JP2017131374A - 血管内皮機能検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検者及び検査者の負担を軽減しつつ、一定品質の検査結果を容易に得ることができる血管内皮機能検査装置を提供する。【解決手段】血管内皮機能検査装置は、超音波プローブによって検出された反射波に基づいて、内膜、中膜及び外膜からなる血管近位壁及び血管遠位壁の構造を示す血管画像を生成する画像生成部と、血管画像に基づいて、血管近位壁及び前記血管遠位壁のそれぞれにおける、内腔内膜境界、内膜中膜境界及び中膜外膜境界を特定する境界特定部と、血管近位壁における境界と血管遠位壁における境界との組み合わせのうち、複数の組み合わせを用いて血管径を測定する血管径測定部と、駆血前後の血管径に基づいて血管内皮機能を検査する検査部と、検査部による検査結果を出力部に出力させる出力制御部と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、血流依存性血管拡張反応(FMD:flow-mediated dilatation)を利用して血管内皮機能を検査する血管内皮機能検査装置に関する。
従来、血流依存性血管拡張反応を利用して血管内皮機能を検査する血管内皮機能検査装置が知られている(例えば、特許文献1〜3)。血流依存性血管拡張反応とは、血管内皮細胞が血流増加に伴うずり応力を感知することにより、血管拡張物質(血管弛緩物質)である一酸化窒素が産生され、この一酸化窒素が血管平滑筋に作用することにより、血管平滑筋が弛緩し、血管が拡張する現象である。血管内皮機能によって、動脈硬化の進行度合いを判断できるため、血管内皮機能検査は、動脈硬化が引き起こす様々な疾患を早期発見する上で有用である。以下において、血管内皮機能検査装置を「FMD検査装置」、FMD検査装置による検査を「FMD検査」と称する。
FMD検査では、例えば、超音波プローブから生体内部に超音波を発信し、その反射波を超音波プローブで受信することによって得られる超音波画像(例えばBモード表示用の画像、以下「血管画像」と称する)を利用して、血管径の測定が行われる。駆血前(安静時)と駆血解除後における上腕部の血管径に基づいて、駆血解除後の血管の拡張度合いを示すFMD値が算出される。このFMD値によって、血管内皮機能を検査することができる。
FMD値は、安静時の血管径をD1、駆血解除後の血管の最大拡張径をD2としたとき、下式(1)で表される。なお、血管の最大拡張径D2は、駆血解除後、およそ60秒前後に観察される。
FMD値[%]=(D2−D1)/D1×100 ・・・(1)
図1A、図1Bに示すように、動脈血管BVを形成する血管壁は、外側から順に、外膜TE、中膜TM及び内膜TI(内皮細胞)を有する。内膜TIの内部である血管内腔Lを血流が流れる。図1Aは動脈血管BVの横断面図であり、図1Bは動脈血管BVの縦断面図である。以下において、超音波プローブに近い側の血管壁を「血管近位壁(near wall)」と称し、遠い側の血管壁を「血管遠位壁(far wall)」と称する。
FMD値を算出する方法としては、リーディングエッジ(leading edge)法、血管内腔径測定法及び外膜間径測定法の3つの方法が知られている。リーディングエッジ法は、血管近位壁における内膜TIの上縁BN2(内膜TIと中膜TMの境界、以下「内膜中膜境界BN2」と称する)と血管遠位壁における内膜TIの上縁BF1(血管内腔Lと内膜TIの境界、以下「内腔内膜境界BF1」と称する)との間を、血管径として測定する方法である(血管径d1)。血管内腔径測定法は、血管近位壁における内膜TIの下縁BN1(血管内腔Lと内膜TIの境界、以下「内腔内膜境界BN1」と称する)と血管遠位壁における内腔内膜境界BF1との間、すなわち血管内腔径を、血管径として測定する方法である(血管径d2)。外膜間径測定法は、血管近位壁における中膜TMと外膜TEの境界BN3(以下「中膜外膜境界BN3」と称する)と血管遠位壁における中膜TMと外膜TEの境界BF3(以下「中膜外膜境界BF3」と称する)との間、すなわち外膜内径を、血管径として測定する方法である(血管径d3)。
式(1)においては、分母「D1」が小さいほどFMD値が大きくなり、血管内皮機能の変化が顕著に表れる。したがって、上述した方法のうち、外膜間径測定法によっても一定品質のFMD値が算出されるが、リーディングエッジ法又は血管内腔径測定法によって算出したFMD値の方が、血管内皮機能を検査する上では好適である。
通常、FMD検査では、上腕における安静時の血管径が測定された後、前腕部にカフ(駆血帯)を装着して約5分間駆血し、駆血解除後の血管径が測定される。安静時と駆血解除後とで、同じ部位における血管径を測定することが望ましいが、実際には、駆血時や駆血解除時に上腕動脈が動いてしまう。そのため、駆血解除後の血管が最大拡張径に到達する前(例えば駆血解除後30秒間)に、超音波プローブの接触状態を調整することにより、測定対象部位の位置合わせが行われる。この位置合わせは、例えば現在の血管画像を、安静時に取得した血管画像(基準画像)と比較することにより行われる。
また、再現性の高いFMD検査を実現するためには、検査環境における室温や検査時間帯など、検査条件が同じであることが望ましく、同日中に検査し直すことは推奨されない。したがって、駆血解除後の位置合わせが極めて重要であり、検査者には高度な手技が要求される。
特開2007−222291号公報 特開2011−177571号公報 国際公開第2011/007439号
しかしながら、FMD検査の測定法が予め設定され、例えばリーディングエッジ法の場合は、内膜中膜境界BN2と内腔内膜境界BF1の間というように、血管径として測定される対象が決まっている場合、駆血解除後の血管径を正確に測定することができなければ、検査日を改めて再検査を行うことになる。特に、リーディングエッジ法や血管内腔径測定法で用いられる内膜中膜境界BN2や内腔内膜境界BN1、BF1は、血管画像に鮮明に現れにくいため、駆血解除後の血管径(最大拡張径)を正確に測定できない虞がある。すなわち、FMD検査として好適とされるリーディングエッジ法又は血管内腔径測定法を採用しているために、逆に、適正な検査結果が得られず、再検査を余儀なくされ、被検者及び検査者の負担が増大する。
なお、安静時の血管画像及び駆血解除後の血管画像を記憶しておけば、リーディングエッジ法又は血管内腔径測定法によって適正な検査結果が得られない場合に、外膜間径測定法によって改めて血管径を測定することで、適正な検査結果を得ることができると考えられる。しかしながら、改めて血管径を測定し直すことになり、検査者の手を煩わすことになる。
本発明の目的は、被検者及び検査者の負担を軽減できるとともに、一定品質の検査結果を容易に得ることができる血管内皮機能検査装置を提供することである。
本発明の第1の側面を反映した血管内皮機能検査装置は、被検体の血流依存性血管拡張反応を利用して血管内皮機能を検査する血管内皮機能検査装置であって、
超音波プローブによって検出された前記被検体からの反射波に基づいて、内膜、中膜及び外膜からなる血管近位壁及び血管遠位壁の構造を示す血管画像を生成する画像生成部と、
前記血管画像に基づいて、前記血管近位壁及び前記血管遠位壁のそれぞれにおける、血管内腔と前記内膜との境界である第1の境界、前記内膜と前記中膜との境界である第2の境界、及び前記中膜と前記外膜との境界である第3の境界を特定する境界特定部と、
前記血管近位壁における前記第1の境界、前記第2の境界及び前記第3の境界と、前記血管遠位壁における前記第1の境界、前記第2の境界及び前記第3の境界との組み合わせのうち、複数の組み合わせを用いて血管径を測定する血管径測定部と、
駆血前後において前記血管径測定部によって算出された前記血管径に基づいて、前記血管内皮機能を検査する検査部と、
前記検査部による検査結果を出力部に出力させる出力制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の側面を反映した血管内皮機能検査装置は、被検体の血流依存性血管拡張反応を利用して血管内皮機能を検査する血管内皮機能検査装置であって、
超音波プローブによって検出された前記被検体からの反射波に基づいて、内膜及び外膜からなる血管近位壁及び血管遠位壁の構造を示す血管画像を生成する画像生成部と、
前記血管近位壁の内膜と前記血管遠位壁の内膜との間の内膜間血管径、および前記血管近位壁の外膜と前記血管遠位壁の外膜との間の外膜間血管径とし、駆血前後で、前記内膜間血管径と前記外膜間血管径をそれぞれ測定する血管径測定部と、
駆血前後において前記血管径測定部によって算出された前記駆血前後での前記内膜間血管径と前記外膜間血管径を組み合わせて前記血管内皮機能を検査する検査部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、被検者及び検査者の負担を軽減できるとともに、一定品質の検査結果を容易に得ることができる血管内皮機能検査装置が提供される。
FMD検査の対象となる血管構造を示す図である。 本発明の実施の形態に係るFMD検査装置の構成を示すブロック図である。 FMD検査の手順を示すフローチャートである。 血管径測定処理の一例を示すフローチャートである。 検査結果出力処理の一例を示すフローチャートである。 検査結果の一表示例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るFMD検査装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、FMD検査装置1は、検査装置本体10及び超音波プローブ20を備える。また、検査時には、駆血するために被検者の前腕部にカフ30が装着され、このカフ30によって前腕部を圧迫して駆血する制御を行う。FMD検査装置1では、駆血前(安静時)と駆血解除後における上腕部の血管径に基づいて、駆血解除後の血管の拡張度合いを示すFMD値が算出される。
FMD検査装置1は、一回のFMD検査で、リーディングエッジ法、血管内腔径測定法及び外膜間径測定法のそれぞれによる検査結果を自動的に算出し、出力する。
なお、FMD検査装置1は、心電計(図示略)を備え、心電図R波を参照して、拡張末期の血管径を測定できることが好ましい。また、FMD検査装置1は、血圧計(図示略)を備え、FMD検査時のカフ圧を自動的に制御できることが好ましい。
超音波プローブ20は、例えば複数の振動子が直線状に配列されたリニア型のプローブである。超音波プローブ20は、生体内部に向けて超音波(送信波)を送信するとともに、生体内部で反射した超音波(反射波)を受信し、電気信号(反射波信号)に変換して検査装置本体10に送信する。超音波プローブ20の走査面が血管の長軸断面と一致するように超音波プローブ20を上腕に押し当てた状態で超音波の送受信を行うことにより、血管長軸に沿う縦断面の血管画像を得ることができる。高解像度で鮮明な血管画像を得るためには、超音波プローブ20は、高周波数(例えば10MHz)のものが好ましい。
図2に示すように、検査装置本体10は、制御部11、送受信部12、画像生成部13、表示部14、操作部15及び記憶部16等を備える。
送受信部12は、制御部11からの制御信号に従って、所定の駆動信号を超音波プローブ20に供給するとともに、超音波プローブ20からの入力信号(反射波信号)に対して、増幅処理、A/D変換処理、遅延処理及び検波処理等の信号処理を行う。送受信部12が所定のタイミングで超音波の送受信を行うことにより、血管の動画像を得ることができる。
画像生成部13は、送受信部12からの反射波信号に基づいて、反射強度(振幅)を輝度に変換することにより、Bモード表示用の血管画像を生成する。この血管画像は、内膜TI、中膜TM及び外膜TEからなる血管近位壁及び血管遠位壁の構造(図1参照)を含む。生成された血管画像のデータは、例えば記憶部16に保存される。なお、画像生成部13は、送受信部12からの反射波信号に基づいて、Aモード表示用の反射波形を生成してもよい。
表示部14及び操作部15は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成される。表示部14は、制御部11からの表示制御信号に従って、各種操作画面、血管画像及び検査結果等の表示を行う。操作部15は、検査スタート/ストップキー等の各種操作キーを備え、検査者による入力操作を受け付けて、操作信号を制御部11に出力する。
制御部11は、演算/制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)111、主記憶装置としてのRAM112及びROM113を有する。CPU111は、ROM113から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM112に展開し、展開したプログラムと協働して、各ブロックを制御する。
制御部11は、表示制御部11A、画像解析部11B、血管径測定部11C、検査部11D及び駆血制御部11Eとして機能する。
表示制御部11Aは、表示部14における画面表示を制御する。表示制御部11Aは、例えば画像生成部13によって生成された血管画像を表示部14に表示させる。表示部14には、生成された血管画像を1フレームとする動画像が表示される。
画像解析部11Bは、画像生成部13によって生成された血管画像を解析し、血管画像に含まれる血管の構造を特定する。具体的には、画像解析部11Bは、血管画像に基づいて、血管近位壁及び血管遠位壁のそれぞれにおける、血管内腔Lと内膜TIとの境界である内腔内膜境界BN1、BF1(図1参照)、内膜TIと中膜TMとの境界である内膜中膜境界BN2、BF2(図1参照)、及び中膜TMと外膜TEとの境界である中膜外膜境界BN3、BF3(図1参照)を特定する。
血管径測定部11Cは、画像解析部11Bにより特定された境界情報に基づいて、血管径を測定する。具体的には、血管径測定部11Cは、血管近位壁における内腔内膜境界BN1、内膜中膜境界BN2及び中膜外膜境界BN3と、血管遠位壁における内腔内膜境界BF1、内膜中膜境界BF2及び中膜外膜境界BF3との組み合わせのうち、複数の組み合わせを用いて血管径を測定する。
ここでは、複数の組み合わせとして、リーディングエッジ法で用いる境界の組み合わせ、内腔径測定法で用いる境界の組み合わせ、及び外膜測定法で用いる境界の組み合わせを用いることとする。
リーディングエッジ法で用いる境界の組み合わせは、内膜中膜境界BN2と内腔内膜境界BF1との組み合わせであり、図1における血管径d1が測定される。血管内腔径測定法で用いる境界の組み合わせは、内腔内膜境界BN1と内腔内膜境界BF1との組み合わせであり、図1における血管径d2が測定される。外膜間径測定法で用いる組み合わせは、中膜外膜境界BN3と中膜外膜境界BF3との組み合わせであり、図1における血管径d3が測定される。
なお、いずれの測定法においても、血管遠位壁における内膜中膜境界BF2は用いられないので、画像解析部11Bは、内膜中膜境界BF2については、必ずしも特定しなくてもよい。
検査部11Dは、駆血前後における血管径測定部11Cによる測定結果に基づいて、FMD値を算出する(式(1)参照)。血管径測定部11Cによって測定された複数の血管径に対応して、FMD値が算出される。駆血制御部11Eは、前腕に装着されたカフ30を制御して、駆血の制御を行う。
図3は、FMD検査の手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、まずステップS1として、FMD検査の開始前に、被検者の前腕部にカフ30(図2参照)が装着され、上腕動脈の血管径を測定できるように超音波プローブ20の位置調整が行われる。具体的には、表示部14に描出されるリアルタイムの血管画像を参照しながら、内膜中膜複合体(IMC:Intima Media Complex)が鮮明に描出されるように、超音波プローブ20の接触状態が微調整される。
通常、超音波プローブ20の走査面と血管中心を通る長軸断面が一致していれば、内膜中膜複合体は鮮明に描出される。外膜は比較的厚みがあるため、走査面が血管中心を捉えていなくてもある程度の鮮明度で描出されるが、内膜中膜複合体は外膜に比較して薄いため、走査面が血管中心を捉えていないと鮮明に描出されず、厚み測定の精度が低くなることがあるからである。
検査準備が整うと、ステップS2として、安静時の血管径の測定が行われる。この手順は、安静時の血管径の測定を指示する操作(例えば検査スタートキーの操作)が行われることに伴い、FMD検査装置1によって自動的に行われる。表示部14には、安静時の血管画像とともに、血管径の測定結果がリアルタイムで表示される。具体的には、図4に示すフローチャートに従って、安静時の血管径が測定される。
すなわち、図4のステップS101において、制御部11は、心電図R波に同期して血管画像を取得し、解析する(画像解析部11Bとしての処理)。これにより、血管近位壁及び血管遠位壁のそれぞれにおける、内腔内膜境界BN1、BF1、内膜中膜境界BN2、BF2、及び中膜外膜境界BN3、BF3が特定される。例えば、いわゆるテンプレートマッチング法を利用することにより、血管画像に含まれる血管構造を特定することができる。
ステップS102において、制御部11は、リーディングエッジ法、血管内腔径測定法及び外膜間径測定法の3つの測定法により血管径を測定し、血管画像、測定法及び測定結果を対応付けて、例えば記憶部16に保存する(血管径測定部11Cとしての処理)。安静時においては、いずれの測定法でも正確に血管径を測定できると考えてよい。
ステップS103において、制御部11は、血管画像及び血管径を表示部14に表示する(表示制御部11Aとしての処理)。血管径としては、例えば3つの測定結果のうちの一つ(例えばリーディングエッジ法による測定結果)が表示される。
ステップS104において、制御部11は、所定数の測定が終了したか否かを判定する。例えば、10心拍分の血管画像について、血管径の測定が終了した場合に、測定終了と判断する。所定数の測定が終了した場合(ステップS104で“YES”)、安静時の血管径の測定処理は終了となる。所定数の測定が終了していない場合(ステップS104で“NO”)、ステップS101の処理に移行する。
安静時の血管径の測定が終わると、図3のステップS3として、上腕動脈の駆血が行われる。具体的には、カフに空気を導入して、上腕動脈を所定のカフ圧で圧迫することにより、駆血する。駆血は、所定時間(例えば5分間)の経過後、解除される。なお、表示部14には、駆血中もリアルタイムの血管画像が表示されるが、この血管画像のデータは保存しておく必要はない。
駆血解除後は、ステップS4として、超音波プローブ20の位置調整が行われ、血管位置のずれが補正される。駆血時や駆血解除時に上腕動脈が動いてしまうためである。具体的には、表示部14に描出されるリアルタイムの血管画像が、安静時の血管画像と一致するように、超音波プローブ20の位置調整が行われる。この位置調整は、血管が最大拡張径に到達する前(例えば駆血解除後30秒間)に行う必要がある。
超音波プローブ20の位置調整と同時に、ステップS5として、駆血解除後の血管径の測定が行われる。ステップS5の手順は、FMD検査装置1によって自動的に行われる。表示部14には、駆血解除後の血管画像とともに、血管径の測定結果がリアルタイムで表示される。具体的には、図4に示すフローチャートに従って、安静時の血管径の測定と同様に、駆血解除後の血管径が測定される。測定時間は、例えば3分間である。
ここで、駆血解除後の血管画像においては、制限時間内に超音波プローブ20の走査面を、血管中心を通る長軸断面に合わせる位置調整を完了できない場合もあるため、特に、リーディングエッジ法又は血管内腔径測定法で用いられる内腔内膜境界BN1、BF1や内膜中膜境界BN2は、鮮明に描出されない虞がある。この場合、血管構造(境界情報)を正確に特定できず、測定法によっては異常な測定結果(測定不能を含む)が得られることになる。一方、外膜間径測定法で用いられる中膜外膜境界BN3、BF3は、内腔内膜境界BN1、BF1や内膜中膜境界BN2に比較して鮮明に描出されるので、確実に適正な測定結果が得られる。
駆血解除後の血管径の測定が終わると、ステップS6として、FMD検査装置1から検査結果が出力されるので、検査者及び被検者によって検査結果の確認が行われる。FMD検査装置1における検査結果の出力処理は、図5に示すフローチャートに従って行われる。
すなわち、図5のステップS201において、制御部11は、測定法ごとに測定した駆血前後の血管径に基づいて、前出の(1)式を用いてFMD値を算出する(検査部11Dとしての処理)。このとき、安静時の血管径には測定結果の平均値が用いられ、駆血解除後の血管径には測定結果の最大値(最大拡張径)が用いられる。
ステップS202において、制御部11は、3つの測定法による検査結果を表示部14に表示させる(表示制御部11Aとしての処理)。図6は、表示部14における検査結果の一表示例を示す図である。図6に示すように、表示部14には、検査結果とともに、測定に用いた境界の組み合わせを示す情報として、測定法が表示される。検査者は、複数の測定法による検査結果を確認することにより、測定法ごとの検査結果を比較することができ、最適な検査結果を用いて血管内皮機能を評価することができる。
ここで、表示制御部11Aは、リーディングエッジ法による検査結果、血管内腔径測定法による検査結果、外膜間径測定法による検査結果の順に、FMD検査として好適であることを認識できる態様で、検査結果を表示させるのが好ましい。図6では、リーディングエッジ法による検査結果、血管内腔径測定法による検査結果、外膜間径測定法による検査結果の順に検査結果が表示されている。これにより、検査者は、FMD検査として好適な順番を容易に認識でき、採用する検査結果を判断して選択する際の参考とすることができる。
なお、表示制御部11Aは、リーディングエッジ法による検査結果、血管内腔径測定法による検査結果、外膜間径測定法による検査結果を一画面に表示するのではなく、順次切り替えて表示させるようにしてもよい。
図6Aは、血管画像に血管構造が鮮明に描出された場合の検査結果を示し、図6Bは、多重エコーなどのノイズ成分が重なってしまい、血管画像に血管構造が鮮明に描出されなかった場合の検査結果を示す。
図6Aに示す検査結果からは、診断に好ましくないFMD値は認められず、いずれの測定法でも適正に検査できていると判断できるので、血管内皮機能を表す指標として、リーディングエッジ法による検査結果を採用するのが最適となる。一方、図6Bに示す検査結果からは、リーディングエッジ法及び血管内腔径測定法によるFMD値が負の値となり、明らかに診断に好ましくない値であることが分かるので、血管内皮機能を表す指標として、外膜間径測定法による検査結果を採用するのが最適となる。
本例では駆血解除後の血管径が極端に小さくなってしまう場合を示したが、逆に血管径が極端に大きくなると、FMD値も極端に大きくなる。通常、6〜7%が正常なFMD値であるため、これを大きく超えてしまう場合も診断に好ましくない値と判断できる。判断が難しい場合には、リーディングエッジ法、血管内腔径測定法、及び外膜間径測定法によるFMD値に極端なバラツキがないか、あるいは記憶部16に保存されている画像を参照して血管境界が正確に描出されているかを見直して、判断する。
このように、FMD検査装置1は、超音波プローブ20によって検出された被検体からの反射波に基づいて、内膜TI、中膜TM及び外膜TEからなる血管近位壁及び血管遠位壁の構造を示す血管画像を生成する画像生成部13と、血管画像に基づいて、血管近位壁及び血管遠位壁のそれぞれにおける、血管内腔Lと内膜TIとの境界である内腔内膜境界BN1、BF1(第1の境界)、内膜TIと中膜TMとの境界である内膜中膜境界BN2、BF2(第2の境界)、及び中膜TMと外膜TEとの境界である中膜外膜境界BN3、BF3(第3の境界)を特定する画像解析部11B(境界特定部)と、血管近位壁における内腔内膜境界BN1、内膜中膜境界BN2及び中膜外膜境界BN3と、血管遠位壁における内腔内膜境界BF1、内膜中膜境界BF2及び中膜外膜境界BF3との組み合わせのうち、複数の組み合わせを用いて血管径を測定する血管径測定部11Cと、駆血前後において血管径測定部11Cによって算出された血管径に基づいて、血管内皮機能を検査する検査部11Dと、検査部11Dによる検査結果を表示部14(出力部)に表示させる表示制御部11A(出力制御部)と、を備える。
FMD検査装置1によれば、複数の測定法を用いてFMD値を算出して、出力するので、FMD検査をやり直すことなく、血管内皮機能について適正な検査結果を得ることができる。具体的には、リーディングエッジ法や血管内腔径測定法で適正な検査結果が得られなくても、外膜間径測定法により正常な検査結果を得ることができる。したがって、FMD検査装置1によれば、被検者及び検査者の負担を軽減しつつ、一定品質の検査結果を容易に得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、実施の形態では、リーディングエッジ法、血管内腔径測定法及び外膜間径測定法で用いる境界の組み合わせにより血管径を測定してFMD検査を行っているが、これらの測定法で用いる境界の組み合わせ以外の組み合わせにより血管径を測定してもよい。
また例えば、制御部11が検査結果の適否を判定する結果判定部として機能し、表示制御部11A(出力制御部)が、結果判定部によって適正と判定された検査結果のみを出力させるようにしてもよい。この場合、検査者は複数の検査結果の適否を自身で判断することなく、適正な検査結果の中から採用すべきものを選択するだけでよいので、負担が軽減される。
さらには、FMD検査装置1は、印字による検査結果の出力に対応できるものであってもよい。なお、FMD検査装置1は、表示部14等の出力部を備えていなくてもよく、外部接続されたディスプレイやプリンターを出力部として適用することができる。
また、実施の形態では、正常時と駆血解除後のそれぞれにおいて、リアルタイムで血管画像と血管径を表示するために、血管画像の取得と同時に血管径を測定して保存しているが、血管画像を保存しておいて、FMD値を算出する段階で血管径をまとめて測定するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 FMD検査装置(血管内皮機能検査装置)
10 検査装置本体
11 制御部
11A 表示制御部(出力制御部)
11B 画像解析部(境界特定部)
11C 血管径測定部
11D 検査部
11E 駆血制御部
12 送受信部
13 画像生成部
14 表示部(出力部)
15 操作部
16 記憶部
20 超音波プローブ
30 カフ
BV 動脈血管
L 血管内腔
TI 内膜
TM 中膜
TE 外膜
BN1、BF1 内腔内膜境界
BN2、BF2 内膜中膜境界
BN3、BF3 中膜外膜境界

Claims (8)

  1. 被検体の血流依存性血管拡張反応を利用して血管内皮機能を検査する血管内皮機能検査装置であって、
    超音波プローブによって検出された前記被検体からの反射波に基づいて、内膜、中膜及び外膜からなる血管近位壁及び血管遠位壁の構造を示す血管画像を生成する画像生成部と、
    前記血管画像に基づいて、前記血管近位壁及び前記血管遠位壁のそれぞれにおける、血管内腔と前記内膜との境界である第1の境界、前記内膜と前記中膜との境界である第2の境界、及び前記中膜と前記外膜との境界である第3の境界を特定する境界特定部と、
    前記血管近位壁における前記第1の境界、前記第2の境界及び前記第3の境界と、前記血管遠位壁における前記第1の境界、前記第2の境界及び前記第3の境界との組み合わせのうち、複数の組み合わせを用いて血管径を測定する血管径測定部と、
    駆血前後において前記血管径測定部によって算出された前記血管径に基づいて、前記血管内皮機能を検査する検査部と、
    前記検査部による検査結果を出力部に出力させる出力制御部と、を備えることを特徴とする血管内皮機能検査装置。
  2. 前記被検体を圧迫して駆血の制御を行う駆血制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の血管内皮機能検査装置。
  3. 前記出力制御部は、前記検査部による検査結果とともに、対応する前記組み合わせを示す情報を出力させることを特徴とする請求項1または2に記載の血管内皮機能検査装置。
  4. 前記複数の組み合わせは、
    前記血管近位壁における前記第2の境界と前記血管遠位壁における前記第1の境界の組み合わせである第1の組み合わせ、
    前記血管近位壁における前記第1の境界と前記血管遠位壁における前記第1の境界の組み合わせである第2の組み合わせ、及び
    前記血管近位壁における前記第3の境界と前記血管遠位壁における前記第3の境界の組み合わせである第3の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の血管内皮機能検査装置。
  5. 前記出力制御部は、前記第1の組み合わせ、前記第2の組み合わせ、前記第3の組み合わせの順に、血管内皮機能検査として好適であることを認識できる態様で、前記検査結果を出力させることを特徴とする請求項4に記載の血管内皮機能検査装置。
  6. 前記検査結果の適否を判定する結果判定部を備え、
    前記出力制御部は、前記結果判定部によって適正と判定された検査結果のみを出力させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の血管内皮機能検査装置。
  7. 被検体の血流依存性血管拡張反応を利用して血管内皮機能を検査する血管内皮機能検査装置であって、
    超音波プローブによって検出された前記被検体からの反射波に基づいて、内膜及び外膜からなる血管近位壁及び血管遠位壁の構造を示す血管画像を生成する画像生成部と、
    前記血管近位壁の内膜と前記血管遠位壁の内膜との間の内膜間血管径、および前記血管近位壁の外膜と前記血管遠位壁の外膜との間の外膜間血管径とし、駆血前後で、前記内膜間血管径と前記外膜間血管径をそれぞれ測定する血管径測定部と、
    駆血前後において前記血管径測定部によって算出された前記駆血前後での前記内膜間血管径と前記外膜間血管径を組み合わせて前記血管内皮機能を検査する検査部と、を備えることを特徴とする血管内皮機能検査装置。
  8. 前記組み合わせのうち、
    駆血前の内膜間血管径と駆血後の内膜間血管径、または
    駆血前の内膜間血管径と駆血後の外膜間血管径、または
    駆血前の外膜間血管径と駆血後の内膜間血管径、または
    駆血前の外膜間血管径と駆血後の外膜間血管径、のいずれかを選択可能であることを特徴とする請求項7記載の血管内皮機能検査装置。
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