JP2017115190A - 熱間圧延棒線材 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶粒粗大化防止特性に優れ、さらに被削性および低サイクル疲労特性に優れた熱間圧延棒線材を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.13〜0.40%、Si:0.01〜1.5%、Mn:1.0〜2.0%、S:0.015〜0.040%未満、Cr:0.01〜1.6%、Al:0.010〜0.045%およびN:0.010〜0.025%、Bi:0.0001〜0.0100%を含有するとともに、残部がFeおよび不純物からなり、更に、PおよびOがそれぞれ、P:0.05%以下およびO:0.0005〜0.0040%であり、MnおよびSの含有量が下記の式(1)を満たし、鋼材の圧延方向と平行な断面において硫化物の円相当径が2μm未満のものの存在密度が300個/mm2以上である熱間圧延棒線材。[Mn]≧8.4×[S]+0.9・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は、熱間圧延棒線材に関する。
機械構造用鋼は、産業用機械、建設用機械、軸受部品、および、自動車に代表される輸送用機械、等の機械部品に用いられる。機械構造用鋼は一般的に、熱間鍛造により粗加工された後、切削加工されて所定の形状を有する機械部品に仕上げられる。この機械部品において、特に高強度が要求される部品には、従来、930℃前後の浸炭ガス雰囲気中で浸炭処理されてきた。
なお、上記930℃前後の浸炭温度においてAlNは比較的安定であるので、従来の肌焼鋼には適量のAlとNが含有されており、このAlとNを浸炭処理の前にAlNとして析出させオーステナイトのピン止め粒子として用いることによって、粗粒化の発生を抑制することが行われてきた。
一方、処理時間の短縮のために、最近では、1000℃を超えるような高温で浸炭処理することが検討されている。これは、例えば1050℃で浸炭すれば、930℃で浸炭する場合に比べて処理時間を1/3〜1/4に短縮することができるからである。
上記の問題を解決するために、微細なAlNやNb(CN)などのピン止め作用を利用した種々の高温浸炭用鋼が提案されている。
特許文献1は、Al、TiおよびNbを含有する炭化物、窒化物および炭窒化物の個数分布を制御することにより結晶粒粗大化特性に優れ、さらに低サイクル特性に優れる鋼を提案している。
特許文献2は、Ti、NbおよびMoを含有する炭化物、窒化物および炭窒化物の個数分布を制御することにより、結晶粒粗大化特性に優れる鋼を提案している。
特許文献3は、AlおよびTiを含有する炭化物、窒化物および炭窒化物の個数分布を制御することにより、結晶粒粗大化特性に優れ、さらに転動疲労寿命に優れる鋼を提案している。
特許第4807949号公報 特許第5350181号公報 特許第4502929号公報
しかしながら、特許文献1は、被削性について言及しておらず、熱間加工後の素材にTi系析出物が多量に析出した場合、素材が硬くなりすぎ、被削性が低下する恐れがある。
また、特許文献2は、特許文献1と同様に被削性に言及しておらず、熱間加工後の素材にTi系析出物が多量に析出した場合、素材が硬くなりすぎ、被削性が低下する恐れがある。さらに、浸炭焼入れ後の芯部硬さに言及しておらず、芯部硬さが必要な低サイクル疲労特性に劣る可能性がある。
また、特許文献3は、特許文献1と同様に被削性に言及しておらず、熱間加工後の素材にTi系析出物が多量に析出した場合、素材が硬くなりすぎ、被削性が低下する恐れがある。この鋼は、転動疲労寿命に考慮されたもので、低サイクル疲労特性向上に配慮されていない。
また、特許文献1〜3で提案されている鋼は、高温で浸炭処理する場合には、ピン止め粒子(AlNなど)の一部がマトリックス(素地)に固溶・粗大化してピン止め効果が低下するため、粗粒化が起こる可能性もありうる。
本発明は、上記現状に鑑みなされたもので、結晶粒粗大化防止特性に優れ、さらに被削性および低サイクル疲労特性に優れた熱間圧延棒線材を提供することを課題とする。
本発明者らは、肌焼鋼に関する研究および検討の結果、以下の知見を得た。
(a)きわめて微量のBi添加によって浸炭中のピン止め粒子(AlNなど)の固溶・粗大化を抑制することができ、粗大粒の発生を抑制することができることを明らかにした。
(b)切削は切りくずを分離する破壊現象であり、それを促進させるにはマトリックスを脆化させることが一つのポイントである。硫化物を微細分散させることにより、破壊を容易にして、切りくず処理性が向上する。すなわち、硫化物が大きく少数分散していると、切りくず分離の起点となる硫化物の間隔が長くなり、結果として切りくずが長くなりやすくなる。
(c)鋼材中の硫化物は、凝固前(溶鋼中)または凝固時に晶出することが多く、硫化物の大きさは、凝固時の冷却速度に大きく影響を受ける。また、連続鋳造鋳片の凝固組織は、通常はデンドライト形態を呈しており、このデンドライトは、凝固過程における溶質元素の拡散に起因して形成され、溶質元素は、デンドライトの樹間部において濃化する。Mnは、樹間部において濃化し、MnSが樹間に晶出する。
(d)硫化物を微細に分散させるには、デンドライトの樹間の間隔を短くする必要がある。デンドライトの1次アーム間隔に関する研究は従来から行われており、下記の非特許文献によれば、式(A)で表すことができる。
λ∝(D×σ×ΔT)0.25・・・(A)
ここで、λ:デンドライトの1次アーム間隔(μm)、D:拡散係数(m/s)、σ:固液界面エネルギー(J/m)、ΔT:凝固温度範囲(℃)である。
非特許文献:W.Kurz and D.J.Fisher著、「Fundamentals of Solidification」、Trans Tech Publications Ltd., (Switzerland)、1998年、p.256
この式(A)から、デンドライトの1次アーム間隔λは、固液界面エネルギーσに依存しており、このσを低減させることができればλが減少することがわかる。λを減少させることができれば、デンドライト樹間に晶出するMnSサイズを低減させることができる。
なお、MnSとは、純粋なMnSのみならず、MnSを主体に含み、Fe、Ca、Ti、Zr、Mg、REM等の硫化物がMnSと固溶または結合して共存している介在物や、MnTeのようにS以外の元素がMnと化合物を形成してMnSと固溶・結合して共存している介在物や、酸化物を核として析出した上記介在物が含まれるものであり、化学式では、(Mn、X)(S、Y)(ここで、X:Mn以外の硫化物形成元素、Y:S以外でMnと結合する元素)として表記できるMn硫化物系介在物を総称して言うものである。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)、(2)に示す熱間圧延棒線材にある。
(1)質量%で、
C:0.13〜0.40%、
Si:0.01〜1.5%、
Mn:1.0〜2.0%、
S:0.015〜0.040%未満、
Cr:0.01〜1.6%、
Al:0.010〜0.045%および
N:0.010〜0.025%、
Bi:0.0001〜0.0100%
を含有するとともに、残部がFeおよび不純物からなり、
更に、PおよびOがそれぞれ、
P:0.05%以下および
O:0.0005〜0.0040%であり、
MnおよびSの含有量が下記の式(1)を満たし、
鋼材の圧延方向と平行な断面において硫化物の円相当径が2μm未満のものの存在密度が300個/mm以上であることを特徴とする熱間圧延棒線材。
[Mn]≧8.4×[S]+0.9・・・(1)
(2)更に、質量%で、
Nb:0.05%以下(0を含む)、
Mo:1.0%以下、
Ni:1.0%以下、
Ti:0.01%以下、
Cu:0.40%以下、
V:0.30%以下、
B:0.02%以下及び
Mg:0.0035%以下
からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)記載の熱間圧延棒線材。
本発明に係る熱間圧延棒線材は、ピン止め粒子(AlNなど)を微細分散させることによって結晶粒界のピン止めをすることができる。さらに、浸炭中のピン止め粒子の固溶・粗大化を抑制することにより、従来よりも高温かつ短時間の浸炭を行っても結晶粒の粗大化を抑制することができる。さらに、MnSを微細化することにより、従来鋼よりも被削性に優れ、焼入れ性を高め、芯部硬さを向上することにより低サイクル疲労特性に優れる。
具体的には、本発明に係る熱間圧延棒線材を使用する場合には、熱間鍛造および切削後に従来よりも高温で浸炭を行い、従来よりも短時間で浸炭を完了させる。歯車や軸受としての性能を浸炭部品に付与することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱間圧延棒線材を歯車などの部品形状に加工する場合、連続鋳造した鋳片を圧延した後、浸炭焼き入れ等の表面硬化処理の前に熱間鍛造と切削が行われる。その際、MnSは、切削加工に極めて有効である。すなわち、被削材である熱間圧延棒線材中のMnSは、切削工具の摩耗による工具変化を抑制し、いわゆる工具寿命を延ばす効果を発現する。
したがって、切削性を高めるには、鋼中にMnSを生じさせることが望ましい。一方、熱間圧延や熱間鍛造では、粗大なMnSは延伸することが多い。そのため、MnSの粗大化を抑制するためには、溶鋼中の固液界面エネルギーを低減し、デンドライト組織を微細化することが望ましい。デンドライト組織は、硫化物の寸法に大きく影響し、デンドライト組織が微細になるとともにMnSの寸法も小さくなる。
MnSを安定的にかつ効果的に微細分散させるには、微量のBiを添加し、溶鋼中の固液界面エネルギーを低減させる。固液界面エネルギーが低減したことにより、デンドライト組織が微細となり、そこから晶出する硫化物が微細化する。
また、浸炭処理時の焼き入れ段階でマルテンサイト組織を得るための必要な冷却速度が得られなくなり、局所的にベイナイト組織を含む不完全焼入れ組織を生成し、その結果芯部の靭性が低下する恐れがある。
そこで、焼入れ性向上元素であるMnを添加し焼入れ性を向上することにより、ベイナイト組織を含む不完全焼入れ組織の生成を抑制することにより、浸炭後の芯部の硬さを向上することができる。
以下、本実施形態の熱間圧延棒線材における各成分元素の含有量について説明する。ここで、成分についての「%」は質量%である。
C:0.13〜0.40%
炭素(C)は、鋼の引張強度及び疲労強度を高める。一方、Cの含有量が多すぎれば、鋼の冷間鍛造性が低下し、被削性も低下する。したがって、Cの含有量は0.13〜0.40%である。好ましいCの含有量は0.14〜0.28%であり、さらに好ましくは、0.15〜0.25%である。
Si:0.01〜1.5%
シリコン(Si)は、鋼中のフェライトに固溶して、鋼の引張強度を高める。一方、Siの含有量が多すぎれば、鋼の冷間鍛造性が低下する。したがって、Siの含有量は、0.01〜1.5%である。好ましいSiの含有量は0.15〜0.70%であり、さらに好ましくは0.20〜0.35%である。
Mn:1.0〜2.0%
マンガン(Mn)は、脱酸作用を有し、酸化物系介在物を低減する。さらに、浸炭焼入れ時の焼入れ性を著しく高め、浸炭後の芯部の硬さを高める。Mnはさらに、鋼中の硫黄(S)と結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。一方、Mnの含有量が高すぎれば、粗大なMnSが生成し、疲労強度が低下する。したがって、Mnの含有量は、1.0〜2.0%である。好ましいMnの含有量は1.20〜1.70%であり、さらに好ましくは1.30〜1.60%である。
S:0.015%以上0.040%未満
硫黄(S)は、鋼中のMnと結合してMn硫化物を形成し、鋼の被削性を高める。一方、Sを過剰に含有すれば、鋼の疲労強度が低下する。したがって、Sの含有量は、0.015%以上0.040%未満である。好ましいSの含有量は0.020%以上0.030%未満である。
Cr:0.01〜1.60%
クロム(Cr)は、鋼の焼入れ性及び引張強度を高める。本実施の形態による熱間圧延棒線材により製造される機械部品は、浸炭処理や高周波焼入れにより鋼の表面を硬化する場合がある。Crは、鋼の焼入れ性を高め、浸炭処理や高周波焼入れ後の鋼の表面硬度を高める。一方、Crの含有量が多すぎると、鋼の冷間鍛造性や疲労強度が低下する。したがって、Crの含有量は、0.01〜1.60%である。鋼の焼入れ性及び引張強度を高める場合、好ましいCrの含有量は、0.03〜1.50%であり、さらに好ましくは、0.10〜1.20%である。
Al:0.010〜0.045%
Alは脱酸作用を有すると同時に、Nと結合してAlNを形成しやすく、浸炭加熱時のオーステナイト粒粗大化防止に有効な元素である。しかし、Alの含有量が0.010%未満では、安定してオーステナイト粒の粗大化を防止できず、粗大化した場合は、疲労強度が低下する。一方、Alの含有量が0.045%を超えると、AlNが粗大となり、結晶粒の粗大化抑制に寄与しなくなる。したがって、Alの含有量を0.010〜0.045%とした。Alの含有量の好ましい下限は0.020%であり、好ましい上限は0.035%である。
N:0.010〜0.025%
窒素(N)は、AlN、Nb(CN)の析出による浸炭時の結晶粒の微細化、及び結晶粒の粗大化抑制を目的として添加するが、0.010%未満ではその効果は不十分である。一方、0.025%を超えるとその効果は飽和する。過剰なNの添加は鋼を脆化させるため、鋳造、圧延時に割れ、キズの原因となる。以上の理由から、その含有量を0.010〜0.025%の範囲内にする必要がある。好適な範囲は0.013〜0.020%である。
Bi:0.0001〜0.0100%
Biは、本発明において重要な元素である。微量のBiを含有することによって、鋼の凝固組織が微細化に伴い、硫化物が微細分散する。さらに、微量のBiを添加することにより、結晶粒の粗大化を抑制するAlN等の析出物の浸炭時の成長・粗大化を抑制することができる。Mn硫化物の微細化効果を得るには、Biの含有率を0.0001%以上とする必要がある。しかし、Biの含有率が0.0100%を超えると、デンドライト組織の微細化効果が飽和し、かつ鋼の熱間加工性が劣化し、熱間圧延が困難となる。これらのことから、本発明では、Biの含有率を0.0001〜0.0100%とする。被削性をさらに向上させるには、Biの含有率を0.0010%以上とすることが好ましい。
P:0.05%以下
燐(P)は不純物である。Pは鋼の冷間鍛造性や熱間加工性を低下する。したがって、Pの含有量は少ない方が好ましい。Pの含有量は0.05%以下である。好ましいPの含有量は0.035%以下であり、さらに好ましくは、0.020%以下である。
O(酸素):0.0005〜0.0040%
Oは、Alと結合して硬質な酸化物系介在物を形成する。酸化物系介在物が鋼中に多量に存在すると、AlNやNb(CN)の析出サイトとなり、熱間圧延時にAlNやNb(CN)が粗大に析出し、浸炭時に結晶粒の粗大化を抑制できなくなる。そのため、Oの含有量はできるだけ低減することが望ましい。以上の理由から、その含有量を0.0040%以下に制限する必要がある。なお、軸受部品、転動部品においては、酸化物系介在物が転動疲労破壊の起点となるので、Oの含有量が低いほど転動寿命は向上する。そのため、軸受部品、転動部品においては、Oの含有量を0 .0012%以下に制限するのが望ましい。
[選択元素について]
本実施の形態による熱間圧延棒線材はさらに、Nb、Mo、Ni、Ti、Cu、V、B及びMgからなる群から選択される1種または2種以上を含有してもよい。Nb、Mo、Ni、Ti、Cu、V、B及びMgはいずれも、鋼の疲労強度を高める。
Nb:0.05%以下(0を含む)
ニオブ(Nb)は、浸炭加熱の際に、鋼中のC、Nと結びついてNb(CN)を形成し、結晶粒の微細化、及び結晶粒の粗大化抑制に有効な元素である。Nbの含有量が0.05%を超えると、素材の硬さが上昇し、加工性が劣化するとともに、Nb(CN)の析出物が粗大になり、結晶粒の粗大化抑制には寄与しなくなる。以上の理由から、その含有量を0.05%以下の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.04%以下である。また、Nbの含有量の下限は、0.001%以上がよい。
Mo:1.0%以下
モリブデン(Mo)は、鋼の焼入れ性を高め、鋼の疲労強度を高める。また、Moは、浸炭処理において、不完全焼入れ層を抑制する。Moを少しでも含有すれば、上記効果が得られる。一方、Moの含有量が多すぎれば、鋼の被削性が低下する。さらに、鋼の製造コストも高くなる。したがって、Moの含有量は、1.0%以下である。Moの含有量が0.02%以上であれば、上記効果が顕著に得られる。好ましいMoの含有量は0.05〜0.50%であり、さらに好ましくは、0.10〜0.30%である。
Ni:1.0%以下
ニッケル(Ni)は、焼入れ性を高める効果があり、より疲労強度を高めるために有効な元素であるので、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Niの含有量が1.0%を超えると、焼入れ性の向上による疲労強度を高める効果が飽和するだけでなく、変形抵抗が高くなり冷間鍛造性の低下が顕著となる。そのため、含有させる場合のNiの量を1.0%以下とした。含有させる場合のNiの量は0.8%以下であることが好ましい。さらに、Niの焼入れ性向上による疲労強度を高める効果を安定して得るためには、含有させる場合のNiの量は0.1%以上であることが好ましい。
Ti:0.01%以下
チタン(Ti)は、鋼中のNと結びついてTiNを形成する。TiNの析出物は粗大であり、浸炭時の結晶粒の微細化、及び結晶粒の粗大化抑制に寄与しない。むしろ、TiNが存在すると、AlNやNb(CN)の析出サイトとなり、熱間圧延時にAlNやNb(CN)が粗大に析出し、浸炭時に結晶粒の粗大化を抑制できなくなる。そのため、Tiの量はできるだけ低減することが望ましい。以上の理由から、Tiの含有量を0.01%以下に制限する必要がある。
Cu:0.40%以下
銅(Cu)は、鋼の焼入性を高める元素である。多量の添加は鋼材の表面性状の劣化や合金コストの増加を招くため、上限を0.40%とした。
V:0.30%以下
バナジウム(V)は、鋼中で炭化物を形成し、鋼の疲労強度を高める。バナジウム炭化物は、フェライト中に析出して鋼の芯部(表層以外の部分)の強度を高める。Vを少しでも含有すれば、上記効果が得られる。一方、Vの含有量が多すぎれば、鋼の冷間鍛造性及び疲労強度が低下する。したがって、Vの含有量は0.30%以下である。Vの含有量が0.03%以上であれば、上記効果が顕著に得られる。好ましいVの含有量は0.04〜0.20%であり、さらに好ましくは、0.05〜0.10%である。
B:0.02%以下
ボロン(B)は、鋼の焼入れ性を高め、鋼の疲労強度を高める。Bが少しでも含有されれば、上記効果が得られる。Bの含有量が0.02%を超えると、その効果は飽和する。したがって、Bの含有量は0.02%以下である。Bの含有量が0.0005%以上であれば、上記効果が顕著に得られる。好ましいBの含有量は、0.001〜0.012%であり、さらに好ましくは、0.0020〜0.010%である。
Mg:0.0035%以下
マグネシウム(Mg)は、Alと同様に、鋼を脱酸し、鋼中の酸化物を微細化する。鋼中の酸化物が微細化することにより、粗大酸化物を破壊起点とする確率が低下し、鋼の疲労強度が高まる。Mgを少しでも含有すれば、上記効果が得られる。一方、Mgの含有量が多すぎれば、上記効果は飽和し、かつ、鋼の被削性が低下する。したがって、Mgの含有量は0.0035%以下である。Mgの含有量が0.0001%以上であれば、上記効果が顕著に得られる。好ましいMgの含有量は0.0003〜0.0030%であり、さらに好ましくは、0.0005〜0.0025%である。
以上のように、本実施形態の熱間圧延棒線材は、上述の基本元素を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる化学組成、または、上述の基本元素と、上述の選択元素から選択される少なくとも1種とを含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる化学組成を有する。
[デンドライト組織]
連続鋳造鋳片の凝固組織は、通常はデンドライト形態を呈している。鋼材中のMnSは、凝固前(溶鋼中)、または凝固時に晶出することが多く、デンドライト1次アーム間隔に大きく影響を受ける。すなわち、デンドライト1次アーム間隔が小さければ、樹間に晶出する硫化物は小さくなる。本実施形態の熱間圧延棒線材は、鋳片の段階におけるデンドライト1次アーム間隔が600μm未満であることが望ましい。
[MnS]
MnSは、切削性の向上に有用であるため、その個数密度を確保することが必要である。S量を増加すると被削性は向上する。円相当径で2μm未満のMnSが300個/mm以上の存在密度で鋼中に存在すると、工具の摩耗が抑制される。なお、介在物がMnSであることは、走査電子顕微鏡に付属するエネルギー分散型X線解析によって確認すればよい。また、MnSの円相当径はMnSの面積と等しい面積を有する円の直径であり、画像解析によって求めることができる。同様に、MnSの個数密度は、画像解析によって求められる。なお、介在物が硫化物であることは、走査電子顕微鏡に付属するエネルギー分散型X線解析よって確認すればよい。
本発明では、本発明の熱間圧延棒線材からなる鋼材の大形部品を、浸炭処理をした後に残存する不完全焼入れ組織を低減し、マルテンサイト面積率を上昇させることで優れた芯部硬さを得ることを狙いとしており、高い焼入性を付与することが重要となる。上記化学成分中のMnおよびSの質量%で示した含有量が、下記の式(1)を満足する必要がある。
[Mn]≧8.4×[S]+0.9・・・(1)
上述の通り、Mnは、鋼中のSと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。すなわち、従来鋼よりさらに焼き入れ性を高めるには、MnSとして消費されたMnの補充として式(1)を満たす必要がある。式(1)を満たさない場合、焼き入れ性に必要なMnが不足し、浸炭後の芯部の硬さを向上することができない。
[製造方法]
本発明の一実施形態による熱間圧延棒線材の製造方法を説明する。本実施形態の熱間圧延棒線材の製造方法は、上記の化学成分を有し、かつ表層から15mmの範囲内におけるデンドライト1次アーム間隔が600μm未満である鋳片を連続鋳造し、この鋳片を熱間加工し、更に焼鈍することによって製造される。熱間加工は、熱間圧延を含んでもよい。
[連続鋳造工程]
上記化学組成及び式(1)を満たす鋼の鋳片を連続鋳造法により製造する。造塊法によりインゴット(鋼塊)にしてもよい。鋳造条件は例えば、220×220mm角の鋳型を用いて、タンディッシュ内の溶鋼のスーパーヒートを10〜50℃とし、鋳込み速度を1.0〜1.5m/分とする条件を例示できる。
さらに、上述したデンドライト一次アーム間隔を600μm未満にするために、上記化学組成を有する溶鋼を鋳造する際に、鋳片表面から15mmの深さにおける液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度を100℃/min以上500℃/min以下とすることが望ましい。平均冷却速度が100℃/min未満では、鋳片表面から15mmの深さ位置におけるデンドライト一次アーム間隔を600μm未満とすることが困難となり、MnSを微細分散できないおそれがある。一方、500℃/min超では、デンドライト樹間から晶出するMnSが微細になり過ぎ、切削性が低下してしまう恐れがある。
液相線温度から固相線温度までの温度域とは、凝固開始から凝固終了までの温度域のことである。したがって、この温度域での平均冷却温度とは、鋳片の平均凝固速度を意味する。上記の平均冷却速度は、例えば、鋳型断面の大きさ、鋳込み速度等は適正な値に制御すること、または鋳込み直後において、水冷に用いる冷却水量を増大させるなどの手段により達成できる。これは、連続鋳造法および造塊法共に適用可能である。
上記の15mm深さの冷却速度は、得られた鋳片の断面をピクリン酸にてエッチングし、鋳片表面から15mmの深さの位置のそれぞれについて鋳込み方向に5mmピッチでデンドライト2次アーム間隔λ(μm)を100点測定し、次式に基づいて、その値からスラブの液相線温度から固相線温度までの温度域内の冷却速度A(℃/秒)を算出し、算術平均した平均である。
λ=710×A−0.39
例えば、鋳造条件を変更した複数の鋳片を製造し、各鋳片における冷却速度を上記式により求め、得られた冷却速度から最適な鋳造条件を決定すればよい。
[熱間圧延]
次いで、鋳片又はインゴットを分塊圧延等の熱間圧延して、ビレット(鋼片)を製造する。更に、ビレットを熱間圧延し、本実施形態の熱間圧延棒線材である棒鋼や線材とする。熱間加工における圧下比に特に制限はない。
熱間圧延は、例えば、ビレットを1150〜1300℃の加熱温度で1.5時間以上加熱した後、仕上げ温度を900〜1100℃として熱間圧延する。仕上げ圧延を行った後、大気中で、冷却温度が800〜500℃の温度範囲での冷却速度が0.1〜1.0℃/秒の範囲で冷却する。なお、好適範囲は0.7℃/秒以下である。仕上げ圧延を行った後は、冷却速度が上記の放冷以下となる条件で、室温に至るまで冷却しても構わないが、生産性を高めるためには、500℃に至った時点で、空冷、ミスト冷却及び水冷など、適宜の手段で冷却することが好ましい。なお、上記の加熱温度及び加熱時間はそれぞれ、炉内の平均温度及び在炉時間を意味する。また、熱間圧延の仕上げ温度は、複数のスタンドを備える圧延機の最終スタンド出口での棒線材の表面温度を意味する。仕上げ圧延を行った後の冷却速度は、棒線材の表面での冷却速度を指す。
更に、熱間圧延棒線材を機械部品等に加工する場合は、例えば、製造された棒鋼や線材(熱間圧延棒線材)を熱間鍛造して、粗形状の中間品を製造する。中間品に対して調質処理を実施してもよい。さらに、中間品を機械加工し、中間品を所定の形状にする。機械加工はたとえば、切削や穿孔である。その後、浸炭処理や浸炭窒化処理といった表面硬化処理を施す。
表面硬化処理後の中間品を機械加工により所定の形状に切削することで、熱間圧延棒線材からなる機械部品を製造する。
表1に示す化学組成を有する鋼A〜ABを270ton転炉で溶製し、連続鋳造機を用いて連続鋳造を実施して、220×220mm角の鋳片を製造した。なお、連続鋳造の凝固途中の段階で圧下を加えた。
鋳片の連続鋳造において、鋳片の表面から15mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度の変更は、鋳型の冷却水量を変更することによって行った。
表1に示す鋼A〜Oは、本発明で規定する化学組成を有する鋼である。鋼P〜Zは、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。表1中の数値の下線は、本実施の形態による熱間圧延棒線材の範囲外であることを示す。
連続鋳造により得られた鋳片を素材として、熱間鍛造を行い、棒鋼の試作を行った。本実施例では、デンドライト組織観察用の試験片を採取するために、鋳片を一旦室温まで冷却した。
その後、各マークの鋳片を1250〜1300℃で2時間加熱した。加熱後の鋳片を最終加工温度が900〜1100℃の温度範囲で熱間圧延を行い、その後、800〜500℃の温度範囲では冷却速度が0.7℃/秒以下の条件で冷却を行い、500℃に達した段階で丸棒を放冷し、直径55mmの複数の丸棒を製造した。当該熱処理後の各鋼材の表面割れの有無を目視にて判定した。このようにして、試験番号1〜28の熱間圧延棒線材を製造した。
[凝固組織観察方法]
凝固組織は、上記の鋳片の断面をピクリン酸にてエッチングし、鋳片表面から深さ方向に15mm位置を鋳込み方向に5mmピッチでデンドライト1次アーム間隔を100点測定し、平均値を求めた。
[ミクロ組織観察方法]
丸棒のミクロ組織を観察した。丸棒のD/4位置を軸方向に対して垂直に切断し、ミクロ組織観察用の試験片を採取した。試験片の切断面を研磨し、ナイタル腐食液で腐食した。腐食後、400倍の光学顕微鏡で、切断面の中央部のミクロ組織を観察した。各マークの丸棒のミクロ組織はいずれも、フェライト・パーライト組織であった。
さらに、ミクロ組織観察用試験片を用いて、JIS Z2244に規定されたビッカース硬さ試験を実施した。5箇所の硬さを測定した結果、各マークの丸棒のビッカース硬さはいずれもHv130〜200の範囲内であり、各マークの丸棒は、同程度の硬度を有した。
[MnS観察方法]
光学顕微鏡によって鋼の金属組織を観察し、組織中のコントラストからMnSを判別した。なお、走査型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分光分析装置(EDS)とを用いて介在物を同定した。MnS観察用試験片は、ミクロ観察用試験片と同じ位置である丸棒のD/4位置を軸方向に対して垂直に切断し、試験片の長手方向を含む断面から、縦10mm×横10mmの研磨試験片を10個作製し、これらの研磨試験片の所定位置を光学顕微鏡にて100倍で写真撮影して、0.9mmの検査基準面積(領域)の画像を10視野分準備した。なお、本発明でのMnS観察視野は、9mmである。その観察視野(画像)中の円相当径が1μm以上のMnSの粒径分布を検出した。これらの寸法(直径)は、MnSの面積と同一の面積を有する円の直径を示す円相当径に換算した。検出したMnSの粒径分布から、MnSの平均円相当径差を算出した。
[被削性試験]
各鋼番号の丸棒について、被削性を評価した。
具体的には、直径55mmで長さ500mmの試験材(丸棒)の外周部を、NC旋盤を用いて、下記の条件で旋削加工し、被削性を調査した。
切りくず処理性は、以下の方法で評価した。被削性試験中の10秒間で排出された切りくずを回収した。回収された切りくずの長さを調べ、長いものから順に10個の切りくずを選択した。選択された10個の切りくずの総重量を「切りくず重量」と定義した。切りくずが長くつながった結果、切りくずの総数が10個未満である場合、回収された切りくずの総重量を測定し、10個の個数に換算した値を「切りくず重量」と定義した。例えば、切りくずの総数が7個であって、その総重量が12gである場合、切りくず重量は、12g×10個/7個、と計算した。
各マークの切りくず重量が15g以下であれば、切りくず処理性が高いと判断した。切りくず重量が15gを超える場合、切りくず処理性が低いと評価した。
<使用チップ>
母材材質:超硬P20種グレード、
コーティング:なし。
<旋削加工条件>
周速:250m/分、
送り:0.35mm/rev、
切り込み:1.0mm、
潤滑:水溶性切削油を使用。
[粗大粒発生温度評価試験]
機械加工後の中間品に、浸炭シミュレーションを行った。浸炭シミュレーションの条件は、910〜1090℃に5時間加熱―水冷である。その後、切断面に研磨―腐食を行い、旧オーステナイト粒径を観察して粗大粒発生温度(結晶粒粗大化温度)を求めた。高温浸炭は、通常1000〜1050℃で行われるため、粗大粒発生温度が1000℃以下のものは、結晶粒粗大化特性に劣ると判断した。なお、旧オーステナイト粒度の測定は、JIS G 0051に準じて行い、400倍で10視野程度観察し、粒度番号5番以下の粗粒が1つでも存在すれば粗大粒発生と判定した。
[疲労特性評価]
熱間加工後の直径55mmの丸棒の残材を用いて、疲労特性評価を実施した。具体的には、13mm×13mm×100mmの角棒の四点曲げ疲労試験片を採取して、浸炭焼入れを行った。この浸炭焼入れでは、この試験片を、炭素ポテンシャルが0.8%の雰囲気中で、900℃に加熱し、5時間保持し、温度が130℃の油に焼入れた。さらに、試験片を150℃で2時間保持し、焼戻しを行った。更に、油圧式サーボ疲労試験機を用いて四点曲げ疲労試験を行った。また、ビッカース硬さ測定機を用いて四点曲げ疲労試験片の芯部硬さを調べた。
試験番号16の500回破断強度を1と定義し、各試験番号の500回破断強度に対する相対値により評価した。相対値が1.2以上であれば低サイクル疲労特性に優れると判断した。
表1及び表2を参照して、鋼A〜Oの鋼の化学組成は、本実施の形態による熱間圧延棒線材の化学組成の範囲内であり、析出物およびMnSの個数密度を満たした。その結果、鋼A〜Oは、優れた結晶粒粗大化抑制特性および被削性を有した。
鋼Pは、JIS SCr420に規定される鋼であり、Biを含有しなかった。また、本発明で規定するMnSの個数密度を満たさなかった。このため、被削性は低かった。具体的には、切りくず重量が15gを超えた。さらに、浸炭シミュレート中に析出物の粗大化が起こり、粗大化抑制特性は劣った。
鋼Qは、Nの含有量が本発明規定の範囲を下回った例である。このため、粗大化抑制特性に劣った。具体的には、微細な析出物の個数が少なく、粗大化抑制特性に劣った。
鋼Rは、Nの含有量が本発明規定の範囲を上回った例である。このため、粗大な析出物が存在し、析出物の微細分散が妨げられたため、粗大化抑制特性に劣った。
鋼Sは、Alの含有量が本発明規定の範囲を下回った例である。このため、粗大化抑制特性に劣った。具体的には、微細な析出物の個数が少なく、粗大化抑制特性に劣った。
鋼Tは、Alの含有量が本発明規定の範囲を上回った例である。このため、粗大な析出物が存在し、析出物の微細分散が妨げられたため、粗大化抑制特性に劣った。
鋼Uは、Tiの含有量の含有量が本発明規定の範囲を上回った例である。このため、粗大な析出物が存在し、析出物の微細分散が妨げられたため、粗大化抑制特性に劣った。
鋼Vは、Oの含有量が本発明規定の範囲を上回った例である。このため、粗大な析出物が存在し、析出物の微細分散が妨げられたため、粗大化抑制特性に劣った。
鋼Wは、Biを含有したがSの含有量が本発明規定の範囲を下回った例である。そのため、本発明で規定するMnSの個数密度の規定を満たさなかった。このため、被削性に劣った。
鋼Xは、Sの含有量が本発明規定の範囲を上回った例である。このため、Biを添加したにも関わらず、粗大なMnSが存在し、低サイクル疲労寿命が劣った。
鋼Yは、Nbの含有量が本発明規定の範囲を上回った例である。粗大なNb(CN)が存在し、AlNとNb(CN)の微細分散が妨げられたため、粗大化抑制特性に劣った。
鋼Zは、Biの含有量が本発明規定の範囲を上回った例である。このため、熱間加工性が低下し、割れが生じた。
鋼AAは、Mnの含有量が本発明規定の範囲を下回った例である。このため、Biを添加したにも関わらず、粗大なMnSが存在し、低サイクル疲労寿命が劣った。
鋼ABは、Mnの含有量が本発明規定の範囲を上回った例である。そのため浸炭部品の芯部硬さが低く、低サイクル疲労寿命に劣った。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
Figure 2017115190
Figure 2017115190

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.13〜0.40%、
    Si:0.01〜1.5%、
    Mn:1.0〜2.0%、
    S:0.015〜0.040%未満、
    Cr:0.01〜1.6%、
    Al:0.010〜0.045%および
    N:0.010〜0.025%、
    Bi:0.0001〜0.0100%
    を含有するとともに、残部がFeおよび不純物からなり、
    更に、PおよびOがそれぞれ、
    P:0.05%以下および
    O:0.0005〜0.0040%であり、
    MnおよびSの含有量が下記の式(1)を満たし、
    鋼材の圧延方向と平行な断面において硫化物の円相当径が2μm未満のものの存在密度が300個/mm以上であることを特徴とする熱間圧延棒線材。
    [Mn]≧8.4×[S]+0.9・・・(1)
  2. 更に、質量%で、
    Nb:0.05%以下(0を含む)、
    Mo:1.0%以下、
    Ni:1.0%以下、
    Ti:0.01%以下、
    Cu:0.40%以下、
    V:0.30%以下、
    B:0.02%以下及び
    Mg:0.0035%以下
    からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の熱間圧延棒線材。
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