JP2017082819A - トルク変動抑制装置、トルクコンバータ、及び動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
Description
トルクコンバータ1は、フロントカバー2と、トルクコンバータ本体3と、ロックアップ装置4と、出力ハブ5と、を有している。フロントカバー2にはエンジンからトルクが入力される。トルクコンバータ本体3は、フロントカバー2に連結されたインペラ7と、タービン8と、ステータ(図示せず)と、を有している。タービン8は出力ハブ5に連結されており、出力ハブ5の内周部には、トランスミッションの入力軸(図示せず)がスプラインによって係合可能である。
ロックアップ装置4は、クラッチ部や、油圧によって作動するピストン等を有し、ロックアップオン状態と、ロックアップオフ状態と、を取り得る。ロックアップオン状態では、フロントカバー2に入力されたトルクは、トルクコンバータ本体3を介さずに、ロックアップ装置4を介して出力ハブ5に伝達される。一方、ロックアップオフ状態では、フロントカバー2に入力されたトルクは、トルクコンバータ本体3を介して出力ハブ5に伝達される。
図2Aは、出力側回転体12及びトルク変動抑制装置14の正面図である。図2Aに示すように、トルク変動抑制装置14は、イナーシャリング20と、4個の遠心子21と、4個のカム機構22と、4個のコイルスプリング23と、を有している。それぞれ4個の遠心子21、カム機構22、及びコイルスプリング23は、円周方向に90°の等間隔で配置されている。なお、後述するように、カム機構22はカムフォロア25とカム26とによって構成されているが、4個のカムフォロア25に対して、カム26は合計8ヶ所に等角度間隔で形成されている。
図3及び図4を用いて、カム機構22の作動(トルク変動の抑制)について説明する。ロックアップオン時には、フロントカバー2に伝達されたトルクは、入力側回転体11及びダンパ13を介して出力側回転体12に伝達される。
図6は、トルク変動抑制特性の一例を示す図である。横軸は回転数、縦軸はトルク変動(回転速度変動)である。特性Q1はトルク変動を抑制するための装置が設けられていない場合、特性Q2は従来のダイナミックダンパ装置が設けられた場合、特性Q3は本実施形態のトルク変動抑制装置14が設けられた場合を示している。
(変形例1)
図7に示す実施形態では、遠心子21と凹部12aの側面(円周方向の端面)との間に、ベアリングや、ローラ、樹脂レース、シート等の摩擦低減部材30が配置されている。このような摩擦低減部材30を配置することによって、遠心子21が移動する際に、よりスムーズに移動することができる。
図8に示す実施形態では、遠心子及びイナーシャリングの形状が前記実施形態と異なっている。すなわち、遠心子31の外周面31aは、内周側に凹む円弧状に形成されている。この外周面31aがカムとして機能している。一方、イナーシャリング40の内周面には、カムフォロアとしてのコロ25を収容するコロ収容部40aが形成されている。そして、コロ25がカムとしての外周面31aに当接している。
図9は、カム機構のカムフォロアを遠心子と一体で形成した例を示している。すなわち、遠心子41の外周面には、外周側に突出する半円形状の突起41aが形成されている。この突起41aがカムフォロアとして機能し、イナーシャリング20に形成されたカム26に接触して、前記実施形態と同様の作動をする。
図10は、イナーシャリング側に遠心子が配置され、出力側回転体の内周面にカム機構が配置された例である。イナーシャリング50の内周面には、矩形の凹部50aが形成されており、この凹部50aに遠心子51が径方向に移動自在に配置されている。また、遠心子51と凹部50aの底面との間には、遠心子51を外周側に引き込む引張バネ53が設けられている。
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
以上のようなトルク変動抑制装置を、トルクコンバータや他の動力伝達装置に適用する場合、種々の配置が可能である。以下に、トルクコンバータや他の動力伝達装置の模式図を利用して、具体的な適用例について説明する。
12,57,60 出力側回転体
14 トルク変動抑制装置
20,40,50,61 イナーシャリング(質量体)
21,31,41,51,78,88,95 遠心子
22,32,74,85,94 カム機構
23 コイルスプリング(付勢部材)
25 コロ
26,31a カム
30 スラスト部材
65 イナーシャ体
66 保持リング
71 入力側回転体
72 出力側回転体
73,75,83,86 ダンパ
76,87 中間部材
77 フロート部材
80 フライホイール
81,91 第1慣性体
82 第2慣性体
84,92 クラッチ装置
Claims (22)
- トルクが入力される回転体のトルク変動を抑制するためのトルク変動抑制装置であって、
前記回転体とともに回転可能であり、かつ前記回転体に対して相対回転自在に配置された質量体と、
前記回転体及び前記質量体の回転による遠心力を受けるように配置された遠心子と、
前記遠心子に作用する遠心力を受けて、前記回転体と前記質量体との間に回転方向における相対変位が生じたときには、前記遠心力を、前記相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換するとともに、前記回転体に所定の大きさ以上のトルク変動が入力されたときには、前記回転体に対して前記質量体を自由に回転させる、カム機構と、
を備えたトルク変動抑制装置。 - 前記カム機構は、
前記トルク変動が所定の変動値以下の場合は、前記遠心力を、前記相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換し、
前記トルク変動が前記所定の変動値を超える場合は、前記質量体を前記回転体に対して自由に回転させる、
請求項1に記載のトルク変動抑制装置。 - 前記カム機構は、前記トルク変動が前記所定の変動値より小さい場合は、前記回転体と前記質量体とを同期して回転させる、請求項2に記載のトルク変動抑制装置。
- 前記質量体は前記回転体の外周又は内周に配置されている、請求項1から3のいずれかに記載のトルク変動抑制装置。
- 内周側に配置された前記回転体又は質量体は、外周面に凹部を有し、
前記遠心子は前記凹部に径方向移動自在に収容されている、
請求項4に記載のトルク変動抑制装置。 - 前記遠心子と前記回転体又は質量体の凹部との間の摩擦係数は0.1以下である、請求項5に記載のトルク変動抑制装置。
- 前記遠心子が移動する方向の前記遠心子の側面と前記回転体又は質量体の凹部との間には、前記遠心子が移動する際の摩擦を低減するための摩擦低減部材が配置されている、請求項5又は6に記載のトルク変動抑制装置。
- 前記カム機構は、
前記遠心子に設けられたカムフォロアと、
外周側に配置された前記回転体又は前記質量体の内周面に形成され、前記カムフォロアが当接し前記回転体と前記質量体との間の回転方向における相対変位量に応じて前記円周方向力が変化するような形状を有するカムと、
を有する、
請求項5から7のいずれかに記載のトルク変動抑制装置。 - 前記凹部内に配置され、前記回転体及び前記質量体が回転していない状態で前記カムフォロアが前記カムに当接するように前記遠心子を径方向外方に付勢する付勢部材をさらに備えた、請求項8に記載のトルク変動抑制装置。
- 前記カムフォロアは前記遠心子の外周面に配置されたコロである、請求項8又は9に記載のトルク変動抑制装置。
- 前記カムフォロアは前記遠心子の外周面に、前記遠心子と一体で形成された突起部である、請求項8又は9に記載のトルク変動抑制装置。
- 前記カム機構は、
外周側に配置された前記回転体又は前記質量体の内周面に形成されたカムフォロアと、
外周面が前記カムフォロアに当接し、前記遠心子に設けられ、前記回転体と前記質量体との間の回転方向の相対変位量に応じて前記円周方向力が変化するような形状を有するカムと、
を有する、
請求項5から7のいずれかに記載のトルク変動抑制装置。 - 外周側に配置された前記回転体又は質量体は、内周面に凹部を有し、
前記遠心子は前記凹部に径方向移動自在に収容されており、
前記カム機構は、
前記遠心子に設けられたカムフォロアと、
内周側に配置された前記回転体又は前記質量体の内周面に形成され、前記カムフォロアが当接し前記回転体と前記質量体との間の回転方向の相対変位量に応じて前記円周方向力が変化するような形状を有するカムと、
を有する、
請求項4に記載のトルク変動抑制装置。 - エンジンとトランスミッションとの間に配置されるトルクコンバータであって、
前記エンジンからのトルクが入力される入力側回転体と、
前記トランスミッションにトルクを出力する出力側回転体と、
前記入力側回転体と前記タービンとの間に配置されたダンパと、
請求項1から13のいずれかに記載のトルク変動抑制装置と、
を備えたトルクコンバータ。 - 前記トルク変動抑制装置は前記入力側回転体に配置されている、請求項14に記載のトルクコンバータ。
- 前記トルク変動抑制装置は前記出力側回転体に配置されている、請求項14に記載のトルクコンバータ。
- 前記ダンパは、
前記入力側回転体からトルクが入力される第1ダンパと、
前記出力側回転体にトルクを出力する第2ダンパと、
前記第1ダンパと前記第2ダンパとの間に設けられた中間部材と、
を有し、
前記トルク変動抑制装置は前記中間部材に配置されている、
請求項14に記載のトルクコンバータ。 - 前記ダンパは複数のコイルスプリングを有し、
前記入力側回転体及び前記出力側回転体に対して相対回転自在であり、前記複数のコイルスプリングを支持するフロート部材をさらに備え、
前記トルク変動抑制装置は前記フロート部材に配置されている、
請求項14に記載のトルクコンバータ。 - 回転軸を中心に回転する第1慣性体と、前記回転軸を中心に回転し前記第1慣性体と相対回転自在な第2慣性体と、前記第1慣性体と前記第2慣性体との間に配置されたダンパと、を有するフライホイールと、
前記フライホイールの前記第2慣性体に設けられたクラッチ装置と、
請求項1から13のいずれかに記載のトルク変動抑制装置と、
を備えた動力伝達装置。 - 前記トルク変動抑制装置は前記第2慣性体に配置されている、請求項19に記載の動力伝達装置。
- 前記トルク変動抑制装置は前記第1慣性体に配置されている、請求項19に記載の動力伝達装置。
- 前記ダンパは、
前記第1慣性体からトルクが入力される第1ダンパと、
前記第2慣性体にトルクを出力する第2ダンパと、
前記第1ダンパと前記第2ダンパとの間に設けられた中間部材と、
を有し、
前記トルク変動抑制装置は前記中間部材に配置されている、
請求項19に記載の動力伝達装置。
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