、消費電力も格段に増える。具体的には、ケーキKの表面Kfが濡れていない場合は5〜10kPa程度であり、ケーキKの表面Kfが濡れている場合は40kPa以上の圧力が必要となる。したがって、第1加熱気体供給管16Aや第2加熱気体供給管16Bから加熱気体HAを供給し、ケーキKを裏面Kb側から加熱することが好ましい。なお、加熱気体HAを濾過膜12mの裏面12b側から供給する場合、その供給圧力は5kPa程度である。
(洗浄工程)
脱水乾燥工程の後は、図13に例示したような洗浄工程を行う。すなわち、所定時間脱水乾燥した後(予め定めた脱水乾燥プログラムが終了した後)にケーキKの剥離を行う。洗浄工程の開始時期を脱水乾燥工程に係る所定時間が経過したか否かで決めるのはなく、排ガスX1〜X5が所定の温度以上になった場合、排ガスX1〜X5が所定の湿度以下になった場合、濾過フィルタ12が所定の温度以上になった場合、フィルタ内蔵部11Uの圧力が所定の圧力以上になった場合や、フィルタ内蔵部11Uと濾液通路12rの差圧が所定の差圧範囲に入った場合(もしくは所定の差圧以下になった場合)などに、濾過フィルタ12の表面12fに付着したケーキKが十分に乾燥したと判定し、脱水乾燥工程から洗浄工程に切り替えても良い。濾過膜12mの脱水乾燥に伴う毛細管現象によって、ケーキKと濾過膜12mの境界面が剥離層となり、ケーキKの脱水乾燥が進むにつれて、ケーキKと濾過膜12m間の水分による付着作用が解除され、ケーキKを容易に剥離することができる。このとき、ケーキKの外面Kfよりも、ケーキKと濾過膜12mの境界面が先に脱水乾燥するため、ケーキKの外面Kfが少し濡れている状態でもケーキKを剥離することができる。すなわち、ケーキKが完全に脱水乾燥していない状態であっても、濾過膜12mからケーキKを剥離することができる。このように、濾過膜12mを裏面12b側から脱水乾燥させることによって、ケーキKの剥離効率を高めることができる。なぜならば、ケーキKの表面Kf側から脱水乾燥させた場合は、剥離面(濾過膜12mとケーキKの境界面)を脱水乾燥させるために、多量の水分を含むケーキKを十分に脱水乾燥させる必要があるが、濾過膜12mの裏面12b側から脱水乾燥させることにより、濾過膜12mとケーキKの境界面を脱水乾燥させるだけで足り、ケーキKを十分に脱水乾燥させなくてもケーキKを剥離することができるからである。
洗浄工程開始前の任意の時期に、圧縮気体生成装置43を起動して圧縮気体WAを生成し、生成した圧縮気体WAを主タンク38Bおよび分岐タンク38Aに蓄積しておく。そして、予め定められた脱水乾燥時間が経過して、洗浄工程が開始される時に、ケーキ排出弁19の弁体19bと調節弁39を閉から開にする(S41)。調節弁39を開くと、分岐タンク38A内の圧縮気体WAが配管40を通って、リング状ノズル36sの筒42内に瞬間的に充満する。充満した圧縮気体WAは、図14や図15に示すように、リング状ノズル36sに設けられた孔37から濾過フィルタ12に向かって射出される(S42)。このエアパルスの発生圧力(分岐タンク38A内の圧力)は、0.1〜0.6MPaとすることが好ましい。0.1MPaよりも小さい圧力の場合は、調節弁39が動作しないという問題があり、0.6MPaよりも大きいと圧力の場合は、濾過フィルタ12の濾過膜12mが破壊されてしまうという問題がある。孔37から放出された圧縮気体WAは、急速に膨張して衝撃波となり、濾過フィルタ12に衝突し、その衝撃によって濾過フィルタ12の襞に付着したケーキKを剥離する(S43)。このとき、孔37はリング状ノズル36sの内側全周に設けられているため、濾過フィルタ12に対して360度の方向から衝撃を与え、ケーキKを周方向に沿って漏れなく剥離することができる。
なお、濾過フィルタ12に付着したケーキKのうち、リング状ノズル36sが設けられた位置から、濾過フィルタ12の軸方向に遠く離れたケーキKに対しては、前記衝撃波を及ぼすことができない。そのため、例えば図26に示すように、リング状ノズル36sを濾過フィルタ12の軸方向に移動させる移動機構を備え付けることが好ましい。リング状ノズル36sを軸方向に移動させ、移動中または移動後に、孔37から圧縮気体WAを放出することで、ケーキKを軸方向に沿って漏れなく剥離することができる。前記移動機構を備え付けない場合は、例えば図27に示すように、濾過フィルタ12の軸方向に沿ってリング状ノズル36sを複数設けることで、移動機構を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
また、前記リング状ノズル36sの代わりにライン状ノズル36rやドット状ノズル36dを設けた場合は、孔37から放出された圧縮気体WAは、膨張して衝撃波となり、濾過フィルタ12の軸方向(長手方向)に線状に衝突する。そのため、濾過フィルタ12に付着したケーキKを軸方向に沿って漏れなく剥離することができる。なお、濾過フィルタ12を図示しない回転機構によって回転させることによって、濾過フィルタ12の全周に付着したケーキKを剥離することができる。なお、濾過フィルタ12が回転しない場合は、ライン状ノズル36rやドット状ノズル36dが濾過フィルタ12の周囲を回転させる機構にすることにより、同じく濾過フィルタ12の全周に付着したケーキKを剥離することができる。
なお、加熱気体HAをケーキKの表面Kfに噴射し、ケーキKを表面Kfから脱水乾燥させる場合、従来は、ケーキKの剥離はケーキKの含水率が35%程度でも可能であるが、より確実に剥離するためにはケーキKの含水率を30%以下とすることが必要であった。しかし、前記の実施例においては、ケーキKと濾過膜12mの境界面を脱水乾燥させるだけで足りるため、ケーキKの含水率が60%程度であっても、ケーキKの剥離が可能となる。そのため、加熱気体HAの送風量が減り、ブロア等を作動させるための電力使用量を削減することができる。また、ケーキK全体の含水率が高い状態であっても、濾過膜12mの毛細管現象により、濾過膜12mの表面12fとケーキKの裏面Kbの間の剥離部の含水率が低くなるため、ケーキKの剥離が可能となる。そのため、脱水乾燥時間が大幅に短縮でき、脱水乾燥装置10全体の処理能力を向上させることができる。なお、ケーキKの含水率を55%程度にまで下げると剥離がより容易となる。したがって、ケーキKの含水率が60%以下、より好ましくは55%以下になるまで脱水乾燥すると良い。
ケーキ排出シュート11Sに落ちた剥離ケーキKはケーキ排出弁19から装置10の外に排出される。なお、前記S41の段階でケーキ排出弁19の弁体19bを開けずに、剥離したケーキKをケーキ排出シュート11Sに溜め、ある程度の量のケーキKが溜まった後に(S43とS44の間に)、ケーキ排出弁19の弁体19bを開けて、装置10の外に排出しても良い。
このようにして、ケーキKを全て排出した(S44)後に、ケーキ排出弁19の弁体19bと調節弁39を開から閉にし、洗浄工程を終了とする。
なお、本実施形態のようにプリーツフィルタを用いると、隣り合う襞と襞の壁面間の間隔が内側から外側へ向かって次第に広くなるため、ケーキKを剥離・排出しやすいという利点がある。また、濾過膜12mを構成する不織布の熱容量が小さいため、エネルギーロスが少ない。なお、図2に示すように、隣り合う襞と襞の先端部間の長さL1は、例えば17mmにすることができ、襞の先端から基端までの長さL2は、例えば80mmにすることができる。
以上では、ぬれ性が良い濾過フィルタ12を用いた場合について説明したが、通常の濾過フィルタ12を用いても良い。また、濾過フィルタ12の裏側に加熱気体HAを流す形態でなくても良く、濾過フィルタ12の外側から加熱気体HAを流すようにしても良い。すなわち、以上の説明では、乾燥効率やランニングコストなどの観点から、より好ましい例を示したが、洗浄装置や洗浄工程以外については、任意の公知の構造や公知の工程に変更することもできる。
(縦型脱水乾燥装置と横型脱水乾燥装置)
また、上記では、濾過フィルタ12を縦に配置した縦型濾過装置10について説明した。本発明はこのような形態に限られるものでなく、濾過フィルタ12を横に配置した横型濾過装置10であっても良い。図9の濾過装置10は、図面左からスラリーAを供給し、図面右から濾液Bを排液する構成としているが、図面左からスラリーAを供給し、図面左から濾液Bを排液する構成、すなわち濾液排出管14を図面左に配置しても良い。このとき、第1加熱気体排気管17Aや第2加熱気体供給管16Bは、逆に図面右へ配置すると良い。
(複数の濾過フィルタ)
以上では、濾過フィルタ12を一つ備えた濾過装置10について説明してきたが、これに限られるものではなく、複数の濾過フィルタ12を備えた濾過装置10に対しても、同様の洗浄装置35を用いることができる。
(第2実施形態)
前記第1実施形態の説明では、スラリーなどの液体状の被処理物Aを濾過する濾過装置10について述べた。しかし、本発明はこれに限られるものでなく、気体を濾過する濾過装置10であっても良い。このような濾過装置10は、例えば汚染気体A中の粉塵を捕捉する濾過フィルタ12と、この濾過フィルタ12を格納する濾過容器11を有する。また、濾過装置10の一端側には汚染気体(被処理物A)の供給口54が、他端側には濾過後の清浄な気体の排出口55がそれぞれ設けられている。そして、供給口54から供給された汚染気体Aは、一端側から他端側へ流れる過程で濾過フィルタ12を通過し、この濾過フィルタ12によって汚染気体Bに含まれる粉塵が除去され、清浄気体Bとして排出口55から排出される構造になっている。
(濾過フィルタ12)
濾過フィルタ12としては、表面積が広いことから、第1実施形態と同様にプリーツフィルタが好適である。濾過フィルタ12の素材としては、ぬれ性がよい物に限定されず、デミスターなどの金属メッシュを用いても良い。デミスターとしては、直径約0.12mm〜0.25mmの細い金属線を所定の形状に編み、編んだ生地を特殊形状のロールなどを用いてプリーツフィルタ状に成形し、それを重ねて複数層にしたものを例示することができる。金属メッシュからなるプリーツフィルタに圧縮気体WAを噴射すると、フィルタに付着した付着物(液体の微粒子など)が綺麗に除去され(ポリエステル等の繊維からなるプリーツフィルタよりも付着物の除去率が高い)、フィルタの目詰まりが解消されるため、再濾過をした際に濾過精度が上がるという利点がある。また、プリーツフィルタがポリエステル等の繊維からなる場合は、洗浄工程を複数回経た後にフィルタを交換しなければならないが、金属メッシュからなるプリーツフィルタの場合は、そのような交換をほとんどしなくて良いという利点がある。さらに、濾過容器11内に濾過フィルタ12を配置する際は、濾過フィルタ12の軸心が横方向(水平方向)になるように配置したり、縦方向(垂直方向)になるように配置したりできる。
(汚染空気Aと清浄空気Bの流れ)
次に、濾過装置10内における汚染空気Aと清浄空気Bの流れを説明する。まず、濾過装置10の供給口54から濾過容器11内に被処理物Aとしての汚染空気Aが供給される。供給された汚染空気Aは、濾過容器11の内壁面と濾過フィルタ12の外面の間の間隙50に流れ込む。なお、濾過フィルタ12の一端側(供給口側)端部には、濾過フィルタ12の中空部(清浄気体通路12r)の端部に蓋をするように遮蔽板52が設けられており、汚染空気Aが濾過フィルタ12の中空部12rに直接入り込むことを防いでいる。そして、前記間隙50に流れ込んだ汚染空気Aは、濾過フィルタ12の外面から内面へ通り抜け、その通り抜けの際に、汚染空気A中の粉塵が濾過フィルタ12の主に外面12fに捕捉される。濾過フィルタ12によって粉塵が除去された清浄な空気Bは、濾過フィルタ12内の清浄気体通路12rを他端側(排気口側)へ向かって流れ、排気口55から排気される。
(送風ファンおよび吸気ファン)
また、汚染空気Aや清浄空気Bの流れは、一端側(上流側)に送風ファンを設けたり、他端側(下流側)に吸気ファン53を設けたりすることで実現できる。本実施形態では、排気口55と隣接する位置に吸気ファン53を設け、汚染空気Aや清浄空気Bを上流側から下流側へ向かって吸引する構造としている。また、送風ファンを設ける場合は、給気口54の近辺にファンを設置すると良い。
(洗浄装置35)
ドット状ノズル36d、ライン状ノズル36rは、濾過容器11の内壁面と濾過フィルタ12の外面の間の間隙50に設けることが好ましく、リング状ノズル36sは、濾過容器11の外側に設けることが好ましい。前記各ノズル36d、36r、36sの形状や設置位置などについては、第1実施形態と重複するため、説明を省略する。
なお、第2実施形態の発明においては、第1実施形態のように、濾過工程、排出工程、脱水乾燥工程、洗浄工程と各工程を経るのではなく、被処理物Aである気体の濾過を行いながら、濾過フィルタ12の洗浄を行うようにすれば良い。
(第3実施形態)
本発明の濾過装置10は、濾過フィルタ12を用いて、被処理物A(低融点合金とそれ以外の不純物の混合物。加温して低融点合金を溶融させ、液体にした状態が好ましい。)から低融点合金を分離し、洗浄装置35を用いて、濾過フィルタ12の表面12fに堆積した低融点合金を剥離し、回収する装置であっても良い。
(低融点合金)
この低融点合金は、ビスマス、スズ、鉛、インジウム、カドミウム、アンチモン、亜鉛、ガリウムからなる群から選ばれる成分を主成分とする合金である。特に、ビスマスおよびスズを主体とし、必要によってインジウムを添加したものが好適である。なお、低融点合金の溶融温度としては、16℃〜183℃を例示できる。
前記低融点合金の具体例としては、株式会社大阪アサヒメタル工場製の「Uアロイ」シリーズを挙げることができる。このシリーズとして、融点16℃〜183℃の様々な種類の低融点合金が販売されている。
本発明に係る低融点合金の濾過装置10を用いて、低融点合金とそれ以外の不純物との分離を行う際は、融点90℃〜150℃の範囲の低融点合金が特に好適である。
前記低融点合金は、被加工物の固定治具などに用いられる。そして、被加工物を切削する精密加工等の過程で、固定治具も削られてしまった場合に、低融点合金の切削屑が発生するため、その切削屑の中から低融点合金を回収すると良い。
なお、低融点合金以外の不純物の例としては、チタン、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄、ガラスなどの被加工物(加工対象となる材料をいう。Workpiece。)の切削屑を挙げることができる。これらの切削屑は、一つの物質のみ(例えば、チタンのみ)からなる場合もあれば、二以上の物質の混合物(例えば、チタンとアルミニウムの混合物)からなる場合もある。
そして、被処理物Aの例としては、低融点合金の切削屑とそれ以外の不純物の切削屑の混合物を挙げることができるが、これに限られるものではない。その他の被処理物Aの例としては、低融点合金を含む家電製品の破砕物(破砕していない状態のものでも良い)や、研究過程で制作した低融点合金を含む試作品(前記と同様に、破砕していない状態のものでも良い)などを挙げることができる。
なお、濾過装置10の構造や、前記各ノズル36d、36r、36sの形状や設置位置などについては、図1などと重複記載となるため、説明を省略する。
(その他の実施形態)
図29では、濾過装置10内に濾過フィルタ12を2つ設けた例を示した。濾過フィルタ12を複数配置した場合には、このように複数の濾過フィルタ12の間に洗浄装置35を設け、その洗浄装置35から複数の濾過フィルタ12に向けて圧縮気体WAを噴き付けるようにすると良い。このような構造を採用することで、洗浄装置35の設置数を減らすことができる。なお、図29においては、2つの濾過フィルタ12の間にドット状ノズル36dまたはライン状ノズル36rを設け、そのノズル(36dまたは36r)の管42に、別々の方向(各濾過フィルタ12が位置する方向。図29では、左上と右上の方向。)に向かう孔37を設け、その孔37を介して、各濾過フィルタ12に圧縮気体WAを噴き付けている。なお、各濾過フィルタ12は、図示しない回転機構によって、図中のRの方向に回転するため、濾過フィルタ12の全周(360度)を洗浄できるようになっている。また、濾過フィルタ12の回転方向Rは任意に変更することができる。例えば、図29では2つの濾過フィルタ12の回転方向Rが異なるが、揃えて同じにしても良い。また、図29の回転方向Rと逆回転にしても良い。
10…濾過装置、11…濾過容器、11S…ケーキ排出シュート(粉塵排出シュート)、11U…フィルタ内蔵部、12…濾過フィルタ、12b…濾過膜の裏面(濾過フィルタの内面)、12f…濾過膜の表面(濾過フィルタの外面)、12m…濾過膜、12mh…濾過膜の透過孔、12r…濾液通路(清浄気体通路)、12s…筒状体、13…スラリー供給管(汚染気体供給管)、13v…被処理物供給バルブ、14…濾液排出管、14v…濾液排出バルブ、15…圧気供給管、15v…圧気供給バルブ、16A…第1加熱気体供給管、16B…第2加熱気体供給管、16C…第3加熱気体供給管、16v1…第1加熱気体供給バルブ、16v2…第2加熱気体供給バルブ、16v3…第3加熱気体供給バルブ、17A…第1加熱気体排出管、17B…第2加熱気体排出管、17C…第3加熱気体排出管(バイパス配管)、17v1…第1加熱気体排出バルブ、17v2…第2加熱気体排出バルブ、17v3…第3加熱気体排出バルブ、19…ケーキ排出弁、19p…スラリー排出管、19v…スラリー排出バルブ、21u…上部邪魔板、21d…下部邪魔板、22…加熱気体通路、25…フィルタ支持体、35…洗浄装置、36…ノズル、36d…ドット状ノズル、36r…ライン状ノズル、36s…リング状ノズル、37…孔、37D…点状の孔、37L…スリット状の孔、38…タンク、38A…分岐タンク、38B…主タンク、39…調節弁、40…配管、41…自動開閉蓋、42…筒、43…圧縮気体生成装置、44…レギュレータ、45…供給口、50…間隙、51…回転手段、52…遮蔽板、53…吸気ファン、54…供給口、55…排出口、A…被処理物、B…処理物、C…粉塵、CA…加圧気体(圧気)、K…ケーキ、Kb…ケーキの裏面、Kf…ケーキの表面、M…モータ、HA…加熱気体、HAF…加熱気体が流れる方向、P…ピッチ、WA…圧縮気体、WT…水分、WTF…水分が流れる方向、X1、X2、X3、X4、X5…排ガス
本発明は、濾過装置および濾過方法に関する。特に、濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、濾過フィルタ外面に付着した付着物を除去する洗浄手段を備えた濾過装置に関する。また、前記付着物を除去する工程を有する濾過方法に関する。
濾過フィルタ外面に付着した付着物を除去する方法には、濾過フィルタの内側から圧縮気体を射出し、その射出圧力によって除去する方法がある。特許文献1には、この方法を用いた集塵機が開示されている。この集塵機は、縦置きした円筒形のプリーツフィルタと、フィルタの内部に設けたエレメントコーンと、エレメントコーンの上方に設けた大口径ノズルを備えている。そして、洗浄時には、ノズルから圧縮エアを100mSのパルスで放出する。そうすると、その強力な粗密波がエレメントコーンで反射してフィルタの内面に衝突し、フィルタ外面に付着した粉塵が500〜1000mm飛散する。
また、フィルタの洗浄が不要な集塵機も存在し、例えば特許文献2に記載されたものを挙げることができる。この集塵機は、2〜20μmの太い合成繊維を熱圧着して成形したフィルタを用いている。そして、このフィルタは、油煙や油滴等の塵芥が繊維に張り付いて凝集しても再液化して流れ落ちるセルフクリーニング性能を有している。
しかしながら、特許文献1のように、フィルタの内側から圧縮エアを射出する方法では、射出された圧縮エアの一部が、フィルタに当たって内側へ撥ね返るため、フィルタに向かって新たに射出された圧縮エアと、フィルタに当たってはね返った圧縮エアが衝突し、新たに射出された圧縮エアの風速が落ちてしまうという問題があった。圧縮エアの風速が落ちると、フィルタ外面に付着した付着物を除去しづらくなるという問題があり、特に紙粉、繊維状の粉塵、水分量の多い粉塵などがプリーツフィルタの襞間に積層した場合、除去が困難であった。これを解決するために、ノズルから圧縮エアを射出する際の空気圧を上げる方法が考えられるが、ランニングコストが上昇してしまう等のデメリットがある。
また、圧縮エアをフィルタの内側から射出すると、プリーツフィルタ全体が外側へ膨れ、襞と襞の間に付着物を抱え込んでしまうため、剥離量が著しく少なくなってしまうというデメリットもあった。
また、特許文献2のように、セルフクリーニング性能を備えたフィルタを用いることもできるが、フィルタの選択肢が限られてしまうという問題がある。特に、一般的なフィルタを用いた経済性の高い集塵機が望まれる中で、フィルタの選択肢が限られるということは、大きなデメリットとなる。
特開平10−230121号公報 特開2010−201329号公報
そこで、本発明が解決しようとする主たる課題は、濾過フィルタの表面に付着した付着物を効果的に除去する洗浄手段を備えた濾過装置を提供することにある。また、濾過フィルタの表面に付着した付着物を効果的に除去する工程を備えた濾過方法を提供することにある。
この課題を解決するための本発明は、次の通りである。
[請求項1記載の発明]
被処理物の供給口と濾液の排出口を有する濾過容器と、
前記濾過容器内に設けられ、外面が濾過面とされ内部が濾液通路とされた筒状の濾過フィルタと、
前記濾過容器と前記濾過フィルタの間の間隙から前記被処理物を排出した状態で、前記濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、前記濾過フィルタの外面に形成されたケーキを剥離するフィルタ洗浄手段と、を有し、
前記フィルタ洗浄手段は、
圧縮気体を生成する圧縮気体生成装置と、
前記濾過フィルタの外側に配置されたノズルと、
前記圧縮気体生成装置で生成した圧縮気体の噴射量を調整する調節弁と、を有し、
前記ノズルは、中空の筒と、前記筒の軸方向に沿って設けられた前記圧縮気体を射出する孔を有することを特徴とする濾過装置。
(作用効果)
濾過フィルタの外方から濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、濾過フィルタの外面に付着した付着物に圧縮気体を直接当てることによって、付着物に対する物理的作用が大きくなり、付着物の除去効果を高めることができる。従来のように、圧縮気体を濾過フィルタの裏面に当てて付着物を除去する場合よりも弱い圧力で、付着物を除去することができる。また、前記のように付着物に対する物理的作用が大きいため、紙粉、繊維状の粉塵、水分量の多い粉塵などがプリーツフィルタの襞間に積層した場合であっても、それらの付着物を除去することができる。
また、圧縮気体を射出する孔が中空の筒の軸方向に沿って設けられており、孔から射出した圧縮気体が濾過フィルタにライン状に当たるため、濾過フィルタをライン状に洗浄することができる。すなわち、一度に一カ所のみを洗浄するのではなく、ライン状に洗浄するため、洗浄時間を短縮することができる。それとともに、濾過フィルタの場所によって洗浄されていたり、洗浄されていなかったりという不均質を避けることができる。
[請求項2記載の発明]
前記ノズルの筒の形状は直線状であり、
前記筒は前記濾過フィルタの長手方向と並列に配置され、
前記筒には、前記筒の軸方向に沿って複数の点状の孔が所定間隔で設けられ、
前記点状の孔は、筒壁のうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられている請求項1記載の濾過装置。
(作用効果)
孔から射出した圧縮気体が、濾過フィルタの長手方向にライン状に当たるため、濾過フィルタを長手方向に均等に洗浄することができる。
[請求項3記載の発明]
前記ノズルの筒の形状は直線状であり、
前記筒は前記濾過フィルタの長手方向と並列に配置され、
前記筒には、前記筒の軸方向に沿って延在するスリット状の孔が設けられ、
前記スリット状の孔は、筒壁のうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられている請求項1記載の濾過装置。
(作用効果)
請求項2と同様の作用効果を奏する。
[請求項4記載の発明]
前記ノズルの筒の形状は環状であり、
前記筒は前記濾過フィルタの外面を取り囲んで配置され、
前記筒には、前記筒の軸方向に沿って所定間隔を空けた複数の点状の孔または前記筒の軸方向に沿って延在するスリット状の孔の少なくとも一方が設けられ、
前記点状の孔またはスリット状の孔は、筒壁のうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられている請求項1記載の濾過装置。
(作用効果)
孔から射出した圧縮気体が、濾過フィルタの周方向にライン状に当たるため、濾過フィルタを周方向に均等に洗浄することができる。
特に、筒の形状が直線状のノズル(ライン状ノズルやドット状ノズル)の場合は、濾過フィルタの全周(360度)に圧縮気体を当てるため、濾過フィルタを回転させるか、濾過フィルタの周りを前記ノズルが回転するような機構が必要であるが、リング状ノズルの場合は、そのようなことをしなくても、濾過フィルタの全周(360度)に圧縮気体を当てることができる。
[請求項5記載の発明]
前記環状のノズルは、前記濾過フィルタの長手方向に沿って、複数設けられている請求項4記載の濾過装置。
(作用効果)
濾過フィルタを周方向に均等に洗浄するのみならず、長手方向にも均等に洗浄することができる。
[請求項6記載の発明]
前記環状のノズルは、前記ノズルを前記濾過フィルタの長手方向に沿って移動させる動力発生機と接続されている請求項4記載の濾過装置。
(作用効果)
請求項5と同様の作用効果を奏する。
また、環状のノズルを複数設ける場合よりも、製造コストを安くすることができる。
[請求項7記載の発明]
前記濾過容器内に設けられ、外面が濾過面とされ内部が濾液通路とされた筒状の濾過フィルタを用いて、被処理物を濾過する濾過工程と、
前記濾過容器と前記濾過フィルタの間の間隙から前記被処理物を排出する排液工程と、
前記濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、前記濾過フィルタの外面に形成されたケーキを剥離する洗浄工程と、を有し、
前記洗浄工程は、
圧縮気体生成装置で圧縮気体を生成する生成工程と、
ノズルの軸方向に沿って設けられた孔を通じ、前記濾過フィルタの外面に向かって、前記圧縮気体を射出する射出工程と、を有することを特徴とする濾過方法。
(作用効果)
請求項1と同様の作用効果を奏する。
本発明によれば、濾過フィルタの表面に付着した付着物を効果的に除去することができる。
第1実施例に係る濾過装置の構造説明図である。 濾過フィルタの説明図である(洗浄装置は図示省略)。 脱水乾燥工程のケーキ、濾過膜およびフィルタ支持体の断面図である。 加熱空気が加熱気体通路を下から上へ流れることの説明図(断面図)である。 加熱空気が加熱気体通路を上から下へ流れることの説明図(断面図)である。 加熱空気が加熱気体通路を上から中央へ、下から中央へ流れることの説明図(断面図)である。 プリーツフィルタの襞の斜視図(一部破断図)である。 円筒型フィルタの斜視図である。 横型の濾過装置を用いた場合の構造説明図である(洗浄装置は図示省略)。 濾過工程のフロー図である。 排液工程のフロー図である。 脱水乾燥工程のフロー図である。 洗浄工程のフロー図である。 リング状ノズルを配置した濾過装置の横断面図である。 リング状ノズルに複数の圧縮気体生成装置を配した濾過装置の横断面図である。 本発明に係るノズルの断面図である。(16a)(16b)ともに、断面形状が円形であって、(16a)は断面視において孔を一つ設けた場合、(16b)は断面視において孔を二つ設けた場合を示す。 断面形状が四角形の筒内の液残りの説明図である。(17a)の状態から(17b)の状態を経て(17c)の状態に変化するにつれて、スラリー量が減少している。 断面形状が四角形の筒内の液残りの説明図である。(18a)の状態から(18b)の状態を経て(18c)の状態に変化するにつれて、スラリー量が減少している。 筒に取り付けられた自動開閉蓋の動作の説明図である。(19a)の状態から(19b)の状態へ、(19b)の状態から(19c)の状態へ変化することを示す。また、その逆の変化も可能である。 筒が首振りすること説明図である。(20a)の状態から(20b)の状態へ、(20b)の状態から(20c)の状態へ変化することを示す。また、その逆の変化も可能である。 ライン状ノズルの側面図である。 ライン状ノズルと濾過フィルタの位置関係を示す斜視図である。 ドット状ノズルの側面図である。 ドット状ノズルと濾過フィルタの位置関係を示す斜視図である。 汚染空気を濾過する横型濾過装置の横断面図である。 汚染空気を濾過する縦型濾過装置(ノズル移動式)の横断面図である。 汚染空気を濾過する縦型濾過装置(複数ノズル式)の横断面図である。 リング状ノズルの斜視図である。(28a)はスリット状の孔を設けた場合、(28b)は点状の孔を設けた場合を示す。 その他の実施形態を示す平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の一実施形態を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきでない。
(被処理物A)
本発明に係る濾過装置10によって濾過される被処理物Aとしては、例えば、トンネル構内排水、吹付け用生コンプラント排水、ダイスライム回収排水、バッチャープラント排水、河川工事ドライピット排水、深礎工事排水、グラウト工事排水、シールド工事排水、シールド余剰泥水、浚渫埋立排水、ケイソン工事排水、場所打杭排水、床面洗浄排水、ウェルポイント工事排水、基礎工事ヤード排水、タイヤ洗浄排水、コアボーリング排水、ダイヤモンドカッター排水、土壌汚染掘削ヤード排水、VOC分解洗浄排水、焼却炉解体洗浄排水、放射能除染工事排水、ワイヤーソー切断工事排水、ウォータージェット切断工事排水、製紙工場プロセス排水、パルプ工場プロセス排水、食品工場洗浄排水、生コン工場洗浄排水、コンクリート二次製品工場排水、砕石工場ヤード排水、ガス洗浄スクラバ排水、ゴミ焼却炉急冷塔排水、転炉ガス洗浄排水、アーク炉ガス洗浄排水、銀回収工程排水、洗砂装置排水、水洗中和排水、バレル研磨排水、電界研磨排水、ガラス研磨排水、ウェットブラスト排水、吹付塗装ブース排水、カチオン塗装排水、ステンレス酸洗排水、原料ヤード排水、原料コンベア洗浄排水、堆積ダスト湿式回収排水、工場ヤード排水、連鋳排水、圧延冷却排水、除湿ドレン排水、浸漬切断ヤード排水、鉱さいヤード排水、船舶底部ビルジ排水、造船ドッグ排水、除貝排水、冷却塔ブロー排水、染色工場排水、ミルクプラント洗浄排水、トンネル壁面洗浄排水、建物外壁洗浄排水、洗車排水、ゴルフ場排水、産業処分場浸出水、等の排水を挙げることができる。
なお、被処理物Aは、前記に例示した液体に限られるものではなく、気体や固体であっても良い。例えば、圧延加工や絞り加工、切削加工、バイオディーゼル生成等に際して飛散した油煙や油滴等の塵埃によって汚染された空気を被処理物Aとしても良い。そして、濾過フィルタ12によって捕捉される塵埃としては、例えば、ダイスオイルミストやタービンオイルミスト、コンプレッサーオイルミスト、油拡散真空ポンプ排気油煙、食品フライヤーヒューム、油焼入れ・熱処理煙、メッキヒュームなどを挙げることができる。なお、この捕捉対象となる塵埃は、その発生場所や由来等が特に限定されず、例えば、切削油(水溶性切削油、鉱物油切削油等)や潤滑剤・離型剤(高温プレス用等)などの液体由来の塵埃であっても良い。
また、ゴムやスポンジ等の弾性や圧縮性を有する粉体や流体を被処理物Aとしても良い。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る濾過装置10は、密閉された濾過容器11内で、被処理物A(例えばスラリー)を濾過フィルタ12で濾過し、処理物B(例えば濾液)及びケーキKを排出する全量濾過(デッドエンド濾過)型の装置である。この濾過装置10において、ケーキKを排出する際は、まず加熱気体HAを用いてケーキKを脱水・乾燥し、次に洗浄用の圧縮気体WAを用いて濾過フィルタ12から乾燥ケーキKを剥離し、そして剥離したケーキKを排出口から排出するフローになっている。このフローについては後で詳述することにして、まずは濾過装置10の構成について説明する。
(濾過容器11)
濾過装置10は濾過容器11を有している。この濾過容器11の下部にはケーキ排出シュート11Sが設けられ、ケーキ排出シュート11Sから上方に筒状の濾過フィルタ内蔵部11Uが連続する形状となっている。この濾過容器11の形状は、前記の形状に限られるものではなく、ケーキ排出シュート11Sがない形状など、任意の形状に変更しても良い。
(筒状体12s)
濾過容器11内には、壁面に濾液Bの透過孔が形成され、内部に濾液通路12rが形成された筒状体12sが設けられる。筒状体12sの形状や姿勢は特に限定されないが、図示した一例では円筒形状であって、その中心軸が濾過容器11の上下方向に沿う姿勢で、濾過容器11内に配されている。そのほか、筒状体12sの形状を角筒形などの任意の公知形状に変更しても良いし、筒状体12sの姿勢を筒状体12sの中心軸が斜めに傾斜するように濾過容器11内に設置しても良い。
なお、図示した前記筒状体12sは、パンチングメタルなどの透過孔を有する平板を円筒状に成形したものであり、筒状体12s内の空間は濾液通路12rとなる。また、筒状体12s内の上部と下部には、邪魔板(図示形態では平板)21u、21dがそれぞれ水平方向に設けられている。邪魔板21u、21dのうち、少なくとも下部の邪魔板21dは、スポット溶接によって筒状体12sの内面に固定されている。そのため、筒状体12s内面と下部の邪魔板21dの端縁の間には隙間が空いており、濾液通路12rを流下して邪魔板21dの上面に到達した濾液Bは、この隙間を通って、濾液排出管14へと流れ落ちる。
なお、筒状体12sは内部に濾液通路12rを作るという機能のほか、邪魔板21u、21dと協同して、加熱空気HAを加熱気体通路22内へ誘導する機能もある。
(濾過膜12m)
前記筒状体12sの壁面の外側には、濾過膜12mが形成されている。この濾過膜12mとしては、表面積(濾過面積)が広いことから、平坦な濾材をジグザグに折り曲げつつ、筒状体12sの外周面に巻き付けて、円筒状に形成したプリーツフィルタを好適に用いることができる。前記のようにジグザグに折り曲げることで複数の襞が生じる。また、その襞の上端および下端は、水平方向に配置した不織布12mT、12mDによって覆われている。
濾過膜12mは、単層または多層にすることができる。この濾過膜12mの素材(濾材)として、例えば、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ステンレス、ナイロン等を用いることができる。また、濾過膜12mの素材には、ぬれ性の良いもの(親水性のもの)を用いることが好ましい。ぬれ性は、固体表面と液滴の接線の間の接触角θを測定することによって示され、固体/気体間の界面張力γVS、液体/気体間の界面張力γLV、液体/固体間の界面張力γLSによって決定する。この接触角と界面張力の関係は、下記の式1(ヤングの式)によって表すことができる。
γVS=γLS+γLV cosθ ・・・式1
なお、撥水性の素材(接触角θが90度以上の素材)に対して、プラズマを照射する方法、紫外線(UV)を照射する方法、薬品処理する方法などにより、素材の表面を親水性にすることも可能である。しかし、このような素材は大気中に置くと再び疎水性に戻ってしまい、親水性を維持できる期間が短い。したがって、もとから親水性の素材(接触角θが90度未満の素材)を用いることが好ましい。特に、超親水性の素材(接触角θが5度未満の素材)を用いることが好ましい。
前記濾過膜12mの具体的な素材としては、例えば、東レ株式会社のポリエステル長繊維不織布「アクスター」(登録商標)のG2260-1S BK0を用いることができる。
前記濾過膜12mの膜厚は、好ましくは0.3〜0.7mm、より好ましくは0.6mmである。また、濾材の繊維径(投影面積円相当径、Heywood径をいう。以下、同じ。)は、好ましくは0.5〜20μmであり、より好ましくは7μmである。繊維径が0.5μmより細い繊維を用いると、濾過時の抵抗が大きくなるとともに、見かけの表面積が狭くなる。また、繊維径が20μmよりも太い繊維を用いると、懸濁粒子(濾過対象物)が濾過膜12mを透過してしまい、ケーキKを形成できなくなる。
したがって、繊維径が0.5〜20μmの濾材を用いて、ある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mを形成することが好ましい。このようなある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mによって、濾過時には、濾過膜12mの目に懸濁粒子が食い込んでコーティング層が形成されるため、そのコーティング層を新たな濾過フィルタ12として利用することができる。他方、脱水乾燥時には、見かけの表面積が増え、加熱気体HAが直接当たる濾過膜12mの面積が増えるため、濾過膜12m(延いては、ケーキK)を脱水乾燥しやすくなる。また、濾過膜12mの目に食い込んだ懸濁粒子に加熱気体HAが直接当たるため、懸濁粒子を直接脱水乾燥できるとともに、濾過膜12mを介した毛細管現象のほかに、懸濁粒子を介した毛細管現象も生じるため、ケーキKの脱水乾燥速度を速めることができる。
この濾過膜12mの長手方向の長さは、例えば300mm〜2000mmにすることができる。
本形態において、濾過膜12mの表面12fとは、濾過容器11側を向いている面をいい、濾過前のスラリーAが接する面をいう。一方、濾過膜12mの裏面12bとは、筒状体12s側を向いている面をいい、スラリーAが濾過膜12m内を通過した後に排出される面をいう。また、ケーキKの表面Kfとは、濾過容器11側を向いている面をいい、濾過前のスラリーAと接する面をいう。一方、ケーキKの裏面Kbとは、筒状体12s側を向いている面をいい、濾過膜12mの表面12fと接する面をいう。
また、濾過膜12mの表面12fに圧縮気体WAが直接噴き付けられるため、濾過膜12mが圧縮気体WAの衝撃波で破損しないように、所定の強度以上の濾過膜12mを用いることが好ましい。例えば、JIS L‐1906の測定方法において、引張強度(N/5cm)タテ:1200、ヨコ:700、破裂強力(kgf/cm2)タテ:25のものを用いると良い。
(プレコーティング層)
なお、スラリーAに含まれる懸濁粒子(濾過対象物)の粒径が濾材の目の大きさよりも小さい場合は、濾過精度が悪くなる。また、ゲル状、コロイド状などになっている付着性が強いスラリー(例えば、ベントナイトスラリー、凝結剤を使用したときのスラリー、藻や海苔のスラリー)の場合は、濾材が目詰まりしやすい。したがって、このような場合は、不具合を防ぐため、珪藻土、ゼオライトなどからなるプレコーティング層を形成することが好ましい。
(凝集剤)
また、前記プレコーティング層の形成に代えて、懸濁粒子を凝集させる凝集剤(凝集沈降剤)を使用することもできる。この凝集剤によって懸濁粒子が凝集するため、濾材12mの目が懸濁粒子より大きかったとしても、懸濁粒子と濾液Bを分離することができる。この凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、高塩基性塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムなどを用いることができる。
(フィルタ支持体25)
また、襞の内面に(濾過膜12mの裏面12bと接するように)、その襞形状に沿うように、ハニカムメッシュや金網等をジグザグに折り曲げた支持板(フィルタ支持体25)を配することが好ましい。濾過膜12mの表面12fにケーキKが積層するにつれて、プリーツフィルタの襞が押し潰され、襞内の空間が無くなる「閉塞」の生じる可能性があるが、支持板25を設けることでこの閉塞を防ぎ、加熱空気HAを流す襞内の空間(加熱気体通路22)を維持することができる。
(供給手段、排出手段)
濾過容器11の一端側には、被処理物Aの供給管13が取り付けられている。被処理物Aを貯留する図示しない貯留槽と前記濾過容器11の間は、この供給管13によって繋がれており、被処理物Aは図示しない圧送ポンプによって貯留槽から濾過容器11へと送られる。
また、濾過容器11の供給管13と反対側には、濾過容器11の外に濾液Bを排出する濾液排出管14が貫通している。濾液排出管14は濾過フィルタ12の濾液通路12rの下端開口から濾過容器11外へ導かれ、濾液排出バルブ14vを介して図示しない貯留槽や排水先等に導かれる。
(圧力気体供給手段)
濾過容器11の側壁における濾過フィルタ12と同じ高さ(濾過フィルタ12の上端と下端の間のいずれかの位置)には、濾過容器11の内面と濾過膜12mの表面12fとの間の空間50に、スラリーA供給手段による供給圧よりも高い圧力で加圧気体CA(以下、「圧気」ともいう。)を供給する圧気供給管15が開口されている。圧気供給管15の開口位置は適宜定めることができるが、図示形態では濾過フィルタ12上部の高さ位置に設けている。圧気供給管15は、圧気供給バルブ15vを介して図示しないコンプレッサに接続される。また、加圧気体CAには、空気だけでなく、窒素等を用いることもできる。
(第1加熱気体供給手段)
濾液排出管14に第1の加熱気体供給管16Aが連結している。加熱気体HAは、この第1加熱気体供給管16Aから供給され、加熱気体通路22を下方から上方へ向かって流れることになる。第1加熱気体供給管16Aは、第1の加熱気体供給バルブ16v1を介して図示しないブロワ等の送風装置に接続される。加熱気体HAとしては、空気だけでなく、窒素等を用いることもできる。
筒状体12sの上方に位置する濾過容器11の天面11Tには、第1加熱気体供給管16Aから供給されて濾過膜12mを加熱した後の加熱気体HA(排ガスX3)を排気する第1の加熱気体排気管17Aが連結している。第1加熱気体排気管17Aには第1の加熱気体排出バルブ17v1が設けられ、第1加熱気体排気管17Aを通って濾過装置10の外へ排気される排ガスX3の流量や、排気する・しないの調整を行っている。
(第2加熱気体供給手段)
濾過容器11の上方外側に第2の加熱気体供給管16Bを設けることもできる。別の加熱気体HAは、この第2加熱気体供給管16Bから供給され、加熱気体通路22を上方から下方へ向かって流れることになる。なお、図示例では、第2加熱気体供給管16Bを通じて、第1加熱気体排気管17Aに加熱気体HAを供給している。また、第2加熱気体供給管16Bは、第2の加熱気体供給バルブ16v2を介して図示しないブロワ等の送風装置に接続される。加熱気体HAの種類やブロワの種類は、第1加熱気体供給管16Aと同様である。
濾液排出管14には、第2加熱気体供給管16Bから供給されて濾過膜12mを加熱した後の加熱気体HA(排ガスX4)を排気する第2の加熱気体排気管17Bが連結している。第2加熱気体排気管17Bには第2の加熱気体排出バルブ17v2が設けられ、第2加熱気体排気管17Bを通って濾過装置10の外へ排気される排ガスX4の流量の調整や、排気する・しないの調整を行っている。
(第3加熱気体供給手段)
濾過容器11の側壁における濾過フィルタ12と同じ高さ(濾過フィルタ12の上端と下端の間のいずれかの位置)には、濾過容器11の内面と濾過膜12mの表面12fとの間の間隙50に加熱気体HAを加圧供給する第3の加熱気体供給管16Cが接続されている。第3加熱気体供給管16Cは、第3の加熱気体供給バルブ16v3を介して図示しないブロワ等の送風装置に接続される。加熱気体HAの種類やブロワの種類は、第1加熱気体供給管16Aと同様である。
濾過容器11の側壁に第3の加熱気体排気管17Cを設けるとともに、第3加熱気体排気管17Cに第3の加熱気体排出バルブ17v3を設けることもできる。第3加熱気体供給管16Cから供給された加熱気体HAは、ケーキKの表面Kfに当たってケーキKを加熱した後、この第3加熱気体排気管17Cを介して濾過容器11の外に排気される。また、ケーキKの脱水乾燥によってケーキK内に通気孔が生じている場合、第3加熱気体供給管16Cから供給された加熱気体HAの一部は、ケーキKの通気孔、濾過膜12mの透過孔、支持体25の透過孔を通って間隙22へ流れ、間隙22を上下に流れる他の加熱気体HAと合流する。そして、他の加熱気体HAが流れる方向にしたがって、第1加熱気体排気管17Aまたは第2加熱気体排気管17Bから排気される。なお、第3加熱気体排気管17Cは、後述するバイパス加熱気体の排気管としても利用可能である。
本発明に係る濾過装置10は、前記第1加熱気体供給手段および前記第2加熱気体供給手段の少なくとも一方を備えていることが好ましい。これらの供給手段によって供給された加熱気体HAを用いて、濾過膜12mを裏面12b側から加熱して脱水乾燥させる。また、濾過膜12mの裏面12b側からの脱水乾燥に伴って、濾過膜12mに付着したケーキKも間接的に脱水させ、乾燥させる。なお、濾過膜12mとケーキKの脱水乾燥速度を促進させるため、図1に示したように、第1加熱気体供給手段、第2加熱気体供給手段および第3加熱気体供給手段の全てを備えるようにしても良い。
(ケーキ排出手段)
ケーキ排出シュート11Sには、その下端開口部を弁座とするバタフライバルブによりケーキ排出弁19が構成されており、このケーキ排出弁19の開閉によりケーキ排出状態と、密閉状態とが切り替え可能となっている。このケーキ排出弁19の構造は特に限定されず、ケーキ排出シュート11Sに一体化せず、下方に別途の弁装置を連結しても良い。また、バタフライバルブ以外の公知のバルブを用いても良い。
本形態では、ケーキ排出シュート11S内からスラリーAを抜くためのドレン手段としてドレン配管19p及びドレンバルブ19vも設けられている。図示形態では、ケーキ排出弁19の弁体19bが濾過容器11の底面に位置するため、ドレン配管19pをケーキ排出弁19の弁体19bを貫通させて設けているが、ケーキ排出シュート11Sの側壁等、適宜の位置に設けることもできる。
(フィルタ洗浄手段35)
濾過装置10を用いて濾過を行うにつれて、濾過フィルタ12の外面12fにケーキKが堆積する。ケーキKが堆積すると濾過能力が低下するため、このケーキKを確実に剥離・除去する必要がある。そのため、本発明ではフィルタ洗浄手段、すなわち洗浄装置35を設けている。この洗浄装置35は、濾過装置10の一部品として製造しても良いし、濾過装置10とは別製品として製造し、濾過装置10に後付けしても良い。
洗浄装置35は、濾過フィルタ12の外側に配置される。
図1に示した洗浄装置35は、濾過容器11の外側に配置したリング状ノズル36sと、濾過フィルタ12を洗浄する圧縮気体WAを生成する圧縮気体生成装置43(コンプレッサともいう。)と、生成した圧縮気体WAを蓄積するタンク38(エアタンクともいう。)(主タンク38Bと分岐タンク38Aを例示することができる。)と、リング状ノズル36s、分岐タンク38B、レギュレータ44(図1のように設けない場合もある)、主タンク38A、圧縮気体生成装置43のそれぞれを繋ぐ配管40と、リング状ノズル36sと分岐タンク38Aを繋ぐ配管40の中ほどに設けられた圧縮気体WAの噴射量を調節する調節弁39(エアパルス弁と言うこともできる)を有している。前記リング状ノズル36sは、図28に示したように、濾過容器11の外周面を取り囲むように配置した円形(平面視の場合の形状)の中空の筒42と、その筒42の軸方向に沿って所定間隔を空けて配置した複数の点状の孔37(37D)またはその筒42の軸方向に沿って延在するスリット状の孔37(37L)の少なくとも一方と、を有している。そして、前記点状の孔37Dまたは前記スリット状の孔37Lは、筒42の壁面のうち、濾過フィルタ12と対面する側(筒42の内周面42M)に設けられている。また、図14、図15、図28において、筒42の外周面は42Nと示している。
リング状ノズル36sの内周面は、濾過容器11の外面と接しており(パッキン等を挟む形態でも良い)、その接合部分において、濾過容器11にもリング状ノズル36sの孔37(37Dまたは37L。以下、「孔37」と表示した場合は、同様。)と同様の孔(図示しない)が設けられている。圧縮気体生成装置43で生成した圧縮気体WAは、リング状ノズル36sの孔37および濾過容器11の孔を通って、濾過フィルタ12の外面へ放出される。孔37から放出された圧縮気体WAは、衝撃波となって濾過フィルタ12に衝突し、その衝撃力によって濾過フィルタ12からケーキKを剥離する。本発明では、このような圧縮気体WAによる衝撃波(エアパルス)を用いてケーキKを剥離することができる。前記従来例では圧縮気体を濾過フィルタの内面に噴き付けていたが、本発明のように濾過フィルタ12の外面に噴き付けることで、圧縮気体WAの衝撃波がケーキKに直接当たるため、濾過フィルタ12に付着したケーキKが剥離・除去しやすくなる。
また、図1のリング状ノズル36sの筒42の断面は、図18に示すような長方形状であるが、この断面形状は任意に変更することができる。例えば、この筒42の断面の高さ方向の長さを25〜70mm、横方向の長さを25〜70mmにすることができる。この筒42のサイズは、調節弁39のサイズによって決定する。すなわち、調節弁39のサイズが大きくなるほど圧縮気体生成装置43から筒42内へ送られる圧縮気体WAの量が多くなるため、筒42の断面積も大きくするというように、孔37から噴射される圧縮気体WAの衝撃波が均一となり、かつ圧力損失が無いように設計することが好ましい。
また、孔37の高さ方向の長さ37hは、例えば1〜3mmにすることができる。高さ方向の長さが1mmに満たない場合は、噴射される圧縮気体WAの量が少なすぎるため、ケーキKを剥離しづらくなる。また、3mmを越える場合は、噴射される圧縮気体WAの量が多くなりすぎるため、濾過膜12mを痛めてしまう可能性がある。
さらに、筒42を平面視した場合において、筒42の中心軸の一周の長さは、濾過容器11や濾過フィルタ12の外周の長さに合わせて決められるが、例えば1000〜1500mmにすることができる。
これまでは断面形状が長方形の筒42を説明してきたが、断面形状は任意に変更することができ、例えば円形、正方形、楕円形、多角形などにすることができる。また、筒42の外面42aと内面42bの断面形状は同じである場合が多いが、異なる形状にしても良い。例えば、外面42aの形状を長方形とし、内面42bの形状を円形としても良い。
また、図18に示すように、リング状ノズル36sの孔37は、筒42の高さ方向の下側に設けたが、上側や中間に設けても良い。詳しくは後述するが、被処理物A(例えば、スラリー)を濾過している間(濾過工程)は、濾過容器11と濾過フィルタ12の間の間隙50に被処理物Aが充満している。そして、濾過工程の後の排液工程において、充満している被処理物Aをスラリー排出管19pから排出する。このとき、濾過容器11内にリング状ノズル36sを設けた場合(後述するライン状ノズル36r、ドット状ノズル36dの場合も同様)、図17に示すように、孔37が筒42の高さ方向中央にあると、筒42内に入り込んだ被処理物Aが、筒42内から排出されない可能性が高い(図17の17c参照)。そのため、図18に示すように、筒42の高さ方向下側に孔37を設けることが好ましく、これによって筒42内から被処理物Aを確実に排出することができる(図18の18c参照)。また、孔37を図17に示すような位置に設けた場合は、筒42内に入り込んだスラリーを抜く孔(図示しない)を別途設けると良い。なお、被処理物Aが気体である場合は、このような孔を設けなくても良い。
なお、孔37を筒42の高さ方向下側に設けた場合、圧縮気体WAを噴射する位置が下側になってしまうという欠点がある。そのため、圧縮気体WAの噴射位置を第一に考える場合は、孔37の位置を高さ方向中央に設けることが好ましい。
また、図16に断面形状を円形にした筒42を示した。図16の16aに示すように、筒42の断面視における孔37の数を一つにすることもできるが、図16の16bに示すように、二つ以上にしても良い。孔37の数を増やすことによって、衝撃波の衝撃力が及ぶ面積を広げることができる。一方、孔37の数を一つに絞ることによって、衝撃波の衝撃力を強めることができるという利点もあるため、断面視における孔37の数は、どちらを重視するかによって決めれば良い。なお、図16bの2つの孔37は、水平方向から上下に約45度の角度をつけているが、この角度は任意に変更することができる。このように角度をつけることによって、プリーツフィルタ12の谷部(襞の基端側部分)に溜まって剥離しづらいケーキKを剥離することができる。
また、筒42の外面または内面に、孔37を開閉する自動開閉蓋41を設けても良い。図19に、筒42の外面に自動開閉蓋41を備えたリング状ノズル36sを示した(後述するライン状ノズル36r、ドット状ノズル36dの場合も同様)。この図19では、筒42の断面形状を円形にし、高さ方向の上側と下側に孔37を設けた形態を示している。図19の19aに示すように、濾過工程では前記蓋41を閉じ、図19の19b、19cに示すように、被処理物Aが孔37から筒42内に入り込まないようにし、洗浄工程では前記蓋41を開にして、孔37から圧縮気体WAを所定方向に噴射することができる。なお、図19に示した自動開閉蓋41は、断面視で360度回転可能となっており、この蓋41を左方向または右方向に回転することによって、孔37の開口位置を自由に調整することができる。例えば、図19bのように下側の孔37だけ開口(この段落において、蓋41に覆われていないことを意味する。)させることもできるし、図19cのように上側と下側の両方の孔37、37を開口させることもできる。また、図示していないが、上側の孔37だけ開口させても良く、この孔37の開口位置や開口度合い(蓋41と孔37の重なり度合い)は、ケーキKの剥離状況に応じて、剥離したいケーキKが存在する方向に向かって圧縮気体WAを噴射するように制御することが好ましい。
なお、圧縮気体WAの種類としては、経済的な観点から空気を用いること好ましいが、不燃性ガスである窒素ガスやアルゴン等を用いても良い。また、この圧縮気体WAを噴射するときの圧力は、0.1〜0.6MPaが好適である。圧力が0.1MPaよりも低い場合は、濾過フィルタ12のケーキKが剥離しづらくなり、0.6MPaよりも高い場合は、圧縮気体WAの圧力によって濾過膜12mが痛んでしまう可能性がある。この噴射圧力の値は、ケーキKの付着力(ケーキKを構成する物質の種類、含水量等)を考慮して決めると良い。
また、ケーキKを万遍なく剥離するため、濾過フィルタ12の外周面全体に対して圧縮気体WAを等しい圧力で噴射することが望ましい。そのため、図14に示すように、1つのリング状ノズル36sに対して、1つの分岐タンク38Aを接続することもできるが、図15に示すように、2つ以上の分岐タンク38Aを接続して噴射位置による噴射量の違いを低減させることがより好ましい。詳しくは、2つ以上の分岐タンク38Aを接続する場合は、筒42と分岐タンク38Aを接続する配管40の供給口45(筒42と配管40の接続部分)の位置を等間隔にすることが好ましい。例えば、図15に示すように、分岐タンク38Aを3つ設ける場合は、円形の筒42の中心点を基準として、120度の間隔で供給口45を設けると良い。
また、リング状ノズル36rに取り付ける調節弁39の設置数は、濾過フィルタ12の大きさや、被処理物Aの状態(形状が毛状であるか否か(毛状の場合は除去しづらい)、素材が紙粉であるか否か(紙粉の場合は除去しやすい)、性質が濾過フィルタ12に固着しやすいか否かなど)等によって決定することが好ましい。例えば、被処理物Aが、濾過フィルタ12に対する付着力が弱い粉塵である場合は、リング状ノズル36rから噴射される圧縮気体量が不均一であったとしても、粉塵を除去する(粉塵を吹き飛ばす。粉塵を払い落とす。)ことが可能であるため、調節弁39の数は一つで十分である。しかし、被処理物Aの付着力が強い場合など、除去しづらい場合は、リング状ノズル36rから噴射される圧縮気体量を均一にすることが求められるため、例えば、前記120度の間隔で3つ供給口を設ける(120度の間隔で3つの調節弁39を設ける)ことが好ましい。
なお、リング状ノズル36rに調節弁39を複数設けた場合は、調節弁39の開閉を同期させ、筒42の内周面に設けた孔37の全方向(360度の方向)から、均等な量の圧縮気体WAを同時に噴射させることが好ましい。
また、図1に示すように、リング状ノズル36sを1つだけ設けても良いが、濾過フィルタ12を万遍なく洗浄するためには、2つ以上のリング状ノズル36sを設けると良い。例えば、3つのリング状ノズル36sを3つ設ける場合は、図27に示すように、濾過フィルタ12の軸方向(図27では、上下方向)中央部に1つ設けるとともに、軸方向両端部にも1つずつ設けると良い。また、図27では、圧縮気体生成装置43と主タンク38Bの間、主タンク38Bとレギュレータ44の間、レギュレータ44と3つの分岐タンク38Aの間が、それぞれ配管40によって接続されている。圧縮気体生成装置43で生成された圧縮気体WAは、いったん主タンク38Bに蓄積される。そして、主タンク38Bに蓄積された圧縮気体WAは、レギュレータ44によって、各分岐タンク38Aに均等な圧力で分配され、各分岐タンク38Aで蓄積される。なお、図26のようにリング状ノズル36sを一つだけ設ける場合であっても、エアパルスを連続して発生させるため、主タンク38Bを設けることが好ましい。
また、このように複数のリング状ノズル36sを設けた場合は、各リング状ノズル36sに取り付けた各調節弁39を同期させなくても良い。すなわち、例えば、上下方向の上側に配置したリング状ノズル36sと接続した調節弁39と、上下方向の中ほどに配置したリング状ノズル36と接続した調節弁39と、上下方向の下側に配置したリング状ノズル36と接続した調節弁39の開閉時期を異なるようにすることもできる。また、圧縮気体WAを噴射するパターンをレシピ化し、被処理物の種類によって、そのタイミングを変えることもできる。例えば、上下方向の上側のリング状ノズル36sから圧縮気体WAを噴射した後、上下方向の中ほどのリング状ノズル36sから圧縮気体WAを噴射し、その後に上下方向の下側のリング状ノズル36sから圧縮気体WAを噴射し、この順序に従って繰り返し噴射するというパターンを用いることができる。このようなパターンを複数用意した場合、被処理物Aの種類によって、パターンを選ぶことができる。例えば、被処理物Aの重量が重い場合は、濾過フィルタ12の下側にケーキKができやすいため、最初に濾過フィルタ12の下側に噴射するパターンを選ぶと良い。一方、被処理物Aの重量が軽い場合は、濾過フィルタ12の上側にケーキKができやすいため、最初に濾過フィルタ12の上側に噴射するパターンを選ぶと良い。なお、濾過フィルタ12の長手方向に沿って複数のリング状ノズル36sを設けた場合、各リング状ノズル36sの圧縮気体WAの噴射時期を同時にすると、隣り合うリング状ノズル36sから噴射された圧縮気体WA同士が互いに干渉してケーキKの剥離効果が弱くなるため、隣り合うリング状ノズル36sの圧縮気体WAの噴射時期は同時にしない方が良い。
さらに、リング状ノズル36sを1つだけ設けた場合は、リング状ノズル36sから離れた箇所を洗浄できないことから、図26に示すように、リング状ノズル36sが濾過フィルタ12の軸方向に移動できるようにすると良い。リング状ノズル36sを移動させる場合は、動力源となるモータ、力の伝達手段となるギヤや、プーリーとベルトなどを設けることができる。
また図1では、リング状ノズル36sを濾過容器11の外周面に取り付けているが、濾過容器11の内面と濾過フィルタ12の外面の間の間隙50にリング状ノズル36sを取り付けるようにしても良い。図1では、濾過容器11の外面に圧気供給管15、第3加熱気体供給管16C、第3加熱気体排出管17Cが取り付けられているため、リング状ノズル36sの取り付け位置やノズル36sが移動できる場所に制約が生じる(前記各管15、16C、17Cと同じ位置に設置できない)が、濾過容器11の内面と濾過フィルタ12の外面の間にリング状ノズル36sを取り付けることで、そのような制約がなくなり、設計の自由度を増やすことができる。また、濾過容器11にリング状ノズル36sに対応した孔を設けなくても良いという利点もある。
しかし、濾過容器11の内面と濾過フィルタ12の外面の間にリング状ノズル36sを取り付けた場合、圧縮気体WAによって吹き飛ばされたケーキKがリング状ノズル36sの筒42の上面に堆積するおそれがある。それを防ぐため、リング状ノズル36sの筒42の上方に邪魔板などを設置することもできるが、設計上の制約があるとともに、メンテナンス性も悪くなってしまう。したがって、どちらかと言えば、リング状ノズル36sは、濾過容器11の外側に配置することが好ましい。
なお、リング状ノズル36sを濾過容器11内に設置するときは、例えば濾過容器11の内面と濾過フィルタ12の外面の間の間隙50に、上下方向に延在する複数の棒状の支持体(図示しない)を設け、その構造体にリング状ノズル36sを取り付けることができる。
また、リング状ノズル36sを濾過容器11内に設置する場合であっても、濾過容器11外に設置する場合であっても、リング状ノズル36sの孔37とフィルタ12の外面(プリーツフィルタの場合は、襞の外側に位置する頂部)との間の距離L(図14参照)は、50mm以上、好ましくは50mm〜150mmにすることが好ましい。この距離が50mm未満である場合は、濾過フィルタ12から落下したケーキKが、リング状ノズル36sの内周面とフィルタ12の外面の間の隙間を通りづらくなる。
(ライン状ノズル36r)
前記ではリング状ノズル36sを例に説明したが、図1などに示したリング状ノズル36sに代えて、直線状の筒42に、筒42の軸方向に沿って延在するスリット状の孔37Lを設けたライン状ノズル36rを用いても良い。なお、ライン状ノズル36sおよび後述するドット状ノズル36dの筒42の形状は、厳密に直線になっているものに限られず、少し湾曲した形状や屈折した形状にするなど、任意に変更しても良い。すなわち、リング状ノズル36sの環状の筒42と対比して、直線状であると認識されるものが含まれる。
図21、図22では、濾過フィルタ12の長手方向に対して、ライン状ノズル36rの筒42を平行に配置している。なお、プリーツフィルタの襞の長手方向に対して、ライン状ノズル36rの軸方向が所定の角度をもって斜めとなるように配置しても良い。
また、ライン状ノズル36rの筒42には、筒42の軸方向に沿って延在する細長い形状(スリット状)の孔37Lが設けられている。この孔37Lは、例えば筒42の軸方向と平行に直線状に設けることができる。なお、本発明の孔37Lはこのような形態に限定されるものでなく、筒42の軸方向と所定の角度をもって交差するように形成しても良い。また、筒42の形状は直線状に限られるものではなく、任意の曲線形状にしたり、筒42の壁面に螺旋状に設けたりしても良い。さらに、この孔37Lは筒42の一端から他端に亘って設けても良いが、図21、図22に示すように、筒42の端部には設けず、中間部分にのみ設けても良い。また、濾過フィルタ12の長手方向全体に圧縮気体WAを噴き付けるため、孔37Lを濾過フィルタ12と相対する位置に設けることが好ましい。すなわち、図22に示すように、筒42の周方向の壁面のうち、濾過フィルタ12と対面する側(濾過フィルタ12と向かい合う側)に設けることが好ましい。一方、孔37Lを濾過フィルタ12と対面しない位置に設けた場合、ケーキKを剥離できないばかりか、圧縮気体WAを無駄に噴射することになるため、好ましくない。
また、孔37Lの高さ方向の長さは、例えば1〜3mmにすることができる。この値にすることの意義は、リング状ノズル36sの場合と同様である。また、筒42の外径は、例えば34〜76mmにすることができ、内径は、例えば27〜68mmにすることができる。さらに、筒42の中心軸の長さは、濾過膜12mの長手方向の長さと同じにすることが好ましく、例えば300〜2000mmにすることができる。
なお、濾過フィルタ12の外面12fに向って噴射された圧縮気体WAは、濾過フィルタ12と衝突した後、一部は濾過膜12mの内部を通過して濾液通路12r内へ流れ、その他の部分は濾過フィルタ12の壁面に沿って横方向に(隣接する外側の襞に)流れる。
(ドット状ノズル36d)
以上では、リング状ノズル36sおよびライン状ノズル36rについて説明してきたが、直線状の筒42に、筒42の軸方向に沿って複数の点状(ドット状)の孔37Dを所定の間隔を空けて(所定のピッチPで)設けたドット状ノズル36dを用いても良い。このドット状ノズル36dの筒42も、ライン状ノズル36rと同様に、濾過フィルタ12の長手方向に沿って平行に配置することができる。なお、必ずしも平行に配置しなくて良い点は、ライン状ノズル36rと同様である。また、複数の孔37DのピッチP(隣接する孔37D、37Dの中心点間の長さ)は、例えば10〜30mmにすることができる。なお、前記ピッチPの値は、サークル状ノズルに複数の点状の孔37Dを設けた場合も同様の値にすることができる。また、孔37Dを設ける位置は、ライン状ノズル36rと同様に、濾過フィルタ12と対面する方向にすることが好ましい。なお、ドット状ノズル36dやリング状ノズル36sに設ける孔37Dの形状は、図23、図24に示すように、円状にすることもできるし、四角形などの任意の形状にすることもできる。また、直線状の筒42の先端側(図25の横方向右側)ほど圧縮気体WAの圧力が溜まりやすいため、先端側の孔37Dの径を小さくし、基端側(図25の横方向左側)の孔37Dの径を大きくしても良い。
また、ライン状ノズル36rおよびドット状ノズル36dにおいては、図20に示すように、筒42の軸心を中心として、前記筒42を上下に回転させて、圧縮気体WAが噴き出す方向を任意に変更できるようにしても良い。
濾過装置10に、リング状ノズル36sを設けるか、ライン状ノズル36rやドット状ノズル36dを設けるかは、どのようにケーキKを剥離したいかによって決めると良い。すなわち、1回のエアパルスで濾過フィルタ12の全周(360度)を洗浄したい場合はリング状ノズル36sを選択すれば良いし、同じく1回のエアパルスで濾過フィルタ12の長手方向全体を洗浄したい場合はライン状ノズル36rやドット状ノズル36dを選択すれば良い。また、ライン状ノズル36rとドット状ノズル36dは、ほぼ同一の効果があるため、任意に選択することができる。
なお、ライン状ノズル36rやドット状ノズル36dを用いる場合は、図25に示すように、それらのノズル36r、36dを濾過フィルタ12の下側に配置すると良い。濾過フィルタ12に対して、圧縮気体WAを下側から噴き付けることで、剥離したケーキKが重力によってケーキ排出口11Sに落ちやすくなるという利点がある。
(その他の手段)
また、好ましくは、濾過フィルタ12のケーキ付着面12fにおけるケーキ厚を計測する手段を設けると良い(図示略)。ケーキ厚を計測する手段としては、実際のケーキ厚を計測する装置のほか、スラリーAの供給圧を計測し、この供給圧とケーキ厚との相関によりケーキ厚を推定する装置を用いても良い。
(濾過工程)
次に、図10を参照しながら、濾過装置10による濾過工程の一例について説明する。
まず、スラリー供給バルブ13vおよび濾液排出バルブ14vを開き(S1)、ポンプ13Pを起動する(S2)。すると、スラリー供給管13を介して、スラリーAが濾過容器11内に加圧供給され、濾過フィルタ12による濾過を行う。このとき、スラリー供給バルブ13vの開度を調節すること等によって、スラリーAの供給量は調節することができる。そして、濾過容器11内に供給されたスラリーAのうち、液分は濾過膜12mを通って濾液通路12rに排出され、濾液Bとして濾液排出管14を通って排出される。このとき、濾液Bの排出量は、濾液排出バルブ14vの開度を調節することなどによって調整する。また、スラリーA中の懸濁粒子は濾過膜12mの表面12fに付着し、積層していく。その結果、濾過膜12mの表面12fにはケーキKが堆積する(S3)。
そして、ケーキKの厚さを計測する手段(図示しない)によって、濾過膜12mの表面12f上に堆積(積層)した懸濁粒子の厚さ(ケーキ厚)を計測する(S4)。このケーキ厚が所定レベルまで成長し(ケーキ厚計測手段を設けない場合は、所定時間が経過したか否かで判断しても良い)、濾過膜12mの表面12fがケーキKにより被覆されたら、ポンプ13Pを止めて、スラリーAの供給を停止する(S5)。その後、スラリー供給バルブ13vを閉じる(S6)。なお、スラリーAの供給を停止する目安は適宜定めることができるが、ケーキKが通気不可能な状態になるまで行うことが好ましい。ケーキKが通気不可能な状態となる厚さは、約1〜2mmである。
(排液工程)
排液工程では、スラリーAの供給を停止した後に、濾過容器11内に残留する残留スラリーAや濾液Bを排出する。残留スラリーAの排出は、容器11の下方に配置したスラリー排出バルブ19vを開いた後に、スラリー排出管19pを通じて行い、濾液Bの排出は、濾液排出バルブ14vの開状態を保ったまま、濾液排出管14を通じて行う。
この排液工程について、図11を参照しながら詳述する。
スラリーAの供給を停止して濾過工程を終了したとき、通常はスラリーAが濾過容器11の上部まで溜まった満タン状態になっている。この状態から、まずはスラリー排出バルブ19vを開き(S21)、スラリー排出管19pを介して、濾過容器11内のスラリーAを濾過装置10外へ徐々に排出する(S22)。そうすると、濾過容器11内のスラリー量が次第に減少してスラリーAの液面が下がり、濾過膜12mの表面12fに付着したケーキKがスラリーAの中から顔を出す。しかし、スラリーAとケーキKの付着力によって、濾過膜12mの表面12fに形成されたケーキKが欠落し、スラリーAの排出に引きずられるように、ケーキKも一緒に排出されてしまう。
そこで、スラリー排出バルブ19vを開くとともに、圧気供給バルブ15vを開き(S21)、スラリーの排出を始めた(S22)後に、図示しないコンプレッサを起動し(S23)、濾過容器11内に圧気CAを供給することが好ましい。供給された圧気CAは、ケーキKを濾過面12mに押し付け、加圧によってケーキKの剥離を防止する。そのため、スラリーAの液面が濾過フィルタ12の下端に到達するまで圧気CAの供給を続け(S24)、下端に達した段階で供給を終了すると良い(S25)。この圧気CAの供給は、濾過容器11内のスラリーAを排出し終わるまで続けても良い。コンプレッサを停止し(S25)、濾過容器11からスラリーAを排出した後、濾液排出バルブ14v、圧気供給バルブ15v、スラリー排出バルブ19vを閉じて(S26)、排液工程を終了する。
(脱水乾燥工程)
次に、排液工程の後の脱水乾燥工程について、図12に基づいて説明する。
まず、任意の排出バルブ17v1、17v2、17v3を開き(S31)、任意の供給バルブ16v1、16v2、16v3を開いた後(S32)、図示しない加熱空気ブロワを起動し(S33)、加熱空気HAを供給する。加熱空気HAを供給している間、濾過フィルタ12の表面12fに付着したケーキKの含水率を計測し、ケーキKの含水率が目標値以下になったら(S34)、加熱空気ブロワの運転を停止し(S35)、開けていた任意の排出バルブ17v1、17v2、17v3と、任意の供給バルブ16v1、16v2、16v3を閉じ(S36)、脱水乾燥工程を終了とする。この脱水乾燥工程について、以下に詳述する。
第1加熱気体排出バルブ17v1と第1加熱気体供給バルブ16v1を開き(S31、S32)、加熱空気ブロワを起動して(S33)、第1加熱気体供給管16Aを通じて、加熱気体HAを供給する。この加熱気体HAの温度は適宜定めることができるが、40〜170℃程度とすることが望ましい。前記加熱気体HAとしては、電気ヒーターで加熱した気体、燃焼ガスで加熱した気体、黒煙等の不純物を除去したディーゼルの排ガス等を用いることができる。また、前記加熱気体HAの供給圧は例えば5〜10kPa程度とすることができる。
第1加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAは、濾液排出管14内を通り、濾液通路12rの下端から濾過容器11の内部へ流れ込む。図4に示すように、濾液通路12rの下部および上部には、邪魔板(図示形態では平板)21d、21uが設けられており、加熱気体HAが濾液通路12rの中間部に入り込まない構造になっている。そのため、加熱気体HAは濾液通路12r下端部の邪魔板21dに当たり、横方向へ流れ、筒状体12sの透過孔を通って、筒状体12sの表面と濾過膜12mの裏面12bの間の空間22(以下、「加熱気体通路」という。)へ流れ込む。その後、図4、図7に示すように、加熱気体HAは加熱気体通路22を下から上へと流れ、濾過膜12mの上端部12mTに達すると、筒状体12sの透過孔を通って、濾液通路12rの上端部(濾液通路12r上端部の邪魔板21uの上方)へ流れ、第1加熱気体排気管17Aを介して、排ガスX3として装置10の外へ排気される。
図3に示すように、加熱気体HAが加熱気体通路22を流れる過程で、濾過膜12mを裏面12b側から加熱し、脱水させ、乾燥させる。この脱水乾燥工程で、ケーキK内が通気可能な状態となっている場合は、加熱気体HAがケーキKを裏面Kbから温めるだけでなく、ケーキK内を裏面Kb側から表面Kf側へ通過しつつ、ケーキK内も同時に温めて脱水乾燥を行うことになる。また、濾過膜12mは、加熱気体HAの通りが良い部分から脱水乾燥する。前記の通り、濾過膜12mは、ぬれ性の良い濾材からなるため、毛細管現象の効果が通常の濾過膜よりも大きく、濾過膜12mの脱水乾燥部分が濾過膜12mの未脱水乾燥部分から水分を吸収して、濾過膜12m全体の脱水乾燥を促進する。この毛細管現象はケーキKにも作用し、濾過膜12mの脱水乾燥部分がケーキKの水分を吸収して、ケーキKの乾燥を促進させる。すなわち、濾過膜12mの毛細管現象を用いて、濾過膜12mの表面12fに付着したケーキKを、ケーキKの裏面Kb側から表面Kf側に向かって、順々に脱水乾燥させることができる。
前記ケーキKの脱水乾燥においては、濾過膜12mにプリーツフィルタを用いて、プリーツフィルタ独特の構造、すなわち濾過膜12mの裏面12b(詳しくは、フィルタ支持体25の裏面)と筒状体12sの表面の間に山型の加熱気体通路22が形成される構造を有効に利用している。図7に示すように、プリーツフィルタの襞の内面に加熱空気HAを通風させ、加熱空気HAと濾過膜12mを直接接触させることで、濾過膜12mの比表面積が大きいことを利用して、ケーキKの脱水乾燥速度を速めることができる。
そのほか、前記プリーツフィルタ以外にも、例えば、図8に示すような円筒形のフィルタを用いても良い。この円筒形フィルタは、1枚の濾過膜12mを円筒形に形成したものであり、この円筒形状を保持するため、濾過膜12mの裏面12bに沿うように、ハニカムや金網などを円筒形に形成した支持板(フィルタ支持体25)を配している。濾過膜12mの裏面12bとフィルタ支持体25の表面は互いに接している。フィルタ支持体25の内側には、筒状体12sが設けられており、フィルタ支持体25の裏面と筒状体12sの表面の間には、5〜10mmの間隙が設けられている。そして、加熱空気HAがこの間隙を通ることによって、濾過膜12mを裏面12b側から加熱する。筒状体12sの構造、邪魔板21d、21uの配置、筒状体12s内が濾液通路12rになること、筒状体12sと邪魔板21d、21uの協同による加熱空気HAの濾過膜12mへの誘導機能などは、前記と同様であるため、説明を省略する。また、濾過フィルタ12の形状は角筒形などの任意の形状に変更しても良い。
前記の説明において、加熱気体HAを第1加熱気体供給管16Aから供給したが、これに代えて、加熱気体HAを第2加熱気体供給管16Bから供給しても良い。すなわち、第2加熱気体排出バルブ17v2と第2加熱気体供給バルブ16v2を開き(S31、S32)、加熱空気ブロワを起動して(S33)、第2加熱気体供給管16Bを通じて、加熱気体HAを供給する。第2加熱気体供給管16Bから供給された加熱気体HAの流れは、第1加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAの通路と逆方向になる。すなわち、図5に示すように、第2加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAは、第1加熱気体排気管17Aを通り、濾液通路12rの上端から内部へと流れ込む。そして、濾液通路12r上端部の邪魔板21uに当たり、横方向へ流れ、筒状体12sの透過孔を通って、加熱気体通路22へ流れ込む。その後、加熱気体HAは加熱気体通路22を上から下へと流れ、濾過膜12m下端縁に達すると、筒状体12sの透過孔を通って、濾液通路12rの下端部(濾液通路12r下端部の邪魔板21dの下方)へ流れ、濾液排出管14および第2加熱気体排気管17Bを介して、排ガスX4として装置10外へ排気される。
なお、加熱空気HAは、第2加熱気体供給管16Bから供給するよりも、第1加熱気体供給管16Aから供給することが好ましい。すなわち、加熱空気HAは、加熱気体通路22の上から下へ流すよりも、下から上へ流すことが好ましい。
加熱気体HAを下から上へ流したとき、加熱気体通路22の下部では、加熱気体HAの温度が高いため、濾過膜12mやケーキKの脱水乾燥速度が速く、良く脱水乾燥する。しかし、加熱気体HAが下から上へ流れるにしたがって、ケーキKや濾過膜12mから蒸発した水分を多く含むようになる。それとともに、加熱気体HAの温度が低くなる。そのため、加熱気体通路22の上部では、濾過膜12mやケーキKの脱水乾燥速度が遅く、脱水乾燥しにくい。
一方、ケーキKや濾過膜12mの水分は、重力によって下側へ移動する傾向があるため、ケーキKや濾過膜12mの含水量は下側ほど多くなる。そこで、加熱空気HAを加熱気体通路22の下から上へ流すことで、含水量が多い下側のケーキKや濾過膜12mを重点的に脱水乾燥することができる。
なお、加熱空気HAを下から上へ流し続けた結果、脱水乾燥を終えた段階で、ケーキKの下部の含水率が上部の含水率よりも低い場合がある。この状態のケーキKを濾過膜12mから剥離する場合、含水率の低いケーキKの下部が剥離しやすく、先に剥離する。他方、ケーキKの上部は、下部と比べて剥離しにくいが、ケーキKの下部が剥離することにより、支えが無くなったケーキKの上部も重力によって剥離する。
以上のような利点があるため、第1加熱気体供給管16Aから加熱気体HAを供給し、その気体HAを下から上へ流すことが好ましい。
また、加熱気体HAを第1加熱気体供給管16Aおよび第2加熱気体供給管16Bのどちらか一方から供給した場合、前記のようにケーキKの上部と下部の含水率に差が生じてしまう。そこで、含水率の差を小さくするため、図6に示すように、第1加熱気体供給管16Aと第2加熱気体供給管16Bの両方から加熱気体HAを供給しても良い。この場合、加熱気体通路22の高さ方向中間部(望ましくは、中央部)に、加熱気体HAを通さない仕切板23を水平に設けることができる。これによって、ケーキKの下部から中間部にかけては、第1加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAによって脱水乾燥され、ケーキKの上部から中間部にかけては、第1加熱気体供給管16Aから供給された加熱気体HAによって脱水乾燥される。加熱気体通路22の上から下へ流れ、中間部の仕切板23に当たった加熱気体HAや、同通路22の下から上へ流れ、中間部の仕切板23に当たった加熱気体HAは、濾過膜12mの裏面12bからケーキKの表面Kfへと流れ出て、濾過容器11に設けられた第3加熱気体排気管17v3を通って、排ガスX5として排気される(図1参照)。このように、必ずしも加熱気体HAを加熱気体通路22の上部から下部まで、または下部から上部まで流す必要はなく、途中でバイパスさせても良い。
そのほか、第1加熱気体供給管16Aや第2加熱気体供給管16Bからの加熱気体HAの供給に加えて、第3加熱気体供給管16Cからも加熱気体HAを供給し、ケーキKや濾材12mを表面12f側から加熱して脱水乾燥させても良い(図1参照)。
また、濾過フィルタ12よりも下方や上方に第3加熱気体供給管16Cの口を望ませても良い。
なお、第3加熱気体供給管16Cを通じて、ケーキKの表面Kfに加熱気体HAを当てる場合、空気抵抗が大きいため、大容量のブロワが必要になるとともに、消費電力も格段に増える。具体的には、ケーキKの表面Kfが濡れていない場合は5〜10kPa程度であり、ケーキKの表面Kfが濡れている場合は40kPa以上の圧力が必要となる。したがって、第1加熱気体供給管16Aや第2加熱気体供給管16Bから加熱気体HAを供給し、ケーキKを裏面Kb側から加熱することが好ましい。なお、加熱気体HAを濾過膜12mの裏面12b側から供給する場合、その供給圧力は5kPa程度である。
(洗浄工程)
脱水乾燥工程の後は、図13に例示したような洗浄工程を行う。すなわち、所定時間脱水乾燥した後(予め定めた脱水乾燥プログラムが終了した後)にケーキKの剥離を行う。洗浄工程の開始時期を脱水乾燥工程に係る所定時間が経過したか否かで決めるのはなく、排ガスX1〜X5が所定の温度以上になった場合、排ガスX1〜X5が所定の湿度以下になった場合、濾過フィルタ12が所定の温度以上になった場合、フィルタ内蔵部11Uの圧力が所定の圧力以上になった場合や、フィルタ内蔵部11Uと濾液通路12rの差圧が所定の差圧範囲に入った場合(もしくは所定の差圧以下になった場合)などに、濾過フィルタ12の表面12fに付着したケーキKが十分に乾燥したと判定し、脱水乾燥工程から洗浄工程に切り替えても良い。濾過膜12mの脱水乾燥に伴う毛細管現象によって、ケーキKと濾過膜12mの境界面が剥離層となり、ケーキKの脱水乾燥が進むにつれて、ケーキKと濾過膜12m間の水分による付着作用が解除され、ケーキKを容易に剥離することができる。このとき、ケーキKの外面Kfよりも、ケーキKと濾過膜12mの境界面が先に脱水乾燥するため、ケーキKの外面Kfが少し濡れている状態でもケーキKを剥離することができる。すなわち、ケーキKが完全に脱水乾燥していない状態であっても、濾過膜12mからケーキKを剥離することができる。このように、濾過膜12mを裏面12b側から脱水乾燥させることによって、ケーキKの剥離効率を高めることができる。なぜならば、ケーキKの表面Kf側から脱水乾燥させた場合は、剥離面(濾過膜12mとケーキKの境界面)を脱水乾燥させるために、多量の水分を含むケーキKを十分に脱水乾燥させる必要があるが、濾過膜12mの裏面12b側から脱水乾燥させることにより、濾過膜12mとケーキKの境界面を脱水乾燥させるだけで足り、ケーキKを十分に脱水乾燥させなくてもケーキKを剥離することができるからである。
洗浄工程開始前の任意の時期に、圧縮気体生成装置43を起動して圧縮気体WAを生成し、生成した圧縮気体WAを主タンク38Bおよび分岐タンク38Aに蓄積しておく。そして、予め定められた脱水乾燥時間が経過して、洗浄工程が開始される時に、ケーキ排出弁19の弁体19bと調節弁39を閉から開にする(S41)。調節弁39を開くと、分岐タンク38A内の圧縮気体WAが配管40を通って、リング状ノズル36sの筒42内に瞬間的に充満する。充満した圧縮気体WAは、図14や図15に示すように、リング状ノズル36sに設けられた孔37から濾過フィルタ12に向かって射出される(S42)。このエアパルスの発生圧力(分岐タンク38A内の圧力)は、0.1〜0.6MPaとすることが好ましい。0.1MPaよりも小さい圧力の場合は、調節弁39が動作しないという問題があり、0.6MPaよりも大きいと圧力の場合は、濾過フィルタ12の濾過膜12mが破壊されてしまうという問題がある。孔37から放出された圧縮気体WAは、急速に膨張して衝撃波となり、濾過フィルタ12に衝突し、その衝撃によって濾過フィルタ12の襞に付着したケーキKを剥離する(S43)。このとき、孔37はリング状ノズル36sの内側全周に設けられているため、濾過フィルタ12に対して360度の方向から衝撃を与え、ケーキKを周方向に沿って漏れなく剥離することができる。
なお、濾過フィルタ12に付着したケーキKのうち、リング状ノズル36sが設けられた位置から、濾過フィルタ12の軸方向に遠く離れたケーキKに対しては、前記衝撃波を及ぼすことができない。そのため、例えば図26に示すように、リング状ノズル36sを濾過フィルタ12の軸方向に移動させる移動機構を備え付けることが好ましい。リング状ノズル36sを軸方向に移動させ、移動中または移動後に、孔37から圧縮気体WAを放出することで、ケーキKを軸方向に沿って漏れなく剥離することができる。前記移動機構を備え付けない場合は、例えば図27に示すように、濾過フィルタ12の軸方向に沿ってリング状ノズル36sを複数設けることで、移動機構を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
また、前記リング状ノズル36sの代わりにライン状ノズル36rやドット状ノズル36dを設けた場合は、孔37から放出された圧縮気体WAは、膨張して衝撃波となり、濾過フィルタ12の軸方向(長手方向)に線状に衝突する。そのため、濾過フィルタ12に付着したケーキKを軸方向に沿って漏れなく剥離することができる。なお、濾過フィルタ12を図示しない回転機構によって回転させることによって、濾過フィルタ12の全周に付着したケーキKを剥離することができる。なお、濾過フィルタ12が回転しない場合は、ライン状ノズル36rやドット状ノズル36dが濾過フィルタ12の周囲を回転させる機構にすることにより、同じく濾過フィルタ12の全周に付着したケーキKを剥離することができる。
なお、加熱気体HAをケーキKの表面Kfに噴射し、ケーキKを表面Kfから脱水乾燥させる場合、従来は、ケーキKの剥離はケーキKの含水率が35%程度でも可能であるが、より確実に剥離するためにはケーキKの含水率を30%以下とすることが必要であった。しかし、前記の実施例においては、ケーキKと濾過膜12mの境界面を脱水乾燥させるだけで足りるため、ケーキKの含水率が60%程度であっても、ケーキKの剥離が可能となる。そのため、加熱気体HAの送風量が減り、ブロア等を作動させるための電力使用量を削減することができる。また、ケーキK全体の含水率が高い状態であっても、濾過膜12mの毛細管現象により、濾過膜12mの表面12fとケーキKの裏面Kbの間の剥離部の含水率が低くなるため、ケーキKの剥離が可能となる。そのため、脱水乾燥時間が大幅に短縮でき、脱水乾燥装置10全体の処理能力を向上させることができる。なお、ケーキKの含水率を55%程度にまで下げると剥離がより容易となる。したがって、ケーキKの含水率が60%以下、より好ましくは55%以下になるまで脱水乾燥すると良い。
ケーキ排出シュート11Sに落ちた剥離ケーキKはケーキ排出弁19から装置10の外に排出される。なお、前記S41の段階でケーキ排出弁19の弁体19bを開けずに、剥離したケーキKをケーキ排出シュート11Sに溜め、ある程度の量のケーキKが溜まった後に(S43とS44の間に)、ケーキ排出弁19の弁体19bを開けて、装置10の外に排出しても良い。
このようにして、ケーキKを全て排出した(S44)後に、ケーキ排出弁19の弁体19bと調節弁39を開から閉にし、洗浄工程を終了とする。
なお、本実施形態のようにプリーツフィルタを用いると、隣り合う襞と襞の壁面間の間隔が内側から外側へ向かって次第に広くなるため、ケーキKを剥離・排出しやすいという利点がある。また、濾過膜12mを構成する不織布の熱容量が小さいため、エネルギーロスが少ない。なお、図2に示すように、隣り合う襞と襞の先端部間の長さL1は、例えば17mmにすることができ、襞の先端から基端までの長さL2は、例えば80mmにすることができる。
以上では、ぬれ性が良い濾過フィルタ12を用いた場合について説明したが、通常の濾過フィルタ12を用いても良い。また、濾過フィルタ12の裏側に加熱気体HAを流す形態でなくても良く、濾過フィルタ12の外側から加熱気体HAを流すようにしても良い。すなわち、以上の説明では、乾燥効率やランニングコストなどの観点から、より好ましい例を示したが、洗浄装置や洗浄工程以外については、任意の公知の構造や公知の工程に変更することもできる。
(縦型脱水乾燥装置と横型脱水乾燥装置)
また、上記では、濾過フィルタ12を縦に配置した縦型濾過装置10について説明した。本発明はこのような形態に限られるものでなく、濾過フィルタ12を横に配置した横型濾過装置10であっても良い。図9の濾過装置10は、図面左からスラリーAを供給し、図面右から濾液Bを排液する構成としているが、図面左からスラリーAを供給し、図面左から濾液Bを排液する構成、すなわち濾液排出管14を図面左に配置しても良い。このとき、第1加熱気体排気管17Aや第2加熱気体供給管16Bは、逆に図面右へ配置すると良い。
(複数の濾過フィルタ)
以上では、濾過フィルタ12を一つ備えた濾過装置10について説明してきたが、これに限られるものではなく、複数の濾過フィルタ12を備えた濾過装置10に対しても、同様の洗浄装置35を用いることができる。
(第2実施形態)
前記第1実施形態の説明では、スラリーなどの液体状の被処理物Aを濾過する濾過装置10について述べた。しかし、本発明はこれに限られるものでなく、気体を濾過する濾過装置10であっても良い。このような濾過装置10は、例えば汚染気体A中の粉塵を捕捉する濾過フィルタ12と、この濾過フィルタ12を格納する濾過容器11を有する。また、濾過装置10の一端側には汚染気体(被処理物A)の供給口54が、他端側には濾過後の清浄な気体の排出口55がそれぞれ設けられている。そして、供給口54から供給された汚染気体Aは、一端側から他端側へ流れる過程で濾過フィルタ12を通過し、この濾過フィルタ12によって汚染気体Bに含まれる粉塵が除去され、清浄気体Bとして排出口55から排出される構造になっている。
(濾過フィルタ12)
濾過フィルタ12としては、表面積が広いことから、第1実施形態と同様にプリーツフィルタが好適である。濾過フィルタ12の素材としては、ぬれ性がよい物に限定されず、デミスターなどの金属メッシュを用いても良い。デミスターとしては、直径約0.12mm〜0.25mmの細い金属線を所定の形状に編み、編んだ生地を特殊形状のロールなどを用いてプリーツフィルタ状に成形し、それを重ねて複数層にしたものを例示することができる。金属メッシュからなるプリーツフィルタに圧縮気体WAを噴射すると、フィルタに付着した付着物(液体の微粒子など)が綺麗に除去され(ポリエステル等の繊維からなるプリーツフィルタよりも付着物の除去率が高い)、フィルタの目詰まりが解消されるため、再濾過をした際に濾過精度が上がるという利点がある。また、プリーツフィルタがポリエステル等の繊維からなる場合は、洗浄工程を複数回経た後にフィルタを交換しなければならないが、金属メッシュからなるプリーツフィルタの場合は、そのような交換をほとんどしなくて良いという利点がある。さらに、濾過容器11内に濾過フィルタ12を配置する際は、濾過フィルタ12の軸心が横方向(水平方向)になるように配置したり、縦方向(垂直方向)になるように配置したりできる。
(汚染空気Aと清浄空気Bの流れ)
次に、濾過装置10内における汚染空気Aと清浄空気Bの流れを説明する。まず、濾過装置10の供給口54から濾過容器11内に被処理物Aとしての汚染空気Aが供給される。供給された汚染空気Aは、濾過容器11の内壁面と濾過フィルタ12の外面の間の間隙50に流れ込む。なお、濾過フィルタ12の一端側(供給口側)端部には、濾過フィルタ12の中空部(清浄気体通路12r)の端部に蓋をするように遮蔽板52が設けられており、汚染空気Aが濾過フィルタ12の中空部12rに直接入り込むことを防いでいる。そして、前記間隙50に流れ込んだ汚染空気Aは、濾過フィルタ12の外面から内面へ通り抜け、その通り抜けの際に、汚染空気A中の粉塵が濾過フィルタ12の主に外面12fに捕捉される。濾過フィルタ12によって粉塵が除去された清浄な空気Bは、濾過フィルタ12内の清浄気体通路12rを他端側(排気口側)へ向かって流れ、排気口55から排気される。
(送風ファンおよび吸気ファン)
また、汚染空気Aや清浄空気Bの流れは、一端側(上流側)に送風ファンを設けたり、他端側(下流側)に吸気ファン53を設けたりすることで実現できる。本実施形態では、排気口55と隣接する位置に吸気ファン53を設け、汚染空気Aや清浄空気Bを上流側から下流側へ向かって吸引する構造としている。また、送風ファンを設ける場合は、給気口54の近辺にファンを設置すると良い。
(洗浄装置35)
ドット状ノズル36d、ライン状ノズル36rは、濾過容器11の内壁面と濾過フィルタ12の外面の間の間隙50に設けることが好ましく、リング状ノズル36sは、濾過容器11の外側に設けることが好ましい。前記各ノズル36d、36r、36sの形状や設置位置などについては、第1実施形態と重複するため、説明を省略する。
なお、第2実施形態の発明においては、第1実施形態のように、濾過工程、排出工程、脱水乾燥工程、洗浄工程と各工程を経るのではなく、被処理物Aである気体の濾過を行いながら、濾過フィルタ12の洗浄を行うようにすれば良い。
(第3実施形態)
本発明の濾過装置10は、濾過フィルタ12を用いて、被処理物A(低融点合金とそれ以外の不純物の混合物。加温して低融点合金を溶融させ、液体にした状態が好ましい。)から低融点合金を分離し、洗浄装置35を用いて、濾過フィルタ12の表面12fに堆積した低融点合金を剥離し、回収する装置であっても良い。
(低融点合金)
この低融点合金は、ビスマス、スズ、鉛、インジウム、カドミウム、アンチモン、亜鉛、ガリウムからなる群から選ばれる成分を主成分とする合金である。特に、ビスマスおよびスズを主体とし、必要によってインジウムを添加したものが好適である。なお、低融点合金の溶融温度としては、16℃〜183℃を例示できる。
前記低融点合金の具体例としては、株式会社大阪アサヒメタル工場製の「Uアロイ」シリーズを挙げることができる。このシリーズとして、融点16℃〜183℃の様々な種類の低融点合金が販売されている。
本発明に係る低融点合金の濾過装置10を用いて、低融点合金とそれ以外の不純物との分離を行う際は、融点90℃〜150℃の範囲の低融点合金が特に好適である。
前記低融点合金は、被加工物の固定治具などに用いられる。そして、被加工物を切削する精密加工等の過程で、固定治具も削られてしまった場合に、低融点合金の切削屑が発生するため、その切削屑の中から低融点合金を回収すると良い。
なお、低融点合金以外の不純物の例としては、チタン、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄、ガラスなどの被加工物(加工対象となる材料をいう。Workpiece。)の切削屑を挙げることができる。これらの切削屑は、一つの物質のみ(例えば、チタンのみ)からなる場合もあれば、二以上の物質の混合物(例えば、チタンとアルミニウムの混合物)からなる場合もある。
そして、被処理物Aの例としては、低融点合金の切削屑とそれ以外の不純物の切削屑の混合物を挙げることができるが、これに限られるものではない。その他の被処理物Aの例としては、低融点合金を含む家電製品の破砕物(破砕していない状態のものでも良い)や、研究過程で制作した低融点合金を含む試作品(前記と同様に、破砕していない状態のものでも良い)などを挙げることができる。
なお、濾過装置10の構造や、前記各ノズル36d、36r、36sの形状や設置位置などについては、図1などと重複記載となるため、説明を省略する。
(その他の実施形態)
図29では、濾過装置10内に濾過フィルタ12を2つ設けた例を示した。濾過フィルタ12を複数配置した場合には、このように複数の濾過フィルタ12の間に洗浄装置35を設け、その洗浄装置35から複数の濾過フィルタ12に向けて圧縮気体WAを噴き付けるようにすると良い。このような構造を採用することで、洗浄装置35の設置数を減らすことができる。なお、図29においては、2つの濾過フィルタ12の間にドット状ノズル36dまたはライン状ノズル36rを設け、そのノズル(36dまたは36r)の管42に、別々の方向(各濾過フィルタ12が位置する方向。図29では、左上と右上の方向。)に向かう孔37を設け、その孔37を介して、各濾過フィルタ12に圧縮気体WAを噴き付けている。なお、各濾過フィルタ12は、図示しない回転機構によって、図中のRの方向に回転するため、濾過フィルタ12の全周(360度)を洗浄できるようになっている。また、濾過フィルタ12の回転方向Rは任意に変更することができる。例えば、図29では2つの濾過フィルタ12の回転方向Rが異なるが、揃えて同じにしても良い。また、図29の回転方向Rと逆回転にしても良い。
10…濾過装置、11…濾過容器、11S…ケーキ排出シュート(粉塵排出シュート)、11U…フィルタ内蔵部、12…濾過フィルタ、12b…濾過膜の裏面(濾過フィルタの内面)、12f…濾過膜の表面(濾過フィルタの外面)、12m…濾過膜、12mh…濾過膜の透過孔、12r…濾液通路(清浄気体通路)、12s…筒状体、13…スラリー供給管(汚染気体供給管)、13v…被処理物供給バルブ、14…濾液排出管、14v…濾液排出バルブ、15…圧気供給管、15v…圧気供給バルブ、16A…第1加熱気体供給管、16B…第2加熱気体供給管、16C…第3加熱気体供給管、16v1…第1加熱気体供給バルブ、16v2…第2加熱気体供給バルブ、16v3…第3加熱気体供給バルブ、17A…第1加熱気体排出管、17B…第2加熱気体排出管、17C…第3加熱気体排出管(バイパス配管)、17v1…第1加熱気体排出バルブ、17v2…第2加熱気体排出バルブ、17v3…第3加熱気体排出バルブ、19…ケーキ排出弁、19p…スラリー排出管、19v…スラリー排出バルブ、21u…上部邪魔板、21d…下部邪魔板、22…加熱気体通路、25…フィルタ支持体、35…洗浄装置、36…ノズル、36d…ドット状ノズル、36r…ライン状ノズル、36s…リング状ノズル、37…孔、37D…点状の孔、37L…スリット状の孔、38…タンク、38A…分岐タンク、38B…主タンク、39…調節弁、40…配管、41…自動開閉蓋、42…筒、43…圧縮気体生成装置、44…レギュレータ、45…供給口、50…間隙、51…回転手段、52…遮蔽板、53…吸気ファン、54…供給口、55…排出口、A…被処理物、B…処理物、C…粉塵、CA…加圧気体(圧気)、K…ケーキ、Kb…ケーキの裏面、Kf…ケーキの表面、M…モータ、HA…加熱気体、HAF…加熱気体が流れる方向、P…ピッチ、WA…圧縮気体、WT…水分、WTF…水分が流れる方向、X1、X2、X3、X4、X5…排ガス

Claims (7)

  1. 被処理物の供給口と処理物の排出口を有する濾過容器と、
    前記濾過容器内に設けられ、被処理物を濾過する筒状の濾過フィルタと、
    前記濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、前記濾過フィルタの外面に付着した付着物を除去するファイルタ洗浄手段と、を有し、
    前記フィルタ洗浄手段は、
    圧縮気体を生成する圧縮気体生成装置と、
    前記濾過フィルタの外側に配置されたノズルと、
    前記圧縮気体生成装置で生成した圧縮気体の噴射量を調整する調節弁と、を有し、
    前記ノズルは、中空の筒と、前記筒の軸方向に沿って設けられた前記圧縮気体を射出する孔を有することを特徴とする濾過装置。
  2. 前記ノズルの筒の形状は直線状であり、
    前記筒は前記濾過フィルタの長手方向と並列に配置され、
    前記筒には、前記筒の軸方向に沿って複数の点状の孔が所定間隔で設けられ、
    前記点状の孔は、筒壁のうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられている請求項1記載の濾過装置。
  3. 前記ノズルの筒の形状は直線状であり、
    前記筒は前記濾過フィルタの長手方向と並列に配置され、
    前記筒には、前記筒の軸方向に沿って延在するスリット状の孔が設けられ、
    前記スリット状の孔は、筒壁のうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられている請求項1記載の濾過装置。
  4. 前記ノズルの筒の形状は環状であり、
    前記筒は前記濾過フィルタの外面を取り囲んで配置され、
    前記筒には、前記筒の軸方向に沿って所定間隔を空けた複数の点状の孔または前記筒の軸方向に沿って延在するスリット状の孔の少なくとも一方が設けられ、
    前記点状の孔またはスリット状の孔は、筒壁のうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられている請求項1記載の濾過装置。
  5. 前記環状のノズルは、前記濾過フィルタの長手方向に沿って、複数設けられている請求項4記載の濾過装置。
  6. 前記環状のノズルは、前記ノズルを前記濾過フィルタの長手方向に沿って移動させる動力発生機と接続されている請求項4記載の濾過装置。
  7. 濾過装置内の濾過フィルタを用いて、被処理物を濾過する濾過工程と、
    前記濾過フィルタの外面に向かって圧縮気体を射出し、前記濾過フィルタの外面に付着した付着物を除去する洗浄工程と、を有し、
    前記洗浄工程は、
    圧縮気体生成装置で圧縮気体を生成する生成工程と、
    ノズルの軸方向に沿って設けられた孔を通じ、前記濾過フィルタの外面に向かって、前記圧縮気体を射出する射出工程と、を有することを特徴とする濾過方法。
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