JP2017129362A - シース溶接封止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な装置で測温体の金属シース先端を溶接封止する方法を提供する。【解決手段】本願発明は、溶接ヘッド105を持つ既存のティグ溶接機を用い、測温体を内蔵するパイプ2を、先端部を上側にして垂直に溶接機のアースクリップ106で固定して、そのパイプ上端に球形状の中実鋼球1を載置した状態において、金属球1の上からティグ自動溶接をワンパルスでスタートするだけでシース先端の溶接封止をする。鋼球1とパイプ2からシースを簡易に製作する方法である。【選択図】 図1
Description
この発明は、工業用温度センサとして一般に用いられている測温体(熱電対または測温抵抗体)をカバーする保護管であるシースに関するもので、その製造過程におけるシース先端部の封止技術に関するものである。
測温体は、熱電対または白金の測温抵抗体などで工業的に一般に広く用いられているセンサである。そしてシース自体は鞘の意味を持ち、金属でできた細管の構造を持つ。その先端は温度計測の対象に挿入されやすいように球状の先端形状を有する必要がある。そして、一方の他端は測温体のリード線接続端子を取り出すように解放されている。
特許文献1に示された発明は測温体として熱電対を例にとり、そのシース先端の一製造工程を提示するものであって、そこでは、ティグ型の溶接ヘッド105を持つ既存のチューブ自動溶接機を用い、熱電対素線5、6と無機絶縁材粉末4が内在した金属パイプ2を、先端部を上側にして略垂直に1つのクランプ101a、102aで固定して、その上端に球形状の中実金属球8を載置し、続いて他の1つのクランプ101a、102aで中空の棒91を、挿入された押さえ棒93が金属球8を上から金属パイプ2に押し付けた状態で固定した後、当該チューブ自動溶接機を運転することでシース先端の溶接封止をするものである。
特許文献1の発明で用いるチューブ自動溶接機はティグ溶接型式(TIG溶接とも呼ぶ)であり、これは熱に強いタングステン電極を持ち,その周囲に不活性ガス(イナートガス)を流して溶接する方法である。溶接箇所に酸素(空気)がなく,材料が酸化されないため,ステンレス鋼やアルミニウム合金の溶接ができるのが特徴で、広く本技術分野で用いられている。なお,不活性ガスにはアルゴンを使用することが多いため,アルゴン溶接とも呼ばれている。
特許文献1の発明では、部材である鋼球とパイプを溶接するに当たり、全周的なティグ溶接治具一式を準備する必要があり、またパイプ両端で鋼球を中心位置に固定する作業の正確性も問われるもので、その費用労力はかなりのものであった。
本願発明は、このような自動型溶接機などの設備を用いずとも、簡易なやり方で測温体の金属シース先端を溶接封止する方法を提供することを課題とする。
本願発明は、シース溶接封止方法であって、
パイプを溶接機のアースクリップで支持して垂直に立設するステップと、
前記パイプの上部先端の中空部に鋼球を載置するステップと、
前記溶接機のトーチをもってその溶接ヘッドを前記鋼球に近接させるステップと、
前記溶接機を所定の時間で起動させて前記鋼球を前記パイプ先端部に溶接するステップと、からなるシース溶接封止方法である。
パイプを溶接機のアースクリップで支持して垂直に立設するステップと、
前記パイプの上部先端の中空部に鋼球を載置するステップと、
前記溶接機のトーチをもってその溶接ヘッドを前記鋼球に近接させるステップと、
前記溶接機を所定の時間で起動させて前記鋼球を前記パイプ先端部に溶接するステップと、からなるシース溶接封止方法である。
さらに、前記溶接機を所定の時間で起動させて前記鋼球を前記パイプ先端部に溶接するステップは、ワンパルスで行うことを特徴とするシース溶接封止方法であると効果が高い。
また、前記溶接機はティグ溶接機であるシース溶接封止方法に限定してもよい。
本願発明によれば、そもそも鋼球形状を利用することで、その球体表面をパイプのパイプ先端の空洞(凹部)に載置するだけで十分な位置決めができて、簡易に鋼球をパイプ先端に溶接封止してシースを製作できる効果がある。
(1)本願発明の実施の形態を以下、図面に基づいて説明する。まず、図1 はこの実施形態にかかるシース溶接封止装置の全体構成図を示す図で、1は中実金属でできた鋼球である。2は中空の円筒形上である金属製のパイプである。これら鋼球1およびパイプ2はステンレスなどの金属体である。そしてパイプ2内部には充填部材に包まれた測温体センサ素子があらかじめ実装されるか、あるいは本発明の実施後に下端の開放部からその旨充填実装が行われるものでもよい。本例での概ね寸法は、鋼球の径はΦ3.5mm、パイプの外径はΦ4mmで肉厚t0.5mm程度であるが、本寸法にこだわる必要はない。
続いて、100はティグ溶接機である。101は不活性ガスを供給するガスボンベである。通常はアルゴンガスが用いられる。高電圧を印加するためのトーチ104とアースクリップ105が電気的に接続される。また、トーチ104の先には溶接ヘッド105が備えられる。ヘッド周囲から不活性ガスが噴霧されるが図では省略してある。その他、溶接機電源、さらに電流調整用パネルなどがある(図外)。
パイプ2は垂直に立設できればよいもので、台座は(図示していないが)非導電性のゴム、木材などの机で十分である。さらに、トーチ104、鋼球1、パイプ2、およびアースクリップ106は垂直線上(図1の1点鎖線)に配置される。
さて、図2は、本願発明にかかるシース溶接封止オペレーションを示すものである。
まず、作業机の上などで、アースクリップ106でパイプ2を挟持して、垂直に立設する。次に、パイプの上部先端の凹部に鋼球1を載置する。鋼球1とパイプ2の相対的形状によって、鋼球1は表面の球体形状ゆえパイプ管内に一部が収まり、鋼球1とパイプ2の中心は垂直線上に配置される。
まず、作業机の上などで、アースクリップ106でパイプ2を挟持して、垂直に立設する。次に、パイプの上部先端の凹部に鋼球1を載置する。鋼球1とパイプ2の相対的形状によって、鋼球1は表面の球体形状ゆえパイプ管内に一部が収まり、鋼球1とパイプ2の中心は垂直線上に配置される。
次に、トーチ104を鋼球1に近づける。放電を促しかつ酸化を防ぐために寸止めが必要であって、所定の間隙、本例では1〜3mm程度に離隔する。離隔動作は手動または位置決め機構によればよい。そして、ティグ溶接の電界をワンパルスで印加する。本例ではmsecオーダーの時間で十分である。そして鋼球1は自重で溶融してパイプ2上部と接合する。当然にシース先端としては封止されることになり、シースの完成である。
図3で、シース溶接封止の結果状況を断面イメージで示す。溶接ヘッド105からの放電流10は鋼球1との間隙が本例では1mmであって、放射状に拡散する様を示す。放電は常に頂点に向けて働くため、局所的な電流の発生は少ない。その結果、相当な溶接電流11は鋼球1の表面周囲を流れ行き、パイプ2との接触点を経てアース(クリップ)106へ到達する。
この実験的な解析結果では、鋼球1とパイプ2の先端接触部の溶融が著しい。鋼球1とパイプ2の部材共に溶けてその境目で双方溶け合って強靭に接合されていることがわかる。また、溶けた鋼球1はパイプ2の内部で下にいくらか膨らんだ形状を示すが、パイプ内部のセンサ素子の充填具合との兼ね合いで問題ないように設計されればよい。
なお、ワンパルスで溶接するのは、溶接部、熱影響部を極力少なくして、気密度および材料強度の品質向上を図るためである、さらに省電力化のためでもある。ただし、実験的に印加電圧を徐々に上げていくなど段階的に複数階パルスを印加することにしてもよいだろう。
なお、図3に示すように、鋼球1とパイプ2が合体してシース先端が出来上がったら、余分にはみ出た鋼球の部分などは適宜研磨して、シース先端を完成すればよい。
(2)次に、実施例として、シース溶接封止方法をフローチャート図4で説明する。
まずスタート(図中ステップS0)して、設備環境において、パイプ2をアースクリップ106で垂直に固定して、鋼球1とパイプ2の部材をセットする(S1)。ここでは鋼球1をパイプ2の上部に載置するまでを行う。
まずスタート(図中ステップS0)して、設備環境において、パイプ2をアースクリップ106で垂直に固定して、鋼球1とパイプ2の部材をセットする(S1)。ここでは鋼球1をパイプ2の上部に載置するまでを行う。
続いて、ティグ溶接機のウォームアップなどの準備作業を行う(S2)。それがまだ整わないときは、校正処理(S10)、さらに出力制御処理(S20)を当該溶接機の電流調整パネルで行う。
ティグ溶接機の準備が整っていれば、トーチ104を鋼球1に近接させる(S3)。続いてティグ溶接をワンパルス印加で行う(S4)。
目視等で鋼球1とパイプ2の溶接状況を確認して、OKであればシース完成である(S6)。
一方、溶接結果に偏り、変形などがあった場合には、溶接機の出力制御に誤りがないかなどを確認調整し(S20),あらためて、鋼球1とパイプ2の部材をセットアップから行う(S1へ帰還する)。
基本的には、机などの水平面上での作業であるので、この工程の順番になるものであるが、ステップS1内でセット順不同でも可能だろう。
本願発明にかかるシース溶接封止方法の実施例では、寸法その他のパラメータを例示したが、その値にこだわる必要はなく、種々の設計上のチューニングは可能である。
鋼球1およびパイプ2の材質はステンレス(SUS304)がベスト例だが、それに拘泥する必要はなく、例えばアルミニウム合金を溶接することも可能で、その際にはティグ溶接機を交流タイプとすればよい。また場合によっては、ティグ溶接に代わる溶接方法の利用も可能性はある。抵抗溶接方式などであるが、その時の近接方法は密着が必要になる。
1 鋼球
2 パイプ
10 放電流
11 溶接電流
100 ティグ溶接機
101 ガスボンベ
104 トーチ
105 溶接ヘッド
106 アースクリップ
2 パイプ
10 放電流
11 溶接電流
100 ティグ溶接機
101 ガスボンベ
104 トーチ
105 溶接ヘッド
106 アースクリップ
Claims (3)
- シース溶接封止方法であって、
パイプを溶接機のアースクリップで支持して垂直に立設するステップと、
前記パイプの上部先端の中空部に鋼球を載置するステップと、
前記溶接機のトーチをもってその溶接ヘッドを前記鋼球に近接させるステップと、
前記溶接機を所定の時間で起動させて前記鋼球を前記パイプ先端部に溶接するステップと、からなるシース溶接封止方法。 - 請求項1に記載のシース溶接封止方法において、
前記溶接機を所定の時間で起動させて前記鋼球を前記パイプ先端部に溶接するステップは、ワンパルスで行うことを特徴とするシース溶接封止方法。 - 請求項1に記載のシース溶接封止方法において、
前記溶接機はティグ溶接機であるシース溶接封止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016006796A JP2017129362A (ja) | 2016-01-18 | 2016-01-18 | シース溶接封止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016006796A JP2017129362A (ja) | 2016-01-18 | 2016-01-18 | シース溶接封止方法 |
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JP2017129362A true JP2017129362A (ja) | 2017-07-27 |
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ID=59396203
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JP2016006796A Pending JP2017129362A (ja) | 2016-01-18 | 2016-01-18 | シース溶接封止方法 |
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JP (1) | JP2017129362A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109332858A (zh) * | 2018-11-28 | 2019-02-15 | 江苏科技大学 | 一种空心钨极高深熔tig填丝焊接厚板的焊接方法 |
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2016
- 2016-01-18 JP JP2016006796A patent/JP2017129362A/ja active Pending
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CN109332858A (zh) * | 2018-11-28 | 2019-02-15 | 江苏科技大学 | 一种空心钨极高深熔tig填丝焊接厚板的焊接方法 |
CN109332858B (zh) * | 2018-11-28 | 2022-04-01 | 江苏科技大学 | 一种空心钨极高深熔tig填丝焊接厚板的焊接方法 |
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