JP2017106851A - 環境中の土壌試料中の放射性核種の分析方法及び分析装置 - Google Patents

環境中の土壌試料中の放射性核種の分析方法及び分析装置 Download PDF

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智彦 川上
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英之 圷
優子 小松▲崎▼
Yuko Komatuzaki
優子 小松▲崎▼
睦 田仲
Mutsu Tanaka
睦 田仲
智 戸祭
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智 戸祭
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敦久 北村
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Abstract

【課題】環境試料中の揮発性の核種を対象として、他の核種の妨害を受けることがなく分析、測定を可能とし、測定、分析を効率的にして、時間の短縮、分析廃棄物の低減を図る。
【解決手段】環境試料、例えば土壌試料を1000℃程度に加熱して揮発性の放射性核種を揮発させ、揮発した放射性核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、H,14C,79Se、99Tc(99mTc),129I(131I)及び36Clの各核種に一括分離して、少なくともH,14C,99Tc(99mTc),129I(131I)及び36Clの放射性核種を一括分析する。
【選択図】図1

Description

本発明は、環境中の土壌試料中の放射性核種の分析方法及び分析装置に関する。
福島における原子炉の事故以来、放射能の関心は高まり、食品や一般環境中の放射性核種の値を気にする人も多い。しかし、Ge半導体検出器等で簡単に測定できない放射性物質の中で広く分析を行われている核種は90Sr程度で、その他の測定が困難な核種(以下、難測定核種という。)に関するデータはほとんど見受けられない。難測定核種を対象とする分析、測定する場合に、核種別に単独で分析することが行われてきた。
1994年にアメリカのオークリッジ研究所ではNaClの添加が1000℃以上の高温でセシウムの土壌からの離脱を促進することを報告しており、さらに若狭エネルギー研究センターは焼却施設にNaClを添加し1300℃に加熱することでアルカリ塩の形で大量のセシウムを回収できることを報告している。さらに、農研機構と原子力機構は共同でCaCl2にある種の促進剤を添加して1300℃に加熱することで99%のセシウムが除去できることを報告し、太平洋セメントが同様の方法でキルンを用いた実証を行っている。しかし、これらは1300℃という高温の処理が必要とされた。Srも同様である。
特許文献1には、無機材料中に含まれるトリチウムを計測する際に、無機材料中の水分を加熱蒸発させることが記載されている。
特許文献2には、放射化黒鉛に付着しているClを除去するのに900℃に加熱、その後冷却してトッラプすることが記載されている。
特許文献3には、コンクリート破砕片を加熱することで、コンクリート破砕片に含まれる放射性揮発性核種を蒸発させ、除去された放射性揮発性核種を冷却して回収することが記載されている。
特許文献4には、活性炭と膠質土とを含有する放射性物質捕集材が記載されている。
特開平3−51788号公報 特開2003−14890号公報 特開2002−357662号公報 特開平6−26665号公報
核種別に測定、分析する方法が多く報告されてきた。難測定核種を核種別に測定、分析する方法では、分析結果が出るまでに多大な日数を要し、大量の試料が必要になるため、前処理過程での分析廃棄物が多くなるという問題がある。また、Ge半導体検出器で測定できる核種であっても、高濃度の他核種が共存する場合、微量のγ線核種は他の核種の妨害を受けることになって精確な分析を不可能とする。
特許文献1,2には、加熱方法によってトリチウムあるいはClを揮発させることが記載され、また特許文献3には、放射性揮発性核種を蒸発させることが記載されているが、原子炉の事故の際に拡散したような特定された放射性揮発性核種を測定、分析することが記載されていない。特許文献4には、放射性物質捕集材が記載されているが、原子炉の事故の際に拡散したような特定された放射性揮発性核種を測定、分析するに十分なトラップ材(捕集材)とは言えない。
本発明は、かかる点に鑑み環境中の土壌試料中の揮発性の特定された核種を対象として、他の核種の妨害を受けることがなく分析、測定を可能とし、分析、測定を効率的にして、時間の短縮、前処理過程での分析廃棄物の低減を図ることが出来るようにすることを目的とする。
本発明は、環境試料を、36Clを揮発させる温度まで段階的に加熱して揮発性の核種を揮発させ、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、H,14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの各核種に一括分離して、少なくともH, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析方法を提供する。
本発明は、環境試料を、36Clを揮発させる温度まで段階的に加熱して揮発性の核種を揮発させ、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、酸性の吸収液でH,36Cl又はH,36Cl,99Tc及び131I(129I)を、そしてアルカリ性の吸収液で14C又は,14C,99Tc及び129Iの各核種に一括分離して、少なくともH, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析方法を提供する。
本発明は、上述された環境試料中の放射性核種の分析方法において、環境試料の、36Clを揮発させる温度まで段階的加熱が、階段的になされることを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析方法を提供する。
本発明は、上述された環境試料中の放射性核種の分析方法において、核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入する前に、揮発した核種を、79Se捕集手段に接触させ、79Seを捕集し、測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析方法を提供する。
本発明は、温度調整機能を備え、環境試料を設置可能な、そして36Clを揮発させる温度まで段階的に加熱可能な加熱炉と、該加熱炉で加熱されることで揮発した核種を導入する酸性及びアルカリ性の吸収液をそれぞれ保持した容器と、放射性核種を同時に分析する分析装置とを備え、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、H,14C,99Tc,129I及び36Clの各核種に一括分離して、少なくともH,14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析装置を提供する。
本発明は、温度調整機能を備え、環境試料を設置可能な、そして36Clを揮発させる温度まで段階的に加熱可能な加熱炉と、該加熱炉で加熱されることで揮発した核種を導入する酸性及びアルカリ性の吸収液をそれぞれ保持した容器と、放射性核種を同時に分析する分析装置とを備え、酸性の吸収液でH,36Cl又はH,36Cl,99Tc及び129I(131I)を、そしてアルカリ性の吸収液で14C又は,14C,99Tc及び129I(131I)の各核種に一括分離して、少なくともH, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析装置を提供する。
本発明は、上述された環境試料中の放射性核種の分析装置において、核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入する前に、揮発した核種を、79Se捕集手段に接触させ、79Seを捕集する79Se捕集手段を設けたことを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析装置を提供する。
本発明によれば、環境試料には当該分析に対して妨害核種が含まれるが、この環境試料を、塩素を揮発させる温度の1000℃に加熱して揮発性の核種を揮発させ、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、H,14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの核種を一括分離して、少なくともH,14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を測定することで、これらの難測定核種を一括分析することが出来る。更に、本発明によれば、難測定核種79Seをも一括分析することが出来る。このように、燃焼法を採用して、環境試料について少なくともH,14C,99Tc,129I及び36Clの放射性核種を一括分析することで、環境試料中の揮発性の核種を対象として、他の核種の妨害を受けることがなく測定、分析が可能となり、測定、分析が効率的になって、時間の短縮、前処理過程での分析廃棄物の低減が達成される。
本発明の実施例である環境中の土壌試料中の放射性核種の分析装置の概要を示す図。 本発明の他の実施例である環境中の土壌試料中の放射性核種の分析装置の概要を示す図。 難測定核種の代表例を示す図。 揮発性5核種を示す図。 揮発性6核種を示す図。 吸収液からの分離・精製・単離・計測を示す図。 コールド試験による吸収液中の回収率の確認を示す図。 図1に示す分析フローによるトレーサー試験結果を示す図。 RIトレーサー試験結果を示す図。 図9に示されるトレーサーに用いられた湿潤細土サンプルの内容を示す図。 他のトレーサー試験結果を示す図。 99mTcによる単核種分析の例を示す図。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例である環境中の土壌試料中の放射性核種の分析装置100の概要を示す図である。図2は、本発明の他の実施例である環境中の土壌試料中の放射性核種の分析装置の概要を示す図である。以下、図1を用いて本発明の実施例を説明するものとし、必要に応じて図2に示される実施例について説明する。
本実施例において、環境中の土壌試料とは、本実施例で示される揮発性のH,14C,99Tc,129I(131I)(129Iあるいは/及び131Iを表す。)及び36Clの放射性核種を一括分析する際のγ線測定に妨害となる核種、例えば89Sr,90Sr,134Cs,137Csが含まれている土壌試料をいう。また、放射性核種を一括分析とは、同時に分析することをいうが、吸収液で順次測定、分析する場合に、同一土壌試料からのガスが順次捕集されている場合も、同一の土壌試料が用いられており、一括あるいは同時である概念で用いられる。本実施例は、土壌についての核種分析に限定されず、環境材である食品、食材、その他の材料についての核種分析も可能である。以下の説明では、土壌を例にとって説明する。これらの材料を総称して環境試料と称する。
図1において、環境にある土壌試料中の放射性核種の分析装置100は、温度調整機能を備え、環境中の土壌試料を設置可能な加熱炉1と、この加熱炉1で加熱されることで揮発した核種を導入する酸性及びアルカリ性の吸収液をそれぞれ保持した容器2と、放射性核種を測定する測定装置3とからなる。加熱炉1は、加熱手段としての機能を持つ。
加熱炉1は、固体試料を用い、電気加熱を用いた燃焼法を採用して環境中の土壌試料を室温から加熱し、1000℃に加熱して揮発性の核種を揮発させるもので、管状炉1及び管状炉2を備え、各管状炉内に配設された石英管15を備え、管状炉1及び管状炉2はそれぞれ温調器1及び温調器2によって温度が調節される。石英管15は、流量計13を介してOガスボンベ14に配管5で接続される。
管状炉1内に湿潤土壌40g12が設置される。管状炉2内に酸化銅からなる酸化触媒16が設置され、その前後に石英ウール17が設置され、酸化触媒16を保持する。このようにして燃焼法が構成され、加熱を可能とする。燃焼法を採用することで、本実施例で分析を行う上で計測上妨害となる放射性核種を分離することが出来る。温調器1及び温調器2は、図に示される温度で、かつ加熱時間で加熱される。揮発に対応した加熱温度及び加熱時間が予め設定される。急速に1000℃で加熱すると有機物が激しく分解し、爆発する恐れがある。そのためにステップ状に温度上昇させる。110℃で環境試料中の水分を揮発させ、水分に含まれるHを揮発させる。400℃で129Iと79Seを揮発させる。500℃は、環境試料中に含まれる有機物を徐々に分解させるために、500℃で保持し、有機物の分解時間を延ばすことで、安定的に燃焼させている。有機物は、水と二酸化炭素に分解し、Hと14Cを揮発させる。また、99Tcが揮発する。1000℃では、36Clを揮発させ、低温では揮発しにくい化学形態のH、14C、79Se、99Tc、129Iを揮発させる。加熱炉1の下流側に酸性及びアルカリ性の吸収液20をそれぞれ保持した容器2が設けられる。本例の場合、1,2が酸性吸収液20Aを示し、3,4がアルカリ性の吸収液20Bであることを示し、直列に配置される。加熱炉1の石英管15から延在する管18は、最初の酸性吸収液内で開口しており、揮発した核種を酸性吸収液20Aに導く。各容器は、チラー25に接続された水冷容器19内に配置され、水冷される。揮発した核種は、順次直列配置の容器内を通過し、最終のアルカリ性吸収液20Bから排出21され、排気となって所定の保存装置(図示せず)に導かれる。
図2は、図1に示される構成を基本とした他の例を示す。
図2は、図1の構成において、加熱炉1の石英管15と容器2とを結ぶ配管18にガラス入U字管31が設けられた。ガラス入U字管31はヒータ32を形成し、ヒータ32は、温調器3によって温度調節がなされる。
図3は、難測定核種の代表例を示す図である。
難測定核種の代表例として、16核種を上げることが出来、それらは核分裂生成物(FP)、放射化生成物(CP)及び超ウラン元素(TRU)からなる。
図4は、16の難測定核種から、揮発性の5核種が選定されたことを示す図である。
図5は、揮発性の5核種に、79Seを加えて、揮発性の6核種が選定されたことを示す図である。
図4及び図5に示さる難測定核種は、少なくともH,14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種であり、更には79Seが加えられる。
これら6種の核種は、難測定核種であり、典型的には、また分析効率の面からすべての核種が選定されるが、分析依頼者であるクライアントの要望によっては、これらの内のいくつかが選択される場合もある。その場合には、加熱温度は、選定された核種に対応して選定される。900℃から1200℃の範囲で加熱がなされる。1200℃まで、望ましくは1000℃まで段階的に行うのがよい。H,36Cl,99Tc、129I(131I)の内で、揮発温度の最も高い36Clを揮発させるに十分な温度まで段階的に、例えば階段状に加熱する。 以上の構成において、環境中の土壌試料を、これらの難測定核種の中で揮発温度の最も高い例えば1000℃に加熱して揮発性の核種を揮発させ、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、H,14C,99Tc,129I及び36Clを分離して、少なくともH,14C,99Tc,131I(129I)及び36Clの放射性核種を一括分析することが行われる。
図6は、吸収液からの分離・精製・単離・計測を示す図である。
図6において、測定装置としてLSC:液体シンチレーションカウンター、ICP-MS:誘導結合プラズマ質量分析装置、及びGe半導体検出器が用いられるが、これらに限定されない。
図6において、酸性吸収液20AからH,36Cl,99Tc、129I(131I)が分離され、アルカリ性吸収液Bから14C,99Tc,129I(131I)が分離可能であることが示される。
酸性吸収液20AにAgNOが加えられ、生成された溶液は、液S1と沈殿物S11とに分けられる。液S1は蒸留され、留出液S3と残液S4とに分けられる。留出液S3からLSC:液体シンチレーションカウンターによってHが計測される。
残液S4は、後述されるカラム分離S26で使用される。
沈殿物S11に加熱S12がなされ、吸収液S13が取得される。吸収液S13から溶媒抽出S14がなされ、水相S15及び有機相S23に分けられる。アルカリ性吸収液についての有機相S23に混合される。
水相S15からLSCによって36Clが計測される。
アルカリ性吸収液20BにBaClが加えられ、生成された溶液は、液S21と沈殿S31とに分けられる。液S21から溶媒抽出S22がなされ、有機相S23と水相S25に分けられる。有機相S23から再び水相に逆抽出S24がなされ、逆抽出液S24からICP-MS:誘導結合プラズマ質量分析装置によって129Iが計測される。
水相S25は、カラム分離S26され、分離液からICP-MSあるいはよって99Tcが計測される。
沈殿S31に対して酸性通気S32がなされ、LSCによって14Cが計測される。
このようにして環境中の土壌試料を1000℃程度に加熱して揮発性の核種を揮発させ、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、酸性の吸収液でH,36Cl又はH,36Cl,99Tc及び129Iを、そしてアルカリ性の吸収液で14C又は,14C,99Tc及び129Iを分離して、少なくともH,14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を一括分析することがなされる。
図7は、コールド試験による吸収液中の回収率の確認を示す図である。
図7において、Cl(10mg)、Re(0.5mg)及びI(2mg)を含む湿潤細土40gを加熱し、吸収液であるトラップ液でCl、Tc代替のRe及びIをトラップして、液中に含まれるCl、Re及びIを測定装置で分析した。酸性吸収液にはHSO、アルカリ性吸収液にはNaOHが用いられ、図1に示すフローに従って分析がなされた。酸性吸収液はその他にHNOを用いた。アルカリ吸収液はこの他にKOHやCa(OH)などを用いた。
回収率は、酸性吸収液で、Cl100%、Re(Tc)66%、I32%であった。アルカリ性吸収液で、Re(Tc)8%、I48%であった。トータルすると、Cl100%,Re(Tc)74%,I80%であった。
このように、燃焼式方法の採用によって、36Cl,99Tc,129I(131I)を吸収液中に回収できる見通しを得た。
図8は、図1に示す分析フローによるトレーサー試験結果を示す図である。湿潤細土がサンプルとして生成され、粉砕され、ふるい分けされ、加熱され、吸収液で難測定核種の分析がなされた。
図8において、吸収液でH, 14C,36Cl,99Tc及び129I(131I)及びの放射性核種の回収がなされた。ガス捕集による検討結果の回収値が図に表示される。実績検出下限値が、H以外目標とした検出下限値より低めであったが、測定器(分析装置)によって十分に目標とする検出下限値を下回ることが可能である。
図9は、RIトレーサー試験結果を示す図である。
図10は、図9に示されるトレーサーに用いられた湿潤細土サンプルの内容を示す。
図10に示されるように、湿潤細土サンプルには、H(水), 14C(グルコース),85Sr(90Sr代替え),137Cs,Cl(36Cl代替え),Re(99Tc代替え)及びI(131I(129I代替え))が含まれた。
図9に示されるように、湿潤細土サンプルに含まれていた85Srと137Csが吸収液中では検出されず、湿潤細土サンプル中に85Sr,137Csの妨害核種が存在するときに、妨害核種85Sr,137CsからH, 14C,36Cl,99Tc及び131I(129I)がそれぞれ単離され、γ線計測が正しくなされたことが示された。
湿潤細土サンプル40g中の難測定核種の同時処理分析結果が図に示される。少なくともH, 14C,99Tc,129I及び36Clの放射性核種を一括分析することがなされた。
図11は、他のトレーサー試験結果を示す。
図11において、H, 14C,99Tc,129I及び36Clの放射性核種を一括分析の結果、これら核種を含んだ二次廃棄量が、単独に分析がなされた場合に比較して格段に低減された。トレーサー試験の結果より、上述した気化分離手段によって揮発性放射性核種は各捕集部で回収され、不揮発性の放射性核種は、灰化試料に残っていることが確認された。
図2は、図1に示される構成を基本として、石英管15の後流側にガラスビーズ入U字管31を設けたことを先に記載した。
この構成によって、H, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を一括分析に加えて、難測定核種79Seも一括分析することが出来る。
1000℃で揮発した79Seは、140℃で固体としてガラスに付着する。この性質を利用するためガラスビーズが用いられ、表面積が増大される。ガラスビーズ付着した79Seは、酸で溶液となし、測定用の溶液とされる。このようにして、放射性核種の分析装置100が構成される。
この溶液化を考慮すると、酸性溶液に安定で、ロスが少なくて済む材料としてガラスビーズが選定された。ガラスビーズの大きさは、例えば0.8〜1.0mmの大きさのものが使用される。ガラスビーズが推奨されるが、ガラスビーズに限定されず、79Seを付着させる材料であればよい。
図2に示されるように、ガラスビーズ入U字管を吸収液20の前に設置すると、99Tcをも捕集することが出来、測定装置、例えばICP-MSで測定することが出来る。
環境試料中の放射性核種の分析方法において、核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入する前に、揮発した核種を、79Se捕集手段に接触させ、79Seを捕集し、測定する環境試料中の放射性核種の分析方法が構成される。
図2に示される構成によれば、ガラスビーズ入U字管で、79Se85%回収、99mTc(99Tc)80%回収酸性吸収液で、H97%回収、36Cl41%回収、129I(131I)65%回収アルカリ性吸収液で、14C88%回収することが出来る。
図12は、99mTcによる単核種分析の例を示す。この例は、図1あるいは図2に示される放射性核種の分析装置100に99mTcによる単核種分析装置を併存させることを示す。
図12に示さるように、放射性核種の分析装置100Aは、温度調整機能を備え、環境中の土壌試料を設置可能な加熱炉1Aと、この加熱炉1Aで加熱されることで揮発した核種99mTcを導入する吸収液20Aに純水が用いられる。環境中の土壌試料として、乾燥土壌12Aが用いられた。吸収液20Aを通過したガスは、排気21Aとされ、図示しない容器に保管される。
分析フローに従って分析がなされた。吸収液をカラム分離してγ線計測した。99mTc測定結果が図に示される。
99mTc計測の場合には、燃焼法による単核種分析が採用される。したがって、上述したH, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を一括分析に加えて、核種99mTcの単核種分析が採用される。
本実施例によれば、
1. 環境試料について、難測定核種分析法を適用して特定された難測定核種を測定、分析することが出来る。
2. 分析効率を向上させることが出来る。次の事項が可能となった。
H,14C,99Tc,129I(131I)及び36Clからなる多核種を同時分析、更には79Seを同時分析
・分析操作が簡略化
・採取試料の少量化
・前処理過程での分析廃棄物の低減
環境中の土壌試料には当該分析に対して妨害核種が含まれるが、この環境中の土壌試料中の36Clを揮発させる温度、例えば1000℃に加熱して揮発性の核種を揮発させ、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、H,14C,99Tc,129I(131I)及び36Clを分離して、少なくともH,14C,99Tc,129I及び36Clの放射性核種を一括分析することが出来る。このように、燃焼法を採用して、環境中の土壌試料について少なくともH, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を一括分析することで、更には放射性核種79Seを加えて一括分析することで、環境中の土壌試料中の揮発性の核種を対象として、他の核種の妨害を受けることがなく、測定、分析が可能となり、分析、測定が効率的になって、時間の短縮、前処理過程での分析廃棄物の低減が達成される。
また、これらの分析に加えて、核種99mTcの単核種分析が採用される。
1…加熱炉、2…容器、3…核種測定装置、13…流量計、14…Oガスボンベ、12…湿潤土壌、15…石英管、16…酸化触媒、17…石英ウール、20…吸収液、20A…酸性吸収液、20B…アルカリ性吸収液、25…チラー、31…ガラスビーズ入U字管、100…放射性核種の分析装置。

Claims (7)

  1. 環境試料を、36Clを揮発させる温度まで段階的に加熱して揮発性の核種を揮発させ、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、H, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの各核種に一括分離して、少なくともH, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析方法。
  2. 環境試料を、36Clを揮発させる温度まで段階的に加熱して揮発性の核種を揮発させ、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、酸性の吸収液でH,36Cl又はH,36Cl,99Tc及び131I(129I)を、そしてアルカリ性の吸収液で14C又は,14C,99Tc及び129Iの各核種に一括分離して、少なくともH, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析方法。
  3. 請求項1または2に記載された環境試料中の放射性核種の分析方法において、環境試料の、36Clを揮発させる温度まで段階的加熱が、階段的になされることを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析方法。
  4. 請求項1に記載された環境試料中の放射性核種の分析方法において、核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入する前に、揮発した核種を、79Se捕集手段に接触させ、79Seを捕集し、測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析方法。
  5. 温度調整機能を備え、環境試料を設置可能な、そして36Clを揮発させる温度まで段階的に加熱可能な加熱炉と、該加熱炉で加熱されることで揮発した核種を導入する酸性及びアルカリ性の吸収液をそれぞれ保持した容器と、放射性核種を同時に分析する分析装置とを備え、揮発した核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入して、H, 14C,99Tc,129I及び36Clの各核種に一括分離して、少なくともH, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析装置。
  6. 温度調整機能を備え、環境試料を設置可能な、そして36Clを揮発させる温度まで段階的に加熱可能な加熱炉と、該加熱炉で加熱されることで揮発した核種を導入する酸性及びアルカリ性の吸収液をそれぞれ保持した容器と、放射性核種を同時に分析する分析装置とを備え、酸性の吸収液でH,36Cl又はH,36Cl,99Tc及び129I(131I)を、そしてアルカリ性の吸収液で14C又は,14C,99Tc及び129I(131I)の各核種に一括分離して、少なくともH, 14C,99Tc,129I(131I)及び36Clの放射性核種を測定することを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析装置。
  7. 請求項5または6に記載された環境試料中の放射性核種の分析装置において、核種を酸性及びアルカリ性の吸収液に導入する前に、揮発した核種を、79Se捕集手段に接触させ、79Seを捕集する79Se捕集手段を設けたことを特徴とする環境試料中の放射性核種の分析装置。
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