JP2017085912A - 加工果物の製造方法及び加工リンゴ - Google Patents
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Abstract
【課題】果物の変色を抑制しながら、所望のテクスチュアに調整することが可能な加工果物の製造方法を提供することである。
【解決手段】加工果物の製造方法において、果物の剥皮及び除芯並びに切断を行う前処理工程、該前処理された果物を、液体中に浸漬した状態で絶対圧力30kPa以下の条件下で1〜180分間減圧脱気する脱気工程、脱気工程後、常圧に戻すことにより果物内部に液体を導入する工程、該液体が導入された果物を加熱処理するブランチング工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】加工果物の製造方法において、果物の剥皮及び除芯並びに切断を行う前処理工程、該前処理された果物を、液体中に浸漬した状態で絶対圧力30kPa以下の条件下で1〜180分間減圧脱気する脱気工程、脱気工程後、常圧に戻すことにより果物内部に液体を導入する工程、該液体が導入された果物を加熱処理するブランチング工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、加工果物の製造方法に関するものであり、より詳細には、加工前の果物の形状を保持しつつ、用途に応じて加工果物のテクスチュアを調整可能であると共に、酸化による褐変をも防止可能な加工果物の製造方法及びこの製造方法により得られた加工リンゴに関する。
多くの果物には一定の収穫時期があり、一般に入手できる期間が限定されている。また収穫された果物は時間の経過と共に変色及び軟化して、劣化していく。そのため、果物の風味やテクスチュア(口に入れて咀嚼して飲み込むまでの舌や喉等で感じするさまざまな物理的食感)をできるかぎり維持するために、収穫直後の果物を加工して保存することが行われている。
果物を保存するための加工方法として、例えば、リンゴにおいては、剥皮・除芯し、目的とする形状に切断した後、真空脱気処理を行った後、変色防止のために食塩やクエン酸などの有機酸水溶液に浸漬し、アスコルビン酸を含む液中でブランチング(加熱処理)を行った後、冷却して、冷凍保存することが一般に行われている。
果物を保存するための加工方法として、例えば、リンゴにおいては、剥皮・除芯し、目的とする形状に切断した後、真空脱気処理を行った後、変色防止のために食塩やクエン酸などの有機酸水溶液に浸漬し、アスコルビン酸を含む液中でブランチング(加熱処理)を行った後、冷却して、冷凍保存することが一般に行われている。
しかしながら、上記従来の方法では、果肉内部に存在する空気の存在により、ブランチングが効率的に行われず、長時間高温に晒されることによって、リンゴ特有のシャキシャキとした歯ごたえのある食感を保持することが困難になるという問題があった。
このような問題を解決するために、剥皮・除芯したリンゴを切断した後、減圧して脱気し、カルシウムを含んだアスコルビン酸の沸騰した水溶液に浸漬し、更にブランチング処理を行い、冷却した後、糖類を添加し、冷凍保管する方法が提案されている(特許文献1)。
このような問題を解決するために、剥皮・除芯したリンゴを切断した後、減圧して脱気し、カルシウムを含んだアスコルビン酸の沸騰した水溶液に浸漬し、更にブランチング処理を行い、冷却した後、糖類を添加し、冷凍保管する方法が提案されている(特許文献1)。
その一方、歯の弱い高齢者や、咀嚼嚥下を容易に行うことができない人のために、食品の形状や色味を保持したまま、軟質化することも望まれており、例えば下記特許文献2には、植物素材を飽和蒸気圧で加熱処理した後、酵素処理液で酵素処理することにより、植物素材を軟質化することが提案されている(特許文献2)。
加工果物を、歯ごたえのあるテクスチュアに保持するか或いは軟質化するか、の相対する要求に対応するためには、上述したような、要求されるテクスチュアに応じた異なる方法で加工することが必要であり、同一の果物の加工であっても異なる製造設備が必要になることから、同一の製造設備で加工できれば、生産性や経済性が向上する。
また上述した加工方法は、いずれも果物に化学的な処理を施すことが必須であり、そのための工程が必要となる。
また上述した加工方法は、いずれも果物に化学的な処理を施すことが必須であり、そのための工程が必要となる。
従って本発明の目的は、果物の変色を抑制しながら、所望のテクスチュアに調整することが可能な加工果物の製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、形状及び色味を損なうことなく軟質化された加工リンゴ及びこの加工リンゴの容器詰を提供することである。
本発明の他の目的は、形状及び色味を損なうことなく軟質化された加工リンゴ及びこの加工リンゴの容器詰を提供することである。
本発明によれば、果物の剥皮及び除芯並びに切断を行う前処理工程、該前処理された果物を、液体中に浸漬した状態で絶対圧力30kPa以下の条件下で1〜180分間減圧脱気する脱気工程、脱気工程後、常圧に戻すことにより果物内部に液体を導入する工程、該液体が導入された果物を加熱処理するブランチング工程、を含むことを特徴とする加工果物の製造方法が提供される。
本発明の加工果物の製造方法においては、
1.前記脱気工程において、絶対圧力10〜30kPaの条件下で30〜180分間脱気することにより、得られる加工果物が、圧縮試験における応力歪曲線において100kPa以下の破断点応力を有すること、
2.前記脱気工程において、絶対圧力1〜10kPaの条件下で15〜90分間脱気することにより、得られる加工果物が、圧縮試験における応力歪曲線において150kPa以上の破断点応力を有すること、
3.前記脱気工程が、絶対圧力10〜30kPaの条件下で30〜180分間脱気する第一脱気工程、及び絶対圧力1〜10kPaの条件下で1〜15分間脱気する第二脱気工程から成り、得られる加工果物が、圧縮試験における応力歪曲線において100kPa以下の破断点応力を有すること、
4.前記果物がリンゴであり、このリンゴは色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下であること、
が好適である。
1.前記脱気工程において、絶対圧力10〜30kPaの条件下で30〜180分間脱気することにより、得られる加工果物が、圧縮試験における応力歪曲線において100kPa以下の破断点応力を有すること、
2.前記脱気工程において、絶対圧力1〜10kPaの条件下で15〜90分間脱気することにより、得られる加工果物が、圧縮試験における応力歪曲線において150kPa以上の破断点応力を有すること、
3.前記脱気工程が、絶対圧力10〜30kPaの条件下で30〜180分間脱気する第一脱気工程、及び絶対圧力1〜10kPaの条件下で1〜15分間脱気する第二脱気工程から成り、得られる加工果物が、圧縮試験における応力歪曲線において100kPa以下の破断点応力を有すること、
4.前記果物がリンゴであり、このリンゴは色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下であること、
が好適である。
本発明によればまた、圧縮試験における応力歪曲線において、100kPa以下の破断点応力を有し、20%歪における応力が40kPa以下であることを特徴とする加工リンゴが提供される。
上記加工リンゴにおいては、
1.色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下であること、
2.前記加工リンゴの芯と垂直な横断面における果肉組織の配向が、該果肉組織のCT画像のフーリエ画像解析により求めた配向強度として1.00〜1.25であること、
が好適である。
本発明によれば更に、上記加工リンゴを容器に充填密閉して成ることを特徴とする軟化リンゴ容器詰が提供される。
上記加工リンゴにおいては、
1.色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下であること、
2.前記加工リンゴの芯と垂直な横断面における果肉組織の配向が、該果肉組織のCT画像のフーリエ画像解析により求めた配向強度として1.00〜1.25であること、
が好適である。
本発明によれば更に、上記加工リンゴを容器に充填密閉して成ることを特徴とする軟化リンゴ容器詰が提供される。
本発明の加工果物の製造方法においては、加工果物のテクスチュア及び褐変を制御することが可能であり、歯ごたえのあるテクスチュア及び色味を有する加工果物や、或いは加工前の果物の形状や色味を損なうことなく軟質化された加工果物を、前述した脱気工程の条件を変えるだけで製造することができ、生産性及び経済性に優れている。
また減圧脱気条件を変更することにより、後述する応力歪曲線から明らかなように、加工果物の噛み始めから、噛み砕くときの食感を変えることも可能であり、所望の食感に合わせた加工果物を提供することが可能になる。
更に従来の加工方法のように、化学的な処理を施すことなく、物理的な処理によってテクスチュア及び褐変の制御を行っているので、余分な処理工程を設ける必要もない。
また減圧脱気条件を変更することにより、後述する応力歪曲線から明らかなように、加工果物の噛み始めから、噛み砕くときの食感を変えることも可能であり、所望の食感に合わせた加工果物を提供することが可能になる。
更に従来の加工方法のように、化学的な処理を施すことなく、物理的な処理によってテクスチュア及び褐変の制御を行っているので、余分な処理工程を設ける必要もない。
本発明の加工果物の製造方法で製造された軟質化された加工リンゴは、上述したように、加工前の形状や色味を維持しつつ軟質化されており、高齢者や咀嚼嚥下が容易にできない人にも、容易に食することができるだけでなく、ペースト状になりがちな軟質化加工果物に比して見た目や食感を楽しむことも可能になる。
また本発明の製造方法で製造された加工リンゴは、色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下であり、褐変が有効に防止されていることがわかる。
また本発明の製造方法で製造された加工リンゴは、色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下であり、褐変が有効に防止されていることがわかる。
(加工果物の製造方法)
本発明の加工果物の製造方法は、(A)果物の剥皮及び除芯並びに切断を行う前処理工程、(B)該前処理された果物を、液体中に浸漬した状態で絶対圧力30kPa以下の条件下で1〜180分間減圧脱気する脱気工程、(C)脱気工程後、常圧に戻すことにより果物内部に液体を導入する工程、(D)該液体が導入された果物を加熱処理するブランチング工程、から成ることを特徴とするものであり、上述したとおり、果物の褐変を抑制すると共に、上記(B)の脱気工程の条件を変化させることにより、加工果物のテクスチュアを変化させることが可能になる。
本発明の加工果物の製造方法は、(A)果物の剥皮及び除芯並びに切断を行う前処理工程、(B)該前処理された果物を、液体中に浸漬した状態で絶対圧力30kPa以下の条件下で1〜180分間減圧脱気する脱気工程、(C)脱気工程後、常圧に戻すことにより果物内部に液体を導入する工程、(D)該液体が導入された果物を加熱処理するブランチング工程、から成ることを特徴とするものであり、上述したとおり、果物の褐変を抑制すると共に、上記(B)の脱気工程の条件を変化させることにより、加工果物のテクスチュアを変化させることが可能になる。
(A)前処理工程
本発明の加工果物の製造方法においては、上記脱気処理を施す前に、使用する果物に応じた不要部分を取り除き、所望の大きさにする処理を行う。
具体的には、洗浄された果物について、皮を剥き、芯や種、或いはへたを取り除き、所望の大きさに切断する。尚、切断された果物の大きさは、果物の種類や加工果物の用途によって異なり、一概に規定することはできないが、効率よく脱気及びブランチングし得るためには、一辺の大きさが1〜10cm程度であることが望ましく、特にリンゴの場合には、一辺の大きさが2〜6cmの範囲にあることが好適である。
本発明方法の対象となる果物としては、これに限定されないが、リンゴ、梨、桃、杏、柿等を挙げることができる。これらの中でも特に果肉中の空気含有率が高く、褐変しやすいリンゴに好適に使用できる。
本発明の加工果物の製造方法においては、上記脱気処理を施す前に、使用する果物に応じた不要部分を取り除き、所望の大きさにする処理を行う。
具体的には、洗浄された果物について、皮を剥き、芯や種、或いはへたを取り除き、所望の大きさに切断する。尚、切断された果物の大きさは、果物の種類や加工果物の用途によって異なり、一概に規定することはできないが、効率よく脱気及びブランチングし得るためには、一辺の大きさが1〜10cm程度であることが望ましく、特にリンゴの場合には、一辺の大きさが2〜6cmの範囲にあることが好適である。
本発明方法の対象となる果物としては、これに限定されないが、リンゴ、梨、桃、杏、柿等を挙げることができる。これらの中でも特に果肉中の空気含有率が高く、褐変しやすいリンゴに好適に使用できる。
(B)脱気工程
本発明においては、減圧脱気における減圧の程度及びその減圧状態の保持時間の調整が、得られる加工果物のテクスチュアに大きな影響を与えることを見出した。
すなわち、前処理された果物を、液体中に浸漬した状態で、絶対圧力30kPa以下で1〜180分間の範囲内の条件で脱気処理することにより、前述したとおり、歯ごたえのあるテクスチュアを有する加工果物、或いは軟質化された加工果物のいずれも調製することが可能になる。また減圧脱気処理により果物内の空気が除去されることにより、酸素の存在による変色が有効に防止されるようになる。
減圧脱気は、果物を液体中に浸漬した状態で行うことにより、後述するように、減圧状態を解除すると同時に、果物中に空気が存在していた空隙に液体が導入され、果物内の空隙に空気が戻ってしまうことが防止される。尚、果物を浸漬する液体としては、水単独又は糖類、酸味料、抗酸化剤などを含む溶液などが挙げられる。水は、純水、蒸留水、水道水等を使用することができる。液体の温度は15〜30℃の範囲にあることが好ましい。
本発明においては、減圧脱気における減圧の程度及びその減圧状態の保持時間の調整が、得られる加工果物のテクスチュアに大きな影響を与えることを見出した。
すなわち、前処理された果物を、液体中に浸漬した状態で、絶対圧力30kPa以下で1〜180分間の範囲内の条件で脱気処理することにより、前述したとおり、歯ごたえのあるテクスチュアを有する加工果物、或いは軟質化された加工果物のいずれも調製することが可能になる。また減圧脱気処理により果物内の空気が除去されることにより、酸素の存在による変色が有効に防止されるようになる。
減圧脱気は、果物を液体中に浸漬した状態で行うことにより、後述するように、減圧状態を解除すると同時に、果物中に空気が存在していた空隙に液体が導入され、果物内の空隙に空気が戻ってしまうことが防止される。尚、果物を浸漬する液体としては、水単独又は糖類、酸味料、抗酸化剤などを含む溶液などが挙げられる。水は、純水、蒸留水、水道水等を使用することができる。液体の温度は15〜30℃の範囲にあることが好ましい。
[軟質化された加工果物の脱気条件]
本発明において、軟質化されたテクスチュアを有する加工果物を製造する場合には、脱気工程において、絶対圧力10〜30kPaで30〜180分間の条件、特に絶対圧力15〜25kPaで60〜90分間の条件で脱気する。
または脱気工程が、第一工程及び第二工程の二段階から成り、第一工程では絶対圧力10〜30kPaで30〜180分間、特に15〜25kPaで60〜90分間の条件で脱気し、第二工程では絶対圧力1〜10kPaで1〜15分間、特に1〜5kPaで1〜10分間の条件で脱気する。このように、真空の程度の低い第一工程で果物を軟質化させた後に、より真空度の高い第二工程を経ることにより、果物内に残存する酸素を完全に除去することが可能になり、酸化による果物の変色を防止することが可能になる。
尚、後述するように、本明細書においては、加工果物の圧縮試験における応力歪曲線における破断点応力が100kPa以下の場合に、高齢者等への用途に適した軟質化された加工果物と評価する。
本発明において、軟質化されたテクスチュアを有する加工果物を製造する場合には、脱気工程において、絶対圧力10〜30kPaで30〜180分間の条件、特に絶対圧力15〜25kPaで60〜90分間の条件で脱気する。
または脱気工程が、第一工程及び第二工程の二段階から成り、第一工程では絶対圧力10〜30kPaで30〜180分間、特に15〜25kPaで60〜90分間の条件で脱気し、第二工程では絶対圧力1〜10kPaで1〜15分間、特に1〜5kPaで1〜10分間の条件で脱気する。このように、真空の程度の低い第一工程で果物を軟質化させた後に、より真空度の高い第二工程を経ることにより、果物内に残存する酸素を完全に除去することが可能になり、酸化による果物の変色を防止することが可能になる。
尚、後述するように、本明細書においては、加工果物の圧縮試験における応力歪曲線における破断点応力が100kPa以下の場合に、高齢者等への用途に適した軟質化された加工果物と評価する。
[歯ごたえのあるテクスチュアを有する加工果物の脱気条件]
本発明において、歯ごたえのあるテクスチュアを有する加工果物を製造する場合には、脱気工程において、絶対圧力1〜10kPaで15〜90分間の条件、特に絶対圧力1〜5kPaで30〜90分間の条件で脱気する。
真空度が高い条件で脱気を行うことにより、果物の細胞壁が破壊されて細胞内の酵素が出ることにより、細胞壁中に含まれるペクチン等と反応して果肉が硬くなり、歯ごたえのあるテクスチュアを維持することが可能になる。
尚、後述するように、本明細書においては、加工果物の圧縮試験における応力歪曲線における破断点応力が150kPa以上の場合に、歯ごたえのあるテクスチュアを有する加工果物と評価する。
本発明において、歯ごたえのあるテクスチュアを有する加工果物を製造する場合には、脱気工程において、絶対圧力1〜10kPaで15〜90分間の条件、特に絶対圧力1〜5kPaで30〜90分間の条件で脱気する。
真空度が高い条件で脱気を行うことにより、果物の細胞壁が破壊されて細胞内の酵素が出ることにより、細胞壁中に含まれるペクチン等と反応して果肉が硬くなり、歯ごたえのあるテクスチュアを維持することが可能になる。
尚、後述するように、本明細書においては、加工果物の圧縮試験における応力歪曲線における破断点応力が150kPa以上の場合に、歯ごたえのあるテクスチュアを有する加工果物と評価する。
(C)果物内部に液体を導入する工程
脱気工程により果物内部に存在していた空気が除かれ、常圧に戻すことにより、液体中に浸漬されている果物の空隙には液体が導入される。
この工程は、減圧状態から常圧(大気圧)に戻すことにより行うことができるが、常圧になった状態で1分以上、特に1〜10分間液体中に果物を浸漬させておくことが好ましい。
脱気工程により果物内部に存在していた空気が除かれ、常圧に戻すことにより、液体中に浸漬されている果物の空隙には液体が導入される。
この工程は、減圧状態から常圧(大気圧)に戻すことにより行うことができるが、常圧になった状態で1分以上、特に1〜10分間液体中に果物を浸漬させておくことが好ましい。
(D)ブランチング工程
常圧に戻し、内部に液体が導入された果物にブランチング処理(加熱処理)を行う。ブランチング処理は、果物を加熱することにより、果物中の酵素を失活させ、酸化酵素による加工果物の変色(褐変)を防止することができる。
ブランチング処理は、従来公知の方法により行うことができるが、具体的には、液体中から取り出された内部に液体が導入された果物を、85〜95℃の湯中で5〜15時間加熱処理することにより行う。加熱終了後は、そのまま水中で放冷してもよいし、或いは水を使用して急冷することもできる。
常圧に戻し、内部に液体が導入された果物にブランチング処理(加熱処理)を行う。ブランチング処理は、果物を加熱することにより、果物中の酵素を失活させ、酸化酵素による加工果物の変色(褐変)を防止することができる。
ブランチング処理は、従来公知の方法により行うことができるが、具体的には、液体中から取り出された内部に液体が導入された果物を、85〜95℃の湯中で5〜15時間加熱処理することにより行う。加熱終了後は、そのまま水中で放冷してもよいし、或いは水を使用して急冷することもできる。
(E)その他の工程
ブランチング処理された果物は、所望の保存期間に応じて、そのまま冷凍保存或いは真空保存してもよいし、或いは保存性を向上させるために、砂糖、果糖、ブドウ糖等の糖類を直接まぶすか、又はこれらの糖類や酸味料等から成る水溶液(シロップ)に浸漬することが好ましい。
またこのような処理が施された加工果物は、そのまま冷凍保存、或いは缶等の容器詰にすることもできる。
冷凍保存する場合には、−20℃以下で急速冷凍することが好ましく、これにより風味やテクスチュアを損なうことなく、保存することができる。
また容器詰にする場合には、金属やガラスやプラスチックから成る容器、具体的には金属缶やガラス瓶、パウチやプラスチックカップに加工果物を上記シロップと一緒に充填して密封し、これを殺菌工程に賦することによって、長期保存することが可能になる。殺菌方法としては、これに限定されないが、90℃以上の湯浴中に25〜45分浸漬する方法や、90℃以上の湯によるシャワーをかける方法等を例示できる。
ブランチング処理された果物は、所望の保存期間に応じて、そのまま冷凍保存或いは真空保存してもよいし、或いは保存性を向上させるために、砂糖、果糖、ブドウ糖等の糖類を直接まぶすか、又はこれらの糖類や酸味料等から成る水溶液(シロップ)に浸漬することが好ましい。
またこのような処理が施された加工果物は、そのまま冷凍保存、或いは缶等の容器詰にすることもできる。
冷凍保存する場合には、−20℃以下で急速冷凍することが好ましく、これにより風味やテクスチュアを損なうことなく、保存することができる。
また容器詰にする場合には、金属やガラスやプラスチックから成る容器、具体的には金属缶やガラス瓶、パウチやプラスチックカップに加工果物を上記シロップと一緒に充填して密封し、これを殺菌工程に賦することによって、長期保存することが可能になる。殺菌方法としては、これに限定されないが、90℃以上の湯浴中に25〜45分浸漬する方法や、90℃以上の湯によるシャワーをかける方法等を例示できる。
(加工リンゴ)
前述したとおり、本発明の加工果物の製造方法は、種々の果物に対応することができるが、特に加工リンゴの製造に適している。
本発明の加工リンゴは、前述したとおり、色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下であるという特徴を有しており、一般に加工前のリンゴの色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−3.5〜−2.0であり、この値と比較しても変色が抑制されていることがわかる。また後述する実施例の結果を参照することにより明らかなように、本発明の製造方法において真空脱気工程を行わない以外は実施例1と同様の処理行った比較例1における加工リンゴの色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値は−0.87であり、本発明の加工リンゴは、褐変が防止されていることが明らかである。
尚、色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値は赤方向の値を示し、この値が大きいほど赤みが強いことを意味しており、本発明においては褐変の程度を示している。
前述したとおり、本発明の加工果物の製造方法は、種々の果物に対応することができるが、特に加工リンゴの製造に適している。
本発明の加工リンゴは、前述したとおり、色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下であるという特徴を有しており、一般に加工前のリンゴの色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−3.5〜−2.0であり、この値と比較しても変色が抑制されていることがわかる。また後述する実施例の結果を参照することにより明らかなように、本発明の製造方法において真空脱気工程を行わない以外は実施例1と同様の処理行った比較例1における加工リンゴの色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値は−0.87であり、本発明の加工リンゴは、褐変が防止されていることが明らかである。
尚、色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値は赤方向の値を示し、この値が大きいほど赤みが強いことを意味しており、本発明においては褐変の程度を示している。
また本発明の加工リンゴは、前述したとおり、圧縮試験における応力歪曲線において、100kPa以下の破断点応力を有し、20%歪における応力が40kPa以下と、軟質化されている。
上記破断点応力は、加工リンゴを噛み潰すのに必要な圧縮応力であり、上記20%歪における応力が低いということは噛み始めの歯ごたえを表すものであり、上記範囲の値であることにより、十分に軟質化されている。
図1は、後述する実施例1及び実施例3で得られた加工リンゴの圧縮試験における応力歪曲線であり、これらの応力歪曲線を対比することから明らかなように、実施例1により得られた軟質化された加工リンゴは、噛み始めから噛み潰すまでの間に要する力が小さい。これに対して実施例3により得られた加工リンゴは、応力歪曲線の立ち上がりが大きく、噛み始めから力を要し、噛み潰すまでに必要とされる力も大きく、歯ごたえのあるテクスチュアを有している。
また脱気条件を変更することにより、応力歪曲線の立ち上がり(傾斜)を大きく或いは小さくなるように調整して噛み始めの歯ごたえを調整すると共に、破断点応力の大きさを調整して加工果物の硬さ(柔らかさ)を調整することができ、種々のテクスチュアの加工果物を製造することができる。
上記破断点応力は、加工リンゴを噛み潰すのに必要な圧縮応力であり、上記20%歪における応力が低いということは噛み始めの歯ごたえを表すものであり、上記範囲の値であることにより、十分に軟質化されている。
図1は、後述する実施例1及び実施例3で得られた加工リンゴの圧縮試験における応力歪曲線であり、これらの応力歪曲線を対比することから明らかなように、実施例1により得られた軟質化された加工リンゴは、噛み始めから噛み潰すまでの間に要する力が小さい。これに対して実施例3により得られた加工リンゴは、応力歪曲線の立ち上がりが大きく、噛み始めから力を要し、噛み潰すまでに必要とされる力も大きく、歯ごたえのあるテクスチュアを有している。
また脱気条件を変更することにより、応力歪曲線の立ち上がり(傾斜)を大きく或いは小さくなるように調整して噛み始めの歯ごたえを調整すると共に、破断点応力の大きさを調整して加工果物の硬さ(柔らかさ)を調整することができ、種々のテクスチュアの加工果物を製造することができる。
更に本発明の加工リンゴは、加工リンゴの芯と垂直な横断面における果肉組織の配向が、該果肉組織のCT画像のフーリエ画像解析により求めた配向強度が1.00〜1.25の範囲にある。
すなわち、後述する実施例1及び実施例3のCT画像を対比することから明らかなように、実施例1の軟質化された加工リンゴは、果肉組織の配向の程度が小さく、実施例3の歯ごたえのあるテクスチュアを有する加工リンゴは、リンゴの果肉組織の配向程度が大きい。軟質化した加工リンゴは、リンゴの果肉組織の配向がランダムであることから歯ごたえが少なく、容易にかみつぶすことができる。一方、歯ごたえのある加工リンゴは、リンゴの果肉組織が一方向に配向した構造を作っており、その構造が噛み始め及び噛み砕く際の強度の原因と考えられる。
尚、本発明者等は、かかる加工リンゴの配向強度を、江前等による「NONDESTRUCTIVE DETERMINATION OF FIBER ORIENTATION DISTRIBUTION OF PAPER SURFACE BY IMAGE ANALYSIS」(Nordic Pulp and Paper Research Journal、21(2)、253−259(2006))に記載の方法で求めた。
すなわち、上記文献記載の紙の繊維配向をフーリエ画像解析により求める手法を応用し、図2及び図3に示すように、加工リンゴのCT画像(A)の2値化像(B)を作成し、この2値化像をフーリエ変換してパワースペクトル(C)を作成し、このパワースペクトルにおける中心角0〜180度について放射状に各点の振幅(パワーの平方根)の平均値を計算して、平均振幅の角度分布図(D太線)を作成し、この図(D)から近似して形成した楕円(D細線)の長軸/短軸比を配向強度とした。
すなわち、後述する実施例1及び実施例3のCT画像を対比することから明らかなように、実施例1の軟質化された加工リンゴは、果肉組織の配向の程度が小さく、実施例3の歯ごたえのあるテクスチュアを有する加工リンゴは、リンゴの果肉組織の配向程度が大きい。軟質化した加工リンゴは、リンゴの果肉組織の配向がランダムであることから歯ごたえが少なく、容易にかみつぶすことができる。一方、歯ごたえのある加工リンゴは、リンゴの果肉組織が一方向に配向した構造を作っており、その構造が噛み始め及び噛み砕く際の強度の原因と考えられる。
尚、本発明者等は、かかる加工リンゴの配向強度を、江前等による「NONDESTRUCTIVE DETERMINATION OF FIBER ORIENTATION DISTRIBUTION OF PAPER SURFACE BY IMAGE ANALYSIS」(Nordic Pulp and Paper Research Journal、21(2)、253−259(2006))に記載の方法で求めた。
すなわち、上記文献記載の紙の繊維配向をフーリエ画像解析により求める手法を応用し、図2及び図3に示すように、加工リンゴのCT画像(A)の2値化像(B)を作成し、この2値化像をフーリエ変換してパワースペクトル(C)を作成し、このパワースペクトルにおける中心角0〜180度について放射状に各点の振幅(パワーの平方根)の平均値を計算して、平均振幅の角度分布図(D太線)を作成し、この図(D)から近似して形成した楕円(D細線)の長軸/短軸比を配向強度とした。
(軟化リンゴ容器詰)
本発明の軟化リンゴ容器詰は、上記本発明の加工リンゴを、前述した糖類及び酸味料などから成る水溶液(シロップ)と共に、前述した通り、金属缶やガラス瓶容器、パウチやプラスチックカップ等に充填密封した後、殺菌して成るものである。
本発明の軟化リンゴ容器詰は、上記本発明の加工リンゴを、前述した糖類及び酸味料などから成る水溶液(シロップ)と共に、前述した通り、金属缶やガラス瓶容器、パウチやプラスチックカップ等に充填密封した後、殺菌して成るものである。
[実施例1〜4、比較例1〜2]
剥皮・除芯したリンゴを8分割して水に浸漬し、これを真空チャンバーに入れ、表1記載の圧力、時間で脱気処理を施した。脱気処理後、水から取り出したリンゴを90℃のお湯に浸漬し、90℃、5分間でブランチング処理した。その後流水中で室温まで冷却し、冷却したリンゴを酸味料と砂糖を含む注液とともに缶に充填した。密封後95℃〜100℃で30分加熱殺菌し評価用試料とした。
尚、実施例2の脱気処理は、まず20kPa、90分で行い、次いで5kPa、1分で処理することを表す。比較例1は脱気処理を行わないことを表す。
調整したリンゴの圧縮試験、食感評価、変色評価、CT観察による配向強度評価を行った。結果を表1に示す。
剥皮・除芯したリンゴを8分割して水に浸漬し、これを真空チャンバーに入れ、表1記載の圧力、時間で脱気処理を施した。脱気処理後、水から取り出したリンゴを90℃のお湯に浸漬し、90℃、5分間でブランチング処理した。その後流水中で室温まで冷却し、冷却したリンゴを酸味料と砂糖を含む注液とともに缶に充填した。密封後95℃〜100℃で30分加熱殺菌し評価用試料とした。
尚、実施例2の脱気処理は、まず20kPa、90分で行い、次いで5kPa、1分で処理することを表す。比較例1は脱気処理を行わないことを表す。
調整したリンゴの圧縮試験、食感評価、変色評価、CT観察による配向強度評価を行った。結果を表1に示す。
[圧縮試験]
リンゴを芯と垂直の横断面方向に厚さ10mmに切断し、この切断面を、直径5mmの円柱プランジャを装着した(株)山電製RHEONERIIを用い破断強度測定モードにて室温で測定した。
測定条件は、ロードセル20N(最高感度20N)に設定し、0.5mm/秒の圧縮速度で圧縮率0.9まで圧縮させそのときの応力歪曲線を求めた。
求めた応力歪曲線から、噛み始めの食感に対応する値としての弾性率を、歪20%の時の応力として求めた。さらに、噛み砕くときの食感に対応する値として、果肉組織が破断する際の破断点の応力を求めた。
サンプル数4で測定し、表1にはその平均値を記載した。
リンゴを芯と垂直の横断面方向に厚さ10mmに切断し、この切断面を、直径5mmの円柱プランジャを装着した(株)山電製RHEONERIIを用い破断強度測定モードにて室温で測定した。
測定条件は、ロードセル20N(最高感度20N)に設定し、0.5mm/秒の圧縮速度で圧縮率0.9まで圧縮させそのときの応力歪曲線を求めた。
求めた応力歪曲線から、噛み始めの食感に対応する値としての弾性率を、歪20%の時の応力として求めた。さらに、噛み砕くときの食感に対応する値として、果肉組織が破断する際の破断点の応力を求めた。
サンプル数4で測定し、表1にはその平均値を記載した。
[食感評価]
圧縮試験と同様にカットしたリンゴを食し、噛んだときの食感を評価した。
評価として、リンゴが硬いか柔らかいかは、噛み砕くために要した歯ぐきの力が強いかどうかで判断した。弾性的な評価は、リンゴを噛み始めるときに強い力を要した場合は歯ごたえがあると評価し、噛み始めにさほど力を要さない場合は歯ごたえがないと評価した。
圧縮試験と同様にカットしたリンゴを食し、噛んだときの食感を評価した。
評価として、リンゴが硬いか柔らかいかは、噛み砕くために要した歯ぐきの力が強いかどうかで判断した。弾性的な評価は、リンゴを噛み始めるときに強い力を要した場合は歯ごたえがあると評価し、噛み始めにさほど力を要さない場合は歯ごたえがないと評価した。
[変色評価]
リンゴの色調は、日本電色工業(株)製分光色差計SPECTROPHOTOMETER SE6000を用い、リンゴ表面の色をC2光源、反射光にて評価し、L*a*b*表色系として表示した。
サンプル数3で測定し、表1にはその平均値を記載した。
リンゴの色調は、日本電色工業(株)製分光色差計SPECTROPHOTOMETER SE6000を用い、リンゴ表面の色をC2光源、反射光にて評価し、L*a*b*表色系として表示した。
サンプル数3で測定し、表1にはその平均値を記載した。
[CT観察]
水煮リンゴ果肉を芯と垂直の横断面方向に厚さ5mmに切断し、リンゴを凍結乾燥した。三次元計測X線CT装置TDM1000−IW/Sを用い、リンゴ乾燥試料の三次元的な組織の観察をした。リンゴ組織の配向評価は、上記横断面方向におけるCT画像を用いた。
水煮リンゴ果肉を芯と垂直の横断面方向に厚さ5mmに切断し、リンゴを凍結乾燥した。三次元計測X線CT装置TDM1000−IW/Sを用い、リンゴ乾燥試料の三次元的な組織の観察をした。リンゴ組織の配向評価は、上記横断面方向におけるCT画像を用いた。
[配向評価]
前述した、江前等による論文記載の方法で配向強度を求めた。即ち、CT観察で得られた画像を2値化し、その2次元フーリエ変換を行いパワースペクトルを得る。得られたパワースペクトルから平均振幅の角度分布を求め、その楕円近似を行う。配向強度は近似した楕円の長軸/短軸比として求めた。
前述した、江前等による論文記載の方法で配向強度を求めた。即ち、CT観察で得られた画像を2値化し、その2次元フーリエ変換を行いパワースペクトルを得る。得られたパワースペクトルから平均振幅の角度分布を求め、その楕円近似を行う。配向強度は近似した楕円の長軸/短軸比として求めた。
本発明の加工果物の製造方法においては、加工果物のテクスチュア及び褐変を制御することが可能であることから、加工果物に対して硬いテクスチュアを要する菓子材料や、缶詰用フルーツ等、或いは加工果物に対して柔らかいテクスチュアを要する高齢者及び咀嚼嚥下困難者用の食品等に利用することができる。
Claims (10)
- 果物の剥皮及び除芯並びに切断を行う前処理工程、
該前処理された果物を、液体中に浸漬した状態で絶対圧力30kPa以下の条件下で1〜180分間減圧脱気する脱気工程、
脱気工程後、常圧に戻すことにより果物内部に液体を導入する工程、
該液体が導入された果物を加熱処理するブランチング工程、
を含むことを特徴とする加工果物の製造方法。 - 前記脱気工程において、絶対圧力10〜30kPaの条件下で30〜180分間脱気することにより、得られる加工果物が、圧縮試験における応力歪曲線において100kPa以下の破断点応力を有する請求項1記載の方法。
- 前記脱気工程において、絶対圧力1〜10kPaの条件下で15〜90分間脱気することにより、得られる加工果物が、圧縮試験における応力歪曲線において150kPa以上の破断点応力を有する請求項1記載の方法。
- 前記脱気工程が、絶対圧力10〜30kPaの条件下で30〜180分間脱気する第一脱気工程、及び絶対圧力1〜10kPaの条件下で1〜15分間脱気する第二脱気工程から成り、得られる加工果物が、圧縮試験における応力歪曲線において100kPa以下の破断点応力を有する請求項1記載の方法。
- 前記果物がリンゴである請求項1〜4の何れかに記載の方法。
- 前記加工果物の色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下である請求項5記載の方法。
- 圧縮試験における応力歪曲線において、100kPa以下の破断点応力を有し、20%歪における応力が40kPa以下であることを特徴とする加工リンゴ。
- 色彩色差計によるL*a*b*表色系でのa*値が−1.5以下である請求項7記載の加工リンゴ。
- 前記加工リンゴの芯と垂直な横断面における果肉組織の配向が、該果肉組織のCT画像のフーリエ画像解析により求めた配向強度として1.00〜1.25である請求項7又は8記載の加工リンゴ。
- 請求項7〜9の何れかに記載の加工リンゴが容器に充填密閉されて成ることを特徴とする軟化リンゴ容器詰。
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---|---|---|---|
JP2015216313A JP2017085912A (ja) | 2015-11-04 | 2015-11-04 | 加工果物の製造方法及び加工リンゴ |
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---|---|---|---|---|
JP2019007862A (ja) * | 2017-06-26 | 2019-01-17 | 株式会社明治 | 冷凍野菜の解凍後の品質を評価する方法 |
JP2019195306A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 長谷川香料株式会社 | バラ科果実の冷凍品の製造方法 |
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-
2015
- 2015-11-04 JP JP2015216313A patent/JP2017085912A/ja active Pending
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