JP2017135047A - 非水電解質二次電池用セパレータ、および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用セパレータ、および非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高エネルギー密度で、かつ高出力、高容量が得られる非水系電解質二次電池用セパレータ、および該セパレータを用いた非水系電解質二次電池を提供する。【解決手段】 リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極、および負極、セパレータ、並びに非水系電解液で構成される非水系電解質二次電池に、タングステン化合物を含有する非水系電解質二次電池用セパレータを用いる。セパレータ中に含有されるタングステン量は、非水系電解液に対して0.005〜0.1質量%であることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池用セパレータ、および該セパレータを用いた非水電解質二次電池に関するものである。
非水系電解質二次電池は高いエネルギー密度をもつため、近年、小型化や軽量化を要求される携帯電話やノートパソコンのような携帯電子機器に広く使用されており、また、自動車用途では、ハイブリット自動車を始めとする電気自動車用のクリーンなエネルギー源として開発が盛んであり、小型、軽量、高容量、高出力などの高性能化や低コスト化が求められている。
このような非水系電解質二次電池は、代表的な電池としてリチウムイオン二次電池があり、現在、研究開発が盛んに行われている。特に層状またはスピネル型のリチウム金属複合酸化物を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。
これまで主に提案されている活物質材料としては、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)や、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などを挙げることができる。
この中でもリチウムニッケル複合酸化物およびリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物は、サイクル特性が良く、低抵抗で高出力が得られ、電池特性に優れた材料として注目されており、近年では高出力化に必要不可欠である低抵抗化が重要視されている。
上記の低抵抗を実現する方法として異元素の添加が知られている。とりわけW、Mo、Nb、Ta、Reなどの高価数をとることができる遷移金属が有用とされている。
例えば、特許文献1には、Mo、W、Nb、Ta及びReから選ばれる1種以上の元素が、Mn、Ni及びCoの合計モル量に対して0.1〜5モル%含有されているリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体が提案され、一次粒子の表面部分のLi並びにMo、W、Nb、Ta及びRe以外の金属元素の合計に対するMo、W、Nb、Ta及びReの合計の原子比が、一次粒子全体の該原子比の5倍以上であることが好ましいとされている。
この提案によれば、リチウム遷移金属系化合物粉体の低コスト化及び高安全性化と高負荷特性、粉体取り扱い性向上の両立を図ることができるとしている。
しかし、上記リチウム遷移金属系化合物粉体は、原料を液体媒体中で粉砕し、これらを均一に分散させたスラリーを噴霧乾燥し、得られた噴霧乾燥体を焼成することで得ている。そのため、Mo、W、Nb、Ta及びReなどの異元素の一部が、層状に配置されているNiと置換してしまい、電池の容量やサイクル特性などの電池特性が低下してしまう問題があった。
また、特許文献2には、少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池用正極活物質であって、そのリチウム遷移金属複合酸化物は、一次粒子およびその凝集体である二次粒子の一方または両方からなる粒子の形態で存在し、その粒子の少なくとも表面に、モリブデン、バナジウム、タングステン、ホウ素およびフッ素からなる群から選ばれる少なくとも1種を備える化合物を有する非水電解質二次電池用正極活物質が提案されている。
これにより、より一層厳しい使用環境下においても優れた電池特性を有する非水電解質二次電池用正極活物質が得られるとされ、特に、粒子の表面にモリブデン、バナジウム、タングステン、ホウ素およびフッ素からなる群から選ばれる少なくとも1 種を有する化合物を有することにより、熱安定性、負荷特性および出力特性の向上を損なうことなく、初期特性が向上するとしている。
しかしながら、モリブデン、バナジウム、タングステン、ホウ素およびフッ素からなる群から選ばれる少なくとも1 種の添加元素による効果は、初期特性、すなわち初期放電容量および初期効率の向上にあるとされ、出力特性に言及したものではない。また、開示されている製造方法によれば、添加元素をリチウム化合物と同時に熱処理した水酸化物と混合して焼成するため、添加元素の一部が層状に配置されているニッケルと置換してしまい電池特性の低下を招く問題があった。
さらに、特許文献3には、一次粒子および前記一次粒子が凝集して構成された二次粒子からなるリチウム金属複合酸化物粉末とタングステン酸リチウムの混合物を含む非水系電解質二次電池用正極材料が提案されている。
この正極材料を非水系電解質二次電池の正極に用いることにより、高容量と高出力を両立させることが可能としているが、多量のタングステン酸リチウムを混合することが必要であり、混合した量だけ電池容量が低下してしまう、また、コストが上昇するという問題があった。
特開2009‐289726号公報 特開2005‐251716号公報 特開2013‐171785号公報
上記技術は、いずれも製造工程が複雑になり、さらにニッケルとの置換という問題を避けられず、また、製造安定性、ハンドリングやコストの観点からリーズナブルであるとは言えない。
本発明は、かかる問題点に鑑み、高エネルギー密度で、かつ高出力、高容量が得られる非水系電解質二次電池用セパレータ、および該セパレータを用いた非水系電解質二次電池を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために、リチウム遷移金属複合酸化物の正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、セパレータ、および非水系電解液を備えた非水系電解質二次電池において、電池構成部材の出力特性に対する影響について鋭意研究したところ、セパレータにタングステン化合物を含有させることで、電池の正極抵抗を低減して出力特性を向上させることが可能となるとの知見を得て、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の非水系電解質二次電池用セパレータは、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極、および負極、セパレータ、並び非水系電解液で構成される非水系電解質二次電池に用いられるセパレータであって、前記セパレータ中にタングステン化合物を含有することを特徴とする。
前記セパレータ中のタングステン化合物は、含有されるタングステン量として、非水系電解質二次電池の非水系電解液に対して0.005〜0.1質量%であることが好ましい。
また、前記セパレータは、空隙部を有する多孔質であり、空隙部にタングステン化合物が担持されていることが好ましく、前記空隙部にタングステン化合物を担持した薄膜の両面に、有機樹脂性多孔質薄膜を有する積層構造であることが好ましい。
前記タングステン化合物は、タングステン酸リチウムであることが好ましい。
本発明の非水系電解質二次電池は、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極、および負極、セパレータ、並びに非水系電解液で構成される非水系電解質二次電池であって、前記セパレータとして上記非水系電解質二次電池用セパレータを用いたものであることを特徴とする。
本発明によれば、非水系電解質二次電池のセパレータとして用いた場合に、高エネルギー密度で、高容量とともに高出力が実現可能な非水系電解質二次電池用セパレータが得られる。
また、本発明の非水系電解質二次電池は、高エネルギー密度でかつ高容量とともに高出力が得られるものであり、その工業的価値は極めて大きい。
セパレータの評価に使用した2031型コイン電池1の概略断面図である。 インピーダンス評価の測定例と解析に使用した等価回路の概略説明図である。
本発明の非水系電解質二次電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ということがある。)は、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極、および負極、セパレータ、並びに非水系電解液で構成される非水系電解質二次電池に用いられるセパレータであって、前記セパレータ中にタングステン化合物を含有することを特徴とする。
非水系電解質二次電池は、非水系電解液(以下、単に「電解液」ということがある。)を介して正極と負極の間をリチウム(Li)イオンが移動することにより、充放電が行われる。前記Liイオンの移動が迅速に行われることにより、短時間での放電が可能となることから、出力特性が向上する。したがって、出力特性を向上させるためには、正極活物質の結晶内部と結晶表面の間の移動のみならず、正極活物質の結晶表面と電解液の間および電解液中の移動速度を高くする必要がある。
本発明は、セパレータ中にタングステン化合物を含有させることで、前記移動速度、特に正極活物質と電解液の間の移動速度を向上させ、正極抵抗を低減することができ、該セパレータを用いることにより、高い出力特性と高容量を有する電池が得られるとの知見を得て、完成されたものである。
正極抵抗が低減されることで、電池内で損失される電圧が減少し、実際に負荷側に印加される電圧が相対的に高くなるため、高出力を得ることができる。また、負荷側への印加電圧が高くなることで、正極でのリチウムの挿抜が十分に行われるため、電池容量を向上することができる。
セパレータ中にタングステン化合物を含有させることにより、前記移動速度が向上する機構の詳細は明らかではないが、セパレータ中のタングステン化合物から、微量のタングステン(W)が電解液中に溶出して電解液中のリチウム(Li)とともに、電解液と接触している正極活物質の結晶表面に何らかの作用を及ぼし、該結晶表面と電解液の間のLiの移動速度を向上させるものと推定される。
したがって、前記タングステン化合物は、前記移動速度の向上が可能な程度に微量なWを電解液中に溶出できる量がセパレータ中に含有されていればよく、前記タングステン化合物中に含有されるタングステン量として、前記非水系電解液に対して0.005〜0.1質量%であることが好ましい。これにより、前記移動速度の向上に十分な量のタングステンを電解液中に溶出させることができる。
前記タングステン量が0.005質量%未満であると、電解液中に溶出されるタングステン量が少なくなり、移動速度の向上が十分でない場合がある。一方、0.1質量%を超えても、移動速度に大きな向上がなく、タングステン量の増加に伴いコストが上昇する。また、セパレータが目詰まりして電解液中のLiの移動速度が低下する場合がある。
前記セパレータは、空隙部を有する多孔質であり、例えばJIS P 3801に規定される保留粒子径が0.2〜1.0μmであることが好ましく、その空隙部にタングステン化合物が担持されていることが好ましい。これにより、セパレータ中に担持させるタングステン化合物の量をより適正に制御することができる。また、セパレータの取り扱い中に、セパレータからタングステン化合物が脱落することを防止することができ、タングステン化合物の量の制御が容易になる。また、セパレータを多孔質とすることにより、セパレータ内は空隙が多く存在し、かつ空隙が小さく毛管現象が作用するため、セパレータ中にタングステン化合物を担持させても、十分な量の電解液を保持することができ、Liの移動をより容易にすることができる。
タングステン化合物を担持させるセパレータは、空隙が多いものが好ましく、例えば、セウロースやガラスなどの電解液に対して安定な繊維の不織布が好ましい。これにより、タングステン化合物の担持がさらに容易になる。
さらに、タングステン化合物を担持させるセパレータは、薄膜状であり、タングステン化合物を担持した薄膜の両面に、有機樹脂性多孔質薄膜を有する積層構造であることが好ましい。これにより、取扱い中のタングステン化合物の脱落をさらに防止することができ、作業性がさらに向上する。
有機樹脂性多孔質薄膜は、非水系電解質二次電池のセパレータとして通常に用いられるものでよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄膜で、微細な孔を多数有するものが好ましい。
前記セパレータの全膜厚は、100〜500μmとすることが好ましく、これにより、正極と負極の間隔を、正極抵抗を増加させない範囲で、セパレータにタングステン化合物を担持させるとともに十分な量の電解液を保持することが可能である。また、デンドライトが生成しても短絡を防止できる。膜厚が100μm未満になると、十分な量の電解液を保持することができないことがある。また、膜厚が500μmを超えると、正極と負極の間隔が大きくなり過ぎて、正極抵抗が増加することがある。
前記タングステン化合物は、電解液中にWを溶出する化合物であればよいが、タングステン酸リチウムであることが好ましい。タングステン酸リチウムは電解液中に溶解しやすく、十分な量のWを電解液に供給することができる。タングテン酸リチウムとしては、LiWO、LiWO、Li、LiWO6、7(LiWO)・4HOからなる群から選択される1種類以上の化合物を含むことが好ましく、LiWO、LiWOの1種類以上の化合物であることがより好ましい。
本発明の非水系電解質二次電池は、上記セパレータを用いたことを特徴とするものであって、その他の正極や負極、電解液などの構成は公知の技術を用いることができる。以下に、電池の構成要素ごとに説明する。
(a)正極
正極に用いられる正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物であれば特に制限がなく、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などから1種もしくは複合して用いることができる。正極は、例えば、以下のようにして作製する。
まず、粉末状の正極活物質、導電材、結着剤を混合し、さらに必要に応じて活性炭、粘度調整等の目的の溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを作製する。
ここで、正極合材ペースト中のそれぞれの混合比も、非水系電解質二次電池の性能を決定する重要な要素となる。そのため、溶剤を除いた正極合材の固形分の全質量を100質量部とした場合、一般の非水系電解質二次電池の正極と同様、正極活物質の含有量を60〜95質量部とし、導電材の含有量を1〜20質量部とし、結着剤の含有量を1〜20質量部とすることが望ましい。
得られた正極合材ペーストを、例えば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥して、溶剤を飛散させる。必要に応じ、電極密度を高めるべく、ロールプレス等により加圧することもある。このようにして、シート状の正極を作製することができる。
作製したシート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断等をして、電池の作製に供することができる。ただし、正極の作製方法は、前記例示のものに限られることなく、他の方法によってもよい。
正極の作製にあたって、導電材としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)や、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料などを用いることができる。
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすもので、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。
必要に応じ、正極活物質、導電材、活性炭を分散させ、結着剤を溶解する溶剤を正極合材に添加する。溶剤としては、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。また、正極合材には、電気二重層容量を増加させるために、活性炭を添加することができる。
(b)負極
負極には、金属リチウムやリチウム合金等、あるいは、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極同様、PVDF等の含フッ素樹脂等を用いることができ、これらの活物質および結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
(c)電解液
電解液(非水系電解液)は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトン等の硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチル等のリン化合物等から選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiN(CF3
SO22等、およびそれらの複合塩を用いることができる。
さらに、非水系電解液は、ラジカル捕捉剤、界面活性剤および難燃剤等を含んでいてもよい。
(d)非水系電解質二次電池の形状、構成
以上のように説明してきた正極、負極、電解液および本発明のセパレータで構成される本発明の非水系電解質二次電池の形状は、円筒型、積層型等、種々のものとすることができる。
いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極を、セパレータを介して積層させて電極体とし、得られた電極体に、非水系電解液を含浸させ、正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、および、負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、集電用リード等を用いて接続し、電池ケースに密閉して、リチウムイオン二次電池を完成させる。得られた非水系電解質二次電池は、高い初期放電容量と低い正極抵抗が得られ、高容量で高出力である。
なお、本発明における正極抵抗の測定方法を例示すれば、次のようになる。電気化学的評価手法として一般的な交流インピーダンス法にて電池反応の周波数依存性について測定を行うと、溶液抵抗、負極抵抗と負極容量、および正極抵抗と正極容量に基づくナイキスト線図が得られる。図2にナイキスト線図の測定例を示す。
電極における電池反応は、電荷移動に伴う抵抗成分と電気二重層による容量成分とからなり、これらを電気回路で表すと抵抗と容量の並列回路となり、電池全体としては溶液抵抗と負極、正極の並列回路を直列に接続した図2に示す等価回路で表される。この等価回路を用いて測定したナイキスト線図に対してフィッティング計算を行い、各抵抗成分、容量成分を見積もることができる。正極抵抗は、得られるナイキスト線図の低周波数側の半円の直径と等しい。
以上のことから、作製される正極について、交流インピーダンス測定を行い、得られたナイキスト線図に対し等価回路でフィッティング計算することで、正極抵抗を見積もることができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、以下で説明する実施形態は例示に過ぎず、本発明は、本明細書に記載されている実施形態を基に、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本発明の非水系電解質二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
(正極活物質)
Niを主成分とする酸化物粉末と水酸化リチウムを混合して焼成する公知技術で得られたLi1.060Ni0.76Co0.14Al0.10で表されるリチウム金属複合酸化物粉末を正極活物質とした。このリチウム金属複合酸化物粉末の平均粒径は5.0μmであり、比表面積は0.9m/gであった。なお、平均粒径はレーザー回折散乱法における体積積算平均値を用い、比表面積は窒素ガス吸着によるBET法を用いて評価した。
(電池の製造及び評価)
非水系電解質二次電池用セパレータの評価は、以下のように電池を作製し、充放電容量と正極抵抗を測定することで行なった。
正極活物質75質量部、導電材となるカーボン粉末としてアセチレンブラック粉末と結着剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)との2対1の混合物25質量部を総量40mgとなるように混合し、100MPaの圧力で直径9mmにプレス成形して図1に示す正極1(評価用電極)を作製した。この正極1はリチウムニッケル複合酸化物量としては30mg相当である。その作製した正極1を真空乾燥機中120℃で12時間乾燥した。
Li金属負極2には、厚み1.0mmの金属リチウムを直径14mmに打ち抜いた物を用い、電解質LiPFを1モル/Lを含有するエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)の等量混合液(容積比でEC/EMC/DMC=3/4/3)を電解液として用いた。
コイン型電池Bは、ガスケット4とウェーブワッシャー5を有し、正極1、Li金属負極2、電解液、セパレータ3を用い、正極缶6と負極缶7とで、2032型のコイン型電池Bを露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内で作製した。
製造したコイン型電池Bの性能を示す充放電容量、正極抵抗は、以下のように評価した。なお、正極抵抗は比較例1を100とした相対値を評価値とした。
充放電容量は初期放電容量により評価した。コイン型電池Bを製作してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(OpenCircuit Voltage)が安定した後、1mAで4.2Vまで定電圧充電を行い、4.2Vで低電圧充電(電流値が0.1mAで充電終了)した後、1mAの定電流で2.5Vまで放電し、初期放電容量を求めた。
正極抵抗は、コイン型電池を充電電位4.1Vで充電して、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製、1255B)を使用して交流インピーダンス法により測定すると、ナイキストプロットが得られる。このナイキストプロットは、溶液抵抗、負極抵抗とその容量、および、正極抵抗とその容量を示す特性曲線の和として表しているため、このナイキストプロットに基づき等価回路を用いてフィッティング計算を行い、正極抵抗の値を算出した。
(実施例1)
セパレータの基材としてJIS P 3801による保留粒子系0.3μmであり、厚さ200μmであるガラス繊維製フィルターを用いた。次にタングステン酸リチウム(Li2WO)粉末とPVDFとを質量比1:19で混合した後、n−メチルピロリドン溶液に5質量%となるように混合し混合液を調製した。その混合液を上記ガラス繊維製フィルターに塗布し、乾燥した後、直径12mmに切り取り、セパレ―タとした。
得られたセパレータを用いて、上述の電池の製造の手順に従ってコイン型電池Bを5個作製した。セパレ―タに含有されるタングステン酸リチウムは、電池の製造に封入した電解液量から算出すると、タングステン量として電解液に対して0.08質量%であった。得られたコイン型電池Bについて充放電容量と正極抵抗の評価を行った。その評価結果の平均値を表1に示す。
(実施例2)
タングステン酸リチウムが、タングステン量として電解液に対して0.01質量%となるように調製した以外は、実施例1と同様にコイン型電池Bを作製し、評価した。その評価結果の平均値を表1に示す。
(実施例3)
実施例1における混合液を塗布後のガラス繊維製フィルターの両面を、一般的にセパレータとして使用されるポリプロピレン製の厚さ20μmの多孔質樹脂膜で挟み込んだこと以外は、実施例1と同等にコイン型電池Bを作製し、評価した。その評価結果の平均値を表1に示す。
(比較例1)
ガラス繊維製フィルターにタングステン酸リチウムを塗布せず、そのままの状態でセパレータとして用いたこと以外は、実施例1と同様にコイン型電池Bを作製し、評価した。その評価結果の平均値を表1に示す。
Figure 2017135047
実施例1〜3は、本発明のセパレータを用いたため、タングステン化合物を含有しない従来のセパレータを用いた比較例1と比べて、初期放電容量、正極抵抗が良好な結果となっており、本発明によって高出力、高容量の非水系電解質二次電池が得られることが確認された。また、正極には添加材を加えていないことから、正極活物質の充填量も確保され、高いエネルギー密度を有する電池と言える。
B コイン型電池
1 正極
2 Li金属負極
3 セパレータ
4 ガスケット
5 ウェーブワッシャー
6 正極缶
7 負極缶
8 電極部

Claims (6)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極、および負極、セパレータ、並びに非水系電解液で構成される非水系電解質二次電池に用いられるセパレータであって、
    前記セパレータ中にタングステン化合物を含有することを特徴とする非水系電解質二次電池用セパレータ。
  2. 前記セパレータ中のタングステン化合物は、含有されるタングステン量として、非水系電解質二次電池の非水系電解液に対して0.005〜0.1質量%であることを特徴とする請求項1に記載の非水系電解質二次電池用セパレータ。
  3. 前記セパレータは、空隙部を有する多孔質であり、空隙部にタングステン化合物が担持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の非水系電解質二次電池用セパレータ。
  4. 前記空隙部にタングステン化合物を担持した薄膜の両面に、有機樹脂性多孔質薄膜を有する積層構造であることを特徴とする請求項3に記載の非水系電解質二次電池用セパレータ。
  5. 前記タングステン化合物は、タングステン酸リチウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用セパレータ。
  6. リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極、および負極、セパレータ、並びに非水系電解液で構成される非水系電解質二次電池であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用セパレータを具備することを特徴とする非水系電解質二次電池。
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