JP2017111136A - 電流検出回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 広い電流測定レンジと低ノイズを有する電流検出手段を提供する。【解決手段】 電流検出回路100は、第1の入力端子102及び第2の入力端子104と、端子102に接続されたシャント抵抗106と、抵抗106の端子間の電圧を増幅するシャント抵抗センス回路110と、回路110の出力に結合されたローパスフィルタ(LPF)114と、抵抗106の端子と第2の入力端子との間に接続された1次巻線を有するカレントトランス(CT)108と、CTの2次巻線に接続され、2次巻線からの電流を増幅するCTセンス回路120と、LPFの出力と第1のCTセンス回路の出力とを加算する加算器130とを備える。CTセンス回路は、第1のトランスインピーダンス増幅器126、124と、第1の入力抵抗122とを備え、LPFのカットオフ周波数と等しい低周波数側カットオフ周波数を有する。【選択図】 図1

Description

センサネットワークを対象とした無線通信デバイスの開発が増加している。そのような無線通信デバイスは、一般に、コイン電池等の小容量の電池で1年よりも長い動作寿命を有する必要がある。電池の寿命を可能な限り長く延ばすために、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)等の低消費電力通信プロトコルが開発されているとともに、それらのプロトコルの対応する規格に準拠した集積回路(IC)チップも開発されている。BLE規格に準拠したICチップを備えるデバイスは、例えば、消費電流−時間の波形でスリープ状態及びアクティブ状態を繰り返すことによって断続的に動作する。この例が図12A及び図12Bに示されている。例えば、図12Aに示すようなアクティブ状態(「接続イベント」)の間、数十ミリアンペア(mA)のオーダの電流が消費されるのに対して、図12Aに示すようなスリープ状態(「スリープ期間」)の間、消費電流は平均してマイクロアンペア(μA)以下のオーダであり、これは極めて低い。IC内の動作クロックは、1マイクロ秒(μs)のオーダであり、アクティブ状態からスリープ状態への遷移に必要な時間は1μsのオーダである。
そのようなデバイスでは、IC内部の動作状態は、消費電流プロファイルを測定することによって得ることができる。しかしながら、消費電流プロファイルを測定することは困難である。なぜならば、電流引込みが、例えば、1μs足らずで数十mAから約1μAまで4桁よりも大きく変化するからである。
被試験デバイス(DUT)において電流を測定する従来の方法は、DUTに接続された電圧プローブを有するオシロスコープの入力端子の両端間に10Ωのシャント抵抗を設け、この抵抗によって電圧を分割することによって電流を効果的に測定する。これは、例えば、非特許文献1に記載されている。この文献は、引用することによって本明細書の一部をなす。大きな値を有する抵抗ほど、1μAのオーダの低電流の測定に対してより良好に機能する。簡単な例では、1Ωのシャント抵抗及び20MHzの検出周波数帯域幅を用いて電流波形を観測することができる。電流が、入力換算雑音電圧スペクトル密度(入力換算雑音電圧密度)として1nV/√Hzを有する差動増幅器によってシャント抵抗を用いて測定されるものと仮定すると、電流測定ノイズの実効値(RMS値)は、1nV/√Hz*√(20MHz)/1Ω=4.5μA(RMS値)になると予想される。
この状況を与えられるとすると、10Ωの抵抗を選択することによって、μA以下のオーダの雑音を有する電流波形を観測することができると考えることができる。しかしながら、従来の測定回路では、DUTにおいて電源電圧(Vcc)と接地(GND)との間に、例えば、全体でほぼ1.5μFの複数のバイパスコンデンサが並列キャパシタンスとして搭載される場合がある。コイン電池からIC及びバイパスコンデンサに供給される電流を測定するために、これらの10Ωのシャント抵抗及び1.5μFのバイパスコンデンサから生成される時定数は15μsとなり、これは、1μs以下内の電流引込み変化の観測には長すぎ、それによって、電流波形がなまってしまう。この状況を回避するために、バイパスコンデンサを除去することによって、10Ωのシャント抵抗を用いた場合であっても、理論的にはより高速の電流測定が可能になる場合がある。しかしながら、高速のICが、動作不具合をもたらす場合があり、したがって、通常状態の動作の下での測定が行われない場合がある。
長い時定数を回避する代替の解決策として、バイパスコンデンサとICとの間の電源ラインの位置にシャント抵抗が挿入される場合がある。しかしながら、挿入されるシャント抵抗の抵抗値は、実際には、バイパスコンデンサの等価直列抵抗になってしまう可能性があり、これは、ICに動作障害を引き起こす可能性がある。上記のように、高速の電流測定は、上述したオーダの静電容量(キャパシタンス)を有するバイパスコンデンサがVccとGNDとの間に接続されることを前提にして行う必要がある。
S. Kamath、他、Application Note AN092「Measuring Bluetooth(R) Low Energy Power Consumption」、Texas Instruments Incorporated (2012)
したがって、例えば、BLE又は同様のプロトコルに従って動作する無線通信デバイスの開発には、急峻な電流変化の観測に用いることができ、かつ、広い電流測定レンジとともに低ノイズを有する電流検出手段が必要とされる。したがって、電流検出手段は、1μAのオーダでの観測を可能にする低ノイズ性能と、約1μAから少なくとも約100mAまでの約5桁に及ぶ測定を可能にする広いダイナミックレンジと、直流(DC)から少なくとも約100MHzまでの広くかつフラット(平坦)な周波数応答特性と、DUTの測定回路の静電容量が考慮されるときに1μsを要しない電流変化に追従することが可能な高速の応答特性とを有することが望ましい。
例示の実施形態は、以下の詳細な説明を添付図面の図とともに読むことで、この詳細な説明から最も良く理解される。様々な特徴は必ずしも一律の縮尺で描かれていないことが強調される。実際上、寸法は、論述内容を明瞭にするために任意に増減することができる。適用可能な箇所ではなるべく、同じ参照符号が同じ要素を指すものとする。
代表的な第1の実施形態による電流検出回路のブロック図である。 図1の電流検出回路の部分的な等価回路の回路図である。 図1の電流検出回路の周波数応答特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 代表的な第2の実施形態による電流検出回路のブロック図である。 代表的な第3の実施形態による電流検出回路のブロック図である。 代表的な第4の実施形態による電流検出回路のブロック図である。 図5に示す電流検出回路の動作を示す等価ブロック図である。 図7に示す等価的なブロック図の動作を示すフローチャートである。 図1の電流検出回路の測定結果を示すグラフである。 図1の電流検出回路において測定された電流に変換された電流ノイズスペクトル密度における周波数特性の実測値を示すグラフである。 図6の電流検出回路の測定結果を示すグラフである。 図6の電流検出回路の測定結果を示すグラフである。 図6の電流検出回路の測定結果を示すグラフである。 従来の検出回路の測定結果を示すグラフである。 従来の検出回路の測定結果を示すグラフである。 代表的な第5の実施形態による電流検出回路のブロック図である。 代表的な第6の実施形態による電流検出回路のブロック図である。
以下の詳細な説明では、限定ではなく説明を目的として、具体的な詳細を開示する例示の実施形態が、本教示による実施形態の十分な理解を提供するために述べられる。しかしながら、本明細書に開示された具体的な詳細から離れた本教示による他の実施形態も添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが、本開示の利益を得ている者には明らかであろう。その上、よく知られたデバイス及び方法の説明は、例示的な実施形態の説明を不明瞭にしないために省略される場合がある。そのような方法及びデバイスは、本教示の範囲内にある。一般に、図面及び図面に描かれた様々な要素は一律の縮尺でないことが理解されている。
本開示の様々な実施形態は、包括的には、低雑音で広い適用範囲の電流検出回路に関する。すなわち、様々な実施形態によれば、電流検出回路は、例えば、少なくとも約1μAから約200mAのレンジにおける電流測定に必要な1μAのオーダでの観測を可能にする約1μAレベル程度の低い電流ノイズ性能と;DC(直流)から少なくとも約100MHzのレンジにわたる広くかつフラットな周波数応答特性と;電流検出回路がDUTの測定回路に接続され、この測定回路に付随する静電容量が考慮されるときに、約1μs未満の電流変化に追従することが可能な高速の応答特性と;DUTの故障を検出するとともにDUTにおけるリークを有効に測定するためのハイサイド電流検出用の高入力インピーダンスと;少なくとも約1μAから約200mAのレンジにおける電流測定に必要とされる、約1μAから5桁以上の電流変化の測定を可能にする広いダイナミックレンジとを有する。
幾つかの従来の電流検出回路は、ホール効果センサ(ホール素子)等の磁気センサを用いるが、このセンサには高感度のセンサが存在しないため、大きな電流しか検出することができない。他の従来の電流検出回路は、シャント抵抗値(Rs)を有するシャント抵抗を用いる。この場合、十分な感度を得るために大きな抵抗が用いられると、上記で論述したように、DUT測定回路内のバイパスコンデンサ及び上記シャント抵抗によって、電流波形がなまってしまう。小さなシャント抵抗を用いると、これも、このシャント抵抗の両端間に現われる電圧が小さくなり過ぎ、差動増幅器を動作させるときに、性能限界、特に信号対雑音比(S/N)性能の点から、問題となる。例えば、10Ωの抵抗を用いると、この大きな値を有する抵抗に起因して測定対象の電流波形を高い忠実度で捕捉することができない。1μs以下で遷移する電流を捕捉するには、少なくとも目安として時定数を電流遷移時間よりも小さく保つ必要があり、シャント抵抗値としては0.66Ω(例えば、1μs/1.5μF=0.66Ω)以下程度の小さな抵抗値しか許容することができない。シャント抵抗値(Rs)の要件は、以下のように、式(1)によって示すことができる。
Figure 2017111136
式(1)において、Cbypは、測定回路のバイパスコンデンサの全静電容量値[F]であり、τBLEは、高い忠実度の波形を得るのに必要な測定回路の時定数[sec]である。
1μAのオーダで電流測定を行うために、電流検出用増幅器のS/N性能の観点から適切なシャント抵抗値が選ばれる。これを糸口として、例えば、低ノイズ性能と、広い帯域幅と、約1μA以上の広いダイナミックレンジと、約1μs以下のオーダで生じる信号変化の追従できる高速な応答特性とを有することによって、複数の課題を解決して、BLEプロトコルを用いた従来のデバイスを満足に測定することができる電流検出回路構成及び電流検出方法を見出したものである。
様々な実施形態によれば、一方の回路がシャント抵抗を流れる電流を検出し、他方の回路が変流器(CT:カレントトランス)を用いて電流を検出する2つの回路を備える方法により、電流が検出される。fcのカットオフ周波数を有するローパスフィルタが、シャント抵抗の検出回路の出力に設けられ、入力抵抗が、トランスインピーダンス増幅器の反転入力端子へのブリッジ構成要素としてCTの2次側に直列接続で更に設けられる。様々な実施形態は、電流検出回路の全ノイズを解析することによって、選択された抵抗値が、シャント抵抗を用いる回路及びCTを用いる回路の2つの回路の低周波数域での動作における雑音すなわちノイズの総量を最小にする方法で、シャント抵抗値Rsと入力抵抗Riとの最適な比を得る。電流検出回路は、1μAのオーダで電流測定を行う。シャント抵抗型の電流検出回路の出力と、CT型の電流検出回路の出力とを合成する加算器も電流検出回路に設けることができる。これらの様々な実施形態は、以下で論述される。
図1は、代表的な第1の実施形態による電流検出回路のブロック図である。図1を参照すると、電流検出回路100は、シャント抵抗センス回路110、ローパスフィルタ(LPF)114、カレントトランス(CT)によるセンス回路120、及び加算器130を備える。電流検出回路100は、DUT(図示せず)からの入力電流Iinが、シャント抵抗106及びCT108の1次側巻線を介して入力端子Iin_H102と入力端子Iin_L104との間の電流検出回路100内に流れるように、シャント抵抗106及びカレントトランス(CT)108を更に備える。
シャント抵抗106の最大許容シャント抵抗値Rsは、DUT回路の時定数及びコンデンサが、上記で論述した式(1)によって示すように電流引込み変化を観測することができるほど十分小さいという要件によって決定される。ここで、τBLEは、例えば、電流検出回路100の時定数であり、Cbypは、DUTの電源ラインとGNDとの間のバイパスコンデンサの全キャパシタンス値である。上記の例では、τBLEは1μsであり、Cbypは1.5μFであり、その場合、シャント抵抗値Rsの最大値は0.66Ωとなる。シャント抵抗値Rsが大きいほど、より高いS/N性能により良好に機能することができるが、これは、時定数τBLEの制約に加えて、シャント抵抗106におけるジュール発熱に備えた特別な冷却メカニズムが必要になる等の別の設計課題も提起するおそれがある。
シャント抵抗値Rsの最小許容値は、以下で説明するように、電流検出回路100のコスト的及び精度的な設計の観点から約0.03Ωになるように定められる。シャント抵抗値Rsの値がそれよりも低い場合、シャント抵抗106の2つの端子間の電圧は、1μA程度の低い電流が流れるときは、小さくなり過ぎてしまう。その電圧は、アナログ/デジタル変換用に1Vのオーダのレベルに増幅する必要がある。ここで試みられていることは、約1mAフルスケールのレンジにおいてμAのオーダの低電流を測定することであるので、この電圧が小さ過ぎるとき、増幅器の利得(ゲイン)は過度に大きくなり、それによって、複数の高利得段が必要となる。これによって、電流検出回路100を実施することがコストの点から困難になる。例えば、シャント抵抗Rs106のシャント抵抗値Rsが約0.03Ωよりも小さいとき、1V/(1mA*Rs)=3.33*10、即ち、10000倍をはるかに超える利得を増幅器に持たせる。これを達成することは可能であるが、コスト及び他の事情から回路設計に重い負担を課す。加えて、初段アンプのオフセット誤差等を非常に高いゲインで増幅してしまうため、電流測定の精度を維持することが困難になる。即ち、シャント抵抗値Rsは、約0.03Ω〜約τBLE/CbypΩのレンジ内で選択されることが望ましい。シャント抵抗106のシャント抵抗値Rsをこのレンジ内に設定することによって、約1μA〜約200mAの電流検出をおい粉うことができる。
上記のように、シャント抵抗センス回路110は、シャント抵抗106の2つの端子間に接続され、カットオフ周波数fcを備えるLPF114は、シャント抵抗センス回路110の出力に接続されている。この第1の実施形態では、シャント抵抗センス回路110は差動増幅器112を備え、この差動増幅器は、当該増幅器112に接続された電源端子Vdd_A及びアナロググランド端子(アナログ接地端子)COM_Aを備える。シャント抵抗106の端子は、増幅器112の非反転端子及び反転端子の両端子間に接続されている。アナログ接地端子COM_Aは、共通電位を供給することができ、このコモン電位は、例えば、電流検出計器内のシャーシ電位又はグランド電位(接地電位)と同じ電位とすることができる。LPF114は、抵抗116及びコンデンサ118を備える。抵抗116は、増幅器112の出力端子と直列に接続され、コンデンサ118は、抵抗116の出力端子とアナログ接地端子COM_Aとの間に接続されている。
CTセンス回路120は、CT108の2次側巻線に接続されている。ゲイン調整増幅器128は、利得調整用にCTセンス回路120の出力に接続されている。CTセンス回路120は、抵抗値Riを有する入力抵抗122、CT出力センス増幅器126、及び抵抗値Rfを有するフィードバック抵抗124を備える。入力抵抗122は、CT108の2次側巻線の非接地側とCT出力センス増幅器126の反転入力端子との間に直列に接続されている。フィードバック抵抗124は、CT出力センス増幅器126の出力端子とCT出力センス増幅器126の非反転入力端子との間に接続されている。それによって、CT出力センス増幅器126及びフィードバック抵抗124は、このようにトランスインピーダンス増幅器を形成する。電源端子Vdd_A及びアナロググランド端子COM_Aは、CT出力センス増幅器126に更に接続されている。CT108の2次側巻線の接地側は、アナロググランド端子COM_A及びCT出力センス増幅器126の非反転入力端子に接続されている。図示していないが、電源端子Vdd_A及びアナログ接地端子COM_Aは、ゲイン調整増幅器128にも接続されている。
入力抵抗122を設けることによって、CT108の2次側巻線をトランスインピーダンス増幅器(CT出力センス増幅器126及びフィードバック抵抗124)に直接接続することに優る利点がもたらされる。すなわち、CT108が直接接続されている場合、CT108の2次側巻線の端子間のインピーダンスはDCにおいて0Ωに近いので、低インピーダンスがトランスインピーダンス増幅器の入力に接続されることになる。そのような低インピーダンス(暫定的にZsmallと呼ぶ)がCT出力センス増幅器126の反転入力端子に接続されているとき、その増幅器のノイズゲインGは、1+Rf/Zsmall又はCT出力センス増幅器126の開ループ利得のうちの小さい方(例えば、最悪の場合で約10)によって決定される。CT出力センス増幅器126のDC出力は、そのDCオフセット電圧のG倍であり、CT出力センス増幅器126は飽和する可能性があり、十分に動作する可能性がない。したがって、CT出力センス増幅器126の飽和は、適切な抵抗値Riを有する入力抵抗122を介してCT108とトランスインピーダンスアンプとを接続することによって防止することができる。
図面において、様々な増幅器(例えば、差動増幅器112及びCT出力センス増幅器126)のそれぞれの電源端子は、簡単のために片極電源端子(単極電源端子)として示されている。しかしながら、電源端子は、本教示の範囲から逸脱することなく、実際には、例えば正極端子及び負極端子を有する一対の双極電源端子とすることができるということが分かる。一実施形態では、高周波数側の性能を決定するCTセンス回路120内のCT出力センス増幅器126は、少なくとも約100MHzの広い帯域幅を備えるように実施される。しかしながら、CT出力センス増幅器126の帯域幅は、これに限定されるものではない。
LPF114の出力(シャント抵抗センス回路110に関係している)及びCTセンス回路120に関係しているゲイン調整増幅器128の出力は、加算器130によって互いに合計又は加算される。この合計は、加算器130から電流検出回路100の出力端子142に出力される。電流検出回路120のこの出力を外部に導くために、出力端子142は、例えば、同軸ケーブルの中心導体に接続することができる。この同軸ケーブルの外側導体は、図1に示すように、アナロググランド端子COM_Aに接続されている。出力端子142は、測定された電流値を所与のデータ処理を通じて得るアナログ/デジタル変換器(ADC)(図示せず)に接続されて、所与のデータ処理を施し、測定された電流値を得ることができる。
加算器130は、抵抗132及び134、加算増幅器138、フィードバック抵抗136並びに出力抵抗140を備える。抵抗132は、LPF114の出力と加算増幅器138の反転入力との間に直列に接続され、抵抗134は、ゲイン調整増幅器128の出力と加算増幅器138の反転入力との間に直列に接続されている。フィードバック抵抗136は、抵抗132及び134の加算ノード137(すなわち、CT出力センス増幅器126の反転入力端子)並びに加算増幅器138の出力端子に接続されている。加算増幅器138は、電源端子Vdd_A及びアナロググランド端子COM_Aに接続され、加算増幅器138の非反転入力端子は、アナロググランド端子COM_Aに接続されている。加算増幅器138の出力端子と電流検出回路100の出力端子142との間に直列に接続された出力抵抗140は、出力端子142の外部に接続された同軸ケーブルとインピーダンスを整合させるように構成されている。
図1に示す構成では、電流検出回路100は、低周波数域(DCからLPF114のカットオフ周波数fc)では、主としてシャント抵抗センス回路110からLPF114を介して信号を出力し、高周波数域(カットオフ周波数fcよりも高い)では、主としてCTセンス回路120からゲイン調整増幅器128を介して信号を出力するように動作する。このため、CT108の低周波数側のカットオフ周波数は、LPF114の同じカットオフ周波数fcを有する。また、LPF114の出力の周波数応答の平坦部分は、ゲイン調整増幅器128の周波数応答特性の平坦部分と実質的に同じレベルを有する。同じカットオフ周波数及び周波数応答特性の同じ平坦部分を有することによって、電流検出回路100の出力のフラットな周波数応答特性がDCから高周波数まで最適な形で得られ、以下で説明するように、測定ノイズを最小にする最適解を得ることが可能になる。CTセンス回路120の上述した低周波数側のカットオフ周波数は、CT108に用いられる磁気コア材料の選択によって決定される。
図2は、代表的な実施形態による図1の電流検出回路の部分等価回路の回路図である。より詳しく言えば、図2は、2次側を基準としたCT108の等価回路を示す図であり、CT出力センス増幅器126の反転入力端子の対コモンの入力インピーダンスは0とみなされるので、入力抵抗122は、CT108の2次側を分路していると等価的に見られる。CT108は、図2では、1:Nの巻数比を有する理想変流器172として示されている。電流Iinが1次側に流れると、Iin/Nの電流が2次側から流れる。N*Liのインダクタンスを有するインダクタ174及び入力抵抗122が、理想変流器172の2次側端子間に並列に接続されている。ここで、Liは、理想変流器172の1次側励磁インダクタンスである。CT108の低い側のカットオフ周波数fcは式(2)に従って求めることができることが図2から理解される。
Figure 2017111136
電流検出回路100の周波数レンジ全体にわたる電流測定の実効値ノイズ(RMSノイズ)を次に検討する。より詳しく言えば、シャント抵抗センス回路110におけるノイズは、シャント抵抗106のシャント抵抗値Rsを検出する増幅器112の入力換算ノイズ及び帯域幅(等価的にLPF114のカットオフ周波数fc)によって決定される。CTセンス回路120におけるノイズは、CT108が動作しなくなるカットオフ周波数fc以下の周波数において存在するCT出力センス増幅器126のノイズ寄与分と、CT108が動作するカットオフfcよりも高い周波数におけるノイズ寄与分とを合計したものである。
差動増幅器112の入力換算電圧雑音スペクトル密度en_instが周波数によらずに一定であると仮定すると、シャント抵抗106の検出の際の電流測定ノイズIn_shuntは、式(3)によって示される。
Figure 2017111136
式(3)において、Rsは、シャント抵抗106の抵抗値を表し、因数π/2は、1次ローパスフィルタの雑音帯域幅係数である。
カットオフ周波数fc以下の周波数におけるCT側ノイズは、CT出力センス増幅器126のノイズゲインによって決定され、式(4)によって提供される。
Figure 2017111136
式(4)において、Rfは、CT出力センス増幅器126のフィードバック抵抗124の抵抗値を表し、en_ctは、CT出力センス増幅器126の入力換算雑音電圧スペクトル密度を表す。式(4)は、通常満たされる抵抗比Rf/Ri≫1を選択することによって簡略化される。
特に、カットオフ周波数fcよりも高い高周波数レンジにおけるCT側ノイズ寄与分は、他方では、入力抵抗122(抵抗値Ri)には依存しないので、したがって、雑音の計算から除外される。
したがって、カットオフ周波数fcよりも低い周波数レンジにおけるトータルのノイズの二乗は、式(5)に従って計算される。
Figure 2017111136
式(5)は、トータルのノイズの二乗を最小にするような最適解が抵抗値Riに存在することを示している。この解は、Riが式(6)を満たすときに得られる。
Figure 2017111136
図3は、図1の電流検出回路の周波数応答特性のシミュレーション結果を示すグラフである。より詳しく言えば、図3におけるトレース301は、シャント抵抗センス回路110及びCTセンス回路120が、約100Hzから約100MHzまでのフラットな周波数応答特性について式(2)によって表されるfcカットオフ周波数を有するとともに、シャント抵抗106の抵抗値Rsについて式(6)の最適な抵抗値Riを選択した場合のVOUT(出力端子142における電圧)のシミュレーション結果を示している。トレース302は、LPF114の出力信号の周波数特性を表すVSRを示し、トレース303は、ゲイン調整増幅器128の出力信号の周波数特性を表すVCTを示している。
図9は、図1の電流検出回路の測定結果を示すグラフであり、図10は、図1の電流検出回路において測定された電流に変換された雑音電流スペクトル密度における周波数特性の実際の測定値を示すグラフである。
より詳しく言えば、或る設計ケースとして、図9は、代表的な第1の実施形態による電流検出回路100の周波数特性の実際の測定結果を示している。この測定結果は、0.25Ωのシャント抵抗を用いて2mAフルスケールの電流測定レンジにおいて測定されたものである。図9においてトレース910によって示される性能は、250V/Aの電流電圧変換ゲイン及び115MHzの3dB帯域幅を有する。図10におけるトレース1010は、上記ケースについて、測定された入力電流に換算した雑音電流スペクトル密度の測定結果を示している。20MHzのレンジにおいて測定されたRMS雑音は約2.2μAであり、したがって、2mAレンジフルスケールに対して約1000の高いS/N比が得られる。このように、電流検出回路100は、広い周波数レンジの電流検出器について非常に低い電流レンジをカバーすることが可能である。
高周波数レンジにおけるノイズフロア、特に、約1MHzから約20MHzまでのノイズフロアは、1μs以下で遷移する高速波形を観測する電流検出器にとって重要である。この周波数レンジにおけるノイズフロアはほぼ300pA/√Hzであることを図10から見て取ることができる。図10に示すものと同じレベルのノイズ性能が、シャント抵抗と差動増幅器とを組み合わせるだけで簡単に得ようとすると、この差動増幅器は、式(7)に従って計算される入力換算雑音電圧スペクトル密度を有する必要がある。
Figure 2017111136
市販の高性能差動増幅器の雑音性能が高々約1000pV/√Hzであることを考えると、例示の電流検出回路100のノイズ性能が高品質であることは明らかである。
このように、1桁のμAのオーダの低雑音性能は、約0.66Ω以下程度の小さなシャント抵抗値Rsのシャント抵抗の使用にかかわらず、その周波数特性が広い周波数レンジにわたってフラットである電流検出器において達成される。この小さなシャント抵抗値Rsによって、電流検出回路100は、シャント抵抗及びバイパスコンデンサの影響に起因して電流波形がなまることを回避することが可能になり、約1μs以下の信号を取り扱うことが可能である一方、1μAから約5桁の測定範囲をカバーすることが可能である高速な追従特性をも取得することが可能になる。
シャント抵抗センス回路110においてハイサイド電流モニタ方式を用いる電流検出回路100は、例えば、BLE規格に準拠した従来の電源装置を入力端子Iin_H102又は入力端子Iin_L104に直接接続することができ、したがって、測定回路を形成する場合にも、従来技術による電流検出器に優る追加の利点を有する。
加算器130は、上記で説明したようなアナログ加算器として実施することができる。代替的に、この加算器は、ADCが当該加算器130の2つの入力に設置されたデジタル加算器とすることができる。また、LPF114も、図1の構成に限定されるものではない。LPF114は、図1に示すようなアナログLPFとしてではなく、代替的にデジタルLPFとして構成することができる。この場合、LPF114は、シャント抵抗センス回路110に続く段に配置されたADCと、デジタル化された形式でLPFとして機能するその演算回路とを備える。この場合、加算器130は、当該加算器130の2つの入力のうちの一方がLPFからデジタル出力を受信するように構成されたデジタル加算器とすることができる。もう1つのADCが、加算器130への他方の入力として、ゲイン調整増幅器128を介してCTセンス回路120に続く段に設けられる。変換されたデジタルデータは、加算処理においてLPF114からの入力に加算される。また、様々な構成において、電流検出回路100の電流検出範囲は、必ずしも1μA〜200mAに限定されるものではなく、それ以上に拡張することができる。
図4は、代表的な第2の実施形態による電流検出回路のブロック図である。図4を参照すると、電流検出回路200は、フローティング電源240及び差動電圧ディバイダ220を更に備える点において、電流検出回路100と少なくとも部分的に異なる。グランド電位は、アナロググランド電位及びフローティンググランド電位を有し、増幅器の電源電圧も、アナログ電源電圧及びフローティング電源電圧を有する。電流検出回路200は、図1に示すシャント抵抗センス回路110及び対応する差動増幅器112と実質的に同じ差動増幅器212を有するシャント抵抗センス回路210も備える。
より具体的に言えば、フローティンググランド端子COM_Fの電位及びフローティング電源端子Vdd_Fの電圧を生成するフローティング電源240は、点Pに接続されている。点Pは、入力端子Iin_H102側にあるシャント抵抗106の端子の電位と同じ電位を有する。
フローティング電源240では、シャント抵抗106の入力端における電位は、フローティンググランド端子COM_Fの電位として初段にバッファリングされる。ツェナーダイオード254等が、固定電圧をフローティンググランド端子COM_Fの電位に加え(又は固定電圧をこの電位から差し引き)、その結果の電位が用いられて、フローティング電源電圧端子Vdd_Fの電圧が生成される。ツェナーダイオードの電圧がVzとして与えられるとき、フローティング電源電圧端子Vdd_Fの電圧は、式(8)によって提供される。
Figure 2017111136
式(8)を参照すると、Vdd_Fはフローティング電源電圧であり、COM_Fはフローティンググランド電位である。シャント抵抗106の共通電位Vinの変化は、フローティンググランド電位COM_Fの変化に追随し、それによって、フローティング電源電圧Vdd_Fも同様に変化する。その結果、フローティング電源電圧Vdd_Fによって動作するシャント抵抗センス回路210内の増幅器212の入力電圧レンジは、Vinがこの入力電圧範囲内に常にあるように自動的に調整される。
高電源電圧端子High_Vddの電圧は、通常約15V以下のオペアンプ(演算増幅器)の電源電圧よりもかなり高い電圧(例えば、50V)である。
より詳細に言えば、フローティング電源240は、高入力インピーダンスバッファ242、第1の電圧源246、電流源252、第2の電圧源244、及びトランジスタ256を更に備える。第1の電圧源246は、アナロググランド端子COM_Aの電位を基準として、高電源電圧端子High_Vddの電圧を生成する。点Pからの信号は、高入力インピーダンスバッファ242に入力され、高入力インピーダンスバッファ242の電源は、グランド端子COM_Aを基準とした端子High_Vddの電圧である。高入力インピーダンスバッファ242は、点Pの電位をバッファリングし、このバッファリングされた電位を出力する。点Pから見たフローティング電源240は、高インピーダンスとなっている。
第2の電圧源244は、高入力インピーダンスバッファ242の出力及び高電源電圧端子High_Vddに接続されている。図4を参照すると、第2の電圧源244は、フローティング接地端子COM_Fの電位、すなわち、高入力インピーダンスバッファ242のバッファリングされた電位を基準としたフローティング電源電圧端子Vdd_Fの電圧を生成する。具体的に言えば、第2の電圧源244は、図4の例に示すように、トランジスタ256、ツェナーダイオード254、及び電流源252を備えることができる。電流源252は、ツェナーダイオード254のバイアス電流を提供し、このツェナーダイオード上に固定ツェナー電圧を生み出す。トランジスタ256を参照すると、ベース端子は、ツェナーダイオード254のカソード端子に接続され、コレクタ端子は、High_Vddに接続され、エミッタ端子は、第2の電圧源244の出力としてのフローティング電源端子Vdd_Fに接続されている。この第2の電圧源において、トランジスタ256は、エミッタフォロワとして機能する。しかしながら、第2の電圧源244はこの構成に限定されるものではない。
第2の電圧源244は、このように、点Pの電位と実質的に等しいCOM_Fの電位を入力として用い、COM_Fの電位から所与の電位差を有する電源電圧を、シャント抵抗センス回路210における電源を提供するVdd_Fの電圧として出力する。シャント抵抗106の2つの端子間の電圧を検出するシャント抵抗センス回路210は、差動増幅器212を備える。フローティング電源240によって準備されたVdd_Fの電圧及びCOM_Fの電位は、増幅器212に供給される。これによって、シャント抵抗センス回路210は、COM_Fの電位の基準としての役割を果たす点Pの電位を中心とする電圧変化を取り扱うことが可能になる。
差動電圧ディバイダ220は、抵抗222、224、226及び228、並びに差動増幅器230を備える。差動電圧ディバイダ220は、フローティング電位において動作する増幅器212の出力(例えば、50Vのレンジ内)を検出し、COM_Fの電位を基準とした増幅器212の出力電圧を、アナロググランド端子COM_Aの電位を基準として分圧された電圧に固定分圧比で変換するように構成されている。このため、電圧ディバイダ220は、差動増幅器230の入力電圧が過度に大きくなることを防止する。
シャント抵抗センス回路210の出力電圧及びフローティンググランド端子COM_Fの電位は、抵抗222〜228において、アナロググランド端子COM_Aの電位を基準とした電圧に分圧され、これらの電圧は、差動増幅器230を介してLPF114に出力される。アナログ電源端子Vdd_Aのアナログ電源電圧及びアナロググランド端子COM_Aの電位は、差動増幅器230に供給される。電流検出回路200の電圧ディバイダに続く信号伝達は、上記で論述した電流検出回路100のものと実質的に同じである。
DUT側の回路と電流検出回路200の内部の回路とを互いに絶縁する絶縁インピーダンスは、高入力インピーダンスバッファ242内のJFET増幅器又はCMOS増幅器等の高入力インピーダンスの増幅器を用いることによって高く(例えば、DCにおいて約100MΩよりも大きく)維持することができる。
電流検出回路200の残りの構成は、電流検出回路100の残りの構成と実質的に同じであり、その説明は省略する。特に、1次側電位が2次側電位から分離しているCT側は、上記で説明した電圧ディバイダ等の、電位差に対応するために用いられる特別な回路素子を必要としない。入力抵抗122の最適な抵抗値は、電流検出回路100に関して説明した方法によって得ることができる。
このように構成された電流検出回路200は、DUTから見たときのインピーダンスが高く、さらに低侵襲とすることができ、DUTの動作点の変化を回避することができる。DUTの動作点の変化は、低侵襲でない場合に、電流検出回路200をDUTに接続することによって引き起こされる場合がある。電流検出回路200は、以下のように、シャント抵抗センス回路210の増幅器212に入力される高電位化も取り扱うことができる。すなわち、シャント抵抗センス回路210の増幅器212への入力電圧が、演算増幅器の通常の電源電圧範囲(ほぼ±15V)を越えているとき、電流検出回路200は、シャント抵抗センス回路210の増幅器212を破壊することなくこの電圧に追従することができる。なぜならば、増幅器212に供給されるグランド電位及び電源電圧は、それぞれフローティンググランド端子COM_Fの電位及びフローティング電源端子Vdd_Fの電圧であり、これらの電位及び電圧は、フローティング電源240によって、入力電圧、すなわち点Pの電位と、高電源電圧端子High_Vddの電位との間で生成されるからである。
シャント抵抗センス回路210は、このように、入力端に高インピーダンスを与えられ、この回路も、シャント抵抗センス回路210に入力される高電位を取り扱うことができる。図4では点Pに接続されたものとして示されているフローティング電源240は、代替的に、本教示の範囲から逸脱することなく、点Q(入力端子Iin_L104に接続されている)に接続することもできる。
図1に示す第1の実施形態について上記で論述した加算器及び/又はLPFの機能を実施する代替の形態、並びに電流検出範囲の拡張性は、図4に示す第2の実施形態にも適用される。
図5は、代表的な第3の実施形態による電流検出回路のブロック図である。図5を参照すると、電流検出回路300は、上記で論述した電流検出回路100と同様であるが、電流検出出力を2つのレンジで提供する2つの出力端子、すなわち、第1の電流検出出力Output1を出力する第1の出力端子332と、第2の電流検出出力Output2を出力する第2の出力端子362とを有する。
具体的に言えば、電流検出回路300は、2つのレンジについて、図1に示すシャント抵抗センス回路110と同様の第1のシャント抵抗センス回路310及び第2のシャント抵抗センス回路340の2つのシャント抵抗センス回路と、図1に示すCTセンス回路120と同様の第1のCTセンス回路370及び第2のCTセンス回路380の2つのCTセンス回路を設けることによって2つのレンジで出力を行う。第1のシャント抵抗センス回路310及び第2のシャント抵抗センス回路340は、シャント抵抗106に関係し、第1のCTセンス回路370及び第2のCTセンス回路380は、それぞれ第1のCT302及び第2のCT304に関係している。電流検出回路300は、2つのレンジについて、図1の加算器130と同様の第1の加算器320及び第2の加算器350の2つの加算器も設けている。
電流Iinは、入力端子Iin_H102から、シャント抵抗106と、第1のCT302の1次側巻線と、第2のCT304の1次側巻線とを介して入力端子Iin_L104に流れる。第1の電流レンジの第1のシャント抵抗センス回路310及び第2の電流レンジの第2のシャント抵抗センス回路340は、シャント抵抗106の2つの端部の間に接続されている。カットオフ周波数fc1を有する第1のローパスフィルタ(LPF)314は、第1の電流レンジ用の第1のシャント抵抗センス回路310の出力に接続され、カットオフ周波数fc2を有する第2のLPF344は、第2の電流レンジ用の第2のシャント抵抗センス回路340の出力に接続されている。
第1のシャント抵抗センス回路310は第1の差動増幅器312を備え、第2のシャント抵抗センス回路340は第2の差動増幅器342を備える。電源端子Vdd_A及びアナログ接地端子COM_Aはそれぞれ、第1の差動増幅器312及び第2の差動増幅器342の双方に接続されている。第1のLPF314及び第2のLPF344は、図1に示すLPF114の構成と同じ構成を有し、したがって、図5に関してこの説明は省略する。
第1のCTセンス回路370は、第1の電流レンジ用の第1のCT302の2次側巻線に接続されている。ゲイン調整用の第1のゲイン調整増幅器378は、第1のCTセンス回路370の出力に接続されている。第1のCT302の2次側巻線の非接地側では、第1の入力抵抗372が、第1のCT出力センス増幅器376と直列に接続されている。第1のCT出力センス増幅器376は、第1の入力抵抗372が接続されている反転入力端子を有し、第1のフィードバック抵抗374は、第1のCT出力センス増幅器376の出力端子と反転入力端子との間に接続されている。トランスインピーダンス増幅器は、このように、第1のCT出力センス増幅器376及び第1のフィードバック抵抗374から形成される。電源端子Vdd_A及びアナロググランド端子COM_Aは、第1のCT出力センス増幅器376にも接続されている。第1のCT302の2次側巻線は、接地側では、アナロググランド端子COM_A及び第1のCT出力センス増幅器376の非反転入力端子に接続されている。第1のCT302の低周波数側のカットオフ周波数は、第1のLPF314のカットオフ周波数fc1と同じである。
第2のCTセンス回路380は、第2の電流レンジの第2のCT304の2次側巻線に接続されている。ゲイン調整用の第2のゲイン調整増幅器388は、第2のCTセンス回路380の出力に接続されている。第2のCT304の2次側巻線の非接地側では、第2の入力抵抗382が、第2のCT出力センス増幅386と直列に接続されている。第2のCT出力センス増幅器386は、第2の入力抵抗382が接続されている反転入力端子を有し、第2のフィードバック抵抗384は、第2のCT出力センス増幅器386の出力端子と反転入力端子との間に接続されている。トランスインピーダンス増幅器は、このように、第2のCT出力センス増幅器386及び第2のフィードバック抵抗384から形成される。電源端子Vdd_A及びアナロググランド端子COM_Aは、第2のCT出力センス増幅器386にも接続されている。第2のCT304の2次側巻線は、接地側では、アナロググランド端子COM_A及び第2のCT出力センス増幅器386の非反転入力端子に接続されている。第2のCT304の低周波数側のカットオフ周波数は、第2のLPF344のカットオフ周波数fc2と同じである。
第1の電流レンジの第1のシャント抵抗センス回路310に関係した第1のLPF314の出力及び第1のCTセンス回路370に関係した第1のゲイン調整増幅器378の出力は、第1の加算器320によって互いに加算される。その結果の合計は、第1の電流レンジの第1の出力端子332に出力される。第1の出力端子332は、同軸ケーブルの中心導体に接続することができる。この同軸ケーブルの外側導体は、アナロググランド端子COM_Aに接続されている。
第1の電流レンジの第1の加算器320は、第1のLPF314の出力と直列に配置された抵抗322と、第1のゲイン調整増幅器378の出力と直列に配置された抵抗324とを備える。第1の加算器320は、抵抗322及び324に接続された第1のフィードバック抵抗326を備える2入力の第1の加算増幅器328と、第1の加算増幅器328の出力に直列に接続されたインピーダンス整合抵抗330とを更に備える。第1の加算増幅器328は、電源端子Vdd_A及びアナロググランド端子COM_Aに接続され、第1の加算増幅器328の非反転入力端子は、アナロググランド端子COM_Aに接続されている。
第2の電流レンジの第2のシャント抵抗センス回路340に関係した第2のLPF344の出力及び第2のCTセンス回路380に関係した第2のゲイン調整増幅器388の出力は、第2の加算器350によって互いに加算される。その結果の合計は、第2の電流レンジの第2の出力端子362に出力される。第2の出力端子362は、同軸ケーブルの中心導体に接続することができる。この同軸ケーブルの外側導体は、アナロググランド端子COM_Aに接続されている。
第2の電流レンジの第2の加算器350は、第2のLPF344の出力に直列に配置された抵抗352と、第2のゲイン調整増幅器388の出力に直列に配置された抵抗354とを備える。第2の加算器350は、抵抗352及び354に接続された第2のフィードバック抵抗356を備える2入力の第2の加算増幅器358と、第2の加算増幅器358の出力に直列に接続されたインピーダンス整合抵抗360とを更に備える。第2の加算増幅器358は、電源端子Vdd_A及びアナロググランド端子COM_Aに接続され、第2の加算増幅器358の非反転入力端子は、アナロググランド端子COM_Aに接続されている。
図示していないが、電源端子及び接地端子は、図1のゲイン調整増幅器128の場合と同様に、第1のゲイン調整増幅器378及び第2のゲイン調整増幅器388のそれぞれに接続されている。
電流検出回路300は、第1の電流レンジ用の第1のシャント抵抗センス回路310の電流電圧変換ゲインが第2の電流レンジ用の第2のシャント抵抗センス回路340の電流電圧変換ゲインと異なるように構成されている。したがって、第1の電流レンジ用の第1のCTセンス回路370の電流電圧変換ゲインは、第2の電流レンジ用の第2のCTセンス回路380の電流電圧変換ゲインと異なる。
このため、第3の実施形態では、2つの異なる電流電圧変換ゲインを含む電流センス出力は、電流波形観測のために同時に2つのアナログ/デジタル変換器内にそれぞれ導かれる。これは、電流検出回路が、それぞれが4桁以下のダイナミックレンジを有する2つのADCを用いる構成によって検出された電流に対してアナログ/デジタル変換を実行することによって形成され、したがって、(例えば、5桁以上のダイナミックレンジを有する1つの高価なADCを用いる構成に優る)コストの利点を有する場合に特に有利である。
図5の第1の加算器320及び第2の加算器350は、代替的に、図1の加算器130について上記で論述したように、ADCが設置されたデジタル加算器とすることができる。第1の入力抵抗372の最適な抵抗値Ri1及び第2の入力抵抗382の最適な抵抗値Ri2は、図1に示す第1の実施形態について上記で説明した方法によって得ることができる。
図7は、図5に示す電流検出回路300の動作を示す等価ブロック図である。上記のように構成された第3の実施形態によれば、図7に示す電流測定回路560を等価的に構成することができる。
図7を参照すると、第1の電流計562(A1)及び第2の電流計564(A2)の2つの電流計が、入力端子Iin_H102とIin_L104との間に直列に接続されている。第1の電流計562及び第2の電流計564が、例えば、それぞれ200mAレンジの電流計及び2mAレンジの電流計であるとき、単純な構成を用いて、同時測定を通じて互いを補完する2つの電流計によって約1μA〜約200mAの電流を測定することができる。
具体的に言えば、電流測定回路560は、図8のフローチャートによって示された電流測定レンジ決定アルゴリズム(又は方法)580を用いて電流を測定する。ここでは、第2の電流計564の電流レンジが、第1の電流計562の電流レンジよりも測定上限が低いものと仮定される。
図8を参照すると、電流測定が開始し、第1の電流計562及び第2の電流計564が電流を同時に測定開始すると、ステップ582において、測定可能な電流に対して低い上限を有する第2の電流計564による電流読取り値が、第2の電流計564の上限以上であるか否かが判断される。ステップ582における判断の結果が「yes」であるとき、電流測定回路560はステップ584に進み、第1の電流計562の読取り値を用いる。この第1の電流計は、測定値として測定可能な電流に対して高い上限を有する。ステップ582における判断の結果が「no」であるとき、電流測定回路560はステップ586に進み、第2の電流計564の読取り値を用いる。この第2の電流計は、測定値として測定可能な電流に対して低い上限を有する。電流測定回路560は、その後、ステップ582と、ステップ582においてなされた判断に従った後続のステップとを繰り返す。このように、電流は、互いに異なる電流レンジを有する2つの電流計を用いて単純な構成で広いダイナミックレンジにわたって測定することができる。用いられる電流レンジの数は、2つに限定されるものではなく、本教示の範囲から逸脱することなく3つ以上に拡張することができる。
図5、図7及び図8を参照して上記で説明した実施形態は、約1μsのオーダで電流変化を測定することができる。これと比較して、従来の電流センサは、電流レンジが測定信号に適合するように或るレンジから別のレンジに切り替えられるとき、複数の電流レンジを有する通常の電流測定計器と同様に、約1μsのオーダで生じる電流変化を捕捉することができない。これは、波形追跡用の従来の電流センサの応答時間がレンジ切替え時間の長さ(例えば、約数十μs)の影響を受けるからである。
第1の実施形態における加算器及びLPFの機能を実行する代替の形態の例、並びに電流検出範囲の拡張性は、第3の実施形態にも同様に適用される。
図6は、代表的な第4の実施形態による電流検出回路のブロック図である。図6を参照すると、電流検出回路400は、本質的には、上記で論述した電流検出回路200の態様と電流検出回路300の態様とを組み合わせたものである。
具体的に言えば、図6を参照すると、フローティング電源240は、電流検出回路300に組み込まれ、フローティンググランド端子COM_F及びフローティング電源端子Vdd_Fは、第1のシャント抵抗センス回路410の第1の差動増幅器412(第1の電流レンジ用)及び第2のシャント抵抗センス回路442の第2の差動増幅器444(第2の電流レンジ用)のそれぞれに接続されている。これらの増幅器は、それぞれシャント抵抗106の2つの端部間の電圧を増幅する。フローティング電源240は、点Vの電位を入力として受け取るように構成されている。この点Vは、図4の点Pに相当し、フローティンググランド端子COM_Fの電位及びフローティング電源端子Vdd_Fの電圧を生成する。
第1の差動電圧ディバイダ414は、第1のシャント抵抗センス回路410と第1のLPF314との間に組み込まれて、第1のシャント抵抗センス回路410の出力を、アナロググランド端子COM_Aの電位を基準とした電圧に変換する。この結果は、第1の加算器320に接続されている。第2の差動電圧ディバイダ446は、第2のシャント抵抗センス回路442と第2のLPF344との間に組み込まれて、第2のシャント抵抗センス回路442の出力を、アナロググランド端子COM_Aの電位を基準とした電圧に変換する。この結果は、第2の加算器350に接続されている。
第1のCT302及び第2のCT304、第1のCTセンス回路370及び第2のCTセンス回路380、並びに第1のゲイン調整増幅器378及び第2のゲイン調整増幅器388は、図5に示す第3の実施形態について上記で説明したものと実質的に同じものとすることができる。フローティング電源240も、図4に示す第2の実施形態について上記で説明したものと実質的に同じものとすることができる。電流検出回路400の様々な構成要素の動作は、それらのそれぞれの実施形態に従って上記で説明されている。
上記のように構成された電流検出回路400では、コスト的に有利な4桁のダイナミックレンジ以下しか有しないADCを用いることができる。加えて、電流検出回路400は、COM_Fの電位及びVdd_Fの電位で動作する回路を、高インピーダンスを有する入力端とともに組み込むことができる。これによって、シャント抵抗センス回路(例えば、シャント抵抗センス回路200)に入力される高い電位の取り扱いが可能になる一方、コスト的に有利な方法で広いダイナミックレンジが達成される。
図11A〜図11Cは、例えば、第1の電流レンジが200mAのレンジであり、第2の電流レンジが2mAのレンジであり、シャント抵抗値が約0.25Ωであるときに、BLE規格に準拠したDUTを、電流検出回路400を用いて測定した結果を示すグラフである。図11Aは、図12Aにおけるスリープ状態(又はスリープ期間)及びアクティブ状態(ウェイクアップ期間を含む)を有する波形を示すグラフである。図11Aにおけるウェイクアップ期間の波形の拡大図が図11Bに示されている。図11Bにおけるスリープ期間の部分波形の拡大図が図11Cに示されている。
200mAフルスケールレンジにおいて測定された図11Bにおける結果、及び2mAフルスケールレンジにおいて測定された図11Cにおける結果は、同時に得られるが、説明の便宜上、別々に示されている。図11Cに示す部分はスリープ期間である。このスリープ期間では、ICの電力消費は無視できるレベルにある必要があるが、実際には、IC内の機能ブロックのうちの幾つかは動作中である。電流検出回路400は、ブロックのこの活動によって引き起こされる消費電流の僅かな変動であっても、何も見落とすことなく捕捉することに成功していることを図11Cに見て取ることができる。図11Bにおけるプロファイルのような全体のプロファイルを観測すると同時に、図11Cに示すものと同程度に小さい電流の波形を測定することは、電流信号がノイズに埋もれる従来の電流センサでは困難であった。
図11A〜図11Cに示す効果は、上記で説明した実施形態のうちのいずれにおいても得られる。様々な実施形態によれば、約1μA〜200mAの電流信号を上記のように正確に測定することができ、1μsのオーダの高速な遷移を含む電流遷移に追従することができる。
図6を参照して論述した第4の実施形態では、CTセンス回路370の入力抵抗372及びCTセンス回路380の入力抵抗382の最適な抵抗値は、上記式(6)によって得ることができる。図6のフローティング電源240は、代替的に、図4の点Qに相当する点Wに接続することができる。また、用いられる電流レンジの数は、2つに限定されるものではなく、本教示の範囲から逸脱することなく3つ以上に拡張することができる。第1の実施形態における加算器及びLPFの機能を実施する代替の形態の例、並びに電流検出範囲の拡張性は、第4の実施形態にも同様に適用することができる。
図13は、代表的な第5の実施形態による電流検出回路のブロック図である。図13を参照すると、電流検出回路800は、上記で論述したシャント抵抗106、CT108、シャント抵抗センス回路110、LPF114及び加算器130とともに、CTセンス回路820及びゲイン調整増幅器828も備える。CTセンス回路820は、シャント入力抵抗822及びCT出力センス増幅器826を備える。シャント入力抵抗822は、例えば、図1に示す第1の実施形態における直列に接続された入力抵抗122に対応するが、CT108の2次巻線側に配置されて、CT108の2次巻線の2つの端部端子間に接続されている。CT108の2次巻線の非接地側端子は、CT出力センス増幅器826の入力端子に接続されている。CT出力センス増幅器826の出力は、ゲイン調整増幅器828を介して加算器130に接続されている。第1の実施形態におけるものと同じ電源電圧及びグランド電位が、CT出力センス増幅器826及びゲイン調整増幅器828のそれぞれに供給される。CTセンス回路820及びゲイン調整増幅器828以外の構成要素は、第1の実施形態における対応する構成要素と同じである。
電流検出回路800におけるCT108及びCTセンス回路820の等価回路は、図2に示す等価回路と同じである。ノイズを最小にするシャント入力抵抗822の最適な抵抗値は、上記式(6)によって得ることができる。
図13に示す第5の実施形態は、CTセンス回路を実施する代替の方法を用いる。一般に、CTセンス回路(例えば、CTセンス回路120)において、トランスインピーダンス増幅器(例えば、CT出力センス増幅器126及びフィードバック抵抗124)を用いることの利点は、入力抵抗(例えば、122)の抵抗値Ri及びフィードバック抵抗(例えば、124)の抵抗値Rfを互いに独立して選択することができるということである。これは、抵抗値Riに関係なく、CTセンス回路に大きな電流電圧変換ゲインを設定することができることを意味するとともに、適切なS/N比を設定することが容易であることを意味する。他方、CTの2次側における電流(Iin/N)は、トランスインピーダンス増幅器自体から供給する必要がある。これは、測定電流範囲が大きくなった場合に、増幅器が比較的大きな電流出力を有する必要があることを意味し、これは設計に負担を課すことになる。
図13に示す第5の実施形態では、CT108の出力電流が電圧に変換されるシャント入力抵抗822の抵抗値Riは、式(6)によって求められる。この式では、ノイズは最小にされ、したがって、この増幅器の電流電圧変換ゲインのみが十分なものでない場合がある。したがって、第5の実施形態は、大きなゲインを有するようにCT出力センス増幅器826を選択する必要があること、又は追加の増幅器を加える必要があることが、コストの点から設計に対する負担を増すという点で不利な点を有する。しかしながら、測定電流範囲が比較的大きい場合であっても、抵抗822を介してIin/Nの電流をCT108に還流させることができるだけで十分であり、このゆとりが設計に対する負担を軽減し、有利な点となる。
この実施形態において用いられる電流レンジの数は、2つに限定されるものではなく、3つ以上に拡張することができる。図1の第1の実施形態における加算器及びLPFの機能を実行する代替の形態の例、並びに電流検出範囲の拡張性は、図13の第5の実施形態にも同様に適用される。第5の実施形態は、第2の実施形態〜第4の実施形態と組み合わせることができる。
図14は、代表的な第6の実施形態による電流検出回路のブロック図である。図14を参照すると、電流検出回路900は、図5に示す電流検出回路を実施する代替の形態の一例である。図14では、図5の第2のCTセンス回路380及び第2のゲイン調整増幅器388が、第2のCTセンス回路920及び第2のゲイン調整増幅器928に置き換えられ、これらは、図14の第1のCTセンス回路370よりも電流範囲が大きい。
第2のCTセンス回路920は、図5の第3の実施形態における第2のCT出力センス増幅器386と直列に接続された入力抵抗382に対応するシャント入力抵抗922を備える。シャント入力抵抗922は、第2のCT304の2次巻線側に配置されて、第2のCT304の2次巻線の2つの端部端子間に接続されている。第2のCT304の2次巻線の非接地側端子は、第2のゲイン調整増幅器926の入力端子に接続されている。第2のCTセンス回路9210の増幅器926の出力は、ゲイン調整増幅器928を介して第2の加算器350に接続されている。図13における増幅器826及び828と同じ電源電圧及びグランド電位が、増幅器926及び928のそれぞれに供給される。第2のCTセンス回路920及びゲイン調整増幅器928以外の構成要素は、図5を参照して説明した第3の実施形態における対応する構成要素と同じである。
電流検出回路900における第2のCT304及び第2のCTセンス回路920の等価回路は、図2における等価回路と同じである。雑音を最小にする第2の入力抵抗922の最適な抵抗値Ri2は、上記式(6)によって得ることができる。
第2のCTセンス回路920は、望ましくは、第1のCTセンス回路370の電流レンジよりも大きな電流レンジにおける測定用に設置される。電流検出回路900は、2つのCTセンス回路を備え、これらのうちの一方は、トランスインピーダンス増幅器を用いるタイプのCTセンス回路(第1のCTセンス回路370)であり、これらのうちの他方は、シャント抵抗を用いるタイプのCTセンス回路(第2のCTセンス回路920)である。低い側の電流レンジにおける電流は、トランスインピーダンス増幅器を用いる第1のCTセンス回路370によって検出されるのに対して、高い側の電流レンジにおける電流は、シャント入力抵抗922を用いる第2のCTセンス回路920によって検出される。これらの2つのタイプのCTセンス回路は、このように組み合わせて用いられ、それぞれは、そのタイプのCTセンス回路が他方のタイプに優る性能上の利点を有する電流レンジに割り当てられるようになっている。
第1のCTセンス回路370及び第2のCTセンス回路920は、必ずしも図14における第1のCT302及び第2のCT304の順序に限定されるものではない。この実施形態において用いられる電流レンジの数は、2つに限定されるものではなく、本教示の範囲から逸脱することなく3つ以上に拡張することができる。図1の第1の実施形態における加算器(複数の場合もある)の機能及びLPF(複数の場合もある)の機能を実行する代替の形態の例、並びに電流検出範囲の拡張性は、図14の第6の実施形態にも同様に適用される。図14に示す第6の実施形態は、図6に示す第4の実施形態と同様に、拡張のために図4に示す第2の実施形態と組み合わせることができる。
一般に、上記様々な実施形態によれば、1μA〜200mAの電流測定及び1μAのオーダでの観測を可能にする低電流ノイズ性能と;1μAから5桁以上の変化の測定を可能にするダイナミックレンジと;DC(直流)から100MHz以上のレンジにわたってフラットな広い周波数特性と;BLEに準拠したDUTの測定回路のキャパシタンスが考慮されるときに1μs以下で発生する変化に追随することが可能な高速の応答特性とを有する電流検出回路が提供される。
第2の実施形態及び第4の実施形態では、シャント抵抗センス回路には、100MΩ以上の高インピーダンスとすることができ、このシャント抵抗センス回路は、当該シャント抵抗センス回路の入力を高電位に対応させることもできる。第3の実施形態及び第4の実施形態では、4桁以下のダイナミックレンジを有するADCを用いることによって電流検出回路を形成することができる。
加えて、複数の派生的な利点がある。例えば、第3の実施形態及び第4の実施形態は、波形追従の応答時間がレンジ切替え時間の長さの影響を受けるために、測定レンジが測定信号に適合するように複数の測定レンジのうちの1つから別のものに切り替えられるときに発生する1μsのオーダの電流変化が捕捉されない場合があるという問題を解決する。また、第6の実施形態では、互いに異なる電流レンジを有する2つのCTセンス回路が用いられる。一方のタイプのCTセンス回路は、トランスインピーダンス増幅器を用い、この増幅器に設定される増幅レベルを高くすることができ、高いS/N性能を有するようにし、他方のタイプのCTセンス回路は、シャント抵抗を用い、電流が比較的大きな領域に適合するようにする。これらの2つのタイプのCTセンス回路は、このように組み合わせて用いられ、性能上の利点が特定の状況において他方のタイプに優る、2つのタイプのうちの一方が選択されるようになっている。
本開示は例示的な実施形態を参照しているが、本教示の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び変形を行うことができることが当業者には明らかであろう。したがって、上記実施形態は限定ではなく例示であることが理解されるべきである。

Claims (20)

  1. 被試験デバイス(DUT)において電流を検出する電流検出回路(100、200、300、400、900)であって、
    第1の入力端子(102)と、
    第2の入力端子(104)と、
    第1の出力端子(142、332)と、
    前記第1の入力端子に接続された一方の端子を有するシャント抵抗(106)と、
    前記シャント抵抗の前記一方の端子と前記シャント抵抗の他方の端子との間の電圧を増幅するように構成された第1のシャント抵抗センス回路(110、210、310、410)と、
    前記第1のシャント抵抗センス回路の出力に結合された第1のローパスフィルタ(114、314)であって、第1のカットオフ周波数を有する、第1のローパスフィルタと、
    1次巻線及び2次巻線を備える第1のカレントトランス(108、302)であって、該1次巻線は、前記シャント抵抗の前記他方の端子と前記第2の入力端子との間に接続され、該カレントトランスは、前記ローパスフィルタの前記カットオフ周波数と等しい低周波数側のカットオフ周波数を有する、第1のカレントトランスと、
    前記第1のカレントトランスの前記2次巻線に接続され、前記2次巻線から出力された電流を増幅するように構成されたカレントトランスセンス回路(120、370)であって、該第1のカレントトランスセンス回路は、
    第1のトランスインピーダンス増幅器(126、124、376、374)と、
    前記2次巻線の一方の端子と前記第1のトランスインピーダンス増幅器の入力との間に接続された第1の入力抵抗(122、372)であって、前記2次巻線の他方の端子は接地されている、第1の入力抵抗と、
    を備える、カレントトランスセンス回路と、
    前記第1のローパスフィルタの出力と、前記第1のカレントトランスセンス回路の出力とを加算し、その結果の合計を該電流検出回路の前記第1の出力端子から第1の出力電圧(VOUT)として提供するように構成された第1の加算器(130、320)と、
    を備える、電流検出回路。
  2. 前記第1のトランスインピーダンス増幅器の出力端子に接続され、前記第1のトランスインピーダンス増幅器の前記出力のゲインを調整するように構成された第1のゲイン調整増幅器を更に備え、前記第1の加算器は、前記第1のローパスフィルタの前記出力と、前記第1のゲイン調整増幅器の出力端子における前記第1のカレントトランスセンス回路の前記ゲイン調整された出力とを加算する、請求項1に記載の電流検出回路。
  3. 前記シャント抵抗は、約0.03Ω以上かつ約τBLE/CbypΩ以下の抵抗値を有し、ここで、Cbypは、前記DUTの測定回路の全静電容量を表し、τBLEは、観測波形を得るのに必要な前記DUTの前記測定回路の時定数を表す、請求項1に記載の電流検出回路。
  4. 前記第1のシャント抵抗センス回路における第1の差動増幅器の接地端子と、前記第1のローパスフィルタの接地端子と、前記第1のカレントトランスの前記2次巻線の前記他方の端子と、前記第1のカレントトランスセンス回路の前記第1のトランスインピーダンス増幅器の接地端子と、前記第1の加算器における第1の加算増幅器の接地端子とは、アナログ接地電圧が供給されるアナログ接地端子に接続され、
    前記第1のシャント抵抗センス回路における前記第1の差動増幅器の電源端子と、前記第1のカレントトランスセンス回路の前記第1のトランスインピーダンス増幅器の電源端子と、前記第1の加算器における前記第1の加算増幅器の電源端子とは、電源電圧が供給される電源端子に接続されている、請求項1に記載の電流検出回路。
  5. 前記電流検出回路は、
    アナログ接地電圧が供給されるアナログ接地端子と、
    第1の電源電圧が供給される第1の電源端子と、
    前記第1の入力端子に接続された前記シャント抵抗の前記一方の端子に接続されたフローティング電源と、
    前記第1のシャント抵抗センス回路と前記第1のローパスフィルタとの間に配置された第1の差動電圧ディバイダと、
    を更に備え、
    前記フローティング電源は、フローティング接地端子及びフローティング電源電圧端子を備え、該フローティング接地端子及び該フローティング電源電圧端子は、高電源電圧が供給される高電源電圧端子及び前記アナログ接地電圧が供給される前記アナログ接地端子を用いて、それぞれフローティング接地電圧及びフローティング電源電圧を生成するように構成され、
    前記第1のシャント抵抗センス回路は、前記フローティング接地端子及び前記フローティング電源電圧端子に接続され、
    前記電圧ディバイダは、前記第1のシャント抵抗センス回路の出力及び前記フローティング接地電圧を用いて、前記アナログ接地電圧に基づく分圧された電圧を出力するように構成され、
    前記第1のカレントトランスセンス回路及び前記第1の加算器は、前記アナログ接地端子及び前記第1の電源電圧端子に接続されている、請求項1に記載の電流検出回路。
  6. 前記フローティング電源は、
    前記第1の入力端子に接続された前記シャント抵抗の前記一方の端子の電圧をバッファリングして出力するように構成された第1のバッファと、
    前記高電源電圧端子及び前記アナログ接地端子に接続された第1の電圧源と、
    前記第1のバッファの出力を前記フローティング接地端子に接続するとともに、前記高電源電圧端子及び前記フローティング接地端子に接続されて前記フローティング電源電圧を前記フローティング電源電圧端子に出力する第2の電圧源と、
    を更に備える、請求項5に記載の電流検出回路。
  7. 前記第1のバッファは、高入力インピーダンスバッファを含む、請求項6に記載の電流検出回路。
  8. 前記第1の電圧ディバイダは、
    前記第1のシャント抵抗センス回路から出力された電圧を前記アナログ接地電圧に対して所与の分圧比で分圧し、該分圧された電圧を第1の差動増幅器の第1の入力として用い、
    前記第1のシャント抵抗センス回路の前記フローティング接地電圧を前記アナログ接地電圧に対して前記所与の分圧比で分圧し、該分圧された電圧を前記第1の差動増幅器の第2の入力として用いる、
    ように構成され、
    前記差動増幅器は、前記アナログ接地端子及び前記電源電圧端子に接続され、前記第1のローパスフィルタに出力される前記分圧された電圧を生成するように構成されている、請求項5に記載の電流検出回路。
  9. 第2の出力端子と、
    前記シャント抵抗の前記一方の端子と前記シャント抵抗の前記他方の端子との間の前記電圧を増幅するように構成された第2のシャント抵抗センス回路と、
    前記第2のシャント抵抗センス回路の出力に結合された第2のローパスフィルタであって、第2のカットオフ周波数を有する、第2のローパスフィルタと、
    1次巻線及び2次巻線を備える第2のカレントトランスであって、該1次巻線は、前記第1のカレントトランスの前記1次巻線の端子と前記第2の入力端子との間に接続され、該第2のカレントトランスは、前記第2のローパスフィルタの前記第2のカットオフ周波数と等しい低周波数側カットオフ周波数を有する、第2のカレントトランスと、
    前記第2のカレントトランスの前記2次巻線に接続され、前記2次巻線から出力された電流を増幅するように構成された第2のカレントトランスセンス回路であって、該第2のカレントトランスセンス回路は、
    第2のトランスインピーダンス増幅器と、
    前記第2のカレントトランスの前記2次巻線の一方の端子と前記第2のトランスインピーダンス増幅器の入力との間に接続された第2の入力抵抗であって、前記2次巻線の他方の端子は接地されている、第2の入力抵抗と、
    を備える、第2のカレントトランスセンス回路と、
    前記第2のローパスフィルタの出力と、前記第2のカレントトランスセンス回路の出力とを加算し、その結果の合計を前記電流検出回路の前記第2の出力端子から第2の出力電圧として提供するように構成された第2の加算器と、
    を更に備える、請求項1に記載の電流検出回路。
  10. 前記第1のシャント抵抗センス回路は、前記第2のシャント抵抗センス回路の電流電圧変換ゲインと異なる電流電圧変換ゲインを有し、前記第1のカレントトランスセンス回路は、前記第2のカレントトランスセンス回路の電流電圧変換ゲインと異なる電流電圧変換ゲインを有する、請求項9に記載の電流検出回路。
  11. 前記電流検出回路は、前記第2のトランスインピーダンス増幅器の出力端子に接続され、前記第2のトランスインピーダンス増幅器の前記出力のゲインを調整するように構成された第2のゲイン調整増幅器を更に備え、前記第2の加算器は、前記第2のローパスフィルタの前記出力と、前記第2のゲイン調整増幅器の出力端子における前記第2のカレントトランスセンス回路の前記ゲイン調整された出力とを加算する、請求項9に記載の電流検出回路。
  12. 前記シャント抵抗は、0.03Ω以上かつτBLE/CbypΩ以下の抵抗値を有し、ここで、Cbypは、前記DUTの測定回路の全静電容量を表し、τBLEは、観測波形を得るのに必要な前記DUTについての前記測定回路の時定数を表す、請求項9に記載の電流検出回路。
  13. 前記電流検出回路は、
    アナログ接地電圧が供給されるアナログ接地端子と、
    第1の電源電圧が供給される第1の電源端子と、
    前記シャント抵抗の前記一方の端子に接続されたフローティング電源と、
    前記第1のシャント抵抗センス回路と前記第1のローパスフィルタとの間の第1の電圧ディバイダと、
    前記第2のシャント抵抗センス回路と前記第2のローパスフィルタとの間の第2の電圧ディバイダと、
    を更に備え、
    前記フローティング電源は、フローティング接地端子及びフローティング電源電圧端子を備え、該フローティング接地端子及び該フローティング電源電圧端子は、高電源電圧が供給される高電源電圧端子及び前記アナログ接地電圧が供給される前記アナログ接地端子を用いて、それぞれフローティング接地電圧及びフローティング電源電圧を生成するように構成され、
    前記第1のシャント抵抗センス回路及び前記第2のシャント抵抗センス回路は、前記フローティング接地端子及び前記フローティング電源電圧端子に接続されて動作し、
    前記第1の電圧ディバイダは、前記第1のシャント抵抗センス回路の出力及び前記フローティング接地電圧を用いて、前記アナログ接地電圧に基づく出力電圧を出力するように構成され、
    前記第2の電圧ディバイダは、前記第2のシャント抵抗センス回路の出力及び前記フローティング接地電圧を用いて、前記アナログ接地電圧に基づく出力電圧を出力するように構成され、
    前記第1のカレントトランスセンス回路、前記第1の加算器、前記第2のカレントトランスセンス回路、及び前記第2の加算器は、前記アナログ接地端子及び前記第1の電源電圧端子に接続されて動作する、請求項9に記載の電流検出回路。
  14. 前記フローティング電源は、
    前記シャント抵抗の前記一方の端子の電圧をバッファリングして出力するように構成された第1のバッファと、
    前記高電源電圧端子及び前記アナログ接地端子に接続された第1の電圧源と、
    前記第1のバッファの出力を前記フローティング接地端子に接続するとともに、前記高電源電圧端子及び前記フローティング接地端子に接続されて前記フローティング電源電圧を前記フローティング電源電圧端子に出力する第2の電圧源と、
    を更に備える、請求項13に記載の電流検出回路。
  15. 前記第1の電圧ディバイダは、
    前記第1のシャント抵抗センス回路から出力された電圧を前記アナログ接地電圧に対して所与の分圧比で分圧し、該分圧された電圧を第1の差動増幅器の第1の入力として用い、
    前記第1のシャント抵抗センス回路の前記フローティング接地電圧を前記アナログ接地電圧に対して前記所与の分圧比で分圧し、該分圧された電圧を前記第1の差動増幅器の第2の入力として用いる、
    ように構成され、
    前記第1の差動増幅器は、前記第1の入力、前記第2の入力、前記アナログ接地端子、及び前記第1の電源電圧端子に接続され、該第1の差動増幅器の出力電圧を生成するように構成され、
    前記第2の電圧ディバイダは、
    前記第2のシャント抵抗センス回路から出力された電圧を、前記アナログ接地電圧に対して所与の分圧比で分圧し、該分圧された電圧を第2の差動増幅器の第1の入力として用い、
    前記第2のシャント抵抗センス回路の前記フローティング接地電圧を前記アナログ接地電圧に対して前記所与の分圧比で分圧し、該分圧された電圧を前記第2の差動増幅器の第2の入力として用いる、
    ように構成され、
    前記第2の差動増幅器は、前記第1の入力、前記第2の入力、前記アナログ接地端子、及び前記第1の電源電圧端子に接続されて動作し、該第2の差動増幅器の出力電圧を生成するように構成されている、請求項13に記載の電流検出回路。
  16. 被試験デバイス(DUT)において電流を検出する電流検出回路(100、200、800)であって、
    第1の入力端子(102)と、
    第2の入力端子(104)と、
    前記第1の入力端子に接続された一方の端子を有するシャント抵抗(106)と、
    前記シャント抵抗の他方の端子に接続された一方の端子と、前記第2の入力端子に接続された他方の端子とを有する1次巻線を備えるカレントトランス(108)と、
    前記シャント抵抗の前記一方の端子と前記シャント抵抗の前記他方の端子との間の電圧を増幅するように構成されたシャント抵抗センス回路(110、210)と、
    前記シャント抵抗センス回路の出力に接続され、カットオフ周波数を有するローパスフィルタ(114)と、
    前記カレントトランスの2次巻線に結合され、該2次巻線から出力される電流を増幅するように構成されたカレントトランス(CT)センス回路(120、820)と、
    前記ローパスフィルタの出力及び前記CT出力センス回路の出力に結合された加算器(130)であって、前記ローパスフィルタの出力と前記CT出力センス回路の出力とを加算し、その合計を該電流検出回路の出力端子(142)に出力するように構成されている、加算器と、
    を備え、
    前記カレントトランスは、前記ローパスフィルタの前記カットオフ周波数と等しい低周波数側カットオフ周波数を有する、電流検出回路。
  17. 前記カレントトランスセンス回路は、
    CT出力センス増幅器(826)と、
    前記2次巻線の一対の端子間に接続された入力抵抗(822)であって、前記2次巻線の前記一対の端子のうちの一方の端子は接地され、前記2次巻線の前記一対の端子のうちの他方の端子は前記CT出力センス増幅器の入力に結合されている、入力抵抗と、
    を備える、請求項16に記載の電流検出回路。
  18. 被試験デバイス(DUT)において電流を検出する電流検出回路(300、400、900)であって、
    第1の入力端子(102)と、
    第2の入力端子(104)と、
    第1の出力端子(332)と、
    第2の出力端子(362)と、
    2つの端子を有するシャント抵抗(106)であって、一方の端子は前記第1の入力端子に接続されている、シャント抵抗と、
    1次巻線を備える第1のカレントトランス(302)及び1次巻線を備える第2のカレントトランス(304)であって、該1次巻線は、前記シャント抵抗の他方の端子と前記第2の入力端子との間に直列に接続されている、第1のカレントトランス及び第2のカレントトランスと、
    前記シャント抵抗の前記一方の端子と前記シャント抵抗の前記他方の端子との間に並列に接続された第1のシャント抵抗センス回路(310、410)及び第2のシャント抵抗センス回路(310、442)であって、該第1のシャント抵抗センス回路及び該第2のシャント抵抗センス回路のそれぞれは、前記シャント抵抗の前記2つの端子間の電圧を増幅するように構成されている、第1のシャント抵抗センス回路及び第2のシャント抵抗センス回路と、
    前記第1のシャント抵抗センス回路の出力に接続され、第1のカットオフ周波数を有する第1のローパスフィルタ(314)と、
    前記第2のシャント抵抗センス回路の出力に接続され、第2のカットオフ周波数を有する第2のローパスフィルタ(344)と、
    前記第1のカレントトランスの2次巻線の一対の端子の間に接続され、該一対の端子から出力される電流を増幅するように構成された第1のカレントトランスセンス回路(370)と、
    前記第2のカレントトランスのうちの1つの2次巻線の一対の端子の間に接続され、該一対の端子から出力される電流を増幅するように構成された第2のカレントトランスセンス回路(380、920)と、
    前記第1のローパスフィルタの出力と前記第1のカレントトランスセンス回路の出力とを加算し、その合計を前記第1の出力端子に出力するように構成された第1の加算器(320)と、
    前記第2のローパスフィルタの出力と前記第2のカレントトランスセンス回路の出力とを加算し、その合計を前記第2の出力端子に出力するように構成された第2の加算器(350)と、
    を備え、
    前記第1のカレントトランスセンス回路(370)は、
    第1のトランスインピーダンス増幅器(376、375)と、
    前記第1のカレントトランスと前記第1のトランスインピーダンス増幅器との間に配置された第1の入力抵抗(372)と、
    を備え、
    前記第1のカレントトランスセンス回路に接続された前記第1のカレントトランスの前記2次巻線の前記一対の端子のうちの一方は接地され、前記第1のカレントトランスセンス回路に接続された前記第1のカレントトランスの前記2次巻線の前記一対の端子のうちの他方は、前記第1の入力抵抗の一方の端子に接続され、
    前記第1のカレントトランスセンス回路に接続された前記第1のカレントトランスの前記2次巻線の前記一対の端子は、前記第1のトランスインピーダンス増幅器の入力に接続され、
    前記第2のカレントトランスセンス回路(380)は、
    第2の増幅器(386、384、926)と、
    前記第2のカレントトランスと前記第2の増幅器との間に配置された第2の入力抵抗(382、922)と、
    を備え、
    前記第2のカレントトランスセンス回路に接続された前記第2のカレントトランスの前記2次巻線の前記一対の端子のうちの一方は接地され、前記第2のカレントトランスセンス回路に接続された前記第2のカレントトランスの前記2次巻線の前記一対の端子の他方は、前記第2の増幅器の入力に接続され、
    前記第1のカレントトランスは、前記第1のカットオフ周波数と等しい低周波数側カットオフ周波数を有し、前記第2のカレントトランスは、前記第2のカットオフ周波数と等しい低周波数側カットオフ周波数を有する、電流検出回路。
  19. 前記第1のシャント抵抗センス回路は、前記第2のシャント抵抗センス回路の電流電圧変換ゲインと異なる電流電圧変換ゲインを有し、前記第1のカレントトランスセンス回路は、前記第2のカレントトランスセンス回路の電流電圧変換ゲインと異なる電流電圧変換ゲインを有する、請求項18に記載の電流検出回路。
  20. 前記シャント抵抗の抵抗値をRsとして示し、前記第1のシャント抵抗センス回路の入力換算雑音電圧スペクトル密度をen_inst1として示し、前記第1のカレントトランスセンス回路における前記第1のトランスインピーダンス増幅器の入力基準電圧雑音スペクトル密度をen_ct1として示し、前記第1のカレントトランスセンス回路に接続された前記カレントトランスの前記1次巻線と前記2次巻線との巻数比をN1として示し、前記第2のシャント抵抗センス回路の入力換算雑音電圧スペクトル密度をen_inst2として示し、前記第2のカレントトランスセンス回路における前記第1の増幅器の入力換算雑音電圧スペクトル密度をen_ct2として示し、前記第2のカレントトランスセンス回路に接続された前記カレントトランスの前記1次巻線と前記2次巻線との巻数比をN2として示すと、前記第1の抵抗の抵抗値Ri1は、Ri1=(en_ct1/en_inst1)*N1*Rsによって表され、前記第2の抵抗の抵抗値Ri2は、Ri2=(en_ct2/en_inst2)*N2*Rsによって表され、
    前記第1のカレントトランスセンス回路に接続された前記カレントトランスの1次側励磁インダクタンスをLi1として示し、前記第2のカレントトランスセンス回路に接続された前記カレントトランスの1次側励磁インダクタンスをLi2として示すと、fc1として示される前記第1のカットオフ周波数は、fc1=Ri/(2*π*N1*Li1)によって表され、fc2として示される前記第2のカットオフ周波数は、fc2=Ri/(2*π*N2*Li2)によって表される、請求項18に記載の電流検出回路。
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