JP2017128791A - 無電解Niめっき皮膜を有する構造物、その製造方法および半導体ウェハ - Google Patents

無電解Niめっき皮膜を有する構造物、その製造方法および半導体ウェハ Download PDF

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拓人 渡辺
Takuto Watanabe
拓人 渡辺
道下 尚則
Hisanori Doge
尚則 道下
土田 克之
Katsuyuki Tsuchida
克之 土田
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Abstract

【課題】本発明は、耐食性に優れ、半田接合性やWB接合性に優れ、熱負荷をかけた場合においてもめっき剥がれが発生しないNiめっき皮膜を有する構造物を得ることを目的とする。【解決手段】基材上に無電解Niめっき皮膜を有する構造物であって、該無電解Niめっき皮膜がリン(P)を含有し、高P濃度のNiめっき皮膜上に、低P濃度のNiめっき皮膜を、間に酸化膜を介することなく有することを特徴とする無電解Niめっき皮膜を有する構造物。【選択図】なし

Description

本発明は、無電解Niめっき皮膜を有する構造物、その製造方法、およびその構造物を備える半導体ウェハに関する。
半導体パッケージング技術の小型化、高集積化に伴ない、LSIやICなどのチップの接合方法としてワイヤボンディング法からフリップチップ法への移行が広がっており、フリップチップ法においては金属パッドとはんだの接合を目的としたUBM(アンダーバンプメタル)の形成が必須とされている。
UBMの形成方法としては、低コストが期待される無電解めっき法により形成することが増えてきている。無電解めっきによりUBMを形成する方法としては、半導体ウェハ上の被めっき部分(パッドや配線)をまず清浄化するために、脱脂処理やソフトエッチング処理を行う。次に触媒付与工程を行う。アルミニウム系金属表面にはジンケート処理、銅系金属表面には、パラジウム処理が触媒付与工程となる。その後、無電解ニッケル(Ni)めっきと置換型無電解金(Au)めっきによりNi/Au皮膜のUBMを形成する方法が一般的である。めっきしたウェハが高温または高湿下に晒される場合には、NiがAu皮膜中に拡散し、表面に析出してNi酸化物が形成されるため、はんだ濡れ性やワイヤボンディング性に悪影響を及ぼす。この場合には、Ni拡散のバリア層である無電解パラジウム(Pd)めっきを無電解ニッケルめっきと置換型無電解金めっきの間に行い、Ni/Pd/Au皮膜とすることが一般的である。尚、本発明において、「/」の記号は、各めっき処理工程によって形成された複数のめっき膜の構造を意味し、基材側からのめっきの順番によって各めっき膜の表記順位となる。
前記無電解Niめっきは、Ni皮膜中のリン(P)濃度を高くすると耐食性を向上させることができるが、P濃度が高い場合、置換Auめっきや置換Pdめっきの成膜が困難となる。
この問題を解決するため、特許文献1には、金属基体の表面に、リンの含有量が異なる二層の無電解ニッケルめっき層から成り、且つ前記二層の無電解ニッケルめっき層のうち、下層の無電解ニッケルめっき層のリンの含有量が、上層の無電解ニッケルめっき層のリンの含有量よりも多い電子部品用金属部材が開示されている。上層の無電解ニッケルめっき層に含有されているリンの含有量が、前記上層の無電解ニッケルめっき層を形成するニッケルとリンとの合計量に対し7重量%以下であると共に、下層の無電解ニッケルめっき層に含有されているリン成分の含有量が、前記下層の無電解ニッケルめっき層を形成するニッケルとリンとの合計量に対し10重量%以上である。
また、特許文献2には、はんだ濡れ性が良好なNiめっき膜を比較的短時間で形成する方法として、半導体基板の上に形成されたパッドと、前記パッドの上に形成されたリン含有率が5wt%以上の第1のニッケルめっき膜と、前記第1のニッケルめっき膜の上に形成されたリン含有率が5wt%未満の第2のニッケルめっき膜とを有する半導体装置が開示されている。
これらの特許文献では、Niめっき液として、リン濃度が異なる2種類のめっき液を用意して、高いリン濃度のNiめっき液槽で第1層目のNiめっきを行い、その後、リン濃度の高い第1Niめっき基材を取り出し、その後、低いリン濃度のNiめっき液槽で第2層目のNiめっきを行うことで、2層構造からなるNiめっき層を形成している。
特開平11−354685号公報 特開2000−038682号公報
従来技術のように、Niめっき液を2種類用意し、P濃度が高いNi膜とP濃度が低いNi膜を順次成膜した場合、耐食性は優れるが、熱負荷をかけた時に、P濃度が異なる層間部において、めっき剥がれが発生する問題がある。
本発明は、耐食性に優れ、半田接合性やWB接合性に優れ、熱負荷をかけた場合においてもめっき剥がれが発生しないNiめっき皮膜を有する構造物を得ることを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、以下の無電解Niめっき皮膜を有する構造物とすることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)基材上に無電解Niめっき皮膜を有する構造物であって、該無電解Niめっき皮膜がリン(P)を含有し、高P濃度のNiめっき皮膜上に、低P濃度のNiめっき皮膜を、間に酸化膜を介することなく有することを特徴とする無電解Niめっき皮膜を有する構造物。
(2)前記高P濃度のNiめっき皮膜のP濃度が9質量%以上であり、低P濃度のNiめっき皮膜のP濃度が9%質量未満であることを特徴とする前記(1)に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物。
(3)基材の電極表面上に前記無電解Niめっき皮膜を有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物。
(4)前記(3)に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物を備えることを特徴とする半導体ウェハ。
(5)前記無電解Niめっき皮膜上に、Au、Pd/Au、Pdのいずれかの無電解めっき皮膜を有することを特徴とする前記(4)に記載の半導体ウェハ。
(6)前記電極の最表面がアルミ系または銅系であることを特徴とする前記(4)又は(5)に記載の半導体ウェハ。
(7)基材上に無電解Niめっきにより高P濃度のNiめっき皮膜を形成し、その後、高P濃度のNiめっき皮膜を形成しためっき液に浸漬したまま、該めっき液のめっき条件を変更することにより、低P濃度のNiめっき皮膜を形成することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物の製造方法。
(8)前記めっき液のめっき条件を変更することを、該めっき液に促進剤を添加する、該めっき液のpHを高くする、及び該めっき液の温度を上げることのいずれか1つ以上で行うことを特徴とする前記(7)に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物の製造方法。
本発明により、耐食性に優れ、半田接合性やWB接合性に優れ、熱負荷をかけた場合においてもめっき剥がれが発生しないNiめっき皮膜を有する構造物を得ることができる。
本発明の無電解Niめっき皮膜を有する構造物は、基材上に無電解Niめっき皮膜を有する構造物であって、該Niめっき皮膜がリン(P)を含有し、高P濃度のNiめっき皮膜上に、低P濃度のNiめっき皮膜を、間に酸化膜を介することなく、有している。
無電解Niめっき液として、P濃度が異なる2種類のめっき液を用いて、最初にP濃度が高いNiめっき液を用いて高P濃度の無電解Niめっき皮膜を形成した後、被めっき材をP濃度が高いNiめっき液から取り出し、次にP濃度が低いNiめっき液を用いて低P濃度の無電解Niめっき皮膜を形成した場合、熱負荷をかけた際に、高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜の層間部でめっき剥がれが発生する。
本発明者らは、こうした現象の発生原因について鋭意検討を行った結果、高P濃度のめっき皮膜を形成しためっき液から取り出した際に、その表面に酸化膜が形成され、高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜との界面に形成された酸化膜により、前記めっき剥がれが発生することを見出した。特に、特許文献1では、第1Niめっき処理と第2Niめっき処理との間に、基材の洗浄工程を有しており、第1Niめっき層と第2Niめっき層の界面に、酸化膜が、より形成されやすい工程となっていた。
そして、本発明者らは、高P濃度のNiめっき皮膜を形成しためっき液から取り出さずに引き続き低P濃度のNiめっき皮膜を形成することにより、高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜の間に、酸化膜が形成されず、耐食性に優れ、熱負荷をかけた際におけるめっき剥がれが発生しないことを見出し、本発明に至った。
前記高P濃度のNiめっき皮膜のP濃度が9質量%以上であり、低P濃度のNiめっき皮膜のP濃度が9%質量未満であることが好ましい。
高P濃度のNiめっき皮膜のP濃度を9質量%以上とすることにより、耐食性が向上し、低P濃度のNiめっき皮膜のP濃度を9質量%未満とすることにより、その後の置換Auめっきや置換Pdめっきの成膜が容易となる。また、半田接合性やWB接合性にも優れる。
高P濃度のNiめっき皮膜のP濃度は、10質量%〜12質量%の範囲とすることがより好ましく、また、低P濃度のNiめっき皮膜のP濃度は、5質量%〜8質量%の範囲とすることがより好ましい。
また、高P濃度のNiめっき皮膜の膜厚は、例えばP濃度が9質量%以上となる部分の膜厚が、Niめっき皮膜全膜厚の50〜80%であることが好ましい。前記高P濃度のNiめっき皮膜の膜厚が、Niめっき皮膜全膜厚の50〜80%であると、耐食性が優れる。
また、前記高P濃度のNiめっき皮膜の膜厚は、0.7μm以上であることが好ましい。
高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜の間の酸化膜の有無の確認、高P濃度のNiめっき皮膜及び低P濃度のNiめっき皮膜におけるP濃度、各めっき膜の厚は、試料の断面のSTEM像のエネルギー分散型X線分光法(EDX)による元素分析により求めることができる。
高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜の間の酸化膜の有無は、試料の断面における、前記EDXによる酸素原子の線分析の結果から、高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜の間に酸素が検出されるかどうかで判断した。
本発明の構造物は、例えば、基材上に無電解Niめっきにより高P濃度のNiめっき皮膜を形成し、その後、高P濃度のNiめっき皮膜を形成しためっき液に浸漬したまま、該めっき液のめっき条件を変更することにより、低P濃度のNiめっき皮膜を形成することにより得ることができる。
低P濃度のNiめっき皮膜を、高P濃度のNiめっき皮膜を形成した無電解Niめっき液に浸漬したまま、めっき条件を変えることで形成することにより、高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜の間に酸化膜が形成されることがなく、P濃度を厚み方向に変化させることができる。
高P濃度のめっき皮膜を形成する無電解めっき液としては、次亜リン酸浴であり、めっき液はニッケル塩、次亜リン酸塩、錯化剤、促進剤、安定剤などで構成される公知のめっき液を用いることができる。
無電解Niめっき皮膜中のP濃度は、めっき液のpH、温度、ニッケル・次亜リン酸ナトリウムの濃度、促進剤の濃度により影響される。
高P濃度のめっき皮膜を形成した無電解めっき液を用いて、低P濃度のめっき皮膜を形成するための、めっき条件の変更方法としては、
(1)促進剤濃度:濃度が薄い状態からめっきを開始して、途中から濃くする、
(2)めっき温度:温度が低い状態からめっきを開始して、途中から高くする、
(3)pH:pHを低い状態からめっきを開始して、途中から高くする
という方法が、好ましい。
上記めっき条件の変更は、例えば、促進剤等を一度に添加し、急激に行っても良いが、促進剤等を徐々に添加して徐々に変化させても良い。
めっき条件を徐々に変化させた場合、低P濃度のNiめっき皮膜中のP濃度は表面方向に逓減する濃度勾配で変化する。この場合は、低P濃度のNiめっき皮膜の表面のP濃度が9質量%未満であることが好ましく、P濃度が5質量%〜8質量%の領域を有することがより好ましい。
促進剤は、pHの緩衝作用を与えると共にNiの析出を促進させるもので、促進剤を多く添加すると、Niめっき皮膜中のP濃度が低くなる。促進剤としては、無電解Niめっき液に用いる公知の促進剤を用いることができ、例えば、チオシアン酸カリウム(KSCN)等のチオシアン酸塩が好ましい。
めっき処理中の促進剤の濃度を変化させ、高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜を連続工程として形成することができる。
例えば、促進剤を添加していないNiめっき液を用いて高P濃度のNi皮膜を形成し、高P濃度のNi皮膜を形成しためっき液に、基材を浸漬したまま、該めっき液に促進剤を添加し、めっき液中の促進剤濃度を高くして、低P濃度のNi皮膜を形成することが好ましい。
また、めっき温度が高いと、Niの析出が促進され、Niめっき皮膜中P濃度が低くなる。
めっき温度は76〜84℃が好ましく、この範囲でめっき温度を変化させ、高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜を形成することができる。例えば、高P濃度のめっき皮膜を形成しためっき温度よりも2〜4℃温度を上げて、低P濃度のめっき皮膜を形成することが好ましい。
めっき液のpHが高いとNiの析出が促進され、Niめっき皮膜中P濃度が低くなる。
めっき液のpHは4.3〜4.9が好ましく、この範囲でpHを変化させ、高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜を形成することができる。例えば、高P濃度のNiめっき皮膜を形成しためっき液にpH調整剤を添加し、pHを0.1〜0.3上げて、低P濃度のNiめっき皮膜を形成することが好ましい。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウムやアンモニア水が好ましい。
めっき液から取り出すことなく、高P濃度のNiめっき皮膜と低P濃度のNiめっき皮膜を形成することにより、例えば半田リフロー時等の熱負荷をかけた場合においてもめっき剥がれが発生せず、耐食性に優れ、半田接合性やWB接合性に優れたUBM構造とすることができる。
前記基材としては、例えば、半導体ウェハに用いる電極を備えた基板、フレキシブル基板等が挙げられる。
特に基材の電極上に前記無電解Niめっき皮膜を形成した構造物は、UBMとして無電解Niめっき皮膜を形成した半導体ウェハとして好適に用いることができる。
半導体ウェハのウェハとしては、シリコンウェハを用いることができ、通常の工程により、電極を形成し、電極表面の最表面を銅系またはアルミ系表面とした後、本発明に係る無電解Niめっきを行うことが好ましい。
また、ウェハとしてはGaAs基板を用いることもできる。この場合、電極表面の最表面をAu表面としたのち、本発明に係る無電解Niめっきを行うことが好ましい。
上述した電極表面の銅系としては、半導体ウェハの電極として用いられている公知の銅系のものでよく、例えば、純銅、リン青銅等の銅および銅合金が使用できる。アルミ系としては、半導体ウェハの電極として用いられている公知のアルミ系のものでよく、例えば純アルミ、AlCu(0.5%)、AlSi(1%)等のアルミ合金等が使用できる。
市販の前処理やめっき薬品を用いて、前記無電解Niめっき皮膜上に、一般的な無電解めっきプロセスにより、Au、Pd/Au、Pdのいずれかの皮膜を形成させることができる。
例えば、電極が銅系表面でNi/Auめっきの場合、以下のプロセスになる。
脱脂→ソフトエッチング→酸浸漬→アクチベーション(触媒付与)→Niめっき
→Auめっき
また、電極がアルミ系表面、Ni/Auめっきの場合、以下のプロセスになる。
脱脂→ソフトエッチング→酸浸漬→一次ジンケート→酸浸漬→二次ジンケート
→Niめっき→Auめっき
前記無電解Auめっき、無電解Pdめっきに用いるめっき液、めっき方法としては、半導体ウェハのUBM形成用に用いられている公知のめっき液、めっき方法を用いることができる。
無電解Auめっき液をしては、例えば、JX日鉱日石金属製FA−210、FA−500、FA−501、CF−500、CF−500−SS等が挙げられ、好ましく用いることができる。また、無電解Pdめっき液としては、例えば、JX日鉱日石金属製CA−400等が挙げられ、好ましく用いることができる。
各めっきの膜厚は、ウェハの用途や要求特性により変わってくるが、Niめっきは、はんだ接合の際には、はんだの拡散防止の観点から1.5μm以上が必要であり、好ましくは1.5〜10μmである。また、Au皮膜は、はんだ接合では濡れ性の観点から0.03μm以上、ワイヤボンディングを行う場合では0.10μm以上の膜厚が必要となり、好ましくは、はんだ接合では濡れ性の観点から0.03〜0.50μmであり、ワイヤボンディングを行う場合では0.10〜0.50μmである。また、Ni/Pd/Au仕様のPd皮膜は、Niの拡散防止の観点から0.02μm以上が必要であり、好ましくは0.02〜0.20μmである。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
(使用したウェハ)
100μm角のAlSi(Si:1%)のパッドを形成した6インチシリコンウェハを用い試験を実施した。
(めっき試験)
以下の工程でNi(5μm厚)/Au(0.05μm厚)めっき皮膜を形成した。
脱脂→水洗→ソフトエッチング→水洗→一次酸浸漬→水洗→一次ジンケート→水洗
→二次酸浸漬→水洗→二次ジンケート→水洗→無電解Niめっき→水洗
→置換型無電解Auめっき→水洗
めっきプロセスで使用した液、および条件は以下の通り。
脱脂液:UAC−16、JX日鉱日石金属製、50℃、5分
ソフトエッチング液:UAE−100、JX日鉱日石金属製、50℃、5分
一次酸浸漬液:50%硝酸、関東化学製、22℃、30秒
一次ジンケート液:UAZ100、JX日鉱日石金属製、22℃、30秒
二次酸浸漬液:50%硝酸、関東化学製、22℃、15秒
二次ジンケート液:UAZ100、JX日鉱日石金属製、22℃、15秒
無電解Niめっき液:以下の組成のNiめっき液、80℃
NiSO4・6H2O 25g/L
NaH2PO2・H2O 25g/L
りんご酸 4g/L
コハク酸2Na 12g/L
グリシン 5g/L
Pb(NO3)2 0.6ppm
CoSO4・7H2O 1.6ppm
KSCN (促進剤:条件によって濃度変更実施)
置換型無電解Auめっき液:FA−501、JX日鉱日石金属製、75℃、20分
(実施例1)
上記無電解Niめっき液の促進剤(KSCN)を含有しない状態(KSCN濃度0ppm)で、無電解Niめっきを開始し、23分間経過した時点で促進剤(KSCN)を0.4ppm加え、さらに10分間めっきを行った。めっき開始から終了に至るまでpHは4.6で一定であり、その工程の間、Siウェハはめっき液中に浸漬した状態とした。めっきの結果、Ni皮膜中のP濃度が11質量%のNi皮膜3μmの上に、P濃度7質量%のNi皮膜が2μm、計5μmのNi膜が得られた。P濃度が11質量%のNi皮膜とP濃度が7質量%のNi皮膜の間に酸化膜は形成されていなかった。Niめっき後、置換Auめっきを実施し、置換Auめっきは正常に成膜されていた。めっき後、300℃×5分間の半田リフローを行った。Niめっき膜の剥離、クラック等の問題は発生しなかった。
(実施例2)
上記無電解Niめっき液の促進剤(KSCN)濃度0ppmの状態で、無電解Niめっきを開始した。23分間経過した時点で促進剤(KSCN)の滴下を開始し、促進剤の滴下を行いながら12分間めっきを行った。12分間の滴下でNiめっき液中の促進剤濃度は0.4ppmとなっていた。めっき開始から終了に至るまでpHは4.6で一定であった。めっきの結果、Ni皮膜中のP濃度が11質量%のNi皮膜3μmの上に、P濃度が11質量%から7質量%に連続的に減少したNi皮膜が2μm、計5μmのNi膜が得られた。P濃度が11質量%のNi皮膜とP濃度が11質量%から7質量%に連続して減少したNi皮膜の間に酸化膜は形成されていなかった。Niめっき後、置換Auめっきを実施し、置換Auめっきは正常に成膜されていた。めっき後、実施例1と同じ条件で半田リフローを行った。Niめっき膜の剥離等の問題は発生しなかった。
(実施例3)
上記無電解Niめっき液を用いて、pH4.3で無電解Niめっきを開始した。23分間経過した時点でpH4.6となるよう水酸化ナトリウムを加え、引き続き10分間めっきを行った。めっき開始から終了に至るまで促進剤(KSCN)濃度は一定(0.4ppm)であった。めっきの結果、Ni皮膜中のP濃度が10質量%のNi皮膜3μmの上に、P濃度6.5質量%のNi皮膜が2μm、計5μmのNi膜が得られた。P濃度が10質量%のNi皮膜とP濃度が6.5質量%のNi皮膜の間に酸化膜は形成されていなかった。Niめっき後、置換Auめっきを実施し、置換Auめっきは正常に成膜されていた。めっき後の実施例1と同じ条件で行った半田リフロー時にもNiめっき膜の剥離等の問題は発生しなかった。
(実施例4)
上記無電解Niめっき液を用いて、めっき液温度を78℃に変更し、pH4.6、促進剤(KSCN)濃度は0.4ppmで、無電解Niめっきを開始した。18分間経過した時点で、間接加熱槽の温度を上げることによってめっき液の温度を上げ始め、徐々に温度を上げながら10分間めっきを行った。めっき終了時の温度は82℃であった。めっき開始から終了に至るまでpH4.6、促進剤(KSCN)濃度は0.4ppmで一定とした。めっきの結果、Ni皮膜中のP濃度が9.5質量%のNi皮膜3μmの上に、P濃度が9.5質量%から6.5質量%に連続的に減少したNi皮膜が2μm、計5μmのNi膜が得られた。P濃度が9.5質量%のNi皮膜とP濃度が9.5質量%から6.5質量%に連続して減少したNi皮膜の間に酸化膜は形成されていなかった。Niめっき後、置換Auめっきを実施し、置換Auめっきは正常に成膜されていた。めっき後の実施例1と同じ条件で行った半田リフロー時にもNiめっき膜の剥離等の問題は発生しなかった。
(比較例1)
上記無電解Niめっき液において、促進剤(KSCN)濃度0ppmのNiめっき液と、促進剤を0.4ppm含有するNiめっき液をそれぞれ用意し、最初に促進剤濃度0ppmの液で23分間めっきを行った後、めっきサンプルをNiめっき液から引き上げ、水洗を実施した。その後、0.4ppmの促進剤を含有するNiめっき液で10分間めっきを実施した。めっきの結果、Ni皮膜中のP濃度が11質量%のNi皮膜3μmの上に、P濃度が7質量%のNi皮膜が2μm形成されたが、その界面に酸化膜が形成されていた。Niめっき後、置換Auめっきを実施した。置換Auめっきは正常に成膜されていたが、めっき後の実施例1と同じ条件で行った半田リフロー評価時に、Niめっき層の1段目と2段目の界面で剥がれが発生した。
(比較例2)
促進剤(KSCN)濃度0ppmの前記無電解Niめっき液を用いてNiめっきを38分間実施した。その結果、Ni皮膜中のP濃度が11質量%のNi皮膜が5μm得られた。しかし、Niめっき後、置換Auめっきを行うことは不可能であった。

Claims (8)

  1. 基材上に無電解Niめっき皮膜を有する構造物であって、該無電解Niめっき皮膜がリン(P)を含有し、高P濃度のNiめっき皮膜上に、低P濃度のNiめっき皮膜を、間に酸化膜を介することなく有することを特徴とする無電解Niめっき皮膜を有する構造物。
  2. 前記高P濃度のNiめっき皮膜のP濃度が9質量%以上であり、低P濃度のNiめっき皮膜のP濃度が9%質量未満であることを特徴とする請求項1に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物。
  3. 基材の電極表面上に前記無電解Niめっき皮膜を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物。
  4. 請求項3に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物を備えることを特徴とする半導体ウェハ。
  5. 前記無電解Niめっき皮膜上に、Au、Pd/Au、Pdのいずれかの無電解めっき皮膜を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体ウェハ。
  6. 前記電極の最表面がアルミ系または銅系であることを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体ウェハ。
  7. 基材上に無電解Niめっきにより高P濃度のNiめっき皮膜を形成し、その後、高P濃度のNiめっき皮膜を形成しためっき液に浸漬したまま、該めっき液のめっき条件を変更することにより、低P濃度のNiめっき皮膜を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物の製造方法。
  8. 前記めっき液のめっき条件を変更することを、該めっき液に促進剤を添加する、該めっき液のpHを高くする、及び該めっき液の温度を上げることのいずれか1つ以上で行うことを特徴とする請求項7に記載の無電解Niめっき皮膜を有する構造物の製造方法。
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