JP2017119783A - 研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨速度の確保及び研磨選択性を向上しうる研磨液組成物の提供。
【解決手段】酸化セリウム粒子Aと水とを含有し、ゼータ電位が、−90mV以上0mV未満であり、酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下である、研磨液組成物。又は、少なくとも酸化セリウム粒子Aと水とアニオン性基を有する化合物Bとを配合してなり、酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、化合物Bの含有量が、酸化セリウム粒子Aの表面積に対して6.0×10-5g/m2以上3.8×10-1g/m2以下である、研磨液組成物。前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である。
【選択図】図1

Description

本開示は、酸化セリウム粒子を含有する研磨液組成物、これを用いた半導体基板の製造方法及び研磨方法、並びに研磨液キットに関する。
CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)技術とは、加工しようとする被研磨基板の表面と研磨パッドとを接触させた状態で研磨液をこれらの接触部位に供給しつつ被研磨基板及び研磨パッドを相対的に移動させることにより、被研磨基板の表面凹凸部分を化学的に反応させると共に機械的に除去して平坦化させる技術である。
現在では、半導体素子の製造工程における、層間絶縁膜の平坦化、シャロートレンチ素子分離構造(以下「素子分離構造」ともいう)の形成、プラグ及び埋め込み金属配線の形成等を行う際には、このCMP技術が必須の技術となっている。近年、半導体素子の多層化、高精細化が飛躍的に進み、半導体素子の歩留まり及びスループット(収量)の更なる向上が要求されるようになってきている。それに伴い、CMP工程に関しても、研磨傷フリーで且つより高速な研磨が望まれるようになってきている。例えば、シャロートレンチ素子分離構造の形成工程では、高研磨速度と共に、被研磨膜(例えば、酸化珪素膜)に対する研磨ストッパ膜(例えば、窒化珪素膜)の研磨選択性(換言すると、研磨ストッパ膜の方が被研磨膜よりも研磨されにくいという研磨の選択性)の向上が望まれている。
特許文献1には、素子分離構造の形成に用いられる研磨剤として、酸化セリウム粒子と、分散剤と、遊離の―COOM基、フェノール性OH基、―SO3M基、―OSO3H基、―PO42基又は―PO32基等のアニオン性基を有する水溶性有機低分子(MはH,NH4,またはNa,K等の金属原子)から選ばれる添加剤と、水とを含むCMP研磨剤が開示されている。
特開2001−7060号公報
研磨砥粒としては、酸化セリウム(以下、「セリア」ともいう)粒子が挙げられる。研磨砥粒として用いられるセリア粒子としては、例えば、炭酸セリウムや硝酸セリウムなどのセリウム化合物を焼成、粉砕して得られる焼成粉砕セリアのような、形状や大きさが様々なセリア粒子(以下、「不定形セリア」ともいう)が広く使用されている。しかし、不定形セリア等の研磨砥粒を用いた研磨では、研磨速度を確保しつつ研磨選択性を向上させることが課題であった。
本開示は、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上が可能な研磨液組成物、これを用いた半導体基板の製造方法及び研磨方法、並びに研磨液キットを提供する。
本開示は、酸化セリウム粒子Aと、水と、を含有する研磨液組成物であって、ゼータ電位が、−90mV以上0mV未満であり、前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物に関する。
本開示は、酸化セリウム粒子Aと、水と、アニオン性基を有する化合物Bとを配合してなる研磨液組成物であって、前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、前記化合物Bの含有量が、前記酸化セリウム粒子Aの表面積に対して6.0×10-5g/m2以上3.8×10-1g/m2以下であり、前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物に関する。
本開示は、本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法に関する。
本開示は、本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含み、前記被研磨基板は、半導体基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法に関する。
本開示は、酸化セリウム粒子Aと、水と、を含有するスラリーであって、前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035であり、前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物の製造に用いられる酸化セリウムスラリーに関する。
本開示は、研磨液組成物を製造するためのキットであって、酸化セリウム粒子Aを含有する分散液が容器に収納された容器入り粒子A分散液を含み、前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液キットに関する。
本開示によれば、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上が可能な研磨液組成物を提供できるという効果を奏し得る。
図1は、粒子の周囲長S及び包絡周囲長Lを説明するための概略図である。 図2は、凹部指数1.017のセリア粒子の透過型電子顕微鏡(以下「TEM」ともいう)観察写真の一例である。 図3は、凹部指数1.042のセリア粒子のTEM観察写真の一例である。
本発明者らが鋭意検討した結果、セリア粒子を砥粒として含有する研磨液組成物において、驚くべきことに、セリア粒子の凹部を少なくし、研磨液組成物のゼータ電位を負の特定値とすることで、研磨速度を確保しつつ研磨選択性が向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
本開示は、セリア粒子を砥粒として含有する研磨液組成物において、セリア粒子の形状を特定すると共に、研磨液組成物のゼータ電位を負の特定値にするか或いはアニオン性基を有する化合物を併用することで、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上が可能となるという知見に基づく。
本開示において「研磨選択性」は、研磨ストッパ膜の研磨速度に対する被研磨膜の研磨速度の比(被研磨膜の研磨速度/研磨ストッパ膜の研磨速度)と同義であり、「研磨選択性」が高いと、前記研磨速度比が大きいことを意味する。
本開示は、酸化セリウム粒子Aと、水と、を含有する研磨液組成物であって、ゼータ電位が、−90mV以上0mV未満であり、前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物に関する。さらに、本開示は、酸化セリウム粒子Aと、水と、アニオン性基を有する化合物Bとを配合してなる研磨液組成物であって、前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、前記化合物Bの含有量が、前記酸化セリウム粒子Aの表面積に対して6.0×10-5g/m2以上3.8×10-1g/m2以下であり、前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物に関する。本開示に係る研磨液組成物によれば、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上が可能となる。
[酸化セリウム粒子A]
本開示に係る研磨液組成物は、研磨砥粒として酸化セリウム粒子A(以下、単に「粒子A」ともいう)を含有する。粒子Aは、例えば、沈降法により製造できる。沈降法としては、例えば、特表2010−505735号公報等に記載の方法を採用することができる。
粒子Aの凹部指数は、研磨速度向上の観点から、1.000以上であって、1.010以上が好ましく、1.015以上がより好ましく、そして、1.035以下であって、1.030以下が好ましく、1.025以下がより好ましく、1.020以下が更に好ましい。本開示において粒子Aの凹部指数とは、電子顕微鏡等による投影画像の解析により得られる、粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値をいう。凹部指数の値が小さいほど、粒子Aの表面に凹部が少ないことを示す。例えば、図1に示されるような形状の粒子の場合、粒子の周囲長Sは、該粒子の輪郭に沿って算出される長さを示し、粒子の包絡周囲長Lは、該粒子の輪郭の凸部分と同数の頂点を持ち、該粒子の輪郭全てを内包する多角形(すなわち、粒子の輪郭の凸部分の全てが内接する多角形)の周囲長を示す。
粒子Aの水性媒体中でのゼータ電位は、通常、正であるが、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上、並びに残留砥粒の低減の観点から、負であることが好ましい。粒子Aの水性媒体中でのゼータ電位を負にする方法としては、例えば、後述するアニオン性基を有する化合物Bを研磨液組成物中に添加する方法が挙げられる。本開示に係る研磨液組成物がアニオン性基を有する化合物Bを所定量含む場合、化合物Bが粒子Aに作用して、粒子Aの水性媒体中でのゼータ電位を負にすることができる。この場合、粒子Aの水性媒体中でのゼータ電位としては、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上、並びに残留砥粒の低減の観点から、好ましくは0mV未満、より好ましくは−30mV以下、更に好ましくは−60mV以下であり、そして、好ましくは−90mV以上、より好ましくは−80mV以上、更に好ましくは−70mVである。
粒子Aの平均一次粒子径は、研磨速度向上の観点から、好ましくは15nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは40nm以上であり、そして、研磨傷発生の抑制の観点から、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下である。本開示において粒子Aの平均一次粒子径は、BET(窒素吸着)法によって算出されるBET比表面積S(m2/g)を用いて算出される。BET比表面積は、実施例に記載の方法により測定できる。
粒子Aの形状としては、研磨速度向上の観点から、表面に凹部が少ない形状が好ましく、例えば、略球状、多面体状が挙げられる。粒子Aとしては、例えば、図2に示されるような多面体セリアが挙げられる。
本開示に係る研磨液組成物中の粒子Aの含有量は、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.80質量%以下、更に好ましくは0.60質量%以下である。
[化合物B]
本開示に係る研磨液組成物は、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上、並びに残留砥粒の低減の観点から、研磨助剤として、アニオン性基を有する化合物Bを含有することが好ましい。化合物Bは、研磨液組成物のゼータ電位を負にすること、粒子Aの表面に吸着して粒子Aのゼータ電位を負にすること、又は、研磨液組成物及び粒子Aのゼータ電位を負にすること、が可能である。
化合物Bのアニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン酸基等が挙げられる。これらのアニオン性基は中和された塩の形態を取ってもよい。アニオン性基が塩の形態を取る場合の対イオンとしては、金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン等が挙げられ、半導体基板の品質向上の観点から、アンモニウムイオンが好ましい。
化合物Bとしては、例えば、アニオン性ポリマーが挙げられる。化合物Bの具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸とモノメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの共重合体、アニオン基を有する(メタ)アクリレートとモノメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの共重合体、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸とモノメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの共重合体、これらのアルカリ金属塩、及びこれらのアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、半導体基板の品質向上の観点から、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、及びこれらのアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
化合物Bの重量平均分子量は、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上、並びに残留砥粒の低減の観点から、好ましくは1000以上、より好ましくは10000以上、更に好ましくは20000以上であり、そして、好ましくは550万以下、より好ましくは100万以下、更に好ましくは10万以下である。
本開示において重量平均分子量は、液体クロマトグラフィー(株式会社日立製作所製、L−6000型高速液体クロマトグラフィー)を使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって下記条件で測定できる。
検出器:ショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製のG4000PWXLとG2500PWXLを直列につないだものを使用した。
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=90/10(容量比)で0.5g/100mLの濃度に調整し、20μLを用いた。
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
標準ポリマー:分子量が既知の単分散ポリエチレングリコール
本開示に係る研磨液組成物中の化合物Bの含有量は、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上、並びに残留砥粒の低減の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である。
本開示に係る研磨液組成物中の粒子Aと化合物Bとの質量比(B/A)は、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上、並びに残留砥粒の低減の観点から、好ましくは0.002以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.2以上であり、そして、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.6以下、更に好ましくは1.1以下である。
本開示に係る研磨液組成物中における化合物Bの含有量は、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上、並びに残留砥粒の低減の観点から、粒子Aの表面積に対して、6.0×10-5g/m2以上が好ましく、2.1×10-4g/m2以上がより好ましく、5.1×10-4g/m2以上が更に好ましく、そして、3.8×10-1g/m2以下が好ましく、1.8×10-1g/m2以下がより好ましく、1.3×10-1g/m2以下が更に好ましい。本開示において、化合物Bの含有量は、含有される粒子Aの総表面積に対する化合物Bの重量の比([化合物Bの重量]/[粒子Aの総表面積])で表される。前記粒子Aの総表面積は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)に本開示に係る研磨液組成物におけるセリア粒子の含有量を乗じて算出できる。
[水]
本開示に係る研磨液組成物は、媒体として水を含有する。該水は、半導体基板の品質向上の観点から、イオン交換水、蒸留水、超純水等の水からなるとより好ましい。本開示に係る研磨液組成物における水の含有量は、粒子A、水、必要に応じて添加される化合物B及び下記任意成分の質量の合計を100質量%とすると、粒子A、化合物B及び任意成分を除いた残余とすることができる。
[その他の成分]
本開示に係る研磨液組成物は、研磨速度の確保及び研磨選択性向上の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、pH調整剤、化合物B以外の研磨助剤等が挙げられる。さらに、その他の成分としては、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、研磨速度向上剤、界面活性剤、高分子化合物等が挙げられる。これらの任意成分の含有量は、被研磨膜の研磨速度確保の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.0025質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、研磨選択性の向上の観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
前記pH調整剤としては、例えば、酸性化合物及びアルカリ化合物が挙げられる。酸性化合物としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、シュウ酸、クエン酸、及びリンゴ酸等の有機酸;等が挙げられる。なかでも、汎用性の観点から、塩酸、硝酸及び酢酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、塩酸及び酢酸から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。アルカリ化合物としては、例えば、アンモニア、及び水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物;アルキルアミン、及びアルカノールアミン等の有機アルカリ化合物;等が挙げられる。なかでも、半導体基板の品質向上の観点から、アンモニア及びアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、アンモニアがより好ましい。
前記化合物B以外の研磨助剤としては、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリアクリル酸等のアニオン性モノマー、アルキルエーテル酢酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、及びアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリアクリルアミド等のノニオン性ポリマー、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。
[研磨液組成物]
本開示に係る研磨液組成物は、粒子A及び水を含むスラリーと、更に所望により、化合物B及びその他の任意成分を公知の方法で配合する工程を含む製造方法によって製造できる。例えば、本開示に係る研磨液組成物は、粒子A及び水、必要に応じて化合物B及びその他の任意成分を配合してなるものである。したがって、本開示は、粒子Aと水とを含有する、研磨液組成物の製造に用いられる酸化セリウムスラリー(以下、本開示に係るスラリーともいう)に関する。そして、本開示に係るスラリーは、化合物Bを含有することができる。本開示において「配合する」とは、粒子A及び水、並びに必要に応じて化合物B及びその他の任意成分を同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は特に限定されない。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。本開示に係る研磨液組成物の製造方法における各成分の配合量は、上述した本開示に係る研磨液組成物中の各成分の含有量と同じとすることができる。
本開示に係る研磨液組成物の実施形態は、全ての成分が予め混合された状態で市場に供給される、いわゆる1液型であってもよいし、使用時に混合される、いわゆる2液型であってもよい。2液型の研磨液組成物では、第1液と第2液とに分かれており、研磨液組成物は、例えば、粒子Aが水に混合された第1液と、化合物Bが水に溶解された第2液とから構成され、第1液と第2液とが混合されるものであってもよい。第1液と第2液との混合は、研磨対象の表面への供給前に行われてもよいし、これらは別々に供給されて被研磨基板の表面上で混合されてもよい。
本開示に係る研磨液組成物のpHは、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上の観点から、好ましくは2.5以上、より好ましくは3.0以上、更に好ましくは3.5以上、更により好ましくは4.0以上、更により好ましくは5.5以上であり、そして、好ましくは8.5以下、より好ましくは8.0以下、更に好ましくは7.5以下である。本開示において、研磨液組成物のpHは、25℃における値であって、pHメータを用いて測定した値である。本開示における研磨液組成物のpHは、具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
本開示に係る研磨液組成物のゼータ電位は、研磨速度の確保及び研磨選択性向上、並びに残留砥粒の低減の観点から、好ましくは負(0mV未満)、より好ましくは−51mV以下、更に好ましくは−70mV以下、更に好ましくは−75mV以下、更に好ましくは−77mV以下、更に好ましくは−78mV以下であり、そして、好ましくは−90mV以上、より好ましくは−85mV以上、更に好ましくは−82mV以上、更に好ましくは−80mV以上である。
本開示において「研磨液組成物中の各成分の含有量」とは、研磨液組成物を研磨に使用する時点での前記各成分の含有量をいう。本開示に係る研磨液組成物は、その安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存および供給されてもよい。この場合、製造・輸送コストを低くできる点で好ましい。そしてこの濃縮液は、必要に応じて前述の水系媒体で適宜希釈して研磨工程で使用することができる。希釈割合としては5〜100倍が好ましい。
[被研磨膜]
本開示に係る研磨液組成物が研磨の対象とする被研磨膜としては、例えば、酸化珪素膜が挙げられる。したがって、本開示に係る研磨液組成物は、半導体基板の素子分離構造を形成する工程で行われる研磨に好適に使用できる。
[研磨液キット]
本開示は、研磨液組成物を製造するためのキットであって、前記粒子Aを含有する分散液が容器に収納された容器入り粒子A分散液を含む、研磨液キットに関する。本開示に係る研磨液キットは、前記容器入り粒子A分散液とは別の容器に収納された前記化合物Bをさらに含むことができる。本開示によれば、研磨速度の確保及び研磨選択性の向上が可能な研磨液組成物が得られうる研磨液キットを提供できる。
本開示に係る研磨液キットとしては、例えば、前記粒子Aを含有する分散液(第1液)と、被研磨物の研磨に用いる研磨液組成物に配合され得る他の成分を含む溶液(第2液)とが、相互に混合されていない状態で保存されており、これらが使用時に混合される研磨液キット(2液型研磨液組成物)が挙げられる。研磨液組成物に配合され得る他の成分としては、例えば、化合物B、酸、酸化剤、複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物等が挙げられる。前記第1液及び第2液には、各々必要に応じて任意成分が含まれていても良い。該任意成分としては、例えば、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、研磨速度向上剤、界面活性剤、高分子化合物等が挙げられる。
[半導体基板の製造方法]
本開示は、本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨膜を研磨する工程(以下、「本開示に係る研磨液組成物を用いた研磨工程」ともいう)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本開示に係る半導体基板の製造方法」ともいう。)に関する。本開示に係る半導体基板の製造方法によれば、研磨工程における研磨速度を確保しつつ、研磨選択性を向上できるため、基板品質が向上した半導体基板を効率よく製造できるという効果が奏されうる。
本開示に係る半導体基板の製造方法の具体例としては、まず、シリコン基板を酸化炉内で酸素に晒すことよりその表面に二酸化シリコン層を成長させ、次いで、当該二酸化シリコン層上に窒化珪素(Si34)膜又はポリシリコン膜等の研磨ストッパ膜を、例えばCVD法(化学気相成長法)にて形成する。次に、シリコン基板と前記シリコン基板の一方の主面側に配置された研磨ストッパ膜とを含む基板、例えば、シリコン基板の二酸化シリコン層上に研磨ストッパ膜が形成された基板に、フォトリソグラフィー技術を用いてトレンチを形成する。次いで、例えば、シランガスと酸素ガスを用いたCVD法により、トレンチ埋め込み用の被研磨膜である酸化珪素(SiO2)膜を形成し、研磨ストッパ膜が被研磨膜(酸化珪素膜)で覆われた被研磨基板を得る。酸化珪素膜の形成により、前記トレンチは酸化珪素膜の酸化珪素で満たされ、研磨ストッパ膜の前記シリコン基板側の面の反対面は酸化珪素膜によって被覆される。このようにして形成された酸化珪素膜のシリコン基板側の面の反対面は、下層の凸凹に対応して形成された段差を有する。次いで、CMP法により、酸化珪素膜を、少なくとも研磨ストッパ膜のシリコン基板側の面の反対面が露出するまで研磨し、より好ましくは、酸化珪素膜の表面と研磨ストッパ膜の表面とが面一になるまで酸化珪素膜を研磨する。本開示に係る研磨液組成物は、このCMP法による研磨を行う工程に用いることができる。
CMP法による研磨では、被研磨基板の表面と研磨パッドとを接触させた状態で、本開示に係る研磨液組成物をこれらの接触部位に供給しつつ被研磨基板及び研磨パッドを相対的に移動させることにより、被研磨基板の表面の凹凸部分を平坦化させる。本開示に係る半導体基板の製造方法において、シリコン基板の二酸化シリコン層と研磨ストッパ膜との間に他の絶縁膜が形成されていてもよいし、被研磨膜(例えば、酸化珪素膜)と研磨ストッパ膜との間に他の絶縁膜が形成されていてもよい。
本開示に係る研磨液組成物を用いた研磨工程において、研磨パッドの回転数は、例えば、30〜200r/分、被研磨基板の回転数は、例えば、130〜200r/分、研磨パッドを備えた研磨装置に設定される研磨荷重は、例えば、20〜500g重/cm2、研磨液組成物の供給速度は、例えば、10〜500mL/分以下に設定できる。研磨液組成物が2液型研磨液組成物の場合、第1液及び第2液のそれぞれの供給速度(又は供給量)を調整することで、被研磨膜及び研磨ストッパ膜のそれぞれの研磨速度や、被研磨膜と研磨ストッパ膜との研磨速度比(研磨選択性)を調整できる。
本開示に係る研磨液組成物を用いた研磨工程において、研磨時間は、研磨選択性向上の観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上であり、そして、生産性向上の観点から、好ましくは3分以下、より好ましくは2分以下、更に好ましくは1分以下である。
本開示に係る研磨液組成物を用いた研磨工程において、被研磨膜(例えば、酸化珪素膜)の研磨速度は、研磨選択性向上観点から、好ましくは600nm/分以下、より好ましくは500nm/分以下、更に好ましくは400nm/分以下であり、そして、生産性向上の観点から、好ましくは30nm/分以上、より好ましくは50nm/分以上、更に好ましくは100nm/分以上である。
本開示に係る研磨液組成物を用いた研磨工程において、研磨ストッパ膜(例えば、窒化珪素膜)の研磨速度は、研磨選択性向上及び研磨時間の短縮化の観点から、好ましくは80nm/分以下、より好ましくは40nm/分以下、更に好ましくは15nm/分以下である。
本開示に係る研磨液組成物を用いた研磨工程において、研磨速度比(被研磨膜の研磨速度/研磨ストッパ膜の研磨速度)は、研磨時間の短縮化の観点から、好ましくは4.8以上、より好ましくは10.0以上、更に好ましくは20.0以上である。本開示において研磨選択性は、研磨ストッパの研磨速度に対する被研磨膜の研磨速度の比(被研磨膜の研磨速度/研磨ストッパ膜の研磨速度)と同義であり、研磨選択性が高いとは、研磨速度比が大きいことを意味する。
[研磨方法]
本開示は、本開示に係る研磨液組成物を用いた研磨工程を含む、基板の研磨方法(以下、本開示に係る研磨方法ともいう)に関する。
本開示に係る研磨方法を使用することにより、研磨工程における研磨速度を確保しつつ、研磨選択性を向上できるため、基板品質が向上した半導体基板の生産性を向上できるという効果が奏されうる。具体的な研磨の方法及び条件は、上述した本開示に係る半導体基板の製造方法と同じようにすることができる。
本開示は、さらに以下の組成物、製造方法に関する。
<1> 酸化セリウム粒子Aと、水と、を含有する研磨液組成物であって、
ゼータ電位が、−90mV以上0mV未満であり、
前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、
前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物。
<2> 好ましくはアニオン性基を有する化合物Bをさらに含有する、<1>に記載の研磨液組成物。
<3> 化合物Bの含有量が、酸化セリウム粒子Aの表面積に対して、6.0×10-5g/m2以上3.8×10-1g/m2以下である、<2>に記載の研磨液組成物。
<4> 少なくとも酸化セリウム粒子Aと、水と、アニオン性基を有する化合物Bとを配合してなる研磨液組成物であって、
前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、
前記化合物Bの含有量が、前記酸化セリウム粒子Aの表面積に対して6.0×10-5g/m2以上3.8×10-1g/m2以下であり、
前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物。
<5> 化合物Bが、好ましくはポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸アンモニウム塩及びポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種である、<2>から<4>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<6> 化合物Bの重量平均分子量は、好ましくは1000以上、より好ましくは10000以上、更に好ましくは20000以上である、<2>から<5>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<7> 化合物Bの重量平均分子量は、好ましくは550万以下、より好ましくは100万以下、更に好ましくは10万以下である、<2>から<6>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<8> 化合物Bの含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である、<2>から<7>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<9> 化合物Bの含有量は、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である、<2>から<8>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<10> 粒子Aと化合物Bとの質量比(B/A)は、好ましくは0.002以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.2以上である、<2>から<9>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<11> 粒子Aと化合物Bとの質量比(B/A)は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.6以下、更に好ましくは1.1以下である、<2>から<10>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<12> 化合物Bの含有量は、粒子Aの表面積に対して、6.0×10-5g/m2以上が好ましく、2.1×10-4g/m2以上がより好ましく、5.1×10-4g/m2以上が更に好ましい、<2>から<11>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<13> 化合物Bの含有量は、粒子Aの表面積に対して、3.8×10-1g/m2以下が好ましく、1.8×10-1g/m2以下がより好ましく、1.3×10-1g/m2以下が更に好ましい、<2>から<12>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<14> 粒子Aの凹部指数は、1,000以上であり、1.010以上が好ましく、1.015以上がより好ましい、<1>から<13>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<15> 粒子Aの凹部指数は、1.035以下であり、1.030以下が好ましく、1.025以下がより好ましく、1.020以下が更に好ましい、<1>から<14>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<16> 粒子Aの水性媒体中でのゼータ電位は、好ましくは0mV未満、より好ましくは−30mV以下、更に好ましくは−60mV以下である、<1>から<15>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<17> 粒子Aの水性媒体中でのゼータ電位は、好ましくは−90mV以上、より好ましくは−80mV以上、更に好ましくは−70mVである、<1>から<16>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<18> 粒子Aの平均一次粒子径は、好ましくは15nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは40nm以上である、<1>から<17>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<19> 粒子Aの平均一次粒子径は、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下である、<1>から<18>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<20> 粒子Aの含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上である、<1>から<19>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<21> 粒子Aの含有量は、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.80質量%以下、更に好ましくは0.60質量%以下である。<1>から<20>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<22> pHは、好ましくは2.5以上、より好ましくは3.0以上、更に好ましくは3.5以上、更により好ましくは4.0以上、更により好ましくは5.5以上である、<1>から<21>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<23> pHは、好ましくは8.5以下、より好ましくは8.0以下、更に好ましくは7.5以下である、<1>から<22>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<24> pHが、好ましくは2.5以上8.5以下である、<1>から<23>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<25> 研磨液組成物のゼータ電位は、好ましくは負(0mV未満)、より好ましくは−51mV以下、更に好ましくは−70mV以下、更に好ましくは−75mV以下、更に好ましくは−77mV以下、更に好ましくは−78mV以下である、<1>から<24>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<26> 研磨液組成物のゼータ電位は、好ましくは−90mV以上、より好ましくは−85mV以上、更に好ましくは−82mV以上、更に好ましくは−80mV以上である、<1>から<27>のいずれかに記載の研磨液組成物。
<27> 酸化セリウム粒子Aと、水と、を含有するスラリーであって、
前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035であり、
前記凹部指数は、該粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物の製造に用いられる酸化セリウムスラリー。
<28> 好ましくはアニオン性基を有する化合物Bをさらに含有する、<27>に記載のスラリー。
<29> <1>から<26>のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
<30> 研磨時間は、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上である、<29>に記載の半導体基板の製造方法。
<31> 研磨時間は、好ましくは3分以下、より好ましくは2分以下、更に好ましくは1分以下である、<29>又は<30>に記載の半導体基板の製造方法。
<32> 被研磨膜の研磨速度は、好ましくは600nm/分以下、より好ましくは500nm/分以下、更に好ましくは400nm/分以下である、<29>から<31>のいずれかに記載の半導体基板の製造方法。
<33> 被研磨膜の研磨速度は、好ましくは30nm/分以上、より好ましくは50nm/分以上、更に好ましくは100nm/分以上である、<29>から<32>のいずれかに記載の半導体基板の製造方法。
<34> 研磨ストッパ膜の研磨速度は、好ましくは80nm/分以下、より好ましくは40nm/分以下、更に好ましくは15nm/分以下である、<29>から<33>のいずれかに記載の半導体基板の製造方法。
<35> 研磨速度比(被研磨膜の研磨速度/研磨ストッパ膜の研磨速度)は、好ましくは4.8以上、より好ましくは10.0以上、更に好ましくは20.0以上である、<29>から<34>のいずれかに記載の半導体基板の製造方法。
<36> <1>から<26>のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含み、前記被研磨基板は、半導体基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法。
<37> 研磨液組成物を製造するためのキットであって、
酸化セリウム粒子Aを含有する分散液が容器に収納された容器入り粒子A分散液を含み、
前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、
前記凹部指数は、該粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、
研磨液キット。
<38> 好ましくは前記容器入り粒子A分散液とは別の容器に収納されたアニオン性基を有する化合物Bをさらに含む、<37>に記載の研磨液キット。
1.研磨液組成物の調製
水と砥粒(粒子A)と添加剤(化合物B)とを下記表1の含有量となるように混合して実施例1〜11及び比較例1〜6の研磨液組成物を得た。研磨液組成物のpHは、1N塩酸水溶液もしくは1Nアンモニウム水溶液を用いて調整した。実施例1〜11及び比較例1〜6の研磨液組成物のpHは6であった。
粒子Aとしては、以下のセリア粒子を使用した。
・粒子A1:凹部指数1.017、平均一次粒径82nm、BET比表面積10.2m2/g(図2参照)
・粒子A2:凹部指数1.025、平均一次粒径82nm、BET比表面積10.5m2/g
・粒子A3:凹部指数1.042、平均一次粒径70nm、BET比表面積11.8m2/g(図3参照)
添加剤(化合物B)としては、以下の化合物を使用した。
・化合物B1:ポリアクリル酸アンモニウム塩(重量平均分子量23,000)
・化合物B2:ポリメタクリル酸アンモニウム塩(重量平均分子量30,000)
・化合物B3:ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(重量平均分子量10,000)
・化合物B4:ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(重量平均分子量5,000)
化合物B1〜B3は、アニオン性基を有する化合物である。
研磨液組成物のpH及びゼータ電位、粒子Aの平均一次粒径、BET比表面積及び凹部指数は以下の方法により測定した。
(a)研磨液組成物のpH測定
研磨液組成物の25℃におけるpH値は、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定した値であり、電極の研磨液組成物への浸漬後1分後の数値である。
(b)粒子Aの平均一次粒径
粒子Aの平均一次粒径(nm)は、下記BET(窒素吸着)法によって得られる比表面積S(m2/g)を用い、セリア粒子の真密度を7.2g/cm3として算出した。
(c)粒子AのBET比表面積の測定方法
比表面積は、セリア粒子A分散液を120℃で3時間熱風乾燥した後、メノウ乳鉢で細かく粉砕しサンプルを得た。測定直前に120℃の雰囲気下で15分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置 フローソーブIII2305、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
(d)粒子Aの凹部指数
粒子Aの一次粒子の包絡周囲長及び周囲長は、電子顕微鏡(日立製作所社製、「S−4800」)により得られる画像を用いて測定した。包絡周囲長は、画像解析ソフト(Mitani corporation製 WinROOF 2013)を用いて、粒子Aの一次粒子の輪郭の凸部分と同数の頂点を持ち、該輪郭全てを内包する多角形の周囲長から算出した。粒子A50個について前記測定を行い、周囲長と包絡周囲長との比(周囲長/包絡周囲長)の平均値を凹部指数とした。凹部指数の値が小さいほど、粒子Aの一次粒子の表面に凹部が少ないことを示す。
(e)研磨液組成物のゼータ電位の測定
アジレントテクノロジーズ社製「ゼータプローブ」を用いて以下の条件で測定した。
・測定温度:25±2℃
・測定試料:研磨液組成物
・Density Ratio:7.13g/ml
2.研磨液組成物(実施例1〜11、比較例1〜6)の評価
[試験片の作成]
シリコンウェーハの片面に、TEOS−プラズマCVD法で厚さ2000nmの酸化珪素膜(酸化膜)を形成したものから、40mm×40mmの正方形片を切り出し、酸化膜試験片を得た。
[酸化珪素膜(被研磨膜)の研磨速度の測定]
研磨装置として、定盤径300mmのムサシノ電子社製「MA−300」を用いた。また、研磨パッドとしては、ニッタ・ハース社製の硬質ウレタンパッド「IC−1000/Sub400」を用いた。前記研磨装置の定盤に、前記研磨パッドを貼り付けた。前記試験片をホルダーにセットし、試験片の酸化珪素膜を形成した面が下になるように(酸化膜が研磨パッドに面するように)ホルダーを研磨パッドに載せた。さらに、試験片にかかる荷重が300g重/cm2となるように、錘をホルダーに載せた。研磨パッドを貼り付け
た定盤の中心に、研磨液組成物を50mL/分の速度で滴下しながら、定盤及びホルダーのそれぞれを同じ回転方向に90r/分で1分間回転させて、酸化膜試験片の研磨を行った。研磨後、超純水を用いて洗浄し、乾燥して、酸化膜試験片を後述の光干渉式膜厚測定装置による測定対象とした。
研磨前及び研磨後において、光干渉式膜厚測定装置(大日本スクリーン社製「ラムダエースVM−1000」)を用いて、酸化膜の膜厚を測定した。酸化膜の研磨速度は下記式により算出し、下記表1に示した。
酸化膜の研磨速度(nm/分)
=[研磨前の酸化膜厚さ(nm)−研磨後の酸化膜厚さ(nm)]/研磨時間(分)
[窒化珪素膜(酸化ストッパ膜)の研磨速度の測定]
試験片として酸化珪素膜試験片の代わりに窒化珪素膜試験片を用いること以外は、前記[酸化珪素膜の研磨速度の測定]と同様に、窒化珪素膜(窒化膜)の研磨、膜厚の測定及び研磨速度の算出を行った。窒化膜の研磨速度を下記表1に示した。
[研磨速度比]
窒化珪素膜の研磨速度に対する酸化珪素膜の研磨速度の比を研磨速度比とし、下記式により算出し、下記表1に示した。研磨速度比の値が大きいほど、研磨選択性が高いことを示す。
研磨速度比=酸化珪素膜の研磨速度(nm/分)/窒化珪素膜の研磨速度(nm/分)
[残留砥粒量の評価方法]
研磨後の酸化膜試験片を測定試料とし、微小部蛍光X線分析装置(HORIBA社製「XGT−5000」)を用いて、以下の条件で測定した。
測定時間 :60秒
XGT径 :100um
パルス処理時間 :P3
X線管電圧 :30kV
管電流 :0.22mA
得られたCeの蛍光X線強度(単位:cps)を、残留砥粒量とした。
表1に示されるように、粒子Aの凹部指数が1.000以上1.035以下で、研磨液組成物のゼータ電位が−90mV以上0mV未満である実施例1〜11は、ゼータ電位が正である比較例1〜2,6、ゼータ電位が−90mV未満の比較例3、凹部指数が1.035を超える比較例4〜5に比べて、研磨速度を確保しつつ、研磨選択性を向上できた。また、凹部指数が1.000以上1.035以下である粒子A及び所定量の化合物Bを含有する実施例1〜11は、化合物Bの含有量が6.0×10-5g/m2未満である比較例1〜2、化合物Bの含有量が3.8×10-1g/m2を超える比較例3、凹部指数が1.035を超える比較例4〜5、化合物B(アニオン性化合物)ではなくポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド(カチオン性化合物)を含有する比較例6に比べて、研磨速度を確保しつつ、研磨選択性を向上できた。
以上説明したとおり、本開示に係る研磨液組成物は、高密度化又は高集積化用の半導体基板の製造方法において有用である。

Claims (12)

  1. 酸化セリウム粒子Aと、水と、を含有する研磨液組成物であって、
    ゼータ電位が、−90mV以上0mV未満であり、
    前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、
    前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物。
  2. アニオン性基を有する化合物Bをさらに含有する、請求項1に記載の研磨液組成物。
  3. 前記化合物Bの含有量が、酸化セリウム粒子Aの表面積に対して6.0×10-5g/m2以上3.8×10-1g/m2以下である、請求項2に記載の研磨液組成物。
  4. 少なくとも酸化セリウム粒子Aと、水と、アニオン性基を有する化合物Bとを配合してなる研磨液組成物であって、
    前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、
    前記化合物Bの含有量が、前記酸化セリウム粒子Aの表面積に対して6.0×10-5g/m2以上3.8×10-1g/m2以下であり、
    前記凹部指数は、前記粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物。
  5. 前記化合物Bが、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸アンモニウム塩及びポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項2から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
  6. pHが、2.5以上8.5以下である、請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含み、前記被研磨基板は、半導体基板の製造に用いられる基板である、基板の研磨方法。
  9. 酸化セリウム粒子Aと、水と、を含有するスラリーであって、
    前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035であり、
    前記凹部指数は、該粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、研磨液組成物の製造に用いられる酸化セリウムスラリー。
  10. アニオン性基を有する化合物Bをさらに含有する、請求項9に記載のスラリー。
  11. 研磨液組成物を製造するためのキットであって、
    酸化セリウム粒子Aを含有する分散液が容器に収納された容器入り粒子A分散液を含み、
    前記酸化セリウム粒子Aの凹部指数が、1.000以上1.035以下であり、
    前記凹部指数は、該粒子Aの周囲長Sと包絡周囲長Lとの比(S/L)の平均値である、
    研磨液キット。
  12. 前記容器入り粒子A分散液とは別の容器に収納されたアニオン性基を有する化合物Bをさらに含む、請求項11に記載の研磨液キット。
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