JP2017116662A - ブレ補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部材の固定部材に対する位置検出精度を高めることができ、ブレを容易且つ確実に補正できるブレ補正装置を提供する。【解決手段】ブレ補正装置100は、レンズ10とコイル8を備えた可動部材2と、コイル8に対向する駆動用の磁石41、42を備え、可動部材2をレンズ10の光軸Cと直交する方向に移動可能に支持した固定部材4と、駆動用の磁石42に対向して可動部材2に設けたホール素子12と、ホール素子12を間に挟んで駆動用の磁石42の反対側で固定部材4に設けた位置検出用の補助磁石36と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、レンズなどの光学部材を保持した可動部材を光軸と直交する方向に移動してブレを補正するブレ補正装置に関する。
ブレ補正装置は、例えば、カメラの手ブレを補正するように、ブレに合わせてレンズなどの光学部材を光軸と直交する方向に移動させる。ブレ補正装置は、光学部材を保持した可動部材の光軸と直交する面に沿った位置を検出する位置検出素子を備えている。この種の位置検出素子として、例えば、磁束の変化を電気信号として出力するホール素子が知られている。
可動部材を光軸と直交する面に沿って移動させるアクチュエータは、例えば、可動部材に設けたコイルと、コイルに対向して固定部材に設けた磁石と、を有するボイスコイルモータ(VCM)である。アクチュエータにVCMを用いた場合、ホール素子は、固定部材に設けた磁石に対向して可動部材に設ける。これにより、可動部材が固定部材に対して面方向に移動してホール素子を通過する磁束が変化した場合、ホール素子は、可動部材の面方向の位置に関する信号を出力する。
しかし、上記のように、単に駆動用の磁石に対向してホール素子を設けた場合、可動部材が面方向に移動してホール素子を通過する磁束が変化しても、磁束の向きが変わることはないので、ホール素子の出力が位置の変化に対して線形に変化しない。このように、可動部材の位置変化に対してホール素子の検出信号が線形に変化しないと、その分、ブレ補正制御が複雑になる。
また、駆動用の磁石にホール素子を対向させただけでは、可動部材の移動によってホール素子が磁石から大きく離れた場合、ホール素子による磁束の検出が不十分になって検出精度が低下する可能性がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、可動部材の固定部材に対する位置検出精度を高めることができ、ブレを容易且つ確実に補正できるブレ補正装置を提供することを目的とする。
本発明のブレ補正装置の一態様は、光学部材を備えた可動部材と、可動部材を光学部材の光軸と直交する方向に移動可能に支持した固定部材と、光軸と直交する空芯部を有し、可動部材に設けたコイルと、空芯部内に非接触状態で挿通配置され、固定部材に設けた第1ヨークと、光軸に沿ってコイルの一側に離間対向して配置され、固定部材に設けた第2ヨークと、光軸に沿ってコイルの他側に離間対向して配置され、固定部材に設けた第3ヨークと、第1ヨークと第2ヨークの間に接触して配置され、コイルに対向して固定部材に設けた第1磁石と、第1ヨークと第3ヨークの間に接触して配置され、コイルに対向して固定部材に設けた第2磁石と、第3ヨークを間に挟んで第2磁石に対向して可動部材に設けた位置検出素子と、第3ヨークに設けられ、第2磁石に対して位置検出素子を露出する開口部と、位置検出素子を間に挟んで第2磁石の反対側で固定部材に設けた位置検出用の補助磁石と、を有する。
本発明のブレ補正装置によれば、可動部材の固定部材に対する位置検出精度を高めることができ、ブレを容易且つ確実に補正できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、レンズ10(光学部材)の光軸Cと一致する軸をZ軸とし、Z軸と直交する平面上において互いに直交する2つの軸をX軸及びY軸とする。各図には、X軸、Y軸、およびZ軸を適宜図示する。
なお、以下の説明において、レンズ10(光学部材)の光軸Cと一致する軸をZ軸とし、Z軸と直交する平面上において互いに直交する2つの軸をX軸及びY軸とする。各図には、X軸、Y軸、およびZ軸を適宜図示する。
本実施形態のブレ補正装置100は、例えば、カメラの撮像素子に被写体の像を結像する光学系に含まれる少なくとも1枚のレンズ10を光軸C(Z軸)と直交する方向(XY平面に沿った方向)に駆動して、撮影時における手ブレを補正するための装置である。
図1は、ブレ補正装置100の要部を示す部分拡大断面図である。ブレ補正装置100は、2枚のレンズ10を同軸に固設した可動部材2、可動部材2を光軸Cと直交するXY平面に沿って移動可能に保持した固定部材4、および可動部材2を固定部材4に対してXY平面に沿って移動させるための磁気回路6を有する。
磁気回路6は、可動部材2を固定部材4に対してX軸方向に移動させる2つ1組の磁気回路6X−1、6X−2と、可動部材2を固定部材4に対してY軸方向に移動させる2つ1組の磁気回路6Y−1、6Y−2と、を含む(図7参照)。2つの磁気回路6X−1、6X−2は、レンズ10を間に挟んでX軸に沿って対向し、2つの磁気回路6Y−1、6Y−2は、2つの磁気回路6X−1、6X−2と位相を90°異ならせて、レンズ10を間に挟んでY軸に沿って対向している。これら4つの磁気回路6X−1、6X−2、6Y−1、6Y−2は、略同じ構造を有するため、以下の説明ではこれら4つの磁気回路を総称して磁気回路6とする場合もある。
図2(a)は、レンズ10を保持した可動部材2をZ軸に沿って図示しない被写体側(以下、正面側とする)から見た平面図であり、図2(b)は、可動部材2を図2(a)の矢印IIB方向から見た側面図であり、図2(c)は、可動部材2を図2(a)の矢印IIC方向から見た別の側面図である。
可動部材2は、レンズ10の他に、上述した4つの磁気回路6X−1、6X−2、6Y−1、6Y−2にそれぞれ割り当てられた4つのコイル8X−1、8X−2、8Y−1、8Y−2と、4つの磁気回路6にそれぞれ対向した4つの付勢用の磁石11と、2つのホール素子12X、12Y(位置検出素子)と、を備えている。以下の説明では、4つのコイル8X−1、8X−2、8Y−1、8Y−2を総称してコイル8とする場合もある。また、2つのホール素子12X、12Yを総称してホール素子12とする場合もある。
各コイル8は、空芯部が光軸Cと直交し且つ短辺が光軸Cに沿う姿勢で可動部材2に固設されている。つまり、コイル8X−1は、空芯部がX軸に沿う姿勢で磁気回路6X−1に対向して設けられ、コイル8X−2は、空芯部がX軸に沿う姿勢で磁気回路6X−2に対向して設けられ、コイル8Y−1は、空芯部がY軸に沿う姿勢で磁気回路6Y−1に対向して設けられ、コイル8Y−2は、空芯部がY軸に沿う姿勢で磁気回路6Y−2に対向して設けられている。4つのコイル8X−1、8X−2、8Y−1、8Y−2は、レンズ10の周りに90°ピッチで設けられている。
付勢用の磁石11は、それぞれ、各コイル8の正面側の端部からZ軸方向に離間して可動部材2に固設されている。つまり、可動部材2は、各磁石11を各コイル8からZ軸方向に離間させて保持するための4つの保持片14を一体に有する。4つの磁石11は、レンズ10の光軸Cを中心に線対称に設けられ、可動部材2に対して固定部材4に向けて作用するZ軸方向の付勢力を均一に付与できるようになっている。つまり、4つの磁石11は、それぞれ対応する後述する4つの磁気回路6X−1、6X−2、6Y−1、6Y−2の正面側のヨーク43(図1参照)に磁気的に吸引されることで、可動部材2を固定部材4に引き付ける力を発生する磁気バネとして機能する。このため、各磁石11は、ヨーク43に対してZ軸方向に完全に重なる位置に配置することが望ましい。
また、付勢用の磁石11は、後述する磁気回路6の駆動用の磁石41に対し異極同士が対向する向きで保持片14に取り付けられている。つまり、磁気回路6から漏れる磁束の向きに合わせて付勢用の磁石11の取り付け方向を決めている。仮に、ヨーク43を間に挟んで対向する駆動用の磁石41の磁極と同じ磁極を対向させる向きで付勢用の磁石11を取り付けると、付勢用の磁石11の磁束を打ち消す方向の磁束が作用し、磁気吸着力が弱くなってしまう。このため、本実施形態では、駆動用の磁石41と異なる磁極同士が対向する向きで付勢用の磁石11を取り付けた。
また、付勢用の磁石11は、駆動用の磁石41より光軸Cに近い位置に配置され、実質的にはコイル8とZ軸方向に重なる位置に配置され、XY平面に沿って駆動用の磁石41とズレた位置に配置されている。このように、付勢用の磁石11を光軸Cに近い位置に配置することで、保持片14の長さを短くすることができ、共振の発生を抑制することができる。なお、付勢用の磁石11は、吸着対象のヨーク43に対向する位置に配置すれば良く、XY平面に沿ったレイアウトの自由度が比較的高い。
一方のホール素子12Xは、可動部材2をX軸方向に移動するための一方の磁気回路6X−1に対向する位置に取り付けられている。もう一方のホール素子12Yは、可動部材2をY軸方向に移動するための一方の磁気回路6Y−2に対向する位置に取り付けられている。各ホール素子12X、12Yは、Z軸方向の磁束の強さを検出できる向きに取り付けられている。ホール素子12Xは、可動部材2の固定部材4に対するX軸に沿った位置を検出し、ホール素子12Yは、可動部材2の固定部材4に対するY軸に沿った位置を検出する。各ホール素子12X、12Yは、それぞれ、保持片16を介して可動部材2に取り付けられている。
図3は、可動部材2の撮像素子側(以下、背面側とする)に貼設されるフレキシブルプリント基板20(以下、FPC20と称する)を示す展開図である。図4は、FPC20を可動部材2に貼設した状態を示す背面図であり、図5は、この可動部材2を図4の矢印V方向から見た側面図である。
FPC20は、レンズ10の有効径の外側に配置される円環状の部分22(環状部分)を有する。また、FPC20は、可動部材2をX軸に沿って移動させるアクチュエータの2つのコイル8X−1、8X−2を直列に接続した第1配線L1、および可動部材2をY軸に沿って移動させるアクチュエータの2つのコイル8Y−1、8Y−2を直列に接続した第2配線L2を有する。さらに、FPC20は、第1配線L1と第2配線L2を交差させるためのジャンパー線L3を備えている。
また、FPC20は、環状部分22の外側に放射状に突出した複数の枝状部分24X−1、24X−2、24Y−1、24Y−2、26a、26b、26c、27、28a、28bを一体に有する。つまり、FPC20は、1枚の樹脂フィルムを形状加工した基材21を有する。言い換えると、基材21は、環状部分22と複数の枝状部分24X−1、24X−2、24Y−1、24Y−2、26a、26b、26c、27、28a、28bを含む。そして、第1配線L1、第2配線L2、およびジャンパー線L3が、基材21の背面側(図3で手前側)に設けられている。
FPC20の基材21の固定部材4と可動部材2の配線を幅の狭い枝状部分26a、26b、26cに分けて形成することで、可動部材2が固定部材4に対して移動したときに発生するFPC20からの反力を小さくすることができる。
枝状部分24X−1は、コイル8X−1に向けて環状部分22からX軸に沿って延びているとともに、コイル8X−1の両端を接続する2つの端子パッド23a、23bを先端に有する。枝状部分24X−2は、コイル8X−2に向けて環状部分22からX軸に沿って延びているとともに、コイル8X−2の両端を接続する2つの端子パッド23c、23dを先端に有する。端子パッド23a、23b、23c、23dは、基材21の背面側に設けられている。
枝状部分24Y−1は、コイル8Y−1に向けて環状部分22からY軸に沿って延びているとともに、コイル8Y−1の両端を接続する2つの端子パッド25a、25bを先端に有する。枝状部分24Y−2は、コイル8Y−2に向けて環状部分22からY軸に沿って延びているとともに、コイル8Y−2の両端を接続する2つの端子パッド25c、25dを先端に有する。端子パッド25a、25b、25c、25dは、基材21の背面側に設けられている。
枝状部分26aは、コイル8X−1を接続した枝状部分24X−1とコイル8Y−1を接続した枝状部分24Y−1の間から延びているとともに、第1配線L1の一端および第2配線L2の一端を並べて導出している。レンズ10を間に挟んで反対側の枝状部分26bは、コイル8X−2を接続した枝状部分24X−2とコイル8Y−2を接続した枝状部分24Y−2の間から延びているとともに、第1配線L1の他端および第2配線L2の他端を並べて導出している。また、枝状部分24X−2と枝状部分24Y−1との間から延びた枝状部分27は、ジャンパー線L3を有している。
枝状部分26a、26bは、後述する枝状部分26cとともに、可動部材2の正面側に折り返されて(図5)固定部材4の後述するケーブル孔37に挿通されるため、他の枝状部分より長くされている。また、比較的長くされた枝状部分26a、26b、26cは、4つの磁気回路6X−1、6X−2、6Y−1、6Y−2に干渉しない位置で環状部分22から延出されている。つまり、枝状部分26aは、磁気回路6X−1と磁気回路6Y−1の間から延びており、枝状部分26bは、磁気回路6X−2と磁気回路6Y−2の間から延びている。
第1配線L1は、枝状部分26aから環状部分22を通って枝状部分24X−1の端子パッド23aにつながり、コイル8X−1を介して端子パッド23bにつながる。そして、第1配線L1は、端子パッド23bから枝状部分24X−1、環状部分22、枝状部分27、環状部分22、および枝状部分24X−2を通って端子パッド23cにつながり、コイル8X−2を介して端子パッド23dにつながる。さらに、第1配線L1は、端子パッド23dから枝状部分24X−2および環状部分22を介して枝状部分26bから導出される。このように、第1配線L1は、2つのコイル8X−1、8X−2を直列に接続している。
また、第2配線L2は、枝状部分26aから環状部分22を通って枝状部分24Y−1の端子パッド25aにつながり、コイル8Y−1を介して端子パッド25bにつながる。そして、第2配線L2は、端子パッド25bから枝状部分24Y−1、環状部分22、枝状部分27、環状部分22、および枝状部分24Y−2を通って端子パッド25cにつながり、コイル8Y−2を介して端子パッド25dにつながる。さらに、第2配線L2は、端子パッド25dから枝状部分24Y−2および環状部分22を介して枝状部分26bから導出される。このように、第2配線L2は、2つのコイル8Y−1、8Y−2を直列に接続している。
ジャンパー線L3は、枝状部分27で第1配線L1と交差する第2配線L2の一部を構成し、第1配線L1と電気的に絶縁した状態で第1配線L1と交差している。枝状部分27は、図示しないゼロオーム抵抗を実装するため、比較的幅広に形成されており、ジャンパー線L3を設けるのに適している。
レンズ10を間に挟んで枝状部分27の反対側には、枝状部分26cが放射状に延出されている。また、この枝状部分26cと枝状部分24X−1との間からX軸に沿って枝状部分28aが延出されている。さらに、枝状部分26cと枝状部分24Y−2との間からY軸に沿って枝状部分28bが延出されている。これら3つの枝状部分26c、28a、28bは、上述した他の枝状部分24X−1、24X−2、24Y−1、24Y−2、26a、26b、27とは、環状部分22の周方向に分かれて設けられている。
X軸に沿って延設された枝状部分28aの先端には、可動部材2のX軸に沿った位置を検出するためのホール素子12Xが実装されている。ホール素子12Xは、FPC20の正面側に実装されて可動部材2の背面側にある保持片16に固定される。また、Y軸に沿って延設された枝状部分28bの先端には、可動部材2のY軸に沿った位置を検出するためのホール素子12Yが実装されている。ホール素子12Yは、FPC20の正面側に実装されて可動部材2の背面側にある保持片16に固定される。
ホール素子12Xは、ここでは図示しない4本の配線を含む信号ケーブル29aを有する。信号ケーブル29aは、ホール素子12Xから枝状部分28aを通って環状部分22を介して枝状部分26cに導出されている。ホール素子12Yは、ここでは図示しない4本の配線を含む信号ケーブル29bを有する。信号ケーブル29bは、ホール素子12Yから枝状部分28bを通って環状部分22を介して枝状部分26cに導出されている。つまり、これら2本の信号ケーブル29a、29bは、第1配線L1および第2配線L2と干渉しない位置に設けられている。これにより、2つのホール素子12X、12Yに対するノイズの影響を少なくでき、位置検出精度を高めることができる。
また、上記のように、X軸に沿って可動部材2を駆動するための2つのコイル8X−1、8X−2を直列につなぎ、Y軸に沿って可動部材2を駆動するための2つのコイル8Y−1、8Y−2を直列につなぐことで、装置構成を小型化することができる。例えば、少なくとも、X軸に沿って可動部材2を駆動するための1つのコイルとY軸に沿って可動部材2を駆動するための1つのコイルを設ければ、可動部材2をXY平面に沿って移動させることができるが、レンズ10のX軸方向の片側にコイルを配置し且つレンズ10のY軸方向の片側にコイルを配置する必要があり、光軸Cを中心としたXY平面内における装置構成のバランスが悪くなる。装置構成のバランスを良くするため、コイルを配置しない反対側にそれぞれスペースを設けると、装置全体のサイズが不必要に大きくなってしまう。このため、レンズ10の周りに4つのコイル8を配置した本実施形態のレイアウトが装置構成を小型化する上で有効となる。
また、レンズ10を間に挟んで対向する2組のコイル同士を直列に接続することで、可動部材2の駆動バランスを安定させることができる。仮に、それぞれ対向する2組のコイル同士を並列につないだ場合、それぞれのコイルの抵抗が微妙に異なると、各コイルに流れる電流が異なってしまい、駆動力に差を生じてしまう。これに対し、本実施形態のように、対向する一対のコイル同士を直列に接続することで、各コイルに流れる電流値を同じにでき、駆動力の差を小さくすることができる。
可動部材2が固定部材4に対向する背面側には、それぞれ光軸Cと垂直な4つのボール受パッド18a、18b、18c、18dが貼設されている。図4に示すように、ボール受パッド18aは、コイル8X−1とコイル8Y−2の間に配置され、ボール受パッド18bは、コイル8X−2とコイル8Y−2の間に配置され、ボール受パッド18cは、コイル8X−2とコイル8Y−1の間に配置され、ボール受パッド18dは、コイル8X−1とコイル8Y−1の間に配置されている。以下の説明では、これら4つのボール受パッド18a、18b、18c、18dを総称してボール受パッド18とする場合もある。
図6(a)は、固定部材4をZ軸に沿って正面側から見た平面図であり、図6(b)は、固定部材4を図6(a)の矢印VIB方向から見た側面図であり、図6(c)は、固定部材4を図6(a)の矢印VIC方向から見た別の側面図である。図6(a)は、固定部材4の他に4つのボール30a、30b、30c、30dを図示してある。
固定部材4は、レンズ10の有効径の外側に対向配置される円環状の底壁32、およびこの底壁32の外周縁からZ軸に沿って正面側に延設された略円筒形の周壁34を有する。可動部材2は、4つのボール30a、30b、30c、30dを間に挟んで周壁34の内側に嵌め込まれる。この状態で、上述した4つの付勢用の磁石11がヨーク43とともに磁気バネとして機能し、4つのボール30a、30b、30c、30dを可動部材2と固定部材4との間で押圧して挟持する。これにより、可動部材2が固定部材4から離間することなく、可動部材2が固定部材4に対してXY平面に沿って移動可能となる。
より具体的には、固定部材4の底壁32の可動部材2側(正面側)の内面32aには、4つのボール30a、30b、30c、30dをそれぞれ収容する凹部31a、31b、31c、31dが設けられている。各凹部31a、31b、31c、31dは、可動部材2の4つのボール受パッド18a、18b、18c、18dにそれぞれ対向する位置に設けられている。すなわち、4つのボール30a、30b、30c、30dは、それぞれ、固定部材4の4つの凹部31a、31b、31c、31d内へ配置され、凹部31の底とボール受パッド18との間で挟まれる(図1参照)。
また、底壁32が可動部材2に対向する内面32aに露出して2つの位置検出用の補助磁石36X、36Yが設けられている。2つの補助磁石36X、36Yは、それぞれ、可動部材2のホール素子12X、12Yに対応して設けられている。これら2つの補助磁石36X、36Yは、対応するホール素子12X、12Yを通過する磁束を補うために設けられている。補助磁石36X、36Yは、対応する磁気回路6X−1、6Y−2の後述する駆動用の磁石42より小さい。補助磁石36X、36Yを設けることで、可動部材2の可動範囲内における磁束のレンジが大きくなるため、制御性を向上させることができる。
周壁34は、可動部材2の4つのコイル8を露出する4つの開口部35a、35b、35c、35dを有する。開口部35a、35b、35c、35dは、周方向に90°ピッチで設けられている。これら4つの開口部35a、35b、35c、35dは、それぞれ、後述する磁気回路6X−1、6X−2、6Y−1、6Y−2を受け入れる。言い換えると、固定部材4は、4つの開口部35a、35b、35c、35dの間に4つの湾曲した周壁34a、34b、34c、34dを有する。各開口部35a、35b、35c、35dの形状は、磁気回路6を位置決めできる形状とされている。
各周壁34a、34b、34c、34dには、FPC20の枝状部分26a、26b、26cを挿通するためのケーブル孔37がそれぞれ設けられている。枝状部分26aは、可動部材2のケーブル孔3aを通って可動部材2の正面側に導出された後、固定部材4の周壁34dのケーブル孔37を通って固定部材4の外側へ引き出される。枝状部分26bは、可動部材2のケーブル孔3bを通って可動部材2の正面側に導出された後、固定部材4の周壁34bのケーブル孔37を通って固定部材4の外側へ引き出される。枝状部分26cは、可動部材2のケーブル孔3cを通って可動部材2の正面側に導出された後、固定部材4の周壁34aのケーブル孔37を通って固定部材4の外側へ引き出される。
図7は、ブレ補正装置100の要部を被写体側から見た正面図である。図7の組立体は、図4のFPC20を貼設した状態の可動部材2を、4つのボール30a、30b、30c、30dを間に挟んで、図6の固定部材4の周壁34の内側に嵌め込み、3つの枝状部分26a、26b、26cをそれぞれのケーブル孔3、37に挿通し、且つ周壁34の4つの開口部35a、35b、35c、35dそれぞれに磁気回路6Y−2、6X−2、6Y−1、6X−1を装着して組み立てられたものである。また、図8は、このブレ補正装置100の要部を図7の矢印VIII方向から見た側面図である。さらに、図9は、1つの磁気回路6X−1を背面側から見た背面図である。
磁気回路6は、図1および図7乃至図9に示すように、駆動用の2つの磁石41、42と3つのヨーク43、44、45を備えている。4つの磁気回路6X−1、6X−2、6Y−1、6Y−2は同じ構造を有するため、ここでは1つの磁気回路6について代表して説明する。磁気回路6は、固定部材4の周壁34に設けた開口部35を介して装着されて可動部材2の各コイル8に組み合わされ、可動部材2の構成要素に対して非接触状態で固定部材4に接着固定される。
この状態で、Z軸に沿って最も正面側のヨーク43(第2ヨーク)は、コイル8の正面側に離間対向して配置されている。Z軸に沿って最も背面側のヨーク45(第3ヨーク)は、コイル8の背面側に離間対向して配置されている。Z軸に沿ってヨーク43、45の間に配置されたヨーク44(第1ヨーク)は、コイル8の空芯部内に非接触状態で挿通配置されている。
また、Z軸に沿って正面側の磁石41(第1磁石)は、ヨーク43とヨーク44の間に配置され、Z軸に沿って離間した両面がそれぞれヨーク43とヨーク44に接触して磁気的に吸着されている。Z軸に沿って背面側の磁石42(第2磁石)は、ヨーク44とヨーク45の間に配置され、Z軸に沿って離間した両面がそれぞれヨーク44とヨーク45に接触して磁気的に吸着されている。なお、2つの磁石41、42は、それぞれXY平面に沿ってコイル8の外側に離間対向して配置されている。また、2つの磁石41、42は、同じ極が互いに向かい合う向きで取り付けられている。
また、最も背面側のヨーク45は、図9に示すように、磁石42に対向する部位に切欠き部46(開口部)を有する。切欠き部46は、図8に示すように、補助磁石36の幅より大きな幅を有し、図1に示すように、駆動用の磁石42とホール素子12の間に介在されている。このように、切欠き部46を設けることで、磁石42からの磁束がホール素子12を通過し易くなり、可動部材2の固定部材4に対する位置検出精度を高めることができる。
また、図1に示すように、ホール素子12を間に挟んで駆動用の磁石42の反対側に検出用の補助磁石36を設けることで、可動部材2の可動範囲内でホール素子12を通過する磁束差を大きくすることができ、位置検出精度を高めることができる。さらに、補助磁石36は、駆動用の磁石42がホール素子12に対向する磁極(本実施形態ではN極)と同極の磁極(本実施形態ではN極)をホール素子12に対向させる姿勢で取り付けられている。このため、可動部材2が固定部材4に対してXY平面に沿って移動した際、ホール素子12を介して検出する信号の線形性を高めることができる。
図10は、補助磁石36を設けた本実施形態のブレ補正装置100におけるホール素子12の検出信号のグラフを実線で示す。比較のため、補助磁石36を設けない場合の検出信号のグラフを破線で併記した。補助磁石36が無い場合、ホール素子12を通過する磁束の向きが一方向のみであるため、プラス側(或いはマイナス側)に片寄ったグラフとなり、線形性も悪くなる。これに対し、補助磁石36を設けた本実施形態の装置では、補助磁石36からの逆向きの磁束がホール素子12を通過し、検出信号の線形性が高まる。
なお、ホール素子12は、その光軸Cに沿った中心線が駆動用の磁石42の光軸Cに沿った中心線より光軸Cに近い位置に配置されることが望ましい。また、ホール素子12は、その中心線が補助磁石36の光軸Cに沿った中心線より光軸Cから離間する側に配置されることが望ましい。つまり、補助磁石36は、その中心線がホール素子12の中心線より光軸C側に配置されることが望ましい。
図11は、上述したブレ補正装置100の駆動原理を説明するための図である。図11に示すように、コイル8に電流Iを流すと、磁気回路6によって形成される磁束Jによって、フレミングの左手の法則に基づく磁力Fが可動部材2に作用する。コイル8に流す電流Iの向きを反対にすることで、可動部材2に作用する磁力Fの向きを逆向きにできる。つまり、X軸に沿って配置した一対の磁気回路6X−1、6X−2と、Y軸に沿って配置した一対の磁気回路6Y−1、6Y−2を用いることで、可動部材2を固定部材4に対してXY平面に沿って移動することができる。
以上のように、本実施形態によると、可動部材2に固設したホール素子12を間に挟んで、固定部材4に固設した駆動用の磁石42と反対側に補助磁石36を設けたため、ホール素子12を通過する磁束を増やすことができ、可動部材2の固定部材4に対する位置検出精度を高めることができる。また、本実施形態によると、駆動用の磁石42と同じ磁極同士が対向する向きに補助磁石36を取り付けたため、可動部材2が固定部材4に対して移動した際にホール素子12を介して検出する信号の線形性を高めることができ、ブレを容易且つ確実に補正することができる。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
2…可動部材、 4…固定部材、 6X−1、6X−2、6Y−1、6Y−2…磁気回路、 8X−1、8X−2…、8Y−1、8Y−2…コイル、 10…レンズ、 11…付勢用の磁石 12X、12Y…ホール素子、 20…フレキシブルプリント基板(FPC)、 21…基材、 22…環状部分、 24X−1、24X−2、24Y−1、24Y−2、26a、26b、26c、27、28a、28b…枝状部分、 30a、30b、30c、30d…ボール、 31a、31b、31c、31d…凹部、 32…底壁、 34a、34b、34c、34d…周壁、 35a、35b、35c、35d…開口部、 36X、36Y…補助磁石、 41、42…駆動用の磁石、 43、44、45…ヨーク、 46…切欠き部、 100…ブレ補正装置、 C…光軸、 L1…第1配線、 L2…第2配線、 L3…ジャンパー線。
Claims (6)
- 光学部材を備えた可動部材と、
上記可動部材を上記光学部材の光軸と直交する方向に移動可能に支持した固定部材と、
上記光軸と直交する空芯部を有し、上記可動部材に設けたコイルと、
上記空芯部内に非接触状態で挿通配置され、上記固定部材に設けた第1ヨークと、
上記光軸に沿って上記コイルの一側に離間対向して配置され、上記固定部材に設けた第2ヨークと、
上記光軸に沿って上記コイルの他側に離間対向して配置され、上記固定部材に設けた第3ヨークと、
上記第1ヨークと上記第2ヨークの間に接触して配置され、上記コイルに対向して上記固定部材に設けた第1磁石と、
上記第1ヨークと上記第3ヨークの間に接触して配置され、上記コイルに対向して上記固定部材に設けた第2磁石と、
上記第3ヨークを間に挟んで上記第2磁石に対向して上記可動部材に設けた位置検出素子と、
上記第3ヨークに設けられ、上記第2磁石に対して上記位置検出素子を露出する開口部と、
上記位置検出素子を間に挟んで上記第2磁石の反対側で上記固定部材に設けた位置検出用の補助磁石と、
を有するブレ補正装置。 - 上記補助磁石は、上記第2磁石が上記位置検出素子に対向する磁極と同じ極が上記位置検出素子に対向する姿勢で上記固定部材に取り付けられる、
請求項1のブレ補正装置。 - 上記補助磁石は、上記第2磁石の光軸に沿った中心軸より光軸側に配置されている、
請求項2のブレ補正装置。 - 上記位置検出素子は、上記第2磁石の光軸に沿った中心軸より光軸側で且つ上記補助磁石の光軸に沿った中心軸より光軸から離間する側に配置されている、
請求項3のブレ補正装置。 - 上記補助磁石は、上記第2磁石より小さい、
請求項4のブレ補正装置。 - 光学部材とコイルを備えた可動部材と、
上記コイルに対向する駆動用の磁石を備え、上記可動部材を上記光学部材の光軸と直交する方向に移動可能に支持した固定部材と、
上記駆動用の磁石に対向して上記可動部材に設けた位置検出素子と、
上記位置検出素子を間に挟んで上記駆動用の磁石の反対側で上記固定部材に設けた位置検出用の補助磁石と、
を有するブレ補正装置。
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JP2007225575A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Tdk Corp | 磁石構造体及びこれを用いた位置検出装置 |
JP2009163153A (ja) * | 2008-01-10 | 2009-07-23 | Panasonic Corp | レンズアクチュエータ |
JP2013190653A (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-26 | Alps Electric Co Ltd | レンズ駆動装置 |
-
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- 2015-12-22 JP JP2015250191A patent/JP2017116662A/ja active Pending
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